
総合評価
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powered by ブクログすっきりしない。 デビュー作なので、あんまりとやかく言いたくないが、面白いとは言い難い。 サスペンスフルな展開ではあるが、ちょっと後半ファンタジーめいてきてグダグダになった感がある。 この作家さんの期待値が大きかっただけに残念。
0投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログある日、みんなの顔がのっぺらぼうに見えるという信じられないような少年とその少年の住む町で起きる事件を回想して綴られている作品。 昭和30年代頃の時代設定となっており、どこかノスタルジックな雰囲気を感じ取ることができるストーリや描写であった。 メフィスト賞受賞作品はほとんど読んだことがないのだが、噂通り普通じゃない作品だった。ホラー要素もありつつ、ミステリー要素もある、ジャンル分けが難しい作品だと感じた。20年間会っていない兄と再開した時にあんなに冷静にいられるのだろうか。20年も会っていなかったら、意外と冷静になれるものなのか。 最初の語り手の息子である人がのっぺらぼうに見えるという病?特性を持ってしまった彰くんのその先が気になるところであった。
12投稿日: 2024.06.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2003年。第29回。 ファンタジー。他人の顔がのっぺらぼうに見えるという息子。そんなんことが起きれば連絡しろ、と何十年も会っていない兄に言われたことを思い出し連絡。兄すぐ到着。 パルプ町に住んでいた兄のことも時代が語られる。そこで起きた連続殺人、タガイモノ、マレビト。 ふわっと読める。
0投稿日: 2022.04.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
小説の世界の中に引き込まれた。 なにが起こっているのか、敵は誰なのかがわからない怖さ、得体の知れないものへの気味悪さと恐ろしさ。 ノートの話は自分が小学生だったら信じちゃうよなーと思った。 パルプ町が本当にある町だと知って驚いた!
0投稿日: 2021.03.23
powered by ブクログ人の顔が分からなくなる。のっぺらぼうという表現で表されるが、それは超能力と抱き合わせで保有される。 ミステリーだが謎解きがあるわけでもない。昭和の時代を思い起こさせてくれる小説。
0投稿日: 2018.12.09
powered by ブクログ★2008年11月2日 80冊目読了 『空を見上げる古い歌を口ずさむ』 小路幸也 講談社文庫 評価A 面白かったです。決して奇をてらった訳でもなく、小学生当時我々の世代が知っているあの原風景を使いながら、解す者、稀人、違い者を登場させて物語りが最後まで進んでいきます。こんな感じのふんわりでもミステリーな作品を私は好きです。朱川氏の作風に似ているところがありますね。
0投稿日: 2018.09.02
powered by ブクログとある一族の小さな息子が、ある日、突然に周囲の人間の顔が「のっぺらぼう」になった、と。相貌失認の一種か。 父には、心当たりがあった。忽然と姿を消し、20年以上一度も会わなかった実兄が、その昔、周りに顔の見えなくなった人間がいたら知らせろ、と。 兄の過去の回想で、物語は進んで行く。 一人死に二人死に、突然死、自殺、事故死、自然死... ミステリー要素だが、回想を駆け回るのは小学生たちの夏休みなので、どこか一種冒険譚的な要素もある。 幼少期の不思議な、また非科学的な体験を思い出す。 小路幸也氏のデビュー作。 日本の昔話などに通じるところが窺える。 突然の通り魔や狂乱する人間。それは魔がさすのだと。あっち側の人、こっち側の人。 それは、ある種取り憑かれたのだと。 善悪二元論ではない。 小学生の児童図書になっても良さそう一冊でした。児童図書って往々にして、人間の根幹に迫るものが多いね。 ネットなんかで匿名の誹謗中傷なども、本書で描かれる「違い者」なんだろうなー。
0投稿日: 2018.01.27
powered by ブクログやっぱり優しさが溢れているお話だった。人の顔がのっぺらぼうに見えるってどんな感じなのだろう。いろいろ考えさせられる一冊。
