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コンビニたそがれ堂
コンビニたそがれ堂
村山早紀/ポプラ社
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総合評価

258件)
3.8
60
80
81
7
0
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     「コンビニたそがれ堂」の第1弾。  第2弾を先に読んでしまったが、この第1弾で改めて温かい気持ちになれた。  叶わなかった願いやさよならを言えずに別れてしまったことも、決してなかったことではなく、確かにあったこと。  確かにあったものはいつも心の中で輝いている。  人だけでなく、猫やテレビも。  少し切ないテーマではあったが、出会った全ての人や物が愛しく感じられる作品だった。

    0
    投稿日: 2025.10.26
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    商店街の路地の奥、必要な人の前にだけひっそりと現われる何でも揃うコンビニたそがれ堂。私だったら棚には何が並んでいるんだろう。たそがれ堂もあって、不思議な桜の木もあって‥あったかい街だなぁ。こんなところに暮らしてみたい。元々は児童書なので絵本のようにほっこり、すらすら読めました。他の作品も気になっちゃう。

    0
    投稿日: 2025.10.26
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    夕暮れ時に現れる不思議なコンビニたそがれ堂。大事な探し物がある人は、必ずここで見つけられるという。 風早という街が舞台の5つの短編集。 優しくて暖かく、少し切ない物語に鼻を啜りながら読んでいたら、膝の上の猫に不思議そうに顔を覗かれてしまった。

    1
    投稿日: 2025.08.29
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    大事な探し物がある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。 そこに迷い込む?訪れる?様々な人や動物たちは、切実に何かを求めてやってくる。 その、別れと出逢いの物語は、どれも切なくて、でも温かい。 児童書を加筆したというだけあり、内容はそこまで複雑ではないが、その純粋無垢な物語が逆に大人の琴線に触れるような気がする。 村山さんの本は初めてだと思うが、この方の書いた本は出版社をまたにかける隠れシリーズものらしいので、『風早街サーガ』を楽しんでみたくなった(笑)

    0
    投稿日: 2025.08.25
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    村山早紀さんの著書の中でも特に好きな『コンビニたそがれ堂シリーズ』の1巻目。 探し物がある人は、ほしいものと必ず出会える摩訶不思議なコンビニ。 お話に出てくるおでんやお稲荷さんがなんとおいしそうなこと…。 各話もやさしくて本当にあったかい…。 冒頭の書き出しがとても心くすぐられる文章なので、書店でであったらぜひお手にとってみてください…!

    8
    投稿日: 2025.08.10
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    いつでも行けるわけじゃない、本当に探すものがある時にだけ辿り着ける、不思議なコンビニ。 あやかし的な雰囲気もありつつそこはかとなくほっこりする。 なんでもある灯りのある場所のというのが現代のコンビニの立ち位置といい感じにマッチする。

    1
    投稿日: 2025.07.11
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    夕暮れになるとあらわれる不思議なコンビニたそがれ堂。大事なさがしものがある人は必ずここでみつけられるという。コンビニたそがれ堂は途切れたままのさよならの行く先を優しい物語にして見せてくれるそんなお話でした。

    8
    投稿日: 2025.06.12
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    心がほぐされていくような暖かくなるお話でした。 別れの先にある、ああ、あの時ああいうことがあってよかったなという気持ち。人生の全てを大切にしたいと思う本でした。

    0
    投稿日: 2025.06.02
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    『桜風堂ものがたり』が面白かったので 『桜風堂ものがたり』の執筆のきっかけとなった本書の4作目『空の童話』が気になり、どうせ読むなら最初から読んでみようと思いました。 本書の元本は児童書で文庫版に伴い 大人用に加筆修正を行ったものです。 なのでサクサクと読みすすめられた。  舞台は『桜風堂ものがたり』にも出てきた 風早の街。 風早の街や登場人物は村山早紀さんの他の作品にも出てくるようなので読む楽しみのひとつです。 本書は慌ただしい日常のなかで忘れていたり、気付かなかったりした感謝の気持ちと、どんな人でも物でも誰かの支えになっていたり、支えてくれているということを気付かせてくれるあたたかくて優しいファンタジー物語。 そんな気持ちを気付かせてくれるのが 「コンビニたそがれ堂」 大事な探しものがある人は必ずここで 見つけられるという不思議な魔法のコンビニ。 私は1話目の「コンビニたそがれ堂」と 3話目の「桜の声」が好きです。  一話目の「コンビニたそがれ堂」は小学生の頃こんなことあったよなぁ、だけど何であんな態度とってしまったんだろう?と後悔した気持ちを思い出します。 でも、少しの勇気と優しさが自分の人生の線路の行き先を変えられるんだよと、そっと肩をたたいて教えてくれる優しいメッセージ。  3話目の「桜の声」 この話が一番良かった。ラジオ局のアナウンサー桜子と不思議な桜の話。 「あぁ、何か疲れちゃったなぁ」 「自分のやっていることって意味があるのかなぁ」って 誰でも思うことがありますよね。 そんな時に読みたくなる話。 自分や誰かの言動が誰かの救いになってたり、救われているんだとさりげなく励ましてくれ、 きっと明日はなにか良いことがあるから頑張ろうと力を貰えるような話。 ちょうど今自分が5月病のような気持ちだったのでしっくりきました。 もし、コンビニたそがれ堂に出会えたら 何を買おうか迷ってしまう。 生きていると失くしたものってたくさんあるからね! とりあえず、おでんとおいなりさんを食べながら考えようと思う。

    21
    投稿日: 2025.06.01
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    心の奥がじんわーりするお話。大事な探し物って言ってピンとこない私にはこのコンビニには辿り着けないんだろうな。

    0
    投稿日: 2025.05.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    風の港を読んで興味を持った作家さん。図書館で「コンビニたそがれ堂」に行き着く。児童書なのかな?商店街を抜けたところに赤い鳥居、そこに夕暮れ時になると現れる不思議なコンビニ「たそがれ堂」。そこは大事な探し物が必ず見つかる。主人公は悩みを持ちながら赤い鳥居を摂りすぎ、えっ?こんなところにコンビニ?でも入ってみる。とある後悔をした小学生、心の不調を持つ母親に悩む小学生、戦時中の子どもと出会ったラジオパーソナリティ、壊れかけのテレビ(なんとテレビが主人公)。戦争ものは悲しくなるね。不思議な話しばかりでした。④

    42
    投稿日: 2025.04.16
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    児童書として発売された同作を、加筆修正し新装版として文庫化した作品。 大事な探し物が見つかるという不思議なコンビニたそがれ堂。そこで人々が見つけるものは?心温まる5つの物語。 …ということなんですが、…なんだかなぁ。 元児童書でもあるので、とっても読みやすいのですが、私には全くハマらなかったです。 探し物が見つかる…はわかるけど、見つかったあと、時空が歪むのはアリなのでしょうか。もはやそれは解決ではなく改変に思えて余り納得がいかず、読んでいてもモヤモヤするばかりでした。 コンビニ…というのも、あまりしっくり来なくて…。 登場人物的には、もう少し古い感じの雑貨屋とかの設定の方が合いそうだなーと。でも、それだと現代人はふらっと寄ってみてくれない気もするし、どこかの話と被りそうでもあるし…、難しいですね。なんとなく読みながら違和感みたいなものを、ずっと感じてしました。 ただコンビニの店頭で、おでんとお稲荷さんが売ってる設定には、心惹かれました。 あと、どうしても納得出来なかったのが、お金を払うシーン。自分の家のものを買いなおさせる上に「5円」を払う。「ご縁」と掛けてるんだろうけど、子どもから徴収する5円にモヤモヤ、モヤモヤ。そこはタダであげなよ、と声を大にして言いたいのですが、著者の細かい設定も見えるので、何ともいえず。やっぱりモヤモヤ、モヤモヤ。 全体的に、私との相性は最悪でした。 残念ながら続巻には手を出さずに読了します。 最後に…。 個人的には、愛犬にどんなに感謝されていたとしても(うちの子も保護犬なので)、亡くなるその時まで、犬の姿のままそばにいて欲しいかな。

