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一線の湖
一線の湖
砥上裕將/講談社
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総合評価

199件)
4.2
73
84
29
0
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前作『線は、僕を描く』の続編 青山くんは、水墨の世界に生きると思っていた。しかし、小学生たちとの触れ合いを見て、小学校の先生になるという決断に納得◎ 「絵はいつでも描けるなって思ったんです。いつでも、どんなところでも」 確かに、仕事にしないと絵は描けないわけでもないし、趣味で描いている人もたくさんいるなと思った。 湖山先生が、最後、青山の作品についたタイトルに感動して、涙した。 私自身が趣味で行っている書道の作品制作に活かせそうと思った感想〜水墨画の部分を書道に変換して〜 子どもの持つ ①失敗を恐れず、素直にものを見るということ。 ②水墨画を楽しむ気持ち。 これは、練習をしていけば行くほど、周りの技術や実際の形に囚われてしまったりして、水墨画を始めた当初の気持ちを忘れてしまう。 そう思うと、やはり子どもの純粋さはすごいなと尊敬してしまう。 私自身も初心忘るべからずと心に誓い、作品制作に活かしていきたい!!

    0
    投稿日: 2025.11.21
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    ここ最近読んだ本で1番よかった! 続編と知らずにこちらから先に読んでしまったのですが今すぐにでも前作が読みたい。 プロが書いた水墨画をテーマにした話だから水墨画の描写がとても丁寧。それらを全て理解出来たわけではないが登場人物たちがそこに込める思いがありありと伝わってくる。 芸術家の話なので自身との対話だったり山にこもったりと私のような凡人にとっては突拍子のないことが行われていくがその生き様や才能に魅了された。 作者の考えやテーマはこうなのだろう、と考えてしまう本と多くあるが、この物語は作者の影は感じずただ主人公の頭を、人生を覗いているかのようだった。また子供たちのやり取りや母との思い出なども人との関わりの温かみを感じた。

    2
    投稿日: 2025.08.29
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    「線は僕を描く」の続編! 青山くんのそれからを描いているんやけど、やはり、そんな順調やなかったんやな。 人並外れた才能があっても、やはり…それだけではね。 と言って努力はしてるんやけど、それだけでも… この本読んでると濃淡はあるにしても、色としては、2色しか使えない水墨画がそれ以上の様々な色を持ってるように感じる。 多分、目で見える色って言うより、五感で感じる色。 クラシック系のミステリーもそうやったけど、水墨画なんかやったことないのに、スーッと入って来るのは、書き手の上手さなんやろうな。 こんな五感で感じるような体験してみたいけど、ないわ!そんな才能…(・・;) 青山くんの今後の活躍を期待したいきもするけど、何となく途中で予想がついたな。まぁ、水墨画を止める訳ではないし… 現実問題、水墨画で食っていくのも厳しいというのが、チラホラ描かれてて、さすがに作家さんが、水墨画家なんで、少し生々しい。 もう、続編はないんかな… 「何も描かなければ、白の上には失敗はない。 けれども、もし何も描かなければ、白もまた、本当の白にはなれない。」 (文中より) まずは、動くってことかな。

    103
    投稿日: 2025.08.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「線は、僕を描く」の続編 原作読了後、映画を観たのでキャストのイメージのままで読み進めた 今作は抽象的な描写の中に、前作よりも一層禅問答感が強かったので…途中何を読んでるのか分からなくなりそうだったけれど、最後はちゃんと水墨画が見えてきて、じんわりとでも全員があるべき場所にちゃんと着地できて良かった また続編も読みたいな

    4
    投稿日: 2025.08.21
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    しばらく積読にしていて、ようやく読めた7月ラストの一冊。 前作も孤独に対する描写が美しいと思ったが、今回もやはり心の内や水墨画の描写がとても美しい。特に水墨画に関しては、筆写がその道の人だからこそだと、強く感じる。 自分の進路に迷い、立ち止まる主人公が、過去や、周囲の人、そして画と向き合い、一歩を踏み出す物語。

    2
    投稿日: 2025.08.09
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    前作を読んだのは2020年9月とはるか昔だったが、水墨画の世界観に圧倒されたのを思い出した。映画も観て本作に臨んだのが良かったのか、するりと違和感なく没頭できた。水墨画の描写がとても細かく丁寧なのだけど、どれだけ私自身理解できたのだろう。感動を呼ぶ場面でも置いてきぼりを食らった感があった(笑) 子どもたちとのやりとりが今回は肝だったのか。お母さんの思い出に浸るシーンや、椎葉先生とのやりとりは涙が溢れた。もちろんラストの湖山一派の面々のくだりは感動の嵐で。時間はかかったけれど丁寧に読み込んでよかったなぁと。

    14
    投稿日: 2025.06.26
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    水墨画に出会い、公募展で受賞してから2年、大学3年生になった主人公の青山霜介は進路に悩んでいた。そして、大切な揮毫会での大失敗。読んでいてもハラハラして胸が苦しくなった。しかし、「生きるとは、やってみる、ことなのだ。」何もやらなければ失敗はないけれど、何も生み出さない。失敗しては落ち込む霜介だが、一つのことを深く理解しようとし、目的に向かってゆっくりと地道に進んでいく。そんな彼が、先輩の代理で小学生に水墨画を教える場面がとても良かった。描く喜びに輝く笑顔、キラキラと眩しく光に照らされた光景が見えた。

    1
    投稿日: 2025.06.22
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    映画で知った物語 好きな言葉や場面が立て続いて出逢うべくして出逢い成長する主人公が愛おしい まだ話の中に居続けたい

    6
    投稿日: 2025.05.30
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    前回(線は、僕を描く)が面白く、調べたら続編があったので思わず連投。 描くたびに分からなくなる…このなんとも言えない感覚と、前作からの命題「心の内側に宇宙はないのか?」について深く考えさせられました。

    2
    投稿日: 2025.05.23
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    良かった〜 ラストで泣かされた〜。゚(゚´ω`゚)゚。 湖山先生が素敵すぎる♡ 相変わらず水墨画の世界は難しいけど 繊細な文章で真っ白な世界に濃淡で彩られる様が浮かんでいきます 主人公の再生の物語ではあるんだけど、今作で師匠の湖山先生の素晴らしさに何度もグッときた〜 もうこれで終わりかな? 若かりし湖山で一作お願いしたい!!

    47
    投稿日: 2025.05.16
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    前作が良かったので、楽しみな一冊。 前作同様に、しみじみとした感動に泣かされっぱなし。人は孤独なんだと思わされる部分と、繋がりによって救われる部分。 激動の人生だ。 

    1
    投稿日: 2025.05.10
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    「線は僕を描く」の続編。 前半はみんながバラバラの方向に向かって動いて疲れて噛み合わなくて、読んでいてもどかしかった。けれど私は後半より一気に読み進めてしまった。 亡くなったお母さんの過去と向き合い、小学生達に未来を見て、自身の在り方をみつけていく物語。 水墨画に詳しくない為、作中の作品を細かく描写してくれてはいるがイメージし辛く、挿絵があれば…!と思ってしまった。 水墨画をきちんと見てみたいと思える、そんな話でした。

    2
    投稿日: 2025.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『線は、僕を描く』の続編です。 前作の内容を少し忘れていて、急いで読み直してからこちらを読みました。 前作は墨絵との出会いや、過去の辛い記憶を抱えながらもなんとか進んでいこうというというところに焦点が充てられていました。 今作は、ライバルが賞を取っているのに自分は何もない、そんなジレンマから物語が始まります。 大きな展覧会で失敗をし、周りから好奇の目にさらされる主人公。水墨画家としての自信を喪失していた彼を救ってくれたのは、かつて母が担任をしていた小学校に通う子供たちでした。 今作は主人公の「水墨画家」と「心」の成長がテーマ。 その過程は涙なしでは読めないほど、とても感動するものでした。 物語の終盤に感動するものですが、この本は最初の方から涙を誘い、常にクライマックスかのような錯覚に陥りました。 もう長編での続編はないと思うけど、短編で良いから大人になった主人公のその後や、周りの方たちのその後とかを読んでみたいです。