0投稿日: 2017.04.06不思議な満足感
「みんなの顔がのっぺらぼうに見える」と言う息子を救うため凌一は兄に救いを求める。兄も20年前「のっぺらぼう」を見てしまう少年だった。20年ぶりに再会した兄が自分の少年時代を語るシーンが8割という構成で非常に読みやすい。ところがサクサク読んでいると突然ドカンと重い言葉にぶつかりページを戻って読み直す。ということを何度か繰り返した。不思議な雰囲気を持った作品でどことなく恩田陸さんの「常野物語」に似ている。 私達は良くも悪くも何か突出しているところのある人に出会うと波長が合うとか合わないとか表現することがある。 感受性の強さ故に周囲に影響を与えてしまうこともある。「みんなの顔がのっぺらぼうに見える」というのも言わんとするところは良くわかる。ジャンルとしてはファンタジーということなのだろう。北海道旭川市出身で江別市在住の作家さんということで興味を持った。「東京バンドワゴン」という別の人気シリーズがあるそうだがデビュー作のこの作品だけ作風が違っているとのこと。天邪鬼な私はそれならこれから読みましょうと思った次第。読み終わってみるとなんと表現していいのか分からない不思議な満足感である。
0投稿日: 2017.01.22
powered by ブクログ最近お気に入りの作家の本で3冊目だがだんだん作風がわかってきた。 この作品がデビュー作ということだがメフィスト賞をとっただけあって完成度の高い作品です 多少個性があるので人によって好みはわかれそうですが、私は大好きです。 作品も沢山あるようなのでこれから読んでいくのが非常に楽しみです。
0投稿日: 2016.09.25
powered by ブクログ人の顔がのっぺらぼうに見えるという話、子供の頃、私もそんなような経験があったから少しどきりとした。 表紙やタイトルから明るい、郷愁を感じるミステリーを想像していたので、まさかホラーのようなサイキックなような方向になるとは思わなくてちょっと頭がついていかなかった。 雰囲気は好きだけど、色々首を傾げざるえない場面が多かったような。
0投稿日: 2015.06.22
powered by ブクログ昔の風景の中にホラー要素が含まれていて、光の帝国を思い出すようなファンタジー要素もあり、本当に最後の法にネタあかしになるので結局どうしたらいいのかと、正直兄さんの話長すぎて最初に出てきたひとたちの存在を忘れるほどでした。しかも打開策なしで続くのか考えてしまいます。引き込まれることは引き込まれるんですがもやっとします。
0投稿日: 2015.04.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
恩田陸の「帝国」のような物語だな。と、最後のほうで思ったのは素直な感想で。前半は懐かしさもあるけれど、ちょっとたるいなと思ったのも素直な感想だ。カタカナの町で、パルプの町。で、思いついたのが北海道のあそこかそこか。で、よくよく見たら、北海道出身なのね。と。それはさておき。全体的に荒削りで青い印象。こなれていない分、真摯に何かを伝えよう。という気迫は感じられた。
0投稿日: 2014.11.16想像以上に感動しました
この街は北海道に実在するらしい。もちろん話は架空だけれど。空を見上げて口ずさむ古い歌といえば何だろう?やっぱりあれですね。単なるノスタルジックミステリーではなく深く寓意性に満ちた話でした。70年代に子供時代を生きた者としてはとても楽しめる一方、後半は世の中で変わっていってしまう人間の宿命や過酷さを痛感させる深い内容だと思います。デビュー作でこれだけ読ませるとはみごとです。この著者の力を感じました。もちろん私は「東京バンドワゴン」しか知りませんでした。
3投稿日: 2014.11.14
