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リカーシブル(新潮文庫)
リカーシブル(新潮文庫)
米澤穂信/新潮社
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総合評価

129件)
3.7
15
54
39
5
2
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    米澤穂信が描く、因習村っぽい雰囲気が漂うミステリ  以下、公式のあらすじ --------------------- 越野ハルカ。父の失踪により母親の故郷に越してきた少女は、弟とともに過疎化が進む地方都市での生活を始める。だが、町では高速道路の誘致運動を巡る暗闘と未来視にまつわる伝承が入り組み、不穏な空気が漂い出していた。そんな中、弟サトルの言動をなぞるかのような事件が相次ぎ……。大人たちの矛盾と、自分が進むべき道。十代の切なさと成長を描く、心突き刺す青春ミステリ。 ---------------------  因習村ものミステリの雰囲気を感じる 未来予知をして村に利益をもたらした後に、自信も命を落とすタマナヒメの伝承 田舎町の民間信仰としての庚申講 代々のタマナヒメのもたらした利益と非業の死 高速道路の誘致を望む街の人達、そして現代のタマナヒメ  弟のした予知や過去見としては、置き引きの居場所、報橋での惨事など 外から来た、しかも男である弟が今代のタマナヒメという事があり得るのか? 果たして、その不思議な力は本物なのか?  訳ありで越してきたハルカ 弟のサトル 中学校で知り合ったリンカ   「ボトルネック」の例もあるので、不思議なことは不思議なまな終わる可能性も考えながら読んだけど ある程度はちゃんと説明のつく構造の物語でよかった  ただ、すべてが説明のつく事柄ではない それこそ、物語の後、ちゃんと登校してくるのか疑問が残る  そんなスッキリしない終わり方なあたりがとても米澤穂信っぽい   タイトルの「リカーシブル」 言葉の意味としては「再帰性」だけど タマナヒメの再帰性について言っているのだろうか? だとすると、本物という事になるのだが……

    5
    投稿日: 2025.09.12
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    米澤穂信さんの別の作品(Iの悲劇)にも通ずるけど、静かに衰退する地方都市の姿と独特のよそ者を排除する雰囲気を感じて、空気を読んで生きていかなければいけない息苦しさを感じた。 都会は都会で大変だから、悪い面を見始めたらどこでも生きていくのは大変だ。

    1
    投稿日: 2025.09.06
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    古い寂れた田舎の街。 そこに訪れる中学生の少女。 米澤穂信が描く思春期の子供達は、誰もが賢く思慮深い。 その思慮深さが、この物語では何とも悲しい。 過酷な運命を背負ってこの街の謎と、田舎の嫌な風習に挑む。 街の人の考え方には、理解に苦しむ所があり、現実離れした所がある。こんなことがあるものなのだろうか? でもその「嫌な感じ」が米澤穂信は上手いな、と感じる。

    0
    投稿日: 2025.07.28
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    米澤穂信も時折意味深で何かが分かりそうで分からない作品を書く。 本作はホラーかと思いつつも何とかミステリに踏みとどまっている。地方都市の不気味さ、少年少女の切なさや不安がよく描かれている。 あえて狙ったように日常と不穏の合間にあるような空気を描くのが見事だ。個人的に雲を掴むような話なのでもう少しあやふやな輪郭をはっきりさせてもいいのではと思えた。

    0
    投稿日: 2025.06.04
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    引越してきた町で新しい生活が始まる中学1年生のハルカ。弟はいつもぐちぐち言ってる頼りない8歳のサトル。 慎重に振る舞い、なじめるように気をつけていたけど、どうもこの町はおかしい。 高速道路を誘致したい住民たちや、民話のタマナヒメが代々続いている疑問。 ずっと何が起こるのか、何が結末に待ってるのか不穏な空気感だけが漂う感じ。 それがラストに一気に明らかになる。 10年以上前の作品で、しかも主人公が中学生なので、中高生向けかな?って思ったけど、舐めてはいけない。 やっぱり米澤穂信は面白い!

    25
    投稿日: 2025.04.23
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    不気味な町、そこに住む妙な人物。舞台設定がうまい。 終盤の名探偵に変貌するところが急展開すぎ、中学生というのは少し無理がある。解説に、少女を主人公に、という著者の思いが書かれていて、なるほどと思った。 明日からの成長したハルカが、どんな生活を送るのだろうか?

    3
    投稿日: 2025.04.05
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    あまり重い雰囲気はなく、青春ミステリーといった感じで爽やかさすら感じた。 個人的に好きな民俗学的な要素もあったのが嬉しかったかな。 自分も知らない田舎町に引っ越したような気分になった。

    5
    投稿日: 2025.02.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「小市民シリーズ」を少しだけ読んで、作者がどういうミステリーを書かれるのかが気になって、本作を見つけた。 読み始めからずっと「いやーな感じ」がまとわりつく。 引越した町に根付く伝承。その伝承を基に起きる奇怪なもろもろ。 友達も町の人もママも、全てが嘘くさいと思うのに、何がどうなっているのか、が見えてこない。 途中で辞めようかと思ったけれど、結論が知りたくてなんとか最後まで。 ミステリーになるのかな? 私個人の気持ち的にはホラーで、すっきりしないまま。 生きていかなければならないとしても、ママとの家に帰るのはどうなんだろう?

    1
    投稿日: 2024.12.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    クラスメート、三浦先生はよそ者だから死んじゃったほうがいいとか言っててかなり嫌だった(親御さんたちが言ってたのを真似しただけなのかもしれないけど主人公みたいに自分で考えて欲しい) 主人公がいい方向に終わったからそこだけは良かったけど、街はめちゃくちゃ嫌 サトルくんはハルカのことすごく好きなんだろうな〜ってなった ハルカに笑われるわよで癇癪がおさまるのがかわいい

    0
    投稿日: 2024.11.22
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    事件が起き始めるまでが長かった。不穏な空気を感じさせる描写は上手いが、事件自体はインパクトに欠けました。

    0
    投稿日: 2024.10.21
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    寂れた地方都市に漂う不穏な雰囲気と不安定な平和に奮闘苦戦するハルカという、青春ミステリのテーマや空気感は良い。ある封筒が届いて均衡が瓦解していく場面は胸を締め付けられる。ただ、後半3分の2以降からの展開が唐突過ぎる印象。伏線めいた出来事は散発しているものの、とある事件のとある人物との対話から、それまで全く片鱗を見せなかった名探偵ぶりを見せ始める。サトルをそこまで邪険に扱い、そこまで肩入れする心境変化も良く分からない。中盤まで薄氷を踏むバランスで青春とサスペンスとの両立していただけに残念さはある。そこさえ割り切れば読後感は悪くない。

    0
    投稿日: 2024.09.22
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    夏になると米澤穂信さんが読みたくなる。 リアルでうっすら不気味で 静かに没入することができるから 期待通りにのめり込んで読むことができてよかった。

    0
    投稿日: 2024.08.16
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    いやいやそんなのあるわけないじゃんって一蹴出来ないのが米澤穂信ワールド。日本のどこかで実際に起きていることと言われても信じてしまいそうな引き込まれ方。本作品に全く関係ないけど、ちょうどアニメ『ひぐらしのなく頃に』を視聴中なのでわかる人には分かると思うが市民が怖い…(本作とひぐらしのなく頃にを同時期に観ている人はさすがにいないとは思うけど笑)

    1
    投稿日: 2024.07.21
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    終始に渡って良い意味での気味の悪さがあった。それがハルカの言動なのか、家族の思いなのか、友人の奇妙な行動なのか、過疎化が進む中での住民たちの願いなのか。これからのハルカの人生を思うと切ない。

