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ひらいて(新潮文庫)
ひらいて(新潮文庫)
綿矢りさ/新潮社
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総合評価

216件)
3.9
55
71
52
7
5
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    このレビューはネタバレを含みます。

    思いを込める、という愛し方がある。 贈る、押しつける、届くように。 けれど、ひらく、という愛し方もある。 手を広げ、ありのままを晒し、受け入れるように。 自己価値の証明、もしくは執着としての感情を「愛」と呼ぶことしか知らなかった愛ちゃんが、承認欲求や評価などのためでなく、胸を広げてやわいところも相手に触れさせ、心の根っこで繋がろうとする「愛」をたとえや美雪から学んでいく。 思いを込めてばかりだと、皺になって、固くなって、心から出た本音が、筋肉を通って、皮膚を通って、表情として出ていくまでに嘘になってしまうから、自分でも自分の感情が分からなくなったら、もしくは自分でも自分の感情の出し方が分からなくなったら、一度、強がる気持ちや怖い気持ちをすっと手放して、勇気をもって「ひらいて」みてもいいのかもしれない。 愛ちゃんが、空回りして、最も好きな人たちからさえ遠ざかってしまう過程で見せた姿の淋しさは、人間の人間らしい滑稽さであり、真骨頂でもある普遍的なものだと思う。 私はいつでもそれを読み返し、強ばって固くなった自分に「ひらいて」と何度だって言い聞かせるだろう。

    1
    投稿日: 2025.12.03
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    綿矢先生の本で読んだのに思い出せないのがあるなと思っていたら、本屋でこの作品を見つけて「これだ!!!」と思い出しました。 面白かった記憶があります。

    3
    投稿日: 2025.10.30
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    好きな人に振られたからその彼女を奪う、客観視するとだいぶ狂っている。 愛憎という言葉もあるくらいなので、本気の愛に陥っている人間は、えてして狂っているものなのかもしれない。 でも、好きな人の好きなものって神格化してしまうの分かる気がする。 自分はたとえに好きになって貰えないから、自分の足りないところを補うような気持ちで。美雪を奪うってそういうことではないだろうか。

    2
    投稿日: 2025.10.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    お気に入りの小説を読み返そう週間!(「生きてるだけで、愛。」と二作連続でヒロインが全裸になっていた) 登場人物の"たとえ"が好みすぎたっていう程度の記憶しかなかったけど、読んでるうちにみるみる思い出してきた。 ステレオタイプな陽キャJKだった愛が、属性の異なるたとえにうっかり(&どっぷり)恋をしてしまい、どんどんどんどん欲望を剥き出しにして、向こうみずの狂気で暴れていく姿を美しいと思った。 愛はたとえの彼女である美雪のことを妬んで酷いことをするのに、美雪はどこまでも優しくて素直で可愛らしい。 たとえと美雪。二人のかけがえのない関係(百パーセントの相手だな)は、愛が介入していなかったらどうなっていたか。東京に行って、結婚して、結ばれて、平和な家庭を築いて幸せに暮らした? あまり想像できない。愛にぐちゃぐちゃに徹底的に破壊されたことが、二人にとっても実は必要なことだったんじゃないかと、どうしてかそう思いたくて仕方がない。 そもそも、前半と後半で物語の様相がちがいすぎる。読後は全力疾走したみたいに息が上がる。そこには、まるでひらかれた折り鶴のようにいくつもの折り跡が残っている。 願わくは三人の十年後の姿をどうにかして読みたい。

    5
    投稿日: 2025.10.08
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    突拍子もないシチュエーションがいくつかあってそこはちょっと冷めるのだけど、愛の心情、欲求には身に覚えがありすぎた。自分の心を体を支配している激烈な感情に身を任せてなりふり構わず振る舞う身勝手さはかなり私と重なる。 時間の経過で色褪せるだろうことは薄々わかっていても、今この瞬間に爆発的な存在感を得ている激情をなんとかしないと、生きていたって意味がない。絶対的に不正解だとわかっていても、素直に自分の心に従って、何とか期待しているものを手に入れないと、それができないのであれば何とかこの手でぐちゃぐちゃにしないと生きていてもどうしようもない。そんな焦燥感、大丈夫でない時に大丈夫じゃかくても大丈夫と一旦放置できない感覚に共感。 結局感情の絶対値にエネルギーをもらって息をできるタイプの人間だなあと。 自分の値札をある程度自覚していたり、好意に気づいた上で興味ない人には軽薄だったり、自分の入る隙間のないものにどうしても存在をねじ込もうと躍起になったり。 わたしの未熟な部分を誇張したような主人公だった。 ポエミックすぎたのはいまいちだけど面白かったー

    8
    投稿日: 2025.10.02
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    恋の描写がすごく良くて、痛々しいけど惹き込まれた。愛にすごく共感してしまった。 思春期特有の勢いとかモヤモヤとか悶々とした気持ちの圧がすごくて打ちのめされた。個人的に終盤はハマらなかったけど、中盤までが好きすぎて最高だった。あとたとえ君が好き。

    0
    投稿日: 2025.09.28
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    狂気の沙汰のワンシーンがここにあり。 といった感覚でした。 愛ちゃんよりは美雪に近い私ですが、愛の苦しみは割と理解できた気がします。そっち行っちゃう系ですか?となりますが、どうしてそうなっちゃうのかを綺麗に描写してくれてるため、感情移入するかは別としてもなるほど、そういう感覚もありね、と思わさる感じ。 たとえくん、かっこいいですね。どこか悟って高尚な感じが好感度高い。そんな佇まいにも、理由がもれなくついてくるのですが。 いろんなびっくりがありますが表現が美しい。 理解し合わなさそうな3人がこういう形で気持ちが交わるのはある意味ファンタジー。 祈ると折るは似ている、ほんとね!私も折りまくろうかしら。(笑)

    6
    投稿日: 2025.09.20
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    ヒリヒリする美しい文体。 主人公の愛の心と体が分離していると表現していたが、その分離しているところと、かろうじて繋がっている部分の織り交ぜの表現が美しくて鮮烈で、すごく心を刺してくる。 自分を卑下し、相手を特別視し合う関係。 そこを壊してひらいて結んでひらいて。 自分が見る景色を、自分の心に立つ感情を信じたい。 言葉にしないまま持っておきたい感情がある。 整理したくない。 このまま生きていきたい。 でも大事にしてしまうと、それはまた変容してしまう。 なにもわからないまま生きたかったな。 でも今は今でいいのかもしれない。 わかった気にだけはなりたくない。

    0
    投稿日: 2025.09.04
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    気が強く、自分の可愛さを自覚してて打算的な性格の愛が、嘘や策略を見破ってくるような簡単には落ちない男の子を好きになっちゃうところが恋愛って感じがした。美雪とたとえ君の絆が尊くて良いなぁと思う反面、そこに入る余地がない愛の敗北感の方にも共感して苦しかった。綿矢りさの描く、怖いもの知らずで狂気を持ち合わせてる可愛くて我の強い女の子が大好き。ほぼ映画と同じだった。

    1
    投稿日: 2025.08.17
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    想定しない展開過ぎて脳が追いつきませんでした。今の私にはまだ早いような気もしたのでもう少し歳を重ねたらまた呼んでみようかなと思います。

    0
    投稿日: 2025.08.17
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    綿矢りさだから小説になるけど これリアルなら 迷惑極まりないわ〜(笑) リア充っぽいのに 地味男子に急に惹かれてしまって 犯罪まがいのことまでしだして 主人公…君のことが心配だよ… と思ってたら 地味男子の彼女らしい女生徒にも接近 手まで出しちゃう おい〜〜〜〜 そこまでやっちゃだめだろ〜〜 で ここでおもしろいのは 彼女のことをうっすら好きかもになってくる 地味男子とその彼女からしたら もう恐怖だよ… しかし 恋する女子からしたら ここまでではないにせよ うっすらわかる部分もあるのではないか… そんな自分がこわい… される側だったら マ!ジ!で!地獄!

