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リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください 井上達夫の法哲学入門
リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください 井上達夫の法哲学入門
井上達夫/毎日新聞出版
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総合評価

42件)
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    解釈改憲についての「リベラル」の欺瞞についての視点。正義について語る基準となる「反転テスト」。国家主権にとって人権とは二項対立のものではなく内在的である所為。この3つは特に印象に残った。

    0
    投稿日: 2025.08.09
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    流し読み 世界正義(グローバルジャスティス)に基づく複合的で反転可能性のあるアプローチ。 経験談も交えたインタビュー形式なので分かるような分からんような。新書程度にまとめた方が分かりやすい。

    0
    投稿日: 2025.07.11
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    難しい。。 右翼と左翼とかネオリベとかリベラルとか保守と革新とかとか日本ではねじれていて…とか聞いたことがあるのでそのせいなのだろうか。その辺りをスッキリさせたかったのだが甘かった。 ドイツが自分たちの戦争責任の反省をしっかりしているが日本はそうじゃない…という言説に対して、実はドイツが反省しているのはユダヤ人に対してナチスがおこなったホロコーストについてなのだ、という話には「へー」と思いました。

    0
    投稿日: 2025.04.30
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    日本法哲学界のドン、井上達夫による独自の法哲学入門。自説バリバリの本ゆえの長所と短所が。 いい点としては、分かりやすく簡潔で、バラエティに富んだ内容で飽きが来ない。200ページほどの分量ながら、第1部ではリベラリズムの概説と現代的な論点への言及、第2部では井上の研究生活に沿ってこれまでの法哲学の流れを通覧と、さまざまな話が展開される。 ロールズやサンデルなど大家の理論でも、井上が誤りだと思うものは容赦なく切って捨てている。そのため中立的な入門書にありがちな、どの説もそれなりに正しく聞こえて結局何が言いたいのか分からない、ということが起こらず論旨が明快。説明の巧みさもあり、これ以上分かりやすい本はないと言える。 裏返しになるが、井上の見解が前面に出過ぎているのが悪い点。自説と異なるものをきっぱり「ミス」とか「誤った論理」と断定しているが、失礼ながらイマイチ信用できない。ロールズやサンデルほどの学者が、素人の私が一読して分かるようなミスをするとも思いづらいし、せいぜい価値判断の違いなんじゃないか。 もう一つ、本書の第1部では憲法9条や天皇制といった現代的な問題も扱っているが、「天皇制は現代に残る奴隷制だから廃止すべき」みたいな空中戦が多くて、個人的にはあまり意味のない議論に感じられた。 総じて厳密で信頼のおける本ではないが、ライトに読むにはこの上なくおすすめ。井上が自分の文脈で喋っている分、専門的発展的な内容が急に出てきたりするので当たり障りのない新書よりも満足度は高いんじゃないかと思う。

    1
    投稿日: 2023.04.13
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    近年の日本の「リベラル」の憲法論のダブル・スタンダードぶりから、ロールズ正義論の問題まで、時局問題から出発しつつ原理的な問題や自らの学問的遍歴までを、インタビューに答えるというかたちで世に問う著作。リベラリズムを正義への積極的なコミットメントとして再解釈し、何でもあり式の寛容論や価値相対主義を斥ける議論は、著者によればポパーの批判的合理主義の立場から出てくるものである。かつてほど顧みられていないポパーの議論からリベラリズムの哲学的基礎を再建しようとする議論は非常に興味深い。

    0
    投稿日: 2022.05.26
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    難しかった。。本当に法哲学入門なのか。。 しかし、分からないなりにも、リベラルについて興味を持つことができた。 本書ではリベラルを正義主義と訳している。(はっきりとではないが。。) 正義は、自分の視点を特権化せず、相手の視点からもその行動が正当であることを示す必要がある。 自分がリベラルな考えかのか、保守的な考えなのかについて考察できた。

    0
    投稿日: 2021.07.10
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    自分の思想が保守的に少し偏っているのではないかということで、リベラリズムの論調も知りたいと思い読んだ。 明晰で平易。論理的で実証的。まさに本書の狙い通り、リベラリズムに対する考え方が変わった。政治哲学、法哲学についての理解や考察が深まった。非常に面白い。今後さらにリベラリズムについても勉強していき、自身の考えを確立させたい。

