Reader Store
暗号解読(下)(新潮文庫)
暗号解読(下)(新潮文庫)
サイモン・シン、青木薫/新潮社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

140件)
4.2
50
50
23
3
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とても面白いのに眠くてたまらない。 読みながら何度も寝落ちしたのに、面白かった。 そんな感想を抱かせる稀有な本。 郵便、電信、無線、インターネットと情報伝達技術の躍進に伴い、高度化が求められていった秘匿技術が、どのように発展していったのかがとてもよくわかる。 本書で公開鍵の意味を初めて知ることができた。

    0
    投稿日: 2011.08.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    2011 8/6読了。Book1st梅田店で購入。 下巻は未知の文字の解読、公開鍵暗号、量子コンピュータによる解読と量子暗号について扱う。 授業等で何度となく聞いてきた公開鍵暗号だけど、この本でやっとその意味するところと解読の難しさについて理解できた・・・『フェルマーの最終定理』でも思ったことだけど、シン(と、翻訳者の青木薫さん)の難しい話をわかりやすく、かつ面白く素人に伝える能力は凄い。 この手の本では暗号作成者VS解読者の勝負は終わらない・・・みたいに占めるのがよくあるパターンかと思っていたら、量子暗号が実現したときには暗号作成者と解読者の勝負は作成者の勝利で永遠に集結するだろう、という全く違う結末の予想が立てられているところも面白かった。 引き続きシンの本はフォローしていこう。

    0
    投稿日: 2011.08.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    下巻は古代文字の解読、情報社会の暗号、未来の量子暗号と、話題が豊富のため、上巻より面白かった。 下巻の前半で興味深かったのは、ロゼッタストーンの解読の件だ。1799年に発見されたロゼッタストーンは、同じ内容がヒエログリフ(古代エジプト文字)、デモティック(その後の民衆文字)、ギリシャ文字の3種類の文字で書かれていた。「絵文字である」と信じられていたヒエログリフが、実は表音文字であった。 後半のテーマは、未来の暗号「量子暗号」の話だ。そのためには、量子力学や「量子コンピューター」の知識が必要だが、さすがは素粒子物理学の博士号を持つサイモン・シンだ。必要な概念を巧みな比喩で、理解させてくれる。 そして、最も興味深かったのは、「量子暗号システムが長い距離で使えるようになったとき、暗号の進歩はそこで止まる」という一節だ。 科学信仰の現代。科学はどこまでも進歩し続けるものと信じられているが、筆者の意見が正しいとすれば、暗号の世界は限界の一歩手前まで来ているということだ。 科学全般もいつまでも、どこまでも進歩し続けるとは限らない。

    0
    投稿日: 2011.08.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

     機密文書という扱いの上巻から転じ、現代では暗号は当たり前のように使われている。  たとえばインターネットで使われている電子署名とセキュリティで保護されているサイトの表示など、暗号により保護されているのだ。すごい。  そして知っている知識を超えて量子コンピュータの世界へ。  暗号は国家機密であり、情報を制するものは次の世代を制することができそうなので、表に出ないだけで、裏側では着々と量子コンピュータの世界が始まっているのかもしれない。  既知のことから未知のこと、さまざまな人を通してよませてくれる暗号の世界はとても面白いものだった。

    0
    投稿日: 2011.07.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    古代エジプトのヒエログリフ解読から、RSA暗号、PGP、量子コンピュータ/暗号化まで、幅広い範囲を網羅しつつもそれらが完璧に構成され、まったく難しさや読み辛さを感じさせない。もうほんとに、サイモン・シンの本に外れは無い。 量子暗号化の技術により「暗号作成者が完全勝利する時代がついに到来している」という結論については、プライバシーと安全保障という相反する概念に対して、まったく新しい視点と、まったく新しい生活レベルでの変化をもたらす大きなターニングポイントに現代は到達しているのだな、と考えさせられた。

    0
    投稿日: 2011.07.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    上巻の続きから〜コンピュータ,最近の暗号化の研究についての話が入ってくる. コンピュータでの暗号化はちょっと話が古いかもしれないが面白い. 付録の問題はワクワクがいっぱいだが,残念ながら懸賞問題は終了しています.