powered by ブクログ久しぶりの再読。 違い者(たがいもの)、解す者(げすもの)、稀人(まれびと)など、見かけは普通だがどこか常人とは異なる人々が共存している物語。ただ、解す者や稀人はともかく、昨今のニュースでも"違い者"と言いたいような犯罪は多くあるし、そう考えればごく普通の社会です。 やはり読んでいて、恩田さんの「常野物語」シリーズを思い出してしまいます。 小路さんのデビュー作。他に「高く遠く空へ歌ううた」も同じシリーズですが、それ以後は書いて無いようです。 もう少し、続きがあってもいいかな。 =================================== 09-049 2009/07/03 ☆☆☆☆ いきなりね「みんなの顔がのっぺらぼうに見える」です。何とも衝撃的な出だしです。 舞台は昭和40年頃の大製紙会社の社宅ですから、どこかバンドワゴンに繋がるノスタルジックな雰囲気があります。でも話の内容は恩田さんの「常野物語」に似ています。 私は主人公とほぼ同じ時代を過ごして来ましたし、元々「スラン」のような軽いミュータント物は大好きでしたから、結構楽しく読めました。もっとも「東京バンドワゴン」の印象が深かったので少々面食らってしまいましたが。 メフィスト賞受賞作と言うことで、ミステリーとして読んで期待を裏切られた人も多いようですが、良く出来たファンタジーだと思います。
0投稿日: 2014.11.12
powered by ブクログ沖縄で台風19号に足止めされており、チケットの確認をするために長蛇の列に並んだ。チケットを取っても、飛ばない可能性が有るので、何個かチケットを取っていたので、整理をしに(電話でも良かったのだが、全然繋がらず)本もこれしかもっておらず、数ページで「これ合わないな」と思うも、やることが無いので、仕方無く読み続ける。感想としては、気味悪く、意味も分からない。 息子がのっぺらぼうを見るようになり、何年も全く会わなくなっていた兄に連絡し、兄から昔起こったのっぺらぼうの話を聞く、少しホラーテイストの入った話。
0投稿日: 2014.10.13
powered by ブクログメフィスト賞受賞作。 「いつかおまえの周りで、誰かが「のっぺらぼう」を見るようになったら呼んでほしい」と言い残して姿を消した兄。20年後、息子が「みんなの顔がのっぺらぼうに見える」と言い出して、僕は兄と再会する。兄はむかし自分の周りで起こった事件について話し始めた… ほとんどが兄の回想で占められるこの話は、昭和30〜40年代の閉鎖的な町で起こった怪事件の真相なのだが、けっこうホラーな出来事なのに回想であるからか郷愁ただようほんわかしたムードに溢れている。 メフィスト賞だからミステリかと思いきや、それよりはファンタジーというか青春小説的な感じ。着地点は少々唐突だと思うが、当時少年だった兄の目から見たそこに至るまでの紆余曲折には引き込まれた。
0投稿日: 2014.10.10となりの人がのっぺらぼうにみえたら怖いな
ミステリーのような、ファンタジーのような。 70年代?のパルプ工場のある町で起こったちょっと怪奇で不思議な物語。 人が突然のっぺらぼうに見えるようになったら怖いな。 そう見えてる人がいるのかもしれない、なんて思ってドキドキ。 沢山人が殺されてしまうんだけど、優しい言葉のチョイスで重くならずに読めた。 語り口調の作品って好きだ。
3投稿日: 2014.02.27
powered by ブクログ想像していた内容と全く異なる、ホラー(?)だった。 ストーリーは面白かったが、どうして良いか分からない読後感。
0投稿日: 2014.02.18昔々、あるところ(北海道だけど)に、作家を目指す男が住んでおりました。
昔話をします。 第29回メフィスト賞受賞作にして、小路幸也のデビュー作でもある本作が世に出たのは2003年4月、そう、もうデビューから10年も経つんだ。それに先立つこと6年の1997年5月、当時わたしがやっていた本の感想を載せていたHPを見たよ、というメールを小路さんからもらい、それ以来メールのやりとりをしたり、何回か実際に会ったり、最近ではtwitterで絡んだり?しながらのつきあいも、こちらはもう16年になる。 当時から小路さんは作家志望で、「小説すばる」の新人賞に応募しては、最終候補までは残るけど結局受賞は逃す、ということが何度かあり、本人は「決定力不足のサッカー日本代表と呼んでくれ」などと自嘲していたけれど、もちろん内心はいろいろと思うところがあったんじゃないかな。周りの我々(わたしのHPを通じて知り合ったグループ。その中の一人に後の海猫沢めろん先生もいたけど、それはまた別のお話)は無責任に励ますことしか出来なかったけど、少しでもそれが励みになっていたのなら嬉しいな。 そんな小路さんがメフィスト賞を受賞してデビューする、という話を聞いて、当時の我々は少なからず驚いたものだった。