    0
    投稿日: 2021.04.23
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    続編も読んだほうがいいのかな。入門としては使えないだろうけど自分語りもおもしろくて快適に井上先生入門できた感じ。ただやっぱり独創性はかなり強いんだろうなと思った。

    0
    投稿日: 2021.03.09
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    著者は9条削除論を唱えている日本のリベラリズムの権威。 本書はタイトルから想像できる通り、リベラルとリベラリズムの違いについて説明するとともに、正義論に関して、そもそもの正義の必要条件(どの正義思想にもなくてはならない必要最低限の条件、反転可能性テストで判断可能)から丁寧に説明し、最終的にはリベラリズムのあり方にまで展開している。   インタビュー形式なので、内容が難解であるにも関わらず、読み易かった。

    0
    投稿日: 2021.02.17
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    第一部は主に日本でいうリベラルとはなんぞや。面白く読めたが、第二部は専門的な話も多く難しかった。文体は平易だが、自分に法哲学の基礎がないのが理由だが。 ロールズやらサンデルやら著名な哲学者の名前がバンバン出てくるが、トマスポッゲってたしかセクハラ疑惑あったよね、、。哲学者も人間なんですかね笑笑

    4
    投稿日: 2021.02.15
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    正義を巡る立場、正義概念、反転可能性という考え方、リベラルであるために正義を希求すること、政府の答責性などなど、もう少ししっかり学ばないといけません。著者の熱い思いから紡ぎ出された言葉がとても印象的で、しっかり正面から考えて、自身の振る舞いにつなげたいと感じました。

    0
    投稿日: 2020.07.22
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    タイトルに反してかなり難解な個所も多い。井上達夫セルフレビューの感が強いが、同時におそらく正しくリベラリズム入門書となっている。何より人間的な温かさと主張の熱さが文章から噴き出して、それがむしろ真摯に刺さり信頼を置きたくなってしまうのだ。

    0
    投稿日: 2018.03.28
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    法哲学の本を初めて読んだので、1回では内容を掴みきれなかった。もう一回、じっくり読んでみないとなぁ。 「法という企て」〜「集合的決定」辺りが面白かった。

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    投稿日: 2017.10.19
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    気鋭の法学者による「法哲学」の入門書。 書名は言うまでもなく、前田敦子の名言から。 なお、「法哲学」とは本書によれば「法とは何かを考える」ことで、法とは何であるか、を考える「法概念論」と、法とは何であるべきかを考える「法価値論あるいは正義論」の二つに大きく分かれるとの事。 橘玲の「言ってはいけない」という本で本書の一部が引用され紹介されていたので読んでみたが、中盤あたりからどんどん難しくなってきて私の理解レベルを超えてしまった。著者としては入門書のつもりで書いたのかもしれないが、もう少しレベルを落としてほしかった。

    0
    投稿日: 2017.07.27
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    メディアに頻繁に登場するワード、「リベラル」、分かってるようで 掴めていないリベラルの意味を 井上さんの哲学をもって 解明しようとする鋭さ満載で、リベラリズムとは正義であると言い切っているのが気持ちいい 反転可能性で矛盾を問うて正義たらしめるスタンス、これ正論でしょう 啓蒙(理性)と寛容の下りが面白く、今の自称リベラルの胡散臭さを 看破するロジックに成り得ている 自分以外は愚かとする啓蒙 不平等に干渉しない自閉的態度の寛容 まるで、 現在のマスメディアとリベラルにおける あるあるネタのよう 私生児に対して 認知はしないけど お前は俺を守れと迫る父親〜の例えは強烈!! 自衛隊の不憫さと平和憲法論者の欺瞞を突いている 好戦感情を抑えるために 良心的拒否権ありきの徴兵制の下りも面白い、そのリスクやコストは自分に降りかかることで 軍事力を無責任に濫用しないようにする!という納得のロジック

    0
    投稿日: 2017.07.10
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    後から出版されたリべリべ2『憲法の涙』、小林よしのり氏との対談『ザ・議論! 「リベラルVS保守」究極対決』を読んで井上達夫先生の本は3冊目。 70ページまでの第一部は理解できるが第2部の哲学的な内容は難解というか、チンプンカンプン。読み進めると理解できるかなと読んでいくが、チンプンカンプン。 続編『憲法の涙』と比べて難解、半分以上チンプンカンプン、嫌いにならないでくださいどころかチンプンカンプン。 法哲学入門ですが、チンプンカンプン。

