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知ろうとすること。(新潮文庫)
知ろうとすること。(新潮文庫)
早野龍五、糸井重里/新潮社
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総合評価

214件)
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    序章だけでも十分に価値がある。というより序章読んで共感できなければ以降は読めないかもしれない。それだけそこで語られる「スタンス」の話は大事。分量も手頃で1時間半で読了。

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    投稿日: 2014.10.07
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    3年前の地震にともなう原発事故で、さまざまな情報が錯綜するなか、この本の著者・早野さんからの情報でどれだけ勉強させてもらったことか。 以後、自分のなかで、科学的に考えるということをあらためてかみしめるきっかけにもなった。 その活動を(ちょっと快速気味だが)振り返った本。 著者の行動力、アイデア、科学的手法、真摯な姿勢、誠実さ・・・がよくあらわれた素晴らしい内容です。 事故のあと、無責任に不確かな情報を流して世間を混乱させておいて、今はどこで何をしているのかわからないような人たちとは、やっていることのレベルが違いすぎます。 その姿勢は、(以下本文要約ですが)福島のマイナスをゼロにするだけではなく、(不幸な事故だったがこんな素晴らしいことのきっかけになった、という)プラスに結びつけていくための行動を起こした第6章(いや、本全体がその行動の記録なのですが)によくあらわれていて、涙が出ました。

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    投稿日: 2014.10.07
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    これは読んで良かった。アマゾンで品切れになるのも納得。 早野先生のお話はツイートと同じく冷静で、センセーショナルなところが全くない。

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    投稿日: 2014.10.06
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    放射線についての本。関西から東京に引っ越してきて不安に思っていることや分からないことがわかりやすく書いてあった。積極的に情報を入れるほうではないので、こうして書籍で読みやすくてしかも文庫で出してくれるのは本当にありがたいし、気持ちの入り方がとても伝わる。それでも文章は終始穏やかで、スッと入ってくる。読み物としてもおもしろい。先日、立花隆さんの本も読んで宇宙良いなと思っていたので、すこし共通する話もあり、とても楽しく読めた。海のことまで書いてくれてたらよかったなと思った。そこはやっぱり触れられないのかな。地上で出回っているものは、安全です。 2014.10.06

    0
    投稿日: 2014.10.06
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    「地球はまあるい」 実際に見たひとはほんのわずか。 見てきたひとが言ったんだし映像もあるしせんせいからもそう教わったし。 だからわたしたちはまあるいと思うことにしている。 わたしたちは、往々にして体験していないものを実体験したような感覚になり信じて知識にしているものがたくさんある。 2011年3月11日以降、わたしも科学的な言葉がどんどん入ってきてただ悪い方向ばかり想像していたひとのひとり。 だからこそ読んだ。 起きてしまったことはしゃーない。 ここから未来をまた築き上げていこう。 スキャンダラスではないほうを選ぼう。 そう思わせてくれた一冊。 斜め読みしたので、今度は時間をかけてゆっくりと読むことにする。

    2
    投稿日: 2014.10.06
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    事故から3年が経った今までの道筋と現状を対談という形で知ることができた。 じぶんの中でこの事故のことは今でも完全に蚊帳の外で起こっていることという気持ちがあることは否定できない。 だからこそこういう本を読んで考えることができればいいかなと購入してみた。 福島という場所へのイメージと事実が大きく異なっていることが本書を読んで一番驚いたことだ。 また本書を読んでいるときに考えたことが311での一連の災害に対してメディアを中心になにか意味を持とうという人がとても多いのではないかということ。 自分は被災者でもないし数人の友人が被災したが今も普通に暮らしているという環境にいるのでこんなことを言える立場ではないかもしれないが災害はただ起きたということ。 原発事故に関してはもちろん人間の不手際というものが数多くあったのだろう。しかしその事故(災害?人災?)自体には何も意味のあるものだとは思えない。 起きてしまった異常な事態にたくさんの人々が無関心さを振り払うように宿命や使命感を見出している姿には個人的に違和感を覚える。もちろん発生した一つの事象に対してそれぞれの意見や視点があることは当然なのだが。 そんな感情を持っていた中で冒頭とあとがきで糸井重里が数ある意見の中で自分が選び取るものの基準を示しているがこれは本当に共感することができた。 また事故とは直接関係のない話だけれど138億年の水素が自分たちの体の中にはあるという途方もない話は印象に残った。

