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水車小屋のネネ
水車小屋のネネ
津村記久子/毎日新聞出版
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総合評価

745件)
4.2
297
279
127
12
2
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    行動力のある姉と二人で独立することを選択した姉妹。世の中そんなにいい人ばかりではない、と思ってしまう一方で、優しさの連鎖がジワジワと沁み渡る、あたたかいストーリーだった。

    0
    投稿日: 2024.09.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    話自体は面白いのだが、長編ながら展開がゆっくりで、読むのに時間がかかった割には思い返すエピソードが少ない。確かに色々起こってはいるし、登場人物も要所要所で増えたり減ったりしているが。それも含め、スローライフな雰囲気や、年月と共に人と人との親交/支え合う社会というのがより現実的に感じられる。 故に、再読したいか?と言われると微妙である。 聡の登場が、姉妹中心の世界に急に異物が放り込まれた感覚で、なかなか馴染めなかった。 自暴自棄になり、自分の事を知らなそうな僻地に飛びたい気持ちや、暇な時間が不要で仕事で隙間を埋めたい気持ちは共感できる。 本編で一番グッときた/面白かったのはネネの声真似エピソード関係。母親の交際相手が水車小屋付近にいる際、ネネに大人の声を出して貰ってさもそこに複数人の大人がいるかのように装ってやり過ごした話や、畑がイノシシの被害に遭うというのでネネに狼の声を出させて追い払った話など。 章ごとに年月が経ち、姉の結婚、そば屋の閉業、ネネの老い、似たような境遇の子供らとの出会い、その成長、そば屋を改築して喫茶店と自習室を開く、そば屋再始動、など。 総じて、私にもこんな出会い・こんな環境があったら、今はまた違っていたんだろうな、と羨ましく思う。人との出会いや関わりを大事にしたくなった。 「強くなれ 誰も信じるな いいな」 ネネは、男とも女とも大人とも子供ともつかない、ただのヨウムの、ネネ自身の声で、《グロリア》の逃亡する息子に向ける父親の別れの言葉を言った。p154 ↑このネネがかっこいい。意味をわかっていってるのか微妙な点が特に。

    22
    投稿日: 2024.09.17
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    これっと言った名言はないのだけど、物語全体を通して人と人の関り合いが書いてあって、ひとは誰かと関わって、助けられて助けて生きていくんだなぁっと感じる本でした。そして、変化していく人間関係の中で、ひとに親切にされたことが、次のひとに繋がっていく。

    4
    投稿日: 2024.09.17
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    自立と生存、共生。人は1人では生きられない、自明のことわりだけれど理不尽なほど世界は蓋を被せに現れる。そんな中で、小さなとても小さな日常を大事に大事に守り抜いて、生きていく。真ん中には2人の姉妹、ヨウムのネネがいる。丁寧にえがかれた物語であった。

    0
    投稿日: 2024.09.17
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    泣ける本、で誰かがSNSで紹介していたので読んでみました。「え?これ泣けるの?」と思って読み進めたんですが、最後の数ページはポロっと涙溢れる感じ。あぁーって泣ける感じじゃなくてホワっと心に響いてポロって涙が流れる、そんなあったかい本だった。今までにはあまりない感じで良かったです。 誰かの良心で自分がある、そう思える人生、もしくはそう思ってもらえる人生だといいな。

    0
    投稿日: 2024.09.16
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    家を出た理佐と律のまわりがいい人ばかりでよかった。 守さんも浪子さんも二人を心配しながらかわいがり、杉子さんも二人と出会ったことで、幸せを感じることがあったのだろうと思う。 藤沢先生だって、律の手助けをしながら、救われていた部分があったのかもしれない。 あたたかい物語だった。 それにしても、母親は女として生きたかったのだろうか。そうでなければ生きられなかったのだろうか。それでも母親とその恋人に対しては許せない気持ちになった。 「誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ」 と言っていたが、なんかしっくりこず。 私的には、誰かに親切にしなきゃ、じゃなくて、誰かと関わっていなきゃ、のほうがしっくりくるなー。親切にしなきゃって、気負うことなく、人と関わって誠実に生きるってことなのかな?

    10
    投稿日: 2024.09.16
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    人の為に生きることは自分の幸せの為に生きること、人と人とのつながり、支え合いをテーマにした本だった。 ヨウムのネネの周りにいる人たち、みんなそれぞれが何か欠けていて、でもその欠けているものをみんなそれぞれで補っている。 日常の中で立ちはだかる壁にぶつかった時、みんなそれぞれがそれぞれに支えられながら壁を越えて成長していく、心がホッとするような物語でした。

    0
    投稿日: 2024.09.15
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    18歳と8歳の姉妹が共に親元を離れ、とある町で生活を始めるところからの40年間を描いた物語。水車小屋にいるヨウムのネネが小説のタイトルではあるのだけれど、主人公は読んだ人それぞれに違うのではないかと思う。ふとした情景が愛おしすぎて、この町にいる人の良心や凜とした生き方に胸打たれて、みんなの成長や別れが嬉しくて悲しくて、読むページが少なくなっていくごとに寂しくて、電車で読んでても涙こらえるのが難しくて、とにかく、生涯Best10には入る小説となった。いろんな賞取ってるのも納得。もう一度読むと思う。あとがきで作者が「本書が誰かの良い友人になることを願っています」と記していた。間違いなく良い友人となった。

    1
    投稿日: 2024.09.13
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    ものすごく良かった!本当に素晴らしい物語に触れることができてとても嬉しい。 しかも物語に出てくる人たちとネネの40年と言う長い長い物語を追えたことが本当に楽しかったし感動した。 世界はみんなの良心で出来上がっているのだな、としみじみ感じた。 それぞれ色々な物語がある中で、相手を思い遣ったり、受け取ったり、与えたり、影響しあいながら生きることの、当たり前と言えば当たり前なんだけど、敢えて光が当たっていなかったような部分を細かく見せてもらえて、その日常の素晴らしさとか愛が詰まっている世界に触れて本当に感動した。 人は生きていたら変わっていくので、長い付き合いを保つことのほうが難しい中、この世界ではどこかでみんなが触れ合っていて、そこには良心と言う名の愛があって、お互いを心のどこかで慮り合って、それぞれの世界を生きている。 ネネはいつもみんなの心にいて、和ませてくれる。 なんて素敵な世界なんだーーー!! だけど誰の人生もきっと、こんなふうに小説にしようと光を当てたら、核には同じものが流れているんだろうと思えることが、本当にこの作品の素敵なところだなと思いました。 子供だった人が大人になって、どんな風になるのか?を知れるのはとても楽かった。 そして何より!! ネネがかわいいーーー!!! あ、あと音楽や映画が、あんまりわからないながらも時代を表していてとても大事な要素だな、と思った。 本当に素晴らしい物語でした!読めたことに感謝。

    2
    投稿日: 2024.09.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    新聞小説は長い ハードカバーは重い でも1981年から10年毎の40年間をゆっくり噛み締め、ネネと一緒に皆を見守る気持ちで寄り添える長編だった 本屋大賞第2位も納得の作品 途中で世代的に自分が律とほぼ同じだと気付いて、小説だと分かっていても自分に置き換えたら…と考えてしまった ネネが出来るだけ長生きしてくれますように

    0
    投稿日: 2024.09.11
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    こんなに優しい世界は初めて読んだ みんながこの本読めば優しく親切な世界になりそう 律やケンジもそうだけど無意識に手を差し伸べられるような人になりたい 先生に1番惹かれた 先生と律の会話で出てた 「誰かに親切にしないと人生は長くて退屈なものですよ」 これはわたしの座右の銘になりました

