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総合評価

1873件)
4.4
918
632
215
19
5
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    冒頭からしばらくの間は、入り込みにくいかな…と思っていましたが、途中から一転、没頭してしまいました。想像だにしなかった展開に驚き、笑い、涙しました

    4
    投稿日: 2025.10.25
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    2025年の本屋大賞受賞作品。 主人公は離婚したばかりで、ひと回り下の弟を突然亡くしたアラフォー女性。その弟の元恋人との再会から物語は始まる。 ポルトガル語で「大切な人の髪を撫でること」を意味する"カフネ"。2人は家事代行サービスを通して、生活に困っている人の家に伺い、絆を深めていく。 人と人との縁を感じるお話だった。弟がなぜ亡くなったのか?本当に自然死なのか?それとも…。 よく知っていると思い込んでいる近しい人の、まったく知らない一面や思いを知るのは、やっぱり寂しいことかもしれない。それがもう会えない人ならなおさら。 ラストが急展開過ぎて、理解が追いつかなかったのが残念だった。 250924読了、図書館本。

    3
    投稿日: 2025.10.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    さまざまなテーマが折り重なった読み応えのある一冊だった。でも個人的に終始薫子に共感できず、言い回しにもいらいらしてしまったのがちょっとしんどかった。他人のことはわからない、理解できた気になってもそれは思い込み、というメッセージがあったように、結局私も私の思い込みでしか薫子を理解できていないけど…。Audibleで聞いたから、読み手の方との相性が悪かった可能性もある() 偶然最近、川上未映子さんの『夏物語』を読んだのだが、「子供を産むことは親のエゴなのか」というテーマが共通していた。『カフネ』では、他にも、不妊治療、虐待、自死、同性愛などなどもりもりに描かれている。生きづらさの要因が沢山ある現代。目の前の人間に対する想像力を持ち、その人が困っているのだとしたら見返りを求めずに手を差し伸べられるような人になりたい。薫子やせつながそうであったように。そしてそのためにはこうして小説を読んだり、情報を得たり、日頃から深い人間関係を築いたりするのが大事だよな〜と。 それから、おにぎりを作れるようになると人生の戦闘力があがる、というのがお気に入り。自分も他人も満足させられるご飯を作ることができるっていうのは、人生の幸福度を上げる大切なスキルだということを実感した。

    4
    投稿日: 2025.10.24
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    2025年本屋大賞受賞作。 カフネとはポルトガル語で 『愛しい人の髪に指を絡める仕草』 薫子とせつな。カフネの活動を通じて、次第に2人の距離が縮まっていく。強い面も弱い面もお互い持っているから… とにかく読んでみてください。愛しさがたくさん詰まった物語ですから。

    37
    投稿日: 2025.10.24
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    優しい人の思わぬつらさ。家族って何だろう?と考えさせられます。 カフネとは、愛する人の髪に指を通す仕草

    4
    投稿日: 2025.10.24
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    突然亡くなった弟をめぐり、その恋人だった女性との関わりから人生を再生したり、させたり、する物語 家事代行ボランティアを通して出会う人々との一つ一つのエピソードが優しくて、心がじんわりする 誰の心の中もわからない これはほんとうにそうだなと思う 信じているもの、知っていると思っていることがどれほど正しいのか そこに持ち前の生真面目さと努力家な性格でグイグイ切り込んでいく主人公が、実際にいたらちょっと怖いけど、でも、こういうのも悪くないなと思った さすがに物語の最後の選択はやや突拍子ないようにも思えたけど、意を決して誰かに寄り添いたい、支えたいと思ったら時にはグッと踏み込むことも大事なのかもしれない 極端な主人公だから、メインストーリーの展開もテンポがよく、わかりやすくて、かえって考えさせられた 物語が暗くなりすぎず、全体的な読後感がスッキリしているのは、この主人公だからだろうな

    3
    投稿日: 2025.10.24
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    Audibleにて おいしいごはんや自身の再生のストーリー。 でも、だんだんと 不妊治療 味覚障害 同性愛 自死家族 育児放棄 介護 闘病 パートナーシップ いろんな話が織り込まれて、今の時代だなとは思ったけど、ちょっと複雑過ぎてついていけなかった。 もっとシンプルな再生ストーリーかと思ったので。

    3
    投稿日: 2025.10.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    心に刺さる言葉がたくさんありました。 「困っている人がいたら、助けたいという気持ちを誰もがもっている」そんな一文が何より優しくて嬉しくて、生きていていいんだと思えました。 身近にいる人、毎日関わる人のことをわかった気にならず、相手の気持ちを大切にしたい。優しく親切に接したい。何より、家族や友人と過ごせる日々を大切にしたい。 明日の自分が、少し優しい人になれるような本でした。

    3
    投稿日: 2025.10.24
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    家族の複雑さ、息苦しさが伝わってくる。 自分を気にかけてくれる人の温かさ。 力になりたいと思う気持ち。 「カフネ」という家事代行サービスが行っている無償の活動がすごくいいなと思った。 シングルマザーや介護、休養中の人、家事にまで手の回らない人が対象。 美味しい料理と片付いた部屋があればなんとか頑張れるのではないか。 もしくはきっかけになるとか。 問題がいろいろあるが、過去の自分と向き合ってゆっくりでも前に進んで変わっていく薫子が良かった。 せつなのぶっきらぼうな優しさも。 でも最後はちょっとどうなんだろう。 疑問に思うが良い内容だった。

    34
    投稿日: 2025.10.23
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    『自分で過去の自分を救いながら、なんとか生きていくしかないのだ。』 自分で自分を大切にすること、同時に人との繋がりが大事だと気付ける一冊。 自分ではどうしようもできない時、私たちは人に助けを求めることができる。一緒に美味しいご飯を食べて、些細なことでもちゃんと言葉にして伝える。それだけで心は少し前向きになると感じた。

    12
    投稿日: 2025.10.23
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     2025本屋大賞 受賞作品。 ブク友さんの本棚でもよくお見かけし、図書館予約しました。待ちました〜。  せつな と 薫子のコンビがステキ。 せつなくなったり ウルっときたり 時々 せつなが作る料理が食欲そそり 身も心も満たされる  離れたくない 失いたくない 力になりたいと思う人をそっとなでたい ハグしたい!

    70
    投稿日: 2025.10.23
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    面白かった!! ほのぼのご飯系かと思ったら、全然そんなことはなかった 起承転結がすごい、暗いシーンも多いのに どのシーンでもご飯の描写美味しそうでお腹空いた。

    8
    投稿日: 2025.10.22
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    偶然、川上未映子『夏物語』と並行して読んでいたのですが、こちらも不妊治療のことや「子供を持つ」ということ、がテーマです。 だから比べてしまうところが多くあり、似ているところも多くあるな、と感じました。 著者が影響を受けた可能性もあるかな、と。 一方で軸になるのは家事代行サービス・カフネでの出来事。 顧客の辛さについて、すごく感情移入してしまうことがありました。 後半は「ではなぜ、弟の春彦は……」「小野寺せつなとはいったい何者?」という大きな謎へと向かっていく。 伏線などが回収されていきますが、個人的には前半箇所のほうがよかった。 ラストも、少し間違ったらホラーだな、と。 ですが、セリフ回しがすごく上手。 引き込まれる。 それはやっぱり、小野寺せつなというキャラ。 「おにぎりを作れるようになると、人生の戦闘力があがるよ」 「未来は暗いかもしれないけれど、卵と牛乳と砂糖は、よっぽどのことがない限り世界から消えることはない。 あなたは、あなたとお母さんのプリンを、自分の力でいつだって作れる」 また主人公・薫子の元夫が抱えていた悩み。 ここらへんも『夏物語』の主人公が抱えている悩みと似ているのですが、それを男性にもっていったのも、良かった気がする。 「男・女」という対立軸にもっていかない。 そういうところも好感が持てました。

    17
    投稿日: 2025.10.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    誰もがしなきゃいけないことで人が生きていく上で基本となる掃除と料理。その2つをサポートするサービスである「カフネ」。弟を亡くした薫子とその弟の元恋人のせつなが2人でそのサービスを行い、弟の人生について知っていくお話。 そのサービスを利用する人々にはいろいろな家庭があり、決して貧しい家庭だけではなかった。自分は家事代行サービスを使うことに抵抗があったし、そう思ってる人もいると思うが、恥ずかしいことではないし辛いときこそ頼るべきなんだなと感じた。途中まで面白かったが、最後の方がなんだかなぁと感じた。そんなにどの小説にも多様性を表現する必要があるのか、と。

