
総合評価
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powered by ブクログ上巻でエニグマまで辿り着いたので、暗号の歴史的にはRSAしか残っていないのだが、ナバホ族のコードトーカーから線文字bの翻訳まで説明するとは恐れ入った。とはいえ古代文字翻訳も暗号解読みたいなもんだし、統計と勘によって翻訳できないものはないことを知るのは重要で、例えば暗号のために新しい言語を作るのはあまり効果がないという実例だろう。 またRSAの説明も恐ろしくわかりやすく、最後に量子コンピューティングの話を持ってくるのも心憎い。訳者の後書きにある通り、暗号本の中で傑出した出来だった。
0投稿日: 2025.08.19
powered by ブクログ上巻では数学、下巻では科学→物理学という感じ。 暗号が出来たての頃は生々しい理由からだったけど、今や情報ツールとして私たちが利用しているのも暗号化されているものが身近に沢山ある事を知った。 量子暗号や量子力学、または量子コンピューターなどこれについて初心者だった為もあり分かりやすく纏められていて助かった。 量子力学の本も積んでいるので予習できて良かったと思う。 様々な天才たちが暗号を作成、解読しているドラマチックでロマン溢れるこの行為は現在も続いてるとなると胸が熱くなりわくわくする。 最後が読み手によって合うか合わないか別れそう。 私は進化という意味で楽しめた。 暗号関連ちょっと追ってみたくなりました。
5投稿日: 2025.08.13
powered by ブクログ戦争と暗号あたりまではまだ何者か分かりやすかったけど 一方向関数や量子暗号はブラックボックスに投げ込まれたみたいな感覚でほんとうに難しい 言ってることはわかるけど、これを考えついて実践まで落とし込める頭は中身どうなってるんだって感じる 言ってることはわかる、まで噛み砕いて書けるサイモン・シンが凄いのか 量子コンピュータも手が届くところまで来ていそうだし、現代までのその後版も書いて欲しい
0投稿日: 2025.07.09
powered by ブクログ2025.04.17 上巻に続き、面白すぎた。平易な文章で手応えのある文章に引き込まれた。 第二次世界大戦で、アメリカ軍は暗号舞台としてナヴァホ族を使っていたことは初めて知った。ナヴァホ語という自然言語を暗号として使うというある意味抜け穴のような思考は面白い。 線文字Bの解読の歴史も気持ちよかった。 暗号の鍵配送問題の解決は、一方向関数から始まり、まさかの素因数分解が解となる驚き。地道な計算こそ時間がかかる。 そして、本書は暗号一つ一つの考察を離れ、暗号が社会に対して持つ意味を問う。暗号により個人のプライバシーが守られる社会か、テロリストや犯罪者の抑制として政府が一定の暗号解読ができる社会か、どちらが良いか。その聡明期に現れたフィルジマーマンのPGP。法律が社会に追いつく必要性など現代社会にも通じる課題認識があった。 最後に、RSA暗号を乗り越える量子コンピュータの可能性と、量子コンピュータが可能にする絶対に見破られない暗号の話はもう雲の上のような崇高な議論に思えた。量子について興味が出たから勉強したい。
0投稿日: 2025.04.17
powered by ブクログ### 上巻 歴史において長い間、暗号作成者と暗号解読者の戦いは、暗号解読者優位が続いていた。(多くの暗号は解読方法が発見されてきた)というのが、現代とギャップがあって面白いポイント。 暗号史において、エニグマ解読にまつわるエピソードがやはり上巻の中で一番の読みどころ。 ### 下巻 暗号解読ではないが、類似のものとして古代文字の解読が取り上げられている(古代エジプトのヒエログリフ、古代ギリシャの線文字B)。また、誰も理解できない言語を操るアメリカ先住民ナヴァホ族を暗号通信担当として軍に迎え入れたアメリカ軍の話も面白い。 そして、暗号というものが生まれてからずっと付きまとってきた「鍵配送問題」をついに解決した、RSA暗号の話が暗号史におけるクライマックス。 最後の章では、RSA暗号を解読する可能性を持つ量子コンピュータを紹介する一方、量子コンピュータが更なる強固な暗号を生み出す可能性についても触れている。
1投稿日: 2024.11.18
powered by ブクログマニアックな内容だけど、わかりやすく書いてくれている。暗号ってあまり一般には意識しないけど、実は凄く身近なものだとわかる。
11投稿日: 2024.09.14
powered by ブクログ暗号ってこんなに社会に根ざしているけど、日の目を浴びてない領域ってなかなかないのでは? これからもっと大切になっていくと思うので、自分の情報を守ることに対して、少しは意識を持とうという気持ちになった。 最近はサイバー攻撃もあるので、日本の暗号技術というか、サイバー防衛スキルを高めていって欲しい。今はめちゃくちゃ弱いらしいので。
0投稿日: 2024.06.11
powered by ブクログ上巻をだいぶ前に読んで、ようやく下巻読破。仕事で馴染のあるDES、RSA、Diffie-Hellman、PGP等の暗号技術を作り上げた人々の様子はすごく興味深いものだった。暗号技術はいつも政治的な影響を受けていて、そのあたりの戦いも面白く、また恐ろしさを感じる。技術は良きにも悪きにも平等に機会を与え、使うものの道徳観人間性はいつも問われることは、歴史をみても明らか。いろいろ難しくはあるが、テクノロジの進化はどうやったって止められない。だって、やりたいんだもの。 好奇心は止められんよ。 #技術論のところは、正直厳しかった、読み飛ばしてしまいました。ごめんなさい。
0投稿日: 2024.05.10
powered by ブクログサイモン・シン「暗号解読(下)」読了。下巻では暗号解読に関する過去・現在・未来の大きな流れのようなものから人類の叡智を感じ取れ圧巻だった。例えば、ロゼッタストーンのヒエログリフの解読、普段のモバイル通信に関係するRSA暗号と素数、そして将来運用が見込まれる量子コンピュータと量子暗号。
6投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログ下巻冒頭は太平洋戦争でのナヴァホ暗号から始まった。ネイティブでなければ聞き取れないことを考えると、ある意味最強の音声伝達方法だ。間に古代文字の解読が話題となる。ロゼッタ石のように手がかりがあるものは暗号解読と同じだが、未だ解読されないものがある。そして、いよいよインターネット時代に、非軍事目的で個人情報を守るための暗号の話だ。国家と個人の利益が相反する問題が……。公開鍵、暗号鍵は初級シスアドの参考書で読んだ記憶があるが、暗号のかけ方の理屈は驚くばかり。量子コンピュータによる解読不能の暗号は登場するのか?
