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ポトスライムの舟
ポトスライムの舟
津村記久子/講談社
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総合評価

342件)
3.5
36
103
127
30
4
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    『時間を金で買う』ような日々を送る、二十九歳工場勤務のナガセ。ある日、世界一周クルージングの料金と、自らに年収が同じ値段ということに気付く。世界を旅する一年と、生きるために薄給を稼ぐ一年。ナガセの天秤はどちらを掲げるだろうか——— (ポトスライムの舟) 何でもない日々にありがとうと言いたくなるようなお話。辛いことも楽しいことも、振り返ってみればあったかどうかも分からない。だけど、その瞬間は間違いなく楽しいと感じていたし、価値のある時間を過ごせてた。ナガセもまた、以前よりもそんな日々に価値を感じられたと思うし、彼女の周りの人間も同じように思えていたら良いなと思う。

    8
    投稿日: 2026.03.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表題作「ポトスライムの舟」 ナガセが見つめたのは、豪華客船の眩さ、というより、ポスターに印刷された163万円という数字。世界一周は夢や希望というより、労働一年分の値札として立ち上がってくる。 そこから世界の見え方がひとつの尺度に寄っていく。理由を削り、ちいさな贅沢を削って、数字の城を積み上げていく。 自分を少しずつ削って作るから、きれいな形にはなりにくい。でも崩れないためには、積まざるを得ない、という感じもある。 そして物語は後半に進むにつれて、積み上げたものの重さが、少しずつ身体や気分に影を落としはじめる。 仕事やお金や体調や、人との距離感みたいなものが、同時に小さく揺れていく。事件が起きるというより、些細なズレが重なる感じで、日常の足元がわずかに不安定になる。 それでも、誰かが差し出す手や、思いがけない形で戻ってくるものがある。すべてが奇跡みたいにひっくり返るわけじゃないけれど、行き止まりだと思っていた場所に、もう一歩だけ先が見えるような瞬間がある。そこに至る道のりは、成功譚というより、生活の流れの中で“たまたま”と“積み重ね”が静かに絡み合う、そんな手触りに近い。 終わり方もまた、派手な結論ではない。大きく宣言したり、劇的でもない、ささやかな仕草が置かれる。その小ささが、妙に良かった。

    0
    投稿日: 2026.02.27
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    仕事でモヤモヤしてる時に読む本ではないかも知れないし、そんな時だからこそ読むべき本でもあるのかも知れない

    0
    投稿日: 2026.02.23
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    限界会社員小説。 パワハラで前職を退職し、単純作業をする現職に勤めるナガセが、掲示板に貼り出されたピースボートと思われる世界一周旅行のポスターを見て、自分の年収と同じ163万円を貯金しようとする話。友達と遊びに行っても、友達を助けてもずっとその交通費や食費を計算し続けるという、馬鹿らしいようで、現代っぽくて切実な感じが胸に来る。どこか現実との接触の実感が乏しい感じがよく出ている。2009年芥川賞受賞。 併録されている「12月の窓辺」は、著者もインタビューで答えていたが、パワハラにあった職場の実体験に基づく話。読んでて辛くなるが、どこか滑稽さもある。どこか憧れともゲームの背景のやうな非現実とも思われた、休憩室の窓から見える兎我野タワーでの、ある出来事を目撃してしまうあたりの展開はすごい。 両方とも救いのある終わり方なのに読後寂しい気持ちになる。※オーディブル

    0
    投稿日: 2026.02.21
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    仕事や日常生活に行き詰まった時に読み返しています。「今がいちばん働き盛り」と入れ墨を彫りたくなったナガセの気持ちを自分に置き換えて奮い立たせました。 十二月の窓辺の上司がほんとにくそすぎて こんな人間にはなるまいと真剣に思いました。

    1
    投稿日: 2026.02.13
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    決して楽しく読める小説ではないけれども、ナガセのちょっとした気遣いとやさしさ、ツガワの最後に見せる思い切りにグッときました。 佐多稲子のデビュー作を読んだ時に感じた無力感とガッツポーズをしたくなる気持ちをちょっと思い出しました。

    13
    投稿日: 2026.02.07
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    素朴であたたかい津村節。こういうのでいいんだよ。 『コンビニ人間』、『ハンチバック』、『推し、燃ゆ』と芥川賞巡り中にあった本作。 そうそう。津村紀久子さんはこういう感じだった。こういうのでいいんだよ。 彼女の書く甘すぎないしあたたかすぎない。緩すぎるかも?独特の雰囲気が好きだ。定期的に摂取したい。 アウトリガーカヌーに乗ってゆるゆると決して速くはないけれど、それでいて不思議と転覆しないバランスで世の中を漕いでいきたいものだなあ。 それにしても表紙の男の子がかわいすぎる。このワンポイントが入ったTシャツあれば欲しい。

    1
    投稿日: 2026.02.06
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    ◼️ 津村記久子「ポトスライムの舟」 芥川賞。小説らしい作品だな、と。読みやすく展開は、把握しやすい。 たまたまではあるけど、最近芥川賞を読むことが多い。中には、博多弁で言うといっちょん分からんやったり、やたら理屈が多かもんもあるとばい。しかしながら、この作品は平易な言葉で、設定も展開もオチも分かりやすい。ただ、そこに含まれている意味を言葉でうまく表現できない。 長瀬由起子29歳は、工場でベルトコンベアの乳液のキャップをチェックする仕事をし、夕方からは友人のヨシカが経営するカフェで働き、夜は入力の内職をしている上、土曜日はパソコン教室でお年寄り相手にメールの送り方などを教えている。ある日、工場に貼ってあるポスターの163万円で世界一周、というふれ込みに、この金額は自分の工場の年収と同じ、と気づき、節約を始める。そんな折、母親と住む4LDKの古い持ち家に大学の同級生・りつ子が幼い娘を連れて、ほぼ無一文で家出してくるー。 「ポトスライムの舟」自体は100ページくらいの作品。主人公ナガセの前日譚「十二月の窓辺」も収録されている。 離婚した母に、離婚協議をしているりつ子、離婚を考え始めた、工場でともに働く岡田さん。回りがいろいろと動く中、目標である貯金に向けて働く、細かくカネの計算をしては心を痛めるナガセ。止まらず働く女に、束の間の休息が訪れる。そして心境の変化が・・? 最近意図せず関西ものに当たる気がしている。ポトスライムの舟」は奈良が舞台で関西弁も多い。そしてそちこちに奈良の細かいあるある、が散りばめられる。さて、この作品はお金の算段を中心にストーリーが進む。周囲に影響されて、働いて、エアポケットが生じて、というわかりやすい展開だと思う。 では、何を掴み、どう変わっのか。成長したり、自信を取り戻したり、というのはわかる気がする。ただそれを、えも言われぬグネグネしたような感情、変化の度合いと瞬間をどう表現していいのが、ホントにむずかしい。分かる気はするけど、この胸の中のもの、これがこの作品を読んだ時残るものでは、という気もした。 タトゥー、百科事典が好きなりつ子の娘・恵奈との触れ合い、自転車で走る、など印象的で計算されてそうな要素が織り込まれていていて非常にテクニカルだなと思えてしまう。 等身大の物語、平易な文章とあまり波のない展開。しかし何かある、という確信、あまり言葉にしたくないような気もすふ。様々な知識。小説らしい作品だな、と思ったりした。

    2
    投稿日: 2026.01.29
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    ポトスライムの舟 なんかわかりそうでわからない。 でも心地よいって感じの話 社会人になってからお金が苦しい時期があったので、友達と会うための電車賃を脳内計算する主人公に共感しかなかった 将来のための投資を頑張ってるけど、それは幸福なのか?みたいなことを改めて考えた いまいち掴みきれてないので、みんなの感想も見てみたい。 十二月の窓辺 ひたすらパワハラ描写がきつかった。 主人公もかなり限界まできてたし… 「でもまあ仕事ってそういうもんなよなあっていう。ばかみたいな恥をかきながらもそれは続くわけですよ。遠い空の下でアホにされながら、それでも会社員ははたらくんだよなあ」 ってセリフ好きだった。諦めと希望のブレンドが(この段階ではまだ主人公は吹っ切れきれてないけど)。 道中がしんどすぎたので、ちゃんと前向きに終わってくれてよかった。