    0
    投稿日: 2025.07.18
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    こういう狂気の文学を読みたかった時に読めてよかた。 若さの尖りが溢れる文章が好き。 2004年、綿谷りさが芥川賞受賞した時に、早稲田に通ってる友達に連絡して、早稲田に遊びに行ったことがある、ということを思い出したりもした

    1
    投稿日: 2025.07.10
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    とんでもなくきれいな言葉の小説。 そして高校生の恋愛の暴走具合を描く瑞々しさが素晴らしい… ギャルっぽい愛も、言葉選びが美しくて全部が知的に上品。 すべてになるよなぁ高校生の時の片想いって。 自分の思考とか生活の全てになる。 愛のやることはあまりにもだけど、でもその理由みたいなのはとてもわかる。 あーいい小説を読んだ。今さら綿矢りささんが自分の好みにピッタリの作者なんだと知ってしまった。

    1
    投稿日: 2025.07.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    女子高生の気持ちを書くのが上手すぎるー、たとえが『過剰の意識』を朗読した後、愛の たとえ五千年の歴史が、どんな誤ちを犯していても に繋がるところがすごい綺麗でいいなって思った。愛が裸でたとえを待っていてたとえにいっぱい言われる所も良かった。読んでいる最中に色んな感想が湧いて出たんだけどアトモキセチンが効き切らないせいで最後焦って読んじゃって結局何を感想で伝えたいか分からなくなった。次医者に行った時アトモキセチンを増やしてもらうようにします。

    1
    投稿日: 2025.05.28
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    娘から薦められて読んだ。薦められたのは二回目。 素直な感想は、凄く良かったです。悩みに悩む思春期の高校生たちの、複雑に入り組んだ感情が絡みまくる。 下手に長編にすることなく、短いながらも納得がいく感じは作者の技術の賜物。この作者の作品をまた読んでみたいと思った。 ただ、結構性的な表現があるこの作品を小6の娘が読んだと言う複雑さ。しかも父親に薦めるという。 さらに、ママは読んじゃダメって、なんか逆な気がする。

    1
    投稿日: 2025.05.22
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    序盤はかなりメンヘラでぶっ飛んだ主人公って思ったけど、人間誰しも持ってる承認欲求が強いだけ メンヘラなんて言葉で表現したら申し訳なくなるくらい繊細で不器用な人 私も好きな人のためならなんだってできる 最初のマックで服の下からバレないように自分の肋骨を触って安心するシーンがすき 承認欲求と支配欲が強いのってつらいなー わたしも愛と同じで、自分を認めてもらいたい欲望がエネルギーで、ずっとそれを必死で守ってるのに、現実でも美雪みたいな人ってたくさんいる 美雪みたいに無抵抗で自分の信じたいものだけを内に秘めてる人が羨ましい 私はきっとそれにはなれない

    1
    投稿日: 2025.05.12
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    一見爽やかな表紙から想像がつかない、あまりにも純文学。そして純文学が私はやはり好きだと思った。 自分の欲望のままで自信に溢れる生きる主人公が、たとえと美雪との出会いにより他人に視点を向けられるようになる話なのかな。 高三の愛は同じクラスのたとえが好き。彼が隠れて手紙を読むのを見て夜の教室に侵入し手紙を奪い、そこで同級生で糖尿病の美雪とたとえが付き合ってるのを知る。 美雪に近づき家に招かれ彼女と二度体を合わせる。夏休み文化祭の準備中それを告げた上で彼に告白するも振られ、再び美雪の家に招かれると、たとえが好きで遊びで美雪を抱いたのだと告げ、たとえを教室へ呼び出して裸で彼に抱きつく。たとえから「自分の欲望ばかりで他人の感情を考えないお前が嫌い」と言われる。愛の成績は下がり推薦を受けられない。 美雪から手紙が届き「愛を忘れられない」と告げられ彼女の家に行くとたとえの父が荒れていると聞き二人で駆けつける。愛はたとえの父を殴る。 卒業式間近、東京の大学に行くたとえは愛に「お前もなんとか連れていく」と言い、愛は美雪に「また抱き合うね」と囁く。そのまま電車で知らない街を走る。 きっと私はついていかない。それを二人が教えてくれたから。

    0
    投稿日: 2025.05.08
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    誰かのために生きる人生なんて真っ平だと思いながらも生まれた頃からずっと臆病者だったので愛が少し羨ましい。わたしも向う見ずの狂気がほしい。

    1
    投稿日: 2025.03.29
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    主人公の素直な気持ちが捻くれた感情に揺さぶられながら強くなっていく描写が細やかですごく素敵です。自暴自棄に愛なんて、と思いつつも好きという純粋な気持ちへの憧れを持っている感じがなんとも苦しくて不器用で愛くるしいと思えます。 この先きっと何度も何度も読み返してしまうくらい大好きな作品です。

    0
    投稿日: 2025.03.06
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    今で言う負けヒロインのお話。 おもしろいのは綿矢りさだから当たり前で、今まで読んできた主人公たちに通ずるような性格の、移り変わりの激しい時期特有の心情を生々しく体験できた。 こんな狂気を納得してしまう説得力、圧巻でした。

    0
    投稿日: 2025.02.23
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    綿矢りささんの作品初めて読んだ、よかった…! 愛の人間味あふれる感じ、若さゆえとにかく我儘に生きていく感じ、読んでいてもはや気持ちよかった、何とは説明できない感情が湧き出る描写がみずみずしかった…!

    0
    投稿日: 2025.02.17
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    主人公・愛のような狂気は、高校生とか若者という括りを超えて、誰でも持っているのではないか。人はみな、何かのタイミングで、衝動的に他者を傷つけ、自分も傷ついて、それでもなお立ち上がって走り続けている。愛の未来がひらけていることを祈りたい。

    1
    投稿日: 2025.02.11
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    蹴りたい背中を読んだときからずっとひらいても読みたいと思っていて、本屋さんやブックオフに行くたびに探していたけどなかなか出会えず…ようやく先日購入することができた。家に帰ってすぐに1ページ目を開くと、心が震えた。蹴りたい背中のときも思ったけど、始まりの文章のセンスの良さ。感情と感情が、感情と行動が、矛盾だらけでも、愛おしさを感じてしまう。それでもやっぱり結構しんどくて、苦しかった。ご飯を食べているときも、歯を磨いているときも、お風呂に入っているときも、眠りにつく直前までも、主人公のどうしようもできない切実な感情が頭にこびりついて離れなかった。 なにかを頑張るときに私のエネルギーの源になる”自分を認めてもらいたい"欲望が、彼女には欠けている。それを失くせば私は無気力になり生きていけないから、必死で守っているのに、彼女はあらかじめそれを手離し、穏やかに柄ち果てるしかないとしても、無抵抗で流れに身を任せる。他人を思う十分の一ほども自分を大切にしない。しかし傷つくときはしっかりと傷つく。私から見ればただの馬鹿だ。私はその馬鹿さにときどき泣かされそうになる。