1投稿日: 2023.11.25
powered by ブクログ下巻は言語を使用した古代文字の解読から始まり、共通鍵、公開鍵暗号の鍵配送問題の解決、最後は量子暗号の可能性の示唆について描かれる。 インターネットを使用したメッセージのやり取りが当たり前になっている昨今、通信の暗号化は重要な問題だが、その重要さは理解しつつも仕組みの詳細までは把握しているのはごく僅かな人だけなのではないだろうか。なぜなら、特に意識せずともソフトウェアが自動的にそれを行ってくれるため、我々自ら暗号化や鍵の生成を行う必要がないからである。 本書は2000年前後に発表されたものだが、電子商取引が世界中で盛んに行われる日もそう遠くないだろうと予測している。そして2020年代の現在、本書の予測どおり電子商取引は日常生活に溶け込み、誰もが当たり前のように電子商取引を利用しており、その電子商取引は公開鍵暗号を使用した取引により安全性が保たれている。 例えば、アマゾンのようなECサイトと我々が物の売買をするとき、我々が入力する情報はアマゾンが広く公開している公開鍵で暗号化されてアマゾンに送られる。その後、アマゾンだけが保持している秘密鍵で復号化を行うので、通信途中で悪意の第三者に盗聴されたとしても復号される心配はない。(暗号化アルゴリズムは現状強固なものが使用されているが、脆弱性が見つかった場合はその限りではない。)また、サイト側が公開している公開鍵が正当なものかどうかも認証局が発行する電子証明書(認証局の公開鍵)によって担保されている。 ここにきて暗号技術は解読がほぼ不可能なところにきており、昨今の情報漏洩事故の原因はフィッシングなどで自ら情報を漏らしてしまうなどの不注意からくるものが多く、暗号や鍵の解読が行われたことによる事例はないように思える。しかし、今後量子コンピューターによる暗号化が実現されることにより、どう転ぶのかは未知なところではある。ただ、ここまでの人類の暗号に対する歴史を振り返ってみると、当時は絶対安全と言われていた暗号が時代が進むにつれて解読されているということは事実なので、鍵暗号が量子コンピューターにより、瞬時に破られてしまう日はいつか訪れるのかも知れない。
1投稿日: 2023.09.20
powered by ブクログ下巻の「鍵の配送」問題は、こういうことだったのか!と目からウロコでした。RSAとか公開鍵とか、知ってたけどその仕組みが必要となる理由が上巻から来てお腹の底に響きました。 最後の量子のあたりはもうちんぷんかんぷんだったんですが、数学弱い私がよくぞここまで楽しめたな、と思える本でした
0投稿日: 2023.07.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
先住民族の言葉を暗号に使った話では、ナヴォホ語は、言語体系が英語やドイツ語(もちろん日本語とも)と全く異なっていることや、ドイツの学生がこの20年入っていないことから暗号としての使用が決められたとのこと。日本軍でも薩摩弁を暗号として使ったと聞いたことがあるが、言語体系も同じで、薩摩弁に明るいアメリカ人がいないとも限らないとなれば、突破されるのは時間の問題(実際には2ヶ月かかったらしい)だったろうなという感想を抱いた。
0投稿日: 2023.06.20
powered by ブクログ古代文字解読の歴史から、そして現代。私たちが使用してる暗号はどのようなものか?暗号をめぐり争いは生まれなかったか?本当に破られないのか?もし破られるなら、次生まれる暗号はなにか? まだまだ暗号を巡るドラマは終わらない
0投稿日: 2023.06.19
powered by ブクログ単アルファベット暗号から量子暗号まで、非常にわかりやすい文体で書かれており、暗号・数学に無知な素人でも最後まで楽しく読むことができた。 量子力学に簡単に触れている部分では、多少頭が混乱したが、そう言うものだと思って割り切って読めば案外なんとかなった。 汎用的な量子コンピュータが開発されるのはまだまだ先のことかもしれないが、量子コンピュータ≠既存のコンピュータということを理解するためだけでも、この本を読む価値はあったと思う。 もちろん、難攻不落とされる量子暗号の解説も非常にわかりやすく、量子コンピュータの可能性についても大いに考えさせられた(取らぬ狸の皮算用かもしれないが…)。
0投稿日: 2023.05.14
powered by ブクログサイモン・シンの『暗号解読』を一気に読んだ。 これまでにサイモン・シンは『ビッグバン宇宙論』と『数学者の楽園』と『フェルマーの最終定理』を読んだ。サイモン・シンはハズレはないが、その中でも今回の『暗号解読』は最高に面白かった。 紀元前のオリエンタルの古代の単純な暗号から、最新の量子暗号まで、時代を追って色々な暗号技術の歴史が語られている。 しかも基礎知識のない素人でもその暗号の技術がよく理解できるだけでなく、新しい暗号技術の開発とそれの解読に挑戦した科学者たちのドラマと歴史に及ぼした影響を目の前の出来事のように楽しめる。 特に最終章の量子コンピューターと量子暗号に関しては、たった1章が割かれただけなのに、これまで読んだ色々な本と比べても面白くてわかりやすかった。
0投稿日: 2023.05.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
古代文字は結構、当てはめてみたらたまたま当たってたことによって解読されたものが多く、言語学の知識に加えて優れた勘も必要だということにびっくり。しかしトマス・ヤングやジャン=フランソワ・シャンポリオンの言語に関するエピソードは強烈すぎる。 最終章の量子暗号は複雑で難しかった。本を読み進める中で暗号作成と暗号解読はいたちごっこなんだなと感じていたが、量子暗号を使うと絶対に破れない暗号を作れるという事実には驚いた。 この本を読む前はアランチューリングしか知らなかったが、他にも生前には認知されることのなかった暗号専門家は沢山いて、国や軍のために重要な仕事をしているのにも関わらず機密であるため当時の情報が残っていなくて辛い思いをした人が数多くいたことが分かった。
0投稿日: 2023.03.03量子コンピューター
暗号は戦争におけるツールから、現代社会の重要インフラであるITの必須構成要素になってしまった。その中でも特に多用されている「公開鍵暗号」が今 量子コンピューターによって破られようとしている、という事実から際限ない技術進歩を痛感する。著者はわかりにくい概念をわかりやすく解説し、さらに暗号の裏にある人間模様をよく表している。
0投稿日: 2022.08.24
powered by ブクログ中世から現代までの暗号の考案と解読の歴史を綴った一冊。技術とヒューマンドラマが絶妙にバランスされていて、知的好奇心をくすぐられる。訳文も読みやすい。 下巻では、アメリカ先住民のナヴァホ族の言葉があまりに聞き分けづらくて、世界対戦でも暗号として利用されていたエピソードが好き。
0投稿日: 2022.04.16
powered by ブクログ線文字Bの解読、公開鍵を持つ暗号の開発、そして実用化されつつある量子コンピューターと量子暗号について解説されている。 技術的(数学及び量子力学)なことにも踏み込んで説明されており、読み応えがあるが、丁寧に読んでいけば十分に理解できる。 これだけ調べ上げ、わかりやすく表現した著者に脱帽である。また、訳者もわかりやすい日本語に翻訳することに注意を払っていることがわかる。
3投稿日: 2022.01.23
powered by ブクログ暗号って漠然としたイメージしか湧かなかったけど、奥が深いし、そもそも紛争や戦争において、情報伝達と敵陣による情報傍受阻止は、負けないためには必須だったので、歴史はかなり古い。 第二次世界大戦中は、当時圧倒的な軍事力と科学技術力を誇っていたドイツ軍が、かの有名なエニグマを用いていた。しかしポーランド、イギリス、アメリカの数学者たちは、その解読に邁進しついには解読し戦争を優位に進めることに成功する。 今は誰でも使っている、インターネットや電子メールだが、盗み見されないようにどんな仕組みで暗号化されているのか、また受信者だけが中身を見ることが出来るのか、イメージを掴むことができた。 今は量子コンピュータの実用化が近いと言う記事も見られるようになってきたが、その時にはどんな世界になっているのだろう。 期待半分、犯罪については心配でな面でもある。
0投稿日: 2021.11.26
powered by ブクログ暗号技術についてはもちろんのこと、歴史、数学、軍事、政治、計算機技術等々、多様な分野への興味を掻き立てられた。
0投稿日: 2021.06.27
powered by ブクログ暗号とは何か、暗号と解読の歴史、暗号の現在、暗号の課題をこれ1冊で掴むことができる名著。古代ローマから、エリザベス1世、第一次世界大戦、量子コンピュータの時代までを暗号という視座から追う。 単なる解説本ではなく、暗号にまつわる人間ドラマや外交のダイナミズムから暗号の全容を浮き彫りにしている。さらに、伝記や陰謀史で終わるわけではなく、暗号の仕組みや解読に至るまでの思考経路を数学も言語学も分からない素人に分かるように解き明かしてくれる。 プライバシーと治安維持、外交政策と民主主義といった視点から、暗号技術を誰がどう扱うか今後も議論が続くのだと思う。自分はどちらの立場なのか決めきれない。「犯罪組織は治安党局で監視してほしいけど、一般市民のプライバシーは侵害しないでほしい。自国の不利益は困るけど、外交は公明正大に、国民の目が届くように行ってほしい」というのが本音だけど、犯罪組織の定義すら恣意的に決めうる社会にあって途方に暮れてしまう。 ITパスポートの勉強をした際、「公開鍵」「秘密鍵」と当然なようにテキストに出てきて何のことか分からなかったが、本書を読んで理解できた。どんなに画期的な手法だったかということも分かった。 ITパスポートのような資格試験の勉強をするよりも、サイモン・シンやブルーバックスを読んだ方がITに対する理解が深まると思う。