    3
    投稿日: 2025.10.22
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    【短評】 「2025年本屋大賞」及び「第8回未来屋小説大賞」を受賞した阿部暁子の秀作。 瑞々しい比喩表現や軽妙な会話が心地よく、テンポ良く読み進めることが出来た。とても素敵な物語で、日々を生きる力を与えてくれるような一冊だった。 法務局に勤める野宮薫子(のみやかおるこ)は、夭折した弟・春彦の遺産相続のため、弟の元恋人・小野寺せつな(おのでらせつな)を訪ねる。紆余曲折の末、薫子はせつなの勤める家事代行サービス「カフネ」の手伝いをすることとなる。「家事」を通じて、日々に倦んだ人々がもう一度立ち上がるサポートするなかで、薫子は考える。 叶わなかった子どものこと。弟の死のこと。せつなという人間のこと。 「おいしいと思える。ただそれだけで、うれしい」 家の有り様は心の様子を表していると思う。 重たいドアで外界と隔絶され、外聞を気にして取り繕う必要が無い「家」という空間は、その人の心持ち次第で荒れたり、整ったりを繰り返す。家事は無限に発生し、溢れていく。だからこそ、人は家事によって帳尻を合わせるのだと思った。 逆もまた然り。家と心が不可分だからこそ、疲れ果てた末に辿り着いた家が荒れ果てていると、崩れ落ちるようなダメージを受けることもある。 「カフネ」の理念は、そんな人達をそっと支えるものだ。それは暖かく、優しい。 言葉より実利があり、金ほど申し訳無くはない。それが、本当にありがたい。 とは言え、満点評価ではないのは何故か。 それはこの物語が「私のために書かれた本ではない」と感じたからだ。善良で暖かな物語であることは十二分に伝わったが、どうにも私には引っかるものが無かったように感じる。それは多分、近しい心情を抱く人間が物語に居なかったからだ。終始、物語を外から眺めるような気持ちだった。微風のように心を撫でるが、表層を舐めるのみだった。こればっかりは仕様がない。 【気に入った点】 ●「家事」がどのように人の心を救うのかが良く分かった。主要人物の心情に肉薄できなかったものの、生活が荒んでいた時、欲しかった救いはこういうものだったのかもしれないと、ちょっと昔に思いを馳せた。 ●薫子とせつなが噛み合いだしてからは、会話の応酬が心地良い。飾りのない良い関係だと思う。 ●タイトル回収。単に素敵な言葉だなぁと流していた「カフネ」が匂い立つ瞬間は鳥肌が立った。ここまでの思いを秘めた言葉なのだと感嘆した。 【気になった点】 ●正直に言えば「家事」に真剣に取り組んだことのない人生である。男だから、という浅薄な言い訳をするつもりはないが、どうにも登場人物の深い衝動に共感しきれない部分があった。子宮関連の比喩とか、どうあってもピンとこない。 ●似たような比喩を多用する傾向がある。素敵な表現はここぞという一回で良いと思う。 私にとっては不思議な立場の一冊。軽々と共感したとは言えない。 だが、心の奥底に仕舞い込んだ何かにそっと触れられたような感覚は残っている。

    14
    投稿日: 2025.10.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    描写が美しい〜!この表現いいな!って読みながら何度も感じました。一番好きだったのは『やさしい水色の空に粉砂糖を振りまいて、そっと刷毛で広げたような雲』って表現。うつくしい… 物語は薫子視点で、彼女に共感できるとこもあればできないところもあり、共感できる部分では苦しくてぐわ〜って泣いてしまった…。特に公隆との本当の別れと、記憶の中の両親の優しさがやばい。人っていいとか悪いとか、白黒きっちり分けられない、多面性を持つ生き物だよね。大切にしたい相手を真に大切にするならば、その相手を知ろうとする努力を続けなくちゃいけないんだ〜 でもそれが難しいんだよね そういうことを長く続けられるのって愛だな

    2
    投稿日: 2025.10.21
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    美味しいごはんの描写に胸がときめいた。豆乳そ素麺、作ってみよう。悲しいことがあっても1日3回ご飯を食べること、食を疎かにしないと決めました。

    7
    投稿日: 2025.10.21
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    本屋大賞受賞の作品ということで、期待を込めて読み進めた。家族のような近い存在で、わかりあってるつもりでも本人の辛さとか悲しさを気づいてあげられなかったと知った時、どれほど辛いか。私は今親になって子育て真っ只中だけど、子供たちに自分の気持ちを殺してしまうような子育てはしてはいけないなと。 途中途中出てくるせつなの料理が美味しそうで、食べてみたいなと思ったり自分も料理上手になりたいとなぁと。薫子とせつなのかけ合いも後半になればなるほど、信頼度が強くなっているのがわかる。 全体を通して考えさせられたり、最後はハッピーエンドで好きな作品でした。

    27
    投稿日: 2025.10.21
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    料理の描写がとてもいい。卵味噌食べたくなった。しかし登場人物の誰とも共感できなかったのは残念。微妙に交わりそうで交わらない歯痒さがこの小説の魅力?

    8
    投稿日: 2025.10.21
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    阿部暁子という作家さんを知らなかったが、勧められて読んでみた。とてもよかった。妙に共感でき、一気に読み終わった。 主人公は不妊治療の末離婚した40代の女性。 離婚で絶望していたところに最愛の弟の訃報。遺言があった。そこに託されたメッセージは。 家事代行という業務を通して、様々な境遇の人とかかわることになった主人公は行く先々で人生、とくに家族について考えることになった。誰も何かしら問題や悩みを抱えているのだ。それぞれ痛い。夫はどうして去っていったのか。 食べものの描写が素晴らしく、出てくるものがとても美味しそうだった。 私の実家がある八王子が舞台だったので、リアルに風景が頭に浮かんだ。 一つ文句があるとすると、いろいろな設定がドラマティック過ぎた感があった。 カフネというのは家事代行業者の社名だが、ポルトガル語で人の髪の毛を手櫛で梳かすという意味なのだそう。おすすめの1冊。

    4
    投稿日: 2025.10.20
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    野々宮薫子は、子供を切望しながらも子宝に恵まれず、度重なる不妊治療も虚しく、年齢的にも希望を経たれ失意に沈む。さらには夫から離婚を切り出された上、最愛の弟は急死するという立て続けの不幸に見舞われ、酒浸りの日々を送るようになる。 そんな彼女が、亡くなった弟の元恋人との出会いをきっかけにボランティアに参加する。 誰かのために限界まで頑張り、人に頼ることも下手でボロボロになっている人々。そんな彼らと薫子自身が、食を通じて再生していく。やがて、自分の不幸にしか目が向いていなかった薫子が、他者を癒す立場へと変わっていく。 最初読み始めた時は「月9系」かなーと思いましたが、いろいろ伏線もありつつの感動的なお話で、泣けました。

    3
    投稿日: 2025.10.20
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    本屋大賞受賞作ということで読んでみました。 カフネは、ポルトガル語で愛する人の髪にそっと指を通す仕草という意味だそうです。 この作品を読んで思ったことは、家族であっても思っていること全てをわかっていないのかもしれない…ということ。 家族のことを思って自分の気持ちに蓋をして生きるってどんなに苦しいことだろう。 何かのきっかけで出会った人…家族でもないけれど、その人のことを思い救いたいと思えるって想像できないけど。 どんなに悲しいことがあってもおいしい物を食べたら、少しずつでも前に進めるのかな。

    19
    投稿日: 2025.10.20
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    友達に勧められたのと本屋大賞受賞ということで手に取りました。厚みがあって読み切れるか心配でしたが、とても読みやすく、気づけば一気読み。 いつもミステリーばかり読んでいますが、今回は伏線を探さず、物語に素直に浸れました。 なぜ29歳という若さで弟が亡くなったのか——弟の元恋人・せつなとの出会いを通して少しずつ明かされていく真実に胸が締めつけられます。

    6
    投稿日: 2025.10.20
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    読みやすい一冊でした。 41歳の薫子と急逝した弟の春彦。 その元カノせつな。 弟は遺言書(遺書ではない。ここ大事)を遺していて せつこにも遺産を渡してほしいとある。 これだけでもここからどうなるのか 気になる気になる。 薫子とせつなのやりとりも面白いし それぞれの伏線回収が素晴らしい。 ちょっとみんながいい人過ぎますが 最後は熱い涙が流れます。 いつか映画化してほしい♡

    11
    投稿日: 2025.10.19
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    2025年本屋大賞受賞作。 評判がやたらと良いのは知っていたけど、前情報はなるべく入れないようにして、ようやく読了。 主人公は法務局に勤める野宮薫子。最愛の弟・春彦が29歳の誕生日を祝ったその夜に急死してしまう。そんな中、遺言書が残されていることが分かり、薫子は遺志に従い弟の元恋人・小野寺せつなとカフェで会うことになる。しかし、待ち合わせをした時間に遅れてきたり、無愛想で礼儀を欠いた態度のせつなに苛立つ薫子。言い合いをしていると、それまでの心労がたたり倒れてしまう… なぜ、春彦は29歳という若さで死んだのか? しかも、遺言書を残して…というミステリ的な要素。薫子の面白すぎるキャラクターとせつなとの軽妙な掛け合い。そして、要所要所に出てくる、せつなが作る超絶美味しそうな料理など、読みどころはたくさん。 全体を通して人に寄り添う優しさに溢れていて、心が温かくなる。大切な人に温かい手料理を作りたくなる、そんなお話だった。 本屋大賞に相応しい。誰にでもおすすめできる大好きな1冊になった。