    2
    投稿日: 2025.02.08
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    綿矢りさ『ひらいて』 2015年 新潮文庫 高校生の青春ストーリーとして読み始めたのですが、主人公はなかなかのキャラクターでした。 ちょっと狂気じみていて怖いっというのが正直な感想。 なのになぜかこんな女子生徒いそう、いるよなと思わせてくる綿矢りさは凄いと思いました。 リアルではないような気もするけど、リアリティーがあるというか。 矛盾しているようだけどそんな印象でした。 結末後、彼女、彼らにはどんな未来が待ち受けているのか。 思春期と大人との狭間の決意や揺らぎを感じる作品でした。 #綿矢りさ #ひらいて #新潮文庫 #読了

    3
    投稿日: 2025.01.15
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    青学の国語に才能のある友人が、いちばんのおすすめとして教えてくれた本。 サロメが好きだからこの本を気にいる理由はわかりやすい。 最近は太宰などを読むことがあり、綿谷さんの描写はあまりにも繊細で壊れてしまいそうなくらい美しい。穏やかなクラシックが似合うような文体。 女性はバイかレズのどちらかと言うことを聞いたことがあるが、やはり愛も体を重ねて本当の愛を感じたのかと思った。愛という言葉を否定するのは、純粋なものに苦手意識があるのかな。だからこそ、美雪が憎いけれど愛を感じてしまう純粋な存在。アンビバレント

    2
    投稿日: 2024.12.27
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    女子高生の恋愛といえば普遍的だが、内容と文体に強力なオリジナルがあった。心理描写が凄くて、ヒリヒリした。

    0
    投稿日: 2024.12.26
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    うわぁ、こんな「仕返し」があるんだとびっくり。しかもその仕返しは快楽を伴うから、タチが悪い。若い頃はむこうみずに人を傷つけたり、自ら傷つきにいったりするからなぁ。

    0
    投稿日: 2024.11.04
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    映画を見たあとに本屋さんに駆け込んで購入した記憶があります。女の子は、面倒くさくて、なんて可愛くて、最高なのだろうと思います。

    0
    投稿日: 2024.10.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最高によかった。綿矢りさの文章を浴びたい!!!と思い立って読み始めた本だったけど、読んでいくにつれて、これこれこれ欲しかったのはこれですという感じで、言葉が、そこに詰まってる感情が体に染みわたってきて、じんわりとひたひたとよかった。読み終わったあと本を握りしめて余韻に浸っていた。たとえに対する自分勝手な愛の気持ち、美雪の完璧な美少女感、たとえの中に閉じ込められている怯えと暴力性。愛が母親に聖書の一節を声に出して読んでっていうシーン好きだな。自分もだれかのそんな存在になりたい。誰かを求めること求められること、受け入れること受け入れられること、誰かに自分のことを認めてもらうこと、その人の中に自分のためのスペースを作ってもらうこと、これってほんとうにあったかくて、糧だよね。今を生きているし、これからも生きていく。愛も美雪もたとえも、かわいい。とにかくかわいくて愛おしい。

    2
    投稿日: 2024.10.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初こそあまりページが進まず、一旦本を置いてかなり間が空いてしまった。ところが中盤からは一気にストーリーに引き込まれて、最終的にはいい作品でしたとなる。アンビバレンスな心情をここまで描けるのは、やはり綿矢りさならではだと思う。歳をとって学生をテーマにした作品に共感しずらく、感受性が損なわれてきたのだと寂しくなるが、この作品は昔を思い出させてくれた。他作の蹴りたい背中もそうだったが、キスの描写が強烈に脳に突き刺さる。よくもまあここまで心情を文章化できるなと…ほんと刺さる人にはトコトン刺さる

    0
    投稿日: 2024.10.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごく面白かった、ぶっ通しで読んじゃった。全然感想を言語化できないのが悲しい。執着を書くのが上手すぎるし、常識的におかしいんだけど人間故に持つ根っこの汚い心理がちゃんと言葉になってるし、これ高校生なのが絶妙だなって思う。大人ではないけど子どもでもなく、一番未熟な期間だから成り立つ。 最後光浦さんが愛に共感できないって書いていたけど、私は同じだけ人に執着みたいなのを持ってるから理解はできたし、正直共感してたかも。自分はやらないだけで。

    0
    投稿日: 2024.10.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    かなり好きな恋愛小説だった。 自分自身でも感情と行動が結びつかなかったり、自分の内面に気づいていても見て見ぬふりをしていたり、思春期だからなのか主人公の性格的なものか、他者とも自己とも相容れないことに対する葛藤。 恋愛的なものと承認欲求。 色々な感情を上手く言語化して描いていてよかった。

    0
    投稿日: 2024.09.22
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    たとえのような人がクラスにいても私は彼の良さに気づけないだろう。だから、愛や美雪は見る目があると感じた。もう少し読んでいたいような気がした。

    0
    投稿日: 2024.08.31
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    綿谷りさの著者を初めて読んだ。彼女の本を一度読んでみたかったのだが、特に本は選ばずふと手に取った一冊。 初めは単なる恋愛小説かと思われる展開だったが、ストーリー展開は私の想像を完全に超えたというか裏切った予想もつかなかった方向へ進む。狂気か変人か突拍子もない衝撃の展開。 ただストーリーとは裏腹に言葉選びや表現はどこまでも美しい。時々同じ文を読み直し、言葉の組み合わせの印象を味わい直す作業も頻繁に行われた。 なかなかすごい作家だ。この類の著者を連続して読むと少し心臓に刺激が強すぎるかもしれないので、少し間をおいて別作を読んでいきたい。

    0
    投稿日: 2024.08.27
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    愛みたいな子、クラスに1人はいたなあ。苦手なタイプーって思ってた。 でも自分本位で他人を平気で傷つけちゃうのって、結局どんな人にも、愛とはタイプのちがう私うっすら当てはまるかもと思った。 高校生ませてるな、、