2投稿日: 2021.06.14
powered by ブクログ暗号作成、解読の歴史、それに関わる人物たちの生い立ちや取り組み方、発見に至る経緯までも平易に書いた著作。暗号技術者の悲哀や戦争との関連など物語も記載され歴史の流れとともに暗号の推移を理解することができる。気分転換におすすめの著作。同著者のフェルマーの最終定理、の本もなかなか良い。
0投稿日: 2021.05.16
powered by ブクログ上巻の感想にも書いたが、私はシステムエンジニアをしているが、最近プログラムを書く仕事からネットワークを扱う仕事に変わった。セキュリティのことを考えないといけない仕事になったということだ。 それを知った先輩にいただいた本。 上巻の途中から下巻の途中にかけては様々な暗号の書き方とその解読方法で数学の要素が強く、システムエンジニアとして働いているものの大学は文系で、数Ⅲ・Cを学んでいない自分にはついていけず心が折れそうだった。 しかし何とか読み進めていると、共通鍵暗号と公開鍵暗号の話になり、情報処理技術者試験対策などで勉強したことがある、やっと自分が知っている話になってきた。 そこからはおもしろくなってきた。 すぐに仕事に役立つ知識が得られる本ではないが、情報セキュリティに関わる人間として読んでおくべき本だと思った。
1投稿日: 2021.05.09
powered by ブクログ傑作『フェルマーの最終定理』の著者サイモン・シン氏による暗号解読に関するドキュメンタリー。 暗号発生の歴史から現代の暗号の状況まで数々のエピソードがちりばめられている。 上巻は暗号の歴史から第二次世界大戦中、最強の暗号作成機として名高かったドイツの『エニグマ』を解読した連合軍の苦労話が秀逸。 コンピューターの先駆けを作った英国のチューリング博士の話が興味深い。 下巻は、コンピューター時代の暗号の話。 今我々がコンピューターを使うとき、例えばメールを送ったり、ネットショッピングをしたりという時には、自然と暗号化がされているが、その暗号とはどういったものなのかが説明されている。 『フェルマーの最終定理』でもそうであったが、本書の文系読者にも非常にわかりやすく描かれている。 ここまで理系の本であるのに多くの読者をひきつけるのは、サイモン・シン氏が多くの人々の苦労の道筋を本として書いているからなのだろう。 非常に知的好奇心を満足させる本である。
26投稿日: 2021.01.16
powered by ブクログ下巻も期待通りの面白さ。一度読んでわからないところがたくさんあるので、何度も読み返して理解する、の繰り返し。でも、これが苦痛にならないのは、シンさんの展開力と青木さんの翻訳力のおかげかな。今後も、繰り返しゆっくりゆっくりと読みたい。
0投稿日: 2020.10.20
powered by ブクログ安定のサイモン・シン、非常に面白かったし勉強にもなった。ネットセキュリティの暗号など身近な問題ながら難解で、ほとんどの人は詳細を知らないでいることかと思う。 素因数分解が使われてるってことぐらいは聞いたことがあったが・・ 最後に歴代の暗号を使った検証問題が出てくる試みも非常に面白かった。この10問を後書きにしっかり残した編集部の執念も脱帽もの
4投稿日: 2020.03.05
powered by ブクログ近代の暗号、それから古代の文字の解読。 特に興味を引いたのは、やはり今どういった暗号が用いられているか、それから今後どういった暗号が用いられうるのか。素数を使った暗号が強いというのは、なんとなく耳にしたことがあったが、実際に分かりやすく理解できたのは素晴らしい。それに量子世界の一端に触れられたのが本当に良かった。今度、量子力学をかじってみようかという気持ちにさせてくれた。
1投稿日: 2020.03.04
powered by ブクログ暗号にまつわる紀元前から21世紀以降までの壮大な物語。 言語学、数学、コンピュータ科学などさまざまなジャンルの知識が盛り込まれていて面白かった。 線文字Bの解読など、暗号ではないが読解不能な言語を蘇らせるストーリーも非常に興味深かった。 暗号というと軍事用途などの機密保持のイメージが強かったが、数千年昔の単換字式暗号から現代のRSAに至るまで一般市民にとってもプライバシー保護に重要な役割を果たしてきたことを改めて認識した。 暗号技術は、ブレッチレーパークの例のように、その軍事上の有用性から新技術が公表されず、開発者や技術が一般的に認知されない場合もある。今現在も秘密裏に新たな暗号技術が開発されているかもしれない。
0投稿日: 2020.01.11
powered by ブクログ当時最強を誇ったドイツ軍の暗号機はいかにして破られたのか。「戦争の世紀」が「情報の世紀」へと移り変わるなかで、数学者たちの攻防は続く。RSA暗号、PGP暗号、量子コンピュータ、量子暗号……。ネットや銀行を始め、知らずに我々の周囲に溢れる暗号技術の現在と未来、歴史の背後に秘められた人間ドラマを解き明かす傑作ノンフィクション。巻末に「史上最強の暗号」とその解答を収録。
0投稿日: 2019.09.01
powered by ブクログいよいよ後半。 まずは、WW2のナバホ族の通信部隊「コードトーカー」の話。独特の彼らの言語を日本軍は解読できなかった。 続いてヒエログリフの話。シャンポリオンによるヒエログリフ解読の顛末、さらにベントリスによる「線文字B」の解読の歴史。 この後、現在の我々の時代につながる電子暗号鍵の話となる。異端の研究者同士の出会いのエピソードを丹念に拾っていく。 リヴェスト、シャミア、アドルマンの3名による研究結果としてできた「公開鍵」方式の暗号はRSAと名付けられた。2つの素数を掛け合わせて作られる公開鍵を持ちいる方式が趨勢となっていく話。さらにPGPの話、光子暗号話と続く。 DFW - LAXの飛行機で読了。
0投稿日: 2019.06.16
powered by ブクログ再読。 この著者の著作の中では、『フェルマーの最終定理』とおなじくらい好きな作品。 数学、物理学、量子物理学などに門外漢の私でも何となくわかった気にさせてくれるのが、サイモン・シン氏。 彼は長編を書くのに本当に向いていると感じられた。それは『代替医療』を読んだ時の物足りなさがあったからこそ感じられたのかもしれない。
0投稿日: 2019.04.24
powered by ブクログ蜀?ョケ縺後h繧企ォ伜コヲ縺ォ縺ェ繧翫?∵囓蜿キ縺ョ莉慕オ?∩縺昴?繧ゅ?縺ッ繧医¥逅?ァ」縺ァ縺阪↑縺九▲縺溘′縲∬ソ台サ」縺ォ縺翫¢繧区囓蜿キ縺ョ鬮伜コヲ蛹悶??幕逋コ閠?◆縺。縺ョ繧ケ繝医?繝ェ繝シ?亥性謔イ蜉?シ峨?∵囓蜿キ繧定ェ阪a繧九°?亥クょ?エ縺ォ蟋斐?繧具シ峨°縲√さ繝ウ繝医Ο繝シ繝ォ縺吶k縺具シ域帆蠎懊↓蟋斐?繧具シ峨°縲∫ュ峨???∬?蜻ウ豺ア縺?ゥア縺梧コ?霈峨?
0投稿日: 2018.12.31
powered by ブクログSimon Singhという人は、本当にすごいwriterだなぁ、と改めて。 解説で、訳者の青木氏も書いていますけれどね。 極めて専門的、難解であるはずの分野なのに、こんなに分かり易く書けるなんて。 そして、これほどexcitingで、知的好奇心を刺激させてくれるなんて。 暗号というのは、まさに人類の歴史なのかもな、と思いました。 戦争が、人類の歴史なのと同じ意味で。 いろいろな暗号の歴史を、一つずつ丁寧に紐解いていく。 素直に感嘆し、同時に、ちょっと複雑な気分にもなりました。 昔から、異言語って暗号だよなぁ、と思っていました。 それが、実際にも使われていたことを知って、やっぱりなぁ、と思ったり。 或いは、古代言語の解読にも、暗号解読と同じような手法が使われていたり。 そして、現代に舞台が移り、ぼくの仕事にも関係する分野に入ります。 これもまた、非常に分かり易く、素晴らしい表現力が発揮されています。 DESやRSAの説明を、これほど分かり易く書かれた本は初めてです。 そしてまた、そのdramaticな背景も活き活きと描き出します。 本書は、暗号の未来をも語ります。 量子computer、という圧倒的な力と、量子暗号という最強の暗号。 ようやくその形が見え始めてきている分野です。 量子論の説明も、なんでこんなに分かり易く書けるんだろう、ってくらいに分かり易かったです。 今までの常識がまったく通用しない分野なので、普通は理解することすら難しい。 けれども、何となく分かったような気にさせてくれる。 これは、本当にすごいことだと思います。 cyberspaceという言葉ですらも、既に死語になりつつある現代。 privacyというものを、改めて考えてみる岐路なのかもしれません。 個人的には、暗号化してガチガチと言うのは、あまり好きではないんですけれどもね。 実際問題として、そんなこと言っている場合じゃない、ってのもあるしな。 そんな時代だからこそ、先人達が辿ってきた道を改めて見直すべきなのかもしれません。