    49
    投稿日: 2025.04.09
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    https://paz-library.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=00058724

    0
    投稿日: 2025.01.29
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    小学4年生ごろに読んだことがあり、最近図書館で探していた本の隣にあったので、もういちど読みました。 軽やかな敬体の、どこか童話のような文章でした。 読む人それぞれが抱える傷を、やさしく包んでくれます。自分がまだずっと小さかったころに感じていた、切なさか、あきらめか、言語化できない感情を思い出しました。大事にしたいものを探すために、コンビニたそがれ堂にやってくる登場人物に自分を重ねて、読むうちに涙が出てきました。 ぎゅっと心を動かす、とてもとてもやさしいお話です。 手をつないで は四年生の時に、初めて本で泣いた、特にお気に入りの物語です。

    4
    投稿日: 2024.10.15
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    もともと児童書だった作品を大人向けに改編された本。 言葉は分かりやすく優しい。 何でも売ってる不思議なコンビニに導かれて、そこで大事な探し物を見つけて、色んなことが昇華されていく物語。 『あんず』の話は泣く… :(˘•̥ㅁ•̥˘ ):

    23
    投稿日: 2024.07.24
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    ホッとしたい時に読みたいシリーズ。しんしんと胸に積もる言の葉があったかくてあぁあコンビニ「たそがれ堂」に行きたい!と焦がれる。大切な探し物がある人だけが辿り着けるその場所にもし辿り着いたら、自分ならどうだろう、と想像するのも楽しい。

    0
    投稿日: 2024.06.24
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    大事な探し物がある人は必ず見つけられるコンビニ。 コンビニだけど、いつでも誰でも行けるわけではなくて。 生きていると後悔することは少なくなくて、それをなかったことにはできないけれど、悔やむ気持ちを少し救ってくれるような、そんなあたたかい物語でした。 不思議というのか、奇跡というのか。 そんなコンビニがあるのなら、私も行ってみたいなと思いました。

    5
    投稿日: 2024.06.16
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    商店街の外れにあるコンビニ「たそがれ堂」。そこは大切な探し物がある人だけがたどり着ける店。 大事な何かを見つけにそこにやってくる人達の物語。 別れた友達から渡されたメモ帳を手に入れた少年、母に捨てられたリカちゃん人形を探す少女 、家族と別れる寂しさを抱えた子猫など様々な事情を抱えた人達がたそがれ堂にやってくる。 ちょっと不思議なお店の、ほんわかとした心温まる物語。

    0
    投稿日: 2024.06.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2006年刊の児童書の加筆文庫化で、5短編 ふだんはお稲荷さんのお堂がある場所に出現する、欲しいものが必ずあるコンビニが生む奇跡の物語。 出色は猫好きの村山さんらしい「あんず」。 子猫のあんずは1年前に母親が病死したとき、少年に拾われて家族に加わったが、自分の死期を悟り、コンビニで人間の姿になれるが正体を明かすと死んでしまうというキャンディを買い、1日だけ従姉妹だと誤解されて家族とすごし、感謝と星空で待っていることを伝えて消えてしまう。 少年はその後コンビニであんずの首輪を見つけるという切ない話で、泣かされる。 ほかに、気になる女の子が転校するときにくれようとしたメメ帳を見つける表題作。母親にリカちゃん人形を捨てられた女の子が、母親が祖母に捨てられた人形を見つける(毒親は連鎖する!)「手をつないで」。アナウンサーの声が時空を超えて未来や、空襲で焼けた町の人々を勇気づける「桜の声」。生まれたときから一緒だったテレビが壊れてお別れを惜しむ1年生の女の子が、意識をもつテレビの魂が変わった光の粒をもらう「あるテレビの物語」。

    0
    投稿日: 2024.05.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    リカちゃん人形の話があって、内容が楽しいイメージだったけど、意外に切なくて面白かった! 猫が人間になる話があって、好きな親戚の男の子に自分が猫だということを言ってはいけない(言うと死んじゃう)のに、キスをして言ってしまった!

    0
    投稿日: 2024.04.18
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    最近自分は疲れているのかもしれない。表紙だけ見て中身を知らずに買った本が、優しいお話である率がとても高い。 読み切り短編集で、どれも心がほんわか温かくなったり、しんみりキュンとしたり、ほっこり笑えたり、いい話ばかりで読みやすかった。

    9
    投稿日: 2024.03.21
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    図書館で借りた本。ブクログに掲載されている表紙と、手元にある本の表紙が違う…。調べたら、私はどうやら児童書の方を読んでいたようだ。小学生に是非読んでもらいたい作品。人と人の繋がりも大切だけど、物や動物にも魂があり、ありがたみを感じる事も大切。幼少期に出会いたかった。

    29
    投稿日: 2024.01.29
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    村山早紀さんの作品は、いつも心に響く想いを感じます。 心の底から欲しいと強く願った人ほど、コンビニ「たそがれ堂」は姿を表す。迷い込んだ人々は「たそがれ堂」で得たモノで、それぞれの物語に想いを乗せる。時には出会い、時には別れが綴られる物語であっても最後はいつも希望が残る。おでんとお稲荷さんの美味しそうな香りを今日も漂わせながら、お客さんを温かく迎える優しいコンビニ「たそがれ堂」。 児童書を元に文庫化した本作は読みやすく、『桜風堂ものがたり』シリーズと同じく風早の街で起きる物語(として『風早の街シリーズ』と言う括りもあるのですね。)のため、人を選ばずに心を癒やしてくれる力がありました。短編集でしたが「あんず」はウルッときて好きになりました。

    65
    投稿日: 2024.01.04
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    切ない。ただそれに尽きる。解説の「大人の方が泣いちゃうかもしれない」のとおり、じ〜んと染み込んできた。桜の魔法、私は信じたい。

    1
    投稿日: 2023.12.24
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    心が温まりました。特に拾われた子猫が先天性の重い病気でもう長くないと自分でわかった時 人間に姿を変えて家族特にお兄ちゃんにお別れを言うお話。子猫はお兄ちゃんに救われた、でもお兄ちゃんも子猫に救われていた。会えなくなっても見えなくなってもきっとみんなどこかでつながっている…涙がホロっとでました

    1
    投稿日: 2023.12.18
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     前から気になっていた一冊。元気がない時、疲れた時にお勧め。  たそがれ堂に訪れる人々のお話が5つ。短編なので、一つの物語があっという間に読める。優しすぎる文体にほっとでき、癒された。  たそがれ堂の場所、店外&店内の雰囲気、店員さんがもつ柔らかい雰囲気、大好きになった。シリーズになっているので、ぼちぼち読み進めて心を浄化させてもらおう。そう思うと、楽しみが増えて嬉しくなった。  「手をつないで」のお話が一番好き。女の子と母親の物語。パパさんが女の子にママの境遇を話してあげている場面にほろりとした。たそがれ堂も手を貸してくれた。色々あったけれど、親子の絆が深くなって安心し、泣けた。

