
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
女性4人の交友に生じるぎこちなさ。 離婚しようとする友人、その娘、さらには自分の母親も含めての4人の生活。 を貫いて、1年間世界一周を夢想して貯める。 なんということのない生活だが、主人公ナガセのパーソナリティが興味深い。 そして爽やかな幕切れ。
0投稿日: 2015.09.27
powered by ブクログいい小説かと思うのだが、しかし、働く人のリアルなところをわざわざ読むことはなかった なんというか、もちろん私の経験が全てではないし、似てるけど違うものを味わうことから得るところは、とかあるのはわかるけど、働く人間は近視眼的なのだ!
0投稿日: 2015.09.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
芥川賞の『ポトスライムの舟』 読んでいるとモラトリアム、アイデンティティなどの ことばが頭によぎった。イマドキの大卒アラサー女性が 描かれている。 『十二月の窓辺』 こちらは私も同じ目にあったので(新卒で周囲の先輩は年下か同い年、直属の先輩が親を亡くしていたため会社での 態度が横柄、周りは諦めている)嫌になってあまり読めませんでした 『十二月の窓辺』が昔を思い出させるのでこの一冊についてはあまり感想が書けないです(- -;)
0投稿日: 2015.07.14
powered by ブクログ働く人にオススメみたいな紹介されてたので興味あって読んでみた。 今の仕事に関して悩みがあるとかではないが、面白く仕事するにはどうしたらいいかは考えてたところなので、何かしら参考になればと思った。
0投稿日: 2015.05.20
powered by ブクログたくさん会社が入ったビルを眺めたとき、電車でほかの乗客と乗り合わせているとき、道ゆく人を窓から俯瞰しているとき。世の中には想像できないたくさんの人生が溢れているんだろうなぁと思うときがあり、そんな感じ。
0投稿日: 2015.05.01
powered by ブクログ150311 この本と関係はそんなにないけど、これを読んでる間に、いろんな人がそれぞれの会社を辞める話を聞いたし自分もなんとなく決めた。春だね そういえば、どこへ行っても自分が変わらないと同じとは誰にも言われたことはなかった。自分で言っていただけでした。
0投稿日: 2015.03.11
powered by ブクログ表題作。ナガセが生活の維持でも、無駄にした時間の対価としてでもなく、世界一周クルージングの金額と自分の工場での年収と期せずして同じ163万円を貯めていく背景に、同級生で雇い主や居候やその娘や母親と緩やかに関わりながら生活していけるところが、働きながらも仕事では拭おうとも拭えない人間のつながりの深さ・さりげなさを感じられて良かった。もう一作は読むのがつらくなるほど執拗に職場でのハラスメントを描いており、働いて生きていく事のやりきれなさをこれでもかと読み知らされた。ただ主人公らが決めた目標に向かって着実に歩み続け、最終的に達成するところは同じであり、働くことへの著者のひたむきな姿、作品への投影方法がよくわかる芥川賞受賞作品集。
1投稿日: 2015.02.24
powered by ブクログ正直、芥川賞作品であることを知らずに読んだ。 読み終えて、津村記久子は天才かもしれない、と思った。 主観と客観の間を行くような独特の文体もそうだが、むしろ空気感の魅力とでも言おうか。 社会的には敗者に分類されてしまいそうな主人公でありながらも、読者の共感を引き付けて、心を揺さぶって、離さない。 これが初めて読んだ津村作品。 未読作品がたくさん残っているというのはありがたいことだ。
2投稿日: 2015.01.12
powered by ブクログ働くことを「時間を金で売っている」と表現しているのが印象的。 ブラック企業、薄給、派遣社員、、労働にまつわる暗めの話を丁寧に書いている
1投稿日: 2014.12.07
powered by ブクログ冒頭─── 三時の休憩時間の終わりが間もないことを告げる予鈴が鳴ったが、長瀬由紀子はパイプ椅子の背もたれに手を掛け、背後の掲示板を見上げたままだった。いつのまにか、A3サイズのポスターが二枚並んで貼られていたのだった。共用のテーブルに飾ってある、百均のコップに刺した観葉植物のポトスライムの水を替えた後、そのことに気がついた。二枚のポスターは、どんな几帳面な人が貼ったのか、角と角とがぴったりくっついていて、掲示板の枠に対してはあくまで平行を保っている。さるNGOが主催する世界一周のクルージングと、軽うつ病患者の相互扶助を呼びかけるポスターだった。 ─── 第140回芥川賞受賞作 津村記久子さんの作品には、言葉をかけようとしてやめたとか、喉元まで出かかったが言わずにおいたとか、殴ってやりたいほどの人間だがその結果何が起こるかを考えると恐ろしいのでよしておいたとか、意を決して一度抜いた伝家の宝刀を渋々と元の鞘に納めるというような場面や表現が、頻繁に登場します。 そういえば、ぼくも含めて、人間って思っていても口に出さないとか、言いたいけど言えないとか、行動で表したいけどできない時とかが、しょっちゅうあることに気付きます。 これを言ってしまったら二度とこの人とは友だちに戻れないかもとか、 ここで暴行をはたらいたらどうなるのだろうという社会的理性が自然と働き、ここはとりあえず、まあまあ、なあなあで誤魔化すほうがこの先生きていく上で無難だろうと判断するからでしょう。 特に仕事をしているうえでは、そんな人間関係をうまくやり過ごさないと、とんでもないことになってしまいます。 でも、それを続けていると閉塞感と不満が鬱積してきます。 この作品では主人公のナガセが無性に体に刺青を彫りたくなったり、163万円もする世界一周に行きたくなったりします。 閉塞感からの脱皮。 ありふれた日常からの現実逃避。 誰もが思い浮かべる願望です。 そのためにナガセは、工場のライン業務、友達の店でのアルバイト、土曜だけのパソコン講師、自宅でのデータ入力の内職などを黙々とこなし、一年で163万円を貯金しようと、毎日の収支決算に眼の色を変えていきます。 友人の離婚騒動などがあったにせよ、その目的には順調に近づいているように思えました。 ところが─── 淡々とこなす仕事、それで得られる収入、それを基にした生活。 その日常の中で、生きる目的とは何なのだろう? この本には、もう一篇「十二月の窓辺」というのも収録されています。 こちらも働く女性の物語なのですが、主人公の女上司というのがひどい。 この作品が書かれたのは2007年のようですが、この頃はパワハラという言葉などなかったかのような、傲慢で無茶苦茶な女性です。 今なら、完全にパワハラで訴えられます。 主人公のツガワは、上司だけではなく同僚からも仲間はずれにされています。 常々辞めたいと思いながらも、この不況のご時世に私を雇ってくれる別の会社なんてあるのだろうか? 責められるのは自分の能力が劣っているからじゃないのか? と常に自虐的に悲観的に物事を捉えます。 これは、津村さんの作品に出てくる主人公の特徴ですね。 この二作品とも小品ですが、そんな一見つまらない毎日を送っている主人公に、ほんのちょっとした出来事が起こることで(彼女たちにすれば大きな事件かも知れませんが)物事に対する発想が変わる転換点が実にユニークなのです。 人間、地道に真っ当に生きていれば、どこかで神様が見守ってくれるとでも言うように、彼女たちは自分を束縛していた気分から解放されます。 そこで読者は微かなカタルシスを覚えるのです。 大感動のラストシーンというような物語ではありませんが、実に味のあるストーリー展開です。 この魅力にいつもぼくは引き込まれてしまいます。 これからも、彼女の作品を読むのが楽しみです。
9投稿日: 2014.10.28
