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水車小屋のネネ
水車小屋のネネ
津村記久子/毎日新聞出版
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総合評価

745件)
4.2
297
279
127
12
2
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    長編小説、読了出来るか不安だったけど、時の流れに乗ってスイスイ読み進めることが出来た。妹思いの姉としっかり者の賢い妹。そしてまたびっくりするほど利口なヨウムのネネ。 楽しいお話だった。

    1
    投稿日: 2025.01.26
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    あたたかくて優しい世界に浸れる作品。家を出た18才の姉と8才の妹。お蕎麦屋さんでヨウムのネネと働きはじめた姉は周りの皆んなに助けられながら、妹を育てていきます。人との繋がりを大事に生活している2人の姿は少し昔の日本を思い出しました。1981年から2021年までを描いた500ページ弱の長編。前半はどうなるのか先が気になったけど、後半は少し単調に感じてしまって、読むのに時間がかかりました。

    16
    投稿日: 2025.01.24
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    長編小説で、読破するのに時間がかかりそうだと思っていましたが、とても読みやすい本でした! 喋るインコとお世話をする姉妹、その日常を頭の中で想像しながら読むのが楽しかったです。 物語の中で姉妹の成長を見られたのも楽しかったです。 姉妹は周囲の人に助けられて生活して、姉妹が大人になると、誰かを助けてあげている。人の優しさや温かさが良く伝わるお話でした。

    1
    投稿日: 2025.01.24
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    前半の展開にはハラハラして続きが気になったけれど、後半は穏やかすぎて私には少し物足りなく感じてしまった。でも周りの人々の温かさや、助け合うことの意義深さを感じられる作品でした。

    3
    投稿日: 2025.01.23
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    ネネがとってもかわいい!こんなに会話ができるものなのかと調べてしまいました!1番賢い鳥なんですね!そして長寿!出てくる人がほぼ優しい人達でほっこりします。癒し系の本が読みたい方にはとっても良いと思います!

    3
    投稿日: 2025.01.23
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    良い意味でも悪い意味でも何も起こらない平凡な日常が描かれている。最初面白く読んでたけど途中から退屈した。私には良さがあまり分からなかった。

    1
    投稿日: 2025.01.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大賞受賞作"成瀬"に続く、本屋大賞2位の作品! ページ数が多く時間がかかったが、ようやく読み終わった。 大賞選考員の書店員さん達も読むのが大変でしたね。 1981年から10年ごとに2021年までの5章あって、10年ごとの変化がわかる。 2011年では大震災、2021年ではコロナ禍の話題が出てきて、だからこの年にしたのかと思った。 正月早々に読んだ「両手にトカレフ」に似たバカ親の家に生まれた不幸な境遇の姉妹が主人公なのだが、 姉が18歳の時から物語が始まるので、それまでの様子には少ししか触れられていない。 姉が高校を卒業して、この家にはいられないと、10歳下の妹を連れて家を出る。 現実には考えにくい状況だが、周りの人たちに助けられ悲壮感はない。 水車小屋のヨウム"ネネ"の存在も雰囲気を暗くさせない要素になっている。 物語は10年ごとで40年の期間があるので、亡くなってしまう人達も出てきてしまう。 途中で、ネネも死んじゃうのかな?と心配になったが、物語の最後までなんとか生き延びさせてくれた。 動物を飼っていると、日常の生活に制約ができる。 ブク友さん達も猫好きの人が多いので、猫ちゃんのために旅行を我慢している人もいるんだろうと思った。 誰がネネの相手をするのかという観点で、いろんな人がネネを通して繋がっていく。 あまり大きな展開は無く、いつまでも平凡な暮らしが続くという、人生ってそんなもんだという物語ですかね。 本屋大賞2位の理由がよくわかりません。 まあ、誰もが一人では生きていけないのだから、助け合って生きていこうとは思いました。 相手は人だけでなく、一緒に暮らしているヨウムともね。

    47
    投稿日: 2025.01.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    おもしろかった。 とてもやさしい物語で、とてもよい読書体験だった。 律は幼いときからとてもしっかりしていたのに、微妙な自己肯定感の低さがあって、 やはりそれはネグレクトの影響なのだろうかと思いながら読んでいた。 それでも研司クンとの交流を通じて、そして藤沢先生の支え、導きもあって、 自分なりの道を見つけて進んでいく様は、とてもよかったし、ネネではないけれど 「頑張れ!」と言いたくなった。 藤沢先生は頻繁に登場するわけではなかったけれど、律をずっと支え続けてきた人で、 とても印象に残った。 律が河岡さんと別れたあと、藤沢先生を訪ねる。その時の先生のはなし。 誰かの助けになるということを自覚することで、生き方も変わる。そのきっかけが 山下姉妹だった。良好な人間関係というのはお互いに良好なはずであって、 一方的ということはない。そういうことを、当たり前と言えば当たり前なのだが、 ふと考えた。そして、僕の存在も誰かの助けになっていれば、それは僕の幸せでも あるのだなと感じた。 律に「あの、元気でいてくださいね」と言われて噴き出すように笑う藤沢先生。 30年前、8歳だった頃から知っている自分のかつての生徒にそう言われて、 何だかおかしかったのだろう。そして、きっと、とてもうれしかったに違いないと 想像して、ほっこりした。 あと、ラスト近く、姉妹が商工会議所でコーラス会用のコサージュを作っている 場面での2人の会話がとてもよかった。律が理佐に「律はいい子だったしさ」と 言われるところ。無謀な?姉の決断から始まったこの物語。ずっと支え合ってきた 姉妹のこれまでを思って、涙腺がウルウルとうなり出してしまった。 そして、ネネ。愉快すぎるわ。 懐かしいアーティストの名前がたくさん出てきたのも個人的には楽しかった。 モグワイはよく聴いていたし、自分の人生の中でもお気に入り。 ネネは最初はボーカルパートが少なくて苦戦(笑)していたようだけど、 10年後に「ネネの好きなモグワイ」というワードがあってニンマリ。 ネネ、さすがわかってる~

    3
    投稿日: 2025.01.18
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    あーこういう本こそ新年早々に相応しい。世の中捨てたもんじゃない。自分が無償でしてもらったあらゆる事を次の人へお返しするペイフォワード精神。あったかくて優しいが溢れていた。ネネ賢くて癒し。最初から最後まで穏やかな空間が広がっていく。

    19
    投稿日: 2025.01.16
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    年明け一冊目に読む本は、優しい気持ちになったり感動するような話がいいなと思い、2024年本屋大賞の第2位に選ばれていたこの本を読みました。 私は1981年が一番好きなお話でした。 いつまでにお金を積み立てて冷蔵庫を買おう、次は扇風機を買おう、次はストーブを買おうなどと、二人の生活が現実的に日々少しずつ進んでいく過程がよかったです。 周りの大人たちに助けられる立場だった律が、大人になって新しい出会いがあり、自分がしてもらったように周りの人を助ける、この循環がとても優しい気持ちになりました。 全ての年代の話を通して、ネネとみんなの掛け合いが本当によかったです!!

    0
    投稿日: 2025.01.13
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    2025年1冊目。時間かかってしまいましたが、楽しくのんびり読み切ることができました。 不遇な姉と妹の一生を描写出来て、色々と共感できるところもあり、いい小説でした。 世間一般的には親が離婚したり散財したりして教育費や養育費が払えない家庭環境で行きたい学校にも行けなくなる事は、その時は不遇とか不幸とか考えてしまうかもしれない。 ただ本人達は今を生きて幸せと感じて、生きがいがあったり御縁があったりその環境でなければ出会えない人であったりと、何も不幸とは感じてない可能性がある。そりゃ金があった方がいいけど…金が無くても得られるものはいっぱいある。 人それぞれの価値観があり、今を一生懸命生きること、人の助けになること、感謝されることを当たり前にやってれば人生何とかなるんだろうなと思わせてくれました。良い物語でした。 ヨウム飼いたくなりました!!