    34
    投稿日: 2024.07.15
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    ハルカが引っ越してきたのは、ずっと薄く暗いような雰囲気の街。何かを隠しているような。 高速道路が来れば救われる、なんとも他力本願で、きっと誰もがもう叶わないと分かっている夢を見続けるしかない大人たち。そんな大人たちに付き合わされる子どもたち。 この歪みは根が深い。

    0
    投稿日: 2024.05.06
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    土地に根付く風習、信仰、言い伝え 危うさ、ばかばかしさの描写と、それに振り回される少女たちの心情描写を淡々と書ききる 前半のゾワゾワとする違和感、後半の走り出す狂気、たまらない

    0
    投稿日: 2024.03.25
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    実父の失踪により 義理母の田舎に越してきた中一の少女。 過疎化が進む地方都市には、タマナヒメという伝承が今も残る。 これが庚申講繋がり。京極堂が役立つ一瞬。 都会から息苦しい田舎で自分の立ち位置を探しながら、家庭での居場所も探す。 未来予知の不思議な伝承を地道に読み解きながら、義理弟の不可解な予見的言動の事実にたどり着く。 父は戻らずともこれからも頑張っていけそうな少女なのだ。

    72
    投稿日: 2024.02.26
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    なるほどと伏線回収に感心する作品でした。 都市伝説が現実になっているような、まるでファンタジー要素のある作品なのかと思っていたら、まさかのラストで、今まで不思議だった部分が全て繋がる伏線回収は素晴らしいです。 また自分は連れ子であり、血の繋がった父親も居ない、完全な他人とわかっていながら、母に愛情を求めてしまう。弟ともどこか距離を置いてしまう。そんな主人公の葛藤と前に進んでいく覚悟が、物語をより魅力的にしていると感じました。

    0
    投稿日: 2024.01.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    因習のある地域でのミステリーで全体的に薄暗い雰囲気 未来予知でSFめいた要素があるのかと思いきや、町全体の大勢が関わった仕掛けで狂信的な怖さが出ていてよかった 主人公だけでなくリンカの複雑な心境ももっと深ぼりしてほしい

    0
    投稿日: 2024.01.13
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    後先の見える子と呑み込みの早い子、それぞれの諦観と虚勢が痛ましいというか。中学1年生に背負わせるにはちょっと荷が重いようにも思うけど、それでもお姉ちゃんは強かった? あるいは強くなったというべきなのかな。あの母親は、本当は色々な意味でとっても「弱い」んだろうなぁ。

    0
    投稿日: 2023.12.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    違和感が積み重なって確信に変わっていく感じが気持ち悪いけど心地良い まさかそんなわけないよな...と思ってたことが本当になっていくことで変な意味で爽快さを感じる にしてもこういう街ぐるみでとんでもないことするっていうのは現実でもあり得るんだろうか この時代明らかになっていない情報なんてないように思うけど、関係者が全員消されてたとしたら...という想像までしてしまう 自分の知っている世界なんてほんの一部でしかないんだよな

    0
    投稿日: 2023.10.28
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    日常の平凡系と思いつつ読み進んでいくので、最初の方はちっと微妙なのかも?とか思ってたわけです。が、微妙な違和感が少しずつ溜まっていくこの不快感は好きなんよ。 あえて例えさせて頂くならばテクノなんかでジワーッと次の曲に繋げていく際に少しだけ音階をずらしながら行くけど段々と次に繋がって行ってあれいつの間にか次の曲にキレイに流れているというあの爽快感が! と勝手に例えつつ、田舎にはありそうななさそうなしきたりだかなんだか分かんない世界とか全体的にドカンとなるようなネタではないんだけどだからこその絶妙さが職人っぽいというかいや適当にフィーリングだけど自分的にはずっぽりハマったですよ。

    0
    投稿日: 2023.07.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あえて王道の展開から外したなぁ、という感じの終わり方だった。リアルっぽい雰囲気の作品によくありがちな、フィクションほど吹っ切れてないせいで感じる不完全燃焼感がどうしても気になる。 途中(半分越えたあたり)は面白かった。 やや閉鎖的で退廃の香りがする街での謎の風習、それを調べていた人が危険な目にあって、超常ホラーか?!とワクワクした。 あと個人的には、お母さん……お母さんがものすごく引っかかった。エンディング後あんなんいる家に帰らなきゃいけないの……? 古典部シリーズからの流れで他のも読んでみたい!と買ったうちの1本目だけど、正直女子中学生視点書くの向いてないかな……と思った。奉太郎がすごい合ってたから、余計におじさんの考えるちょっと大人びた女子中学生って感じが気になった。地の文が特に。

    0
    投稿日: 2023.05.18
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    田舎の閉鎖的な社会の現実が垣間見れた。 部外者であるハルカの視点が読者の視点に近く、ハルカには味方がいないのに強く生きる姿がかっこよかった! 中学生の少女2人が中心人物のミステリーは面白かった。登場人物が少なく感じてその中でこんな長編書けるのすごい、、

    0
    投稿日: 2023.03.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昭和の香りがするミステリー作品でした。 それにしても、ハルカのような賢い少女が お金の心配なく、ちゃんと大学まで進学できることを祈るばかりです。 ハルカのお父さんなのに、どうして横領しちゃったのか…それとも冤罪か… 冤罪はれて、戻ってきて欲しい、です。 お母さんも、優しいお母さんと読み進んでいったけど…

    0
    投稿日: 2023.02.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    民間信仰の関係してくる小説は問答無用で好きってことに気付いた本 タイトル回収というかタイトルの意味を理解したときは鳥肌立った

    0
    投稿日: 2023.02.20
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    ダークな青春小説的切り口から田舎の伝承を基にしたミステリへの繋ぎ方が良かった。 住民の狂気的な信仰の強さが恐ろしくホラー小説っぽくもあった。

    0
    投稿日: 2022.10.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久々の米澤穂信作品。 田舎特有の息苦しさとそれに立ち向かう少女の成長物語であった。序盤は都会から越してきた血の繋がらない母親・弟の関係性が中心だったが段々と、得体の知れないものが迫っていくサスペンス要素が強くなっていくところが面白かったです。 黒幕については登場人物が少ないからか、直ぐに見当はついたもののその予想をおおきく上回る所がとても良かったです。まさか、町ぐるみで、しかも母親を巻き込んでまで彼の記憶を呼び戻そうとしていたという事への衝撃やそこまでして水野報告を手に入れたいのかと驚きが隠せなかった。それが当たり前に行われている所が、それによって人を追い詰めることが出来てしまうというのがとても恐怖を感じました。 そしてもうひとつの要素として血の繋がらない姉弟の絆も軸となっている。最初はどこかぎこちなくお互いに「バカ」呼ばわりしていたのが、サトルの秘密が明らかになっていくとともに彼の事を見直し、一人の「姉」として彼を護ろうとする所がとてもグッときました。 米澤穂信作品はダークな世界観が特徴的で今回もそれに近いものであるが、最後のシーンは希望を持たせる結末になっていたところも良かったです。 この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。 越野ハルカ:黒沢ともよ 越野サトル:種崎敦美 越野ヨシエ:茅野愛衣 在原リンカ:早見沙織 三浦孝道:福山潤 宮地ユウコ:佐藤聡美

    32
    投稿日: 2022.08.13
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    米澤穂信さんが書く芯のある女の子のキャラクターが好きだ。 そして内容も面白く、しっかりとした重さがある感じ。 適度に謎もある。

    1
    投稿日: 2022.08.09
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    視点人物が中学生というところで読みのレベルを落としてしまった感は否めない。 米澤穂信、こういうのもあるのね。

    1
    投稿日: 2022.06.20
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    ムラ社会の異常さ、怖さが伝わってくる。 本当に怖いのは人間である。 タイトルがわかりにくいが、繰り返し現れるタマナヒメを示しているのだろう。

