
総合評価
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powered by ブクログ芥川賞受賞作なんですね。他にもう一編あるんですが読み進まないので諦め。『ポトスライムの船』の読後感は悪くなかったんやけどねえ。
0投稿日: 2011.09.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
どこか飄々としているのに、決してなおざりにはならない文体。心理を描くのも、風景を描くのも、環境を描くのも、その協働を描くのも、かなり自由自在なのだけど、まるでそのことを感じさせない自然さがあり、それでいてしっかり技巧的でもあるというか、とにかく細かいところまで気の入った文章だなあ、という印象。態度の取り方が絶妙で、この距離感覚はすごい。肯定も否定もできない状況を、肯定も否定もせずに書く、となると小説の文章は倫理性を持たずにはいられないから、どうしても宙ぶらりんになってしまいがちなのだけど、ここでは肯定も否定もしないことが、ちゃんとより高次の肯定として機能している。すごいな、これは。 2編の結末が対照的だけど、どちらの態度も取り得るし、どちらの態度でもいいということなのだろう。どちらを取ったとしても、それなりに後味の良い解決を、それ自体何らかの解決を含んだ物語とは言えないのに、どことなくそれを感じられるというのが、この小説の新しさ、ってところでしょうか。この軽やかさは、コミットしないだけの軽薄さとも結びついてしまいかねないものかもしれませんが、決してそうはならず、確かにコミットしつつもそこから自在に距離を取れる冷静さが感じられます。それはつまり確かなユーモア感覚でもあるわけですが、その下支えの上に絶妙なバランスで組み上げられた文体、文章のことばかり言ってますが本当にこれは、魅力的であるし、とにかく私にとっては驚嘆、その一言でありました。 ただし、解説で語られる文体論は死ぬほどつまらない。この解説は――っていうかおそらく解説者は――大ハズレです。魅力的なものを全く魅力的じゃなく語る、その典型みたいな文章でした。
0投稿日: 2011.09.17
powered by ブクログ文章の技術が高く評価されているらしいけど、物語は単調でやや日常的。 ワークプアの女性の心情はうまく表現できていると思うけど、もっと事件性があったらな、と思う。 その点では併録された「十二月の窓辺」のほうが楽しめた。
0投稿日: 2011.09.17
powered by ブクログ2011.9.4 ポトスライムの舟」も面白かったんですが、私としては、「十二月の窓辺」のほうが衝撃的でありました。 なんなの、このV係長。こんなやつが職場にいたら、その上の上司に間違いなく直訴するけど。私なら絶対に戦ってやるけど。 でも、それをしても意味がないと諦めるしかない境地にまで追い込まれているということなんだろうな。 帯に、「働いている人なら必ず共感できる」とありましたが……私の場合、共感というよりも、驚きとか怒りとか戸惑いのほうが強かったです。 そういう感情が先に来たということは、まあそれなりに問題はあるとはいえ、私が職場に恵まれてるっていうことなのかなあ…… 「十二月の窓辺」で印象的だったところ↓ ここではないどこかは、当然こことは違い、そこには千差万別の痛みや、そのほかのことがあるとツガワは知ったのだった。 そりゃそうだよねえ……
0投稿日: 2011.09.04
powered by ブクログ味わいあるストーリー。 共感できる部分が全部痛くて、読みながら苦しい気持ちになったりも。 じわじわきます。
0投稿日: 2011.08.17
powered by ブクログナガセさんが三人称で、客観的に描かれていて、不思議な語り口だった。脱力感がありつつも、世界一周の金額である自身の年収額貯金にある種こだわりつつ、目標にしていたひたむきさがなんとも切ない。
0投稿日: 2011.08.15