powered by ブクログ自分の年収=世界一周旅行代! それに気づいた主人公が1年間コツコツ貯金する物語……。 と、表現すれば良いのかな? 29歳。学生時代の友達は結婚していたり子供がいたり、あるいはカフェのオーナーになっていたり。 生活スタイルに大きな違いが出てくる微妙なお年頃ですね。 ページ数のわりに深いお話でした。 主人公・ナガセが奈良に住んでいて三宮へ遊びに出かけたり……など、関西人には嬉しい舞台設定です。 また、ナガセをはじめ、友人ヨシカ、ナガセのおかん(「母親」とか「お母さん」とかではなく!)、りつ子の娘・恵奈といった登場人物たちも好きです。 もう一編の『十二月の船』はパワハラが主題とあって、しっとり穏やかな表題作とは打って変わって重苦しい物語でした。 一文が長くて段落分けが少なくて、ページ一杯に活字が埋まっているせいか、読むのも息苦しかったほど……。 結末には少しスッキリしました。以前どこかで見た「誰かにいなくなってもらった集団よりもいなくなった誰かの方がハッピー」という言葉を思い出しました。 どの台詞が誰の発言か解りにくかったのが残念。 もう少しすっきりした文章で読みやすかったら☆は1つ増えたかも。
1投稿日: 2014.10.11
powered by ブクログ【本の内容】 29歳、工場勤務のナガセは、食い扶持のために、「時間を金で売る」虚しさをやり過ごす日々。 ある日、自分の年収と世界一周旅行の費用が同じ一六三万円で、一年分の勤務時間を「世界一周という行為にも換金できる」と気付くが―。 ユーモラスで抑制された文章が胸に迫り、働くことを肯定したくなる芥川賞受賞作。 [ 目次 ] [ POP ] 29歳非婚のナガセは非正規の工場勤務に女友達のカフェでのバイト、土日のパソコン講師、自宅でデータ入力もする。 生きるために薄給を稼ぐ日々の「生の頼りなさ」を何とか支えようと、工場の年収に相当する世界一周クルージング代を貯めることにした。 脱力系の明るさを滲ませたハードボイルドな文体が、働くことの意味を問いかける。芥川賞受賞作。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
0投稿日: 2014.10.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公のナガセに共感する部分が多々あった。 友達は要るけど、何処か信用できない所とか。 時間を切り詰めて働いて働いて、自分と向き合うのを避けている、逃げているというか。 ナガセのような人は、色んな所にいるんだろうなぁ。 12月の窓辺は、私にはどこか非日常すぎて…まぁそれだけ平和という事だけど 私的にはあまりしっくり来ませんでした。
1投稿日: 2014.10.06
powered by ブクログ「働いている人なら必ず共感できる」/「明日から仕事がんばろう、と思えた」と煽り文句がついていたのに惹かれた。主人公も同年代だし、しかも芥川受賞作ということで迷わずレジへ。 読んでみると、工場勤務の契約社員の女性のお話。とにかく彼女の生き方がストイックすぎる。17時頃まで工場勤務の後、月曜から土曜は友達のカフェで18時から21時までバイト、家に帰れば0時頃までデータ入力の内職、土曜日はパソコン教室の教師。とにかく何かをしていないと落ち着かないのだ。時間を金で売っているような感覚に陥ってしまった彼女は、小銭の発生しない時間というのが耐えられなくなっている。遊びに行ってもその時間をお金に換算してしまう。ふだん使うお金は、口にするものを買うときのみ。彼女の生き方を見て、無駄しかない自分の人生を思ってしまった。なんでもお金にしか換算できない人生なんて味気ない、つまらないものだ。無駄ばかりでいいとも思わないけれど。 同時収録の『十二月の窓辺』。こちらは、職場でパワハラを受けている友達の話を聞いているようなしんどさがあった。最後はちょっとすっとした。
0投稿日: 2014.10.04
powered by ブクログ奈良の喫茶店が舞台、というので読んだ。 読んでて、アラフォー世代だと思ってたら、 作者も含め、主な登場人物はアラサー世代だった。 作者の周りは老成してるんだなー。 私の周りはアラフォーにして、 やっと本のような感じだし。 アラサーのころはもっと余裕なかったよ。 私が幼いのか…。 たんたんと描かれる感じが、結構好き。 喫茶店の様子が目に浮かぶ。
0投稿日: 2014.10.04
powered by ブクログ29歳、工場勤務のナガセは、食い扶持のために、「時間を金で売る」虚しさをやり過ごす日々。ある日、自分の年収と世界一周旅行の費用が同じ一六三万円で、一年分の勤務時間を「世界一周という行為にも換金できる」と気付くが―。ユーモラスで抑制された文章が胸に迫り、働くことを肯定したくなる芥川賞受賞作。 後からじわじわくる作品でした。 人生って色々あるんだなって思う。ただただ生きているだけでも色々な事が起こる。 嫌でもなんでも歳は取る。哀しい事なのか嬉しい事なのか人それぞれ。 一緒に入っていた十二月の窓辺も良かった。 働くって人によれば狂気に変える事すらあるんだなと思う。すべてに当てはまる事では無いけれど、ありうる。 住みづらくするのも、生きやすくするのも人次第の様に思う。 フィクションではなく現実にあり得るから怖い。
0投稿日: 2014.08.21
powered by ブクログ表題作「ポトスライムの舟」は主人公の三十歳の女性が自分が得る一年間の給与(163万円)とNGO団体が主催する世界一周旅行の金額が同額ということを知るところから物語が始まる。芥川賞受賞作。 もう一作「十二月の窓辺」はパワーハラスメントの話。痛々しくて読むのが辛かった。著者自身の体験を基に書かれているとか。
0投稿日: 2014.07.29
powered by ブクログ6月の終わりに『ポースケ』を読んだら、ナガセって『ポトスライムの舟』に出てきた人よな~と思い、登場人物を確認したくて、図書館で借りてくる。 『ポースケ』にも出てくる、ナガセ、ヨシカ、りつ子、そよ乃が、もうちょっと若くて、20代の終わりの話。工場で働くナガセが、主人公というか、視点人物になっている。といっても、ナガセは「わたしは」と一人称で出てくるのではなくて、「ナガセは」と書かれる。 文庫の解説のところでは、一人称でも三人称でもない表現だとして、こう書かれている。 ▼作者の等身大の分身と考えて差し支えのない主人公は、物語のなかで決して「わたし」となることはない。また「わたし」とは完全に無関係の「彼女」になりきってしまうこともない。つまりこの小説では、主人公の内面の心情を吐露しているように見える部分は全て、実は外面から見た客観的な描写なのである。(p.191、「解説 自由への航海」安藤礼二) そんなことは5年ほど前に初めて読んだときも、今回読みなおしても、考えたことがなくて、へぇーと思いながら解説を読んだ。 ナガセは、工場の休憩場所に貼ってある世界一周旅行のポスターで、その費用163万円が、工場で働いて得る自分の年収とほぼ同じだと気づく。 ▼生きるために薄給を稼いで、小銭で生命を維持している。そうでありながら、工場でのすべての時間を、世界一周という行為に換金することもできる。ナガセは首を傾げながら、自分の生活に一石を投じるものが、世界一周であるような気分になってきていた。いけない、と思う。しかし、何がいけないのかもうまく説明できない。たとえ最終的にクルージングに行かないとしても、これからの一年間で163万円そっくり貯めることは少しもいけないことではない、という言い訳を思いつく。(pp.26-27) ナガセは、工場での月給に手をつけず、ヨシカのカフェを手伝うバイトと、パソコン教室で教えるバイトで入る収入だけで生きてみよう、と考える。その計画を実行に移していく日々、ナガセが手帳に書きとめる支出のメモに、この感じ、なんかわかるな~と思った。 口にするもの以外はほとんど買わず、節約していると、ナガセは「自分が今まで苦しい苦しいと言いつつも、使うか使わないのか定かでないようなものを日常的に買っていたことがよくわかった」(p.41)というのだ。 私は切手やら絵ハガキやら紙モノばかりやたら買っていたが、消費税があがったこともあり、4月以降は「2円切手」を何度か買ったくらいで、買い置きの切手やハガキを出してきて使っている。