もちろんミステリ好きなのは知ってはいたけれど、だってメフィスト賞だよ? 舞城王太郎に佐藤友哉に西尾維新だよ? いったいどんな作品なんだ、早く読みたいぜ、というわけで、待ちに待った発売日の仕事帰り、当時の職場があった渋谷中の書店を巡り「今日発売の、小路幸也の『空を見上げる古い歌を口ずさむ』という本はありませんか? 今度のメフィスト賞受賞作なんですけど」と書店員さんに片っ端から尋ねて回る、というミッションをこなして遂に手に入れたのだった(口コミって大事よね)。 さて、こうして手にした小路幸也のデビュー作『空を見上げる古い歌を口ずさむ』なのだが、わたしの感想を書くのは控えよう(をい)。だって、もう何年もデビューを待望していて、今度こそはいけるかも、あれ? いつの間にかあの話は立ち消えに? みたいなことがあった後でようやく手にしたデビュー作だったのだから、冷静な感想なんて書けるわけがないのだ。ただ一つだけ言えるのは、ここから全てが始まり、そして10年経った今もまだ続いているのは、とても幸せなことなんだろうな、と言うこと。そしてこの先の10年、20年も、その作品で楽しませてくれることを期待してるぜ、義兄弟。
1投稿日: 2013.12.14
powered by ブクログオッサンの一人語りが95%ぐらいを占める作品。少年時代の話なので共感出来る部分もある。子供が出来る事なんて高が知れてるので緊迫感は有ったと思う。 あれは誰?あの人とあの人の関係は何?あの人は何になった?とか謎は残る。色々想像をして余韻を味わえてる気もするから全部解消するのは野暮なんかな。ただ、続編が有ればありがたいと思う。
0投稿日: 2013.09.07
powered by ブクログ帯に青春小説、とあったけど、けっこうホラー色もあって怖いところも。のっぺらぼうに見える理由に、もっと精神的なものがあるのかなぁととおもっていたら、結構異世界モノだった。雰囲気はいい本なので、一気に読んだ。
0投稿日: 2013.09.01
powered by ブクログまずタイトルがヤバい。こういう切ないけれど美しいタイトルは大好きです。内容も古き良き日本という感じで哀愁がありつつも殺人事件が起こり続ける怖さが表裏一体で良い感じ。さすがメフィスト受賞作。
0投稿日: 2013.03.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
小路さんの作品2冊目。 1冊目はダウンタウンでした。 ダウンタウンを読みおえたとき、恩田陸さんの「夜のピクニック」と雰囲気というか空気感が似ているなあと感じました。 「空を見上げる」はその恩田さん絶賛とのことで手にとりましたが、青春小説のダウンタウンとはまた違う雰囲気で、だけど恩田さんと共通するものがあって、恩田陸好きとしては満足のいく一冊でした。 人の顔がのっぺらぼうに見える という設定と聞くと、なんだか滑稽に感じてしまいましたが、とてもうまくまとめてあります。 でもなんだかタイトルがしっくりこなかった。 作品の中での鍵ではあるのだけれど、鍵としてもタイトルとしてもちょっと弱い気がしたのです。 そこがちょっと残念でした。
0投稿日: 2012.12.31
powered by ブクログ小路幸也さんにはまっていて、まとめ買いした中の1冊。 デビュー作ということで、力入ってる感が。 あり得ないような話は苦手なんだけど、人物の弱さや存在感はリアルですんなり読めた。 でもなんか、悲しいし、なんも解決しないので⭐はみっつ。
0投稿日: 2012.11.21
powered by ブクログ息子が「のっぺらぼうが見える」と言い出したことで、実兄から話を聞く。その実兄の語りが大半。 少々読みにくいのだけれど、話としてはまあ面白い。 ノスタルジックな雰囲気。
0投稿日: 2012.10.18
powered by ブクログ完全に好みな作品! ツボを突かれた感じだった。 古き良き昭和の背景を描かせたら小路幸也の右に出るものはいないと思う。 その時代に生きた少年たちの不思議な出来事がメインで描かれている。 その中に本格的なミステリー要素を取り入れる文才はハンパないと思った。さすがメフィスト受賞作! 面白かったぁ タンカス山・イチャバ・ドグリバ・サクラバ・赤いノート・ボロ寮・・・ワクワクする用語がまだまだ出てきます。 これらが全て一つになる時事件の真相が明らかになる!
