
総合評価
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powered by ブクログ「白河夜船」は吉本ばななさんらしい感じがしたけど、「夜と夜の旅人」と「ある体験」は吉本ばななさんっぽくない感じを受けました。 とはいえ不思議な感じはやっぱり吉本ばななさんだなと思います。 私はたくさん寝たいけど、どれだけ眠っていたのかわからないくらい寝てしまうのはそれはそれでこわいものだなと思いました。2日とか経ってたらこわすぎる。
0投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログ救いの一冊。何も気持ちが起こらなくて、気づいたら寝てばかり。人生にはそうゆう時期もあるのだと、優しく肯定してもらえる。「今はそれで大丈夫。あなたはちゃんとやっていける。」そう言われているような、女性に向けたお守りのような作品。
0投稿日: 2025.10.25
powered by ブクログ吉本ばななだ〜ってかんじ。人をうしなうときの喪失感の表現が、押しつけがましくなくて、やさしくて、ちょっとあったかい感じがする。この人が書く、こういう悲しみの向き合い方に、いつか助けられるときが来るんだろうなと、読むたびに思っている気がする。夜の描写が多いけど、まさしく夜明けに近いのかなあと思う。
0投稿日: 2025.10.07
powered by ブクログ主人公がよく眠ってしまうという話だったのだけど、これを読んでいる期間中は読みながらまどろんでしまって電車の中でも構わずこんこんと眠ってしまった。よしもとばななさんに操られている気がして不思議な経験だった。
0投稿日: 2025.09.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
後に、毬絵は語った。 「自分の胃袋の中が真っ黒になったようだった。(中略)今までの芳裕の、悪い面だけが増幅して思い出されてきた。そして時間がたつごとにその暗黒面が体中にゆっくり広がって、すべてを覆ってしまった、そういう気がした。そういう黒いものを、立てないくらいずっしりと引きずって、帰り道はもう夜だった。家に着いたら、電話を待ちながら眠るんだとそう思った。なにか理由があるはずだ、話さえできたらわかる、ただ、そう思った。」 待ったまま、封じ込められてしまった心について。 夜と夜の旅人のこの辺り、ずっと芝美からの視点で描かれているんだけどここは特に毬絵を見守る神の視点のように感じる。"待ったまま封じ込められてしまった心"という表現が美しくて忘れられない 三編に共通する、同性への友情なんかを超えたあたたかなそして切なさを孕む眼差しみたいなのが読んでいて胸にくる。寺子からしおり、芝美から毬絵とサラ、文から春へのこの確かに通じ合っていた部分があって何者も遮ることはできないみたいな、こういうのって同性同士でしか感じることはないと思うのだけどいちいちときめいてしまう
0投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログ静かで優しいお話。 私自身、眠っている時間が長いことをコンプレックスのように思っていたけれど、主人公と重ねて読んでいくうちに、少し肯定できるようになった。
0投稿日: 2025.07.29
powered by ブクログ淡い、ぼんやり、幻想。そんな言葉たちがぴったり。 身近な人を失くす悲しみを背負って生きていくことの苦しみを眠っている間は忘れられるのかな。
0投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
再読。だけどほとんど内容忘れていたので新鮮だった。 眠りにまつわる3篇の短編集。主人公はいずれも特別な人をなくしていて、深い眠りの彼岸と此岸のあわいみたいな場所でもう会うことのない人に再会する。 表題作が一番すきだったな。主人公が会った「会えないはずの人」になるほどなぁって思った。 吉本ばななさんてこれしか読んだことないけど柔らかな文体で書く人だな~。文体とテーマがマッチしてて読んでると眠くなった。3篇目の「なぜなんだろう、夜はゴムのように永く伸びて果てがなく甘い。そして朝は~嫌いだ」の一文、若い頃はこれがすごく好きだったことを思い出した(から手元に残っているんだと思う)。 みんな待ち合わせに家電話を使ってるから「昭和?」て思ったけど刊行は平成中期ぐらいだった。その頃まだ携帯も普及してないんだっけ…?わお。 ●あらすじ いつから私はひとりでいる時、こんなに眠るようになったのだろう──。植物状態の妻を持つ恋人との恋愛を続ける中で、最愛の親友しおりが死んだ。眠りはどんどん深く長くなり、うめられない淋しさが身にせまる。ぬけられない息苦しさを「夜」に投影し、生きて愛することのせつなさを、その歓びを描いた表題作「白河夜船」の他「夜と夜の旅人」「ある体験」の“眠り三部作”。定本決定版。 (新潮社HPより引用)
0投稿日: 2025.03.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
呪いにでもかけられたかのように眠り続けてしまう主人公。初読時、自分も自律神経の乱れから半日寝てしまうことがざらにあったので共感した。 先日再読した。そういう状況を過ぎて読んでみると、現実を生きることで再起しているところに非常にリアリティを感じた。生じてしまったずれを正すために必要なのは魔法でも劇的な出来事でもなく決まった時間に起きてきちんと食事を摂り身体を動かすことだ、ということを吉本さんは知っているんだなあ。何がテーマかと問われたら、喪失でも恋愛でもなく再生だと思う。 物語の中で起こる色々な変化が、ゆっくりとでも確実に、うねる波のように流れている感じが好き。また少し時間が経ったら読み直したい。
0投稿日: 2025.01.11
powered by ブクログなんだかお守りみたいな本だ。 眠ることって、自分の中の痛みを癒すための行為で、それが必要な時には気が済むまで眠ればいいのだと思う。 眠りすぎたときの夢とうつつのはざまのかんじ、少し淋しいかんじ、そんな雰囲気が漂う本。 きっと、この本は必要な人もいるし、そうじゃない人もいるんだろう。 現実と向き合えなくて、夢に逃げた日々もあったなと思い出す。
11投稿日: 2024.12.31
powered by ブクログあの本が終わってこの本を読む事に意味を持つ 私は最後の【ある体験】が1番好きだった。 私も1人会いたい人がいる。 その人に会えるならコビトと出逢いたい。 【白河夜船】も好きだ。 私も寝るのが好きで本当に良く寝てた。 今はその分を取り返すかのように外へ行ってどこかへ行く。予定がなくてもどこかへ行く。 それは生きているということ。
28投稿日: 2024.12.25
powered by ブクログ初の吉本ばななさん。 これしか読んだことがないので、他の作品との比較はできないけれど、独自の世界があって、これが世界の吉本ばななか…と感銘を受けた。世界中で訳されるのも納得。 ストーリーがどうっていうよりも、このエモーショナルな(エモい)、センチメンタルで、時に過酷な世界なんだけど、この世にいる人間は生きるんだという確かな生命力を感じながら、ふわふわと心を包んでくれるような言葉の世界観に浸りたくなる、中毒性のある文章だった。 また違う作品も読んでみたいな。
1投稿日: 2024.11.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
眠りと死がセットで感じられる短編集。 この世界観、雰囲気が好き。夜や、静かな雨の日などに、読みたくなる。 それにしても切ないな…夢の中の世界、それに故人と再会出来る世界、当たり前だけど現実に戻るとたちどころに失くなってしまうので、なんとも寂しい気持ちになった。また再読したい ★…4.5
