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水車小屋のネネ
水車小屋のネネ
津村記久子/毎日新聞出版
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総合評価

745件)
4.2
297
279
127
12
2
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    このレビューはネタバレを含みます。

    評価が高かったので、オーディブルにて聴了。 かなりの長い文量だったが、会話が多いから、読みやすい。 小学生の頃に、ネグレクト気味の親元を離れ、姉と共に暮らすリツが、周りの人に助けられ、歳を重ねてからは自分が周りを支えるようになる物語に心が温まった。 ハラハラドキドキとした展開があるわけではないため、飽きることがしばしばあったがなんとか読み切った。 喋る鳥ネネが、人間のように意思疎通をしているのが可愛らしかった。

    1
    投稿日: 2025.06.09
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    とても良い読後感。 登場人物みんないいひと。 素朴で、素直で、お互いを支え合いながら生きているナチュラルボーン良い人達。 長い時間軸でのお話の中、登場人物たちは齢を重ねて出会う人も増えていくけど、ちゃんとみんな良い関係を築いていって輪が広がっていく。 決して派手でも豪勢でもないけれど、なんか結局幸せってこういう感じなんだろうなぁとじわぁっと心にくるお話でした。

    2
    投稿日: 2025.06.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    登場人物たちは世間的にみると恵まれた家庭環境というわけではないのだが、出会った方々に支えられて立派に生きていた。人の温かさ、優しさに触れられる本だった。物語の視点が章によって移り変わっていくのだが、誰かに支えられていた人が成長して別の誰かを支えていて、人のつながりを感じられてよかった。私もたくさんの人に支えられながら生きているので、助けを必要としている人に手を差し伸べられる人になりたいものです。 ↓物語の中で、特に刺さった描写です。 自分が元から持っているものはたぶん何もなくて、そうやって出会った人が分けてくれたいい部分で自分はたぶん生きてるって。だから誰かの役に立ちたいって思うことは、はじめから何でも持っている人が持っている自由からしたら制約に見えたりするのかもしれない。けれどもそのことは自分に道みたいなものを示してくれたし、幸せなことだと思います。

    2
    投稿日: 2025.06.08
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    喋る鳥ヨウムとそれの飼い主の元で働くことになった姉妹の物語。10年単位で話が語られていくので一人称が変わることもあるが、基本は姉妹の妹が主人公の話。姉妹の親はどうしようもない人達だが、姉妹が関わる人は恵まれていて、そんな人達に育てられた姉妹も人を助けられる人間になってて。そして何よりヨウムのネネが魅力的で惹かれて一気に進められた。暖かくてよい物語だった。

    2
    投稿日: 2025.06.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    めちゃくちゃ長い作品だったけど全然読めた。最初は姉がメインで物語が進んでいって時の流れとともに妹へフォーカスが移っていく。人情って素晴らしい。助け合いの世の中がなんて良いものであるのか。各人の思いはちゃんと受け継がれていくし大事なものである。

    1
    投稿日: 2025.06.03
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    1981年。高校を卒業した理佐は、短大の入学金となるはずだったお金を母親が新しい父親のために使ってしまったことから、家を出て働くこと決意する。 職安で見つけてもらった住居付きの求人は、「鳥の世話じゃっかん」という不思議な条件のあるそば屋だった。 小学2年生の妹、律が新しい父親から叱責を受けていたことを知った理佐は、律と姉妹2人で新たな生活を始めることを提案する。 2人で移り住んだ先の職場となったそば屋は、水車小屋でそばを挽いていた。 水車小屋にいるのは、そばを挽く石臼の監視係を務めるヨウムのネネ。 姉妹を中心に、ネネや出会った人々との交流の40年を描いた物語。 思っていたよりも姉妹の状況は過酷で重さがある内容だけれど、表紙のかわいいイラストが作中も挿絵として入っていて、児童書のような雰囲気も感じられる。 本作は、姉妹を中心として人々の優しさが繋がっていくのが素敵だった。 特に印象的だったセリフの一つは、律の「自分はおそらく姉やあの人たちや、これまでに出会ったあらゆる人々の良心でできあがっている」というもの。 素敵な考え方だと思ったし、この作品を読んでいくと、そうかもしれないなとすっと腑に落ちる感覚があった。 読み終えて浮かんだのは、消えかけたりまだ火の灯っていない蝋燭が他の蝋燭から火を分けてもらい、それがまた別の蝋燭に火を分けていく…というように繋がっていくイメージ。 本作から感じた優しさは、そんな風にして明かりと温かさがどんどん広がっていくような優しさだった。 自分自身も、これまでに出会った人たちの良心は自分の中にきっとあって、出会った人やこれから出会う人を大事にしたいなと思える作品だった。

    22
    投稿日: 2025.06.01
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    登場人物みんなが素敵な人たちで、 心が暖かくなる話でした。 ネネを中心に繋がっていく感じも とても良かった。

    1
    投稿日: 2025.05.31
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    本屋大賞2位で話題の、こちらの本は、ほのぼのして、本当に良かったです。4、5日かけて読んでいたので、終わってしまって、本当に寂しいです。 特に大きな事件とか起きないけれど、人と人とのつながりだとか、あったかい感じで、素敵な物語です。じんわりと、しみてくる感じです。 10年後、そしてまた、10年後と、お話は進んでいきます。一つ一つの物語は、日常の細部まで描かれていて、小さなこと、些細なことの、積み重ね的な。 お話としては、描かれてない10年の間にも、同じような、小さないろんな出来事があったんだろうなあって思えます。作家さんて、すごいなあ。スピンオフ作品も、色々出てきそうな感じです。 ほのぼの優しい、素敵な物語で、楽しめました。

    3
    投稿日: 2025.05.29
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    出会った人が分けてくれたいい部分で自分はたぶん生きている   研司くんの言ったこの言葉が、スーッとしみてきた

    2
    投稿日: 2025.05.28
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    タイトルと表紙の絵からなんとなくおとぎ話のようなものを想像していたら、(少しファンタジーを感じるものの)辛い局面から再生していく話だった。 誰かが誰かの助けになり、ゆるくつながっていく優しさが心地よい。 ネネの描写を読んで、ヨウムが気になって、飼い主さんがYouTubeにあげている動画を見た。ネネのように会話のキャッチボールがしっかりできるとは言えないけど、かなりしっかりお話ができるようだ。

    2
    投稿日: 2025.05.26
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    長編作品、ヨウムのネネを通じてみんなが助け合って過ごした40年間を描いた作品。読んで気持ちがほっこりした。 途中に児童小説のような挿絵も入っていて、作品の世界観が増していく。

    3
    投稿日: 2025.05.26
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    状況が割と淡々と描かれる文体であったけれど、ヨウムのネネとその他登場人物の40年にも渡る物語を読み終えると、どの登場人物にも愛着が湧いていて、感慨深い気持ちになった。律が去っていった人たちへ思いを馳せる場面が特に心に残った。

    2
    投稿日: 2025.05.25
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    高校を卒業したばかりの姉と 10歳年下のまだ小学生の妹。 二人の姉妹が見知らぬ土地で少しずつだけれど しっかりと根を張って行きていく様子が、 なんと40年に渡って描かれていきます。 (なるほど、見た瞬間ちょっと怯んでしまうほど分厚くなるはずだわ・・・ ) 誰かのほんの少しの親切が、困っている人を助け 助けられた人がまた、今度は別の誰かを助けていく。 こんな風に書くと、まるで道徳の教科書の様になってしまうけれど、 この物語の登場人物たちは、とても自然に無理なくさらりとそれをやってのけてしまうのです。 決して押し付けがましくなく、 自分がやりたいからやってるんですよというようなスタンスで。 主人公の姉妹の成長を見守りながら読み終えた今、 私の心の中はすっかり親戚のおばちゃん! 二人とも良い子に育ってくれて おばちゃん本当にうれしいよ(涙)

