
総合評価
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powered by ブクログかなり面白い。 序盤を過ぎた頃から彼らの生きる世界に吸い込まれた。 再読したいし、司馬遼太郎の違った一面に触れた気がした。司馬遼太郎記念館に行ってみたくなった。
0投稿日: 2025.10.28
powered by ブクログ「梟の城」直木賞受賞作を司馬遼太郎記念館で購入した。古来から隠し国といわれる伊賀。伊賀国から出た郷士で本作の主人公は”忍者ハットリくん”ではなく、”葛籠重蔵”。 一般的な忍者は虚無主義をそなえており、他国の領主に雇われはしたが、食録として抱えられることはない。報酬をくれるものならどんな者の側にもつき、仕事が終わると、その敵側にさえつく。 時は織田信長からはじまり、豊臣秀吉の晩年までのころ。重蔵は老師下柘植次郎左衛門の導きにより商人今井宗久の隠密として秀吉暗殺を狙う。 重蔵と同じ師ををもちライバルでもある伊賀者風間五平が敵味方に別れて、それぞれの生き様を戦わせる。重蔵がとても男らしく不器用に忍者一筋で描かれるのに対して、五平は伊賀を裏切るかたちで前田玄以のもと200石の録を喰む。 甲賀者のくノ一小萩と重蔵の関係も最後まで楽しませてくれた。中盤で登場する甲賀者の摩利洞玄もキャラが立っていてめちゃくちゃ強く印象に残る。 誰が誰の隠密として働いているのか、今井宗久、前田玄以、石田三成、豊臣秀吉、徳川家康。混乱してくるが、終盤になるにつれ大物が情報力によりどのように世相を読み、どう世を生き抜こうとするのかも面白ポイントだ。また、物語がすすむなか、梟が忍者を指す意である事を示す描写は秀逸で思わず手をとめた。 最終章、伏見城に忍び入り秀吉の枕元に立った重蔵と秀吉のシーンはまさに情景が目に浮かぶようで最高のクライマックスだった。 忍者の姿(考え方)は男尊女卑な傾向で現在の価値観感とは若干ずれてしまうのは仕方がないところ。いや、むしろそんな世俗的歴史観を楽しめるのも読書だからこそ。私の生まれる前の直木賞作品「梟の城」は今でも古びない素晴らしい良質なエンタメ作品だ。
18投稿日: 2025.10.24
powered by ブクログ司馬遼太郎の直木賞受賞作品。 秀吉が天下を統一した時代の架空の忍者の話。 忍者の道に進みながら忍者らしくない重蔵と忍者を嫌うも忍者らしく冷酷な五平の対比が面白かった。 最後の結末も史実への繋げ方が非常に印象に残った。
8投稿日: 2025.08.27
powered by ブクログ最初から緊張感あふれる場面。かなり面白くスイスイと読めた。 梟の城という題名はかなりかっこいい。 司馬遼太郎の本は何読んでも惹き込まれるし、エンタメとして充分楽しめますね
0投稿日: 2025.08.20
powered by ブクログ去年忍者物にハマって色々調べてたらおすすめされてて読みたかった本。 司馬遼太郎作、そして直木賞受賞作品とあってわくわく。 これが司馬遼太郎の一作目なのかな?古い漢字や言葉がちょこちょこ出てきて少し読みづらさがあった。 忍者のことを乱破と言うの、初めて知った。 正直期待し過ぎた感があったかな。 ハラハラドキドキ大ストーリー展開!とかじゃない。 だけど面白かった。 主人公の葛籠重蔵がなんとも好もしい男。 こういうどっしり構えてる人物、時代小説に結構出てくるけどもれなく好いちゃう。読んでて気持ちの良い人物なんだもん。 期待し過ぎたけども面白かった。 また熟成させて再読したいな。
7投稿日: 2025.08.14
powered by ブクログ僅かな史実を手がかりとして、ストーリーを創造していた。キングダムみたいで面白かった。司馬遼太郎は求道者を理想としてるのかなと思った。わかる。
4投稿日: 2024.12.31
powered by ブクログ歴史作家として名高い作者だが、初期には伝奇小説で山田風太郎と人気を二分していたとか。その頃の傑作であり、直木賞受賞作。忍者の手に汗握る心理、頭脳戦が素晴らしい。史実を絡めた見事な結末は後の歴史作家としての片鱗も窺える。
3投稿日: 2024.12.02
powered by ブクログ信長に滅ぼされた恨みを秀吉暗殺によって晴らそうとする伊賀忍者の物語。 人道とか倫理という概念を持たずにひたすら忍びの技を売り物にして生き伸びる伊賀忍者の生き方と、武士道とは名ばかりに地位や権力、利権を求めて強いものに擦り寄る武家の対比が面白い。 くノ一という呼称だけが先走っている感がある女性忍者の哀しい描かれ方も印象的でした。 私が生まれる前に発売された本であり、司馬遼太郎氏が初期にこのような作品を書いていたなんて以外でした。
1投稿日: 2024.10.29
powered by ブクログ久方振りの司馬遼太郎作品。時代もので、これが直木賞受賞作品ということであるが、司馬遼太郎の作品としては、代表作とはあまり言えないのではなかろうか。 それは逆に、この作品以降も自身を超える作品を創作していっていたことの、何よりの証跡であろう。 さてこの作品は、あまり今日主役となりにくい忍者を取り扱ったもので、集団として滅びた伊賀忍者の葛籠重蔵が、豊臣秀吉暗殺を実行していくことを中心に物語は進んでいく。伊賀忍者として全てを捧げてきた矜持を持ちながらも、何処かに重蔵自身気づいていくのであるが、次第に綻びが見え隠れしているところに、まさに忍者という職業の必要性が戦国期から変化していることを表れており、また淘汰されていくもののように見え、同僚の仕官をして、生きていこうとする風間五平などの人物など現実路線に変更していこうとするものもいる。 その中で、敵味方がありつつも、単に命のやり取りに終わらせずに、簡単な葛藤とまではいかないところの心の有り様で仕事をこなしていく忍者としての姿を重厚的に描いたことにこの作品の成功が見受けられる。 今日忍者が主役となりにくいといったことには、恐らくは幻術といったアクション性だけを重視したものではなく、この作品によりある一定基準の忍者の形が出来てしまったからではなかろうか。
2投稿日: 2024.08.30
powered by ブクログ秀吉の時代の末期。秀吉を討つことを命じられた伊賀忍者の葛籠重蔵と伊賀を捨てて侍になった風間五平。二人の伊賀者を中心に、冷酷な忍の物語が繰り広げられる。登場人物がどれも魅力的で、また、忍の生き方がとても格好いい。長編の歴史小説だが、あっという間に世界観にのめり込んだ。
0投稿日: 2024.06.21
powered by ブクログたまに寝たりするけど通勤途中に読んでいるが、久し振りの司馬遼太郎は面白かった。 読み始めから引き込まれて、伊賀や甲賀忍者の習わしや歴史は、結構詳細な説明もあり漢字も難しいので、作者の調査に基づく言いたかった内容や意図はどこまで理解できたか分からないけど興味深かった。 これは子供の頃によく観てたテレビの仮面の忍者赤影やカムイの影響が少なからずあるよね、凄く格好良かったから。 実際はどうなんだとか、まあ実際は分からんけど。 ただ終盤に向けての男と女の気持ち、この様な時代の封建的な環境下だからなのか、チョット長かったな。 だけど結末は読者が望んだものに近いと思う。 あ、感想書いてたら電車乗り過ごしてた
1投稿日: 2024.06.07
powered by ブクログ時代小説といえば司馬遼太郎、中でも初期の作品で、直木賞受賞作である。 中期〜後期の作品群に比し、本作はファンタジー要素が強く忍者感(?)溢れる技の数々、戦闘シーンなどエンタメへの全振りっぷりが若き日のシバリョみを感じられて面白い。 内容は、 伊賀忍者の生き残り、葛篭重蔵の元をかつての師匠が訪れ、堺の豪商・今井宗久から金で請け負った太閤秀吉暗殺の仕事を彼に命じる。 闇に生き、梟と呼ばれる忍びとしての誇りをかけ、密命を果たそうとする重蔵を待っていたのは、伊賀を裏切り、出世を望んで武士に転身した風間五平らとの戦いだった……。(ネットの拾い概要) 途中、甲賀忍者と戦ったり謎の美人くのいち・小萩との情交や駆け引きがあったり、師匠が実は二重スパイだったり、師匠の娘・木さるから想われ?たり等と、相関図がややこしくてアレ?今誰と対立して誰とつるんでるんだっけ?と混乱しつつも、基本的には、ニヒルで硬派な重蔵vs武士リスペクトすけこまし五平という正反対な2人の伊賀忍者の闘い、で間違いなさそう。 ただ、この2人最期決闘するんだろうな、という期待を裏切られ、五平はしょーもないというか、あっけない最後を遂げた(石川五右衛門がここで出てきたのはさすがシバリョだなと思ったw感心した)のにはびっくりした。 そして重蔵も…。最後なぜ秀吉を殺さなかったのか?ここ考察するの面白いと思う。殺さず、ぶん殴って終わりにした。重蔵のアバンギャルドな無頼さが際立ってカッコいいではないか。シバリョはほんとにくい演出してくれると思う。 後年の作品のファンが読んだら色々驚く本作、これはこれでアリだとおもいました。おもしろかった。