0投稿日: 2018.11.13
powered by ブクログ古代ギリシャからの暗号作成者と解読者の戦いの歴史。戦争においての暗号を巡る戦いは圧巻。暗号の最先端をいってる人々、どの時代でも頭良すぎます。しかし脳ミソが疲れた。
0投稿日: 2018.10.09
powered by ブクログ暗号解読の下巻。本書では戦中から現代まで。直近で多少システムをかじるようになってから、暗号化の仕様でtripleDESを求められたが、本書ではDESの創られた経緯が紹介されていて興味深かった。 「コンピューターによる暗号化とはいっても、その手続きの大半は従来の方法と変わらない。実際、コンピューターによる暗号化と、エニグマのような機械による暗号化との大きな違いは、次の三点だけである。第一に、機械式の暗号機では、その機械を実際に作れなければ話にならないのに対し、コンピューターは、恐ろしく複雑な仮想暗号機をまねることができるという点である。… 第二の違いは、単純に速度の問題である。… 第三の、そしておそらく最大の違いは、コンピューターがスクランブルをかける対象はアルファベットの文字ではなく、数だという点である。」 「鍵配送がそれほどの大問題になるのは、まさに八方ふさがりの状況だからである。二人の人間が秘密文書を電話で送信したいとき、送信者はその文書を暗号化する。暗号化するためには、送信者は鍵を使わなければならない。鍵はそれ自体として秘密だから、秘密文書を送るためには秘密の鍵を送信しなければならない。つまり、あらかじめ秘密(鍵)を共有していなければ、秘密(暗号文書)はやりとりできないというジレンマに陥ってしまうのだ。」
0投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログ米軍がナヴァホ族の言葉を使って、秘密を守った話が面白すぎた。いや、たしかに知らない言葉は暗号になり得るよな。 あとは、剰余を使った一方向関数の着想から、RSAに到り、それを破るかも知れない量子コンピュータの話と、さらに強力な量子暗号の話と続いていきます。 暗号解読のクイズもあるので、自分はやる気ないけど、興味ある方はどうぞ。
0投稿日: 2018.08.07
powered by ブクログ古代からの暗号技術の発展の歴史を辿り、20世紀の大戦の行方を左右したエニグマ暗号を巡る攻防を転回点にして、現代のデジタル暗号、果ては量子暗号までを解説する上下2巻にわたる本書。欲張りとも言える内容の豊富さだが、時代々々の技術に暗号作成者/解読者として関わった人物たちの生き様に十分に光を当てつつ、なおかつ(量子暗号のような難解なはずのものまで)どの技術の説明も要所を押さえて読み手に分かった気にさせてくれる。さすがというべきか。
0投稿日: 2018.05.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
暗号は、歴史の節目で重要な役割を果たすと同時にテクノロジーの発展に寄与してきた。 〇知識 ・ステガノグラフィー…メッセージの存在を隠すタイプの秘密通信 ・クリプトグラフィー…内容自体を隠す秘密通信→存在がバレても意味が分からない ・アルベルティ…15世紀に活躍した人文主義者、建築家。 トレビの泉の設計者。『建築論』。 2つ以上の暗号アルファベットを用いる ヴィジュネル暗号を交案。 〈ヴィジュネル暗号〉 平文の各文字をアルファベット順に決められた文字数だけ進めることで作られるシーザー暗号(例えば、CAPを4文字ずつ進めてGETという暗号文を作る)では、安全性に問題があったことから発明された多表式の換字式暗号。ヴィジュネルが大成させたので、ヴィジュネル暗号という名前となっている。 ヴィジュネル暗号は以下の方法で作られる。 ・鍵とした文字列の先頭から一文字ごとに取り出す ・その取り出された文字が先頭の文字(A)から何回シフトされているかを数える ・得られたその数値だけ対応する平文の文字をシフトさせる 例:平文がCAT、鍵がBEDの場合は、鍵のBがアルファベットの最初の文字Aから数えて1番目、Eが4番目、Dが3番目であることから、それぞれその分だけ進めて、暗号文はDEWとなる。 ・20世紀初頭、イタリアの物理学者マルコーニが無線通信に成功。 画期的な発明であったが、誰でもどこへでも届くという性質上、信頼度の高い信号が必要になり、規則性の少ない暗号(Ex.エニグマ)が発明されるに至る。
0投稿日: 2018.01.03
powered by ブクログITを生業としている人も、そうでない人も楽しめる。 セキュリティの歴史はこうも深かったのか。 こんな昔から暗号があったなんて。 難しい内容は読み飛ばしても十分に楽しめる。 セキュリティを担当する人は必須かな。 公開鍵暗号方式をはじめて理解できた。
0投稿日: 2017.08.28
powered by ブクログ下巻ではインターネット時代(つまり現代)で使われる暗号技術について解説している。解説といっても小難しい感じではなく、ワクワクするような物語に乗せての解説なので、読んでいるだけで楽しいし、頭にも入ってくる。未来の暗号技術である量子暗号についても紹介がある。これからの技術なので、それほど詳しいわけではないが、特徴を理解するにはいいと思う。ただし、インターネット時代の技術の変遷は速いので、DES以降の現在現役の暗号技術についての解説がないのは、出版年を考慮すると仕方がないのかもしれない。それにしても、暗号技術とはなぜこんなにも人を魅了するのだろうか。人は隠し事が好きなのだろうか、そしてそれ以上に隠し事を暴くことが好きなのかもしれない。知的好奇心だけではなさそうだ。
3投稿日: 2017.07.27
powered by ブクログタイトルの通り、暗号に関する本。単純に文字を何か別の文字と置き換えて作られる暗号(たとえば、i am andoの各文字を右隣のアルファベット入れ換えてjbnboepとする)からRSA暗号や量子暗号まで、暗号の歴史と進化がわかりやすく丁寧に書かれている。 この前情報処理の試験受けた時も暗号に関する問題とか出てて、「公開鍵とか言ってるけど、鍵公開したらヤバない?解読されてまうやん」とか思ってたけど謎が解けました。要は、逆なんですね。公開鍵で暗号化して、自分だけが持ってる秘密鍵で解読する。この謎が解けるのは下巻の前半あたりw あと面白いと思ったのは、大戦時にアメリカ軍が、ジャングルに住む民族の言葉を情報伝達に使って、敵に情報がもれないようにした話。未知の言語は、それを使う人にとっては単なる言葉だけど、知らない人にとっては暗号そのものなんだなと。そういう暗号のかたちがあるというのは予想してなかった。 少し一般的にいうと、やっぱり「読めるけど読めない」もどかしさは暗号の魅力ですね。暗号は必ず解読の鍵を知っている読み手がいて、その読み手はすぐに読めて意味を取れるけど、それ以外の人はその読み方を一生かかっても見つけられない。 なんか現代アートと似てるなとか思いますね。作品の背景とか文脈を知っていると、たしかにすごい作品だというのが理解できるけど、そうじゃないと何がいいのか全然わからん。まあ理解できるorできないのレベルで言うたら、だいたいが暗号と同じようなものになるんやけど。たとえば、「ワンチャン?ノーチャン?フルチャン!」とか人によっては暗号にしか見えないだろうし(ちなみに、ぼくが解読する限り「やる?やらない?やる!」の意味)。 とはいえ、アートや若者言葉と暗号との違いは、暗号が本質的には情報を隠そうとするところかなと。アートや若者言葉はわかりにくい表現を用いることで他の表現では伝えられない情報を伝えるものであるのに対して、暗号は元の文(平文)以上の情報を伝えようとはしない。そういう純粋な秘匿性が、暗号を魅力的にする…というとまた不純なものがひっつきそうなのでやめときます。 感性的な魅力は抜きにしても、情報管理には気をつけないといけない現代に、暗号の進化の歴史を知っておくことはわりと意味のあることかなと思います。 あと、巻末に暗号問題が付録されていたから、また時間あるときに解きたい。
0投稿日: 2017.05.13
powered by ブクログ最後までワクワクしながら読めました。巻末の暗号とその解説までついていて今も続く暗号と解読のいたちごっこが垣間見えました。
