
総合評価
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powered by ブクログ作品紹介にある「すべての心に希望が灯る」という一文は実際の内容にはマッチしていない気がするなあ。 短編自体はどれも楽しめたけれど、想像していた内容と違った感が強くて、その違和感を拭えないままに読了。
0投稿日: 2018.02.06
powered by ブクログ三浦しをんらしい毒舌っぽい感じが随所に。 「炎」はぞくっとする。 なんとももやもや考えたくなる話が多かったな。
0投稿日: 2017.12.29
powered by ブクログ死をテーマにした7編の珠玉の短編集。 哀しさが底流に流れる愛の物語。セックスの描写はどれも寂しくてエロい。 ゴシックメタルで例えると言MY DYING BRIDEかな。なんで、あまたあるPEACEVILLEのバンドの中からMDB なのか?それはオレにもわからん。ふと、頭に浮かんできたのがこの老舗ゴシックバンドだった。 どれも傑作だけれど内田春菊の『南くんの恋人』テイストの「星くずドライブ」を推しとこ。角田光代のあとがきではひとことも触れられてないし。香那とちよみのキャラも被ってるような気もするし。映画『星くず兄弟の伝説』やフロイドの「星空のドライブ」を思ひ出すから。
0投稿日: 2017.12.15
powered by ブクログジンときた。どの話も、短編ではあるが心に響く。特に遺書は泣いた。誰かを愛すること。死ぬという事。生きることとの曖昧さ。死んでしまった人には問えないが、色んな関わりがある。ひと作品ずつ噛み締めて読んだ。
0投稿日: 2017.10.26
powered by ブクログ物語自体は面白かった。 でも短編集というのは合わないのかもしれない。 どうしても、物語に入り込んだところで終わってしまう…もっと欲しくなる。足りなく感じる。 物足りなさを感じてしまった。
0投稿日: 2017.09.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
イエローモンキーの同名の曲「天国旅行」が、あまりにも大好き過ぎるので、この本を手に取った次第です。冒頭のエピグラフで、イエモンのその曲の歌詞が引用されております。 三浦しをんさんは、イエモンのあの曲の何かに感化されて、この短編集を生み出したのだろうなあ。そう思うと、うむうむ。感慨深いなあ。とある作品が、別の誰かを感化して、新たな作品がこの世に生まれる。それはなんだか、とてもエエことやなあ。そう思う次第です。 「SINK」は、なんだか、ミッシェルガンエレファントの曲「深く潜れ」っぽいなあ、とか思いつつ読みました。 「炎」は、ピンクフロイドのアルバム「炎〜あなたがここにいてほしい」を連想しつつ、読みました。 む?イエモンの「天国旅行」は連想しなかったんかい?ってな話ですが、 うーむ。何故か個人的には、そこは、あんま連想しなかったのですなあ。そんな感じ方でしたね。 解説を角田光代さんが書いているのも、なんだかグッと来ましたね。読んでて、三浦さんと角田さんの2人に共通する感じがあるような気もするなあ、そう思いつつ読み進めたり。
0投稿日: 2017.08.14
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表紙の絵が凄く綺麗で、「天国旅行」というタイトルにも惹かれて読んだ三浦しをんさんの短編集。どのお話も自死がテーマになっていて、重い内容と思いきやなのに後味は不思議と悪くないとゆうか、新しい感覚になる本でした。最後の角田さんの解説も凄く良くて、最近よくある人を「泣かせる」ために小説に登場しがちな死とは、全く違う「死」の書かれ方をしているとゆうのは、超共感しました。 三浦しをんさんの本を手に取ったのはこれがはじめてだったけど、死がテーマなのにここまで読みやすいとは!途中でつっかえることがないとゆうか、表現がとても自然で、さらさらさらーっと読めました。読み返すとゆうことがないとゆうか、良い意味で表現の面白さで止まるようなこともなくて、ぐんぐん入り込めるのが気持ち良いです。飛べます。短編集だけど、一つ一つのお話が本当に濃厚で5冊分読んだ感じがするとゆう。そうです、めっちゃ濃ゆいです。早速他の本も図書館で予約しました。週末借りにいくのが超楽しみです。 個人的には「森の奥」「初盆の客」「炎」が好き。
1投稿日: 2017.08.02
