
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前作を読んでからかなり日が空いたので思い 出しながら読み進めるとあぁ~そうそう 霜介って真面目なんだけど不器用で ここぞって時に微妙にうまくいかない・・・ でもそれ自体も必要な事だったんだと 作品を通して伝わってきました。 小学生たちとの交流によって描くこと自体の 原点や教えることによって学ぶ感じも すごくよかった。今作はてっきり霜介の 成長した姿が描かれていると思っていたけど 苦悩や葛藤など読んでるこっちまでも 苦しくなりました・・・ 水墨画のことなんてほとんどわからない 私ですがラストの湖山会の揮毫会は文字で 読んでいるのに描かれているものが見える ような感じが伝わってきてすごくよかった。 湖山会の人達や霜介の進む道は示されたけど ほんとにどうなるかすごく気になる・・・
3投稿日: 2024.04.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
○疲れきった登場人物たちが、ゆるゆると湖山最後の仕事を意識していく ○母の職場 ○子どもの蹟 ○あなたが復活しなければ…の場面だけが、どうもいやだ ○描かれた水墨画を見てみたい
13投稿日: 2024.04.23
powered by ブクログ『線は、僕を描く』の続篇。 前作同様、とても美しい小説でした。 水墨画を描いている場面が秀逸で、文章を読んでいるだけで脳内に絵が浮かんできます。水墨画なんて、きちんと見たことがあるのかないのか分からない私なので、脳内に浮かんだ絵は正しいのか正しくないのかは、正直言って分かりません。でも、はっきりと線や濃淡が浮かび上がるのだからすごいなぁ、と思ってしまいます。 大学三年生になった青山。進路を決めるべき時です。 このまま絵師として進んでいくのか否か。 悩んで悩んで、またも自分の心の中の部屋に閉じこもってしまう青山。でも、それだけ両親を失った悲しみが深いものだということが伝わってきました。 作中、何度も何度も、ある意味くどい程、心の中に潜り込むのですが、それはそのまま大切な人を失った心の痛み、叫びの現れなのだろうと思います。 今作では生前の母を知る人達に会い、母の職場であった小学校で、母と同じように子ども達に教えるという経験をします。このことが、自分の知らなかった母の姿を知ることになると同時に、自信を失っていた水墨画に対しても新たな一歩を踏み出すきっかけにもなります。 そして、やはり何よりも師匠の湖山とのやり取りが本当に泣けてきます。湖山先生、青山君を見つけてくれてありがとう!と青山の母のような気持ちになってしまいます。 青山を取り巻く人達が皆とても優しくて、いくら時間はかかろうとも、確実に青山は深い悲しみを乗り越えて自分の道を進むことができる、と思わせてくれます。青山のこれからが楽しみ。続編きっとあるでしょう。期待してます。
118投稿日: 2024.04.22
powered by ブクログ彼我の区別なく森羅万象の世界に没入できるものだけが辿り着ける境地というのがあるのだろう。自分を見出し、分け与え、見守り続けることで、深い深い孤独と透明なガラスの箱の中から救い出してくれた湖山先生から受け継いだものを、霜介はこれから多くの人たちに、そして子どもたちに受け渡していくのだろう。母がそうであったように。 これで完結なのだろうが、「彼らは私が残す余白、私の可能性そのものです」そう湖山先生に言わしめた4人のその後をまだまだ見てみたい。
2投稿日: 2024.04.20
powered by ブクログ水墨画の続編。 今回もタイトルがいい。 何かに身をとして青春をかけてひとかどの人間になるという成功譚ではなく、挫折してもそこから過去を咀嚼して糧として自分の道を進んでく。 前回ほど水墨画メインではないけど、白黒の濃淡だけの絵がカラフルに見えるイメージはなんとなくわかる。
5投稿日: 2024.04.20
powered by ブクログこの本が手元にきて数ヶ月、読めなかった。 読む時は数日で、あっという間に。 「その時」じゃなかったのかもしれません。 何度も感動に涙しそうになりながらの読了。 とにかく深い世界が広がって、想像力が高まります。森羅万象を見る器、物事を感じる力、教えるということの難しさ、しない事をする。 青山くんにであって変わる人、人と関わる事で変わった青山くん。 砥上さんの水墨画も濃淡が美しく、眺めていたくなるものでした。
21投稿日: 2024.04.16
powered by ブクログ線は僕を描くの続編。 続編ということもあってか前作の鮮烈さと比べると若干物足りないような?と思いながら読み進めていましたが、後半とてもよかったです。 全体を通して心理描写や情景描写の美しさは健在で心が洗われました。世代や時を越えた人と人との繋がりが優しく丁寧に描かれているところにも砥上さんらしさを感じました。 暗闇のなかで苦悩する青山君の姿は、 いつの間にか心の余白を失い、道を見失い、身動きがとれなくなってしまいがちな現代の学生/大人を投影しているようで それを見守る湖山先生の言葉はとても響きましたし、終盤光を見つけて歩き始める青山くんからも前向きな力をもらいました。
2投稿日: 2024.04.15
powered by ブクログ文章で描く絵が見える。 水墨画だけでなく、さまざまな言葉に励まされる作品。 心に残った言葉たち↓ 『誰かにダメって言われても、自分が素敵だと思ったものを信じなさい。そこにあなたの宝物が見つかるから。あなたにしか見えない宝物がこの世界にはたくさんあるから』 『想いを伝えられるとき、伝えなければ、その機会は永遠に失われてしまう。失われてしまった後、どんなに呼びかけてもそれは二度と帰ってこない』 『整ったものだけが美しいわけじゃない。心を重ねられるものは別に、完成されものじゃなくてもいい』
3投稿日: 2024.04.13
powered by ブクログ続編が出ていたことも、映画化のこともすっかり抜け落ちていて、水墨画をしっかり見てみたいなぁと思ってた記憶だけが蘇る。もっと水墨画がどんなものか、知っていたらもっと、もっと、何十倍も楽しめるんだろうな。その世界のことを知らなすぎて残念。水墨画の揮毫会がどんなものなのか、とっても気になる。 2024/3/3読了
3投稿日: 2024.04.12
powered by ブクログ/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/ これは、、もう、、すばらしかったです!! 最初の展開から、最後まで、ほんと、よかったです。 この作品からは、空間をとても感じさせられます。読み進めていると、目の前の空間に、大切なものを、感じられるような気になります。 登場人物も、彼らの発する言葉も、ほんと、とても好きです。 西濱さんの言葉、「ぶち当たったものが形を決めるんだよ」というのが、とても響きました。この言葉は、すごいよかったです。 最近、「できるか、できないかじゃない」、「やるか、やらないかでしかない」という言葉を投げかけられ、頑張るしかないと、無能な自分を奮い立たせる日々が続いていますが、そんな自分の背中を押してくれる作品でもありました。 お母さんの言葉「誰かにダメって言われても、自分が素敵だと思ったものを信じなさい。そこにあなたの宝物が見つかるから。あなたにしか見えない宝物がこの世界にはたくさんあるから」 こういう言葉を目にすると、それだけで、涙がでてきそうになります。 今作は、ジワリと涙が溢れるシーンがとても多く、多くの感動と、そして、勇気をもらいました。 /_/ あらすじ _/_/_/_/_/ 前作から数年、書のイベントからスタートします。 そこでいきなり失敗をしてしまいます。 大きく沈んだところから、前へ歩みだしていきます。そして、再度、大きなイベントを迎えます。 /_/ 主な登場人物 _/_/_/ 本の冒頭に書いてあるので割愛します。 今作では、お母さんの働いていた小学校がでてきますが、その子供たちや先生が初登場となります。
90投稿日: 2024.04.12
powered by ブクログ「僕は、線を描く」の続編。 主人公の青山くんはどうやらスランプに陥ってしまったようだ。 そんな彼が西濱さんの代わりに小学1年生に水墨画の指導をすることになる。 子ども達は頭で考えるのではなく、見たままを絵にしていく。 そんな彼らや、亡くなった母親の同僚の教師などから色々刺激を受けるが、またアクシデントが…。 「僕は、線を描く」がとても感動的だったからか、今回はちょっと理屈っぽく、内面的な描写も多く、読みづらかった。 芸術は手先の器用さだけでなく、心の目でものをみて、それを表現していくこと、なんだろうか。 水墨画はやっぱり観てみたい。
2投稿日: 2024.04.12
powered by ブクログ僕は、線を描くの続編。ある一線まで来て悩むところから、それを克服するストーリー。ストーリー自身は難しくないけど、いろんな描写が難しくする。挿絵が欲しい。 前作の映画も観たので、本作は俳優が見えてしまった点で読み辛さもあった。何度も姿を想像したけど前作ではヒットした横浜流星も本作の主人公では無いなぁ。湖山先生も三浦友和ではないな。それでも江口洋介は西濱さんがしっくりくるあたりは流石!