    1
    投稿日: 2025.04.20
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    図書館にて借りる、第688弾。 (京都市図書館にて借りる、第153弾。) 『線は、僕を描く』の続編。 前作がそこそこ良かったので、続きも読んでみた。 水墨画のお話なので仕方のない部分もあるのかも知れないが、絵を描く描写が長い。文字では伝わらない部分もある。私には完全に伝わらなかった。 キャラクターが立っているだけにもっと人間関係を読みたかった。 前作程の面白さはないかな。 星は3つ。3.3とかかな。

    1
    投稿日: 2025.04.10
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    水墨画をテーマにした #線は僕を描く の続編があるとのことで 両親を失った喪失感から 一歩前へ進んだ彼が 次は母の過去と向き合い 子どもたちの無垢な心と 触れ合う姿に胸が熱く また絵師としての岐路に立つ 湖山会のそれぞれの人の葛藤 第一作は1人の少年のストーリー だったけれど 今作は様々な人の心が交錯して また絵とはなにか 絵を描くとはなにかとか 自分には想像できない世界に 読むのにパワーが必要でした 最後の揮毫会は 目の前に絵が描かれていく 長くて一瞬の壮大なシーンでした

    0
    投稿日: 2025.04.05
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    『線は、僕を描く』の続きです。自信なさげのひ弱な主人公が周りの人達とふれあいながら成長していくお話です。 最後の絵はきっと素晴らしいのでしょうね。見てみたいです。

    6
    投稿日: 2025.04.01
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    美術を言葉で表現するという事を学んだという 一色さゆりさんのインタビューを思い出した 描くだけではない美術 それは一枚の絵だけで沢山の言葉を紡ぎ出すような そんな事を出来るようになれるそうだ この小説はまさにそんな感じです さらに揮毫会のライブ感もあって言葉の湖に溺れそうになる だからといって映画化して視覚化するのも違う 墨の世界にはふさわしくない 自分の中では追いつけない表現もあったけど この世界観はやっぱり★5です

    0
    投稿日: 2025.04.01
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    前作から続く青山君の所在なげな感じから、湖の風景に出会って確信を得た青年に成長した姿がやさしい文章で語られていた 一方、水墨画を描く場面ではうねるように、先を急ぐような勢いのある文章だった 「未来」はまぶしく、尊いものだと感じた

    0
    投稿日: 2025.04.01
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    「線は僕を描く」 すばらしかった! 続編が出ていることはしっていたが、手にとらなかった。 「一線の湖」は またまたすばらしかった。前作を読み返した。

    0
    投稿日: 2025.03.25
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    面白い 深い 清い 青山君が止まったステージに上がって来て花を咲かせた場面は泣いたなー そしてラスト! 美しい!

    0
    投稿日: 2025.03.16
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    とても面白かった。『線は、僕を描く』の続編。 普段本を読んで泣くことは少ないけど(一年で一度あるかないか)、二回ほど目頭が熱くなった。どういう水墨画が描かれているか想像しながら読んだ。挿し絵があればいいなぁと思いつつ、全ては想像のままに。

    7
    投稿日: 2025.03.11
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    余白の必要性、生きることあり様について、深く考えさせられた。胸に響く言葉ばかりで、最後は涙がとまらなかった。前作に続き、自分の人生の指針となる一冊。

    11
    投稿日: 2025.02.23
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    前作も良かったけど、続きがあったとは…! 図書館で見つけて即借りました。 この小説を読む前までは水墨画があることもよく知らずでしたが、関心深いことばかり描かれていてあっという間に読み終わりました。湖山先生も温かくて青山くんやその仲間達の熱い思いに感激しました。また読みたいです。

    5
    投稿日: 2025.02.15
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    前巻があるのをしらずによんでしまった 主人公、うまくいかないだろうなという予想通りにたいていうまくいかないんだけど、思ったよりも悪い結果にならないのがすごく、あ〜現実ってほんとうにこういうかんじだな、と楽な気持ちになれた

    0
    投稿日: 2025.02.14
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    前作から2年後の話。 主人公、青山霜介は大学3年生になっていました。 もちろん、水墨画も続けています。 前作が「静」の中の「一歩」の話だとしたら、今作は「静」から一気に「動」へ花開いたイメージがありました。 霜介の心の中の孤独や悲しみ、苦しみ、焦り。 そして、楽しみ、喜び、安らぎ。 全てが物語の中の水墨画を通して伝わってきました。 両親の死と向き合うことが出来て、苦しみもがきながらも自分の道を見つける様子は、躍動的で大輪の花が咲いたようにとても輝いて喜びに満ちているように思えました。 そこにある霜介の水墨画はどんな作品なのでしょうか。 私の頭の中では、どうやっても完成しません。 実物はないのですが、是非、観てみたいと思いました。 きっと、目が離せなくなるくらい魅力的な作品でしょう。

    34
    投稿日: 2025.02.13
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    揮毫会で緊張して失敗したり、大切な筆が壊されたり、思わぬ怪我をしたり。そりゃ人生いろいろありまっせ。悩みまっせ。でも大学生なら、まだまだ壁にぶち当たるのはこれからだよ、霜介くん。君、とっても心優しくて純粋で繊細で、いわゆる好青年なんだよね。自然界の声を聴く力も備えてて、絵師としての感性は周りから高く評価されてる。でももっと逞しく前向きに生きてかないと、なんだか溌剌とした若さが感じられないわ。事を成しても自信なくおどおどし過ぎ。あれだけ優れた師匠と先輩に恵まれてるんだし、学校の先生やりながら生涯絵師であれ。

    2
    投稿日: 2025.02.04
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    水墨画を題材にした作品。 主人公のストーリーも良くいい作品ですが、何より水墨画にフォーカスした作品を、読んだ経験がなく。 描写のシーンを想像するのにいい意味で時間がかかります。 集中して読める良い一冊でした。 追伸 たまにやりますが、2作目から読んでしまった。。。 前向きに、一冊目を読む。もしくは映像作品をみるととらえていきます。

    77
    投稿日: 2025.01.27
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    題材は水墨画ですが、とても優しい人、優しい世界が描かれている。あまり馴染みのない水墨画の用語も新鮮。おすすめの一冊。

    4
    投稿日: 2025.01.25
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    前作でストーリーが一段落したので、続きはあまり期待せず読み始めましたが、いい意味で期待を裏切られました。 前作よりも水墨画、そして主人公の心情の双方でより深いところへと潜っていきます。 美しい文章が織りなす水墨画の真髄(水墨画を知らない自分が言うのもなんですが)を楽しめると思います。

    1
    投稿日: 2025.01.23
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    「線は、僕を描く」の続編。前作から続けて読了。 前作の感想で、ストーリーがちょっと単調だった、と書いたけれど、続編はいきなり大失敗から始まり、物語に引き込まれます。読み終わってみると、前作は「起」、「承」まで、この続編で「転」、「結」までの構成になっている印象。前作読んだなら本作もオススメです。 失敗から絵を描けなくなるまで落ち込んだ青山くんが、既存の人間関係+新たな出会いによって再生していく様を見守り、心が温かくなりました。 前作は映画になっているようなので、小説の水墨画描写(結構抽象的で、なかなか想像しきれない部分があった‥)をどのように映像表現しているのか見てみたいと思います。

    33
    投稿日: 2025.01.21
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    青山くんの水墨画をまだまだ見たいです。 心を遣い、喜びを感じ、分け合うこと。 同じ時を過ごしていると認めること。 私たちは一枚の絵の中にいる。 同じ時間の中にいる。 一つの景観の中にいる。 そうだろう? 湖山先生が素敵すぎました。 誰より自然で、大きな器の持ち主ですね。 小学生たちの水墨画に向き合う姿から、純粋な心で世界を捉えて自由に表現できることがとても尊く感じました。 そこには正解も、間違いもないのです。 We need some space in our hearts. How do you see this world through your eyes?