ほころびた衣類は繕って、いい感じにくたくたになったのがまだ着られる。食べるものは買わなあかんし、家賃はあるけど、スゴイ額の教育費なんかがなかったら、案外やっていけるんちゃうかーと思う。 そういう点でいうと、夫と離婚し、娘とふたりで暮らしていこうというりつ子の身の振り方──まずは古くて広いナガセの実家にしばらくやっかいになり(食べものを出す店を開く前のヨシカも、ナガセ宅に居候して、ナガセと同じ工場で働いていたことがあった)、そのあいだに正社員の職をみつけ、アパートを借り、少しずつ家電などを揃えていく──というのも、リアルやなーと思った。 『ポースケ』では5年生になって出てくる、りつ子の娘の恵奈も、すでに『ポトスライムの舟』に登場していた。図鑑が好きで、仏像を見るのが好きで、りつ子が働きに出ているあいだ、ナガセの母親と奈良をうろうろしたりする恵奈の言動を読みながら、この子の小学校5年までの「間」は、どんなんやったんかなーとも思った。 併収の「十二月の窓辺」は、登場人物の名前は違うものの、ナガセ(あるいは著者の津村さん自身)が、新卒で入った会社で上司から凄まじいモラルハラスメントを受けて退職した、という話を想像させる。 主人公のツガワに、「やる気がないんならやめてもいいわよ」と言い、同時に「でもあんたなんか、よそじゃ絶対やってけないでしょうね。絶対」と言うV係長の言葉は、まるで呪詛だった。「自分が悪いのかもしれない」と思わせるこの言葉は、「やめるな」と言われるよりも、へこたれる。V係長の言葉は真実なのだろうか、とツガワはよく考えた。そして、辞表を毎日持ち歩いていた。 ツガワは、自分が働くビルの向かいの建物に入っている、かつて自分が不採用となった会社の印刷室で働く「彼女」を、日常的に覗いている。そこで「彼女」に暴力が振るわれるのを見た日、どこに行ってもこんなことはあるのかとツガワは思いながらも、その会社へ電話をかけて、自分が見た暴力について話した。 そしてある日、ツガワは、その会社を訪ねて、印刷室で働いている「彼女」を受付で呼び出してもらう。「彼女」は感じのいい男の子だった。そのことが、「彼女」が暴力を振るわれた原因かどうかはわからないが、暴力を振るったのは「目下の者には威圧的で、贔屓をして、上の人にはへこへこして、そのくせ裏では悪口ばっかりで(p.179)という人物だった。 そして職場を辞めることを決めたツガワは、「自分も誰かの気休めになることができればいい」(p.187)と思う。そこが、今回読んで、ぐっと印象に残った。 (7/13了)
0投稿日: 2014.07.15
powered by ブクログほんと、仕事をするっていうのはどういう行為なのだろう。 特に生産性の無い仕事をするとそう感じる。単純に時間を切り売りしてお金をいただくことの繰返し。 今作はそこに世界一周という目標をスパイスに掲げているが、全体的に漂う気だるさが対称的。その気だるさに包まれた読後はまた冒頭の感想に至るのだった。
0投稿日: 2014.07.10
powered by ブクログ世界一周の価値のある仕事なのか。仕事は世界一周の価値があるのか。その時の精神状態で考え方は変わるなと思った。どちらがいい考えかは決めれないが、、、
0投稿日: 2014.06.26
powered by ブクログ単行本でも読んでますが、久しぶりに津村記久子さんの本が読みたかったので再読。 帯に、この本を読んで「働いている人なら必ず共感できる」と書いてあって、少し「そうかなあ…?」という気持ち。 みんな本当にこんな気持ちで働いているのかな? 働いている人が誰でもというよりは、本好きで、津村さんの本を読むようなタイプの人なら、なんじゃないのかしらと思ってしまった。 まあ、私のことなんですけど。
0投稿日: 2014.06.19
powered by ブクログ―――ばかみたいな恥をかきながらもそれは続く――― 表題作は、自分の年収と同じ金額で世界一周ができると知り、お金を貯める女性のお話。 芥川賞受賞作。 母親と古い家にふたり暮らし。 同い年の友だちが3人。 「今がいちばんの働き盛り」と刺青をいれたくなったり、それに対して一文字いくらかかるのか思案したり、ポトスをたべたい、とポトスの食べ方についてひたすら考察したり。 よく働き、よく友だちの面倒を見、母親の面倒を見、バイトもかけもちしながら皆勤賞。 そんな主人公ナガセがひとたび風邪をこじらせ、仕事を休む。 止まることで見えたもの。 私はこの話、すごく共感できるひとは危ないとおもった。 きっとそれは一歩間違えれば仕事で鬱になっちゃうような真面目な働き者だから、津村節にやりこめられたらいいとおもう。 来週から若い女の子が働きにくる描写とか、それについて考えなかった主人公の心の動きとかはリアルだなあと感心した。ちょっとした描写がつくづくリアル。 個人的にお気に入りのシーンは、ポトスをりつ子(友だち)の娘と並べるところ。 映画にしたいとおもった。 同時収録されていた『十二月の窓辺』は、 パワハラに苛まれる下々の物語。 ツガワは門脇麦ちゃんあたりがやったらとても悲壮感が出ていいとおもう。 3つの会社それぞれのパワハラの受け止め方が個性的で上手に群像劇になっていた。 このひとの書く小説は、ほんとうに働き者を慰めるよなあ。否定も肯定もなく、ただただ事実を書いている、そのなかで、すこしだけポッと希望の灯りの余韻みたいなものを残してくれている。 残像くらいでいいの。はっきり形にすると恥ずかしかったりダサかったりするから。 その残像がちょうどよい。 知らなかったんだけど、『ポースケ』は続編なのですね。文庫化お待ちしております。
2投稿日: 2014.05.22
powered by ブクログよかった。津村さんの文体好きだ。夜の海みたいに静かなんだけど、ところどころユーモアの片鱗も見え隠れする。すてき。 印象深かったのはやっぱり十二月の窓辺ですね。わたしがいまちょうど同じような問題に直面してるからってのもあるけど。 どうして労働ってこうなんだろうねえ。色んな人が同じ空間にいるとこうも人間ゆがんじゃうんだねえ。淀み。会社という檻。仕事人間になっちゃいけないな。仕事は自分の人生の一要素として捉えるべきものであって、そこでの人間関係に囚われて末端を攻撃したり仲間はずれにしたり、そんなことは暇人のすることだ。 そして、人格否定は、それが全く根拠のないものであっても、人の心を食い破って荒廃させるということ、簡単に。自信のない人であればなおさら。 ツガワは、根拠のない人格否定や暇つぶしのための小言、自分の苦しみを共有して欲しいがためのいじめは断固として拒否するべきだった。理屈じゃない。そうしなきゃいけなかった。そう思う。
0投稿日: 2014.04.19
powered by ブクログ津村記久子さんの小説を読むのはこれが初めてである。 表題作だけ読んだ。 めずらしくいい悪いの★をつけようがない作品である。 リタイアした66歳、男性の私だから仕方ないか。 若い女性が現実に直面しながらも力まず生きるホンワカした良い作品だと思うが、私はやはり小説より彼女のエッセイの方が分かりやすくて深くて好きである。
0投稿日: 2014.04.08
powered by ブクログ読み終わってこの感じ好きだなと思っていたら、芥川賞受賞作だったのかと知り納得しました。 何と無く何もかも上手くいかない時に読んで驚く程共感しました。 生き方を変えるような本では無いが、少しだけでも確実に前向きになれる気がした。
1投稿日: 2014.03.26
powered by ブクログ2014.2.11 標題作は、希望が持てる気持ちになったが、十二月の窓辺は、やるせない気持ちに。 就活中だが、前向きに頑張らないと❗️と思う。
0投稿日: 2014.02.11
powered by ブクログ表題作のみですが… ナガセの細々とした生活感や さりげないシーンの空気感などにいちいち 芸術家だなー現代美術っぽいなーなどと 思わせられたりしていました。 やっぱり芥川賞……!