2投稿日: 2024.08.29
powered by ブクログ眠りと死は似ている。 一方で眠りは、エネルギーを蓄積するための行為にもなりうる、生きるための行為 死に直面して、歩みを止めるように眠る人々の行為は、死の世界に近づくための行為とも取れるし、自分が生きるためのエネルギーを貯めるための行為とも取れる
1投稿日: 2024.06.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
眠り三作。人生の深い眠りにつきたくなる時、休まねばならない時、肯定してくれるお話。 自分も今まさにその状態で、しゃっきりと動ける自分に戻れるか不安だったので、参考書のような気持ちで読み終えた。 何かがきっかけで人生が澄むような描写は、短編集の「とかげ」ともテーマが近いと感じた。
0投稿日: 2024.05.26
powered by ブクログ1本目はそこまでむっとしなかったけど、2本めに感じるしょーもな、、て感じに負けたので2本めを読み切ったところで挫折 なんか死がアクセサリーみたいだなと感じてしまった 表現の美しさなどはさすがだった
0投稿日: 2024.05.21
powered by ブクログP151 なぜなんだろう、夜はゴムのように永く伸びて果てがなく甘い。そして朝は情け容赦なく鋭い。その光はなにかをつきつけるようだ。固くて、透明で、押しが強い。嫌いだ。
0投稿日: 2024.03.14
powered by ブクログ吉本ばななさんの持つ独特で少し暗いけど、とても人間的な物語。特に一番最初の白河夜船では、色んな事に疲れてずっと眠って瞑想状態のような主人公がちょっとしたことで健やかさを取り戻す所が印象的。でもちょっと暗かったかな〜。自分もしんどい時に読むとすっきりするだろうな。
1投稿日: 2024.02.28
powered by ブクログ出版された時代がバブル崩壊前のため、それぞれの話で描かれている若者達が現代日本の一般的な若者とはかけ離れた心の余裕を持っている。今とは社会の雰囲気が全く違ったのだろうと考えを馳せた。タイトルとなった短編①白河夜船は、主人公の生き方に全く共感ができず話の良さが分からなかった。2作目が最も好きだった。
1投稿日: 2024.02.27
powered by ブクログ眠りと死の違いは医学上で定義されているであろうが、 実際に死んだことがなく、その違いの感覚が分からないからこそ、この本を楽しめることができる。 生きていなきゃ本を読むことはできないし、それに加えて、生きたことしかないから、眠りと死の違いについて考えることもできる。 この本を読んで、なんだか得をした感じがした。
0投稿日: 2024.02.08
powered by ブクログ白河夜船:何が起きても気がつかないほどぐっすり眠っていることのたとえ。 私自身が他人よりよく眠ることに気がついたのは4年前。他人よりも長く、深く、昏々と眠ってしまう。 夕方のそのそと起きて、1日を失ったことや隣にいた人への罪悪感を抱えながらまたうとうとしてしまうような日々を過ごしていたところ、目に飛び込んできたこの本。 ずっとどこかにぶら下がっている喪失感、届けられない愛情、そんな薄哀しいものを抱えて生きていく。 吉本ばななが描く人物は本当に人間らしい。
2投稿日: 2024.01.12
powered by ブクログ吉本ばななさんの作品は何を読んでもひとつひとつの言葉が綺麗で繊細で丁寧で読んでいて背筋が伸びるような思いがする。いつかこんな言葉自分から発することができるようになりたい。
5投稿日: 2023.11.17
powered by ブクログなんてやさしさのある小説なんだろう。 どんなときに読んでも、ばななさんの本はやさしく受け止めてくれる安心感がありました。
6投稿日: 2023.11.06
powered by ブクログ白河夜舟って、「しらかわよふね」と読むんですね。そして、「何も気がつかないほどよく寝入っているさま」「知ったかぶり」なんて意味があったのも知らなかった。なるほど、そういう題名だったのか。
0投稿日: 2023.11.05
powered by ブクログ一度図書館で読んでやはり気に入った本を 昨日手に入れた。好きな文章に鉛筆で線を引いたりページに折目をつけられるしあわせ…。もうわたしのもの!白川夜船です、映画も気になる
2投稿日: 2023.10.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
寝る前とか、雨の日とかに読みました。すーっと入ってきて、悲しくて切ないんだけどじわーっと染みる素敵な本でした。 特に二つ目の、夜と夜の旅人がお気に入り。兄のようにモテて、はつらつとして、エネルギーの塊みたいな人があっけなく死ぬのが1番辛い。何回も泣きそうになった。みんな彼のことが大好きだったんだろうな、奇跡みたいに美しい人だったんだろうなと思った。 「キッチン」「ムーンライトシャドウ」も好きだけど、こちらも大好きな本になりました。
2投稿日: 2023.10.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
羊文学の白河夜船という曲が大好きで、映画を理解したいなー という気持ちで読みました。初めて自分で読みたいと思って買った小説です。 白河夜船、夜と夜の旅人、ある体験 の三部作になっていて、白河夜船を読むことを目的に買いましたが、ある体験 がいちばん読んでいて心地よかったです。ずっと嫌いあっていた2人の本人同士も気づかなかった絆を本人が時間をかけて気づいていく様子が愛おしいです。
2投稿日: 2023.08.01
powered by ブクログ読んでいるとうとうとと微睡んでいるような気分になる本でした。 きっといつか自分も白河夜船から降りられなくなるときがくるんだろうな。
1投稿日: 2023.07.18
powered by ブクログ10年以上前に読んだものを実家で見つけたので、久しぶりにばななさんの本を読んでみました。 眠りと死がテーマになっていて、ページ数だけだと軽く読めそうだけど、しっかり読むと「これはどういう意味?」と考える時もあり… たまーに、ボケーっとしながら読むのにいいかも。 実家に戻しといて、10年後くらいにまた見つけたら、読んでみます
1投稿日: 2023.06.25
powered by ブクログ『キッチン』同様、身近な人の死を通して描かれる物語たち。それなのに不思議と夕焼けに照らされた凪いだ海のような静かな情景が連想させられる空気感がある。眠りが彼女たちにもたらすものは夢か現か、その境界線を曖昧に浮遊している感じもまた心地いい。読んでいて辛い現実に打ちのめされすぎず、かといって現実離れしすぎず。 そして私自身同じように眠りに溺れてどうにも抜け出せない時期があって、それは時間を溶かして無駄にする悪いことだと思っていたけれど、自分の心身を救うために眠るのだと諭してもらった。その当時に出会いたかった。
2投稿日: 2023.06.20
powered by ブクログ吉本ばななの小説。 3つの短編が収録されており、それらは時間も場所も登場人物もつながっているわけではないが、どこか似た世界観を持っている。 それぞれの短編に、自分にとって掛け替えのない人を亡くしたために時間が止まってしまっている女性が出てくる。これが共通したテーマである。 彼女たちは深い喪失感と後悔によって、それぞれ「眠り」、あるいは「夜」、あるいは「酒」、にからめとられてしまっているのだ。 テーマのせいもあり全体的に暗い雰囲気なのだが、どこかに希望というか開き直ったトーンがあってそれが読んでいて心地よかった。 それに、とても美しい小説だと感じた。それは吉本ばななの言葉選びのセンスや独特の表現によるものだと思うが、綺麗で美しくて、それと同じくらい儚さを感じさせる。 普段あまりこういうテイストの小説は手にしないが、美しい小説に出会えて良かったと思う。 「ものすごくデリケートな形で傷ついて、疲れ果てている人ばかりなの。自分が疲れちゃっていることすらわからないくらいにね。 人はみんな、誰かにただとなりに眠ってほしいものなんだなあって思うの。」
