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滅びの前のシャングリラ
滅びの前のシャングリラ
凪良ゆう/中央公論新社
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総合評価

378件)
4.1
122
160
74
10
0
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    結末には驚いたけど、読み応えがあって楽しかった。それぞれの人生がかけ合わさっていく流れがツボで、なんだか泣いてしまったな

    1
    投稿日: 2024.06.26
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    ぶっ飛んだ設定ではあるけれど、非常に読みやすく各々の物語も点と点が綺麗に繋がるような物語でこの世界を存分に楽しませてもらいました。 あと1ヶ月で滅び行く世界を背景に凪良ゆう先生はこんなリアルな描写ができるのか…と思う場面も多く、他の作品も読んでみたくなりました。

    2
    投稿日: 2024.06.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    明日死にたい、うっすら死にたいと思いながら生きる日々に苦しいほど共感。 逆かも。 誰にも共感されないこの感情に初めて明確にしっかりと共感してくれた小説。 この人たちは死ぬことで救われている。罪が明日なくなる。純粋に羨ましいなと思った。現実にも早く小惑星が衝突しないかなって思った。 ポチは死ぬことで全然救われない。それが眩しいなって思った。 むねに対する感情と同じ。 雪絵ちゃん、静香とかもどちらかといえばそっち。 静香は乗り越えたし、雪衣ちゃんは乗り越えられそう。 だから、人生は、2種類に分類できるんだなって思った。 マイナスの状態とプラスの状態もしくはプラスになる未来を描けるできる状態。 あとは人生がマイナスに走っているのが、自分のせいなのか他人のせいなのかも違いそう。 静香とか優樹がマイナスなのは自分のせいというより周りのせい。だからまだ救いがある。これ、むねっぽい。 1番共感したのは、信士と路子。 信士の共感ポイントは、頭と身体が別に走り出して自分ではコントロールできなくて後悔しても手遅れで、人生が悲惨になっていることの半分は自分のせいであるとこ。 路子は、死ぬほど恥ずかしい過去がネットに晒されていて、素の自分と虚構の自分が乖離していて苦しいとこ。東京に出て、やりたいことを叶えるために女を使ってしまっているとこ。辛いときに連絡できる友達がいないこと。 路子が最後、自分を取り戻したのは少し気持ちよかった。 優樹が変われたというか、開花したのも気持ちよかった。 そうなりたい、ちょっと希望あるって思ったけど、でもそれって小惑星が衝突するってなって、「無敵の人」になったから叶えられたのでは?とも思ってしまう。 でも少し前向きな気持ちにはなった。 素の自分で明日死ぬつもりでやりたいことをやって死にたい。大切にしてくれる人やそんな人との時間を大切にしたい。

    1
    投稿日: 2024.06.23
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    一気読み。 それぞれの視点から描かれる最期の1ヶ月。 最期の瞬間、誰と何をして過ごしたい? 圧倒的な絶望感と無秩序を目の前にした時、しあわせの形を共有できる誰かがそばにいてさえくれたら。 何ものにも代え難い幸福感がもたらされるのかもしれない。 余計なものはあっという間に削ぎ落とされ、本当の願いが見えてくる。そんな物語。

    1
    投稿日: 2024.06.23
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    あまり好みではなかったので星2つ。地球が滅びるとしたら…。登場人物それぞれが過去と今現在にどう向き合って生きていくかが詳細に描かれている。それにしても、地球が滅びると分かった時からの社会の荒れ方が恐すぎる!後半の主人公である路子の心情の移り変わりは、芸能界って大変なんだなーって少し興味を持った。

    38
    投稿日: 2024.06.19
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    設定的に入り込めなかった。また、まぁ現実的だと思うけど、滅びゆく中で暴力、暴力…。人間は愚かで醜いなぁと思ってしまったので、家族愛とかよりそちらの方が強く感じてしまった。私はあまり好きではないお話だった。

    2
    投稿日: 2024.06.19
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    めっちゃよかった。ストーリーも最後にひとつに繋がって読みやすかったです。 こういうの最後の最後までやっぱそうならないで〜ってハッピーエンドを期待してみるんですけど、、 周りの人に感謝して生きていこうと思った。 1ヶ月後に隕石が落ちてくるって知らされた時に自分はどう生きるんだろうか、、 なんか誰かにすぐやられてそう笑 日本の端から端までバイクで走りたいな。何も考えずに。

    16
    投稿日: 2024.06.16
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    ある日突然世界が終わる そのストーリーは面白そうだと思ったけど 登場人物の設定が個性的すぎて 誰にも何の共感も出来なかった ただ妹の名前は酷過ぎる

    2
    投稿日: 2024.06.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1ヶ月後みんな死ぬなら、この世界はどのようになってしまうのか。自分はどんな行動を取るのか。 話の主人公が章ごとに変わる。その主人公それぞれはどこかで繋がっている。同じ時間軸の短編集だった。 同じ世界線で、同じ人でもここまで感じる事や行動が変化するのかと思った。 その一つ一つが面白く、自分の価値観を試されているような気がした。自分ならどうするだろうかー 個人の行動だけではなく、社会変化についても描写されるので、その社会で起きている出来事ひとつひとつに関して自分ならどう対処するかを考えつつ読むことができて面白かった。 凪良さんの作品は物語に入り込み易い。するする読めてこの作品もすぐ読み終わってしまった。面白かったです。

    2
    投稿日: 2024.06.16
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    すごく良かった。凪良ゆうさんの本はどれも好きだけど、1番好みだったかも。 日常を上手く生きられない人達が非日常な状況になって、本当の願いや自分自身を見つけていく姿が眩しいな、と思った。滅亡に向かっていく世界の悲惨な描写も、本当にそうなるんだろうな、というリアルさがあった。 読み終わったあとも私ならどうするか、大切な人はどうするのか想像させられる作品でした。

    2
    投稿日: 2024.06.16
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    小惑星が衝突し地球が滅亡する1ヶ月前。どう過ごすのか。読み出したら止まらなくて一気見してしまった。 生きづらさを抱えた4人が滅亡する世界をきっかけに自分自身と向き合い、行動する様子は清々しくもあった。一見絶望的な状況でも、本人達からは希望を感じさせる確信のようなものを感じる。 どんなに辛い過去を背負っていても、幸せに生きていだとしても平等に終わりは来るし神様はいない。 善人悪人も関係ない。 世界が荒廃して究極状態になる描写は恐ろしかったが、どこかで「こんなもんだよな」と思う自分もいて、作中の登場人物のように麻痺していくような感覚になった。 世界が滅亡するとなったら自分はどうするだろうと思ったが、その日が近づくにつれて街はパニックになり、生きることに必死になるだろうから物理的に何もできなくなりそう。 毎日を大切に生き、やりたいことに挑戦したいと思った。 凪良ゆうさんの本は、読後満足感があるから他の本も読みたくなる。一つの映画を観たような満足感。 良い時間を過ごせた。

    3
    投稿日: 2024.06.12
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    地球滅亡の日が近づくにつれて破綻していた家族に絆が生まれたり、頂点を過ぎた歌姫が本来の自分らしさを取り戻していく様は皮肉でもあり、悲惨な状況の中での救いでもあった。一方、死を前にした群衆の鬼畜とも言える所行がリアルで恐ろしかった。 私なら隕石の落下は3日前ぐらいに知りたい。

    4
    投稿日: 2024.06.11
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    個人的に凄い好きなタイプだった 一人一人の背景と心情描写がリアルで滅びるってSF要素がそんなに浮いてなかった 最期が来たら、結局周りの人に支えられて自分がいるって分かるんだろーなと

    4
    投稿日: 2024.06.10
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    読みやすい どうやって死を受け入れるかの話 最初はチープなSFかと思ったけどちゃんと人間の話 もし隕石が降ってくるまで1ヶ月あるって言われたら自殺するかもな〜 略奪とか大変そうだし 家族とか友達とか本当の自分でいれる居場所を持てるといいね

    3
    投稿日: 2024.06.09
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    久々の凪良作品でしたが、面白くて一気読みしてしまいました。 最初は、江那友樹のイジメの話で少し憤りを感じましたが、段々地球滅亡を前に人間のありとあらゆるものが爆発して圧倒されました。 人間というものの怖さや弱さ、強さを感じました。 最期の日を迎えにカウントダウンして過ごす恐怖はこの上ないですね。自分だったら、もう自分を制御出来ないでしょう。 スピンオフ短編小説がオマケのようで嬉しかったです。