    0
    投稿日: 2021.10.15
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    主人公のハルカが、衰退の一途をたどる村の謎に巻き込まれていく話。村に伝わる言い伝えとこれまでにあった現実の事件との関係性がだんだんと明確になっていく。個人的には、ハルカが血のつながらない母親や村で知り合ったリンカと今後どのように付き合っていくのかが気になる。継母は優しくハルカに接するけれど、けっしてハルカや実子を第一に考えているわけではない。親であっても、追い込まれれば、大なり小なりわが子を犠牲にする。そのことを明確に意識したハルカが今後どのように成長していくかが知りたくなった。

    0
    投稿日: 2021.10.08
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    父の失踪により母親の故郷に越してきた主人公の少女、越野ハルカ。母と弟との3人で過疎化が進む地方都市での生活を始める。しかし、町では高速道路の誘致運動を巡る暗闇と未来視にまつわる伝承が入り組み、不穏な空気が漂い出していた。そんな中、弟サトルの言動をなぞるかのような事件が相次ぎ…。 米澤穂信の描く「青春ミステリ」とあるが、爽やかさや甘酸っぱさのある「青春」とは異なる印象を残した。主人公ハルカは中学一年生であるが、クラスでの振る舞いの仕方や空気を読む力、「どうすべきか」という言動を選ぶ姿がとてもませている。その性格は両親の離婚と再婚、そして唯一の肉親であった父の失踪などの不幸な境遇が生んだものであるのがわかるので、なんとも切ない気持ちになる。 全体的に、町に蔓延るなんともいえない不気味さが薄気味悪く、それに町に残る伝承の話が交差してより気味の悪さが増していく。果たしてこの町に潜む気味の悪さの正体とは、そして弟の予知能力はなんなのか。 きちんと伏線を回収して納得いく結末に持っていくのはさすがだった。その一方で全てが解決できた訳では無い、少し不安の残るラストシーンも米澤穂信作品らしいと思う。

    0
    投稿日: 2021.08.28
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    '21年8月24日、読了。「儚い羊たちの祝宴」に続き、米澤穂信さん、連読。 いやぁ…凄かった!打ちのめされました! 主人公は中学一年生の女の子。悩み、苦しみ、澄んだ瞳でまっすぐ前を見て、事件を解決していく…そして、今後の自分の人生に、立ち向かっていく決意を固める。そんな様に…非常に心動かされました。 第8章の、主人公の苦しみに…胸が押しつぶされそうでした。 僕には、決してハッピーエンドには思えません(米澤さんの作品だから、当たり前と言えば当たり前、かな)でしたが、中一の女子の、「幼さと真っ直ぐさ」みたいなのを見せられた気がします。フィクションであろうとも。 地方都市の閉塞感や「舞台」設定、「タマナヒメ」の妖しげな謎、などなど、とても良く描かれていて、ミステリーとしてもとても面白かったです! 今まで読んだ米澤穂信さん作品では、僕にとってはベストかも…。

    5
    投稿日: 2021.08.24
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    離婚した母と弟のサトルとで坂枚市という母の故郷に引っ越してきたハルカ。ほどなく母とサトルは父が再婚した女性と連れ子だとわかるが、微妙な関係性がハルカの心情から描かれている。そこに土地の伝説とサトルの既視感が交差し物語は進む。中学1年の4月の出来ごと。ハルカとサトルがとても生き生きしている。 2013.1.20発行 図書館

    1
    投稿日: 2021.08.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    細かな表現を用いて少しずつ解明されていく謎。 辛いことが起きても なお謙虚であり、ラストのサトルへの語りかけから成長を感じられる主人公・ハルカを応援したくなる一冊でした。

    0
    投稿日: 2021.07.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大人はいつも正しいわけじゃない、大人はいつも守ってくれるわけじゃない、ということをだいぶ辛い経緯で学んでしまった子だった…何かを信じて縋って、それに裏切られて、それでも前を向いて弟をおぶって帰るの、中1とは思えないくらい強い。 ミステリーといえば探偵もので、探偵は事件そのものの解決がゴールだけど、ハルカはそれには全く興味がなくて、ただただサトルの味方になっただけなところが、遠いどこかの不気味な田舎、不思議な伝承、という設定の中で、妙に親近感があって肩入れができた要素なのかなって。

    0
    投稿日: 2021.06.03
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    青春ストーリー、的な要素もありながら、弟の能力とともにその地にまつわる伝説と対峙するミステリーで、ドキドキしながら読み進めました。

    0
    投稿日: 2021.05.04
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    青春の爽やかさでもなく、きらめきでもなく、仄暗さと不穏な雰囲気が終始漂う青春ミステリ。米澤穂信さんらしい絶対零度の真実が最後に待ち受けます。 父の失踪により、母と弟とともに地方都市へ越してきた越野ハルカ。目立たないよう新しい町や学校になじもうとする彼女だが、弟のサトルの未来を言いあてるような予言に翻弄され、やがて町の伝承と、高速道路の誘致運動をめぐる闇に少しずつ近づいていく。 特徴的なのは作品に漂う空気感。過疎化が進む、どこか閉鎖的な町の奇妙な人間関係や、うかがい知れない力関係。新たに町に越してきたハルカは、その空気感の奥に何があるのかはわからないけど、でも「なにかがおかしい」ということだけは感じています。 その空気感の演出が巧い。読んでいる側も徐々に町の不穏な雰囲気に囚われていくし、その不穏さの理由が一向に分からないのが、なおさら不安感をあおる。ハルカが知る町の伝承や、高速道路をめぐる誘致運動がその原因なのだろう、と見当こそつくものの、そこから先がなかなか見えてこない。 具体的に何があったのか? 誰のどのような思惑があるのか? それが終盤に至るまで全く見えてこないので、もどかしさはあるものの、それ以上に先の見えなさが不安をとにかく煽ってくる。 そして物語の3分の2くらいで、その不穏さは具体的なカタチをなしてくる。ハルカの学校の教師が巻き込まれた奇妙な事故。ハルカの唯一の友人の不審な行動、そして奇妙なまでに優しかった母親の変化。 不穏さは徐々に具体的なカタチを伴うようになり、読んでいるこちらの体温も徐々に冷えてくる感覚に陥ります。そしてハルカと母親の決定的な関係性の変化が訪れ、町とサトルの未来視の秘密が明らかになると、ハルカは残酷な真実を知るとともに、子供のままではいられないことを悟ります。 ミステリーとして読むと、明言されていないところや、読者の想像にゆだねられているところ、オカルトじみたところもあって、やや消化不良の感は残るかもしれない。でも、この小説はそうしたミステリーとしての解決に重きを置いていないような気もします。 強くならざるを得なくなってしまった少女。彼女の置かれた境遇や環境はあまりに苦く、闇が漂う一方、そんな中でも、強くあらねばという彼女の決意が強く印象に残る。 爽やかさも、きらめきも、友情もない。それでも少女の新たな成長を描いた、仄暗い青春ミステリ。なんとも言い難い余韻の残る作品でした。 2014年版このミステリーがすごい! 7位

    11
    投稿日: 2021.02.18
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    序盤は街の人達や母親の言動がじわじわと怖く、どんなヒミツが隠されているのかドキドキしながら読んだ。後半になるにつれてちょっと失速というか、真相に、ふーん、という感じ。独特の不気味さがとても良かった。