8投稿日: 2024.04.10
powered by ブクログ梅が咲いた揮毫会が感動的でした あと前作と違って 西濱さんが出てくる度に 江口さんの顔が思い浮かんだ 名俳優なんだなあ
2投稿日: 2024.04.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
非のつけどろがない、文句なしの作品です。とても感動しました。 本当に水墨画の繊細さが、綺麗に作品に落とし込まれている どんな作品なのか、どんな風にかいているのか情景がとても鮮明に想像できる いい墨の匂いとはどんな匂いなのだろう、透き通るような淡い匂い、竹のような匂いかな、想像するだけでも心が洗われるような気分でした。 青山くんは両親というかけがえのない人を失ったのかもしれないです。しかしそれでも彼は生きて水墨画に出逢い、水墨画を通して、かけがえのない経験を得ました。失う悲しみと、得る喜びを知った青山くんはきっと必ず人として、水墨画家として、大きく飛躍することでしょう。私は青山くんや千瑛さんやその他のメンバー達が、思い思いの道をしっかり歩んでいる事を励みにこれからも生きていける。生きる上でとても力強く、けど、どこか繊細な力をこの作品は与えてくれました。 とてもいい作品でした。
2投稿日: 2024.04.06
powered by ブクログ前作も、面白く読んだが、 水墨画を描く人にしか表現できないのだろうなと思う。 ただ、将来の職業を死んだ母と同じ小学校の先生とするのは安直過ぎる。三作目はないんだろうと思う。
3投稿日: 2024.04.03
powered by ブクログ前作に引き続き、良かった。登場人物が過去を乗り越える姿、湖山先生の弟子との接し方やかける言葉、日本画の描写、心を打った。
2投稿日: 2024.03.31
powered by ブクログ青山君の絵師としてまたは進路という壁にぶちあたりながら、乗り越えていく様がとてもよく表現されていたと思います。 小学校からパワーをもらっているところはほっこりさせられました。そしてお母さんの事を知ることもできて本当によかったなと思います。 ただ、水墨画をじっくり見たことがないので、描いている所を想い描くことが出来ず残念でした。水墨画の画集を見てみたくなりました。
12投稿日: 2024.03.30
powered by ブクログこんなに水墨画の才能がある主人公の青山君が進路に迷っていたとは……。 突っ走って来たが故のスランプ、亡き母の教え子たちのいる小学校での講師、扱いづらい筆、大怪我、山での療養、湖山先生最後の揮毫会、、、 次から次へと何かが起こり山での療養もあっという間に終了したが、1人の青年の心の移ろいを丁寧に追った作品だった。 青山君だけでなく、西濱さんは私生活の変化、千瑛と斉藤さんも青山君から刺激を受け水墨画に対する大きな変化を起こしていた。 初心者だった青山君が湖山会の面々に多くの新風を送り込んだ。 そして湖山会のみんなの青山君を見守る目がとても温かい。 特に無記名で水墨画のハガキで励ます温かさにはこちらも心が温かくなったし、最後の習作のタイトルには胸を打たれた。 ただ1点、水墨画を描くシーンが言葉だけではよく理解できなかった。 とてもすごいものを描いているのはわかるしなんとなくの流れはわかるのだが、説明が細か過ぎて流し読みしてしまった。 その都度挿絵で作品のページがあるとわかりやすいと思った。 卒業後の青山君や湖山会のメンバーの今後も楽しみ。 これは続くと期待してしまいます。
3投稿日: 2024.03.29
powered by ブクログ前作「線は、僕を描く」では水墨の深さに魅了された。今回の作品はその後編にあたる。 さらに磨きをかけて水墨画を魅力的に描き出している。とにかく文字で水墨画を表現する力がすごい。しかし残念ながら頭に描くことが自分にはできない。そこまで水墨画を知らないからだ。とはいえ、圧倒的な表現力に魅了された。 271ページに伸び代のくだりがある。おそらく前作で彼は「伸びしろ」を伸ばし切ってしまった(それだけのことができた)が、今作では壁にぶち当たり自分がやりたいことが見えなくなったのだ。そこで「伸びしろそのものを伸ばす」ことに気づく。「心の内側に余白が必要なのだ」と書いている。自分を振り返ると、忙しくて余裕のない都会での生活では追われるように仕事をしているが、そんな時に伸び代を伸ばす試みや、余白を作る時間が大事に思える。また次作にも期待したい。
3投稿日: 2024.03.26
powered by ブクログ水墨画の描写が丁寧でイメージが膨らみつつ楽しく読めた。青山くんの成長を描きたくて続きを書いたのかな?自分も描いてみたくなりました。
2投稿日: 2024.03.25
powered by ブクログ前作は入院中に読み、今作は変わり目のタイミングで読んだ。個人的には前作より、人間らしい霜介の姿が見えて良かった。 終盤はページをめくる手が止まらず、気づけば泣いていた。 前作もだが、読んだ後に気持ちが暖かくなる話。
2投稿日: 2024.03.25
powered by ブクログ一作目よりもこちらの方が好きかも! 青山くんがすごく成長したし水墨画を通して自然のあり方や生命の奇跡を感じた
3投稿日: 2024.03.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
進路に悩む大学3年生の霜介。水墨画にも行き詰まり、大失敗をする。湖山にはいったん筆を置くように言われるがそれもできない。 苦しみもがいているときに、先輩から頼まれて小学校の水墨画教室に協力することになり、絵を描く喜びを思い出す。 しかし、落ち着いて自分を省みる時間がもてないまま、周りの期待からやらざるをえなくなったイベントに取り組むなかで、事故が起こる。 そして、湖山の山荘で療養することになり、そこでの日々が霜介を再生させる。そして師の引退式に弟子一堂と共に臨むことになる。そのとき、霜介は進路を決めていた。 一人の青年の葛藤と内省が静かな筆致で語られる。 前作でも思ったけれど、水墨画を見たくなる。 俗物もいるし、失敗後冷笑する人たちも描かれているけれど、それ以外は湖山始め、登場人物がみな誠実でいい人なので、読後感がいい。人の善性が描かれている。
10投稿日: 2024.03.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前作を読んでからだいぶ経つので、何となくの人間関係把握のまま読み進める 大きな失敗からの飛躍、心の動きが丁寧にえがかれていて何度もうるっときてしまった 悲しみを乗り越えたり進路が決まったり、大きく変化した霜介…湖山先生やまわりの人たちが導いてくれてよかった どんな絵なんだろう?と思うこと多々なので挿絵がもっとあると嬉しいな
2投稿日: 2024.03.24
powered by ブクログ前作が良かったので期待し過ぎて☆3つ。前作同様、静かな精神世界観が溢れている。スランプ只中の主人公の焦燥感や諦観が痛い様に伝わった。彼を支える仲間たちにも感動した。美術館巡りをしたくなった。
15投稿日: 2024.03.24
powered by ブクログねらいすぎ、と思うのに、今回も号泣ポイント多数…やられた… 印象に残った台詞。 「年をとってきたせいか。私も終わりが近くなったせいか。最近、私の師の言葉をよく思い出す。〜」「〜私には何を言われているのか、分からなかった。だが、最近ふと思い至ることがある。答え合わせが始まったんだな」 「〜私はあの筆に出会って、道具に対する感謝を教えてもらったよ。それまでも分かっていたつもりだったけれど、ずっとただの心がけに過ぎなかった。〜」
2投稿日: 2024.03.16
powered by ブクログとても静かな物語だった。 静かで優しい、愛情に満ちた物語。 子どもたちがいてくれるのが、前作との大きな違い。でも、悲しみがベースにある。 「線は、僕を描く」から続く、両親を事故で失ったことへの” 喪の作業 ”が、まだずっと続いていたんだな、ということがひたひたと伝わってきた。 お母さんが残したもの。それが線となって前作から、今作までずっと続いてきた。その線が消えぬよう湖山先生や西濱さん、千瑛が、子どもたち、椎橋先生が、おじさんが紡いでくれたんだと思う。 個人的には西濱さんが好き。水墨画を描く描写はなかなか想像するのが難しかった。 印象に残った言葉 【絵の用】 心を預ける隙間が絵には必要 少なくとも水墨画は、 「完璧なものに用はない」
25投稿日: 2024.03.15