    0
    投稿日: 2017.06.15
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    初めての井上達夫。本来はかなり固いものを書く法哲学者らしいが、本著はインタビュー形式でわかりやすく、著者が抱く問題意識と、現代の「正義」をめぐる法や政治の論点、観点がよく見渡せたと思う。これ一冊で達観するのは傲慢だと思うが、正義論入門としてよい一冊であった。 しかしこの井上達夫という人物がなかなか強者だと感じた。真理を見捨てた現代において、正義原理という真理を訴えている姿は純粋に力強くかっこいい。まだ私にはこの人の主張にどのような幅があるのかはわからないが、この内容を種にもう少し学びを進めていきたいと思う。 「正義論」というとマイケル・サンデルを思い出す人も多いと思うが、サンデルが自著で語っていた論理に対しての応答と批評などもあっていい。井上とサンデルはハーバードのロースクールの学友らしい。年齢はサンデルが一つ上とのこと。 17.5.5

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    投稿日: 2017.05.05
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    橘玲の「リベラルがうさんくさいのには理由がある」で長めに引用されてたので読んでみた。 憲法9条のくだりは説得力があって目から鱗だった。

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    投稿日: 2017.04.30
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    元旦に放送された「朝まで生テレビ!」で井上達夫さんが出演されていて、話していた内容、そのときは天皇制だったり、日米関係のことだったりしたのだけれど、どれもとても説得力を感じ、それをきっかけに本書を手に取りました。 内容は2章立て。第1章は、この本が発売した2015年前半、安保関連法案のさなかのころの、いわゆるリベラル勢にたいして徹底して批判しながら、天皇制や憲法9条、安全保障などの政治問題を語っています。第2章は、井上さんが自分の専門分野である法哲学に、どう志したのかと云うところから始まって、みずからの思想の変遷と、世界のリベラリズム思想家たち――とりわけロールズ――を批判していくような内容。 あっちゃんの名発言をもじったタイトルだけれど、内容は多岐にわたっていて(語りおろしでも)難しく、ついていけない部分もいくつかありました。でもどんどん読みたくなるような、議論自体のスマートさや、議論される相手に疑義があれば徹底的に批判する”熱さ”に満ちています。この本が難しい内容ながら好調な売れ行きだというのは、そこにあるのかなと思っています。 そのなかで本書で(朝生でも共通して)いちばん感じたのは、原理的なことから出発してものごとを考えていることです。何か確固としたものから思考を出発していて、本の中には「正義概念」「客観的なるもの」「永遠の未知数X」というワードが出るのですが、これがきっと原理なんだと思います。 「正義概念」というのは、世の中にあるいろんな”正義”(これを「正義の諸構想」と読んでいます)に共通する正義で、その中身は「等しき事例は等しく扱うべし"Treat like cases alike"」。自分なりにいいかえれば「ダブスタはしない」、と。 具体的には、「反転可能性テスト」で正義概念に当てはまっているかは、見分けられるのだと。「自分の他者に対する行動や要求が、もし自分がその他者だったとしても受け入れられるかどうか。自分と他者が反転したとしても、受け入れられるかどうか、考えてみよ、と」(p.22)。 この続篇となる『憲法の涙 リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください2』(ながい)も読む予定なのだけど、その原理的思考を学びたい。

    0
    投稿日: 2017.01.13
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    前半は、いわゆるリベラリストと呼ばれる人達の欺瞞を明快に暴いていて、彼らが信用できない理由が良く分かりました。 社会正義の実現を目標とし、それを主張する人間には、ダブルスタンダードとタダ乗りは許されないという事ですが、 彼らの独善性は周知のとおりです。 憲法9条を巡る問題も、法理論を突き詰めて考えると明らかに自衛隊は違憲であり、その存在に対する賛否を明確にしない以上、安保法案に対して違憲だ合憲だと言っても解釈論をしているに過ぎず、意味がない。ならばいっそ9条を削除して民主的な議論の下で国民的な合意を作り上げていった方が良いのではないか、という主張も理解できます。 後半は、自分の理解力の欠如からやや難解に感じますが、ロールズやサンデルに対する批評となります。 理論的な思考を重ねていくと井上先生の正義論に辿り着くのかもしれませんが、では現実とどのように折り合いを付けていくのか?という視点は希薄に感じました。 学者先生にとっては現実は関係がなく、むしろ邪魔な事実かもしれませんが、その点は少し物足りなく感じました。