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【あらすじ】 現実に絶望し、道閉ざされたとき、人はどこを目指すのだろうか。すべてを捨てて行き着く果てに、救いはあるのだろうか。富士の樹海で出会った男の導き、命懸けで結ばれた相手へしたためた遺言、前世の縁を信じる女が囚われた黒い夢、一家心中で生き残った男の決意──。出口のない日々に閉じ込められた想いが、生と死の狭間で溶け出していく。すべての心に希望が灯る傑作短編集。 【感想】
0投稿日: 2017.07.27
powered by ブクログ初盆の客 石塚夏生 亡くなった祖母の初盆に訪れた、黒服で、三十歳くらの細身の背筋が伸びたけっこういい男。 動きが少ない短編物語なので、世にも奇妙な物語などで。
0投稿日: 2017.07.07
powered by ブクログ心中がテーマとは知らずに、「死というものに近接した」人たちの物語として読み進めた。 それはときにひんやりと冷たく、ときに人肌のように温もりを持ってただそこにあるのだと示された気がした。 奇しくも短編集が三冊続いた中、爆発的なおもしろさはなくとも退屈せず読めた。
0投稿日: 2017.06.28
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「遺言」が素敵。 一緒に死ぬことで、一緒に死のうと言うことで愛を確かめようとする妻を真っすぐに愛している夫…老いてはじめて大切だと言えると素直に綴っているこの夫は、きっととても善い人なんだろうな。 そして、死して火葬されたら、胸に刺さったままの恋の矢がお骨の中から出てくるだろうだなんて、なんてロマンティックで情熱的な人なんだろう。 「初盆の客」の夫婦愛もよかった。 この二作みたいな愛の形であるならば、結婚って素敵だな。 そして、「SINK」のラストがよかった。 真実はどうであれ、生きている人間が生きていきやすいように出来事を解釈するというのは、すごく大切なことなのかもしれない。 悦也が新しい記憶で少しでも楽になればいいな。
0投稿日: 2017.06.18
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心中をモチーフとした連作集。 流麗な文書表現で綴られ、結末が気になりさくさく読み進められます。 心中がテーマなので暗くなりがちかといえはそうでもなく、「初盆の客」のように心温まるようなものもあり飽きが来ない。「星くずドライブ」のカノジョのように少し感触のあるユウレイという設定はセンスがありますね。 それにしてもタイトルと表紙はまるで「君はポラリス」のヒットにあやかりたい魂胆がみえみえであざといなぁ、と。特にタイトルと内容はなんだかミスマッチな気がします。
0投稿日: 2017.05.23
powered by ブクログ「死」をテーマにした短編集。自分の死、身内の死、赤の他人の死。自殺、他殺、心中。そしてそれにまつわる遺書、幽霊、前世、などなど。なのに不思議と重すぎず、暗すぎず、いろいろな人のいろいろな死と向き合っています。死に方=生き方なのね。解説を角田光代さんが書いてるのがちょっとうれしい。
0投稿日: 2017.05.03
powered by ブクログ図書館で。 「死」に関する話は小説でもやっぱり重たいなぁと思いながら読みました。そう言う意味では「遺言」が一番お気に入り。このカップルは男性同士かなぁなんて勝手に思いながら読みましたがどうなんだろう。まあ別にどっちでも良いんですが。
0投稿日: 2017.04.24
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再読。心中をテーマにした7つの短編集。再読のわりには覚えてないものもあった。こんなに印象的なのになあ。爆笑エッセイや爽やか職業小説が続いたので、ちょっと重めなカンジが「そうそう、しをんさんってこういうのも上手いんんだよなあ」と味わえた。最後の「SINK」のラストシーンは美しくてせつなくて泣けた。角田光代さんの解説も納得。
0投稿日: 2017.03.17
powered by ブクログ軽い読み物と思いきや、思いのほかの重量級。 テーマは心中。 主人公たちのほとんどは、あまりうまく世渡りするタイプではない。 生きあぐねて、あるいはパートナーの死に直面して、揺らぐ心のありようが描かれる。 「遺書」。愛を確かめるために自殺しようとする妻に残す遺書の形式の短編。 二人のなれそめまでもがそこには書かれているが、妻に翻弄される彼の姿に、何とも言えないおかしみが漂う。 老齢に達した彼が、もし妻が後に残されたら、と考えてこの「遺書」を書くのだが、最後の数行の彼の気持ちは崇高だ。 「星空ドライブ」は、ひき逃げで死んでしまった恋人につきまとわれる大学生の物語。 最初は死んだ彼女が自分のもとにやってきたことに愛情を感じていた佐々木だが、自分が死ぬまでずっとそばにいられることにぞっとし始める。 こういう細やかな心理描写がすばらしい。