0投稿日: 2012.07.18
powered by ブクログみんなの顔が〈のっぺらぼう〉に見える――息子の彰が言ってる。妻の美佳からそう聞いた僕は思った。 「兄さんに、会わなきゃ」 というのも、20年前、兄の恭一が家族の元を離れる前に言った言葉を思い出したからだ。 「いつか、お前の周りで、誰かが〈のっぺらぼう〉を見るようになったら呼んでほしい」 という出だしからファンタジック臭がぷんぷんするお話ですが、話の流れとして最終的に〈のっぺらぼう〉が見えるという病気が治るということではないです。兄が昔自分たちの生まれ故郷である「パルプ町」で起こった数々の謎を独白形式で語っていくものです。 その謎とはなんなのか。要は、友達が行方不明になったり、人が殺されていくということです。最初にこうゆう謎が積み上がっていき、ゆっくりとクライマックスに向かう感じですね。不思議な世界観だと思いました。なんか、頭の中でイメージしていたのはセピア色の世界です。昔っぽい感じの。Always3丁目の夕日っぽい感じの。 話の中に出てくるキーワードをちょっとだけ紹介します。「違い者」、「解す者」、「稀人」の3つです。簡単に言うと、「違い者」は自分にとって都合の悪い者を排除する者、「解す者」は「違い者」を正気に返らせる特殊能力を持つ者、「稀人」は普通の人間の顔が〈のっぺらぼう〉に見えてしまう人のことです。こう見ると、「稀人」だけなんか弱そうじゃんって思うかもしれませんが、より強力な「違い者」を「視る」ことによって、「解す者」と一緒に魔を払うことができるちょっと凄い人なんですよ実は。で、「稀人」は「解す者」の顔が正常に見えるというところもポイントかもしれません。 こうゆうキーワードが出てくるのが最後の方なので、なんか「はぁ...」って感じになってしまった。少年ジャ○プに載りそうな話になってきたぞって思いながら。 解説に書いてあったことだけど。「〈違い者〉の〈違い〉とは、現代の通り魔的な犯罪に象徴される(以下省略)」とあるが、うーんそうなのか?じゃあ、「稀人」と「解す者」は何に対応するのよ?って解説にちょっと八つ当たりしてみたり。 ただ、本書のように少年たちが協力して真相に迫っていく話は読んでいておもしろいなあ。「少年探偵団」的なね。 あとは心温まるセリフが出てくるのもいいなあと思った。 「アサミとシホは女の子なんだ。ちゃんと家に帰さなきゃ」 やらしい場面じゃないですよ。シリアスな場面です。いいですよね。小学5年生にして女の子を守る男らしさが出ています。 「家族は、いっしょにいなきゃダメだ。たとえ違う場所に生きることになっても、死ぬまで家族なんだ」 20年間も姿を消していたお前が言うなよ恭一wwwというツッこみはさておき、じーんとくる言葉ですね。 他の作品のあらすじを見てみると、友情、家族などハートウォーミングな話が多そうです。僕はそうゆう話は好きなので、残念ながら今作は☆2にしちゃいましたけど、注目したい作家の一人ですね。
0投稿日: 2012.06.06
powered by ブクログ小路幸也は初読だったのだけど、やはり東京バンドワゴンを先に読めば良かったなと思った。第29回メフィスト賞受賞作。 妙に難しいし、敢えてそうしているのだとしても説明が少なくストレスだった。不思議感は出ているが若干の気持ち悪さもあり、その気持ち悪さもいい感じではなく中途半端感が否めないかなと思った。デビュー作だから荒削りなんだろう、と思いバンドワゴン読もうと決意表明。最後あたり結構淡々と進められたが、前半中盤の密度に比べ収まりがあっさりしているなと感じた。
0投稿日: 2012.05.25
powered by ブクログ「みんながのっぺらぼう」 お兄さんの話が終始メインで、冒頭に主人公の息子が同じ症状になってしまったことがなんの意味をもっていたのか・・・。
0投稿日: 2012.04.30
powered by ブクログこころがあたたまるメフィスト賞受賞作!とあったけど………。 正直なんか怖かった。気味が悪い話と言ったら失礼だけど、まさにそんな感じ。 世界観がよく分からない。 なぜ最後あんな展開になった??
