
総合評価
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powered by ブクログ専業主婦て今では絶滅危惧種なの?私が子育て真っ最中の頃は公園にはたくさんの専業主婦が子連れでやってきて派閥があるほどで、公園デビューにドキドキしたものです。 児童支援センターに行っても育休中のママばかりで肩身の狭い思いをするとは時代が変わりましたね。 主人公の詩織は自ら専業主婦になる事を決め、まさに主婦業を完璧にこないしています。子育てに疲れても帰りの遅い夫が唯一の話し相手なので寝ずに待ってるというけなげさ。なのに夫は仕事で疲れているので詩織の話の途中で寝てしまうという…。 詩織の隣の住人であるワーキングマザーでワンオペの礼子が追い詰められていくのは可哀想でした。詩織に助けてもらえて本当に良かった。 娘も働きながら双子の子育て真っ最中なので大変さが伝わります。 育休中のパパ中谷は国交省に勤めるエリート。それでも外資系起業に勤める妻と交代で2年の育休を取るなんて凄いな…と思っていたけど、子供の頃の経験から専業主婦に対しての偏見が。それでも詩織を見ていて変わっていく姿にはホッとしました。 専業主婦、ワーキングマザー、そして子供はまだなの?のと周りから期待されるクリニックの若奥様など、ここに登場する誰もがそれぞれに悩みを抱えています。相手の立場にならないと理解してもらえないのが切ないけれど、話してみたら助けてもらえる関係性が素敵でした。
14投稿日: 2024.09.23
powered by ブクログ本日のレビューは、まず『乳児向けの親子教室に参加』した二人の女性の会話に耳を傾けてみましょう。 A: 『どんなお仕事してるの?』 B: 『家事ですけど』 A: 『そうじゃなくて、復帰後の仕事のこと。保育園に入れないってことは在宅の仕事?』 B: 『まあ、在宅と言えば在宅かな…。私、主婦なので』 A: 『娘さん、持病があるとか?あ、介護してるんだ』 B: 『いえ、あの、私には仕事と家事の両立なんて無理だなと思って、それで…』 A: 『ああ…今は就職するのも大変だものね』 いかがでしょうか?シチュエーションはお分かりいただけたかと思います。『育児』をする二人の母親同士の会話ですが、『専業主婦』というBの考え方を理解できないAという話が噛み合わない二人の構図が浮かび上がります。 この国で、かつて一般的だった『専業主婦』という立場。この二人の会話には今やそんな選択が他人から理解できないほどにマイナーな存在となっていることが分かります。では、『専業主婦』は『のんびり家事だけをして夫の稼ぎを浪費するだけの社会のお荷物』なのでしょうか? さてここに、2歳の娘を育てる『専業主婦』が主人公となる物語があります。『育児』にさまざまな角度から光を当てるこの作品。その中に『家事』という『重労働』の存在が浮かび上がるこの作品。そしてそれは、『みんなゲームオーバーぎりぎりの日を孤独に戦っている』と、今日も『家事』に向き合う人たちのリアルを描く物語です。 『今晩のご飯はお父さんが作った』、『そんな日が一日でもあったなら、父を置いていこうとは思わなかっただろう』と過去を振り返るのは主人公の村上詩穂。『昨日の夜、きっちり磨いた靴に』足を入れ『卒業式、行けなくてごめんな』、『今晩はすき焼きがいいかな?用意しておいて』と言う父に『いってらっしゃい』とだけ返した詩穂は、『卒業式から戻ると』『卒業証書の筒を母の写真の横にトンと立て』、『さ、大掃除だ』と動き出します。『家事に専念できるっていいものだ』と思う詩穂は、『自分は二つのことが同時にできない』と認識します。そして、一通りの家事を終えた詩穂は『母の遺影の前に座り、手を合わせてから、玄関を出』ました。『私は家を出ます。もう帰りません。主婦のいなくなった家で』『どうか元気で生きていってください』と家を後にする詩穂。 場面は変わり、『「保育園は決まった?」と、礼子に尋ねられ』、『うちは入らないので』と返す詩穂。『児童支援センターの乳児向けの親子教室』に『娘の苺』と参加していた詩穂はたまたま『マンションの隣人の礼子』と一緒になりました。『で、どんなお仕事してるの?』、『家事ですけど』、『在宅の仕事?』、『私、主婦なので』と噛み合わない会話の中で『みんな育児休業中の会社員』であり、『専業主婦は一人もここにはいない』と気づく詩穂は『手遊びの時間が終わ』って部屋を後にしますが、忘れ物をして戻ってくると『イマドキ、専業主婦になんかなってどうするんだろう』、『絶滅危惧種だよね』という会話が聞こえ『情報弱者っていうか…』と礼子が言った時、ガタンと音がしたことで目が合う二人。礼子は『しまった、という顔をし』ます。『自分は二つのことが同時にできない』という詩穂は『夫の虎朗にはつきあう前から「主婦になりたい」と言ってい』ました。『でも、専業主婦が絶滅しかかっているなんて思わなかった』という詩穂は、『これからは、あの人たちが多数派で、こっちは少数派なのだ』とも思います。 再度場面は変わり、『それから二年たっても』『主婦仲間に出会えな』いままの詩穂は『このまま主婦でいてもいいのだろうか』と思います。そんなある日、家に戻ると『隣の部屋の前に誰かがいるのに気づ』きます。それは『ワーキングマザー』の長野礼子でした。保育園バッグを二つ肩から下げる礼子は赤ちゃんを抱っこしたままぼうっと立っています。そして、『ゲームオーバー』と『呻くような声』がすると、しゃがみこむ礼子。『じろじろ見るのはよくないと思い直し』た詩穂が部屋へ入ると『隣のベランダのほうから、ガラガラと窓を開ける音』がします。『誰が窓を開けたのだろう?』と思い外に出た詩穂は、『隣のベランダの手すりから、男の子』が顔を出しているのに気づきます。『これはもしかして、あの典型的な!』、『室外機によじのぼり、手すりから乗り出して落下』という『夕方のニュースでよく見るやつ』と思う詩穂は、『僕、お名前は?』と訊くと『アツマサ』と答える男の子ですが、『そこ登っちゃだめだよ』と声をかけるも『室外機のどこに足をかけるか夢中』で『こちらをむかない』状況に『あ、そうだ、今からゲームをやろう、ゲーム』、『今から十数えます。その間じっとしてられたらアツマサくんの勝ち』と呼びかけます。それに『首がたてにふられたのを見』た詩穂は、『いーち』、『にーい!』と数えつつ、廊下に出ると『アツマサくん、ベランダに出ている』と廊下に座り込む礼子に伝えます。『愕然として顔を上げ』る礼子は『あの、あの子、内鍵かけちゃって、部屋に入れないの』と答えます。『じゃあ、うちのベランダから行くしかない』と思う詩穂は、苺を礼子に預けるとベランダへと戻り、靴下を脱ぎ捨てます。そして、『隣のベランダの柵にとりつ』く詩穂。そんな詩穂の『専業主婦』としての日常が描かれていきます。 “家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ、専業主婦の詩穂。娘とたった二人だけの、途方もなく繰り返される毎日。幸せなはずなのに、自分の選択が正しかったのか迷う彼女のまわりには、性別や立場が違っても、同じく現実に苦しむ人たちがいた”と内容紹介にうたわれるこの作品。”対岸の火事”ならぬ「対岸の家事」という書名がどういうこと?とクエスチョンマークが頭に浮かびます。そんなこの作品は、高校時代に『自分は二つのことが同時にできない』と自分のことを認識した主人公の詩穂が『専業主婦』という選択の先に『育児』な日々を過ごす姿が描かれていきます。 労働政策研究・研修機構の調査では『専業主婦』がいる世帯の割合は2022年に3割を下回ったそうです。確かに『共働き』家庭が極めて一般化した昨今にあって『専業主婦』という選択は間違いなく減ってきているのだとも思います。この点について作品中こんな興味深い記述が登場します。 『夫が会社に行き、主婦が一人で家事をする生活スタイルが主流になったのは、たかだかここ六十年とか、五十年のこと』、『農業や漁業などの第一次産業従事者よりも、会社勤めなどの第三次産業従事者が多くなり、核家族が増えたのは戦後です』 あなたはこのことをご存知でしたでしょうか?この国では『専業主婦』が当たり前の時代から『共働き』という考え方に変化してきたとばかり思っていた私には驚きの記述です。では、『専業主婦』というあり方が主流だった時代に『共働き』を選んだ理由にはどのようなことがあるのでしょうか? ・『終身雇用が保証されていた一昔前ならいざ知らず、今じゃ大企業だっていつ倒産してもおかしくない』、『リスクヘッジとして共働きにしておくのが無難』 ・『超高齢化で年金や健康保険の負担は増える一方ですし、教育費も高騰してますしね』 それぞれごもっともな理由だと思います。