    0
    投稿日: 2021.02.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

     評価星四は多分に自分の嗜好が反映されている事を断っておく。恐らく星一つ分位は個人的な気持ちからだ。  米澤穂信の十八番とも言うべき青春ミステリ。その手腕は本作に於いても遺憾無く発揮されている。  主人公は中学生になったばかりの少女である。小学三年生の弟に手を焼く。幼いながらも主人公ハルカはとても頭の良い子だという印象を受けた。スクールカーストを気にする立ち振る舞いなど、勉強以外にも知恵を振り絞って環境に溶け込もうと努力する。同じく米澤穂信の「さよなら妖精」「王とサーカス」「真実の十メートル手前」から成る所謂ベルーフシリーズに登場する主人公太刀洗万智に近い賢い子なのだと思った。  だが年齢相応の幼さも同時に持ち合わせている。彼女がたった一つ信じて、そして信じられなくなったものは、この上無く青い感情だ。読み進めるうちに思春期の陰翳がまざまざと描き出される。  舞台設定も魅力的ではないか。密かな信仰、或いは盲信に囚われた、ある意味でのクローズドワールド。一見何でもないようでいて、妖しい匂いが次第々々に立ち籠めてくる。外部からは見え難いが、この町には何かある。そんな不安な予感。  そう、テーマの一つには「信仰」が挙げられるだろうか。何かを信じるということは人の生きる縁(よすが)である。「信仰」に盲従する人々と、決別する人と。これは一人の少女が幼い「信仰」と訣別し、自分の力で人生を切り拓こうとする成長の物語とも言える。  伝奇的な匂いも良い。何にせよ「過去」も一つのテーマであろう。仄暗く、それでいてどこか懐かしいもの。こういうものに惹かれて止まないのは自分ばかりではないだろう。  最後に登場人物のネーミングに就いても言及しておく。直球過ぎて言うまでもないかも知れないが。弟の「サトル」などは言うに及ばず、主人公がクラスで友達になる「在原リンカ」。最初判明した時から、片仮名表記の所為か、やけに印象的な名前だとは思った(主要キャラなのだから当然なのだが)。けどこれ絶対「reincarnation(輪廻、転生、生まれ変わり)」からでしょ。こういう小ネタが憎いんだよ。

    0
    投稿日: 2020.09.28
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    面白かったです 序盤はなかなかどういう話か掴めない感じもあったけれど、伏線が徐々に回収される終盤は一気に読めました 最後に謎が解かれてもそれによってより一層切なくなる感じが米澤先生の作品だなと思いました 小市民シリーズから入り多数の米澤作品を読んできましたがこういうのも好きです

    1
    投稿日: 2020.07.28
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    父が失踪し、母の故郷に引越してきた姉弟。弟は急に予知能力を発揮し始め、姉は「タマナヒメ」なる伝説上の女が、この町に実在することを知る―。血の繋がらない姉と弟が、地方都市のミステリーに迫るという物語。正直言うとハズレです。全く面白くありませんでした。

    1
    投稿日: 2020.07.26
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    インシテミルの後の雰囲気で読んだので、ちょっと入り込めませんでした。 ちょっと想像しづらいストーリーでした。

    0
    投稿日: 2020.02.29
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    過疎っている田舎の町ってこんな感じだよね。 地方都市の陰鬱さが滲み出ている。 それに加え、自分自身の家庭の問題とも向き合わなくてはならない主人公がほんとけなげ。

    0
    投稿日: 2019.08.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「氷菓」を読んでみたくてチェックしていた作家さん。まだ読んでないけど・・・(^^ゞ で、未来視にまつわる町の伝承というところに興味をもって、まずは「リカーシブル」を読んでみることに。 読み終えたとき「ん?うーーーーーーん?」って思った。 面白かったんだけど、ラストまで読み終えるとなぜか頭の中に「?」マークが飛びまくった。 なんかね、父親がそうある必要性って?お母さんがそうなった必要性って?とか・・・。 お話を進行させるために都合よく作った登場人物な感じがしちゃう人が多かった。 主人公のお中学生は十分に魅力的なんだから、もっと違う展開でこの内容書いてくれたら、もっと面白いのになぁって思っちゃった。 しかもオチが「で?」って感じなんだよなぁ。。。 内容もよいんだけど何かがずれてるというか物足りないって思っちゃいました。ま、私にとってはってことで、たぶんそんなこと思わない人も多いんだろうって思うんだけど。何かを期待しすぎたのかな? なんだろ、こういう作風なの? 気になってほかの作品も読んでみたくなったw

    0
    投稿日: 2019.06.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    23 最初から不気味で、こわくて、不安になるような雰囲気がずっと続く 人間は一つの目的を決めたら、恐ろしいくらい執着した周りから見たら馬鹿げてると思うことでも平気でしでかすから恐ろしい 報酬は女の体でお金は払いたくないって、ほんと古い考え こんなこと考えたのは絶対男 記憶を呼び覚ますためにそこまでする?とは思ったけど 面白かった。 ハルカの気持ちになってサトルにイライラしまくったけど、最後弟だからってなるとこがすき。 あとママが怖いんだな~。 この二人に幸あれ。 2019.03.24

    0
    投稿日: 2019.03.26
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    未来予知だからSFっぽいのかなと思ったけど サスペンスでした 主人公のハルカ 12歳で すごい行動力に洞察力 自分が中学のときって もっともっと馬鹿だった  今もだけど 読み終わって・・・ 父にも捨てられて 義理の母にも見捨てられて 血の繋がってない弟だけが ハルカにとって家族と呼べるものになるのではないかと まだ 12歳なのに・・・ 終盤の継母の態度には むかっぱらが立ちました!

    1
    投稿日: 2018.08.18
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    伏線の配置は見事。読者が真相に気づくかどうかの瀬戸際で繰り広げられるストーリーはミステリとして巧妙で、なぜ気づけなかったのだろうというのが正直な感想。物語もメインはリアルな家族の姿だが、違和感が積み上がる恐怖を感じられ楽しめた。

    1
    投稿日: 2018.06.15
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    架空の地方都市を舞台に、遠野物語の現代版のような昔からその地域に住んでいる人たちだけに伝承する予言者の存在を暗示する物語が展開される。読み易くしっかりした構成なので、結末次第では名作になり得ると期待しながら読み進めたのですが、最後はやや中途半端で尻切れとんぼ感があったかな。3.5点と付けたいところですが、普段の米澤氏とは異なる作風を味わえたので甘めの星4つ。

    0
    投稿日: 2018.03.22
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    最初から最後まで、全体的に「暗い雰囲気」が漂う。 基本的には、主人公である女子中学生の視線で描かれ、 独白、弟とのやり取り、友達との会話など、 結構「ひょうきんな」セリフ回しも多い。 にも関わらず、文章全体から絶えず「重苦しい空気」が 感じられるのは、米澤氏の筆力によるところだろう。 「母」の故郷に引っ越してきた主人公が、 様々な不思議な体験をする。 「予知」「デジャブ」「タマナヒメの伝説」 「何者かに命を狙われる中学教師」...などなど、 結構オカルティックでサスペンスフル(^ ^; が、単なる「伝奇小説」で終わらないのが米澤節(^ ^ 「まさか」とは思うが、でも実際にあり得なくもない、 人間の欲と得にまみれた所行。 外部の目からは哀れにも見えるが、当人達は大まじめ。 その温度差が「事件」を引き起こす。 最後の最後、一応ミステリ的には「種明かし」がある。 が、主人公ハルカを取り巻く状況は、問題は、 一つも改善されていない。 それでも、この娘はきっと大丈夫だろう、と思えるのは、 本作を通してハルカの「心の成長」を感じるからか。 「お父さんに関する予言」が、当たって欲しいものである。

    0
    投稿日: 2018.02.08
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    面白かった。読みやいけど最初はあまり好きでない「氷菓シリーズ」のような甘い雰囲気を感じながらなんとなく読んでいましたが、中盤以降はひきこまれて、一気に読み終わりました。少し消化不良な伏線もありましたが…まーよかったですね。

    0
    投稿日: 2017.12.21
  • 謎と謎解きが中盤から一気に加速するのは米澤さんならでは。

    中学一年生の女の子ハルカが主人公ということもあり、 序盤はママやサトルとの関係などの、何気ない日常生活が描かれます。 伏線になっているとはいえ、やや暗めで軽快さがないので、ちょっと退屈な部分も。 一気に面白くなるのは、民話にもとづく謎が周囲の世界を変えはじめてから。 読む速度が四倍くらいになりました(笑。 睡眠時間をきにししつつも、そのまま一気に読了。 読み終わった後も謎は残りましたが、それが良い余韻につながっていると思います。 米澤さんの小説が好きなら、ぜひ一読してみてください。