    0
    投稿日: 2024.08.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

     主人公の人気が高く目立つ方の愛ちゃんは暗めで大人びているたとえくんに恋に落ちる。ただ、あるきっかけでたとえくんと持病持ちでクラスでも浮いている美雪が付き合っていることを知る。ちょっと非現実的な青春の話。  愛ちゃんは常に打算的で毎日鏡で笑顔の練習をしている。愛ちゃんは自分の笑顔を靴下の刺繍と表現しているように、勉強や人間関係で、世渡り上手で器用に見えながら、たとえくんを好きになって一気に脆くて不器用な面が公になっていく。  愛ちゃんの完璧で普遍的な人生の計画を、たとえくんを好きになってから崩し始める。愛ちゃんがたとえくんにした愛情表現は奇行に見えるが、愛ちゃんにとってはきっと、それが愛を示す術。愛ちゃんは男性と関係を持つこともしながら、自分の人生ごと興味が薄い。そんな彼女が初めて、人を愛して、半ば本能的に走り出す。愛ちゃんは打算的でもやけくそでもなくただ、欲望に従って、突き動かされるのが爽快。  そんな彼女に振り回されるたとえくんと美雪ちゃん。普通なら驚くところもたとえくんは慣れているかのように、動じない。美雪ちゃんはどこまでも純粋で弱いのだが、美しい。お互いの傷で繋がりあっている恋人なのに兄弟のような2人。そんな2人の間に入り込みたい。そう思うのはきっと、愛ちゃんも、持病もないし家族の大きな問題もないけど、愛ちゃんも誰にも言わないけど理由もなくただとてつもなく辛いときがあるから。「理由なんかどうでもいい。私たちはいつもときどきひどくつらい。」そんな奥底の自分も2人なら、受け入れてくれる気がしたからじゃないかな。「たとえくんに蔑まれるために生まれてきた」のは、いつも周りは表面をみて褒めるだけに対して、たとえくんと美雪は本質を見ようとしてちゃんと貶してくれるからかな。  結果的に、たとえくんは「お前も来い。どうにかして連れて行ってやる。」と言う。美雪は愛ちゃんに手紙を書く。これは、愛ちゃんをたとえくんと美雪ちゃんが受け入れたってことだよね。愛ちゃんはたとえくんと美雪に対する感情は友情でも愛でもないと言った。愛ちゃんの中で、愛情というのは汚いものだから。だけど、確かに、愛ちゃんから2人に対する感情は愛で、それは、とても美しいものだと思う。  愛ちゃんは「せっかく掴んだのに」「こぼれ落ちていく」と言っているが、2人が受け入れたことでちゃんと掴めて未来に進めたんじゃないかな。卒業後、愛ちゃんは浪人して予定通り大学に行くかもしれない。2人と愛ちゃんはもう会わないかもしれない。愛ちゃんは適当な人と結婚して世間的な幸せを手にするんだろう。だけど、この、おかしな部分の自分を受け入れてくれた、愛してくれた、その体験が愛ちゃんの支えになって、愛ちゃんのこれからの人生は決して無駄ではない。愛ちゃんが思い出してあの2人どうしてるかな、と、ふっと笑っているといいな。愛ちゃんは「二度と、他の人を、同じように愛したくなんかない。」という。どうか、そうでありますように。  過去に何があったのか、とか家庭環境とかを多く語らずに、その人の今の心境や価値観を細かく描く綿谷りささんの作品が大好き。最近は、過去に〜な人は〜な傾向。とか〜の病気とか、その人の個性じゃなくて、大雑把に括りたがるけど、綿谷りささんの登場人物は一人一人が生きていて、個性的であり現実的であり、人間らしい。設定はありがちな青春モノだけど主人公の行動が面白くて、引き込まれる。  濃厚な話すぎて語彙力も、思考も、足りないのが悔しい。スイスイ読みやすすぎて二日で読み終わった。  

    0
    投稿日: 2024.08.07
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    綿矢りささんは女×女の関係を何回か書いているのだね。でも個人的には刺さりきらない。なんでだろう。「女」すぎるからかなあ、わからんな。 まさに劇場型恋愛で、こちらも持ってかれ、勢いのままに一気読みした。愛がうちに秘める、たとえや美雪らを含む周囲の人間に対して向ける黒々とした感情と、その折り合いの付け方、そしてその振り切れ方は、彼女なりに筋が通っているかもしれない。美雪もたとえも愛と同様に生き方に筋は通っているのだけど、その存在自体がまとう脆さとか儚さとか、全て知ったうえで諦めてる部分もある…みたいな雰囲気が私にはひどく非現実的に思えて愛以上に、「遠さ」を感じる登場人物だった。愛はよっぽど血の通った人間に思えた。まあとはいえ誰にも共感できないし、そうかーという物語だったけど。映画の評判が良いので観てみようと思う。

    0
    投稿日: 2024.08.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ハードカバーではなく、文庫本バージョンで! たとえの 「まずしい笑顔だな 」という言葉に出合ってから、私は、「笑顔がまずしくならないように生きること」 を 目標に据えている。 今回、前読んだ時と別のところでいえば、 美雪の愛ちゃんへの手紙がささったな。美雪の手紙はとても文学的で、本筋ではない、とりとめのない文章まで素晴らしい。 「あまりにも自分のために生きてきた」のところは、本当にすごく刺さった。 映画はかなり小説を忠実に描いてたように思ったけど、それでもないセリフとか、 たとえば、卒業式の日にたとえが「お前も一緒に来い」なんて映画では言わないのに気づいて、 そのセリフがない方が確かにいいかも、!なんて私も思った。 ユカと多田くんの描写についてもそうだし、映画は映画としてのオリジナル性がしっかりあったんだなぁと思った。 小説での、終わり方こんなだったなんて、覚えてなかったけど、すごくよかったな 「ひらいて」

    0
    投稿日: 2024.07.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    早熟な主人公、愛はクラスのイケてるグループに所属するような女子高生ながら、地味で目立たないクラスメイトのたとえを好きになる。 アプローチの方法に悩んでいたとき、彼が病を抱えた美少女美雪と付き合っていることを知り、美雪に接近していく‥。 恋ゆえに自分でも説明のできない行動に出てしまう、若さの狂気といったものが作品を貫いている。愛やたとえ、美雪それぞれの衝動、困惑、反発がうまく混ざり合っていて、若者が抱える矛盾した自己のようなものを嫌味や誇張なく描いた作品を久しぶりに読んだな、という気がした。 ただ、ラスト10ページくらいの愛の疾走には行き過ぎ感があり、残念。

    0
    投稿日: 2024.07.20
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    結構評価高いみたいですが、私はあまり好きではありませんでした。突拍子もないというか。現実でこれされたらひきます。こわいです。

    0
    投稿日: 2024.07.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画がすっごく良かったから原作も読んだ 愛ちゃんは、傷つけあうことで感情とか存在の輪郭を確かめてたのかな だからこそ、最後お互いに「ひらいて」、受け入れてもらうことは望んでいたことじゃなかったのかな みたいなことを思った 映画を見たときと印象がちょっと違うかもしれない、ちょっとだけ違う角度からこの世界を知れた感じ

    1
    投稿日: 2024.07.02
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    華やかだけど苦しい、青春を感じる一冊でした。 愛の彼を手に入れたい気持ちに共感しました。周りから見たら恋愛をゲームとしか思っておらず、自分勝手に見えるかもしれないけど、でも真剣なんだよなぁ、、むちゃくちゃだなと思うところも多いけれど凄く自分に通じるものを感じました。 私は終始愛ちゃん寄りで読んでいたかも。色々なことに対するどうしようもない衝動にまっすぐ向き合って突き進む愛ちゃんはかっこいいなと思いました。 「自分をよく見せよう」とする愛と、その気持ちよりも人を支えることに生きがいを見出した美雪。読み終わったあと、『ひらいて』というタイトルに思いを巡らせました。 個人的にラスト10ページが特に好き。これから何度も読み返す予感がします。 綿矢りささんの作品これからもたくさん読んでいきたい!!

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    投稿日: 2024.06.15
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    恋はときどき暴力? クラスでめだつあの子も外皮のなかでは苦しみながら生きているのかもしれない。人に好かれたら誰でも悪い気はしないって本当?その恋がエゴだったら?