    17
    投稿日: 2024.12.30
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    またやってしまった。 これには前作(線は、僕を描く)があります。 読んでない方は気をつけてくだいね。 エンタメ作品ですが、私は文字から人の動きを想像する力が乏しいのか、一番楽しめそうなところがあまり入ってきませんでした。 読む前に水墨画の予備知識があった方が良いので、YouTubeで予習する事をおすすめします。

    28
    投稿日: 2024.12.19
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    前作(線は、僕を描く)はちょっと上手くいき過ぎな感じがあったけど、本作は冒頭の失敗の悪い流れがなかなか切れない。そんな中、亡き母の勤務先での子どもたちとのふれあいで立直りそうになるも…最後は湖山の別荘での復活と怒涛の「湖山引退式」では凄い迫力を感じる。前作と続けて読めばよかったかな。あと映像でもみたい物語。

    1
    投稿日: 2024.12.19
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    書道、とか茶道、みたいに道、の様な世界だと感じた。水墨画だけではなく、絵画とか芸術全般が、そんな風に本質に辿り着く試行錯誤を内包する物なのかは、全く素養のない私には分からないけれど。 「生きるとは、やってみる、ことなのだ」 絶望、拒絶の中から立ち上がり、前を向いて歩き出す勇気に静かに感動しました。

    4
    投稿日: 2024.12.15
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     たまたまプライムビデオで見た映画が素晴らしかった。前作も、それで久しぶりに読み返して、そのいきおいで、こちらも読んだ。  ここで様々な物語が一つにつながる。  もう少しで、森博嗣みたいな詩のような流れる文体に陥りそうなところもある。  でも、この清流のような作品に出会えたことは、何よりの。

    1
    投稿日: 2024.12.06
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    静かで優しい話だなと思う。 水墨画を通して、人のつながりや広がりが素敵だなと思う。 後ろを向いて立ち止まっているようだが、少しずつ前を向いている姿が素敵だなと思う。 母親とのエピソードがいいな。

    14
    投稿日: 2024.11.22
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    静かででもゆっくり前に進む、美しい物語でした。 みんなで一つの作品を作ることの難しさから楽しさや温かさに変わっていく過程が詰まっていました。 2024.11.15 183

    8
    投稿日: 2024.11.15
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    線は、僕を描くの続き。 続きあるの?!と驚いて手に取った。 あぁ…読み終わっちゃった。まだこの世界に浸っていたかった。 出てくる単語や漢字の使い方が普段見慣れないものが多い。それも相まって独特な空間になるのだろう。 読んでいるだけで、私もガラスの白い部屋にいるような感覚に陥る。 新幹線の移動の時に読み始めたけど、2時間半夢中になって200ページくらいまで一気に読んだ。 その後ものめり込んで、でも先生の引退式の描いている辺りはちょっと中弛みしちゃって、終わっちゃった。 正直、描いている描写を読んできちんと想像しているわけではないから、そこはドラマなりアニメなり映像で動きを見たいところだけど、それよりも心情の描写が、すき。 青山君、水墨画を受け継ぐだけが弟子じゃないんだね。小学生とのやり取りがあまりにもスムーズで、勝手に青山君は子供が苦手なんだと思ってたから、ビックリした。 子供たちとのやり取りが微笑ましくて、読んでる間ニヤニヤちゃった。 先生、引退しちゃうのかぁ…。そうか…。寂しいな…

    3
    投稿日: 2024.11.15
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    前作「線は、僕を描く」を読んだ時は、碌に観たこともない水墨画の世界なのに、その想像力豊かな描写からまるで実際に絵を観たかの様にイメージ出来て感銘を受けた。その印象から、期待して本作を読んだが、残念乍ら前作の方が良かった印象。 青山君が落ち込んだところから、子供達との触れ合いや、先輩で山に籠っていた湖栖さんとの接触から立ち直っていくくだりは良かったが、水墨画を描く場面の青山君の身体の動きや筆使い、心の内の描写があまりにも長くまた観念的に過ぎる印象で、今回はいまひとつ入り込めなかった。

    1
    投稿日: 2024.11.14
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    文句なしに面白い。素晴らしい読後感。水墨画という一見地味な世界がいかにカラフルか。登場人物みんな味があり、引き込まれる。おすすめ。

    1
    投稿日: 2024.11.14
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    前作も非常によかったため、期待でハードルが上がっていたが、青山くんの苦悩や成長、子供達の絵を描くことの喜びなどが生き生きと描かれており、本作も良かった。ただ、千瑛さんの出番がもう少しあってもよかったのにとは思った。

    1
    投稿日: 2024.11.14
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    前作「線は、僕を描く」の続編。前作は映画も観たのでその時のキャストイメージで読んだ。人は必要な時に必要なものとの出会いが必ずあると思う。閉ざさなければ、必ず。自分の知らない母の仕事場での姿、触れてきた人たち、湖山先生から渡された黒い筆、湖などの景色、たくさんのものが霜介に大切なことを教えていく過程が大切にゆっくりと、芸術家らしい言葉で描かれている。焦りや迷い、誰でも通過する地点だけど休むって大事。道は違えど想い合える湖山会の人たちが(古前くん川岸さんも)あったかくて大好き。今回の作者の水墨画も素晴らしい。

    2
    投稿日: 2024.10.29
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    続編。 とても良かった。 立ち止まって考えなくては、感じなくては、気づかなくてはいけないことを、片っぱしから無視して見ない見えない生活をしている自分には、別の次元の世界。 子供達のくだりが本当に良かった。 先生も良かった。 えがかれた水墨画を見てみたい。

    2
    投稿日: 2024.10.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2024/10/18 読了。 図書館から。 続編。 読んでいてすごく静か、 そして哀しくささってくる文章もある。 なんだかじんわり涙が浮くんだよなー。

    1
    投稿日: 2024.10.19
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    綴られる言葉も情景も本当に美しい。 青山くんの成長も誇らしい。 未来に向かって線は繋がり引かれ続いていくのだろうな。 教育を間に挟むことで、暗くなりがちな未来。おざなりにされがちな子どもや教育現場にもスポットが当たって、あたたかい気持ちになる。

    7
    投稿日: 2024.10.17
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    墨一色に無限の色彩を映し出す水墨画_ 水墨画の奥深さに 何度もため息がもれました… 水墨画という世界を知れば知るほど… 霜介は描き方の技法ばかりに心が 囚われていたことに気づく 忘れかけていた大切なものと向き合い 過去の自分を受け入れ 心や筆の赴くままに描いていく… 師匠から託された未来を 取り戻していくストーリー 墨や紙 白と黒 そして 線というシンプルなものから 形成される表現の世界の複雑さや奥深さの中で 霜介が一つひとつ目に見えないものを掴んでいく様… その感触や匂いが文面から鮮やかに伝わってきました! 心地よく耳に流れるような数々の言葉から 静けさを感じながらも力強さも感じられ 水墨画を描く躍動感と共に 何度も心に迫ってくるものがありました!! 墨のグラデーションのように スーッと溶けていく感じが心に広がりました 素敵な物語が読めて幸せです…♡ この余韻を味わいながら 眠りにつきたいと思います

    1
    投稿日: 2024.10.01
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    『線は僕を描く』の続編。私は前作よりこちらが好き。今回は青山くんの挫折と、亡くなった母親の過去を知り、新たな道を見つけていく展開がベース。師匠の引退式の描写が特に美しすぎる。

    2
    投稿日: 2024.09.20
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    「線は僕を描く」の続編。前作はひょんなことから水墨画の師につくことになった大学生・霜介のお話だった。この主人公は両親を不慮の事故で亡くしていて、その喪失感から抜け出せず漠然と日々を過ごしていた。そこで水墨画に出会い、湖山会を率いる湖山先生と弟子たちとの交流があり、ひたすら線を描く修行をするなかで、自分の人生を再び取り戻してゆく物語だった。 前作および本作は、水墨画というニッチな世界を丹念に描いていくものでもあり、大変興味深かった。墨と筆で線を描きその線の連なりで絵をなしてゆくことが大変難しいことだということが伝わった。一つの線にその人が表れる。その意味で、前作は「僕は線を描く」ではなく「線は僕を描く」というタイトルだったのだろう。率直に言って、とても好きな作品だった。今作のタイトルについては、ネタバレになるので詳しくは言わない。 前作では、水墨画を描くことで自分の人生を取り戻した主人公だったが、続編である今作では、新たに子供たちとの交流などを通じて両親の死を受け入れ、自分の進路を選び取ってゆくという話が紡がれた。今回はより、芸術を生み出す芸術家の世界を垣間見たように思う。静謐な世界の中で、主人公はときにくよくよしながらももがき何かをつかんでゆく。 今作の中で響いた箇所がある。亡くなった教師の母親が成してきたことに、主人公が気がつくところだ。水墨画家でなくとも、人は、未来につなぐ線を、自分自身の人生の長さを超えるスケールを想定して描いている。その人の描いた線は、その人の命が尽きたあともこの世界に残るというのが真理ではないか?と。以下引用: 「母は自分が生きた一瞬や自分自身のために、力を尽くしていたのではない。人を育て、自分自身さえ見ることはないかもしれない遥かな未来に向けて、線を描いていたのだ。 子どもたちの宝物をみつめ、想いを託すことで、線を送った。時を超える線を、母は描いていたのだ。 人は命よりも永く線を描くことができる。」(引用) ちなみに前作は横浜流星と清原果耶で映画化されており、映画版も私はすごく好きだった。よって本作を読むにあたっては、私は脳内で横浜流星と清原果耶を想像しながら読んだ。これも読書および小説の映像化の醍醐味。