powered by ブクログ前作を読んだのは3年以上前。なので、正直、すっかり青山君のことも水墨画の世界観も忘れていた。でも読んでいくうちに思い出した。見えないはずの線や、嗅ぐことのできないはずの墨の匂いを。 最初に引き込まれたのは、小学校での水墨画教室の場面。 子どもたちの集中力と本気でぶつかる姿、見たものだけでなく触って感じたことを表現する姿。技術ではなく個性をそのまま受け入れるそんな授業、子どもの頃に受けたら描くことが好きになっただろうなあ。 みずほちゃんと青山君のやり取りに胸が熱くなった。 最初の揮毫会では緊張と疲労感が漂い、湖山門下のみんなが違う方向を向いている感じだったのに、湖山先生引退の揮毫会では静かさと熱意、言葉にしなくてもみんなが気持ちを感じ合っている姿に胸がいっぱいになった。 美しかった。 青山君の母の生前の生きざま、青山君自身の苦悩と全体的にずっと心揺さぶられっぱなしだった。
13投稿日: 2024.03.15
powered by ブクログ続編。元のが好きな作品だったから、期待が大きすぎたかもー。 最後の方の皆で絵を描くシーンは文字から想像するのがなかなか難しかった。映像化したらいい感じなのかな。
8投稿日: 2024.03.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一気に読み終わりました。何回も涙がほほをつたいました。どこに生きるとか、取り組むとかのきっかけがあるかはわからないかもしれないけど その時、そのタイミングを逃さず捉えられるようにいたい。体調崩して、気分もどんよりしていたのが読み終え、体が暖かくなりました。 こどもと接するところ、そして2人の反応に自分の経験が重なって感涙。母とのつながり、話せたことの良さにも感涙。そして前作のあの斉藤さんも救われて最後の作品は映像化されたような描写にまた感涙
4投稿日: 2024.03.10
powered by ブクログ大いなる挫折の只中にいる青山くん。 その痛ましい心象風景に徐々に風が吹き込む。 息吹が。 相変わらず筆を振るう描写には生命感があって、迷いを振り切る瞬間も映像的に描かれている。 美しい一瞬が連なっていた。 水墨画を通して世界を視る。 全てが自分と深く関わっている。 今回は青山くんの成長と、湖山会のチームとしての成長がともに描かれているので、後半の期待感もひとしお。 何度も涙して、最後には水墨画だけじゃなく、不思議とあらゆる生業に関わる人を尊く思った。 絵を描く人は全てが題材。全てに心を寄せられる。それはとても羨ましい。 黒白の世界がこの世界の裏側に。
5投稿日: 2024.03.06
powered by ブクログ前作を読んでから読まないと理解できないかも。結局教師になるのか〜母親と同じ道。才能あるのに勿体無いと思ってしまった。
1投稿日: 2024.03.06
powered by ブクログいいなぁ〜やっぱりいい!作者さんの言葉選びも話の展開も、なんなら水墨画も描けるような気にさせてくれる感じも。アートの中でも水墨画は特に孤高の芸術なんじゃないかと思っていたが、そうかもしれないが、前作とこの作品のおかげで絵を文字で表して、読者は思い描くことができる。水墨画を身近に感じられた。 今回の話の内容で、小学校へ赴き、作画教室のお手伝いがひょんなことから主人公、青山霜介が教える事になる。結局は自身の糧となる子どもたちの活力。 青山先生!と呼ばれる、真っ直ぐな眼差し。 子供たちの純粋なパワーは本当にすごいものがある。 湖山会の他のメンバーとも心通わせるこの作品は前回を上回って感動した。 水墨画家としても忙しいとは思うが、ぜひ次の本も読みたい作家さんだ! 誰かのすごく良いところは、実は欠点のように見えるものの中に隠れてるって。大きな可能性は簡単に見て取れるようなところには、隠れてないんだって。それは子どもたちの中ではおおきすぎるから。 誰かにだめって言われても、自分が素敵だと思ったものを信じなさい。そこにあなたの宝物が見つかるから。あなたにしか見えない宝物がこの世界にはたくさんあるから。 p.111 精緻に捉えるのをやめて、思いのままに眺め、描き始めると、無限の変化がそこに起こる。…無限が無限を生んで、元の形を超えて、さらに無限を生んでいく。…彼らがありのままを生きているから、生きていることが描けるのだ。そのすべては線の中にあった。…彼らは自然だった。 p. 147 絵とは本来そういうものだと思います。ほんの少し視線を引き、心を傾ければ、深く大きく答えてくれる。それは時に言葉より大きく強く心に届く… それが『用』です。絵の用、『完璧なものに用はない』 p.268 白が生きている。描くことが描かないことを邪魔していない。 p. 287 お手元、お箸だよ。私たちは、美と人を繋ぐもの。運び、与えるもの。一本の筆と、一つの人生を合わせて、それを伝えるもの。どちらが欠けても、森羅万象は掴めない。…だから、運び続け、与え続け、分かち合いなさい。その方法は絵じゃなくてもいい。優しい言葉、たった一度の微笑み、穏やかな沈黙。誰かを守ること… p. 295 絵師にしか分からない。画面の向こう側にある世界に筆を通して触れる瞬間。絵師の恍惚はそこにある。 p. 321 白の美、究極の余白の美もまた、描かないことではなく、描くことによって生み出されるのだ。p. 333
12投稿日: 2024.03.06
powered by ブクログ心が変化していく様子も水墨画を描く場面も、とにかくやさしく美しい文章で表現されている。なんてすごい作家さんなんだと読み進めながら常に感動し、さらにラストの展開で涙を流しながら読了。 線を描く、という言葉にあらゆる視点からの思いが詰まっている。 前作も読み返したいしその後にきっとまたすぐ読み返したくなるだろう。砥上さんの作品に出会えてよかった。
16投稿日: 2024.03.04
powered by ブクログ何度涙が溢れる場面があっただろう。 読み進める程に温かく、迷いながらも進む力をもらうことができる物語。 前作「線は僕を描く」もよかったが、この続編も読み応えあり。 水墨画の世界、全く知ろうともしなかった世界だけどモノクロの中にどれだけの奥深さがあるのか。 喪失感の中、水墨画に出会い。 仲間に出会い、スランプに陥り、知らなかった母の姿に出会い、自分の進むべき道を踠きながら見つけていく霜介。 水墨画家でもある砥上氏の文章力、心情を丁寧に水墨画とリンクさせながら描く筆致は自然で引き込まれていく。 未来を託すべく描かれた揮毫会での作品を本当に見てみたい。
4投稿日: 2024.03.04
powered by ブクログ「線は、僕を描く」の続編。 前作同様、この本を読んでると静寂が訪れる気がする。 揮毫会で描いた絵を見てみたい。 前回同様、そんなシーンでもないだろうのに、読んでるとなぜか泣きそうになってしまう。 共感?青山くんの心の繊細さからくるのだろうか。 44冊目読了。
5投稿日: 2024.03.02
powered by ブクログ前作を読んでからさほど間があかずにこの本を読めたこと、読ませてくれたことにまず感謝しかありません 主人公、急にスランプになっていたのでちょっと驚いたのですが 湖山先生の厳しい優しさがとても心地よかった 羨ましささえ、感じます 本当の意味で前に進めたんだなって思います 外で読んでいた時間もあり、うっかり泣くところでした 最後に描きあげた水墨画 想像することでしか描けないのが良いような悪いような 実際に見てみたい、見せてほしいと、心から思います
12投稿日: 2024.02.28
powered by ブクログ「線は、僕を描く」の続編。 千瑛と湖山賞を争ってから2年。 初の揮毫会に挑んだ霜介だったが、緊張から失敗を犯してしまうところから、物語が始まる。 若き水墨画家として、活動的な千瑛に対し、大学3年になり、進路にも作風にも悩む霜介だったが、先輩である西山の代わりに小学生の水墨画教室を受け持ったことから、亡くなった母の過去を知ることになる。 それでも作風に悩む霜介は、恩師・湖山から筆を置くことを勧められ、そして、ある場所を訪れた霜介は・・・ 今作は前作ほど、水墨画を描くシーンがなく、霜介が悩み、そのたびに少しずつ成長する姿が描かれるので、前作のような興奮を感じることが出来ない。 その分、個人的には「続編はイマイチかも」と中だるみすることも。 しかし、ラストの湖山の引退セレモニーに見事に裏切られる! 湖山の弟子たち4人による競演は、まるで目の前で本当に描かれるようで、本当に美しい。 そして、何より湖山の生き方が本当にかっこいい。 同時に両親を失い、人生のどん底だった霜介が湖山に出会ったこと。 その出会いに導かれる運命に、すっと涙が流れるラストだった。 本当に美しい作品だと思う。
44投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログ3.5 描くシーンが正直長く感じた。 凡人以下には想像が及ばない。 一作目はなんとかついていけたように思っていたけど、映画みたら想像の遥か上。 映画みて補完するぐらいが私には丁度よい