『専業主婦』が主流だった時代から時が経過し、時代が新たなステージに入ったことが『共働き』という選択を余儀なくさせている、そんな言い方もできるのだと思います。もちろん、夫婦が共に会社で働くという生き方を選択した結果論という考え方もあると思いますし、今や『専業主婦』という選択を敢えてするには逆に理由がいるとも言えます。そんな前提の物語で主人公の詩穂が『専業主婦』を選択した理由はハッキリしています。 『自分は二つのことが同時にできない』 そうハッキリと言い切られてしまうと、言い返す言葉もありませんが、いずれにしても消極的な理由による結果論ではなく、積極的に『専業主婦』という生き方を詩穂が選んでいることは分かります。一方で、そんな詩穂の選択を周囲の女性たちは否定します。 ・『イマドキ、専業主婦になんかなってどうするんだろう』 ・『絶滅危惧種だよね、このあたりでは。地方にはまだたくさんいるかもしれないけど』 ・『家事なんて、いい家電があれば仕事の片手間にできるし、専業でいる意味あるのかな』 物語は、『専業主婦が絶滅しかかっているなんて思わなかった』という詩穂がそれでも『専業主婦』としての日々を送る中で複数の立場を取る人物と接していく様が描かれていきます。 では、そんな物語の登場人物をご紹介しましょう。 ・村上詩穂: 27歳、専業主婦。夫は居酒屋に勤める虎朗。2歳の娘・苺とともにマンション住まい。母を早くに亡くし、家事の一切を詩穂に頼る父を一人残して家を出た。 ・長野礼子: 35歳、3歳の息子と生後半年の娘を抱える多忙なワーキングマザー。詩穂の隣人。イベント会社勤めの夫は家事を一切手伝わないため、シングルオペを余儀なくされる。 ・中谷達也: 30歳、国交省を2年間育休中。娘の佳恋と、詩穂がよく行く公園に出没。外資系企業に勤める妻が二児目を出産のタイミングで復職を予定している。 ・蔦村晶子: 26歳、元保育士。小児科医の夫が経営する医院で受付を担当。思うように子どもができない中、姑や患者から強いプレッシャーをかけられる日々を送る。 ・坂上さん: 70歳、専業主婦。夫に先立たれ、一人暮らし。会社で女性で初めての部長職に就いた娘がいる。初期の認知症を患う。 この作品は〈プロローグ〉と〈エピローグ〉に挟まれた七つの章から構成されています。章によって上記した人物に順次視点が移り変わっていきますが、中でもその中心となるのが詩穂、礼子、そして達也という3人です。『育児』に光を当てる物語は、そんな『育児』について、全く異なる立場からそれぞれの立場における悩み苦しみを見せていきます。 ・詩穂 → 専業主婦 ・礼子 → ワーキングマザー ・達也 → 男性育休中 このレビューを読んでくださっている皆様の属性はマチマチです。この作品同様、『育児』への関わり方も異なります。とは言え、『専業主婦』な方は詩穂に、『ワーキングマザー』な方は礼子に、まずは感情移入していくのではないかと思います。しかし、この作品の畳み掛けるような物語展開によって、自らの属性を超えて他の登場人物の生き方にも関心が湧いてくるはずです。 『イマドキ、主婦になるなんて。家事しかできない、世界の狭い母親に育てられた子が、これからの時代、まともに育つだろうか』 『専業主婦』の道を選んだ詩穂が抱く思いは『専業主婦』が『絶滅危惧種』になった今の時代だからこその悩みとも言えます。一方で、 『自分よりも仕事のできない同期が出世していくのを、この三年で何度も見送った』 『ワーキングマザー』として仕事に集中仕切れない中に会社が下す理不尽な評価に悶々とした思いを抱く礼子。そんな思いを誰にぶつけたら良いか分からない礼子。この作品では、昨今取得者も増えてきているとされる男性育休中の達也が登場するのも幅広い視点を提供してくれます。そして、この作品で一番に光が当たるのが、書名にも記されている『家事』です。この国でも『育児』について取り上げられることは多々あります。男性育休などまさにそうだと思いますし、待機児童の問題や兄弟で保育園が分かれる問題、さらには『ワーキングマザー』と同じ部門で働く同僚や上司の心持ちにまで光が当てられていきます。では、そんな人たちの中で、『家事』とはどのように位置付けられているのでしょうか? 『たかが家事じゃないですか』 そんな言葉が象徴する通り『家事』というものは世の中において軽く捉えられがちです。それこそが次の言葉に集約されてもいます。 『かつて専業主婦が担っていた労働は、男性だけでなく、女性からも見えなくなってしまった。大変だよね。しんどいね。そう言い合える相手もいなくなってしまった』。 『家事』というものは人が生活する中でなくなることはありません。数十年前に比べれば洗濯・乾燥も全自動で機械化され、さまざまな調理器具の進化によって炊事も楽になりました。ロボット掃除機の登場は、買い物中に家の掃除が終わっているという画期的な状況を作り出してもいます。しかし、『家事』は軽減されてもなくなることはないという事実に気づかされます。 『私も今朝三時まで仕事してて、で、この子が六時に起きて、仕方なく私も掃除』、『土日も家事がいっぱいで休めないよね。この地獄、いつまで続くのかな』 そんな『ワーキングマザー』たちの悲鳴にも似た声には共感する方も多いと思います。『家事』というものがどんどん見えなくなっていく現代社会。 『家事が重労働だという認識が社会全体でシェアされていないのだ。少子化が深刻だと騒ぎながら、自分にその負担が及ぶとなると他人事と決めこむ輩も多い』。 物語を読み進めれば読み進めるほどに、今の世の中に潜在する大きな問題が浮かび上がってもきます。物語は、上記したように『育児』に複数の立場から関わる人物がさまざまに関係しあいながら展開していきます。お互いの立場を理解し、どこに問題が潜在しているかを浮かび上がらせていく物語。「対岸の家事」という書名に込められた深い意味合いと、『専業主婦』を主人公にしたからこそ浮かび上がる『家事』という”お仕事”に光を当てる物語。そこには、”じゃあ、誰が家事をやるんだろう?”という、この国に暮らす私たちが目を背けてきた『家事』という大切な”お仕事”を改めて考える物語が描かれていました。 『日本ほど子育てしながら働く環境が未整備の国もない…この国が保育という重労働に対し、低い対価しか与えないからだ』。 『専業主婦』を主人公とし、『育児』への関わり合い方の異なる登場人物との対比を通じて、そこに潜在する『家事』という『重労働』の存在に光を当てるこの作品。そこには、この作品の執筆に5年をかけたとおっしゃる朱野帰子さんの『家事』に対する新しい視点が描かれていました。『家事』というものの捉え方が人によって大きく異なることを認識させられるこの作品。日々の生活を回していくことの大変さを改めて思うこの作品。 このレビューを読んでくださった一人でも多くの方に是非とも一読いただきたい、全ての日本人必読!とも言える素晴らしい作品でした。
275投稿日: 2024.09.07
powered by ブクログ今や絶滅危惧種の「専業主婦」でいるよりも、多数派の「働く母親」になった方が世間的にも精神的にも楽なのかもしれない、と思った。多数派=正しい選択、では無いはずなのに、社会がそうさせてしまっているんだな、と悲しく感じた。
5投稿日: 2024.09.02
powered by ブクログ専業主婦の詩穂と周りの人々の物語。 専業をバカにする気持ち、わかる… でも実際子供が産まれて仕事復帰してそれなりにやろうとすると大変なのも経験済み。お互いの立場、スキルを尊重し合える社会になるといいな!
1投稿日: 2024.08.29
powered by ブクログ面白かった。内容が好きかどうかは微妙。 仕事を辞めることはせずとも、育休を長めに取ろうかなと思った。ベンチャーキャピタルの仕事の描写は、さすがにちょっと違う気がする
0投稿日: 2024.08.04
powered by ブクログ初読みの作家さん ブグログの感想や 「対岸の家事」のタイトルから 興味を持った 性別や立場が違っても 様々な現実に苦しむ人たち 専業主婦って絶滅危惧種なの?(。-_-。) いろんな感情がでてきたなぁ でも優しさと力を貰えた 面白い、スラスラ読めた 刊行まで5年かかったのも頷ける! 家事や育児は果てしない 先が見えない 家事と育児は仕事じゃないって おかしいよぉ(T ^ T) 母親がやるもんだ!と決めつけもおかしい 最後に 著者の「文庫版に寄せて」を 読んでますますこの初読み作家さんの ファンになった 他の作品も読んでみたい♪( ´▽`) 育児が真っ最中でしんどい方 育児に一区切りついた方も 男女問わずぜひ読んで欲しい一冊 (欲を言えば子育て真っ最中の夫に読んで欲しい!)