0投稿日: 2014.01.16
powered by ブクログ労働という行為で以てしか「社会」と関係を結べないとするならば、端的に云ってその「社会」は病的だ。その「社会」の中で、人間性を保とうというのは、実に息苦しい事業だ。こうして経済機構でしかなくなってしまった「社会」の中には、暴力が胚胎する。しかし不特定多数の「社会」の中で、名前と顔の知れたものとの共感共苦の可能性も在り得る。そこに、暴力とは別の、今にも息を止められてしまいそうなほどに"弱い"者たちの、淡くも温かい関係があるかもしれない。「労働」とは別の次元にある、関係へ。 「自分の時間がないことに安心していた。どの仕事も薄給だということが、ときどきナガセを追い詰めたが、それでも働かないよりはましだと思っていた。前の仕事をやめた後、何もしていなかった頃の焦燥を思い出すと、体は熱いのに身震いが起きる」(「ポトスライムの舟」) 「本当に、毎日仕事以外何にもなくってさ」(「十二月の窓辺」)
1投稿日: 2014.01.05
powered by ブクログ年収と同じ金額で行ける世界一周の旅のポスターを見かけ、その分の貯金をしようと思う女性とそれを取り巻く人々の話。 いよいよ貯金がたまろうとすると、わざと使ってしまう。叶わない目標があるからこそ、頑張っていける。 仕事をするべきという主旨のタトゥーを入れようとするほど何とかして働こうとしていく主人公が痛切。 もう一話はパワハラに苦しみ、そこから脱却する女性の話。
0投稿日: 2014.01.02
powered by ブクログ2013.12 12月の窓辺のその時の感情や怖くて仕方なくて、でもどうしようもない日常をそのまま切り取ってくれた作品を発表してくれて有難うございます、っというくらい救われた。
0投稿日: 2013.12.13
powered by ブクログ川上未映子先生以来良い作品だと思える芥川賞作家ですね。 バイト、契約社員、正社員…働くすべての人の心に響く言葉に何だかジンときました。 私は二作品とも主人公と自分がダブりました。
0投稿日: 2013.12.07
powered by ブクログとてもおもしろかった。 『ポトスライムの舟』は、決して状況はよくないのに、悲観的になることなく、かといって楽観的なわけでもなく、現実を認識しつつもどこか逃避している主人公が好きだ。 そんな主人公・ナガセがある日、自分の工場勤務の年収と、一年間の世界一周旅行の金額がほぼ同額なことに気付き、一年後の同じ時までに、丸々一年分の給料を貯めて、世界一周にでも行こうかと考える。 その一年間の間に起こることは、結構大変なことなのだけども、どこまでもクールなナガセを通してみていると、なんとかなるのかなーとも思ってしまった。 『十二月の窓辺』はしんどい。 伏線にもびっくりした。 二作読んで、がんばって働こうと思った。
1投稿日: 2013.12.04
powered by ブクログ暗く、あまり救いのない物語が淡々と綴られる。現代の閉塞感を反映したような2編。無気力がちな主人公がなんとかその日を生きる、現状を打破する術もないまま…自分が苦境にいるのは自分以外の要因の所為だとでも言いたげで諦めすら感じる。そんな主人公に憤りを感じつつ、反面その境遇に立たされたらと思うと、心がざわつく。感情移入しにくい内容なのに、引き込まれる。後書きにもあるが、一人称とも三人称とも取れない表現技法のせいか。読後にザラっとした違和感の残る、ある意味フックする作品。
0投稿日: 2013.11.30
powered by ブクログ2013.11.30 am1:02読了。二編からなる。表題作『ポトスライムの舟』と『十二月の窓辺』。前者の感想から述べる。後者は、前者より内容が重い。社内でのいじめ。上司からの根拠のない圧力。どこかが欠けていく自分の心。自分が最低だと思っていた。だけど「あなたはどうしたって自分よりはましだと思っていた」それは違った。 淡々と綴られる文章。生々しく描く。登場人物の名前がカタカナ。このことが作品に普遍性を与え、共感を呼びやすくしている。誰にでも起こりうる、いや起こっていることを暗示する。テレビを通した映像のように、どこか現実味に欠ける。この点が、重い内容であるにもかかわらず、作品に透明性を与える。静かな風景。芥川賞はまだ二作目だが、『きことわ』とどこかつながる部分がある気がした。物語の底流をおぼろげながら感じることができたので良かった点は良かった。余裕がなかったら、平坦すぎてつまらない、で終わってしまった気がするから。自由に読書する時間がある今の状況にただただ感謝。
1投稿日: 2013.11.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
津村さんの作品だから読んでみようと思った俺としては、どうでもいい情報なんだけど、芥川賞受賞作だそうな。 金(生活基盤としての経済力)を支点として、仕事と生活を皿に乗っけグラグラと揺れ動く天秤はかり。現代ならではのプロレタリアート文学が匂う2作なので、芥川賞を受賞してもそれはそれでいいのだけど、小説として読んでオモロいかというと…うーん、俺はオモロくなかった。 津村さんもどこか意識して「オモロい小説」にしなかったようにも思えるのだが、じゃあ何を書きたかったのか、散漫として盛り上がらない描写の底にあるモノを読み取れないとこの作品の値打ちは分からんのだろう。 残念ながら、俺の読解力不足
0投稿日: 2013.11.10
powered by ブクログ苦しい。 特に『十二月の窓辺』は、頁数は結して多くは無いのに、憤りのあまりなかなか読み進まなかった。 こんな想いを抱えて、今、何千人、何万人という人が、鬱々と働いて、生きているんだろう。
0投稿日: 2013.10.27
powered by ブクログ図書館で、『ポトスライムの舟』は読んだ。 淡々と進むし、感傷的な言葉を使っているわけでもないのに、なんだか沁みる本。 共感できるところが多いからでしょうか・・・ 心に残ったので購入を検討。
0投稿日: 2013.10.07
powered by ブクログお金のため生活のため、働かないと人として駄目なような気がするため、働いています。 でも時々、虚ろで投げ遣りな気分になることがある。 どうしても眠くてだるい朝とか。 甘いミルクティー、本日発売の漫画、休日の予定、カンフル剤になるようなことを思い浮かべ、なんとか起きて会社に行きます。 ナガセの『世界一周旅行』もそんなものなのだと思います。 ちょっとしたことで落ち込んだり、幸せを感じたりして日々は続く。 なにも変わってないようで、少しづつ変わっていく。 等身大の成長物語です。
1投稿日: 2013.09.29
powered by ブクログ表題作と、十二月の窓辺、二つの短編。 どちらも女性が主人公で若手社員。 働くこと自体に疑問を持ち、頑張ったり、挫けたり。どちらの物語も主人公と仲の良い第三者が居るのがミソ。だと思う。 大いに共感できる部分はあるけど、印象が薄い。イマイチ入り込めない。それはそれでちょっと寂しいな。とも思えるので、ある意味 色んなことを考えさせられる。 自分がどこかに置いてきたのか、始めから持ち合わせちゃいないのか、いずれにしても読んでるときより読んだあとのほうが時間がかかる作品。
0投稿日: 2013.09.01
powered by ブクログ過ぎた一年は早いけれど、これからの一年をひとつだけのことに費やすには長い。 環境の変化で「噛み合わない」が出てきたり、抗えないことが増えてくる。 感情を内包しがちな時に、拠り所になってくれる作品。
0投稿日: 2013.08.31
powered by ブクログこうだ!と思ったらなりふり構わなくなるって、誰にでもあると思う。 それがそのうち、 こうだ!と思った理由すら分からなくなるくらい慢性的になってることも、誰にでもあると思う。 だから、 これもアリだ、と気がつくと、途端に眉間のシワが消えてむしろ驚くこともあるし、 実はこうだった、と明かされると、己の身勝手さを恥じて消え入りたくもなる。 読みながら、私のことや、あの人や彼女のことを考えていた。 胸が痛んで泣けてきたり、 触発されて奮い立たされたりした。 私だって、自分のために働いてる。 私だって、理不尽さに腹たてながら働いてる。 でも私だって、誰かのことを助けながら働きたい。 私だって毎日自分のことで精一杯だけど、どこかで誰かの力になっていたい。 願いが流れていく先が、明るいところであるように。
1投稿日: 2013.08.13