    0
    投稿日: 2011.05.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    公開鍵と個人鍵の話は自分の中では衝撃だった。コペルニクス的発想の転換とはこういうことかって思った。 ネットで買い物をするときなど何気なく暗号を使用しているだけに、どうやって暗号化しているのか、それを解くのがいかに難しいか、この辺の話は非常に興味深かった。

    0
    投稿日: 2011.03.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    暗号の歴史と技術の発展をわかりやすく楽しく学べた。 読み物としても楽しく、歴史上暗号が果たした役割や暗号解読が歴史を変えたエピソードなどが面白かった。 極秘裏に暗号の解読を行う組織があったことも初めて知った

    0
    投稿日: 2011.03.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     暗号とは、メッセージの外見を変えることにより、正当な受信者にしか読めないようにする方法である。暗号の方法には頭皮に刺青を施し髪で隠すといったメッセージの存在を隠すステガノグラフィーと呼ばれる方法と、情報を何かの規則に従って変換しメッセージの内容を隠すクリプトグラフィーと呼ばれる方法の二種類がある。  暗号は月日とともに進化していく。紀元前五世紀のスパルタで用いられたスキュタレーからスコットランド女王メアリーの用いたノーメンクラター、ナチスドイツのエニグマ、そして今日の公開鍵暗号、そして将来生み出されるであろう量子暗号である。これらは暗号解読者(クリプトアナリスト)と暗号作成者の生存競争により進化が促進されてきた。暗号は暗号解読者によって解読されるたびに解読不能と思われるような暗号へと進化していき、今日でもそれは続いている。  暗号は意図せず生まれることもある。考古学における古代文字の解読は暗号解読者はいても暗号作成者はいないからだ。また、失われた、もしくは使用者が極端に少ない言語は戦時下において暗号として使われたこともあり、暗号は利用者の意図により意義を変容させる。  今日の暗号を取り巻く事情において、プライバシーと治安の問題がある。暗号はすべての人にプライバシーの保護という目的で認められてはいるが、それがテロリストに利用されたとき暗号が解読できなければ治安を維持することは難しくなるだろう。しかし治安の維持のために暗号の解読を為政者に認めてしまえば、それを悪用する者も出る。このジレンマに妥協点として鍵預託という第三の道が提案されている。これは信頼のおける第三者に暗号の個人鍵のコピーを預け、市民が犯罪に関わっているという証明が行われたときのみ個人鍵を警察に引渡し暗号を解読するというものだ。この提案は挫折を繰り返しながらも今なお提案され続けているが、信頼のおける第三者は未だ現れていない。  現在では暗号が政府などが保持する高性能のコンピュータでのみ解読できる解読できる難易度に制限されている。しかしこれも大衆が恐れるのが犯罪者なのか、それとも政府なのかに答えを見出せないままに終わっている。  暗号において最も重要なことは、すべての人に暗号を使う権利を与えた際、治安の維持に限界が生じるリスクを受け入れられるかである。暗号技術の進化と同様に、暗号を使うこと自体も考えていく必要がある。

    0
    投稿日: 2011.01.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2011/1/9読了。 書店でこの本を見かけた際、高校時代に読んだ「フェルマーの最終定理」を思い出して即購入。数学関連のテーマの伝記として、人々のドラマもあり、個々の発見や暗号も分かりやすく文句なしの出来。

    0
    投稿日: 2011.01.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前作の「フェルマーの最終定理」に比べると、テーマに関する技術的な説明が多いのと、その説明が少し難しい部分があるが、それでも何とかついて行けるレベル。前作に続き、一気読みの面白さだった。暗号に関する面白いエピソードが沢山書かれているけれども、その中の1つに、シャーロックホームズの「踊る人形」の暗号文が取り上げられていた。色々な形で踊る人形が文字になっているという暗号なのだけれども、踊る形によって、それがアルファベットの何かを指しているというものだ。「ワトソン君、英語で最も頻度が高く用いられるアルファベットはeなのだよ。だから、この最も頻度高く現われる形の人形はeを示すのだよ。」といったようなやり取りがあったと思うのだけれども、実際の暗号解読でも、こういったアルファベットを他の何かの文字に単純に変換したものは、このシャーロックホームズの推理のように、頻度分析を用いて解読されたという事実があるようで、さすがホームズだね、と思った次第である。他にも暗号に関する面白いエピソードが盛りだくさん。