    14
    投稿日: 2026.01.23
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    2編のお仕事小説。 どちらの話も、悩みながら仕事を頑張っている姿が描かれている。キャリアウーマンではないところが、現実をリアルに切り取っていると感じた。 1話目は薄給の中でも夢や目標を持って働き、2話目は仕事がうまくできないことを自覚しながら、いじめに耐えるようにして働く姿が描かれる。 芥川賞受賞作の1話目「ポトスライムの船」は、生きるために働くのか、その人生にどんな意味があるのかという、多くの人が一度は考えるテーマ。 主人公は働くこと自体は苦ではなさそうで皆勤だが、給料の重みや働く意味について、漠然としたものから次第に形をもって考えるようになる。 2話目「十二月の窓辺」では、パワハラ上司に耐えて働く姿に、偉いなと思う反面、もっとその努力を認めてくれる人が近くにいればいいのにと感じた。 働く環境はとても大切で、QOLは大きく変わってくる。 一方で、社会では理不尽に耐える力も必要だとは思う。 嫌だからとすぐに投げ出すのが良いとも限らない。 ただ、パワハラに無理して耐えることが正義なわけではなく、自分を大切にすることも必要で、現代ではそのバランスがとても難しいと感じた。

    22
    投稿日: 2026.01.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「津村記久子さんの作品を集中して(といっても3冊)読んでみよう」の三冊目。 「ポトスライムの舟」と「十二月の窓辺」が収録されています。 「ポトスライムの舟」は前職をつらい思いをして辞めて、工場や友人ヨシカが経営するカフェで働いたり、パソコン教室で講師をしたりしている女性ナガセが主人公。たまたま職場に貼ってあった世界一周クルーズが、工場での年間手取りとほぼ同額であったことから、世界一周を目標にするところから始まります。と、こう書くとそこに焦点が合った小説かと思いきや全然違うのです。 ナガセは奈良で母親と古い自宅で二人暮らしをしていますが、そこに友人りつ子が娘を連れて夫から逃げてきます。と、こう書くとなんだか波乱万丈な日常を思い描きがちですが、全然違うのです。 じゃあ、何なんだ、と言われたら、もう「読んでみて」としか言いようがない。 ナガセは過労で体調を崩すけれど、淡々と日常に戻る力をつけていくし、転がり込んできたりつ子も淡々と夫と別れ、娘と二人で暮らしていく道を見つけていく。その「淡々と」が非常に良いのです。ナガセ、母親、りつ子、りつ子の娘、ヨシカが連れだって奈良の観光地にあらためて出かけていくところなんか、すごく清々しくて良い場面なのに、「淡々」と描かれています。 ナガセは友人の娘にも過度な愛情をかけることはないけれど、ちゃんと人と人のつながりを築いていて、ナガセの家を出て、新たな道を進み始めたりつ子の娘に、ポトスライムを持っていくし、苺の苗を買ってやろうと思うし。出てくるみんなが決して恵まれた環境ではない環境で淡々と日々の暮らしを送っていて、その「淡々」はストーリーではなく津村さんの文章への印象かもしれないけれど、良いお話でした。これも津村さんお得意のお仕事小説といえるかもしれません。 次の「十二月の窓辺」は、お仕事小説そのものですが、真っ向からのパワハラ事案でなかなか読むのも辛いものがありました。主人公ツガワへのV係長(このお話ではどんな形であれ”ハラスメント”をしてくる人は全てアルファベットで示されていたように思います・・・)のパワハラは言葉によるものが主だったものでしたが、まぁびっくり。同時に、私はつくづく恵まれた職場環境で仕事ができているな、と思いました。新卒から働き出してウン十年。パワハラを受けたり、大声をあげられたり、汚い言葉で罵られたりしたことはありません。(ひとりパワハラ課長がいましたが、なぜか私のいる係はその課長に好かれており、被害を受けることはありませんでした。)働きやすいけど、やりがいがないから辞めたいだとか、職務内容に飽きたから異動して新しいことをしたいだとか、なんて贅沢をほざいていたんだろう、と大いに反省しました。この反省はこの話のラストのツガワの気持ちからすると、綿あめくらい軽いものですが、最後の最後で、ツガワは自分だけが「底の底」にいたわけではなかったと知ります。「通り魔事件」と「トガノタワー」がこんなふうに物語の本筋にからんでくるとは・・・。パワハラを受けた側がどんなふうに自己否定に陥ってしまうかというのが、ツガワの気持ちの描写でよくわかりました。傍からだったら、「V係長の方が、他のところではやってけないよ!」「ここを辞めても、どうせ次でもダメだなんてことは絶対ないよ!」「合うところは必ずあるよ!」と大声で叫んであげられるところですが、当事者の耳にはなかなか入りにくいことも想像に難くなかったです。ツガワには希望が見えた気がしますが、ナガトはどうなんでしょう。なんでまだパーカー姿だったのかな・・・ とりあえずの「津村記久子さんの作品を集中して(といっても3冊)読んでみよう」の三冊終わり! また折を見て津村作品を読んでいきたいと思います。

    37
    投稿日: 2026.01.19
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    主人公はキラキラ系ではなく、どちらかというとぱっとしない生活を送るアラサー女性。世界一周旅行の貯金と友達の母子との交流の様子が淡々と描かれていく。 ポトスライムはわたしも一時期少しだけ育てたことがあるが、地味だけど丈夫で、葉のみずみずしさが印象的だった。華やかでなくてもいいからしぶとく生きること、そこに少しのうるおいがあれば人生も充分なのかもしれない。そんなふうに思える話でした。

    3
    投稿日: 2026.01.16
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    ひとつめのポトスライムの舟、かなり好きだった。 自らが稼いだお金をどのように使うのか 金銭的に余裕があれば、子どもを産んでいれば、あのとき結婚しなかったら。今では友人と思えない旧友、老いていく親、古びた実家。 満ち足りた生活にはほど遠い気がするけれど、自分で選択をして行動を起こすことはできる。

    15
    投稿日: 2026.01.10
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    ありきたりで変化のない人生を変えるため海外旅行の目標を立てたのだが、カツカツの生活を送る内に、日常のささやかな楽しみで満足するようになり目標がどうでも良くなってゆく。失われた世代の悲哀。

    1
    投稿日: 2026.01.10
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    『ポトスライムの舟』は読みやすかったが『十二月の窓辺』はパワハラがリアルに描かれていて胸糞悪かったですね。 ポトスライムの舟は主人公の独り言にクスッと笑えたり、主人公の友達の娘も癖強くて面白いですね。 十二月の窓辺は、当たりの強いV係長がとにかく胸糞悪かった、責任を丸投げする先輩たちもどうなのかと思いましたね。 解説も読みました。津村記久子さんの過去作である『ミュージック•ブレスユー!!』の話も織り交ぜて有り面白かったです。

    1
    投稿日: 2026.01.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ポトスライムの舟 1.仕事論 「忙しくしないと生きていけない。」「仕事を休んだら自分が変わってしまうかもしれない。」「仕事を辞めたくない。」という強い意志が語られるが、その動機はいまいち曖昧に語られる。「なぜそう思うのか」を自分でも突き止めていない。語れない不安を、労働で押し流している状態のようにも感じた。自分も仕事をすることで現実から目を逸らしている部分があるので他人事のようには思えなかった。 2.日常 友達、友達のこどもとの関わりもおもしろかった。結局、そのような場面で出費が嵩んでしまうのはしょうがないと割り切っているのだろうか。そして本当に世界一周する気はあるのだろうか。大きな目標を掲げることで目先のことから逃げているかもしれない。 3.タイトル なにをポトスライムに例えているのかを考えたい。ポトスライムのどのような特性が生きるのだろうか。作り物に見えること?食べられないこと?増やせること?水だけで生きること? 十二月の窓辺 1.モラハラ 今となっては現実味のないようにも感じるモラハラ描写は読んでいて苦しかった。ここまでなっても我慢しようと思うだけの動機はあったのだろうか。仕事こそが自分そのもので、それを否定されたくないという気持ちがあったのだろうか。 2.やめる 「ここではないどこかは、当然こことは違い、そこには千差万別の痛みや、そのほかのことがあるとツガワは知ったのだった。」ほかの場所が魅力的で会社を辞めるのではなく、ほかの場所でも同様に痛みがあるということを受け入れ変化していくのは、ポジティブな考え方でもあり、ネガティブな考え方でもあり、なんとも言えない気持ちになった。