    3
    投稿日: 2024.06.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

     今まで読んだことない作家さんの作品を読んでみたいと思い、本屋で適当に手に取った一冊でしたが、当たりでした。  あと1ヶ月で滅びることが決まった世界で、最後の時を過ごす人々の物語です。  こういう設定の物語は大抵、滅亡を回避する術に尽力したり、生き残ったりするラストがつきものですが、多分普通に滅びます。だからこそ各々の1ヶ月の過ごし方に心に残るものがありました。  世界が終わるということを知った人々は、主要人物も含めて徐々に倫理観に変化が生まれいきます。強盗やテロが多発し、普通に生活することもままならない、まさに終末の世界となります。そんなあと1時間で終わる悲惨な世界で、ライブをするシーンは言葉では表せない良さがあり、綺麗な終わり方だったと思います。  凪良ゆうさんの作品は初めてでしたが、またいい作家さんを見つけてしまったなと思いました。他の作品も読んでみたいと思います。

    6
    投稿日: 2024.06.08
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    残り1ヶ月で世界が滅亡するなら何をするか。 本当に滅亡するするのか最後までドキドキしてた。 私だったら何をするだろう 最後の対談でたくさんのことを考えさせられた。

    3
    投稿日: 2024.06.05
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    地球滅亡がテーマだけれど、実際は人生の物語。私たちの人生は、いつか終わりを迎える。 人は「誰かのため」と思えないと生きられないのだと思う。この物語でエンジニアの方が仕事をしてネットを繋ぎ続けるのも、「誰かのため」が生きる理由で、自分を保つ手段で。 それが偽善でも高慢でも独りよがりでも、それがないと自分が恐怖やいろいろな感情でおかしくなってしまうから。 登場人物たちの人生と私の人生はまるで違うのに、「この感情を知っている」「痛いほどわかる」と思う表現やフレーズが随所に出てきて、その度に心が強く動いた。

    3
    投稿日: 2024.06.05
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    安定の美しい心理描写と人間模様。 作者の他の作品に比べると少しだけ物足りない気もしたが、最後の掌編小説で全て持って行かれた気がする。なんというか、もう本当すごく好き。 今回の地球滅亡という大きな出来事を巡るストーリーも勿論面白かったが、個人的にはこの作者の作品は、大きな事件がない、ゆったりとした時間経過の中での人間模様を描いた瞬間が一番好きな気がする。

    4
    投稿日: 2024.06.05
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    家族愛、暴力、いじめ、友情、愛情、宗教、芸能界、地域社会、環境問題、そして地球滅亡 電車の中で泣きながら読みました。

    1
    投稿日: 2024.06.02
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    一か月後に隕石が衝突し地球滅亡する。残りの時間で家族や友人と本当にやりたい事と自分を見つめ直す。映画のような疾走感。

    1
    投稿日: 2024.05.31
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    大好きな凪良ゆうさんの作品。 地球に避けようのない隕石が一カ月後に 落ちてきて、2割の人間ぐらいしか生き残れない という命のタイムリミット一カ月にどう過ごすのかという物語 読みながら あと一カ月後にはみんな死ぬんだと思った時、 私はどう過ごすのだろうと 何度も考えました。 私は怖がりで小心者だから 一番あかんやつになったりしないだろうか… 何もかも嫌になって、平常心や道徳心も無くなってしまったらどうしよう。 それか みんな一緒に死ぬんだからって逆に 思い切り振り切ってやりたいことをやり切ろうと 今までにないくらい大胆になれるのかも…と 100%ありえなくもない隕石落下について いろいろ 自分に当てはめて考えてしまいました。 この本の中の江那家族と藤森さんは 最後まで死ぬということを恐れながらも 人間としての筋を通し今しかない 時間を過ごす本当に すごいとしかいいようがないけど 私も、誰かのために頑張れる自分でいれたらと 思いました。 地球滅亡という危機のなかにあるのですが ただ絶望感だけではなく、家族の愛や 温かさを感じる作品で 最後まで引き込まれてあっという間に 読んでしまいました。

    26
    投稿日: 2024.05.26
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    小惑星が地球に衝突し、一か月後には地球が滅びる、ということが明らかになった世界。 学校でいじめを受ける少年、彼が思いを寄せる少女、少女が憧れる歌手、少年の母親、人を殺したヤクザ、これまで人生をうまく生きられなかった彼らの残りの時間の生き様が描かれる。 最期の日に向かってぐいぐいと進む物語をとても面白く読んだが、いずれの人物にもあまり共感はなかった。 なので、死を前にして何を思うかとか自分だったらどうするだろうかみたいな、まともな感想が浮かばない…。 以下、読んでいる最中、頭に浮かんだどうでもよいこと。 荒廃していく世界が描かれていくが、昔のSFには、小惑星が迫ってきたら、だんだん大きく見えてきて、空が暗くなってきて…という描写があったのを思い出した。本当にそのようになるのかどうか知らないが、切迫感は煽られたような。今回は、だから、ちょっと物足りなさが残った。 荒れ果てた大阪が『とりあえずワンカップと競馬新聞と赤ペン持って、酒焼けした顔でふらふら歩いてるぶんには襲われない』って随分な言われ方。今どき、競馬場でもそんな人はいないけど。 そんな世界でも一部のエンジニアがネットワークをダウンさせずに死守しているところが見上げたワーカホリック。だけども『なんもやることないと、おかしうなりそうやん』って、なんとなく分かる。

    61
    投稿日: 2024.05.24
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    物語に引き込まれて一気に読み切った。 絶望の中の光、愛、信念、登場人物の生き様に心打たれた。自分だったら最期の時をどのように迎えるかな。 最後の数ページは涙が溢れた…しばらく余韻に浸りたい。

    1
    投稿日: 2024.05.24
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    一見小説では出てきがちな人物像。なのに読了することには愛着を持たずにはいられない、そんなキャラクターたち。 ただのいじめられっ子だった冴えない彼も、 高嶺の花で寡黙がちだった少女も、 ヤクザ人生から抜け出せないおじさんも、 元ヤンだけど息子から愛されているお母さんも。 人類滅亡、?読者でも壮大すぎて実感わかずただ客観的に彼らの行く末をただ追っていたけど、 気づけば彼らと一緒に、最後の瞬間までただ全力で過ごしていた。 コミカル性もありつつ滅亡前の人間たちのリアルな世界観。 そのなかを懸命に生き、少しずつ変わっていく彼ら自身から、人間愛の本髄に魅せられた一冊でした。

    1
    投稿日: 2024.05.23
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    地球が終わる前に、人間世界の秩序的なものが先に終わってて、そこで期限まで生きるって、つら。ちょっとこの世界に自分を置いてみたけど(妄想)、すぐ死んだ。やはり、こういう最期って愛が勝つのかな。

    9
    投稿日: 2024.05.22
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    壮大な状況設定だけど、すごく読みやすい。 最初の語り手の男の子がすごくいい。 絶望の中に、大事なものが浮かび上がる。それは絶望の中に入らなければ分からなかったもの??? 余韻を味わいたいと思います!