3投稿日: 2023.06.02
powered by ブクログ正直これといって心に残った部分はなく、ただ文字を追って読んでしまった感じがする。 私は表題作「白河夜船」より「夜と夜の旅人」「ある体験」の方がなんだかあっという間に読めた。 また時間をあけてから読んでみたいと思う。
1投稿日: 2023.05.14
powered by ブクログ「白河夜船」「夜と夜の旅人」「ある体験」の"眠り三部作"。 どのお話も最後は新しいことが何か始まるような、今までとは違う明日が、そんな終わり方になっている。 あとがきに『人生は一度しかない。もうたくさん寝たので私は休息以外では眠らなくていい。でもたまにああやって休むことは人生には本当に必要だと思う。うしろめたく思うことはないと思う。自分の人生の時間を配分するのは自分だけだ。』と書いてあるので、そういうメッセージ性もあるのかなと感じた。 個人的に「夜と夜の旅人」が好きなお話でした。
4投稿日: 2023.05.09
powered by ブクログ冬の匂いや夜の果てを感じる瞬間にぽろぽろ泣けた。どうしてこんなに夢のなかみたいな文章が書けるんだろう
1投稿日: 2023.03.22
powered by ブクログ吉本ばななの小説の中でもかなり好きな方。 いつもそうだけれど、ストーリーがどうというよりは、そこに書かれているセリフや雰囲気が素晴らしい。 生きることを考えさせてくれる一冊。
1投稿日: 2023.02.14
powered by ブクログ再読。何度も読み返す本。 夜の感触を言葉のひとつひとつから感じる文章。海の底にそっと足をついてしまったような、人生のきれいで哀しい夜の時間、ずっとはいられないでも確かにあった儚い夜の3つの物語。
3投稿日: 2023.01.13
powered by ブクログ職場の先輩に貸してもらってた本をようやく読みました。 吉本ばななさんは初でしたが、文体がすごく柔らかく、表現も綺麗で、個人的にスッと心に入ってくる文章でした。 あとがきにある、ある閉塞した状態、時間の流れが停止した期間の中にいる人たちの「夜」を描いた物語という一文を見て腹落ちして、同じような状態にいる自分にとって今読むべき本だったなあと巡り合わせを感じました。 話の内容はけっして明るいとは言えないけども、自分の中にある闇やわだかまりを抱えながらも、希望のある方へ進んでいく、温かい物語だなあと思いました。 他の吉本ばななさん作品も読んでみよー
1投稿日: 2022.11.18
powered by ブクログ“眠り三部作”。 ばななさんが物語にする、亡くなった人との記憶に生きる人の姿。眠りは一種の現実逃避かもしれないけれど、本当に遠く遠くへ行けるのは眠りの中だけなのかもしれない。 この先もずっと大事にしたい、心にそっと重りを乗せてくれるような3つのお話。
1投稿日: 2022.11.09
powered by ブクログエモい気分だったから、このタイミングでこれ読んで良かったって思った。 吉本ばななの本はいい意味でどんな社会的属性にも差別がないと感じる、そこがいい、売春の発展系みたいな仕事をしてるしおりのことも、まっすぐにみてまっすぐに愛してたんだなと思った。 これを読んで、あ、人生いっぱい寝たっていいんだと思った。本当に読みながらたくさん寝た。
0投稿日: 2022.10.19
powered by ブクログダメな自分でも生きていこう ちょっと休むことを許そう それは逃避じゃなくて、ブレイクタイム 冷たい風がトレーナーをすうすう通り抜ける心地いい夜を明日のことを考えず遠回りしながら歩いていい ただ心の向くままに 人と違って後ろめたくなるなら、少し働いてみればいい そう思えた 今の自分に語りかけてくるような本だった 私はまだ大丈夫そうだ。
0投稿日: 2022.10.07
powered by ブクログkey word 眠り3部作 別れ 短編集 眠りをテーマに愛を見つめた3作。どれも素敵。 何度も読みたい人生の一冊になりました。
1投稿日: 2022.09.25
powered by ブクログゆーるいお話。 当時この本のような大人の男の人に憧れました。 その頃の私もよく寝てました。 丸一日+夕方まで。 最高記録です。 また寝てたんでしょう? と言って電話して欲しい。
0投稿日: 2022.08.21
powered by ブクログ「白河夜船」「夜と夜の旅人」「ある体験」の眠り三部作。私は恋愛に活発じゃないけど、どれも引き摺り込まれた。 白河夜船 「また、寝てたでしょう」の不倫相手の声が好きというのは共感できる。この話の男性像が1番魅惑的だった。後ろでクスクス笑っていたら、好きになっちゃうな。鰻を食べて花火大会をみるデートをしてみたくなる。実写映画化があるらしいが、井浦新ときいて見たくなった。羊文学の白河夜船の曲、この本のオマージュ(?)かな? 夜と夜の恋人 死んだプレイボールの兄という設定が私はすごくすごく刺さると気づいた。(例えば西加奈子「さくら」とか)。この主人公は留年してるし、3作品すべて悠々自適な暮らしだな。 ある体験 冒頭あたりの「枕が歌っている」の表現が美しい 。春と嵐の中の会話が官能的すぎる。一作目のしおり、二作目の従姉妹といい、女女の関係性も良いな。
0投稿日: 2022.07.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
解説 原マスミさん 私たち読者は、一方向にしか流れて行かない約束のこの生の中では、どんなかっこうになっていても、靴の先は必ず未来を向いているのだと彼女たちの知恵に学ぶのです。 恋人との同衾は、自分の体温の倍も暖かです。それは、恋人どうしそれぞれが、互いに孤独であるからです。ぬ
0投稿日: 2022.07.07
powered by ブクログ白河夜船、夜と夜の旅人、ある体験、どれも暗い感じのする内容ですんなりと入ってこなかった‥。夜と夜の旅人が私的には1番よかったかな。
0投稿日: 2022.06.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
P51 いつでもオールライトだ。出しっ放しにすることが勝ちだと信じている。 〝信じている〟というワードのチョイスにグッとくる。 そう思えたらどんなに強いか。 どんなに楽か。どんなに... 昔読んだ気がする。 でも、設定自体にきっと昔の自分だと、自分の価値観が邪魔してちゃんと読めなかったのではないか、と思う。 P193 「すっきりしたり、たのしいことなら、うそでもなんでもやってみたらいいんだ。きがすみゃ、何だっていいんだ。」 吉本ばななさんの作品を心から楽しめるか癒されるのか、で自分の心の疲れ方を測る物差しみたいのものになっている。今は心が元気みたい。なので★3。 眠らないといられないほど、神経がすり減った時にまた読みたい本だった。
0投稿日: 2022.05.02
powered by ブクログ全部同じテーマで物語は進むけど設定は絶妙に違くて、こういう系統が好きな人はとても刺さると思う。ちょくちょく時系列が変わって内容がわかってく構成なのでいつもの作品よりかは読みづらいかもだけどそれを差し置いても抜群に読みやすいし頭に入ってくるね!! 夜=死なのか、、、?