    2
    投稿日: 2025.12.30
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    帯にも期待して購入したんだけどなんか違ったような? でもとても読みやすく、続きが気になって一気読みした!短編なのに内容が濃くて読了後のロスが大きい… 「十二月の窓辺」に出てくる上司には苛々したw わたしも十年くらい前に勤めてた職場にいたんだよな、気の強いおばはんが。嫌味たくさん言われたなぁ、そんな奴いたなぁ、と読みなから当時のことを思い出した。思い出す価値すらないのにね。苦笑

    2
    投稿日: 2025.12.26
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    具体的なエピソードとしては、主人公をはじめとした複数の登場人物が抱える職場や家庭での苦労が描かれているが、働く経験や、家庭的な苦労を未だ経験したことのない自身でも、登場人物たちの苦しみに共感することができ、人生の普遍的な苦しさをぴたりと言い当てる筆致に心を打たれた。一方で、とてつもない苦労を抱えながらも、やられっぱなしではなく意外にも(!)強かに日々を過ごす主人公たちに、希望も感じた。こうでないとやってられないよね、と共感できる。また、主人公との心情の距離感も絶妙で、過度な感情移入がないので、読後感が爽やかだった。苦しい時にまた開きたい一冊となった。

    2
    投稿日: 2025.12.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公・ナガセの一年を追いながら、仕事やお金、生き方について何度も考えさせられた作品でした。 年収163万円という現実味のある数字と、そこから始まる節約生活や世界一周資金作りは、夢というより「自分にも起こりうる選択」のように感じられて、とてもリアルでした。 作中で、思うように貯金できず、働きすぎて体調を崩し、それでも働き続ける彼女の姿には胸が痛くなった。でも同時に、小さな幸福を拾い集めながら生きていく姿に、静かに励まされました。 ポトスライムが水だけで増えていくように、ナガセも自分の力で生き方を模索していく姿が重なって見えたことが印象的でした。 また、友人関係の描写を通して、誰もが表に見えない苦しみを抱えて生きていることを思い出させられた。自分の世界だけで完結せず、もっと周りにも目を向けたいと思えました。 読後、すぐに何かが変わるわけじゃないけれど、「自分にも小さな一歩が踏み出せるかもしれない」と思わせてくれる本でした。

    1
    投稿日: 2025.11.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    芥川賞受賞作『ポストライムの舟』とその前日譚とも言えそうな『十二月の窓辺』。 やはり『ポストライムの舟』がかなりよく、『十二月の窓辺』はちょっと迷うところ。だけど『ポストライムの舟』は「こんな書き方あるかぁ!」と感嘆。なので迷いましたが、やっぱり★五つ。 以下、解釈&ネタバレ。 『ポストライムの舟』』の主人公・長瀬由紀子。このフルネームは最初の一文にだけ使われて、あとは「ナガセ」で統一される。ではなぜ、最初だけフルネームか? 「脳内並行世界の確立にナガセが成功した」という個人的な感想を抱いている。本体は長瀬由紀子であり、ナガセは様々な長瀬由紀子のうちの一人。でも実際のナガセは前職、パワハラで辞職しており、なかなか辛い人生を送っている。彼女が薄給の中「そうか163万円で世界一周旅行にいけるのか」とケチケチ&土日も働く生活を始める。ナガセの周囲の、お金に困っていない友人・店の経営者の友人・旦那からモラハラを受けている友人、また会社の先輩の岡田さんの夫はどうも不倫しているらしい。そんななか、ついにナガセは体を壊してしまう。しかし復帰したら、なんと会社からボーナスが出て、163万円たまっていた! でもナガセはすぐには世界一周旅行にはいかない。恵奈という友人の娘に、イチゴの苗を買ってやろう、なんて考える。唐突に「また会おう。 何者にでもなくナガセは呟いた」、そして物語は終える。 ナガセは脳内並行世界ですでに世界一周旅行に出かけた自分を見て、そしてそれは今の世界の自分でも、絶対にいつか行ける、行こうと思えば行けるんだ、ということを無意識に悟ったんじゃないかな? その心強さ。肯定感。 一方の『十二月の窓辺』の主人公ツガワは女上司からパワハラ受けている真っ最中。会社の周りには暴漢が現れるらしい。そしてその暴漢がある人物であることが最後にわかるが、全体として暗い印象が否めない。この唐突な犯人暴きも、たぶんミステリーとして読んでしまうと「は?」となってしまうのではないか。たぶん「脳内並行世界」みたいに読むと、犯人は犯人であって犯人でないのかもしれない……ツガワ自身も「ヨーグルト菌の大量虐殺」を行っているし、表裏がわからなくなっている。 『ポストライムの舟』はまた読みたくなる作品でした。

    20
    投稿日: 2025.11.21
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    20代後半って世界旅行できるくらいの金があるべきなのかしらと自分を省みて侘しくなった。何にお金を使ってきたのか、何も考えずに28歳まで来てしまった。ピースボートは気になる。

    2
    投稿日: 2025.11.06
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    10月最後の読了本。 あらすじを読んだだけではどんな内容なのか想像がつかなかったけれど、実際に読んでみると考えさせられるところがたくさんありました。 テーマはずばり「お金の価値の考え方」。 “…ナガセは今日使ったお金について手帳に書き記し始めた。近鉄奈良-阪神三宮間の電車賃往復-八八〇円、ということから始まって、思わず買ってしまったミュージアムグッズ一〇五〇円や、神戸市立博物館に行く前に行ったカフェ一三五〇円や夕食に入った洋食屋一一五〇円などの代金を足すと、五四三〇円を使っていた。月給を月の営業日数で割ると六千円強なので、一日弱の労働を今日の会合に費やした計算になる。高いのか安いのかは判断できない。ぜいたくをしたという覚えはなく、むしろ使わないことを意識していたのだが。” この一文を読んで、ハッとしました。 実は私も同じような考え方をしていた時期があったのです。 物欲が収入を上回ってしまっていた頃、節約の一環として「この金額は何時間分の労働だろう」と考えながら買い物をしていました。 物の値段と自分の労働を天秤にかけ、買う価値があるかを判断していたんですよね。 でも、この考え方、私にとってはとてもストレスでした。 益田ミリさんの『沢村さん家のわくわくお買い物』の帯にある「買い物って、未来へのちょっとした希望だ」という言葉が、どんどんすり減っていく感覚。 人生を豊かにするための節約が、逆に未来への楽しみを失わせていた事に気づいたのです。 そして不思議なことに―― お金のことを考えれば考えるほど、使わないようにしようと思えば思うほど、なぜか使ってしまう。 使った後の罪悪感も強くなっていく。 まさにこの主人公のように、お金に対してせこくなっていく自分がいました。 この作品は芥川賞受賞作。 純文学は、読んでいる間は淡々としているのに、読み終わったあとにじわじわ心が動き出す――そんな読後感の強さがあるように思います。 (私だけでしょうか?) 『ポトスライムの舟』もまさにそんな一冊。 読み終えたあとに、お金との付き合い方について深く考えさせられました。 私なりの節約は…。 お金のことを考えない。 夢中になれるものを見つけて、そこに時間を費やす。 すると、気づけばお金が自然と貯まっている――コレがストレスなくいつのまにかお金が溜まる方法な気がします。 ……もちろん、夢中になるものが高額だったらどうしようもないのですが(笑)。

    48
    投稿日: 2025.10.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文庫本に収録されていた2作品の感想を記します。 ○ポトスライムの舟 社会の波に揉まれて傷ついた人たちに向けた作品だと思いました。最後まで優しい雰囲気の文体で物語が進んでいたのでストレスなく作品を楽しむことができました。 作品の雰囲気を維持するためだと思いますが、主人公の過去のことは最後までわかりません。 ○十二月の窓辺 パワハラに悩む主人公が退職するまでの心情が生々しく描かれています。つらい気持ちになりましたが一気に読みました。理解力不足のため、通り魔の正体に納得していません。時間をおいて再読しようと思います。