powered by ブクログのっぺりした顔の人物が浮かぶ文体。 確かに、微妙に距離感のある語りは、 まだ触れたことの無い面白さがある と思いました。また、語られる空虚 に惹かれるものはあるのだけれど、 一方で、最後まで息苦しかったです。 とくに「十二月の窓辺」は痛々しく、 途中で読むのに疲れてしまいました。
0投稿日: 2011.07.26
powered by ブクログリアルで痛々しくて、時折目を背けたくなる作品だった。 私と五歳しか違わないのに、こんなに濃いものを短い小説の中に凝縮して吐き出せる作家が居るのか、と、おどろいた。
0投稿日: 2011.07.04
powered by ブクログ表題作「ポトスライムの舟」は契約社員が主人公の話でシビアなお金の事情がよく出てくるけれど、未来に絶望するとかそんなことではなくて、あくまでも普通に淡々と描く日常が読んでいて心地よく、またいろいろ考えだす主人公が面白く笑ってしまう。 主人公の大学時代の友達で専業主婦のそよ乃が皆で遊びにいった先で入ろうとしたお店がひとり一万円くらいかかりそうな店で、結局入らないんだけど、たまのことだからちょっと贅沢したいと思うそよ乃と<こんなところで一万円弱も落としている場合ではない>と思うその他の人間とのギャップとか、ナガセがお金がないというとそよ乃が<うちもお金がない>と家のローンと教育費のことを話しだすところとか、こういうことって日常生活でよくある(されたりしたり)から共感があった。結局人間は自分の目線でしかものを見れないものなのかも知れない。 もうひとつの収録作「十二月の窓辺」は設定を異にするものの表題作の前日譚のような話。うって変わって嫌な人間ばかり出てきて、一歩間違うと自分はこんな嫌な思いをしてきました的な話になりそうだけど、全然そんなことないのは何でだろうか。三人称で書いているからでもない。主人公の<ツガワ>を<私>に変えれば一人称で通る書き方だし。そう、これ何か変わっている。三人称で書いているけど一人称ともとれる小説なんだね。 雰囲気の違うふたつの小説だけど、どちらも笑えるところがあるし、サラリーマンは面白く読めるんじゃないだろうか。
0投稿日: 2011.06.21
powered by ブクログ何のために働くのか。下らない他人の悪意や無関心に削られて、それでも。仕事が充実してる人や、仕事は収入を得るためだけのものと割り切れてる人にはこの小説は響かないだろうな…。
0投稿日: 2011.06.20
powered by ブクログ芥川賞作品ということで、文庫になったのを機会に手に取った。支出をすかさずメモする主人公が少し自分とかぶっているように感じ、共感。小説らしくていい作品だと思う。友人の子供の描写がうまい。
0投稿日: 2011.06.19
powered by ブクログ受賞直後に単行本を立ち読みして、とても面白かった。単行本の冊数自己制限で買えなかった本。 読んでいる間中、くすっと笑いたくなる感じ。ただ生きていくのって悪くないな、と思える。
1投稿日: 2011.06.19
powered by ブクログ初津村記久子。すごく好きかもしれない。文章も好き。「ポトスライムの舟」、ゆるいようでいて実はすごくしっかりがっちりしているような感じ。ただゆるいだけじゃないところがいい。それにしても大阪弁って心なごむなーと。「十二月の窓」職場のパワーハラスメント(っていうの?)が衝撃的で、あとに読んだこっちのほうが印象が強いんだけどこれもよかった。謎解きめいたものもあるし、驚きもあるし、こっちが賞とってもよかったかも?どっちも、わりに暗い話なんだけど、それほど暗さを感じなくて、希望があるところがよかった。主人公が地味で人づきあいが得意とはとてもいえないけど、人とのつながりを感じるところも。とくに「十二月の窓」(やっぱり、あとから読んだからこっちが印象に残ってるー)のラストで、自分と話すことが人の気休めになればいい、とか強く思うところとか、けっこう感動した。
1投稿日: 2011.06.06
powered by ブクログ工場で働く派遣の主人公。ピースボートで世界一周するための資金を貯めようとするが・・・。 主語が不明確で読み難い箇所が散見された。
0投稿日: 2011.05.29