    102
    投稿日: 2025.10.19
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    とにかく登場人物のそれぞれの想いが盛りだくさん。 春彦の本当の想い。離婚の本当の理由。せつなの見えなかった気持ち。両親のエゴ。薫子の決断。 美味しい物を食べて癒される物語ではなかった。 人に傷ついた人は人に癒やされるのか、人にそれを求めるのは傲慢ではないのか。 最後はほっこりするのかと思いきや、それぞれが選んだ生き方に、愛の向かう先が少し怖くもある結末。 カフネ  愛する人の髪に指を通す仕草 家族の愛とは複雑でもある。

    7
    投稿日: 2025.10.19
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    血のつながりのあるなしに関わらず、守っていきたい人との出会い。お節介な部分も頑なに受け付けない部分もあり、それが相手のためなのか?自分の欲求なのか?それでも繋がっていたい。そんな葛藤がうまく描かれていました。 姉を想う弟はとても強かで、自分が居なくなるかもしれない覚悟の中で、二人を結びつけるきっかけに…、意志の強さを感じました。 薫子とせつなの凸凹コンビは会話もウィットに富みナイスコンビです。 近年薄れている「お節介」を根底にしつつ、人としての暖かみある良本です。

    8
    投稿日: 2025.10.19
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    他の人の思いや考えはわかりません、大切なのはわかった気にならない事ですね、気をつけます(⁠・⁠・⁠)⁠ ⋯⋯⋯せつなさんの料理おいしそう〜

    4
    投稿日: 2025.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・2025年 本屋大賞ノミネート作品 ・ごはんのお話でした。せつなさんの作るごはんに込められた温かさもしくは冷たさを通して、人間の温かさと冷たさが、物語を通してあぶり出される感覚でした。 ・そして特に斬新だと思ったのが、料理に込められた伏線のたくみさ。 ・ほんのわずかに感じた、けどすぐに通り過ぎていってしまった違和感が、最後に大きな意味を持って返ってくる。予想の斜め上をいく理由が隠されていて、弟の春彦に対する認識が290°くらい変わる仕組みに思わず鳥肌が立ちました。 ・とはいえ、帯やタイトルにあるような、あたたかい涙が心を満たすような感想は私は正直持てませんでした。どちらかというと、登場人物に対するある種の気持ち悪さというか、そんな思考になるかなあという不自然さが強く残ってしまい、ヒューマンドラマというよりは、ホラーに近い印象が残るという不思議な読後感でした。 ・本を読みすぎて、感覚がおかしくなってしまったのでしょうか。本屋大賞ノミネートより、このミステリーがすごいのノミネート、の方がしっくりきたかもしれません。

    5
    投稿日: 2025.10.18
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    日本大学図書館生物資源科学部分館OPAC https://brslib.nihon-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000347710

    2
    投稿日: 2025.10.18
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    生きていくことって簡単じゃないし、みんなが他人にはわからないいろんな気持ちを隠して生きている。 全てをわかりあうことなんてできないし、他人にどうこうできないことばかり。それでも手を伸ばそう、関わろう、力になろうとする優しさが本当に心に沁みて、、熱くなった。 とてもいい本でした。

    3
    投稿日: 2025.10.17
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    弟の死の謎が気になり読み進めてしまった。周りから愛されるように振る舞っていた弟に共感できず、身勝手な両親に嫌気がさし、薫子たちが抱えるものが重くのしかかり、他の話があまり印象に残らなかった。本屋大賞受賞作だったけど私には合わなかった。

    6
    投稿日: 2025.10.16
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    最後まで読めば、それまでのテンテンがスッと繋がる。食を通して、人が繋がる話。けど、途中は「うーん、私にはわからないや」みたいな他人の不幸話を読んでいるような気分?なんか人生って大変なんだね、みたいな他人事みたいな気がしちゃってたんだけど、読み終えた時にあったかい気持ちになってた。

    10
    投稿日: 2025.10.16
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    家族関係に関する本で、かなり深くに切り込んできた。 私は個人的に納得できないこともあって深く入り込むことはできなかったが、ほっこりするしいい話だと思う。 兄弟の扱いに差がある場合どちらかの視点だけで見られがちだが、この本は本人からの直接的な描写が出てこなくても結びつけられる話で両方の視点から考えれた。

    9
    投稿日: 2025.10.16
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    ちょっと気になっていたけど、借りるのは時間がかかりすぎるし、買うのもな〜と思っていたが、オーディブル無料期間により聴けちゃうので選んだ。 それぞれが人に言えないものを抱えながら生きている。 ご飯ブックリストでも結構上がっていたとおり、美味しそうな料理がたくさん出てきていた。 優しさが漂っているお話で高評価多いのはなんとなくわかる気がする。 が、わたしにはあまりハマらなかった。

    34
    投稿日: 2025.10.16
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    面白かった バツイチ中年女性と、若い家政婦との衝突、葛藤、 表面上は通じてるようには見えないけど、確かな心の交流があった。 途中意外な事実というのが、メリハリを際立たせてると感じた

    3
    投稿日: 2025.10.16
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    ◾️ページ数 302p ◾️読んで抱いた感情  悲しいけど温かい、ツンデレキャラがむしろ良い、人間愛に溢れている、みんな辛い過去を背負っているそれをプラスに転じさせるかマイナスに転じさせるかはその人自身なんだと考え感じさせられた ◾️感想 とてもおもしろかった。一行目から引き込まれてあっという間に読破できた。辛い時は「温かい心をくれる誰か」を誰もが求めているんじゃないかなと思う。それを料理や掃除を通して壊れてしまった心を修復してくれる、そんな温かい物語だった。登場人物がちょいちょいツンデレでまたそこがよかった。 料理を心込めて作りたいなと思ったし、家族や周りにちょっとだけ温かく接していきたいなと思った。

    3
    投稿日: 2025.10.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    不妊治療の果てに離婚し、更に最愛の弟を亡くした野宮薫子は、弟の元恋人・小野寺せつなと家事代行サービス・カフネに出会う。料理や家事を通して、二人の交流が始まる。2025年本屋大賞受賞作。 沁みる台詞が多い。 「家事は待ったなし」カフネの社長・トキさんは言う。終わりはないし、生活している限りタスクは溜まり続ける。一日さぼると翌日二倍頑張らないとさばけない。体調が悪くても疲れていても、こちらの事情などお構いなしに同じペースで積もっていく。そんな中、頑張らなくても食べられる美味しいごはんや清潔に片付いた部屋の存在が人を少しだけ回復させる。生きのびるために行動する気力が湧くという。カフネの理念は、真理だと目から鱗だった。今まで出会ってきた家事の大変さについての表現は、どれも大げさすぎたり、大変なのはそこじゃないと首を捻ってきたが、これだ、としっくりきた。 読書人生の中で一番泣いたかも。 嗚咽するくらい泣いたし、シーンが切り替わっても涙が止まらなくて、こんな経験初めて。せつなの過去にあまりにも胸をうたれた。泣きすぎて疲れた。卵味噌のおにぎりを薫子が届けてくれるのも最高。これは説明不要な良さ。 小野寺せつなの料理のように、作品に心遣いを感じた。 誰の物語に共感して心に刺さるかは読者によるだろう。薫子、春彦、せつな、トキ、それとも港航一かもしれない。誰に感情を持っていかれても、ちゃんと描ききってくれる。どの立場で読んでも、ちゃんと着地させてもらえる。当たり前のようだが、実際描ききってくれる作品はそう多くない。 物語全体がふんわりと優しい空気。 不思議と子どもの頃を思い出す。洗いたての綿のバスタオルで包みこまれたような素朴で温かな安心感。わけもなく子どもみたいに大きな声で泣いてしまいたくなった。明日からまた踏ん張っていくためにはおいしいごはんと清潔な寛げる部屋という地盤が要るんだ。文字通り、足の踏み場を作ってくれるカフネに、私も救われた。

    6
    投稿日: 2025.10.15
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     弟の死の真相、おせっかい、同情、親、再生、同性愛、味覚障害、家父長制、ネグレクト、共生、助けを求めるということ、いろいろ詰め込まれている。  薫子のおせっかいはやり過ぎの面があるが、こういう極端な行動をとる人はいる。自分もそんな感じだ。  料理や家事がテキパキできるとやっぱりカッコいいし戦闘能力が上がるな。

    7
    投稿日: 2025.10.15
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    カフネ聴き終わってしまった。 人の本音っていくら聞こうと思ってもそう簡単に話してくれないし、話してくれたとしてもそれが本音なのかは分からない。でもあなたの気持ちが知りたいことだけは自分の中で真実で、それが少しづつ貴方に体温のように伝わっていけば良いと強く思う。 物語の切り取りどころによってここまで大事な人の亡くなった意味や受け取る感情がこんなに変わるとは思わなかった。 紙でも読みたい。