    0
    投稿日: 2016.10.07
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    戦争の正義 諦観的平和主義 平和が一番。戦争になるくらいなら不正のある平和な方がいい。 これは批判されている。一度有利な状況を作って仕舞えば有利なので、逆に武力を使っての現状変更のインセンティブが高まる 9条議論はどちらも憲法解釈のロジックなので相手を批判できない。原理的戦力放棄はクソ。 我ら愚民の民主主義。愚民政治になるからエリートがコントロールするのも同様に危険。原子力とか。 軍隊持つなら徴兵制も入れないと暴走する。戦争したがる人と戦争する人が違うと暴走。 天皇制は天皇が国民の象徴のために奴隷化させられている。 相対主義は相互不干渉の独善になる。客観的真理を意識する。が、それは明らかにならない永遠のX。真理を明確に定義することは独善。可謬主義

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    投稿日: 2016.06.21
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    インタビュー形式で書かれていて読みやすかった。内容も深い。題名もまたイイ感じにわかりやすい。著者が法哲学を志した理由の一つに三島由紀夫の割腹自殺に衝撃をうけたこと、自身が組織に順応するタイプではなかったことなど語っていて興味深かった。「いまやるべき冒険」へと著者を駆り立てた編集担当者もすごい。

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    投稿日: 2016.05.12
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    日頃からマスコミで自称「リベラル」の人達の意見に呆れることが多く、なんとなく反感を抱いてた。しかし、そうは言いても、それに対して明確に誤りであることが指摘できず、消化できずにいたが、筆者が快刀乱麻を断つという感じで説明してくれた。9条の問題での軍事情勢の認識では筆者の認識を受け入れるのは留保するものの、価値観が多様化し、社会情勢が複雑化する現在にこそ、自分価値観を明確化していく必要性を強く感じた。筆者があとがきで挑戦したという「平易」と「明晰」の両立は成功していると思う。読後に自分が賢くなったのでは?と錯覚してしまう本である。

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    投稿日: 2016.04.18
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    法哲学、特にリベラリズムについてのインタビュー形式での入門書。語り口調で、平易に述べられているが、中身は深い。しかもかなり論争的な内容になっている。うまく言えないが、著者の考えには、納得できるものと違和感を覚えるものが混在していた。また、全部理解できたとはとてもいえないが、リベラリズムの根本的考え方をなんとなく掴むことができたと思う。自分はどちらかというと価値相対主義にシンパシーを感じているが、多様な価値観の共存は必要だが、価値相対主義はダメ(なんらかの真理は前提とすることが必要)という著者の主張もわからなくはないと感じた。

    0
    投稿日: 2016.03.26
  • これまでの正義とこれからの正義

    法哲学という「超硬派」な学問に携わる井上達夫。彼が今回目指したのは、「平易な哲学書」です。 「リベラリズムとは何か」ということをその歴史から紐解き、現代のリベラルが持つダブルスタンダードを糾弾していく本書。語り口は平易だけれでも、ここで扱われるトピックは実に多種多様です。憲法改正、安保法制、グローバルジャスティス… 決して厚い本ではないのですが、ゆっくりと噛み砕くように読み進めないとその濃厚さに太刀打ちできません。 「自由主義」という邦訳されることの多い、リベラリズム、しかし、井上は「リベラルの基本的な価値は自由ではなく正義だ」と述べ、「正義主義」と訳すべきだと主張します。そして、リベラルと保守、と簡単に区別されがちな両陣営のどちらにも組しません。その両方の欺瞞を糾弾していき、熱量のこもった言葉とともに、これからの正義を再構築していくのです。