powered by ブクログすごい面白かった。ストーリーというよりは文体かな。この作者の本はすべて読みたいくらい好きです。 ただ、どっちの意味にも取れるぞという表現がいくつかあったのがすこし残念
0投稿日: 2013.07.31
powered by ブクログ・ポストライムの舟 工場の年間賃金が世界一周旅行と同じ値段。1年で世界一周の貯金を貯める決心をする。 主人公の見る世界が狭すぎて、あまり共感はできなかったな。 ・12月の窓辺 嫌な上司に怒られての毎日。ある日、向かいのタワーの争いを目にする。 ポストライムよりもこっちの方が好きかな。こんな職場はありえるかもと。でも、一喜一憂する対象が小さすぎるな…
0投稿日: 2013.07.30
powered by ブクログ出張先でたまたま入った書店(JR大阪駅最寄り)で、平積みされていた本書が目に留まり購入。アベノミクスなどと世の中もマスコミも騒ぎ立て、浮かれ気分。そして、参院選の街頭演説が虚しく響き渡るなかで、本書に出会ったというのも、何とも奇妙で不思議な巡り合わせか? 依然変わらぬ厳しい雇用情勢、そして組織につきまとう様々な不条理。そんななかで、悩み、もがき、悶々としながらも、何故だかホットさせられる主人公達。一気に読破しました。 文庫版の帯には帯には、「芥川賞受賞作 社会人必読 今、働く人たちの間で、この本が圧倒的な共感を呼んでいます。」という一文。そして、本書には、「ポトスライムの舟」と「十二月の窓辺」の二編が収録。
0投稿日: 2013.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
芥川賞作品 ポトスライムの船より、十二月の窓辺のが心をえぐる 女性社会とお仕事をリアルに描いた作品
0投稿日: 2013.06.20
powered by ブクログ「仕事してて楽しいですか?」と後輩に問われ、即座に何も言えなかったことがあります。仕事に楽しみを求めていたのはいつの頃だったろう…。 生活するために働いているのか、働くために生きているのか、悩むのも通り越してどうでもよくなったり。時間を切り売りしてるようにしか思えなかったり。理不尽を理不尽とも感じられなくなりただただ自分を責めたり。自分のことしか考えてなかったことに気づき愕然としたり。共感できることばかりなんですが、どこか他人事のように見ていられる距離感がよいです。これで自分と重なってしまったらただ迷って悩んで現実と同じ無限ループにはまってしまう。目標だの希望だの輝かしい未来を想定することもできず、絶望してリタイアもできない、中途半端な自分にさらに滅入るだけ。人生でたまに訪れるほんの僅かな風向き、それだけでも結構生きられてしまうもんだなぁとため息をつきつつふっと口許が緩んでいるのに気がつきました。
2投稿日: 2013.05.12
powered by ブクログP187 そしてごめんなさい。あなたはどうしたって自分よりましだと思っていた。そんなことではきっとなかったんだ。 「十二月の窓辺」はもし自分がこの世界にいたら「V」とどう接するかを考えながら読んだ。上にいたらどうするか、下にいたらどうするか的な。
0投稿日: 2013.05.12
powered by ブクログ’09年に芥川賞を受賞した作品。 まさに、今私が読むべくして読んだ作品な気がしました。 独身女・仕事・上司・親・友達etc… ただ前向きになると言うよりはちょっと暗くなりましたが。 仕事って大変。 人生て大変。 それでも働く、生きていく。
0投稿日: 2013.05.11
powered by ブクログお前なんか辞めればいいのに、と言われる以上にお前はどうせ他でもやっていけないという呪いのような言葉を浴びせられることの怖さを思うとぞっとした。そうやって痛めつけつつもリタイアさえ許されないなんて。将来の可能性まで否定されるなんて。 程度の差こそあれパワーハラスメント、モラルハラスメントなんてどこでも起こっているのかもしれない。人を平気で傷つける人は、哀しいことに確かにいる。だけど、自分が出来損ないなのが悪い、こんなのは他所でも起こっていることだ、自分が耐えれば謝れば済むことなんだと思い込んでしまっては思う壺なのだ。 時には世界の不幸な人たちと較べたらこんなのなんてことない、そんな考えに救われることもあるかもしれない。本当は自分より不幸な誰かと較べないと幸せを実感できないのなんてとても悲しいことなのだけど。 だけどそうやって聞き分けよく泣き寝入りなんかしちゃいけない。これっておかしいんじゃないか?とまず自分のいる世界を疑ってかかることを忘れてはいけない、と思う。誰かの当たり前は誰しもの当たり前ではないってこと。 「君は永遠にそいつらより若い」でもそうだったように、主人公たちの見て見ぬ振りをせず悪意に立ち向かって行く姿にスッキリもするし、同時に抉られるようですごく痛くて。自分だったらそんなに強くなれるかな、見て見ぬ振りをする側に立ってしまわないかな。 気休めは気休めでしかないけど、一時でも辛さを忘れらせてあげられるなら、心を軽くすることができるなら、きっとそれ以上に自分にできることなんてないから そういう存在になりたいと思った。
0投稿日: 2013.04.20
powered by ブクログ再読。前回読んだ時は希望のない話だと感じたのが、今回は前向きに捉えることができた。「ここではないどこかは、当然こことは違い、そこには千差万別の痛みや、そのほかのことがあるとツガワは知ったのだった。」どこに行っても変わらない、私もついついそんなことを考えてしまうけれど、それはとても狹い物の見方をしている。環境のせいにして逃げるのとは違う、ツガワの選択は前向きな一歩だと思う。
1投稿日: 2013.04.09
powered by ブクログ働いていると目の前の仕事に追われ、仕事の意義なんて考えることはまずないと思う。しかし、リストラ、パワハラやいやな上司にいじめられたり、その他もろもろのいろいろな理由で、俺って(私って)なんで働いてんだろ?とふと考えてしまう局面が訪れることがある。 社会のため、家族のため、なんとなく目的が明確になっているヒトは、問題ないけど、食べるため?今の仕事を続けていて将来は?などと考えてしまったヒトは一読の価値ありである。 もちろん、明確な答えがあるわけではないのだが、なにか前に進むきっかけになるかもしれない。
0投稿日: 2013.03.31
powered by ブクログ帯の「社会人必読!」の言葉に操られるように購入。 「圧倒的な共感」という言葉の通り、ナガセのつぶやきもツガワの絶望もびっくりするくらい生々しい。 分かりたくないけど分かるなぁと思う。 私なんてぼけっと仕事して、ほぼ定時に退社して、たまに先輩と飲んで笑っていられるんだから恵まれているはずだろうと思った。 でも、その場にいるその人にしか分からない苦しさとか、むなしさとかがあるんだよなぁ‥。 表面的な話だけ聞いて、あの人の方が苦しいとか楽だとか言えるわけじゃない。 私が無理だと思ったら、他の誰がなんと言おうと無理なんだってこと。 ジャッジ出来るのはその場にいる唯一人だけだってことをすごく思い知らされた。 「ポトスライムの舟」も「十二月の窓辺」も読後感は悪くない。 どちらの物語も現実を現実以上に良くも描いていないし、悪くも描いていない。 そんな中で疲弊しながらも前を向いて歩いている主人公の2人に励まされる。 特に「十二月の窓辺」のツガワが一歩踏み出せた姿にほっとする。 誰とも違う私の苦しさを必要以上に大きくする必要がないことを悟る。 やっぱりこれは「社会人必読!」かもしれない。
14投稿日: 2013.03.24
powered by ブクログちょっとカネカネ言い過ぎな表題作よりも、パワハラ描写が圧巻の併録「十二月の窓辺」がスゴイ。客観的に救いのない話にジンワリ希望を匂わせる所もいい。
0投稿日: 2013.03.22
powered by ブクログ表題作と「十二月の窓辺」の二編。表題作は2008年下半期の芥川賞を受賞。でもとても軽い読み口。それはワーキングプアとかブラック企業といった、とても今日的な風景が描かれているからだろうか。むしろ社会学的な新書を読んでいるような気にもなるが、これが時代の空気といえばそうなのかもしれない。自分も仕事をしながら生きることについては、それなりに悩み考えながら過ごしているので共感しながら読んだ。 しかし、文学ってどこか希望を読後感に与えてくれるものじゃなかったかしらん。そういう意味では、絶望ではないのだけど先行き不透明というか、先が見えているというか、そんな感じの読後感。それが現代社会の空気でもあるのでしょうね。
0投稿日: 2013.02.19