    0
    投稿日: 2017.10.27
  • ページをめくる手が止まらない。

    中学1年生のハルカが主人公。 ネタバレ回避で、ちゃんと書けないけど。 ・父親の失踪が原因で、田舎に引っ越す。 ・弟の様子が変になる。未来予知でもしてるかのよう。 ・『タマナヒメ伝承』 ・『水野報告』 など、次々と押し寄せる困難と謎。 ハルカに感情移入して読んでいたので、暗い気持ちになりかけたけど、作中のハルカの『強くないから、強いふりするんでしょ!』という言葉に励まされました。 おもしろさは、星5つなのですが、ちょっと人間不信になりそうになったので、星4つです。

    1
    投稿日: 2017.10.04
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    寂れた田舎町を舞台にしたミステリー。終始灰色の雲に覆われたような陰鬱な感じが不気味さを引き立てる。 主人公の女子中学生がかなりの強メンタル。 舞台設定がしっかりしていて謎の出し方が上手いのでどんどん引き込まれる。 ラストはちょっと尻切れトンボな感じ。ラストはもうちょっと丁寧に描いてほしかったと思う。

    0
    投稿日: 2017.10.03
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    あり得ないようでありそうな話。 大人たちの悪意がなかなか重い。 主人公たちを守ってくれるものは何もないのか、と考えるとやるせない。 主人公は中1にしては頭が良すぎ。最後の10ページで一気に伏線を回収するのはとても気持ちが良かった。 街ぐるみで再現するなら元の家に住ませればいいのに…。

    0
    投稿日: 2017.09.30
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    こんな中1いないだろ、というのと、伝統の中の役割を穏やかに受容しすぎだろ、というのはあるものの、やはりどんどん伏線が回収される様を口を開けて感心するのみ。

    0
    投稿日: 2017.09.10
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    一気読みできるという書店ポップに触発されたが、 全然楽しめなかった。ハルカの想像が長すぎる。 テンポが私には合わなかった。もっと深掘りできる話しであろうに。もったいない。その一言に尽きる。

    0
    投稿日: 2017.08.20
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    強い人は弱いからこそ強くなるんだろうなと思った。弟と大きなものの中で生き抜くであろう彼女たちの様になりたいんだけど、、難しいだろうな。てことはぬくぬく生かされてきたんだろうな。強くなりたい

    0
    投稿日: 2017.06.16
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    米澤穂信の代表作といえば高校の古典部部員たちを主人公にした学園ミステリー、「古典部」シリーズ。TVアニメ化もされている人気シリーズではありますが、私は同著者ならばシリーズものではない作品のほうが好きです。本作はそんな独立した作品で500頁超のボリューム。そのわりにこぢんまりとしていますが、読み応えはあり。 主人公は女子中学生のハルカ。大好きだった父親は、会社の金を横領して蒸発。残されたのはハルカと、父親の再婚相手、つまりハルカの継母と連れ子のサトル。継母にはハルカを育てる義務などないはずなのに、美しく、ムカつくほど優しい。だからといって継母に反抗したところでハルカには他に行くあてなどない。ならばできるだけお互いのストレスを減らすよう、継母の言うことは必ず聞くと決めている。父親が戻る気配はなく、継母はつてを頼りに昔暮らしていた町へ。勤めに出ざるをえない継母は、サトルの面倒をハルカにまかせる。内気で臆病だけど生意気なサトルのことがハルカは大嫌い。だけどサトルはハルカにまとわりついてくる。「サトルのバカ」「なんだよ馬鹿ハルカ」と言い合いながら過ごす毎日。 中学の入学式のタイミングで引っ越してきたハルカは、よそ者だとばれることもなかろうと安心していたが、同級生のリンカから言い当てられる。けれど悪気はないようで、以後なにかとリンカが気遣ってくれる。ところが、ハルカのまわりで奇妙なことが起こり始め、しかもサトルがそれらのことを予言したり、過去にこの町で起きたことを知っていたり。そんな折り、古くから町に伝わる「タマナヒメ」伝説を社会科教師から教えられる。タマナヒメとは予知能力を持ち、住民を救うために自分を犠牲にする娘。娘が死ねば、また次の娘が現れてタマナヒメを引き継いできたらしい。もしも男のタマナヒメが存在し得るならば、サトルがそうではないのかとハルカは考えるのだが……。 一見平和な町が実は閉鎖的で恐ろしい。住民同士の結束力の高い町。彼らが守ろうとしているものは何なのか。非科学的だと思われる出来事が非科学的なオチで終わることはなく、きちんとミステリーらしい解決が待っています。文中に登場する伝承民話も面白い。 大嫌いな弟だけど、ほかに味方がいなんだから。私が守る。そんなハルカとサトルの姿に泣いてしまいました。私は大好きです。

    0
    投稿日: 2017.04.28
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    このミス2014年版7位。このミス常連の米澤さんのやつ。全編ミステリアスな雰囲気に包まれて、不思議な違和感満載で進んで行く。てっきりそっち系のトリックかと思いきやそうでもなかった。お話はきっちり作られてるしストレスなく読める。

    0
    投稿日: 2017.04.01
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    あぁ、そういうオチかぁという感じだった。オチが予想できたわけでもないけども、読後感は米澤穂信作品の多くに共通するモノかも知れないという気はする。程度はかなりマイルドだけども。

    0
    投稿日: 2017.03.15
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    読み終わって最初に感じた違和感は、この主人公が12歳の少女だという点だ。 はたしてこんな論理的に、冷静に、物事を捉えられるものだろうか。 辛い経験がハルカを大人にしたのだとしても、12歳という設定は無理があるような気がした。 そこを除けば米澤さんらしい描写もあって面白かった。 とくにハルカの母親の描写がいい。 ぐにゃりと世界が歪んでいるような母親の優しさがやけに不気味で嘘っぽくて、人間らしい感情の揺らぎがまったく感じられない。 すべての謎を解く鍵はこの母親の存在にあるのでは?と思わせる展開もいい。 ハルカの級友・リンカの怪しさは母親の胡散臭さとはまた違うものだった。 親しい友人のふりをして彼女にいったい何の得があるというのか? 物語の中盤、彼女が言い放った「好奇心は猫をも殺す」という言葉。 物語の中でリンカの果たす役割は何なのか? それを考えながら読み続けることになった。

    0
    投稿日: 2017.02.16
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    民話に絡めたストーリーでちょっとゾクッとするところが面白かったのだけれど、最後の方がなんというか、消化不良。リンカもはるかも好きなんだけどなー。 大筋のストーリーより、継母との関係や、やり取りの方が心に残った。切ない!