    1
    投稿日: 2024.09.10
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    津村記久子『水車小屋のネネ』 2023年 毎日新聞出版 2024年本屋大賞第2位の作品。 とても優しく、心に染み入る物語でした。 でも登場人物たちはとても心に重荷を抱えていたり、波乱万丈だったりするのだけど、でもそれらをも含めて包み込みこむ優しさにあふれる作品でした。 僕はちょうど律と同じ歳だったので、暮らした環境は違うけど、その時代の空気感とその時の年齢が身近に感じられたのもおもしろかったです。 人とのつながり、助けることと同じように助けてもらうことの大切さ、そして前をみて生きる勇気、そして優しさと愛情。いろんな感情がにじみ出ている作品だと思いました。 40年の時の流れとともにそれらが丁寧に紡がれた作品。 この物語に出逢えたことが僕の幸せの一つなのだと思いました。 #津村記久子 #水車小屋のネネ #毎日新聞出版 #2024年本屋大賞ノミネート #読了

    3
    投稿日: 2024.09.08
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    津村記久子さんの作品は初めて読みました。 とても丁寧に描かれていたという印象でした。 最初の頁で、第1話1981年…を見て10年ごとに話が進んでいくのが解ります。 物語の二人の姉妹が、周りの人達に支えて貰いながら生活し、自立していく中で様々な人達に出会います。 1話進む事に出会った人達が増え、新たな関係が築かれお互いに物ではない何かを与え、与えられまた別の人に繋げていくストーリーが温かく感じました。 全ての出会いは水車小屋のネネが居たからこそだと思います。

    1
    投稿日: 2024.09.07
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    水車小屋のネネ 最も好きな作家の1人の、最新(と思う)の小説、久しぶりに彼女の小説を読んだけど、とてもいいです 人はいつもこんなに色々なことを、言葉に出さないけど考えているんだと、いつもあまり考えない俺は感心してしまう ネネは鳥なんだけど、最初になぜそう思ったかはわからないけど、フクロウの仲間だとの思い込みが最後まで続いて、これはこれで自分として楽しめた 藤沢先生の次の言葉にはっとさせられた 「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」 読んでて、何故かザリガニの鳴くところを思い出していた

    9
    投稿日: 2024.09.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ☆3.5という感じが、個人的には最も最適かな。 全体的に、まったり流れていくわりに飽きさせない感じで読みやすい。 律の失恋のくだりは、わざわざ入れる必要あった?!と、なんか変な意図を感じたけど。 あと、震災のくだりからは、完全に第二部な感じで、だからこそよかった面もあるような、ちょっと余計感もなくはなかったような。 でも、今のこのタイミングの著作で、起こった当時の様子として描ききったのは、やっぱり、あってよかったかもね、と思う。 あ、あと、なんか挿絵が絶妙によい雰囲気だったゎ!!

    3
    投稿日: 2024.09.06
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    長い時間というか人の人生を書いたような小説は好き。 喋る鳥が云々と発売当初描いていたので、意志を持って話する鳥と生活するファンタジーな話かと思っていたら違った。 だが、それがいい

    32
    投稿日: 2024.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第21回 2024年本屋大賞 2位 第59回「谷崎潤一郎賞」受賞 「本の雑誌」が選ぶ2023年上半期ベスト第1位 「キノベス!2024」第3位 母とその恋人との生活に見切りをつけ、18歳の姉が8歳の妹を連れて町を出て行き、 「鳥の世話じゃっかん」と記載の蕎麦屋の仕事を見つける。 しゃべる鳥〈ネネ〉や周りの人に恵まれて、変転してゆく40年を描く長編小説。 18歳での初就職で、知らない町で、8歳の妹を扶養しながらの生活。痛々しい設定ながら、 貧しさの中にも悲壮感はなく、慎ましくも人生を楽しむ姉妹にエールを送りながら読み進めた。 姉の大らかさと、適応力、文章で人柄が伝わってくる。 蕎麦屋の夫婦も素敵。押し付けがましくない親切さが絶妙。 鳥の世話兼、水車でのそば粉挽きという類稀な仕事をこなしつつ、理佐が婦人会での服飾作業を請け負ったりと、町に溶け込んでいく姉妹。 ネネとのやり取りはどれも微笑ましく、サ行が苦手なところも愛おしい。 年月を経て、杉子さんとの別れの場面は涙した。 それほどの関係性を築き、大切な人になっていたこともジーンときた。 律の担任の藤沢先生との出会い。 どんな人なのか、、やり取りを読んでても人物像が謎で、、熱血教師という訳でもなく、生真面目さだけが印象の。。 その藤沢先生と、その後何十年も関係を築いて行くのも面白かった。 律が藤沢先生からの大学の援助話を断る理由。 自分は人に恵まれていたという充実感が伝わってくる。P291最後2行〜数回、読み返した。 「誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ」何とも染み入る言葉。 P388律が勉強を教えていた男の子が、高校に合格した場面。職場で電話を受け「了解です」の一言だけ。自販でめったに買わないコーラを買って、会社に戻り、「エレベーターで少しだけ泣いた」 もう、この文章が、、泣けた。 と同時に、自分の人生にもこんな充足感を味わいたい、、とも切に感じた。 素敵な本だったけど、入り込み過ぎたセリフなどもあったせいか、なかなか進まず、少し中弛みもあり、飛ばしてしまう箇所も、、なので⭐︎-1で4

    2
    投稿日: 2024.09.05
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    なんだか自分の送っている毎日が好きになれそうな気持ちにさせてくれる、そんな素敵な本でした。 何だかジワる本で、ゆる絵もそのひとつでした。 姉妹の親が自分の親と似てて、親に関しての認識としては共感しかなかった。 文章で句読点とかなくて繋げて読んでしまったり、何度読み直しても意味のわからない文章もあったのですが、基本的には読みやすく難しい漢字もなく読み進めることができました! 読むの遅いので早く読めないのですが…読み始めて読了までにゆっくり読んで5日かかりました。

    2
    投稿日: 2024.09.05
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    姉妹の成長を丁寧に描いた温かな物語。 作中では40年もの歳月が流れるのだが、その40年の流れを共に過ごしたような確かな感覚がこの小説の魅力だと感じた。 水車小屋の番人である「ネネ」や姉妹に関わる人々が少しずつ、でも確実に姉妹の中に入っていくことで大切な人やもの、場所がどんどん増えていく。そんなところに優しさや温かさを覚えるのだと思う。 辛い時、悩んだ時に自分では意図して支えられるつもりはないのだけれど、いつの間にか支えられていることがある。それは美味しい蕎麦だったり、好きな人が見た映画だったり、ラジオから流れる音楽であったり、流れる川だったり、図書館から借りた本だったり、裁縫だったり、何気ない会話だったりする。そんな意図せぬものに救われながら、誰かの善意に支えられながら、みなどうにか日々を過ごしているのではないかな。 周りの人に何気なくする優しさが、どこかで誰かを救っているかもしれないと思えたら少し自分の人生も彩りが増す気がする。そんな風に前を向けるようそっと後押ししてくれるような作品でした。