0投稿日: 2012.03.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
購入者:吉田愛(2012.1.7) 自分で買っといて何なのですが、面白くなかったです。怖かった。 まず設定が色々と難しすぎる気がしました。 メフィスト賞受賞!っと大きく帯に書かれてましたが、わりと何でもありの賞らしく、ちょっと納得… 最後の結末は、「えっ!問題解決してないのに、いい話っぽくまとめてるけど大丈夫…?」と思ってしまいました。
0投稿日: 2012.01.09
powered by ブクログ行ったことも見たこともない光景なんだけど、懐かしい気持ちになった。うまいなあ~…場所の名前とか、行事とか、人の営みがいきいきと立ちのぼってくる。民俗学的風味も凄く効いている。 ただ、文章に「はず」が多くてちょっと目に付いた。それと、もうちょっと謎解きの部分にも詳細さ、それまでの状況を説明するような饒舌さが欲しいな~と思った。 例えはわかりやすかったんだけど、それまでが丁寧だっただけにもったいないような気がした。 でもなんだかんだいって大変面白かったです。
1投稿日: 2011.11.25
powered by ブクログ物語の始まりは、主人公の息子のせりふ。みんなの顔がのっぺらぼうに見える、誰が誰だか分からない、そう言います。主人公はかつて同じせりふを口にした自分の兄に連絡をとり、理由を聞くことにしました。読者もその理由を知ろうとしているのに、兄が語る子ども時代の思い出に引き込まれます。謎が謎を呼び、重層的な物語が展開しながら、ついに理由が明らかに。その理由を知ったとき、来し方を意識するとともに、行く先を見据える勇気をもらいました。地に足をつけて生きて行こう、そう思える作品です。
0投稿日: 2011.11.22
powered by ブクログ不思議な感じ。相貌失認から題材を得た作品なのだろうけど、こういう展開を思いつくなんて、作家さんってすごいw スカッと爽快な読後感の作品は納得!という感じで好きだけど、こういう余韻を含んだ終わり方の作品も、わかりきれない魅力が残って好き。
1投稿日: 2011.11.13
powered by ブクログ「みんなの顔がのっぺらぼうに見える」と言いはじめた息子。兄さんに会わなきゃ。姿を消す前、兄さんはもしそんな人が現れたら呼ぶようにと言っていた。そして兄が語るのっぺらぼうの謎とは。 個人的には「高く遠く空へ歌ううた」のほうが好きです。小路作品に共通するどこか懐かしい感じはここでも健在。ふわんとした雰囲気の物語です。
0投稿日: 2011.09.11
powered by ブクログ人の顔がのっぺらぼうに見えてしまう。一体なぜ?この本はその謎一つしかありません。 しかし、ものすごいリーダビリティ。やわらかい話し言葉でつづる奇妙な物語は謎解きへの渇望のみならず、古き日本の情景を読む人の心に浮かばせる。登場人物たちも現実にひょっこり現れてもおかしくないようなやつらばかり。 オチはともかくとして、こういったノスタルジックな小説は好きです。謎解きよりも空気を楽しむ小説だと思います。ちなみに謎は絶対解けないでしょう。 あとメフィスト賞受賞作は第一回の『すべてがFになる』の影響か、物語の最後で最強キャラがでてくる傾向がありますね。まあいいですけれども。
0投稿日: 2011.06.28
powered by ブクログ『東京バンドワゴン』の作者のデビュー作ということで読んでみた。若い世代ならすんなりと受け入れるのか。年配の読者にはどうだろう。ちょっと厳しい。そんな作品だった。どのジャンルに入るか。ジャンル分けが難しい。あえていうなら、ファンタジー。しかし、ファンタジーにしては殺人が多すぎる。それではミステリか。でもミステリにしては謎の収束をみない。この作品はメフィスト賞受賞作だという。この賞はミステリ系の賞ではなかったか。それならば、やはりこの作品はミステリなのか。そんなことを考えていたら、解説にメフィスト賞についての説明があった。この賞は、<講談社ノベルス>ブランドを扱う文芸編集部が「究極のエンターテインメントを求む!」