0投稿日: 2017.03.12
powered by ブクログ全編、心中をテーマにした短編集。 好きなお話もあったけどそうでもないのもあったかな。 短編なので読みやすかったです。
0投稿日: 2017.03.06
powered by ブクログ森の奥…「心配してくれるひとが一人もいないまま生きていくってのが、どんなことなのか」、この言葉が胸に深く突き刺さった。想像を絶する孤独を抱えて寂しさから抜け出せないという地獄。 遺言…捉えどころのないご主人とエキセントリックな奥様。 初盆の客…誰の子供なのかが奇々怪界だった。 君は夜…この永遠にループするような愚かさに怒り心頭。 炎…仇を取ったというには程遠いし、真相もわからずじまい。 星くずドライブ…場所はつくばかな。ちょっとあり得ない完璧な結びつきと永遠性に到達した二人に羨望した。 SINK…評価はこの作品。主人公の厭世的姿勢は男なら理解できる人は多いだろう。真っ黒な絶望と悲劇的状況でも可能性が万に一つあるのなら試してみる価値はあるとお母さんは思ったのだろう。お母さんの意思をそう解釈するのなら主人公は極めて幸運だと言えるのではないか。万に一つで生き残ったのだから。 解説は角田光代さん。
0投稿日: 2017.03.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
3 心中や自殺をモチーフにした短編集。死を救済と考えている登場人物が多いよう。死ねば今の荷から開放されてまっさらな新たな生が与えられるかもしれない的な。死のいろんな側面も描いている。保険金、自分の死による他社への抗議、故人に会う手段、万能感などなど。角田光代の解説がうまく捉えている感じ。男に依存して生きる理紗の話はいらいらしてせつなくなる。 死に関して、前世の話だったり、霊が伝えたり色々な不思議なことが起こる小説。まあまあ面白い。
0投稿日: 2016.12.18
powered by ブクログ重い。 読み終わってからも気が重くなってしまった。 自殺を巡る物語だけれど、生と死を考えさせるわけでもなく…ただ重く暗い。
0投稿日: 2016.10.04
powered by ブクログ装丁が可愛らしくホップで購入したくなった1冊。 テーマは、心中。 自ら選びとる、死。 重たくて、救いがないようであるような、浮遊感のある小説。
0投稿日: 2016.09.22
powered by ブクログ死を真摯に描いたうえで、生のすばらしさを表現した短編集。『遺言』が…あまりに秀逸。自分はなんて素敵な世界で生きているんだろうと思った。角田光代の解説もすごいから、早くみんな読もう。
0投稿日: 2016.08.16
powered by ブクログ死がテーマの短編集 遺言が一番好き 死んだら少なくともいまより楽になるとみんな信じて疑わないよなあ なんでだろう 最終手段死んだら終われるっていう救いを自分で作ってるだけかな でも生きてる方が面白そうとはまた違うような、、
0投稿日: 2016.07.07
powered by ブクログ死をテーマにした短編集。ドラマや漫画に多いカッコいい死に方や感動する死に様を望んでる自分がいるので、ちょっと後味がわるい。
0投稿日: 2016.06.27
powered by ブクログ死にまつわる短編集。テーマが死なので読後感はよいとは言えなく、特に「炎」という作品は高校生が学校のグランドで焼身自殺する話で、辛すぎた。
0投稿日: 2016.06.03重くない「死」のおはなし
「死」を題材にしたお話ですが、誰かが殺されるというような内容ではありません。 「死」をとおして「生きる」ということを考えさせられる作品だと思います。 こういう書き方ってこの人じゃないと書けないかもしれません。しおんさんってすごい書き手さんだなぁとあらためて感じた1冊でした。
8投稿日: 2016.06.01
powered by ブクログ死がテーマなのに、こんなに軽妙に描かれているということに驚き。 いろいろな生と死がある中で、私たちは自分の意識上「生」しか味わえない。けれど味わえる間は甘んじていたいなと思える。 可能ならば、奇っ怪に見えたとしても、自分なりの愉快さを伴って。
1投稿日: 2016.04.02