    9
    投稿日: 2025.10.14
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    とても心が温まる物語だった。弟の死をきっかけに様々な人と会うことになるのだがその各々の人生にも考えさせられた。人々の優しさや弟の真心にも触れることができて涙が溢れて止まらなかった。

    3
    投稿日: 2025.10.14
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    個人的には装丁やタイトルと物語の印象が違う。 話の展開や家事代行の様子は読んでいて結構気持ちいい。 主人公のキャラクターにより★がひとつ減った。

    3
    投稿日: 2025.10.14
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    じーんと心に染み渡ります。家族でなくてもお互いに支え合って生きていく関係性もまたいい。家事代行サービスで訪問する家庭の様々な事情を介して、家族、親と子、人と人についてのメッセージ性も感じられる。食べることは生きること。ささっと手際よく、何でも作れるせつなさんが羨ましい。

    22
    投稿日: 2025.10.14
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    あらすじ 法務局に勤める野宮薫子は、弟である春彦を深く可愛がっていた。けれどある日、春彦は突然亡くなってしまう。薫子はその喪失に打ちのめされ、心が荒れていく。 春彦の遺言書が発見され、その中には「弟の元恋人である小野寺せつなに遺産を渡すように」という内容が記されていた。薫子は、弟の望みを叶えるためにせつなに会おうとするが、せつなは遺産の受け取りを拒む。 せつなは家事代行サービス「カフネ」で働いており、薫子もそこで一緒に働くことになる。さまざまな依頼先の家庭を訪れる中で、二人はそれぞれの喪失や孤独と向き合い、少しずつ他人と心を通わせることの大切さを学んでいく。 感想 物語序盤では、せつなは愛想が悪く、発言にも棘があり、冷たい人間だと考えていた。 しかし、「励まし」や「涙」と言った言葉ではなく、料理の提供という具体的な行動で寄り添う静かな優しさを持ち、本質的に優しく温かい人間だと思った。 春彦はいつも笑顔で人当たりも良く、両親から愛され求められていた。しかし、その求められることこそが、自分が依存されているという重さとなり、真綿で首を絞められるような窮屈さを感じているのだと思った。 この筆者が最も伝えたい事はこの本のタイトルでもある『カフネ』だと思う。 「カフネ」は「愛する人の髪にそっと指を通す仕草」を意味しており、言葉ではなく行動で思いやりを伝えることできるというメッセージが込められていると感じた。 学び 本当に精神的に疲れた人に必要なのは、励ましの言葉も大切だが、日常を少しずつ取り戻すための小さな支えや行動こそが最も重要なのだと気づいた。 そして、今後はそのことを意識して、人と関わっていきたい

    4
    投稿日: 2025.10.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    誰かがいなくなる悲しさと、生きている人の間で紡がれるあたたかさ。両方を兼ね備えた繊細な作品だったと思う。 そして、ご飯を美味しいと思えることが、どれだけ幸せなことなのかを改めて知った。 作中では愛おしさを感じた表現を「胸に白い花が咲くような、あたたかい風が吹き抜けるような」と書いていたけど、私が誰かに愛おしさを感じる時が来たら、どんな風になるんだろうか。

    3
    投稿日: 2025.10.14
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    優しさが詰まったお話。過去に辛い思いをしたから優しくなれるとかではなく、登場する人全てが不器用ながら思いやり、受け入れる。できそうでできないこと。 最後は少し唐突だったけど、それが薫子の覚悟と思いなのかもしれない。

    8
    投稿日: 2025.10.13
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    素晴らしい。とても面白くて読み終わるのが勿体ない本でした。家族というテーマにあらゆる角度から斬り込んで読み応えがあり読み終わったあとも何か清々しい気持ちになりました。

    8
    投稿日: 2025.10.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ほんの3ページでも良いから、終わりの先が知りたい。 薫子さんとせつなちゃんが一緒に仲良く暮らしている所。 2人で居たら無敵だし、2人が穏やかに安心して暮らしていて欲しい。 終盤はかなり涙を堪えながら読んだ。 一番泣いたのは、最終的に児童相談所に行くことになったお兄ちゃんにせつなちゃんと薫子さんの住所を渡した所。 自分の涙腺を刺激するとこは自分でもよくわからないが、そこが1番泣けた。 うーん、薫子さんとせつなちゃんの気持ちが重なったと感じたからかな。

    4
    投稿日: 2025.10.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本屋大賞を受賞した本で、夫が購入。なぜ弟は死んだのか?というところから引き込まれる内容だった。食事は大事だよなぁと思うとともに、家族に美味しいご飯をたくさん食べさせてあげたくなった。 私は料理は好きじゃないと思っていたけど、美味しいものを食べたいというこだわりはあるから、最近は料理が少し楽しい。 仕事のやりがいとかに悩む日もあるけど、どんなに順調そうに見える人だって、人と繋がっていたり大事な人がいないと寂しいんじゃないかな、そう思うと大切な人たちがたくさんいて(幸運なことに死別も経験は少ない)、それだけで十分幸せかもなと思える。 とりあえず今日も美味しいご飯を作ろう〜

    5
    投稿日: 2025.10.13
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    赤ちゃんを見るとどうやって拐おうか妄想する不妊治療に失敗して離婚されボロボロになってる薫子。 しかも、弟・春彦の突然死とその遺言を巡って元恋人のせつなに会う場面から釘付けになり時間も忘れて中盤まで読んでしまった。家事代行サービス会社で働くせつなは取っ付きにくく謎いっぱい抱えてて人の弱さには敏感に反応するのに自分の弱さは見せることなく溶け込もうとしない。やくざ映画とホラー映画好きとかもう完全にアウェイ。 恋愛ものが好きな薫子とは相容れない。そんななか春彦の好きだった動物の自然ドキメンタリー映画を一緒に見るとか、春彦は人間の出てくる映画は感情が疲れるから苦手だったとか。 誰からも好かれ最高の笑顔で返していた春彦ってどんな人だったのかって気になりだした頃にはゾクゾクしたのですが後半からの展開にテンション下がってしまいました。 カフネってポルトガル語で「愛する人の髪にそっと指を通す仕草」を表すとか。そんな事が自然とできる関係って日本人には馴染めない気がするのですが、髪についた尺取り虫や枯れ葉、蜘蛛の巣あたりなら意識せずに取ってあげることはできますけど。 それとは別にせつなの作る料理はどれも興味津々で食欲そそりました。 特にアニメに出てくるような骨付き肉。背徳感いっぱいに食べてみたく思いました。

    98
    投稿日: 2025.10.13
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    切なさと温かさが共存していて読み進めていくとどんどん真実が明らかになっていくのがまた切なくて。 人の繊細な心がとても細やかに描かれていて泣いてしまいます。 本当に素敵な物語でした。

    7
    投稿日: 2025.10.13
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    2日に分けて読もうと思ってたけど、止まらなかった。 家族でも恋人でもない2人だけの関係性。 優しさを与えるより正しく受け取る方が難しい。 自分がしたいことと相手がしてほしいことは違うから、違うかもしれないけど歩み寄ることで救われることがあるよねって話が色々詰め込まれてて余韻が凄い。 親の気持ちはわからないけど、大切にしたいひとがいる人、いた人は一読の価値がある。 あとお腹減る本。深夜に読んじゃ危ない。

    7
    投稿日: 2025.10.13
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    なんて優しい世界なんだろう。 物語が進むに従って、人間の繊細なこころ を包み込むような表現が随所に書き連ねられていた。 また、物語に登場する様々な料理たちも実際に目の前にあるかのように美味しそうであった。 美しい表現と優しい世界が共存している本著は読み手 のこころも優してくれたように思う。

    6
    投稿日: 2025.10.12
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    本屋大賞納得Σ੧(❛□❛✿) 次が知りたくて、事実が分かるたび切なくて、みんなが優しくて、不器用で、心が優しくなれる話でした。 家事代行は頼みたくなったし(°▽°) 読み終えて、笑顔になった

    5
    投稿日: 2025.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    優しさの詰まった小説でした。 途中、どんでん返しまではいかないけど、結構びっくりする部分というか、物語の捉え方が変わる場面があるけど、最後まで読むとこの作品には優しさと温かさが詰まってると感じた。 美味しいご飯を食べて、心身ともに生きていく。自分の選んだものに進んでいく。 迷いながら選択をしてきた一人一人の登場人物たちの決断と人生に背中を押された。 人助けってある種、自己満足的な部分もあるけど、でもそれでも良いと、今の社会情勢や暗い現実に微かな光が指すような素敵な本でした。 汝、星の如くを読んだ時にも感じた打ちひしがれそうな現実の中で読了後に感じた微かな希望がある。 本屋大賞1位納得です。

