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環八イレギュラーズ
環八イレギュラーズ
佐伯瑠伽/中央公論新社
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総合評価

6件)
4.3
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    ハチャメチャではあるのだが、新本格派的な論理へのこだわりもあり、終盤の活劇は有川浩を彷彿とさせる。 書き下ろしの処女長編を大手出版社から出してしまう(かつかなり質が高い)、この作者は何者?

    0
    投稿日: 2015.05.04
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    独特の語り口、そしてメインとなり展開を引っ張る位置のキャラ複数が、ごく一般的とはいえない頭脳の持ち主のため、途中から読み手である自分は流れに身を任せるのみだった。 その点から言えば、まさにエンターテイメント! 勢いが素晴らしい。 あとがきにあるように、知的障害者はひとりひとりが全然違うということが肯定的に捉えられる、リアルだけれど悲壮感のないストーリー。 但しイケメンに限る、と付け加えられるかもしれないけれど(汗

    0
    投稿日: 2015.03.05
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    あるブログでこの物語を「木地雅映子の書いたSF」と評しているのを見たらもう手に取らないではいられなかった。 でも、高校生たちの会話部分を読んでいるうちに思い浮かんだのは佐々木丸美『崖の館』だった。

    0
    投稿日: 2015.02.20
  • スピード感!颯爽感!ドキドキ感!

    ある新聞に、この作品の編集者さんが今年(2014)の一押しで、担当できる幸運に感謝との書評。即決! まさしく、知性的な高校生たちの、そして、なんたるやこのスピード感・疾走する颯爽感とでも?・暗黒の世界と現実とのせめぎ合いのドキドキ感。 1分1秒を争う駆け引きの危うさの中でも、 4人それぞれの、愛すべきそれぞれの人たちへの想いが伝わってくる言うこと無しの熱い物語。      Kさんもお気に入りのグレン・グールドの『平均律クラヴィーア曲集』を聞きながら。

    0
    投稿日: 2014.11.28
  • これ、映像化希望!

    憑依生物(というかプログラム)の逃亡犯を追って地球にやって来た同じ種族の刑事が、乗り移った相手の女子高生らと協力して、逃亡犯が乗り移った相手が誰かを突き止める話。 1950年代SFのハル・クレメント作『20億の針』を現代日本に持って来て、登場人物に知的障害者を加え、頭脳戦あり、アクションありで盛りだくさんな内容なのにラノベ感覚で読みやすい文章。これがデビュー作とは、凄い新人が出てきたもんだ。 直接言葉を交わせない憑依生物の刑事が主人公たちとイメージカードで意志疎通するシーンや終盤のアクションは映像化したら面白そう。無理目なテーマかもしれないけど。 オタクでコミュ障な少女の中に、知的障害者だけど意欲的な美少年の人格が同居することで起こる二人の変化の描き方がうまい。あとがきで触れられていますが作者自身、障害者のご家族がいるそうで、障害者自身が誰かを幸せにする話が書きたかったとの事。難しい題材だけど深刻にならず、エンターテイメントとして楽しめる作品でした。

    7
    投稿日: 2014.11.01
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    「ダ・ヴィンチ」編集者自薦のコーナーで紹介されていたので手に取ってみた。 読み終わっての感想は、いい要素満載にも関わらず「惜しい」作品だなぁ、と。 ・作者の身近に自閉症の方がいるが故の、切実でリアリティのある「自閉症」描写 ・学園もの、SFものという、王道で読みやすい世界観 ・お約束かもしれないが、よく立ったキャラ ・小説、マンガ好きには触れてくる、所々ちりばめられたサブカルネタ いろいろな良い要素が詰め込まれているにも関わらず、「これは!」という作品になりきれていない。特に感じたのは、詰め込みすぎ。登場人物、イベントを全て描こうとする意図が強すぎるのでないかなぁ。そのために、語り手は三人称となるのに独り言を入れてみたり、登場人物の頭の回転が読者置いてきぼりの速さだったり、といった部分で破綻してしまっているのでは。もったいないのだけれど、もうちょっと全体を絞り込んでくれればスッと登場人物に入り込めて読みやすい作品になったのではないだろうか。 万人にお勧めできる作品ではないが、ラストにつながる終盤の逆転、盛り上がりも楽しく、読後感はよい。細かい引っかかりを無視して読破できるタイプの読者であれば、これがデビュー作である作者佐伯氏の、今後の大化け期待含みで、読んでみて損したと思うことはないのでは。荒削りではあるが、楽しい作品だった。

    0
    投稿日: 2014.10.26