powered by ブクログ死が間近にある人々の短編物語・・と言えば良いのでしょうか。 年齢性別も様々、事情も様々。 あらすじを見るとわかりますが、決して派手でも華やかでもなく、かといって全く持って新しいアイデアと言う訳ではありません。 ですが三浦しをんさんの本の素晴らしい所は、詩的に美しい文章、繊細な風景や心理描写です。 間違いなく、彼女にしかかけないものが今作含めて他の本でも見られます。 今作は「死」という陰鬱さを感じるテーマですが、読んでも不思議と重苦しさは感じません。 その重苦しさの無さは、彼女の巧みな文章と読み手に一番伝えたい物の為であります。非常に素晴らしいと思えます。 彼女の本に関しては、その魅力はあらすじではなく、本を読まないと理解できないと思います。
1投稿日: 2016.03.15
powered by ブクログ「炎」をドラマで見て、原作が気になって読んでみた作品。ドラマだと短くて状況がよくわからなかったけれど、ああこういうことか、と納得。すべて死がテーマでそんなに重くないのもあるけど結構重めで、どれも最後ははっきりさせていなくてもやもやした感じが残る。「初盆の客」「君と夜」「星くずドライブ」とかが好きだった。
0投稿日: 2016.02.10
powered by ブクログ先日ドラマ化されていた「炎」がのっていたので、読んでみた。 「炎」はなるほど、ドラマと大方相違なし。 怖い怖い!って感じだな。 心中をテーマにした作品集ということだが、 イメージする心中の話とは少し違う。 そこは、しをん流ということで、 一癖も二癖もあるわけです。 一家心中で一人生き残った青年の「SINK」が秀逸 何故生き残ったのか、何故、何故。。。 少し考えを変えてみれば、彼はこれから、 少し気持ちよく生きれるんじゃないだろうか。 それと、死のう死のうと言いながら長く生きた夫婦の 夫が妻に残す「遺言」がよかったな。 なんといっても言葉が美しい。 遺言というよりは 人生最高のラブレターだ。 全体的には重い印象。 自ら命を絶つことは、誰かの人生も変えてしまう、 ある意味心中ってことなのかなぁと 漠然と考えた。
3投稿日: 2016.01.17
powered by ブクログ◎思いを遂げるためにそれぞれができること。 当人たちには死のうが何しようが、関係ない。 思いを遂げられればよいのだから。 7つの様々な愛や恋の形を描いた短編集。3つだけ紹介。 「遺言」 語り手がずっと一生涯添い遂げた人に対し綴った物語である。 駆け落ち同然で出会い結婚した二人は、何度か危機を迎える。離婚というわけではなく、相手の死によって。(実際は死なない。未遂。) 語り手はとても楽しい人生だったに違いないのだが、相手はそうもいかず、ちょっとしたことで信用を失うとすぐ青酸カリの瓶が象徴的に取り出される。駆け落ちの決意の印だ。 相手の"死んでおけばよかった"という言葉は、後悔のようにも聞こえるのだが、語り手の最後の書きぶりから見れば、実は永遠の愛への憧れ、あのとき自分が思っていた気持ちをなくしたくない!という決意でもあるように思えてくる。 愛とは、恋とは。その究極の(というか、「究極」は角田光代氏が解説の中で言っている)形は死なのか。 書きぶりはなんだか「こころ」を思い出すような。 「炎」※2016年1月4日にフジテレビ系列でドラマ化 バスの中でじっと見ていた憧れの先輩は、ある日突然校庭の真ん中で自殺した。 やりきれない亜利沙は、バスの中で花束を持つ初音に出会い、自殺の真相へとたどり着く・・・のだが。 事件解決後、初音の狡猾さを感じてしまうが、それでもやはり先輩のことが好きだった自分に気づく瞬間。先輩が死んでしまった事実は変わらないのだ、と。 「星くずドライブ」 ある日家にいると、彼女がやってきた。彼女と一緒に登校するが、そこで友人から「彼女と連絡がとれない」と言われる。横にいるはずの彼女がなぜ連絡が取れないのか?そこで、彼女が死んでいることに気付いた。 やがて彼女の死体が見つかり葬式にも参加するが、いつまでも死ねない彼女が横にいるのがとても物悲しい。 それは好きだよ?でもさぁ、死んだら何もできないし・・・というもどかしい思い。 愛や恋の形が死だ、という話はそれはそれで刺激的だった。
0投稿日: 2016.01.16
powered by ブクログ短編集。お正月にこの中の『炎』がドラマで放送されていて、さっそく読み始めました。どのお話しも「心中」がテーマ。巻末の角田光代さんの解説まで含めて読んで良かった1冊になりました。
0投稿日: 2016.01.08
powered by ブクログ全編を読み終わり、後書きを読んで「心中」が共通のテーマだと漸く気付いた。 確かに全編を通して登場人物の死、もしくは死を選ぼうとする者が登場する。 個人的には『森の奥』、『初盆の客』、『SINK』が好き。
0投稿日: 2016.01.02
