
総合評価
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powered by ブクログ2013〜4年の雑誌連載を書籍化している。まだ東日本大震災の記憶が生々しかった頃。やはり、こうした記憶は放っておくと風化するのが当たり前で、そこに歴史を振り返る意義も出てくるのだろう 語り口はさすがで、雑誌連載がベースゆえ少しだけ散らかった感じはあるが、個人的な思い入れも伝わって読ませる
3投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログ地震に津波に台風に、、古来自然災害で苦悩してきた日本人の、当時の記録を通して、防災のあり方を考える本書。実際の日記などを読み解いていて、リアリティがある。娘を犠牲にした母の決断は読むのが辛すぎて。。一度起きた悲しみはちゃんと未来に活かすべきだなと思う。 全国各地の図書館や古書店で地道に資料集めをする著者。そういう地道な活動で、歴史の輪郭をはっきりとさせていくんだな。
2投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログ冒頭、秀吉と二度の天災の章がおもしろかった。こういう発見を探すのが歴史学者なのだと今後ももっと伝え続けてほしい。未来の素敵な学者ががもっと増えそう。 最後の東北地震の章は、編集者の意図なのか著者が本心から入れたかった話なのかわからないけれど、ちょっと蛇足感があった気がする。おわりにでサラリと話すのみでもよかったのでは的な、微妙な違和感が。
1投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログ日本史に関わってくる天災についての本。当たり前の話だが、日本が地震大国と言うのは大昔からなのだと改めて実感する。その時々の経験や知恵が生かされ、また別の分野にも影響を与え次の代へと繋いでゆく。それらが後の天災への対応に役立った例も多々ある。つくづく歴史というものは馬鹿にできない。 それを残すために必要なものは何か、地縁なのである。今回の金沢地震で強制移住の話が議論されてきた時期があったが、そんな事をしてしまえは過去からの繋がりをみすみす絶ってしまい取り返しのつかないことになる可能性もある。 歴史とは何か、歴史について考えるとはどういうことか、机上で唸るだけでなくフィールドワークも大事であると実感した本。
1投稿日: 2024.01.27
powered by ブクログ過去の文献から、地震、噴火、台風の日本各地での状況を特に過去マックスの被害を受けた可能性のある場所、状況を考え今後の防災への呼びかけを訴える。 地震では南海トラフは150年程度のスパンで起こっており、あと20年の猶予はあるかと著者は考えている。また、富士山噴火は、大地震と前後することがほとんどであり、火山灰の影響は数週間は出て、目がやられる。津波は、想定していたものより過去の最大の高さは大きい。台風や貯水池の崩壊による水害は各所忘れたことろには弱い場所に家が建っており被害を大きくしがちである。
0投稿日: 2023.09.24
powered by ブクログ防災について、歴史に学び、先人の教えを遺し伝えることは不可欠。そのために歴史書を発掘し明らかにしていくのも重要。当地で伝えていくメッセージにもなりそうだ。 例えば富士山が噴火するときには5年前から軽い地震が増え、二か月前から富士山中だけの火山性地震が毎日続いたと、宝永噴火のときのことが記されていたり(p.44)、噴火後振動は4日間、火山灰は12日間続いたという記録も貴重(p.56)。和歌山で、津波の前に、井戸の水が枯れたという前兆現象を濱口が指摘していたというのも興味深いし(p.172)、三陸で東日本大震災で神社が流されなった、鳥居の位置まで水がきたという話も(時々きくような話だが)メッセージとして重要である(p.186)。 他にも、静岡の土砂災害の履歴を古文書から調べたり伊賀忍者の子孫の方の厚意で文書からため池決壊の記事を見つけたりと、研究プロセス自体も面白い。 また、地震が豊臣政権崩落のきっかけになったともいうが(p.31-32)、現代にあっても民主党政権のときに東日本大震災が起こり、そしてその舵取りを誤った菅首相ら民主党の衰亡を招いたのだとも振り返りたくなる。 *** あとがきに、大学のときの歴史学の授業で水本邦彦先生が「歴史学というのは、なにも政治史だけのものではない。動物の歴史だってあるし、トイレの歴史だってある。自然の歴史もある。地震や噴火などの歴史は現代にもつながる生きた歴史である」というようなことを話したという。歴史は生きているし、歴史に学ぶことは、時間スケールの災害との対峙にあってこそ本当に本質的だと思った。
1投稿日: 2023.03.19
powered by ブクログ史実のひとつひとつが印象深い。たいていの物事には経緯というか、原因があって結果があることを示してくれている。 今がすべて正しい訳でも無いが、まずは歴史に謙虚に学ぶ姿勢が大切だと感じた。
1投稿日: 2023.03.12
powered by ブクログ午前中防災講演会で関東大震災の話を聞きました 。その後気になって図書館に行ってこの本を買って一気に読みました 。やはり自然は生きている。自然には勝てない。自然と戦った 多くの人が江戸時代から今までいたのですね。
0投稿日: 2023.02.23
powered by ブクログ地震、津波、台風、高潮、がけ崩れ等々、日本は自然災害が多い国であるが、その歴史が過去の古文書にたくさん残されている。本書は磯田氏がそれらを広く収集し研究したものをまとめたものである。新聞の連載記事を集めた部分があり、同じ内容の繰り返しなど、一冊の本としてのまとまりに欠ける箇所はあるが、そのことが気にならないほど過去の災害体験者たちが残した文書や口伝の迫力は強かった。 このような災害国に住んでいながら、過去の記録に無頓着に土地を開発して家を建てて住んだりしている自分たちに警鐘をならしてくれる研究の価値を再認識した。
0投稿日: 2022.03.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
日本は災害多発地帯であり、予測、防災が困難である以上歴史に学ぶことが大切で、それが歴史学者としての使命とされているようだ。集められた津波関係の古文書、証言は涙を誘う。それだけでなく、実地に繰り出し過去の津波の波高をいろいろな手段を用いて推測する様子に感銘を受けた。興味深いのは、伏見地震によって家康が命拾いし、天下が手中に転がり込むようになったとの見立てだ。災害は日本史の重要局面も左右している。
0投稿日: 2022.03.14
powered by ブクログ図書館で借りた。 TV等でもお馴染みの歴史学者、磯田先生が記す天災に関する本。江戸時代・戦国時代の人々は、天災からどのように生き延びたのか、リアルな叙述で読み入ってしまう本。 日本史という側面より、災害対策は勿論、地理的な知見が深まった気がする。 個人的には福岡藩・佐賀藩がタッグを組んで長崎を守っていたのも知らなかったので、その上で佐賀平野の高潮の話は興味深かった。 歴史に学び、これからに活かしたい。
0投稿日: 2021.11.18
powered by ブクログ古文書から読み解く防災史。 データ主体では無く、伝承される体験史料を元に考察しています。 そこから、今後の温暖化による自然災害や新たな感染症の危険性までピタリと予測する。 語り継がれる歴史の大切さを思い直しました。
0投稿日: 2021.09.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