2投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログ前に進もうとする主人公の姿が苦しくでも止まらないでと願いながら読み進めた続編。湖山先生の懐の深さ優しさ自然体がとても素敵。美しい文章によって描かれる水墨画は私の想像の遥か先を行き、完成された画を見れないもどかしさがさらに大きな余韻となる。
6投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログ前作を読んでから3ヶ月しか経っていないので、非常に熱く読み終わることが出来た。珍しく2冊とも5評価。 前作では短期間で賞まで貰った主人公に若干の違和感があったが、今作では挫折からの復活となり、感動が深くなる。 突然に小学生を教えることになった主人公の青山。亡くなった母親が教えていた小学校であり、先生達も母親を良く知っている。奇跡的な出会いと子供達がスランプ脱出の原動力となる。ここで既に涙が溢れて来る。そして、その後の大怪我と再度の復活。湖山会のオールスター達による共同作業による水墨画。感動的なフィナーレが待っていた。水墨画家である作者の美に拘った美しい小説だった。
79投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログ『線は、僕を描く』続編 →『一線の湖』の順で読むのがお勧めです 線僕の2年後を描く青春小説 主人公“青山霜介”さんの目線を通して人と人、人と自然の繋がり、目には見えない心地よい優しさを丁寧に綴った作品です。 5章のこれまでの集大成と言える水墨画揮毫会、続くラストは西濱さんの言う通り、本当に最高です。 最後まで読むとタイトルの意味が分かります。 この本と出会えて良かったです。
6投稿日: 2024.02.24
powered by ブクログ展覧会から2年たって 今は読み続けるのが苦しくなるほど もがき続ける霜介。 それでもまわりの人々に助けられながら少しずつ歩みを進め 最後には自ら未来に一筋の光を見つけだす。 人生、ゆっくり自分のペースで歩み続ければ 辛いこともやがて過去になる。 急ぐことはないのですね。 水墨画の描写のシーンは相変わらず美しく 揮毫会のはりつめた緊迫感に息を飲む。
2投稿日: 2024.02.24
powered by ブクログ水墨画がどういうものなのか、 実物を見てみたくなるのは、 一作目と同じ。 ただ、疲れるー。 芸術家ってこんなにいろいろなことを考え、 心震わせてるのがと思うと、しんど過ぎる。 自分がいかに物を見てないかわかると同時に、 こんな世界と無縁で良かったと思う。
1投稿日: 2024.02.23
powered by ブクログ美しく、やわらかな物語。 湖山先生が素敵すぎて、最後の揮毫会がずっと続いてほしいと思った。 青山くんを通して、周りの人のあたたかさや自然の美しさに気付かせてもらえたみたい。 色々なものに「ありがとう」と伝えたくなりました。
65投稿日: 2024.02.23
powered by ブクログ読みたいけど読みたく無かった。 この物語にいつまでも浸っていたかった。 前作に続き今回もよかったです。 子供たちとの触れ合いのシーンも良くて、私も元気をもらえました。 また風景描写をここまで素敵に文章で表現できるところは毎回感動させられます。 うるっとした場面はいくつもありましたが、最後の作品の題名を見た時は思わず泣いてしまいました。 今作は湖山先生の人柄がより伝わってきて、多くを語らず静かに見守る姿勢や心の広さなど見習いたいと思うところが沢山ありました。 登場人物たちの成長や苦節がとても感じられる一冊です。この作品に出会えて良かったです。前作同様、時間を置いてまた読み直します。
3投稿日: 2024.02.21
powered by ブクログ青山さん、湖山先生、門下生の方々、その後に出会うことができてうれしかった。湖山先生が青山さんを弟子にしたかった理由が分かるような気がしました。 そして、続編を読んでいながら「線は、僕を描く」をもう一度読んでいるように感じました。 欠点に可能性がある、自身にも誰かを育てるときにも大切にしたい考え方でした。
3投稿日: 2024.02.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前作も良かったけれど今作に至って一つの命題に解答を見た。青山くんの両親の死が心の奥に消えない哀しみとなっていたが、思いがけない亡き母が教師だった小学校での水墨画の講師となって子どもたちに教えることで逆に教えられ、母の死と向き合えるようになった。とても好きな場面である。 水墨画を描く場面は緻密でその筆使い息遣いまで感じられ、その様子が眼前に広がって素晴らしい。物語の最後も湖山先生の人間の大きさと優しさに満ち溢れ、弟子たちの未来が信じられる希望に満ちたもので、読む幸せをしみじみ感じた物語だった
3投稿日: 2024.02.20
powered by ブクログ墨の匂いが終始漂ってくるような濃さで、芸術家達が作品を生み出す時に、どれだけ身を削り努力しているのかがわかって感動した。特に最終章が圧巻だった。
2投稿日: 2024.02.20
powered by ブクログ『線は、僕を描く』の続編となるこの作品、大学3年となった霜介が進路に悩み、揮毫会での失敗で挫折したところから物語は始まる。 前作を思い返しながら緩やかに進んでいくが、亡き母が勤めていた小学校から水墨画教室の依頼を受けたときから流れが変わったかのように加速していく。 無限の可能性を秘めた子どもたちと向き合うことによって、少しずつ見えてくるものや気づきに何かを感じる。 描くのではなくて生まれるもの。 『いま、そのとき』は、自然に生まれる。 美しい時間を共有できたという思いが込み上げてきた。
73投稿日: 2024.02.19
powered by ブクログ良かった! すばらしい!! 素敵な表現が沢山 俺はクライマックスより 子供たちとのふれ合いの部分が好きだった
7投稿日: 2024.02.19
powered by ブクログ「線は、僕を描く」の続編。 前作以上に心が揺さぶられ、途中で何度も涙が流れた。自宅で読んでてよかった。 森羅万象。水墨画を通して大切なものは何かを気付かされた気分。 自分がいいと思ったものを信じること、自分が生きるその先を思い行動すること。 静かに進んでいく物語の中に強いメッセージが込められていて、この先も大事にしていきたい言葉にたくさん出合えた。
46投稿日: 2024.02.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「線は、僕を描く」の続編。 面白かった。 青山くん、千瑛、西濱さん、斉藤さん、そして湖山先生、全員で描いた作品を実際に見てみたい。多分私の創造した作品を超えて凄い世界が広がっているのだと思う。 湖山先生の存在の大きさが際立った話だった。 それから青山くんの習作も見てみたいなぁ。 描いた部分と描かない部分、描かないことで表現する。 水墨画の世界も面白そうだ。
18投稿日: 2024.02.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
冒頭から揮毫会で失敗し、その後も鬱々とした日々が続くため読んでいて梅雨の時期のような気持ちになった。 小学校の生徒や湖山先生、湖山会の弟子たちに助けられ、最後は自分の水墨画を取り戻す霜介。 けちをつけたい訳ではないけれど、王道ストーリーだな…と思う。 スランプに陥って悩んだからこそ、成功があると思えば良いのかもしれないが、この世界、どんなに苦しんでも大成しない人も多いだろう。 かと言って霜介が描けないまま終わってしまったら、それはそれでモヤモヤするんだろうなぁ。 湖山先生も斎藤さんも決してこうしろああしろとは言わない。ただ、学びのヒントは与えてくれている。霜介は周りに恵まれていたし、自分で気づく機会も逃さなかったから、水墨画と向き合うことができたのだと思う。 湖山先生の有終の美を飾っての揮毫会は、情景が思い浮かぶようなシーンだった。観客が息を呑みながら見ている中、筆が紙と接する音や硯で墨を擦る音だけが聴こえる、静謐だけどワクワクするような場面がイメージできる。 最後、霜介は水墨画の道とは異なる進路を選んだが、彼の生き方はどんな道を選んだとしても変わらないだろう。
3投稿日: 2024.02.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『僕は線を描く』の続きのお話し。 一作めより感動しました。 亡くなったお母さんの知らなかった顔を知り、血を流すような苦しさの中更なる成長を遂げた霜介が報われる時、涙が出ました。