    4
    投稿日: 2025.05.25
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    10年ごとの話がどの話も、特に大きな出来事があるわけではないけど、変に起伏がないのが登場人物の生活感を出していて、本の中の世界でしっかり時間が経過してることを感じる作品でした。 時が経って変わっていくことも変わらないこともそれ自体は良いことでも悪いことでもなくて、それに対して自分たちがどう感じるかが大切なことだなとしみじみと思いました。

    1
    投稿日: 2025.05.25
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    辛い過去を持ちながらも、ネネを中心にあたたかく広がっていく人間関係が、読んでいてとても好きでした。 それぞれの人生が繋がって、離れて、絆で結ばれていく。せつなさもあるのに、すごくあたたかい気持ちになれた作品でした。

    13
    投稿日: 2025.05.24
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    子育てよりも男の人に頼りたい人生を選んだ母をもつ理佐は、母の恋人から虐待めいた扱いを受けていた妹をともなって18歳で独立を決める。8歳の妹と生活できるということで選んだ蕎麦屋の仕事には不思議な役目があった。それが鳥のヨウム「ネネ」の相手。 物語の中ではネネが人さながらに会話できるのでファンタジーっぽいなと思ったがネットで調べると2歳の感情と5歳の知性を持つとのこと。 金銭的には豊かではなかったが人に恵まれて水車小屋のネネと過ごす40年間が描かれていて心和む作品。あまりにもいい人達ばかりすぎて3の評価だが4に近い。

    1
    投稿日: 2025.05.22
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    「自分はおそらく姉やあの人たちや、これまでに出会ったあらゆる人々の良心でできあがっている」 18歳の理佐と10歳の律が母親から独立して、新たな生活を始める物語。ヨウムのネネとの四十年を描く中で、重大な何かがあるわけではないが、人との出会いや関わりなど終始温かさに満ちていた。作中、ネネがとても良い役割を果たすためすごく惹かれた。所謂普通でない生活環境でも、どこかに優しい人達がいて、相応しい居場所がある。大切なことは誠実であることかなと感じた。

    12
    投稿日: 2025.05.17
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    何か謎がある訳でもなんでもない。 姉妹の生活が10年ごと書かれている。読み進めるとこの姉妹のことを応援したくなるし、周りの人達の言葉に心が暖かくなる。 そして描かれているのは優しさの連鎖。 「出会った人が分けてくれたいい部分で自分は生きてる」 人の優しさで出来上がった自分、大切にしたくなりますよね。そして優しくしたくなる。 本当に暖かく素晴らしい1冊でした!!

    11
    投稿日: 2025.05.15
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    18歳の理佐と8歳の律は実家を出て、そば屋で働きながら暮らす。周りの人はみな親切で優しい。ヨウムのネネはそば粉を挽く水車のある小屋で暮らす。5歳児の知能を持つと言われるヨウムと周りの人々のやりとりが楽しい。

    6
    投稿日: 2025.05.15
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    1981年、18歳の理佐、8歳の律姉妹が、家を出る場面から物語がはじまる。 28歳になった律の心の声に、この物語が凝縮されている気がする。 “自分はおそらく姉やあの人たちや、これまで出会ったあらゆる人の良心でできあがっている” 律の転校した小学校の最初の担任の藤沢先生の言葉には、はっとさせられた。 “誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ” 水車小屋には、いつの間にか、自分一人ではどうにもできない問題を抱えた人が集まってくる。 その中の研司という中学生が大人になって律に言います。 “山田さんもだし(律のこと)、榊原さんもそうだし、鮫渕さんも理佐さんも、守さんも浪子さんも自分によくしてくれたから。もちろんネネもな。”   みんなものすごいことをしてる訳ではないんです。 自分が困ってるとき、親切にしてもらったから、今度は誰か困ってる人がいたら、自分にできる範囲の親切をする。 誰かにもらったものを、別の誰かに返してる。 それが水車のように循環している。 人間だけだったら、ギクシャクしそうな空気を、ユーモアセンスのあるネネが和ませくれるんです(笑)

    10
    投稿日: 2025.05.14
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    律と理佐の姉妹。物語の始まりは、18才と8才だった。 各章は10年ごとの区切りで進み、律はエピローグで48才になる。 その間の暮らしのひとつひとつ、とても丁寧に生きる人たちが周りでお互いを助け合い、恵まれていたんだな、と思わせる。 誰かに親切にするくらいじゃないと、人生って退屈、という台詞が気に入った。 ヨウムのネネとネネを支える人たちとの関わりもとても良かった。

    8
    投稿日: 2025.05.14
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    優しさの輪廻により人が人を成長させていく話し。 暖かいお話だとは思ったけれど、独特な言い回し、特に律の言葉の表現がまわりくどく、どうにもわかりずらくて、私には感動には遠い印象でした。 ネネは賢くて愛嬌もあり文句なく可愛い‪☆

    12
    投稿日: 2025.05.13
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    とても良かった かなり刺激的で破天荒で、浮き沈みの激しい人生を送ってきた私には、 主人公の2人姉妹が、ネネと共に淡々と人生を送ることに憧れを感じたりもした こんな風に日常の大切さに気づけたらもっと人生は幸せだったんじゃないかとか、 あまりにも特別なものを追い求めすぎてたのかなとか、 ここからは淡々と穏やかな幸せを感じながら生きられる自分になりたいなとか こんなふうに長い時間をかけて主人公を追う物語もいいね 今後どうなるんだろうっていう結果を知ることができるのって充足感を感じる あと現実と小説の中の空気感や起きてることがリンクしてることとか、実際の音楽や映画が出てくるとことか好き

    1
    投稿日: 2025.05.11
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    「人に親切にすると自分に返ってくるから親切にしましょう」そんなふうに、保育園や小学校で何度も教わった気がします。 それだとなんだか損得で動いているようだなと、当時の私にはあまり響かなかった記憶があります。 当時は損得勘定なんて言葉は知らなかったけれど、なんとなくそんな感覚を抱いていたような。 この小説では、40年に渡る親切の連鎖がゆるやかに描かれています。 親切な行動やさりげない声かけが、静かに誰かの心に種をまいて、見えないところで芽を出し、また別の誰かへとつながっていく。 短期的な損得ではない、親切がたくさんあります。 人のつながりや営みのあたたかさで胸がいっぱいになりました。 あと、やっぱり動物っていいなあ ネネの存在がネネと触れ合う人たちの本質的な優しさを引き出したようにも思えました。

    37
    投稿日: 2025.05.08
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    血のつながりはなくても、善良で支えてくれる人たちに恵まれて姉妹が大きくなっていく話。 良かったなと単純に思ったし、その恩に感謝しながらまた他の人たちに優しく接している姉妹が素敵でした。

    8
    投稿日: 2025.05.08
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    18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべるヨウム〈ネネ〉。本屋大賞2位、ヒューマンドラマ、長編小説。 周りの人やネネに助けられて暮らしていく姉妹。何ももっていないけれど、出会った人がわけてくれた幸せで、生きていける。それを誰かにまた分けることができる。そばにいる人と寄り添える幸せに気付かされる。

    1
    投稿日: 2025.05.06
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    ファンタジーということになるのだろうが、こんな小さなまちがどこかにあるようにも感じられて、評判にたがわずいい小説だった。ヨウムという存在、ネネの名前が絶妙だと思う。個人的には挿画はもう少し違うほうが好み。 P273 その時聡が感じたのは、他人の来し方を耳にすることの気詰まりさではなく、本当のことだけを話してくれるとわかっている人と接するときの不思議な気楽さだった。聡の周りが全員嘘つきばかりだったわけではないし、現に今は嘘をつく必要のない生き方をしている人のほうが多いのだが、聡はあまりにも、自分の弱さを正当化するためだとか、誰かに罪悪感を抱かせるために口を開く人々の言葉を真に受けながら生きてきた。その人たちの保身に、どこまでも翻弄されながら生きてきた。 P381 今の会社に入社してから、考え事とその合間で休みたいという気分ばかりで、ほとんど見ることもなくなっていたけれども、景色は別に拗ねるわけでもなく、何の惜しみもなく輝いていた。 P383 「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」