    2
    投稿日: 2016.03.11
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    リベラリズムとは、啓蒙と寛容。 どちらにもネガとポジがある。 啓蒙のポジは、純粋理性批判(理性の限界を見極める)の内包。ネガは、独断的絶対主義。 寛容のポジは、違う考え方を前向きに受け入れる。ネガは不寛容なものへの寛容。 それらのポジを合わせたものを正義と呼んでおりそれがリベラルの核心。 『正義には反転可能性によって正当化される。自分の他者に対する行動や要求が、自分の視点だけでなく他者の視点からも正当化できるか。』 集団的自衛権についての否定的意見 1.敵と味方の線引きを問題視。国際社会による集団的安全保障が理想。 2.米国に代替不可能なアジアの戦略拠点を提供している。その拠点が攻撃されるリスクを負っている。よって、武力によって日本がアメリカを守る義務はない。 戦争の正義を4タイプに分類。積極的正戦論、無差別戦争観、消極的正戦論、絶対平和主義。 9条については原理主義的護憲派、修正主義的護憲派に分類。前者は自衛隊も安保も×。後者は両方○。 井上さんは憲法原理主義的な消極的正戦論者である。特定の安全保障観を憲法に固定することへ疑念。9条を削除して法律にすべきと考えている。 私は、原理主義的な絶対平和主義者もしくは消極的正戦論者であるので井上さんの立場あるいは、現象の憲法のままで、自衛隊や安保廃止すべきだと考えている。 徴兵制について。 戦力を保有するのであれば、徴兵制を採用するべきである(戦争の抑止力になる)。その上で、絶対平和主義者に対しては良心的拒否権の容認。ただしその対価として厳しい代替的役務を負うべし。 安全保障について。

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    投稿日: 2016.01.31
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    ●アメリカはもとより国際的に見ても、アジア女性基金のように、法的責任ではなく道義的責任として、戦争責任の問題に踏み込んで「他国民」に賠償・謝罪した例はないはず ●価値相対主義は自己の価値判断に対する他者の批判の可能性を閉ざす点で、独断的絶対主義と変わりない。われわれの価値判断の可謬性を認めるなら、価値相対主義も斥けられなければならい ●中世は多様な諸勢力の相互制約で成り立っていた、それが主権によって崩されていく中で、その制約として人権が生まれた。主権と人権が対立するのではなくて、人権が主権に内在する制約としてとらえられる。 ●国家主権にあって他の主体(グローバル企業、NPO)に無いもの→答責性 ●西欧リベラルが、自分たちの価値観は非欧米世界には妥当しないと考えるようになってきた。人権も民主主義も未完の課題であるのに、それを西欧の伝統のようにとらえ、外の奴らには関係がないとみなし、普遍的な正義の探求を放棄する傾向が出てきた。

    0
    投稿日: 2016.01.20
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    筆者がインタビュアーの質問に答える形なので読みやすい。そして著者のめざした通り、特別に政治や哲学の勉強をしてこなかった一般人(の私)でも『忍耐強く』読めば、政治について、目指すべき社会のあり方について、正義について。そして今の政権の正統性について‥考えざるを得ない。 読みながら何度もなるほど!と目から鱗がポロポロ落ちました。

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    投稿日: 2016.01.17
  • このタイトルをこの著者がつけるとは思えない。そういう意味ではずるい(でも秀逸です)。

    タイトルも軽いし、文章もインタビュー形式で読みやすい。 とはいえそこは法哲学者の書いた法哲学の本ですから、きわめて中身は重たい、充実した内容の本です。 面白いし読んだあとすこし賢くなったような気がする良書ですが、ただこれだけでわかった気になってはいけない、この本の面白さを本当に血肉化したいのなら、関連書籍をあと7、8冊は読まないとだめなんだろうなという気にもさせられる。そういった意味では、絶望的で残酷な本でもあります。 たとえば、第二部でグローバルジャスティスの必要性を説いていて、それはそれで理解できるけど、それと同時に、例えば誰かから、これは八紘一宇的な発想とどうちがうのものなのと聞かれた時に、なんと答えればいいのかがわからない。感覚的にそれとこれとは違うというのはわかるがそれをどう伝えればいいのかがわからない。 また、第一部でパターナリズムに対する疑義を語っていたけど、実際問題パターナリズムを行使しないことには、グローバルジャスティスは実現し得ないのでは。 理想というか論理的帰結が一方にあり、相対立するものとして現実の諸問題がもう一方にある。たとえばそんなときに、この2つを如何に融和し問題点を解きほぐすのか。たぶんワタクシが知っていないだけで答えはでているのかな、とおもわれる疑問もいつくか湧き起こる、そんな本です。 あるいはそれは深読みで、本当は答えは出ていなくて結局はそれが哲学や法哲学の衰退を生じさせているのかもしれないけど。 ゆめゆめこれ一冊だけでわかった気になってはいけない本ではあるけど、それでもやっぱりいろんな人に読んで欲しい、大変おもしろい刺激的な本でした。 最近読んだ紙の本で「社会はなぜ左と右にわかれるのか」ジョナサン・ハイト著 高橋洋訳という本があります。この本を縦糸に、本書を横糸に、一人であれこれ考えを巡らせています。前書は社会心理学者の本、後書は法哲学者の本でジャンルは違うけど、なんとなくリンクしているところがあるような気がしています。 あと、サンデル本はなんとなく敬遠していて読まずに今に至っているけど今度呼んでみようかという気になった。だけどやっぱり読まなくいいかも。 どっちだ。