0投稿日: 2022.04.11
powered by ブクログ3篇全てに共通する夜と喪失。 大事な人を失って立ち直る過程のお話なのに暗くなりすぎず、ほんのり温かさを感じる。 最後の話がとても好きだった。 ただ、恋愛に対する考え方?が私には少し難しかった。笑 歳を重ねてからもう一度読み返してみたい。 よしもとばななさんの作品は時間をゆっくりと感じることができて好き。
4投稿日: 2022.04.04
powered by ブクログ中学の時からこの本の雰囲気が好きだった。 約30年ぶりに読んだ。 好き嫌いが分かれるが、わたしは大人になっても、やっぱり好きだ。
0投稿日: 2021.04.24
powered by ブクログ寂しさら寂しさを持つ人に惹かれるのかな 三篇とも誰かを亡くして、心に影を落としてそれから回復する過程よパターンが多いな、と感じた。当人の考え方次第でいくらでも変わる世界
0投稿日: 2021.03.12
powered by ブクログ眠るしかできなかった私を救った。 私よりも先に、ここへ来ていたひとがいる。 そう知れたことが心の灯火となった。 力強い言葉で私をつなぎとめてくれて、ありがとう。
0投稿日: 2021.02.05
powered by ブクログ優しくなりたい時に読むといいのがばなな作品。 この作品はその究極かもしれない。 今の時代にとてもよく合うと思うんだけどなー
0投稿日: 2021.02.01
powered by ブクログ私の嫌いなタイプの女が出てきて苛々する。たぶん恋愛している女が羨ましいのだと思う。感情を揺さぶる本は読んでいてしんどいけど何故か最後はスッキリするよ。 私もこの数年は本当によく寝ていた。泥酔して意識をなくしたことも何度もある。でも最近、突然酒が飲めなくなった。もう十分眠ったということか?散々ダラダラしていたが、そろそろ動くか。今年は少しずつ準備をして、来年・再来年にガッツリ何かを極めたい。
4投稿日: 2021.01.01
powered by ブクログ20年ぶりに再読。 月日を経ても変わらない鮮やかさ。一文一文を味わって読みたくなる。 『白河夜船』 親友を亡くした、という喪失感が、親友との日常を重ねて思い出すうちに色濃くなっていく。それを恋人に言えない。恋人には植物状態の妻がいる。 重たい設定ながら、全体を通してやわらかな雰囲気で描かれる。いますぐトロリと眠ってしまいそうな布団のなかの心地よさが、通奏低音のように響いてきそうな作品。 人はかならず眠りにつくが、かならず目覚めるものである。しかし、このまま朝になっても目が覚めないかもしれないと思いながら眠りにつくことが時々ある。誰しもその可能性がある。でも朝がくると目覚めていて、目覚めた以上は一日の活動を始める。それが生きていくことだと思う。が、なにかのきっかけでそのリズムから落ちてしまうこともある。そのまま戻れない人もいる。でも寺子は回復して良かった。 近しい人を若くして亡くすと、命あることに責任を感じてちゃんと生きていかなきゃと思ったりする。奥さんの寺子に対する想いは、きっとそういうことだったのかな。と思った。 『夜と夜の旅人』 女にモテる兄の死をめぐり、恋人だったサラとまりえの悲しみを、妹・シバミの視点から描く。 シバミのまりえに対する愛が深い。これは、まりえの恋の話なのか、サラの悲しみの話なのか、兄の人生の話なのか、彼らを見守る私の苦しみの話なのか…これといった起伏もないまま物語はすすみ、ただ兄ヨシヒロを亡くした喪失感が真冬の夜の寒さのごとく浸ってくる。夢と現実を行き来する不思議な物語。こうして人は喪失から回復するのかもしれない。 『ある体験』 一人の男を二人の女で取り合ううち、女同士に不思議な愛着がうまれてくる。そういう気持ちはよく共感できる。 一時期の恋でライバルだった春が死んだ。まるで幻聴のように毎夜聞こえてくる彼女の歌声。死んだ人間と会話できるという男をたずねて、私は春と会う。というオカルトちっくな話ですが、スッキリした読後感。表題作と通じる。こういう女友達とこういう体験は、人生において必要なのかもしれない。
8投稿日: 2020.11.12
powered by ブクログどうしようもなく重苦しい劣等感や孤独、無力感に閉じ込められて身動きが取れなくなっていた時に寄り添ってくれた本。 今になってあの時の重苦しい閉塞感を思い出すと恍惚とするのは、この本のおかげだと思う。
2投稿日: 2020.11.10
powered by ブクログゾッとした。 この3つの話は自分とはかけ離れているようで誰しもほんの少しのきっかけで陥る可能性のある話だった。 何も言わない相手に伝えない強さ 相手の悪いところ、そこが好きだと言える強さ 「自分に気がある女の子に今の女の悪口なんて決して言わない」 p115 これができる人って案外少ないよね
0投稿日: 2020.09.26
powered by ブクログ3つの短篇どれも身近な人の死が描かれている。 個人的には3つ目の『ある体験』が好きです。なんかこう胸にグッとくるものがありました。 吉本ばななさんの小説は情景描写がとても綺麗で、読んでいてそのシーンが明確に頭に浮かびますね。
0投稿日: 2020.08.15
powered by ブクログ学生の頃よく読んでいた吉本ばなな。 図書館で見つけて久しぶりの読みました。 豊かで胸を強く撃つ鮮やかな文章表現。 そして読者を全肯定するような、 背中を押してくれる暖かな格言たち。 読み終わると、 「大丈夫、あなたはちゃんと生きていけるよ」 と体の底から生きる力が脈々と沸いてくるようです。 吉本ばななの偉大な力に久しぶりに触れました。
0投稿日: 2020.08.14
powered by ブクログまったりしててよかった。常に微睡の中にいるような感じ。微睡の中でたまに猫に甘噛みされるそんな幸せな痛みを感じた。 全部幸せにまつわる話だと思う。
0投稿日: 2020.07.21
powered by ブクログ普段、SFばかり読んでいると、吉本ばななさんの作品はとても癒される。 リアルな話なのに、どこか不思議な雰囲気が良い。
0投稿日: 2020.07.04
powered by ブクログ3つとも切ない。死や恋愛や友情がテーマで、どこまでも切ない。 . 一番切ないのは、やっぱり白河夜船。 . 眠ってばかりの寺子と、植物人間の妻を持つ岩永さんの恋愛が、出口の無い中を彷徨うようで読んでいて、とてつもなく悲しくなる。 . そして、寺子の親友のしおりが自殺してしまった事を寺子は岩永さんに言えないで一人で抱えている。その様もとても悲しい。 . 他の2つの話は、明るい要素もあるけど、元気がない時に読んではいけない本です。
0投稿日: 2020.06.26眠り三部作