    4
    投稿日: 2025.10.26
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    ポトスライムの舟、十二月の窓辺の2篇からなる本作。2篇は主人公も舞台も異なるが、上司からパワハラを受けている・受けていた主人公という共通項がある。 現在進行系でパワハラを受けている女性が主人公の「十二月の窓辺」は、読むほどに自分が仕事が一番辛かったときの喉に何かが詰まるような思いや、冷や汗をかきながら必死に追いつこうとするも、誰も助けてくれない状況を如実に思い出し、とても辛くなった。 過去にパワハラを受けていた女性が主人公の「ポトスライムの舟」は、工場や友人のカフェ、パソコン教室で働きながら、世界一周旅行のための貯金を始めるところから始まる。未来に希望を持とうとする姿がまぶしく見えたが、そんな主人公も過去の出来事が幾度となく頭をよぎり、完全に過去のこととして処理しきれていないところに共感した。 世の中にはさまざまな理不尽があって、私たちはその原因を自分、そうでないなら他者、どちらか一方にあると思い込んでしまいがちだ。 しかし本当はそのどちらにも原因はあって、自分のせいでもあるし、半分は他者のせいでもある。だから上手くいかないときは転職だとかで、自分が理不尽だと感じない場所を探してみるのがいいのだけれど、本当に辛いときはそうする気力すら湧かないよなぁとこれまた共感。 本当は今の会社じゃなくても、正社員じゃなくても、何かしらのバイトで生きていくことはできるのに、追い詰められるとその選択肢さえ気軽に手に取れなくなってしまう。 メンタルが元気なうちに、色々な選択肢や、自分を助ける知識を身に付けておきたい。

    33
    投稿日: 2025.10.23
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    第140回(2008年下半期)芥川賞受賞作です。私は津村記久子さんの文章がとても好き! ドキドキするようなことが特に起きる訳でもなく、淡々と過ぎる毎日を書いている佐生品が多いのですが、それが私の中にすっと入ってきます。 ♡ブログにて詳しいレビューしています♡ https://happy-books.hateblo.jp/entry/books-potosuraimunofune

    6
    投稿日: 2025.10.10
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    仕事は生きるために週のほとんどを費やすから、気持ちを持っていかれがちだが、きちんと働けることだけや仕事での評価がすべてじゃない。 仕事での人間関係に悩んだ経験があるからこそとても刺さるし、自分を大切にできてるか、考えさせられます。

    0
    投稿日: 2025.10.04
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    全然脱力系じゃないよ…仕事に振り回される描写の解像度が高すぎるので元気吸い取られる… 表題よりも十二月の窓辺の方が好き、トガノタワーの設定が良い。

    0
    投稿日: 2025.09.27
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    いくつかの分岐点を通り過ぎた微妙な年代の女性たちのリアル。でもちょっと希望付き ワクワク6 展開6 読後7 再読3 構成6 学び7 文表現6 人物7 深み5 余韻6 合計:59/100

    0
    投稿日: 2025.09.27
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    津村さんの書く物語に出てくる女性は、一見無気力にもみえるのだけど、実際はそれなりに強くて、ちゃんと熱くて、かっこいいなと思う。 しんしんと胸の奥で青く燃える炎。 大きなことがあってもなくても、人生は流れてゆくのだと思う。 そして友達や同僚との距離感がとてもいい。 ナガトさんとランチしたい。 私もタクシー代を貸してくれた会社の先輩にお茶とスコーンをおごって、一時期同居していた友人の娘にイチゴの苗を買ってやったりしたい。

    3
    投稿日: 2025.09.15
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    今読んでいる”ポースケ”がこのポトスライムの舟の登場人物のその後の話で、しばらく読み進めたものの、ナガセの印象とポトスライムのクライマックスで感じた気持ちの感覚以外はあまり覚えておらず、一旦ポースケを置いて再読。 ポースケの中心人物たちの若かりし日々の奮闘に、今かなり歳を重ねてから、必死だった若い時の自分も思い出し、ちょっと涙がでそうに。津村記久子さんの文体はたんたんとした中に硬質な熱みたいなものがあり、クライマックスにツンとこちらの胸を突いてきて、毎回やられてしまう。流行りの職業についてる人など1人も出てこなくて、ほんとに毎日毎日働いて暮らす普通の人たちを、変に美化したり、抽象化したり、何か意味を見いだそうみたいな描き方をせず、そのまま描いて、それがすごくいいもの、価値があるものに感じられる。そこにグッときてしまう。

    3
    投稿日: 2025.09.13
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    29歳、工場勤務の主人公。 仕事に対するモチベーションをあげるためにも腕にタトゥーを入れることで頭がいっぱいの時期にふと職場に貼ってある世界一周旅行のポスターが目に入り、その金額が自分の工場勤務の年収と同じ163万円ということに気付く。 今まではよく考えずに何気なく使っていたお金と向き合いはじめた主人公のナガセ。 そして163万円が貯まった時、ナガセが何に使いたいと思ったのか。 お金の価値観について改めて考えたくなる1冊。 本編以外に短編『12月の窓辺』も収録。 主人公の名前は違うが本編主人公の前日譚とされている短編。 上司のパワハラぶりが読んでいて少しつらくなったのでそういう部分はナナメ読みしつつそれでも一気に読めた作品。

    1
    投稿日: 2025.09.13
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    『ポトスライムの舟』『十二月の窓辺』の二編からなる。 『十二月の窓辺』は『ポトスライムの舟』の前日譚として位置づけられているらしい。 29歳の長瀬由紀子(ナガセ)は工場のラインで働く他 友人が経営するカフェでのパート データ入力の内職 パソコン教室の講師 をかけもちしていた。 ナガセは自分の時間がないことに安心していた。どの仕事も薄給だということが時々彼女を追い詰めたが、それでも働かないよりはましだと思っていた。 ナガセは新卒で入った会社を上司からの凄まじいモラハラが原因で退社し、その後の一年間を働くことに対する恐怖で棒に振った経験をもつ。 テーマは二編ともそこそこ重いが何故か悲愴感はない。ナガセやツガワのキャラによるものなのか関西弁のせいなのか… ある日ナガセは船で世界一周する費用と自分の工場での年収がほぼ同じ163万円であることを知る。 生きるために薄給を稼いで小銭で生命を維持している。そうでありながら、工場でのすべての時間を世界一周という行為に換金することもできる。 ナガセは自分の生活に一石を投じるものが世界一周であるような気になってきて 一年間で163万を貯めることを決心する。 結果 どうなったのか… 163万貯めることができたのか…? 世界一周したのか…? ナガセは困っている同級生にお金を貸してあげ、“一言観音様”に「ヨシカとりつ子と恵奈ちゃんとおかんの願いが叶いますように」とお願いし、お金を貯めたことのお祝いに お世話になった岡田さんにお茶とスコーンをおごって、恵奈にイチゴの苗を買ってやろうと思っている…。 最終的に様々な問題が解決することはないし、これからも日常は続いていくだろうけれどナガセとその周りには飾り気のない優しさがあった。

    11
    投稿日: 2025.09.13
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    現代の若い女の人が主人公の話ってひとりよがりな話も多くて読んでて「はいはい」って思っちゃうことも多いんですが、津村さんのそれはそんな浅いところでは終わりません。 いや最初はちょっとそう思わされる節があるけど最後まで読むともっと大きな視野で世間を捉えてて、それを説教くさくなく知らせてくれてるなぁと最後には思いました。 私ももう歳ですが、まだまだ甘いなって思いました笑

    1
    投稿日: 2025.09.12
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    生き物として生きること、人間として生きることには、違いがあるように言われるが、どうちがうのか。 それは自然とのかかわりに組み込まれて生きること、社会とのかかわりに組み込まれて生きること、そういう違いなのかなとおもった。 だとすれば、それぞれ違っているようでいて、実質は同じなのかもしれない。

    2
    投稿日: 2025.09.06
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    津村記久子さんの「この世にたやすい仕事はない」が好きで他の作品も読んでみたいと思っていたところに「芥川賞受賞作品」と文庫の裏にうたわれていたので、詠んでみました。 中篇2篇でした。 あとがきを読んで「十二月の窓辺」は、主人公の名前こそ違えども「ポトスライムの舟」の前日譚ということには納得。 上司のパワハラに悩む主人公から、優良企業を職場の人間関係から辞めて工場の仕事や内職などで暮らす主人公へ… みんなそれぞれの悩みを抱えて仕事してるんだな ガンバレ〜自分!と思わせてくれる本でした。