45投稿日: 2024.08.01
powered by ブクログ私も子どもが2人いるワーキングマザーですが、専業主婦(夫)は大変だなぁ、と本当に思います。話が通じない、ワガママ放題、子どもの遊びも、大人にとってはつまらないものばかり。私の場合は仕事をすることで逆に気晴らしになっている面がありますが、専業主婦(夫)はそれもできない。仕事をするパートナーからはすべての家事、育児をして当然だと思われやすい。本当に忍耐強いひとしか難しいのではないか、と思います。ただ、この本では、専業主婦をバカにするような面々ばかりが出てくるのはすこし疑問。私の周りには、専業主婦を尊敬する人のほうが多いです。そもそも今の時代、共働きが増えているとはいっても、女性が64歳以下の世帯に限っても、約4分の1の世帯が専業主婦を抱えている世帯です。にも拘らず、専業主婦である主人公が「絶滅危惧種」扱いされたりするのは、ちょっと現実味が薄い気もします。あと、大変なのは家事ではなく、小さい子供の育児と家事をともにワンオペでやらなきゃいけない時かと思います。登場人物も苦しんでいるのは実際そういう人ばかりです。ということを踏まえると、タイトルは、対岸の家事、というよりは、対岸の育児、のほうがしっくりくるかも、とも思いました。全体的な話は軽く、読みやすいですが、話的にはすこし浅い感じがしました。
2投稿日: 2024.07.31
powered by ブクログ朱野帰子さんは初読みの作家さんだった。 『対岸の家事』 読みやすい文体でありながら、身近な社会問題を扱っていて色々と考えさせられる内容だった。 今の時代、共働きが大半を占めるようになった。けれど、どんな時代が来ようとも決して家事は無くならない。 便利家電や代行業も増えてきたが、毎日の炊事、洗濯、掃除はエンドレスで終わりがない。 そのうえ育児、更には介護まで両立していくことが求められる世の中だ。誰しもクタクタになり、心のゆとりがすり減っていくのも、無理はないと思う。 本作では様々な境遇の人が登場する。 元美容師で居酒屋勤めの夫をもつ 子持ち専業主婦、 二児の子持ちで夫に甘えられず 多忙に働くワーキングマザー、 外資系企業で働くバリキャリ妻をもつ 育休中のエリート公務員、 地域の小児科医の夫と結婚し 妊娠にプレッシャーを感じる元保育士、 私には特に主人公の詩穂が潔くて眩しかった。 自分の特性を分析して専業主婦を選ぶ。 子育てに限界を感じた経験を、今度は周りへのサポートに活かそうと奮闘する。そして夫の虎朗のこともちゃんと愛しているのだ。 将来の漠然とした不安から無我夢中で働き続けた私とは大違いだ。 人は生まれ育った環境や時代、これまでの経験や知識によっても、働き方や子育てに対する考え方が大きく異なる。 甘える人がいない、話をする相手がいない、そして追い詰められていく人も多い。 周りでもよくそんな話を耳にする。 私もフルタイムで働き、多忙を極めていた時は、違う立場の人を羨ましがったり、自分のことを卑下したり、思い通りに出来なくて辛い時期もあった。妥協出来ない悔しさが自分を苦しめていた。 でも、誰しも同じなんだろうと今は思う。 本作では、様々な境遇の方の体当たりの日常が垣間見れる。相手のことを知らないで一方的に先入観を持つ前に、やっぱり知ることって大切だなぁと気付かせてもらえた。 人に聞いたり、相談されて、知ったつもりになっていた自分も無性に恥ずかしく感じた。 味方は必ずいる。 自分がまず変わる。 一線を超えてみる。 世の中の変化に翻弄されそうになるけれど、日々の暮らしを大切に、ゆっくり一つずつ目の前のことに向き合っていこうと、そっと背中を押してくれるような作品だった。 刊行まで5年位かかったという本作。 私も作者と同年代だが、子供時分とは大きく働き方が変わり、そういう意味ではよく揉まれた世代だと思う。そんな思いもあって、専業主婦というテーマで、リアルに多角的に執筆された作者のメッセージが温かく伝わって来た。 男女問わず凡ゆる年代の方に読んでほしい一冊。
45投稿日: 2024.07.25
powered by ブクログ主人公の詩穂は不器用だから専業主婦を選んだと言っていたが、こどもと一日中一緒にいられるのは、本当に才能だと思う。可愛くてもやはり私には限界を感じる。仕事しつつでバランス取れてる。 中谷も礼子もそれぞれ凄い。子育てしながらのキャリア、大変だよね…。 私の周りには、主婦は世間のお荷物と思ってるタイプの人はいないから、ちょっと不思議に感じる部分もあったが、共感する部分も多かった。
8投稿日: 2024.07.16
powered by ブクログヤバいぞ、これは プロローグを読んで思った 帯には 子育てで泣いたことありますか? 朝が来たら、また長い一日がはじまる… 家事と育児は重労働です! 本当は助けてほしい! とある 息子が大学生になり お金はかかるが そこまで手がかからなくなったから 『分かる、分かる!』で読めたけど 今子どもが幼稚園に入る前だったら もっと大きく頷いてただろう 今は専業主婦だけど 昼間にランチしてるのだって 誰かと話したいんです! みんな色んな繋がりが必要なんです! 横のつながりが欲しいんです! 介護も育児もそう 家の中だけにいたら行き詰まる だから外に出よう! 一日だけでもご飯作ってもらえたら…って 詩穂が言ってたけど、ホントにそうだと思う 私も一昨日 息子には朝ごはんを作って 自分は喫茶店へモーニングを食べに行った 無性に 誰かが作ってくれた朝ごはんが食べたかったのだ 朝起きて普通にご飯があるって すごく幸せなんだよー 当たり前じゃないんだよ! って世の中の人に言いたい そしてたまには 代わりにご飯作ってください! あなたの生活は誰かのおかげで 成り立っているという事に気づいて下さい 政治家と呼ばれる人 公務員の人に是非読んでもらいたい本です そしてまた 感謝もされない毎日がつづく…
8投稿日: 2024.07.16
powered by ブクログ専業主婦、主夫、ワーママ、それぞれ分断せず協力できたら一番いいよねと感じた。 1人だけで子育てはきびしいっていうのもみんなそうだよね、と。 家事育児でいっぱいいっぱいでも味方はいるよ!と言ってもらえた気分。 フルリモートのワーママ(私)は中途半端な立ち位置すぎてママ友がゼロなんだけど… ご近所付き合いしたい(ただ機会はなさすぎる)とも思った。 あと、ごぼう入りカレー美味しそう! 今はもっぱら夏野菜カレーだけど、季節が変わったら作りたい。
92投稿日: 2024.07.13
powered by ブクログ主人公は専業主婦。 かつては多かったが今は珍しい存在。 故にいろんな見方をされている。 私は両親が共働きだったし、まだ子供がいるわけでもないので専業主婦がどういう気持ちなのか考えたこともなかった。 だけどこの本を読んで、専業ゆえの孤独や辛さなどを垣間見ることができた。 他の読者の感想を見ると共感できる方がたくさんいるのでかなりリアルな気持ちが描かれているのだろうと感じた。 だからこそ、将来妻が主婦になったらきちんと話を聞いたり、一緒に悩んだりしながらすごしたいと思った。 知り得なかった境遇の人物の気持ちを想像できることこそ小説の醍醐味だと思うので本当に読んでよかった。
5投稿日: 2024.07.03
powered by ブクログ自分も子育て中のワーキングママですが、 長めの育休のとき(しかもコロナ化)のときは死ぬほど病んでた、、といまは思います。 主人公の苦悩もワーキングママの苦悩も手に取るようにわかるし、それを解決しようと奮闘する姿は私自身の行動力のなさもプラスして憧れのような気持ちが生まれました。 とても共感できる内容が多く、2日で読み終えちゃいました。
6投稿日: 2024.07.03
powered by ブクログ共感できることが多すぎる。どの登場人物にもところどころ共感した。周りのママ友や夫にも読んでもらいたい1冊。
0投稿日: 2024.06.12
powered by ブクログ面白かった☆ ワーキングママの私としてはシホとイチゴの丁寧な暮らしぶりをすごいなー良いなー私も子供にこんなことしてやりたかったなーと羨ましく思いながら、自分の暮らしぶりに後ろめたさが……。 読んでて面白いと思いつつも、ワーキングママが責められてるような気にさえなってきました(苦笑)一方でシホの周りの人たちのいっぱいいっぱい具合にはわかるよー大変よねーそんなに頑張らなくて大丈夫よーと励ます気持ちで読んじゃいました。 そして専業主婦もワーキングママも育休パパも他にもみんなで力を貸しあってひとつひとつ問題を解決していく様子もよかったです。 仕事も、 家事も、 育児もぜんぶ大変! 一人で解決しようとせずに寄り添いあうことが大事ですね。
1投稿日: 2024.06.09
powered by ブクログきっと、大丈夫。悪いようにはなりません。 いつか笑って話せます。 あなたの寂しかった日々が、誰かを助ける日が来ますから ゆっくり、ゆっくり。 不器用でも時間をかけてやればできるようになる。 時間はたっぷりあります、と微笑める人でいよう。たとえ頭の中は夕飯のことでいっぱいだったとしても。 礼子も中谷も白山にもみんな共感する部分があった フル稼働で走り続けている人 余裕ゼロでも立ち止まれない、休めない、泣いていられない… 頑張り屋で真面目で努力家だからこそ、必死に頑張りすぎてしまって、心に余裕がなくなってしまった人たち そんな時、そっと背中をさすってくれるような本でした
1投稿日: 2024.06.08
powered by ブクログ"主婦は家庭の総務部" 子育て真っ只中の自分にはタイムリーな内容だった。自分は環境のお陰で追い込まれてないけど助け合いの精神は超重要 改めて"楽な人生を探す"のでは無く、"今の状況をいかに楽しむか"というスタンスで生きようと思った。子育て中の人もそうでない人も是非読んでほしい
2投稿日: 2024.05.10
powered by ブクログ子どもを持ち、そして今後職場復帰する身としては 現実的で大変面白かった。 育児と仕事、その他に奮闘するママさんの姿、色々な家族の形が描かれている。 ワーママでも専業でもどちらが凄い偉いは全く無くて、就労の有無を含め自分で働き方を選べる社会になってほしい。 どんなに育児に取り組みたいパパが増えても、それを受容する社会にならないと何も変わらないと思う。 地域の親子サロンはママばかり、保育園や区役所でもママの方を見て説明。世はまだまだ育児=女性がやるもの、という概念が根付いているような気がする。
11投稿日: 2024.04.18