0投稿日: 2024.05.09
powered by ブクログ重蔵と小萩の恋の行方が気になって、一気読みした。50〜100ページほどは時代背景と人間関係の整理で多少時間はかかったが、誰と誰が対立関係にあるかが分かれば、スラスラと読み進めることができる。 初めての司馬遼太郎。おすすめされて読んだ。自分が司馬遼太郎を読んだことがないと言うと、この『梟の城』を教えてくれたのだ。
6投稿日: 2024.04.14
powered by ブクログ司馬遼太郎 菜の花忌 菜の花みたいな黄色花が好きだったみたい。 「中外日報」連載 1960年 織田信長により一族惨殺された伊賀忍者。 忍者の夜行性と単独性を梟と見立てる。 伊賀者として生きる重蔵と武士への道を模索した五平。対照的な生き方を選んだ二人の忍者。 豊臣秀吉の暗殺の依頼を受けた重蔵は相弟子だった五平と敵対する事になる。 戦乱の世のスパイ合戦。 戦国末期の暗闇の争い。 伊賀と加賀の忍者の気質の違い。 金で動く表に出ない忍者を小説の中央に置く。 この二人に二人の女性がたびたび絡むのだけど、思いの外、女性に甘めなのではと思ってみたり。 ラストは、五平を囮として秀吉を追い詰めた重蔵。孤高の伊賀風を貫いた重蔵が振り返る人生。 司馬遼太郎は、ひまわり師匠にお任せしようと思う。よろしくおねがいします。
64投稿日: 2024.02.12
powered by ブクログ豊臣秀吉の時代の伊賀忍者が主役の物語。堺の豪商今井宗久に秀吉暗殺を依頼された葛籠重蔵、忍者として生きることに飽き武士として出世することにした風間五平、近江の佐々木氏の子であるが甲賀忍者にやって育てられ石田三成に間者として宗久に送り込まれた小萩が主な人物。重蔵は忍として幸せな生活よりも仕事を優先する考えだったが小萩とあい小萩の愛に触れることで少しずつ考えが変わる。秀吉のところまでたどり着くも殺さなくてもそれに相当する暴力で自身の憂鬱が晴れることに気づき重蔵は生きて伊賀に帰り、最終場面では小萩と共に生活をする。伊賀を裏切った風間は重蔵を捕まえることで出世を企むも伏見城で捕まってしまい秀吉暗殺の首謀者として殺されてしまう。その際使った偽名が石川五右衛門で作者は風間五平が石川五右衛門なよではないかと考えているっぽい。 忍の術とかほんとに存在したのか不思議だけど作中ではとても鮮明に描かれていて面白かった。太平の時代では忍びの活躍できる場はないから廃れるのもしょうがないかな。
3投稿日: 2023.12.31
powered by ブクログ「梟の城」司馬遼太郎著、新潮文庫、1965.03.30 660p¥1,045C0193(2023.07.31読了)(2023.07.26借入)(2022.06.25/132刷)(2002.11.10/95刷改版) 家康関連の物語と思って、読んでみたのですが、秀吉関連でした。とはいえ、伊賀、甲賀の忍者たちの物語でした。司馬遼太郎さんは、このような物語を書いていたんですね。 【目次】 おとぎ峠 濡れ大仏 白い法印 木さると五平 羅刹谷 忍び文字 聚楽 京の盗賊 甲賀ノ摩利 奇妙な事故 伊賀ノ山 吉野天人 水狗 修羅 五三ノ桐 甘南備山 尾行 石田屋敷 伏見城 解説:村松剛 ☆関連図書(既読) 「覇王の家 前編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25 「覇王の家 後編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25 「時代の風音」堀田善衛・司馬遼太郎・宮崎駿著、朝日文芸文庫、1997.03.01 (アマゾンより) 司馬遼太郎伝説は、ここから始まった! 直木賞受賞作。 信長、秀吉……権力者たちの陰で、凄絶な死闘を展開する二人の忍者の生きざまを通して、かげろうの如き彼らの実像を活写した長編。 織田信長によって父母と妹、そして一族を惨殺された怨念と、忍者としての生きがいをかけて豊臣秀吉暗殺をねらう伊賀者、葛籠重蔵。相弟子で、忍びの道を捨て仕官をし、伊賀を売って、重蔵を捕えることに出世の方途を求める風間五平。 戦国末期の権力争いを背景に、二人の伊賀者の対照的な生きざまを通して、かげろうのごとき忍者の実像を活写し、歴史小説に新しい時代を画した直木賞受賞作品。
4投稿日: 2023.07.31
powered by ブクログ登場人物の腹の中が不透明な状況で敵味方が次々と入れ替わる展開は、理解するのに苦労を要した。しかし読む進めていくと共に、全体像を掴めない感覚そのものが忍者という存在を象徴しているのかなという思いが込み上げ、不思議と納得のいく読後感だった。忍者としての生き様をひたむきに貫いてきた重蔵がクライマックスで選んだ言動は人間味が感じられて温かさがあった。戦いの場面の凄惨さとのコントラストが巧みである。真っ黒なキャンバスに様々な濃淡の同色を重ねたような奥深い色彩を感じる本作品は、とても読み応えがあった。
1投稿日: 2023.07.28
powered by ブクログ解説のなかで、女の忍者を「くノ一」というのは、漢字の「女」を分解した 呼び方だというのを、この歳で初めて知った。 武士の心理、戦国時代の忍者の心理、くノ一として育てられた女性の心理などが書かれている。 本書を読んで、自分は封建制度の元に生まれていなくて、ほんとに良かったと思えた。
0投稿日: 2023.06.10
powered by ブクログついに司馬遼太郎に手を出してしまった。大御所は、なるべく避けてきたのだけれど。はまってしまうと、抜け出せなくなりそうだから。でも、やっぱり、面白い。
0投稿日: 2023.05.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
司馬遼太郎の実質的なデビュー作で直木賞受賞作。 忍者ものは然程好みでなかったのでこれまで手に取らずにいたが、いよいよ未読作品が減ってきたので手に取った。 敵味方が入り乱れて、気を抜くと筋が追えなくなりそうだったが、何とか読み終えた。 ラストの方で、伊賀忍者の葛籠重蔵が太閤秀吉を弑するのではなく、ポカリと殴りつける場面は、それまでの緊迫感からのズレにニヤリとしてしまった。 最後の四頁を読む迄、石川五右衛門をモチーフとした話と気付かず。。(途中、風間五平が「石川五右衛門」と咄嗟に偽名を出す場面があっても) 気持ちよくしてやられた感あり。
4投稿日: 2023.04.08
powered by ブクログ純粋にエンタメとして楽しめる。構えたところもないし、だらだらと無意味に長くもない。「坂の上の雲」に比べて読むのに疲れない。
2投稿日: 2023.02.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
葛籠重蔵と風間五平を対照的にすることで、正しい日本人としてのあり方を司馬遼太郎は教えたかったのだろう。 最終的に重蔵が生き残り、五平が死んだ。すなわち、重蔵の生き方が司馬にとっては正しいのだろう。 「忠義を全うするも自分なりの答えを出す」、そんな生き方は私にも格好良く映った。