    1
    投稿日: 2025.05.06
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    本屋大賞2位の津村記久子さん作。 かなり以前に津村さんの本を読んで以来だったと思うけど、すごく良かった。 毒親の元からまだ高校を出たばかりの姉とまだ幼い妹が移り住んだ所で、周りの人に助けられながら、自分達もしっかりと努力して成長していく話。 「誰かに親切にしなきゃ人生は長くて退屈」だと作中でのセリフがあり、本当にそうだなーと感銘を受けました。

    1
    投稿日: 2025.05.06
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    高校を卒業する18歳の理佐と、母の恋人に虐待される8歳の律。母は子供より恋人を選んだ。理佐は、律に一緒に家を出る?と聞き、知らない土地の蕎麦屋の住み込みの仕事を見つけ、二人の生活が始まった。蕎麦屋の仕事にはヨウムのお世話もふくまれていた。 理佐が働く蕎麦屋さん夫婦たちの周りの人たちのさりげない良心の支えにより、なんとか二人は自立した生活を送れるようになる。40年の間には、学校生活や結婚など様々な経験を重ねていくが、そばにはいつも水車小屋の番人のヨウムのネネがいた。 本屋大賞2位はうなずける。良心の押し付けの自己満足でなく、さりげない優しさの連鎖がこの物語にはあった。物語の始めは辛く、心配でしかなかったが、温かい優しさに心が満たされた気持ちで本を閉じることができた。出会えて良かったと思える本でした。

    17
    投稿日: 2025.05.06
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    18歳と8歳の姉妹が たどり着いた町で出会ったしゃべる鳥〈ネネ〉に見守られ、変転してゆくいくつもの人生――助け合い支え合う人々の40年を描く長編小説。谷崎潤一郎賞受賞。 いままで出逢った人たちに支えられて生きているんだとこころからの感謝を込めて、、優しくありたい☺️

    2
    投稿日: 2025.05.05
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    優しさに溢れ、心温まる作品 時間の流れがゆっくりで田舎に住んでいた頃を思い出させてくれました。とはいえ読み終わったら40年後になっていて不思議な感覚に陥りました(°ω° )

    3
    投稿日: 2025.05.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    良かった。ほっこりした。 本書を読む前、タイトルしか知らなかったので、てっきり外国の話だと思っていた。親から逃げ出した若い姉妹が、全く知らない土地で、周りの人に支えられながら、水車小屋に飼われているヨウムのネネと心を通わせながら40年過ごした話。 娘理佐の短大の入学金を使い込んだ母とその婚約者は、一生金をせびりに来ると思っていたが、理佐の100万円を取った後は登場することなくて本当に良かった。 また、「人間狩りをする」といって外国人労働者を追いかけ回していた研司の同級生もそれ以降登場しなくて良かった。 貧困を乗り越えて成長していく姉妹を見ていて、なんとも微笑ましいというか、うれしいというか、そんな気持ちになる。 山あり谷ありというストーリー展開ではないが、なんか心温まるお話だった。 親が離婚した子ども、親に見捨てられた子ども、そんな子どもたちが多く登場する。 実際そういう境遇の子どもは少なくないのだろう。それでも逞しく生きていく人たちは、立派であるし、等しく幸せになってほしい。

    1
    投稿日: 2025.04.29
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    母親が男を取った、子どもたちではなく。 18歳になった姉が、8歳の子どもを連れて家を飛び出し、たどり着いた町。 そこで巡り合った大切な人たちとネネ。 40年を描いた人生物語。 派手さはないけど、昭和の香りがする物語でした。 律ちゃん目線でのストーリーが心に残ります。 時が流れていき、出逢いと別れがある。 そして、いつの時代にも大切なことが伝わっていった。 ジワーと心が温かくなる良い物語でした。

    0
    投稿日: 2025.04.29
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    ほのぼのよかったけど、世間の評価から期待してたほど強い感情の動きとかはなく、若干うーんとなったかも。でも読んでて心が落ち着く本ではあった

    0
    投稿日: 2025.04.27
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    読んでよかった!朝の連続テレビ小説のような小説(^^) 10歳離れた妹を連れて自立した理沙。18歳の娘が8歳の妹を連れて働く。すごいシチュエーションなのだが、仕事先もまた、ぶっ飛んでいた。水車小屋にはネネという鳥(ヨウム)がいた。水車小屋と鳥の世話も合わせて行う蕎麦屋さんの仕事。 それなりの事情があったのだが、周りの人は心配でつい声をかける。 物語は1981年から始まり、ラストは2021年。10年ごとの章立てで、理佐と律の姉妹を中心に物語は進む。 やさしい人がたくさん登場し、情けは人の為ならずを体現する。誰かのために人は強くなる、という感じ。標準に収まりきれないひとたちはどう生きたらいいのか。いろいろ考えさせられる内容。 心が洗われる読後感。強くやさしい人になりたいと思う。

    21
    投稿日: 2025.04.27
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    ジブリの題名みたいでちょっと躊躇したが、読んで良かった。10年スパンで描かれる、親切な人たちの物語り。文学的な雰囲気もあり、でも固くなく、読み応えあり。

    1
    投稿日: 2025.04.26
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    良心ある人たちに囲まれた姉と妹とネネの、約30年にわたる物語。 それぞれの登場人物、みんな魅力的だけど、ちょっと人として抑制が効きすぎているような気もする。 実写化するならだれかな…と想像したりするのも楽しかった

    0
    投稿日: 2025.04.25
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    人からもらった気持ちや優しさは、ずっと忘れられなかったりする。 それを相手に返すだけでなく、今度は別の誰かに自分から差し出す。 そうして人と人は成り立っていく。 現に自分自身も、人からもらった優しさを心の宝箱から取り出すことがあります。 一生忘れないでいたい、改めてそう感じました。 与えてもらうばかりでなく、こちらからも見返りを求めない愛を、そっと送れていたらいいな。 ※長すぎて長すぎて…その点読みにくかった…という正直な感想も置いておきます。笑

    36
    投稿日: 2025.04.24
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    500ページ近い分厚さに「これは読み切れないな」と、半ば諦めながら読み始めた本だったが、最初の十数ページで、これはかなり私好みの本だなと思い直し4日程で読了。 田舎の水車小屋にいるヨウムのネネを取り巻く人々が、様々な交流を通して少しずつ前向きに人生を生きていくお話。 所々で語り手が変わるのも飽きずに読めるし、10年が1章ずつの区切りとなっているのも面白い。 年月を重ねる毎に登場人物達の生活環境や人間関係が変わっていく様子を見続けるのは、なんだかすごく愛おしくて心が温かくなった。 「自分が元から持っているものはたぶん何もなくて、そうやって出会った人が分けてくれたいい部分で自分はたぶん生きてるって。」 このセリフこそ、この本を総括する一文だと感じた。

    8
    投稿日: 2025.04.24
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    読み始めは、人間と暮らすヨウム「ネネ」がすんなり頭に入ってこなくて読み進めるのが遅くなってしまったけど、身近なひとたちとネネがゆっくり心を通わせて、少しずつ周りの人を思って暮らしいていくことが、こんなに素敵なことなのかと思った。読んでいて、じんわり心が暖かくなって、自然と涙が出ることがあった。自分は他人に何か返せるのか、返せるものを持っているのか。研二がたしかこんなことを言ってたと思う。とっても意訳だけど、「すべて持ってる人にしたら、自分たちの自由は少ないものだけどこれでいいと思う」足りないものに目を向けすぎず、目の前の自分の幸せを考えて、周りと一緒に幸せになりたい。杉子さんがなくなってしまった場面はとても辛かった。またおばあちゃんに会いたい。

    3
    投稿日: 2025.04.22
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    読後3ヶ月経つが、未だに強く余韻を残す一冊。購入する時はその分厚さに何度か悩んだがどうしても表紙絵に惹かれた。いわゆるパケ買い。 あまり起伏らしい起伏はなくたんたんと話が進むので苦手な人は居るかもしれない、私もどちらかというと苦手な方だ。しかしだんだんとそれが心地よくなってきて終わりが見えてきた頃には[終わらないで][ずっとこの世界に浸っていたい]と思うまでになっていた。 優しさや思いやりや心遣い、たくさんの心を繋いで行きたいと思う。

    6
    投稿日: 2025.04.21
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    今どき珍しい三人称で書かれていて、少し読みづらかったけど、慣れれば一昔前の文学の香りがして良かった。 何気ない日常が丁寧に描かれていて、手で触れるようなリアリティがある

    2
    投稿日: 2025.04.21
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    いつもお互いを想い助け合う理佐と律の姉妹の関係が、40年の月日を通しても変わらないふたりとして描かれていました。姉妹のまわりには、ふたりを、見守り助けてくれる人たちがいて、そのまわりの人たちもふたりに助けられていることが伝わってきました。そして、ネネの存在が、みんなの中心にあったように感じました。ネネがみんなを繋げてくれたり、それぞれの役割や持っているものを引き出してくれているようでした。 心あたたまる物語でした。 ありがとうございました!