powered by ブクログ※一部に暴力及び血液、性描写の含まれる作品です。 【印象】 死を想う形はそれぞれ。 【類別】 小説。短編集。 少し怪奇ファンタジーの要素。 【構成等】 7の独立した編が所収されており、1編当たり40頁ほどです。 筆者の特徴でもありますが、主題の核と呼ぶべきものなしに話を回すことに長けています。人によっては空疎だと感じるかもしれません。 【表現】 地の文は5編が一人称視点、2編が一人称視点的三人称視点。 文体は編によって差別化されているものの、どれも平易。
0投稿日: 2015.11.28
powered by ブクログ「心中」をテーマにした作品。シリアスなほうの作品。なぜ心中をするのか、その結果はどういった形で現れるのか。けっしてくらい話ばかりではないが、「心中」を通して「生」を感じることができるだろうか。
0投稿日: 2015.11.21
powered by ブクログ死とか絶望って、いつも自分のすぐ横にいて、ふとそこに落ちてしまいそうになる。そんな間際を生きているんだなって、思う。
0投稿日: 2015.10.30
powered by ブクログドラマ『偽装の夫婦』第3話で嘉門ヒロがこの小説の「森の奥」の一節を言うシーンがあった。その言葉になんだか感動してしまって、読み始めた。 一番印象的だったのは「初盆の客」。 まだ、2作品(『舟を編む』、『天国旅行』)しか読んでいないので書評めいたことなどは言えないが、それぞれの作品で三浦しをんの人間の心情の描き方が素敵だなと感じた…。
0投稿日: 2015.10.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
▼収録作品 「森の奥」 「遺言」 「初盆の客」 「君は夜」 「炎」 「星くずドライブ」 「SINK」 まず、題名がいいよねえ。 「遺言」の最後の詩的な文章が良い。 解説を読んで、目から鱗の思いで再読。なぜ初読時にそうと気付けなかったのだろう。むしろ、その読みの方が普通の男女の話よりよっぽど自然だと思えた。
0投稿日: 2015.09.07
powered by ブクログ富士の樹海に現れた男の導き、 死んだ彼女と暮らす若者の迷い、 命がけで結ばれた相手への遺言、 一家心中で生き残った男の記憶…。 出口のない日々に閉じ込められた想いが 生と死のはざまで溶けだしていく。 「初盆の客」好きかも。
0投稿日: 2015.08.31
powered by ブクログいろいろな形で死に向き合った人達の心情が淡々と語られていく。読み進めるうちにその冷静さがかえって少しずつ心に刺さっていくようだった。 角田光代さんの解説も読後の気持ちにじわっと染みわたり、とてもよかった。
0投稿日: 2015.08.25
powered by ブクログ死にまつわる短編集。 死とは何か。愛する人の死とどのように向き合うのか。 愛する人の死をどう乗り越えるのか。 読みやすい文体で、丁寧に描いている作品。
0投稿日: 2015.08.23
powered by ブクログなんで心の中で心中なんですかね。つことで テーマは真珠です。パール!おパール!あら 丁寧にゆったら違う宝石に!現代の錬金術や
0投稿日: 2015.08.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
三浦しをんの心中をテーマにした短編集 森の奥 遺言 初盆の客 君は夜 炎 星くずドライブ SINK の7つの短編 「遺言」と「初盆の客」がうらやましかったな… どちらも年配?初老?の方のお話 基本的な感情っていくつになっても変わらいよなぁ…っていうのが感想 きっかけさえあれば、いつでも当時のものを再現できる それが行き過ぎてしまったのが前世?の記憶に縛られた「君は夜」かしら? これ読んだ時「ぼくの地球を守って」のあの記憶は小学生にはキツイよってセリフ思い出した… (注 ぼくの地球を守ってとは、ある年代の女子にめちゃくちゃうけた漫画です 当時なんやかんやあって作者がこの話はフィクションですよと読者に呼びかけました) んん?? 天国旅行って 心中 がテーマってなってるけど、もしかして記憶が裏テーマ?? どの話も「記憶」が共通してないかな? 記憶に付随する感情? いい意味でも、悪い意味でも… よく言われるのが人の死って肉体の死以外に記憶の死ってあって、忘れるっていう事と忘れられるって事… とすると… この本の一つ一つの物語の中の心中って「何」との心中だったのかな? 読んだばかりだけど、もう一回読むか⁉︎ そういえば… 今でも小母さんにいじられるネタが… えぇ… しっかり覚えていますとも… 5歳の頃… 自転車に噛み付いた事件! え? なんで噛み付いたかって?? 補助輪付きの自転車が全然前に進まなくて、近所のお兄さんお姉さんに置いてかれたから! しっかり覚えているわよw あは♡