    10
    投稿日: 2024.05.20
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    汝、星のごとくが良かったから凪良ゆうさんの作品探してて、図書館にあるのがこれしか無かったから読みました!、 美しかった!!!全てが本当に綺麗だった、、 死ぬ時に幸せな人生だったなって思えるように生きてみたいなって思った

    4
    投稿日: 2024.05.20
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    すごくよかった。 一ヶ月後に小惑星が追突する世界で描かれるヒューマンドラマ。 ありがちな設定だけれど、いわゆる『終末小説』の中では一番好きです。 一ヶ月後には世界が終わる———そんな絶望の中で、人々が見つけ出す希望とは。 めちゃくちゃ良かったです。そして泣けます。

    4
    投稿日: 2024.05.19
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    なぜ人間は終末理論に惹かれるのだろうか。それはやはり未来に対する不安でがんじがらめになっている証拠なのかもしれないとこの本を読んで思った。世界が1ヶ月後に終わることがわかると地球より人間が先に壊れ初める。これはどういうことを意味しているのだろうか。コロナでトイレットペーパーが無くなったように人間はすぐパニックになって自分以外のことが考えられなくなる、弱い人間だ。その中でも変わらないのは家族や大切な人への愛だろう。他人には、自分には延々と未来があるから、嫌われないように、自分の評価が落ちないように丁寧に接する。それが本当の人間の姿。そんなものはすぐにはがれる金メッキのようなものなのだ。明日命が終わるとしても大切にしたいものへ、時間とエネルギーを割くべきだ。

    20
    投稿日: 2024.05.18
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    これ好きだ~ あーもう終わっちゃう~!と思いながら読んだ。 職場でふと、「あれ?地球って滅亡するんじゃなかったけ?」と錯覚してしまう瞬間があって驚いた。 ほんの一瞬だったけど… そこまで入り込めた作品ということだろう。 「ひとめあなたに」に続いて読んだので、作品の違いも楽しめておもしろかった。 自分の幸せとは何か? 毎日の生活で手いっぱいで、なかなか考えたり感じたりできないけど、ゆっくり考えてみたい。 人の言葉に「感じ悪い!」「あの言い方なに??」とか、すぐにネガティブに反応するんじゃなくて、その言葉には何か背景があるのでは?と考えられるゆとりのある人になりたいと思った。

    6
    投稿日: 2024.05.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    又辛い話なんだろうなーって思いながら読み始めたのだけれど、滅亡の物語なのに読み進めていくうちに再生の物語に思えてきて、ハッピーエンドでなくても、後味の悪くない納得できるラストだった。自分自身の最後の瞬間についても考えさせられた。読み終わった時に、この登場人物たちとお別れするのがとても辛い一冊となったので、久々の星5です。

    5
    投稿日: 2024.05.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読後感の悪い本ばかり立て続けに読んだので、すっきりする本を思い、夫が読んでいたのを借りた。 心理描写や世界の変化にリアリティがあり、非常にひきこまれた。読みやすく、一気に読めた。 社会が破綻したらこうなるんか!と突きつけらた。善悪やモラル、正義は今の社会の上に成り立っている。人間が生きるためには必要なものは何か。守るものの違い。生きることとは。などたくさん考えさせられた。 自殺する人がたくさん出てくるが、最初はどうせすぐ死ぬのにと思ったが最後まで読んだ結果、確かに!と納得した。リアル。 静香さんが一番好き。強い!憧れる。 小惑星の衝突を回避しないし、できないのもよかった。リアルに感じた。 ただ最近読んだ本の中で一番人が死んだので、☆4

    5
    投稿日: 2024.05.14
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    世の中で言われている善悪なんていうものは、終わりゆく世界の中では脆弱で曖昧なものなのだな、と知った。 法や秩序が崩壊したら、自分は自分を貫けるだろうか。 登場人物達は皆、自分という軸がブレていなくて、人生の終わりのカウントダウンが見えているのにその中でも成長したり他者を大切にしたりできていて、シンプルにすごいと思った。 没入しすぎて、読んでいる間や読み終わった後、一ヶ月後に世界が終わる錯覚になってしまった。 もしこんな事態が訪れたら、逞しくない自分は真っ先に搾取されて一ヶ月を待たずに死ぬだろうなと思った。

    3
    投稿日: 2024.05.12
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    世界が滅ぶその時にどう生きるか、どう過ごすか、何を考えるのか。 読み終わった後、もうこの続きは読めないんだと寂しい気持ちに。 幸せを感じる気持ちと寂しさが同居して、読後、胸がいっぱいになりました。

    3
    投稿日: 2024.05.11
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    ページをめくるたび、早く読みたい気持ちとまだ読み足りない気持ちに不思議な葛藤がうまれた。一ヶ月後という絶妙な期間も私だったらどうなるんだろうと考えても想像すらできなかった。いろいろな人が善悪の判断も意味のないものとなり、そうすることで大切なものが浮き上がってくるような感覚がある。読み終えたとき、何故か込み上げてくるものがあり、それがなんなのか分からないが、読んでよかったと楽しめた。

    3
    投稿日: 2024.05.10
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    読みやすいのと続きが気になるのとで割と一気に読み終えました。実際こんなことになったらずっと回線とか電気を保守してくれる技術者とかいるんですかね。配信し続けたい人はいそうだけど。 あとは正常化の偏見で2割の方に自分が入ると信じちゃう人も多い気がする。私も多分。

    6
    投稿日: 2024.05.09
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    厳しくて歪んだ環境の中での愛を表現している作品。 特に静香パートにおいて、息子を深く愛しながらも罪や責任を背負っていく覚悟がかっこいいと感じた。

    5
    投稿日: 2024.05.08
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    絶望に溢れてても、希望も感じる空気感が心地よくてよかった。滅びろと思う瞬間があっても、急に生きたくなる瞬間も訪れる世界良いな

    1
    投稿日: 2024.05.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる。そんな世界の中で、人々は何を感じるのか。 学校でいじめを受ける友樹。日常では死にたいと思っていたはずが、一つの覚悟を決めた時から事態は動く。 ヤクザの手先として使われることにしか居場所がなかった信士。子どもの頃憧れたヒーローになってしまう。 何一つ不自由なく育ったかに見えた藤森さんは養子で、真実の子になれない孤独を抱え、歌姫Locoは顔も過去も頼るべき友達もなく、緩やかに廃れていくことに抗うことができず… 凪良さんの小説には、「普通」の人は出てこない。みんな、自分にはどうすることもできない力で「普通」にはなれず、孤独に押し潰されながら、何かを諦め、他の孤独と支え合って生きていく。 地球滅亡のカウントダウンが切れるとき、みんなはそれぞれ何らかの納得感を持ってタイムリミットを迎える。 本当はそんな潔くいられるとは思えない。最後に良いものを手にしたら、もっと長く、と思うだろうし、最後だと思ったら、どうでもいいや、と衝動に駆られるだろう。 でも実はそんなに良いもんでもない。罪のない人々は殺され、略奪されるし、登場人物たちもみな罪を犯したり、自分たちを守るので精一杯で他の誰かを見捨てたりしながら生きる。 そんな、綺麗さも汚さも、受け入れて包容してくれるような凪良さんの作品が好きだと思う。

    2
    投稿日: 2024.05.07
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    それぞれ苦しみの中から、どう地球最期の日まで生き抜いていくのか、凄まじい環境の中でも小さな幸せがそこにある、色々なことを考えさせられる作品だった·····。

    24
    投稿日: 2024.05.07
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    1ヶ月後に地球が滅びるなら何をするか? あんまり想像がつかないなぁ。 とりあえず死ぬまで生きるための酒と飯を用意して引きこもるかな。

    28
    投稿日: 2024.05.04
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    誰もが完全ではなく、未熟で発達途上。 未来は当たり前にあって、そのどこかで今よりも成熟した自分になり、今よりも良好な関係をパートナーや友人たちと築くことができる。夢に一歩近づくことができる。 小惑星の衝突でその「未来」が唐突に終わることを知った時、私たちは何を望むんだろう。 誰に謝ったり感謝したり、何を得ようともがいたり、逆に手放そうとしたりするんだろう。 恐怖や悔しさに泣き腫らすだろうし、 「何だこんな時に」と自分でも不思議に思うような「日常」を無理矢理にでも送るのかもしれない。 願わくば、大切な人と。

    3
    投稿日: 2024.05.01
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    世界が後1ヶ月で滅亡する。その報道により人々は暴徒化し、盗みや殺人が当たり前のように目の前で起きるようになっていく。荒れ果てていく街には、法律も倫理も何もない。 これぞ絶望といえる状況の中、同級生からパシリにされるいじめられっ子の高校生、喧嘩しか取り柄がないヤクザまがいの中年チンピラ、夫を捨て子どもと2人で生きていくことを選んだシングルマザー、そしてもう1人。彼らは絶望の中にも生きる希望やこれまで歩んできた人生に意味を感じるようになる。 平穏な世の中だからこそ感じる絶望、絶望の世の中だからこそ見出せた希望、どちらが幸せなのかはわからないが、読了した後には希望に満ちた気持ちになれる作品。それぞれの人生に、自分を重ねられるところがあって深く共感できる。 余談だが、関西弁で喧嘩腰のシングルマザー静香は、実写化するならヒコロヒーさんに演じてほしい。ハマり役だと思う。