「眠り三部作」と言われる中篇3作。 いずれも吉本ばななの作品で僕が感じる“切なさ”は感じたけど、正直言って著者の他の初期の作品ほどは感情移入できなかった。 3作の中では、『夜と夜の旅人』が一番好きだな。 星は、本当は3.5点。
0投稿日: 2020.06.21
powered by ブクログ素敵な言葉遣いが多くて、会話が少ないのに 主人公の心情や周りの風景が細かく 見えた気がします。 三部作目の白川夜船で、いがみ合っていた 女性同士が、居なくなって初めて悲しいことに 気がついた主人公がその時の感情を改めて理解 出来て行くのが素敵でした。
0投稿日: 2020.06.21
powered by ブクログ(2002) 不思議なことがいっぱい でも、どこかで、この物語の中だけじゃなくて、不思議な感覚に陥りそうなこともあるのかな? って思う。 また、よしもとばななさんの登場人物に惹かれる。 白河夜船(実際には見ないのに、見たふりをすること/熟睡して前後を知らないこと/知ったかぶりをすること) 書き出しの始めが いつから私はひとりでいる時、こんなに眠るようになったのだろう。 と読んで、ちょっとドキッとした。 私、実家に帰って来てから、何かに逃げるように寝るときあって、 ほんとっよく寝てしまうのです。 よく働いてもないし、よく寝てるから、一日の終りに力が有り余っていることを感じながら寝るのです。 まぁいいや。 お客さんの添い寝する、秘密で不思議なお仕事をしていた、 ともだちのしおり が亡くなったこと。 今お付き合いしている人の奥さんが植物人間なこと。 なんか、こんな素敵な物語読んだら、 配偶者がいても、誰か、別の人とお付き合いしていることが、悪く感じれなくなる。 だってそれは、配偶者の人と自分も配偶者であるために、成り立たせるために、 別の人とお付き合いしてるから。 奥さんに抱えてもらえない状況だから、 頼っちゃうし、一緒に居て欲しい。 また、それがお互いが望んでいることを、お互いが感じれてるから。 夜と夜の旅人 おにぃちゃんが死んでしまって、 そんなおにぃちゃんがと付き合ってた、外国人のサラ。と 好きで、両思いだった、いとこ?の毬絵。 サラとの場面。本、読んでたけど、とっても感激した。 こんなに人と人との強い思いが強くて、 あんなに美しく繋がるんだ!ってすごく綺麗に感じました。 ある体験 三角関係で同じ男を好きになった春。 恋人の水男。 こんなお店があって、それをみんなが知っているなら、 きっと予約の数凄いことになりそう。
0投稿日: 2020.06.19
powered by ブクログ白河夜船を読むと、自分の身体が自分の思いどおりにならないときの、気持ちよさと怖さと後ろめたさみたいなものが、理解できるような気がする。小説の中では、それは意味や理由のあることだけど、現実では、はっきりしないまま、どうしようも無い身体を引きずるしかないのかな。 しかし、これがもう30年前の作品とは… ベネッセ刊行の単行本は、いまでも宝物です。
3投稿日: 2020.04.15
powered by ブクログ短編3作品を収録しています。 表題作となっている「白河夜船」は、植物人間の妻をもつ男性と別れることになり、親友のしおりをうしなった寺子という女性の物語。 「夜と夜の旅人」は、兄の芳裕を亡くした芝美という女性が、かつての兄のガールフレンドだった留学生のサラやいとこの鞠絵などの記憶のなかに、兄の存在とその死から今日までの時間の経過を知る物語です。 「ある体験」は、文という女性が、恋人の水男の紹介で出会った田中という男の手引きによって、かつてひとりの男を奪いあった春という女性と再会する話です。 身近なひとの死というモティーフやスピリチュアルな道具立てなどは、著者の他の作品にもよく見られるものですが、本書に収録されている作品は「眠り三部作」と呼ばれるように、たいせつなひとのいない世界を眠りつづけることで過ごしている主人公たちの姿が印象的です。彼女たちのそうした態度にセンティメンタリズムを見てしまう読者もいるかもしれませんが、個人的にはむしろ彼女たちなりの「喪の儀式」をおこなっているのだと理解することができるように感じました。
0投稿日: 2019.11.03
powered by ブクログ吉本ばななさんの文章は、読むたびに、とても澄んでいると感じる。 自分にもただただ眠ってしまう日があるけれど、その眠りには物語があるのかも…なんて思ってしまう。
0投稿日: 2019.03.19
powered by ブクログすぐ内容は忘れてしまうと思う。どうしようか悩んでいることがあって、あんまり現実感のある本が読みたくないときだったので、ちょうどよかった。
1投稿日: 2019.01.23
powered by ブクログ何回目になるかわからないくらいの再読。 久々に読んだら、意外と内容を忘れていた。大まかな流れしか覚えてなかった。 夜の魅力が満載。 昔はこれを読むたびに夜遊びに行きたくなっていた。 今はそこまで入れ込まないけど、よしもとばななはやっぱり初期の方が魅力があるなぁと思った。 昔の方がギラギラして深い魅力がある。 今はわかりやすいけど、あっさりしてる。
0投稿日: 2018.12.24
powered by ブクログ人の出会いと別離、胸が痛む苦しさの中にほんの少し安らぎがある。記憶の中にある良き人間関係にはほんの少しトゲがある。そんな事を思い巡らせる文章、切なさに漂う心境になるも前進しようと踏ん張ってみる。
0投稿日: 2018.11.27
powered by ブクログ心の底に眠る真っ暗な感情もちゃんと息をしていたのだ、とこの本は教えてくれる。大切な人を突然失う体験、たとえば友人を亡くした喪失感はきっと、同じ体験をした者でなくてはわからない。気がつくと、夜の闇に引っ張られそうになっている自分を見つける。哀しみと向き合うというのはきっと、そういうことの繰り返しだ。 すべてを理解し合うことなんて、どんな人間同士でも無理だろうけれど、それでも私たちは同じ感情を共有しようとする。楽しかったこと、嬉しかったこと、悲しかったこと。ぜんぶ分かり合えることよりも、ひとつでも何かわかり合えたことを喜びに感じる。人間はそういう非効率でまっすぐでどこまでも温かみのある生き物だ。よしもとばななの本は、そういう人生の余韻を私たちの心の中にいつも残していく。
2投稿日: 2018.11.05
powered by ブクログ夜と夜の旅人という短編がいちばん印象に残った。毬絵みたいな危うくて目が離せなくて天真爛漫みたいな女の子はすごく憧れます。
0投稿日: 2018.09.30