    1
    投稿日: 2025.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あらすじが気になって読むことにした本。 労働へのモチベーションが、まるで自分と違っていて面白かった。 あっさりとした読後感で、さらりと読めてよかった。 文章の構成が独特で、最初はつっかえてたけど読み終わる頃には慣れてしまった。 ほかの作品も買ったので、読みたい。 軽薄だけど、私は主人公が世界一周するところを見たかったと思っちゃった。 そこはご自分でってことかな。

    1
    投稿日: 2025.08.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    オーディブルで聴いた。 短編2篇が入っているのだけれど、オーディブルで聴いていたので、同じ話の続きで、突然視点とが変わったのかと思い、それがまとまることなく終わったので、「え?これで終わり?どうゆうこと?」と思ってしまった。 微妙に繋がってる話だったのかな?ちゃんとよく味わえなかったと思う。

    3
    投稿日: 2025.08.19
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    表題作のみ読了。"今が一番の働きどき"とタトゥーに入れるかどうか考えるところとかシュールな場面が多くて面白かった。

    0
    投稿日: 2025.08.17
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    ポトスライムの舟と併録された、十二月の窓辺が今の心情と合致する部分が多く、パワハラとも言える理不尽な圧力に応えられない、でもどうして良いのかどう受け止めれば良いのかわからない。時々聞いてくれる人がいて癒された気になって誤魔化している。そんな状況から踏み出すことは、少しのきっかけであればいいのにな。と爽やかな読後感が残った。

    1
    投稿日: 2025.08.13
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    2009年芥川賞受賞。題材はロスジェネですが、作者の文章から立ち上がる人物の気配や物語の空気は、題材を超えて立体的に語りかけてくる何かがある気がします。読んでたら目の前に主人公が周りの空気ごと見えた瞬間があったということです

    0
    投稿日: 2025.08.12
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    工場勤務のナガセは、生活の糧を得るための労働に虚しさを覚えていた。ある日、自分の年収である一六三万円で世界一週が可能なことに気づく。果たして、ナガセは思いを実現することができるのか。ユーモラスな題材と文章でありながらも、周りの人々との交流で変わっていくナガセに心を打たれた。

    0
    投稿日: 2025.08.04
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    ナガセよかったよよかったんだが、次のが合わない パワハラな、読みたくないしその情報いらないから、事細かに書いてはいるけど ちょっと無理だ。○賞の冠で購入する失敗、いい加減学習しろよ自分

    17
    投稿日: 2025.07.30
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    胸が痛くなったり、わずかな希望を持ったり、少しだけラクになれたり、そんな話。すべての仕事がだめなのではない、仕事をもう少し頑張れるような気持ちになった。

    0
    投稿日: 2025.07.22
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    私にはよくわからなかった。けれど、津村さんの作品は、あえて感情を少なくして淡々と描くことで読者の心にゆだねてくる、というようなことを他の方の感想でお見かけしたので、今の私にはよくわからなかったけど、また違うタイミングで読めば違う見え方があるんだろうな、と思う。またその時に読もうと思う。

    1
    投稿日: 2025.07.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この間ピースボートの話になって、あれって実際どうなの?と夫がサッと生成AIに聞いたら、「ピースボート実際に乗って感じたメリット・デメリット!」みたいなブログ記事を要約した回答が戻ってきた。 ピースボートと言えば、新宿や渋谷の、やっすい居酒屋のトイレにポスターが貼ってあるイメージで、そこになにがしかの希望を託してしまう感覚はイマイチ分からない、という気がした。 一方で、そのためにお金を貯めよう、と思って、日々節約しては出費をメモっていく感じとか、その割によく分からないこだわりの出費をしているような辻褄の合わなさみたいなものは、ふと自分にも身に覚えがある感じがして、ひやっとする。 津村記久子さんの小説は、きらきらじゃない、やりがいとかじゃない、儲かるとかじゃない、生活のために粛々とやらねばならない仕事とその職場と、そこにある謎の雰囲気やルールを、謎だけどありそう、という感じで描くのが好きなのだけれど、この作品は、そこにかなりの閉塞感が漂っていて、ちょっと息苦しい。 というか、いつもより読みづらいな、芥川賞っぽいな、と思って読んでたら、芥川賞受賞作だったっていうね。相変わらず芥川賞の作品とはなかなか相性がよくない。 私自身、氷河期世代で、就活も大変ではあったけれども、なんとかそれなりにやってこれていて、それは「恵まれていた」ということなんだろうけれども、どうにも「私だって頑張ったし」という感情が抜けきらず、作品に入り込めなかった。 2作とも、主人公の悩みをベースに展開しているのだけれども、どちらも決めて一歩踏み出しちゃえばなんとかなるよと、「そうじゃない」と怒られそうなポジティブアドバイスをかましたくなる。うじうじされるの、苦手なんですよ。 どちらかというと、ウザがられていた友人とか、いじめていた係長とかの背景のが気になってしまう。きっと彼らも悩んでるんだろうなとか。

    3
    投稿日: 2025.07.11
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    カバー装画がシンプルでオシャレで手に取った。 コミカルな内容かと思いきや結構現実的なしんどさで。だけど津村先生のコミカルな文体が読んでて心が持ち堪えられた

    0
    投稿日: 2025.06.26
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    久しぶりに本を読んだ。本を読む気力が回復してきた。 でも、この本は気力充溢の話ではない。年収と世界一周ツアー163万が重なるところから物語が始まる。 ナガセという主人公は、なんだろう。節約して倹約しても、人がいい。離婚調停中の友達を助け、そのお子さんのお世話までしてしまう。 紫陽花の葉には毒がある。では、ポトスライムには?食べようという妄想をもつナガセが面白い。 いつのまにかナガセという女性に惹かれ、応援してしまう。 悪いことばかりじゃないよね、人生は。 こう書いているうちに、自分の中で、この小説への愛おしさが増してきたので、3→4へアップ!

    88
    投稿日: 2025.06.23
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    表題作の、低賃金でしゃかりきに働くヒロインのナガセがめちゃめちゃ魅力的だった ナガセは自分にコンプレックスがあるんだと思うけど、私にはナガセが眩しい 刺青を入れたくてたまらなくなったり、観葉植物をどうやって食べようか考えてみたり、子供を子供らしく扱わないところとか、ナガセの思考や行動が不器用で個性的で、優しくて、すごくステキだった 爽やかで前向きなラストも良かった ブラック会社で働く女性の話は、淡々とした描写なのにリアルすぎて読んでいてとても辛かった でも読んで良かった。一冊通して面白かったです

    1
    投稿日: 2025.06.21
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    本との巡り合わせとは不思議なもので、まさか自分が新しい職場でパワハラに遭っているときに読むことになるとは思わなかった(内容を知らずに購入していた)。ポトスライムの舟は労働に向き合う前向きな気持ちにさせられたが、十二月の窓辺はパワハラのシーンの描写/心理描写に共感しすぎてかなりしんどかった。でも自分が言語化できなかった感情を理解できて良かった。

    1
    投稿日: 2025.06.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ポトスライムの舟 ポトスライムは水だけで増えるうえに強い観葉植物だ。ほんとうは世界旅行でカヌーに乗りたい。そのためにお金も貯めた。 だけど、現実的には色々なことが起こり、そのたびに出費が嵩む。なので、さらに働く。そうすると、身近な友達に会う時間的余裕がなくなる。 ほんとうに自分を満たすものは何だろう。体調不良に悩まされながら働き続けることで満たされるのだろうか。 いや、そうではない。ナガセは、身近なポトスライムの水をかえてやるような、ありふれた足元の生活こそ大事にしたい。 今、ナガセの得たいものは、安定性の高いカヌーに乗って得られるのではなく、強く丈夫に、水だけでイキイキとしぶとく生きるポトスライムの舟に乗ってようやく得られるものなのだ。 お金も貯めて、使う方向性を変えた時、また違った世界が見えたのだろうと思う。 密度の濃いストーリーだった。

    7
    投稿日: 2025.06.14
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    孤独な妊婦生活中に読んだ ぼーっと働きながら フワッと世界一周の目標を掲げて ゆるっと生き抜こうとする姿が描かれているんだけど 収入もなく人と関わることもない生活をしている今の自分からすると そもそも社会に出て人と交流があること自体 素晴らしいことなんじゃないかと羨ましく思えた 暇な時間を作りたくなくて とにかく働きまくるってのも悪くないよ いざ子育てが落ち着いて働き出したら こんなこと言ってられなくなるだろうけど… 今の自分には キラキラして見えた!