    7
    投稿日: 2024.05.01
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    地球が滅亡することが予め分かると人類は異常化する。個人的には生き延びれる可能性のある2割にかけたくなるが、自暴自棄になった人たちに巻き込まれて地球が滅びるために死ぬ可能性も高くなる。 終わりが見えない人生に飽きて消えたいと思うこともある。それは人生の終わりはまだまだ先だと思うから。 いざ、1ヶ月後に全員死ぬと言われたら私はどうやって生きるだろうか。考えた時に思い浮かぶものが今の自分に大切なものなんだろう。

    2
    投稿日: 2024.04.29
  • 登場人物の心情に張り付くように

    作者自身の言のとおり「登場人物の心情に張り付くように書いていくタイプ」であることが作者の作品の最大の魅力だと思う。最後の虚像の歌姫が人間性を取り戻していく話も好かったけど、その前の人類滅亡の直前に絆を得た家族等の話が凄く好かったな。

    0
    投稿日: 2024.04.28
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    地球が滅亡すると分かった時、自分は何をするだろうと考えました。嫌な自分のまま生きていく、好きな自分になって死んでいく、どちらが幸せか答えは出なかったですが、少なくとも好きな自分になる努力はしたいなと感じました。

    2
    投稿日: 2024.04.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読むのが面白くて仕方なかった一冊でした。 タイトルの通り地球が滅びる前の1ヶ月間の話なのですが、その間世界は形を変えつつでも確実に滅亡に向かっていきます。 そんな世界においても登場人物たちは成長を続けていて、そこが読んでいてとても心地よかったです。 おわりの対談にもありましたが、滅亡までの期間が1週間なのか1ヶ月なのかそれとも1年なのかそれによって話は全然異なってくるというのがとても印象的でした。 当たり前なことだとは思いますが、この小説を読んで1ヶ月という時間の意味をよくよく考えることができました。 家族愛もあり、しかし無惨な現実もあり、感情移入しすぎて面白しんどかった一冊でした。 とてもおすすめです。

    2
    投稿日: 2024.04.28
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    地球に隕石のようなものがぶつかって滅亡する前の話。もし本当にそんなことになったら、同じような世界になるのだろうかと少し怖くなった。

    3
    投稿日: 2024.04.28
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    普通、地球に隕石や小惑星が衝突します!!てなったら、アルマゲドンとかで出てくるみたいな世界の人が協力して、地球にぶつかる前に破壊します!! っていうのが今までの物語のセオリーだと思うけど、これは助からない。 一切救いがない。地球に隕石がぶつかるまでの1ケ月間を4人の登場人物に焦点を当てて描かれている。 隕石がぶつかる予定が近づくにつれて、どんどん巻き起こる暴力、略奪、殺人。 読んでてしんどくなったけど、もし私が後1ヶ月で世界終わりますよて言われたら、自分らしく最後の時間を過ごせるかな? 私はビビりやしその時より前にくたばっている気がする。

    2
    投稿日: 2024.04.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1ヶ月は長い でもやり残しがあったら全然足りないけど⇒やり残したことができる状態かは別にして 4つの視点にそれぞれ思うこと、感じることがある 少し重たいけど どうしたいかな?と考えたけど、願わくば、途中で殺されたりしないで最後を見届けたいな 懐かしすぎて「ひとめあなたに」をもう一度読む 電子書籍って素晴らしい

    3
    投稿日: 2024.04.24
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    一ヶ月後に世界が滅亡する。 今日から最後の日までどう生きるか。 ずっと自分ならその最後の一ヶ月どうやって過ごすかなって考えながら読んでた。 最後が来たら世界中のみーんな一緒に居なくなるって考えたらちょっと心強い気もするけどやっぱり怖いんだろうな。 でも自分が大好きな人達といられたらたとえ一ヶ月間なにをしてようと幸せだと思う。 命の期限が迫って来てるって知った途端に自分の人生に喜びを見出せなくなってたり明日が来なきゃいいのにって絶望的になってたりしてた人達が自分に素直になって納得した最期を迎えるために積極的になったり人としてすごく成長したりする姿を見て人間の強さを感じたし人間捨てたもんじゃないなってちょっと思った。 読んでる自分まで前向きになれたそんな作品。

    8
    投稿日: 2024.04.23
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    地球滅亡に向かう中で生きる人々の話。 残り1ヶ月どう過ごすのか、過去の過ちの受け入れ方にも個性が出る。 普段は世の中に絶望している人も、あと1ヶ月しかないとなると考え方や行動が変わってくる。日常の捉え方、生き方を改めて考えることができた。

    21
    投稿日: 2024.04.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小惑星との衝突。1ヶ月後に死ぬ? 自分ならどんな風に過ごすだろう。 主人公は私とは違う選択。若いとはいい事だと思ってしまう。好きな女の子の為に時間を使う。そして家族はその息子の為に時間を共有する。おもしろい。

    3
    投稿日: 2024.04.22
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    それぞれの背負った荷物、それを他人が持ってあげることは出来ない。 でも生きてさえいれば、あゆみ続けていけば、そこには幸せみたいなものがあらわれる。 自分を卑下する気持ちが軽くなり、今を未来を少し明るく見れるようになるいい作品でした。

    7
    投稿日: 2024.04.22
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    短編が繋がっていくさまが爽快でおもしろい。 地球滅亡までの話なのに、なぜか爽快感もあって読みやすかった。 この作者の作品が単に好きなのかもしれないけど、心地よくスイスイ読める。 みんな世界が滅ぶ前だと素直になれるんやなと。 表面は照れやったり、そうした部分は見せないけど、本質は素直になれてる。 世界がどうこうより、普段からこうした部分も出せたらいいのかなー。 学生時代に読みたかったなー。

    5
    投稿日: 2024.04.22
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    人類滅亡を前にして生きるのに不器用な登場人物たちが願い、渇望した人生を見つける話。目の前にあるのは滅び行く世界と絶望、それでいて流れる空気は温かくて柔らかい。そんな終わりへの物語。

    2
    投稿日: 2024.04.21
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    面白かったけど、読み終わってジーッとカバーイラストを見ても何故赤ちゃんがイチゴのお花で目隠しをされてスプーンを持っているのかよくわからなかった笑

    3
    投稿日: 2024.04.20
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    終わりと幸せ きっと終わりが来なかったら幸せになれなかった人たちの物語。今を大切にしようと思った。

    2
    投稿日: 2024.04.19
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    読み終わった時スッキリした。ハピエンかどうかと言えば判断が難しいが、この終わり方は個人的には好きだ。 設定は世界滅亡の1ヶ月前ということで、アルマゲドンのイメージに近いが、今の社会が崩壊するという意味ではアイアムレジェンドやクレしんの大人帝国のような厨二病の男の子全員が夢見る世界観で本当に好き。 その中で主人公一家たちの抱える悩みに向き合ってくというストーリーが良い。悩みを解決ではなく向き合うというのが現実世界にもありがちで感情移入しやすい。壊れた世界だからこそ向き合えることもある。

    2
    投稿日: 2024.04.18
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    1ヶ月後に巨大な隕石が衝突し人類は滅亡する。厳しい現実を叩きつけられた中、残り1ヶ月をどう過ごすか。何人かの登場人物それぞれの視点描いた作品。 各々過去を振り返りながら、何を感じどう生きるかがが細かく描かれており、人生について考えさせられる作品。 全体として読みやすく、飽きないストーリー構成。

    2
    投稿日: 2024.04.17
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    数日後の人類滅亡が確定し、色んなものが壊れていく世界でどのように生きるかが、何人かの登場人物の視点で描写されていく作品。 半グレとか超売れっ子歌姫とか、あまり自己投影できない登場人物がメインになってたので、個人的にはそんなに刺さらなかった。 もうちょいマジョリティな属性の人物の視点で話が展開されていたら、「自分だったらどうするかなぁ」なんて考えられたかもしれない。 読みやすいけど、読み返しはしないかも。

    10
    投稿日: 2024.04.16
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    新井素子の「ひとめあなたに…」が好きで、似たような設定だな、と思ったら巻末に新井素子との対談が収録されていて、胸熱でした。 地球が滅亡するまでの物語なのに、暴力や死体がいっぱい出てくるのに、何となく希望を感じて、明るい気持ちになるのは、凪良ゆうの才能だと思う。 個人的にはかっこいいお母さんを好きになりました。