    0
    投稿日: 2016.10.24
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    越野ハルカと弟のサトル。 来たことが無いはずの町で「ぼく、知ってる」とのたまう生意気で泣き虫な弟にイラつくハルカだが、越してきた町には大きな秘密があって… 姉ハルカの心情もしっかり描かれているし、ラストも細やか。 楽しく読めました。

    0
    投稿日: 2016.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    弟の関係がだらだらと続き何も起こらない。 昔の伝説みたいな話がだらだら続き追い打ち。 流し読み。

    0
    投稿日: 2016.08.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    病院で読む本がなくなって売店で購入。この労災よリ青葉の方が置いておく本のセンスが良かった~越野ハルカはママとサトルと共にママの故郷である坂牧に引っ越して来て、中学入学という節目に、何気ないふりで過したが、商店街にある古い蕎麦屋の娘であるリンカには、よそものであることを見抜かれてしまいハラハラ、幸いなことにリンカは気立てが良かった。それよリも気がかリはサトルで、小3のこの子はこの町に来てから予言めいたことを云い、まるで未来が見えるのだ。弟じゃない。パパが再婚した相手の子で、パパは会社の金を盗って失踪した。ボランティアで河川敷のゴミ拾いをしている時にリンカが教えてくれたのは、高速道路誘致の推薦報告書を書いた酒井教授が報橋から落ちて死亡していること・サトルが落ちた人がいると怖れていたこと・報告書をさがすためのゴミ拾いではないかということだった。知りもしないことを話すサトルのことを知られたくないが、この土地には身を擲って村を救ったタマナヒメの伝説によく似た話で、そのタマナヒメは何代にも亘って出現し最後は自殺し、相手も溺死しているのだ。リンカにタマナヒメについて聞くと、庚申講のために選ばれている今のタマナヒメのユウコさんに引き合わせてくれたが、帰リの下り道で出会ったサトルは、ー軒の家を指して、ここに住んでいたと云う。夜散歩していると、報橋で車が燃える事故を目撃し、翌日怪我をしたのがタマナヒメについて教えてくれた社会の三浦先生だと判明した。見舞いに行って話を聞くと、タマナヒメについて書かれた「常井民話考」は市内の図書館から消えており、その執筆に係わった人物が変死していることから、自分も消されかかったのだと説明する。パパから離婚届が送られ、ママから面倒を見るのは中学卒業までと穏やかに宣言され部屋で大泣きした翌日、サトルが帰宅しないのにママがさほど動揺していない様子から、カラクリがわかってきた。タマナヒメとして紹介されたユウコさんは影武者で、サトルは5年前まで実際に住んでいて、建て直される前の康申堂が焼かれるのを見ていたのではないか…。ハルカはサトル救出の為に動き出す~ふ~ん、こういう小説の伏線はディテールの中に隠されているから、遂時レビューを書いていくスタイルでは、ちっとも残らない。やれやれ…

    0
    投稿日: 2016.08.02
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    父親の失踪により、継母の故郷に引っ越してきたハルカ。序盤の展開は遅いながらも、過疎化が進んだ地方都市の様子や、土地に伝わる民話、不思議な言動をし始める弟が、じわじわと不穏な空気を醸し出してきて、飽きることはなかったけど、中学1年生の女の子が探偵役のせいか、結末があっけないというか、若干スケールが小さい……これは、私が青春ミステリーというジャンルに満足できなくなっているのが原因かも。複雑な家庭の事情を抱えたハルカの逞しく生きようとしている、少し醒めた心情の表現はうまいなあと思った。

    0
    投稿日: 2016.07.01
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    父が失踪したため、義母の故郷に引っ越す事になった主人公ハルカ!弟と義母の三人での新たな土地での生活が始まる。 しかし、その街では高速道路の誘致に伴う過去の事件、生まれ変わりの伝承など不穏な空気が漂う中、弟が言うとおりの出来事が起きて行く! 中学校一年生にしては心の成長の早い主人公ハルカの青春ミステリー! 街ぐるみの隠し事って怖いですね。誰を信じて良いのか?誰が信じられるのか?いつ狂気に走るのか非常に不気味な人々に不安を感じながら読みました。 併せて周りに必要以上に気を使う主人公、義母に捨てられないように、学校で虐められないようにと気を使いすぎるのに痛々しさを感じました! 著者の他の作品と比べると見劣りしますがそれでも上々です。

    0
    投稿日: 2016.06.25
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    ミステリーではあるのだけれど、それよりも家でも学校でも余所者としての疎外感を抱え、義弟に対してやや冷たくあたる主人公・ハルカが、読んでいてちょっと辛い。終盤の義母とのやりとりとか、中学生にはきつい展開だよねぇ… で、リカーシブル(再帰的)という題名から、これは超常現象的な展開で落とすのかな?と思っていたら思っていたよりは現実的で、少し中途半端な気もしたかな。ただ、少しホッとしましたけど。

    0
    投稿日: 2016.03.27
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    なんかヘンな町という印象を抱かせつつ進む物語は、割と淡々。 登場人物同士の掛け合いが、少女という事でディープな腹の探りあいまでいかないのが原因だけど、拙い少なめの会話が、より得体のしれない雰囲気を引き立てている気がする。 伏線が最後、緻密につながってくるのはこの人らしくてさすがだった。

    0
    投稿日: 2016.03.20
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    ある街に引っ越してきた主人公。彼女の義理の弟が未来と過去の出来事を的中させる。その謎は街に伝わるオカルトな童話に繋がる。 話の展開が遅いので、テンポ良く読むのが好き、という方には向かないかもしれません。しかし、話が展開しない前半から中盤では著者の豊富な語彙と言い回しで楽しませて頂いたので、退屈せずに読めました。 2、3自分なりに腑に落ちない部分はありましたが、想像できない結末が用意してある素晴らしいミステリー小説だと思いました。

    0
    投稿日: 2016.03.09
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    2015/07/31読了 はじめはジャンルがわからず、フワフワした感じで読み進めたが、それもまた心地よかった。後半からは話の内容が読めたが、それでも、昔話と絡めたストーリー展開は最後まで楽しく読めた。

    0
    投稿日: 2016.02.22
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    重苦しさを感じる背景の設定に なかなか読み進めなかったが ハルカの芯の強さにほだされて 少しずつ感情移入していった。 これも作者のうまさなのか オカルト的な話がいつの間にやら 論理的な推理へと転換してゆく頃には すっかり惹きこまれてしまっていた。 それにしても しっかり者の姉と憎めない弟だなあ。 これから2人に 幸せな未来が訪れますように。

    1
    投稿日: 2016.02.05
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    何か変わった話だなあと思って読んでいたら、物語が急展開して一気に謎が解けていった。三浦先生はあんな目に遭う必然性はあったのかな。

    0
    投稿日: 2016.01.11
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    文句なく面白い。 ミステリーとしては、多少の矛盾や無理矢理感もあるけど、そんな細かいことは気にしないで楽しめる作品。 主人公が魅力的!お父さんからめて続編に期待したい。

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    投稿日: 2016.01.09
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    ハルカの思う学校生活は息苦しい。これが現実なのかな。今の子どもたちは、こんなに浮かないように、目立たないように、ひとりにならないように心を砕いているのだろうか。なんて思ったけれど、私も中高生のころは大なり小なり同じようなことを気にして生活していたのかもしれない。今でこそ、そんながんじがらめな人間関係とは距離を置きたいと思うけれど、悩むことは、やっぱり人だなぁと思い直す。どうか少しでも自由になれますように。 米澤さんの本をはじめて読んだ。どうやら青春ミステリに分類されるようだけど???。いろいろ張られた伏線があまり生かされずに終わってしまった。三浦先生は?ママの過去とママとの関係は?この町にとっての高速道路とは?タマナヒメの存在意味とは?全部が解決、つながる必要はないと思うけれど、どこか消化不良な読後感。

    0
    投稿日: 2015.12.28
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    最初は青春小説だと思って気楽に読み始めたらだんだんと怖い話に。 そして謎が終盤につれて解けていく展開はなかなか読み応えあり。 ハルカは最初あまり好きではなかったが、話が進むにつれ少しずつ感情移入していった。 父親からの封書とママとの会話の件のあたりはかなり切ない気分にさせられたが、最後のサトルの台詞で少しだけ救われた気分。 この先のことを考えると辛いが、二人とも逞しく成長してほしいと願う。