    12
    投稿日: 2024.09.16
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    水墨画の魅力がまたたっぷり感じられる1冊でした。以前に読んだ「線は、僕を描く」では、自室で寝食を問わず一心不乱に課題に取り組んでいた描写が印象的で、なんか孤独感あって暗いな…と。ただ今回は「揮毫会」という、絵師が白紙から作品を書き上げる工程をそのまま披露する会があり、パフォーマンスを失敗できない緊張感や臨場感、華やかさも感じられました。複数名で一緒に一枚の絵を描く共作も前回はなかった要素で、小学生との取り組みは、主人公の孤独感が薄れてて良かったε-(´∀`*)ホッ 『無限の形をした菊の花が、眼前に現れた。すべての絵が乱れ、流麗な線は一つもなく、どれも巧くはなかった。けれども、どの花も生きていた。』 2024.9

    30
    投稿日: 2024.09.10
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    『線は、僕を描く』の続編。霜介が講師として訪れた小学校の子どもたちから得た「気づき」は、読者にも響いてくるものだと思いました。

    2
    投稿日: 2024.09.09
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    349ページ 1800円 9月4日〜9月6日 忘れた頃にやってきた続編。前の本を読んだときには、霜介の気持を想像するしかなかったけれど、今は世界が白いこととかなんとなくだけどわかる気がする。子どもたちのおかげもあり、人としての感覚を取り戻していき、水墨画家として壁にぶつかる霜介から、不思議と目が離せない。水墨画に興味が湧くと共に、自分も描いてみたくなった。

    7
    投稿日: 2024.09.07
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    最後のページを読むのが大変だった。 涙で文字がぼやけてしまって。 ぼやけてしまうから何度も同じ所に戻ってまた涙が出て読めなくなってを繰り返してやっと読み終えた。 本を閉じた今もスンスンしてて若干の酸欠気味。 こんなに泣いたのいつぶりだろう? 優しくて強いなぁ。 前作はとても色鮮やかだった記憶に対して、今作は白と黒の世界だった。 この対比がまたすごい。 話は変わるけど前に別の本で絵本を通じて知り合ったお友達が亡くなったと書いたんだけど、実は私彼女が亡くなった事を彼女を知る人誰とも話ができていないの。 私は読み聞かせの代表をしているからその関係で学校から知らされた。 その時には既にお葬式も何もかも終わっていてお別れも何もできなかった。 ご家族の意向もあって学校側から口止めされた。 だから誰にも言えなかった。 でもそれってとてもしんどい事だったんだね。 誰とも悲しみを分かち合えないってこんなにも辛い事だったんだ。 そろそろ話してもいいよと彼女が言っているような気がした。 あー泣きすぎて目が痛い。 午後の仕事に差し障らないかしら笑

    57
    投稿日: 2024.09.05
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    美しく繊細で、そして力強さを感じる前作からの続きでした。 水墨画と人の心の描写に、圧倒され、こちらが乗り遅れないよう読み捉えるのに必死でした。 登場人物の心の動きが、水墨画が描かれることを通して伝わってきて、悲しさ苦しさ愛おしさ、言葉では表せない想いをぶつけられた気がしました。 不甲斐ない自分に苦しくなって目を瞑りたくなり、動けなくなってしまった時、立ち止まって待つ勇気、目を向けて周りを見渡す勇気を持つことも大切なのだと、自分の中にしか目が行かずもがいている時、先が見えなくてつらい時、また読み返してみたい本でした。 それぞれが持っている自分だけの線、みんなとの繋がりの線、そんな一線を大切にしていきたいなと思いました。

    1
    投稿日: 2024.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今作もよかったなぁ。 霜介の悩みや葛藤を打ち破ってくれたもの。 そのきっかけは子どもたちだった。 子どもたちとの出会いにより、自身の過去を見つめ、成長していく姿が描かれる。 その心の描き方がとても繊細で。 「どんなに素晴らしい技術があっても、それを生かす心がなければ意味がない。器そのものが大切なわけではない。器に何を注ぐかが大切なことなのです」 という、湖山師匠の言葉がもう答えなのだろう。 でも、その答えの先は、自分で導き出すしかなくて。 そして「大切なのは受け入れること」だったと霜介は気づく。 それは、謙虚であることの尊さであるようにも思った。 自然を描くということは、人間もその一部に過ぎないことを知ることから始まるのかもしれない。 何かを表現するとき、自分の力ですごい作品を作ろうとするんじゃなくて、心の声に耳を澄ませることが大切なのだと思った。 水墨画を通して描かれる、霜介の成長や湖山師匠の生き方に胸をうたれた。

    54
    投稿日: 2024.08.29
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    「線は僕を描く」の続編。前作に劣らず良かった。水墨画を描くシーンの文章表現は心が動く。「線は僕を描く」の映画を観てから読むのがオススメです。

    1
    投稿日: 2024.08.28
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    前作が良かったので、今作をかなり楽しみにしてきたのだが想像以上に面白かった。 水彩画を描くときの言葉による表現が巧みで言葉選びが美しいという言葉では言い表せないくらい好き。私の想像力では賄いきれないほど緻密で繊細で濃厚な世界が広がっていて、果てしなさに目眩を起こしそうになった。自然を慈しみたいと思った。 指に墨をつけて描くという手法を初めて知り、面白いなと思った。指で描くことで遊び心が生まれて趣深くなるのだと知った。 両親を亡くした傷が癒えていない中、母の勤務した学校で子供たちと向き合い、当時の先生と会って話をする中で過去を受け入れていくシーンが特に好き。母の学習指導要領を見たり、当時の先生から母が子供を心から愛していることを知ったりする中で母の慈悲深さや子供のまっすぐな目、素直さに感嘆するところが良かった。 印象に残った言葉 子供は自然を観るのではなく変幻自在に遊ぶ。 拙さが時に優秀さよりも勝る時がある。 誰もが心の中に絵師を持っている。無限の可能性を持つ存在。だけど時ともに忘れてしまう。絵師とはそれを心の中に維持続けようとすることなのかもしれない。 99 全員が千差万別、無限の変化を探しているように思えた。水墨画というのはもしかしたらこんなふうに発展したのではないかとさえ思ってしまう

    13
    投稿日: 2024.08.21
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    前作が良かったので、かなり期待していました 人生に迷い、両親を亡くした過去に傷付き、未来に希望も見出せない主人公に、ちょっとイライラもしました そこは前作で踏ん切りつけておいて欲しかったなぁ〜と ただ、だからこそ見えてくる現実と受け入れるべき現実 前半のモヤモヤした感じがラストの未来への想いをより輝かせて見せるのかな 【読了短歌】 踏み出せず 迷いの森で 彷徨うも 希望の水面 描く一線

    6
    投稿日: 2024.08.18
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    水墨画を描くと言うことを通して、ワンネスを感じさせる作品だった。自分と他人も自然も地球も全てに隔たりがない…そんな世界を感じられて面白かった。心自由に生きたくなった。