0投稿日: 2017.05.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上巻に引き続き、第二次世界大戦後の暗号作成と解読(主に作成側の発展が大きい)ならびに今後の展開に関して記載されている。 上巻同様、ボリュームがあり、かつ難解な数式を使用せずとも理解できる内容で例えも交えながら暗号方法が記載されておりとても満足できる内容。 ナヴァホ暗号 * エニグマなどの電気機械式暗号はかなりの安全性を保証してくれるものの、ものすごい時間がかかる点で戦争中には有効ではなかった→ナヴァホ暗号をアメリカ軍は代わりに用いた * 送信者は一連の通信文を受け取り、それを英語からナヴァホ語へ翻訳して送信する。受信者は、記憶してある用語集とアルファベットを使いながら通信文を英語に戻す * ナヴァホ暗号の成功は、ある者にとっては母語であるものが、それを知らない者にとってはまったく意味をなさないという単純な事実による→日本軍はナヴァホ暗号を攻略することができず戦争の情報戦に破れた 【戦後の暗号発展と今後】 ①DES(Data Encryption Standard)暗号 ・戦後、コンピューターの誕生により、暗号をかける対象はアルファベットではなく二進数の01に対してと変化。 ・暗号自体は転置式or換字式のまま ②公開鍵暗号の誕生=鍵配送問題の解決 ・今までの暗号は全て対称暗号(暗号化鍵と複合鍵が同じ)であったため、暗号鍵が敵の手に渡らないように細心の注意を払う必要があった=鍵配送の問題 ・しかし、非対称鍵暗号(一方向関数による鍵)の導入により鍵配送の問題が解決されることに 現在使用されている一方向関数は素数の積:素数の積の数を素因数分解することは現代の数学では容易ではないため、個別鍵の特定はほぼ不可能。世界中のコンピューターを使用して演算したとしても数千年以上かかる →事実上、解読不可能な暗号システムに。ただし、現在のコンピュータの処理能力をはるかに超える量子コンピューターの誕生により解読される可能性が残されている ③量子コンピューター ・量子的な重ね合わせの状態を用いることにより、現在のコンピューターが1つずつ処理しているタスクをまとめて一気に処理できるように→まだ実現化されていないがもし実現されれば、公開鍵暗号に用いられている素数の積の素因数分解を瞬時に行えるようになる=暗号解読が一瞬で可能になる。 ④量子暗号 ・今までの暗号作成は暗号の複雑さの方が上だという事実だけを論拠にしていたが、量子暗号の場合は、原理的に解読不可能な暗号 ・伝送する情報の量と同じ長さの秘密鍵を送信者と受信者が共有することで初めて可能になる。この秘密鍵の共有を量子状態の特性によって実現し盗聴されても暗号は破られないどころか、盗聴を検出可能になる 現在は、RSAシステムによる公開鍵暗号方式により暗号作成の方が暗号解読より優位に立っている状況
0投稿日: 2017.04.30
powered by ブクログ自分の書いたものを、読んで欲しくない人が読めないという事実。それがどれだけ安心をもたらすのか、改めて考えさせられました。 「RSA」の意味もわからず、メールを暗号化するために使っていたころ、それがどれだけ画期的な暗号だったかを知らずにいました。 今のところは、解読できない暗号があることが前提の社会ですが、実は、静かに解読の方法を見いだしている人がいるのかもしれません。 太平洋戦争のころ、日本の暗号が解読されていたという事実は、暗号が解読され続けた歴史の中の一部です。 これを読むと、かつての日本の敗因が、敵を侮ったことも、物資が足りず補給ができなかったことも、精神論に偏ったことも、すべて次元のちがう話だったのでは、と感じます。 考えていることが、筒抜けになっているという事実に気がつかなかった、ということがすべて物語っているのでは、と。
0投稿日: 2017.04.09
powered by ブクログ下巻はけっこう難解で(特に量子暗号 )、思った以上に読むのに時間がかかった・・・ 読んでいて「ん?んん??」と思う所が出てきてもその後に必ずといっても良いぐらい例え話が出てくるので、そこでおおよそ理解することができました。 この著者の例え話の上手さには感心するものがありますね! 『フェルマーの最終定理』を読んだ時にも思いましたが、物理とか数学がそれほど得意でなくても楽しめるというのが良いなぁと思います♪
2投稿日: 2017.01.13
powered by ブクログ文庫本だが、上下合わせて700ページの大作。サイモン・シンの本は「フェルマーの最終定理」、「宇宙創成」に続いて3作目の読書体験だが、この本も時間を忘れさせるほどの面白い本だった。 本書は、暗号の変遷史を辿る内容。しかし、単なる変遷史ではなく、暗号を作る人々、それを破ろうとする人々が織りなす人間ドラマを中心に描く。本書で紹介される暗号は、文字を入れ替えたり、表を使ったりする単純なものから、大戦中にドイツ軍が開発したエニグマ暗号機、巨大数の素因数分解を利用したものまで。最終章では、量子暗号の可能性を論じる。 暗号の歴史はまさに戦争の歴史だ。 「ポーランドがエニグマ暗号を解読できたのは、煎じ詰めれば3つの要素のおかげだったー恐怖、数学、そしてスパイ行為である。侵略の恐怖がなければ、難攻不落のエニグマ暗号に取り組もうなどとは、そもそも思いもしなかっただろう」。ドイツも日本も暗号が解読されたことが敗因となった。 「弱い暗号を使うぐらいなら、最初から暗号なそ使わない方がましだ」。暗号への過信は怖い。 古代エジプト文字の解読史も面白い。その形から表象文字だと考えられていた文字を、アルファベットのような表音文字であることを突き止め、解読までの物語はスリリング。 また、巨大な素数を使ったRSA暗号の成り立ちの説明も、ボブ、アリス、イヴを登場させてわかりやすく、面白い説明になっている。 「あぁ、なるほど」と思える快感が存分に味わえる★4つ。
1投稿日: 2016.11.20
powered by ブクログ数学と量子力学が暗号に大きく関わっているとは思いもしなかった。現代のインターネット社会ではセキュリティと暗号の大切さは語りつくせないほどだ。それくらい我々の日常生活に密着している。そして中でも量子暗号は解読できないことにほっとした。これらを今から10年も前に唱えているサイモン・シンは先見の明がある。暗号リテラシー、量子暗号、非可逆性、非対称暗号、ワンタイムパッド等日常に潜む何故を考えていくきっかけにしていきたい。
0投稿日: 2016.10.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
やばい。おもしろい。 上巻よりも下巻の方が断然惹かれた。といっても、元々は一冊の本で、文庫化するに当たって分冊されたようだが。 この本の原著が20世紀に存在していたことが信じられない。今も生きている技術がきちんと解説されている。 そして、ちょっと前に話題になったFBI対Appleの争い。 すでにこの本ではプライバシーか安全保障かの争点が 見据えられている。 というよりは、今に始まったことではなくもはや何十年も前からそういう懸念があったと言うことだろう。 さらに、未来の話として量子コンピュータ、それを元にした量子暗号の話題まで盛り込まれている。最近では、Googleが活発に研究開発を行っている分野だ。 今後が楽しみ。
0投稿日: 2016.06.16
powered by ブクログ現時点で、今年1番面白かった本。 自分がRSAなどの暗号を扱う仕事をしているので、尚更興味深く読めた。 暗号の歴史から、将来の展望まで非常に分かりやすく理解できた。 量子コンピュータが実用化されるとRSAは危殆化してしまう。 一方で量子暗号も実用化に向けて研究がされているとのこと。 今後も暗号の動向には注目していきたい。
0投稿日: 2016.05.17
powered by ブクログ相変わらず、安定と安心のサイモン・シンといったところか。本当に細かいところまでよく取材していると感動する。元々そんなに暗号やその歴史に興味はなかったが(ほとんどの読者がそうだろうが)、著者によって暗号の世界に引き込まれていった。一見するとつまらなそうな内容に興味を持たせる技術には、脱帽だ。 個人的には「フェルマーの最終定理」や「宇宙創成」の方がインパクトという点では上だったと思うが、本書もかなり質であることは間違いない。文句なしにオススメできる。
0投稿日: 2016.04.26
powered by ブクログ科学ジャーナリスト、サイモン・シンによる暗号の進化とそこに魅せられた人間たちの物語の下巻。 下巻では第二次世界大戦でアメリカの軍事連絡の暗号化に貢献したナヴァホ族のエピソードに始まり、そこから派生して古代言語の解読のエピソードを挟みつつ、世界の様々な数学者が活躍し、現在のインターネットにおいても極めて重要な役割を担っている公開鍵・暗号鍵という概念の誕生が描かれる。そして最終章では究極の暗号、未来の暗号である量子暗号の概念が、量子力学・量子コンピュータの極めてわかりやすい解説とともにまとめられている。 暗号という謎めいたツールから、これだけ多くの歴史やそこに関与した人間のドキュメンタリーをまとめあげる力量には改めてうならされる。また、公開鍵・暗号鍵に関する説明(第Ⅵ章 アリスとボブは鍵を公開する)は非常にわかりやすく、インターネットに関する基本的な技術としての暗号技術を知ることもでき、実用性も高い。
0投稿日: 2016.02.27
powered by ブクログ全く知識のない人でもすんなりと読め、かつ深く学ぶことができる。 狭く浅く、広く浅く書かれた本を読んできたが、この本は本当に深い。読みごたえがある。 気分は暗号解読者。 蛇足: 小学生のころ、簡易な暗号を使って友達と手紙交換したことを思い出した。推理小説を読んで暗号が出てきてはそれを使って書いたものだ。懐かしい。もっとしておけばよかったな、なんて。
0投稿日: 2015.09.24
powered by ブクログとても楽しく読ませてもらった。 こういうものは理屈抜きにして面白いものだと思う。 「量子」という言葉が出てきてからは難しくて、分からなくなってしまったが……。 数学や物理が好きでなくても、こういう読み物は面白い!