磯田先生、侮っていました。 ちょっと目新しい視点で歴史をちょいちょいとつまむ、タレント学者だとばっかり思っていたら、結構本格的に「災害史」「防災史」を研究していらっしゃいます。 災害のあった地の古文書を探して読む。 土地の古老に先人の言い伝えを聞く。 地図を見て、災害の中心地と被災地の距離を測ったり地形を分析したりして、実際に起こったであろう災害の規模を割り出す。 地名の由来を調べる。 コツコツと研究されています。←なに様? 文章が読みやすいだけではなく、構成も上手なので、ちゃんと歴史の本になっているのもうまいと思います。 災害について書かれている本にこういう言い方は良くないのでしょうが、読んでいて、続きがすごく気になるほど面白かったです。 2014年に書かれた本ですが、あとがきを読んでショックを受けました。 ”これから備えるべき自然の危機は三つある。第一に、地震津波などの地学的危機。第二に、地球温暖化に伴って台風や集中豪雨が激化することによる風水害・高潮・土砂崩れなどの気象学的危機。そして、第三に、世界の人的交流の進展やテロの可能性が高まり、抗生物質耐性菌・インフルエンザ・出血熱などの感染症学的危機も高まってきている。” こんなに以前に知る人は知っていたのに、全然無策だよなあ。
2投稿日: 2021.07.14
powered by ブクログ新聞連載を元にしていることもあって読みやすい。紹介される災害関連の史料の数々も興味深いが、それらを踏まえた将来への警鐘として読むのが良いと思う。
0投稿日: 2021.06.03
powered by ブクログ天災と日本史の関わりについてわかりやすく解説されている。 非常に読みやすい。 人間同士の関係性についつい目が向きがちだが、歴史を学ぶときにはその時代の自然環境・気候なども含めて理解することが必要だということに気づかされる。
0投稿日: 2021.03.28
powered by ブクログ【信州大学附属図書館の所蔵はこちらです】 https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB17230356
0投稿日: 2021.03.24
powered by ブクログ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB17230356
1投稿日: 2021.02.24
powered by ブクログ古文書や歴史資料に記述される過去の災害の記録を歴史に重ね、被害状況や官民への影響を紐解く。秀吉時代の地震、江戸の津波と富士山噴火、土砂崩れや高潮、幕末史を変えた台風、津波。 災害大国日本を再認識。100年に一度、というのは、稀というより必至と捉えるべきだと知る。
0投稿日: 2020.10.09
powered by ブクログ教科書や時代劇等では知ることができなかった日本の天災史。 先人達が子孫のために残してくれた貴重な資料と教訓をしっかりと伝承していきたい 災害が一気に身近なものになった気がする
0投稿日: 2020.09.04
powered by ブクログ「歴史学は生きている。我々の命をも守りうる現代に必要な学問である。」筆者の強い信念の元書かれた本書は防災史に残る名著であろう。 歴史研究は決して過去のものではない。現代の目から過去を見つめることにより、未来に活かしていく学問。そんな筆者の考えが本書から伝わってくる作品。 地震や火山活動には周期がある。人の一世としては短くとも地球から見ればあまりに短い。何千年、何万年のサイクルで見ると、繰り返される大きな地殻変動がある。東日本大震災でも津波が由緒ある神社の鳥居の手前でピタリと止まる場面が多くの場所で見られたという。それもそのはず、過去の人々は苦い経験を基に新たな集落を築き神を祀る、それが長い年月の間に忘れられてきた歴史を繰り返している。そんな実例を筆者は多くの土地を取材し実例を挙げていく。 本書は2013年から2014年の新聞連載。当然、東日本大震災の記述が多い。古文書を紐解くと過去にも同様な災害が起こっている例の実に多いこと。人はまだ過去から学び続ける必要がある。 本書の後書き、筆者は3つの危機を記す。第一は地震津波など地学的危機。第二は風水害、高潮、土砂崩れなど気象学的危機。そして 「第三に、世界の人的交流の進展やテロの可能性が高まり、抗生物質耐性菌・インフルエンザ・出血熱などの感染症学的的危機も高まってきている。第三の医療・健康・感染症対策については、ここでは述べることができなかった。」 筆者の予想は残念ながら的中し、世界は新型コロナウイルスによる感染と未曾有の経済不況に不況に見舞われている。 本書刊行より後の話だが、筆者は今スペイン風邪その他過去の感染症の古文書を読み解き先人たちの苦闘と克服の過程を各種メディアに提供している。歴史学のあるべき姿を実践する姿勢には感銘を受ける。今後のさらなる活躍に期待しつつ、この本を多くの方に読んでいただきたいと思う。 素晴らしい一冊でした。
0投稿日: 2020.08.22
powered by ブクログ本書は「天災」をキーワードに日本史を読み解いた防災史で、古文書や先人の残した実例史実から用心することの大切さを教えてくれます。2014年に著わされているので、最終の第6章では東日本大震災の教訓についても述べられています。 「人間は現代を生きるために過去をみる。」(まえがき p.ⅲ)、「これから備えるべき自然の危機は三つある。第一に、地震津波などの地学的危機。第二に、地球温暖化にともなって台風や集中豪雨が激化することによる風水害・高潮・土砂崩れなどの気象学的危機。そして、第三に、世界の人的交流の進展やテロの可能性が高まり、抗生物質耐性菌・インフルエンザ・出血熱などの感染症学的危機も高まってきている。」(あとがき p.214-215)という記述も印象に残ります。巻末には地名索引・人名索引が載っています。 (H.T.)
0投稿日: 2020.06.10
powered by ブクログ最近は毎年災害が発生しています。 しかし昔の自然災害による被害は現代とは比べ ものにならなかったでしょう。 そしてそれらは、その後の歴史に大きく影響を 与えたと推測されます。 一方で被災に遭った先人たちはその教訓を後世 に伝えようともしたはずです。 東日本大震災では震災遺構を残すべきか、それ とも「真っさら」にして「無かったこと」に してしまうかの議論はニュース等で見た方も 多いと思います。 この本は私的な悲しみを乗り越え、公的な使命 を全うした先人に防災を学ぶ一冊です。
0投稿日: 2020.05.07
powered by ブクログ地名や神社の位置には先人の教えが表れている。歴史は繰り返す。だからこそ歴史に学ぶもいつの世も人間は変わらないことを今ほど痛感することはない。
0投稿日: 2020.05.04
powered by ブクログ日本史上の史料に残る地震、噴火、台風被害、津波などを考察。 なによりも興味深いのは、著者の母が津波からの生存者であったこと。たまたま四国に里帰りしていた幼い母は津波を避難して山の階段を上っていたが家人とはぐれてしまう。が翌日無事を確かめられた。それゆえ磯田氏地震も津波にはひとしを興味を持っているという。 森繁久彌が遭遇した大津波の記事もおもしろい。 2014.11.21出版 2019.2.27購入
0投稿日: 2020.04.20
powered by ブクログ災害の脅威に対して備えるべき防災について、歴史文献や先人たちから学び、読み取ることの肝要さを啓発してあります。人間の存在を脅かす自然界の危機を三つ挙げられています。①地学的危機(地震・津波・噴火など)②気象学的危機(地球温暖化による風水害・高潮・土砂崩れなど)③感染症学的危機(抗生物質耐性菌・インフルエンザ・出血熱・新型ウイルスなど)。これらの危機に対処し抑止力を高めるために、自国の利益や政治思想にとらわれない世界人として、各国の叡智を結集されんことを願ってやみません。
0投稿日: 2020.02.21
powered by ブクログ文献に遺された、権力や支配体制の変遷や文化の発展以外の歴史的事実を紹介している本。新書という範囲でも日本の災害の多さに改めて知り、これからの地震への備えはひとごとではないと感じた。タイトルの『天災から日本史を読みなおす』は『日本史から天災を考える』の方がピッタリでは?