    15
    投稿日: 2025.01.12
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    高校を卒業したばかりの姉と8歳の妹が家を離れ、ある田舎の街で生活を始める。 その人生の中で関わる人々と、水車小屋のネネというヨウムとの人生の物語。 ものすごく良かった。 淡々とした文章の中に、人々の感情が押し寄せてくる。 人は誰かと支え合って生きている、そんな当たり前のことが改めて心に刺さるストーリーでした。 読み終わった時に、自分と関わる人全てにありがとうと言いたくなる、そんな気持ちにさせてくれる素敵な物語でした。

    2
    投稿日: 2025.01.10
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    2025年最初の1冊。理佐と律という10歳違いの姉妹が独立し周りの人に助けてもらいながら生きていくお話。 帯にもあった「誰かに親切にしなきゃ人生は長く退屈なものですよ」という言葉と終盤に研司くんが律に話す言葉が胸に響いた。 姉妹の四十年が綴られた長いお話。読み通せてよかった。

    2
    投稿日: 2025.01.05
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    おしゃべりなヨウムのネネを中心に、姉妹がいろんな人と出会い成長していく心が温かくなる物語。 人と人が助け合いながら生きていて、それってすごく大切な事だなと思いました。

    31
    投稿日: 2025.01.03
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    ネネの周りに集まる人たちの日々と成長。温かい気持ちになれる作品。でも、世の中、みんなが困難から立ち直れるわけじゃないよね。

    1
    投稿日: 2025.01.02
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    人と人の良縁のサイクルと温かい人柄に包まれる物語でした。 自分を大切に。そして人に温かく接する心の余裕を持とうと思いました

    8
    投稿日: 2025.01.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    10年毎区切りながらある田舎で暮らす姉妹を描く。大きな出来事らしいことはなく穏やかに過ぎていくけど、その中には人からもらった優しい気持ちを繋いでいくことがテーマなのかなあと感じる所がいくつか。もらうばかりでなく、こんな気持ちを繋いでいける自分でありたいよね。 作中に出てきたワードだけど「川」みたいな話だったのかも。 昔住んでいた都会について「にぎやかでなんでもあるけど川の音がないなって思う(中略)どことなく物足りなくて、ずっといる所じゃないなと思ってね」がすごく分かる。 「自分が元から持っているものはたぶん何もなくて、そうやって出会った人が分けてくれたいい部分で自分はたぶん生きてるって」

    1
    投稿日: 2024.12.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    もうこれ、連続テレビ小説にしたらどうですかってくらい完成度が高かった。幼い頃の2人が成長して、次世代に水車小屋とネネを引き継いでいくのが本当に心温まる。最高の人間ドラマを見せてもらった。

    1
    投稿日: 2024.12.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ヨウムのネネが可愛い。40年以上もともに生きて、少しずつ家族が亡くなりながら、いろいろなことを感じて生きているんだろうなぁ。仕事をしたり、九九や受験勉強の相棒になったり、人の半生を共にしてくれるなんて尊いなぁ。 この本を読み始めた私が落ち込んでしまったほどに、理不尽で辛い環境に置かれた姉妹を、助けたり気にかける人たちが現れて、また似たような環境の人を気にかける人たちが現れて、優しさと愛が循環している40年間の世界を見られてとてもうれしかった。

    5
    投稿日: 2024.12.29
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    ボリュームありました。がんばって読みきりました。なんといっても装丁と挿絵が良い。ともすれば暗い話になってしまいがちなのに、挿絵がすくってくれます。壮大なお話でした。懐かしいような、現代的のような。楽しませてもらいました。装丁と挿絵の大勝利。

    3
    投稿日: 2024.12.28
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    理佐18歳と律8歳の姉妹は、身勝手な親の家を出て、2人だけで生きていくことにした。 知らない町で、水車小屋に住む賢い鳥のネネやそば屋の夫婦をはじめ、周りの人達に姉妹は支えられ、そして支えながら生きていく40年の月日を温かく綴る物語。

    0
    投稿日: 2024.12.27
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    今年も終わりになって読み始めるたけれど、今年一の本になる。理佐と律、毒親から家を出て暮らし始める。2人の生活をする為に理佐の選んだ仕事は「蕎麦屋と鳥の世話じゃっかん」でそこにネネいた…そこから40年に渡る姉妹とネネ、そして2人を暖かく見守る人達との物語が始まった。ネネはまるで人のようで「そんなアホな」と現実離れしているようだけど、2011年の東日本大震災、2020のコロナ禍と現実の世界と乖離している物語でもない。最後にはネネが…という終わり方で無かったのも良かった。

    1
    投稿日: 2024.12.26
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    とてもよかった。温かい気持ち。 ネネ、律(りっちゃん)、理佐、杉子さん、浪子さん、守さん、藤沢先生、聡くん、研司くん、榊原さん、寛実。たくさんの登場人物が出てくるとても長い話。 2001年くらいから加速して読み進んだ。それも、そこに辿り着くまでに起きた長い間のことを知ってるからで、どこも必要のない過去なんてないのだと思わされた。長い長い時間をかけて紡がれていく関係が素敵だった。 たくさんの人に助けられ、またその人たちが、たくさんの人を助ける人になっていく。優しくて勇気のある人たちの話。

    17
    投稿日: 2024.12.26
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    出会いと別れを繰り返して人は生きていく。 当たり前の事だけれどこうして数十年の時の流れを見つめているとそれを感じざるを得ない。 水車小屋、ネネ、律といった変わらずあるものたちが過ぎていく人々と重なっては離れていく繰り返しの良い対比となっているなと思った。 でもそのものもいつかは離れていくのだなと思うと長編小説だけれどまだまだ続きを読んでいたいと欲深くなってしまうのだ。

    5
    投稿日: 2024.12.26
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    今年読んだ中で一番よかった。 派手さはなく地道に着実に何かを積み重ねていくようなお話で、姉妹の人生の厚みを感じた。目を引くような展開はないのに読んでてなぜか泣いてしまうという… うまく言えないけど、とても高度な小説だと思う。 あと個人的にジェンダー的なアレの差し込み方が巧いというか、これを差し込みとか巧いとか言っちゃう自分が偏見まみれの人間なんだなと思わせられるくらい自然に描かれていて、世のエンタメ全部こうであれと思いました。露骨さがない。 ネネの賢さがちょっと現実離れしてたけどヨウムってほんとにこんななのかな?フンの描写とかあればもっとリアリティ感じられたかもな…

    1
    投稿日: 2024.12.25
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    長い年月を書いた物語。 何でもない日常を書いているのだけれど、その中に人との関わりの温かさや、繋がっていく優しさがあって。穏やかな気持ちで読み進められた。 エピローグもとっても温かい場面が描かれていて、当たり前が幸せで涙が出そうになった。

    7
    投稿日: 2024.12.23
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    読み終えた、、、、達成感!!!!!! ネネって誰??て読む前は思ってたけど、 読んだらこの物語はネネなしじゃ進まないお話でした。 イラストも入ってて、表紙カラフルだな〜としか思ってなかったけれど、読んでからイラストを見るとほわぁ〜。てする♪ みんな優しい人が支え合ってるので、優しい気持ちに浸りたい方におすすめの本です♪

    15
    投稿日: 2024.12.22
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    仕事を辞めてこれからどうしようかと迷えるいま、出会えてよかったと思える一冊だった。 30代終盤へ向けられた「十分に大人になったと思えて、やらないといけないことをやり始めるのがそのぐらいなのかもって」「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」という一節が印象に残っている。 まだまだ私は子どもで人生は短いと感じている。あと何年かしたらそのフェーズにたどり着けるのかな。 日々の営みをつつがなく続いていくこと、身近な人と優しさを持ち寄ること、当たり前のようで簡単ではないことだと思う。私はそこから始めていきたい。

    2
    投稿日: 2024.12.19
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    いろんな所にポツリポツリと心動かされる言葉があり、淡い色の世界だけど輪郭がハッキリしているお話 終わりの方で、今まで食べた中で一番美味しいお蕎麦がどんな風に美味しいかをたとえた言葉が好き

    1
    投稿日: 2024.12.17
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    2人の姉妹が知らない町にやって来て生きていく、普通の日常を描いている。何が起こるわけでもなく、淡々と時間がすぎていく。それがとても心地よく自分のなかで流れていく。誰かの役に立ちたい。その気持は時に押し付けがましくなってしまうのではないかと怖くなるが、暖かく見守るだけでいいんだと思う。自分は一人じゃないと思えることで前を向ける。

    1
    投稿日: 2024.12.14
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    姉妹を中心とした静かな生活を長期に渡って描いた作品。描写は丁寧だか、行間は読者に委ねられているように感じた