    4
    投稿日: 2025.10.12
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    誰からも愛される弟の突然の死。 しかも、亡くなるにはあまりに若い、その弟が遺言書まで残していた。 もしかして自分で命を絶ったの? と、感じながら読み進める内に少しずつ少しずつ明かされていく、弟の本当の心の内側。 遺産の一部を譲りたいと書かれていた元恋人は、あまりぶっきらぼうで何を考えているかわからない。 自分も不妊治療で苦しんだ末に離婚し、生活が乱れて行く中で、弟の本当の気持ちを知るであろう彼女との関わりが気持ちを整理し、死の真相に近づいていく。 ラストは想像もしていなかった展開だったけど、シンプルで素直な表現の言葉に泣いてしまった。 家族・夫婦など近いと言われる関係の相手であっても、どれだけ気持ちをわかりあえているんだろうと考えさせられた。 それに、美味しいご飯と整った部屋が、どれだけ活力の源になるのか。 何日にもわけて読了したけど、2度目はまとまった時間で一気読みして、カフネの世界観に浸りたいと思った一冊でした。

    4
    投稿日: 2025.10.12
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    せつな嫌いって思ってた… みんな色んな事情を抱えていて、一瞬助けてもらうだけで再始動出来るんだなって思った。 最後にはせつな可愛いなってなって薫子の変化がなんか嬉しかった。 人の「ありがとう」って大事だよね…

    10
    投稿日: 2025.10.11
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    最愛の弟や夫からの突然の別れ…どちらも別れの理由がわからないまま、それでも生きていかないといけないのか… 食べることは生きること、そして救われることで誰かを救う。人は人のために頑張れるんだなと改めて思った。これからも大切な人達のためにごはんを作り続けたい。

    5
    投稿日: 2025.10.11
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    「家族という病」や「毒親」を思い出しながら読了。自分自身の両親との関係性(割と良好)や子供たちとの関係性を客観的に振り返りながら読み進めたので、共感できるシーンが多く何度か涙しました。子を選ぶことも親を選ぶこともできないし、望んでも子供に恵まれない人、望んでいないのに子供ができてしまう人、自分たちではコントロールできないのが家族。家庭。 ならばせめて、自分の子供たちの個性を尊重し、理解し、安心してご飯を食べて眠れるようにしてあげたい。できれば、将来に夢や希望を持てるようにしてあげたい。親として当たり前だったはずのこんな気持ちを、はっきりと思い出させてくれた、足元を照らしてくれたお話でした。

    5
    投稿日: 2025.10.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    亡くなった弟の元彼女と共に、家事代行ボランティアをするうちに、今まで知らなかった弟の姿が見えてくる。自死ではなかった、突然死する直前まで彼は未来をみていたと知り、皆救われた気持ちになる。カフネの意味が素敵。ラストが令和ぽい作品。

    5
    投稿日: 2025.10.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    死んだ弟の「元恋人」との奇妙な絆のお話。 自分が自分のままで生きられなかった弟が、離婚されてボロボロになっていたことも打ち明けられない不器用な姉と、生きることに希望を見出せない「元恋人」を無理やり引き合わせる。食べることは生きること。

    4
    投稿日: 2025.10.11
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    読んだ後、とても優しい気持ちになれる本。 切ないと思える部分もあるが、お料理の描写もあってワクワクする場面もあった。 私自身あまり料理が得意ではなくしない方であるが、読んだ後は簡単なものでもいいから、自分の体のためにお料理を必要かなと思える本でもある。 他人を大切に思う大切さを感じるのはもちろんであるが、自分自身をもっと大切にしよう。正直に生きようと生きたいと思えた。 とてもテンポも良く、すらすら読める本でした。

    8
    投稿日: 2025.10.11
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    いつも分かり合えている、と思っている人ほど、実際には分かってなかったり、逆に全然分かりっこないと思っている人ほど、お互いを理解できたり、という話だった。 最初のあたりは読みづらく感じたところもあったけど、途中からはすっきりと読むことができたし、最後のあたりは、ちょっとじんわりとした気分になった。

    4
    投稿日: 2025.10.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どんな人にも助けを求めたり、自分のしたいことを自分で決められる権利がある。 そして、人それぞれいろいろなものを抱えている。一見、嫌悪感を抱いてしまう行為でもそれはいろんな経験が積み重なって起きてしまっていることが多々ある。だからこそ、目の前に起こっている事象だけを見るのではなくなぜそうなったのかを見極めたい。 最高の教師「この世界、そんなわけないより、そうかもしれないの方が大事なことが多いじゃん。たとえ違ってもそっか、で終わるんだし」 最後から2番目の恋「この世界のすべての人が人生の選択を自分で行えますように」

    4
    投稿日: 2025.10.10
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    カフネはブラジルのポルトガル語で、恋しき人の髪にそっと指を通す仕草を表す言葉。 人は他人をどれくらい知ることができるのか。家族だから、あるいは恋人だから、相手を分かっていると勘違いしながら生きていた末に失ってから悟る真実。真の家族はそのまま与えられるものではなく、常に自分で作り上げなければならない、現在進行形のこと。 一緒に食べる行為が時には聖なることにもなり得るということをこの物語から学んだ。相手の記憶と感情を量り知って中に盛り込んだ料理って、なんて素晴らしいものなのだろう。

    6
    投稿日: 2025.10.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本屋大賞受賞ということで読んでみた。 主人公は長い間不妊治療に励んだが結局授かることができず夫とも離婚し、人生どん底の中年女性。 私自身出産を経験したため、不妊治療というワードに少し親近感を持てるようになった。 今本を読んでみての疑問が、なぜ弟の春彦は姉のことを お姉ちゃん などではなく 薫子さん と呼ぶのか。 その理由がわかる描写が出てくるかと思っていたがなかった。 またラストの薫子がせつなに養子縁組またはパートナーシップ制度を提案するところだが、今一つ唐突感が… せつなに感謝しているしなんとなく愛情が湧いていたのかとは思うが、そこまでするのかと思ってしまった。 恋愛感情的なのがあるのか? ちょっと読み解けなかった。

    5
    投稿日: 2025.10.10
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    序盤から細やかな描写がされていて、終盤にかけてきちんと回収されていくのがきれいでした。 どんな風に過去と向き合おうか、どんな未来を描こうか、そういうことを考えさせられる温かい物語です。

    6
    投稿日: 2025.10.09
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    お手伝いでは2人の関係にニヤニヤし、弟の死の真相にはテンションを下げられ、最後はすっきりと最初から最後まで感情を揺さぶられた。カフネっていい言葉だな。

    4
    投稿日: 2025.10.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公の閉ざしていた気持ち、荒んだ生活に 弟の元恋人 小野寺せつなが掃除し 温かい豆乳煮麺を作ったくれた事で少しずつ 2人は必要として行く 溺愛していた弟の知らなかった一面 隠していた気持ち 望んでいたこれからの生き方 せつなと一緒に家事代行をしながら 少しずつ知っていく 閉ざした心、家という空間 そこに家事代行をお試し券で使ってもらう事で 開かれていく 事情は複雑で 実際の世界では簡単ではない事は承知の上で 物語の世界で救われていく人達に 希望も持てたし ドラマチックな世界に浸れた 身近な親族に心の病気を持つ者として 生活に踏み込む事の難しいさ 知っているので もし現実に「カフネ」があったら お願いしたい 近過ぎない距離の人との関わりも大事だし その方が素直な一面を出せるだろうな

    7
    投稿日: 2025.10.08
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    人は皆、何かを抱えて生きている。抱えているものは他人には見えにくいし、見られたくない反面どこかで分かってほしいのかもしれない。そんな繊細なサインを汲み取ってそっと手を差し伸べる。人と人が支え合う勇気と再生の物語だと思う。この本に出会えてよかった。

    14
    投稿日: 2025.10.08
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    ちょっと設定盛りすぎ?と思う箇所もあったけど、この物語にケチつけるなんて野暮ですよとても素晴らしかったもの。 第二章の、ネグレクトされ気味の兄妹宅でせつなと薫子が語った言葉が重くて、思わず両側で眠る子どもたちを見て涙が止まらなくなってしまった。 カフネって素敵なことばですね。愛おしい人の髪に指を絡ませる時、関係性はなんでもよくて、「あなたが大切で大好き」って気持ちだけになる。久しぶりに朝まで読んだ本でした。

    11
    投稿日: 2025.10.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025年本屋さん大賞作品。 術後の眼の不調もあり、読書がなかなかできず、時間を要した。 私見ですが、出だしが「元彼の遺言書」風、あまりにも料理の内容が多くお腹一杯になった。 不妊の主人公、親の自殺で不遇な人生と持病を持つ主人公の弟の元彼女の物語。 これまで生きてきたができた両親の子は意外と少ないと思う。道徳観と学力を備えた大人は少ないと感じる。 どちらかと若いうちは腐らないからまともなんだろうな。 私も人のふり見て、我がふりを正したいと思う日々。 暴飲暴食で壊れた体も節制により回復途中。

    9
    投稿日: 2025.10.07
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    読む手が止まらなかった。 話が進むにつれて明らかになる真実と料理の尊さに心が惹かれました。どんなに距離が近い人でも全てを知ることは出来ないんだなと改めて痛感した1冊。 料理始めます。