0投稿日: 2015.08.06
powered by ブクログ映画「イミテーションゲーム」を観て懐かしくなり、サイモン・シンの「暗号解読」を再読。前回は単行本だったが、上下の文庫本を改めて購入。 読み返してみると意外にエニグマ暗号の話はそれほど比重を占めておらず、チューリングに対する言及も少なかった。が、英国政府の暗号解読に対する力の入れ方、機密保持の方針は映画ても描かれていたように非情。
0投稿日: 2015.06.02
powered by ブクログHALというのを知っていますか? 「2001年 宇宙への旅」に出てくるコンピュータ。はたまた、コンピュータ専門学校の名前?(最近(2015年)読んだ本ではロボットの名前) このアルファベットを1文字ずつ右にずらしてみましょう。Hの次はI、Aの次はB、Lの次はM、つまりHALはIBMのことだったのです。これが一番簡単な暗号。これだと、少しずつずらして意味の成り立つ文章を探していけば、すぐに解読できてしまえそうです。そこで、キーワードを最初に入れます。たとえば、TAKESHI。この場合、ABCDEFGHIJKLMN・・・はTAKESHIBCDFGJL・・・と対応させます。キーワードを最初に持ってきて、そこに入っているアルファベットを除いて順番に書き並べていきます。こうすれば、キーワードを知られない限り、解読は難しい。実は、それでも解読する方法が見つかるのです。文章の中に現れる文字の数を調べていき、一番多く現れた文字をE(ふつう文章を調べると13%くらいEが出てくる。これが最も多い。)と置き換え、次はA、次はTなどと変換していきます。それで、うまく文章が意味をなすかを調べるのです。少し時間をかければ解読ができるというわけです。という具合に、本書では暗号作成と暗号解読の歴史が順を追って描かれています。後半の内容はずいぶんと難しくなってしまうのですが、それでも二つの世界大戦の中での暗号にまつわる話など、驚くことばかりです。どんな分野にせよ、最先端で活躍する人々の物語は本当におもしろいものです。最後の量子コンピュータ・量子暗号の話はほとんど分かりませんでしたが。(物理学科出身だったのに、もうずいぶん昔のことになってしまった。)
1投稿日: 2015.04.20
powered by ブクログ暗号の歴史と暗号製作者vs暗号解読者の歴史をたどった上巻に続き、下巻は現代の暗号と暗号の未来について。 仕事でもちょっと調べたDES、RSA、PGPの話が面白かった。
0投稿日: 2015.03.16
powered by ブクログカンバーバッチ主演の「イミテーションゲーム」を観たくて、予習しておこうと読んでいたのだが、なんと映画上映は明日までだった。DVDを待つしかないか…
0投稿日: 2015.02.25
powered by ブクログ暗号の歴史を綴ったノンフィクションの下巻。 内容は、第二次大戦で暗号として用いられたネイティヴ・アメリカンの言語、古代言語の解読、コンピュータ時代の暗号、次世代の量子暗号など。特に公開鍵暗号に関しては一般に知られている発明者以前に、英国の暗号班が同等のものを開発していたという話は興味深い。 巻末には著者からの読者への暗号解読の問題が記載されている。この問題はスウェーデンのチームにより既に解読済みだが、解読プロセスを再現した訳者ら"チーム暗号猫"の活動についても記されている。
0投稿日: 2014.12.30
powered by ブクログhttp://hinbeee.blog31.fc2.com/blog-entry-1792.html
0投稿日: 2014.12.11
powered by ブクログ暗号というテーマでここまで惹きこまれる本はあるだろうか。 上巻から通して暗号の歴史を理解する上で非常に分かりやすく、現代のコンピューター時代における暗号までも網羅されている。 改めてサイモン・シンの知識、筆力に驚かされる。 それと同時に内容を理解されながら訳されている青木さんも素晴らしい。 IT業界に身を置いているが、RSAや3DESの歴史などとても面白かった。 いつかは再読してみたい一冊。
0投稿日: 2014.09.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上巻ではドイツのエニグマ解読の物語であったが、下巻はその敵方であるアメリカの暗号作成に関する物語から始まる。 エヴァホ語を使った暗号作成、線文字Bの解読、公開鍵・秘密鍵の開発、量子暗号。 上巻が暗号と歴史との関わりに重点を描かれていた一方、下巻ではほぼ舞台が近代・現代ということもあり歴史との関わりはあまり描かれていませんでした。 私自身がコンピューターに関わる事が多いため、アリスとボブのストーリー、公開鍵・秘密鍵が生み出されるまでの話が興味深かったです。素数、すごい。 量子コンピュータと量子暗号、重ねあわせはどうもスッキリ理解することは難しかったですが、実現されれば計算速度など、異次元になるのだろうと思うとワクワクします。 暗号賛成派と暗号反対派の議論は興味深く、個人のプライバシーか犯罪者を捕まえるか、悩ましい問題です。 巻末には作者からのプレゼントとして、暗号解読の問題がついています。 翻訳者の方の問題の解説もついていて、本書で学んだ暗号解読手法を身につけることができるようになるかも?!
0投稿日: 2014.07.27
powered by ブクログ上巻に比べて、暗号に使われる技術の幅が広がったためか、脇道にそれることが多かった印象。上下どちらかだけを読むなら上巻が断然おすすめ。
0投稿日: 2014.06.04
powered by ブクログ【文章】 読み易い 【気付き】 ★★★・・ 【ハマり】 ★★★・・ 【共感度】 ★★★・・ 第2次世界大戦から、未来の暗号化技術について。 第2次世界大戦時、アメリカはナヴァホ族の人間を暗号通信手段として利用していた。 話者が限られている言語が暗号の代わりを果たしていた。 暗号解析技術と、読み方の分らない古代文字の解析技術は似ている。 暗号化の時と復号化の時で、別々の鍵を用いることによって、 鍵配送問題を解消した、公開鍵秘密鍵暗号方式は現代の暗号化技術に利用されている。 強力な暗号化技術が犯罪に利用される懸念。 今後生まれてくるであろう、量子コンピュータに対抗できるのは、同じく量子力学を応用した量子暗号。
0投稿日: 2014.05.31
powered by ブクログ戦争には絶対にかかせない暗号。もしこの暗号がやぶられていなかったら、太平洋戦争は違う局面を見せていたかもしれない。これからも暗号は進化続けるのだろう。
0投稿日: 2014.04.27
powered by ブクログ下巻では現在のインターネットで標準となっている「公開鍵暗号」が開発される背景から、「量子暗号」の概念までのお話です。「公開鍵暗号」のしくみについてはレビューでは触れませんが、実は「素数(1と自分自身だけで割り切れる整数のこと)」が深く関わっており、中学校で習った「素因数分解」が重要なキーワードになっています。 上巻の前書きに「第1次世界大戦は科学者の戦争であり、第2次世界大戦は物理学者の戦争であった。もしも第3次世界大戦が起こるとすれば、それは数学者の戦争である」という一説があります。ネットを介して世界中で情報が行き交い、アメリカや中国では政府主導で他国の情報を盗聴しているなどの事実を目の当たりにすると、本書を読んでその重みがより理解できるように感じます。
0投稿日: 2014.04.09
powered by ブクログ暗号の歴史を俯瞰した読み応えのある本。非常に興味深く読めた。パズルパレスと連続で読んだのも良かった、NSAとか盗聴とかガンガン出てくる。最後の章で語られる量子コンピューター、以前からイマイチ眉唾だなぁと思っていたけど、少なくとも量子暗号は既に実験検証されてるんね、すげー。あと、素数すげー。
0投稿日: 2014.03.07
powered by ブクログhttp://tacbook.hatenablog.com/entry/2014/02/05/224750
0投稿日: 2014.03.01
powered by ブクログ下巻は、ヒエログリフや線文字Bの解読から、暗号に不可欠の「鍵配送」問題の歴史、そして究極形態である量子暗号へ。古代から現代物理学の世界へと物語は進む。あらゆる技術が、電流をコントロールするような世界から、量子一つをコントロールする世界に向かっているように、暗号化の技術も量子を活用したものが考えられている。人間の単純な認識世界を超えた量子の世界、観測しようとすると性質が変わってしまうので、解読することは不可能。最近、量子テレポーテーションが成功したらしいし、暗号化自体が必要ない世界がくるかもしれない。楽しみだ。
0投稿日: 2013.11.11
powered by ブクログおかげさまで公開鍵暗号、RSAをほぼ理解できました。 「あなた某Webサイトの制作者でIT用語集書いてなかったっけ?セキュリティの基本すら理解してなかったの?」と突っ込みのあなた、「えぇ、はい、理解していなくても論理構造さえチェックして破綻していない文章を組み立てられれば、技術資料とWikiを組み合わせてライトユーザー向けの説明文や用語集くらい作れるんですよ。 いや、これで他人に説明できるようになりましたですよ。もっと早く読んでおけばよかった。 量子暗号のところで、量子論もおさらいできて「重ね合わせ」と「多重世界」についても"暗号"という実例を基に読んだら、ほぼほぼ理解できたし、色々なものが腑に落ちました。これを最初に読んでたらチンプンカンプンだったのか、それともこれから読んでいても理解できたのか?それは分かりませんが、こんなに分かりやすい科学書はそうそうありません。超絶お勧め。
0投稿日: 2013.11.05
powered by ブクログ上より面白かったです。特に鍵配送システムの構築のあたり。全て理解できるわけでは勿論ないけど文章が美味いから分かりやすかった。 この前コナンの漫画を読んだんだけど、この本に載ってた鍵配送システムがトリックに使われてて「あ!」ってなった。