    0
    投稿日: 2010.12.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    暗号にまつわる歴史がこんなに面白いなんて、思いもよりませんでした。 また、第2次大戦以降のコンピュータ技術がとうとう解けない暗号にまで発展するとは……。 サイモン・シンの著作であと未読は『フェルマーの定理』だ。

    0
    投稿日: 2010.11.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    戦争に使われるなど、きなくさくなってきました暗号。 最後の量子力学の話で、やっと量子コンピュータの薄皮の一部がわかってきたような感じ…さすがサイモン・シンだな!

    0
    投稿日: 2010.11.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     上巻からずっと読んでくると、「公開鍵方式」がどんなにすごいことかわかってくる。そしてそのすごいことが、原理的には「コロンブスの卵」的な発想の転換から生じていて、少なくとも原理的には、すっと理解できるものであることに驚きを感じる。  もっとも、今までいろんなところで「公開鍵方式」のことを読んだけど、こんなに「すっと」理解できてしまったのは初めてなので、作者の筆力のすごさにも感動するべきなのだろう。  実際、「量子コンピューター」の原理について、こんなにすっと理解させてもらえたのも初めてである。(光子暗号はちょっと難しかった)  エキサイティングな一冊。次作も楽しみである(もう日本語訳が出版されているけど)。 2007/7/23

    0
    投稿日: 2010.09.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    難しいっ……けど、なんだかわかったような気にさせてくれるのがよい。 暗号に関しての説明だけじゃなくて、人物に対する考察が深いことが特徴。無機的になりそうなこの類の書き物にしては、妙に血が通っている印象を受けた。

    0
    投稿日: 2010.07.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    内容的には暗号作成者と暗号解読者の戦いを軸に、各年代の暗号を説明しながら進んでいきます。 暗号がテーマだけあって難しい部分もありました。 特にエニグマとボンブのところはかなり難解でした。 現代のコンピュータへ移行する前の最後の部分なので理解するのに時間がかかりました。 その分コンピュータが普及した後の素因数分解を用いた手法のシンプルさが目立ちますね。 自分も研究用のネットワークにはRSAを用いているのでお世話になっているんですが、コンピュータの力勝負ですね。 上巻は正直後半がかなり難解で冗長に感じます。 下巻の方が好みでした。 後、補足が下巻にしかついてないっていうのは問題だと思います。 もともと一冊だったからしょうがないと言えばしょうがないんでしょうけど。

    0
    投稿日: 2010.06.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人類の歴史に暗号が重要な役割をしている事がとても興味深く感じさせられた。 暗号を作る人も破る人もどっちも凄い。 下巻はコンピュータが出来てからの暗号の話。 上巻よりも読みやすく感じた。

    0
    投稿日: 2010.05.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    暗号なんて、兵隊さんの使うもので自分は関係ないと思って追いましたが、そうでした。コンピューターを使う私たちは、メールやらオンライン・ショッピングなんかで結構知らず知らずのうちに使っていたんですね。そんな暗号について興味をそそられる、わかりやすい作品です。

    0
    投稿日: 2010.05.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    下巻はコンピュータが出てきてからの暗号の話がメインに。DESとかRSAとかPGPとか、今も使われているような技術が出てきて、そうか根本的にはこういう仕組みなのねとやっと理解できた感じ。結構丁寧に書いてはあるので、IT系苦手な方でも大丈夫じゃないかなぁと。量子コンピュータになってからはお手上げ状態。 全体的に、もう少し暗号そのものではなくて、暗号を作った人、解読した人たちの物語が読みたかったかなと。