0投稿日: 2020.02.04
powered by ブクログ学校で習った日本史とは別の視点から、歴史を見ることができ、とても興味深かった。 日本人はずっと昔から災害と一緒に生きてきた。災害に負けず、自然と共存してきたということを改めて考えさせられた。 災害時にひとりでも多くの人の命を救うために、地元の災害史を学びなおす必要を感じた。
2投稿日: 2020.01.02歴史は、現代社会に活かすための先人達の知恵だと思う。
東北三陸沿岸の道を走ると、ある高さより上は普通に建物が有るが、それ以下は何もない事が多い。 津波の到達点なんだろう。残酷で明確な線がそこにある。これより下に家を建てるなと、昔からの石碑には記してあった。とよく聞くが、先人の教えを守れなかった事は残念である。 この本は、70年周期、100年周期等言われる各地の大震災の記録を紐解き、先人に学び現在に活かす先生の活動の賜物である。 磯田先生が防災、災害面にも明るいということを知らなかった。 現在では、温暖化の影響からかスーパー台風など益々天災に遭遇する危険性が高く、必要な書だと思います。 昨今NHKでも、首都直下型地震のシミュレーションを連夜放送していたが、ここに先生が出演されていたらとよく思いました。 これからも益々のご活躍を記念しています。
0投稿日: 2019.12.07
powered by ブクログ東日本の話が辛い。まだ教訓にできるほど客観視できないな。 改めて、先人たちの遺してくれた文書が読めるというのはステキなことだなと感じる。いろんな人がごくごく私的に残した日記などから当時の姿が浮かび上がるというのはほんとにおもしろい。
0投稿日: 2019.05.28
powered by ブクログ過去の古文書や言い伝えから、日頃の天災に対する備えの重要さを説く。 時が経つとどうしても忘れがちになるが、備えを怠ってはいけない。 本の中身については、一つ一つのエピソードというか事例について、もっと深く記述してほしい。できれば、いろんな学者で、一つの事例を掘り下げ、その災害の全貌を描くようなものがあると面白い。
3投稿日: 2019.05.18
powered by ブクログ天災は忘れた頃にやってくる、昔の人の言い伝えは言いえて妙ですね。私に関するものでは、1995年の阪神大震災、それを忘れた頃に実際に18階の勤務先で体験した、2011年の東日本大震災です。 この本では天災という視点から、磯田氏が日本史を解説してくれています。日本史という一つの流れを色々な切り口で眺めてみると、また違った面白さを発見することが出来ます。 以下は気になったポイントです。 ・江戸時代の大名時計の目盛りは、一刻(約120分)を10分の1に刻んだものが多い、聖職者が鐘をついて時刻を下々の者に知らせる時間知識のエリートの地位を失った時こそが、近代社会の到来である(p3、4) ・天正地震が起きなければ、徳川家康は二か月後に豊臣秀吉の大軍の総攻撃をうけるはずであった、兵力は秀吉のほうが圧倒的に有利、長久手の戦い(1584)で一勝したものの、再び秀吉が大軍で攻めてくれば難しい情勢にあった、滅亡の可能性もあり、屈指者であった、石川数正が裏切った(p11) ・1596年の伏見地震でほとんど死にかけた、伏見城は台所一棟を残して全壊した、秀頼を抱いて一生を得た。真っ先に駆け付けたのは細川忠興であった(p18) ・京の大仏が壊れたのは、秀吉が金をケチって金銅仏に造ってあげなかったため、のちに秀頼が莫大な費用をかけて大仏を、金銅仏にして大仏殿も再建した。しかもこの釣り鐘の銘に難癖をつけられて戦争をしかけられた。この大仏を鋳つぶして、寛永通宝にして全国に流通させた(p28) ・富士山が噴火するときは五年前から軽い地震が増え、二か月前から富士山中だけの火山性地震が毎日続く、前回の宝永噴火のときはそうであったと古文書からうかがえる(p44) ・1946年に昭和南海地震が起きたが、その時の津波の高さは70センチであった、それで現在の大阪は津波の恐ろしさを実体験した人が少ない、これは恐ろしいことである、防災は前回に起きた災害の記録に影響されてしまう(p69) ・日本書紀から現代までに、10回の南海地震が起きている、最近南海トラフが動いたのは、1944年と1946年である(p79) ・1680年(延宝8)の閏8月6日の台風は、江戸時代最大の台風といわれる、江戸の雰囲気を一変させたもの。 ・1917(大正6)の10月1日、東京を襲った台風は、東京湾の潮位は海抜3.1メートルまであがり、高潮が市街に流れ込んで、500人が溺死した。築地、木挽町(銀座)までも水浸しとなった(p109) ・藩主自ら西洋帆船にのり、その構造を見た段階で佐賀藩は日本中どこにもない異常な藩となった、鍋島茂義は火縄ではなく、火打石で点火する西洋銃を購入、兵の洋式化をすすめた、戊辰戦争まで佐賀藩は他のどの藩よりも軍事技術で最先端を行った、維新の前半戦は薩長だが、後半戦、日本を平定する段では佐賀藩が武力装置となった(p113、124) ・津波被害が繰り返される場所が、塩入もしくは塩入田とよばれているのを何か所もみる(p186) ・巨大津波では、松は根こそぎ抜けて流され、人や住宅に襲い掛かるで危険である(p187) ・仙台平野は、2000年前、1100年前(貞観津波)、400年前(慶長三陸津波)、そして2011年と四回も大津波に襲われて、内陸4キロ前後まで浸水している、次に来るであろう南海トラフの津波も見ておくべき(p192) 2019年5月6日
0投稿日: 2019.05.06
powered by ブクログ良書。 流石、磯田道史さん。当時の庶民の残した書物を足で探し、読み解き、客観的な感想・意見を元に書かれていて、信憑性がある。 現状、大企業、政府に忖度した都合のよい基準で震災対策、原発推進を行っているように思える。すでに起きた歴史にまなばなければならないのに。 富士山は噴火する。ゴーグルが必要だな。 何も持たずに逃げる。戻らない。
0投稿日: 2019.03.24