0投稿日: 2015.07.13
powered by ブクログ心中をテーマにした短編集。 相変わらず三浦しをんさんの文体は綺麗だ。 好きなエピソードは、『遺言』 恋に落ちた2人が、駆け落ちをして、結婚をして、共に年をとっていくまでの記録が、夫から妻に宛てた遺言書の中で語られる。 その間になんども心中を試みるも、彼らはその度に生を選ぶ。そうして生きていく姿は格好悪くもあるが、でもどこか微笑ましい。 あとがきより引用 「現実の生を、それが汚れていても負にまみれていても重たくても、引き受けなければならない。愛のーー言葉を変えれば、この世界のーー強さも美しさも、よりよきものも、引き受けた生のなかに含まれている。」
0投稿日: 2015.07.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
死にたがってる人の物語、短編7編を収録 テーマガテーマなので、爽快とか気持ちいいとか感動とか、その手の類の気持にはならない。でも、徹底的に陰鬱一辺倒にならないところが三浦しおんの上手いところなんだろうなと思う。 自殺は良くない、まして誰かを巻き込んでの心中なんて良いわけがない。 今でも勿論そう思うが、家族でもない限り「止めとけ」と引き留めるのは違うのかもなぁと思えてきた。「自殺はダメ、心中はもっての他」はあくまで俺の価値観であって、それを他人に押し付けるのは例え生死の話であっても…いやだからこそ、おこがましいのかも知れないと思えてきたのだ。 死にたきゃどうぞ、ただ俺を巻き込むな…それぐらい、突き放した体でいいのかもしれない。俺が手助けや引き留めしたから止める程度の決意なら、きっとその人は自分で決心を翻すだろう。 巻末収録作品「SINK」を読んで、なるほどやっぱりそうかと思った次第。
0投稿日: 2015.06.17
powered by ブクログ心中をモチーフにした短編集。 この、ひとつのテーマでこれほどまでに多彩な舞台設定、登場人物で描けることが素晴らしいです。 しをんさんは、お仕事小説も面白いけど、シリアスもうまくて引き出しの多い作家さんだというのを改めて認識しました。
0投稿日: 2015.05.23
powered by ブクログ生と死をめぐる短編集。 自殺を考える人、前世?の記憶に翻弄される人、幽霊が見える人などを通して生と死を感じる内容。 コミカルな話からシリアスなはなしまで多様な死をいろいろの角度から感じられる。
0投稿日: 2015.05.21
powered by ブクログ心中の話を集めた本だったのですね。最後まで、暗い死をテーマにした短編集かと思って読んでいました。今の私には重すぎて読む必要のない本でした。買って失敗。
0投稿日: 2015.05.08
powered by ブクログ死をテーマにした短編集。非常に面白く、尚且つ生きることについて、生についての捉え方について等色々考えさせられる作品だった。読み終わっても心に不思議な余韻が残る作品。いい本だった。
0投稿日: 2015.05.01
powered by ブクログ20150426読了 暗い方の話し。暗いだけではなく神秘的な部分もあったのでまだ救われた。生と死を考えるには、生の物語が短く、物足りない。
0投稿日: 2015.04.26
powered by ブクログ現実に絶望し、道閉ざされたとき、人はどこを目指すのだろうか。すべてを捨てて行き着く果てに、救いはあるのだろうか。富士の樹海で出会った男の導き、命懸けで結ばれた相手へしたためた遺言、前世の縁を信じる女が囚われた黒い夢、一家心中で生き残った男の決意-。出口のない日々に閉じこめられた想いが、生と死の狭間で溶け出していく。すべての心に希望が灯る傑作短編集。
0投稿日: 2015.04.05
powered by ブクログ死をテーマにした7つの短編から成る『天国旅行』。 7つの物語には、それぞれ誰かが死ぬシーンが登場する。そのどれもが、どこかあたたかくて、少しだけ光が見える死のように感じた。 『死』というのはどうしてもマイナスイメージがあって、悲しいとか、苦しいとか、そういった言葉を連想させる。それに関係する『天国』という言葉もだ。だから一番最初にこのタイトルを見た時、衝撃を受けた。『旅行』という、少なくとも何か楽しみや癒しを求めるものと、『天国』という、亡くなった人たちが生者の世界を見下ろしている、悲しい世界を表す言葉が一緒になっていたからだ。 でも読み終わってから、その違和感や驚きは無くなった。何故なら、これらの物語で描かれている死は、どこか悲しいけれど、同時に希望があったり、あたたかさがあったり、悲しくて苦しいだけの死では無かったからだ。 それらの『どこかあたたかい死』を巡る『旅行』をする、そんな一冊だと思う。