7投稿日: 2024.02.17
powered by ブクログ『線は、僕を描く』読了から4年半。記憶も曖昧でしたが、前作を再読せずに続編を読んでみました。 両親の事故死によって深い喪失感を抱えていた霜介は、水墨画と出会い、快復・再生したはずでした。本作では、霜介が2年後(大学3年)、自分の進路に苦悩しながらも、成長していく姿が描かれています。 何度も失敗し落ち込み、その度に停滞し焦り‥、その辛い状況がリアルです。そうです! そんなカッコよく困難を打開し、颯爽と我が道を切り拓くていくなんて、あり得ませんよね。 多くの人の支えがあってこそ、霜介は新たな一歩を踏み出せたのでしたが、個人的には特に二つのことが印象的で、内容の根幹と思えました。 まず第一に水墨画の師匠・湖山の関わり方です。決して具体的なことを教えず、本人に気付かせるというスタンスは、指導者の鏡ですね。余計な事を言わず可能性を信じる姿勢が素晴らしい! そして第二は、小学1年生たちとの出会いです。純粋にただ楽しんで描く姿・作品から、霜介は生命力、未来への勢い、可能性‥を感じ取ります。「拙さが巧みさに優る時がある」←これは名言! 確かに、小学校の教室や廊下の子どもの作品は、観ていて本当に楽しいですもんね。 さらに、実際の水墨画を描く場面、終末の自分と向き合い進む道を見つける場面では、読んでいる目の前の文字上に、詳細な画や絵師の所作まで浮かび上がるような繊細で優しい表現です。 巻頭・巻末の著者自身による水墨画が、本作の芸術性を価値を高め、余白の美を知らしめている気がしました。
88投稿日: 2024.02.16
powered by ブクログまたあの世界が広がっていました 『線は、僕を描く』の続編です 前作を再読してから臨んだので すぐに世界に入っていけました 相変わらず絵を描く時の描写や 青山の心理描写が細やかで すごい表現力でした。。。 自分の力量不足なのか 集中して読まないと 文字が横滑りしてしまうので笑 じっくり読ませてもらいました 前作から2年が経ち それぞれが壁にぶつかっていました 全てがうまくいかず 読んでいて苦しくなります そんな中で絵を描いてる様子が目に浮かび、 描きながらの葛藤や、発見を 一緒に体験することができる すごい本ですね 揮毫会のシーンと 終盤の絵を描くシーンは 特にすごい。 知らぬ間に涙が落ちました。 個人的には子どもたちとのシーンがとても好き 子どもの圧倒的なパワー、 楽しいものを素直に楽しみ、吸収し、 自由に表現できる なにもないところで遊べる 全身で気持ちを表現できる いつも身近にいるけど 子どもたちの凄さを この本で改めて気づきました 一緒に過ごせる今の時間を大切にしなきゃな 前回は古前くんがすごく好きだったけど 今回は湖山先生がとてもよかった 湖山先生には全部見えていて 全部わかっている。 圧倒的な存在感でした あーかっこよかったです!! 出てきた作品たちを見てみたいー 私の想像力じゃ足りない…笑
107投稿日: 2024.02.15
powered by ブクログ好きな登場人物 湖山先生 優しい気持ちの詰まった話を読むと、読んでる自分まで優しい気持ちになる… 今の自分に必要な一冊だったと思う。一旦こだわりや固執から気持ちをそらして、自然を眺めてみよう、そんな気持ちになりました。
4投稿日: 2024.02.14
powered by ブクログ『線は、僕を描く』の続編。水墨画家、篠田湖山の門下となった青山霜介は、湖山から「筆を置きなさい」といわれる。上手く描けない、揮毫会でも失敗してしまう。それでも乞われるままに無理を続ける霜介。自然を墨で描く水墨画の、小手先ではない、真髄のようなものに気づき、理解するまでの霜介の苦悩の物語。そして、過去の悲しみに向き合えた時、彼のまわりは巡り始める。 霜介の感情表現が抑えて描写されているように感じたけれど、それ故に、物語に入り込んでしまった感じがする。「描かない」ことを大事にしている水墨画のよう。まるで、哲学書を読んでいるような気持ちにもなる。 絵を描く人は、世界をこんなふうに捉えているのかと思うと、羨ましくもあり、わからないなりにも、その世界に触れたくなりました。
4投稿日: 2024.02.12
powered by ブクログまず前作よりもすごいと思った。第四章、青山霜介が立ち直り絵を描くシーンはハラハラしたしグッときた。これは映像化ピッタリだけどできれば本のままでそっとしといて。
4投稿日: 2024.02.08
powered by ブクログ躓きながらも、前に進もうとする姿勢に心打たれました。 私だったら大舞台で失敗して、周りにひそひそ何かを言われたら心折れそう… 小学校のシーンは泣けました。
7投稿日: 2024.02.06
powered by ブクログ水墨画家による水墨画の世界、第二章。 創作の壁に当たった主人公が、小学生に絵を教えながら、描きたいから描く子供達の姿に逆に教えられる。 ピカソが「ラファエルのように描くには4年かかったが、子どものように描くには一生涯かかった」と言ったのをふと思い出しました。 子どものお絵かきって、誰に強制された訳でなく、自分の意思で、感じたままに楽しく描いている。 前作では視覚に訴える表現に感じ入りましたが、今作は画家心理の動きに感じる部分が多々ありました。
7投稿日: 2024.02.05
powered by ブクログ人と関わるっていいなぁと思える本でした。 筆に教えを乞う、生徒が先生を育てる、など 自分が使ってる教えてると思ってしまいがちな私たちの考え方が違うんじゃないか?と世の中の捉え方を変えてみようと思えました。 余白と描かないことでこの世界を表現する、不思議な水墨画の世界に引き込まれました。 皆で画を作り上げていく様は圧巻でした。 続きが読みたいです!
9投稿日: 2024.02.01
powered by ブクログ大学生の青山霜介は、水墨画家の篠田湖山の弟子として、失敗したり、小学校で水墨画を教えたりする。 水墨画って意外と大変で面白そうと思ったり、前作より観念的な表現が多くなったような気がしたり(当社比)
0投稿日: 2024.02.01
powered by ブクログ3年ぶりの続編。静けさ、温もり、涙に超絶技巧の水墨画の世界描写。慣れたのか前作ほどの衝撃的な感動には至らなかった。「思いを伝えられるとき伝えなければ、その機会は永遠に失われてしまう」「与えられた自由を使いきれないときもある。自由に挑むには自由と同じくらい大きな自分が必要だ」「誰かに会いに行くことを躊躇ってはいけない。次の瞬間、会えなくなることも、この世界にはあるのだから」「区別はいつも曖昧だ。線は何かを分け隔ててしまう」わかったようで…。今度、水墨画の展覧会に出掛けてみよう。
0投稿日: 2024.01.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
砥上さんのパワーアップした表現力に圧倒される1冊だった。感動して、何度も涙が頬をつたった。みずほちゃんやさまざまな出会いを通して、亡くなったお母さんと対話し、つらい思いから浄化されていく。そして描けない自分と向き合い乗り越えていく成長の物語。最後の揮毫会。全ての想いがそこに詰まっている。
1投稿日: 2024.01.31
powered by ブクログ前回同様、表現力の塊のような作品。 正真正銘の続編であって蛇足なき素敵な内容 個人的には全体を通して余白のある内容だったと感じます。前回と異なり、筆に意思、目的が乗ったことで終始感じる緊迫感の中で、水墨画、人間の核に触れていくような繊細さを感じました。 加えて、小説で水墨画を観る良さもありますね 水墨画というものを全く観たことのない素人なのでぼんやりとしか作品の映像が浮かばないのですが、それこそ作者の求めるところなのかなとも感じました。 今まで培った読者が持つ純粋な心の眼を用いて、数少ない言葉をヒントに自分なりに作品を紐解いていくようで素敵な読書時間を楽しめた気がします 機会があれば実際に水墨画を観てみたくなりますね 恐らく全く違う印象を楽しめそうでワクワクします
0投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