    3
    投稿日: 2025.04.20
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    じっくりじっくり読み進めてなかなか読み終わらなかったけれど、読み進めるにつれて心がほっこり。 人の厳しい一面、辛い一面、醜い一面を知っている人ほど、人のあたたかさに気づけるんだなと思う。 律が「自分はいろんな人の良心でできている」(ニュアンス)と言えるのは、辛い幼少期があって、自分をいま取り囲んでいる人、助けてくれている人たちは良心的な人たちなんだと敏感に気づけるからだと思う。 あたたかい人たちに囲まれて暮らすということは、ほんとうに豊かなことだと思えた。

    12
    投稿日: 2025.04.20
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    みなさんが言われている通り、物語に起伏が無かったので、途中でだれてきました。 いい人ばかりで話としては面白かったです。ちょっと長いかな。

    15
    投稿日: 2025.04.20
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    心温まる話だった 人生にはさまざまな困難がつきもので、皆何かしら抱えているものがあるが、その人の苦労は共感できるものではない。 新しい街の人たちが優しいおかげでイライラせずにすんだ 優しい人たちに囲まれて成長すると自身も大人になった時に周りに親切になれるんだなあ

    2
    投稿日: 2025.04.17
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    家を出た18歳の理沙と10個下の妹の律。理沙が働くことになった蕎麦屋の水車小屋に住むヨウムのネネ。そして近所に住むいろんな人たちとの関係性を描いていく。 事前情報なしだったので、最初のほうは「ネネって何だろう」と思っていたら、ヨウムだった。いろんなことが起こるけど、静かに淡々と話が進んでいく中で、人の気持ちの動きや思いが強く伝わる場面がジーンとくる。

    1
    投稿日: 2025.04.14
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    主人公は、貧しく複雑な家庭に生まれた姉妹と、二人が人生のシェルターとして飛び込んだ先(蕎麦屋)の水車小屋に住むネネと名付けられたヨウム(オウム)。 両親の離婚、新しい父親からの虐待、モノ言わぬ母親。これは現代社会でも当たり前にある現象だが、逞しい姉妹と、彼女たちを支える周囲の人たちの人柄を知るに、実に安心して読み進める事が出来た。 内容的には変化が小さく、波乱万丈モノを好まれる読者層には物足りないと思われる。 また話の舞台が十年単位となっているため、その間の出来事は手短に説明を加えられているに過ぎなく、自分にとつては余計平坦な話だと感じた。 更に主人公心の動きや波、また周囲の情景を、私たちが一般的に使用する直喩的な表現ではなく、作家独特の隠喩で表すことに感銘を受けてきた自分にとっては、何がどうした的な構文が多いこの小説には、少し物足りなさを感じた。 とは言え、昭和を感じさせる人間関係や姉妹愛には、人の温もりを十分感じさせてくれた。

    19
    投稿日: 2025.04.11
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    図書館にて借りる、第703弾。 (京都市図書館にて借りる、第168弾。) 2024年本屋大賞2位。 姉妹が周りの人々に支えられながら逞しくまっすぐに成長していく物語。 ただ、姉妹の近くには常にヨウムのネネがいて。本作は、ネネの存在に皆が癒され繋がるところが肝だろう。 最後までネネの存在に和む。 ただ、長い物語の割に展開に起伏が少なく、悪い奴も母親の愛人くらいしか出てこないので、退屈といえば退屈でもある。 星は3つ。3.6くらいか。

    0
    投稿日: 2025.04.10
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    ネネはとても不思議な存在です。 とても愛らしいキャラで、まるで磁石や接着剤のようにどんどん人を引き付けていきます。 もしネネがいなければ、未知の土地で新たな生活を始めた年の離れた姉妹たちの人生は、きっと変わっていたのでしょう。 ネネと過ごした40年間は、とても幸せそうに見えました。 姉妹にもネネにも、そしてその周りの人たちみんなの前途に幸あれ。

    1
    投稿日: 2025.04.10
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    500ページ超えの長編でとりあえず長かった ヨウムとその周りの人達の半生を描いたお話。 ヨウムとても好きなので嬉しかった!ネネ賢い!偉い! 内容としては特に起伏があるわけではなく、ただただ日常を描いたような感じだったので、かなり長く感じました。 章ごとに10年飛んで、周囲の状況が色々変わって、みんなの人生を追うことができたのが良かった。 思いやりを感じた素敵なお話でした。 田舎暮らしもいいなぁと思った!

    11
    投稿日: 2025.04.07
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    18歳の理佐が妹を連れて家を出たのは1981年の事だった。 女手一つで姉妹を育ててくれた母だったが、理佐の大学進学のためのお金を男のために使った母を許せなかったし、男が妹の律を家から閉め出すのも気に入らなかった。 行く当てはなかったが偶々入った蕎麦屋で、姉は働かせてもらうことになった。 周囲の人たちに助けられて、姉妹は生活していく。 物語はそれから10年ごとに章を変えて、1991年・2001年・2011年・2021年まで続く。 蕎麦屋の水車小屋にはネネというヨウムがいて、人の言葉を聞いて覚え、話す。 それがとても効果的だ。

    5
    投稿日: 2025.04.06
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    主人公は理佐かと思いきや、妹のりっちゃんだった。ヨウムのネネが可愛すぎて飼いたくなった(飼えないけど笑) 普段だったら読まないジャンルだけど、本屋大賞ノミネート作品はそんな概念吹き飛ばしてくれる

    12
    投稿日: 2025.04.05
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    素直で健気な理佐さんとりっちゃんの姿に胸を打たれました。 人にいただいた優しさや親切を忘れずに、次は自分が誰かにその恩を還していく。人との繋がりを大切にしていきたいと強く思わせてくれる作品です。 「子供が自分の相手をしているだけじゃ前に進めない」末の子が小学校の新1年生となり、少しずつ私の手を離れていってしまうことにさみしさを感じていた今日この頃。この言葉に出会い、子どもの新しい世界が広がることをもっと喜んでいきたいと思いました。

    12
    投稿日: 2025.04.04
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    お腹の底の方からじんわり暖かくなるお話だったな。 18歳と8歳で親元から離れた律と理佐、2人の周りの人達の40年間。人と人の繋がりや、人を思いやる心が水輪のように広がっていく。 私も今まで受け取ってきた優しさを周りに広げていきたい。 良い事ばかりじゃないし、優しくなれない日なんて、それこそ山のようにあって落ち込む日々だけど、 "自分はおそらく、これまでに出会ったあらゆる人々の良心でできあがっている" 律のこの言葉を忘れないように、なるべく優しく柔らかく生きたい。そんな風に思わせてくれた1冊だった。 表紙や挿絵がとても可愛くて何度も見返してはほっこり。

    3
    投稿日: 2025.03.31
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    水車小屋で働くヨウムのネネと、ネネに関わる人たちのお話。 小さくて賢いりっちゃんが好きだったのに、第2話でもう大きくなってしまって… でもみんなに助けられながら生きてきたりっちゃん姉妹が、他の人たちの手助けをしながら生きていく姿が感慨深かった。 ネネとケンジの問題のやり取りが好き。 賢くて可愛らしいネネのいる水車小屋、行ってみたい!