    3
    投稿日: 2024.09.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    よすぎる。津村先生本当に本当に大好き…没入度が違う。 守さんのそばに対して聡さんが言う 「その後に食べたそばが劣って思えるみたいなうまさじゃなくて、自分が今食べてるそばがあのそばと同じ食べ物だとしたらよりおいしく思える、みたいな」 という感想。 そっくりそのまま津村作品の私の感想である。 たぶん3月のライオンとか海街ダイアリーが好きな人は大好きな世界です。 毎章泣いてしまった。 こういう風に生きて行けたら、他になにがいるだろう。 特に2章の終わり、聡さんが理佐さんに伝える言葉がすてきだ。 「きみが近くにいると、自分はたぶん勇気を持つことができる。報われないことを恐れなくて済んで、自分がそうしていたいだけ誠実でいられるんじゃないかと思う。」 また、東北沖地震について研司くんが言う言葉。 「誰に起こってもおかしくないことなら、自分に起こったことじゃなかったのはただの偶然でしかないんだなと思いました」 助けや手伝いをすることに対して偽善だという人がいる。 でもそうでなく、自分がいつそちら側に行くかわからないからこそ手を差し伸べることが当たり前の世の中になって欲しいと思う。 そこまで大袈裟でなくても、自分にも大人になるまでにもらったたくさんの優しさを、 次の世代や周りの人に渡していくだけでもいいのだと思う。 優しい人が、優しい人のままでいられる世界を願った。 これから意地悪な気持ちになるとき、人の幸せを願えないときだってあるけど、こうでありたいと願う。 そんなときはこの本をお守りみたいに開こう。

    3
    投稿日: 2024.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分よりも幼い姉妹ふたりが自分で歩く道を踏みかため、現実の寒さに耐えて立ち向かって、築いた関係の中歩いていく物語。 彼女たちの10年が積み重なった物語は、描かれていないところも次の10年で彼女たちの言動に垣間見え、感慨深くなる。 長い物語ゆえの年長者との別れに、長生きのネネとの別れが物語の区切りだったら、と途中から読みたいけど読みたくない気持ちで進めたら予想を裏切られてホッとした。まだまだ続く彼女たちの歩みにまた出会えたら嬉しいのだけど。

    1
    投稿日: 2024.09.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    終始、やさしいお話でした こういうお話は得意ではないんですが、語り口調や景色がずっとやさしいので、読み切ることができました 私にも「人生を諦めなくてよかった」と思える日がくるのかな、、、 研司 「自分が元から持っているものは多分何もなくて、そうやって出会った人が分けてくれたいい部分で自分は多分生きてるって、だから 誰かの役に立ちたいって思うことは、初めから何でも持ってる人が思っている自由からしたら、制約に見えたりするのかもしれないけれども、そのことは自分に道みたいなものを示してくれたし幸せなことだと思います」

    1
    投稿日: 2024.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ☆1.5 高校卒業したばかりの姉と小学生の妹の生活の話が何の起伏もなく続くので退屈だった。 読んでいてどこで面白くなるのか分からなかったので、150ページ程で脱落。 ヨームという鳥には少し興味がわきました。

    0
    投稿日: 2024.09.01
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    10年毎に物語が進んでいく。自分もあっという間に年を取ったなあと実感する。自分は沢山の人に助けてもらって生きてきた。これからは誰かを助けてあげられるように生きていこうと思った。 藤沢先生の、「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」という言葉を大切にします。

    0
    投稿日: 2024.08.31
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    この本まるごと善意でできているんじゃいかという一冊。 親から興味を持たれなくなった姉妹が、水車小屋のある田舎町にふたりで引っ越してきて、周りの人の優しさの中で成長していく物語。 出会いがあり別れがあり、読んでいて心がじんわりと暖まるような本。とにかく喋る鳥のネネがかわいい。

    0
    投稿日: 2024.08.30
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    人の心のやさしいところだけでできたようなしみじみと良い話。 最初は理佐と律の姉妹、理佐の視点で水車小屋のあるそば屋に住み込みで働くことになる話、そこから10年ごとの区切りが章になっていて、語り手は最初は8歳だった妹の律が中心になっていく。 姉妹の成長を描く物語でもある一方、この話の中心は水車小屋で石臼を見守る仕事をしているヨウムのネネである。ネネの世話係としてやってくる人々、みななにか足りないものを抱えていて、それがネネと周りの人々によって満たされていき、そして次の誰かにそれをまた与えていく、そんなやさしさの循環が続いていく。鄙びた小さな町も時代と共に変わっていき、災害や疫病という私たちも知っている大きな出来事によっても少しずつ変化していくけれど人と人との絆は近くなったり離れたりしながらも切れることはなく、そして広がっていく。 ネネから見れば、最初はそば屋のおじいさん、それからその友達のおばあさん、若い女の子と小さい女の子が来て、だんだん小さい女の子が若い女の子になって、いつもよりも来るのが減って、そうしたら今度は若い男の人が来て・・と自分の周りだけがどんどん変わっていくのだろう。でもいつも楽しそうで、きっとまた帰ってくると「マタネ!」と言うネネの気持ちの純粋さに心の柔らかいところを持っていかれた。

    2
    投稿日: 2024.08.29
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    こんなに分厚い本で長い長い物語なのに、ずっと読み終わりたくなくてとても時間をかけて大切に読みました。今の私の好きな本No.1になったように思います。 自分や周囲の人の状況をよくするための少しの勇気が自分にはいつも足りてないなって考えさせられます。血のつながりにとらわれずに、また、過去を無理に許さなくてもいいって事も自然に生きている感じが良かったです。うまく言えないけれど。鳥が好きな方にもおすすめです、癒されます。

    2
    投稿日: 2024.08.28
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    家庭の中で自分の将来を見失って飛び出し、たどり着いた水車小屋。そこで出会ったヨウムのネネ。そしてネネとともに生きる人たち。つながった者たちが互いを尊重し、助け合って生きていく。40年という歳月の間には人生を終える人たちもいるのだけれど、彼らの温もりは今を生きる人たちの心に生き続ける。理沙と俺とは年が近いから、この40年の社会の移ろいが同じ視点で捉えられる。テレビ番組に音楽に災害に。この後どんな出会いがあり、どんな事象と遭遇するかは知れないものの、支え合っていけますよう。最後ネネが存命で終わってよかったぁ。

    1
    投稿日: 2024.08.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    心温まる、優しい物語でした。 人からもらった優しさを、バトンみたいにつないでいく。しゃべる鳥のネネと一緒に。 現実は、こんなに親切で優しいものに溢れているばかりではないし、作中でもちょっとの意地悪っぽい片鱗は見えます。 だけど、大切なことは、いつも心の中で人に感謝をして、もらった優しさを人につないでいきたいという気持ちだと思った。 わたしにネネはいないけど、それでも、他人の良心を信じて、感謝して、それをまた別の誰かにつないでいくことはできる。 最後、ネネとのお別れがこなくてよかった。

    3
    投稿日: 2024.08.24
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    これほどの大作と知らなかったが、人間の言葉を喋る鳥ヨウムを中心に様々な人間模様が繰り広げられ、出会いと別れ、そして成長していく姿が素晴らしかった。

    7
    投稿日: 2024.08.24
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    読み終わりました。 長い話なんですね。大きなオウムの設定に新鮮さは感じましたね。 でも少し長くて新鮮さが感じられなくなったわのが最後の方が少し残念だったかな? でも本屋大賞の今年の2位だし、それが期待のハードルを上げてしまったのかも? でも津村さんの本はもう少し読みたいです。

    0
    投稿日: 2024.08.24
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    リアルとファンタジーが微妙に入り混じっていて、イマイチのめり込めなかった。都合が良くて、展開も最後に向かってみんなが動くような感じになっていて残念。

    0
    投稿日: 2024.08.22
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    書店でもよく平積みされている。気になっていたら本屋大賞ノミネート作品だった! 『止まり木』という単語が出てきた。少し前に読んだ本(幻想古書店で珈琲を)にも出てきたばかり! ようやく読み切れた。長かった。主人公は3人、でいいんだよな。真ん中で力尽きてしまって、図書館で借り直した。 2011年の東北の震災のこと、2021年のコロナ禍。時代を反映した内容だった。勝手に、もっと律が大きく動く(企業の上の方に行くとか?)なっていると思っていたから、意外と普通に終わった感じ。 先日、書店でみたら特別版の表紙で覆われていた!?