    0
    投稿日: 2015.12.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    父親の蒸発により継母の故郷に移ったハルカ。 寂れた町で未来と過去を見始める連れ子の弟。 常井村に伝わる「タマナヒメ」を巡った死の系譜。 五年前から続く高速道路信奉。 蕎麦屋の娘、新しい庚申堂、揺れる報橋、押入れの裏側。 そういえば高速道路反対勢力の実態が意外と描かれなくて記号的だったような。 三浦先生が結構存在感あってよかったけど、当てられ役とヒント係に留まったのか。描かれはしないけれど、弟を味方になると決めたハルカの支えになったらいい。父親が帰ってくるといった弟に未来視の力はなく、引き続けたおみくじも答えではなかったけど、リンカの意味深な言動は「タマナヒメ」の実在をほのめかしてもおりすこし神秘を残した仕上がり。

    1
    投稿日: 2015.11.24
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    好きな人は好きなのかな。 予想どおりなところあり、回収しきれない伏線ありで、落ち着かない感じで最後まで読み進んだ。

    0
    投稿日: 2015.11.15
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    不幸な家庭環境の主人公の少女。中学一年生という多感な時期を不幸にかかわらず、前向きに生きている。すごく読みやすく半分くらいまでグイグイ読める、が、これミステリー?って思ってたら後半は急展開。ミステリーでした。

    0
    投稿日: 2015.10.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

     名作「ボトルネック」と同じように,思春期の子どもを主人公とした青春ミステリ。「ボトルネック」と同じように非常に残酷な話である。  主人公は中学一年生の女の子である越乃ハルカ。彼女は、実の母親ではない母と母の連れ子であるサトルと同居している。実の父親は,会社のお金に手を付け,バレそうになると借金を残して失踪した。この設定だけでも,ご飯が3杯くらい食べれそうな,絵に書いたような辛い話である。  ハルカが辛い生活を送る舞台は家庭だけではない。学校生活も相当辛いものが予想される。米澤穂信が描く子どもの世界はとても残酷でつらいものである。子どもの世界特有のルール,ヒエラルキー。子どもの世界で「ある程度の地位」を保つために必要なこと…。子どもの頃に,いじめなどに合い,つらい生活をおくったことがある大人にとって,この辺りは非常に共感してしまう。  地方都市である坂牧市という過疎化が進む土地で,よそ者として生活しなければならない主人公,越乃ハルカの生活は息が詰まるようである。しかし,越乃ハルカは,上手く立ち回ろうと必死に努力をする。これが実に痛々しい。ハルカの生活の助けになっている人物は二人。まるで天使のように,理想的な人物として描かれている母親と,心を許せる友達として描かれている在原リンカである。  「リカーシブル」は,単なる青春小説ではなく,ミステリであり、そこには謎が存在する。その謎は,「ハルカの弟であるサトルが未来を知っているのはなぜか。」というものである。この謎に,坂牧市に伝わるタマナヒメの物語が絡んでくる。  「サトル」の未来視とタマナヒメの物語の真相は,サトルに、3歳時の体験を思い出させるために,坂牧市全体でサトルの3歳のときの体験を追体験させているというものだった。  ハルカは,ハルカを支えていた二人の人物,ハルカの母親である雪里ヨシエとリンカから裏切られる。ヨシエはサトルを坂牧市に売り,リンカは黒幕的な存在である現代のタマナヒメだった。  タマナヒメの存在というややオカルト・SF的な設定が絡んでいるが,話全体としては十分にのめり込める。しかし,ミステリとしてはやや弱い気がする。真相はそこそこ驚けるのだが,伏線が回収しきれていない。  「リカーシブル」を読んで,一番心が震えたのは,ハルカの母が,離婚を決意し,そのことをハルカに伝えるシーン。それまで天使のような人物として描かれていたハルカの母親から,雪里ヨシエというただの他人になり,「ちゃんと中学を出るまでは面倒を見るからね。」と言うシーンはあまりに残酷である。  「生活が苦しい雪里さんとしては破格の好条件だよね」とハルカが納得するシーンは読んでいて苦しくなるくらい。  「卒業まで3年。家族から居候になって,いまでも割と小さくなっていたつもりだけど,さらに頭をひっこめて3年過ごして,その後は特に予定無し,か。」,「いまボンヤリと流されたら,取り返しのつかないことを決められてしまう。」と続くこの部分は,最高に残酷だと思う。恐怖すら感じる。  ミステリとしてより,米澤穂信らしい残酷さがたまらない作品だった。ミステリとしてやや物足りない部分があるのは間違いない。しかし,こういう否応無しに心に残る作品には★5をつけたい。ずっと忘れない作品になりそうだ。

    0
    投稿日: 2015.10.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    怖い、不気味、面白い。 会社のお金を横領した父から離れて継母の故郷に暮らすこととなった主人公の少女と、血の繋がりのない弟の話。少女の視点で物語が進むのだが、寄りどころのない、不安定な立場と心が伝わってきてどうにも不安になる。継母は優しさで面倒を見てくれているだけだから、無理は言えないし言わない。泣き虫の弟は継母の実の子供で、うるさいから嫌い。転校生としてやってきた学校でうまくやっていくために、クラスメイトとの距離を計り計算して付き合いをする。少女の、安心できる居場所がなく、不安定で、心細くて、強がって生きていかないと生きていけない心持ちが辛くて身が震える。他人に弱味は見せられない。強く見せかけないと生きていけない。誰もまだ頼れない。 そんな状況の中で、どこかふすま一枚「ヨソモノ」を隔てている、それが当たり前となっている田舎の空気がじわじわくる。未来視と伝承という胡散臭さと、サトルの嘘つきな子供っぽさから、提示される謎にあまり深刻にとらなかったが、リンカとの対面シーンからは舞台装置が明かされる。ただ一つの水野文書を手に入れるためだけに町ぐるみで子供を騙し、拐う。何よりも、生活と引き換えに子供を売った母親の姿に衝撃を受けた。 この物語が、この街が本当の姿を見せ始めたのは、偽りの優しさをやめたのは、継母の離婚届からだ。中学一年生に対して、義務教育中までしか面倒はみないと宣言するか?中学一年生の子供に生活費を入れるよう求めるか?気を遣って遠慮しておこづかいもねだらなくて部活にも入らずに、洋服さえもありものでなんとかしようとする子に対して、言いにくそうにしていたとしても、本当に言うか?ハルカは分かっていたんだろうか。継母の優しさが偽りの優しさであることに。弱くてずるい大人であることに。おみくじを支えに父親が戻ってくることを願っていたバルコニーが、お腹が空くのを我慢して集めたおみくじをびりびりにして慟哭したシーンは、どれほどの感情が詰まっていたのか。 可哀想とは思わない。当事者の気持ちに重なって、上から目線で可哀想なんて言ってられない。切ない、ともそれだけではない。来るのは分かっていて、その覚悟をしていたつもりでも、全般に寂しさが漂う、寂しい秋のような作品だった。

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    投稿日: 2015.10.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    不信と狂信 少女と少女(のような者) 伝奇に依る者と現実を生かざるを得ない者 そんな対峙のお話 青春小説ではあるけど、主人公のハルカちゃんは 悲しいくらいに大人だよね。 親世代としては、最後に 早熟な「大人」でなく、 しっかりと「成長」してるとこが見られたのが救われた感じ。 このお話にひとつ横から口をはさむとしたら 16歳での独立は、それはそれで楽しいことも多く御座ゐましたよ ってことだな。 だからハルカちゃん、がんばれ。 あ、それと 内面が大人どうし、 ハルカちゃんとリンカちゃんは けっこう良い友達になれると思うよ。

    0
    投稿日: 2015.10.10
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    サトルの予知能力、町に古くから伝わる伝承、高速道路誘致運動の関係者の死。これらの謎に中学生のハルカが立ち向かう。

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    投稿日: 2015.10.10
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    感想はブログでどうぞ http://takotakora.at.webry.info/201510/article_1.html