    14
    投稿日: 2023.12.12
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    心が軽くなる温かい読後感。元児童書(に加筆した)だけあって、難しい言い回しや表現が少なくて読みやすいです。それでいてスッと入ってくる優しい言葉の数々。大好きです。

    2
    投稿日: 2023.11.27
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    二度目ましての作家さん ・コンビニたそがれ堂・手をつないで・桜の声 ・あんず・あるテレビの物語 5編を収録 風早の街。大事な探し物がある人には不思議な風が吹く 気付くと紛れ込んでいる商店街の外れの古い路地 赤い鳥居に稲穂のマークの不思議なコンビニ その名もコンビニたそがれ堂 じんわりと温かくて優しくて、切ない不思議たちが 蓋をしていた昔の思いをノックする 続きを読みます♪

    3
    投稿日: 2023.11.26
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    「コンビニ」というキーワードで小説を探していて、手に取った本です。 何でも手に入る、というコンビニエンスストアの特徴を強調して、「お客さんが心から望むものが手に入る」店であるコンビニ「たそがれ堂」を舞台とした短編集です。 確かに「便利」「品ぞろえが多岐にわたる」という部分はコンビニと似ているとは思いますが、あえて「コンビニ」という店構えに拘らなくてもよかったような気もします。ファンタジー作品として、ハートフルな作品集だとは思いますが、全体的に文章表現も含めて「幼い」印象があります。

    1
    投稿日: 2023.11.25
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    子供のときに読んだ。この本のタイトルを思い出すと、寒い日におでんの湯気でいっぱいのコンビニにいるような心温まる感覚になる。児童書のほうのイラストも込みでとても好きだった。懐かしいな。

    1
    投稿日: 2023.11.04
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     10巻もシリーズ化されている『コンビニたそがれ堂』です。読めばきっとあなたも、おでんとお稲荷さんが食べたくなります。(って、そっちかい!)  おそらく人気の秘密は、敬体でやさしい文体、分かりやすい表現と展開など、まるで童話か児童書を読んでいる感覚です。  と思ったら、元は児童書だったんですね。文庫化の際、大人向けに加筆修正されたものだそう。  基本的に一話完結の短編集で、5話あります。たそがれ堂は、大切なものを探している時だけ、その人の前に現れるという不思議なコンビニでした。  夕暮れ時、赤い鳥居、稲穂の紋に赤い看板、銀色の髪と金色の目をした店員ときたら‥もうこれ、赤いきつねですね。きつねの神様ですよ。 (あ、因みに緑のたぬきは出てきません、ハイ。)  どの話も温かさと切なさで、グッときます。村山早紀さん、日常の隣にある不思議な世界を描くのがお上手です。叶わなかったこととか、誰かに伝えそびれた言葉とか、そういう願いや想いがもし届くとしたら‥と、それが夢物語だとしても琴線に触れるのでしょうね。大人ほど響くんだと思います。 私の前にもたそがれ堂が現れないかなぁ。 いい意味で、狐につままれてみたいなぁ。 幸せのお裾分けやおこぼれが欲しいなぁ。 (お前にゃコンコン(来ん来ん)。きつねだけに‥。) ですよねー。

    61
    投稿日: 2023.10.24
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    最近読んでいる本が自己啓発系やビジネス系ばかりになっていたので、久しぶりにほっこりしたいなーと思い、SNSで紹介されていたのを思い出して手に取りました。 著者の本は初めて読んだのですが、目的を十分満たす、心休まる時間を過ごせました。著者は児童文学賞を受賞していることからも、とても読みやすく、普段、頭を使って読むことが多くなり、どことなく本を読むことが疲れる感じになっていましたが、これからもこういった本が読みたい、読書ってやっぱりいいなーと思い出せた、いい時間でした。

    9
    投稿日: 2023.09.17
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    次回の読書会課題図書。 地の文がですます文調で始まる三人称目線で、それだけで児童文学っぽいなと思っていたけど、どうやら児童文学を大人向けに仕様を少し変更したのがこの作品らしい。 読みやすくてハートフルな本だとは聞いていたが、本当にその通りで、 不思議なコンビニ「たそがれ堂」をハブにした連作短編のどれもがスルスル読めてじんわりほっこりするお話だった。 全体を通して、変化や別れに対峙する時にじわじわと沁み入る切なさややるせなさという感情に焦点が当たっていて、大人が読んでもホロリとくる。 特に「あんず」は何気にネコ好きなのもあってストレートに泣けました。 さて、そんな切なさ、やるせなさを乗り越える具体的な方法として、コンビニ「たそがれ堂」の存在はまさに児童文学的で、ファンタジー要素がとても強い。リアルに揉まれた大人にとっては、なんかちょっと甘すぎんなーと思いがちなんだけど物語を追うにつれ、なんだかやるせなくてつらい時、自分の中に自分とは違うある対象から見えているかもしれない世界を想像するということは意外と効果的な気もした。いや、まあより切なくなっちゃったりもするんだけど。 どんな状況下においても想像力は自由。 ちょっとだけ夜と霧を思い出した。

    1
    投稿日: 2023.06.05
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    友人からおすすめしてもらって読みました。短編小説で読みやすく、どれもじんわり心温まる物語です。特に、時空を超えて音楽が流れる「桜の声」のお話が好きです。

    1
    投稿日: 2023.03.29
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    コンビニたそがれ堂がある風早、住みたくなる街ですね。何かをどうしても見つけたいという願いを、人だけでなく人形、猫、テレビが抱くものも叶えてもらえてよかったなぁ。

    1
    投稿日: 2023.03.23
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    色々な本を読んでいると時々、優しい内容の本を読みたくなる。探し物を見つけられる不思議なコンビニ、たそがれ堂。立ち寄る人は吸い寄せられように扉をくぐる。そしてどんなカタチでも救われるのだ。叶わない願いでも。

    0
    投稿日: 2023.03.12
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    あとがきを読んで、元は児童書だった事を知った。 子供の頃に、出会っていたら夢中で読んだのかもしれない。 ファンタジーで癒される短編集。

    18
    投稿日: 2023.03.11
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    短いのであっという間に読み終わっちゃうけど、どの話もあたたかくて泣けた。 自分に優しくしてくれる人を、私も思いやりたいし大切にしたいし、同じように優しく接したい。 そういうごく当たり前だけど何より大切な気持ちに、改めて光を灯してくれました。

    1
    投稿日: 2023.02.03
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    夕暮れ時,探し物が見つかる不思議なコンビニたそがれ堂が開く。日々の問題を受止め切なさに寄り添う話。 「あんず」だけ人間でなく病気の白猫が主人公。人間になるキャンデーを買う。”星の海で待ってる”が切ない。

    10
    投稿日: 2023.01.14
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    とてもいい本…面白い本でした。特に最後の編 エンディングでは涙が出ました。 とても穏やかな気持ちになる…そんな本でした。

    1
    投稿日: 2022.10.19
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    「あんず」の話が1番好きだった。文章は児童向けならではの文章の書き方が多かったけど、内容はシリアスなものや、考えさせられるようなものもあった。オムニバスなのでサクサクと読みやすい。

    1
    投稿日: 2022.07.31
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    元々児童書なのもあり、とても綺麗な言葉が多く心を打たれる言葉が多かった 手をつないで を読んだ時は、涙を堪えるのに必死でした 桜子さんの声の話も素敵だった 是非子供にも読んでもらいたい 全部が心温まる話です たくさんの人にお勧めしたい本です!