    1
    投稿日: 2025.06.12
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    作者と同世代なので、色々なことがシンクロして、気持ちが入り込みました。 就職氷河期世代、四大卒女子、処遇、境遇、etc 私達世代、不遇に終わった私達にしかわからないことかもしれないと思ってしまいますが、幅広い世代の方々に読んでもらって理解してもらえたら嬉しいとも思います。 若い頃の私達は、ハラスメントなんて言葉もなく、泣き寝入りするしかなく、今の私達は、若い人達にハラスメントと言われることにビクビクしながら働く。 何か人生いいことあったのか? 小さないいことを探して生きていかないと辛いな。 余生に期待。

    3
    投稿日: 2025.06.03
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    表題作の感想 ・立ち上がりがゆっくり、じわじわな感じ。語り口がわりと淡々としてるからかな。 でもこのじじわくるのがまさに生活って感じがする。 ・こうありたいという理想や目標とは別に、日々の生活で地味に金ばかりは使うことになる。この感覚はすごい共感する。結局目の前の生活に支配されてしまう。 ・やはり主人公ナガセは、現状(非正規雇用、結婚していない)を人生に負けていると感じたいるのだろう。バリバリ働くでもなく、家庭を持つでもないことにコンプレックス?? 体調を崩した時に働けなくなるかもという不安は、何者でもなくなる という不安に言い換えられる気がする。 ・相手のため(ケアのため)にはお金を出している主人公にグッときた。 ・ポトスって結局なんの象徴だったんだろ??またゆっくり読みたい

    4
    投稿日: 2025.05.31
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    自分の年収が163万円でクルージングの費用と同じだと気づくとか 時間をお金に替えてるとか とても面白かったです 働くってことを キチンと考えようと思った本でした。

    1
    投稿日: 2025.05.25
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    表題作のほか1作、合計2作が収められている。 文学的な解釈は分からないが、この鬱々とした浮上できない感に、自信を失った自分が妙に重なり、読み込んでしまう。 自分が落ちている時に読みたい作品。

    1
    投稿日: 2025.05.11
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    今自分が抱えている問題に囚われて周りを見回す余裕が無い。 けれど世の人々はそれぞれの想いに囚われ悩み、泣き、笑いその日その日を生きている。 「ポトスライムの舟」 主人公は今まさに降ってこようとしている雨を避けるために急いだがその時山の向こうの空が晴れているのを知る。思いは同じ空の下で生きる友人達や母親の頭の上はどんな天気なのだろうという事だった。 「十二月の窓辺」 会社組織の中で女性からのイジメを受ける気弱な女性。 その会社の窓から見える他社の状況は自分と同じなのだろうか?

    3
    投稿日: 2025.05.09
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    「抑制の効いた文体」という表現があったが、なるほどなあと思った。文体もそうだし、物語として起こることも身の回りで破天荒さがあまりない。考えが変わるきっかけになったのが、自転車のブレーキパーツを盗まれて事故にあいそうになった、というエピソードで、それもなんとも、劇的でない感じがあって、とても身近感がある。 淡々とした文体でありつつ、テンポがよく、会話・プロットが進む部分と語り手が内省する部分のバランスがうまいように感じた。 作品としてのメッセージとしては、そこまで自分には刺さらなかったけれど、いわゆる就職氷河期世代的な、快適な環境で働くことの難しさみたいなものに対して、腐すでもなく、激するでもなく、絶望するでもなく、できることを淡々と模索する感じが印象的だった。

    3
    投稿日: 2025.05.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本屋さんのPOPを見て面白そう!と買ったけど思った感じと違くてあまりハマらなかった、、 お金の無さとじりじりとした貧しさがちょっと重くて、でも話は淡々と進むから全体的にうーーんって感じだったかも。 2章も内容重めのパワハラで苦しくなってしまった、、

    0
    投稿日: 2025.04.30
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    なんの前情報もなく読み始めた本だったがお仕事小説は今の自分にぴったりで引き寄せてしまったのだろうか。ナガセのように、時間をお金で買っている感覚がこのところずっとあり、お仕事があり継続すて収入がある事はありがたい事なのは間違いないのだが。副業たくさんして休みなく働いてる非正規雇用労働者について考えさせられる。

    1
    投稿日: 2025.04.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今、就活中だから話の内容が重くて辛かった。どこの団体にも想像力のない人は1人はいるよね。 「今が1番の働き盛りだからね」

    1
    投稿日: 2025.04.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    津村記久子さん3作目。やっぱりこの人の文章が好きだな〜。 ただ、帯の文言は詐欺に近いくらい内容とマッチしていない笑。 明日からまた仕事頑張ろうと思える……??気軽にやればいいって思える……?? 1編目は仕事のかけ持ちし過ぎてハードワークだし、2編目は上司のパワハラが壮絶すぎるし、 やっぱ生きるために働いていくのってほんとに大変だよね…という共感はあるが、帯のような呑気な気持ちにはなれない。 特に2編目は、同じビルの別の会社で働く友達がハードワークに対する反動で夜な夜な通り魔をしていたとか、 隣のビルで働く女性だと思ってた人が実は男性で、周りからバカにされてるとか、 主人公は逃げることが出来たけど、逃げれていない人もいるという結末に心が重たくなった。

    3
    投稿日: 2025.04.13
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    タイトルとかあらすじだけ見ると凄く面白そうで、手に取るんだけど、実際読むと全然ハマらない……この作者と相性が悪くて自分に残念

    0
    投稿日: 2025.03.31
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    労働をテーマにした小説をいくつも書いている作家の津村記久子は2009年に表題作で芥川賞を受賞した。 世界一周クルージングの費用163万円が自分の年収にほぼ一致すると気づいたナガセが、旅行資金の貯金を始める。 「ポトスライムの舟」には、働くことへの希望のようなものが感じられるが、「十二月の窓辺」の方では、現実の労働の絶望的な厳しさが描かれている。とりわけツガワの上司V係長のパワハラは壮絶である。 おそらく(この作品が発表されてから15年以上が経った)現在の職場で、このようなパワハラ的暴言は許されなくなっていると思う。しかしかつては確かにこういう上司がざらにいた。「パワハラ」という言葉が存在しなかった昭和の時代だったらもっと露骨な暴言がまかり通っていたかもしれない。 働く環境が今後も継続して改善されていくことを望む。

    6
    投稿日: 2025.03.31
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    2025/03/23 人を良い方に進ませるのも、よくない方に進ませるのも全部、お金と人間関係なんだなと。 きつい話だったけど、主人公が周りの人と関わる中で、大切なことに気づく場面は素敵だった。

    5
    投稿日: 2025.03.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025/2/24読了→2025/03/12再読 ナガセは、工場勤務を主軸に、友達の営む喫茶店でのバイトと高齢者相手のパソコン教室の先生のお仕事をかけ持つ29歳。 勤務している工場での休憩時間、世界一周旅行(あの例のやつ?)のポスターを見つけたナガセは、その費用が、自分の工場勤務での年収と同じではないか!と気づく。 「世界一周旅行」を、仮にしなかったとしても、年収はその行為(にかかる費用)と同じ、つまりは、その行為に置き換えることができる。 自分の年収を、そんな風に考えたことなかったな。 するかどうかは別にして、何かしらの目標ができて、それに向かって「〇〇しよう!」と考えるときの高揚感…わかる、テンション上がるんだよね。 ナガセもお金貯めよう!って意気込むんだけど、そんな中、大学時代の友人の一人が、子供を連れてナガセの家へ転がり込んできて、友人も、結構シビアな問題に直面していて、実家へ帰る旅費を立て替えてあげたり、なんやかんやして、決して派手な生活してないのに、やっぱりお金って出ていく。 貯めようってなった途端、お金って出ていくんよな。 原田ひ香さん著の「三千円の使いかた」を読んだ時にも気づかされたけど、「お金や節約は幸せになるためのものであって、それ自体が目的になってはいけない。」んよね。 ナガセも、目標額を貯められて、ほくほくした気持ちになって。 そして、ちょっと離れた所に住む友人にちょくちょく会いに行きたい(交通費はかかるけど、きっと会えたら楽しいだろうな)。 友人の子供が好きなイチゴの苗を買ってプレゼントしたい(きっと喜んでくれるだろうな)。 職場の同僚の愚痴を聞くのに、お茶をおごってあげたい(解決せずとも、きっと気持ちも楽になってもらえるだろうな)。 こういうささやかな幸せのために、私たちは日々働き、日々節約しているのかもしれない。 そう考えると、たとえ好きにはなれなくても、やりがいは見出せなくても、仕事、ちょっとイヤじゃなくなるかも。 お仕事している人、必読かあ。 なんか納得できたな。 津村さんの書く文章が、なんか好き。 あと、ポスターが出てくるのもなんか好きw