    0
    投稿日: 2024.12.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    長い。初期設定は奇抜だけれど、その後は大きなエピソードはなくて淡々と生活して淡々と時間が過ぎていく優しい人達の物語。 自分の居場所は自分で選び取っていくことの大切さ。優しい場所に人は自然と集まってくる。 自分が受けた親切を他の人に渡していくとこんなに優しい世界になるんだよっていう「世界は贈与でできている」の小説化!といった感じ。 10年毎に時間が区切られているのが新鮮だった。 みんな大人になったり年老いたり、仕事を変わったりしているけれど、だからといってそれが物語に変化をもたらしていない。物足りないようでいて、人生ってだいたいそんなもんだよねぇと思える心地よさは、やっぱりそこにいる人達の優しさのせいなのかな。 律が同性を好きな件。唯一びっくりした箇所。ほんの少ししか触れていなくて、それなのに寧ろ印象的だった。特別なことじゃないよという事かな。

    0
    投稿日: 2024.12.13
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    すっごく良かった。穏やかな気持ちで一気に読み進めた。水車の回る音や川の音が常に聞こえてくるような、時間の流れがゆっくり過ぎるような、そんな世界だった。真剣に、誠実に生きた人たちとネネの物語。

    7
    投稿日: 2024.12.11
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    ネネが何者かも知らずに読み始めるが、それを知る前に惹き込まれるストーリー。最後まで優しい。そこまで辿り着けたイラストの存在は大きい。序盤の姉妹の苦境に、きっと文字だけでは堪えられなかったように思う。

    5
    投稿日: 2024.12.10
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    5月に図書館で予約して忘れた頃に順番が来た本作。私ごとですが本を受け取った数日後からインフルにかかり、その傍ら読み切ることが出来ました。病気療養中ののんびりした時間だからこそ読めたな…という感想です。 人との関わりや登場人物の成長、とにかく読んでる間は心地良くて一緒に蕎麦屋や水車小屋にいる気分に浸れる。全体的に空気感は嫌いではなかった。 他の方も書いている通り、非常に長く日常がゆったりと流れる本作。10年ごとに区切られるのも新鮮で面白いが、長さの割には受け取るメッセージは少なめ。 私は生まれてこの方田舎に住んだことがないので全て想像になってしまうが、田舎暮しを美化しすぎと感じた。主人公姉妹の母親とその婚約者が近年稀に見るほどのクズ人物であるのにかかわらず、その後に出てくる新キャラは害のない人達ばかり。もちろん自立のために姉は奮闘したと思うけど、周りの人が良い人たちでそれに支えられたのが大きい。一言で言えばやさしいせかい。

    9
    投稿日: 2024.12.09
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    あとがきで筆者の津村さんがコロナ禍にウイルスの脅威のない時代の本を書いていられたのは幸せたったと書かれているのが印象的。 コロナ禍で、地域の人との繋がりを絶たれて先の見えない時代になってしまった今。 人々が地域で助け合い支え合いながら暮らす風景は加速度的に減っていってしまっているのだと思う。 理佐と律の姉妹をはじめ、様々な人々が助け助けられ、また次の世代に手を差し伸べていく40年間。 こんな素晴らしい助け合いは今でも存在するのだろうか…と感動する反面寂しさも憶える。 けれども… 私の中で惹かれたのは 「山下さんのお姉さんが現れて、自分の生徒と一緒にすごく思い切った生活を始めて、本当に心配でたまらないけれどもなんとか暮らしを立ち行かせようとしているのを見て、自分がその手助けができるんだとわかった時に、私なんかの助けは誰もいらないだろうって思うのをやめたんですよ。」 という藤沢先生。 自分ができることなんて何もないとついつい思ってしまうけれど、やっぱり「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ。」という藤沢先生の言葉通りなのかもしれない。 私自身は目の前の子育てで必死な毎日。 それでも、子ども達に支え合いながら生きていくことの素晴らしさを伝えられたら…と思う。 人々を見守るヨウムのネネがなんとも可愛らしい。誰よりも人々を支えていたのはネネだったのだろう。 最近、ペットロボットが人気とのことだけれど、生きているからこそ身の回りの世話などを通して関係性が築かれるのではと思う。 お年寄りにはロボットでもいいのかもしれないけれど、子どもにはリアルの動物との関係性を学ぶ機会がたくさんあってほしいと願う。

    21
    投稿日: 2024.12.08
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    背景はかなり重いのに、何故かほっこり暖かい気持ちになりました プロコルハルム、クリムゾン懐かしい〜けど70年代前半、81年頃は各ボーカリストはアラン・パーソンズ・プロジェクト、UKで活躍してなかったかな?とちゃちゃ入れたりしながら楽しめました

    0
    投稿日: 2024.12.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まずはこの長編を読みきったことに達成感はある。人の人生を丸々詰め込んだ内容で、親に恵まれなかった姉妹の幼少期から大人になる間の描写をただ淡々と年表のように解説されたといった印象。物語にメリハリが無い為中だるみ感は否めない。人生山あり谷ありという事を思わせられる内容だった。

    1
    投稿日: 2024.12.04
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    図書館の本70 久しぶりの長編小説。本屋大賞2024ノミネート作品ということで手に取った本。 終始穏やかな雰囲気で話は進み、苦しくなる展開はないので安心して読める。 動物×長編小説 が実現できるのは寿命が長いヨウム「ネネ」ならではだと思った。 誰かの親切で自分ができている、というのは現実の誰にでも当てはまるなと思った。 今の自分が幸せだと思えない人でも、生まれてから今まで必ず一度は親切にされたことはあるな、と。 それをどういう気持ちで受け止めるのか、それを受けて自分は人に対してどう思うかという点を深く考えるきっかけになった。 長編小説ということで読了するのに時間がかかった。 続きが読みたくなるような急展開はないので、穏やかになりたいときに少しずつ読むのに適していると感じた。

    1
    投稿日: 2024.12.03
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    18歳で小さな妹を連れて、田舎の蕎麦屋さんに就職した理佐とその妹の律。そこでの仕事は蕎麦屋の他に大きな鳥の世話も含まれていました。鳥に特別な能力があるわけでもないのですが、ちょっとファンタジックに思いました。 ふたりとそこで出会った人々か10年後ごとに描かれていて、理佐や律の人生をずっと見続けている気持ちになります。してもらった親切をまた次の人に返す連鎖が人々を幸せにしていく、穏やかで心安らぐお話でした。10年ごとに歳をとっていく登場人物たちを見て、人生はあっという間なんだなあとちょっとセンチメンタルな気持ちにもなったりして…。

    3
    投稿日: 2024.12.02
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    とにかく長かった。個人的に主人公や聡の家族の話は生々しかったのに周りの人は良い人ばかりという差がハマりきれなかった。物語らしく引越し先にいい人ばかりなら家族ももう少しマイルドにして欲しかった。後半の震災のくだり以降は中だるみした気が。

    3
    投稿日: 2024.11.30
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    家族としての在り方、いろんな人に支えられ、助けられてることを知る小説でした。明るい展開もありますが、主人公姉妹がどのように生活を営むのか、どのように成長していくのか、幸せを読みながら願っていました。悪人は出てきませんが、人間の汚さをも感じられるところもありました。 ただ、一つ残念だと感じたのが物語の中心であるオウムのネネと最期までどのように歩むのか気になってしまいました。

    0
    投稿日: 2024.11.29
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    ネネと姉妹、支える人達と一緒に過ごせたような読書。人と関わって支えたり支えられたりして、繋がり続けることの尊さを教えてもらった。

    0
    投稿日: 2024.11.28
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    心が温まる、40年に渡る物語。みんな見守りあって生きてる素敵なお話です。舞台は長野でしょうか、そばが食べたくなりました。

    1
    投稿日: 2024.11.28
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    18歳の理佐と10歳年下の律が、わけあって独立(自立)する事態になった。勤務先の蕎麦屋では、ヨウムのネネがおり、水車で挽かれる蕎麦を監視している。理佐と律は周りの人たちに助けられながら生きていく姿を描く。1981年から2021までの40年間を10年刻みで描くことで、その期間に出会う人々の多さに気づき、人はやはり助け合いを前提にした生き物なのだなあと再認識する。いい人に出会うのは運もあるかもしれないが、本書ではほとんどいい人だ。たくましく生きる人々とその優しさにぐっとくる物語でした。 ヨウムの寿命は50年くらいとのことで、ネネもずっと人々に寄り添っています。