    9
    投稿日: 2022.06.28
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    ちょっと物足りないなと思ったら児童書だったと納得。 それでもほっこりするいい話が多かった。 個人的に【あんず】が好き。 現実にもこんな素敵なコンビニあったらいいのにな〜

    17
    投稿日: 2022.04.09
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    どのお話も素敵でした! 素敵な描写が詰まっていて心を癒してくれるので、このシリーズ好きになりました!

    1
    投稿日: 2022.03.08
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    ほっこりやさしい気持ちになれるファンタジー。 短編でさくっと読めます。 複雑な話もないのでわかりやすい。 読み終わったあとで、児童書だったと知って納得。 ちょっと切なくて温かくてよいお話。 心が疲れたときに読みたい本です。

    5
    投稿日: 2022.02.23
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    普通のよくあるいい話だと思いました。感動ということはなかったけれど、90分でサラッと読めるので、続きも読もうと思いました。

    4
    投稿日: 2022.01.07
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    元は児童書であったファンタジー小説 どれもとても温かい 私は2作目の「手をつないで」が一番好きです

    0
    投稿日: 2021.11.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「消えてしまうわけじゃない。誰の魂も、どんな想いもね」 ――あんず より 童話のような語り口で紡がれる風早の街にある不思議なコンビニを訪うお客さんの物語。 心の汚れた大人になった私には清らか過ぎて邪念が祓われそうだった。 重病の猫あんずの話にぐっときた。

    3
    投稿日: 2021.09.18
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    読みながら、何となく子供に人気の本のようなストーリーだなと思いながらよんでいたら、やっぱり元々児童書だったようでした。 とてもファンタジーでほっこりしました。

    0
    投稿日: 2021.08.27
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    200頁足らずの薄~い本であっと言う間に読了。 元々は児童書だったそうで、そう聞くとああそうかと思う。 そのコンビニ「たそがれ堂」には、この世で売っている全てのものが並んでいて、この世に売っていない筈のものまでが何でも揃っている。 大事なものを探していて、それを心の底から欲しいと思っている人だけがこの店に辿り着き、探していたものを必ずここで見つけられるという。 最初の2話はそうした設定に沿ったお話で、不思議な雰囲気が良いけれど、お子様向けという感じ。 3話目は時空を超えて桜の木から音楽と語りが聞こえてくるというファンタジックなお話でなかなか良かったのだが、アナウンサーの彼女が買ったのはお稲荷さんとおでんと桜の花のストラップであまり設定とは関係なさそうな。 あとの2つの話は変化球で来た。猫の話はちょっと切ない。テレビの話はひねり過ぎかなぁ。

    4
    投稿日: 2021.08.12
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    若い頃はまだ住まいの近くにコンビニがなくて、独身寮に住んでいた私は夜お腹が空いても買いに行く場所がなく、年末年始やお盆の時期も事前に必要なものを買いだめしておかないといけなかった。年末年始に開いていたのはお寿司屋さんぐらいだっただろうか。幕張がまだ単なる埋立地だった昭和50年代後半の首都圏は、どこもそんな感じだった。 実家のある九州の片田舎になるとなるとさらに夜間空いているお店などなくて、午後7時を過ぎると飲み屋以外は空いていないというのが当たり前の風景だった。24時間営業のコンビニがあれよあれよという間にあちこちに出来て、日常生活がぐっと便利になった。ここ2年ほどはジョギングを趣味にしているが、場所によっては1キロの間に数店のコンビニが営業しているところもあって、夏場のジョギングでは給水所代わりに立ち寄って飲料水を買うなど便利に利用している。 コンビニは24時間空いている便利なお店だが、用事がなくてもちょっと立ち寄ってみたくなる場所でもある。何か面白い雑誌はないだろうかとか、スイーツの新商品は出ていないかななどとふらっと立ち寄る人も少なくないのではないだろうか。考えてみれば独特の雰囲気を持ったお店なんだなと思う。 村山早紀さんが書かれた「コンビニたそがれ堂」は、駅前商店街のはずれにある不思議なコンビニが舞台となった短編集だ。コンビニというどこの街にもある場所ながら、そこが不思議な空間となって不思議な話が展開する。 「早風という街の駅前商店街のはずれに赤い鳥居が並んでいる場所があり、夕暮れ時に行くと不思議なコンビニ「たそがれ堂」を見つけることがあるという。お店に入るとレジの中に店員さんがいるが、長い銀色の髪に金の瞳という不思議な雰囲気のお兄さんだ。たそがれ堂に行くと探しているものが必ず見つかると言われているが、いつでも行けるという場所でもない。そんな不思議なコンビニに出会った人や人ではないものが、自分が探していた大切なものに出会い心温まる物語が育まれていく。」 この物語の舞台となっている風早の街は、以前ご紹介した「百貨の魔法」の星野百貨店がある街だ。「百貨の魔法」は魔法と奇跡を感じられる素敵な物語で、心温まる素敵な物語だった。村山早紀さんの他の物語にはどんなものがあるのかなと思い探していたら、「コンビニたそがれ堂」の舞台も風早だと知り迷わず購入して読んだ。 ワクワクしながら読み進めたが、予想に違わずどの短編も心温まる素敵な内容だった。いろいろと落ち着かない世の中だが、だからこそこういった心休まる物語をゆっくりと読む時間を作るのは大切なことだろうと思う。

    0
    投稿日: 2021.08.09
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    子供向け??と思ったらやはり児童書をリメイクしたものらしい。 毒にも薬にもならず、記憶にも残らなさそうな・・・

    0
    投稿日: 2021.05.26
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    ハッピーエンドばかりではなく、登場人物がそれぞれ傷を負いながらひとつの答えにたどり着く様が魅力の本作。とあるバザーで偶然この本と出合った私。もしかするとこの本が、私にとっての「たそがれ堂」なのかも。

    3
    投稿日: 2021.05.18
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    恥を忍んで告白する。 村山由佳さんの作品を読んでみようか、と思って探しに行って、間違えて出会ってしまったのがこの作品。 しかし、こちら村山早紀さんも、児童文学でかなりのキャリアのある書き手のようだ。 本作ももとは児童書で、それを大人向けに編集しなおしたものらしい。 間違ったなどと思って、大変失礼いたしました。 ずっと風早町の人を見守り続けるお稲荷さん。 それがたそがれ時になると、コンビニとなって、大切なものを探している人々の前に現れる。 ふんわり、ハートフルな雰囲気ではあるけれど、時空がぐいぐい操作されるので油断できない。 人間だけがこのコンビニで探し物をするかと思っていたら、いやまあ、どうして。 いろいろな技が繰り出されてくる。 なかなか面白かった。

    1
    投稿日: 2021.04.29
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    コンビニたそがれ堂(ポプラ文庫ピュアフル) 著作者:村山早紀 発行者:ポプラ社 タイムライン https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 不思議なコンビニを舞台にした優しく温かい物語。

    3
    投稿日: 2021.04.28
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    この本は元々児童書だそうです。(後書きより) そのこともあってか、読んでいて非常に癒され気持ちが暖かくなります。 また解説でもありましたが、"うまく伝えられなかった「さよなら」についての物語"というのはその通りだと思いますし、読んだ人は共感できるのではないでしょうか。 短編が何個かある形ということもあり、疲れた時にまた読み直したいです。

    1
    投稿日: 2021.02.08
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    疲れた時にそっと寄り添ってくれる本 行ってみたいと思える世界観、コンビニたそがれ堂 食べてみたいと思えるおでんや珈琲、おいしそう