    10
    投稿日: 2025.03.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

     表題作の『ポトスライムの舟』、2編目の『十二月の窓辺』。ともに薄幸な社会人女性を描いた物語で、特別熱い感情が掻き立てるわけではなかったが、少し悲しい、でも少し心が晴れるような気持ちになった。普段は自身の境遇や上司に苦しみ、人間関係を忌むような彼女らだった。しかし、世界一周の費用163万円が貯まるだとか、窓辺から眺めていた暴力を受ける「彼女」を救うだとか、人間関係がまた彼女らの未来を変えるきっかけになっていると感じた。

    2
    投稿日: 2025.03.13
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    ふと目に入った世界一周旅行のポスター、費用は163万。それは29歳工場勤務ナガセの年収と同じ いっそのこと旅に出てしまおうか__ 生きるために淡々と働く毎日、等身大の主人公に自分を重ねた。小さな変化とささやかな希望を含んだ話に心がほぐされるようでした。 もう一つの話、十二月の窓辺はパワハラモラハラ要素ありで重かった。同じ仕事をテーマにしていても違う読了感を味わえて良い。

    7
    投稿日: 2025.03.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「自分の年収がそのまま海外旅行と換金できることに気づく」とあるが、気づいたからといってなんだ、と感じてしまう。 たしかに将来の選択肢としては広がるが、これは日々のお買い物で「今日の飲み会参加を我慢したら、ゲームソフトが1本買える」と同じ発想でしかない。 実際安月給でコツコツ貯金するのは辛いし、友人の愚痴を聞くのも大変だし、色々な娯楽を我慢して時間だけが過ぎていくリアルな恐怖は感じた。 色々な制約があり、我慢の先に有るのが、世界一種旅行のみ? その旅行に行って、帰ってきたらなにか生活が好転するのか? 価値観は変わるかもしれないが、その価値観を変えるのに年収を全ベットするのか? 「これでいいんだ。」と思えるようなシーンは一つもなかった。

    0
    投稿日: 2025.02.16
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    どうやら私は、津村さんの描く「働く女性」がとても好きみたい。 無為な日々になんとか意味とか目的とかを見いだして、生活のためだけじゃなく働こうとしている女性が、少なくとも私にとっては非常にリアル。 共感できるかと言われるとそうではなかったりするけど、生々しさがあっても良い。

    2
    投稿日: 2025.02.12
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    久しぶりに “文学”作品を読みましたね。読み終わって解説で知りましたが芥川賞を受賞されていたとか。文章の技巧に感服する一方で、内容は心が丈夫な時に読んだ方が良いものでした笑 救いは些細なことで気づくと視界が開けるわけっすね。

    1
    投稿日: 2025.02.12
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    2025年2月2日、グラビティの読書の星で紹介してる人がいた。 「1月、読書時間を取れなくてなかなか進まなかったです…中の一冊はほぼ写真だしなぁ でも「ポトスライムの舟」で感じた自分の変化に、とっても大きな意味を感じた。 2025年はじめにこの本を読んでその変化を感じたこと、今年の私の軸になりそうです。 超文系で理系シャットアウトな私でも読めた「わたしたちが〜」も素晴らしかった。私たちは感情を支配出来る、感情に操られているのではないことを実感したい…深かったなぁ。 2月もあまり数は読めないかもしれないけど、楽しみにしてた本が来るので!!マイペースに読書楽しんでいきますー」

    0
    投稿日: 2025.02.02
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    出費を少なく貯金を目的の日々が淡々と描かれる。中々思い通りには貯まらない。邪魔が入るが断り難いものばかり。 優先順位を無視してでも出さなくてはいけないのは生きていく上で仕方ないなあ。 それでもその方が誠実さか伝わるし、あきらめられるのはやっぱりその目的が本気でなかったのかもとも思える。 自分に置き換えると娯楽に消費できるのはたのしそで羨ましく感じる。生きていく為だけ以外の出費って幸せだよ。 12月の窓辺はパワハラがきつくて読むのが辛かった。少し前の話だけどこまではっきり言って問題にならん時代だったのか、今でも闇に隠れて横行しているのか、病んでしまうよな。 おめでとう。脱落できてよかった。素直に思えた。

    10
    投稿日: 2025.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    期待しすぎた分、あまり面白くなかった。。。 あとがきにも書かれているけど、主人公と少し距離が離れた第三者として描く文体だからか、 それぞれの登場人物の深掘りもなく、淡々と話が進んでいくので、ずっと傍観者の気分だった(小説てそういうものかもしれないけれど) 私は私と似た、でも私ではない登場人物の心理描写の細かい機微?みたいなのを通して、 物語に救いを求めたり共感したりするタイプなんだな、と。だからこの小説はただぼーっと見てるだけで、面白いとは思えなかったです。すみません。

    1
    投稿日: 2025.01.10
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    ただ漠然とした貯金より、目的がある方が頑張れるし、生活や精神を擦り減らして自分の基準以上に貯まった時のあの解放感というか、達成感というか、最後にナガセがマイナス額を付けようとして止めるところが印象的 2本目は、パワハラ経験がある方は、読むのがすごくしんどいと思う 今の場所でいいのかなと考える人の、背中を押すこともあれば、その逆もありそう

    0
    投稿日: 2025.01.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    津村記久子さんは、「働くこと」のしんどさを知っている人なんだな、ってどの作品を読んでも思う。 自分が価値がない人間なんじゃないかって錯覚してしまう、それによって命を落とす人もたくさんいて、パワハラは人を殺す。その人の心を殺す。 十二月の窓辺を読んで、そんなことを考えた。

    0
    投稿日: 2024.12.27
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    最初からしとしと雨が降っていて、気付いたらザーザー降りになって、でも最後には雨が止んで夜明けのように少し明るくなり晴れる(この時決して青空や虹が見えるのではない)。 津村さんの作品を読む時はそんな風に感じます。やっぱり好きです。

    0
    投稿日: 2024.12.27
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    何か不要な物を持たされてない人生ってなさそうなのはなぜだろう。お金を貯めてみようと決意した主人公が、にも関わらず、人のためにはためらわないのが心地よく読めた。 同級生だった4人で出かけたところで、それぞれの価値観、生活の違いを感じるところは「あるある!」だった。

    0
    投稿日: 2024.12.25
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    日常の中で気づく色々な種類のモヤモヤを仕事というひとつのテーマにうまく落とし込んでいるなと感じました。

    0
    投稿日: 2024.12.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1作目は、同年代の主人公が特に目標もなく貯金していること、ライフスタイルの変化から会わなくなった友達がいることなど、今だからこそ共感できる内容が多かった。 2作目は主人公に感情移入してしまったため読んでて苦しいところがあった。

    0
    投稿日: 2024.12.12
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    イマイチ、主人公に共感できなかった。自分が歳を取ってしまったということか。 淡々と進むストーリー。こういう感じが最近は好きだ。

    0
    投稿日: 2024.12.03
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    生活感が溢れるタイプの小説で、このような昨今の若者の日常を描写するタイプの物語は、えてしてたいした事件が起こらない。なにも起こらないのに、読ませる技術を楽しむような本である。 昨今とは言ったものの、本作は2009年の芥川賞受賞作なので、それから15年経ったいまとは微妙にズレがある。この頃はいまよりもなんだか平和だな、と思った。 表題作も、もう一編の短編も、両方とも社会人モノなので、ある程度は読者層が限定されると思う。

    2
    投稿日: 2024.11.24
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    ああ、あったよねって思う世界一周旅行のやつ。 昔、あのポスターがいたるところに貼ってあった気がしたんだけど、最近見ないなあ。もしかして子どもの目につくところに貼ってあったのかも。戦略だったらすごいわぁ。 …そんなことを思いながら読み進めた作品。 この人のお仕事小説やっぱり面白くてすき。 なんか遅効性の毒みたいに、読了後の経過時間で感想が変わってくるんです。hahaha!