powered by ブクログ日常と仕事の檻、それからの解放。 中編が二作入っています。 二作目の職場イジメの話がリアルで、読んでいて鬱々とした気分になりました。 気力のある時に読まないと、精神力削られますね。 帯や解説で歌われている程、爽快という感じはしませんでした。 日常の空気はとてもリアル。良くも悪くも。
0投稿日: 2011.05.25
powered by ブクログとにかく語りが淡々としていて、 シュールな笑いをたまに誘い込む文体。 表題作の終わり方は なんとなく一番リアリティがあった。 気がついたら目的達成してて、 でも結局日常のお礼参りが忙しい、みたいな。 「十二月の窓辺」はまあまあエグい。 連続して読みたくはない雰囲気の話。
0投稿日: 2011.05.16
powered by ブクログ津村記久子さんの芥川賞受賞作。 ゆるいかどうかがわからないけど、若い人なりの確かな仕事観がここに描かれている気がします。
0投稿日: 2011.05.14
powered by ブクログ芥川賞受賞作という理由で読んでみた。現代社会をうまく書き表していて、かつ凝った文章技法を使っている点は見事であったが、話全体としてはあまり面白くなかった。 表題の作品に加えて、もう1作品載っているのだが、そちらはいろいろ共感できる部分もあって面白かった。仕事がうまくいかない、職場の人間関係がうまくいかないといった、社会人あるあるを、心情を踏まえて非常によく描けた作品であると感じた。仕事に悩みがある人は、後者の作品を読むと、「辛いのは自分だけではないんだ…」という共感と元気を与えてくれるかもしれない。
0投稿日: 2011.05.13
powered by ブクログ最近の芥川賞は人気取り等と言われるが、私は好きな作品が多く信用しています。 主人公や周りの風景が実体無く掴みづらいと思わせるが、それが世代を感じる要素となっていると思う。また浮ついた的を得ているのか判らない描写に、読者自身が想像を膨らませられ、この作家って上手い。 ストーリーは、働くことが肯定できる。って感じでなく、働くことの意味なんて大げさな意味を持たなくても良いんだ!開き直りの様で力ある前向きなベクトルを感じました。 たぶん私より下の世代。アラサーど真ん中が読むと共感できる小説です。
0投稿日: 2011.05.10
powered by ブクログ芥川賞受賞作ということで敷居が高いかなぁとも思ったけれど、読みやすかったです。「あぁ、それ分かる〜」と働く人なら共感できる部分があると思います。 「ポトスライムの舟」では、ただ生きていくためだけに働いているようでもそれってホントはすごく価値のあることなんだよって教えられた気がして、仕事がんばろうかなって思えました。
0投稿日: 2011.05.08
powered by ブクログなんかなーって感じ。 浅野いにお作品に近いものを感じるけど、まだこの年では刺さらなかった。 でも、明日からも仕事顔晴ろうと思わせてもらった。
0投稿日: 2011.05.02
powered by ブクログ芥川賞受賞作を含む2編。 「ポトスライムの船」は ひとことでどういう話とは言いにくいけど、 面倒なよしなしごとになかば無気力に向き合っているうちに なんだか勝手に前向きがやって来る風情。 何でもない話のようだけど全体を通して不思議な感触がある。 「資料請求のハガキを二つに折って」というのがいいあんばい。 2編目「十二月の窓辺」は、ポトスライムの前哨戦みたいな話。 こっちは結構衝撃的。 どちらの主人公も作者自身を投影しているように思う。 あとがき読んで、最初に感じた不思議な感じの理由が分かりました。 そんなアクロバットをしていたとは。 作者が施した文章に対する特殊技巧が、現代的な感性と合わさって、高い評価を得たらしい。 なるほど。
0投稿日: 2011.04.29
powered by ブクログカソウスキと似てるかな。 ただ、よりリアルな分、身につまされる。ただ、これが芥川賞を獲ったのは、疑問。好きだけど。 「十二月の窓辺」の方は、パワハラの記述が生生しく、著者の実体験が入っているかも、と考えると、キツイ。
0投稿日: 2011.04.17