    3
    投稿日: 2025.03.30
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    始まりの暗いイメージが、どんどん明るくなっていく。それは姉の楽観的な性格のせいか、律の賢さのせいなのかわからない。 でも、人への優しさが、人をつなげ、人に広がる。それを感じた作品でした。 2人にネネがいることで、より人と優しさがつながったのではないかと思いました。 私はりっちゃんに会ってみたくなりました。

    1
    投稿日: 2025.03.29
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    さすが本屋大賞候補作。 優しさがつながっていく、穏やかな物語で癒された。 ヨウムがどんな鳥なのか詳しく知りたくなって色々検索したりしてしまうくらいに入り込めました。 また読みたいな〜

    5
    投稿日: 2025.03.29
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    面白かった。序盤で結構泣きそうになった。 落ち着いたテイストで話は進むんですけど、現実は結構過酷で。 けれど、世の中も捨てたもんじゃないなと思わせてくれる。 自分を「悪意の坩堝」にするか「善意の結晶」にするかは、自分の選択次第ではあるけれども。子供のうちは選べない環境ってあるよね。というあたりをすごくしみじみと思い出した。 大人になるというのは、それだけで一つ大きな救いでもある。

    2
    投稿日: 2025.03.29
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    私は小学生くらいの時の思い出というか記憶がもしかしたらあまりない方かもしれないと時々思っていた。でもこの本を読んで、確かに記憶は残っているってことを感じた。具体的には覚えていないけれど。8歳の時も18歳の時も真剣に何かを考えていた。ちゃんと理由があったし、思っているけど言わないでいることもあった。 田舎で生まれ育ったので、狭いコミュニティの人間関係のことは分かる方だと思う。最近はそのいざという時のつながりというか信頼関係というか強い絆?のようなものをうらやましく思うことがあるので、どう表現していいのか分からないのだけれど、この雰囲気が懐かしいような気がして、読み進めて読み終えるのがさみしい気がした。 母について、地元で生まれ育ち、同じように地元で生まれ育った父と結婚し、今もずっと暮らしている。決してお金持ちではなかったけれど、長女の私と弟と妹、3人の子どもを育ててくれた。勉強や生活で厳しくされたことはない。子どもの大好物は自分は食べずに食べさせてくれた。ブランド品もアクセサリも買うことはなくて、昔持っていたものを大事に使っていた。悩んだり怒ったりした話をするといつも「大丈夫、ガンバレ」と笑顔で言ってくれた。「お母さんは何が幸せなの」と何度も聞いたことがある。いつも「子どもががんばってるのをみること」のような答えだった。 今、自分が母になってみて、何も言わず見守ることの難しさとその思いが分かる。母は幸せだろうかと考える。 これを言ったら、ここまでしたら、迷惑かもしれない、と思って控えてしまうとがたくさんある。その境界線が難しい。と思う前に行動することが大切なのかな。大切とかそういうのでもない気もする、小さなこと、自分ができる範囲、自分のできること、今あるもの、今できること、本当に必要なもの、純粋な好奇心、助けられたり助けたり、救われて救って、そんなイメージでいっぱいになった。「親切」にしたいと思った。 優しい気持ちになる本だった。 そして、最後に。 今、鳥のことが気になっている時期なので、図書館で予約して順番がきた本がまた鳥の出てくる本だったことでますます鳥が気になっている。

    2
    投稿日: 2025.03.24
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    優しい心温まるストーリーで、長いなりにも面白く読み進めていた。 後半は、「これ誰が言ってるの?」だったり、大震災とコロナが発生したり、同じような言葉が何度も出てきたりで、だんだん読み辛くなってしまった。

    8
    投稿日: 2025.03.22
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    誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ 自分はおそらく、これまでに出会ったあらゆる人々の良心でつなきあがっている 心に刺さった言葉。 読み終えたら、涙かでてきた。

    0
    投稿日: 2025.03.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    律の、色々な人たちの良心で自分は出来上がったように感じるというような文章がとても心に残った。深夜に読み終え、思わず隣に寝ている子どもの寝顔をしばらく眺めた。この子たちもそうであったらいいな。 静かな筆致で描かれるけれど、理佐と律や聡をはじめとして多くの登場人物境遇は楽なものではなく、18歳と8歳での生活は胸がきゅっとなる瞬間が多くあった。ネネと水車小屋で過ごすことが2人を助けたし、ネネがみんなを繋いだんだなと感じた。ネネには元気で長生きしてほしい。 藤沢先生が特に心に残った。登場時の印象はあまり良くなかったけれど、生徒の人生に渡ってこんなに気にかけてくれる。一体どんな人生だったんだろう。 こんな感想単純だけど、挽きたてのそば粉でつくるお蕎麦をたべたくなった。

    0
    投稿日: 2025.03.20
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    長いお話でした。主人公はネネなのかな?題名だしね。 律と理佐とネネの40年のお話。ネネは頭のいい鳥(とは言っても、現実的ではないのでファンタジー)。律と理佐は8才と18才で自立すると言う、難しい状況の中で、周りのいろいろな人に助けられて育ち、大人になってからは周りのいろいろな人を助けたいと思って過ごす日々。 物語は淡々と、事件もあまり起きずに過ぎていく。本当に良い人しか出てこないので、多幸感はあるかもしれないけど、私には物足りない感じでした。 でも私も誰かを助けられる人になりたいと思う。

    14
    投稿日: 2025.03.20
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    『サキの忘れ物』を先に読んだことがあって。そちらの淡々とした書きぶりと少し不思議で遊び心のある内容がとても面白かったので、同じ作者だと気づいたこちらも読んでみました。 10年刻みで4つの章とエピローグで構成された物語で、「理佐」と「律」という姉妹と水車小屋で蕎麦粉を挽く石臼の番をしている鳥の「ネネ」を取り巻く人間模様とそれぞれの人生を描いたお話。 いろいろな人たちや家庭の様々な事情が絡み合いつつ、親切や心遣いをあげたり貰ったりすることで世の中や人生は回っていくことがリアルに描かれる中、鳥のネネが少しファンタジックに登場人物たちの縁を取り持っていくバランスが心地よかったです。新聞連載の小説って、ただただ長いなー!って印象があります。しかし、淡々とした群像劇のように見えながら、要所要所で鍵となるエピソードが出てくるので、飽きずに一気に読めました。 人間は、もともと何かを持っているわけではなく、自分に関わってくれる人たちのいいところが積み重なって今の自分が出来上がっている、ということが、じーんと胸に広がって実感できて、とても温かい気持ちになれる作品でした。あと、無性に蕎麦が食べたくなる。おすすめです。

    3
    投稿日: 2025.03.15
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    世の中にいろんな境遇の人がいて、いろんな社会で生活している。決してひとりではなく、出逢った人々との関わりで良き人生を過ごせる。と、読み終わって幸せな気持ちになった。

    3
    投稿日: 2025.03.11
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    てっきり水車小屋に住む妖精の話だと思った。子供向けのSFファンタジー。あるいは北欧に住む少女の他愛ない物語だと思った。 牧歌的な部分ではイメージ通りなのだが、ストーリーは思っていたのと180度違っていた。 虐待?貧困?孤立?後継者不足?外国人労働者?さりげなく色んな社会問題が散りばめられている。ただ悲惨な感じではない。ふんわりと人間の温かさがおおわれている。 夢を持たなくても、自分が納得できるように生きていれば何かしらやりたいことは見つけられるようだ。見つけられなくても誰かの役に立っていると思えれば幸せなんだ。それがバトンとなってまた誰かに受け継がれる。大切なことをネネがみんなに気付かせてくれた。 ページ数は多いが全く退屈しなくてスイスイ読み進めた。文句なしの良本だと思う。