    4
    投稿日: 2025.10.06
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    問題を抱えて生きる人々の生き様を感じれた。 思っているよりも根は深い。 つらい経験をしている人の強さ。 色々な経験をして相手の事を理解出来る人間になりたい。

    5
    投稿日: 2025.10.06
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    食べることは生きること 大切な弟の謎の急死。 そこから始まる世界。 見えていなかった、気づいてなかったことに打ちのめされながら、再び生きることを選べたのは まさかの弟の元彼女。 絶望のなかでも、やり抜いてきたことが、実はほかの誰かの光になっている。 綴られた言葉から想像される世界。 何度も涙しながらあっという間に読み進めてしまった。

    9
    投稿日: 2025.10.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    はじめは、小野寺せつなは、何て感じの悪い女性なのと思ったけれど、読み進めると全くイメージが変わりました。そういう事だったんだとわかってすごく切なくなりました。 そして、弟がかかえていた悩みやせつなと弟との関係にも驚かされました。 さすが、本屋大賞ですね。

    6
    投稿日: 2025.10.05
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    哀しくて、辛くて、優しくて、あったかくて何回も涙が滲んだ。 滲んだっていうか中盤とラストは普通に泣いた。 いろんな背景や考え方の人が描かれている。 私は公隆さんと同じ考えで生きてるけど、センシティブな話だから身近な人とはこんな話出来ないし、したって面倒臭い人とか拗らせる人って思われそうだから出来ないし。 でもなんか、こういう考え方で生きててもいいのかもなぁと思えました。 読むと、とりあえず卵味噌のレシピを検索してしまう一冊。今度作ってみます。

    6
    投稿日: 2025.10.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    買ってよかった本。今後10年は本棚にあるんじゃないかな。でてくるツナとトマトの豆乳素麺はやりました。しかもちゃんと揖保乃糸で。初めて揖保乃糸食べたから、この食べ方が美味しいのか、揖保乃糸が美味しいのかわからなかった

    4
    投稿日: 2025.10.04
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    どんなに親しい間柄でも、心の奥底で思っていることはわからない。相手を思う心は、もしかしたら自分の独りよがりかもしれない。そんな葛藤を抱えながらも自分の信念に従って行動していく登場人物がとても素敵だった。 途中の展開からはページを繰る手が止まらなかった。 さすが本屋大賞だなと思う。 食べる描写がとにかく美味しそうで、呼んでいてお腹が減ってくるくらいよかった。 どんなに元気がない時でも、落ち込んでいる時でも、食べるだけでぼーっと元気が出てくる時がある。 そんな柔らかな温かさをくれる小説だった。 映画にもしやすそう。

    11
    投稿日: 2025.10.04
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    弟か亡くなり、遺言書に書いてあった通りにするべく所から物語は始まる。 生きている限り3大欲求はどうしても生まれてくる。その中でも睡眠と食事はかなり大事。 多様性の世の中と言われる世の中でも、旧態依然、世の中の当たり前が当たり前と進んでいく世の中の、人が変わっていくやさしい物語

    4
    投稿日: 2025.10.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    子育てをするようになってますます痛感する。生きている限り、家事からは逃げられない。楽しめたら良いんだけど、自分を追い詰めるように降りかかってくるから、なんだか自分の首を絞められているように感じることがどうしてもある。 誰かに家事を助けてもらうって、心も助けてもらえるのかも。家事代行という仕事と、食べることがもたらす力、人を想って何かをする気持ちにあふれた優しい作品。 「お腹がすいていることと、寝起きする場所でくつろげないことは、だめです。子供も大人も関係なく、どんな人にとっても」 このフレーズがとても好き。 自分が家事をすることのモチベーションにもなる。

    8
    投稿日: 2025.10.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025年本屋大賞受賞作。 阿部暁子さんの本は初めて。おもしろかったし、ちょっと泣きそうになった。 人を助けようとして、助けるのって難しいなと思う。 どこまで踏み込んでいいのか考えてしまうし、だけど考えたところでわからないもの。 そして、助けるつもりではなくても、どこかの誰かを助けていたりする。 薫子のエネルギッシュなところはよかった。公隆はちょっとひどいのでは??と感じた。 たくさん出てきた食事の場面。食べることは生きることか。そのとおりだと思った。 読んでいる時、なぜか「情熱の薔薇」を思い出して、ずっと流れていた。 そんな小説でした。

    13
    投稿日: 2025.10.04
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    久しぶりに新刊買いました。人間は多面的で、今あなたが接している友人の顔は、ほんの氷山の一角であり、内面や悩んでいること、本心などでて気やしません。なぜなら本心ほど開示するのに恥ずかしいことはないからです、身内の恥も開示できません。人を助けるのは難しいしです、その人のシステムが変わらない限り、助けられません。一見強気に頑張っているように見えて、無理して鬱になってしまう人達がたくさんいます。助けを求めるのも勇気です。

    8
    投稿日: 2025.10.03
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    本屋大賞は 期待を裏切らない。家政婦のような仕事でほんとに助けられる人がいるんだと。人は心から疲れきると なにも出来なくなる。そしてほんとに そんな人々が 案外いるんだと気づく。自分も 疲れてるとなにも出来ない。寝る。力がわく。 『北風と太陽』って話を思い出した。太陽になりたいと思います。

    6
    投稿日: 2025.10.03
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    『カフネ』 この本を読んで、私は救われた気持ちになった。 なぜなら「家事」にちゃんと価値があると再確認できたから。 料理、洗濯、掃除――できて当然、整って当たり前。 「母親の義務」でしかないように扱われてきた?むしろ自分自信がそう捉えてきたことに、ずっとモヤモヤしていた。 でも本書を通して、家事もまた人の営みを支える大切な行為で、ある種のプロフェッショナルだと思えるようになった。 さらに物語が進むにつれて、登場人物たちの事情が現代的でリアリティがあり、「隣にいてもおかしくない」と感じられるほど。 そのリアリティも相まって、ぐっと物語に没入できた。

    6
    投稿日: 2025.10.03
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    読み終わった後に優しい気持ちになれる素敵な作品だった。 P94 善意って油みたいなもので、使い方と量を間違えると、相手を逆に滅入らせてしまうから 『性格というのは個人の特性ではない。そうしなければ生きてこられなかった。そうせざるを得なかった結果そうなった』という言葉を思い出した。 人生でこの思い込みをいかに減らせるかがカギだと思う。 料理の作り手がいかに相手のことを考えているか伝わる描写に胸打たれた。 美味しい食事は日々の生活の潤いになるけど、日本人は食べるのが好きだし料理への期待値が高いよな〜とも感じた。

    4
    投稿日: 2025.10.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった。 カフネの意味がとても素敵だなと思う。 散らかってるものを綺麗にしていく快感は私もよくわかる。 かといって、綺麗好きというわけではないけれど。 何かを完成させていく、という作業も大好きだ。 いつも描写されているものから、人物を想像して思い描くのだけれど、せつな の想像が難しかった。 最初の方からベリーショートな人をイメージしてしまっていたけれど(勝手なイメージ)お団子頭なところで、ぁ、そうなの?って思ったり。 それぞれが抱えていたものを、食や生活を整えていくことで心が軽くなったり、救われたり。 とてもよくわかる。 誰の助けも必要なさそうな人が、本当は助けが必要だったり。しっかりしてて強そうな人が、本当はとても弱かったり。ギャップがあるから、余計にそう思うだけなのかもしれないけれど。 誰かに頼る事ができない人は、しんどいだろうと思う。 家事を誰かにお願いする事、のハードルが高いのはよくわかる。 もっと気軽にお願いする事ができたら心にも余裕ができるのに。 特に日本人には、後ろめたさを感じる人が多いのかな?と思う。 最後の薫子の提案をせつながどうするかは別として、二人はこれからも繋がっていられたらいいなと思う。