0投稿日: 2015.03.15
powered by ブクログ心中、自殺、死がテーマの短編集。 絶望の淵でみえる希望の尾、 願いの顔の裏にあるどん詰まりの絶望、 希望によく似たはかない夢。 すこし甘いと思って読み進めると、 いつのまにかビターテイスト。 後半は、そこはかとない意地悪な視点だなと 感じましたが、読み方は人それぞれになるかも、 という玉虫色の読後感。 優しくないけど…の不思議な作品。 希望にすがりつきたい人間を馬鹿だと蔑まないけれど、 それでも人生美しいとかおためごかしの賛美をしない 書き方が、逆に優しく感ぜられる。
0投稿日: 2015.01.28
powered by ブクログ心中をテーマにした短編集。全体的に言葉が綺麗でページをめくりながら何回も同じ言葉を読み返したりなんかしながら楽しく読みました。特に好きなお話は「君は夜」と「SINK」。二つとも最後があまり救われないお話で… 特にSINKはもやもやするな~続きが気になる。友情を超えた何かが恋愛であるとは限らないし、、
0投稿日: 2015.01.19
powered by ブクログ「舟を編む」以来の三浦しをんさんの本。死にまつわる話を書いた短編小説。 「森の奥」では青年の正体が気になったし、最後の消息も気になりましたが、行きたいと言う気持ちが勝って良かったと言う結末。 「遺言」では、生涯変わらないものは世の中ないのだなと思いました。過去は特に美化される傾向にあるのだと思う。 「初盆の客」では、不器用な愛や恋の形だけど、良いなと思いました。 「君は夜」は不気味な感じ。ただ、夢の世界も生活の一部で、実生活に影響があるのは、話にもよるけどうらやましいかも。 「炎」は利益が重なったときの女性の怖さを感じました。 「星くずどらいぶ」は、幽霊との切ない恋。でも、一生独身と思えば、体に触れることが出来なくても羨ましいかも。 「SINK」は、生き残ったものに出来ることは、死の理由を書き換えること。それが出来る権利を持つのも、その人だけだと思う。 全体的に、文書が綺麗。
0投稿日: 2015.01.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
心中をテーマにした作品集。テーマは重い、でも読みやすい、でも死を軽んじているわけではない。読後感もこのテーマにしては苦しくない。今ある生を、だいすきな人たちと体温をもって生きていられる今を大切にしようと思った。
0投稿日: 2015.01.13伝わる想い,伝わらない想い
人の想いはどのくらい相手に伝わっているか,そもそも自分の想いは本物か。そんなことを考えるきっかけとなる作品です。
1投稿日: 2015.01.11
powered by ブクログ現実に絶望し、道閉ざされたとき、人はどこを目指すのだろうか。 すべてを捨てて行き着く果てに、救いはあるのだろうか。 心中(もしくは自死)をモチーフにした短編集。 テーマは心中でありながら、主人公はみな生きる人たち。 死を身近に何を考え、何を想うのか。 死を選ぶ人たちにとって、死は救済であり、絶望的な生からの離脱であり、誰かに何かを訴える究極の手段でもある。 一方で、本書に登場する死は、餓死、焼死、溺死と壮絶なものが多いです。 「天国旅行」なんて美しいタイトルに反して、死は残酷な一面も持っている。 解説で角田さんが言っているように、小説では時に死が不必要に美化されていたりすることがあって、読み手を泣かせるためだけに描かれていることさえある。 それでも、誰にも等しく1度しかない「死」について、読みたびに涙してしまう。 本書では淡々と妻への想いを綴る「遺言」に泣かされました。全体を通して、生と死と夢が入り混じる不思議な読了感。しをんさんの語り口がやさしくて好き。 「初盆の客」や「星くずドライブ」も切なくて好き。
1投稿日: 2014.12.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