powered by ブクログ過去日本に起きた天災、災害について古文書から読み解き、昔の人の経験や教訓をこれからの自分たちに生かして行こうという筆者の思いが前面に詰まった一冊。 歴史というと、小中学校では覚えることがたくさんあって、よく分からない政治のことやら人物やらできごとやらを一生懸命覚えてテストして…これに歴史を学ぶ意義を見出して一生懸命取り組めって到底無理な話だなぁと思いながらとりあえず授業は受けてたけど、磯田さんのこの本を読んで、歴史を学ぶことというのはこういうことなんじゃないかなと思わされました。 当時の人々の生き様、そこにあった苦労や経験の結晶として古文書が現代にも多く残されているのであり、一次史料からそうした当時の人々の様子を読み取って、現代に伝え、教訓として活用していくことこそ本当の歴史を学ぶということだろうなと。そして学校とかではそんなことを学ぶ機会なんてそうそうないから、歴史をニガテに感じたり、暗記だと思ったり、毛嫌いする子もいるのではないかと思いました。 特に日本は地震、津波という災害とは切っても切れない関係にあり、これらをどう克服していくかという課題はまさに古文書の記録や文章に眠っているのではないかと思います。自分も地元の古文書を読んでみたくなりました。
0投稿日: 2019.03.02
powered by ブクログ元は朝日新聞の日曜版で連載されていたコラム。著者はテレビなどで大活躍中の歴史学者。著者の紹介する様々な時代に生きた方々の残した生々しい記録の数々に戦慄するとともに、改めて防災について考えさせられた。特に「宝永の大噴火」の話や「シーボルト台風」の話は深い印象が残った。
0投稿日: 2019.02.16
powered by ブクログ震災史も手掛けているんだなぁ。地震というと理系の研究という感じがするが、歴史学的にも大きな研究対象なんだと知った。
0投稿日: 2019.01.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
第一、事前に家族で地震時にどうするか話し合っているかで生死が分かれる。第二、いちど逃げたら、忘れ物を取りに家に戻ってはならない 松林はかえって危険。巨大津波では松はすぐに根こそぎ抜けて流され、人や住宅に襲いかかるのだと言う
0投稿日: 2018.12.30
powered by ブクログ歴史という学問が現代や未来をどのように生きていくかの羅針盤となるものだということを啓蒙する優れた著作。歴史好きな私としては主語が「天災」よりも「歴史」の方がよかったが、それにしても素晴らしい仕事だと感じました。
0投稿日: 2018.12.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「宝永四年亥の10月4日、昼の九つ時(正午頃)に大地震。高山がさけ、大地がさけ、自分の屋敷、上の山組屋敷、土蔵が押しつぶされたが、家内の者に一人もけがはなく前の畑へ逃げ出した。しばらく過ぎ、津波が打ち上げてきたので、山へ逃げ上った」(「寿栄公御遺訓 全」1738(元文三)年に今の浜松市西区雄踏町山崎にいた豊田九右衛門という男が、子孫に自分の人生経験を語り残したもの) これほど臨場感にあふれた記述もない。建物の倒壊からのがれ、さらに津波に追われて坂を逃げ登った恐怖が伝わってくる。(p.39) 「この火炎に土砂が混じり、西風が毎日吹き、これにより、東国へ砂が降り、富士より東七か国が潰れた(甚大な農業被害が出た)。江戸も砂の厚さ4,5寸(12~15センチ)も積もった。火穴近所の村里は砂の厚さ一丈(三メートル)も積もり田畑はもちろん村里が潰れた」(金五郎日記歳代覚書)(pp.40-41) 1680(延宝八)年閏八月六日の台風による高潮はとくに激烈なものであったという。 この時の台風は江戸時代最大ともいわれ、江戸でも被害が甚大であった。『玉露叢』という記録に、このような記述がある。「(この台風が)江戸市中で吹倒した家は三千四百二十軒余。本所・深川で溺死七百人余。濡れた米が二十万石余。本所・深川・木挽町・築地・芝へ向って高潮があがった。所により家の床より四尺(1.2メートル)、五尺、或いは七尺、八尺(2.4メートル)である」。 床面から測って2.4メートルの浸水だから、海抜三メートルを越える高潮が、現在の東京にきて、江東区深川から中央区銀座・築地、港区芝を浸けたことがわかる。東京都心の低地では、津波がこなくても高潮で海抜三メートルまでは繰り返し浸水してきた歴史があることは知っておきたい。(p.96)
0投稿日: 2018.12.10
powered by ブクログ歴史学者が、日本列島を襲った天災を過去の記録から検証した本。周期的に起こる地震などの被害が、今を生きる私たちに教訓になるかも知れない。江戸時代に富士山が噴火した時の様子には驚かれたし、桃山時代に天災が政治に影響を与えたという話も興味深い。
0投稿日: 2018.11.25
powered by ブクログNHK「英雄たちの選択」の司会をしている磯田先生、本でもテレビ同様に語りが熱いです。 災害を研究するようになると、もう誰も災害で死んでほしくないと思うようになる、というのは自分にも経験がありますが、磯田さんもそんな思いがあるのでしょうな。
0投稿日: 2018.11.18
powered by ブクログ日本史の1つの切り口、災害史。 日本は歴史的に数多くの自然災害に遭遇している。 このため、それを遺した古文書が数多くあるというのが、 磯田氏が繰り返し伝えられている過去の災害の記録である。 東日本大震災から月日が経つにつれて、地震や津波に対しての関心が早くも薄れつつあることを感じる。 しかし、過去の歴史に学ばなければ、将来に来たるべき災害から自らの身を守ることはできない。 改めて、身近な地域から自然災害について考えてみたい。、
0投稿日: 2018.11.15
powered by ブクログ古記録に残る天災の資料のいくつかを紹介し、今後の防災に役立てようという趣旨である。わが国は世界有数の天災多発地帯にある。台風は低気圧による季節的な被害に加え、長期的で予測不可能な大地震や津波の害を繰り返し受けてきている。その数は膨大だ。 にもかかわらず、私たちが日々の生活に恐怖を感じることがないのは、私たちの寿命と関係している。大災害が発生しても次に同じ規模のものが来るまでには人生のスパン以上の時間の流れがあるのだ。強い痛みも時間の流れの中で風化してしまう。 それでも、先人の残した記録によって救われる命もあったようだ。本書で紹介されているエピソードの中には、古記録や口碑を尊重した集落が奇跡的に救われたというものがある。歴史に学べとは災害史以外でもよく聞かれる言葉だが、被災時ほどそれが切実に感じられることはないだろう。 本書には災害が起きたときに何をすべきか、してはならないかという事例が先人の残した記録から示されている。これは語り部の翁の至言として記憶にとどめたい。 本書でもう一つ興味深いのは、限界状況を迎えた時の過去の日本人の行動である。津波が来襲し老母と息子のどちらか一人しか助けられない時、我々ならどういう決断をするだろうか。記録では泣く泣く子を捨てて母をとったという。似たようなエピソードは説話文学の中でも見た気がする。儒教的な人生観によるものと考えられる。では、現代人の限界状況を支えるのは何か。それも気になってしまった。