    4
    投稿日: 2025.10.03
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    言葉が出ない。このお話は人を選ぶけれど、わたしには本当に深くまで刺さった。刺さったというと物騒だけど、心の奥の大切な部分を抱きしめてもらえた感覚がした。春彦は本当はどう思っていたかわからない。どんな人も、心のうちでは何を考えているかなんてわからない。春彦も、港も、せつなも、せつなの父も、カフネの利用者も。心の底からつかれていたら、ふっと何もかも手を離したい時がある。その手を離してしまった人々と、遺された人々。その両方の気持ちを大切に掬い出して、丁寧に描かれた作品で、何度も涙が出た。主人公たちも、わたしも、人に傷つけられ、また人に救われている。その、人が持つ力を、人を思いやりかけた言葉の持つパワーの強さを、この物語を通して、強く強く実感した。こんな物語を世に生み出してくださって、ありがとうございます。 p.111 「未来は暗いかもしれないけど、卵と牛乳と砂糖は、よっぽどのことがない限り、世界から消える事は無い。あなたは、あなたとお母さんのプリンを、自分の力でいつだって作れる」 p.138 「欲しいと思えないから、としか答えられないですが。生まれてくることがいいことなのか私にはわからないし、子供本人に自分が育つ環境も選ばせずに、こんなにどんどん壊れていくような世界に何十年っていう人生を背負わせて生まれさせる。それは、すごく理不尽なことだと私は思います」 責められている、と思った。彼女の言うことを、自分も考えたことがないわけではない。子供を産むということは結局のところ親のエゴだと薫子も思う。それでも、いったいどこから噴き上げてくるのか自分でもわからない渇望と焦燥に駆られて、最先端の医療技術を金で買い、肉体の老いと運命に逆らって子供を得ようとした。自分は親となるに値する人間なのか、この世にひとつの命を生み出し、その存在に全責任を負うことができるのか、そもそも産むという行為は正しいのか、本当なら考え抜かなければならないことに答えを出す前に、時間がない、時間がないと思考を停止させ、ひたすら自分の子宮に命を宿らせることだけを考えた。 そんな自分の欺瞞は棚に上げ、懸命に子を育てる女性を妬む女を、彼女は軽蔑しているのだと思った。 「でも、薫子さんを見ていると思います。この人は、生きていくことには価値があると信じているんだなって。もしも子供を持ったら、その子を幸せにするために全力で闘うんだろうし、こんな人のところに生まれる子供はもしかしたら、『生まれてきてよかった』と思うのかもしれない」 ピピッ、と高い電子音が鳴った。コンロのセンサーが、熱していた油が設定温度に達したことを知らせる音だ。 p.158 ふり向いた。 カフェで再会した時に薫子を射貫いたのと同じ、鋭いまなざしで。 「親を肩じすぎないで」 静かな声だ。だが恐ろしく不穏なものを発んでもいて、少年の瞳が、ゆれる。 「子供を想わない親はいないとか言う人がいるけど、あれはたまたま良い環境に生まれて、問158 題なく生きてこられた運のいい人たちだから。親に痛めつけられたり捨てられたりした子供がそれを聞いたら、どれだけ爪はじきにされた気持ちになるか想像できない人間だから。耳を貸さないで。親は血がつながってるだけのただの人間だってこと、わかっておいて」「・・・・・・・ちょっと、あなた何言い出すのよ」 薫子はつなぎ服の袖をつかんだが、せつなはこちらに目もくれない。 「あなたは今、中三なんだよね。来年、あなたは高校に行ける?お母さんはそれをちゃんと考えてくれてる?あなたのお母さんは、あなたと妹さんがこれから先、何年も学校に行って勉強して毎日三回のごはんを食べて、体だけじゃなく心も健康でいられるようにあなたたちを守ってくれる?」 p.163 「お風呂場の掃除をした時、洗面台に砂時計が置いてあるのを見たわ。「砂がぜんぶ落ちるまで歯みがきがんばろうね』って貼り紙もしてあった。あれ、ののかちゃんのためにお母さんが書いたのよね。お母さんは一生懸命あなたやののかちゃんを育てているし、あなたも一生懸命、そんなお母さんを助けてるのよね」 拓斗の目もとが、小さく引き攣るように震えた。助けたいと思う理由を、彼は母親から受け取ってきたのだろう。たとえば薄焼き卵をかぶせたオムライスのような形で。 「お母さんは毎日くたくたになるほとがんばってる。だからこそ、もしもこの先、お母さんやあなたたちに何か困ったことが起きた時のことを話させて。そういう時、この名刺の彼に連絡すれば相談に乗ってくれる。お金の心配はいらないわ。さっきの私たちの話は、あなたにはお母さんを責めているように聞こえてしまったかもしれない。でも、そうじゃないの。私たちや、この名刺の弁護士さん、あらゆる人が考えたいのは、あなたたちもお母さんも安心して暮らしていける方法なの。どうか覚えていて。この国では、子供はみんな安心してごはんを食べて勉強して生活していいの。それがすべての子供に約束された権利なの。権利であるはずのものが欠けている状態なら、あなたはその不足分を求めていいの。でも、いきなり弁護士に連絡なんて気軽にはできないかもしれない。その時は、私か、この小野寺さんに連絡をくれたら、すぐに動くわ。必ずよ。どうか覚えていて。何かに困った時、あなたには相談できる人間がいる。これは社交辞令じゃない。これから何日、何ヵ月、何年経っても、今ここに名前の出ている三人の大人は、一ミリも変わらずにあなたの力になりたいと思っているから」勝手に踏み込んで押しつけているだけなのかもしれない。子供を持たない自分には、本当のところ何ひとつわかってはいないのかもしれない。だが、ただの迷惑で終わるならそれでもいい。ためらって結局通りすぎてしまうよりはマシなはずだ。 せつなを促して外に出る前、薫子は拓斗の肩にそっとふれた。がんばって、に似ているが、少しだけ違う、祈るような思いを込めて。 p.205 部屋に帰った春彦は、ベッドに横たわり、盗んだ薬を飲む。 「本当に、もしそうだったとして、それはだめなことなの」重苦しい沈黙を破ったのは静かな声だった。 濡れた顔を上げ、意味がわからないという表情を浮かべる航一を、せつなはビターチョコレート色の目で見据える。 「誰だって好きで生まれてくるわけじゃない。勝手に生まれさせられて、どこでとう育つかどんな目に遭うかも選べない。だったら死に方は自分で選んでもいいと私は思う。命も人生もその人だけのものなんだから、それくらいはゆるされていい」 p.247 「せっちゃんは、一日おきに家にやって来る家政婦を、最初は遠くからうかがってました。知らない人間が来た時、猫が物陰からじっとこっちを見てる、あんな感じです。警戒してるけど、好奇心もあって、自分と合うか合わないか探る用心深さもある、面白いお嬢さんでした。 あと九歳のせっちゃんは、とびきりかわいかった。プリンが好きだって言うから作ってあげたら『世界で一番おいしい」なんて殺し文句を言って、初めて笑ってくれたんですよ。好きになっちゃうのもやむなしでしょう?」 笑う斗季子につられて、薫子も笑った。 「本当に同一人物の話なんですよね?私、つなぎ服にごついブーツ履いて仏頂面してるあの人しか知らないから」 「あのつれない感じがしびれるって、顧客のおねえさま方には好評なんですよ。最初は遠巻きだったのが、だんだん私が家事をしてるところに近づいてくるようになりました。こう、気配を感じてふり向くとね、じっと私の手元をのぞきこんでるんですよ。かわいいなあ、って最初は思ってたんですけど、それは自分でもやり方を覚えようとしてたんだと、しばらくして気づきました。私が洗濯物を畳んでいると、黙って私の隣に座って、私の手元を見ながら一緒に作業するんです」 「それは、家政婦さん的にはいいんですか?」 「ふふ、全部やってもらってしまったら家政婦の立場がないですけどね。でもせっちゃんの場は、結構徴妙な年頃に同性であるお母様が不在だったし、身の回りのことのやり方を覚えるのはせっちゃんにも必要だろうと判断して、お父さんに相談しつつ色々と一緒にやりました。 私、その日にしたことをノートに書いて置いていくようにしたんですよ。お父さんは毎日帰りが遅くて、私の勤務時間内に帰っていらっしゃることはほとんどなかったので、そういう方法で家のことやせっちゃんのことをお伝えしてました。今日はせっちゃんが洗濯物を半分畳んでくれました、とか、せっちゃんが夕食の盛り付けを手伝ってくれました、とか書いていくと、お父さんから『ご迷惑をおかけしてすみません」とか『娘がそんなことをできるとは驚きです』とか返事をもらえるようになりました。そのうち、せっちゃんは「お料理を教えて」とせがむようになって、ごはんの支度も一緒にするようになりました。呑み込みが早かったです。 賢いというのもあるだろうけれど、何よりせっちゃんは一生懸命だった。一生懸命に料理を覚第四章 247 えて、食べさせてあげたい人がいたからだと思う。ひたむきなせっちゃんの姿を見ていてね、思ったんです。 この子にとって何かを作って食べさせてあげることは、「好きだよ」って伝えることなんだなって」 缶コーヒーをまた一口飲み、斗季子は曇り空を見上げた。 「最初はサラダとかキャベツの浅漬けとか、簡単なところからスタートして、小学五年生になる頃には、茶碗蒸しも魚の煮つけも作れるようになりました。私が作った食事に、せっちゃんの作ったものを一品添えるのが決まりのようになってました。本当にゆっくりとだったんですけどね、せっちゃんのお料理を添えるようになってから、台所のすみに置かれるお酒の空き瓶は少なくなっていきました。夕食の時間にお父さんが帰ってくることも、本当に少しずつ増えていった。それで十月に入った頃、お父さんにぼそっと、お弁当の作り方を教えてもらえないか、と言われたんです」「お弁当?」 目をまるくした薫子に、斗季子はほほえんだ。 「そう、せっちゃんの小学校の運動会のために。前の年は私がお弁当を作ったんです。お父さんは仕事があって参加できなくて、代わりに私が応援に行ったんですけど、その年は休みを取ったからってぼそぼそおっしゃって。もう私、張り切っちゃいましてね、おにぎりの握り方からビシバシやりました。当日はお弁当のレシピだけ渡して、私はお休みしたんですが、あとでせっちゃんがお弁当の写真を見せてくれました。お父さんと一緒に作ったおっきいおにぎりのお弁当。世界で一番幸せな女の子みたいに笑ってた」 p.274 ごはんを作り、食べてもらい、好きだよと伝えたいひとを失ったはずのあなたは、それでも作ることをやめなかった。真摯に、信じるように、作り続けてきた。 あなたが出会った人たちのために一品一品に込めてきたものは、こうして誰かの喜びになっている。おいしいと笑顔にさせ、生きる力をもたらしている。 p.277 切れなくて、食事をすることにした」 断ろうと思ってたんだ、と公隆は呟いた。 「先生の顔を立てて会うだけだって。でも、戦闘服を着て現れた君は、予想もしなかった熱血 努力物語を語るし、「私は結婚相手を探していますし、子供も欲しいと思っています。その気がないようでしたらご遠慮なくおっしゃってください」ってデザートを食べながらてきばき言うし、なんだかそれでー」 言葉を探すような数秒間のあと、公隆はそっと続けた。 「試してみたいって、君には本当に失礼だけど、そう思ったんだ。君となら、僕が嫌で仕方なかったあの家族とは、別のものが作れるかもしれないって」 p.280 「自分でも、矛盾してると思う。だけど君が『子供ができた』って泣きながら教えてくれた時、あの時から、よく想像するようになった。君が赤ちゃんを抱いてしあわせそうに笑ってるところ。それを僕は、君の隣で見てる。ー僕は、生まれてくることも、生きていくことも、苦しいことだと思う。すべての子供は親の飲望から生まれて、生まれたあとも親に虐げられる子供がたくさんいる。保護しても、支えても、追いつかないくらいたくさん。僕にはどうしても、子供を持つということは、またひとり不幸な思いをする人間をこの世に生み出すことに思えてしまう」 だけどー 「もし無事に君と僕の子が生まれてきたら、その子は、こんな僕の考えを根こそぎひっくり返してくれるんじゃないか。その子を愛することができたら、僕はこれまでにあったことなんて全部どうでもよくなって、何もかも新しく始められるんじゃないか。そう思ってた。そうなることを、僕は待っていた」 p.283 ように手配だけはしておいたんだ。まさかあんなことになるなんて、思わなかった」かなしげに目を伏せる公隆を見て思い出す。公隆は春彦のことを本当の弟のように可愛がってくれていたし、春彦も公隆と会うと楽しそうだった。二人は、少し似ていたかもしれない。 人の目にふれる時、自分の生々しさを隠し、そうあるべき姿、人が自分に望む姿を見せようとするところが。 「ありがとう、本当に。知れてよかった」 噛みしめるように伝え、薫子は大判封筒を手に取って立ち上がった。 「私、もう行くね。元気で」「うん、君も」 持っていこうとした伝票を押さえながら、公隆はほほえんだ。小娘のように心臓がはねる。 もうこの胸に深く根を張ってしまった恋心は、一生このままなのだろう。 「公隆。私と離婚してよかったって言えるように生きて」かつて伴侶だった男性が、面食らった表情を浮かべる。もう会うことはないだろう彼の目を見つめて、願いを込めながら言う。 「元気に、後悔しないように、生きて」春彦の分まで。それは胸の中だけでささやいた。 あとはもうふり返らず、重たい鉄製のフライパンが入った袋を右手に持ち、受け取った封筒を胸に抱いて外へ出た。