    5
    投稿日: 2025.03.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み終わって感じたことは、少々読みづらかったヵ所が幾つかあったということ。例えば主人公「律」の言動と思えるヵ所の次の行で、そのまま言葉や行動が書かれていたので、「律」が言っている、行っていると思っていたら、本当は「研司」の言動じゃあないかと思える所があった。ちょっと分かりにくいし、のめり込むことが難しかった。そのように、ある人の言動が実は別の人の言動だと思えるヵ所が幾つかあった。 そして何と言っても、この小説、殆んどが善人(と言うかお人好し)ばかり。よって主人公の「理佐」と「律」姉妹2人は、困難があっても周りの人たちが助けてくれて、何か常に順調な人生を送っているように思える。 また、インコの1種であるヨウムの「ネネ」だが、いくら頭が良いと言っても、この小説の「ネネ」ほどに人間に対応出来るのか疑問に思う。確かにWikipedia によると「2歳児の感情と5歳児の知性を持っていた」と言う学者もいるようだが、5歳児が知性的に、他人に対応出来るのだろうか。少なくともこの小説の「ネネ」は好きな人とそうでもない人との区別はついて、音楽を理解し、ダンスを踊り、行方不明の人を助けることが出来る。5歳児とは思えないのだが。 とにかく、一番気になったことは、この本は小説というより何か内容がおとぎ話のようだと感じたことだった。主人公の「理佐」と「律」の姉妹も、また「ネネ」も、そして彼女たちを取り巻く人たちもおとぎ話の登場人物たちのように感じられたことだった。 人それぞれ感じ方は違うだろうけど、少なくとも私にはそう感じられた。まあ、ある意味「ほっこり」する小説ではあるだろうが。

    2
    投稿日: 2025.03.09
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    北澤平祐さんの装画と挿画が可愛くて、読んでいる最中にも、何度もカバーを眺めてた ちょくちょく出てくる音楽や映画の話題が楽しい! 歳をとるのって嬉しくも寂しくもあるね 人間の良さがひしひし伝わる本 あったかくて好きだった 読後、蕎麦がハマる。

    3
    投稿日: 2025.03.08
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    結構長かったが、情緒的になりすぎない文体なのでスラスラ読めた。こういう雰囲気で人の成長を描く物語が個人的にかなり好き。 中心にいるネネの存在もアクセントになり、物語が暗くなりそうな場面でも、過度にそうならず安心して読めました。とにかくかわいいし、ヨウムの頭の良さに驚いた。会話できるんだ‥。 登場人物達がしっかり自分の人生を生きていて、(姉妹の両親以外は)読んでいてモヤモヤを抱えることも無かったのも良い。律さんが自分は色んな人の関わりがあっての今であり、自分は幸せだなってほんのりと感じる場面、理想的だよなぁと暖かい気持ちになりました。

    41
    投稿日: 2025.03.06
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    本屋大賞候補作ということは知っていたけれど「事前に情報とか調べずにそのまま読むといいよ」と勧められて、2日間で一気読みしました。読み終えて思ったことは、美味しいお蕎麦を食べたい、ということと、家族というものは大切だけど厄介だなぁ、ということ、それと、家族は血縁に限らず、地縁であるとか一緒に過ごした時間であるとか互いに思いやる情愛であるとかで、いろいろな角度や濃度でつながることが出来るのだな、というしみじみとした感慨でした。大変満足して読了。津村さんの作品を読むのは初めてでしたが、他の作品も是非読んでみたいと思います。

    14
    投稿日: 2025.03.05
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    ずっと気になっていた本。やっと読めた。 とてもよかった。 最初の章での姉妹の決断にも驚かされたし、まわりの人たちの温かさも身に染みた。 私は特に、姉妹の親が学校に来た時の、担任の先生の言動に涙が出た。 その後、10年ごとに場面が進んでいくけど、ネネに出会う人が救われていく様子は、読んでいてとても元気づけられた。 最後まで、人々の優しさが溢れ出ていて、でも一緒に長い年月を過ごした気になれて、とても読み応えのある本で、余韻も深い。 いい本に巡り会えてよかった。

    4
    投稿日: 2025.03.03
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    おしゃべりヨウムのネネと、8歳の律と10歳上の理佐の姉妹、世代を超えて繋がりのある周りの人たち…。10年刻みで40年に渡って描かれた小説。人同士の触れ合いが心地よく穏やかなお話で、温かい気持ちになる。誰かを助けることの連鎖。 2024年本屋大賞2位とのことだけど結構長いw

    1
    投稿日: 2025.03.03
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    最初手に取った時、長っ、と思ったけど読んでみたら一気に読めてしまった。ほのぼの…なのか、社会派…なのか。全体的には、この姉妹、応援するぜ!って感じ。

    1
    投稿日: 2025.02.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    分厚くて読みきれるかなと不安になったけど、人の成長を見届けているようで最後まで飽きずに読めた。水車小屋でそばの臼を管理してるヨウムのネネとりさと律の姉妹、それに関わる人たちの話。10年刻みで章は進んでいて、8歳だった律は最後は48歳に。人はたくさんの人の良心に支えられているんだなと思う話だった。困っている子がいれば助けたいなとも思った。

    1
    投稿日: 2025.02.25
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    支え合って頑張って生きている人たちの話で、面白く読みました。心温かくなりましたが、お姉さんから妹に主役が代わってからは、ちょっと読みづらくなってしまったかな。

    1
    投稿日: 2025.02.24
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    優しさと善意で繋がった人たちの物語。 親切や良心によって立つ人々の強さを感じました。 すぐ人の悪いところを見つけて悪意でぶつけてしまう私。 良心を持って関係をつなげられる人たちは強いんだと思えました。 親切にすると関係ない人からも親切が返ってくるかもしれないと思えました。

    8
    投稿日: 2025.02.21
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    よみはじめてから中盤までは優しい世界だなって、思いながら読み進めていたけど、後半は逆にそれがしんどかった。 時代感も移り変わるので、今どんな時代を生きてるのかな?ってたまに忘れてしまうこともあったな。

    11
    投稿日: 2025.02.20
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    登場人物の中には、家族に人生を大きく左右されてしまった恵まれない人たちもいるのですが、水車小屋のネネを中心に人々の善意がつながっていき、みんながささやかな幸せを掴んでいく。そんな、じんわりと心が温まるお話です。 とてもページ数の多い本ですが、あっという間に読んでしまいました。 世知辛い世の中だからこそ、こういう優しい世界が描かれた小説は心が癒やされます。 何度も読みたいと思ったので★5つ。

    3
    投稿日: 2025.02.19
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    なかなか優しい小説でよかった。 結構重くなりそうな場面もあるけれど、そこを直接描かないのも、それはそれでいい。 後半はオーディブルで読了しました。

    1
    投稿日: 2025.02.19
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    姉妹が過ごす日々を祈りながら、毎日を過ごしました。水車小屋にいるヨウムを取り巻く暖かい繋がりが、人の良心を紡いで広がっていく物語です。暖かい気持ちになります。

    5
    投稿日: 2025.02.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1981年から40年間の姉妹のお話♩¨̮ 10年ごとに区切られている。 たくさん出てくる挿絵がとっても可愛い(*´꒳`*) 身勝手な親から逃れるため、そば屋さんで働くことになった理佐。仕事内容はそば屋の給仕と鳥の相手。 こちらのそば屋は石臼でそば粉を挽いており、水車小屋にある臼を守っているのがヨウムの「ネネ」。 音楽が好きなようでラジカセから流れてくる音を聴きながら機嫌が良くなる様子を想像すると面白い(笑)しかも歌っている(笑) そのうちCDプレーヤーに変わったりして時代の変化を感じた( ᴗˬᴗ) 母親と婚約者は置いといて、引越した先で出会う人が良い人ばかりで。なんだか凄くあたたかい気持ちになりました。 「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものです」 と、藤沢先生の言った言葉にいろいろ考えさせられた。人はやっぱり1人で生きていくことはできないし、誰かの親切で成り立っているのだなと。あと人との出会いも大切にしていきたいなと改めて思った。 分厚かったので読み終わるか不安でしたが、長さを感じさせずどんどんページを捲りたくなり読み終わることができました(*ˊ˘ˋ*)