    18
    投稿日: 2024.08.20
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    10歳差の姉妹とヨウムのネネをめぐる40年の物語。 長い年月の間で、出会う人がいて別れる人もいて。あたたかくもあり切なさもある、長い長い人間ドラマをみせてもらいました。長すぎるという声もあるけど(実際長い)、この長さだからこそ感じるものがあったと思います。 中年にさしかかった自分はこれから別れる人が多くなるのかな。藤沢先生の「誰かに親切にしなきゃ人生なんて長くて退屈なものよ」という言葉を大切に生きていきたいです。

    1
    投稿日: 2024.08.19
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    津村記久子は好きな作家だ。 ちょっと変な作品(地獄で鬼のつまらない恋バナを聞かされたり、おかきの袋に印刷されるクイズを考えたりするような)が特に好きだが、日常生活を描いたものもいい。 これは後者で、『つまらない住宅地のすべての家』みたいな群像劇的な要素もある。が、中心となるのは前半は姉理佐、後半は妹律の姉妹である。 十年ごとに描かれているので、時代の移り変わり(ヨウムのネネが聴く音楽を再生する機械が変わっていく)、就職氷河期、東日本大震災、コロナ禍などの出来事も重要な要素になっている。 ハートウォーミングな小説はたくさんあって、個人的にそういうのは映画でも小説でも大体好きではないのだが(24時間テレビみたいに、自分がいい人であることを感動したいためのエンタメのように感じてしまって)、これは抑制がきいていて、そういう感動ビジネスにのっかたようないやな気持はしなかった。 主人公二人が、客観的に見てかなり苦労人なのだが、感情を爆発させたり叫んだりしない。誰に対しても淡々としている。いろいろ感じるところ、思うところはあるのだが、それを人に押し付けるようなことはしない。 文章もそうで、「感動させてやろう」って感じがみじんもないのである。 この設定でもっと「泣かせる」書き方をする小説家ならたくさんいるが、あえてそういうことはしないのが津村さんらしいと言える。特に理佐と聡がひかれあっていく第二話は、歯がゆいくらいに二人とも近づかないので、逆にラストにほんのちょっと言葉で気持ちを伝えるところがぐっとくるのである。 また、ネネがいい味出してるのよ。タイトルにもある通り、これはネネが主人公でもある。研司に律が勉強を教えるのをそばで聞いて覚えてしまって、ランダムに(またかなりのナイスタイミングで)問題を出してくるのには笑ってしまった。「貧窮問答歌」の魅力に初めて気づかされた。あれって、リズムがいいんだな、って。「風まじり!」「雨降る夜の」「雨まじり!」「雪降る夜は」「すべもなく!」って掛け合い最高。 私もネネのような相棒がほしくなったけど、ヨウムはやっぱり素人が飼うものではないと、特にヨウムの幸せを考えると、やめた方がいいと、落ち着いてから考え直した。この本を読んで、安易にヨウムを飼ってしまう人がいないことを祈る。 母の恋人と母は(あと「人間狩」をする中学生)は別として、みんないい人ばかりで、実際こんなにいいひとばかりの町なんてないんじゃないかとも思ったが、理佐と律のような人は、いい人を引き寄せるのかもしれない。 自分も理佐・律のように阿らず、奢らず、悲観せず、うわつかず、調子に乗らず、人にやさしく、あきらめなず、自分のできることやるべきことを淡々とできる人になれたら、いい人が集まってくるのかもな、と。無理そうだけど。 こんなにいい人ばかり書いて、絵空事にならないのも大した才能だと思う。 厚いが、一気に読めるリーダビリティの高さ。 個人的には本屋大賞受賞作よりずっとずっと好き。

    3
    投稿日: 2024.08.19
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    あまりにも分厚い本だったので、読むか躊躇ってなかなか手が出せないでいたけど、結果的に読んでよかった。40年もの長い時間を、登場人物の温かさを感じながら楽しめた。ヨウムのネネの言動がまたいい味を出していて、クスッと笑えるところが多々あった。 なかなか大変な境遇にある姉妹だけど、周りの人達の支えの中で、しっかり自分の生きる道を切り開いていく感じがとても素敵に思えたし、姉妹は、周りの人々の良心をしっかり受け止めそれをまた別の人に繋いでいくと言うのも、素晴らしいなと思った。

    1
    投稿日: 2024.08.18
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    人間っていいな〜!律の、自分は周りの人たちからもらった良心でできているって考え方がすごくすてきで好きだった。律の良心もまた研司をはじめとしたいろんな人を生かしていて、良心を分け合って生きていける人間たちがこの世には確かに存在していて(ネネは鳥だけど)、世の中捨てたもんじゃないな〜と思えた。 私は誰かの人生を変えたいな〜って漠然とした壮大な目標があって就活してたけど、こういうことなんだよな、私がやりたいこと。自分の良心を誰かの心に生かしたい。誰かと心を通わせることって、生きていることの醍醐味じゃない?

    0
    投稿日: 2024.08.18
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    本屋大賞だったので図書館で予約して読んだ。結構長かったが楽しく読めた。色んな人に助けて貰いながら生きる姉妹とヨウムの物語。助け合いの連鎖が関係者の未来を良い方向に導いて行くのが気持ち良かった。

    0
    投稿日: 2024.08.18
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    40年にわたる姉妹の生き様が丁寧に描かれている。描写が想像しやすく、どこか身近に感じることができた。色んな人を繋げるネネの存在にほっこりしながら、人の良心ってやぱり大事だよなぁ、と思わせてくれるお話しだった。

    1
    投稿日: 2024.08.12
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    ほっこりした日記、という雰囲気。 それぞれの登場人物は皆、それなりに苦労してきている人たちなんだけど、なんか前向きと言うか、達観しているというか、あまり悲愴感を漂わせることなく、助け合いながら淡々と生きてる感じ。 時々、いろんな人がポロッといいことを言うんだけど、なぜか私にはあんまり刺さらなかった。心が荒んでるのかしら。

    0
    投稿日: 2024.08.11
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    親との折り合い悪くウチを出た18歳の理佐と8歳の律が、お蕎麦屋さんに勤め、ネネと出会い、その他様々な人に出会い助けられて成長する物語でした。 穏やかで読み進めやすいストーリーで大変好印象。私個人としては良い話すぎるようにも感じて星3つとしましたが、色々な登場人物がそれぞれ飲み込んで諦めている事物もあるようにも感じ良かったと思います。

    2
    投稿日: 2024.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分がしてもらったから、最初から足りてたひとは違うのかもしれないけど、自分は溢れた分周りにも親切にしたい。 そういった温かさに溢れた作品だった。 始まりが、長女は母親に大学の入学金を使い込まれたり、妹は母親の彼氏に虐待されたり不穏な空気だったのに2人が、特に妹の律がそれに落ち込んだりすることなく淡々としてて、姉妹が田舎で二人暮らしするきっかけくらいにしかなってなくてざわついた心がほっとした… 各章メインの子達が結構しんどい子供時代を送ってるのに、そんな暗さはあまり出さずに浪子さんや杉子さんをはじめとする大人たち、そして前話から大人になった理佐や律、聡たちがとにかく温かくてほっこりする話だった。 舞台は岐阜の中津川のあたりかな? 陶器の町だから多治見かなー?宿場町だから妻籠馬籠あたりかなーと思いながら読んだ。 主人公たちが仕切りに言う都会はどこだったんだろう。金山?岐阜? しかし物語自体が淡々と進んでいって、そして一文ごとが長い。 会話なら鉤括弧してくれればいいのに、〜と言った、のように文章にしてあることが多かったり、か「〜のように、〜のように」とか同じ接続詞が続いたりで読みにくかった。 プリンあるよ、と打ち明けた。とか…別に打ち明けるって使うほどの内容じゃないしな… 本屋大賞受賞作って当たりが多いから期待して読んだ分ちょっとがっかりしたかも…