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    投稿日: 2024.06.11
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    愛ちゃんと私何か通じる部分があって読んでで辛かった 嘘で自分を偽って、何でも思い通りにしてきた所とか 自己嫌悪に陥いるのも気持ちがよくわかった 美雪みたいな綺麗な子を見ると羨ましい気持ちと妬みが溢れるのも

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    投稿日: 2024.06.04
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    イケイケの主人公愛が、気になるたとえくんに美雪くんという彼女がいて… はじめに思ったことは表現や心の声が生々しいと感じた。終盤のたとえの感情を吐露する部分はすごく引き込まれた。 いわゆる純文学的なものはほとんど見たことがなかったが、かなり楽しめた

    0
    投稿日: 2024.05.13
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    愛という人間が私にはとても魅力的に思えて、憧れる。こんなふうに真っ直ぐに、激しく、奔放に、狂うほどだれかを好きになってみたかった。でも、そんな愛も承認欲求を原動力として生きている、恐怖を感じながらも本能を頼りに突き進んでいる、そんなところに人間味を感じて愛おしくなる。 たとえ、美雪との出来事を通じて、だれかに手を差し伸べられる人間になりたいと思った愛。でも、向こうみずの狂気はもったまま生きてほしいなと思った。 綿矢りささんの作品は初めて読んだが、読みやすくて、物語に吸い込まれていくような綺麗な文章で、ストーリも個人的に好みの作品だった。他の作品も読みたい!

    1
    投稿日: 2024.04.17
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    後半からの駆け抜け方というか、暴走、爆発が、待ってました綿矢りさ! 「蹴りたい背中」以来、その表現の美しさと、拗らせた登場人物達が捨て鉢になりながらも泥に塗れて懸命に生きる物語ばかりで、ずっとファンでした。 「ひらいて」では高校生並外れた語りと表現で、「蹴りたい背中」の時の様なリアルな瑞々しさはなかったけれど、読み終わった後の高揚感は相変わらずです。

    0
    投稿日: 2024.04.07
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    わたしには表現が難解で読み進めるのに時間がかかった。 途中からちょっと奇抜な展開になり、前半から苦手だった主人公のことがますます苦手になってしまった。

    0
    投稿日: 2024.04.05
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    小説の後に映画観たけど良かった。なんせ主演がわたしの好きな山田杏奈で、雰囲気が合ってて台詞のひとつひとつとか小説の文字がそのまま口から出てきたようにわたしの頭の中でも繰り返されるのが楽しかった。やっぱりわたしは映画より先に小説派

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    投稿日: 2024.02.29
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    愛の言動はかなりヤバイヒトだけど、決して終始不共感というわけではなかった。 たとえへの執着はすごくて、それを受け入れてもらえず歪みまくっていったけど、美雪が、必死に生きる愛を受け入れてくれたことで愛は自分を認められたのかなって。 とても解釈が難しかった。 恋をもう少し勉強してから再度読みたい。

    0
    投稿日: 2024.02.01
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    愛の心情描写が特徴的。学生ものは思春期の恥ずかしい部分が表立つことが多いけれど、愛にはそこがないからするする読める。 ストーリー展開は突飛だし、特別好きではないけれど、印象的な作品。 光浦靖子のあとがきにめちゃくちゃ共感した。私が感じてたこと全部書いてある!って感じ。

    0
    投稿日: 2024.01.30
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    学生のうちにしかできないような、情動的な行動たちが懐かしくも遠いことのようで、読んでいて心にくるものがあった。映画から文庫へと入ってきたのだけど、この感じは両方で楽しめてよかった。また読みたくも観たくもなる作品。

    0
    投稿日: 2023.12.20
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    容量もルックスもいい女子高生の愛が好きなったのは地味男子のたとえ。でもたとえは、糖尿病のおとなしい美雪とつきあっていた。 たとえが好きで好きで好きで、フラれて、たとえの彼女の美雪を抱く愛。身勝手にあたりをなぎ倒し、傷つけ、そして傷ついて。 女子高校生の絶対的孤独、愛ゆえの不安定さ。自意識からの自己中心さ、自分を認めて欲しいという欲求。愛の中のあらゆる感情がごちゃ混ぜになって、自分でコントロールしてると思っても出来てない、歪んだ形で体の外に、行動に出てしまう。恋ってすごい、愛ってすごい、とまで思ってしまうほど、愛は自分の気持ちにまっすぐだった。たとえも美雪も愛もみんな愛情不足で、自分の心の拠り所を必死に探している気がする。 たとえの父親を殴る愛がカッコいい。嘘だと分かりながら言葉が止まらない愛が悲しい。自己愛を捨てきれない愛が愛おしい。読みながらいろんな感情になる。綿矢りさの表現力がすごすぎる、好きすぎる。本当に好きだ。不安定な女の子の感情を描かせたらピカイチすぎる。 映画も見たけど、映画も良かった。原作も映画も良い作品って実は少ない。「ひらいて」。それぞれ、こころをひらいて。 「愛は、唾棄すべきもの。踏みつけて、にじるもの。ぬれた使い古しの雑巾を嗅ぐように、恐る恐る顔を近づけるもの。鰯のうす黒いはらわた、道路に漏れるぎらついた7色のガソリン、野外のベンチにうすく積もった、ざらざらした黒いほこり。 恋は、とがった赤い舌の先、思い切り掴む荊の葉、野草でこしらえた王冠、頭を垂れたうす緑色の発芽。休日の朝に起き抜けに布団の中で聞く、外で遊ぶ子どもの笑い声、ガードレールのひしゃげた茶色い傷、ハムスターを手のひらに乗せたときに伝わる、暖かい腹と脈打つ小さな心臓。 私は、乾いた血の飛沫、ひび割れた石鹸。ガスとちりの厚い層に覆われた惑星。」 「理由なんか、どうでもいい。私たちはいつもときどき、ひどくつらい。」 「およそ、忍耐力など持ち合わせていない人が、たとえ打算があったとしても、私の前ではおそろしく辛抱強くふるまい続けるのであれば、私は愛さずにはいられません。 ほんのひとときでも、心を開いてくれたのであれば、私はその瞬間を忘れることはできません。」

    0
    投稿日: 2023.12.05
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     『インストール』『蹴りたい背中』に続き自分が触れる綿谷りさ作品としては此が三つ目となる。『蹴りたい背中』以降にもちょこちょこ何か書いていらっしゃったようだが其方は未読。  という訳で綿谷りさのイメージが"なんか高校生くらいの子たちの純文学書く人"で固まりつつある。他のも読んでおいた方が良いか?  今回も女子高生の恋愛の話だ。但し美しい青春の物語ではない。生々しく昏い熱情の描写は丹念に厚塗りを重ねた油絵の画面の盛り上がりのようにヴィヴィッドに感じられる。  要領の良いカースト上位の女子が何故か好きになったのは地味で朴訥な秀才。然し彼が薄幸の美少女と密かに付き合っていることを"不正な遣り方"で知ってしまう。  そこから先はもう滅茶苦茶。端から余人の介入する余地など無いプラトニックな二人の世界に、それでも我を通して入り込もうとする。  これは矢張り高校生でなければ駄目だろう。中学生では幼過ぎ、大学生ではもうこの一種不器用な情熱は失われてしまう。  大人でも子供でもない高校生という時期に特有の若さがある。十代から二十代後半にかけてをざっくりと指す"若さ"とは決定的に意味の異なる特異な若さである。  お金は無い。部活や勉強に縛られて自由な時間は常に制約を受けている。時として親や教師といった大人は抗い難い権威として頭上に君臨する。クラスルームという閉鎖空間は絆と紐帯と牽制と掣肘と同調圧力に満ちて暗に独特な政治の世界を展開する。   傍から見れば綺麗で美しく輝く自由な世界も内実は案外不自由で、ままならないことの何と多いことか。  だが自意識だけは恐らく人生の中で最も肥大化する瞬間。それが高校生なのだ。故にこそ始末に負えない時がある。  作中にもそれらしい譬喩表現があったが、まさに変態の最中にある蛹の内部でおどろおどろしく渦巻くマグマのような自意識が、羽化に失敗して宙ぶらりんのままで体感する外界の空気の感触に戸惑うような、繊細ながらもどこまでも力強い奔騰の文学と言えるだろう。