線は僕を描く、の続編。前作で十分完結してたけどなぁと思って読み始めたけど、いやめちゃくちゃ良かった!前作読んだ人全員読んで。まじで。 前作から2年後の話やけど、青山くんが迷い戸惑い立ち止まりつつも前を見る姿に、そして湖山会の面々の直向きな姿にも胸を打たれる。 さて、序盤、労働基準法という単語が脳裏を過ぎる。青山くんも西濱さんも働きすぎではないか!?休んでくれ。 ただ青山くんと子供達の触れ合いは心温まるし青山くんが両親の死を受け止める姿によくぞここまで、と感慨深くなる。 そして前作から気になってた斉藤さんのその後が描かれてて嬉しかった。良かった、良かったよ斉藤さん、帰っておいで。 そして引退式、湖山会の面々が楽しげに互いを分かりきり理解し合って絵が浮かぶようだった。再び道が交わるのが見たい。 青山くんが水墨に出会い、その先の道を広げていくのが嬉しくて湖山先生同様込み上げてくるものがある。既に素晴らしいものを伝えられる温かい人やと思う青山くんが先生なんてめちゃくちゃ向いてると思う。前作では思わんかったけど、今作を読み終わるとその未来が容易に想像つく。ただ過労には気をつけてほしい。 青山くんの「湖山」見てみたい。このくだりが1番好き。
3投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログ前作に続き、とても繊細で優しく、芸術の核の部分に触れるような体験ができ、楽しく読んだ。人を育て、同時に育てられるということも描かれていた。 ただ、水墨画を書いている様子や、気持ちが少しずつ変化していく描写が、私にははっきり理解できないところがあり、実際どんなことを言っているんだろうと、細かく理解したいのにわからないのがもどかしくなった。 作中で描かれている絵を頭の中で想像してみる。全く絵心のない私でも描写に少しは描けるのだが、実際の水墨画を見てみたいなと思ったので、やはり、前作の映画を観てみようかと考え直した。 キャストが自分の中の想像とかなりズレているので、大好きな本での世界が壊れてしまいそうで観るのが少し怖い。私の中では、なぜか西濱湖峰は芸人のバイキングの西村さん、篠田千瑛は茅島みずきさんが、前作から棲みついてしまっている。主人公の友達の古前巧役の役者さんの細田佳央太さんだけはイメージそのものだった。 湖山先生の存在が、今作では際立っていた。その大きさが、全体を包み込んでくれている。主人公の習作に、湖山先生が表題をつけていたシーンは痺れた。 前作に引き続き、この本を読んでいると、心穏やかで、優しい人間になりたいと強く欲するようになる。直ぐその気持ちを忘れるので、毎日読んでおきたいくらいだ。絶望や悩みに打ちひしがれ、抜け出せないような気になっても、この主人公は、周りの人々の言動を見て、素直に学び取り、度胸や強さ、そして大らかさを手に入れて行く。物語なので、上手くいきすぎている感はあるけれど、それでも、ぎっしりとなぞるように描かれた描写で、その成長や心の動きが、読者にも丁寧に追えるようになっている。 心に留めておきたいキーワードは、心の内側の余白、広さ。気韻生動。(ここでは生き生きとした線を引くことや絵を楽しむこと) 今作も映画化して欲しい気持ちもある。キャストも監督も一新させて、新しいものを作るのも面白いかもしれないな、なんて思う。 特に心に響いたところ ○心を重ねられるものは別に、完成されたものじゃなくてもいい…気がするんだよ ○長時間の訓練、精密で複雑な動作、自分の内側の動きを無視した努力を続けても、どこかで行き詰まってしまうのだろう。そもそも自らの中の『伸びしろ』を『伸ばしきってしまった』後にはどれだけ叩いても伸びることはない。ただ自分を痛め、歪な形に変えてしまうだけだ。重要なのは『伸びしろ』そのものを伸ばすことだ。心の内側に余白が必要なのだ。 ○運び続け、与え続け、分かち合いなさい。優しい言葉、たった1度の微笑み、穏やかな沈黙。誰かを見守ること。心を使い、喜びを感じ、分け合うこと。同じ時を過ごしているのといると認めること。(湖山先生の言葉) ○見つめているのが、苦しくなるほど美しかった。(略)何の衒い(てらい)もない。僕が到達したいと思っていた線のさらに数歩先を行っているかもしれない。
36投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログ前作に引き続き、水墨画が目の前で描かれるようでした。言葉や文章がとても美しいなと読んでて感じました。 前作でスタートラインに立ち、今回はそこからもがき苦しみ足掻き…しかし向かい合いすぎて休むことができず…人って休まないと進めないですからね。 霜介がさよならをやっと出来たのが良かった。 これからの未来に幸あれ。
17投稿日: 2024.01.27
powered by ブクログ前作のラストが美しすぎて、続編が蛇足にならないかと懸念していたが、杞憂でした。 画題が高度になったぶん、水墨画の描写がちょっと難解になっている傾向はある。 挿絵で表現してほしいなあ、と思いつつ、想像する楽しみも増えた。 霜介と西濱や美瑛との、水墨画を通じた関係性も、 行間をにじませる部分が増えたように感じる。 クライマックスかと思わせる場面が中盤にあり、そこからまさかの展開。 最後はどうなることかと思ったが、とても美しいラストでした。
9投稿日: 2024.01.25
powered by ブクログ「線は、僕を描く」の続編。 描くことに行き詰まり、この先の自分に迷いが出る。 子供に教えることで子供の感性や楽しむ力に何かを得る。 考えて描くのではなく、溢れ出るものを表現するという新境地に辿り着いた時、自分の進むべき道も見えてきた。 水墨画の魅力満載。揮毫会に行ってみたい。
5投稿日: 2024.01.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読んでいてしんどくなる瞬間もあったけど、読み終えてしまえば、ほっと息をついている。絵が見たいな。水墨画が見たい。未来を描くとかより、人と繋がっていたかったんだよね、未来が描けるようになってよかったね、と思うと同時に、絵は、描き続けていってくれるんだよね?と、願ってしまった。
2投稿日: 2024.01.25
powered by ブクログ『線は、僕を描く』の続編。 この本の最後のページに、師・篠田湖山が主人公の絵を評した以下の様な一文があります。 「湖山門下屈指の余白の感性に感服し、篠田湖山がタイトルを決めた。描かれた湖の線と描かれなかった余白はほぼ等分されている。描かないことによって湖面の広さと輝きを見事に表現している。また水平線を一筆で描いた筆致が美しい。」 ところが。。。 この本についていえば「余白」が感じられないのです。重要なシーンになればなるほど次々と文章が書き連ねられます。そして力が入り過ぎて独りよがりの文章になり、伝わってこなくなります。結果、余白ではなく「空白」が出来てしまう。本当にうまい作家さんなら、ただ一つの主人公の所作や行間で表現するところをまるまる1ページ使って一生懸命説明しようとする、そんな感じです。 しかし、やはり水墨画を描くシーンは秀逸です。何をどう捉え、何を考え(あるいは考えず)、引かれていく一本の線。描かれた水墨画を「見たい!」と思わせる文章は、水墨画家である砥上さんだから書けるものでしょう。その一点だけでも読む価値のある作品だと思います。
4投稿日: 2024.01.25
powered by ブクログ水墨画が小説の題材となるとは!と新鮮な衝撃を受けた前作の続編。更に人間描写を掘り下げ読者を水墨画の世界に誘う。
2投稿日: 2024.01.24
powered by ブクログ『線は、僕を描く』の続編です。 両親を交通事故で亡くし、喪失感に埋もれていた大学生の青山霜介が水墨画と出会い、その世界に魅了され、救われていった前作から2年後…大学3年生となった霜介は、「水墨画界の若き至宝」として活躍する千瑛を横目に、卒業後の進路も定まらず水墨画でも伸び悩み、焦りを募らせていた…。 前作でも感心しましたが、水墨画を描くシーンの描写が本当に素晴らしいんです。筆の動きや紙面の状態だけでなく、筆や墨の緻密な描写やその筆の動きに対する動機、描いている霜介の心理状態などなど、非常に雄弁に饒舌なほど語られています。それなのにとても静謐な雰囲気を湛えているんですよね。 おそらく書道とかもそうだろうと思うのですが、水墨画を描くことって無心となって自分自身と深く向き合うことなんでしょうね。 水墨画という芸術小説としても、生きる道を葛藤しながら模索する青春小説としてもよかったです。
3投稿日: 2024.01.24
powered by ブクログこ、これは…ズルいわ〜 ズルいラストだわ〜 湖山先生がとにかくかっちょいい 師匠度がエグい 師匠偏差値が高すぎる なんだ師匠偏差値て 伝えるモノを持っているってすごいよね 羨ましいなあって思う ほんとは誰でも持っているのかもしれないけどね 気付いていないだけで 湖山先生のような物語だった ヒントやアドバイスが色んなところに隠れてた気がする そっと背中を押してくれてたり 気付いたら隣りを歩いてくれてたり いつの間にか灯りをつけてくれていたり そんな師匠偏差値の高いお話しでした だからなんだよ師匠偏差値て!