powered by ブクログ女性は人生の選択によって大きく生活が変わる。 そのせいなのか、あれだけ仲良くしていた友達が人生の異なるフェーズに立つと、焦ったり、話が合わないと感じたり、一人で勝手に色んな感情に振り回されることもある。 でも、自分の選択が不安でいっぱいだったとしても、 自分のペースでゆっくり進めれば、 選択に不正解なんてないよ、と優しく諭してくれる小説でした。 また人生の選択に迷った時に読みたいです。
18投稿日: 2024.04.10
powered by ブクログすごくリアルだった。 専業主婦時代1人で子供とずっといて、今日も大人と言葉を交わすことがなかった、という日々を過ごしていたことを思い出した。 共働きになっても家事はほぼ自分。ヘトヘトになって夫との関係に悩んだことも思い出す。 専業主婦でも共働きでもそれぞれの悩みを抱えていて、どっちに転んでも大変!とずっと感じている。きっと妻も夫もそれぞれ苦しいことがある。でもその日常にも素敵で幸せなところがあり、家族で乗り越えていく過程も後になれば良かったと思えるようになるといいなと思う。
1投稿日: 2024.04.05
powered by ブクログ専業主婦で育児をする詩穂の周りにいる、色んな家庭を描いた話。育休をとる男性や姑関係に悩まされる女性などが出てくるが、個人的には3ヶ月で育休を切り上げて職場復帰した二児のワーママ(ほぼワンオペ)の描写がつらすぎて涙が出た。 仕事も家事もどっちも大変だし、夫婦でどっちが疲れてるかなんて本当に水掛け論。夫婦だって分かり合えないことあるのに、他人の家庭の大変さなんてより分からないよね。ワーママが、専業主婦の大変さを理解できなかったように。 家事や育児をすることが、産んだ女性の責任だし当たり前だと思っている人はぜひこの本を読んでほしい。家事育児は、仕事と同じようにお給料発生するべき!本当に大変です。そして、家事や育児に大切なのはやはり「心の余裕」。焦ってイライラしたときこそ詩穂のように「ゆっくり、ゆっくり」と心の中で唱えたい。家事育児を頑張る人たちが心の余裕をもって過ごせるように、サポートしてくれる社会でありますように。
9投稿日: 2024.03.28
powered by ブクログ主婦のしほがなぜあそこまで優しいのか、私にはわからなかった。ただ、しほのおかげでみんな気持ちが楽になったのはよかった。
0投稿日: 2024.03.24
powered by ブクログ「わたし、定時で帰ります」の朱野帰子さんの作品。主婦とワーママが出てくる話、というのでなかなか覚悟が決まらなかったけど(自分が日々必死すぎるワーママなので)ようやく読んだ。 育休を経験した人は登場人物ほぼ全員に共感出来たり、「自分とは感覚違うけど、その意見も分かる!」と納得できるはず。詩穂が7か月の苺を抱いて屋上から飛び降りようとするシーン、私もこの頃一番辛かったな、と涙が出た。 育児でしんどい人、子供がいて会社で肩身が狭い人、周りと比べて「自分は全然ダメだ」とくじけそうな人、これから子どもを持つ人(特に父となる人)に読んでほしい。
2投稿日: 2024.03.20
powered by ブクログ2歳3ヶ月の子供がいる。 9時から17時まで、息つく暇もなく広告会社で働いている。 お迎えに行き、アンパンマンを見せながらレトルトのご飯を作り、お風呂に入れたら寝かしつけながら一緒に寝落ちしてしまい、また次の日がやってくる。 子どもが可愛すぎるし、仕事もやりがいはあるんだと思う。でもぼんやりいつも限界だ、と思っている。 そんな今の自分には、登場人物のどの感情も身につまされ、ぐぐっと感情移入してしまった。 礼子の、大事な仕事が立て込む中子どもが感染症にかかって、1週間会社に行けずゲームオーバーと感じるところも。 中谷の、体調が悪い時も育児は容赦なく、何も思うように行かずイライラする気持ちも。 自分の母も専業主婦なのに、 認めたくないが、かつては自分のなかにも、専業主婦を軽んじる気持ちがあった。 仕事がつらいときほど、いいなぁ、のんびりできてと隣の芝生が青く見えたり。 でも、子供の三食が自分の手に委ねられている重積も、子どもと遊ぶこの時間によそ様はキャリアを積んでお金を稼いでいるんだ…と虚しくなるような気持ちも、子供を持つ今なら手に取るようにわかる。 自分がこのさき、正社員を降りるかもしれない、という状況だからこそ、 それぞれを受け止めるようなこの小説に少し救われる思いがした。 何を選んでも、他人と比べず、そして他人を落とすでもなく、自分を信じて褒めていきたいね。
2投稿日: 2024.03.04
powered by ブクログ読んでいて何度かふいに涙が出てきた。 時短勤務のワーキングマザーとして、母親業も社会人としても中途半端だと感じて過ごしていた私にとって、削り取られた自尊心を取り戻した瞬間がたしかにあった。 「あなたのやっていることは価値のあることだ」「未来につながる仕事だ」と背中を押してもらえた気がする。 日本に住む全ての人に読んでもらいたい。ひょっとして、あの人にも外から見えない事情があるのかなと慮ることができれば世の中もう少し生きやすくなるんじゃないかな。
4投稿日: 2024.02.11
powered by ブクログある時まで専業主婦だったなあと、外に出る様になって子供達や家事は非協力的な旦那さんが居てワチャワチャな日を蘇らせてくれた本でした
12投稿日: 2024.02.08
powered by ブクログどのような立場においてもそれぞれの大変さだとか感じるものがあり、それらを内面的ものまで俯瞰することができる小説というものありがたさを感じることができました。
1投稿日: 2024.01.13
powered by ブクログ専業主婦はたしかに今の時代では珍しいのかもしれない。 珍しいから少ない、少ないから専業主婦の人たちも出会いや友達がないんだろうなと思う。そして孤独になる。 特に最近は、公園での規制もあったり、 スマホやゲームが普及しているから子供だって外で遊ぶわけじゃない。 そうなるとどうしても家に篭りきりになる。 いざ助けを求めようと思っても、それはできないし、 町のイベントでの出会いも、そもそもイベントがいつあるかも分からない。 保育園だって兄弟別々の保育園に入園させられてしまう。 子育て時代には窮屈な時代だなと思う。 詩穂はその中でも逞しいし、どんな相手でも手を差し伸べる。 周りにこういう人がいてくれてたことがないけど、 きっと心強いし、頼ってしまうんだろうなと思う。 子育ての話、町のイベントの話、旦那の話、自分の話、 誰かと話すって子育てをしている人たちにはすごく大切だと思う。 手を差し伸べ合える、ママ友やパパ友を見つけていきたいな。
5投稿日: 2023.12.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
世間では何かと風当たりが強い“専業主婦”。でも、主人公の専業主婦・詩穂の慎ましい倹約の暮らしぶりや真摯に育児に向き合う姿勢には心底頭が下がる。 彼女やワーキングマザーの礼子、育休中のパパの中谷、小児科医の妻で元保育士の晶子たちを通して、専業主婦のモヤモヤやワーキングマザーのモヤモヤ…様々な立場の言葉にならないモヤモヤが上手に表現され、それぞれ繋がり協力し合っていく姿にパワーを貰った。 働く働かない、子どもがいるいない、選ばざるをえない生活の中に自分なりの喜びを見出して生きていきたいと思う。
0投稿日: 2023.12.29
powered by ブクログ「きっと、大丈夫。悪いようにはなりません。いつか笑って話せます。あなたの寂しかった日々が、誰かを助ける日が来ます」 子育てや家事に参っているとき、詩穂のこの言葉は本当に救われるなぁと思った。 主婦ってほんと大変で、そのどうしようもない気持ちにも激しく共感してしまった。 ワーキングマザーの大変さもわかるし、とにかく登場人物の全てがリアルで、けど希望にも溢れていて、とても読み応えのある話でした。
4投稿日: 2023.12.15
powered by ブクログよく取材されて書かれているんだろうなと感じるくらいリアルなあるあるが作中に多く見られました。 だからこそ?なのか、現実離れしすぎてる描写が目につくというか、読んでいて時々「いやいや〜」と感じる部分もあって少し残念でした。 (中谷パパ、いくらなんでも初対面の人にそんなこと言う!?とか…笑) 現実社会の問題をテーマにここまでリアルに踏み込んで描くなら、会話とか人物描写にもう少し拘ってほしかったです。 あと小さい子供と一緒にいて、あそこまで落ち着いて大人の会話は現実できませんね。実際は、抱っこ〜!とか○○やって〜!とかママも一緒に〜!とかうるさすぎて大人同士の会話なんか全然できません。 苺ちゃんが相当聞き分けよくて良い子なのかな?笑
3投稿日: 2023.12.14
powered by ブクログ今や主婦は絶滅危惧種というのは、現実の話。共働きで子育てをするも、家事はなぜか女がやるもの。 主婦は、ママ友がつくれずワーママは仕事と子育てと家事で死にそうになりながら仕事をする。 国は少子化を止めたいが、保証も少なく賃金も上がらず、少しはおしゃれする余裕も欲しい。そしたら、働くしかない。 じゃあ旦那はいらないんじゃないかと精子バンクで妊娠して出産しても、受け入れる社会もなければそのような状況で産んだ子の子育ての仕方も分からず、上手く子育ても社会参加もできない。 ぜひ読んでもらいたい。これが、今の日本だ。
4投稿日: 2023.12.10
powered by ブクログ今は寿退職などない時代、女性も当たり前に、結婚後も働くようになった。今の女性は、仕事、家事、育児にと大忙しだ。男性側も、養うより、女性にも働いてもらうのが当たり前になっている。家事も分担。時代はいつの間にか変わったのだ。 主人公の詩穂さんは、家事も育児もゆっくりでも丁寧にしっかりやり、可愛らしい女性のようだ。人との出会いでも、困っている人は助けたい気持ちがあり、最後には人を味方につけてしまう魅力がある。 ママ友を作るのも内気な人には大変なことなのだけれど。 とにかく、どの立場の人も、大変なのだ。どの立場の人にも読んでほしい本ですね。
1投稿日: 2023.11.19
powered by ブクログサクサク軽い感じで読めると思いきや、扱ってるテーマはかなりベビー。登場人物もみんな魅力的だけどみんな闇を抱えてる。 人はその人の立場に自分が立ってみないとその大変さは想像できない。少なくともその人の立場や大変さを立ち止まって想像してみるくらい余裕のある自分でいたいと思った。 私も育休辛すぎてすぐに仕事復帰し、かつワンオペだったので、ワーママの辛さも主婦の辛さもわかりすぎて感情移入しすぎてしまった。あまりに自分に近いテーマでグサグサと刺さりまくるシーンばかりだった。
5投稿日: 2023.11.15