    5
    投稿日: 2015.12.30
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    政治の現状に対する多くのモヤモヤが晴れ、視界が開ける。反転可能性、や、正義概念、といった明晰な視座が与えられた。

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    投稿日: 2015.11.15
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    「皇族には人権がない。皇族とは日本最後の奴隷である。彼らを解放しなければならない」 マジメで役に立つ話だなーと思って読んでいるうちに、だんだんヒートアップしてきて若干ウザい感じに。血管浮き出てそうな語り口だなーと思って読み進めたら最後にオチがついて、ほっこりした。 (引用)私は、若いころ低血圧だったのに、グローバルな規模で不正がのさばっている現実に怒り、それに呑み込まれてゆく哲学の死に怒り、最近は高血圧化してしまって、降圧剤を飲み始めています。しかし、今の状況を見ていると、還暦すぎたからといって円くなっていられない。「怒りの法哲学者」として、角を立てて生きていきますよ。 メモ: ポッゲのグローバルジャスティス論。ユダヤ人を600万人ころしたホロコーストをあれだけ人類史上最大の犯罪だと批判していたその人々が、年間1800万人が死んでいる貧困の問題 (poverty related death) について積極的な支援の義務がないといっているのは欺瞞だという怒り。 p.157 本当は人権も民主主義も西欧においてすら未解決の課題なのに、欧米人はそれらを自分たちの独占物として、伝統として血肉化していると考える。外の奴らはイスラムだろうと何だろうと関係ないという態度、偏見。これはオリエンタリズム。 p.189

    1
    投稿日: 2015.11.10
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    まず、リベラリズムが自由主義ではないということに驚いた。リベラルは、本来は「正義主義」とでも訳すべきでると。公正、公平を最も重んずる思想であると。その中で、グローバルジャスティス、世界正義という概念が現れる。僕も正義とは胡散臭いと思っていた。どの陣営も正義を謳うが、その正義が争いを引き起こすと。しかし、それは本来の正義ではない。実は、正義というものは厳然と存在するが、どの正義も、それらの解釈に過ぎず、その解釈の差異で争いがおこる。しかし、世界正義というものを構築していくことは無駄ではなく、必要なことだと本書から感じた。価値を相対化するだけでは後ろ向きだ。様々な価値を受け入れつつ、それでもなお、すべてを包含する正義を探求する。それこそ人類の使命ではないか。

    1
    投稿日: 2015.10.20
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    150919 中央図書館 日本の法哲学の第一人者・・なのかな? ちょっと格好つけすぎ、の感、自分の著書の宣伝が多い、というのも・・・・。

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    投稿日: 2015.09.19
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    正義論について、直近の出来事を踏まえつつ、アカデミックな対談がまとめられている。ダブルスタンダードは不正義というシンプルな原則を確認すると同時に、ある価値観の普遍性、他者への強制をどこまでできるのか、すべきなのか考えさせられた。 英米のダブルスタンダードを批判しつつも、価値相対主義にも批判的で、グローバルジャスティスを確立すべきとする著者が、どこで落とし所を探っていくのか見ていきたい。

    0
    投稿日: 2015.09.13
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    難解な井上達夫氏の法哲学書ということで、凡人にはやはり?な箇所も多かったが、9条削除論や徴兵制などの論理展開は、既存の右派や左派のありきたりの論争と違う、根源的な視点からその論拠と共に明解に示されており、大変参考になる。 もう少し知りたい、理解したいという欲求は湧いてくるが、これ以上平易にはできませんかねー。

    0
    投稿日: 2015.09.11
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    サンデル教授の紹介で一躍関心が高まった「正義論」。関心のある方はぜひ、この書をひもとくべき。集団的自衛権は違憲だが……というところから説き起こしており、とても分かりやすい。

    0
    投稿日: 2015.09.05
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    すごく面白かった! 特に最後の哲学について語るところとか。 後半の理論的な話も、自身やロールズの思想の時間的変遷と絡められていて読みやすかった。