    3
    投稿日: 2024.08.06
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    1作目を読んだのは結構前だったのですが、とても綺麗なお話だったので、今回も読むのを楽しみにしていました。 主人公の青山くんのことを、なんとなく好感が持てるのはなぜだろうと思っていたのですが、彼は、色んなことをすごく考えて、考えて、間違っていても抜け出せなくても、自分の中ですごく考えているところが自分と似ている気がしたからかなと、分かりました。 世の中の色んなことにちゃんと感謝したり、立ち止まって考えたり、そういうことできる人って、実はあまりいないのかな? 青山くんは、自分の弱さとか未熟さとか、ちゃんと受け入れて、考えて、生きていて、とても素敵だなと思いました。 あと、色々本を読んでいると「大切な人を亡くした人物の苦悩」というのが出てきますが、今回の青山くんは、とても自然で、「きっと、本当に大切な人を亡くしたらこんな風なんだろうな…」と思って、涙が出そうになりました。思い出さないように、あのころの閉じこもっていた自分に戻らないように、今をがむしゃらに生きたい…少しでもあの頃の思い出に触れてしまうと、また、戻りたい、と塞ぎ込んでしまうのが、怖い、 そういう葛藤が痛いほど、静かに、伝わってきて、切なかったです。 ここからは、私の心に残った言葉を書き留めておきます。 ↓ 誰かのすごく良いところは、実は欠点のように見えるもののなかに隠れてる。 無駄な時間ってないのかもしれない。空虚な日々は、心の内側に広さを与えた。 大きなことについて考えるには、大きな空間が心の内側に必要だろう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 登場人物みんな魅力的で、人間味に溢れていました。 そして、この本を読み終えたあと、水墨画の動画をどうしても見たくなって、見てみました。 世の中には私の知らない美しいものが、まだまだたくさんあるんだなと知ることのできる、本を読めて、幸せです。

    2
    投稿日: 2024.08.05
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    良かった。静かな美しさを心の中で思い描きながら読んだ。この本に挿し絵があったら…と、思ったけど、自分の中での水墨画で良いのだろうな… 物事の本質を知るというか、楽しむことは、他の世界にも通じると思った。

    2
    投稿日: 2024.08.03
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    青山はお母さんが勤めていた学校で子ども達と運命のような出会いをした。子ども達と一緒に描いた絵の場面が一番よかった。ただ一緒にいたかったんだ。という言葉が印象に残った。『湖』がすべてを物語っていた。描かないことで描けるということを文章で伝える、この小説の素晴らしさを感じた。水墨画の世界を文章で表現し、読み手を引き込み、魅了する。気づいたら夢中になって読み、絵を想像した。それが楽しかった。読んでよかった本だ。

    2
    投稿日: 2024.08.01
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    大好きだった「線は、僕を描く」の続編!! 超楽しみにしてて、目が文字を滑らないように大事に大事に読んだつもりやけど、引き込まれて結局2日で読んだ。 毎回絵を描いている姿の描写と心情描写がすごくて、よくここまで書けるな、、!となる。前作よりも痛みや哀しみが深く描かれてあって、胸がずきずきなる箇所も多かったけど、登場人物みんな強くてかっこいい。 はっとさせられる言葉も流れるように沢山あって最早メモとりきれないほど。度々再読しようと思った。結構わたしのバイブル本に入る一作かもしれない!

    7
    投稿日: 2024.07.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    水墨画の文章的表現は、息を呑むほど美しかった。 描くことを意識して描いた絵は、どこにも繋がっていけない。 最高の画技を身に付けても完成された絵にしかならない。 森羅万象を模すということ、その心のあり方はとても抽象的だが、あらゆる言葉、場所、人を通して丁寧に伝えてくれていたと思う。 素敵な物語だったが、自分の好みではなかった。

    9
    投稿日: 2024.07.29
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    シリーズ1作目は映画で。 2作目があるんだ、と手に取る。 映画で見た水墨画を描くシーンが頭をよぎり、頭の中で役者さんたちが演じてより楽しく読めた。 文章の表現力が素晴らしい! 芸術を追求する姿に感化された。 合間で何度も涙があふれ、最後の最後まで泣かせてくる…。 こんなにも熱くなれるものがあるって、羨ましくさえある。

    1
    投稿日: 2024.07.20
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    人の心に響く絵は、写真のように正確に描かれたものだけではなくて、描き手の感性や想いが絵に表現されているんだろうな。実際に水墨画を見たこともないし、美術の知識は全くないけど、作中に描かれている絵を思い浮かべながら読むことができてた。

    5
    投稿日: 2024.07.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    続編となる今作。著者が描く水墨画の世界を再び覗きたくなり、購入しました。芸術においての挫折との向き合い方は、言語化するのがとても難しいはずですが、決して妥協を許さず細部まで言葉に落とし込んで書き切っていらっしゃるあたり、さすが芸術家の方の作品であるなと感服します。 技術のその先へ。描く者が経験してきた事、心の状態、森羅万象への向き合い方など、目には見えない多くのものが写し込まれるのが芸術であり、表現活動です。今作は、前作に比べると読者を選ぶ作品かとは思いますが、言語化しづらい抽象的な世界を、限界まで言葉で表現した貴重な一冊だと思っています。 クライマックスに、習作が登場したことに一番心を打たれました。初心忘るべからず、純粋である事は何にも代え難い輝きを放っていると思います。

    3
    投稿日: 2024.07.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「線は僕を描く」に感銘を受けて、すぐに続編を読んだ。ストーリー自体は、霜介の新たな葛藤や出会いがあり、斉藤さんとの再会もあり、湖山会の面々の変化を上手にまとめていて、面白かった。 ただ、前回の花卉画の描写に比べて、描く作品の種類が多くなり、最後の揮毫会での大作では、描写から絵を思い描くことがかなり難しかった。どのような絵が描かれているのかが上手く想像できないと、なかなか物語に入り込みにくいものなのだなと。いまいち感動できないまま終わってしまった。そこが絵をテーマにした物語としての課題でないかと思う。前作で絵の心得がなくても、水墨画を見てみたい、描いてみたいと思わせてくれた物語なだけに、満足度が下がってしまった。私の想像力が足りないのだろうけど。

    3
    投稿日: 2024.07.06
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    「線は、僕を描く」の続編。前作と同じ世界観が受け継がれていて、すんなり読めました。タイトルの「一線の湖」の景色をゆっくり見てみたいと思った。

    34
    投稿日: 2024.06.24
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    「そうだね。線が小さくなったものが点。点はね、絵の呼吸なんだよ。絵が生き生きと描けていますよっていうことを伝えているんだ。だから間違いはないんだ」 「間違ってない?」私は正しいの、と訊ねられたような気がした。僕は首を振った。 「そもそも、間違いなんてないんだよ。楽しさがあるだけだ」 「誰かにダメって言われても、自分が素敵だと思ったものを信じなさい。そこにあなたの宝物がかるから。あなたにしか見えない宝物がこの世界にはたくさんあるから」 いまここで、どうすれば正解なのだろうと考え続けていた。正解を探していることが、すでに間違いのような気もしていた。 勇気を出したのは、彼女だった。 思いを伝えられるとき、伝えなければ、その機会は永遠に失われてしまう。失われてしまった後、どんなに呼びかけてもそれは二度と帰ってこない。こんな、小さな出来事の中にも、それは潜んでいる。今日、母のことを話さないこともできた。けれども話すには男気が必要だと感じたとき、話さなければならないように思えた。これが、僕の線だ、と思った。 この判断が、僕の線になるのだ。小さな心の在り方、日々の態度、発する言葉、誰をどんなふうに思うのか。 希望にも祈りにも似た思いを浮かべながら、僕は涙を流していた。 目を開けると、世界が滲んでいて、僕の思い描く水墨画と、どこか似ていた。 「運び続け、与え続け、分かち合いなさい。その方法は、絵じゃなくてもいいんだ。なんだっていい。優しい言葉、たった一度の微笑み、穏やかな沈黙。誰かを見守ること…。本当に何だっていい。心を遣い、喜びを感じ、分け合うこと。同じ時を過ごしていると認めること。私たちは1 一枚の絵の中にいる。同じ時間の中にいる。一つの景観の中にいる。そうだろう?」