powered by ブクログ子育て真っ最中の私は、心の中で、わかるわかる〜!と頭がもげそうなくらい頷きながら読んだ。 子育ては、側から見れば「可愛い子供」と「お母さん(またはお父さん)」という2人の人間で成り立っているけれど、リアルでは、言葉の通じない子供を相手に、親はひたすら一方的に話しかけ、子の生命を守るために、大小数えきれないほどの決断を1人でくだし続ける孤独な状態なのだと思う。 子育てに必要な気力体力は共に、子供を持つ前に想像していたそれを遥かに上回っている。孤独もしかり。 だからこそ、やっぱり子育てをする親が、まずは自分自身を1番大事に、心身が健全な状態をキープする、ということが最優先である、と思う。それが出来て初めて大切な子供を守ることができる。 そのために、周りの人、サービス、あらゆる便利グッズも頼りに頼りまくって、育児をする工夫をしていかなければいけない。 特に専業主婦は、社会との接点という意味では、繋がりが希薄になってしまう傾向があるので、様々なコネクションを作ることが大切になるし、周りの人も意識して関わりを持つことで、救われる人がいるのだろうと思う。 そんなことを感じた本でした。
2投稿日: 2023.11.12
powered by ブクログ初読み作家さん。 すごく考えさせられた。 自分はどちらかというと坂上さんに近い立場だけど。 うちのお嫁ちゃん、何か辛いことはないかな? 大丈夫かな? とても気になった。
0投稿日: 2023.11.11
powered by ブクログ気になっていて、ついに読んだ!とてもよかった。はは〜いや奥深いな…28になり、本格的にアラサーになってきた今日この頃、身の回りの女性陣は結婚に出産に、そして仕事に大忙し。家事は仕事ではない、でも主婦は理由がないとなれない、贅沢だという古典的・モダンな考え方が交差する日本。だんだんと主婦も減ってきていて、絶滅種だと感じている。でも「主婦の仕事」という切実な、そして大切で大変なテーマにフィーチャーし、ワーキングマザーやパパ友との関係を描いた作品。こんな存在がいてくれたら、ありがたいだろうな。自分が働いていようが、子供がいようがいなかろうが、こんな存在でいたいな。 p.46 「でも、家事は毎日やらなければならないものだから。1日も休みがなくても、熱があっても、放り出して逃げることができないんですよね。子供がいたら、特にそう」 p.95 自分よりも仕事のできない同期が出世していくのを、この三年で何度も見送った。 「彼らは私生活を犠牲にして仕事に専念したのだから」と、礼子を宥める人もいた。 イマイも、じきに礼子を追い越していくのだろう。 でも、仕事に専念できる人しか出世できないなら、誰も子供なんか産まない。 総務部で行っている採用活動は年々難しくなっている。少子化のせいだ。会社の主力である若者向けの商品の売上も下がる一方だ。でも、上司は市場が縮小を続けていることを嘆きはしても、その流れに必死に逆らって子供を産み、ふらふらになりながら育てている母親たちの家庭内での労働を評価シートにつけることはない。 「あなたのために予定を合わせて会議を設定しているんですよ」 と、言われ、すみません、と頭を下げるたびに自分が縮んでいく。子供なんか産んですみませんと、口の中でつぶやく。でも、これからの社会は誰の世話もしないでいい人たちを中心に回っていくのですか、という言葉も喉まで出ている。 p.99 どこまでも屋根が続いていた。ほとんどの家は電気を消していた。夜とは休むものだったのだ。人間を眠らせるために太陽は沈むのだ。それなのに、遠くに見える高層ビル群は煌々と輝いていて、休むな、と礼子を急き立てる。誰かに押し付けられたわけでもない。これはお前が望んで引き受けた労働なのだ。会社から見たらお前は仕事をしょっちゅう休んでいることになる。子供から見たら母親をしょっちゅう休んでいることになる。お前は既に二重に休んでいるのだ。だからもう1秒も休んではいけない。仕事も家庭、もっと欲張った、お前へのこれは罰なのだ、と。 気を失うことが増えたのは今月に入ってからだ。鍋を火にかけている時や、篤正や星夏をお風呂に入っているときに、意識がふっと飛ぶ。それは数秒だったり、数十秒だったりする。バッテリーの切れたコンピューターみたいにブラックアウトする。気づくと星夏が腕からお湯の中へ滑り落ちそうになっていて、ヒヤリとしたこともあった。いつか子供たちを殺してしまうのではないか。暑さがベランダに出て室外機によじのぼっていたとしほに聞いた時、礼子は震えが止まらなかった。もう無理だと思った。 p.397 「母が父を甘やかしすぎたのも悪いのよね。これが職場の仕事だったらよ?引き継ぎをちゃんとしなかったってことでしょう。自分がいなくなった後のことまで考えて、他部署の人にもスキルを伝えておくようにしないと、マネジメント上、まずいよね。…あ、ごめん、主婦の仕事のことなんか知らないくせに偉そうに。でもさ、試しに玄関まで見に行ってみたら?それで、ヤバい、と思ったら逃げてくるの。でも、ちょっとでも変化があったら、そこは評価して、チャイムを押してみる」
0投稿日: 2023.11.02
powered by ブクログ世の中には色々な家庭があってそれぞれに生きづらさがあるけど、頑張っていこうやという前向きな気持ちになれる本だった。 専業主婦が決して楽ではないような気もするけど、どう考えても専業主婦よりも、外で働きつつ家事をこなす方が大変ではないか、と思ってしまった。 (この本のメッセージはわかっているつもりだが、この考えは曲げられない…) しかし一番強く思ったことは、私たちは誰が大変かという苦しさを比べるよりも、制度や社会が変えていく必要があるということ。礼子の話で強く思った。 社会が共働き子持ち世帯に対してより寛容であるべきだと思うし、そのために当事者や周りが声を上げていく必要がある。 助け合いが当たり前のようにできる世の中になってほしいものだ。
0投稿日: 2023.10.15
powered by ブクログ読んでよかった気持ち半分。読みたくなかった気持ち半分。 私はもうすぐ50歳になろうという、すでに子供が巣立った主婦です。結婚するときに夫の希望もありましたが、自ら専業主婦という生き方を選びました。 それは物語の主人公である詩織と同じで、自分には仕事と家事の両立は無理だろうと考えたからでした。 私の暮らす街は地方都市の郊外という場所で、東京ほど大都会ではないので専業主婦という存在も絶滅危惧種というほどではありません。 だけど、もともと人見知りの性格であることと、近居の姑の人間関係の影響を受けざるを得なかったこととでママ友作りには失敗し、物語の登場人物たち同様、子供が乳幼児だったころにはそれなりの孤独を味わったものでした。 正直、それから年月は流れ… 子供や家族との関係もその時の流れに合わせて変化していくものですから、あれだけ辛かった数年間の記憶っていうのはあまり残っていません。 だけどこの物語を読んで、そのつらかった私の気持ちを代弁してくれているかのような詳細な描写に…涙が出てしまいました。 その涙は、あのころ死にたいとまで思った私はおかしいわけじゃなかったんだ、みんな同じだったんだという安心感と… あぁ、忘れていたのに思い出してしまった。あの頃の苦しみがよみがえってしまう…という二つの思いからこぼれていました。 夫は家事も育児も積極的にかかわろうとしない人でした。 そんな彼に何を言っても無駄だと早々に私はあきらめて、一人で抱え込む道を選んでしまった。 子供が成長するにつれて私の負担も少なくなって、夫婦としてもそれなりに良いところもあるのだからと他に目を向けて何とかやってきたけれど… あの頃の恨みつらみを思い出してしまったというか… 若い世代の人はぜひとも読んでみる物語だと思います。それは女性だけじゃなく男性にも。 特に新婚さんとか、結婚を意識している方とかにはぜひ読んでみてほしい。 だけど私のような中高年には… 今さら十数年前のことで夫婦げんかになりたくなかったらちょっと気を付けた方が良いかもしれませんね。
1投稿日: 2023.10.12
powered by ブクログ独身37歳の男が、職場の育児時短勤務を取っている女性や育休取得の男性の気持ちを理解するのに、多少は役に立ったような気がする。少なくともイメージはできた。 育児のアプローチはそれぞれだけど、環境を良くしようと取り組んでいる姿勢は同じであり、立場の違う3人がお互いを理解し合い、良好な関係を築けるようになったのは、他の場でも活かせる人間関係構築のヒントとなるような気がした。
4投稿日: 2023.10.11
powered by ブクログ作中の紫陽花は、地味で変わり映えのしない日々に唯一の彩りをもたらしてくれる存在なのだと思った。 様々な立場の人が出てくるが、専業主婦や兼業主婦、母親、父親関わらず、誰もみな1人で頑張り続けることはできないからこそ、どんな形であれ、頼ることのできる存在が必要で、また頼ることのできる人が子を持つ親として一番強い存在なのであると改めて感じた。
1投稿日: 2023.10.09
powered by ブクログお役人たちは全員読むべき本だと思います。 日本はマイノリティに冷たい社会だと感じていました。昔は働く既婚女性、特に働く母親は非難されがちだったけれど、今は専業主婦が叩かれる世の中。生きづらいです。 子育てに専念したいと思って専業主婦を選んでも、子供に手がかからなくなった時には復帰が難しい。わたしの周りにはそういう高学歴女性が何人かいます。年齢やブランクで簡単にはねられます。もったいない限りです。 一方、経済的理由でお子さんが小さくてもお仕事に復帰された方もたくさん知っていますが、一部のお子さんはお母さんが仕事を始めてから心身に不調を訴えるようになって悩んでいるという話も直接聞いたことが何度もあります。 (共働きを批判する意図ではありません。) 女性活躍、言葉だけ聞けばなんだかきらきらしているように見えますが、女性自身がどんな選択肢を選んでもそれぞれ輝ける、かつ、社会の宝である次世代を担う子供たちの心も置き去りにしない、そんな社会になれば、、、と願わずにいられません。
2投稿日: 2023.10.02
powered by ブクログ家事にフォーカスして、色々な人の立場から家事を見つめ直した作品。誰でもできるとバカにしがちであり、それをメインでやる主婦は暇である、主婦は不要という時代の流れに真正面から挑んでいる。 主婦は家事に割く時間に追われているし、逃げることもできず、休むことも出来ない。仕事の内容を調整すれば時間を作ることはしやすい。その時間で、主婦が世の中 を助けてくれる存在なのかもしれないと思った。 バカにしていいものでは決してないなと感じた。 印象的な部分 飛行機雲をこどもみる描写で、 何も役に立たない時間だ。でも、いつか耐え難いほど辛いことがあったとき、前に進むために人が思い出すのは、こういう、ゆっくりと流れる時間かもしれない