0投稿日: 2013.09.26
powered by ブクログ暗号という特殊な世界から見る歴史。とても面白かった。ヒエログリフや暗号鍵配送問題とか、挑戦の心意気がたまらない。 最後の量子コンピュータのところ、量子物理学の“重なり合い”の考え方に、目から鱗。なんだそれ?!興奮
0投稿日: 2013.09.15
powered by ブクログ下巻は、ほとんど理解できませんでした。 でも、ロゼッタストーンの話は、高校の英語でやったような気がします。また、線文字Bの解読の話は、興味が持てました。
0投稿日: 2013.08.09
powered by ブクログ下巻は、読み方が失われてしまった古代文字の解読の歴史からはじまる。 文字の解読といえば、ヒエログリフを解読したChampollionは有名である。 ヒエログリフは、Rosetta Stoneの発見が契機となり解読に成功した例であり、人類の歴史という観点から見ても重要である。 したがって、ヒエログリフはクリブ(対照平文)が存在したため解読に成功した例といえる。 一方で、線文字Bの読解はクリブなしで純粋に文字の頻度、言語学からのアプローチ等により解読に成功したサクセスストーリーであり、線文字Bの読解の歴史は興味深い。 後半は、再び暗号の歴史に戻る。今度は現代の暗号化の紹介であり、RSAと量子暗号である。 現代暗号の最大の成功は、暗号鍵を安全に他人に送ることができるということである。昔からの最大の問題である暗号鍵はどのように安全性を担保するのかというのを解説したのが共通鍵と秘密鍵と呼ばれる鮮やかな解決方法。 方法を読めば、なるほど簡単じゃないか、と思うかもしれないが実は暗号に巨大素数を使うという発想に至るまでに結構な時間がかかっているのだ。 現代暗号のRSAであるが、弱点がないのかといえばそうでもない。 ベースは素因数分解にかかる時間である。 もし将来素因数分解にかかる時間が短時間でできるような手法が解決されればRSAは崩壊する。 そこで考えだされたのが量子暗号である。 量子力学をベースとしており、ポイントとなるのは、原理的に粒子の物理量は全てをいっぺんに正確に測定できないという不確定性原理である。 この原則は強力であり、理論的には暗号を破ることはできない。量子力学が間違っていない限り。 量子力学の理論的な成功を鑑みると、量子暗号が商用化された場合には暗号の歴史に終止符が打たれる。 暗号作成者の勝利として。
0投稿日: 2013.06.01
powered by ブクログ量子コンピューターと量子暗号の話は、読んでいるだけで自分がなにを呼んでいるのか分からなくなる。 10年以上前の本だけれど、いろいろと示唆に富んだ良い本でした。
0投稿日: 2013.05.30
powered by ブクログSSLのNP問題や量子暗号により、暗号の考案解読合戦は理論上、考案者側の勝利に終わる。 ここまで高度になると、ちょっと理解するのに苦労する。 でも面白い。 論理好き、暗号好きはぜひ。
0投稿日: 2013.02.19
powered by ブクログ下巻の方がサイモン・シン氏らしさが出ていて面白い。 失われた言語を暗号と捉えた第5章や公開鍵発明の第6章は、特に人間味溢れるドラマとして描かれている。 科学者の本能である発見を誇る姿勢とは対照的に、暗号作成者は発見を隠すことが能力になる。その制約の下で、ここまで調査分析をし、一冊の本にまとめ上げるサイモン氏の才能には毎回驚かされる。他の本では高らかに陰謀説を謳い上げそうなエシュロンやNSAにも本題から逸れない程度に触れておしまい、それより素因数分解の暗号技術に熱を込めて解説、そうしたセンスも素晴らしい。ちなみに最終章の量子暗号と懸賞問題はさっぱりわかりませんでした(苦笑)。
0投稿日: 2013.01.13
powered by ブクログ上巻とは異なり、インターネットによる電子取引等、暗号が現在の私たちの生活といかに密接に関わっているかを綴った下巻。学生時代は高等数学なんてなんの役に立つのやらなんて思っていたけれど、私たちの生活の利便を守ってくれる現代の暗号と数学は切っても切り離せないことを実感。正直に言って量子暗号についての章はリカイしようと努めてもさっぱり頭に入ってこなかったけれど、こういうことに日夜頭を働かせている人がいるんだな〜と思うと不思議。数学がからきしダメだった私としては、一回理解できたらどんな感じがするのだろうと思ってしまう。この著者のサイエンスノンフィクションは、難しいことを分かりやすく、かつ研究者の熱意や人生といった感動を持って伝えてくれる所がすごい。他のシリーズもチェックしなければ。
0投稿日: 2012.12.28
powered by ブクログ暗号作成と解読の歴史には、その性質上秘密裡に行われることが多いため、時には国の命運を左右するほどの最重要な課題でありながらそれに関わった人々は、名前はおろか成果さえ長い間知られることのない事実があります。 この本を読み終えて、現代の情報化社会の根幹を成す暗号化のシステムを築き上げた人々の知らざれる苦闘の物語に胸が熱くなりました。暗号作成者とそれを破ろうとする解読者たちが作った進化の歴史をその周辺の古代文字にまで遡り、難しい暗号の原理も交えながら読み物として成り立たせるのは並大抵な筆致ではできません。さすがに「フェルマーの最終定理」を書いた作者ならではです。 門外漢の私にとっては、肝心の原理の部分はほとんどが理解の範疇を超えてたので、人間ドラマの部分の感想になるのは否めません。それでも通信におけるたとえ話の部分はわかりやすいものでした。登場するのはアリスとボブの恋路を邪魔するイブという設定ですからこれは興味が持てます。アリスはどうやってボブに秘密の手紙を届けたらいいのか??というテーマですから・・ しめくくりは暗号の未来における量子コンピューターの世界を披露する内容でしたが、まさにチンプンカンプン、読み流すしかないページではありましたが、暗号の世界における気の遠くなるような数字の扱いなどを読むにつけ(地球上のすべてのコンピューターをつないでも暗号解読には宇宙の年齢よりも時間がかかる・・という記述があります)人間の頭の中にある壮大なロマンに惹かれずにはいられないのでした。
1投稿日: 2012.11.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
エニグマを巡る攻防でハラハラ。解読に貢献したアラン・チューリングのその後のエピソードは胸が痛いです。アップル社のは彼に由来しているというネタを聞きつけ、Macにしててよかった、と思ったりしました。
0投稿日: 2012.10.06
powered by ブクログRSA暗号は開発者のfamily nameだとばかり思っていたが、歴史的には英国GCHQのEllisが先んじていたらしい。暗号の歴史においてこれは一つの典型である。暗号学に係る発見は外交・軍事上の政治により隠蔽される運命にある。本書が描いてきたのはまさに暗号のそういう歴史だった。 ところで本書、原題はThe Code Bookであるのに和名は「暗号解読」となっている。でも実際は強力な暗号をつくる人の努力も描かれていはいるわけで、もっとうまいことタイトルの訳をつけたいところだよなーと思う。
0投稿日: 2012.10.05
powered by ブクログついに暗号解読者と暗号制作者の戦いは量子の世界へ 普段使わない知的好奇心がぐんぐん刺激される 本当にこのシリーズは面白い
0投稿日: 2012.10.01
powered by ブクログ読了。購入本。 暗号解読 下巻 量子物理学出てきちゃった… って感じでさっぱりわからないんですけどね。 それでも、実に面白いお話です。 第二次世界大戦時に使用していたナヴァホ族の話言葉が暗号なみにスゴイぜという話。 クレタ島の古代文化の線B文字 このへんまでは上巻の流れで解読系。 こっから コンピューター化により暗号の難易度が一気に加速します。 暗号の鍵をどう扱うかが大事です。 素数を使う現代型暗号 個人が暗号使ったっていいじゃない!的なプライバシーの守る権利の戦い。 量子暗号…。 全編通して暗号史であり数学史という感じす。 政府系機関での暗号に携わる人はけっして口外してはいけないので表舞台に出ることはない。そしてその暗号が形骸化し、公表しても問題なくなって初めて陽の光を浴びることができる。 その時には晩年であったり亡くなっていたりと、そういう秘密を扱う仕事である以上、仕方ないという部分はあるのだろうけれどね。せつないねぇ。 サイモンシンの本はほんと面白い。 『ビッグバン宇宙論』っていうのと『宇宙創造』っていう本が出てるのでそのうち読みたいと思いますが、ひも理論とか超ひも理論とか出てくるんだろうか。 数年前に、スティーブン・ホーキング氏の本読んで挫折した経験が…。
0投稿日: 2012.09.16
powered by ブクログ最初の方は簡単だけど後半はハハアそういうものですか、ヘヘェ。という感じ。暗号解説に歴史や人間模様が織り込まれ、きちんとエンターテイメントなのです。面白い。あと賢くなった錯覚が得られて得した気分。
1投稿日: 2012.07.25
powered by ブクログ上巻に続き下巻も相当面白かった。 下巻の内容は、古代文字の解読、RSA、量子暗号について書かれています。相変わらず、難しい内容をわかりやすく書かれているため、そのもの自体の理解もできるし、解読・開発者の人的ドラマがしっかり書かれているため、読み応えがあった。 読まなくては損。
0投稿日: 2012.07.07