    0
    投稿日: 2010.04.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    暗号にまつわる歴史あれこれを描いたノンフィクションの後編。前編と同様、暗号とそれに関わった人々が生き生きと描かれていて、読み物としてはとても面白いものです。暗号のメカニズムについても平易に解説されていて、歴史的な語りと自然科学的な概説とを見事に両立させた筆致には頭が下がります。 下巻で扱われるのは主に第2次大戦以降の暗号の歴史ですが、本格的にそれに入る前に挿入される古代文字の解読譚は、考古学好きにはたまらないエピソード満載です。なるほど、解読しようとする側に立ってみれば、暗号と古代文字とは同じアプローチを必要としているわけで、戦時に暗号解読に携わった人の本業が未解読文字の研究者だったというのも頷ける気がします。インダス文字やクレタ島の線文字A、中国の契丹文字などをはじめ、世界にはまだまだ未解読文字がそれこそごろごとしている。読みながら私は、将来解読されるだろう(多分)そういった古代文字と同時に、ボイニッチ手稿やレヒニッツ写本などの奇妙な古文書などにしばし思いを馳せ、なんともいえない気分に浸ったのでした。 しかし、そんなロマンに富んだ気分は、その後の章を読むことで吹き飛んでしまいます。暗号の心臓部である「鍵」を、正しくメッセージを送りたい相手「だけ」に知らせたいという「鍵配送問題」の解決は、現代社会にまさに直結するトピックです。私たちがこうしてネットを見たり、電話と同じ感覚でメールをやり取りできることが、どれだけの安全網の上に成り立つものであるか。安全保障と個人のプライバシーをどう両立するのか。本書を読めば、その恩恵の大きさと、暗号社会が便利さと同時に抱え込む危うさに慄然とするでしょう。最後の章で描かれる「量子コンピュータ」と「量子暗号」は、これまでの暗号の持つジレンマを根本からひっくり返す可能性を秘めているといわれています。しかしそれらは、私にはまだ何の未来像も提示していないように思えました。おそらくそれは、本書を読んだ一人ひとりの頭と手とに委ねられている、といえるように感じます。青木薫訳。 (2008年11月入手・2010年3月読了)

    0
    投稿日: 2010.03.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    当時無敵を誇ったドイツ軍の暗号機は、いかにして破られたのか。RSA暗号、PGP暗号、量子暗号──ネットや銀行を始め、知らず知らずのうちに我々の周囲にあふれる暗号技術の現在と未来、歴史の背後に隠された人間ドラマを描き出す。 下巻の内容は自分的には少々難しく、特にRSA暗号やPGP暗号の部分は、何度立ち止まっても理解できない部分が多かった。 それでも最後までこの本から目が離せなかったのは、作者の文章力と読者を惹きつけるその内容にあるのではないかと思う。

    0
    投稿日: 2010.01.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    【内容】 当時最強を誇ったドイツ軍の暗号機はいかにして破られたのか。「戦争の世紀」が「情報の世紀」へと移り変わるなかで、数学者たちの攻防は続く。RSA暗号、PGP暗号、量子コンピュータ、量子暗号…。ネットや銀行を始め、知らずに我々の周囲に溢れる暗号技術の現在と未来、歴史の背後に秘められた人間ドラマを解き明かす傑作ノンフィクション。巻末に「史上最強の暗号」とその解答を収録。 【感想】

    0
    投稿日: 2010.01.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    暗号は数学になった。もう、私にはわかりましぇーん。懸賞の暗号については示唆に富んでいました。どんな暗号であれ、「何語」かで書かれているのなら、その言語を知らないと解けません。外国語に弱い日本人には難しかったというのはその通りだけど、ちょっとくやしいですね。

    0
    投稿日: 2009.11.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    コンピューターの出現と共に、姿を変えてゆく暗号化。 DESや、ちょっと駆け足だけどPGPなんかも出てきます。 鍵交換認証についても、ただ鍵交換してるというだけではなくより詳細な仕組みや これもちょっとした触り程度だけど、電磁波による盗聴にも触れてます。 上巻と同じく丁寧に書かれていて、とても読みやすい。