2投稿日: 2023.09.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昼過ぎから家事の間に読んでその日のうちに読了。 とても考えさせられる一冊でした。 この本を読んでいると子どもが赤ちゃんの頃の育児を思い出して辛かったな、今思えば笑える、などいろんな感情と共に記憶が蘇りました。 あの頃を思えば今はだいぶ手が離れたけどまだまだ子育て真っ最中ではあるけど、 読書する時間を持つこともでき、あのとき頑張って良かったと思うことができたこの本に感謝します。
0投稿日: 2023.09.02
powered by ブクログ図書館で借りて読んでいたのに文庫を見かけて購入、再読。 面白かった。 専業主婦、ワーキングマザー、育休パパ、未婚の母、妊活主婦、子育てを終えた女性、独身、それぞれの立場から見える世の中。 実際はこの中でも収入の差や、頼れる親がいるか、とか細々と違いがあって、仲良くなれても表面的だったりする。 子育てとなるとさらに周りと比べる場面もあるし。 人は一人では生きられない、詩穂の芯のあるマイペース感がよかった。 ドラマ化されててこちらも面白い^_^ 多部未華子、江口のりこ、ディーンフジオカ、配役もよい
0投稿日: 2023.09.01
powered by ブクログ専業主婦や育休パパ、シングルマザーの孤独、ワーキングママの大変さ、子どもを持たない選択をした女性に突然来る介護の日々。それぞれの気持ちが本当によく描写されている。 それぞれ、本当に頑張っている。 子どもに関わる仕事をする方は、学生時代にでも一度読むべきではと思う。
0投稿日: 2023.08.24
powered by ブクログタイトルと表紙のデザインが上手い。 ーことわざ「対岸の火事」の意味は、「自分にはまったく影響がなく、痛くもかゆくもない できごとのたとえ。」 である。 〜 表紙のイラストでは、作中にある、海の上の雨は天気予報では観測できない、偶然そこを通った人しか見れない/知りえない。人の涙は海の上の涙、それを目にした人しか知りえない、という詩穂の独特の表現を表している。横の子供のシャツには"苺"のワッペンが見える。横には苺が怖がる花。晶子さんが枯らしてしまったり、時折登場する紫陽花。半分見える女性はワーキングマザーの礼子で、おそらく礼子の涙が通り雨。(もう少し雨粒が見やすいとより認識しやすくて良かった。あるいは足元に雨粒によるシミをつくるとか。) 第五話 明るい家族計画 が一番面白かった。 理論的過ぎて嫌われやすそうな性格の中谷達也視点での、詩穂の一連のエピソード。 一昔前は専業主婦はたくさんいて、みんなこなしてきたことなんだから男とか女とか関係ない、と奮闘するが、それでも1人で家事・育児に追われる日々は孤独であり、大変だと認めようとしないが疲労が溜まっていく。詩穂と交流していくことで、考えが甘いがしかし、ぼーっと飛行機雲を眺める心地良さなど、理論的ではない掴めない何か、ぼんやりした心地良さを感じていく。 誰も彼も、詩穂に甘え過ぎなのだ。時代の趨勢に遅れている不器用な専業主婦にこれ以上、いろいろなことを抱えこませてどうする。パンダの保護地区の担当者になった気分だった。p215
2投稿日: 2023.08.19
powered by ブクログ現代の子育ての大変な日々を主婦の視点、共働き夫婦の視点で描きます。そうそう専業主夫もいます。 ただ舞台が都会なせいか、やたら主婦に厳しい感じがしますがどうなんでしょうか。田舎だと子育て主婦は珍しくないので、ピンとこないところもあったり。。。 ただ、子育て女性があまりにも報われてないのはその通り。働く男性陣にはぜひ読んでほしい一冊でした。
0投稿日: 2023.08.17
powered by ブクログ私は幼稚園時代にいじめられっ子だったため、自分の子どもがこんな思いをするのは耐えられないと、最初から子どもを持つ気がなかった者です。だけど結婚すればそれはそれはいろんな人から「お子さんは?」と聞かれる。「ほしくないんです」とは言えないから「いいえ」と答えると、「そのうちできるわよ」と同情の目で見られ、可哀想だと言われたこともあります。 結局、既婚でも未婚でも、子どもがいてもいなくても、本作のように誰かから見下される。でも自分より下の人がいると考えることで、もしかしたら生きていられるのかもしれないと思うほど、毎日は大変。みんなできることはちがう。だったら見上げ見下すよりも、お互いを認めて「味方」はひとりでも多いほうがいい。 日々の心持ちを教えてもらったように思います。
2投稿日: 2023.08.16
powered by ブクログタイトルセンスに惹かれて購入。家事に関わる全ての人におすすめしたい。 本書では子育てに関する諸所の社会問題を、違った個性を持つ最小人数のキャストがストーリーを紡ぐ。 若干のミステリー要素も読み進める要素となっている。
0投稿日: 2023.08.16
powered by ブクログ「子育てで泣いたこと、ありますか」 帯につられて購入。子育てと向き合っている人なら皆、響くフレーズなんじゃないかな。 今やマイノリティとなってしまった「主婦」の詩穂さんが主人公。 主婦でも、ワーママでも、育休主夫でも、一人でする子育ては、なんて孤独なんだろう。孤独で、不安で。でも助けてって言う相手もいない。大変さも分かってもらえない。逃げ場の無い家事と育児に、そっと寄り添ってくれる小説だった。 逃げ場のが無いって思い込んでても、良く見たら、救いは近くにあるのかもしれない。日陰に咲く紫陽花を探すように。 「あなたの寂しかった日々が、誰かを助ける日が来ます」 この言葉に、たくさんの一人ぼっちの育児のママやパパが救われるといいな。私みたいに。
2投稿日: 2023.07.18
powered by ブクログ登場人物みんなに、ある場面では共感し、ある場面ではイラッとし、と揺れる心で最後まで読み進めることになった。 自分も(物理的な面では少し楽になったとは言え、現在進行形ではあるけど)、こんな悲しみも絶望もイライラも悔しさも、果てしない疲れも、もちろん子供の成長に対する喜びも、いろんないろんな気持ちを感じながら、ただひたすらにがむしゃらに突っ走ってたなぁ…。 もう少し「ゆっくりゆっくり」を合言葉に日々過ごしてたら、なにかが変わってたかなぁ。
0投稿日: 2023.07.16
powered by ブクログワーママは専業ママをあんなにあからさまに見下したりしないよなあとちょっと違和感。専業母の丁寧な家事環境で育った事で、家事能力が乏しいのに生活レベルだけは維持したい人が大量生産されたとあったが、確かにお母さんはこんな事してくれたのに私はできてない、と後ろめたい気持ちにはしょっちゅうなっている。資産であった主婦の母も、要介護になれば負債になる、悲しい現実。子育てと介護、近所で助け合えれば理想だが実際は難しい。一方はどんどん手が離れていくのに、一方はどんどん手をかけないといけなくなるから。
0投稿日: 2023.07.11
powered by ブクログ久々にいい本に出会ったなあ、という感じ。自分が働きながら子育てしてるビジョンは全く湧かないし、かといって専業主婦してる様子も浮かばないが、どちらに転んでもそれぞれ大変なことはあるんだろう、としみじみ思わされた。
0投稿日: 2023.07.11
powered by ブクログ家事労働を主役にした物語。 私もまさに今家事に育児に仕事に追われて生活してるので、心に刺さる場面がたくさんあった。お父さんもお母さんも子供がいてもいなくても、みんなそれぞれ色んな事情を抱えて生きているんだなと気づかせてくれるお話。 『人生の最後、目を瞑る前に、あの頃が1番幸せだったと思える日々を、いま生きている。』 疲れた時に、また読み直そうと思う。
5投稿日: 2023.07.09
powered by ブクログ話の続きが気になって、半分を過ぎたあたりから斜め読みしてしまった これから母になる予定なので子育て中の登場人物の何気ない日常や悩みが参考になった 私は小説のネタにできないような平凡な日々を過ごしたいから自分に期待しすぎず色々諦めて楽しく家事育児したい
0投稿日: 2023.07.08
powered by ブクログ印象に残る文章がたくさん散りばめられていた。 子育て中の閉塞感、すごく伝わってくる。みんな必死。世の中みんな生きやすいようにしていこ。まずはひとにやさしく。
7投稿日: 2023.06.29
powered by ブクログタイトルに惹かれ図書館で。昨今子育て事情のフルコンボ。子が保育園の間はワーママしか居なかった。小学校に上がって専業主婦が一定数居ることを実感していたのでリアル。20代シングルワーママの鼻からマイノリティ設定なので周りと比べるラインが少なく居心地は良い。
6投稿日: 2023.06.26
powered by ブクログよかった! 専業主婦、ワーキングマザー、育休中のパパ、それぞれの葛藤や悩みがうまく描かれていたと思う。 共感できる部分も多かったし、詩穂の朗らかな子育てに尊敬。
1投稿日: 2023.06.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
専業主婦、ワーママ、育休を取るパパ、様々な立場の登場人物のバックグラウンドが丁寧に描かれ、育児をする母・父の孤独など現代の問題を描きながらも暗い気持ちにならず、前向きな気持ちになれる結末で良かった。全体的にも読みやすいかった。
1投稿日: 2023.06.26
powered by ブクログ共働き家庭の私。出来ればずっと仕事していたい。 だから専業主婦のことなんて普段考えたこともなかった。 この本のように別の属性同士、こんなに上手くいくこともあるのかな? 今の私にはあまりピンとこない。 いつかまた読み返したら違う感想になるかも。
1投稿日: 2023.06.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おもしろかったです!!! 最初はワーママもパパ友もなかなか強烈な思想&キャラクターで、志穂さんに成敗されるの?とビクビクしながら読んでいた私は所謂ワーママです。 全然そんな話じゃなく、ゆるやかに暖かく雪解けしていって、素敵な終わり方でよかったです! 紫陽花の時期に読めてよかった。 私も4月に職場復帰してめちゃくちゃ家が荒れていてどうしようもなくイライラする日もありますが、自分を卑下せず周り、というか夫を頼って(ここ大事)頑張ろう。と思えるお話でした。
1投稿日: 2023.06.16