    1
    投稿日: 2021.01.05
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    やさしくてあたたかな、絵本のような物語たち 全てに『愛』が溢れている 探し物を求めて歩き回り、不思議と現れるコンビニ もし私が出会ったら、何を買うだろう どのお話も読み終わったら、幸せな気持ちになれる 私は特に『桜の声』という物語がお気に入り 現在だけでなく、過去と未来にも声は届いている すごく素敵な桜の繋がりだなって

    1
    投稿日: 2020.12.10
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    大事な探し物が見つかるという コンビニを舞台とした心温まる5つの物語集。 心に沁み入る優しい物語だった。 元本が児童書ということがあってか、 語り口が優しく、とても読みやすかったです。 子供の頃に読んだ童話を思い出し、 懐かしい気持ちになった。 近頃は、探すことに費やす時間や手間を、 煩わしく思い、簡単に買い直す事が増えたように思う。本当に物を大切にし、見つけた時の喜びを、久々に思い出したように感じた。

    12
    投稿日: 2020.12.05
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    大事な探し物がある人だけがたどり着けるコンビニ、たそがれ堂。そこを訪れる人たちと、彼らが探し物をしている理由を描いた物語。 なんだか、童話っぽいと思いながら読み終えたら、元は児童書だったと後書きに書いてあり、納得。 子ども向けながら(だからこそ?)、どれも、優しい気持ちになれるストーリー。

    14
    投稿日: 2020.11.11
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    『ここはね、なんでも売ってる不思議なコンビニなんだよ。このコンビニにくる人は、なにか大切な探しものがある人なんだ。大事なものを探していて、それを心の底からほしいと思っている人だけが、この、たそがれ堂にたどり着くのさ』 いつでも開いていて、なんでも置いてあって、そして誰でも気軽に利用できる街中のお店、コンビニエンス・ストア。日本初のコンビニはどこか?と諸説入り乱れて話題になるくらいの歴史をすでに持ち、全国津々浦々まで行き渡り、この国にしっかりと根を張ったコンビニ。恐らく誰にでも”行きつけ”のお店がある、日々の生活の導線の中に組み込まれ、もはやなくてはならないもの、それがコンビニだと思います。そして、村山早紀さんの作品に当たり前のように登場するのが『風早(かぜはや)の街』。そんな街にもコンビニはもれなく存在します。『見慣れない朱色に光る看板には「たそがれ堂」の文字と 稲穂の紋』があるというそのお店。『この世で売っている すべてのものが並んでいて』、『この世に売っていないはずのものまでがなんでもそろっている』というそのお店。そんなすぐにでも行ってみたくなる夢のようなお店は、実は『行ってみたくても、行けなかったのです』という不思議な存在でもありました。この作品はそんなコンビニに縁あって訪れることのできた人々が『大事な探しもの』とめぐり合う物語です。 『この本の元本は、子どもの本、児童書です』と語る村山さん。単行本化を機に『ここぞとばかりに、あちこち描写とか増やしてます』というその作品は、児童文学の作家でいらっしゃる村山さんが『心まで描写できる喜び。改行できる喜び』を感じながら『大人の読者さん向け仕様』として刊行されました。そんな大人のための優しい物語、大人にこそ滲み入る物語に、涙もろい私は、じんわりと涙してしまいました…。元が児童書ということもあって、恐らく多くの方は途中でそれぞれの短編の結末が予想できると思います。この世には、全く予想できなかった結末に驚き思わず涙する作品があります。一方で、途中でこうなるんじゃないか、こうなるんじゃないか、と予想させつつ、その予想通りに結末する作品もあります。この作品はそんな後者です。派手な涙は出ませんが、身体の内面からじんわりと湧き上がってくる涙、それはとてもあたたかいものだと知りました。 そんなこの作品は五つの短編から構成されています。元々は児童書ということで、大人向けになったとはいえ、全体のページ数も少ない中に熱いものがじわじわとこみ上げてくる要素が満載です。共通するのは冒頭でご紹介したコンビニ『たそがれ堂』がキーになる物語、いや、『たそがれ堂』がキーを与える物語です。とにかく短いので深く作品紹介に入りすぎると一気にネタバレになってしまうために、紹介がなかなかに難しいこの作品ですが、雰囲気を感じていただくために一編目の〈コンビニたそがれ堂〉をいつものさてさて流でご紹介したいと思います。 『秋のその夕方、アスファルトの道をけとばすようにしながら、歩いていました』というのは主人公の雄太。『胸の奥が苦しくて重たくて、なにかを壊してしまいたいような、自分を殴りつけてやりたいような、そんな気分』で歩く雄太は突如『コンビニエンス・ストアにでくわし』ました。『夕暮れの赤い空の下、ぽつんとそこに』あったという『稲穂のマークの看板』のそのお店。『最近できたのかな?…いや、それにしては、なんか古くねえか?』と思いつつ『ドアをくぐ』る雄太。『いらっしゃい。どうした少年、元気がないな』と『レジのお兄さんに声をかけられま』す。『長い髪は銀色で、目は光る金色』というお兄さん。『おいおい。そんなにひくなよ。雄太くん。取って食いやしないからさ』といきなり名前を言われ、『…おい、兄ちゃん。おれの名前、なんで知ってるんだよ?』と聞く雄太。『そりゃ知ってるさ。だってきみは、この界隈の有名人だからね。街でうわさの、正義のヒーローじゃないか』と言うお兄さんに『自分の耳を疑』う雄太は『おれはただの小学生だぞ?』と不思議がります。しかし『気がつくと、店にいるほかのお客さんたちがみんな、雄太のほうを見たり、振り返ったりしている』という光景。思わず『雄太はあとずさりして、店を出よう』とします。そんな時、『雑誌のコーナーに、お気に入りの猫の雑誌を発見』した雄太。『うわ、これ、大きな本屋さんにもめったにない』と驚き『超マイナーな雑誌なのに、どうして近所のコンビニなんかにあるわけ?』と思わず声を上げます。それに対して『そりゃあ、このたそがれ堂が、お客さんのほしいものは必ずある、不思議に便利なコンビニだからさ』と上機嫌で語るお兄さん。『動物が大好きでした。とくに猫が。夢は獣医になることです』、そんな雄太は、『去年の冬』、『河原で年老いた猫をいじめていた中学生に、それをやめさせようと飛びかかって』いった時のことを思い出しました。『最初の日は、ほとんど寝ないで猫を見守』った雄太。元気になったあと河原に放すと『猫は何度もお礼を言うように、雄太を振り返りながら、川の周囲に広がる草の波の中に、消えて』いったというその時の記憶。そんな雄太は雨が降る中捨てられていたもう一匹の子猫のこと、そして『かわいそうと泣いていた』ひとりの女の子のことも思い出します。そして、そんな女の子との思い出が奇跡に変わっていく、そんな物語が展開していきます…というこの作品。『たそがれ堂』についての導入部を兼ねながら、その不思議な世界、優しくあたたかな感情に満たされた世界の魅力を存分に味わわせてくれた作品でした。 『風早の街の 駅前商店街のはずれに 夕暮れどきに行くと 古い路地の 赤い鳥居が並んでいるあたりで 不思議なコンビニを 見つけることがある』 と続いていく冒頭文だけですっかりその世界に魅了されるこの作品は、『まるで「狐につままれた」みたいだ』という雄太の感想そのままの世界が広がります。これぞファンタジーといういわば夢物語ですが、その根底に流れるストーリー自体は決して特異なものではありません。『たそがれ堂』というファンタジー世界から一歩出た外の世界は『夕暮れの街を行く人々は、ある人は急ぎ足で、ある人はゆったりとして。ひとりの人もいれば、子どもの手を引く人もいて。笑顔の人も。口をむすんだ人も』という、あなたの暮らす街でも普通に見られる光景です。そんな日常の光景を見ても何か思うことはないのかもしれません。でも、そんな人々は『そのそれぞれが、同じ時の中を、同じ街の同じ場所で交差しながら、それぞれの思いを抱いて、生きて』います。かつての何かしらの後悔の念に苛まれている人もいるでしょう。遠い過去に忘れ物をしてきてしまった、そんな風に感じて生きている人もいるでしょう。そして、何かに悩み何かしら前に進むためのきっかけが欲しい、そんな風に感じながらも決断を下せないでいる、そんな人もいるでしょう。『たそがれ堂』は行ってみたくても誰もが行ける場所ではありません。一方で選ばれた特別な人だけしか行けない場所でもありません。『夕暮れの街を行く人々』の中から今日も誰かが、引き寄せられるように辿り着く場所、『たそがれ堂』。『大事な探しものがある人がくる店』。そんなお店は、辿り着いた人たちにとって、『心の奥で、自分の人生が、まるで線路が切り替わったように、行き先を変えた』と、心のどこかに引っかかっていたことに、過去の自分に区切りをつけ、次の未来へと向かってゆくためのきっかけを与えてくれる場所でもありました。 もし、私自身が『古い路地の 赤い鳥居が並んでいるあたりで 不思議なコンビニを 見つけることが』あったなら、そんなコンビニに行くことができたなら。そんなお店の棚の上に私は何を見つけることになるのだろう。何が私を待っているのだろう。そんなことをふと考えてしまう読書。なつかしさとせつなさに包まれる読書。そして読後に包まれる、人の優しさとあたたかさを感じる読後感。 今の世に、こんなにも素朴な愛に満ち溢れた物語があるんだ、と、ある種の驚きを感じた傑作でした。