powered by ブクログ【読了】サイモン・シン「暗号解読(下)」 今月19冊目 上巻に引き続いての下巻。戦争中のとある部族の話、インターネット上の暗号、そして未来の暗号という大きく見ると3つのパートが描かれる。 戦争中のとある部族の話はアメリカのナヴォホ族のナヴォホ語についてを描く。当時の暗号は機械暗号が主流になっていたが、暗号化するにも復号化するにも時間がかかっていた。まぁ今みたいにコンピュータ処理じゃないし。 そこで使い手が少ない人間の言語を使えば、それはもう暗号と一緒ではないかということで導入されたのがナヴォホ語であり、ナヴォホの通信兵だったのである。英語→ナヴォホ→英語という流れなんだけども、ナヴォホ語がとても独特な言語体系を持っている為に、部族民以外には暗号と一緒だったという話。面白い。 インターネットに関する話では、今でも使われているRSA暗号についての開発エピソードなんだけども、「公開鍵」「秘密鍵」というおおまかな仕組みは知っていたんだけど、実はよく理解していなかったものが、本書を読んだことで完璧に仕組みが理解できた。いやぁ素晴らしい。 またMITで発明されたことになっていたけど、実はMITに何年も先んじて英国政府通信本部で同じの作っていたというエピソードも興味深い。秘密を扱う暗号学だけに、国家機関での仕事は表に出ない。我先にと発表したがる科学という世界において、とても特殊なのが暗号の世界なんだね。 未来の暗号は、量子暗号の世界。現状のRSA暗号は公開鍵と秘密鍵で成り立っているんだけど、公開鍵は2つの素数の積。秘密鍵はその2つの素数。例えば公開鍵が21で、秘密鍵が3と7という感じ。(実際に使っている鍵の桁はもっともっと大きい。) つまり十分に速くコンピュータが素因数分解をできると、RSA暗号は破られたも同然なんだけど、素因数分解というのはとても時間のかかるものらしくて、現状のコンピュータを持ってしても、意味のある時間内に鍵をみつけることは難しいのだとか。 この量子暗号のパートはすごく難しくて、ほとんど理解できないのだけども、量子コンピュータはまだ無いけど、執筆当時に既に量子暗号通信は実現しているとのこと。量子ヤバい。 言語学、考古学、数学などが絡み合いつつ、それらが閉ざされた世界でうごめき、後世になってから少しずつ明るみになってくる。暗号の世界は本当に面白い。本作もサイモン・シンと、翻訳の青木氏のとても素晴らしい仕事を楽しませて頂きました。
0投稿日: 2012.06.30
powered by ブクログコンピュータの進化によって、暗号解析は物量勝負。暗号作成は、暗号自体を観測させない方向に進むのが面白いところ。なんでか随分読むペースが遅かった・w・
0投稿日: 2012.06.07
powered by ブクログ暗号は科学。軍事目的から発達し、今や一般市民のプライバシー保護と、軍事、政治、犯罪防御とのせめぎわいで発達。PCが普及し、情報が行きかう中、膨大な暗号の定理をどう崩すか 量子コンピューターなど情報全体のありかたを発展させている
0投稿日: 2012.04.21
powered by ブクログフェルマーでサイモン・シンが大好きになったので、立て続けに買って読んだ。やはりウィットとやさしさが魅力的でよかった。訳者もいいのかもしれない。
0投稿日: 2012.04.07
powered by ブクログ上巻に比べて、暗号の話よりもそれにまつわる話が多い。そして、色々アメリカの恐ろしさが伝わる。暗号という特殊なテクノロジーゆえに世に出なかった天才の話は一読の価値あり。というか、単純に面白い。
0投稿日: 2012.03.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
後半は量子を利用した暗号の話。 量子は何回読んでも理解しにくい。感覚的に理解した人の勝ちかも。 ただ、数学と物理の融合で結末を迎えているので、高校生とかには良い刺激になると思われます。 個人的にも量子コンピュータは実現してほしいので、実現後に暗号がどう進化して行くかは楽しみなところです。
0投稿日: 2012.02.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
このワクワク感、ただ事じゃない…! 古今東西の暗号解読エピソードが集まった書。 暗号解読には、知恵も知識も必要なんだと学んだ。 暗号に関わる名声を得なかった天才達の悲劇には涙を誘われる。 ここでレビューを書くよりも、訳者あとがきを引用すればいいかな、と 思う程度にはあとがきが面白さを語ってくれていた。
0投稿日: 2012.02.21
powered by ブクログ興味深いテーマを扱っているので読んでみたが、とても難しい本だった。 文系脳しか持ち合わせていない自分には、完璧に内容を理解することができなかった・・・。理系の人はきっと何の障害もなく楽しく読める本なんじゃないかと思います。
0投稿日: 2012.02.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
全編に続き、近代の暗号技術が誕生するまでの歴史がよく分かる。DESの弱さ、公開鍵暗号方式が開発された経緯などなど。戦争が暗号技術を促進してきたということは間違いない。今の公開鍵暗号の強さは、テクノロジーではなく数学とくに素数に依存するものなので、ミレニアム問題が解けるころには公開鍵暗号も使い物にならなくなるだろう。暗号と解読の歴史は、永遠に続く。
0投稿日: 2012.01.21
powered by ブクログ下巻は暗号と似て非なる存在,古代文字の解読から始まって,現代の暗号「公開鍵暗号」,そして未来の暗号「量子暗号」を描く。 古代文字解読の物語。シャンポリオンのヒエログリフ解読,ベントリスとチャドウィックによる線文字Bの解読。熱意と努力で解読に至る何ともドラマチックな実話だ。古代文字には未解読のものも多いが,テキストが少ないなど解読は至難。 20世紀前半までの暗号はすべて鍵を通信当事者以外には漏らさない秘密鍵暗号だった。その中で解読を最も困難にするには,平文と同じくらい長い乱数鍵を,一度きりしか使わなければよい。それなら鍵さえ漏れなければ解読は不可能である。絶対に不可能だ。 しかし,そうすると鍵の配送が事実上不可能になる。確かに,通信毎に暗号文と同じ分量の鍵をやりとりするのは非現実的だ。この鍵配送問題が20世紀半ばまで大きな問題だった。しかしこれを根本的に解決する革命的な暗号方式が開発される。 それが公開鍵暗号である。鍵を秘密ではなく公開してしまうという逆転の発想だ。通信に関与する人はそれぞれ一般に公開する公開鍵と秘密にしておく個人鍵をもっていて,平文を暗号化してもらうときは公開鍵を使い,できた暗号文を復号するときには個人鍵を使う。 例えばAさんがBさんに暗号文を送る場合,AさんはBさんの公開鍵を使って平文を暗号化し,それを受け取ったBさんは自分の個人鍵で暗号文を復号する。これを逆にして,個人鍵で暗号化し,公開鍵で復号すれば,電子署名として使うこともできる。 もちろん公開鍵と個人鍵は対応している。公開鍵と個人鍵を順に用いると,恒等変換になっていなくてはならない。従来の暗号では,暗号化に用いる鍵から,復号に用いる鍵を簡単に求めることができたが,公開鍵暗号ではそうではない。 公開鍵から対応する個人鍵を求めることが事実上不可能になるように設計されている。掛けるときに使う鍵をどんなに調べても,開けるときに使う鍵が分からないようになっているのだ。それには大きな数の素因数分解が非常に難しいことを利用している。 年々強力になるコンピュータの計算能力でも公開鍵から個人鍵を求めるには天文学的な時間がかかる。暗号開発者と解読者との戦いは,当面は開発者の優位が続くだろう。解読者の巻き返しがあるとすると,量子コンピュータの登場以降だろうか。 誰でも簡単に安全な公開鍵暗号が使えるように,コンピュータソフトを開発したジマーマンの物語も語られる。もちろん米政府は,安全な暗号が広く普及することに反対で,ジマーマンは著作権侵害訴訟を起こされるなど軽く弾圧を受ける。しかし結局ジマーマンは追及を逃れ,暗号ソフトは世に出回った。 暗号にかかわる人間たちの歴史ドラマを盛りだくさんに取り上げてまったく飽きさせない。暗号の理論についてごまかしなしに解説してくれるのも嬉しい。巻末には本格的な暗号解読問題を収録。解答は邦訳前に締め切られていたようで,文庫本には正解が収録されているが,めちゃくちゃ難しくて,素人に解読は無理だ。
0投稿日: 2011.12.23
powered by ブクログ暗号の歴史について、やはりサイモン・シンらしく、人間のドラマに焦点を当てた感動的な筆致で読ませてくれ、さらにこれもサイモン・シンらしく、極めて分かりやすく、それでいて本質を外していない解説の仕方で、非常に楽しめた。 最後に暗号作成者の最終的な勝利が確定的に書かれていることに驚かされた。 ただ、量子論については、文系頭の私には世界観が難しすぎて、さすがのサイモン・シンの手腕でもほぼ理解できなかった。というより、受け入れるのにもう少し勉強が必要なのかもしれない。このあたりを、いつかサイモン・シンの著作で読んでみたい。
0投稿日: 2011.12.11
powered by ブクログ暗号に関わる歴史と浪漫にあふれる作品。 各暗号に関しても、その仕組みを理解するのに、専門的な知識不要で、ちょっとした算数があれば理解できる程度までわかりやすく説明されていて、それでいて重要な要素が残っている。 暗号や数学の面白さがわかる一作。 サイモン・シンすげえ
0投稿日: 2011.10.27
powered by ブクログ上巻に引き続き、著者の筆力に感服。 最後は内容が内容だけにだんだん難しくなります。 それでもお勧めです。
0投稿日: 2011.10.15
powered by ブクログピエログリフの解読から始まり 身近に利用している暗号の暗号か方法に至るまで どれもわくわくでした。 そしてPulic keyの意味を初めて知りました。 あと偏光を用いて暗号化する量子暗号に感激 観測することが物理状態に影響を与える性質を利用して 盗聴者の有無がわかるとか そこに気がついた人たち天才
0投稿日: 2011.09.13