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    投稿日: 2015.10.02
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    あらすじ(背表紙より) 越野ハルカ。父の失踪により母親の故郷に越してきた少女は、弟とともに過疎化が進む地方都市での生活を始める。だが、町では高速道路の誘致運動を巡る暗闘と未来視にまつわる伝承が入り組み、不穏な空気が漂い出していた。そんな中、弟サトルの言動をなぞるかのような事件が相次ぎ…。大人たちの矛盾と、自分が進むべき道。十代の切なさと成長を描く、心突き刺す青春ミステリ。

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    投稿日: 2015.09.26
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    なんかヘンな町という印象を抱かせつつ進む物語は、割と淡々。 登場人物同士の掛け合いが、少女という事でディープな腹の探りあいまでいかないのが原因だけど、拙い少なめの会話が、より得体のしれない雰囲気を引き立てている気がする。 伏線が最後、緻密につながってくるのはこの人らしくてさすがだった。

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    投稿日: 2015.09.23
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    複雑な家庭環境の少女、寂れた地方の町と狂信的な人々、不気味な伝承、見たことがないはずの出来事を見たことがあると言い始める弟… 不思議なミステリだった。

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    投稿日: 2015.09.20
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    「リカーシブル」を読んだ。 なんか、とっても不思議なお話だった。 怖い系かと思ったけどそうでもなく。。 民話の真実を結果的には突き止めるようなお話でした。 いろんなところに伏線貼られていて、ヤラレタって感じ! なかなか面白かった!

    0
    投稿日: 2015.09.16
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    中学生にとってクラス内でのヒエラルキーは重要なんだな、と思いつつそこまで固執するこの少女の立ち位置が分からなかったけども。父親の事とか、そうなんだー。 クールなようで最終的に義理の弟を助けるあたりに救いがある。ラストはあれ?ここで終わるんだみたいな感はあったけども。どこに仕掛けがあるんだ?と読みながら思わせるあたりはさすがと思います。

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    投稿日: 2015.09.09
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    青春ミステリー。街全体のおかしな風潮と昔からの伝承・言伝えを通して織り成される作品が、ちょっとだけ不気味でゾクゾクした。

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    投稿日: 2015.09.06
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    米澤穂信のリカーシブルを読みました。 父親が会社で犯罪を犯して失踪してしまったため、ハルカは母親と弟のサトルと3人で母親の生まれた町に戻ってきます。 しかし、ここではサトルがこれから起こることを予知してしまうのでした。 なぜ、サトルはこれから起こることが分かるのか、この町で密かに行われている陰謀とはいったい何なのか。 謎解きについては面白いと思いましたが、ハルカが自信をなくした普通の女の子として描かれているので、ちょっと残念に思いました。 やはり主人公の女の子は魅力的なキャラクターだと物語も楽しく読めるんだけどなあ、と思ったのでした。

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    投稿日: 2015.09.05
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    暗いなあ~。 この人の書く思春期ものは、 希望の光が見えないなあ~。 でも中盤のジリジリと何かがにじり寄る感じ、 嫌いじゃないんだよなあ。

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    投稿日: 2015.08.31
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    ゾワゾワッ、こわっ!と思いながら読んだ。 こういう民俗学的な民話いじりな話は結構好き。 最後はもう少し、はっきり終わらせたい気もしたけれど、 きっぱりしてないところが不気味な感じでいいのかも。 中学生のハルカの境遇が辛すぎると思いつつも、 この子は強いな、と思う。 なんといっても、いつもやさしいママが一番怖い

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    投稿日: 2015.08.30
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    確かな満足。金田一耕助みたいないわゆる「伝奇物」をより現代的でキャッチーにしたミステリと位置付けても良いの気がする?村ではなく経済的に立ち後れる合併した地方都市で、民話もより柔らかいけれど。 内容の割りに少し厚めに感じたけど、負担には感じない。丁寧な描写が心地よい。謎は謎らしくないからミステリを期待すると物足りないかもしれないけれど、だからこそ主人公が愛おしい。

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    投稿日: 2015.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    転校生の少女はるかと、その弟が転校先の町で遭遇する事件。町に代々伝わる予知能力を持つ少女の伝承。ストーリー中に巧妙に撒かれた伏線もなかなか良いが、はるかのキャラクター設定が健気で良い。現代を生きるタマナヒメも、今っぽくって、読んでいて飽きさせない。

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    投稿日: 2015.08.24
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    精神状態が回復してきたので、気分が転換できることを祈って書きます。 父の失踪により母の故郷に引っ越してきた少女、越野ハルカ。 母、そして弟との複雑な家庭事情に頭を悩ませつつ、新しい生活に溶け込もうと努力するハルカ。 新しい友だち リンカに街を案内してもらう途中、ハルカは万引きの現場を目撃してしまう。 慌ててリンカに万引きのことを話すものの、「マルさんはいいの」とどこ吹く風。 不審に思うハルカだったが、それに拍車をかけるように弟 サトルがその光景を「前にも見たことがある」と言い出す。 その後も、サトルは町で起こる様々な現象について「見たことがある」「どうなるか知っている」という発言を繰り返すようになっていく。 サトルの不可解な言動の謎を調べていくうちに、ハルカは土地に伝わる古い伝承にたどり着いた。 変質していく周囲の人々の目、深まる疑惑。 血のつながらない弟のため、巨大な力にたった一人で立ち向かう少女に待ち受ける結末とは。 購入したのが7月。 自分には珍しく約1ヵ月本棚に眠っていたことになるのですが、その理由としてその前に読んだ米澤作品が『ボトルネック』であることがあります。 あの本は読み終わった後の後味が(いい意味で)最悪なので、今作もそうだったらどうしよう…と思い悩んでいたわけですね。 大丈夫です。今作は少なくとも死にたくはなりません。 ざっくりとまとめるなら、古い伝承の残る田舎町の事件に巻き込まれるミステリー作品です。 特筆すべきは、本作における主人公は中学生の少女であり、味方がほとんどいないということでしょう。 彼女はたった一人で町全体を覆う巨大な力に立ち向かうわけです。 彼女の家庭環境も相俟って、この子すげーなと本心から思えるヒロインです。 作中の、「強くないから、強いふりをするんでしょ!」という台詞が非常に印象的。 米澤さんの作品を読んでいて思うのは、主観の書き方が非常に巧いことですね。 中学生のハルカが思うことや気づくことがある一方、気づけないこと、わからないこともあるわけで、通常の第三者目線の小説のように俯瞰的にすべてのものをみられるわけではないんだ、という線引きが明確です。 少し大人びて、人生に対し悟ったような意見を持つ少女のこころが揺らぐ様も、自然な描写で無理がないです。 話の展開は前半冗長な感じがしますが、後半に向けて謎が深まっていき、頁をめくる手が止まりません。 読むにあたってひとつだけ注意点があるとすれば、すっきりさわやかな青春文学でないことだけは確かです。覚悟はして読んでください。それだけです。

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    投稿日: 2015.08.16
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    大人びたハルカの発言、考え方が心地よい。クライマックスにむけて多くの伏線が巡らされ、ミステリー要素も楽しめる。

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    投稿日: 2015.08.15
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    古典部シリーズや「インシテミル」で有名な米澤先生の新作長編。著者お得意の青春系ミステリで、古くから伝わる風習が残る地方都市が舞台。 主人公の越野ハルカは、父の失踪により母親の故郷である坂牧市へと引っ越し。母と弟とともに過疎化が進む地方都市での生活を始めるが、町では高速道路誘致運動の闇と未来視にまつわる伝承が入り組み、不穏な空気。そんな中、弟サトルの言動をなぞるかのような事件が相次ぎ、不条理な町の人々の反応にハルカは違和感を持つ…。 民俗学的な意匠をモチーフとしたステレオタイプな世界観だけども、さすがのストーリーテリングで読ませてくれます。ただ、ちょっと地味かなぁ。不協和音的な町の世界観と主人公の心理描写にあまり飛躍がなく、ほどほどのところで着地してしまった感があったのが残念。

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    投稿日: 2015.08.14