    57
    投稿日: 2020.09.13
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    大学の後輩が送ってくれた本。 自分の言動が、知らない間に相手に幸せや勇気を与えていることもある。 自分の価値をちゃんと自分で認めてあげることも大切なんだよと教えてくれるような優しさがある。

    0
    投稿日: 2020.08.10
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    ちょうど桜の季節に読んだのもあって、「桜の声」が一番印象的だった。 あとがきに共感。作者の考え方が好きだと思った。

    4
    投稿日: 2020.04.24
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    短編一つ一つがとても優しくて、泣けた。 自然にきっと愛されてるから愛したいと思った。 見えなくなっても、いなくなっても きっとどこかにいる。 そばにいることを忘れないようにしたい。

    0
    投稿日: 2020.04.17
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    この作家さんとの出会いは、広島の本屋。 夜行バスで東京に戻る前に、ふらりと入った全く知らない街の本屋で「桜風堂ものがたり」と出会った。 普段から本を絶えず読んでいる関係で、本屋に行く時は大概目的の本があって、行くことが多く、「桜風堂ものがたり」は本当に久しぶりに「本屋で出会った本」だった。 優しい作風なのに、決して人生が甘くないこともきちんと描かれ、そんな中で登場人物がお互いに思いやりにあふれる人たちで、涙が止まらなかった。今では好きな作品の5本指に入るほど。 そんな出会いだったので、もともと児童文学の作家さんだったことも知らず、この「コンビニたそがれ堂」というシリーズが9作も出ていることも知らず、最近、最新刊が出たことで、今更ながら読んでみることに。 何の情報もなく、読み始めると、文体に違和感。でも、悩みを抱えて、大事なものを求めて、たそがれ堂にたどり着く人々を温かく迎えてくれるコンビニの主人とのやり取りを読んでいると、心の奥が温かくなって来るのが分かる。 あとがきを読んで、元は児童書であったことを知る。 だから、あんなに優しい文体だったのだと… 優しい物語だけど、きちんと人生における悲しみ、どうにもならない運命もきちんと描かれ、子供の頃にこの作品と出会っていたら、どうだったんだろう?と考えずにはいられない。 発売から結構年数が経っているので、刊行が古い作品を見つけるのがちょっと大変だけど、少しずつ読んでいこうと思う。 もしかして、この作品がこの作家さんの代表作なのかしら?だとしたら、これまで知らずにいた自分が少し恥ずかしい…

    9
    投稿日: 2020.04.03
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    探しものがある人だけがたどり着けるコンビニ。 お店に入ってみると、お客さんも店員さんも普通の人とは違う様子。 大切にしたいと思えるものがあるって、純粋できれいな感情だなぁとしみじみ思った。 リカちゃん人形の話が、親娘で繋がっていて面白かった。 優しくてさらっと読めるファンタジー。

    0
    投稿日: 2019.08.24
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    「コンビニたそがれ堂」 彼女の手を払い除けてしまった後悔。 あの年頃で男女感の関係を疑われ周りからはやし立てられたら誰だっていい気分はしないだろうし、むしろ距離を取ってしまうだろうな。 メモ帳が見つかりそこにあの時見れなかった言葉が書かれていた事自体が奇跡に近いが、それよりも彼女から届いたメールが一番不思議な出来事に感じたな。 「手をつないで」 帰りたくないけれど帰る場所がない。 彼女にとって一人で家を守り子供の世話をするというのは、きっと思っている以上にストレスが溜まり発散する場所が無かったからこそ子供に当たってしまったのかもな。 たった一人の人形のおかげで擦れ違っていた二人の思いが一つになったと思うと干渉深いし、彼女は自分が感じた思いを彼女にさせず済んで良かったな。 「桜の声」 時を超え配信されたラジオ番組。 彼女の声が色な場面や時代に届いたのは、きっと彼女がとても楽しそうな声色で話をしたり聞いている者を楽しませる力があるからこそ届いたのかもしれないな。 彼女の母に偶然あの場で出逢えたからこそ彼女は生きる事ができ、現在の彼女がいる訳で彼女自身は何となくした事かもしれないが二人にとって命の恩人でもあるのかもな。 「あんず」 最後の瞬間を家族と同じ目線で。 死期というのは患っている自分が一番分かるというが、彼女はその最後の力を使ってでもあの暖かい家族にお礼を言いたかったのだろうな。 弱ってきているのが分かっていて尚且つ姿を消した彼女の事を何日も探し続けてくれた皆の傍には行けないが、きっと遠くからそっとありがとうと彼女なら見守っていそうだな。 「あるテレビの物語」 映らなくなった思い出の詰まった物。 何かしらの記念のように購入したからといって、ここまで大切に扱われ壊れてもなおその存在を思ってもらえる機器等あまりいないだろうな。 大切に大切に扱われてきた気持ちが伝わっていたからこそ、あのテレビ自身も命尽きるまで映像を映し出すことが出来たのだろうな。

    0
    投稿日: 2019.07.16
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    心があったかくなったお話♡ 大事な探し物がある人だけに現れる不思議なコンビニ。 あんず という猫のお話が1番すきだった。 「見えなくなっても、会えなくなっても、きっと『どこか』には、みんな、ちゃんといるっていうことさ。きえてしまうわけじゃない。誰の魂も、どんな想いもね」 深イイ、だいすきな言葉になった。