    0
    投稿日: 2009.09.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     下巻は、暗号解読に似たすでに滅びた言語の解読の話から始まる。 大戦後のコンピューターの普及に伴う暗号の変化、そして量子コンピューター・量子暗号…。  正直言うと、上巻よりはあまり興味深さを感じなかったが、量子コンピューターは面白そう。。そしてこれは現状を完全に破壊しかねないイノベーションで、非常に恐ろしい。 果たして実現性はあるのだろうか、それとも…。

    0
    投稿日: 2009.08.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    情報処理技術者としてDESやRSAなどは当たり前のものですが、その概念が非常に分かりやすく、興味深く書かれていました。また前作「フェルマーの最終定理」で数論についての説明があったおかげで、本書内容をより楽しめたと思います。 訳者あとがきを読んで、サイモン・シンだけでなく、訳者にも感心させられました。

    0
    投稿日: 2009.07.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    サイモン・シンの科学書シリーズ。 下巻では最先端の暗号理論や未だ見ぬ量子コンピューターまで。 難問を解き明かすまでのドラマが描かれており、 数学を知らなくてもある程度楽しめる名著。 数学に興味があるならば全力でオススメしたい。

    0
    投稿日: 2009.04.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上巻の後半でも難しかった暗号作成のプログラムが、下巻に入るとさらにコンピューター技術の発達にともない、桁数のとてつもなく大きい数字を取り入れた暗号が登場してきます。でも、久しぶりに素数とか因数分解とか聞いているうちに懐かしさにも楽しさを著者の文章から感じてしまっていました。こりゃもう中毒症状のようなものです。 コンピューターなしの生活など既に考えられないほどIT化の進んだ世界に住んでいる私たちですが、それがどれほどの暗号に守られている生活なのかを日頃こうして文章をタイプしたり、E-mailをやりとりしているだけでは実感することもないのに、こうして整備されたインフラの裏側にはとてつもないほどの暗号が使用され、守られているのかを思い知らされているのです。誰かの掌の上で日々知らない間に踊りを踊らされているような気分になります。 その意味で、この本を通じてIT社会とはどのようなもので、勝利した暗号作成者たちの遺産であるRSA暗号やPGP暗号の恩恵に私たちが預かっているかを実感しないのもよくないことなのではないか?とさえ思えるほどの発見がありました。毎日に毎日触れているものにこれだけのストーリーとドラマがあるなんて。これはパソコンに触れる人ならば、(知らなくても良いことなのかもしれませんが)知っておいて損はしないと思えるのです。これだけ公私に関わり無く生活に入り込んだ生活用品ってないでしょうからね。 そして『フェルマーの定理』とは異なり最終的な勝者がいない暗号技術の発明と解読の繰り返しは、最終的には解読が不可能で絶対安全な通信手段としての量子暗号原理とそれが現実世界に舞い降りたときに起こるであろう人間の生活と統治主体とのせめぎ合いに言及されながら物語は終わります。自分たちが何も知らない間に、暗号をめぐって市民と統治主体との関係性をも激変させるだけのレベルにまで達した暗号。私たちが夢想する繁栄や利便性に満ちた世界観っていうのは、実は暗号と情報が乗っかった電子信号が飛び交う安心と安全が、プライバシーの喪失とユビキタスな監視と引き換えに手に入るものかな〜とか、その実現に量子暗号が必要ならば政府はそれを許したりしないんじゃないかな?なんて勘ぐったりしてしまう訳です。 何はともあれ、今までに無かった切り口で人間の歴史と技術革新の変遷を盛りこんだ本はないでしょうし、これだけ未来への洞察に対して考えさせられる見解とヒントを与えてくれるような刺激に満ちた本はそうそうないのかもしれません。知的刺激や人間の大いなる可能性と統治者の不気味な企みを同時に感じ取りながら、皆さんも自分に一番身近で実は何も知らない暗号の世界に触れてみてはいかがですか?