89投稿日: 2024.01.23
powered by ブクログ全く知らない水墨画の世界 描かれた線ではなく余白の部分の大切さもあることを知りました。 生き方も変わりそうです。
2投稿日: 2024.01.20
powered by ブクログ面白くも目新しさもない。主人公、こんなイライラするキャラだっけ?デビュー作がピークだったね。 でもストレスを堪えて読み続けるとラストは落涙。
2投稿日: 2024.01.19
powered by ブクログ文字を読んでたはずが、いつの間にか筆の動きを目で追っている。前作に引き続き、そんな不思議な感覚をくれる作品でした。 紆余曲折を経てたどり着く最後の舞台が圧巻で。 こころ、自然、線。どれもが温かく、そして美しかったです。
2投稿日: 2024.01.19
powered by ブクログ水墨画の世界を描いた「線は、僕を描く」の続編。 大学3年生になった青山霜介は、進むべき進路を見出せずに迷っていた。そして、揮毫会での失敗から水墨画に向き合う姿勢にも揺らぎが生じ始める。そんなとき、先輩の西濱湖峰の手伝いで亡き母が教えていた小学校で水墨画を教えることになる。 悩み、迷う霜介が自分の内面を見つめ、水墨画を描くことの意味を見出していく過程を辿っていく。本作でも水墨画の創作過程が美しい言葉で丁寧に表されていく。そこに絵が出来上がっていくさまを眺めているかのような臨場感は前作と同じ。 何より胸に響いたのは、言葉を変えながら繰り返し語られる森羅万象への思い。幾つもの命の営みが重なり合って、ようやく命が育まれる。誰一人周りから切り離されて存在していないといこと。未来に向けて命を繋いでいくことで、人は命よりも永く線を描いていけること。 それは人はなぜ生まれ、なぜ生きるのかの答えのように思える。 欠けていることで満たされること、不完全なものが実は完全かもしれないこと、そして心の内側の余白の大事さなどが霜介を通じて語られ、完璧を求め、コスパ、タイパ重視の隙のない世の中に疲弊した私たちにそっと手を差し伸べてくれる。 読後は山の湖水のように澄んだ思いに満たされました。
6投稿日: 2024.01.18
powered by ブクログ号泣。 芸術は全て森羅万象命の本質を描きだそうとするが、技術を知れば知るほど、細部の技術にこだわり、子供のような全てを受け入れて表現する無垢な感性が失われる。 それを受け入れて、乗り越えるまでの主人公の試練。 湖山先生の優しくも厳しい教え。全てに感動した。 きっと私は絵を見てしまうと、これほどまで感動できなかっただろう。 心に描かれる水墨画だからこそ、余白の素晴らしさ、輝き、日本ならではの侘び寂びを感じ、感動した。
4投稿日: 2024.01.18
powered by ブクログ「線は、僕を描く」の続編。 青山霜介が、水墨画の表現と進路に悩む。その葛藤と成長を描く。 水墨画の描写は、前作のほうがイメージしやすかったが、周りのキャラはより魅力的になった。湖山先生、西濱さん、斉藤さん、みんな良いね。
4投稿日: 2024.01.16
powered by ブクログ前作から二年後、 主人公だけでなく、湖山先生、その門下生たちみんながこれからのことを考え、歩んでいくお話。 前作のようにドラマチックに展開がかわっていくわけではない。 何気ない一文に、その時の気持ちや状況などが盛り込まれており、現代文の問題くらい深く読み込めます。 なので、じっくりと時間をかけて一文一文を大切に読みたくなります。 さらに前作の主人公が0からのスタートに比べて、今回は最初から絵の表現が飛び交います。その絵を文字と共に描くためにもゆっくり丁寧に読みたい本です。
13投稿日: 2024.01.15
powered by ブクログ「線は僕を描く」の続編 主人公の青山霜介の苦悩からの解放、セルフカウンセリングを一緒に体験している様な感覚で読み進めた。 ホッとしてよき未来が見えた読後感。
2投稿日: 2024.01.13
powered by ブクログ最後。よく分からない。主人公が決めた自分の進路は適切なものであろう。 でも師匠が示したものは違い、一番大切なものを託したということなのか。 描写のシーン、迫力は伝わるのだが、今一つ実際どういうものか分からないのは残念。
3投稿日: 2024.01.10
powered by ブクログ『線は、僕を描く』の続編。前作から二年が経ち、水墨画家として進むのかどうか進路に悩んでいる大学生の霜介。ある出来事から描けなくなった時に行った小学校での水墨画教室。この出会いの場面や、子供達との交流を通して霜介に変化していく様がとてもいい。進めなくなった一歩をまた踏み出す瞬間や、手と筆が動き出す描写にとにかく圧倒される。ラストの水墨画を描く場面はとても静かで鮮やかで命を感じられる瞬間だった。
3投稿日: 2024.01.09
powered by ブクログ芸術の哲学書でもあり、教育の醍醐味が詰まった日記でもあり、 文字だけで絵が景色が立ち現われる、大切にしたい本です。
2投稿日: 2024.01.09
powered by ブクログ美しい物語 苦しい物語 でもとても深くて澄み切った物語 前作「線は、僕を描く」 さすがは水墨画家の作品だなあと 送ってくれた友人に感謝 師匠の湖山が果てしなく魅力的 私如きにはつかみきれないけれど 本の水墨画も著者の作 黒を通して白を描く 霜介は亡くなった母と向き合い 子どもたちの笑顔に押されて進む道を決める でも、水墨画と同化した日々は糧になるのだろう 私も次に水墨画を目にするときはもっとじっくり味わおう ≪ 筆に乞う 余白の白に 無限込め ≫
38投稿日: 2024.01.05
powered by ブクログ絵を描くことの難しさだけでなく、水墨画家のグループを運営していくことの大変さが描かれているのがさすが本物の水墨画家兼小説家と思いました。水帆ちゃんが水墨画と青山君に出逢えたことをご両親は本当にありがたく思っているんじゃないかなと思いました。もちろん、本人もだけど。完成した水墨画が見たくてしょうがないです(笑)
11投稿日: 2024.01.03
powered by ブクログ#読書記録 2023.12 #一線の湖 #砥上裕將 翠山賞を取って2年。自分の将来、自分の水墨画を見失った霜介が、次の一歩を踏み出すまでの物語。 母の足跡がきっかけとなる前半のラストでは涙腺が決壊した。後半は展開される水墨画の世界観が圧巻。読み手の頭の中に湖や山、花々や翡翠を現出させる。水墨画家でもある作者の真骨頂と言えるだろう。2023年読書納めに相応しい一冊。 #読書好きな人と繋がりたい #読了
3投稿日: 2023.12.31
powered by ブクログAmazonの紹介より 主人公・青山霜介が、ライバル・千瑛と湖山賞を競い合った展覧会から2年が経った。大学3年生になった霜介は水墨画家として成長を遂げる一方、進路に悩んでいた。 卒業後、水墨の世界で生きるのか、それとも別の生き方を見つけるのか。優柔不断な霜介とは対照的に、千瑛は「水墨画界の若き至宝」として活躍を続けていた。 千瑛を横目に、次の一歩が踏み出せず、新たな表現も見つけられない現状に焦りを募らせていく霜介。 そんな折、体調不良の兄弟子・西濱湖峰に代わり、霜介が小学一年生を相手に水墨画を教えることになる。 子供たちとの出会いを通じて、向き合う自分の過去と未来。 そして、師匠・篠田湖山が霜介に託した「あるもの」とはーー。墨一色に無限の色彩を映し出す水墨画を通して、霜介の葛藤と成長を描く、感動必至の青春小説! 『線は、僕を描く』の続編ということで、今回は主に霜介の心の葛藤が描かれています。ちなみに登場人物同士の関係性を周知済みでのスタートなので、シリーズ初参加の方は、前作から読むことをお勧めします。 人生において、誰しも失敗や挫折は経験するかと思います。しかし、人それぞれ、立ち直る方法はバラバラです。霜介の場合は、どうするか? これで立ち直った!と思いきや、新たなる試練の繰り返しでしたので、読者としては、それを見守るしかできないことにヤキモキしながら、読んでいました。 また、心の葛藤の描写が繊細な印象がありました。水墨画をメインにした物語ということで、筆をなぞるように、心理描写も丁寧に寄り添いながら、時間経過毎に滑らかに描いている印象でした。 と同時に心の成長が垣間見れて、こちらとしては応援したくなりました。本当に霜介って、みんなに愛されているんだなと思いました。 挫折によって窪んでしまった心の穴。それをどう埋めていくのか?客観的に見ると、自分の思う理想像と周囲からの印象は、もしかしたら違うかなと思いました。 自分では、高い壁かもしれないけれども、視野を広げると、案外低いのかもしれません。 しかし、なかなか自分だけでは答えが見つかりません。新たな行動や周囲の影響など視野を広げることで、答えへと導けるのかもしれません。 そういった応用は、現実でも同様で、人生においてのヒントになるのかなとも思いました。 この作品で、初めて知った言葉が、揮毫会(キゴウカイ)です。毛筆で何か言葉や文章を書く催しということで、そういった催しをテレビを通して見たことはあるのですが、実際に見たことがないので、見てみたいなと思いました。
7投稿日: 2023.12.29