と大胆に銘打ち募集している新人賞で、年3回刊行される「メフィスト」(小説現代増刊号)誌上での編集会議によって――いや、じつのところ一人の編集者がゾッコン惚れ込んでしまえば――受賞作に決まるという異色の賞レースだそうだ。募集ジャンルは問われていないが、当の「メフィスト」誌がいわゆる新本格ミステリーの牙城めいた性格から出発した小説誌であっただけに、やはりミステリー畑の新人賞というイメージは存外強い、とある。この説明からすると、この作品はまさに一人の編集者がゾッコン惚れ込んだ作品に当たるのかもしれない。はじめに、この作品は若者向きとかいたが、受賞作決定権を持つ編集者といえばそれなりの年齢だろう。そういえば、物語の舞台は1970年代の北の企業城下町だ。その町の描写が、その時代を過ごした世代には懐かしいということはあるだろう。連合赤軍の事件や、ボウリングブーム、札幌オリンピック、それから横井さんがグアムで発見されて、猪木が新必殺技「アントニオスペシャル卍がため」を誕生させ、仮面ライダー1号2号が跳んでいた。家庭ではガスの点火に徳用マッチを使っていたり、風邪をひいた子供のお尻に医者は必ず注射した。そんな当時の様子があっちこっちに出てくるのだから。ちなみに、物語の語り手である恭一は1963年生まれなのである。少なくとも、この作品が現代を風刺しているのは確かだ。その風刺表現として、ファンタジーのようなミステリのようなノスタルジックな物語の形をとっているのはわかるのだが。語り手と同じ世代、つまり1960年頃に生まれた読者に、この作品は受け入れられるだろうか。私はちょっとキツイかなと思うのだが……。良い評価を与えている方はやはり若い世代ではないだろうか。いずれにせよ、『東京バンドワゴン』と同じ面白さを期待するならやめたほうがいい。
0投稿日: 2011.06.12
powered by ブクログとりあえずタイトルがステキ。 ストーリーは、「みんなの顔がのっぺらぼうに見える」という 少し変わった設定からはじまり、 謎を含んだミステリーで引き込まれる。 語り口や雰囲気は好きな作品だけど、 ラストの謎(?)を知ると「えー・・」という感想。 伝えたいことはわかる気がするのだけど、 この小説にはもっとしっくりくる展開があってほしかった。
0投稿日: 2011.06.03
powered by ブクログ懐かしい昭和の風景がひろがっている中で展開される不思議な話。 ラストに謎が解けてくると展開がすごく早くなりそれまではなんとなくだらだらと進んでいたのが嘘のようでした。
0投稿日: 2011.04.17
powered by ブクログ昭和の懐かしさが読んでいて心地よい。みんなの顔がのっぺらぼうに見えるという深刻な状況と、比喩的表現ではあるが人間の善悪を語っているにもかかわらず、危機感や恐怖は襲ってこない不思議なストーリー。
0投稿日: 2011.04.02
powered by ブクログなんて綺麗なタイトル、って思って購入。 買って正解でした。 読み始めて一気にその世界に引き込まれます。 小路さんの文は、特に地の文の語り口が流れるようで心地よいです。 読みやすい。それでいてリアルです。 さも自分の目の前で物語が繰り広げられているかのように伝わってくる。 最後の最後に、たぶん小路さんが暗示したかったであろう、ものすごい比喩が感じ取れて、いろんな人に読んでもらいたいと思いました。 ただのミステリーじゃないので。 でもまだ作品を消化しきれてないので、もう一回読もうかなと。読めば読むほど味が出てきそう。 東京バンドワゴンとは毛色が違って、でも小路さんの作風が滲み出ているとおもう。
0投稿日: 2011.03.20
powered by ブクログメフィスト賞受賞作 個人的に、メフィスト賞受賞作は面白い!と壁投げの振り幅大きすぎる でも気になる設定 「東京バンドワゴン」では「そんな楽しくも無いしきれいじゃないよ、大家族同居」と思いましたがね こっちは読んでみたいなぁ
0投稿日: 2010.11.06