    7
    投稿日: 2024.11.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『十二月の窓辺』 先輩社員から怒涛のごとく罵声を浴びせられ、嫌味を言われ、蔑められ、主人公はどんどん追い詰められていきます。 主人公の身体が縮こまって強張り、仕舞いには自分を激しく責める方向に向かう様子が痛々しく感じられ、こちらも息苦しくてたまらなくなりました。 先輩社員は主人公の気持ちを弄び、会社を辞める選択肢すらないようにプレッシャーをかけ、鬼だと思いました。 そんな滅茶苦茶な鬼にいたぶられ、死を考えるところまで迫られる主人公。 鬼には人格を尊ぶという思いが、1ミリもないところがひどく憎らしく感じました。

    0
    投稿日: 2024.11.23
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    言わんとしてるメッセージは分かるには分かるが、あんまりよく分からなかった。読解力がないのかな。社会経験積んだら面白いのかも。

    0
    投稿日: 2024.11.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    29歳、工場勤務のナガセは、食い扶持のために、「時間を金で売る」虚しさをやり過ごす日々。ある日、自分の年収と世界一周旅行の費用が同じ一六三万円で、一年分の勤務時間を「世界一周という行為にも換金できる」と気付くが-。ユーモラスで抑制された文章が胸に迫り、働くことを肯定したくなる芥川賞受賞作。 ----------------- お仕事小説?かな。仕事で悩んだら読んでみるといいなと思う。ハラスメント問題にも触れていて、小さな幸せを積み上げて、なんとか生きていくのだという話を淡々と連ねている感じがする。

    15
    投稿日: 2024.10.30
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    140回(2008年下半期) ※表題作のみのレビューです。 ストーリー  4 登場人物   5 世界観    4 構成力    4 文章力    4 メッセージ性 5 ※5段階 ポトスライムの存在がまさに作品に彩りを与えている。決して明るい話だけではないのに暖かい前向きな気持ちになれる小説だと思いました。

    0
    投稿日: 2024.10.14
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    自分には面白さあんまりわからなかった。 特に二編目は読後ただ悲しい。 最後鬱憤晴らすくらいしてくれないとな。半ばがあまりに現実的にあるもったりした重さで、前向きになれるほどは覆らない、苦しかったな。

    0
    投稿日: 2024.10.04
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    表題の前日譚であろう『十二月の窓辺』を含め、とても良かった。主観と客観の移動が見事でスムーズ。特に併録された作品は比較的重い内容だが、とても前向きにもなれる。再読する。

    0
    投稿日: 2024.08.31
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    世界一周旅行163万円、工場勤務手取り年収163万円 この価値はイコールなのか大なり小なりなのか。 主人公のナガセは世界一周旅行に行ってみようと思い、節約やらお金の価値やらを改めていく。 友人たちと食事をしても、食事代1600円、友人の元を訪ねて行っても、往復交通費520円 ことあるごとに、手帳に自分の支出を書き写す。 これって必要なことだし、私もしていることだけど、全てに価値がついてしまう気がしている。 ああ、友人とのご飯は1600円、高いな、安いな。 1600円払う価値はあったのか、なかったのか。 ナガセのことを虚しいなと思いながら読む自分と、だったら自分はどうなのだろう?自分も虚しいんだよね、と思う自分とで揺れながら読んでいた。 このちょっとした心情を津村さんは拾い上げて、そして分かりやすく広げて描写している。 自分もこう思うべきなのかも、本当はこんなこと考えていたのかも、こう考えてもよかったのかもと思わされる。 薄い本だけれど、ポトスライムの舟ともう一つの短編「十二月の窓辺」も合わせて、お金にも社会にも仕事にも、何かしらの理由をつけていかないと生きていけないのかもしれないと思った。

    0
    投稿日: 2024.08.27
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    芥川賞受賞作品。慎ましく生きる主人公の周りを取り巻くちょっとした出来事を描く表題作ともう1篇収録されている。表題作の穏やかながら芯のある物語を堪能。そんなこと無くたって、と思えることすら愛おしくなるような上手さが文章に溢れている。後半以降の母と娘の会話は絶品。2編目は打って変わってブラック企業のパワハラに悩む主人公の話。こちらは重たく心も暗くなるがラストの形にホッとなる。どちらも好感が持てる。

    2
    投稿日: 2024.08.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    島崎和歌子さんは出てきませんでしたが、島崎和歌子さんくらい人生をちゃんと自分の意思で歩んでいる人が出てきて、私も自分の人生をちゃんと自分の意思で歩んでいこうという気持ちになりました。

    1
    投稿日: 2024.07.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    Twitterで面白いと見かけて読んでみたけど…すみません、まったくハマりませんでした。お金貯めて旅行に行くのをとても期待してたのだけど、結局行かんのかい…!!!!とか、登場人物たちと自分の置かれている状況が違いすぎて全然共感も出来ず…(普段はそんなことないのに、、現代が舞台だから余計そう感じるのかも) 表題『ポトスライムの舟』より『十二月の窓辺』の方が一気に読めた。ただこちらもオチがうーん。。?と納得出来ない。てか、サボってる時間長くない?とかそういうことばかり考えてしまった。純文学好きなんだけど、向いてないのかな。

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    投稿日: 2024.06.23
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    ドキドキもワクワクもなく、リアルな日常を描いているに徹しているのに、読後感は悪くなく、なんなら良い本読んだなぁと思った。たまに出てくる一人称を解説する本あるけど、いつまで経っても気づけないなぁ

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    投稿日: 2024.06.23
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    デビュー作ですかね?  文章は飄々としているけれど、語られる内容はかなりハード。苦しい小説でした。

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    投稿日: 2024.06.19
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    一度休んでしまったら、気持ちが変わってしまうんじゃないか、もう仕事に行けなくなるんじゃないか、というこわさが、すごくわかる気がした。 「他ではやっていけない」、という呪いも。

    1
    投稿日: 2024.06.13
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    世界一周いってみようかな……とかポトス食えるんじゃね……とか友人の娘との交流とかの空気感がなんか儚く感じた。気管支炎で苦しんでいるとことかつらかった。「十二月の窓辺」はパラハラの様子がまた辛く感じる。世知辛い。

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    投稿日: 2024.06.09
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    2024年45冊目 津村記久子さん/ポトスライムの舟 津村さんの芥川賞受賞作。 工場勤務の主人公は自分の年収と世界一周旅行の費用が同じであることを知り、節約してお金を貯めようとするが‥。 学生時代の友人、職場の同僚との関わりがユーモラスで楽しい。津村さんの文章が大好きです。 #読了

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    投稿日: 2024.06.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    津村さんの作品は、取るに足らないような日常の一場面でも、掬いあげて丁寧に表現しているので、あーこんな瞬間があったなぁと。ものすごい共感とか、感動というものは無いかもしれないけど、毎日を粛々と、地道に生きている方に届くものがあるかもしれない。 夜の車窓から外の景色を見ようとしても自分の顔が映るばかりで、その影の範囲だけしか景色が目に入らない、という描写があるのだけど、この状況、誰もが一度は経験したことあるんじゃないかな。でも、あるあると盛り上がれるほどの場面でもないというか。そんな一場面を拾ってくれる津村さん、素敵です。

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    投稿日: 2024.06.08
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    目標を持って貯金を始めた時、お金の持つ価値がグンと上がる気がする。日々の暮らしで消えて行く生活費も一円たりとて無駄に出来ない。そして働かなければ報酬は得られない。そんな当たり前のことをナガセと りつ子に教えてもらった。

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    投稿日: 2024.06.06
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    本の帯「働いている人なら必ず共感できる」「自分でも驚くほど心を揺さぶられた」「明日から仕事がんばろう、と思えた」 私は理不尽な上司を思い出して心が重くなった、転職しなきゃと言う気持ちが高まりました これほど共感できないのも珍しいなと思いました

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    投稿日: 2024.06.01