0投稿日: 2022.09.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昭和34年という高度成長期に差し掛かる頃に書かれた司馬遼太郎の直木賞受賞作。 大衆文化が拡大した時代に提供されたエンタメにも関わらず、移ろいゆく知識人も惹きつけただろう文学的香りのする作品。 本小説の世界は、信長から秀吉の時代の忍者の世界。梟はむろん忍者を指す。 葛籠重蔵と風間五平(石川五右衛門)という伊賀忍者二人に木さると小萩というくノ一の男女が織りなす忍者の世界、独特の人間関係のスパイラルを描く。 忍者の美学に殉じる重蔵が妙に魅力的に映る。伊賀を抜け、武士を志向した五平がよい対比になっている。と同時に、下忍の黒阿弥や敵の甲賀忍者洞玄など魅力的な脇役がよいバランスで描かれる。そしてそこかしこに歴史上の人物が、適切なコンビネーションと対比で配される。千利休、津田宗及とならぶ今井宗久。豊臣秀吉対石田三成。石田と島左近。 解説で村松剛が戦前の宮本武蔵とお通、朱美の関係との対応を書いているが、ある種のヒーロー物の焼き直しではあろう。 ただ、単なるエンタメというのはあたらない。やはり昭和の中期の質の高い文学的表現である。 作者は、時代の動きに敏感だったのだと改めて思う。 本書に限らず、これ以降選択したテーマは、新たなに勃興してきた「大衆」が好む時代小説であり、それでいて一途に生きた人物群の魅力を司馬らしい筆致で描いてきている。
1投稿日: 2022.08.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
秀作。 司馬遼太郎の直木賞受賞作。初期の作品。 忍者ものだが、司馬遼太郎らしさが出ている。面白い。
0投稿日: 2022.03.19
powered by ブクログ中学生のときにこれを読んで、歴史小説(これは時代小説か?)にハマり始めた。二十年経っていまの中学生に紹介するのを機に、久し振りに読み返した。やっぱり面白い。ただ、世の倫理観が、発表された昭和30年代と、私が中学生だった平成10年代といまとでだいぶ変わっているので、司馬のこのいかがわしさを現代の中学生に読ませて良いのかは惑う。少しだけ。
0投稿日: 2022.02.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
司馬遼太郎の直木賞受賞作。伊賀忍者が活躍する話だが、忍術とかが明らかにフィクションとわかるので興ざめしてしまう。最後、風間五平が意外な人物だったことがわかるが、葛籠重蔵も忍者としてああいう結末になるのは意外だった。あと木さるは可哀そう。詳細→ http://takeshi3017.chu.jp/file9/naiyou23904.html
0投稿日: 2021.12.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『梟の城』司馬遼太郎(新潮文庫) 忍者といえば現代ではショッピングモールで手裏剣教室をやっていたり、城跡でパフォーマンスをしていたりといった存在だけど、実際の忍者はどんなはたらきをしていたのだろうか・・・。 忍の道にいる人の名前が知れ渡ってしまっては忍べないから、歴史の表舞台に出てくることはないんだけど。 本作は忍者小説でありながら、ひじょうに「人間臭い」忍者の物語だ。 忍の道を極めようとする葛籠重蔵と、忍の道を捨てて士官する風間五平、くノ一の小萩と木さるを中心に話が展開する。 冷酷非情が常であるはずの忍者が相手を殺すことに躊躇したり、色恋沙汰に陥ったりする。 信長に伊賀の里を滅ぼされた恨みをはらすべく秀吉暗殺の仕事を受けた重蔵。 豊臣家家臣の前田玄以の家臣として秀吉暗殺を企む重蔵を捕らえようとする五平。 三成の命で秀吉暗殺の裏で糸を引く黒幕を暴くために重蔵を証人として捕まえようとする小萩。 重蔵と同じ出自で重蔵と行動を共にする木さる。 秀吉暗殺の絶好の機会を得た重蔵がとった行動は・・・。 最後の石川五右衛門のくだりは、本編とは関係ないけれど、いわゆる「歴史探偵」的視点で資料をつなぐとこうなるんだろうなっていうエンタメだね。 長い物語だけど、疾走感のある展開で、闇を舞台にしているのに暗いわけでもない、面白いエンタメ小説だった。ぜひ。
0投稿日: 2021.10.29
powered by ブクログこの時代に生きている人を、忍者を、本当に見てきたかのような見識と描写。 司馬遼太郎にしかなしえない、取材力と想像力を結集した最高傑作。 描かれた一人一人の思考に没入しすぎてしまう中クライマックスの、優しさというか司馬遼太郎らしさが、またカッコよすぎる。
1投稿日: 2021.09.25
powered by ブクログ1960年(昭和35年) 前半期の直木賞(第42回)受賞作 あらすじ 織田信長による伊賀侵攻である天正伊賀の乱から10年後、伊賀忍者・葛籠重蔵(つづらじゅうぞう)は隠遁生活を送っていた。仇としていた信長はすでにこの世の人ではなくなり、生きる希望を失っていたが、かつての師匠・下柘植次郎左衛門から、太閤秀吉暗殺の依頼を受ける。忍者としての生涯を華々しく終えることのみを考えていた重蔵は依頼を引き受け、秀吉暗殺に乗り出す。堺の豪商・今井宗久のもとへ向かう途中、小萩という、宗久の養女が現れ、二人は通じ、密かに愛し合うようになる。だが、彼女は重蔵を見張る役目を持ったくノ一だった。重蔵は木さる、黒阿弥らとともに、伊賀を裏切った風間五平らと対決し、秀吉の居城伏見城へ潜入する。 感想 時代劇では無い、ハラハラドキドキ 記憶に残る一冊。
1投稿日: 2021.08.27
powered by ブクログついにシバリョウに手を出してみました。 5月の初めに休業に入ったところで何かめんどうなものでも読もうと思って借りてみたんですが、読み終わるのに約1ヵ月かかりました。 さすがにおもしろくないわけはないのですが、文庫で650ページの厚さの上に歴史の話やら地理やら情報量が多すぎて咀嚼するのに時間がかかる。「一揖」ってどういう意味?と使われている言葉をいちいち検索してみたり。 忍者のアクロバットな戦い、残酷でニヒルな殺陣、エロティックな女性たち、時代ものというよりはハードボイルド。 新聞小説だったこともありストーリーは一歩進んで二歩下がり、遅々として目的の秀吉暗殺に至らないのですが(京に入ってから決行まで4、5年かかっているという悠長さ)、登場人物のおもしろさで読ませてしまう。 美しい顔をしていながら冷酷な風間五平、謎の女小萩、奔放な木さる、派手な魅力のサブキャラに対し、主人公の葛籠重蔵はどちらかというと実直すぎて地味なんですが、読んでいくうちに「重蔵さま…」と小萩のような気分になる不思議なヒーロー。 「乱波」という言葉を初めて知りました。使命にのみ殉ずる忍者の生き様のカッコ良さと虚しさ。アメリカ映画だといまだにミュータント・タートルズかエスパーみたいな忍者像なのですが、葛籠重蔵のような渋い伊賀忍者こそ本道なのでこちらを映画化した方がいいのでは。と思ったらもう3度も映像化されてるんですね。 (というか、司馬遼太郎が日本における忍者のイメージをつくったのか。) 1996年の映画化では重蔵が中井貴一、五平が上川隆也、小萩が鶴田真由、木さるが葉月里緒奈という配役だったそうですが、う〜ん。 以下、引用。 源九郎義経やその従兄の義仲、さらにその末裔の足利武者をあげるまでもなく、この国の歴史は京の女とあずまの男とのたたかいであったといってもよい。しかもまだあずまの男の勝ったためしをきかないのである。 女というとは天性の乱波であろう。あの口先は相手だけではなく、おのれ自身の心まで詐略にかけおるわ 欲望が誕生し、燃焼し、そして死滅する連鎖を、生涯のうち何度くりかえして人は死ぬのか、と木さるは思う。 「女のいのちは、ただひとを慕うことによってのみ燃えつづけるもの。それにはお言葉が無うては叶いませぬ」 「この者は、小萩のかわゆい男じゃ。」 「忍び者を慕うのは、よいことではございませぬぞ。それは、かげろうを抱こうとするようなもの。あれらには、心があってないようなものでございます」 「おぬしは、悟りとやらが好きならばそこへ行け。わしは地獄が好きであるによって地獄に行く」 「いや風の話じゃ。人のいのちは、劫億のかなたより生れ来たって、劫億のかなたへ吹き散る。風も同様のこと。いずかたよりきて、いずかたへ吹き去るかは、なにびとも知らぬ。ただ頬を吹きなでてゆくときだけを、人は風とみる。しかし、たれも風を見たものはあるまい?」 「お坊さまがおいで遊ばされなくても世の中は持ちましょうが、おなごが居なくては世は成りたちませぬ」
0投稿日: 2021.06.01
powered by ブクログ忍者ものでは、この作品が一番好きです。派手さはなくても、重厚な感覚と逆の疾走感も味わえる。読み終わるのが残念でした!