0投稿日: 2018.10.20
powered by ブクログ古文書の読み解きから、災害から命を守る先人の知恵を抽出する啓蒙の書。地震、台風大国日本に住むからには必需の知見であることに疑いはない。とすると浮かぶ疑問はこの知見が何故に定着していないのか?ということ。歴史における自然災害の知識はその土地の所有者にとっては価値を下落させる情報であるし自治体にとっても人や企業の誘致にマイナスの情報である。情報の非対称性による便益が成立している時に情報公開を促す力はどこから生まれ得るのか。とりあえず自身による情報武装が必要なことは自明である。
0投稿日: 2018.10.09
powered by ブクログ日本に住む以上、災害は切っても切り離せない。とは言いつつも、平時からどのような備えをしておけばいいのか。具体的で分かりやすい事例を紹介しながら教えてくれる本だと感じた。旅先でも避難場所、経路を確認する、自分の住んでいる地域の過去の災害を調べるなど、できることは沢山ある。
0投稿日: 2018.09.28
powered by ブクログ災害史をかじってみたくて手に取った本。エピソードベースなのでさくさく読めて、まとまりはないですが読み物として面白いです。 宝永地震や伏見の地震、あるいは地震だけでなく噴火や津波、土砂崩れ等の事例がとりあげられており、どの地域にどのような災害のリスクがあるのか分かったのが良かったです。災害の後に何が起きたのか、歴史がどう動いたのかがしっかり書かれているのも歴史学者の著者らしくこの本の面白いところかと思います。
1投稿日: 2018.09.02
powered by ブクログ秀吉の時代から現代までの天災を古文書を基に検証していく。 はじめの方は歴史の転換期に天災が関係していたりする事例が挙げられてこそいるが、中盤以降は過去の地震に津波や台風、火山の噴火等の天災の被害に遭った人々の日記等の記録からその規模を推し量り、その際の前兆やらその後の惨状、そこから得られる生き残るための教訓がその都度書かれているので読んでおいて損はない。 少しでも頭の片隅にこの様な知識があるのとないのでは、いざって時に生き残れる確率が違うだろうな。
0投稿日: 2018.08.13
powered by ブクログ先祖が経験してきた天災の事実はきちんと学ばなければならないと思った。日本史としてこれまでの歴史を知ることも大事だけれど、歴史を学ぶ意義はこうしたところにあると思うし、多くの人が学ぶべきものとして扱う必要があるように感じる。 磯田先生は若い頃から防災研究を始められ、東日本大震災をきっかけに過去の災害の歴史について多くの人に知ってもらいたいと思い、公表するようになったと本書で述べられていた。歴史はただの事実ではなくこれからの未来に生かすことのできる、とりわけ危機回避の場面においては命を救うことすらある、先祖の教訓である。 私たちは繰り返される災害に対して歴史をどのように生かし、どんな態度をとっていくのか、これは常に考えなければならないことであると改めて考えさせられた。
0投稿日: 2018.07.07
powered by ブクログ大きな災害で政治生命を失ったのは田沼意次かな? 本当は飢饉とかの情報知りたかった 平安時代末期の飢饉が平清盛にダメージを与えたとか知りたかったですケド・・・
0投稿日: 2018.06.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とても勉強になった。先人のメッセージは古文書の中だけでははなく、神社の位置や地名にも現れている。例えば、南三陸町の防災庁舎。地名は「塩入」という。江戸時代、津波高潮の被害を塩入とよんだそうだ。津波被害が繰り返され、塩入、塩入田と呼ばれる地が何ヶ所もあるという。とても防災庁舎など建てていい場所ではなかった。悔しい事に先人のメッセージは現代人に届かなかった。これを機に、自分でも先人の知恵を学んで生きたいと思う。
0投稿日: 2018.03.22
powered by ブクログ歴史家の立場で、著者や専門家に発見された歴史学から裏付けされた地震などの前兆・天災による罹災状況を著述し、防災知識として昇華したエッセイ。 読者一人ひとりに語りかけ、被災しても、必ず生存して欲しいという著者の願いが詰まっている。 地震、高潮、津波、富士山噴火など中身が、充実し、防災のための知識として、この作品を、1冊目としていいのではと断言してもいいと思う。
2投稿日: 2018.01.15
powered by ブクログ第1章 秀吉と二つの地震。 第2章 宝永地震が招いた津波と富士山噴火。 第3章 土砂崩れ・高潮と日本人。 第4章 災害が変えた幕末史。 第5章 津波から生きのびる知恵。 第6章 東日本大震災の教訓。
0投稿日: 2017.11.10過去は大切と思う
日本は自然災害が多い国です。 30年以上前かな、「日本は気候が穏やかで、その関係から多神教が発展した。中近東では自然が過酷で、そのために一神教のキリスト教やイスラム教が発展した」という論評を読んだことがあるが、災害の面では、むしろ真逆ではないか? プレートの境界に位置することで、火山災害や震災が多発することに加えて、台風による気象災害も非常に多い。「こんな災害の多い国を侵略するメリットがない」という理屈で近世での欧米列強からの植民地化から逃れた??なんて奇説もあるくらい。 こういった自然災害を歴史的に考察した、とても面白い書物です。 私は四国在住なので、戦後の南海大震災の記載は特に興味を持って読むことができました。 著者は、「災害は必ずやってくる」。だから、それを念頭に置いて行動することの重要さを述べています。 最近、防災目的で拠点病院が山の方に移設されたことに対して、「地元民が不便になったと苦情を述べている」というマスコミ記事がありましたが、本書を読むと、それがいかに愚かなことかがわかります。
0投稿日: 2017.10.04
powered by ブクログ九月一日を前に読了。 防災については、いくら学んでももういいということはない。 本書では、噴火、台風、土砂災害、高潮、津波など、過去の大災害の記録から、現代に生かせる教訓を導いている。 自分の命は、自分で守ること。 避難しはじめたら、何があってもものを取りに戻らないこと。 事前に家族で避難のしかたや場所について確認しておくこと。 よく言われることだけれど、これが大事だと再確認できた。 松は10メートルを超える津波では根元から抜け、流木となって被害を及ぼすことは知らなかった。 溜池は大地震で決壊して被害を与えることがあるということも。 土地で災害を語り継いでいるところもあり、磯田さんはその記録を精力的に集めたようだ。 ここに家を建ててはいけないという形で伝わっていたり、神社の鳥居の高さで水についた高さを示したり。 翻ってわが身を見れば、今住む土地のことを知らない。 恐ろしいことだと思う。