powered by ブクログ『白河夜船』読了 映画を先に観てからの原作でした。映画では知ることのなかった主人公の心情が小説にはありました。人は弱いなぁ…どうしても現実を直視できない時は眠りに就きたくなる。眠ることにすごく後ろめたさを感じてたけどね、なんとなく沢山眠っていいんですよって言われてる気がしました。 2018.7.17(1回目)
0投稿日: 2018.07.17
powered by ブクログ日常のひとこま、なにか事件が起きるわけではないけど、至るところ、「分かる」共感できる感情ばかり。不安ともどかしさ、時々割りきり、潔さ。自分も含め女ってめんどくさ笑。
0投稿日: 2018.05.20
powered by ブクログ吉本ばななさんの、 まだデビューから早い時期の短編を三つ収録したもの。 白河夜船ってことわざなんですね、 はじめてしったです。 目に映るものなどもふくめて、 こころの動きや揺れなど、 かすかなくらいのところをとらえるのがうまいなあと思いました。 ぼんやりしたものに無理に言葉を与えて、 強引に輪郭を与えないんですよね。 さてさて、 思うに、ひとの意識の持ち方って、 現実と自分をどうフィットさせていくかによって 変わってくるのではないでしょうか。 あの出来事、目の前のモノ、他人、などをはっきり分化するタイプと、 境界を曖昧にした比較的未分化な状態を受け入れるタイプ。 それで、後者は超自然性と親和性がある。 『白河夜舟』の三つの短編それぞれ、 未分化の川に浮かんでいるかのよう。 未分化ならではの、 時間や空間のはてしなさ・深さの上になりたつ物語なのかもしれない。 超自然性をただのオカルトと決めてしまうのは、 分化タイプのとらえ方ですね。 茫洋とした未分化さの視界に見えるのは、世界の得体の知れなさ。 このあいだ量子論的な意識の考え方を書いた本を読んだけれども、 さっき、「そういえば、手塚治虫の『火の鳥』にコスモ・ゾーン というのがでてきたっけな」と思い出しました。 コスモ・ゾーンこそ、量子論的な意識のとらえ方かもしれない。 この場合の意識は仮に魂と考えてもよさげです。 手塚先生は量子論的な議論にも明るかったのかもしれないですね。 そんなコスモ・ゾーン的な、 なにか意識や魂というものをつなぐ 地下世界なのか天上世界なのかがあるようにして物語を編むのが、 吉本ばななさんってうまいのです。 わざと、そういった世界を作り上げるのではなく、 それは作家として、 それ以前に、ひとりの人間としての思想なんだと思うのですが、どうでしょう? ぼくはけっこういろいろな本に比較的柔軟に対応できるタイプの 読書人だと自負しているところがあります。 まず、毛嫌いしません。 それでも、これは違うぞっていうものはありますが、 小説に関しては、編集者の力添えも強力なのでしょう、 だから、そんなにみょうちきりんなものは市場にでてこないと見受けています。 第一印象で、オカルトだ、と見えるものにも、 ちょっと何作か、時間をかけてひも解いていくと、 その豊饒ななにかに触れることができたりします。 ぼくは小さい頃はUFOだとか幽霊だとか好きだったが故に、 その後、アンチテーゼにはいって拒否反応を起こしがちですが、 こうやってほぐされていくこともあるなあ、と 今回の『白河夜船』で感じました。
0投稿日: 2018.01.04
powered by ブクログ珍しく苦手だと感じました。高度経済成長期の物質的な豊かさに浸りきっている感じです。今読むと悪い意味で甘ったるい、はっきり言えば、自分に耽溺し、酔いしれ、甘やかされている。吐き気がしてしまって、二話目を読んだ後でそっと目に見えない場所に仕舞いました。 携帯小説に似ていると思いました。 恋にたいしては盲目的に礼賛し、それ以外のものはあまりに冷たく無感動過ぎて、都合も良すぎて、このようにエゴイスティックな女性が身近にいたら、迷惑にしか思わないと思います。 グロテスクな女性の内面を赤裸々に書いているとは思いますが、主体性もなく、信条もなく、特に行動するでもない空気がただただ、不快で不穏でした。 そりが合わないなぁとつくづく思いました。 他人の死すらメルヘンな設定として描いてしまう所が苦手だったのかな。 連日、他国での虐殺、甚大な災害、国内での悲しいニュースを目にしていると、都合よく?事故が起き、あまりにあっけなく死に、残された人が過度にメランコリーに酔いしれているようで…。 物質的に豊かで恵まれすぎる中では、他者の死すら菓子でも食べるように甘いのですね…。
0投稿日: 2017.09.11
powered by ブクログよしもとばななの作品は僕の肺に冬の空気のように冷たくスーッと入ってくる。 僕は一時期(いや今もかもしれない) とてもよく眠っていたからこの本がすごく好きだ。 それぞれの物語がとても美しく儚い。 あとがきにあった 「自分の人生の時間を配分するのは自分だけ」 という優しい言葉に救われた。
2投稿日: 2017.07.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集。 『白河夜船』、『夜と夜の旅人』、『ある体験』 どれも共通していることは大切な人の死である。 タイトルにもなっている『白河夜船』の主人公寺子の親友はある日突然自殺をしこの世を去った。その日を境に寺子は死に近い存在になる。 しかし、彼女の恋人(不倫相手)の奥さんにある形で助けられたことにより懸命に生きてみようと思うようになる。 『白河夜船』の白河は三途の川であり、その三途の川を渡ろうとしていた寺子を夜船に助けられたことからこのタイトルなのではないかと勝手に想像を膨らまされた。 恋愛・大切な人の死とても在り来たりである題材に思えるが、不思議と在り来たりな展開を感じさせない作品で後味も悪くなくすんなり読めた。
0投稿日: 2017.04.30
powered by ブクログずーんって、ずどーんって、ぐずぐずと 吸い込まれていくかんじ。 主人公の口調が言葉遣いがすきだった。
0投稿日: 2017.04.28
powered by ブクログ最後の作品が一番良かった。なんだか人の死について切実さが薄い気がする。あまり世界に入り込めなかった。
0投稿日: 2017.04.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
表題作の、親友を亡くした現実から逃れるために眠り続けてしまうお話 恋人を亡くしてしまう毬絵の「夜と夜の旅人」 恋のライバルを失った文の「ある体験」 の三部作で、どれも大切な人を失った人のお話です。 ストーリーとしては暗いもので、 読んでいると静かに沈んだ気持ちになります。 疲れているときに無性に読みたくなります。 私は白河夜船が一番好きです。 夢か現かわからない曖昧模糊とした世界に 鳴り響く電話の音が切なくも愛しく感じます。
0投稿日: 2017.02.11とても不思議、共感できるだろうか?