    1
    投稿日: 2019.06.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大事な探し物がある人だけが訪れることができる不思議なコンビニ。まちなかにこんな受け止めてくれる場所があったらいいなぁ。どのお話もじんわりとくる。中でもあんずのお話が一番好き。動物やモノ、自然にも想いはあると気づかせてくれる。忙と忘、心を亡くすような日々の中で優しさと安らぎをくれる本。

    4
    投稿日: 2019.06.05
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    ・コンビニたそがれ堂 ★★★★★ 心があったまるお話。心の中で泣いた! こんな素敵なコンビニに出会いたい。 雄太のネコに対する優しさも良く、また助けたネコが生きててほっこり! ・手をつないで ★★★★★ お人形さんも泣くのね。 こーゆー本を読むとモノを大切にと思う。 純粋さを忘れた穢れた大人やから、心が洗われる。 子供用?やからか展開は読めるが、感動する。 ・桜の声 ★★★★ 自分の仕事が誰かの幸せや活力に繋がると嬉しいよね。 私も仕事頑張ろうと思った! ・あんず ★★★★★ 心の中で号泣した。猫モノには弱い。 読んでる途中から泣きそうになる。 首輪のくだりが◎。 ・あるテレビの物語 ★★★★ これもほっこり系。 物を大切にしないと!

    1
    投稿日: 2019.06.04
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    なんだかほんわか温かいい気持ちになる短編集。 後から、児童書だと知り、納得。 大人が読んでも十分楽しめると思う。

    1
    投稿日: 2019.04.30
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    初めましての作家さん。 コンビニで探し物? 想像とはかなり違ってたけど、でもとても素敵な物語。 桜子さんのお話、あんずちゃんのお話が好き。 さらにテレビは最後の1行に感涙でした。

    0
    投稿日: 2019.03.08
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    人間が大好きな神様がひらいたコンビニたそがれ堂は、この世に売っているものはなんでも売っていて、この世には売っていないはずのものまで並んでいます。探し物がある人だけがたどりつける、不思議なコンビニのお話です。

    1
    投稿日: 2019.02.16
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    中学生におすすめされて読みました。 ほっとする本です、と。 ほっと、しました。 でもそれよりも、リカちゃんの話が自分のことのようで……まいったなと思ってしまいました。 きっと自分がまだ中学生だったなら、主人公の女の子のほうに感情移入したんだろうな。あの頃の気持ちと手をつないで大人になってきたつもりだったのに、どうしてその手を時々、振り払ってしまうんだろうな。人は思ってたほど自分自身が思うようには振舞えないものなんだなぁ……

    2
    投稿日: 2019.01.11
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    元は児童書だった作品に加筆した作品、とのこと。 でも、これでも十分に児童書として通用する。 それは、別に幼稚だとか陳腐だ、とかいうことではない。 そもそも、幼稚な「児童書」は、子どもたちに読んでもらえないと思う。 きちんと「面白い」作品であるからこそ、児童書の名作は読み継がれていく。 本書は、そんな「読み継がれていく」作品だと思う。 ふんわりと暖かく、どこまでも優しい物語たち。 あまりに美しすぎて、優しすぎる作品は、嘘くさいと言われるかもしれない。 けれど、こういう物語があっても良い。むしろ、無ければ困る。 ちょっと疲れちゃったな、という時に、すうっと心に沁み入る作品です。 そして、きっと元気をくれる、そんな作品です。

    0
    投稿日: 2018.11.13
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    図書館で。 なんて言うのか優しいお話し群。 児童書だったのか~ だから子供が出てくるお話が多いのかな。 根本的解決にはあまりなって無さそうだけれども、その時、一瞬だけでも何とかなればいいなぁと思う時がある。そんな感覚をなんとなく思いだしました。

    0
    投稿日: 2018.10.25
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    あまり引っ掛からずに読み終えてしまった。沢山受け取れるように、もっと土壌が豊かになりたいなあ…。「手をつないで」の娘を上手に愛せないママとか、「桜の声」の何でもラジオ番組での話題にと考えてしまう中、言葉を虚しく感じるアナウンサーさんとか、元は子供向けの本だと一括りに出来ないような部分にしんみりした。「桜の声」は、桜のストラップのガラス玉の中で花びらが揺れる様子がすごく綺麗。ファンタジーのように思っていたから、戦時中や未来の火星コロニーと繋がる中、ケツメイシのさくらが登場したことに驚いた。

    0
    投稿日: 2018.10.17
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    商店街のはずれにひょっこり現れる、探しものが必ず見つかる不思議なコンビニ、「たそがれ堂」。悩み、惑い、辿り着いた大人や子供や何やかやが織りなしていく、ハートフルな短編集。 元は児童書との事で筆致は読み易く、しかし内容は大人の読者をがっつり泣かせに来る。良く出来た1冊で、以後シリーズ化がされているのも納得できる作品です。 ただ、個人的には最近、この手の話に接しすぎたきらいがあり、深く感情移入が出来ませんでした。いい話だけどもうひと押しが足りない、そんな印象でした。ううむ、読む順番を間違えたかもしれません。ちょっと勿体なかったです。

    1
    投稿日: 2018.07.18
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    「あるかしら文庫」のカバーに惹かれて手に取りました。 児童文学、久しぶりに読みました。 大事な探し物がある人だけがたどり着ける、コンビニ。 大事なものにまつわるあたたかく、切ない物語。 どのお話もおもしろかったです。 涙腺が緩みっぱなしだったのは、トシのせいかしら。。

    0
    投稿日: 2018.05.14
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    思わぬ結末にゾクゾクしたり。児童書特有のあたたかさにほっこりしたり。この一冊で、いろいろなことを考えさせられました。日々の疲れを癒したいという方にオススメです^ ^

    0
    投稿日: 2018.05.13
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    あとがきを読んで初めて元は児童書だったことを知りました。 心温まるお話しばかりでした。 2018.4.24 読了

    0
    投稿日: 2018.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    児童書ではありますが、本当に癒されました。さらさら読めるし、設定も分かりやすいし物語りも感情移入しやすい。娘がその頃になったらぜひ読んで欲しい。本当に必要な人の前に現れるたそがれ堂。どの物語も少し悲しくて切ないけれど、最後は温かい気持ちになれる終わり方。泣いてしまいました。シリーズ追いかけてみたいと思います。

    0
    投稿日: 2018.04.03
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    児童文学の作者が、児童向けに書いた本を書き直した作品。 稲荷の横に探しものをしている人にしか見つけられない コンビニがあるというお話。 短編集ですが、どれもこれも非常にいい作品です。 心温まるし、何より作者の温かさが伝わる感じがします。

    0
    投稿日: 2018.02.11
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    1日1話ゆっくりと読み進めました。 切ない気持ちにもなりますが優しい、心に響く5つの物語達でした。

    0
    投稿日: 2018.01.17
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    今年最初の1冊。(再読) 温かくて優しくて切ない。1年の最初にぴったりの本。 風早の町、大事な探しものがある人の前にだけ現れる不思議なコンビニ、たそがれ堂。 キツネの神様店長が、訪れた客を優しく迎えてくれる。 おでんやお稲荷さんもおいしそう。 そこで大事なものを見つけて、悲しみを受け入れ先に進むことができたり、優しい気持ちになれたりする。 私の探すものも、そこにあるのかな。 いつか、たどり着ける日がくるのかな。