    3
    投稿日: 2024.04.14
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    地球滅亡という大規模な話の中の、大きくわけて2人に焦点をあてた話。地球滅亡に向かう日々の中で、決められた日があるからこそ強くなったり、本当の自分を見つけられたり、、少し世間の争いやドロドロした場面もあったけど、最後まで希望を持って生きる2人が良かったです。暗い話ではなかったです。

    11
    投稿日: 2024.04.14
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    「流浪の月」で作者を知り、「汝、星のごとく」で涙した作者のSF作品。 小惑星が地球に激突する日のカウントダウンが始まり、日常はカオスの時代になる。そんな中、破天荒な家族が一生懸命生きていく姿を描写する。平和な時代には見えなかった精神的な繋がりをテーマとしたこの小説は、荒唐無稽な設定でありながらも、自分に正直に生きる家族の素晴らしさを読み取ることができる。 やはりこの作者は只者ではない。

    3
    投稿日: 2024.04.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    世界滅亡を目の前にして、残りの人生をどう生きたいのか、考えたこともない話だった。 まだまだこの先生きていられると思ってるけど、明日死ぬかもしれないとなると、生き方が変わってくるなと思った。 明日の死を望む者も、望まない者も、残り僅かな人生という飲み込めないものを理解して行って、改めて考えて、幸せを掴んでいくお話だった。 それぞれの人生における幸せというものを感じて何回も泣いた。 とても好きな作品だった。

    4
    投稿日: 2024.04.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    無秩序な世界の中、最期に出てくる人間性。混沌とした世界ゆえに何を持って善なのか、何を持って悪なのかを考えさせられた。人を殴り続けた信士、肩書きだけでは見ることの出来ない、良さがあった。きっと世の中にもそんな人が沢山いるんだろうな。暴力者を擁護する訳では無いけど。やってもいいことと悪いことがある。やらなくてもいいこととやった方がいいこともある。信士には、そこの天秤が曖昧で不器用で愛おしいと感じた。

    4
    投稿日: 2024.04.09
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    人には人の地獄がある。隣の芝は青くて、そんな青い芝の上に寝転んでいるように見える人にも。 自分の中の正義、当たり前、良し悪しが全てひっくり返されていく。 最低な人間の幸せを微笑ましく思ったり、輝かしい女の子を気の毒に思ったり。でもその自分の感想すら、見方を変えれば全てが違くて全てがそうなんだと、意味がわからなくなる作品だった。 終わりがあるから頑張れる。よく言われるその言葉の「終わり」が死になった瞬間、その頑張りすら皮肉に変わってしまうのだと思わされた。 それでも、今日も頑張ろう。読了後そう思えたことこそが、絶望の中の希望の物語そのものだと感じた。

    6
    投稿日: 2024.04.08
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    あと1ヶ月。 自分だったらどうするか、って考えるけど現実味なさすぎて、、 でも時間は無限じゃないから大切な人の為に、自分の為に、大切に生きたいと思った。

    3
    投稿日: 2024.04.08
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    どうせ終わるからではなく、せっかく終わるからと思っていればこその登場人物たちの行動だったと思う。友樹と路子の変化に私の心も踊らされた。一カ月と会う期間が絶妙な人間模様を露呈させた。

    35
    投稿日: 2024.04.07
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    星5をつける好きな作品はたくさんあるんだけど、本当に好きだと感じた1冊。愛を感じた1冊。 男女を超えて愛してる人がいて、そういう相手がいるから生きていけて。 でも日々目の前のことでいっぱいいっぱいで、愛を表現しきれていないし、相手の愛に気付けないし。 残りの期限が見えてしまった時には遅いんだな。気づいた時に表現しないといけないんだなと。小説を通して終わりに気付かせてくれるんだなと。 好きと感謝が溢れる気持ちになりました。 ちなみに伊坂幸太郎も終末のフールが好き。似てるとか似てないとかじゃなくて、自分が地球滅びる系が好きみたいというのがおもしろい。滅びる前に愛を伝えれる人になりたい。

    4
    投稿日: 2024.04.06
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    あと1ヶ月で世界が滅びてしまう。自分だけじゃなく世間が世界がどんどんおかしくなっていく中で、この子を守りたい。本当の親に会いたい。蕎麦屋を続けたい。愛した人と子供と一緒にいたい。歌を歌いたい。いろんな人の気持ちや想いが感じれた。 滅ぶという運命は変えられない、ならその滅んでいく時の中で自分はどんな幸せを迎えるか、幸せとはなにか考える作品。

    10
    投稿日: 2024.04.06
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    地球滅亡まで一ヶ月。残り少ない時間をどう生きますか? いじめられっ子の友樹、生みの親に会いたい藤森さん、恋人から逃げた静香、鉄砲玉の信士、歌姫のLoco、それぞれに焦点を当てた物語。 繋がりあった話の中で、再会した不器用な登場人物達が、お互いを思いやり、関係性を築けたのが良かったです。最期にやりたかった事を叶えようする人達。途中待っているのは、人心の荒廃した世界。その中で自分の人生に理由や答えを見つけたいともがく多くの人々。何気ない毎日をもっと大事にしていきたいなぁと感じた一冊でした。

    18
    投稿日: 2024.04.06
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    関西弁でテンポよく、ジェットコースターみたいに地球滅亡1ヶ月前からの日々が綴られる。 全員死ぬとなった時の人間の荒み具合がリアル。 テレビやニュースやネットを維持させてる人がいることも、強奪や、殺人も。 そして会いたい人に会い、一緒にいようとすることも。

    2
    投稿日: 2024.04.05
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    この人、何書いてもおもしろいな…。いや、私がただ凪良ゆうさんの文章が好きなだけだと思うんだけど、先日読んだ凪良ゆう先生の対談集の『ニューワールド』で編集者たちのあいだでわりと明るくてほのぼのした『白凪良』とシリアスで重苦しい『黒凪良』があって、なかでもこの『滅びの前のシャングリラ』は一番『黒凪良』だって言っていた なのでこれは大丈夫だろうか…と思っていたけれどこれも何の心配もなくおもしろかったし、やっぱり人間讃歌に落ち着くところが好きだな。人間ってどうしようもなくて愚かで弱くてずるいけどそれらでさえも愛しさを見いだせるのがすごくいいなあと思うしだからこの凪良ゆうの作品が好きなんだろうな~~~新刊出ないかな~~~~

    6
    投稿日: 2024.04.04
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    面白かった!! 登場人物のほとんどが関西弁。それもコテコテの。 どうりで著者は関西出身だったのね。 ”流浪の月”のイメージがあったから暗い話しかと思ったら 笑えるとこも多々あって(特にいじられキャラぽっちゃり高校生の江那友樹の父親の目力信士ね) 内容的には1ヶ月後に地球に小惑星が衝突して地球が滅びるっていう奇想天外なシリアス?な話しなんだけど、 藤森さんが好きで弱いけど守りたい気持ちは強い江那と 元ヤンキーでバイオレンスな江那の母親の静香。 この母親も最高!大好き。 で若い頃付き合っていた単純でいい奴なんだけど暴力的な信士との間にできた友樹を内緒で産んで、広島でシングルマザーで育ててきんだよ。 で、美少女の藤森さんは養女で下に妹が(妹は両親に子)いて複雑な気持ちを抱えて毎日暮らしてる。 この4人がLokoのコンサート目指して(ほんとは藤森さんの母親を探すのが目的だったけど途中で断念)東京に行くロードムービー的な面白さもある。 飛び降り自殺、略奪、ひき逃げ、刺殺、死体が放置されて死臭がただよう街ってどんな街だよ。そういうエグいシーンももちろんあるにはあるけど、この疑似家族で過ごす残りの人生、けっこう捨てたもんじゃないと思わせてくれる。 読後感は爽やか。

    9
    投稿日: 2024.04.04
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    凪良ゆう『滅びの前のシャングリラ』読了。 1か月後に地球に隕石が衝突すると判明した世界の話。いじめられっ子の友樹は、東京に行くと言う憧れの藤森さんを守るためについて行く。終末を控え、日常ががらりと姿を変えた世界で人々は最後の1か月をどう過ごすのか。 初・凪良作品。すごく面白かった。良識を失ったディストピアでみんなそれぞれに罪を背負うけど、清々しく温かい気持ちになる話だった。