よしもとばななさんの作品って、恋人との日常の描写とか割と多くの人が共感できるような描写が多い印象でしたが、 本作は3部とも「浮気」「不倫」という関係が存在するためか、そんな感じなの?ととても不思議な気持ちになりました。 そういった関係の経験がある方はもしかしたら共感できるのかもしれません。 3部とも「死」と「浮気」と重そうな設定が登場しますが、やはり悲しい話ではなく、優しく爽やかな印象です。 私は3部のなかでも「ある体験」が特に好きでした。 自称霊媒を通して死んだ人と会うという描写があり、ホラーというわけではありませんが、ちょっと不思議な話で面白かったです。 死んだ人と会うなんて言うと重そうな感じがしてしまいますが、私はこの話が一番変で笑ってしまいました。
5投稿日: 2017.01.24
powered by ブクログ読んでいてふかふかと包まれているような気持に なんだか、体が疲れすぎて眠りづらくなった時に、読み返したくなった本。 眠くて眠くてしようがない人のおはなし、とざっくりとした記憶で10数年ぶりに読み返してみたところ、こんなハードな設定でしたっけ、と冒頭からおののいてしまいました。 これを読んだ学生時代、朝4時起きのバイトから、ときに夜10時まで働き、ときに朝10時台から夜9時までひたすら授業を入れてみたり、かと言えば1日、2日休みで、20時間眠り続けたり、1時間も寝ないといったようなとかく睡眠がおかしくなってしまった時期で、寺子のその眠れない症状のみを我がことのようにして読んでいたのだ、と今思います。 今、私の眠りについては平常を取り戻したのだと、この本を読んで思い知ったのです。 昼に寝ることなんてないから、とカーテンを遮光からおしゃれな光を通すものにして、まぁ時に夜更しすることもあれど、具合でも悪くしない限りは昼夜普通に過ごせることが普通になっていました。 そんな具合で、人それぞれにハードっぽい設定があったりなかったりするのが人生、そんな人生に、たまに大きな、天啓とも呼べるような出来事が起こるのを各話にあつめたようなばななさんの本。 やっぱり、登場人物たちのことばまわしが、読んでて心地よいなぁ。 肌触りが好きな作家さんなのです。読んでいてふかふかと包まれているような気持になりながら、ああ、もう少し肌寒くなったら「デットエンドの思い出」読み返そう。 と決めるヒロセでありました。
0投稿日: 2016.11.20
powered by ブクログ眠り三部作。主人公らは何かなくとも毎日眠ってばかりで電話にさえ気づかなくなってしまう。眠りの本質は孤独で淋しさをはらんでいる。眠りからは覚めるが淋しさは消え去ることがない。生きていくことや愛することはつまりそういうことだというように、夜の帳が下りたままの人々を描いた作品群。白河夜船とは何も気が付かないほどぐっすり眠ることや熟睡していて何も気づかないことを表す言葉だが、主人公らは最後には何かに気づいたように描かれているのが良い。
0投稿日: 2016.06.06
powered by ブクログあえてカテゴリーに入れるとしたら「暗い話」になってしまうのでしょうが、このお話はただずーーんと沈むというものではありません。救いを見つけるのは容易ではないけれど、希望の末端くらいは拾えるのではと思わせてくれます。 映画化もされているようなので、観てみたいです。
0投稿日: 2016.06.04
powered by ブクログ短編が3つ。3つどれも途中すごくゾッとするような場面があって、怖いけど分かるような…怖いだけじゃなくて考えさせてくれる感じ。恋は辛い
0投稿日: 2016.02.24
powered by ブクログよしもとばななさんはほんとに新しいものしか読んだことがない。 今回の白河夜船は、比較的に古い物だと思うが、大事な芯みたいなものは変わらないけど、最近の作品より鋭い感じ。 恋愛するってことは、やっぱり重たくてめんどくさくないとなー。と改めて思う。
0投稿日: 2016.01.31
powered by ブクログ映画の予告を見て、どんな話だったっけ?と思って再読。 全く内容を覚えてなかった・・・。 中学時代に、随分はまって、読んでたはずなんだけどなあ。よしもとばなな。 ぞっとするほど、共感してしまって、逆に辛かった。 非現実だったはずの世界が、今や自分の話になってしまった。 私にも、いつか彼女のように抜け出る日が訪れるのだろうか。 ほの悲しい感じと、淡くて柔らかい空気感が好きだったはずなのに、なんだか、全てがくっきりしてしまった。 今思えば、結構、大人の女性や恋愛に対する憧れのようなものがあったのかなあ。 自分が変わってしまったことに悲しくなってしまった。
0投稿日: 2015.11.18
powered by ブクログそんなに寒くない夜にゆっくり読みたい本。 どんでん返しの内容ではなくて、夜の船がすいすい泳いでいくような感覚の本。私もああやって、寝て過ごすのに近いことがあったけど、人はやっぱり奇想天外にダイナミックに生きていた方はいいなあ、と何となく思う。 恋をすると自分が小説の主人公になるけど、人の話、それも実在しなかった人の話を読むことも面白く思う。現実になりそうなないようだから。
0投稿日: 2015.09.13
powered by ブクログ夜の話 みな、女性が男性を想い、追う話。 の裏側にある女性の人間関係の親密さを描く。 1話目の「眠り」の表現。 うつ病が苦しくて、不眠ではなく過眠してしまっていたとき、この文章を読んでいたらどんなにか励まされただろう。
0投稿日: 2015.08.09
powered by ブクログ残された人の喪失感がふわふわと切ない3話。気が付き再び歩き出す強さも備えているのが人間で、その時が来るまで眠るのも悪くないのかも。
0投稿日: 2015.08.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
表題作『白河夜船』は空しさや埋められない浮ついた寂しさを抱える主人公がどんどん眠りに落ちていく話。 眠る、というのは一種の仮死状態ですから、それがどんどん深くなるということは、死に一歩ずつ近づくということでもあります。まして、その中で夢をそれも空虚を埋める夢を見るとすれば、そちらこそがリアルに感じるのは致し方のないこと。抜け出すには現実での感覚を取りもどすしかない。 最終的にアルバイトで生の実感を取り戻すというのは、なんとも救いのある話でした。 他の二作も死をテーマにしながら、もういなくなってしまった人こそがリアルに感じられてしまう、という物語です。
0投稿日: 2015.06.20
powered by ブクログなんか、あたしも吉本ばななが読めるようになったんだなぁと思うと感慨深い。 しらかわよふねと読むんだね。 きっとばななさん、まだとんがってた頃じゃないかとオトナになって読んだ私は思う。 好きなお話でした。 「ある体験」も、よい。