    9
    投稿日: 2025.10.03
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    それぞれの登場人物が様々な悩みを抱えており、家族や友人といえど、究極的には他人である私たちは、どう相手と向き合っていくべきなのかを考えさせられる一冊だった。 やはり、相手のことを知るには会話が重要なのだが、そもそも会話ができる環境を作れているか、自分や相手をしっかり観察し問い続けていきたいと思った。

    12
    投稿日: 2025.10.03
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    多分感動する本なんだろうけど私にはあまり刺さらなかった。面白さはあると思う。 主人公の境遇が可哀想でそのせいで精神的に参っているんだと思っていたら、ただそういう主人公ってだけの変わった人だったのが私の感動を消し飛ばしたのかも。

    3
    投稿日: 2025.10.02
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    とても好きな本になりました。 薫子もせつなもとても好き! 二人の掛け合いもとても良かった。 せつなにそんなことがあったなんて。 薫子がだんだんと柔軟になり良いところは残しつつ変わっていく姿がとても好ましかった。 美味しそうな料理もたくさん出てくるし、困ってる人たちは救われるしなかなか読み心地が良かった。 春彦の恋人は意外だったけど、春彦の選ぼうとした先が知れて良かった。 そことそこが繋がるのか! とても好い!

    4
    投稿日: 2025.10.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何かを隠して生きていると死んでバレた時に周りの人はこんな気持ちになるんだなと理解できた。 でも死んだ事には変わりないから結局秘密を守って勝ち逃げになるとこは勉強になった。 自分の周りにこんな人がいない事を祈る... 物語としては面白かったが主人公の境遇が可哀想すぎて辛かった。

    3
    投稿日: 2025.10.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本屋大賞受賞作。ご飯と愛の物語っぽいのでその辺楽しみにしていた。大賞受賞するだけあって終盤は感動した。話の途中でチケットで家事代行に行ってるところが好きだった。ご飯が美味しそうなのもいい。 薫子とせつなの、隣人愛の極致のような関係性がよかった。ただ目の前にいる人に、少しでもいい状態になってもらいたい。そういう優しさがよかった。 春彦が男性と付き合っていたこと、味覚障害だったこと、せつなとは交際関係になかったことなどが明かされていき、さらにはせつなが慢性白血病であることや父が自死していることなども明かされいく。この辺は流石に「実は不幸で」のオンパレードかよと思った。しかしそういうツッコみどころはあったが、鈴夏が一緒におにぎりを作ってくれたあたりの隣人愛がとてもよかったので問題なかった。

    4
    投稿日: 2025.10.02
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    本屋大賞受賞作品、ほんとうに素晴らしかったです。 読んでいる時間、心がぎゅうっと苦しくなったり、じわ〜と温かくなったり、ずっと忙しいのだけど読み進めることがやめられなくて。物語が進む中で、気づけば人と人との関係が深まっていく、絆が出来上がっていく様が魔法のように紡がれていく。そして最高の読後感……(読んだあとは題名を見るだけ、考えるだけでウルウルしてしまいました) 他の作品も読ませていただきたいと強く思いました。

    3
    投稿日: 2025.10.02
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    読後感、かなり良し。 やっぱり好きな作家さんだなと思う。 始めは主人公を好きになれないと思っていたが、読み進めるうちになんだか好きになってくる。最終的にはしっかり心を寄せていた。 プロフェッショナルなハウスキーピングにもしばしば心を掴まれた。部屋を掃除したり料理をしたくなるような。 世の中を多様性と一言でまとめるのも不本意だが、一人一人を覗けば本当に多種多様な事情と悩みがあって。その中でこの制度を使ってこんな解決方法があるのかと、一つヒントをもらえた気持ち。 面白かったし興味深かった。

    3
    投稿日: 2025.10.02
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    美味しそうな食べ物が沢山出てきて、そこは、予想通りでしたが、様々な境遇の人、様々な関わり合いが、捻られ解かれ、予想外の方向にどんどん進んでいきます。 何とも素晴らしい本との出会いになりました。 卵味噌は是非とも作ってみたいと思いました。 読書っていいなと、つくづく思えた作品です。 確実に、リピート、リピートする本になりそうです。 読み終えた後の多幸感が何とも言えません。

    4
    投稿日: 2025.10.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「この子にとって何かを作って食べさせてあげることは、『好きだよ』って伝えることなんだなって」 この発想はなかった。すごく素敵な考え方だなぁと、ホッコリした

    3
    投稿日: 2025.10.01
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    自分の気持ちなんて簡単に相手には伝わらないし、相手の気持ちなんて簡単に理解出来ない。だからこそすぐに感情的にならずに相手のことを想像する努力が必要だと思う。 薫子とせつなの空気感がとても良い。

    3
    投稿日: 2025.10.01
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    人との関わり合い 垣根を越えるのは難しい。 その先にある物語。 みんな幸せになれ と心が柔らかくなります。 美味しいご飯の情報もいっぱいで日々の家事の手抜き具合に反省しつつ、『卵味噌』は必ず作ろうと決めずにはいられません。

    3
    投稿日: 2025.10.01
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    最後は涙が止まりませんでした…。 1本の映画を見終わったかのような読後感。 感情移入しながら、ストーリー展開に心揺すぶられながら、ただただ、あぁよかった、とつぶやきました。

    5
    投稿日: 2025.09.30