    5
    投稿日: 2024.04.03
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    上手く生きられなかった人達が自分の人生と向き合っていきやり直していく。 そんな良くある話しかもしれないが、これは後一か月で地球が滅亡する世界での話し。 皮肉だけど、だからこそ向き合えたのかもしれないと思うし、ラストが結構意外で複雑な感情がブワーっと出てきたけど、なんかスッキリともするような不思議な感想を抱く作品でした。 また、後一か月という期日が決まってる事が、どれだけ未来への希望を奪うかの描写がエグく心にきたけど、それがまた良い表現でした。 なんか「ちゃんと生きなきゃ」と思ってしまいましたねー笑

    4
    投稿日: 2024.04.03
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    視点は変わるけど繋がってる地球滅亡の話。 絶望感で溢れてるけど、何故か希望を感じて不思議な心地で終わった。

    4
    投稿日: 2024.04.02
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    読みながら、新井素子にもこんなんがあったなーと思ってたら、あと書きの代わりに新井素子X凪良ゆうの対談があったので、なるほどなーと。 1か月後に隕石が地球に衝突するが、避けられない。社会が壊れていく中で、学校の下層とされていた友樹くん、ムチャクチャしてきた目力信士、友樹くんの母で信士が最後に会いに行った静香、友樹くんが好きで守ってあげたい藤森さん、藤森さんがファンだった歌手のLocoちゃんが、ラスト=滅亡に向かって集まっていく。諦めたり嘆いたりするだけでなく、生きたい気持ちを目標を作って維持した彼らが目的地に到達できて良かった。 先日鑑賞した「愛と哀しみのボレロ」もラストに向けて集まっていったな。

    15
    投稿日: 2024.04.02
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    凪良さんの文章は自分にとってとても読みやすいです。繋いでいく言葉が好きで、凪良作品4冊目です。 地球が滅亡するってテーマが大きすぎて、本当に滅亡する前の世界ってこんなことになるのかな?とぼんやり考えました。わかりっこないのですが納得できてしまう、そんな世界が描かれています。 時間は一直線で流れていくのに変わっていく視点が、出てくる全ての人の気持ちも一つに繋いでいってくれているようでとても心地よかったです。 心はぐるぐるしていて涙が出そうな気もするし、どこか晴れやかな気もする感情に名前はつけられないけれど、面白かったなと思える作品でした。

    4
    投稿日: 2024.04.02
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    わたしも明日死にたいと思うことがままある。誰にも必要とされていないと感じることも多い。だからこそ、路子の章はグッと来るものがあったし、彼女の心境の変化や言葉には共感した。敏い江那くん、同じく家族の愛に不信感を抱く藤森さん、肝っ玉母ちゃんの静香さん、頭に血が上ると手のつけられない信士さん。章が進むごとに彼らの辿ってきた経歴や心境、関係性が明らかになり、彼らが互いをいかに思い遣っているかを知ることができる、とても聡くて深い作品だった。全員に平等に死が訪れるという究極のシチュエーションのなかで、人々は誰を想い、誰とどのように過ごすのか。とても心のある、優しいお話だった。 p.90 「悲惨な目に遭ってたら、身の回りがそんなに行き届かないと思う」 小学生のころ、少ない服を着回していることをクラスメイトにからかわれたことがある。 そのとき、うちは貧乏なのだと知った。不幸はいつも他人の目や口によって露わにされる。 p.190 ーーあたしたちは、なんで、まっすぐ生きられないんだろう。 あたしは親に殴られて育った。信士もそうだ。毛のように手足を引っ込めて丸まり、なぜ殴られるのかわからないまま、ごめんなさいと必死で謝り続けたことを一生忘れないだろう。その痛みを知っているのに、どうして士は嫌悪する親と同じことをするんだろう。 子供はこれから建てられる新築一軒家みたいなもので、家を支える柱の一本一本に、あたしゃ士は暴力という名の傷をたくさんつけられた。家が完成したときにはそれだけを抜き出すことはできなくなっていて、どれだけ築年数がいっても傷ついた柱はそこに立ち続ける。 あたしや肩士や悪い仲間たちを支える柱は脱弱で、なにかことが起きるたび家全体が不安に揺れた。信士が拳で鳴らす鈍い打撃音は、幼いころ散々傷つけられた柱が軋む音で、そんなものいっそぶち折って、自分と言う家事、壊したがっているように思えた。信司の衝撃を凄まじく、それは時に恋人である私には向けられる。シンジがドアホだとしたら、私はアホで、同類なのに、少しましな分、シンジよりシンジの全体がよく見えた。こいつ苦しいんだろうなぁ、寂しいんだろうなぁ、あったかい飯を食わしてやりたいなと、してやりたいことが増えることに惚れていったように思う。 p.210 友も雪絵ちゃんも生えている。暴力というカードにも裏と表がある。悪漢を叩きのめすのはいいが、老夫婦殺害は受け入れられない。そりゃそうだろう。けれどそれは善悪ではなく、自分が許せるか許せないか、自分の気持ちゃ正義に添うか添わないかだけの判断で公正とはほど遠い。 みんな勝手なもんだ。そう思いながらも、怖いから信士と暮らしたくないと友間が言ったら、あたしはもう一度友たちを連れて逃げるだろう。あの寂しがりの男を最後の最後にまた置き去りにするだろう。あたしは母親で、あたしの一番は子供で、一番勝手なのもあたしだ。しばらくするとスマートフォンが鳴った。信士からだ。 「花を探してきてくれ。なんでもいい」 p.248 愛情にも適正な距離というものがある。近づくほどに深まるものもあれば、離れている方がうまくいくものもあり、憎んでしまう位なら手放したほうが良いこともある。 p.253 「お父さんから喧嘩の仕方を習うんだ」 「なんのために」 「強くなるんだ」 あと十日しかないのにーいまさらすぎる言葉を飲み込んだ。 「藤森さん、最近すごく不安定なんだ。さっきまで普通に話してたのに、急に泣き出したりする。だからぼくは絶対に怖がらないでおこうって決めてるんだよ。あと十日、藤森さんを守れるように強くならなくちゃいけない。まあ、守りきれはしないんだけど」 「おまえは怖くないのか」 「怖いに決まってるだろう。でもこうなる前の世界より、ぼくはずっと自分が好きなんだ。 前の世界は平和だったけど、いつもうっすら死にたいって思ってた」なにげなく放たれた言葉の重さに胸を衝かれた。 「今は死にたくないって思ってるよ。でもあと十日しかない。悲しいし、怖いし、最悪だけど、それでも、ぼくはちょっといい感じに変われた気がする。あのままの世界だったら、長生きできたかもしれないけど、こんな気持ちは知らないまま死んでたかもって思う」友樹は恥ずかしそうに人差し指で身の頭に触れた。 「それって、どっちがいいことなんだろうね」あたしは答えられず、友樹も答えは求めていないようだった。 「もうすぐ死ぬんだし、お母さんも遠慮なくお父さんといちゃつけばいいと思うよ」 p.331 一時期、SNSを更新するのが怖かった。なにをアップしても、混みたいなコメントをなすりつけられる。周りは気にするなと言うが、馬鹿か、気にするに決まってるだろう。 けれど反応したら負けだと論され、がんばって心を麻薄させていった。なにに触れても痛みを感じないよう、笑わず、泣かず。あれは間違っていたと今では思う。 どうして石を投げられているほうが痛みを我慢しなければいけないのか。石を投げているほうが悪いに決まっているだろう。けれど今、ぶつけられる愛と憎しみが倒れそうに嬉しい。 p.341 あたしがSNSを更新するたび、尽きない泉のようにどこからともなくあふれてくるコメントを思い出す。憎悪、愛情、憎悪、また愛情。延々と続く輪。 1路子が正真正銘、日本で最後の歌姫や。 そうなんだよ、ポチ。あたしは歌姫で、実のところ、ようやくそこから解放される安堵を感じている。おまえの肩に何千人という関係者の生活がかかっていると脅されなくていい。新曲を出すたびオリコンチャートを気にしなくてもいい。今度こそクジラに抜かれるのではと怯えることもない。生きるために食べたものを吐いて、あたしはなんのために生きているんだろうと、涙と鼻水と延にまみれなくていい。あたしはやっと、ようやく、ゲームの盤から降りられる。 明日死ねたら楽なのにと、Locoだったあたしはずっと夢見ていた。 その明日がついにやってくる。 あたしはしゃがみ込み、地面に手をついているポチを頭ごと抱きしめた。もうなにもできることはないのに、それでもあと十五日ばかりの間、あたしたちは呼吸をし、食事をし、排出しなくてはいけない。ただ死ぬために。それにどんな意味があるのかわからないまま。 ーなあ、生きるってなんやねん。 あたしはその答えを、いまわのきわまでに見つけられるだろうか。 p.351 「そうやって、自分を支えとるんやないかな」「支える?」 「なんもやることないと、おかしうなりそうやん」 みんなが黙り込んだ。ほうっとただ死がやってくるのを待つのは耐えられない。それくらいなら誰かに頼りにされる自分、崩れそうな世界を支えている自分、という自負心でもって迫りくる恐怖をコーティングしたほうがいい。皮肉なことに、死を前にして、みんなが自分たちが生きる理由を探しはじめ、それは善悪に関係なく行われている。 誰かの役に立ちたいと願う人もいれば、暴れることに命の煌めきを見いだす輩もいる。 あちこちで暴動が起きているけれど、ガラの悪いおっさんたちが守っているおかげで、このあたりはまだ安全だし、町内会による炊き出しまである。食料があると聞きつけて夜襲をかけてきた連中は返り討ちに遭い、逆に車に積んでいた物資を根こそぎ奪われ、命からがら逃げていった。 裏を返せば、町を襲ってきた連中とあたしたちは変わりない。腕自慢の連中が毎日町のへと出かけ、食料を担いで帰ってくる。どうやって調達してきたのか誰も問わない。自分たちが食べるために誰かから奪い、それを見ないふりで小さな平和を享受しているのだ。 毎日自分たちの弱さや卑しさを恥じながら、それでも生きるしかない。絶望と目を合わせないよう、誰も善悪を断じない。断じる資格が誰にもない。 「大丈夫や。神さまのやることには必ず意味があるんやから」南実ちゃんが穏やかに言い切った。 「あたしらは罰を受けるんやない。人間がおらんようになったあと、世界にはすごくいいことが起きるんやて。おっきい隕石で恐竜が絶滅したときも、そのあと哺乳類が増えて、それがあたしらにつながったやろ。それと同じ。きっとあたしらよりいい『なにか』が生まれるんや。波光教の地区長さんが毎日お話を配してはって、わたしもお義母さんと一緒に聞かせてもろてんねん」 南実ちゃんは自分のふくらんだお腹に手を当てる。聖母の笑みと言っていい。 「そうやんな?」 南実ちゃんに問われ、ポチは大きくうなずいた。 「そうや。俺らにはわからん、でっかい意味があるんや」うなずき合うポチと南実ちゃんは穏やかで幸せそうに見えた。 ああ、そうか。ふたりはこういう「納得の仕方』を選んだのだ。 みんな、なにも言わない。ここまできたら、それぞれがじたいものを肩じ、自分なりの方法でそのときを迎えるしかない。他人から見て納得できる、できないは関係ない。 生き方も、死に方も、それぞれの胸のうちだ。