    2
    投稿日: 2024.06.23
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     なんだろう?ものすごくいけ好かなかった笑  とにかく表現が抽象的。『線は、僕を描く』で感動した世界観も、本作ではまどろっこしく感じてしまった。  そう思い始めると、読んでいても素直に心に響かなくなっていく。それでも『線は、僕を描く』の待望の続編。霜介のその後、また、千瑛や水ある山のその後が描かれている本作は、やはり前作を読んだ者としては読まないわけにはいかない。  なんだかんだ言っても、そのストーリーはファンが納得するもの。  霜介の決断、湖山の幕引きには拍手を送りたい。

    28
    投稿日: 2024.06.17
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    【線は、僕を描く】の続編。 前作は墨絵を初めてから1年で賞を取るまでの話。今作はそれから2年経過し、スランプでもがき苦しむ姿が描かれている。 その為、前作より暗い感じを受けたが、 個人的には悪い感じではなかった。 出てくる人もいい人ばかりで本当に 優しい気持ちになれた作品だった。

    38
    投稿日: 2024.06.16
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    傑作「線は、僕を描く」の続編ということでかなりハードルを上げて読んだが、こちらもやっぱり凄く良かった。読み始めたら止まらなくて一気に読んだ。

    2
    投稿日: 2024.06.09
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    今回は青山くんが自分の過去や先のことに向き合ったりして、苦しい場面が多かった。 それでもいい作品に出会った時の目が開かれていく感じは、変わらず爽やかで表紙や中の絵と合って素敵だった。 みずほちゃんやゲンキくんたちが楽しそうに絵を描く様子を見守る彼は、きっといい大人になるんだろうな。 古前くんがところどころ活躍してるのも、彼といると青山くんの、物語の雰囲気が変わるのがいい。 いつも青山くんを見守る湖山先生、その原点が見れたのも今回の物語の大きな収穫。 青山くんの絵、湖山会のみんなの絵、どんなものになったのだろう。

    2
    投稿日: 2024.06.09
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    心を動かすフレーズの洪水。 煙の形を決めるのは風って事だよ ぶち当たったものが形を決めるんだよ 考えた分だけわからなくなるから どんなに素晴らしいものでも、なんの役にも立たないものを押し付けているのでは意味がない それでは私たちの自己満足に過ぎない 誰かの凄く良いところは、実は欠点の様に見えるものの中に隠れてる 大きな可能性は簡単に見てとれるようなところには隠れていない 技量や手の技なんてどうでもいい 無限に変化する形の一つを取りだして 騒ぎ立てているに過ぎない 何かが欠けている事で満たされるものもあるんだな 不完全だと思っていたものが 実は完全なことがあるのかもしれない 描くことだけを全てにすると 描けないものがある 気付けないことがある 一つのことだけ追いかける季節が 終わったのかもしれない

    2
    投稿日: 2024.06.06
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    霜介の大失敗から話はスタートして、ほんの少し浮上したかと思ったら、またどん底へ。そのたびにちょっと暗い気持ちになった。でも霜介のお母さんのこと、子どもたちとの関わり、湖山会の行く末、いつも前に向かって進むストーリーに希望が。 自分の揮毫会のイメージが貧弱で、子どもたちの前で描いたり、湖山会での作品がどんなふうにすごいのかわからないのが、とっても残念。

    1
    投稿日: 2024.06.02
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    タイトルが秀逸すぎる 絵心なく、生まれてこの方芸術に興味も持たなかった私にでさえ、絵が見えてくるようでもあり 最後の千瑛の「お祖父ちゃんの手みたい」でいつも通り涙腺崩壊しました

    2
    投稿日: 2024.06.01
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    「線は、僕を描く」の続編。 大学3年になった霜介。友人の古前や川岸は卒業後を見据え活動するが、霜介はまだ見つけれらずにいる。 揮毫会での失敗で落ち込む中、小学校での水墨画教室をすることになる。 もがき苦しむ霜介がたどり着いた道とは。 湖山先生は霜介の中に自分と同じ風景を見つけたんだろう。 新たな環境で成長した霜介が絵師として、どうなっていくのか。西濱さんや千瑛、古前と川岸がどうなっているのか、いつか続きが読んでみたい

    5
    投稿日: 2024.05.30
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    「線は、僕を描く」続編です。 前作も好きですが、「一線の湖」はさらに良かったです。 どの章にも作者の伝えたい思いが溢れていて、迷いのない印象がありました。 不器用でまっすぐすぎる主人公に心の全てを持っていかれました‼️

    47
    投稿日: 2024.05.30
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    「線は、僕を描く」 横浜流星さん主演で映画化。 ……の【続編】って知らずに、こちらから読んでしまった、、 それでも感動する、美しい作品。 『水墨画』の絵師であり現役の大学生、青山霜介。 彼の葛藤が描かれる。 両親を亡くし水墨画に出会った彼(こちらは前作に書かれている)が、壁にあたった心境や将来の進路など、もやもやした様が出ている。 水に放たれた墨が出すような、とりとめもないものが漂っている。。 生きているようで実態がないような、時間だけが通り抜けていくような感覚…… 彼には「主体性」がない。 それでも水墨画には愛を感じる。描きたいという気持ちが残っていたのが唯一の彼の意思。 どんな世界でも、極めると壁に当たる。 彼は「筆を置け」と言われ焦燥するが、よけいに空回りしていく姿がつらい。 彼を慰める家族はおらず、孤独とむきあうしかない。 彼の一人称で綴られているので、内面からの声は感情がなく苦しい。 他人からみれば「疲れているときはすこし離れる」のが良い案だと思えても、ガラスの部屋に閉じこもった彼の心には届かない。 しかし彼のまわりには静かに見守る人がいる。しかも何人も。 本人は気がついていないけれど、大きなぬくもりに囲まれている。 子どもたちに教える授業は、刺激的な経験だった。 自由で気ままで、心の思うまま描く こんな当たり前を、6、7歳の子どもがいとも容易く描いていく、しかも楽しく。すべては遊びになるーー 彼の母は小学校の教師として、子どもたちの成長を見守る人であった。 師は多くを語らないけれど、存在が大きい。 彼の心と筆とが呼応しながら、ゆっくり時間をかけて変化していく。 ラストは春の訪れを感じる頃。 5つの花が開き、光を浴びる。 それはそれは素晴らしいお膳立てで、箸を持つ手のように、そっと。 ーー 作者 砥上裕將(とがみひろまさ)さんは水墨画家。 なので、これだリアルな描写ができることに納得! 共作?数人で作品を描くこともあるのに打ち合わせなし?に驚いたし、感動した。 森羅万象をえがく無の境地にはいったシーンは、凡人には到底たどり着けない、、 水墨画自体がそれほど一般的なアートとして馴染んでいないので、道具や用語もピンとこない…… (↓前作の公式サイトに解説あり!わかりやすい) https://senboku.kodansha.co.jp/ 前作を知らなくても感動を得られるけれど、なぜ水墨画に出会ったのか、なぜここまで虚無になったのか、など疑問を感じながらの読書だった。 もう一度、通しで見直したい!