0投稿日: 2017.08.30
powered by ブクログ『武士の家計簿』で有名な著者であるが、歴史学者のライフワークとして防災史を研究していることに驚いた。しかし、本書を読むと得心できるが、著者の母という身近な人の出身が徳島県牟岐で、そこは津波常襲地かつ母が津波から難を逃れた被災者だったのだ。地震、津波、富士山噴火、土砂崩れなど古文書に残る災害の記録を集積し防災に役立てる著者の研究は、災害のメカニズムを解く理系分野の研究と並行に行なわれることで、より良い防災につながるものと思う。
0投稿日: 2017.08.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
歴史への理解が浅く、こういう天災史という切り口があるのかと衝撃を受けた一冊でした。1章の伏見の地震についてはそれだけで1つの小説になりそうな位の内容でした。歴史に影響をを与えた地震などの天災はまだまだあると思うので、是非掘り起こして第二、第三のストーリー語ってほしいです。
0投稿日: 2017.08.16
powered by ブクログ歴史学って面白いと思いました。 面白いといっては少しはばかるような内容ではありますが。 史学ってこういうことのためにするものだと 思える内容でした。
2投稿日: 2017.04.07
powered by ブクログ古来から日本人は天災による被害にあい、その記憶と記録を残してきた。残念ながら、のど元過ぎれば熱さ忘れるのが人の性だけれども、本書のように後世に記憶と記録を伝えたい。
0投稿日: 2017.03.31
powered by ブクログ日本で生活する以上、地震、津波、高潮、土砂崩れ等の災害リスクに備える必要があることを歴史が証明している。
0投稿日: 2017.03.24別の角度
震災関連の書籍は数多くありますが、これは別の角度から見た震災関連書。震災にあたってはこういう角度から震災を見つめ直し、今後の参考にするのもいいと思いました。
0投稿日: 2017.02.27
powered by ブクログ朝日新聞「be」連載時に読んでいたはずだが、まとめて読むと改めて考えさせられる。 思い入れが強いこともあり、磯田節全開。 だが、防災のためには、歴史に学ぶことが重要との主張は、その通りだと思う。先人が残しておいてくれた貴重な記録をきちんと学んでおきたいものだ。
0投稿日: 2017.01.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
正直、期待していたものと違った。災害が日本史に与えた影響ということだったので、もっと大きな視点から、歴史的事件や歴史の転換点に与えた影響を分析しているのかと思ったら、筆者のそれまでの研究・調査やそれを通じて集めた資料を五月雨式に紹介しているだけの感を、終始ぬぐうことが出来なかった。巻末で、朝日新聞に連載されていたものを加筆修正したということがわかって、まあ納得はしたけれど。 郷土の天災記録から学ぶというスタンスはとても良いことだと思う。ただ、紹介されているものがいかんせんローカルなので、地図や地形図がなく、文章だけで説明されてもこれまた期待はずれ。 そして、確かに古文書や歴史的史料から学べることは多いのだけども、筆者は歴史学者にすぎず、地震学者や火山学者ではないのであって、それらの専門家が科学的に慎重な姿勢を崩さずにいることを、古文書から断定的に判断するのもいかがなものかと思った。とにかくいろいろ残念だった。 私個人的に一番ショックだったのは、先祖の跡を絶やさず、孝を重んじるために、自分が生き延び、あるいは老親を助けようとして幼児を犠牲にする例が2件も紹介されていたこと。今の価値観とは全然違う…。このような、私たちが今の価値観で昔の災害記録や災害の歴史を学んでしまった時の齟齬について、もっと厚く詳しく解説してくれた方がよかったのではないのかな。確かにそこにつながる一文は書かれていたから…「家族の生活や生い立ち、価値観は避難に影響する」(P155)
0投稿日: 2017.01.05神社のある所
日頃、不思議な所に神社があると感じることが時々ありますが、一部は過去の天災に関連していることもあることが解りました。古文書を分析し、現地で調査をすることによって、いくつかの天災の実相を明らかに、現在の人が参考にすべきことに言及してあります。海岸の松林はむしろ逆効果である可能性があることには、考えを改められました。森繁久彌氏の若いころのエピソ-ドなども面白く読めました。なお、著者は武士の家計簿の原作者でもあります。
1投稿日: 2016.09.08
powered by ブクログ多くの人が命を落とした、歴史上の災害。史料をもとに、一人一人のドラマとして掘り下げているため、時間の壁を越えて胸に迫ってくる。 近代以前に、「後世のために災害の記録を残そう」と考えた人達が多数いたことに感銘を受けた。
0投稿日: 2016.08.07
powered by ブクログかなり読み応えのある作品。歴史で災害を扱うことは大事だ。この地域にそんな災害があり、被害があったのかと、知らなかった話も出て来る。歴史的事実を災害発生の影響という面からながめる見方は非常に興味深い。そして、これから起こる災害の被害を最小限に食い止めたいという作者の気持ちがひしひしと伝わる。
0投稿日: 2016.06.21
powered by ブクログ日本の災害史を学ぶことで未来の予防をする試み。最新の地震発生率も大事だけれど、履歴から学ぶことが更に大事ということでしょう。
0投稿日: 2016.06.20