    5
    投稿日: 2024.08.08
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    Kindleで読んだ。 「家出ようと思うんだけど、一緒に来る?」身勝手な親から逃れ、姉妹で生きることに決めた理佐と律。ネネのいる水車小屋で番人として働き始める青年・聡。水車小屋に現れた中学生・研司...人々が織りなす希望と再生の物語。 津村さんは前に読んだ一作が合わずに避けてたけど、めちゃくちゃ良かった…!しみじみと良かった。 朝ドラのような、人生を追っていく話大好きだわ。 時折入る北澤平祐さんのイラストが可愛い。 高校卒業したての姉と、小学三年生の妹が実家を離れての二人暮らし。 そんな2人と、そば粉と石臼の管理をするヨウムのネネ、そして周りの人々との約40年間の交流のおはなし。 自分がしてもらった優しさを、今度は他の人に与えてどんどん繋がっていく。 押し付けがましくない優しさが素敵なの。 “自分たちにとってネネは、共同で世話をしている鳥であると同時に、おぼつかない出発点だった自分たちの人生がなんとか立ち往けているということの象徴であるようにも律は思っていた。” ネネと水車小屋を中心に繋がっていくんだよね。

    3
    投稿日: 2024.08.05
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    「ネネ、チャウ!」 毒親から逃げるように独立した18歳が小学生の妹と共に、温かい人たちに出会って助けられ、また人を助けて生きていく。その傍らにはいつも、おしゃべりなヨウムがいる。 派手なことは起きないし、人間関係も広いわけではないけど、わりとゆったりした時間を温かく過ごさせてもらった感じ。 誰が話した言葉なのかが分かりづらかったり、主語の入れ方が少し独特だなと感じた箇所があった。

    3
    投稿日: 2024.08.04
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    ヨウム(鳥)のネネの存在感がヤバい!実は全部わかってて振る舞ってるんじゃないか!? 主人公の姉妹が、苦労を重ねつつも自分なりの幸せを模索する姿がいじらしい。 エンディングが若干、尻つぼみ感があったけど、心が温かくなる一冊だった!

    7
    投稿日: 2024.08.04
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    人の優しさを感じるお話しでした。 大学進学の為のお金を母の彼氏の為に使われてしまった理佐が、妹の律を連れて新しい所で生きていくお話し。 律も母の彼氏から家を追い出されたり、母は何も言ってくれなかったりで、辛い経験をしていて、心が痛くなりました。 理佐の優しさと頑張りに応援したくなります。 出逢う人達も優しかったので、良かったです。 理佐目線での話しだったり、律だったり、聡だったりしました。皆、ネネ絡みで繋がっていました。 1981年から10年事に話が進んでいきますが、その設定に私は???となる事も。 さっきまでの人はどうなったんだろ?と出てきた人は多いけど、どうなったかわからなくなる人もいて、読み終わった時にスッキリしなかったので☆2にしました。 なんだか、作文を読んでいる感じでした。

    0
    投稿日: 2024.08.03
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    実の親より他人の方が優しいとか、本来なら歪んでいるようなお話でした。 ストーリーにアップダウンは少ないものの、すーっと読むことができました。 おもしろかったです。

    0
    投稿日: 2024.08.02
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    (2024/07/31 4h) 激しい波風の立たない、凪のような物語。 十年単位で章立てて話が進むので、主人公たちの40 年を鳥瞰するような感じ。 物語に激しさを求めるわたしには良い友人ではなかったが、温かく、誰かの癒しになる小説であると思う。

    2
    投稿日: 2024.07.31
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    読み応えしっかり目の長編。穏やかそうなのに生きていく上で避けられない営みを、ヨウムを取り巻く人たち中心に描かれていて、ひとつひとつ丁寧に強くなる人たちの強さに感動。

    0
    投稿日: 2024.07.30
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    自分自身結婚を控えているタイミングで読んだので、人の成長の1ページや人生の節目を上手く切り取っているこの小説は特別なものになった。 自分の人生と重ねて想像したり、振り返ったり、40年の物語は激しい展開はないけど、暖かい気持ちにさせてくれた。

    1
    投稿日: 2024.07.29
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    水車小屋で石臼の番をするヨウムのネネと、周りの人たちが交流するお話。最初は姉妹が母の婚約者に虐げられていて読むのがしんどかったけど、周りがいい人ばかりでホッとした。今の自分があるのは今まで出会った人たちの良心があったから、という考え方が素敵だなと思った。

    7
    投稿日: 2024.07.29
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    読んだような気になっていましたが、はじめての著者さんでした。読みたくて読みたくてようやく読めた作品なので、楽しみました。充分なページ数でしたが、そこから出るのは惜しい読後感です。ヨウムを飼っていた知人がいましたので、ネネのような鳥がいることは知っていましたが、そんなに音楽を楽しむことができるとは、驚きでした。装丁、イラスト(北澤平祐さん)を含めて、大好きな本になりました。

    4
    投稿日: 2024.07.29
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     2024年本屋大賞の第2位となった作品です。  本のタイトルからして、「アルプスの少女ハイジ」みたいな(古すぎる?)外国を舞台にした少女の物語かと勝手にイメージしてましたが、全然違ってました(笑)。  同じく第3位となった塩田武士さんの「存在のすべてを」は、物語のディティールが細かく丁寧に描かれていた印象ですが、「水車小屋のネネ」は、人とのつながりとか触れ合いがとても丁寧に温かく表現されていると感じました。  子供のことより自身の人生を優先した親に絶望した18歳と8歳の姉妹が、知らない町に飛び込んで周りの人たちに助けられながら生きていくのですが、ネネの存在が大きかったですね。もし実在していたら私も話してみたいし、仲良くなりたいです。  物語がたまに時間の経過を省略して、突然少し未来にジャンプしてしまうところも、逆に潔く思えて自分なりにその省略された時間の物語を想像しながら読むことができて良かった。これも一つの文学的な技術なのかな?  また一冊、良書と巡り会えました。  津村さん自身のあとがきの最後の一行にこのようにありました。  『本書が誰かの良い友人になることを願っています。』

    13
    投稿日: 2024.07.27
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    18歳と8歳の姉妹が自立を目指を目指して生きて行く。 40年を超える物語。 この本でヨウムを初めて知った! 出会った人たちに親切にしてもらった2人。 感謝しながら自分の周りの人たちには同じようにしていく。 連鎖していく優しさがとてもよかった。

    4
    投稿日: 2024.07.25
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    「水車小屋のネネ」って童話みたいなタイトルだなと思ったが、童話みたいなお話だった。現実味がないとは思わないし、夢物語とも思わない。「ここを目指したい」というようなお話だった。 人に助けられ、人を助ける。頼る時は頼り、自分の力が使えそうな時は出し惜しみしない。助けが必要な人にそっと寄り添う。暖かく見守る。口を出すくらいなら、行動で助ける。 昔も今も家庭に不安がある子供は多い。親以外の大人が支えになれば、なんとか乗り越えられることもあるだろう。複数の大人が場面場面で手を貸せば、親に問題があってもなんとかなる。そうして大人になった子たちは、次は自分が次世代の子供の支えになる。年老いた恩人の支えになる。見本のような、目指すところを教えてくれる小説だった。 ネネが元気なままで終わって良かった。それが心配だった。 カバーの絵、いつまでも見ていたい。

    3
    投稿日: 2024.07.21
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    『水車小屋のネネ』のタイトルのとおり、お喋りをするヨウムという鳥(50年も生きるらしい!)と、その周辺の優しい人々のお話。心がほっこりする作品でした。