powered by ブクログデビュー作『君は永遠にそいつらより若い』に続いて読んだが働く事をきちんと書きながら主人公が客観的に描かれていてバランスよく描かれているので支持されるなあと思った。ロスジェネとか派遣文学みたいな扱いが出た当時はされたのかもしれないがもはやそれは普通の事だから一般的に受入れられていく作家さんだろうな、まあ文章うまいから主題が変わったものも読みたいと思うし。
0投稿日: 2013.02.06
powered by ブクログ物語的な感じかと思いきや…そうなんだけど…なんていっていいか どんどんナガセの気持ちに引き込まれていった。ただ心に清々しさが残ったかどうかは謎。人によります。 ★3つ。
0投稿日: 2013.01.28
powered by ブクログ収録の2篇とも主人公が不器用で不憫であぁこういう人いるよねってかんじ。 自分に重ねて現実的に読めるけどあまりの不憫さにイライラする。 そしてこの作者の書き回しがどうも合わないらしく読みにくかった。
0投稿日: 2012.12.19
powered by ブクログ表題作もよかったが、もう一つの「12月の窓辺」って話がすごかった。ワタシは色んな会社に所属したことないし、周りの人にかなり良くしてもらってるんだな…と改めて感じたのでした。
0投稿日: 2012.11.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
芥川賞受賞作らしい。特に波風立たない日常の風景をつらつらと書かれているのだが、ところどころに表現のうまさ、言葉の上手さを感じた。 とは言え、個人的趣向により★は三つ。
0投稿日: 2012.11.24
powered by ブクログひさびさに読んだが変わらずの津村調だなーって綴りに安心感。会社の壁に突如貼られた世界一周百六十三万円から始まる物語にそれとなく生きている若者たちが絡みつつ、何故か何とかその金額が貯まるまでのダラドタ感が面白い。
0投稿日: 2012.11.11
powered by ブクログOLってバブルじゃないんだから、キラキラもチヤホヤもしてないしされないし、体も心もしんどくて、なにに向かって歩いているのか全然わからない。 こんなことってある、って思いながら、自分や仲間を励ますような気持ちで読みました。
0投稿日: 2012.11.05
powered by ブクログ「十二月の窓辺」のほうが良かったかな。 出世欲と女子力が足りてない会社員にとってはものすごく共感できる話。これといって大きな事件も起こらないし、前向きに生きてる人にはなんだか分からないストーリーかも。
0投稿日: 2012.10.21
powered by ブクログ日々働いて、働いて。でも、なぜ働くのかと、ふと思う。私も時々そう思う。 でも、働くことの意味は、そんな小さな日々の中にあるのだなぁと。 たとえ、自分の年収が、世界一周の旅と同額と知ったとしても…
1投稿日: 2012.09.21
powered by ブクログパワハラというか…モラルハラスメントですね〜。 自分自身も同じような状況にいるから、重ねてしまった。 まぁあたしの場合は職場ではないけれど。 こういう現実がたくさんあるんだろうなぁ。
0投稿日: 2012.09.15
powered by ブクログ「十二月の窓辺」は若干背筋を冷たくしながら読んだ。どぎついパワハラの場面でも距離をとった、どこか醒めた視点が印象的。
0投稿日: 2012.09.14
powered by ブクログ日中は工場、夕方は喫茶店、土日はパソコン教室と、仕事をかけもちながら働くナガセは、工場からもらう年収と世界一周の費用が同額であることに気がつく。 ナガセの生活を描いた、表題作『ポトスライムの舟』、職場のモラハラがテーマの『十二月の窓辺』はともに、働く人々が抱えるつらさが淡々と綴られている。 悲劇的なのにどこか笑いがあるような文体のおかげで、感情移入するでも客観視するでもない不思議な読み心地であった。
0投稿日: 2012.08.28
powered by ブクログ話題になっているから、賞をとったからという理由で即読んでみようとはならないけれど、それでも手に取って読んだのは植物名がタイトルに入っているが故か。 完全なる主婦になった後に再読したらまた違う感想を持つのかなと思いつつ、手放す。
0投稿日: 2012.08.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「十二月の窓辺」が良い。 通り魔でもあるナガトは、「なるかもしれなかった自分自身」として ナガセとほぼ対照的に描かれており、それだけお互いのキャラクターが引き立ち、いつ立場が変わってもおかしくない危うさも描いているように見える。 最後に手を振った相手は誰なのか。アサカワか、ナガトか、それともそこに残した逃げられなかった自分自身なのか。
0投稿日: 2012.08.23
powered by ブクログただだだ、生活のために働く毎日。 安い給料で、特に大きな夢や目標もなく働いている主人公。 でも、そんな毎日も捨てたもんじゃないのかも。 世界一周にいく資金をために生活を切り詰めていたのに、 その貯金を困っている友達に貸してあげる。 自分が働いたお金で、お世話になった人にお茶とお菓子をおごる。 自分が働いたお金で、友達の子供にイチゴの苗を買う。 そんな風に、ささやかだけど、 大切な人のためにお金を使うのも悪くないな。 大きな夢なんかなくても、 生活するため、家を建て替えるため、家族を養うため。 そのために働くのもいいんじゃないか。 そんな毎日や、周りの人が大切大切だなと思える本でした。 またきっと読み返す本。
0投稿日: 2012.08.21
powered by ブクログ第140回芥川賞受賞作品です。 三十路独身女性の日常を世界一周旅行をキーワードに切り取ったものです。 経済的にギリギリの生活の中から年収分の旅費を捻出するまでの苦悩がありますが、結局、そのお金で雨水タンクを買ってしまう主人公は愛らしい。
0投稿日: 2012.08.17
powered by ブクログ29歳、ナガセの日常は、工場とパソコン教室とカフェと、すべての時間を労働に費やす日々だ。 かつての職場でパワハラにあい、働くことを恐れた一年間の反動で、取り憑かれたように働く。 家を改築するとか世界一周に出掛けるとか、後づけのような目標に向かって金勘定に余念がない姿はちょっと恐怖だ。 とても解説にあるような前向きな捉え方ができない。 併録の「十二月の窓辺」のツガワとともに、何というか可愛げのないキャラクターのせいで余計に、客観的を通り越して突き放して見てしまった。
0投稿日: 2012.08.11
powered by ブクログ慎ましい毎日を屈託のない明るい大阪弁が走り抜ける。淡々と流れていく何でもない日々。微笑ましくだんだん温かになっていく。ポトスの生命力に不思議な幸福感が湧き上がる。
0投稿日: 2012.07.31
powered by ブクログ2009年芥川賞受賞作品。 自分の年収と、世界一週旅行の費用が同じ163万円だと気づいた主人公の日常を綴った物語。 何だかとても共感できた。 それぞれが、個々の日常を生き延びる。と言うこと。 私も頑張ろうと思う。 津村さんの文章は、ゆっくりゆっくり読みたい。
0投稿日: 2012.07.23
powered by ブクログもっと評価してほしい!ゆとり?閉塞?萎縮?よくわからんが、よくわかる感覚。同時収録のパワハラ小説、読みながら涙目に。アタシ、やってそう、Vみたいなこと。
0投稿日: 2012.07.21
powered by ブクログ私にとっては、本を読み終わった後や舞台や映画を観終わった後に、ポジティブな気持ちになれることがとても重要。 世の中暗いニュースで溢れているし、自分自身だって常に前向きでいられるわけではない。楽しく幸せなことばかりではなくて、疲れるし、怒ったり悲しんだり傷ついたりして心がトゲトゲささくれたつことも多い。 そういう現実からひと時離れて、癒され、前向きな気持ちになれるような本や映画・舞台が好きなのだ。 こういう、厳しい現実を突きつけられるような小説は、そんな私にはあまり合わなかった。
0投稿日: 2012.07.13
powered by ブクログ『ポトスライムの舟』 大きな事件が起こるわけでもない女性たちの日常を描く。すごーくすんなりと心に沁みこんでくる文章が不思議に気持ち良い。 『十二月の窓辺』 パワハラなんてものが(たぶん)成立しないぬるい職場にいる私には全く想像できない遠い世界のお話。すげーな。世のOLはこんな目にあっているのか?