    6
    投稿日: 2024.11.27
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    この物語は過酷な境遇から飛び出し、 縁もゆかりもない土地で周りに支えながら成長していった姉妹が、その後誰かを支えていく40年の物語だ。派手さはないが利他で満たされた至福の40年だった。 とにかく賢く、そば屋の仕事もこなし、時には家庭教師にもなり、洋楽ロックを歌うネネに癒された! すぐに人を認識して、名前を呼んでくれるフレンドリーなヨウムだ。 行き場をなくした人たちはネネに頑な心を溶かしてもらい、ネネの世話をするようになる。 その中でネネを取り巻く水車小屋のコミュニティと繋がり、支えられながら自分の居場所をみつけていく。 居場所とは単なる物理的なものではなく、 誰かの優しさに触れたり、また誰かに優しさをわけることで、自然とできあがってくるものなのかもしれない。 本作はコロナ禍に書かれたものだという。 あの頃は世界中が不安で日本でも分断が起こっていた。 こんな時にネネのような存在がいたのなら。 このささやかな理想郷は著者の願いだったのかもしれない。 「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」 なるべく損をしないように。できれば得するように。自分の幸せを望むだけの人生は虚しい。 欠けたピースをみつけた気がした読後感だった。

    17
    投稿日: 2024.11.27
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    長い。2人の姉妹の半生をキーパーソン?であるヨウムのネネと一緒に丁寧に描いてる。長いんだけど、その長さもこの話には必要なんだと思う。 10年を一区切りに、その時代を姉妹の2人で生きてる姿が等身大で愛おしい。決して激動や艱難辛苦が書かれてるわけではない。でも漠然とした将来への不安がリアルで、自分とも重なるところがある。 周囲の人、特に女の人がとても優しく時に厳しく、姉妹を取り囲んで一緒に過ごしている姿がいい。 律の小学校の時の先生や、園田さんのお母さんはとても印象に残った。厳しいけど、心配しながら最低限の干渉でずっとずっと見守ってくれてる。

    29
    投稿日: 2024.11.26
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    やっと読むことができました。 予想より分厚い本でしたが、集中して2日で読了。 NHKの朝ドラを見終えた感覚になりました。 語り部は理佐さんだったり、聡さんだったり、最後の方は律さんになりましたが違和感なく、最後までこの姉妹の生活を見させていただいた感じでした。 あぁ、ネネに会ってみたい。

    6
    投稿日: 2024.11.24
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    大事件はないけれど、読み終えるとあったかい気持ちになります。人と人とのつながりが、少しずつ広がって繋がって長い時間になって、ひとりではないのだと思えます。

    1
    投稿日: 2024.11.21
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    誰かが誰かの心の中にいきている… この作品大好きだな♡♡ 人と人との繋がりや温かさが 装丁からも行間からも滲み出ていて こちらまで幸せな気持ちになりました 出会った人々から わけてもらった優しいが 自分の中に流れていて それが自分を生かしてくれている 自分が与えた優しさが 他の誰かにも流れていく… そうやって優しさの循環がたくさん詰まった作品でした♡ ネネとネネが大好きな人たちとの掛け合いが 可愛くてとっても癒されました

    1
    投稿日: 2024.11.21
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    分厚いし正直3分の2くらいまでは長いなーと思っていたのですが、読み終えてみてその長さがポイントだったんだなと思いました。 人生って物語みたいに大きく流れが変わるようなことが立て続けには起こらないし、むしろ小さいことの積み重ねだなと。でもその小さな積み重ねがいちばん難しい。

    0
    投稿日: 2024.11.18
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    ネネはかわいかったが、そんな賢い鳥がいるのかと思った。後半はもう少し展開が早くてもよかった。後半に盛り上がりがほしかった。

    0
    投稿日: 2024.11.17
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    ▼津村記久子さんは、かれこれ15年くらい前から大まか新作小説は読ませていただいていて。ちょっと遅くなりましたが「ネネ」読みました。感動。津村さんの最高傑作。・・・と思える新作を書いてくれる小説家さんの新刊と同時代を歩めるというのは、読書の快楽の極みかも知れません。感謝です。 ▼もう読後しばらく立つのでうろ覚えですが。1980年代くらいから2020年代くらいまでを描く物語です。コトバ使いなどから察するに、東京首都圏から数時間離れた地方都市、の、そこからまた小一時間離れた田舎町の話です。  18歳くらいの高校を出た女の子「理佐」がいて、母と、小学生の妹「律」と、暮らしている。母は離婚経験者、シングルマザーで生活は楽ではない。母に恋人ができた。この恋人、この男が大まかろくでもない。妹「律」に暴力をふるったりする。だが母親はこの男がいなくてはなにやらココロがもたないようで、守ってくれない。  そこで「理佐」は高校卒業と同時に、探し当てた地方の田舎町の蕎麦屋の「住み込みの店員仕事、ときどき鳥の世話」という仕事に就く。その仕事に就くことは母には言わない。妹の「律」を誘う。小学生の「律」も一緒に行く、という。  姉と娘が、ほぼほぼ徒手空拳状態で、家出同然で田舎町に行く。理佐は蕎麦屋の店員をやる。そば粉を挽くための水車小屋がある。そこで挽き具合を声出しアラートしてくれる、鳥がいる。賢い。オウムのようだが、ヨウム、という鳥の種類らしく、50年くらいでも生きるという。名前が「ネネ」。このネネの餌やりとか面倒見も、理佐の仕事の一部。  というわけで。  18歳の「理佐」と、小学生女子の「律」と、賢くて音楽が大好きな「ネネ」。大まかこの3人(2人と1羽)の、40年に及ぶ大河ドラマが始まる。 ▼とはいえ、そこは津村さんですから。津村節の範疇でしかオオゴトなんて起こりません。とにかくまずは、仕事があるとはいえ貧しい姉妹の日常のやりくり。財産関係のために後を追ってきた、ロクデナシの男と情けない母親との関係。そんなことろを淡麗に、ちょっとユーモラスに、距離感ととりながら適切に描きます。このあたりの「描き具合」が、透明度が増したというか、ホントに文章が、語り口がうまいなあ、と舌を巻きます。 大したコトは起こらないのに、 メイン人物たちの感情がくっきりと分かって、 共感出来て、 えらいことオモシロイ。 帯びや三行コピーでは、どうにも伝えられないオモシロサ。 ▼途中で何度も 「面白い・・・だけれども、これ、後味が悪い方向に、えぐい方向に行くのかなあ・・・それは好みじゃないなあ今の自分としては・・・」  と思いながらだったんですが、こちらの好みとしては万全、満点でした。 「ポースケ」以降くらいなんですが、津村さんの仕事の中でも、「ヒトの善意」という、か細く、密やかで、ささやかな、不可思議な営みそのものが主たる題材なんだな、という物語でした。本当に、ささやかな営みの連続で、飽きないし、泣けます。 理佐さんが良き人と、結ばれる予感になるあたりが、僕としてはいちばん泣きそうになりました。 ▼ただ無論、いちばん「ナイス!」なのは、やっぱり「ネネ」というキャラクターですね(鳥ですけれど)。 この発明が、言ってみれば 「津村記久子版、良い人だらけの人情噺」 とでも言うべき、なんだかこう、「カレーうどん」みたいな、 <それって両立させたら・・・美味しくないのでは???> と思えそうなメニューを極上にしているキモなんじゃないかと思います。 何というか、津村さんの魅力である、 「ロックンロールな、パンクな、エグくて苦くて爆笑でもある、  社会の既得権者へのあくなき徹底パルチザン、ドン・キホーテな味わい」 みたいな部門を、この小説の中ではネネという鳥の存在ががっちり担ってくれている。 ▼こんな凄いのを、いやほんとに3年に1冊・・・5年に1冊でも書いてくれるのなら、読者としては本当にありがたいです。 ※一方で、そういう、津村さんの世界観の地滑り的な拡張というか変化がありながら、メインキャラクターが「親子」という関係をほぼ持たない。そこの究極の保守的な社会的関係とは、切り離された中で色んな人たちと袖触れあって、肩寄せ合って、つまり大きなシステムとしては前例の無い、都市的なささやかな共同体の中で、自分なりの「しあわせ」をちゃんと諦めない物語になっていると思います。 ※つまりは、津村さんが「親子」という風景なりシステム?なりと、改めて向き合うとするならば、それは結構読者としてはスリリングそうだなあ、と、楽しみに?思ったりもします。

    15
    投稿日: 2024.11.16
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    日常の中で誰かのために何かしたい、優しくなれるそんなお話です。 りっちゃんのような境遇ではないけれど、自分も誰かの優しさに見守られて助けられて生きてきたんだろうなとこれからは自分がそうしていく立場になってきたんだなと思わせてくれました。