1投稿日: 2021.05.10
powered by ブクログ豊臣から徳川へと天下が移り始め、再び戦乱の世へと転じようとしている最中、様々な思惑に振り回されながら、任務を全うする忍者の暗躍を描いた話。 闇討ちはもちろん、一騎討ちなど手に汗握る戦闘場面や、忍び達の偏った男女関係があったりと起伏に富んだ展開が続き、楽しみながら読めた。 歴史小説読まず嫌いを克服させてくれた一冊。
0投稿日: 2021.02.16
powered by ブクログ何度読んでも面白い。 主人公の葛籠重蔵の飄々とした生き様がよい。 小萩とのつかず離れずの関係もよい。 最終的に二人が平穏に過ごすのもよい。
1投稿日: 2021.01.11
powered by ブクログ初めて読んだのは中学生の頃。私には感情の複雑さも官能シーンも刺激がかなり強かった。 その刺激が読書好きの今の私を作っている一つの要因。
0投稿日: 2020.11.22
powered by ブクログ忍者同士の矜恃をかけた、命のやり取り。 味方でも、気を抜けば命を取られかねない。 緊迫感のある中で、小萩と木さるの女の矜恃も読み応えあり。忍者とは、何か。 男とは何かを教えてくれる。
0投稿日: 2020.05.03
powered by ブクログ時間潰しにと思って読みやすくて, 内容もエンタメ系の梟の城。 実は正直忍者ものはちょっと苦手。 荒唐無稽な感じがするから。 それに主人公がカッコ良すぎる。 ヒーロー的な扱い。 いろいろな史実を元にしてるんだろうけど、 忍者って、本当はどんなことができたんだろうか? なんてなこと思いながら、読了。 サックと読むには良いかなぁ〜。☺️
0投稿日: 2020.01.20
powered by ブクログ織田信長から抹殺の限りを尽くした天正伊賀の乱から時は流れ、時の天下は太閤秀吉の時代。 かつて、伊賀甲賀が入り乱れ跳梁跋扈していた時代は百地や上野のヒダリであったが、時代が下るとその子孫に移る。 下柘植次郎左衛門は爺さんになり、その弟子、葛籠重蔵、風間五平が物語の軸に。後の世に石川五右衛門と呼ばれる男だな。 戦後、忍者が主役となる小説は昭和30年あたりの本作が初であろう。 しかし、天正期またそれ以前の忍びの世界は、平成の超ブラック企業に社畜として従事するように見えるし、戦乱の世が終わり泰平の世になると忍びの需要はなくなり、忍びとしての働き方に違和感を覚え 新たな生き方に向かうも...この辺り社畜からの脱却をするも、ノマドライフでは結局食ってゆけず社畜に戻る姿にダブってしかたない。 とは言え、いつの世もどこの世も男と女というのは、求め方、与え方が違えど、まあ、そういうことだ、と。この辺りは男目線での描き方だな。 重蔵のハードボイルドながら、やっぱり女にほだされつつ、それでも捨て、でもやっぱり瀕死になり意識がなくなると気付けば、その女の元に。しかし、女の命を殺めようとするが、最後は... さすが、司馬遼太郎作品でした。
0投稿日: 2019.12.01
powered by ブクログ中学生の頃に読んでいました 司馬遼太郎さんを知ったきっかけの本です。 とっても面白くて、今でも何回も読み直しています!
0投稿日: 2019.10.09
powered by ブクログ司馬遼太郎氏と言えば、戦後の日本を代表する小説家の一人です。 作品を読んだことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。 本木雅弘・阿部寛主演で『坂の上の雲』が映像化されたり、『竜馬がゆく』、『国盗り物語』、『功名が辻』など、大河ドラマの原作になった作品も多いです。 そちらを観たことがあるという方も多いのではないでしょうか。 その中でも『梟の城』は、1960年に司馬遼太郎が直木賞を受賞して、一躍文壇デビューを果たすきっかけになった作品です。 【秀吉暗殺をもくろむ忍者の生きざま】 本作は戦国末期、豊臣秀吉の天下に陰りが見え始めたころを描いています。 織田信長に家族を殺された、葛籠重蔵(つづらじゅうぞう)という伊賀忍者が主人公です。 重蔵は忍者から足を洗い、長らく隠遁の生活を送っていました。 そんなとき、とある縁から豊臣秀吉暗殺の依頼を受けます。 信長に恨みのあった重蔵は、後継者たる秀吉を誅することで仇討ちをしようと依頼を引き受けます。 しかし、任務を果たそうとするうちに、かつて共に死線を潜った仲間が裏切って敵方に仕官していたり、くノ一と恋仲になり任務と恋の狭間で揺れたり…。 はたまた伊賀忍者永遠のライバルである甲賀忍者の邪魔が入ったりと、多くの試練が重蔵を襲います。 重蔵の敵討ちの想いは結実するのか? そんなハラハラドキドキの展開を、司馬遼太郎は透徹な筆運びでハードボイルドに描いています。 もちろん、司馬遼太郎作品の醍醐味である”司馬史観”も随所に散りばめられています。 【障害を乗り越える】 本作を読みながら、重蔵が様々な障害を乗り越えようと苦心する姿に、私自身の起業したてのころを重ね合わせました。 私はメンターから、 「例えば、椅子に座っているときは目の前のテーブルは邪魔にならないが、立ち上がって前に進もうとしたら、そのテーブルは障害となる」 と教わりました。 何か新しい行動を起こすときは、今まではなにごとでもなかった事象がくるりと障害に姿を変えることがある、という意味です。 重蔵も、仇討ちの為にときの天下人秀吉を誅するという大望を持つことで、隠遁の生活を続けていたら起こりえなかったであろう障害を体験します。 しかし同時に、重蔵は達成しようとする過程で、隠遁の中では絶対に得られなかった感情の高揚を手にします。 まさに私も重蔵のように、普通の会社員として過ごしていたら無縁だったであろう、精神的な成長、仲間、収入などの価値あるものを、たくさんの試練を乗り越えて得てきました。 『梟の城』は、今なにかを志している人、変わろうともがいている人が読むと、自分を強くすることができる一冊だと感じています。 もちろん、エンターテインメント性も抜群で読み物としても超一流ですので、ぜひ読んでみて頂けると幸いです。
1投稿日: 2019.10.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【内容】 織田信長による伊賀侵攻である天正伊賀の乱から10年後、伊賀忍者・葛籠重蔵(つづらじゅうぞう)は隠遁生活を送っていた。仇としていた信長はすでにこの世の人ではなくなり、生きる希望を失っていたが、かつての師匠・下柘植次郎左衛門から、太閤秀吉暗殺の依頼を受ける。忍者としての生涯を華々しく終えることのみを考えていた重蔵は依頼を引き受け、秀吉暗殺に乗り出す。 堺の豪商・今井宗久のもとへ向かう途中、小萩という、宗久の養女が現れ、二人は通じ、密かに愛し合うようになる。だが、彼女は重蔵を見張る役目を持ったくノ一だった。重蔵は木さる、黒阿弥らとともに、伊賀を裏切った風間五平らと対決し、秀吉の居城伏見城へ潜入する。 【感想】 重蔵は常に冷静沈着、 時に非情な忍者というイメージが無く、 全体的に忍者なのか武士なのか、よく分からない。 一方で、自らが伊賀者であることを憎み、 一族を裏切った風間五平の方が話が進むに連れ、 体も心も忍者の側面が露わになってきた感じがした。 2人は対照的で、2人を主体に話が描かれていることで、 それぞれの違いが際立っていた。 五平の死に様は気の毒だが、 重蔵と小萩が一緒になり、 仕合わせになれて良かったと思う。
0投稿日: 2019.08.04