0投稿日: 2012.06.30
powered by ブクログ・帯には「社会人必読」とか「明日から頑張ろうと思った」とか書いてあるけど俺には逆に作用した。全然仕事したくなくなった。すぐに帰りたくなって月曜日昼前に早退した。そういう意味では結構心は揺さぶられたんだと思う。 ・なんでなのかなーと考えてもよくわからないんだけど、どうやらこの本に出てくる人達と俺とは正反対だからなのかな、という結論に今は落ち着きそう。頑張ってるのになんだかうまくいかない彼女たちを見て頑張ろうって思えないのは、大して頑張ってないのになんとなくうまくいってるからなのかな、と。
0投稿日: 2012.06.12
powered by ブクログ悶々としてて、現代の働き方のスタイルとかそういうものを良く表していると思う。 だけど、全体的に読んでても、その世界に入り込めなかった。 時々、おっと気付かされることもあったけどね。
0投稿日: 2012.05.19
powered by ブクログ淡々としていながら、強く印象に残っている。私はまだ学生なのでよく分からなかったけれど、働けばこんな風に思うのでしょうか。
0投稿日: 2012.05.16
powered by ブクログ「働くこと」と「生きること」、あるいは前者は後者ということを、ぜんぜんイヤミなく書いている傑作。 主人公の女性は、働くことは良いと言い切ってはいなくとも、悪くはないと思っているはず。ゆるやかに肯定している感じが、読後にも心地よく残ります。 柴崎友香『フルタイムライフ』などを楽しく読めれば、本書もきっと楽しめるはず。
0投稿日: 2012.05.15
powered by ブクログ現在の働く女性の小説。 夢の為にお金をとにかく節約するのだが現実は…… 現代をよく映していると思います。
0投稿日: 2012.05.11
powered by ブクログ鬱々した感じがなぁ…イマイチだったな。でもなんかちょっと笑えるとことかあって、リアリティがあって、そのバランスがいいのかな。
0投稿日: 2012.05.08
powered by ブクログ全体的に、甘だるい雰囲気が漂っていて、それがよかった。文も淡々としていながら、緻密な世界観につながっているのが、驚きだった。これが、妄想力の本領なのだろうか?
0投稿日: 2012.05.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
芥川賞受賞の表題作はイマイチ合わなかった。 3つの仕事を掛け持ちする、非正規雇用でワープアに片足突っ込んでる主人公が、 工場での年収と世界一周の船旅の旅費が同じ金額だと気づいて、 貯金をする話。 娘を連れて家出してきた友人が家に転がり込んできて、 その娘との交流とかアクセントはあるけれど、全体として盛り上がりに欠ける。 予定調和だし。 なぜか勝手に主人公は死にそうだなと感じたけどそんなこともなかった。 筋も普通、オチも普通、なんか国語の教科書に乗っている話のようだった。 だから芥川賞なのかな。 確かに日本語は綺麗だと思うけれども、深みがない話だからイマイチ響かない。 登場人物自体が非常に深いからそれにごまかされている気がするけど、 物語としては至って普通。 芥川賞受賞と判子ついてなければ、著作リストの一行として見過ごされるレベルだと思った。 同時収録の『十二月の窓辺』の方がとてもよかった。 上司にパワハラを受ける主人公。 自分を否定されすぎて、辞表を持ち歩いているのにどこの職場でも同じかもしれないと思って辞められないでいる。 彼女は会社の窓辺から、展望台やおしゃれなカフェがある隣のタワービルを眺めている。 そこからは最終面接で落とされた会社の印刷室が見えて、そこで働く自分と同じ年頃くらいの社員に親近感を抱いていたりする。 8割くらいいじめられてうじうじしている姿で、 上司も同僚も嫌なやつだし主人公もいじめられっこの典型って感じで、読んでて全然楽しくないのに面白い。 結末にはほの暗いカタルシスがある。 オチは読めるけれど、それを補う仕掛けが一段前にあるから、それだけで充分、あとは着地として流せる。 著作の中では今のところ一番好きかも。 津村さんの物語は一文一文手繰って読まなければいけないから、結構労力がかかる。 ナナメ読みだとたぶん半分も面白さを感じられないだろうとわかるから、ちゃんと読む。 ちゃんと読まなきゃいけないんだけど、ちゃんと読むにはメリハリがない上、暗い。 今後いい風に化けていくのかな。 なんかまだ遠い、私との距離。 『ポトスライムの舟』★2.5、『十二月の窓辺』★4.5
0投稿日: 2012.03.22
powered by ブクログ「産業カウンセリング」の掲載文を見て、手に取りました。 非正規雇用の心情・生活が描かれているとか。 それはさて・・・ ナガセはじめ登場人物全員が弱い立場におかれている。 そのような中、なにか目立たない力強さを感じるのです。 りつ子の行動には励まされました。 弱くても細々でもいい。 自分の力で生きることがいかに大切か。 ちゃんと貯金しよう! そういう気持ちにもさせてくれました。 収録作品の「十二月の窓辺」 パワハラ上司に責めまくられたヒロインのことが あたかも現実のように心配になりました。 でも、今どきの女子ってところがナイスでした。
0投稿日: 2012.02.11
powered by ブクログ久しぶりの小説。 アラサー女子の超現実を感じました。ここで描かれてるような女子的ウエット人間関係が苦手なので私は今の仕事で良かったと思うこのごろ。 会社を飛び出した話も読んでみたいものです。 最近、ある特定の舞台しか書けない若手作家が多いような感じがしているけど、全体的に人生経験が狭くなっているからでは・・・私もいろんな場所に身を置くよう精進します。
0投稿日: 2012.02.04
powered by ブクログ本のタイトルでもある短編「ポトスライムの舟」は、その緩さがここちいい。 ポトスライムの料理を二日考えて、そののち毒性のあることを知って脱力したりだとか、日々が優しく過ぎていくことが、これまた優しく描かれている。 ただヌルい訳ではなく、描かれる人々は多くが何かに傷ついているのだけれど、声高に描かれないし、無用に不安を煽ったりもしていない。 のっぺりしてるのとは全然違う、こんな風に静かに物語られるのは好きだ。 もう一作は、切なくなる。 自分に対して証明したいって下りなんて、胸に迫って、いたたまれないほどに。 疲れてる人におすすめしたい。
0投稿日: 2012.02.01