    1
    投稿日: 2023.11.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    長々と感想や解説を書くのも野暮な気がする。 ただ、読み終わった後の、この高揚と暖かみは一生覚えていたい。 細かな描写が美しい上、笑える部分も多いので読みやすかった。 聖書、サロメ、春琴抄などの挿入歌も良い(こういうのを十分理解するためにも古典を読まねば、、)。 後半の読み応えは圧巻。 主人公の名前は「木村愛」

    1
    投稿日: 2023.11.09
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    私は病気をわずらっていますが、だれよりも長く生きる気がしています。私にとっての病気とは、生まれたときから刻まれている、手のひらの皺のようなもの。自分の限界さえ知っている哀しみを、生きる力に変えてゆく強さが、私にはあります。 およそ、忍耐力など持ち合わせていない人が、たとえ打算があったとしても、私の前でおそろしく辛抱強くふるまい続けるのであれば、私は愛さずにはいられません。 ほんのひとときでも、心を開いてくれたのであれば、私はその瞬間を忘れることはできません。

    1
    投稿日: 2023.09.28
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    恋愛を少し重めに描いてるけどそれがすごくリアルで普通はできない行動も高校生の主人公はしちゃうくらいにたとえを愛してる、でもそれが本当に愛なのかは謎だけどその曖昧さも美しい。恋愛なんて思い込みな気がする。

    0
    投稿日: 2023.09.17
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    あまりにも現実からかけ離れている(と信じたい)歪んだ愛から始まった物語だが,思春期特有の心情をいい塩梅で突いてくるために登場人物たちの動向に目が離せない。 タイトルにもある「ひらいて」の言葉が最後の最後にも登場したがあれはどのような解釈をするのか正解はきっとないからこそ,他に読んだ人の意見をぜひ聞いてみたい。

    0
    投稿日: 2023.09.08
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    大人になってあの頃は、なんて絶対に話したくなかったし、この苦しみを忘れてやるものか、私だって、つまらないけど頑張って生きてるんだ。 だから愛が嫉妬してしまうくらいの憧れで、嫌い。 こんな子がいたら全部もってかれる、私の苦しみすらどうでもいいなんて言われてしまう。 美雪の、「東京で自分のできる仕事をする」というのが、私には辛かった。高校生なんて、将来に夢をみていいのに、自分の体がそれを許さない苦しみを、私は知っている。 愛も美雪もどっちも私だと思った。だから西村たとえがたまらなく好きだし、本当は愛と美雪はお互い似てるんだと思う。 教室の片隅で息をしている、その他生徒に混じっている彼を、私も見ていたかった。たとえが好きな子が美雪というのが、まったく勝ち目がなくて、視界にも入れてくれないんだろうな。

    1
    投稿日: 2023.07.10
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    愛がした、身勝手、自分勝手で本能的で情熱がきらきらと燃える様な恋はきっと10代にしか出来ない。破滅願望、貴方との未来、嫉妬、恨み、確かに愛は身勝手だけど心の底にある感情に従って生きている姿は生命力に溢れていて、こんな女の子になりたいと何度も思った。

    0
    投稿日: 2023.07.08
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    苦しすぎた。読んだ記憶ない、、最後の方ほぼとばし読みしてた。久しぶりに恋愛小説読んだけど感情移入してしまう。なんか誰の気持ちも分かってしまうから 映画を知ってて、ずっと読んでみたかった本、やっと読めた。けどやっぱり紡がれた言葉は綺麗だったな、また読みたい

    0
    投稿日: 2023.07.06
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    恋の不自由さと身勝手さ。大人になってしまった今では熱を持って思い出すことが難しい十代のあの狭い世界での大きな大きな熱情。

    1
    投稿日: 2023.06.07
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    物語を楽しむというよりは、描写や言葉の美しさを楽しんで読み進めた 「凝縮された悲しみが、目の奥で結晶化されて…」と大好きな彼の瞳の表現で始まる あいかわらずの描写の美しさは、さすが綿矢さんの作品だなぁと思う ラストがよくわからなかったー。

    2
    投稿日: 2023.05.15
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    この本の感想は、一言で言うと”わかる”だった。 思春期特有の 衝動に身を任せたような行動 人を傷つけることを躊躇わない狂気 心に広がり深くなっていく闇 自分の中に生じる矛盾 どれも経験があって、愛のことを憎めなかった。 制御不能で狂気的な自分を経験したことがある人はぜひ。

    4
    投稿日: 2023.04.12
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    美雪を見る時どうしてもたとえの視点になってしまう愛の気持ちがとても良く分かる。狂気とも捉えられる愛の行動に共感出来る人は少ないと思うけど、皆全てをひらいたら、第三者には理解されない何かを秘めているのでは無いかと思う。奥底に眠らせているけど、意識的にそれを起こそうとしていないだけで。 私のそれと愛のそれは近い形だったから愛の行動に共感してしまう部分があった。 愛にはいつまでも全てをひらいたまま生きていてほしい。

    1
    投稿日: 2023.04.05
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    よーわからん話だった。 ただ、主人公の感情だけはしっかり読み解ける文章ではあった。 映画見てないけど、たとえは作ちゃんだと思った。

    1
    投稿日: 2023.03.26
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    めっちゃ好き。 ひねくれにひねくれた愛を持った愛 ここまで気持ち悪くて狂気じみた本は初めてで、すごい速さで読み終えた。

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    投稿日: 2023.03.19
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    歪んだ愛だなって思ったんだけど 『好きな人を独占したい』っていう誰しもが思っていることを、行動にうつしちゃっただけかなともとれる。 人間臭くて愛ちゃん結構好き。美雪のほうが人間離れしてるかも。

    3
    投稿日: 2023.02.21
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    好き 自分にないものを持ってるわけでもないのになぜか好きな人に好かれている相手、妬ましいのは分かるけれどなぜこう行動するのかは理解できない、とても歪、でも好き

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    投稿日: 2023.01.20
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    文章の複雑さが変なふうに乗っかってしまっている。 惹き込まれる文だが、あまり面白くはないのかも。 『蹴りたい背中』の方がもっと直球で鬱屈した気持ち悪さが伝わってきて好きだった。

    1
    投稿日: 2022.12.27
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    不思議な話だった。    はじめは愛がたとえを思う気持ちや行動に共感していたが、愛の行動がどんどん過激になり、びっくりした。私はそこまでできないけど、愛の気持ちなら少しわかる。それが少し怖いと思った。    ずっと愛の一人称で話が進み、とても主観的で、比喩表現も多く、内容を掴みきれなかった気がする。愛の表現力の高さには驚いた。なんて美しい例えなんだろうって思う。    もう一度読みたいけど、読む気力が出なかった。すごく薄い本なのに内容はずっしりしていて、表現もたっぷり詰まっていて、重い本。  いつかまた、必ず読み返したい。