powered by ブクログ寡黙で己の弱さを知っていて、それでいて状況ごとに的確に判断をし、そのときのべストを尽くす、チャラくないおじさん伊賀忍者さんがシブくて素敵なお話。 自分なりのポリシーを持っていて、節制ができる人間は魅力があるなぁ! ラストが案外ハッピーエンドで読後感も良かったです。 この分量(約650ページの1冊もの)で、やや物足りなさも感じたけれど、ちょうどよくまとまったお話でした。
0投稿日: 2019.05.07
powered by ブクログこの物語は単に年表の背景にある時代を思い描くという趣旨だけではなく、流れゆく人間の思考の曖昧さを示すという点において大変優れている。自分が本質的に何を目的として生きているのか、という命題は日常生活において曖昧模糊とした優柔不断に代替されてしまうところがある。しかしながら、これにあたる忍者でいう「流水」の思想はその生き様を貫くという点において大変便宜的な代物なのである。生き様が生き様を不安定にさせる二律背反は人間の性として美しい。1か100か断捨離をするシンプルな生き方も一つだが、流れる水のように生きる様も美しく、決して破滅の道ではないことを意識して損はないと感じた。
0投稿日: 2019.04.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
国民的大作家・司馬遼太郎の、記念すべき第1長篇にして直木賞受賞作。本作の主人公はともに伊賀で育った葛籠重蔵と風間五平で、忍者を主人公にした小説は初めてだったが、とてもスリリングな展開で楽しく読むことができた。ところでこの主人公、ほとんどの人には耳馴染がないと思う。司馬にはわたしがかつて読んだことがある『十一番目の志士』のように、架空の人物を主人公にした作品もあり、本作もそれだと思い最後まで読んでみるとビックリ仰天、なんと風間五平とはあの有名な盗賊・石川五右衛門のことであった。著者によると――余談ながら本作の時点で地の文の途中に突如著者が顔を出すあのスタイルがすでに確立している――葛籠重蔵と風間五平という人物に関する伝承自体は実在しており、それをもとにいまだにその正体をめぐって論争が喧しい石川五右衛門として描いたとのことで、その発想力にはとにかく脱帽である。こんにち忍者小説といえばまず山田風太郎が有名であろうが、司馬も忍者小説ばかりを書き続けていたら、あるいは山風のようにその道の大家となっていたであろう。
0投稿日: 2019.03.22
powered by ブクログストイックです。ハードボイルドです。忍者の世界。仕事に生きる職人。それでいて風流。滅びの余韻。男女の情愛。こういうものが溶け合っていないけど一体化していた。
1投稿日: 2019.03.15
powered by ブクログ司馬遼太郎の作品を初めて読んだ。時代小説は食わず嫌いをしていてほとんど読んだことがなかった。この本は忍者が主人公になるが、どこまでが事実でどこからが架空の話なのかが分からないところが、逆に想像力を掻き立てられた。今後、様々なジャンルの本を読んで、知見を広げたいと思えた1冊となった。
0投稿日: 2019.01.01
powered by ブクログ忍者を題材にした小説。 司馬遼太郎らしく、細かい設定や人間性がすごくよい。 一気読みできちゃうくらいおもしろかった!
0投稿日: 2018.12.31
powered by ブクログ伊賀忍者と甲賀忍者ら、いわゆる乱波の生き様である冷淡さや大胆さの中にくノ一が入る事で、ストーリーに情と性といった要素が入り、深みを増している。
0投稿日: 2018.11.07
powered by ブクログ司馬遼太郎の初期のころの作品。歴史小説ではなくて時代小説、織田信長にやられた伊賀忍者の残党が活躍する小説だが、後々のまじめで固い司馬遼太郎の小説からはあまり想像できないような、娯楽に徹した小説。漫画の感覚というと言い過ぎかもしれないが、楽しく読むことができた。
0投稿日: 2018.05.13
powered by ブクログ天正伊賀の乱による伊賀国の滅亡。一族を惨殺された葛籠重蔵(つづらじゅうぞう)は秀吉暗殺に忍者としての生涯を賭ける。一方、伊賀の国を裏切り、秀吉配下の前田玄以に仕官した風間五平は、重蔵を捕らえることによって自身の出世を企むが… 忍者が駆けて跳ねる本書は、司馬遼太郎の直木賞受賞作にして、著者を新聞記者から作家にさせる契機となった作品のよう。うん、納得の作品です。 戦乱から太平への過渡期。忍びの意義も失われつつある時勢において、自身の価値を忍びの生き様に求める重蔵。そして、忍びという影の世界を捨て、立身出世に欲望をみせる五平。対照的なふたりですが、どちらにもどちらの正義があるようで、決して甲乙つけられるものではないでしょう。しかし、著者はそのどちらにも冷ややかな目線を送ることを忘れていません。これが司馬遼太郎のおもしろいところだと思うのですが、あらためて重蔵と五平への考えを巡らすと、どうも本書は時代に取り残された忍者の悲嘆を描いたのではないかと、そんな印象が強く残りました。 まず、忍者としての器量が素晴らしい五平。立身出世を求め、忍者を捨てた彼ですが、結局は彼自身より大きな存在の捨て駒にしかなっていません。彼自身が武士になろうと努めようが、周りは使い勝手のいい忍者としか見ていないんですね。これが彼の悲劇に繋がるでしょう。 一方、一族の仇である信長が死に、生きる希望を失っていた重蔵は突如降ってきた秀吉暗殺に自身の忍者としての生涯を求めます。時勢はもはや太平。忍者としての自身の意義に時折揶揄すら零す重蔵は、任務の過程で出会った小萩という女性に恋慕の情を抱き、自身の不甲斐なさに更なる自嘲を加えます。小萩は、忍者を捨て共に生き永らえようと吐露しますが、その思いは届きません。小萩への恋慕を捨て、重蔵が極限まで求めた生き様。その結果があのような形での秀吉との対面、そして失望であったと思うと、本書の結末は、果たしてハッピーエンドなのだろうかと疑問が残ります(もちろん、読後は「ああよかった!」との思いでいっぱいでしたが)。思いを抱く女ですら諦めさせることのできなかった生き様。その生き様を砕いたのは、生き様自身であったという筋書きには、ただ畏れを抱くばかりです。 以上のように、自身の生き様を忍者の内外に求めたふたり。しかし、その結果は、忍者であるが故の悲しい答え。これは時勢に取り残された忍者としての宿命なのかもしれません。そう考えると、歴史作家としての司馬遼太郎の達観が反映されている気がしてなりません。著者の作品を読んでいて時に感じる歴史の残酷さがこの作品には秘められているのです。 司馬遼太郎の作品を読み始めて10年になりますが、あらためて著者の素晴らしさを再確認した一冊でした。
0投稿日: 2017.11.05
powered by ブクログ伊賀忍者二人の相弟子が、対照的な立場・性格で、せめぎあう大作時代小説。 秀吉暗殺をねらう伊賀忍者の正統派・重蔵。 かたや、忍者としての力量は優れながらも、伊賀を売り、重蔵を捕らえ、 武士としての出世を狙う五平。 ふたりの相反する立場以上に、ふたりの性格から来る行動が面白い。 正統派伊賀忍者でありながら、人間臭く、情に脆く、女性へ優しい重蔵。 かたや、忍者という立場を捨てながらも、忍者として、薄情に徹する五平。 詳しく語られる背景や台詞にぐいぐい惹きこまれる。 そして、いよいよ、秀吉がいる伏見城に忍び込む重蔵と追う五平。 秀吉の寝床に潜入できながらも、殺さずに去る重蔵。 かたや、取り押さえるどころか、曲者と間違われて捕らえられる五平。 そして、偽った名前・石川五右衛門として処刑される。 古文書を読み漁り、そこに独創をおりまぜた著者の世界は、 史実に近いのではないかと思う。 忍者という、影の世界を、いきいきと描いた大作。 第42回直木賞受賞作。