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    投稿日: 2015.08.30
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    少し前に出張で入った。北大生協の書籍店で、店の前の 平台に大きく置かれていた本書。 どちらかというとリベラル的な考え方のほうが、 個人的に好ましいと思っているので、読んでみました。 内容的には少し難解ではありますが、著者の考え方 論理展開。批評の仕方はとても面白く、 頭のいい人だなあと感心します。 また、物事の見方としてのひとつの考え方の事例として、有用である部分も多くあったと思います。 やはり、絶対正義(正統)の追求、現在の政権の危うさ などは誰かが言い続けなければ(思い続けなければ) ならないのではと思います。

    0
    投稿日: 2015.08.04
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    これまた素敵なタイトルだ。 さて、どうやら世の中では嫌リベラルが広がっているらしい。 著者はリベラリズムを日本語に訳さない。誤解が生じるから。 リベラリズムは啓蒙と寛容という2つの起源がある。啓蒙がネガで寛容がポジ、というわけではなくて、どちらにもネガポジあるなかで、それらのポジどうしを統合させるのが正義である、と。 正義という言葉も、白熱なんたらなどでずいぶん薄っぺらい印象になってしまったが、あれも本来は綿密な準備を重ねて行うのだそうだ。 日本に溶けこむと、どうにも浅薄になる…。これはリベラル派のメディアや政党にもいえるだろう。 リベラルはどうにも寛容ばかりで啓蒙が足りないようだ。リベラリズムの学者もほとんど目立った活動がない。そういう中で、リベラリズムを出来るだけわかりやすく語ろう、というこの本の取り組みは貴重だ。日本のリベラルが思想的な自殺をしてしまっている構造がわかった気がする。 タイトルはこんなだけど(そうでなければ読まなかったが)、中身はしっかり入っている。正義ねえ…ちょっと避けてたけど、考えないといけないなあ…。

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    投稿日: 2015.07.25
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    リベラルとは何かということについて、筆者の見解がまとめられている。彼の今までの考えについて平易な言葉でまとめられてあるので、これから筆者の著作群に臨もうとしている人は、目を通した方が良いと思う。

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    投稿日: 2015.07.08
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    安保法制、憲法改正、歴史問題、朝日新聞問題・・・真のリベラルは、今いかに考えるべきか。 リベラリズム論の第一人者、「怒りの法哲学者」井上達夫東大教授が、右旋回する安倍政権と、欺瞞を深める胡散臭い「リベラル」の両方を、理性の力でブッタ斬る! 【本書の内容から】 「自由主義」にあらず/「憲法九条」削除論/「護憲派」の欺瞞/「平和主義」の論理的破綻/安倍政権「集団的自衛権」の愚/リベラルからの「徴兵制」提言/「悪法」も法か/「主権国家」の必要/「白熱教室」の功罪/「世界正義論」への道/「哲学」の死 【著者「あとがき」より】  いま、「一強多弱」と言われる自民党の圧倒的優位の下で、安倍政権による政治の右旋回が急速に進む一方、野党勢力は民主党も他の諸党も党派間・党派内で右から左まで分裂し、リベラルな対抗軸は結集されていない。 それどころか、慰安婦報道問題等での不祥事を契機とする朝日新聞へのバッシングに象徴されるように、「リベラル嫌い」が、「右翼」や「ネトウヨ」の枠を超えて、一般の人々の間にも広がっている。しかし人々に迷いもある。たしかにリベラル派を気取るメディアや知識人は胡散臭い。でも強引に右旋回する安倍政権とそのシンパにも危うさがあり不安だ、と。  リベラリズムの哲学的基礎を解明し、その観点から法と政治の問題を考察してきた私には、まさにいま、この状況下でこそ、リベラリズムの原理とは何かを一般社会に対して説明し擁護する知的・実践的な責任があるのではないか。いつやるのか。いまでしょう。(中略)本書は、現下の政治状況に対する応答を動機としているが、単なる時局論ではない。時局的問題にも論及しているが、主たる狙いは、時局的問題を読者が自ら筋道を立てて原理的に考察するための哲学的視座を提供することである。

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    投稿日: 2015.06.17
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    流し読みしただけだけど、インタビュー形式でわかりやすく話していて先生がどんなことを考えてきたのか簡潔に紹介されている。

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    投稿日: 2015.05.26