    4
    投稿日: 2024.07.21
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    ある理由から小学3年生の妹律と2人暮らしをすることになった18歳の理佐は蕎麦屋で住み込みで働くことになった。隣にある水車小屋には水車の力を利用した蕎麦の実挽きが終わり石臼が空になると「からっぽ!!」と知らせる仕事をしているおしゃべり好きなヨウムのネネがいる。 18歳と8歳の女の子は、初めてだらけの出来事にてんてこ舞いになりながら、ネネ、蕎麦屋の主人夫婦、絵描きの杉子さん、婦人会の人たち、学校の先生に助けられながらなんとかやっていく日々を描いたエッセイのような小説。 18歳の理佐/8歳の律を描いた1部、28歳の理佐/18歳の律を描いた2部と、章は10年ごとに区切られています。理佐はまだ蕎麦屋で働いているかな? 賢かった律は大学生かな? ネネは変わらず元気かな? と新章の始まりには10年間の出来事が聞けるわくわくがあり、そしてまた新たな出来事が始まります。

    0
    投稿日: 2024.07.21
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    ゆったりあたたかい人情の一冊。マイルドな小川糸さん的な小説と感じました。善意のバトンがつながっていくので、人気作品「そして、バトンは渡された」がお好きな方は、おそらくお好きでしょう。10年ごとに章が進むので、一気に登場人物が成長したり、状況が変わったりする描写が少し珍しい表現かなと感じました。その一気に場面が変わるところで、守さんの死があえてサラッと含まれているところも、工夫されているのかなと思いつつ読みました。 ■好みの問題ですが、エピローグについて 後日談的な意識で読むことをおすすめします。急にでてきた感のある美咲の視点なので、ちょっと違和感を感じました。ラストの律も「マスクをつけながら」という修飾が時代的にそうなんですが、ちょっとさみしく感じてしまいました。 ■料理のアクセント 他の方の感想では、音楽や絵画についてもコメントがありますが、わたしは料理が本書のアクセントと感じました。そばはもちろん、季節の果物や杉子さんが律につくってくれたスパゲティ、そして、姉妹がやって来た当初のハムとパンだけのサンドイッチ。うれしい意味だけではないのだけれど、その時の状況を料理も引き立てていました。 ■母の婚約者が危なすぎる 他の登場人物が善人だらけなので、一層引き立ちました。金のために姉妹の家まで一人でやってくるって警察沙汰だと思うのですが。。そんな人が姉妹の母と長年うまくいっているってにわかに信じがたかったので、いつまた出てくるのかとハラハラしながら読みました。

    3
    投稿日: 2024.07.19
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    山下姉妹を中心に、水車小屋でそばを挽く石臼の番をするヨウムのネネ、そして取り巻く人たちの1981年から2021年までの10年おきの物語。 周囲に助け、支えられ、またそれぞれの役割を果たしていく、そんな人間関係に生かされていることの小さな幸せが感じられた。 24-15

    0
    投稿日: 2024.07.19
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    40年間の姉妹とヨウムのネネのお話。1話2話は面白かったけど、その後は長かった。人の優しさが身に染みる心温まるお話。ネネのお世話や相手をする中で、繋がっていくのがいいなと思った。イラストも優しい絵で癒された。

    15
    投稿日: 2024.07.18
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    表紙や題名、年の離れた姉妹の話というところから、メルヘンな内容かと警戒したが、そうではなかった。 律と理佐の姉妹、ヨウムのネネをとりまく人々の40年に渡る話。例えるなら北の国からのような壮大さがある。10歳差の姉妹の10年おきの話なので、次の話になると姉の年に妹が追いついているのがわかりやすく、そして面白かった。 10年ごとにそれぞれ成長し、歳をとり、状況も変わっていく。姉妹を周りで温かく支えてくれた人たちも、亡くなったり、年取ったりしていく。そして、自分が支える側に立つようになる。 悲惨な始まりだったが、懸命に粛々と生きていく姉妹が皆に支えられながら人生を切り開いていく。皆が手を差し伸べてくれるのは、姉妹の人柄によるものだろうな。 おすすめできる一冊だけど、大きな事件も起きないし長いので、読書慣れしていない人にはしんどいかもしれない。

    12
    投稿日: 2024.07.15
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    ネネと関わる人達の暖かさと、ネネの楽しさに読んでホッコリしたし、十年毎にどういう展開になるのか楽しみながら読めてよかった 理沙と律の姉妹が、理沙は結婚はしたけれど、二人とも私が思ったような幸せの形にならなかったのは物足りなくも感じたけど、これは私の勝手な「幸せ」の固定観念なのだなと改めて思った

    1
    投稿日: 2024.07.14
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    この本を象徴する文中の一節 「自分が元から持っているものはたぶん何もなくて、そうやって出会った人が分けてくれたいい部分で自分はたぶん生きてるって。だから誰かの役に立ちたいって思うことは、始めから何でも持っている人が持っている自由からしたら制約に見えたりするのかもしれない。けれどもそのことは自分に道みたいなものを示してくれたし、幸せな事だと思います。」 優しい1冊でした。

    12
    投稿日: 2024.07.13
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    本屋大賞というのに惹かれて読みました。思ったよりわたしにとっては面白くなく、、あらすじばかりが描かれていて読み進めるのに時間が掛かりました。半分くらいでやめてしまいました。ゆったりとした時間が流れている雰囲気や、登場人物の成長、ネネという鳥の存在は良いなと思いましたが読み切ることはできずでした。

    2
    投稿日: 2024.07.13
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    本屋大賞2位。 小学生の律と姉の理佐が母との暮らしから離れ、ヨウムのネネのいるそば屋に佇まい、藤沢先生、杉子さん、聡、研司・・と関わりながら40年の間生活してきた話。 親子関係だとか、親切、思いやり、ネネの巧みな言葉遊び、いろいろありながら成長していく様子。 優しい空間だった。 143冊目読了。

    5
    投稿日: 2024.07.13
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    スタートは1981年。理佐18歳、律8歳。 姉妹が独立して生活し始める。 そこには水車小屋のネネがいて姉妹と心を寄せ合っていきます。 ヨームという鳥のネネは歌を歌ったり踊ったり問答したりステキな鳥です。 姉妹の成長以外にも色んな人たちの出会いや成長があり、それがとても素敵に描かれていました。

    0
    投稿日: 2024.07.12
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    1981年から物語はスタートする。1981年には18歳が8歳の妹を連れて家を出て、2人で暮らしていくという事が可能かもしれない(現実問題不可能かもしれないが)と思うような社会情勢であった事に非常に驚いた。物語の最後は2022年。歴史的に見ると信じられないほど社会は変わっているのに、この本の中はまるで時間が止まったようだった。社会の変化とともに人と人の関係性が変化していく中で、大切なものは何かと言う事を改めて考えた。研司が言ったセリフ「自分が元から持っているものはたぶん何もなくて、そうやって出会った人がわけてくれたいい部分で自分はたぶん生きてるって。だから誰かの役に立ちたいって思うことは、はじめから何でも持っている人が持っている自由からしたら、制約に見えたりするのかもしれない。けれどもそのことは自分には道みたいなものを示してくれたし、幸せなことだと思います。」というセリフに非常に共感した。私は教師をしている。卒業を見送った生徒が、高校生になっても会いにきてくれて、この関係は大人になってもずっと続くんじゃないかと思う。誰かの人生の中に、自分をいれてもらえてるという幸せは、そうか、こういうことなのかなと思った。

    1
    投稿日: 2024.07.12
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    ネネの存在がすごくいい。 今っぽい、血の繋がらない家族って感じの話かなと思ったり、エッセーのようでもあったりする優しい物語。

    0
    投稿日: 2024.07.10
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    大きな事件は起きず、淡々とネネとの交流が描かれ癒された。ネネに会ってみたい。 人との出会いをだいじにしたくなった。