    1
    投稿日: 2024.11.15
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    水車小屋のネネ。 読む前は、どこかののんびりした小川の辺りにある水車小屋で、笑いながらすごす可愛い少女の話だと思っていた。 ネネは水車小屋で暮らす鳥だった。 その小屋に転がり込んできた、幸せとは言えないような姉妹。 そして、ネネと、姉妹と、彼らを囲む人々の生活が綴られる。 淡々と綴られる人々の暮らし。 「誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ」という思想が根底に流れている話だった。

    12
    投稿日: 2024.11.15
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    400ページ以上あるのにするする読めてしまいました。 本当に優しい優しいお話。 1981年から2021年まで10年区切りでとある姉妹とネネという鳥を中心にした人間模様が描かれています。 一人称じゃないのに登場人物それぞれを軸にした話にうまくなっていて、章ごとにそれぞれの視点で読めるようになってます。 登場人物たちがだいたい同年代ということもあって共感することも多かったです。 親切と良心に満ちた温かい世界。こんな風になったら、なれたらいいなと思いました。

    1
    投稿日: 2024.11.14
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    ネネがかわいくて癒された いままでヨウムっていう鳥がいることも知らなかったし、もちろん5歳児と同じ知能とか50年生きるのも知らなかったからびっくり 実際にYouTubeでヨウム調べたら現代のヨウムはアレクサと戦うことが多いんだとか。笑 お気に入りのシーンは先生とリサが話している途中にネネがタイミング見計らって気遣ってるシーン 長期間にわたってネネと姉妹を取り巻く人たちを追えたのが良い 感謝でつながる輪がそこにはあって、私はみんなに助けてもらってここまで生きてきたから私もなにかできることを、という考えがベースにあってみんな行動してる世界だったから実際の世界もそうだったらいいなと思う。

    2
    投稿日: 2024.11.12
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    とにかく分厚くて超長い本だけど、読む価値あります。なんかコレと言って大きな出来事が起こるわけではないんだけど、人と人との繋がりとか暖かさが作品から滲み出てて、あぁこんな関係性を私も町の人たちと作れたらなぁと羨ましくも思いました。

    2
    投稿日: 2024.11.11
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    優しい本。誰かが誰かをそっと気にかけて、そっと手助けして。みんなできる範囲で親切で。 私たちが誰かに手渡せるものが、ほんの少しでも多くの親切や優しさだったらいいなぁ。そんなふうに生きていきたいって思った。

    0
    投稿日: 2024.11.11
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    長かった〜。 皆さんの感想や評価を見て読んでみましたが、 私には合わなかったみたいです。 読解力が足りないのでしょうか? 今喋ってるのは誰? この文章は誰視点? と読み返す事が多々ありました。

    16
    投稿日: 2024.11.09
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    何も特別なことは起きないけど、素朴で飾らない生活とその町に住む人達の良心が描かれた小説でした。 ちっさいちっさい規模感で、人生の1部を見させてもらったなと。誰かが町に引っ越してきた、コーラス会があって練習をするんだ、受験勉強の手伝いをありがとう、服を作ってくれてありがとう、あそこの図書館いってたよ、とかとか。人生ルンルンとかじゃない、等身大の人の生活、ありのまま、この言葉が本作品には1番似合ってると思いました。 それと、良心で出来上がったという主人公だけど、ほんとにその通り!!今こんな風に自分がいることが出来るのも、全員の良心があってこそだよね。人との関わり、出会い、そこで溢れる人の気持ちは一生自分の中にあり続けるんだろうなと。 最後に、正直一人称が結構変わるし、淡々としてるところもあって読みずらいとも感じた1冊。だけど、どんだけ何週間も読めない時間があっても、気になってしまって読めてしまうのもこの本の魅力なのかなと思いました。なんか、カフェで友達とダラダラと人生語り合ってる感じ。またやりたくなっちゃう感じです。 分厚い本だけど、全然時間をかけて読んでいい本! 忙しくて読めない!って人こそ、あったかいこの話、読んで欲しいな、!

    3
    投稿日: 2024.11.09
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    小さな親切に皆支えられて生きている、ということがテーマ。私は受け取る側だった理佐と律の強さ、素直さがとても良かったと感じた。 理佐と律は小さな親切を素直に受け取ることができる。実父や義父の記述を見ると、なかなかそんな風にはいかないのが現実だよな、と感じてしまった。 姉妹の芯の強さや素直さが、どこから来るのだろうと気になってしまった。 何といっても理佐がすごい。さとるもけんじもすごい。皆、小さな親切を素直にもらって力強く生きている。私も小さな親切をたくさんもらって生きているんだろうけど、認識してるだろうか、素直に受け取れてるだろうかと顧みてしまった。 誰かに親切にしないと、人生は長すぎるって本当にその通りだと思った。誰かに親切にしていきたいし、小さな親切を素直に受け取っていきたい。

    10
    投稿日: 2024.11.09
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    内容(ブックデータベースより) “誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ”     18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉  ネネに見守られ、変転してゆくいくつもの人生――    助け合い支え合う人々の40年を描く長編小説  毎日新聞夕刊で話題となった連載小説、待望の書籍化!  令和6年3日~8日

    0
    投稿日: 2024.11.08
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    第21回本屋大賞第2位 第59回 谷崎潤一郎賞 第17回 啓文堂大賞文庫大賞 第21回 キノベス!2024 第3位 第4回 みんなのつぶやき文学賞 第1位 読み終わってまず感じたのは、出会った人に親切にしたいなということ。 本作は18歳の理佐、8歳の律の訳あり姉妹が、とある町で人々に助けられながら過ごした40年間の物語。 未熟な2人は、もちろん周りの大人たちに助けられながら成長をしていくことになる。 2人は素直にその幸運に感謝をして、自らも人に手を差し伸べる人間になっていくという。 じんわり優しさが波及していく様子が丁寧に、ゆっくりと描かれていて、つまり、とても長い^^; 素敵なのは、 律が自分は「これまで出会ったあらゆる人々の良心で出来ている」と思い、 律に助けられた研司も、「出会った人が分けてくれたいい部分で自分はたぶん生きている」 と述べているところ。 私もこれまで出会ってくれたたくさんの人の良心で今の私になっているのだと思うと、自分も人に親切をして誰かの一部になれたらいいな、と思った。 ヨウムのネネは終始癒しキャラでかわいかった。

    38
    投稿日: 2024.11.07
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    じんわり温かい話、表紙の可愛らしさ、温かい さそのままの世界観 手元に置いて定期的に読み直すと思う、お気に入りの本になった

    2
    投稿日: 2024.11.05
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    じんわりと温かさが広がって、ほっと息がつけて心穏やかになるような、そんな素敵なお話しだった。 出会った人がわけてくれたいい部分で自分はたぶん生きている、周りの人のいい部分が自分を作ってるって、そんな風に思える人生って本当に素敵なことだと思います。 律とお姉ちゃんと周りの人たちとの40年を一緒に過ごしているような気持ちになった。とっても大きな何かが起こる訳ではないけれど、それぞれが自分に起きた事に向き合いながら、周りの人にも助けてもらって、そして自分もいつかそれを返していくという、そんな素敵な循環が詰まっていた。 世の中の人たちがみんな、こうやって人と関わることができるようになれば、心穏やかに過ごせるのになと思う。ネネとネネが大好きな人たちとの掛け合いはとっても癒しでした!

    17
    投稿日: 2024.11.05
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    姉は妹の身を守り、自分の人生を守るため、高卒後に進学を捨てて、妹と共に暮らし始める。姉妹の40年にわたる物語。 彼女達の母・義父以外の彼女たちに関わる人々はみな親切で、彼女たちはその善意に支えられて成長し、暮らしてゆく。水車小屋のネネと過ごすちょっと風変わりで穏やかな日々。40年の間には、時の流れと共に周囲の人との関わり方も変わり、出会いと別れがある。その中でネネは変わらない。 ネネがずっとずっと長生きしてくれますように

    2
    投稿日: 2024.11.04
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    心があたたかくなる。ほんのちょっとの、でも奥深い優しさ、温かさに心が満たされた。 人のあたたかさに涙が溢れた。 まるで日本のヒュナム洞書店に来たような、街、村の人々の優しさを感じる 人生は回る。 誰かがやっていた仕事を、またはやろうと試みたことを、また新しい人が繋ぎ、それを繰り返し、少しずつ前に進んでいく。 人からもらった優しさを、また他の誰かに繋げる。そんなバトンパスが世界中のあらゆるところで起きていたらいいなと思う。 鳥,苦手だけど私もネネと友達になってみたい。