    4
    投稿日: 2024.04.02
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    それぞれがそれぞれのやり方で、世界終末のその瞬間までもがく姿は、心にくる物がありました。自分だったらどうするかなって考えながら、こんなにたくましくいられるかなと思っていました。 自分にとって一番大切な物は何なのか、考えさせられました。

    5
    投稿日: 2024.03.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    凪良さんの書く物語は美しい。小説を美しいと感じたのは、凪良さんの小説に出会ってからだ。 この小説も多分に漏れず、特に結末に向かっていく描き方がとても美しかった。 多くの人間は自分が死ぬ時を知らない。だからこそ、理性が勝ち、人間としての自我を保てる。 一方で、世間体や周りからの評価を気にして、自分を抑圧し、本来の自分を表現できないこともある。 でも、死期を知っていたら、人はどうなるのか、どう終わりを迎えるのか、その人の本質が現れるのだと感じた。 極限の状態で、自分がどうありたいかを知るのは皮肉な話だが、もう何も気にしなくていいからこそありたい自分でいれる。 日常が続くと信じてるからこそ何となく生きてしまっているが、この本を読んで、「もし本当に小惑星が衝突するなら(死期が近いなら)、自分はどう生きたいか、何をしたいのか」を考えさせられるいいきっかけになった。

    7
    投稿日: 2024.03.29
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    地球滅亡が確定したあとの1ヶ月、自分にとって現実味がないなー。 いじめられっ子の心模様がおもしろかった。

    4
    投稿日: 2024.03.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自称、スクールカースト最下位の友樹君。17歳。カースト最下位の理由はポッチャリ体型、運動、成績、中の下。掃除当番一つにも上中下と階層分けがされる学校で、理由の一つ一つは致命的ではないものの全てが合わさり何らかの法則が発動され最下位の階級へ飛ばされると自己評価。神の摂理だと分析し、さらに社会に出てからも継続されることを推測。 ここで親心が発動してしまう。そんなことないよって。高校デビューに大学デビューという言葉だってあるくらいだし無理にやりたくないことをしろとも思えないけど一つ一つ何か克服できそうなものを探そうと思えば若いから飲み込みも早い筈なのにと彼に話しかけてしまいそうになりました。 彼が憧れる素敵女子に同級生でスクールカースト上位に君臨する 美少女の藤森さん。序盤はこういった学校での出来事を軸に進んで行く。 〜世界は序列で分断されているが、それぞれの階層内に渦巻く愛憎に変わりはない。〜 小惑星が地球に衝突するまで1ヶ月。 彼らの両親も巻き込んだ世紀末の詩。 おデブ君のお母さんが元ヤンで、なかなかサッパリしていて面白い。 残り1ヶ月と宣告を受けて地球よりも先に人間が壊れ始めていく。 長い時をえて作った法も常識も道徳も安物のメッキのように剥がれ落ちる中で 正義も何もない皆が自分のことに必死 そんな中で腕っぷしの強い母ちゃん父ちゃんを持つカースト最下位の彼は 逞しく成長していきました。 世紀末に人間が壊れもするけど大事な何かを気づく火事場の馬鹿力みたいな奇跡の連続もあり割とホッコリするヒューマンよりの物語でした。

    18
    投稿日: 2024.03.26
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    凪良ゆう作品3作目。 本屋でニューワールドを見かけて読みたいと思ったが本作のスピンオフが載っているとのことで先に読んだ。久々に地元書店で(古本でなく)買った本。 あと1ヶ月で終わる世界で人々がどういきるか、という話。 いじめられっ子とその父親、母親、好きな女の子の4人で行動しながらそれぞれの視点でのストーリーが描かれる。 女の子が好きなアーティストの視点のストーリーで最後を締める。 母親がいい男すぎ(褒めてる)。 細かい心理描写はさすがに他の凪良作品と同様素晴らしいが、「流浪の月」や「汝、星のごとく」のような心のゆさぶられる作風ではなく、こちらは皆が残り少ない日々をどのように行動するか・考えるかという疾走感を感じられる作品。 作風の違いはあるが面白い本だった。

    7
    投稿日: 2024.03.23
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    滅亡を前にした世界で「人生をうまく生きられなかった」人々が見つけた光。二度の本屋大賞受賞を果たした著者の傑作。〈巻末対談〉新井素子×凪良ゆう

    2
    投稿日: 2024.03.22
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    滅んでいく世界をどう生き延びるという趣旨ではなく、どう受けとめるかという物語が斬新で面白かった。 死ぬ前に好きな人と一緒にいられるのって幸せだろうな。

    13
    投稿日: 2024.03.22
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    滅びないのではないか、と 固い頭な自分がどこかに居て、でもそれは願っているわけではないんですよ。 それまで1ヶ月というのが絶妙な期間ですよね。 人間の感情が揺れるには充分な時間なのだろうな、と思わせる作品でした。 こんな世界を見ることは出来ないし、経験もないのに納得してしまうのです。 母の静香パートと 雪絵パートがお気に入りです