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    投稿日: 2014.10.05
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    早野先生は、データをコミュニケーションツールとして活用するとおっしゃっています。 測定された被ばく量というデータをきちんと伝え、不安を取り除いていく。 そのために何度も福島に足を運ばれた早野先生の科学者としての姿勢は、本当に敬服します。 そして序章で語られた糸井さんの言葉。 「そういうときに全部『嫌だ』って言ってると、やっぱり大事なことが見えてこないし、頑に『大丈夫だよ』とだけ言っても、つかめないものがあると思うんです。だから、その両方のこと、両側からやり取りするというのが、今回、早野さんとお話するときの、ぼくの基本的なテーマのひとつなんです。」 この言葉の通り、科学的なデータだけで話しが進むのではなく、そうは言ってもという人間のきもち、感情についてもきちんと語られています。 そしてわたし的に気になったのは、早野先生の「物理学は、けっきょく、数式に書くんです。」という語り。 その言葉を読んでから、表紙を見返すと・・・ 早野先生、着ているTシャツにも、ズボンにも数式が! ドラマ『ガリレオ』で天才物理学者の湯川先生が、事件解決のためにいつも数式を書いていたのも、まんざら嘘じゃないのかもって思ってしまった(;^_^A

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    投稿日: 2014.10.05
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    一般の方へは科学的方法論ではなく,環境そのものを提供しなければ納得して貰えない.如何に我々が普段閉じた世界で活動をしているか,がよーくわかるし,本来の社会貢献とは程遠いところで勝負しているのだ.重要なのは,やり方を知ることではなく社会に落とし込む必要があることを認識すること,そしてそれは一歩踏み出すしかない.

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    投稿日: 2014.10.05
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    面白かった。図表や数式が一切なく、対談文だけにした点にポリシーを感じる。 自然と磁場反発しがちな感覚側↔︎ロジック側は、お互いが努力して寄り添いましょう、そしてそれを自然なものにしていきましょう、という思いがよくわかった。 帯にある「文化系↔︎理科系」、この対比が書かれているのではなく、そういう分け方をなくした普遍的なコミュニケーションを大事にしましょう、と読めた。 お2人のあとがきには、コミュニケーションというキーワードを"クラウド中心"とした熱い思いが、それぞれの文体で本音に近い書き方で示されていて、これらを先に読んでもよいかもしれない。 文字を小さめにしてあと10%内容増でもよかったかも

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    投稿日: 2014.10.04
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    あの原発事故では、リアルに「俺、ていうか、日本終わるかも」という恐怖を感じた。 「原発なんて、なくてまったく問題ないなら、ないほうがいい。でも、それは『はい・いいえ』だけじゃ言えない」 とは本書の糸井重里さんの発言だけど、自分も含めた多くの人がそういうスタンスだと思う。アンケートで言えば「どちらかというと反対」の状態。 「お前は原発推進派か、それとも反原発派か」 そう問われて、ひどく居心地が悪い思いをしたのを覚えている。 「どちらかというと反対」という答えを認めてくれる雰囲気ではなかったからだ。 俺は今もどっちかに偏っている人の意見に違和感を感じるし、自分が手にする情報がすべて正しいとも思えない。だから原発関連の話で気が滅入ってしまうこともしばしばだ。 でも、目を背けたり忘れたりはできないから、自分なりに情報を集めたり、専門的なこともなるべく理解しようともがいている。 同じような思いを抱えている人に、一番読んでほしい。