0投稿日: 2017.11.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
忍者ものでおすすめいただいて拝読。 図書館レンタル。 悪くないけど長い。中盤間延び。オチ納得できるけどしょぼい。てか普通。引き伸ばす必要あったんだろうか、という感じ。でだしちょっと難しい。キャラ立ってる。侍勢が誰だかわかんなくなる。心理描写というかアイデンティティが臨場感あっていい。全体的にはなんていうか湿っぽい感じ。手首ふっとばすの好きだね。あと欲求不満おおいね。色気というより欲って感じ。そんなえろくないけど高校生以上向けかな。
0投稿日: 2017.11.04
powered by ブクログ主人公の伊賀の忍者、葛籠重蔵は格好良いし忍者としての任務や小萩との関係が気になって引き込まれた。 忍者独特の考え方とかになんだか物悲しさが漂うんだけど特に女性の忍者、くノ一が切なかった…。 くノ一という言葉自体の意味とかね。 * 和田竜さんの『忍びの国』読んで面白いと思った方は、こちらも楽しめるかと。 言葉遣いとかちょっと難しいけど。 『梟の城』は映画化してて主人公中井貴一さんなんだね。 ちょっと気になる。
0投稿日: 2017.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
安土桃山時代を題材に、伊賀と甲賀の忍者が繰り広げる物語 秀吉暗殺を依頼されるが、数々の壁が立ちふさがる 石川五右衛門の逸話に少し触れている
0投稿日: 2017.02.11
powered by ブクログこの方の作品は正直あまり好きではありません。理由は上から目線の書きっぷりがすごく鼻につくからです。正反対なのが山本周五郎で、庶民目線で弱きを助け強きをくじく語り口は非常に好感を持てます。あくまで個人的な意見ですが。 本作についても、木さるや小萩に対する書きっぷりにそういった傾向を感じたのですが、最終章が衝撃的というか、意外な着地の仕方が結構面白かったので、まあいっかという感じでこんな星の数になりました。
0投稿日: 2016.10.29
powered by ブクログ伊賀上野に行き、忍者に関心を持つ。 要するに、忍者がどういう暮らしをして、どういう術を持っていたのかは分かったのだが、 なぜ、そんなことをしていたのか分からなかったので。 だいたい分かったので良かったと思う。
0投稿日: 2016.10.23
powered by ブクログ忍者に焦点を当てた恐らく最初の小説。 変幻自在であるのに荒唐無稽でなく読めるのは作家の筆致だ確かなのだろう。 色褪せない作品は手元に置いておきたくなる。
0投稿日: 2016.09.05
powered by ブクログ途中、主要な登場人物の掛け合いで中だるみはするが、全体的にとても濃密で読み応えがある。 作者の語彙力がすごい。特に人間描写において初めて触れるような言い回しが多くあり、凝り過ぎ感はあるけど全体的に作品の個性の一つとなっている。 忍者の信念、潔い生き方には一種共感できるが到底真似できない強靭さがあり、自分の感情をコントロールするところなど和尚の目指す方向性と同じとしたところはなるほどと感じた。 終盤で登場する和尚の言葉が実に重い。 五平が実はあの有名人であるかとしれないというサプライズが楽しい。ある程度根拠はあるのだろうけど。 そして意外なハッピーエンドに読了感も清々しい。
0投稿日: 2016.05.16
powered by ブクログ映画が公開されていたなぁと。 司馬遼太郎作品とは知らなかったので、今更ながら手にしました。 当時は本当に貴重な戦力だったんだろう。 どこまでが本当かはわからないが。 感情を殺して物事を遂行する人も、今でもいますしね。 生と死の狭間で、伊賀と甲賀、男と女、それぞれの立つ位置の違いなどをうまく要素に組み込んでます。
0投稿日: 2015.11.08
powered by ブクログ過去の感情を流動、消失させたり(流水) 現在の感情を制御せずに己の中で増大させたりする伊賀忍者の独特な精神構造が面白いなと思いました。
0投稿日: 2015.10.17
powered by ブクログ感情を殺して任務を遂行する忍者達の物語です。そのわりに登場忍者たちは人間的で可愛げがあるのは司馬遼太郎らしい。 キャラクター同士の対比がいたるところに見受けられてそれぞれの立場と思考の違いで対立したり投合したりするのがおもしろい。 読んでる間は退屈な場面がないわけではないものの、読み終わってみると見どころが多くいい作品だったなと感じる物語
0投稿日: 2015.10.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
やっぱり司馬先生の本はおもしろい。 伊賀者の裏切りで進んでいくかと思いきや甲賀が絡みダブルスパイあり、途中「ああこの人これに殺されるな」な伏線があったり「なんで此処でやってしまわないの。あとで絶対後悔するのに」な場面があったり、どうなるんだろうとドキドキワクワクする展開。 主人公が復讐に生きると決めてきた相手を目の前にしながら結局手にかけられず、忍者という生き方に見切りをつけたような最後は少し残念な感じもしたが、平穏を手にしたと思えばハッピーエンドなのかもしれない。 対照的に立身出世と栄達を望んで伊賀を裏切ったライバルの最期は思わず「えええ?」と何度も読み直してしまうほど滑稽に感じられた。 数年前に映画になっているからそちらも観てみたい。中井貴一さんと上川さんだったはず。
0投稿日: 2015.10.04
powered by ブクログ恥ずかしながら司馬遼太郎はじめて読んだ! 忍者ものって好きかもなぁ。わくわくする。 最後なんとハッピーエンドで終わったのもほっこり(?)したー。
0投稿日: 2015.07.07
powered by ブクログ司馬遼太郎さんの作品としては二作目。司馬遼太郎さんの作品と出会って時代小説に興味を持ちました。 文章が難しい印象がありましたが、この作品で印象が変わりました。エンターテイメント性の高い情熱ある感じを受けました。しかし、男性的で知的な感じも受けました。 主人公の忍者としてだけでなく、一般的な感情が残っている事を女性を通して知る葛藤の部分が印象的です。そして、太閤と向き合った時の主人公の言動が興味深かったです。 作品の何処を取っても文章が素晴らしい為に頭の中の映像を鮮明に作る事ができます。読み始めて、止めるのが惜しいと感じます。
0投稿日: 2015.07.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
伊賀忍者の重蔵さんと甲賀くの一の小萩ちゃんのラブストーリーだ。恋などしては忍の終わりと愛情を自重する重蔵さん。重蔵さんを見事騙しきり殺すことができれば愛する一流忍者の敬意が得られると思っちゃう小萩さん。二人のやり取りが面白い。二人とも自分の美学を貫くのに恋が邪魔なんだけど、恋には逆らえませんでしたね。 主従が大好きなので、重蔵さんに長年尽くしすぎる黒阿弥さんに心が騒ぎました。黒阿弥さんは、重蔵さんが秀吉暗殺の任を受けなかったら、山小屋で重蔵さんと添い遂げる人生を送るつもりだったの?!