powered by ブクログご存じ「武士の家計簿」の著者が朝日新聞に連載したエッセイを新書にまとめたもの。2015年の日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。 以下内容の面白いエッセンスです。 豊臣政権を揺るがした天正地震(1586年)と伏見地震(1596年)の2度におよぶ大地震が豊臣政権崩壊の引き金になったという。 特に後者の地震後、秀吉が伏見城の再建と、朝鮮再出兵を疲弊に苦しむ諸国の大名に命じたことが、豊臣から徳川へ人心が移り始めるきっかけとなり、政治の潮目が変わった。 伏見地震の直後、秀吉は小屋に蟄居していたので、徳川家康と家臣は防御が手薄な秀吉を急襲する計画を謀議した資料が国立公文書館の中で見つけた時は、著者は鳥肌がたったという。ただ家康は明智光秀の末路を見ていたので、実行はしなかった。 1828年のシーボルト台風の被害から立ち直るために、佐賀藩では西洋文明を重視する改革派が登場し、以後軍事大国となり幕末史にも影響を与えたと言われる。 余談だが、シーボルト台風に先立ち、1808年にイギリスの軍艦が侵入する事件が起き、佐賀藩は長崎湾を守りきれなかった。この後佐賀藩では西洋帆船との戦いを念頭に置くようになった。とてもかなわぬ西洋軍艦と戦うために、この時に考え出されたのが「捨て足軽」という自爆部隊である。 西洋の圧倒的な軍事力への対抗手段として、非西洋は、しばしば「自爆攻撃」という無茶をやってきた。太平洋戦争での日本の特攻隊がそうであり、イスラム過激派の自爆攻撃がそれである。それらの西洋への自爆攻撃を組織的に準備した最古の歴史的事例がここにあるという。 以上のような面白い話が満載であるが、やはり3.11の東日本大震災のような被害を最小限に食い止めたいと願う著者が、歴史の教訓を今日に当てはめようとする熱意がひしひしと伝わってくる良書であり、一読をお勧めします。
1投稿日: 2016.02.01
powered by ブクログ歴史学者の磯田道史氏が朝日新聞に連載した、「磯田道史の備える歴史学」(2013年4月~2014年9月)をまとめたもの。2015年の日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。 著者は、東日本大震災後、理系の研究者が地震や津波の実態を明らかにした数多くの本が出版されたとしながら、本書の狙いを、「本書は、地震や津波ではなく、人間を主人公として書かれた防災史の書物である。防災の知恵を先人に学ぶとともに、災害とつきあい、災害によって変化していく人間の歴史を読みとっていただけたなら、幸いである」と語っている。 本書では、豊臣秀吉を襲った1586年の天正地震と1596年の伏見地震(これらの地震がなければ、徳川家康の天下にはならなかったと言われる)、1707年の宝永地震とそれが招いた大津波及び富士山の宝永噴火、1828年のシーボルト台風(これにより、佐賀藩は軍事大国となり幕末史にも影響を与えたと言われる)ほか、様々な地震、津波、台風と土砂崩れ・高潮などの災害について、古文書を丁寧に読み解いて、その様子やそこから得られるものを示している。 また、著者は、災害史に興味を持った大きな理由として、著者の実母が1946年に徳島県で昭和南海地震・津波に遭い、九死に一生を得たことと語っており、そのときの実母の経験とそこから得られる知恵についても、詳しく述べている。 そして最後に、東日本大震災の教訓として、津波被災地の古い神社の多くでは、津波は神社の石段を上った鳥居までは来たものの、神社の社屋は被害を免れたことを紹介し、歴史や先人の知恵に学ぶことの大切さを強調している。 英国の歴史家E.H.カーは、名著『歴史とは何か』の中で「歴史とは現在と過去との対話である」と述べ、現在を生きる人間がどのように捉えるかによって、過去の事実のもつ意味は変わってくると言っているが、災害がその時代にどのような影響を及ぼしたのか、及びその災害から現在の我々は何を学べるのかについて知る上で、有益な書と思う。 (2015年12月了)
3投稿日: 2016.01.11
powered by ブクログ天災に備えるための歴史的な記録がこんなにも、それも日本各地にあったのか。磯田さんの執念に敬服する。大変に読みやすい。 ・クローチェ:すべての真の歴史は現代史である ・「捨て足軽」西洋への自爆攻撃を組織的に準備した最古の事例は、佐賀藩・福岡藩の可能性がある。
0投稿日: 2015.11.25
powered by ブクログ本書を読んで思ったのが、日本は自然災害が多い場所、ということ。だから色々対策もできる。けれどもその災害経験が生かされないことも多々あることも分かります。 先の東北大震災では海岸線の松林は役に立たず、津波で引きぬかれた松が人に対する凶器にもなるということに戦慄。このことはあまり知られてないことではないでしょうか。
0投稿日: 2015.08.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
教科書を見ても、日本史の通史を見ても、地震に関するエピソードは関東大震災しか見当たらない。歴史を学ぶ人が参考にするテキストには、震災や台風、津波によって歴史が何らかの影響を受けているという視点がないように思えて仕方がない。 そんなことを思っていたらこの本を図書館で見つけました。 前田利家の娘が亡くなった伏見の地震が秀吉政権を弱らせたという説は新鮮でした。 でも、読後ひしひしと感じたのは、過去の(それも古代中世も含んでまで)震災の記録があればきちんとひも解いて、当時の状況を知ること、犠牲者を出した原因や生死の境目は何だったのかの分析、その土地の特徴を知り、対策を立てることがホントに重要だと思ったのと、学校でも地元で過去にどんな災害があったのかを子どもたちにしっかりと教える必要性があると思いました。そしてサバイバルの知恵を身につけさせることが大事ですね。 本書後半の被災者の記録は思わず涙してしまいます。 こういう研究をしている学者さんって珍しいので磯田さん是非頑張ってほしいです♪ おまけの感想ですが、当初の目的と読後の感想がズレていった自分の感覚につい笑ってしまいました。
0投稿日: 2015.07.18
powered by ブクログ地震、津波、高潮、土砂崩れと、多くの災害に見舞われてきた日本には、その克明な記録が残されている。古文書を紐解けば、過去の災害がどのような規模だったか、同じ被害を繰り返さないために何に注意すればよいのか、多くの示唆が得られる。 地震や津波、富士山の噴火では前兆と考えられる現象が観測されていた。地名や神社の場所には、過去の災害の刻印が隠されていた。悲劇を生き延びた人々が残した戒めが、後の世の人々を救った例も多い。近世の災害や東日本大震災での事例も含め、今後も災害と向き合っていかなければならない日本人が、覚えておくべき多くの教訓が残されている。
3投稿日: 2015.07.10
powered by ブクログ「災害を考える」と言えば、何か“理系”な科学という印象が強いが、「過去の記録を紐解いてモノを考える」という歴史学のような「文系の科学」というのも大切であるような気がした。 とにかく非常に興味深い一冊だ!!