powered by ブクログ小路さんと同じ地元出身ということで読ませて頂きました。作品中に出てくるパルプ町が地元にあるのでリアリティを感じられました。また初めの「人の顔がのっぺらぼうに見える」という文章に心惹かれ、サクッと読み終えられたと思います
0投稿日: 2010.11.03
powered by ブクログメフィスト賞受賞作。 初めて読んだ作家さん。 ファンタジーですね。ラストがあっけない気がしました。でも他の作品も読んでみたくなった。
0投稿日: 2010.08.01
powered by ブクログ小路さんの初めて読んだ本。 独特の物語の進め方が面白くて読みました。 ちょっとSFというかファンタジーっぽい。 でも昭和のノスタルジーが良いのである。
0投稿日: 2010.02.01
powered by ブクログメフィスト賞ってことでまあ予測はしてないでもなかったけれど。これはミステリと言ってしまっていいのかしら? 事件はばんばん起こるし、道具立てはかなりミステリなんだけれど、そういう解決を期待して読むと痛い目にあう。オチが何の前振りもなく、ちょっと唐突過ぎたかも。 でも作品世界は好き。私の世代とは少しずれているので共感はしにくいのだけれど、ノスタルジックな雰囲気はけっこう良いな。タイトルにもかなり惹かれたし。
0投稿日: 2010.01.14
powered by ブクログ懐かしい。 この本を読みながら思うのは、ただその一言に尽きる。 昔、子ども時代を語り進めていく中では、子どものころに感じたことも大人になった今感じたことも語られる。 登場人物と読者では、当然ながら全く違う子ども時代を過ごしている。 しかし、読みながら子ども時代の空気を語り部と共に感じ、その物語の中に引き込まれる、そんな魅力がある。 また、ミステリとしての魅力もある。子ども達が一生懸命頭を捻るときは読者までもが、犯人はあの人かもしれないと推理し、行動する時には大人には内緒というドキドキ感がたまらない。
0投稿日: 2008.08.04
powered by ブクログ小説の内容よりも、地元ネタを追いかけてしまう、悪い読者です…(汗)ノスタルジックなSF小説?という感じ。救われないけど、ちょっと暖かくなる感じ。意外なドキドキ感あります。2008.8.2読了
0投稿日: 2008.08.04
powered by ブクログみんなの顔がのっぺらぼうに見えてしまうようになった少年が経験するひと夏の冒険譚。 初め文体に慣れず、のめり込むまで時間が掛かりました。しかし、読み進むにつれ「お」「おおっ」「ほほう」とページを繰る手が早くなりました。思っていたのと全く違う展開が待っていたのには驚きました。 ある種児童文学的なテイストを持っているのですが、主人公が大人になってから語り聞かせるという手法をとった為、一味違うノスタルジィが生まれてました。
0投稿日: 2008.06.24
powered by ブクログ小路氏の作品は未だ数冊しか読んでいないが、それらとは異質な作品だ。暖かさや柔らかさはあるが、同じだけ、冷たさや堅さも感じた。他の作品と異なる最も大きな点は、透明感が無いって事かな?限りなく朱川作品に近いと感じたが、そこまでの振動は伝わって来なかった。ファンタジーとしても、ホラーとしても、もちろんノスタルジーも、もう一つ物足りなさを感じた。
0投稿日: 2008.05.23
powered by ブクログタイトルだけで読みだした本。タイトルって大事なんだなー。メルヘンというかファンタジーというか。ライトノベルって言うんですかね。
0投稿日: 2007.06.18
powered by ブクログホラーでもないし、SFでもないし、不思議な味わいの作品。昭和40〜50年代に子ども時代を過ごした者には懐かしい描写がいっぱい。
0投稿日: 2007.06.17
powered by ブクログ不気味で不思議でわくわくする内容、夢中で読んだ。久しぶりに本の残ページが少なくなるのを残念に思う本だった。昭和40年代くらいが舞台なのかな。私のような現代っ子で、ご近所付き合いも濃くない土地で育った人には、興味深く読める設定だった。東京バンドワゴンもよかったけど、個人的にはこちらの方が好き。
0投稿日: 2007.06.10