    1
    投稿日: 2022.12.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    狂気を感じる小説って共感できないけど自分の想像を軽々と超えてくるからめちゃくちゃおもしろい 衝動的に行動してどんどん戻れない方向に落ちていった愛だけど最終的にたとえと美雪には嘘だと言われたのが印象的 自分の思い通りにいかないと相手を傷つけてもいいという身勝手さと衝動的に行動してしまうのではなく衝動的に行動する自分が好きという自己愛の究極が愛という人間だと思った 私の根底にも「身勝手で自分がいちばん大切」な部分があってそれを何とか「人に迷惑をかけたくない」という気持ちで抑えてる節があるので、ふいにどこかの糸が切れてあんなめちゃくちゃな行動をとりそうだと怖くなったし、愛を憎みきれない要因なのかなと思った 綿矢りささんの小説 初めて読んだ こんなに言葉や表現が綺麗で狂気も感じられるなんてもっと早く出会いたかった! 『勝手にふるえてろ』『私をくいとめて』は映画は見たけど原作は未読なので早急に読みたい

    2
    投稿日: 2022.12.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文章が独特で、気持ち悪さがある。 すごい細かいけんかな? 推し燃ゆの作者と似てる気がする。 愛が想像以上に狂ってた。 自分は考えもしないことを、行動にうつす狂気。 校舎に忍び込んでとっさに手紙盗むとこまではまだわかるとして、教室で裸になるは意味わからん。ただただたとえが可哀想。教室入ったら彼女じゃなくて全裸の女子がおるの怖いよな。 推し燃ゆの女の子とか愛とか私には刺さらんかも。わからんすぎる。

    0
    投稿日: 2022.11.26
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    高校生の時に受けた模試の国語の文章が、この本からの出典で面白かったから、ちゃんと読んでみたいと思っていた。結構序盤の方だったんだなあ、なんて思って、そんなに鮮明に覚えている自分にびっくりした。 『蹴りたい背中』を読んだときに、ハツに対しても思ったけど、今回『ひらいて』を読んで、愛にも「認めてもらいたい」という気持ちがあって、それが、衝動的で攻撃的な行動となってあらわれていたように思う。 ぶつかって、傷つけて、ひらいてほしい、ひらきたいと祈って…。そんな愛や、たとえ、美雪たちは色々な思いを抱えながらも、今を精いっぱい生きているのかな。

    2
    投稿日: 2022.11.12
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    剥き出しで繊細で爆発しそうな感情で突き進む主人公。読んでいてこちらも痛みを感じる。登場人物たちが何処に辿り着くのかが想像できず読み進めた。短いが密度の濃い小説。

    0
    投稿日: 2022.11.11
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    綿矢りささんの作品を読んでみたいと思ってて、やっと読めた。 最初から一貫してストーリーの世界観にも圧倒されたけど、なにより「」を使わずに表現する執筆力に脱帽した。こんなに的確に、そして細かく、ひとりの人の様子や描写を表現できるのか。すごい ほかの作品ももっと読んでみたくなった 物語としては、へ〜まさかそういう結末を迎えるのか〜、と面白がるような驚きがあった。おもしろかった

    0
    投稿日: 2022.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    もう10年前に書かれた小説のようだが、映画化されたようだが上映館が近くになく積読本になっていた原作をまず読んでみる。しかし凄い小説である、恋する人が振り向かないからその恋人を寝取るとは、とても男性作家が考え出せる小説ではない、そして奇妙な三角関係は瓦解へと向かう、いや主人公ひとりだけの破滅かもしれない、最後の方はもう不条理小説だ、しかし読む手は止まらない、WOWOWで録画したものも早速見てみよう、映画はどう表現しているのだろう。

    0
    投稿日: 2022.11.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    p5 存在するだけで私の胸を苦しくさせる人間が、この教室にいる。さりげないしぐさで、まなざしだけで、彼は私を完全に支配する。 p17 彼は私の脚をどう思うだろうか。私が彼の身体の細部に示す関心の十分の一ほどでも、持ってくれたら。 p20 意味ありげで、謎めいていて、でも響きがきれいで。すてきな名前だなって、 p130 「私のどこが好き?」 「刺してくる瞳が好き」 「噛まれたら、どんな感じがするのかな」

    1
    投稿日: 2022.11.06
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    教室の片隅でひっそりと生きているような、影を持つあか抜けない姿をどうしても目で追ってしまっている。憧れが狂気に変わっていく過程。あれはきっと若気の至りなんかじゃなくて、あなただけの愛の形だったはず。少なくともわたしはそう捉えていたいな、と思った。タイトルも好き。

    0
    投稿日: 2022.10.30
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    2021年秋に実写映画化。 推しがたとえ役を演じたということで原作を手に取ってみました。 青春……とはいえない歪んだ愛の物語。

    0
    投稿日: 2022.10.23
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    著者の綿矢りささんの、シャープな刃のような文章が好きだ。怒りと激情も含んでいるのにこの上なく冷静で、ハッとする表現が多い。 私を細かい棘で傷つけつつときどきグサリと刺してくる。 痛みを咀嚼しながら読むことになるので、決してページ数は多くないのに読むのに時間がかかるんだよな(最近優しくて温かい文を書かれる著者の本を読むことが多かったのでその温度差もある)。 主人公・愛と彼女が想いを寄せる男の子・たとえ。そしてたとえと付き合っている美雪。 本作は彼女たちの奇妙な三角関係が描かれる。 本作は愛のたとえへの恋心ではなく、美雪とたとえのいじらしい手紙のやり取りではなく、愛と美雪の別の方向を向いているはずなのに交通じ合った一瞬の連帯のようなものが印象的だった。 そして最終的に互いを受け入れたたとえと美雪と愛の言葉にしがたい関係も。 互いの汚くてずるくて痛い部分を共有した共犯者同士のような関係。 「ひらいて」というタイトルもいい。 こんなに尖って痛い作品なのに、タイトルは柔らかくて、切実な響きを持っている。  

    1
    投稿日: 2022.10.05
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    絶対に経験したことがないはずなのに、何故か共感ができてしまい最後まで読んだ。たぶん主人公とは人の好きになり方が似ている気がする。たとえの家に3人で行ったときの、美雪の台詞がとても良かった。「愛ちゃんに向かっても、ひらいてあげて」

    3
    投稿日: 2022.09.29
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    ここまで真っ直ぐで激しくてピュアな 恋愛小説を久しぶりに読んだ。 華やかに見えて、その華やかさに苦悩する気持ちがわかる。 私は、誰かを動かせる力を持っていた時 世界はこんなに簡単だと思いながら 世界でずっと孤独なのだと思っていたので 愛の気持ちが少しだけ理解できたけど、 心ゆくまま進む行動力に脱帽。 好きな人を傷つけたい、見てほしい、 と思うのは大人になってから 生まれた感情な気がする。 認められたい気持ちは時にどこまでもゆく。 最後に愛が2人に少し救われたこと 欲しい言葉を貰えただけで十分だと思えた 彼女の成長の様子をこんな短い小説で 味わえて幸福でした。 ひらいて 読む前は他者に対して 途中から手助けを乞うような 蝉が抜け殻から出てくる時のような イメージだったけど、 読んでみると、それは 他者に対する自分への要望で 祈りで、自分への問いだった気がする。 きっと認められることだけではないことを 学んで彼女は幸せを掴むだろうし、 高飛車で繊細なままでいて欲しいと思う。