1投稿日: 2015.07.03
powered by ブクログ忍者の世界を舞台とした長編小説。 「長いなぁ」と思いながら1週間くらいかけて、眠る前にダラダラ読んだが、途中伊賀と甲賀の下忍たちの戦い辺りから急展開し面白くなってきた。 重蔵と五平という対照的なキャラクターが魅力的。それ以上に、忍者という陰の男を愛してしまうくノ一達が強く可愛らしく魅力的である。 忍びの世界が題材ということもあって、作品は全体に重く陰湿。 それにしてもラストは衝撃だった。まさかそう来るとは! 後半の石川五右衛門と五平のエピソードがうまく絡めてあって興味深い。 フィクションだと思っていたので、重蔵と五平についての歴史上の記録があるということに驚き、読み終わってから忍者が活躍していた戦国の世に想いを馳せた。
0投稿日: 2015.06.27
powered by ブクログはじめての歴史小説、はじめての司馬作品。 最初はうんうん言いながら読んでいたけれど、途中から加速度的に面白くなって、一気に読んだ。 色々な人の立場になって考えてみると、人間らしくあることも仕事人として生きることも、ただの特徴であって、場面で瞬間的に使い分けないといけないな、って勉強になった。
2投稿日: 2015.06.25名作
娯楽系といっては文豪 司馬遼太郎に失礼かと思うが、超人的な忍者の技には、多少そのような趣を感じる。ただし、だからと言って本作の面白さは変わらない。つまり、忍者の世界の非情さや、駆け引きを通じて司馬が言いたかったことを汲み取ることに、本書の魅力を見出せるだろう。 本書を推すのは、私ばかりではない。読書家として名高い漫画家 吉野朔美氏のご尊父も本書を推薦している(「お父さんは時代小説(チャンバラ)が好き」)。
1投稿日: 2015.06.05
powered by ブクログ司馬遼太郎の初期の作品。主人公が忍者ということもあり、登場人物が全体に陰性。後の司馬遼太郎の作品に見られる、例え悪人でも主人公が怪男児で、すかっとする後味はない。 それにしても長すぎる。話の展開があまり進まないのに、文庫本で650頁超というのはやはり長すぎるだろう。
0投稿日: 2015.03.31
powered by ブクログ人の動きが手に取れるような文章が凄い。司馬遼太郎はお固い作家な印象が世間では強い気がするんだけど、実は、超一流の歴史エンタメ作家。この作品に限ると、忍者ものであること以外、歴史上のなにを題材にしているかは知らないほうが楽しめるので、買うときはアマゾンのレビューは読まないほうがいい。
0投稿日: 2015.01.13
powered by ブクログ物凄い分析力と想像力。そしてそれを表現する文章力が凄い。 人の心の動きとか。。もはやそこで全部見ててインタビューでもしたのかというくらいのレベル。 ラストも良かった。 ただ、木さるがどうなったのかが気になってしょうがない。 全体的には登場人物全てが人間臭くて良い。イキイキとしてる。 面白かった。
1投稿日: 2015.01.09
powered by ブクログ司馬遼太郎がブレークしたきっかけとなった、直木賞受賞の小説。題材は、戦国時代の忍者たちです。 この本を読むまでは、忍者の世界というものを全く知らなかったのですが、独特の価値観や文化があり、興味深かったです。冷酷でありながら非常に人間くさい部分もあり、特に女性たちが頼もしく可憐で、他の作品に比べて恋愛がたくさん盛り込まれています。最後、秀吉と向かい合う場面は高揚感がクライマックスです。 言葉が少々難しいので、初めて読む司馬小説には向かないと思います。マニアの方は、是非。
0投稿日: 2014.11.19
powered by ブクログ司馬さんの作品を大きく分類すると伝奇物と歴史物に分けられるけれど、こちらは伝奇よりの作品。初読は高校生。 山田風太郎の同じ忍者ものと並べてみると、明らかに違った印象を受ける作品だ。初期の作品ながら雑談を交えた司馬さんの歴史観が随所に見られるし、重蔵という1人の男を通して、男はやっぱりこう生きなくちゃってのがよく伝わってくる。 しかし、凄い作品であるけどペルシャの幻想術師しかり伝奇によった司馬作品は個人的に好みじゃないーーと読み返して思った。
0投稿日: 2014.02.26
powered by ブクログ当時の忍者という存在の特殊なあり様を著者の鋭い時代考察を踏まえて、フィクションとリアルの絶妙なバランスで描いていると感じた。 キャラクターもそれぞれ魅力的で、ハマれる世界観で非常に面白かった!
0投稿日: 2014.02.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
己の命をも草木の如くとしか考えず、技に生き、務めのみ従う。 歴史舞台の一装置としての伊賀忍者が、織田信長の伊賀征服の怨恨から人としての心と欲望を持つ。 織田亡き後復讐の矛先を失い世を捨てた葛籠重蔵は、師匠次郎左衛門がもたらした豊臣秀吉暗殺の仕事を受ける。 重蔵は、甲賀忍者の血を引く小萩と出会い、お互い惹かれつつも忍者の性から互いを傷つけあう。 同門の風間五平は伊賀を裏切り、大名に仕えつつ私欲のため次郎左衛門の娘木さるを利用し、重蔵殺害を狙う。 甲賀忍者摩利洞玄と五平に追われつつ重蔵は下忍黒阿弥と共に秀吉殺害に向かう。 誰が味方で誰が敵なのか混沌とする中、己の技で危機を乗り切るハードボイルド。それでいて傷つくと無意識のうちに小萩のもとに向かう人間味。 物語は、中盤にかけて登場人物が増えるものの一人一人と舞台から消え、次第に重蔵、五平そして小萩にフォーカスして行く。 読み進むに連れ、伊賀忍者にストイックでありながら人間味のある重蔵に惹かれてゆく。
0投稿日: 2014.01.10
powered by ブクログ忍びの者 伊賀忍者の物語。 乱波(らっぱ)。 物語でつかわれている言葉がわかりにくいが、物語としてはよく練られている。 織田信長から 秀吉が関白となり,朝鮮へ征伐しようとしている時の話である。 重蔵は、下柘植次郎左衛門の命により,秀吉を討つように言われた。 信長による伊賀の征伐は, 伊賀ものたちの恨みをかうほどに残虐な者だった。 織田信長の流れを汲む 秀吉を討つことは,仇をとるに等しい。 重蔵は 両親と妹を信長に殺された。 重蔵は、小萩というオンナに翻弄される。 今井宗久の娘と言うが,遊女のようでもある。 今井宗久は 堺の商人で、茶人であった。 そのことから,織田信長にうまく取り入ったが、 秀吉にはあまりうまく取り入ることができなかった。 秀吉を殺すのを依頼したのは 今井宗久だった。 風間五平は、伊賀を捨てて,京の奉行の手先となっていた。 次郎左衛門の娘 木サルが許嫁であった。 木サルは、五平にいいくるめられる。クのイチの宿命かもしれない。 時代の中で、男の生き様を描く。 司馬遼太郎が 理想とする男の姿 を 秀吉が天下を取った時の 忍者を通して描いた。 重蔵という忍びの者は 木サル、小萩に惚れられる。 二人は なぜか オンナを感じさせないオンナである。 くのいち であるが故に 普通のオンナになろうとするが。 しかし,忍びの者であるが故に、その愛にこたえることは できないものだ。 それを,なぜできないかを 折に触れてかたるところに この物語のおもしろさがあるのだ。 人は何のために生きるのか? という問いかけは 生きた人間であれば,誰でも疑問に思うのだ。 どれだけの問いかけがあったのだろう。 そして、その答えに確実に満足した人間はどれだけいたのだろう。 重蔵は 秀吉を殺そうとした。 それが、今井宗久の指示であれ,自分の目的とした。 しかし、秀吉をみたら、『ひどく老いぼれではないか』とおもい。 秀吉を 殴って,かえってしまった。 この結末が 何とも言えず おもしろい。 重蔵という人間のスケールが あまりにも大きいのだ。 おなじく 伊賀者の 風間五平は 城に忍び込んで 石川五右衛門として 釜茹でにされる。 この ストーリーテラー のすごさ。 甲賀ノ摩利洞玄、黒阿弥の二人が じつにしぶく、いぶし銀の生き様。 司馬遼太郎が、初めて書いた長編といえども 完成度が高い。
0投稿日: 2013.12.06
powered by ブクログお恥ずかしいことに司馬遼太郎氏、初読みでございます^^; 何となく難しそうだったり、“歴史モノ”という認識が強くてどうしても手が伸びませんでした。何から読めばよいのか迷ったというのもあります。で、とりあえず新潮文庫1番から(笑)。 司馬さん、文章も男らしくいかついです。初めて目にする単語もあったりして、流石だなぁと妙なところで感心してしまいました。 物語の展開から想像して結末は相討ちと思っていたのですが、見事予想を裏切ってくれました。中盤まではページが進みませんでしたが、後半グーンと盛り返しました。 忍者がでてくるマンガや小説も多くありますが、この司馬氏の『梟の城』を読んだら、想像が膨らみますよねぇ。いろいろな方々に影響を与えたのでしょうね。 面白かったです。 ラストは私の予想外でしたが、だからこそ良かったです^^
0投稿日: 2013.11.21
powered by ブクログ「すごい術はすべて忍者だから」っていうのは少しどうかと思うしその割にしつこいが、少なくない登場人物の書き分けはさすがに水際立っている。
0投稿日: 2013.10.28
powered by ブクログ裏切りと信頼、駆け引き、立場、技術コマ 裏切りの連続だ。 我々の考えているような信頼関係を前提としているわけではない。 その裏切りの中でも、忍び続ける重蔵に魅力を感じるわけだ。 確かなものは自分の技のみ。 忍者はいわいる暗殺者だ。ただし現代のスナイパーや007とは違う。 技が肉体に依存している部分が多い。音もなく忍び寄り、敵を鮮やかに切断する、そこには不思議と美しさが存在する。
0投稿日: 2013.10.27
powered by ブクログ司馬遼太郎さんが直木賞を取った作品だけに面白く読みすすめることが出来た。司馬遼太郎さんの作品は沢山読んでいたが、この『梟の城』は後回しになっていたが、機会があって読んでみた。読み応えがあってアッと言う間に読み終えた。 石川五右衛門を描いた物語であるが、豊臣の世を忍者の視点から見ていることも面白いし、忍者の技は人間離れして凄く忍者同士の格闘も読み応えがあった。映画版も観たい!