    2
    投稿日: 2024.11.04
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    かなり長くて途中で挫折しかけて放り出したが、ここでの皆さんの感想を読んで良い本だとわかり、また読み始めた。 2人姉妹が劣悪な家庭環境を飛び出し、肩を寄せ合って生き抜く物語と聞けば、何だか暗くて重い感じがするだろうが、この本は全く違う。 周りの人達の温かさ、善意が静かな環境の中で溢れていてこの姉妹を包み込んでいく。そして鳥のヨウムは人々に常に寄り添っている。 姉妹が当然のごとく一生懸命に頑張る姿を見ると,自然と人間の中の優しい気持ちが引き出されるようで、10年単位で世代が移ろうともその優しさが順に送られていく。今の日本に必要な恩送りの優しさ。 今もどこかで苦しみ、挫けそうな人に届いてほしいと切に思う。一人ひとりが、まずは近くの人へ。

    30
    投稿日: 2024.11.03
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    10年ごとに人生が進んでいく 何事もない日常のようだが 本人としては波乱万丈 元気が出てくる内容

    0
    投稿日: 2024.10.29
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    理佐18歳、律8歳の姉妹が親元を離れ2人で暮らし始める1981年から2021年までの物語。そば屋の夫婦と鳥(ヨウムのネネ)に始まりたくさんの人たちとの出会いが楽しく愉快で読むのが本当に幸福だった。母やその婚約者から受けたひどい扱いを、ただ悲しいと捉えず人との繋がりや親切にすることを大切に自分の居場所と時間を見つけ前に進む姉妹の生き方がとてもいい。とにかくネネがかわいくてお話したりお世話したくなる。みんな優しくてあったかくて大好き。北澤平祐さんのイラストが挿絵としてもたくさんありわくわくして嬉しかった。 それでも自分は、毎日やれることをやって、「手元に残ったもので生きていくしかないのだと理佐は思った。」 「そういう連中にばかにされない生活をしてるからって幸せだとは限らないし、ばかにする連中が幸せだとも思わない。」

    5
    投稿日: 2024.10.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    母の恋人によって、居場所を失くした8歳と18歳の姉妹が、田舎の風変わりな求人に応募してそこで自活をする。お蕎麦屋さんの業務に、そば粉を挽くための水車小屋に住まうヨウムのネネのお世話。 お母さんに自分よりも大切な何かがあるということは、子供の心に取り返しのつかない傷を残してしまう。「お母さんにも人生があるんだよ」なんて10歳の子供にそこまで言わせる生活。律は気丈で潔いけれど、年齢不相応の鎧だ。まだ身につけるべきじゃない。でも、悲しいことにそうしなければ生きられない子どもが溢れている。一番望ましい環境はあげられなくても、どうにか力になれないか。そういう大人たちが居てくれる幸運。 そしてそういう大人のひとりに成れるという幸運。 津村さんの書く人間関係は、ドライに見えてとても温かい。これ見よがしの親切じゃなくて、地に足のついた無理のない助け。背負いこむことも依存する事もない関係。それはヨウムのネネにも該当していて、ネネが仕事を持ち、個人個人との関わりを持ち、一員として役割を果たしている。寄り添うとはこういうことだなぁと思う。 読んでいて思い出した自分に関係してきた様々な人々に、こういう人になりたいと思える人が傍に居てくれる奇跡に、感謝が湧いてくる。私自身もこうやって支えてもらって今がある事を、この作品に明確にしてもらった。 「自分が本当に充分に大人になったと思えて、やらないといけないことをやり始める」「誰かに親切にしなきゃ人生は長くて退屈」という藤沢先生の言葉は、今の自分の実感を言い得ている。 作中の映画や音楽は知ってるものも知らないものもあったけど、蘇州夜曲とかレッチリとかクラシックとかが与えてくれたそれぞれの解放感が懐かしかった。「グロリア」を観てみよう。大切な人と一緒に。

    8
    投稿日: 2024.10.27
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    久しぶりに濃厚な小説を読んだ、って感じだった。飛ばし読みをしたくない、一つ一つを大切に読みたいお話。 色々な人に助けられながらなんとか生きてきた姉妹が、それを返すようにさまざまな人に手を差し伸べる。でもそれぞれみんな、単に「助ける」という感じではなくて、相手のことを思って「手を差し伸べる」という感じ、それがとても読んでいて心地よかった。

    0
    投稿日: 2024.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『自分は、これまでに出会ったあらゆる人々の良心で出来上がっている』という律の言葉に目頭が熱くなった。 自分の人生の不幸を嘆くのではなく、自分の幸せにフォーカスを当てて、周りの人や環境に感謝している律を見習わなくては!と思いました。

    2
    投稿日: 2024.10.26
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    18歳と8歳の姉妹が2人で生活を始めるところから物語は始まる。 まだ親の保護下で過ごす年頃の姉妹が、親に絶望し、親元を離れ、一生懸命に生活をしていく様子は、見ていて応援せずにはいられない。 2人が年齢を重ねていくと、あの2人がこんなふうにこの時代を過ごしていたのかと、親戚のような目線で感動してしまう。 タイトルにもある水車小屋のヨウムの「ネネ」は、姉妹の生活基盤である仕事のきっかけであり、お気に入りの曲や人との会話を楽しめるほど賢く、キャラクターとしてもとても愛らしく、癒される存在だった。 またネネをきっかけに生まれる、人との繋がりも素敵だった。 特別大きな事件があるような物語ではないが、姉妹が多くの人に出会い、優しさに触れ、人生の節目がありながらも、その土地で生きていく。 その様子が丁寧に書かれている、優しいお話だった。

    0
    投稿日: 2024.10.25
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     第4話2011年に律が川が流れる自然の力を動力にする水車に感心するという一文がある。それを読んで水車小屋がなぜこうもこの小説で重要な役割を担っているのか理解した。水車は原発依存へのアンチテーゼでもあるわけだが、そこで挽いた蕎麦粉の蕎麦を食べに来るのは役所と発電所で働く人々。彼らは新鮮な蕎麦粉で打った蕎麦が美味しいと食べに来る。原発がある町のように小説では水車を中心に人が集まる。  親から逃れてきた姉妹が水車に関わる人々の良心よってに助けられ生かされる。2人は自分たちのように苦しい人たちに良心を渡していくことで恩返しをしていく。東北大震災の10年後に人間のたくましさと優しさを信じるこの新聞連載小説を執筆した作者の意気を感じた。

    3
    投稿日: 2024.10.24
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    タイトルにあるネネがどう出るか、読み初めの頃は少し恐怖を感じていた。しかし、ネネはただいるだけで十分で、読み進めるにつれて愛着も湧いてきた。ネネの周りの移り変わりが寂しいこともありつつも、それぞれの誰かの役に立ちたいという思いも感じられて、心が温かくなる小説だった。

    0
    投稿日: 2024.10.24
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    私は鳥が嫌いだ。 オウムなんてほんとに怖い。なので本作に出てくる「ネネ」に嫌悪感を抱いて読み進めるのとができないのでは?と思ったらオウムではなくヨウムだった。 そして、画像検索したらオウムよりもちょっと可愛かった。 理佐と律の母親は母である前に女になってしまったんだと淡々と事実を受け入れて2人で生活をするのとにする姉妹が愛おしい。 2人ともやたら大人な考えでちょっとびっくり。 幸い周りの良い人たちに恵まれ、生活は続いていきそれぞれ成長する物語。 母親とその婚約者はいやな人だったけど、それ以外はみないい人で読みやすかった。 心配だったヨウムのネネだけど、むちゃくちゃ可愛かった。 飼わないけどちょっと飼ってみたい気がした。

    9
    投稿日: 2024.10.24
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    オーディブルで聴きました。 最初なかなか入り込めなくて、やめようかとさえ思ったが、最後まで聴いて良かった。 姉は私たちは運が良かったと言った。たしかに運は良かった。でもそれだけではなくて、良くないと判断したものはすっぱり切り離し、自分の信じたものにとことんついて行くという姿勢が、18歳での人生のドン底から、ずっと上昇していけた所以だと思う。見習いたい。 しかし、とにかく長い。一つのエピソードが丁寧すぎる。なくてもストーリーに支障がないエピソードを省いて、もう少しスピードアップしていたら、もっと多くの人が読んだのではないかと思う。 いわゆる引き寄せの法則というやつを、実践したらこうなるというお手本のようのお話。大阪弁のゾウの話よりもずっと説得力がある。