    8
    投稿日: 2025.02.15
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    どことなく岩波少女文庫のような題名だが、ネネは水車小屋で飼われるオウム(ヨウム)の名。 ひとり親(母)のネグレクトにあった高校卒業間際の18歳の少女が10歳下の妹とともに独立し、新たな町で生活を始める。 1981年から2021年まで10年ごとに時の流れを刻んでいく。 人々の善意に支えられて育ち、生活してきた二人が周りにも善意を還元するという話なのだが、奇想天外な展開と作者独特の文体のおかげでわざとらしさは感じない。 鳥なのにほぼ人語を解し、独立した人格(鳥格?)をもつネネや水車小屋の石臼(で挽いたそば粉で打ったそば)が人々を結びつける絆となっている。 終盤で登場人物がいう、自分の人生は周りの人の善意からできている台詞に本書のすべてが込められている。 終わりの方で垣間見えるダイバーシティ的要素は余分な気もするが、幸せな読後感が味わえる佳作。

    4
    投稿日: 2025.02.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    長かったあ…やっと読み終わった。 あらすじを読み「しゃべる鳥」ってファンタジーか?と敬遠していたが、2024年の本屋大賞2位で気になっていたので読んでみたら、ごくごく現実的な内容だった。 読み始めると最後まで読み終えないと気になる質なので何とか読み切ったが、正直私は面白さを見出せなかった。 人との繋がりや温かさ、時を超えて受け継がれていくものを描いたというのは分かるが、淡々とし過ぎているのとあまりにも狭い世界で話が完結していて退屈してしまった。 また、一文一文が短すぎるのか、文章のテンポが私には合わず読みづらかった。 十年ごとにストーリーが描かれているが、どの時代の誰とも世代が違ったからいまいち世界観に入り込めなかったのかもしれない。

    5
    投稿日: 2025.02.12
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    山下理佐(やました りさ)は高校を卒業して、8歳の妹・律(りつ)を連れて家を出た。 賄いがあって、住むところがあって、という条件で就職したそば屋は、自分の水車小屋でそば粉を挽いていて、とてもおいしい。 川の音が聞こえる町。水車小屋でそば粉を挽く作業を見守るのは、ヨウムという種類のしゃべる鳥で、名前は「ネネ」という。 そば屋の給仕とネネの世話が理佐の仕事になった。 生活は綱渡りだけど、妹は本好きで賢く、そば屋の石田夫婦や、画家の杉子さん、律の担任の藤沢先生たちに助けられ、しっかり生きていく。 カバーのイラストがとても楽しい田舎の暮らしを描いていて、親とか家族に恵まれないつらい子供たちを優しく包み込むよう。 残念ながら、子供を育てるのに向いていない親というものは存在してしまう。「気持ち」というものが、本人にもどうにもできないこともある。 理佐も、聡(さとる)も、家族のせいで夢をあきらめなくてはならなかった。 しかし、後になって、何もかも投げ出さなくて本当に良かったと思えたのは、親の代わりに差し出されたたくさんの手のおかげ。 1981年から10年区切りで、2021年まで描かれていくこのお話は、「受け継がれていく物語」 たくさんの人の良心で育てられてやがて大人になった時、自分も誰かに手を差し出すことができる、人のつながりと、昔から受け継がれてきた粉挽きの技術を人の手から手へ受け継いでいくことと。古い家も手を入れながら大切に住み継いで行くことも。 ずっと続いていく、これは終わりのない素敵な物語なのだと思う。

    5
    投稿日: 2025.02.10
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    優しさが、人と人を繋ぎ、そして広がっていく。 本当に心が温まるお話だった。 そしていつもネネがそばにいる。 血の繋がりはなくても、どこまでも他人を助けることはできるし、そしてそれは相手を思いやるという前提を持って成り立つ。 出てくる人がみんな思いやりの心を持ち、支え合う。そして自分の足で立つ。やりたいことをやる。とても素朴に思えるかもしれない。 でもこれこそが今日この頃、失われつつあり、同時に大切にしていかなければならないもの。 自分は自分の生き方でいい。 急かすものは何もない。 支えてくれる人がすぐそばにいるというだけで、どれほど心を強く持てるだろう。 今そばにいてくれる人たちに心から感謝をしよう。 私が買った本は、カバーが二重になっており、そのことに気づいたのも、本を読み終わったまさにそのタイミングでした。 表のカバーはシンプルにネネを中心に登場人物が描かれていたものでしたが、下のカバーは理佐と律が街に降り立った始まりのシーンからの情景が時系列に、鮮やかに描かれており、そして各シーンに必ずネネがそばにいるものでした。 これを観た瞬間、物語の全てが頭を駆け抜け、同時に心が満たされるようでした。 本当に心が温かくなる一冊。出会えて良かったです。 この本は紛れもなく、私の友達です。

    2
    投稿日: 2025.02.09
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    良すぎた。 律の話し方が綺麗で好き。 世界観が優しくて何度も涙ぐむ。 穏やかで確かな1日を過ごしたい。 周囲の人たちに親切に生きること。それだけで自分を生きていける。

    6
    投稿日: 2025.02.07
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    読後の温かな余韻をいつまでも味わっていたいなと思いました。 のっけから辛い生い立ちだけど悲惨でドロドロになることなく、かといってかわいそうかわいそうとなることもなく、その状況の中にあってはわりかしたんたんと少しのあたたかさと共に流れてく。そういう受け止め方っていいなと自分のこれからの生き方のお手本にしたいなと思いました。親のことは選べないけれど生まれたところで精一杯生きていればきっと手を差し伸べてくれる人々がいる。助ける側にまわる時だって助けてやるんだと肩肘張ることなくさりげなく出来ることをすればいいんだと思えました。登場人物一人一人のように優しくあたたかくいつづけたいなと思いました。

    1
    投稿日: 2025.02.06
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    思わず「私も仲間に入れて!」と言いたくなるような素敵な物語でした。 ネネとお喋りをしてみたいし、挽きたてのそば粉で打った蕎麦も食べてみたい。 理佐と律の暮らしぶりは貧乏生活そのものだったと思いますが、周りの人たちとの関係を少しずつ築きながら、二人で精一杯毎日を紡いでいる様子が愛おしかったです。 "出会いと別れ"が非常に丁寧に描かれており、人との関わりこそが、自分を強く優しくしてくれるんだなぁと思わされます。 あと、表紙のイラストと挿し絵がまた良いんですよね〜。みんな可愛い。みんな好き☺︎