0投稿日: 2013.09.21
powered by ブクログ自分には向いてなかった。特に前半は何度も睡魔に襲われた。後半は波に乗って読めたけど・・・。派手な忍者小説を期待したらダメで、人間ドラマを楽しむ大人の忍者小説やわ。
0投稿日: 2013.09.06
powered by ブクログ司馬遼太郎にしては、割と普通の小説であった。説明くさいところもなく、忍者エンタメとして楽しい作品。ただ、最後に南禅寺の御仁に結びつけるくだりは、うーむという感じ。
0投稿日: 2013.09.05
powered by ブクログ言わずと知れた司馬遼太郎の初期の傑作です。 映画化されていて、そっちはたしかテレビか何かで見たような気がします。 書かれたのが1959年ですから、すでに古典的名作と言っていいほどですが、今改めて読んでも全く古さを感じません。 忍者を主人公とした先駆け的な小説らしいですが、とにかくおもしろい。 まだ読んでいない幸運な方は是非一読を。 新撰組を描いた「燃えよ剣」も大好きな作品です。
0投稿日: 2013.08.17
powered by ブクログ改めて忍者が好きになります。 優秀な忍は誰か、と問われれば、 名が知られている忍は優秀ではない。 と答えるそうです。 なるほど・・・
0投稿日: 2013.07.22
powered by ブクログ秀吉が天下を治めた太平の世の中で、仕事を失いつつも忍者としての誇りを持って生きようとする葛籠重蔵と、忍者の身分を捨て武士となり功名を果たそうとした風間五平の物語。この間読んだ「新聞記者 司馬遼太郎」で、忍者と記者の仕事を重ね合わせているのに興味を持って、読み始めた。物語は鮮やかな描写や心情の変化をゆっくり語ることはない。それこそ「風を縫う」ようにするすると進んでいく。公に功をなすか、ただ自らのために功をなすか、この対照的な2人を表現することで、記者としての司馬遼太郎の仕事の価値観を暗に示している。物語の終盤、秀吉の寝所に忍び込んだ重蔵は、天下人を見下ろして、ただの老人、と素直に思う。殺すことに意義があるのか、自らの忍びの技を活かすことに誉れを覚えるか。「無償の功名心」は仕事人としてのプライドであり、それは司馬遼太郎が短い記者人生で追い求めたものだった。
0投稿日: 2013.07.08
powered by ブクログ人間から卓越した技のすごさに?? と思ってしまう忍者。その伊賀の忍者重蔵は技に留まらず精神面でも卓越している。それはさながら仏門に帰依する人に、もある意味対極していて無欲。だが殺生をする。 子萩にも木さるにももてる重蔵はいい男だなぁ。目的の為に手段を選ばずだが、最後人に情けを持ち、秀吉を人として見る目がよかった。昭和34年刊行作品とは思えないほど、この感性が古臭いない。
0投稿日: 2013.06.30
powered by ブクログたまにやりすぎではないかと思うところもあったが人間離れした忍者たちの戦いには素直にワクワクさせられた。しかし大局が動いていく興奮を感じられるタイプの作品ではなかったのは個人的には残念。歴史小説というよりは時代小説として読んだほうが良さそう。
0投稿日: 2013.05.27
powered by ブクログ初めて読んだ忍者もの。知らない言葉が至る所に出てきて辞書をひきながら読んだので時間がかかった。辞書を使わなくても筋は掴めるけど。もっとたくさんの司馬遼太郎を読んでいくつもり。
0投稿日: 2013.05.20
powered by ブクログ展開に意外性はあまりないが、最後までワクワクしながら読めました。書き手のチカラによるのか、単純な自分が書き手の思惑に嵌ってしまったのか。 爽やかな読後感です。
0投稿日: 2013.04.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
忍者のでてくる小説は読んだことがなかったので、その精神とか世界観が新鮮で面白かった。 長い話だけど、一気に読めました。
0投稿日: 2013.01.24
powered by ブクログ絶体絶命の窮地で木さるがとった行動にびっくり!意表をついて、まさに忍者。多くのものを失ってなお生き延びていく姿が鮮明に心に残った。
0投稿日: 2013.01.14
powered by ブクログ重蔵と五平、対照的な伊賀者同士の争いの物語なのかと思いきや、甲賀者が参入し、その上、重蔵の秀吉暗殺。面白いの一言。他の作品ではたまに司馬遼太郎が物語の途中でひょっこり出てくるが、今作は出てきませんでした。
0投稿日: 2012.12.20
powered by ブクログ面白かった! 最後は別に五右衛門に繋げなくても良かった気が… でもスピード感もあってサクサク読めた。
1投稿日: 2012.12.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
個人的にこの終わり方で嬉しかったです。 石川五右衛門の話になるということが恥ずかしながら最後までわかりませんでした。でもそれが逆にストーリーに夢中にさせてくれました。 資料が少なく確実なことではないにしてもそのような伝承を信じたくなりました。
0投稿日: 2012.10.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
司馬遼太郎独特の文書構成に若干読みずらいところもあるが、 やはり歴史描写はすごい。 伊賀忍者の特徴や育った環境から来る特殊な考え方を、主人公たちの 言動や心の動きを細かく描写することで表現している。 決して、爽快な、忍者のヒーロー物語ではない。 人間臭く、弱さもあり、いろいろな側面を持っている。 そんな主人公たちに共感した。 映画化されているので是非レンタルしてみたいと思った。
0投稿日: 2012.09.12
powered by ブクログ他の司馬遼太郎の作品とはやや異種の感じを受けるが直木賞受賞は頷ける。やはり長編でも最初から最後まで安定感があります。結末の意外感に驚き。読後感は良。
0投稿日: 2012.08.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久々に司馬遼太郎を読みこんだ。それも初期の作品。昭和34年刊行というから今から50年以上前、当時はこの作品で直木賞をとったそうだ。忍者ものというと、司馬遼太郎の本来の作風ではないと今なら言えるが、当時は山田風太郎と人気を二分していたそうだ。豊臣秀吉の暗殺を狙う伊賀忍者 葛籠重蔵、その重蔵を狙う風間五平との壮絶な戦い。最後は秀吉の命を奪う寸前までたどり着けるが、結果は?最後もさすが司馬史観、わずかな歴史的事実からこの物語を紡ぎだすスゴサ。しかし木さるはどうなったのだろう。
0投稿日: 2012.07.01
powered by ブクログかなり久しぶりに読んだ。やはり、 忍者と言えばこれだろう。陰鬱な忍者に華やかさはない。忍者であるがゆえの葛藤が描かれています。
0投稿日: 2012.06.22
powered by ブクログ歴史小説に嵌る原因になった本。司馬さんの本の中で一番好き。抜群の面白さなのに、知的でシャープな印象を受けるのは流石。素敵。
0投稿日: 2012.06.15
powered by ブクログ司馬遼太郎です。面白かったです。 忍者の生き様の凄さ、それを支える特殊な技術。よくもここまで細かく描写できるなと読みながら驚いてしまいました。 ず~っと前からDVDを観たいと思っていたのですが、今回、先に原作を読んでしまいました。原作を先に読むと、映画がつまらなく感じてしまうことがありますが、本書で感じたスピード感などは、映像としてもう一度感じてみたいなと思わせます。絶対にDVDも観ます! 文庫本で650ページを超える長作ですが、気にならずに読めます。 興味のある方は是非一読を。
0投稿日: 2012.05.28
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歴史の表舞台には現れない、1人の伊賀忍者に焦点を当て、戦国期の動乱の中に忍者という生き方の美しさを描く名作。動乱期だからこそ、時代の流れや時の権力者へなびくことで生きながらえる者が多い中、異常なまでのストイックさで自分の生き様を全うする主人公には、強く心を引きつけられた。大泥棒として巷でよく知られている石川五右衛門の伝説へと結びつけてストーリーを終わらせる所も、深い興味の継続を作り出す良い演出だと思った。
0投稿日: 2012.05.14