powered by ブクログ感想 風穴を空ける助言。立場が異なる人は時として的外れなアドバイスをする。しかしどこかに救いとなる要素は隠れている。見つけるアンテナも必要。
0投稿日: 2023.06.05
powered by ブクログ最初の方は、それぞれの立場の他人からは見えない苦しい部分が書かれていて、どんどん読み進められたが、最後の中谷の家の問題だったり、手紙の差出人を突き止めるシーンは現実離れしていてあまり入ってこなかった。 私以外は他人で、人の気持ちを100%理解することはできない。そのことを強く感じさせられた小説でした。
1投稿日: 2023.06.04
powered by ブクログ政治の中枢にいるおじさんたちが読んだらどう思うのだろうか。 「小説の中の話」と思うのだろうか。 現実が小説以上に酷で厳しいものだと想像できるだろうか。 女性管理職を増やせ、少子化だ。産めよ、働けよ、スクスク育てよ、、、そんなんできるかーーーと叫びたくなるのは私だけじゃないだろう。 どれほど母の負担があるのか、いったい誰がわかってるんだろう。日本の世の中が母親に味方する日はいつ来るのか。 と書かずにはいられない、共感の嵐でした。
4投稿日: 2023.05.29
powered by ブクログ登場人物それぞれと描写が丁寧で、引き込まれる本でした。もうすぐ母になる私。辛い時は抱え込まずに周りに助けを求めなくてはと改めて決意。
1投稿日: 2023.05.28
powered by ブクログ隣の芝は青い、ということ! 主婦の主人公は、自由に生きているように見えて、ワーキングママは、仕事も家事も両立しているように見えて、イクメンは、キャリア計画もしっかり立てて人生計画ばっちりなように見えて、医者の奥さんは、いいところに嫁いだように見えて。 でもそんなのは一部分にしかすぎなくて、ほんとは稼ぎがないことを気にしていたり、仕事も家事も中途半端になっていたり、パパだからという理由で偏見を持たれたり、監視されているような息苦しい生活をしていたり、みんな悩みがあるのだ。 人生ってほんとそんなもん。人の自慢話を聞いて、SNSを見て、他の人と比べて、「ああなんて自分はこんななんだろう」と落ち込んでも、実際そんなの正しく人を見れていないのだ、比べられてもいないのだ。羨ましがるような側面は、氷上の一角に過ぎない、みんなそれぞれ悩み、苦労、辛さがあるのだ。 それを意識しないといけない。それを理解しないといけない。 自分にもある、あの人にもある。そうなることで悩みを打ち明けやすくもなるし、聴きやすくもなるんじゃないかな。そうして誰かの手を掴んで、孤独がゆっくりゆっくり消えるんじゃないかなと思った。 誰かがこのぽっかり空いた黒い穴を埋めてくれるのを待つのではなくて、自分から埋めに行こう。気づいたらゆっくりゆっくり埋まると思う。
2投稿日: 2023.05.27
powered by ブクログ凄く面白かったです。 それぞれ事情を抱えた母親の視点から表現される物語。 この"事情"が本当にリアル且つキャラクターも個性的。 朱野先生が5年を費やした緻密な取材が生かされてます。 本当に"家事"の事を分析されていると読んで思った。 更にこの本を読んで思った事は、夫婦(家族も含む)は お互いに尊敬しあって支え合う事が大事と分かった。 あと、"助け合い"も大事ですね。 詩穂の行動はお節介に見えるかもだが、 周囲を巻き込む力と絶妙な連携がコミュニティを生む。 スポイトなんかで、命の誕生は嫌でしょ! 目の前で言ってやる! 「そこに愛はあるんかっ??」と(笑) 僕も結婚したら家事を一緒にやりたい。 最近、そこに幸福を感じる。 ま、相手がいたらね(笑)アハハ!
11投稿日: 2023.05.25
powered by ブクログ多様性の時代と言いながら、やっぱり自分と何もかも異なる環境にいる人のことを理解するのは難しいなと思った。この話のように、互いに支え合うことができれば理想なんだけれど。
4投稿日: 2023.05.04
powered by ブクログ1世代前は専業主婦が当たり前だったけど、今はほとんどの人が色んな事情はあれど働いている。それでも家事や子育ては女性の負担が多くなってしまうのが現実。 完全に分担してる家庭なんてどれくらいあるだろう。 会社はやっぱりまだまだ男性社会なのに、そこだけ変化してるが故の問題点。女性はいつの時代も支え合って生きていかないといけないんだね。
2投稿日: 2023.04.28
powered by ブクログ完璧を求めると際限がないし、中々のスキルを要求され向き不向きもあるのに誰にでもできると軽んじられがちな家事。しかもプラス幼い子の育児も同時に行うのはかなりのマルチタスクなのに、ワーキングマザーより下に見られる専業主婦が主人公のお話。多分羨ましいだけなのに、専業主婦を下に見ることで自分を安心させているのだろう。私は誰とも会話できず、ただ家で子どものお世話に明け暮れて終わる毎日の孤独感に耐えられず、働くことを選んだ。地域に頼れる存在、愚痴を言い合える人がみんなにいればいいのだが。詩穂のようなママ友が欲しい。
2投稿日: 2023.04.27
powered by ブクログタイトルが内容とピッタリ。 家事育児は専業主婦が担ってきた。なぜそうなったのか、、、男のせい、女のせい、社会のせい、いろいろ理由はある。 「誰のせいでもない」と結論は優しいが、 そんなことを言って「家事をやったことなさそうな人がこの国を作っている。」状況のままだと家事育児を担う人が疲弊してしまう。変化を起こしたいと思った。
2投稿日: 2023.04.15
powered by ブクログ面白かったー!続きが気になって、どんどん読んだ。 今まさに専業主婦をやっている私。しかも、子なし。 少し前までは共働きだった。 村上詩穂、長野礼子、どちらの気持ちもわかるなぁ。 詩穂フィルターなのか、すべての登場人物、根っから悪い人はいないし、どの人物も嫌いじゃないな、と思う。 専業主婦だろうが、共働きだろうが、 助けを求めることができる人が周りにいること。 それが一番大事だな、と思った。 詩穂の「この世の中はみんなが言うほど悪くない」って言葉、心に染みる。
2投稿日: 2023.04.12
powered by ブクログそれぞれが抱える孤独は深いものの、からりと明るい文章と平和な日常で暗くなり過ぎずに読みやすく。 詩穂の無知さに、お友達の専業主婦を思い出してしまった。若く働かずして結婚し海外駐妻。話すとあまりの無知ぶりに、え?と思うことがたくさんだけど、とても優しくしてくれるし、誰のことも悪く言わないし、ほんわかした雰囲気の彼女。でも、やっぱり攻撃的な駐妻にターゲットにされたり色々とあるみたいだけど、それでもめげない。 結局、彼女も詩穂もそうだけど、自分の幸せを感じられる人がいちばん強いしそれがいちばん大事なんだな。 そして家事を丁寧にすることは、時短家事と同じ位大事だと共感した。
2投稿日: 2023.02.12
powered by ブクログ妻が購入した本。何となく置いてあった。 読み終えて「対岸の家事」と言うタイトルに納得。子育てが落ち着いている今実際に当時、妻はどうだったのかと思った。この本の内容が誇張されているのか、的を得ているのか、後で妻に聞いてみようと思う。 是非、新米パパに読んでもらいたい一冊。 とても良い作品だと思う。
11投稿日: 2023.02.04
powered by ブクログ名も終わりもなき家事を担い直面する孤独。専業・兼業主婦と主夫たちに起きる奇跡! 文庫版限定付録「うちの奥さん、主婦だけど。」&「文庫版に寄せて」収録。
0投稿日: 2023.01.31
powered by ブクログ中学から家事をしてきて父を見捨てた過去をもつ専業主婦の詩穂。 共働きで2人の子持ちの礼子。 母親にトラウマを持つ専業主夫の中谷。 境遇が違うママ、パパがそれぞれいっぱいいっぱいになって、でも乗り越えて助け合って子育てに奮闘するお話。 溜め込んで壊れちゃうのではなく、 誰かに助けを求める事の大切さ、尊さを説いている。 イマイと礼子の認め合うシーンが好きでした。 無理ゲーだな。プレイする側がバグを見つけて、そうやって業界を育てていかなきゃダメなんです。
1投稿日: 2023.01.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
子育てって大変だろうなー! なかなか詩穂が好きになれなかった。なんでだろう。 読みながら、クッキングパパの虹子さんのエピソードを思い出した。 きっとみんな、そんな夜を乗り越えているんだろう。虹子さんには優しいピアノの音、詩穂には紫陽花。とはいえ、紫陽花があまりにもしつこい…。
2投稿日: 2023.01.29
powered by ブクログ坂上さんの教え「新しい料理を作ってみる」「味方を増やしておく」が勉強になった! どんなに世の中に便利なモノが出回ったとしても、最終的に人を助けてくれるのは、モノではなく、人。 人付き合いってめんどくさかったり、時間の無駄に思えたりすることもあるけど(笑) でも、人との温かい交流よりも、大切なものはないなぁと改めて思った。 そして、自分がどんな立場であっても、相手を思いやったり気遣ったりできる心の余裕は、持っておきたい。 そのためには、まずは自分が楽しく暮らすことが、一番大切なんだと思う。
2投稿日: 2023.01.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
屋上の手摺りに手を掛けた詩歩やゲームオーバーと玄関の前で呟いた礼子にあの時の私が重なって あぁ、少しでも前に進めていたんだな。 と今やっと自分で自分の頑張りを認めてあげられたような気持ちになった。 そして私の中にも母のようになるまいと完璧に家事と育児をこなそうとする中谷がいる。 世の中の父親たちにも家族のために頑張ってくれてありがとうと伝えたくて、母親たちにはどうか坂上さんのような存在がそばにありますようにと願いながら今日も私は我が子たちのために必死に家事をこなしている。
1投稿日: 2023.01.18
powered by ブクログ専業主婦の村上詩穂は毎日娘との生活に疲れ孤独だった.ほとんど共働きの社会で専業主婦というのはいいですねと言われるが、現実は厳しい労働。そんな彼女もまわりの人々に助けられたり、助けたりして自分にできることを見出していく。育休中の中谷さんやワーキングマザーの長野さんなど登場人物にもストーリーがあり、面白く読めた。奥さんの話を我慢して聞いてやってると言われる詩穂が怒ってしまうくだりはあるあるネタだなと思う。
2投稿日: 2023.01.15