powered by ブクログ働く女性なら身近に思える話が多くて共感しやすい内容だと思う。どれだけまじめに働いても不安定な雇用とわずかな収入という境遇。こんなどうしようもない社会構造に閉塞感を感じている人は現実にどれだけ多くいることか。主人公のユニークな発想がこの作品の面白いところだと思う。最後までこだわっていた世界一周は結局行かれたのかどうかが気になる。もしお金が貯まっても、自分だったら行くだろうかと考えさせられた。
0投稿日: 2012.02.01
powered by ブクログお金の使い方を考えさせられる。年収と世界一周旅行が同じ値段。でもお金を貯めることが目標となってしまうと、生活にゆとりがなくなってしまう気がする。でも何か目標を持ってお金を貯めるのはいいのかもしれない。「十二月の窓辺」はなんかどんよりした気分の読後感。会社勤めしたことないけど、あんな上司がいるのは嫌だなあ。
0投稿日: 2012.01.16
powered by ブクログ毎日会社に、人間関係に、もまれてる身としては、本を読んでまでドロドロした気持ちの内を見る余力はなく。なんだかどんよりしてしまった。
0投稿日: 2012.01.14
powered by ブクログ『我慢できないことの方が傷付かないのだ、ということはうすうすわかる。』 『親という人はえらい、と思う。しじゅう子供に指示を出している。自分が何をしたらいいのかもよくわからないナガセには、務まりそうもない立場だった。』 『ナガセは、ああ、まあね、と同意しながら、手を合わせて、せかいいっしゅうが、と頭の中で言いかけ、やめた。代わりに、ヨシカとりつ子と恵奈ちゃんとおかんの願いが叶いますように、と願って、そろそろと行列を離れた。』 『イチゴにはよほど思い入れがあるのか、種の一つ一つまで丹念に描いていて、逆にまずそうにしていた。』 『今の自分に出来ることは、息をすることの次にそれしかないように思えた。』 『それはあまりにも気の滅入る想像だった。自分の葬式について思い浮かべてるほうがまだましだった。』
0投稿日: 2011.12.25
powered by ブクログ芥川賞受賞時に文藝春秋誌上で読んだので、再読。 ナガセは目標持ってるんだか流されてるんだか…で、今の人、という感じ。 だからこそ、最後の希望が射してくる描写が、読み手にも届くのかも。 MVP:ツガワ(併録『十二月の窓辺』も良かったです)
0投稿日: 2011.12.10
powered by ブクログ芥川賞受賞作。 会社を辞めて工場勤めのナガセが漠然と世界一周船旅の資金を貯め、その間に実家に友人を居候させ… リアルで軽く鬱になる。
0投稿日: 2011.11.28
powered by ブクログ同時収録の、「十二月の窓辺」のほうが楽しめた。 会社の非情さが全面に出ていて怖いくらいだけど これが現実なのかなぁ…と思った。 でも、どちらも最後には、少し、ほんとに少しだけ 前に進んで、読後感は悪くなかった。
0投稿日: 2011.11.10
powered by ブクログアラサーでワープアでデッドエンドな感じが非常にリアル。(自分が直球でその範囲に納まるからでもあるが。)収録作二本とも身につまされまくりで胃が痛くなった。些細なミスに怒鳴り散らされ、駄目なヤツと烙印押されて追い詰められクラクラするなんて、かつて自分も経験したな…と、苦い味を思い出したりした。それでも読了感は、そこまで酷くはない。ほんの少しだけれど陽が射すような余韻が残る。 あえて登場人物を記号的に扱うことで、似たような経験をした人が、それぞれ自分の思いを重ねて読めばいいようにしたかったのかな、と私には思えた。それが意図ならば、作者の思う壺に上手くはめられた。
0投稿日: 2011.11.08
powered by ブクログ長瀬由紀子さんは働きものだ。日々、労働する。そのことについていろいろと思い悩んでいる。 契約社員として働く工場の掲示板に貼ってあったポスター「世界一周旅行163万円」を見た。 そのあとなぜだか長瀬由紀子さんの表記はナガセになる。ナガセ。カタカナでナガセは思う。と、姓で、カタカナ。 カタカナなナガセさんは163万がナガセさんの工場での一年間のお給料とおおむね同じなことに気がつく。そうなのか。工場で働く時間を世界旅行に費やすことが出来るのか。と。まるっと工場の給料には手をつけないと誓う。ナガセさんは働きものだから他にもお仕事をしているのだ。 へびのなかま。ナメラ。 世界一周旅行への節約中に突如としてナガセ宅に転がりこんできた、友達と友達のこどもの恵奈と事典を見ながらナメラを知る。鱗がなめらかだから、ナメラ。「長瀬ナメラにしようかな」そう呟いたナガセは長瀬。と漢字になってた。
0投稿日: 2011.11.06
powered by ブクログ労働とはその昔、奴隷やそれに準ずる人たちの営みだったというが、現在、私たちはそこに自己実現だとか、夢だとか、そのようなものを一方的に仮託して毎日を生活している、ということに一応なっているが、現実は果たしてー。 未婚、アラサー、年収163万のナガセは工場のコンベア業務で、「我慢代」としてのサラリーを時間と交換して暮らしている。色彩を欠いたその暮らしは、やがてリセットとしての世界一周のクルージング旅行を要求する。 まるでSOSの救難信号を出すように、「ここではない、どこか」を求め、ギリギリまで切り詰められた生活は、やがて「いま、この場所」にいるナガセを非情にも追い込んでいく。 「自分は、少し離れた友人の家に行く余裕すら持てないでいる。世界一周の費用は順調に貯まっていたが、ナガセにはなんだか、そのことが微かに空しく思えた。」 そして物語は転調し、ポトスライムで造られた舟は少しずつ推進する。ガタガタと鈍い音を立てながら。その舟はナガセを、どこに連れて行くのだろう。
0投稿日: 2011.11.05
powered by ブクログ09年芥川賞受賞作品。 主人公の歳が近くて、題材もおもしろそうだったので読んでみた。 女性にはいろんなステージがあって、環境も複雑になってくるけど、自分自身の目標や気持ちを大事にして、芯をしっかり持った人でいたいと思った。 短めでサクサク読めたし、わたしも頑張ろうと思えた(o^^o)
0投稿日: 2011.10.16
powered by ブクログ何か変わった文章だなーと思ってたから 解説読んでしっくりきた感じでした。 中身は何とも… 私にはまだわからない事が多いなあ。 こういう人生は嫌だな、って何となく思ってしまう位かな。 働くって何なのか。 この一年ずぅっと考えてるけどよくわからないなあ、うん。 まあゆっくり人生いきますか。
0投稿日: 2011.09.28
powered by ブクログ淡々と日常を描いてる作品で、引き込まれる要素はそれほどないけれど 立場的にけっこう共感できる部分があるのでサクサク読み進めていくことができた。 どちらの主人公もそんなに感情移入できるタイプではないのが惜しいけれど、それでも読後感はわりとよかった。
0投稿日: 2011.09.25