    1
    投稿日: 2024.10.23
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    2024年の本屋大賞ノミネートということと、作者である津村記久子さんの作品は過去に読んだことがあるので読んでみました。 本屋大賞ノミネートという言葉への期待とは裏腹に特に盛り上がりもなく淡々と進みます。“た。”で終わることの多い文章構成も淡々とした感じを醸し出します。そして10年を1話とした作品構成ですが各話の長さが異なり第一話がとても長い。第二話も少し長い。しかし相変わらず淡々とした流れで一度ここで読むのが中断してしまいました。 1ヶ月ほど経って読むのを再開、半分を過ぎたところ位から内容は依然として変化ないのですがこれまで撒いた種から芽が生えてきたように面白く感じてきました。そして最後まで一気にです。 淡々としていますが人の優しさが淡々と描かれています。そして383ページの藤沢先生の言葉は心に残り、これに辿り着くために読む価値はあるのでは思いました。お金を貯めて早期リタイアが羨ましがられる世の中ですがやはり人生に大切なのはこれではないかとあらためて感じたのです。

    1
    投稿日: 2024.10.19
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    たくさんの人が出てくるけれど、その一人一人を大事に思える小説。 「水車が回り、内部装置が動く音を聴きながら、去っていった人たちのことを想い、ネネや姉や自分を含めたこれから去るかもしれない人たちのことを考え、やってきた人たちの顔を思い出した。言葉にならない感慨が胸の底で起こった。」 最近、人生は別ればかりと考える時間が少しずつ増えていた。だけどこの一文で、やってくる人もいるんだ、と少し思えた。わたしの人生から去った人、去るかもしれない人のことばかり見ていたけれど、新しくやってくる人だっている。 誰かの良心と、自分の良心を信じられそうな物語でした。出会えてよかった。

    2
    投稿日: 2024.10.19
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    ほっこり系 読みやすいが少し長く途中挫折しかけた。 人物が皆魅力的なのと、その人たちを取り巻く環境、80年代から現代までの時代の流れも面白い ヨウムが気になるので、調べてみようと思う。

    0
    投稿日: 2024.10.19
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    500ページ弱をかけて紡がれる、姉妹の40年。 1章につき10年ずつ時が進み、冒頭では18歳と8歳の姉妹は、エピローグでは58歳と48歳になっており、その人生がじっくり丁寧に描かれる。 一言で言えば、「やさしい世界」。 人間、ひとりでは生きていけないんだということを感じさせられる。 良い登場人物が多く、世の中捨てたもんじゃないのかもしれないとも思わせてくれる。 不思議な鳥のネネは、姉妹たち登場人物が物語の歯車なのだとしたら、その中心軸に位置するような存在であり、だからこそのタイトリングなのかもしれない。 ”誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ” ”自分はおそらく、これまでに出会ったあらゆる人々の良心で出来上がっている” 帯にもなっているが、これらの一文にはとても心を動かされた。 物語全体として、この2つの文章の意味を解説しているかのようだった。 決して大感動作品というわけでもないが、姉妹とそれを取り巻く人々の人生を俯瞰したような気持ちになり、読了後は深い満足感に包まれた。

    2
    投稿日: 2024.10.14
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    鳥は恐竜の子孫だけあって、賢い種もいると改めて感じた。人への親切の好循環が読んでいて心が和む。自分に何かできないか考えさせられました。美味しい蕎麦、食べたいなあ。

    6
    投稿日: 2024.10.13
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    本屋大賞は逃したが、私はこちらの本の方もずっと大切に読み継がれてほしいと思った。帯にあった、「誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ。」という引用が、この本の真髄を表している。ネネという鳥の周囲で、家族ではない人達が、親切によっていたわりあい、つながっている様子が淡く優しく描かれている。不幸せな状況もお涙頂戴で描かれる訳ではなく、淡々としているが温かい。男女が安易に恋愛関係になったり、異性愛の恋愛が標準として描かれることもなく、さまざまな形の人と人とのつながりがあるのも良かった。東日本大震災やコロナ禍の現代をも描き、現在進行形の大河。面白かった。

    5
    投稿日: 2024.10.12
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    18歳と8歳の姉妹が辿り着いた先で出会ったヨウムのネネと、静かに過ぎる40年の日々。周囲に助けられ、自然に優しい大人になっていった二人のことはネネの愛らしさと共に大切に憶えておきたい。

    2
    投稿日: 2024.10.10
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    津村記久子さん初読み。 暑苦しい心情描写がないせいか、文章がすんなり頭の中に入ってきて、とても読み心地が良かった。 表紙の絵も素敵で、四季折々の中に姉妹とネネのシーンがあちこちに見られて、中の挿絵と共に視覚でも楽しませてくれる。 ヨウムって初めて知ったので、調べてみると、グレーのボディーと尻尾のところが赤い鳥の画像が出てきて、本当にネネっているんだと嬉しくなる。 ネネは、言葉をあっという間に覚えて、声もそっくりにモノマネでき、人と会話もできて気遣いもできる、鳥とは思えない頭の良さだ。 『りっちゃん!』『りすぁちゃん!』と名前を呼んでくれて、『元気?』なんて言ってくれるから、元気のない時は泣きそうになっちゃうだろうなあ。 賢くて可愛くて、この長い長い物語を楽しく彩ってくれるまさに主人公だ。 物語は1981年から10年ごとに2021年まで語られ、小学2年生だった律は、最後は48歳ということになる。 そんな長い間にたくさんの人と出逢い別れ、東北の大地震があったり、コロナウイルス感染症の流行があったり、読む人も一緒に生きてきたような感覚になる。 水車小屋を取り巻く人々があったかくて素敵で、とても居心地がいい。 親の愛を満足に受けられず、母親の恋人に酷い目に遭わされたにもかかわらず、姉妹が強く生きてこられたのは、周りの人の助けがあったからで、律は自分も誰かの助けになりたいと考える。 たくさん人からいただいた人は、その分たくさん人に与えることができるのかもしれない。 私も無力な存在だが、誰かの役に立てるのかもしれない。 役に立つなんておこがましいけど、少しでも力になれたら誰かを作る一部になれるのかもしれない。 本って、本当に素敵なことを教えてくれる。 うちの猫もニャーとしか言わないけれど、ニャーという言葉で、『○○ちゃーん!』『元気?』『音楽聴きたーい』『美味しいもの食べたーい』『さみしいよー』って、本人は言ってるのかもしれない。 言葉が話せるか話せないかの違いで、ネネはみんなの近くにいるのかもしれないなと思う。 ネネに出会えて良かった。

    25
    投稿日: 2024.10.10
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    本屋大賞第2位と言うことで読みました。 『助け合い 支え合う人々の 40年を描く 長編小説』と言う紹介通りの話でした。 時代も自分が生きて来た年代とぶつかり、あの頃はそうだったとか、あの年頃にこんなことを... などと思いながら読みました。 「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」 「自分はおそらく姉やあの人たちや、これまでに出会ったあらゆる人々の良心でできあがっている」 心に残る言葉で溢れた作品でした。 『ふしぎな島のフローネ』など、分かる人にしか分からない箇所もあり、クスッと笑えました。

    0
    投稿日: 2024.10.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【目次】 第一話 一九八一年 第二話 一九九一年 第三話 二〇〇一年 第四話 二〇一一年 エピローグ 二〇二一年 18歳の理佐は、小2の妹・律を連れて、短大の入学金を男のために使い込んだ身勝手な母親の元を離れ、知らない土地のそば屋の店員として働くことにする。そのそば屋は、水車でそば粉を挽いており、それをネネというヨウムが手伝っているので、その世話も仕事に含まれていた。 そこでの二人と彼女たちを取り巻く人たちのことが十年おきに語られる。まるで人間を理解しているようなヨウムの存在が大きい。 危なっかしい二人の暮らしを見守り、手伝うそば屋の夫婦を始めとする町内の人たち。 二人もやがて側にいる人たちに手を差し伸べるようになる。押しつけがましくならないようにしながら。 家族や外国人労働者の問題、東日本大震災、コロナ禍と時代の移り変わりを描きながら、おかれている場所で精いっぱい善く生きる人たちの姿が尊い。 人の善性を信じたくなる物語だ。自分の手の届く範囲で、善く生きている人たち。地に足の付いた、共生の物語。