powered by ブクログ誰もが1番自分が大変で自分を守るために自分の考えを正しいと主張するのに何故か幸せではない。そして関係ない人を傷つける。主人公に皆が甘えて抱きしめてもらっている感じにちょっとなんだかなとは思ったけれども。 主人公の相談相手?の、主婦は味方を作るのも家事の1つ。寂しかった日々が誰かの役に立つ日がくる。こんな風に言ってくれる人がいたらと思う。そして自分も誰かにそんな言葉をかけてあげられるようになれるのかな、、、。
17投稿日: 2023.01.02
powered by ブクログ専業主婦が減っていると感じてはいたが、世の中の価値観までもが、こんなに変化していたとは… 少し前までは、ママ友関係のややこしさを題材にしたものが多かったのに、現在はそのママ友を探すことが困難になっている。 仕事も家庭も、中途半端で凹みながら踏ん張っている自分の毎日を、理解してもらえたような温かい気持ちになりました。 、
2投稿日: 2022.12.28
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絶滅危惧種の専業主婦、志穂。 彼女の周りにいるイケダン、ワーキングマザー、医者の奥さん、ご近所の大先輩。主婦に冷たい世の中かもしれないけど、家事育児の大変さは経験者にしかわからない。 みんなたくましく生きてる。 大事なのは自分一人で生きようとしないこと。 助け合いながら、一緒になって、子育てしていきましょうよ。 著者の有名作品『私、定時で帰ります』も読んでみたい。
1投稿日: 2022.12.06
powered by ブクログとっても面白かった。他の作品も読みたい。 主婦がマジョリティだった時代から、共働きが主流のいま。じゃあ誰が家事育児をやってるの?という問い。 育休中のわたしはいまは主婦みたいな生活だし、話し相手がいない、仕事から終わった旦那さんに毎日話を聞いてほしい、という気持ち。 でも話す内容は近くの豆腐屋さんが移転した、とか川のカルガモが六匹になってた、とかそんな素朴な話ばかり。 わかるーーーーー 共感の嵐 しほちゃんみたいなママになりたい
0投稿日: 2022.11.25
powered by ブクログ凄く好きな本だった! ドラマ化もされた『わたし、定時で帰ります。』の著者が描く、主婦という名の労働のお話。 共働きの夫婦が多くなっていく中で、専業主婦と言う道を選んだ詩穂。 そこに携わる人々との交流。 それぞれに価値観があって、その価値観からしてみると、他の人は異端に思える。 でも、寄り添ってみれば気持ちも分かる。 他人との関わりってのは、煩わしくもあるけれど、こんなにも暖かいものでもある。 誰もが無理をせずに生きられたらと思うけど、それはなかなか難しくて、せめてそんな時に頼れる人がいる事。 それがどんなに大切か。 暖かい気持ちになりつつも、考えさせられる。 そんな素敵な作品でした。
0投稿日: 2022.11.24
powered by ブクログ専業主婦、パパの育休、ワーキングマザー、シングルマザーの子育てに関する物語。 親になっても誰かに頼る、吐き出すのが強さなんだろうな。 すべての子育てする方に無理はしないでって伝えたい。
0投稿日: 2022.11.14
powered by ブクログ専業主婦・ワーママ・主夫 家族を思う気持ちは同じなのに、自分の人生自信がなくてお互い溝があって悩みがあってどこで折り合いをつけるのか。 すごく共感をもって読める話でした。
1投稿日: 2022.11.06
powered by ブクログ育休中でほぼ専業主婦の状況の自分にはすごくささる内容で、自分ごとのようにどっぷりハマって一気に読んだ。面白かったし温かい小説でした。 イマドキ珍しく専業主婦に優しい小説だけど、結局のところ専業主婦である主人公が、家事育児が得意であるように描写されている点が引っかかった。結局専業主婦なら、そこは他の人よりレベル高くて当然、と決めつけているような。家事できないと専業主婦にはなっちゃいけないってことねと思いました。
0投稿日: 2022.11.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
母を亡くし、残された父と娘は2人で助け合って生活し強い絆で結ばれて、娘が嫁ぐ時に美談となる話が多いと思ったけれど実際は詩穂ちゃんケースも少なくない気がした。中学生というのが不幸だったような気もする。家事はやれない歳ではない。そして詩穂ちゃんは器用にこなしていったんだと思う。そして家事が嫌いではないから結婚した後も専業主婦として頑張っている。そんな絶滅危惧種でもある専業主婦の詩穂さんもパパ友中谷さんや礼子さん、坂上さんとの出会いは色んな意味で刺激はあっただろう。父親は後悔しても遅かった。出産後に少しはマシになったかと思ったけれど変わってはいなかったようだ。ここでも父親はチャンスを逃したのだ。詩穂ちゃんは、ほぼ母親に育てられたということだろう。それでも父親には変わりないのだからどうにか和解して欲しいけれど父親の改心がないと難しいだろうな。 文庫版で追加された虎朗のサイドストーリーのおかげてスッキリ読みおえられた。詩穂と虎朗はその後も幸せな家族となっていると思いたい。
0投稿日: 2022.10.17
powered by ブクログ誰がどういう立場であれ、楽ということはなくて、子育てと家事と仕事との両立がいかに大変かということが手にとるようにわかる小説。 それぞれの立場を平等に描いた小説で、苦悩と葛藤と優しさが鮮明に描かれている。
0投稿日: 2022.10.16
powered by ブクログ自分の母親も専業主婦だったから、こう思ってたのかなとか、一人で子育てに家事をこなすのは孤独だったのかなってそんな視点で読めた。ずっと持っておきたい一冊。
1投稿日: 2022.10.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
思ったほど気楽に読めなかったけど今の人は大変だなあ。大変の総量はそんなに変わらなさそうな気もしたがやっぱり大変だろう。
1投稿日: 2022.10.09
powered by ブクログ専業主婦とワーキングマザーの間には深い溝があるもののそれぞれに悩みはある。家族のために、一人暮らしでさえ、気持ち良く過ごす為には欠かせない家事。やるのが当たり前で評価もされず、やらなければ文句を言われ割に合わないともいえる仕事。 今は女性でも子供がいても仕事を続けるのが当たり前になっている。頑張りすぎないで地域で助け合えたらいいのにね。
2投稿日: 2022.10.09
powered by ブクログ文庫本だけど長かった・・・! 作者は書き終えるのに5年もかかったそうです。 今の時代マイノリティとなった専業主婦が中心の話ですが、私が心に残った場面は、主人公と育休パパとの会話。 親に愛されて育った人は、頼みもしないことを愛されずに育った人にする というところ。 私は前者ですが、私の母が後者でした。 なぜ母は祖母の悪口を言うのか、誕生日なのに連絡を取らないのか、不思議に思っていました。 でも、この2人の会話のシーンを読んで、母の話を肯定的に受け止めていなかった私がいけなかったのだな、と気づかされました。 専業主婦の話としてはイマイチでしたが、(世の中にもっと女性のことを理解してくれというメッセージが会話文以外で長々とあり強い気がする。まあ作者が女性だから仕方ないが)家族愛に関しては良かった。 私は、日本の男性会社員はまだ古い考えを持ってる人が大半で、その世代が退職しない限り女性の意見を聞いてもらえないと諦めています。なので、この本を読んでも、共感よりかすごく疲労を感じた。 もう少しハッピーな部分が欲しかったなあ
2投稿日: 2022.10.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
みんなそれぞれしんどくて余裕がなくて、溺れそうになっていることにも気づいていなくて。 人知れずもがき苦しんでいる人達に、詩穂にとっての坂上さんや、中谷や玲子にとっての詩穂のような、助け舟があればいいな。無理ゲーな社会が変わっていったらいい。 詩穂と虎朗の関係性が、ギスギスしていなくて好き。
1投稿日: 2022.10.01
powered by ブクログ自分以外のお母さん達はみんないつも優しそうだなあ と常日頃思っていました。 育児ができることは幸せなはずなのに、何かの修行なのかと思う日々が続いて、辛かった 誰かに助けてもらっても、一時。その一時を感じたらもっと辛くなる そんな日々もありました だから、読んでいて涙が出ました 私だけじゃなかったって 今は子供が大きくなってきて、あの頃の辛さはないけれど、真っ直ぐに育てられるか不安な気持ちはある でも孤独ではなくなって、素直に助けてって言える人たちに巡り会えた 自分と違う環境の人を羨んだり、悩みがないと思ったり そうじゃないんだよって。みんな同じ。 目の前の幸せを感じられるかどうかが大切なんだよって言われた気がしました
15投稿日: 2022.09.24
powered by ブクログそれぞれの女性の立場が書かれている小説。 お互いの立場を理解し合えることで、助け合うことができるってことかな。 子育てはしたことないけど、ひとりで育てようとする人たちがいろんな悩みを抱え、頼れる人がいない人が追い込まれる世の中かもしれない。 みんながもっと簡単に他人に頼れる世の中になればいいなぁ。
5投稿日: 2022.09.01
powered by ブクログ「毎日の家事・育児が大変」 「仕事しながらの家事・育児は無理」 「家事・育児は誰かに任せっぱなし」 いずれかに当てはまる方は共感必至。 読了後、大切な人に感謝したくなる一冊でした。 様々な登場人物によって 今の社会問題が表されていて為になりました。 閉塞的にならないこと、助けを求めることが大事。
2投稿日: 2022.08.31
powered by ブクログ家族のために家事をする「主婦」 その仕事をすることを選んだ専業主婦の村上詩穂。 14歳のときに母が亡くなって以来、実家の家事を全て引き受けて、ついには家を飛び出した。 結婚をして娘をもうけて、それでも(それだから?)専業主婦でいることを選んだ。 この物語には、お隣のワーキングマザーや国交省で働く育休中のパパ友、詩穂を助けてくれた坂上さん(認知症進行中)など、様々な人が出てくる。 結局「家事」というとてつもなく大変な仕事を主婦に無償で押し付ける価値観が、至るところで苦労を生んでいるのだなと感じた。 家事と仕事の両立や家事と子育ての両立にみなが悩んでいた。 中谷さんの母からの仕打ちや娘に対する対応などグッとくるところがあった。 ただ、中谷さんや詩穂のお父さんの考え方や態度はあまり気持ちいいものではないなあと感じた。
2投稿日: 2022.08.25