powered by ブクログすごい作品を目にした。文字で書かれているのに、作品が描かれていく。最初に出てくる湖山先生の指墨から、最後に描かれる作品まで、美しい世界が広がる。 物語としては、終始不穏な雰囲気があって、まさにスランプ真っ只中だ。読みながら不安が募って、ページがとまらなくなる。 一方で、生命力のかたまりのような子どもたちの姿が眩しい。エネルギーに満ちあふれていて、失敗もなんのその。彼らのような世界の捉え方は、私たちにはできないなと思った。 前作は「線」が大きなテーマだったが、今回は「白」がテーマだったように思う。白黒の世界、余白、白い老人……。淡い黒で「白」を描く水墨画にとって、「白」の意味は大きくて深いものだと感じた。 この作品を読むと、水墨画の作品をきちんと見たくなる。あわよくば揮毫会に行きたい。そしてそこに広がる世界に触れてみたいと思う。 シリーズ化はされないのかなぁ。いつまでも浸っていたい作品だった。 追記:1作目の映画を観ました!湖栖さんは出てこなかったけど、原作を大事にしてまとめられているし、水墨画を実際に見られるのでおすすめです。最初の湖山先生の水墨画に涙が出ました。素晴らしかったです。
37投稿日: 2023.12.23
powered by ブクログ「線は、僕を描く」の続きの作品。線は、僕を描くが今まで読んだ本の中で一番好きだったので本屋で砥上裕將さんの名前を見つけた時は本当に嬉しかったです。砥上さんが前作の作品を描く時に、「一線の湖」まで思い描いていたのではないかと思われるくらい自然な繋がりで、読み終えた時また読み直したいと思わせてくれる内容でした。本当に素敵な作品で、いつまでも本の世界に浸っていたいです。
5投稿日: 2023.12.20
powered by ブクログ「線は、僕を描く」のシリーズ2作目である本作。本作も前作同様に、水墨画や風景のキレイな描写に魅了されるとともに、大学生である主人公の成長が見られ、とても素敵な作品であったのと思います。 本作は前シリーズの展覧会から2年後が舞台となっております。展覧会での受賞から2年が経ち、水墨画家として大成したわけではなく平凡な日常を送る主人公。大学3年生となり、自身の進路に悩むなか、揮毫会に参加したり、水墨画教室を開いたりと水墨画家としても大きな転機が訪れるというストーリー。 前作のシリーズが入門編であるとするなら、今作はその後の応用編といったところでしょうか。何を行うにしても、途中で上手くいかなくなったり、伸び悩んだりといったことがあると思いますが、主人公もまさしくそんな状況に陥ります。 こうした状況ってすごく辛いよなぁってしみじみ思いますよね。私も会社に入社して1年経った時に伸び悩んだ経験があって、そうした辛さを経験したからこそ、師の言葉を無視しちゃう主人公にとても共感でき、主人公の苦しみがすごく伝わってきました。 本作を通して、人からのアドバイスが自分の求めたものと違った時ってすごく悩むよなぁってしみじみ思いました。一見遠回りに見えても近道だったりすることもあるし、解決方法も人に合わせて色々あるだけに何が正解か分からないような感じはするのですが、人に教えを求めるのは悪いことではないということだけは言えますかね…
69投稿日: 2023.12.19
powered by ブクログ『線は、僕を描く』の続編。 大学4回生になった主人公青山くんを描いた作品です。 もちろん、裏主人公は青山くんの師匠湖山先生(だと思います)。 今作も湖山先生を通じてたくさんの気付きを得るために楽しみに読みました。 さて、そんな本作品、読む前は前作の続編なので青山くんには絵師として紆余曲折しながらも約束された未来があるものだと思っていたので、青山くん無双を楽しみにしていたというのも本音です。 でも、敢えてネタバレすれば、そんな話ではございません。 むしろそんな俗世間みたいな野暮なことを期待した私がアホでございました。 そんな生易しくて最後もただのハッピーエンドなんていうのは本作品が描いた線ではなかったはずなのにということを思い知らされました。 本作品はまさに『線は、僕を描く』の続編にふさわしい作品であったなということをまずはお伝えしたいと思います。 本作品で描かれているということは「休むこと」の大切さではないかと思います。 私もそうなのですが、仕事にしろ何にせよ、休むことが苦手。 好きなことはずっとやっていたいし、頑張ってやりこなしたいという思いは強かったりします。 でも、はじめはそれで良いかもしれません。 できない時は繰り返しできるようになるまで没頭してやること、これが大事な時期があることは疑いないとは思います。 ただ、やればやるほど完璧を求めすぎて、ちょっと失敗して駄目だなと思うと、もう自分は全く駄目で能力がないと思いがちです。 また、好きなことでもやり続けていくといつか壁にぶち当たるし、やり続けていても面白くないと思うことが多くなるものじゃないでしょうか。 そんな時はきっと走り続けてしまっていた証拠。 本当はやっていることから離れてみること。 こういうことこそ本当は大事なことなんだということを改めて思いました。 確かに私も将棋の香車みたいに一直線にしか進めないことが多いのですが、やってることから離れてみたり、違うことをやってみると見えてくるものがあったりします。 寝かせて良くなるということもあるし、無駄な回り道に見えてその無駄な回り道が後で役に立つこともある。 無駄なことなんて実はないということなんだなと思いました。 確かに、文字を書く時もずっと書き続けるわけじゃなくて、はらいもあれば止めもあるし、字は詰まっているよりも間がある方が綺麗に見えます。 私の好きな将棋も攻めている時も攻め続けるだけじゃなくて、一手休んで相手に手を渡したほうが良いということがあるので、休むことすなわち間を取るということも大事ということなんだろうなと思います。 そして、完璧なものよりも少し欠けてたり、見映えが悪いものの方が味があったりと寄り添いやすいということを教えてくれました。 真っ白の世界は何もなくて、それだけだと汚れることはなくても決して輝くことはない。墨を足して黒をいれることで白の余白は輝くという水墨画の話を通じて、白いまま置いておくというのではなく、どんどん汚していけば良い(どんどん失敗して良い)んだなと思いました。 最後は息をするのも忘れて読んでしまってのもそこまでにたどり着く過程があったからこそだと思います。 そして、私も私なりの自然を生きていきたい。 それは常に手探りかもしれないですが。
14投稿日: 2023.12.16
powered by ブクログ『線は、僕を描く』の続編と聞いて、楽しみに読んだ。 水墨画を描く過程や、山の中で青山くんが感じる自然の美しさは、文章だけでも感動させられるが、実際の水墨画を見てみたいと思った。 先代から自分の代に受け渡されるもの、次の世代である子どもたちから伝わってくるもの。世代を超えて、線は続いていくという本書の大きなテーマと、ラストの湖山先生の言葉に胸が熱くなる。 挫折と鬱屈と気づきと希望、人生の妙をぎゅっと凝縮したような、分厚くて濃い、読み応えのある一冊だった。
6投稿日: 2023.12.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『線は、僕を描く』の続編。 親が事故で亡くなった。パーフェクトに立ち直ることができたわけじゃない。簡単に未来に向き合えるわけじゃない。大切な人を失って打ち込めるものを見つけてそれから、の物語。 ビギナーズラック(だったのかもしれない)って怖いな、と思わされつつ頑張っている霜介を見守る気持ちで読みました。 読み終わってみて水墨画を観に行きたくなりましたし、霜介のさらにこれからも読みたくなりました。 #一線の湖 #NetGalleyJP
3投稿日: 2023.11.29
powered by ブクログ砥上さんの3作目で、デビュー作の『線は、僕を描く』の続篇である。『線は──』は漫画化・映画化もされ、ブクログでの登録数は1万を超えるほどの人気作だ。その続篇を書くのは、まだキャリアの浅い作家には相当なプレッシャーがかかったのではないかと危惧したが、そんな心配を一蹴する会心の作品だった。 前作の2年後からスタートする物語は、最初から波乱含みだ。霜介は水墨画家として湖山門下に入ったものの鳴かず飛ばずで、大学卒業後の進路も決められずにいる。兄弟子たちは足並みが揃わず、社中展での揮毫会で霜介は大きな失敗をしてしまう……。 どうしてこんなにと思うほど霜介は疲れ切っている。彼の生真面目さがその主な理由だが、この後に起きる様々な出来事が彼を少しずつ成長させていく。未だ墓参りにも行けていなかった両親への思慕にも折り合いをつける。この喪失からの再生が前作以上に強く胸を打つ。 そして水墨画の描写が素晴らしい。ただ技法や表現を描写するのではなく、その奥になにが込められているのかにまで踏み込んで書かれている。作家の精神性をここまで赤裸々に描いた作品には出会ったことがない(多分)。ご自身が水墨画家でもあることの利点を最大限活かしきったゆえだろう。なおかつ、3作目とは思えないほど文章がうまい。1作目でもその力量に唸ったが、長足の進歩を遂げていると思った。 前作を読んだ方はもちろん、未読の方にもぜひ読んでいただきたい傑作である。 ※刊行日2023/12/11、NetGalleyにて読了。
15投稿日: 2023.11.23