    0
    投稿日: 2009.02.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     古代の文字の解読から、量子暗号まで。暗号が、現代の情報社会においては欠かせないものなのだなと感じました。それと同時に、それが諸刃の剣になっていることも。  上下巻を通じて、読みやすい本でした。さすがに量子暗号あたりになると怪しくなってきましたが、それでも読むことができたのは、この本が人間に着目したドラマだからだと思います。

    0
    投稿日: 2009.01.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    単行本より圧倒的に安いのでこちらを購入。 暗号開発者のヒューマンドキュメントといった風情で非常に楽しめた。 楽しむためには暗号について多少の知識は必要。

    0
    投稿日: 2008.12.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「オリジナルな研究をやるということは、愚か者になることなのです。諦めずにやり続けるのは愚か者だけですからね。」(マーティン・ヘルマン)

    0
    投稿日: 2008.12.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上巻読んだら下巻も読むよ。上下巻通して前作に比べて難しさが増した感じがする。でも、面白さ未だ衰えず。

    0
    投稿日: 2008.09.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    RSA暗号、ドイツ軍の暗号機エニグマ・・・暗号に関する物語を凝縮した本。 理系の人間には絶対におもしろい。 (小谷)

    0
    投稿日: 2008.07.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    かの有名なエニグマ機に関する話がとても興味深い。難解な事もとても分かりやすく書いてあるので、題名とは裏腹に非常に読みやすかった。

    0
    投稿日: 2008.02.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    戦争などをきっかけとして政府や軍部中心に発達してきた昔の暗号に対して、現代はインターネットでの商取引などをはじめ、個人でも安全に情報のやり取りをするのに暗号は必須だということがよく分かりました。

    0
    投稿日: 2008.02.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    個人的には現代の暗号事情が垣間見える下巻の方がすき♪それにしても噛み砕いた説明がめちゃめちゃ上手!分かりやすいおススメの本です.

    0
    投稿日: 2007.12.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上巻読んだら下巻も読むよ。上下巻通して前作に比べて難しさが増した感じがする。でも、面白さ未だ衰えず。

    0
    投稿日: 2007.11.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2作目にしてすでに大御所感のあるカリスマサイエンスライターのサイモン・シン。本書は、ちょうど『ダヴィンチ・コード』のブームと重なっていたような気がするけど、そんなブームとは全く関係なく本書は掛け値なしの名作です。人類の文明とともに連綿と連なる、暗号に関する人々の戦い。すなわち、暗号製作者とその解読者の知的バトルの歴史をもの凄いスケールで描ききっている作品。しかし、本書は単なる歴史物語ではなく、暗号に関する説明も十分になされている。その意味で、文系・理系問わず知的好奇心を刺激されることだろう。また、ネット時代における情報管理の役割という現代的な視点もあり、その射程の広さも本書の魅力。

    0
    投稿日: 2007.11.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本書は下巻である。上巻のレビューに包括的な感想をまとめたので、下巻の方には下巻のみの感想を記す。 この下巻においては、暗号はいよいよ現代的なものになる。現代的な暗号とは、つまり数学や最先端の科学が主役となる暗号である。もうこの時代になると、さすがに素人の知識では理解すらおぼつかない。私は理系なので分かった気になったが、果たして文系の人もこのような暗号のエッセンスをすんなりと理解できるのかどうか、少々気になるところではある。 とはいえ、語り口自体は相変わらずこの上ないほどに明快である。上巻を読んだなら、ぜひとも下巻にも目を通していただきたい。☆5つ。

    0
    投稿日: 2007.10.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「暗号解読 下」サイモン・シン、青木薫訳:新潮文庫 まとめ書きその2。 ついに「エニグマ」でさえ解読され、 暗号製作者と暗号解読者の闘いは後者に軍配があがったかに見えた。 しかし近代に入りついに「公開鍵」の概念が発表される。 現在のネットワーク社会において重要な役割を果たすこの鍵、 暗号化に付き纏ってきた鍵の問題を一気に解決するこの技術、 そしてその全てを覆す量子コンピューターとは? 「フェルマーの最終定理」の著者が浮かび上がらせる “見えない闘い”のドラマ。

    0
    投稿日: 2007.07.29