    2
    投稿日: 2022.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恋の形って色々あるんだなぁ~と最近、特に思う。 主人公、愛の好きになった、たとえくん。たとえくんにはみんなに知られないように付き合っている美雪という持病持ちの彼女がいる。 はじめは愛のたとえに対する淡い恋心だったはずなのに、美雪とたとえのピュアな恋愛の側に近づいていくにつれて、愛の心は、徐々に醜い嫉妬や執着を帯びてくる。 愛は大抵のものは手に入ると思っているクラスで演劇をやれば配役でティンカーベルのうちの1人になれる感じの、自分の可愛さや価値をわかっている高校生の頃にありがちな自意識過剰な女子。 手に入らない物を手に入れようとするもがきの表現が綿矢りさ、独特って感じ。どの存在にも共感はし得ないけど、本って別に共感するだけが読み方じゃないし。 愛は器用そうに見えてすごく不器用。どうやって人の心をひらいたらいいかがわからない。 特にたとえのようなひねくれた存在は。ひねくれた人の心は純粋な心でしか開かない。それが美雪。ならばその純粋な彼女を汚してやろう。愛の歪んだ愛情表現。美雪は素直に受け入れてしまう。 最後の疾走感、明かされるたとえの親子関係、愛の壊れていく感じと支配欲。人はだれも誰かの思い通りにはならないし、しようとしてはいけない。 綿矢りさの血が迸るような文章力と圧倒的なワードセンスを存分に楽しめる作品だと思う。

    3
    投稿日: 2022.09.01
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    20220828 初読 ・恋、というより執着になっていく様子は、滑稽に感じたけど、自分にも思い当たる過去があった

    0
    投稿日: 2022.08.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    教室に気になる人がいる時の描写が生々しく学生時代を思い出させてくれました。文化祭遅くまで残って好きな人と作業するドキドキ感といったら。

    2
    投稿日: 2022.08.13
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    恋が最大のエゴの塊だということを思い知らされる。危うい危うい自分だけが周りと違う特別だという自意識をひたひたに感じた。 愛ちゃんはずるくて真っ直ぐで、少し私に似てる

    2
    投稿日: 2022.08.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    つまらなくて不安でムカついて、その気持ちを全部全部上書きして染め上げてくれる感情に「愛」という名前をつけて、それにしかすがれない愛の気持ちが鋭く尖っていて痛かった。 そんな鋭い痛みを、全部全部、ひっくるめて受け入れてもらえたことは救い。 でも、その救いは少し動けば霧散してしまうような儚いもので、それにすがれって生きていけるだけの強度はない。 それでも、今この一瞬だけでも、愛も憎も全部全部、世界にひらいてみてもいいかもしれないと思えた。

    1
    投稿日: 2022.08.05
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    いやいや、めちゃめちゃ独特な感性を感じるストーリーに驚き‼️です。あんな複雑・不器用・正直な感情表現をする人っているのかなぁ、いるんだろうネ! でも犯罪スレスレかも、あの感情ご少しズレたり、タイミング悪かったりしたら『よくあるニュース』に登場しそう…激情って言えば、なんかポジに聞こえるけど今の時代、微妙だと思う。

    6
    投稿日: 2022.07.03
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    欲望。激情。 綿矢りささん初読。文章能力に驚き。比喩表現が多く複雑でその複雑さがなんだか美しい。 「ひらいて」このタイトルの意味が、読み終えた後心を深く刺してくる感覚がある。 この作品の実写映画を観たくて、先に小説を読みたかったので読んだが、山田杏奈ちゃんが愛をどう演じるか楽しみで仕方ない。ぴったりな気がする。

    1
    投稿日: 2022.06.04
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    主人公で高校3年生の愛は、同じクラスの「たとえ」という名の男子に恋をします。しかし、たとえへの手紙を盗み見て、同級生の美雪と付き合っていることを知り、美雪に接近します。愛の思いは抑えられず身勝手にたとえと美雪を傷つけ、傷つきます。高校生の危うい恋愛のお話です。

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    投稿日: 2022.05.30
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    一気読みしてしまいました すごく好きです 愛ちゃんの行動力は真似出来ないけれど、全部自分のものにしたい そのためなら誰を傷つけてもいい と言った感じが凄く分かる たとえくんの愛ちゃんに言う言葉は本当に苦しい まるで自分に言われてるみたいでズタズタ 全部全部初めから分かってたんだよね自分勝手なことも全部

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    投稿日: 2022.05.18
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    単純ない恋愛小説じゃなくて読んでていて引き込まれます。綿谷さん、流石です。 女子のこの考え方は思いつかないですね

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    投稿日: 2022.05.16
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    あらすじや表紙から連想するような爽やか青春恋愛小説ではなかった。醜悪で切実なコンプレックスの話。 読み初めは主人公の愛ちゃんの無茶苦茶さと自分勝手さが嫌いだったけれど、後半に進むにつれて彼女の心情に入り込み共感してしまった。綿矢りさ凄い...

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    投稿日: 2022.05.14
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    映画を観てから原作を読みました。 愛ちゃんみたいな女性はやっぱり怖い。 結局は自分が一番だからああいう行動をしてしまうのかと思った。 光浦さんの解説も言いたいことを言ってくれたという感じなので必見です。

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    投稿日: 2022.04.08
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    ひらいて 今まで1番自分の中で食いつきが良かった本‥今の所‥ 表現が、女性的官能的で美しいなと思った。 主人公 愛がやってることって、狂ってるし、全然可愛くも綺麗でもない。普通に激ヤバ女の子。 ピュアではないし、キラキラ青春恋愛物語 でもないのに、何故か綺麗に感じるところが多かった 正直、愛ちゃんのやってることも気持ちも理解はしがたいけれど、そうなってしまうんだよな‥っていう同情の気持ちは生まれた‥ 私もやばい? たとえ、美雪、愛 3人とも、普通の子のようで普通ではない‥ まあそもそも普通って何。わからないけれど 皆が皆何か 狂気的なものを持っている気がする 最初から最後までずっと ひきこまれた

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    投稿日: 2022.03.30
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    主人公・愛の「好きな人に振り向いてもらいたい、何をしてでも」という気持ちはとても共感できた。 その人に恋人がいて、その子の事が好きであっても、自分に振り向かせてみせる、という強気な心はとても良く理解できた。 「私の恋心はいびつにねじくれて、彼の情報をこっそり盗みたがっている。」 自分の心の醜さを分かっていながら、それでも自分を止められない愛の正直さにとても共感した。 しかしその方法があまりにも残酷でとにかく傷付けることしか出来ない。そして、相手を傷付けていると分かっていても止められない。 最後まで読んで、全てが共感できるかといえば、そこまではないが、自分に正直に愚直に突き進む愛の行動は気持ちいいと思った。 心の醜さを知っている人はよくわかるはずだ。

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    投稿日: 2022.02.07
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    感情や情景を飲み物に喩えられていて、素敵だな、と思う。 愛の、自分の人生だから周りからの文句は受け付けない、という姿勢の反面、たとえに縋って生きているのが堪らなく愛おしい

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    投稿日: 2022.01.26
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    2.6 →表現がとても美しいなと強く感じました。 主人公の狂気を感じるほどの懸命な思いが恐ろしかったです…

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    投稿日: 2022.01.26
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    この超危うくて金属臭がぷんぷん漂う女、嫌いになれない。 狂気狂気と言われているけど、こわさの隣に澄んだ言葉が居てくれるのでずっと安心していられる。(私が耐性ついているのかもしれない) 綿矢りささんの言葉は本当に美しいです。 外側だけの世界でうまれた綺麗さじゃなくて、もっと、もっと内側のうまく言葉にならないぐちゃぐちゃを含んでいる。汚くて、苦しくて、切なくて、愛らしくもある、そんな言葉が一番美しいと思う。

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    投稿日: 2022.01.15