    27
    投稿日: 2024.05.22
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    水墨画家として歩み始めた霜介だが、大学3年になり進路で悩んでいた。揮毫会でも失敗し焦りが募る中、亡き母が勤めていた小学校で水墨画を教える仕事が舞いこむ。『線は、僕を描く』に続く物語。 前作で両親の死を乗りこえたかに見えた霜介だが、今度は自分の進むべき道について葛藤することになる。その中で、無意識に目をそらしてきた過去とも向き合うことに。人はいつかは必ず死ぬけれど、世代を超えて受け継がれるものは確かにある。老境の湖山先生、若い霜介や千瑛たち、まだ人生を始めたばかりの子どもたち。その対比が水墨画に描かれる自然の営みと重なって思えた。

    2
    投稿日: 2024.05.19
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    「線は僕を描く」のその後なのですが、例によってすでにあまり前作を覚えていないのでありました。 不器用な青年が水墨画で自身を見出す小説でしたが、本作は周りが皆岐路に立って、それぞれが迷いの中にありました。読んでいて結構悲しくなるのですが、それはどんなに隆盛を誇ったものも、いずれは衰えそれを受け継ぐものがいなければ消えて行ってしまうという現実の厳しさだと思います。

    9
    投稿日: 2024.05.16
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    前作で克服したはずの母親の死を、今だにひきずっている主人公。 本作でもそこから立ち直ることが大きな課題になっている。 読み始めて、「え、またそこからなの」と思うが、作者的には、まだ救われていなかったんだろうなと納得。そのど暗い落ち込みようから、亡き母をしのぶ人たちとの出会いの中で、立ち直っていく姿が感動的。また、ぽっとででいきなりその才能を認められた主人公と、努力を続けながらも父である先生に認められないヒロインとの間の確執が、ほどけていく様もとても説得力をもって描かれている。 彼が使っていた筆を、ヒロインが折ってしまうエピソードが特に良かった。

    10
    投稿日: 2024.05.15
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    「線は僕を描く」から2年後。 大学3年生になり、将来を決める時期になりました。 過去と向き合い未来に繋げ今を生きる、タイトルが効いている一冊でした。 途中で何度も涙ぐみながらも、あっという間に読んでしまった。もっと噛み締めて読めば良かった。 永くゆっくりと大切にしたい。

    2
    投稿日: 2024.05.14
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    何度も涙しながら読む。 水墨画の素晴らしいイメージがあふれていました。揮毫を見てみたいと感じた。 そして子供っていいな。

    4
    投稿日: 2024.05.13
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    「線は、僕を描く」の続編を読みました。 どの様な続編かなと手を取りまして、読み始めた序盤の展開からマジですかと言う思いでかなり驚きました。 ラストの終わり方も凄く良くて、感動しました。

    1
    投稿日: 2024.05.13
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     「線は、僕を描く」の続編になります。  前作から2年の年月を経て、主人公の青山霜介は大学3年生になっており変わらず水墨画を描いていはいたが、大学卒業後の進路を見いだせないでいた。湖山の孫の千瑛は、メディアに出演するなど活躍の場を広げていた。ある日、小学校の水墨画教室を任せられることになった霜介、その小学校は母が亡くなる前に勤務していた小学校だった…。  「誰かにダメって言われても、自分が素敵だと思ったものを信じなさい。そこにあなたの宝物が見つかるから。あなたにしか見えない宝物がこの世界にはたくさんあるから」  やっぱり2作品読んでも、水墨画の世界はつかめなかった(汗)。そして、そうなるんだろうなぁ~と薄々感じていた通りのストーリー展開になってました。上記の文章は、霜介の亡き母が霜介によく言い聞かせていた言葉ですが、いいなぁ~って思ったのでここにレビューとして残しておきたいと思いました。霜介自身が素敵だと思うことを見つけ信じられるようになり、宝物を見つけたこと、よかったと思いました。

    72
    投稿日: 2024.05.13
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    ※ 水墨画の師匠、そして弟子たちの 絵と共に歩む生き様を描いた物語。 道を極めようと悩み、もがき、時には迷い、 試行錯誤しながら一心に努力する姿は眩しくて 切なくなるほど。 水墨画のイメージとしては、白と黒、 黒色の濃淡、静けさでしたが、力のある人が 描くとまるで生きているかの様にいきいきと動き、鮮やかな色彩までが表現される様子は とても美しかった。 余白があることで白と黒の両方が活きるのは なんとなく想像がつくのですが、描かないことで 描くべきことがより雄弁に語られるという発想は、計算された足し算と引き算とは違っていて、 いかにも感性なんだなと思いました。 更には、一つの線が時間も空間も超えて 人と人の関係性や絆にまで話が繋がった点は スケール大でした。 話中にたくさん出てくる筆を動かす描写や 所作の表現がとても細かくて独特なので、 動いている様子を想像するのに戸惑うほどでした。

    16
    投稿日: 2024.05.12
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    結末に向かって丁寧に過程が描写されていたことで、最後の場面が目の前に絵や風景があるような文章力だけでなく歴史を感じる、特に印象的な場面にになっていて面白かった。

    9
    投稿日: 2024.05.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「生きるとは、やってみる、ことなのだ。また、子どもたちの生き生きとした様子が目の中に浮かんでくる。僕の中には彼らが生きている。」青山霜介 「君が、今日と明日を連れてきてくれたんだ。そして、皆を結んだ。」篠田湖山 「見たもの、触ったもの、先生のことも、みんな、ぜんぶ、何もかも好きになれるから」水帆ちゃん 「お祖父ちゃんの手みたい」千瑛 写真は自然を写す。絵は自然の奥行きを描く。描き手の心象を映す。水墨画も然り。 青山霜介くんと千瑛さんの未来にも一つの線が...。 前作以上の感動が広がった。

    67
    投稿日: 2024.05.11
  • 湖の絵を見たい!

    『線は、僕を描く』の続編。主人公の青山君(もはや横浜流星で脳内再生)は相変わらずネガティブ思考で、過去の不幸な境遇から立ち直れないままでいる。その上、様々なアクシデントに見舞われ、まさに身も心もボロボロ。そんな彼を温かく支えてくれる周囲の人たち。水墨絵を描くときの筆遣い、墨汁、紙質、筆の毛先まで細部にわたり描きこまれているため、やや冗長すぎるきらいがあるが、そのおかげでどんな絵を描いているのか映像としてイメージできる。果たしてイメージ通りの絵なのか答え合わせをしたいので、これも映画化を期待したい。

    0
    投稿日: 2024.05.06
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    待ちに待った『線は、僕を描く』の続篇 前作で水墨画は「線」の芸術と知り、その奥深さにただただ共鳴しました。 あれから、2年が経ち、更なる岐路に立つ 大学3年、卒業後、水墨の世界で生きるのか、それとも別の生き方を見つけるのか 時間だけが過ぎ、心は焦るばかり、何がしたいのかも分からず、描き続ける日々… 師匠からは、筆をおきなさいと言われ、それも素直に受け入れることができず、悶々としていた。 そんな折、兄弟子に代わり、急遽、小学一年生を相手に水墨画を教えることになる。 子供たちとの出会いを通じて、向き合う自分の過去と未来、そして、師匠から託された「あるもの」… 文章を読み進め、想像する楽しさ、難しさ、墨一色で、さまざまな濃淡や掠れ、裂け、止め、撥ねなどを駆使して描き出す画面、是非、答え合わせがしたい作品でした(笑)

    3
    投稿日: 2024.05.06
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    「僕は、線を描く」の続編。 前作が良かったので今作も期待しながら読んだ。 レビュアーさん方の評価が高い中もうしわけないが、私にはちょっと辛い話だった。 これは私の今の環境や心身状態によるので、もっとコンディションの良い時に読めば良かったかも知れない。 湖山賞公募展で翠山賞を受賞して二年、大学三年生になった青山霜介。 湖山門下でも中堅クラスになって知られる存在になったのかと思えば、やっていることは前作と変わらないような。むしろ斉藤が抜け、千瑛は水墨画の宣伝のためにメディア露出が多くなり、そのしわ寄せが西濱と霜介に一気に来ている。 そんな中始まった揮毫会。湖山先生の指示で第一筆は霜介からと決まるのだが、もう雰囲気からして上手く行かない予感しかない。 すると案の定…もう見ていられない、というか読むのが辛い。 更に湖山先生から『筆を置きなさい』という厳しい言葉。 その後、西濱のヘルプで小学生たちに水墨画を教える授業をすることになった霜介だが、そこで水帆ちゃんやゲンキくんを始めとする子供たちや教師たちとの素晴らしい出会いが待っていた。 何と霜介の亡くなった母親はその小学校で教師をしていたという。どおりで霜介も教え方が上手い(?)。本人はまったくそう思っていないようだが。 前作でも思ったが、霜介の周囲には悪い人は出てこない。揮毫会の一件で陰口をたたく者はいるが、そういうのは無視していい。 これで霜介も少し上向いてきた?とホッとしていたらまた…。 作家さんはどれほど霜介を辛い目に遭わせるの…と辛くなってきた。 前作の序盤のようにすっかり殻に閉じこもってしまった霜介を読むのは本当につらかった。 勿論これで終わりではなく、ここからどう物語が盛り上がっていくかというところが肝なのだが、現実世界に目を向ければ芸術の世界であれスポーツの世界であれどんな世界であれ、こうやって才能ある人が諦め去っていくことってたくさんあるのだろうなと哀しくもなった。 霜介の場合は湖山先生始め門下の面々や大学の友人たちや、ずっと見守ってきた叔父夫妻や、そして今回初めて触れた亡き母の思いなどで再び前を向くことが出来た。 湖山先生の『筆を置きなさい』の言葉やボロボロに使い古された筆を託された意味も明かされる。 やはり霜介は才能あふれる人だった。 一般的には斉藤くらい極めた人が一旦『筆を置』くものだと思っていたが、霜介はすでにそういう領域に来ていたということか。 クライマックスは湖山先生最後の揮毫会。 先生が主役なので当たり前だけど、結局全部持って行っちゃった。こういう一見好々爺としたおじいちゃんがいきなり格好良くなるのは堪らない。 最後の霜介の決断。腑に落ちたような落ちないような。でもまだ若いのだしいろんなことを経験するのは良いだろうと思う。私自身、経験値の少ない人生を送ってきたのでこういう色んな選択肢がある人が羨ましい。