0投稿日: 2015.06.26
powered by ブクログ著者は,『武士の家計簿』を書いた磯田道史氏。石川県人である私は,こちらの方を先に知っているので,「なんで,この先生が,こんな本を書くの?」と思ってしまった。 このあたりのことについて,著者は,あとがきで簡単に触れている。 「しかし,その間も常に災害史のことは頭にあって,武家文書の調査をしていても,地震や津波の資料があれば収集しておくことを20年間続けていた。本書はその積み重ねの成果である。」 なるほで…である。 寒川氏の著作とは,またちがう視点で,過去の地震や津波災害を捉えていて,おもしろい。もしも,あのとき,あの地震が無かったら,歴史はちがう展開になっていたかも知れない…と思う箇所もあった。 ただ,他の人がレビューでも書いているように,後半は,「先人に学ぶ防災」という感じになっていて,ちょっと「日本史を読みなおす」とは言えない内容だ。 でもでも,それもまた大切な情報であり,今後,私たちが「なぜ歴史を学ぶのか」を考える時の1つのヒントを与えてくれる内容であることは確かだ。 最後に紹介されている岩手県普代村の防潮堤と和村村長の話は,明治の話であるだけに,とても身に染みた。
0投稿日: 2015.06.10
powered by ブクログ防災について歴史学から見つめてみようと思い読み始める。 朝日新聞のBe連載時から読んでいたので、再読したものも多い。 昨年土砂災害にあった地元安佐南の八木「蛇落地」の話もある(『佐東町史』に詳しい)。本書を読了後に『佐東町史』の該当箇所を確認したが、この記述だけで土砂災害に結びつけれるかどうかは疑問。ただし、同じ事例の記述が今後もしあればその地域の防災意識を高めるきっかけにはなるであろう。 また、本書では津浪だけでなく台風による高潮被害への警鐘もならしている。 津浪・高潮に頻繁に襲われる日本だけに、どのようにしたら生き残れるか参考となる先人の叡智は多い。
0投稿日: 2015.03.24
powered by ブクログ天災の恐ろしさ、それへの対策の仕方について、古文書から読み取り現代に生かそうという本。 とても参考になります。
0投稿日: 2015.03.20
powered by ブクログ記録に残っている範囲でしか研究対象とすることができないため、地球の歴史という大きな時間軸で見ると、範囲が狭くなってしまうのが残念。 そのため、そこから導かれる天災予測も明日の行動の指針になるような明確なものではない。 ただ、災害時に身を守るのは、結局自分しかいないという事実は改めて納得。極限状態で、あれもこれも考えるのではなく、とにかく自分の身を守ることだけを考えるべきという力強いメッセージがそこにある。 忘れ物を取りに帰るといった安直な行動は厳に慎むべき。
0投稿日: 2015.03.17
powered by ブクログ天災から身を守るためには歴史から学べるものが多い。天災をどのように防ぐか。前兆の記録や対処法を古文書から引っ張り出し、その教訓を読者に訴えます。 こういう本の内容は一般的には解説書風になってしまいがちですが、本書はドキュメンタリー仕立てになっていて、その文章の迫り来る気迫さたるや、戦慄を覚えます。 僕の住む宮崎は、日向灘地震が来ると昔から言われています。本書を読んで、地震・津波発生時の対処法を再認識させられました。とにかく高いところへ逃げる。荷物を取りに戻らない。先ず自分が助からないと他人も助けられないから、自分の安全を最優先する。等。先人の誤ちを繰り返さないよう、肝に命じます。 文章に引き込まれて一気に読めました。僕の評価はA―にします。
0投稿日: 2015.02.22
powered by ブクログ山内一豊の妻が湘南宗化を育てた話。◆森繁久彌の昭和南海地震の津波の話。◆鍋島閑叟のこと。◆◆昔は忠を重んじ、災害で死んでしまったことなど。◆柏原氏災難の話は泣ける。◆
0投稿日: 2015.02.07
powered by ブクログ「武士の家計簿」の原作者が何故防災?と思い読んでみた。がしかし、作者は日本防災史(そんな学問があるかは不明)の大家であった。後半の昭和南海地震の津波被害は、南海トラフ対策に取組む上で非常に重要な情報であった。東北震災の堤防高さの話もあったが、どんな規模の災害が来るのか?津波の高さ?発生する被害?は科学的解析予測も大事だけど、歴史的事実ほど説得力がある根拠はないだろう。作者の丁寧な情報収集に敬意!森繁久彌の話も良かった。
0投稿日: 2015.01.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2014年12月読了。 できるだけ多くの人に読んでもらいたい本。 「日本史から天災を読みなおす」でもいいのかも。
0投稿日: 2014.12.31
powered by ブクログ<目次> 第1章 秀吉と二つの地震 第2章 宝永地震が招いた津波と富士山噴火 第3章 土砂崩れ・高潮と日本人 第4章 災害が変えた幕末史 第5章 津波から生きのびる知恵 第6章 東日本大震災の教訓 <内容> 朝日新聞be連載の記事をまとめたもの。磯田先生の本はとても読みやすい。なぜだろうか? 日本史上の自然災害の歴史を得意の古文書解読の成果で丹念に拾い集めている。勿論、きちんと調べ論文にしている学者も多くいるのだろうが、この読みやすさのせいで、この本を読んだより多くの人に、過去の災害の歴史から学ぶことの多さに気づかせることが出来ると思う。 そういう意味で、タイトルがストレートなのだが、正鵠を射たタイトルで手に取ってもらいたい。
0投稿日: 2014.12.20
powered by ブクログ興味深かった。 筆者が『武士の家計簿』も著した方で、自分の足や目で得た知識から叙述するためかもしれない。 本書は生の哲学と結びついたベネデット・クローチェの歴史哲学に即して“天災に見舞われる現代”のために“天災から日本史を読み解いた”本である。 一章では災害が政治の流れを左右したことを豊臣氏の衰退に観察している。 二章では富士山噴火・南海トラフ大地震を主題においている。富士山噴火には南海トラフと近い時期に起こりやすいため、この2つは一つの章に収められているのだろう。 三章では、土砂崩れと高潮が扱われている。 四・五章では東日本大震災以前までに、どのように災害に遭い、どのように災害の後に行動したかを述べている。五章では特に、それで得られる教訓を書いている。 六章では東日本大震災からの教訓を記している。 科学を信奉したここ2世紀の流れからの変革を感じる本だった。 天災には上手な受け身を取れば被害を少なくできる。力ですべて押さえ込むのではなく、ある程度は最初から損なうこと等を見込む姿勢が求められる時代になってきた。近年の建築に減築という概念が採られてきたのも、これの一つの現れかもしれない。 日本史は天災に大きく影響を受けてきた。今もそうであり、今後もそうだろう。文明化により頭から追い出していた「災害」というものについて再考しようとする時代になってきた。 そして日本史の中に生きている我々は災害に遭った後、後世のために出来るだけ様々な方法で科学的・具体的かつ精密な内容を多く残していくことが必要だ。我々にはまだ点にしか見えないことが1000年後には線が見えるかもしれない。
0投稿日: 2014.12.20
powered by ブクログ冒頭に山内一豊のエピソードがあります。 内助の功の「馬買い」で知られる山内一豊ですが、著者はそれよりも、天正地震での彼の娘の死と、捨て子への愛情の話こそがよほど知られるべきだ、と述べています。不運を人の優しさで幸運のきっかけに転化できる、震災後こそ、人の生き方が大切である、と。 豊臣政権崩壊のきっかけとなった伏見地震だとか、佐賀藩が、台風を通じて藩主の姿勢に軍事化に目覚め、ひいては日本の工業化につながっていく、などの歴史が動いた的話もありますが、全体を通じて、記録を紐解き、危なさを知り伝える、という姿勢が通底しています。 多くの災害は記録や証言にヒントがあるのに、どうして悲劇が繰り返されてしまうのでしょうか。「災害時には、平時の慣習や規則が、人命を損ないかねない場合がある。現代人も心すべきだ」とあります。記録がいくらあろうとも、そして知識として仮に知っていたとしても、そのように心しなければ、そのときによい行動ができるとは限りません。 古文書の記録ばかりでなく、近年の災害の生き証人も登場します。中には、家族を連れて逃げられないので、一家でみな津波にのまれた、などという凄惨な例も。 テーマがテーマなので、面白い本、なんていう紹介の仕方はできませんが、やはり僕らは先人に学ぶしかないわけです。
0投稿日: 2014.12.14