    0
    投稿日: 2024.07.10
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    穏やかで優しい物語。たくましく、賢い彼女たちの平和な日常が、どうか永く続きますように。ネネに会いたくなったな。

    2
    投稿日: 2024.07.07
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    10年毎に描かれる姉妹とネネを中心にした物語。 驚く様な何かはないが、人の優しさに触れ何かほっこりしてシアワセな気持ちになれる。

    0
    投稿日: 2024.07.07
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    本を開く度に、ほっこりと癒されるストーリーでした。10年毎に描かれる姉妹や周りの温かい人たちとの関わりがとても素敵でした。 その中で、ネネの存在はとても大きく家族の一員でした。 良い本に出会えたなと思いました。 挿し絵も可愛かった。

    17
    投稿日: 2024.07.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    蕎麦屋の水車小屋の番をするヨウムのネネと、家を飛び出した18歳と8歳の姉妹。周囲の人々の善意に助けられた二人が大人になり、善意を伝えていく。 40年分ということで、ネネが亡くなるところまで描かれるかなとドキドキしていたが、最終章は色々と自由に想像できる描写でよかった。

    0
    投稿日: 2024.07.06
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    事情があって両親から独立して暮らし始めた、18歳と8歳の姉妹の物語から、だんだん周囲の人たちみんなの物語へと移っていくように感じられた。それは、まるで人生そのもの。助けられたから、自分も誰かを助けて生きることを願う。そんな姉妹と人生を共に歩むのはヨウムのネネ。50年以上生きるというヨウム。頭がいいが、それゆえ、人間にはわからないやり方で、出会いや別れを感じ取っているんだろう。全編を通して、ネネに関わる人たちの優しさと穏やかさを感じ、血縁でなくても、それに近い絆を結んでいった人たちの、小さな、それでいてドラマティックな物語でした。ネネに会いたくなりました。

    1
    投稿日: 2024.07.04
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    良かった。 こんなに長い人生を描いてるとは思ってなくて、途中からビックリした。 オウムじゃなくて、ヨウムってのも居る事も知らなかった。会ってみたい。

    1
    投稿日: 2024.07.04
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    素朴で飾り気のない文章なのになんでこんなに温かいんだろう。。 18歳の理佐は、母とその恋人の自分や妹への態度に耐えかねて、小3の妹の律を連れて家を出る。 彼女が始めたのは蕎麦屋の手伝いと思いきや、ヨウムのネネの面倒を見るという不思議な内容も含まれていて-。 ネネと周りの人々の、読んでいて心がホッとするお話でした。 ネネがかわいい。ずっとメスだと思って読んでた。別に意地悪な人も出てくるっちゃ出てくるんだけど、お話に描かれる人たちは、まっすぐで実直に生きていてすごく惹かれる。 大震災やコロナ、色んな想定外に見舞われながら私たちは生きてきたんだなと実感した。

    0
    投稿日: 2024.07.02
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    勝手にネネという外国の少女の話だと思っていましたが、ネネは人間ではないし、舞台は日本でした 古き良き時代を思い出す設定と、そのほのぼのした感じが良く‥段々と現代に近づいてくる感じが自分自身と物語の中の人達が一緒に人生を振り返っているみたいでなんとも言えない気持ちになれました なんと表現して良いのかわかりませんが、私にとって今後も大切にしたい1冊です

    20
    投稿日: 2024.07.02
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    話の始まりこそ嫌な人間が出てくるけど、あとはいい人、ちゃんとした人に囲まれて、本人たちもそれを理解して感謝して話が進んでいくことにほのぼのした。 親がどうであれ、自分で自分の足で生きていかないといけないのはみんな同じ。 ネネのなんともいえない存在感もいい。 六波羅探題、墾田永年私財法からの貧窮問答歌は笑わずにはいられなかった。

    0
    投稿日: 2024.07.02
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    ご近所付き合い、顔見知りの人を大切にしようと思った。日常の何気ない会話で気分転換になることってよくあるよね。

    1
    投稿日: 2024.07.02
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    読む前は、本の厚さにちょっと怯んだ。 でも読み始めたら止まらなくなった。もう寝なきゃいけないのに、もっと読みたい!となったのは久しぶりな気がする。 所々にある挿絵も好き。

    0
    投稿日: 2024.07.01
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    ヨウムのネネ。 なんてかわいらしい。 皮肉な部分は一切なく、美しい小さな川のほとりの町での、しっかり地に足をつけた善良な人ばかりの物語で安心して読める。 ネネと水車小屋を中心にした姉妹の1981年から10年ごとのおはなし。 その時々の音楽や映画の挿入も効果的。(作者が楽しんで書いてる感じがした。) 鳥を主人公にしたどこか童話のような読後感。(絵本を描いてるおばあさんが出てくるからかな。) 挿絵の効果もあり、児童書といってもいいくらいの本。(それを回避してるのが音楽や映画の話かな。)

    1
    投稿日: 2024.07.01
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    出会ったあらゆる人々の良心で育った姉妹が、また、他の人々に良心で関わる優しい連鎖の物語。 章ごとの10年の時の経過とネネの数々の言動が感慨深い。

    25
    投稿日: 2024.06.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」(藤沢先生) 「自分が元から持っているものはたぶん何もなくて、そうやって出会った人が分けてくれたいい部分で自分はたぶん生きてるって。だから誰かの役に立ちたいって思うことは、はじめからなんでも持ってる人が持ってる自由からしたら制約に見えたりするのかもしれない。けれどもそのことは自分に道みたいなものを示してくれたし、幸せなことだとおもいます」(研司) 「誰かに起こってもおかしくないことなら、自分に起こったことじゃなかったのはただの偶然でしかないんだなと思いました」(研司) いつものように、姉は楽しそうだった。この人がこんな様子なら、自分のこれからだってナントカなるだろう、と常に律に思わせてきたおおらかな姉の姿は、律が八歳だった頃と少しも変わっていなかった。

    1
    投稿日: 2024.06.30
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    長かった~!姉妹の40年間の物語。女であることを選んだ母親から逃げた18歳の理佐と8歳の妹、律。あの時律を連れて家を出ていなかったら、間違いなく婚約者の男の虐待はエスカレートし取り返しがつかないことになっていたと思う。逃げた先で出会った人達がみんな温かくて、優しさを受ける側だった彼女達は、やがて成長し今度は優しさを与える側になっていく。起伏のない物語なので、言葉を話せる水車小屋に住むヨウムのネネがいいスパイスになっていた。扇風機の前で震える声を気に入って何度も「頑張れ」と言っているネネの場面がすごく好き。

    17
    投稿日: 2024.06.29
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    親と離れて小さい妹と暮らす。テーマとしては暗いのにどこかのんびりとした雰囲気になる。不思議な気分になりながら読んだ。

    6
    投稿日: 2024.06.29
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    人は繋がって生きている。いろいろなことがそれぞれの身に起こる。それでも繋がった人のうちの何人かが信じられる人ならそこに灯火が灯る。そんなことを信じようと思える話でした。 誰かに親切にしないと人生は長くて退屈なもの という言葉が印象に残りました。

    2
    投稿日: 2024.06.27
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    水車小屋とネネの情景が浮かんでくる優しい時間の流れる作品で、出会った人が分けてくれたいい部分で自分は生きているって文章が素敵でそんな出会いを大切にしている人々の物語り そうして繋がって受け継がれる事の素晴らしさを感じた