    5
    投稿日: 2024.03.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして―荒廃していく世界の中で、四人は生きる意味を、いまわのきわまでに見つけられるのか。圧巻のラストに息を呑む。滅び行く運命の中で、幸せについて問う傑作。 何となくハリウッド映画のような展開。でも事実小惑星は近づくし、そのパニックたるや描写がリアルで怖い。読後感も決して良くはないので、読むタイミングには気を付けてほしい。重い話だと思いました。路上に死体はゴロゴロあるし、殺人や強盗が普通の世界です。 登場人物が生きる意味を見出せたかどうかは、私には分かりませんでした。このラストもうーん…とは思う。 人間というのは、死を前にしてこそ輝くことがあり、死を意識して生きることが大事という気がしました。

    3
    投稿日: 2024.03.21
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    読みやすく後を引く書き方で、あっという間に読了。 タイトルや設定から思わせるような劇的な何かがあるわけではないけれど、決して浅くはない読み応え。 一人一人が考える「終末」全てに共感ができるかと言ったらそうでもなく、ただ客観視しているだけでもない不思議な感覚になった。 何よりも、最期の時を過ごしているというのに皆が他人のことや他人の為に何かをしようと生きている姿に心が打たれた。 最期の瞬間に誰かといたいって思えるような人生。 最期の瞬間に貴方といたいって思ってもらえるような人生。 終わり方がどうであれ、そういう人生が「幸せ」なのだと思った。

    6
    投稿日: 2024.03.20
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    確定されている死の前に、どのように生きるか、一つの解であって、理想が多分に含まれているのが、悲しいなと思いました。それでも、最後には希望を見ている終わり方だったのがよかったです。 人生の終わりまでをどのように過ごして、どのように感じていくのかは、人の数だけありますが、今ある位置から、選択できる道しかないのも事実なんだなーと改めて感じました。私だったら、地球滅亡と言われても、どこかで疑ってしまって、希望に縋って、周りから目をそらして、受け入れずに過ごしそうです。

    5
    投稿日: 2024.03.20
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    一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる。 死ぬと知りながらの一ヶ月。どんどん荒廃していく世界。あちこちで暴動がおき、食料や日用品は略奪しなければ手に入らない。へんな宗教団体もあちこちで危ない活動をしている。 そんな世界を舞台に、いじめられっこの少年、人を殺したヤクザ、恋人から逃げ出した女性などなど、章ごとに視点が変わり、物語が進んでいく。 1章を読んだ時点ですでに、あ、この本絶対面白いやつだ!!と思えたし、 最後までずっと同じテンションで読めて、お気に入りの本の1つになった! どの登場人物も、もともと自分の生きてる世界がそんなに良いと思っていないうえにかなり癖のある人たちばかりだけれど、憎めない泥臭く人間味のある人ばかりで、出てくる人みんな好きになれた。 みんな、まわりとも自分とも戦いながら、一生懸命に一ヶ月で一生分以上の命を燃やすように、たくさん行動し、自分の人生を見つめ、過ごす。 どうせ死ぬんだ…じゃなくて、どうせ死ぬなら、と考えた時、思った以上のことが出来てしまうのかもしれない。 だらだらと何もせず長く生きるのと、一瞬一瞬の幸せを噛み締めて一ヶ月だろうとやりたかったことをやってのけるのと、どっちが幸せなんだろう。 私も考えてみたけど、答えをだすのはかなり難しかった。 長いこと生きていたいし、でもただ生きてるだけじゃ生きづらかったりする。 ただ、この話をよんで、現状をかえたければまずは行動を起こさないといけないし、勇気をださないとなにも始まらないまま終わっていくのだと当たり前だけど気づきにくいことを教えてもらった気がした。最後の瞬間を私がもし迎えた時、長生きしていようがしていなかろうが、後悔するようなことが少なくて済むように。そのためには隕石が降ってこなくたって常に死に物狂いで、自分らしく生き、やりたいことはやれるだけやる。それこそが幸せなのかもしれないなぁとおもった。

    8
    投稿日: 2024.03.20
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    読みやすく、面白かったです。 最後は夜更かしして読みました! 一ヶ月後に小惑星が衝突し、地球は滅びる。 それを知ってどう生きるか。 誰もが負の感情に支配され、どこへ逃げようと逃げ場など無い世界で、それでも最後の時まで精一杯生きる人たちがいる。 むしろこの一ヶ月のほうが、自分らしさを取り戻せた人たちもいる。 欲望のままに奪い合い、傷つけあうのが普通となった世界の中で、それでも、お互いを思いやって生きていくことの大切さと難しさを感じました。 もし、現実世界が一ヶ月後に滅びるのが分かっているなら… 「いい人生だった!」と最後に思えるように生きたいと思いました。 本はやっぱり面白いです。 この作品との出会いに感謝致します。 ありがとうございました。

    20
    投稿日: 2024.03.19
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    伊坂幸太郎さんの終末のフールを思い出しました! 終末のフールは8年後に小惑星が衝突すると発表された5年後の物語。 本作は1か月後に小惑星が衝突すると発表された物語。 現実の世界では人類滅亡の危機は発表されないのではないか?と考えてしまう。何故なら働く人々の生活意欲が落ちて社会が機能しなくなる事。多くの人が自暴自棄になり犯罪が横行する事。そして、未来に絶望して多くの人が自殺してしまう事は、仮に一週間後に世界滅亡の事実を政府が知っていても、国民にその事実を伝えるメリットは無いと思われる・・・ 本作の主人公はリレーのように繋がっていきます。 最初の主人公は小太りの高校生で同じクラスのスクールカーストが高い生徒に虐められています。 しかし、同じクラスのハイカーストの女の子に恋をしています。そして、その子と小学生の時にある約束をしており、そんな折に世界の終わりが告げられるニュースが発表されます・・・ そして、2章の主人公はヤクザです。 なんでも、暴力で解決しようとする暴力マンです・・・ 凪良ゆうさんを読んだのは初めてですが、 他の作品も読んでみたいと思いました!!!

    56
    投稿日: 2024.03.17
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    読後しばらくは、現実と小説の中の話がごちゃ混ぜになるほどのめり込みました。誰もが人生に辛さを感じていて、それが1ヶ月で終わることに絶望感とある種の安心感を感じるのは理解できます。心情描写の丁寧さに脱帽しました。

    6
    投稿日: 2024.03.17
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     一か月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる。人生に不器用な5人は、最期の時までをどう過ごすのか。  エピソードごとにそれぞれの視点で物語が進み、それぞれの人生の苦しみを味わいながら、最後の結末を迎える展開でした。  人生の終わりがはっきり見えることで、改めて生き方を見つめ直していく人たちと、自暴自棄に走る人たち、自分だったら、どちらになるのか、深く考えさせられました。  おそらく、どちらかの側に居続けることは難しく、そのジレンマに苦しむのではないでしょうか。  今の私は、命いっぱいに人生を歩んでいるのか、問い続けていきたいです。  また、ありきたりかもしれませんが、苦しいことがたくさんある中で、今あるちょっとした幸せを見逃さずに大切にしていきたいと思いました。

    51
    投稿日: 2024.03.16
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    1ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる。 設定としては目新しくはない。(伊坂幸太郎の終末のフールが思い浮かんだ) あと1ヶ月で世界が滅びるとあって、作中は世紀末感が漂っている。 荒れ果てていく地球で、生きていく家族の物語という感じか? 4人の視点で描かれている作品。いじめられっ子の高校生。 半グレで自分の暴力性を抑えきれずに生きてきた40代。 女手ひとつで息子を育ててきた母。 日本最後の歌姫LOCO。  前情報なく読んだので、2つ目の短編読んで、あ、繋がんのねとなった。展開はハラハラもあるし、サクサク読めた。

    4
    投稿日: 2024.03.16
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    あまりにあっという間に過ぎてゆく描写がスラスラと読み進めてしまう。主人公が入れ替わり「ぼく」と「わたし」の地球が滅びるまでの行動や思考が興味を引いた。 私ならどうするだろうと時々思いながら読んだけど、当時は未知のウイルスでパンデミックになった世界を想像出来た人は居ないだろうから、きっと想像を遥かに超える現実なんだろうな。 なかなか感情移入しにくい内容と人物だけど、私は静香さんが好き。

    8
    投稿日: 2024.03.16