    28
    投稿日: 2025.02.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    素晴らしい作品でした!「好きな本は?」って聞かれたらすぐに本書のタイトルを言いそうになるぐらい、よかったです。私の好きな本ベスト5に間違いなく入ったと思います。 遅ればせながら津村記久子さんについて、「あれ、この小説家、すごいかも」と思い始めてまだ少しで、読んだ作品もまだ本作で3冊目(たぶん)ですが、本当にすごい作家さんだと確信しました。 「エピローグ2021年」を読み終わる頃には、なぜか涙がとまりませんでした。自分でもよくわからないけれど、感動の涙だったんだと思います。 このお話は「第一話1981年」から始まります。姉の理佐が妹の律を連れて、母親の婚約者と、その婚約者が律にする虐待をとめもしない母親から独立するところから始まる40年間のお話です。 18歳の理佐を雇い、住む場所まで安く提供してくれたそば屋の守さんと浪子さん。そのそば屋のためのそばの実をひくための水車小屋で臼の番をするヨウムのネネ。絵描きの杉子さん、律と仲良くなる寛実とそのお父さんの榊原さん。そして、律の担任の藤沢先生。周りの人の当り前じゃないかというような優しさと思いやりと親切で姉妹の生活はなんとかなっていきます。自分で考えることをやめ、男に頼るようになった母親を責めるでもなく(この母親についての描写には、はっとさせられました。ニュースで見聞きするつらい事件の裏側にはこんな事情があったのかもと思ったりしました)、扇風機や冷蔵庫を買うにも切羽詰まった状況でありながら、悲観せず、イライラせず、投げやりにならない。18歳で独立を余儀なくされ、妹まで養わないといけないという状況だからこそか、妙に大人びた理佐ですが、生きていくという意味ではすごく賢いし、とても素直な人であることが、理佐の思いや言葉の端々からわかって、それと、理佐の鷹揚さが、結果的には周りを引き寄せたんじゃないかとさえ思いました。 物語の中心には水車小屋のネネがいます。驚くほど賢く、登場人物とネネの掛け合いはいつも楽しく、そこにはいつも音楽があります。周りの人が姉妹とつながるきかっけにも、触媒にも接着剤にもなるのがネネでした。 姉妹とネネと、その周りの人たちの月日は淡々と流れます。 杉子さんとの関係には涙涙でしたし、理佐は聡と出会います。守・浪子夫妻がそば屋をやめる時もきて、その時、そば屋を継げなかったことを謝る律の誠実さに感心しました。それだけでなく、律は大学へ行くようにと熱心に進めてくれ、資金の援助までもを申し出てくれる藤沢先生へも誠実に断っています(その後、一度社会に出て、大学に行くことになるのですが)。自分の思っていること、考えていることを感謝の念とともに相手に表すことって意外と難しい気がしていて、律の誠実さとともに感心しきりでした。 大きな出来事が起こるわけではありませんが、40年という月日のなかで去ってしまった人もいれば、新しく出会った人もいて、姉妹の周りはずっと「優しさ」が循環しているようでした。 たとえば、研司。出会った当初、生活力のない母親と困窮した暮らしを送っていたのですが、律だけでなく、理佐や聡、その他にも周りの人が当然のように彼を支えていきます。 確かに姉妹は周りが良い人たちばかりで、だまされたり搾取されることがなく、どうにかやってこれましたが、それを当然のことと思わず、どこかに還元しようという思いがあるのか、決して押しつけがましくなく、研司に、まるでこれまでの恩を返すように、手を差し伸べます。すると、今度は成長した研司が、震災で傷ついた東北の人々のために故郷を出発します。 藤沢先生は言います。「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」と。 誰かの親切が誰かにつながっていく、そのつながりはずっと続いていく、そんなお話でした。 できるだけ自分たちだけが多くを得て、富んで、楽をして、というような大きな経済の波に飲み込まれている私たちにとっては、理想的だけれどちょっと現実的でもなく、でもやはりうらやましいと思う素敵な世界観ではないでしょうか。ギブする心があり、それが自然とできている、あるべき社会がこの物語の中にありました。 姉妹の40年間のお話です。大きな何かがあるわけではないし、ドキドキハラハラするようなこともないので、好みはわかれるかもしれません。私にとっては、2025年で一番の(まだ2月!!)読書体験。晴らしい作品でした!

    57
    投稿日: 2025.02.05
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    10年ごとに語られる2人の姉妹の話 SNSで自分と幸せそうな人を比べて、どんどん辛くなっていく現代人が多いからこそ、こんな風に人生を1歩1歩歩んでいる2人の姉妹の話が沁みる。 沢山お金を稼いで楽な生活をしたり、イケメンと結婚して幸せな生活をしたり、、といった幸せではなく、周りの人の良心に触れ、自分が与えられたものをまたほかの誰かに与えようとする、人間の中で一番大事な気持ちを養える小説。 表紙に引かれて購入したけれど、小さい2人の姉妹らが人生を歩んでいく姿をみて勇気を貰えました。

    1
    投稿日: 2025.02.03
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    特に大きな事件はない。けど実直に人生を歩んだ姉妹とその周りの大人達とネネの日常がじんわりと温かく優しく、おしまいが来ないで欲しかった。

    1
    投稿日: 2025.02.02
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    1981年から2021年まで40年間の物語。 とっても良かった。 最初手に取って時、本の厚さに一瞬怯んだのですが、読み始めてみたら、この世界に長くひたらせてくれる分厚さに感謝していました。 なんとなくだけど、昔赤毛のアンが好きだった人はハマるんじゃないかな。私は今も好きで本棚には全巻が並んでいます。 18歳の姉は、身勝手な母親に愛想を尽かして、ネグレクトを受けていた8歳の妹を連れて家を出ます。まるで知らない土地に飛び込んで、水車小屋のある蕎麦屋で働きはじめるんだけど、まわりの大人たち、押し付けがましさのない絶妙な距離感で2人を静かに見守っていてくれて、それがとてもいいんです。おしゃべりをする鳥のネネもかわいい。 今回は図書館で借りて読んだのですが、この本は手元に残しておきたいので、文庫が出たら忘れずに買おうと思います。

    4
    投稿日: 2025.02.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    姉妹の40年間の人生を書いた本 姉妹や、周りの人々の温かさや親切さが感じられ優しい気持ちになった 長い年月の中で、大切な人達との別れや新しい出会いから物語が広がっていく所も感慨深かった ヨウムのネネが賢くて、音楽が好きで水車小屋に居る世界観が良かった

    2
    投稿日: 2025.02.01
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    よく考えたら、ネネもいくつかの別れを経験してきたのだ、ということに律は思い至った。最初にネネをもらい受けた、育ての親であるとも言える益ニ郎さんをはじめとして、杉子さんも、守さんも、ネネにとって大事な人たちだったはずだ。

    1
    投稿日: 2025.02.01
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    1981年から始まる物語。こういう人の縁がどんどんつながっていくことって、そんなに稀なことでもなく、実は身近にあるなと感じることも。最後の終わり方にホッとしました。年末年始に読むにはちょうどよい、読み応えと、ホッとする挿絵が楽しめる、良い本でした。 2025/1/9読了

    3
    投稿日: 2025.01.31
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    分厚くて時間かかったけれど、優しい世界にゆっくり浸れました。 生きがいのヒントになりそうな物語。 人を助けるっていいな。自分にできることって何かしらあるもんだなと思いました。 「次は自分が誰かのためになりたい」って思う気持ちが自然と高まっているような時、自分の幸福度も高まっている気がする。 そして何よりネネ(喋る鳥)がユーモラス。飼うの大変そうだけど、近い存在にいたら楽しそう♪

    0
    投稿日: 2025.01.31
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    どんな内容なのか、何の情報もなく読んでみたら、まさかタイトルのネネはヨウムだったとは…! とても長い物語だったけれど、読んでいる間はなんだか終始幸せな気持ちになれて、残りページ数が段々となくなっていくのが惜しまれる、そんな作品だった。 私もこんなふうに誰かの力になれるような生き方をしたいなと思えたし、周りの人を大事に思いながら生きてこれてる?と自問してしまう。 なかなか今の時代に、この物語のように地域のコミュニティなどでこんなふうにお互いを思い合って暮らしていくって現実的には難しいかもしれないけど、実現したらそれはすごく素敵なことだと思った。

    2
    投稿日: 2025.01.29
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    ページ数を感じさせないくらいスラスラ読めた。 ふたりを取り巻く人たちが温かかった。 姉妹の関係性も大人になるにつれて 少しずつ変わるかと思ったら、根本的なところは変わらず、あぁこういう姉妹いいな〜と思ってしまった。 どなかが書いていたが、本当に朝ドラのような物語で、気持ちよく読めた。

    1
    投稿日: 2025.01.27
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    理佐と律という姉妹と彼女たちが関わる人々そしてその人々をつなぐ喋る鳥ネネの40年にわたる物語。 互いに思いやり、支え合いながら生きていて素敵な人間関係にあふれている。姉妹だけでなく関わっているそれぞれの人たちを応援したくなる 。 心が温かくなる物語だった。

    1
    投稿日: 2025.01.26