    10
    投稿日: 2024.10.06
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    実の母親から離れて2人で生きていくことになった18歳と8歳の姉妹と、新天地で出会ったヨウムのネネとの40年を描いた長編小説。長編ですが、冗長はなくスラスラと、でも、丁寧に読むことができました。 40年という長い年月の間に、もちろん姉妹とネネが出会う人々も増えたり減ったりしますが、周りとの支え合い・助け合いの連鎖に、気が付いたら涙が頬を伝っていました。 津村さんの作品は、声を上げて泣くような感動ではなく、じんわり心があたたかくなるのを感じます。 なんとなく津村作品好きだなーと思っていたのが、これを読んで、「好きな作家:津村記久子」に変わりました。

    2
    投稿日: 2024.10.05
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    こんな大人びた小学校3年生と、頼もしい18歳がいるものかと思いながらも、何故か現実にあるかもと思える不思議な感覚。 自分のことしか考えない大人もいるけど、関わったのだからと程よく親切にしてくれる人たちに救われる。 十年ごとに時が進む度に変化に驚くところもあったけど、皆の関係性は変わらなくて、むしろ繋がっていく様に優しい気持ちのまま読了しました。 何よりネネの存在。ずっとメスだと思っていたのに、オスだったことに一番驚いたかも笑 ネネが皆の子供みたいだったり、友だちだったり、やり取りにホッコリしました。 自分が元から持っているものはたぶん何もなくて、そうやって出会った人が分けてくれたいい部分で自分はたぶん生きてるって。だから誰かの役に立ちたいって思う… それって凄い素敵な連鎖。

    1
    投稿日: 2024.10.01
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    温かい物語だった。全員が善じゃなくて、でも悪も完全な悪じゃなくて、そういうところにリアリティがあって好きだと思った。 「誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ」 この言葉がすごくスッと際立って入ってきた。自分のこれまでを振り返って、10代は自分のことで必死だったけど、そこから少しずつ余裕が出てきて周りを見られるようになったと思う。これからさらに歳を重ねながら、自分以外の人のことももっとちゃんと大切にしていけるようになりたい。

    7
    投稿日: 2024.09.30
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    2024年本屋大賞2位 本屋大賞候補作品は 毒親登場率がとても高いと思うのだが 本著もそうで、あぁまたか〜と思いなかなか先に進まなかった。 しかし家を出てからの姉妹は しっかり2人で生きていく気概があって 周りの方々、そしてネネに見守られて、 大人になる。 大人になってからは、今度は周りの方々の支えになっていく。 淡々としてるけれど、とても温かい良いお話でした。 ヨウムのネネのおどけた、ほのぼのとした可愛らしさが作品全体をユニークなものにしている。 しかし、主語が妹だったり、姉だったり、聡だったり、章ごとに突然変わるので 少し読みにくい印象もあった。 後半登場人物がとても増えて、 これ誰だっけと戸惑いもあった。 (記憶力無さすぎですみません)

    23
    投稿日: 2024.09.28
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    のほほんとしていてとても温かく、人の優しさを感じられるストーリーではあった。ヨウムのネネが人と人を良い関係に繋げてくれる存在であったことは間違いない。 オウムとヨウムの違いについて、本書を読んで初めて知ることになる方は多いと感じた。

    6
    投稿日: 2024.09.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    津村記久子さん 作品を手に取るのは2作目なんだけど 1冊目は実は途中で積読に。。 (「つまらない住宅地のすべての家」) かわいらしい装丁に目を惹かれたものの かなりの分厚さ。 さらにミステリーではないと知り、 少し嫌な予感がしたものの、最後までたどり着いた。 人と人、そして人とヨウムとの 長い時間をかけて育った絆と信頼を描いた作品。 受けた喜びをまた別の誰かへと渡していく 長い長い恩返しの物語。 底に流れる暗い体験や不安な思いはあるものの、 全編に渡り登場するヨウムのネネ(実は雄だったのね!)とのユーモラスなやりとりにほっこり。

    26
    投稿日: 2024.09.26
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    ゆっくり、じっくり、 2人の姉妹と、その周りの人たちと、 そして、ネネと、水車小屋の、 淡々と過ぎているようで、 でも、あたたかく包まれて、 繋がって紡がれてゆく物語を読んだ。 読んでいて、光景や気持ちが目に浮かぶような、ネネの呼ぶこえが聞こえてくるような、そんな作品だった。 水車小屋の石臼でひいたお蕎麦、 食べてみたいなぁ。

    9
    投稿日: 2024.09.23
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    誰かの役に立ちたいという思いは長い年月をかけて、自分、大事な人、別れる人、これから会う人に巡りがあると知れた。大事なあの人のために自分の気持ちを大切にすることは、自分のためになるんだ。 日々続く生活にいれるのはこれまで関わってくれた人のおかげだし、自分も誰かのそういう存在になりたい。

    0
    投稿日: 2024.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久々によい小説を読んだー。姉妹が周りの人々と成長していく優しい物語。10年ごとに章が分かれ、10年でいろいろ変わるんだなあ、と時の流れを感じる。わが身を振り返ってもそうだし。そしてネネが可愛い。 ちょっと3月のライオンの姉妹を思い出す。

    0
    投稿日: 2024.09.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私にはお初の作家さん。 良い評価もたくさんありますが、ちょいとひねくれた感想を…… 母親から離れてふたりで生活することを決めた姉妹の半生。 家を出るとき姉の理佐18歳、妹の律8歳。 1981、1991、2001、2011、2021と10年おきに各章が書かれています。 つまり人生のフェーズが変わっていく、小学生だった律は社会に出て仕事をし姉の理佐も転職をしたり、新しい人間関係ができたり去るものもいるわけで。 作品全体が「人とのつながり」、しかも血縁関係のない温かい人たち。実親はいても良い関係ではない人たちにスポットが当てられている。 かといって、暗く悶々とはならずに坦々と日々をこなしているうちに年月が経った…… という空気感。 言葉には出てこなかったけれど【恩送り】の作品。 母親の育児放棄とその恋人からの暴力から逃れるため、高校卒業と同時に、住み込みの仕事をすることにした理佐。8歳の妹も連れて知らない土地でわずかなお金で生活をスタートする。 ほんとに良い人に恵まれてここまでやってこれた。 出会った人たちにも途絶えてしまった関係があり、寄り添いながら支え合っていたと後半で知り、今度は大人になった理佐や律が年老いた昔の大人たちを支えている。 縁もゆかりもなく、世代もちがう人たちを結びつけてくれたのが「ネネ」。 まさにタイトルどおり「水車小屋のネネ」、水車小屋で見守りをするヨウム(オウムのような口真似する鳥)。 良い作品ではあるけれど、小説らしい山場の盛り上がりが物足りずそのまま流れていってしまい、気がつけば10年経ってしまい(次の章へ移り)展開のないまま。 登場人物も多く、整理して読んでいかないと混乱した。 そして文章がわかりにくく、主語がだれなのか? 数行のなかで時間軸が行ったり来たり。 次の章になると関係者が変わるので、これは誰??と置いてきぼりな感じ。 ヨウムが50年も生きるとは驚き!

    14
    投稿日: 2024.09.19
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    1981年の生活感に馴染むまで少し時間が必要だなぁと思いつつ読み進めていると、小学3年生8歳の律が見たがった「のび太の宇宙開拓史」で一気にこの時代に引き戻された。全体を通して時代を現す映画や音楽が出てきて懐かしい、と感じる人も多いのでは。 1991年高校卒業後に就職する選択をした律がネネと過ごす時間。後半になるにつれてこの18歳の律がネネと過ごした時間が大切だったと感じる。 2001年28歳の律が特急に乗って景色を眺めながら、“恵まれた人生だと思った”、自分は“これまでに出会ったあらゆる人々の良心でできあがっている”。と。うるっとした。“ああいう大人になりたい”って素敵な感情。周りの人に恵まれている証拠。 「自分はまわりの人の良心でできている」という考え方はこれ以降ずっと最後まで貫いていて、けんじくんをはじめとしてネネを取り巻く次の世代にも繋がっていく。 “自分たちにとってネネは、共同で世話をしている鳥であると同時に、おぼつかない出発点だった自分たちの人生がなんとか立ち往けているということの象徴であるようにも律は思っていた。” 国語の教科書に載っていたら絶対に線を引くべきところ!というキーセンテンスがさらっとここにある! 2011年震災の日からはじまる。(実家が被災してるのでこの手の話はちょっとしんどい) 25歳になった研司くんに律の想いが伝わってると感じた。 けんじくんの“お世話になりました”から始まる送別のシーン、そしてエピローグでネネが「けんじくん!」と声をかけただけ、たったそれだけのことが胸にきました。それを笑って見ている律の姿にも。

    13
    投稿日: 2024.09.19