    4
    投稿日: 2024.06.24
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    18歳で理不尽な親元を離れて、8歳の妹・律を静かな町で暮らし始める。 働き始めた蕎麦屋さんには、水車小屋にヨウムのネネがいて、ネネのお世話もお仕事の一つ。 姉妹は町の色々な人達に支えられて、大人になっていく。 ネネと姉妹の40年の話。 姉妹が親戚でも無い色々な人達に育てられていく様は、今の時代にはあまりない温かいものがあって、苦労もあったけど良い環境で成長できたんだなぁと思う。 本人達もそれを自覚して、恩返ししようとする感じがまた温かい。 ヨウムのネネは、賢く可愛い。 人間の子供と接するような感じで、一緒にいたら思わず微笑んでしまうだろうなぁ。 欲しくなってしまった。 自分と関わる家族やそれ以外の人達を想う話だった。

    32
    投稿日: 2024.06.23
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    回りの人々が良い人ばかりだったから優しさを繋げて行けるだと思う、平和的な話で気持ちも穏やかになりました。

    8
    投稿日: 2024.06.23
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    私は、鳥か苦手なのだけど、このネネに関しては、好意的に読めた。淡々と事実が述べられるみたいな文体は、なかなか心地良かった。

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    投稿日: 2024.06.22
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    「家出ようと思うんだけど、一緒に来る?」 子どもを大切にしてくれない母とその婚約者の元を離れ、姉妹で生きることに決めた理佐と律。8歳の妹を養うという無謀な冒険をする18歳の理佐。なのに悲壮感がない。「マヨネーズを冷やせる冷蔵庫買おうね。」とやり繰りする姉と本好きで賢い妹。そんな二人を周囲の人が親切にする。地域も学校も、静かに彼女達を支えていく。ネネというヨウムの存在にも癒される。「空っぽ」も「六波羅探題」もヨウムの得意な言葉! ヨウムが好む音楽がずっとBGMとして鳴り続ける。Let it be. ゴールドベルク変奏曲、、音楽もこの物語を潤していく。 親切と優しさの連鎖。感謝と恩返しが人の心を豊かにし、生きる意欲と意志を掘り起こす。 ドラマチックな話ではない。 自分のためだけに人生があるんじゃないと思える素敵な小説だった。

    92
    投稿日: 2024.06.22
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     最初は、いったいどこに連れて行かれるんだろうと、戸惑ってしまう。けれど、途中からこの町で暮らしていくことに、安住する気分になる。  でも、大人になった律には、別のストーリーを生きてほしかった気もするが。

    4
    投稿日: 2024.06.20
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    ただ淡々と登場人物の各々の視点から水車小屋とネネとの暮らしが描かれていて良かった。お蕎麦が食べたくなった。

    4
    投稿日: 2024.06.20
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    これは、家族以外の人に、想いを継承していく物語だと思った。 親元を離れて二人暮らしを始める18歳の理佐と8歳の律。 新しい町で暮らし始めた二人の40年間を描く大長編。 律に虐待めいたことをする母の恋人と、それを止めない母と離れるべく、知らない土地でそば屋のホールと鳥の世話(じゃっかん)の仕事を見つけて働く理佐は、おっとりしてみえるけれど行動力や決断力がある。 本好きで物知りな律は、自分の置かれている状況をしっかり分かっていて、実の親から逃げなければならない現実を受け入れている。 そんな二人の生活を見守り、サポートする周りの人々(そば屋の夫婦や律の学校の藤沢先生、画家の杉子さんなど)。 10年ごとに区切られた章の合間に、周りの人たちとの関係は深くなったり疎遠になったり、新たな出会いがあったりするけれど、人間の営みの中で、他人との関わりはずっと続いていくんだなと思った。 たとえ今はいない亡くなった人でも、接点がなくなってしまった人に対しても、残り続けていくモノや感情、思い出がある。 律が事あるごとに、自分の境遇を「恵まれている」と考える場面では、私自身の人生も一緒に振り返っていた。そのくらい、読みながら二人の姉妹への愛着が自分の中で育っていた。 「次の世代へバトンを渡す」と聞くと、まず思い浮かぶのは自身の子どもや親戚の若い人たちだと思う。けれど、血縁関係がなくても自分の想いを受け継いでくれる人たちはいるし、自分も他人の気持ちを受け取って、大事に抱えて生きることができる。 そんな、「当たり前だけれど、特に意識しなかったこと」を、律や理佐、その周りの人たちの生き様を通して目の当たりにした。そして、改めて自分の来し方行く末を考えていきたいと思った。

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    投稿日: 2024.06.18
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    水車小屋にいる鳥のネネ。 8歳の律と姉の理佐は18歳、2人で支え合い 周りの人に助けられながら生きる 1981年から40年にかけての物語 登場人物もみな、優しい人ばかりだった ネネがとても可愛らしくて、一緒に長く生きている事も 凄いなと思ったけれど、みなネネと共にいたこと 素晴らしかったと思う。

    4
    投稿日: 2024.06.16
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    人との心の交流がどれだけ人生に大切なものか、幸せとはそういうものなのではないのか、この本を読むとそう思えてくる。

    3
    投稿日: 2024.06.16
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    ある姉妹と長閑で小さな町、そば屋の小屋に棲まう鳥・ネネの静かでゆったりした40年の物語でした。 まず正直な感想、全編が長すぎる………!! 長ければ長いほど嬉しいものが小説ではありますが こちらの作品はそれにしても山も谷も小さい。 それが良いところでもあれば物足りなさも感じるかな〜 私は後者だったわけですが、それでも心温まる物語で 18歳だったお姉さんが自立していく様子はよかった。 ちょっと8〜18歳のときのりっちゃんと、 28〜38歳のりっちゃんとで性格変わりすぎ問題は皆どう受け止めたか気になるけど………笑 昔は活発明るい誰に対しても親しみやすい感じだったけど大人のりっちゃん、中学生相手にも敬語で他人行儀な感じで(優しいのは変わらないけど)寂しかったな……子供の成長

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    投稿日: 2024.06.15
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    ネネが素敵すぎる! ネネみたいな、可愛いおしゃべりな鳥がいたらなぁ〜 ネネのおかげで人生救われた人は数知れない。 自分も落ち込んだときや、イライラしちゃってるときに、ネネみたい鳥とおしゃべりできたら、嫌な気持ちも一瞬で吹き飛んじゃうんだろうな。 著者らしく、仕事とは?についても考えさせられる物語でした。 姉のリサみたいな人生もあるんだなと思う。別にお金はたくさんないけど、自分を曲げず、自分の好きなことをコツコツ続けて、それでいて、いつも誰かのために頑張ってる。 とても幸せそう。 いいな、そういうの。

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    投稿日: 2024.06.14
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    帯にもある誰かに親切にしなきゃ人生は長く退屈なものですよ。という言葉は重く心に響いた。これまで生きてこれたのは、誰かの良心のおかげ。この先の人生で、いただいた良心を次の世代に繋がなければ。退屈な人生にならないように。

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    投稿日: 2024.06.12
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    ものすごく現実的な母子家庭の不幸な状況と、水車小屋のネネという、超ファンタジー的な存在が、相容れず、物語に入っていくのが大変だった。 途中から、いや物語のテーマは、血が繋がって無くても…の家族?なのかな…と思い始め、 ネネはもしかして、妖精の化身?などとラノベのような空想も抱きながら、私も、この40年を一緒に過ごした。 家族のように、家族より優しい人達。 でも主人公達(聡や研司も)が意志を持って生きようと、堕ちてしまわないようにしようとしたからこその優しさと、繋がり。 そして、その連鎖。 ネネの最期まで出て来なくてよかった。 悪人は出てこない。 敢えていうなら、テンプレート的な、理佐姉妹の母とその恋人か? 母子家庭で頑張ってきた母親には、実の子供より、恋人の方が家族になり得たということかな。 うんと、後悔してほしい!と思ってしまう。 温かい気持ちになったのに、悪人は私かも。

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    投稿日: 2024.06.12