    66
    投稿日: 2024.05.05
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    筆先から生み出される「線」の芸術、水墨画。それを題材にしたデビュー作「線は、僕を描く」は、あの漫画「BLUE GIANT」同様に、紙面上で描く筆の穂先の音が聞こえるかのような、痛烈な印象を私に残してくれました。 さらに映画化されたので、第2弾の本作も気になって読み始めました。 本作では主人公が進路に悩む姿と、水墨画を通しての生き方に焦点が当てられていました。 最近の小中高等教育で取り入れられている、外部講師による体験的授業が、本作の主人公にとっても、授業を受けた子どもたちにとっても、相乗効果があり、未来への道筋が見えてくる辺りは、著者もご経験があるのではと感じました。 私も学校現場に勤務していたことも経験もあり、子どもからもらうパワーの大きさ、素晴らしさは、我が子以上に感じました。 続編というのは、第1作が評判になる分、期待度が大きくなってしまうのは仕方がないと思います。 水墨画が描かれる場面は、前作同様迫力がありますが、映画化されたため、それを見てしまい、今回は前作ほどの驚きがなかったことは残念でした。私の場合は、小説が産む想像力を映画化が削いだ結果になったみたいです。 全体的にはよくまとまった仕上がりの作品なので、多くの方が高評価のようです。

    6
    投稿日: 2024.05.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんという……なんという本でしょう。 この一冊に、色々な事件と感情が詰まりすぎてて、読後はこの本がずしりと重く感じるほどでした。 読んでいる最中は荒々しく色々な景色が渦巻くのに、最後の最後は穏やかだけど壮大な湖面と遠方の山がモノクロで立ちのぼってくる。こんな体験なかなかない。 途中怪我したあたりで苦しくなって1度休憩を挟みましたが、そこまでは一気読み。怪我の後も一気読み。最後はグッと溢れそうになる感情を抑えつつ読みました。 ラスト3ページが特に…もう…湖山先生が…。 青山くん、いつまでも描き続けてほしいなぁ。いや、きっとそうするはず。時々山荘に行って、じっくり向き合って描き続けるはず。 じんわり感動しました。 このページ数とは思えない濃厚さでした。

    3
    投稿日: 2024.05.04
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    前作『線は、僕を描く』から二年。 大学三年になった青山霜介。 進むべき道を見つけることができず 思い悩む日々が綴られます。 そんな霜介にある機会が訪れ、 水墨画を通して子どもたちと触れ合うことに。 そこで、霜介は新しい自分に出逢います。 霜介の母親の言葉が心に残ります。 「誰かにダメって言われても、 自分が素敵だと思ったものを信じなさい。 あなたにしか見えない宝物があるから」 そして、霜介は気づきます。 「人は命よりも永く線を描くことができる。 宝物をみつけた、と思った」 第二章で、霜介は亡き母に向かい合います。 孤独の淵に沈んでいた彼に差し伸べられる さまざまな優しい手の数々。 思わず涙で文字が霞みました。 静かに自分と闘い続ける霜介。 その姿が波紋となって広がり 子どもたちや周りの絵師たち、 湖山先生をも動かしていきます。 良い距離を保ちながら支え合う姿に 温かく爽やかなものを感じました。 墨絵を極めることについて 『描かないからこそ、描ける』 という表現が何回も出てきます。 研鑽して技を磨いた者だけが辿り着くことのできる 無我の境地とでもいうのでしょうか。 この作品を流れる繊細で美しい文章。 画仙紙を舞う筆の細やかな描写。 文字を追っていたはずなのに、 壮大な墨絵を鑑賞したような、 そんな気持ちになりました。

    47
    投稿日: 2024.05.03
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    前作『線は、僕を描く』はストーリーは良く出来ているものの今一つ全体を通して深みに欠けている印象でした。  そして今作。 主人公も登場人物も変わらず、物語の背景も同じ時間軸上での続編。 続編なのに本の持つ力が同じ作者が描いたものとは思えないくらいに圧倒的に深みが増してました。 特に水墨画を描くシーンは秀逸です。 迫力と静寂が文章と行間から伝わって来て、まるで作中にある墨絵と余白の関係かの様でした。 物語では主人公が成長していく様が描かれていますが、著者も本作を執筆しながら成長しているかの様でした。 著者の次回作が楽しみです。

    66
    投稿日: 2024.05.02
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    線は、僕を描くの続編。 前作で主人公が過去に向き合い、今作で乗り越えて行ったように思う。 前作以上に優しい世界だし、前作以上に表現が豊か。 前作とともにおすすめです。

    15
    投稿日: 2024.05.01
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    「線は、僕を描く」の続編。人間関係や主人公の心持ちなど理解していないと楽しめないので、必ず線は~をの次に読んでください。 主人公青山霜介は描けなくなっている。篠田湖山率いる湖山会で行われた揮毫会でも先頭で描くことを指名されたのに大失敗。千瑛がテレビの取材など受けて活躍しているせいもあり、その失敗も同じ大学の授業をとっている同級生などに噂されるくらい目立っていた。そんなとき死んだ母が教師をしていた小学校で出張授業を受けていた西濱が倒れ、霜介に代役が回ってくる。母を知らない一年生たちに水墨画を教える内に少しずつ心の回復の糸口が見え始めていく。 一巻で立ち直ったかに見えた霜介ですが、いやいや、彼の心の傷は深すぎました。芸術家が成長とともに立ち向かうであろう壁と心の傷が相まって今回もなんとも低空飛行な主人公です。しかし、変わらずこの物語は優しく、そして描かれる一本の線を私のような素人にも理解できるように文章化してあるのが本当に本当にすごい!もう少しゆっくり読みたかったのですが次が詰まっていたのでスピードあげて読んだのがもったいなかったです。 基本ルビなしですが、小学生でも大丈夫な内容です。基本は中学以上向け。

    4
    投稿日: 2024.05.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前作で立ち上がった主人公が、自分の道を歩み始めるまでのストーリー。 向き合えずに避けていた過去に初めて向き合い、自分の為すべきことは何かという葛藤を経て、成長していく様子が爽やかで清々しいです。 主人公だけじゃなく、周りの登場人物もそれぞれの課題と向き合いながら、そして互いに影響し合い、ときに支え合いながら成長していく様が描かれています。 物語の冒頭とラストの舞台が揮毫会ということもあり、その対比が効いていて、主人公たちの成長や意識の変容がよくわかります。 ようやく自らの道を見つけて歩み始めた霜介。 本作では、前作以上に色々な経験をし、触れ合う人たちも広がり、繊細な部分も多分にありながらも少しずつたくましくなっていっているなぁと思います。 今後の彼の人生に幸多からんことを(^^)

    3
    投稿日: 2024.04.30
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    『線は、僕を描く』の続編。『線は、僕を描く』を読んでから1年以上間が空いていましたが、すんなりと水墨画のお話に引き込まれました。 今回も過去の辛い出来事と向き合い、自分の進む道(宝物)を見つけると言う温かいお話でした。子ども達と水墨画を完成させたところが1番響きました。 水墨画の揮毫会、実際に見てみたいな…

    19
    投稿日: 2024.04.30