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    投稿日: 2014.10.03
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    2011年3月11日。地震、津波、原発事故という凄まじい災厄が立て続けに発生し、日本中が大混乱に陥っていた。情報も錯綜していた。メルトダウン、セシウム、シーベルトなどの聞き慣れない横文字が突如テレビや紙面に踊り出し、さらに「チェルノブイリ級の過酷事故」という(今となっては根拠のよく分からない)報道は、終末を連想させるのに十分なインパクトだった。あのときは私自身も正気を失っていた。 しかし、そんな中、少数ではあるが、正気を失っていなかった人たちがいた。間違っていなかった個人がいた。何かを雄弁に語る前に、先ずはそういう人の話に耳を傾けよう。「知ろうとすること。」という書名には、そんな思いも込められているように感じる。 早野さんは、何万人もの人の被ばく量を測定したデータに基づいて、「福島原発の事故の規模に対して、福島の人々の内部被ばくや外部被ばくの量は、幸いなことにかなり低い」(p.101)と結論付ける。事実を積み上げて提出されたこの結論は十分に信頼が置ける。 また、本書の中で直接の言及はないものの、糸井さんの心の中には、「なぜ早野さんはあのとき正気を保っていられたのか」「なぜ早野さんは間違わなかったのか」という問題意識もあるように見える。それに対する早野さんの応答も(直接の言及はないものの)、行間から読み取ることができる。終始和やかなムードで対談が進んでいるが、早野さんのこの「科学者としての態度」を目の当たりにして、思わず背筋が伸びた。 ただ、ひとつ。これは無い物ねだりかもしれないが、放射能によるいわゆる海洋汚染についてはどうなのか、という疑問に対する早野さんの見解も聞いてみたかった。

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    投稿日: 2014.10.03
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    twitterでおなじみ?「東大」の早野龍五教授と「ほぼ日刊イトイ新聞」の糸井重里氏が、福島第一原発事故から3年を経て、現状を改めて語り合った対談集。 糸井氏は2011年に 「ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義を語らないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そして「よりユーモアのあるほう」を選びます」とツイートした。(あとがきより) たしか、別の機会にWeb上で引用したものを自分も保存した記憶がある。 放射線の影響については科学的に未知な部分も多いので、怖くても仕方がない、用心するのも仕方がない、実際に体調が悪くなった方もいることは否定できない。それでもなお、科学的に正しい情報を前提に語ることが、福島の復興には必要だよね、と改めて思った。 1ベクレルでも体に入れたくないのも、少しでも汚染したところに行きたくないのも、個人的感情としてはありだし、体調にしたってひとそれぞれ耐性がちがうから、反応しやすい人もいるだろう。 けれど、それが全員にあてはまるかといえば、けっしてそうではない。 そういうことは伏せて、一方的に危険を叫ぶようなやり方はどうだろう・・・? それでは多くの人に届かないんじゃないかなぁと思うが 対談者の二人は、実に冷静に事実だけを肯定して話をすすめているので好感がもてるし、信頼できる。 「5万円入りの財布」とか「振り子の話」とかたとえ話が秀逸。 薄い文庫本なのでいろんな人に読んでもらいないなぁ。 ただ今Amazonでは在庫切れ?早く増刷してほしいな。 自分は近所の書店で手に入れることができました。

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    投稿日: 2014.10.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今読むべき本。薄いのに何度も何度も戻って読み返したので、時間がかかった。初めて付箋を貼った本です。たぶん何度も読み返す本になる。硝子バッチからD-シャトルの話は特に興味深かった。優れた道具があっても、どう使うかによって全然違うんだな。マスメディアに不評な理由というのが、また本質とかけ離れた理由で唖然とさせられた。6章が福島の高校生の活躍立ったのもすごくよかったな。

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    投稿日: 2014.10.02
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    この本に出会えて良かったと思いました。 いろいろな情報で混乱していたことが 整理されてクリアになりました。 私は根っから理系はだめなんですが 理系の中に壮大な文系(?)を感じました。ありがとう早野先生。

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    投稿日: 2014.09.30