0投稿日: 2015.06.18
powered by ブクログ奇しくも角田さんのエッセイに続き コレもまた夜をモチーフにした短編集(笑) 表題作『白河夜船(しらかわよふね)』が 大好きな安藤サクラ主演で映画化されたということで なんと25年ぶりに読み返してみたのだが、 この頃のばなな節はやはり別格だし、心地が良い。 果てなく甘く、どこまでも静謐で、 まばゆいほどに煌めく感性は圧倒的な光を放つ。 乱暴な言い方をすれば吉本ばななの小説は ウォン・カーウァイやソフィア・コッポラ監督の映画と同じく、もはやストーリーは二の次(笑)。 ばななさんのほとばしる切ない感性ありきで、 その卓越した比喩表現と美しい情景描写、 そして儚き世界観にどっぷり浸ればいいのである。 昔からばななさんの作品は別れと喪失を描きながらも 人との出会いとたくさんの食べ物によって人間が再生していく姿を描くことがテーマともなっていたが、 初期のこの短編集も停滞した暗闇から動けなくなった人たちが 紆余曲折を経て光ある方へ、 自分の足で歩き出すまでを描いている。 文章の隅々から沸き立つ切実な想いと 過ぎ去ってしまうからこその刹那な輝き。 切なさの塊のような文体で綴られる、 いつかは消えてしまうものへの憧憬と鎮魂。 ばななさんの小説は 死や別れというテーマを扱いながらも なぜか読んだ後には 生きる気力が湧いてくるから不思議だ。 親友の死の衝撃と、不倫による不安と淋しさが身にせまり、 次第にコントロールできない「眠り」に支配されていく女性を描いた表題作 『白河夜船』、 兄を突然の事故で亡くした少女と 兄の元彼女であったアメリカ人の留学生、 そして兄と死の直前まで付き合っていた従姉の女性との不思議な絆を描いた 『夜と夜の旅人』、 異国で知らぬ間に逝ってしまった、かつての恋敵の女性に想いを馳せる 『ある体験』、 など、どの話も忘れがたい印象を残すけど、 やはり表題作の『白河夜船』で描かれる 孤独の闇の中、「夜の果て」をさ迷う寺子が切なくて、 ラストの花火大会に込められた希望やイノセンスの美しさに、 妙に涙腺を刺激された。 (コレは25年前には分からなかった感情だ) そして愛する人の死によって、予想のつかないところへ来てしまった二人の女性の再生を描いた 『夜と夜の旅人』の 溢れ出る恋情も胸に染み入る。 近しい人を亡くした経験のある人には本当に堪らないストーリーだろうし、激しく共感することだと思う。 学生時代、僕が初めて読んだばななさんの本は 「キッチン」だった。 恋愛や別れを経験する中で 口に出せなかった気持ちや、思春期に自分が見ていた景色や、言葉で表せないもどかしい感覚を、 こんなにも見事に 美しい『言葉』で表せる人がいたのかと本当に衝撃的だったけど、 学生時代に受けたこの洗礼は 今思うに正しかった。 そしてばななさんの小説には 必ず人の気持ちを温めたり救ったりしてくれる、 頭ではなく心に作用する「何か」が どの作品にも息づいている。 言葉は時間と共にあり、時間の中にしかない。 けれども「いい小説」は その「時間」さえも軽々と超えていくのではないだろうか。 拭い去れない喪失感に苦悩したり、 報われない愛の前で立ちすくむ すべての人たちへ。
14投稿日: 2015.05.22
powered by ブクログ読んだり、まどろんだり。読んだり、まどろんだり。会社の人が「よかったら読んでみて」と貸してくれた本。おそろしいくらいの恍惚とした眠りと、さみしさと、疲れと。花火と。 バイトとかちゃんと働いていなかったり、個人事業主だったり、特殊な仕事だったり、主人公たちが不安定すぎて綱渡りの心もとなさを感じる。そして実際、登場人物たちは不安定だったりする。 規則正しい生活が、それがポーズだったとしても、なにがしかの安定を生むのかもしれないな… ともあれ、何十年ぶりかの再読。なつかしかったなーこの時代・年代の雰囲気。サキの朗読発表会に行って、「白河夜船」の最後、花火のシーンを朗読していたこと思い出した。
0投稿日: 2015.05.10
powered by ブクログ再読。 今度、井浦新×安藤サクラで映画化するのだそう。 新さん、イメージかもしれない。。 75pの本の世界がどう拡げられて映像になるのか、たのしみ。
0投稿日: 2015.04.18
powered by ブクログ不倫相手の妻は植物状態のため眠り続けている。『眠れる美女』を思わせる添い寝のアルバイトをしていた親友は自殺してしまう。 眠ることは閉じること。喪失と罪悪感。直視できない状況からの逃避としての睡眠。封じ込められた心は半覚半睡のまま、彼岸と此岸のあわいを彷徨う。 夜の闇はやさしく包み込み、癒しもするが、そこに留まり続けていることは死に魅入られていくことと紙一重。 眠り続けている恋人の妻は生霊となり、寺子の夢の中に忍びこむ。 夢物語だけれど夜の闇のグラデーションと澄んだ匂いをリアルに感じた。 映画化が決まったせいか、書店で平積みだったのでなんとなく再読したが、これも《ねむり》をテーマにしたものだった。 「いつからか私はひとりでいる時、こんなに眠るようになったのだろう」この最初の一節を読んだとき 『失われた時を求めて』の冒頭の一節を思い出した。(最初の方しか読んでないのだけど… )
0投稿日: 2015.04.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読みたいと思っていながら、なかなか手が出せなかった吉本ばなな。フランスで人気があると聞いているが、読んでみて悪くはないが「んーーー」て感じ。あまりにも観念的ではっきりしない感じ、いかにもフランスのインテリ趣味的な感じ。もっと読みたいかと聞かれると遠慮しておこうかなという感じ、日本にはもっと面白い小説が一杯ある。
0投稿日: 2015.04.02
powered by ブクログ私もしばらく日に20時間くらい眠っていた時期があった。毎日本当に眠くて眠くて仕方がなかった。そんな生活を2週間近く続けてたら、痩せて、体力はおちて、まともに歩けなくなって、座っている事さえままならなかった。あの、脳の深い、深い休息。思考はくるくると空回りし、ただただ眠くてたまらなかった。あの休息は必要なものだったのだろう。パンク寸前のはち切れそうな頭から空気を少しずつ抜いていき、ようやく元の形に戻った、きがする。 全ての事はそういう時期がある、と文中にあるように、人生とは時期の連続なのだろうとは本当にその通りだと思う。ただ、いつまでもひとつところにはいないで、また次のステージに行くきっかけはふと転がり込んでくる。そういう小説だった。
0投稿日: 2015.01.21
powered by ブクログ映画化きっかけで読んだ。 吉本ばななさんの本は初めて読んだけど 夜寝る前に読み始めたら止まらなくなった。 眠りからの目覚め。 「ある体験」が特に好きだったな。
0投稿日: 2014.12.15