    0
    投稿日: 2018.01.01
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    さらっと読めた。こんな不思議な出来事が自分の身の周りで起きたらいいな。たそがれ堂に入っておでんやお稲荷さんが食べたい。店員さんとお話ししたい。しかし、たそがれ堂にいけるのは、何かを探している人。そんなときには、自分が探しているものに夢中で、たそがれ堂をじっくり観察したりできないんだろう。夢でもいいから、行ってみたい。

    0
    投稿日: 2017.12.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    コンビニたそがれ堂ー子猫の写真のついた赤いメモ帳 手をつないでーリカちゃん人形 桜の声ー携帯ストラップ、透明なガラスの丸い玉の中に桜の花びらが散ったピンク色 あんずー白い猫、人間になれるキャンディ、金の鈴が付いた赤いちりめんの首輪 あるテレビの物語ー小さなテレビ どのお話もいいお話で泣くほど感動はしなかったけど、無くしたものが巡り巡って手元に戻ってくる。思い出や希望とともに。 これからどんなお話に出会えるのかなあ。続編が楽しみ。

    0
    投稿日: 2017.12.17
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    風早の街の駅前商店街のはずれに夕暮れになるとあらわれる、不思議なコンビニ「たそがれ堂」。大事な探し物がある人は、そこで必ず見付けることができるという。 もの言わぬものの想いをくみ取り、過去から未来へと橋渡ししてくれる。そんな物語でした。受け取れなかったメモ帳、大切なリカちゃん人形、人々を見守る桜などなど。それらの想いが押し付けがましくなく届けられます。 元々は児童書の体裁で発行されたものですが、扱うテーマは重いものもあります。それもまたさり気なく描写されているので、子どものころ読んでも気付かないこともあるでしょう。しかし宿った種はある時芽吹き、その人の心に花咲くこともあるのではないでしょうか。そんな小さな種がたくさん詰まった一冊でした。

    0
    投稿日: 2017.12.16
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    ほんわかして心があったかくなる話だった!桜の木のはなしと、猫のはなしが良かったな〜うっかり泣きそうになった… 当たり前にそこにあるけど普段見過ごしてしまいそうなことを書いていて読み終わった後やさしい気持ちになりました。続きも読みたいなー!

    0
    投稿日: 2017.10.26
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    内容(「BOOK」データベースより) 駅前商店街のはずれ、赤い鳥居が並んでいるあたりに、夕暮れになるとあらわれる不思議なコンビニ「たそがれ堂」。大事な探しものがある人は、必ずここで見つけられるという。今日、その扉をくぐるのは…?慌しく過ぎていく毎日の中で、誰もが覚えのある戸惑いや痛み、矛盾や切なさ。それらすべてをやわらかく受け止めて、昇華させてくれる5つの物語。 読みやすいだけが取り柄の最近流行のライトな読み物かと思いきや、なかなか深く平易な文章でとても良かった。と思ったら児童書だったのですね、是非子供に読んでいただきたいですが、どちらかと言うとそれなりに年行った人の方がグッとくるかもしれません。 病気の飼い猫が人間の少女になって飼い主家族と短い時を過ごす「あんず」だけでも値段分の価値はあると思います。

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    投稿日: 2017.09.19
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    温かくて優しい物語たち。これは童話かな、と思ったら、児童文学として出たものを、大人向けに文庫化する際に加筆したものらしい。素敵な作家さんに出会えたかもしれない。猫のあんずの話が特によかった。猫バカなだけに(*´-`)

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    投稿日: 2017.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【あらすじ】 駅前商店街のはずれ、赤い鳥居が並んでいるあたりに、夕暮れになるとあらわれる不思議なコンビニ「たそがれ堂」。大事な探しものがある人は、必ずここで見つけられるという。今日、その扉をくぐるのは…?慌しく過ぎていく毎日の中で、誰もが覚えのある戸惑いや痛み、矛盾や切なさ。それらすべてをやわらかく受け止めて、昇華させてくれる5つの物語。 【感想】

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    投稿日: 2017.08.24
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    心が温まるような話が読みたいなと思って、選んだ一冊。 もとが児童書なだけあって、とても読みやすい。 大事な探しものがある人だけがたどり着けるという、不思議なコンビニ「たそがれ堂」。 これは、その「たそがれ堂」へやって来た人と、その人にとっての“大切な何か”とを結ぶ物語――という風に、私は解釈した。 形あるもの・目に見えるものって、いつか消えてしまうから。だから、そうではない何か‥につながっていく、あるいは、つながりを取り戻すっていうお話なんじゃないかなと。勝手にそう思いながら読んだ。 誰にでも身に覚えのある(過去の)痛みや切なさに訴えかけるものがあるから、収録されている5編の中に、必ずピンとくる話があると思う。 ちなみに私の今の心境には、「あんず」が一番ぐっときた。 もし「さよなら」がうまく伝えられなかったとしても、「好き」だけはうまく伝わってたらいいな…と思って。 この「コンビニたそがれ堂」シリーズは、現在第6弾まで刊行中とのことで、ぜひ全部読みたいなと思った。

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    投稿日: 2017.08.06
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    不意に傷付けられて、この気持ちをどうにかしようと、以前読んだ時のほっこりした気持ちを思い出して読んでみたのですが、確かにほっこりはしたのですが心が元に戻るには足りないようです。するすると読みやすくて、決して悪くはないのですが。もともと児童書だったみたいなので、今のわたしは感性がすり減って、素敵に感じられなくなったのかもしれません。悲しい事です。

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    投稿日: 2017.07.28
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    児童書の大人の読者さん向け仕様ってのがあるのですね。漢字が増えて描写と文章が増えてるそうです。「大事な探し物がある人は必ずここで見つけられる」そんなコンビニ、行ってみたいものだ。優しい文脈が、清々しい。

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    投稿日: 2017.04.02
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    人はいろんな人と出会っていろんなものと出会って別れていく。今を大切に生活していこうと思わせてくれる短編集でした。読んでいるとほっとさせてくれました。とても読みやすく一気に読んでしまいました。

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    投稿日: 2017.03.23
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    村山早紀さんの「コンビニたそがれ堂」読了。ほしい物が必ず見つかるという不思議なコンビニ、たそがれ堂。そのコンビニに導かれる5人(うち、一匹)の物語。硬派だけど優しい正義のヒーロー、人形を愛する女の子、ラジオ局の女性アナウンサー、男の子に拾われた子猫、テレビに思いを巡らす女の子など、登場人物も様々。なかでも、子猫「あんず」の話が好きでした。自分が見る世界と反対に周りの物や環境が自分を守ってくれていると意識させられる作品でした。優しさに、ほっこりしたい人におすすめです♪

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    投稿日: 2017.03.11
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    紹介文から興味をもって読んでみた。児童書で柔らかい言葉で書かれている。 しかし内容まで柔らかかと言えば、そうではなく、今問題になったり話題になっている「毒親」や「女のキャリア形成」という点に触れている。 どの話も最後は希望に満ちていたり、温かいものがあったりした。

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    投稿日: 2017.02.05
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    読んでいて自然と涙がこぼれそうになりました。だからといって、その感情が感動だったのか、と考えるとそうではないような気がします。収録されているお話はもちろん全て素晴らしかったのですが、個人的に村山さんの後書きが好きでした。

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    投稿日: 2017.02.04
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    どの話も不思議で優しい物語でした。その中でも一番好きなのは「あんず」かな。飼い主だった男の子の気持ちに共感して。たそがれ堂の店員のお兄さんが言うように「見えなくなっても、会えなくなっても、きっと、どこかには、みんな、ちゃんといるっていうことさ。消えてしまうわけじゃない」

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    投稿日: 2017.01.27