心中(自死)をテーマにした短編集。 だからけして軽くはないし楽しくもないけれど、単純にこの作者さんはおもしろい物語を紡ぐ人だな、と思った。 先が予想しにくいし、気になるからどんどん読み進められる。 角田光代さんによる解説にもあったけれど、不思議な関係性の物語が多かった。家族でもない、友だちでもない、でも実は自分を助けてくれているのは、親しくはない誰かなのかもしれない。 自殺しようとした人が救われて生きることに決めたり、本当は生きたかった人が報復のために死を選んだり、一家心中の生き残りが少しずつ希望のあるほうへ進んで行ったり…様々な“生と死”が描かれている。 綺麗事ではないし、泣かせるための死を描いているわけでもない。 ただ生物として産まれれば避けては通れない死というものを、壮絶に、厳しく、そして温かく描いている。 これもあとがきにあったのだけど、最近の物語は、読者を泣かせるために必然性のない死を扱っているものが多いように感じるとあって、確かにそうなのかもしれないなと思った。 それでも結局読んでて泣いてしまったりはするんだけど、そういう意味でこの小説は、それらの物語とは一線を画しているってことなんだと思う。 三浦しをんさんの小説を読むのは初めてでした。映像化されてるのはけっこう観てるんだけど(まほろ駅前シリーズとか、舟を編むとか)売れてる理由がわかった。 変わった設定が好きだからツボにはまった物語が多く、「初盆の客」「炎」がとくに心に残りました。
2投稿日: 2014.12.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
独特な短編。 もう1回は読まないけどまあまあおもしろかった。夢での世界を持っている女性の話はこーゆー人もいるのかなって考えてしまった。ある意味2次元の世界を体感しちゃってる。
0投稿日: 2014.12.12
powered by ブクログ読書時間 3時間20分(読書日数 16日) 「心中(死ぬ)」というテーマで書かれた短編集。前作「きみはポラリス」に続くものだと思っていたので、こういう一面を見ることができたのは、さすがは引き出しが多いなぁと感じることができる作品。 扱っているテーマが重たいだけあって、やっぱり心の中がモヤっとすることが多いのも事実だが、自分が「死ぬ」ということを日々考えていることもあって、どこか共感できちゃったりする部分も有る。 死ぬことで「想いを表現する」ということもあるが、それでも「生きてる方がいい」と最後には思い返させてくれるのである。
0投稿日: 2014.11.07
powered by ブクログ三浦さんらしい、美しい文章だった。 特に『遺言』の文章の美しさがとても好きになった。死をどうとらえるか?角田さんの後書きも良かった。
0投稿日: 2014.11.02
powered by ブクログ「心中」を共通のテーマにした短編集。生と死、小説のモチーフとしてはよくある題材だか、三浦しをんさんならではの切り口が斬新で、ひとつの作品を読み終える度にうーんと唸らせる。 死を選択する覚悟と逃避が、登場する人物の生き方でここまで違うのかと思う。ただ、子供を道連れにしたり、犠牲にするのは心が痛む。それだけは親の責任として絶対やってはいけない。
0投稿日: 2014.10.28
powered by ブクログ心中をテーマとした一連の作品はどうにも読後感がよくない。 自ら選ぶ死というものが決して美しくも予定調和をもたらすものではないからなのだろう。 あとがきにもあるように、死を感動をもたらす万能の小道具として軽々に扱わない覚悟なのだろうか。 だからこそ、死を選ばない遺言の作品が心に残った。 (2014.10.23)
0投稿日: 2014.10.23
powered by ブクログタイトルを見たとにあ、イエモンだって思ったら、歌詞が引用されててちょっと親近感。 心中がテーマの短編集なので悲しいお話が多かったけど、「星くずドライブ」が悲しいはずなのにさらっと読めて楽しかったな。
0投稿日: 2014.09.28
powered by ブクログ他人からすると「どうして」と思えるようなことで、ひとは死を選ぶときもある。苦しみはいつでも、相対的なものではない。 きみの微笑み、きみと歩く見慣れた町並みが、どんなに私の心を明るくしたか、きみは想像したことがあるだろうか。きみが考えるより数十倍強く、きみは私の精神に影響力があった。きみの言動、きみのふとした気色で、私は世界一幸福にも不幸にもなるように感じられたものだ。私のすべてはきみのものだ。きみと過ごした長い年月も、私の生も死も、すべて。 言葉を、心を、つまびらかに証すことができればいいのに。ずっと一緒だ、と安心させてあげられればいいのに。
0投稿日: 2014.09.07
powered by ブクログ14/08/15読了 心中をテーマにした7編の短編集 裏表紙に、「出口のない日々に閉じ込められた想いが、生と死の狭間で溶け出していく。すべての心に希望が灯る傑作短編集」とあるけれど、希望が灯るかな?笑 希望というよりは、地面に這いつくばらない、死なない、それだけは守ってぎりぎり生きていこうとするひとの業みたいなものが残る気がした。 三浦しをんは設定をつくるのが上手い、と誰かがのべていたけれど、長編よりは短編小説向きなのかも
0投稿日: 2014.08.15
powered by ブクログあまり好きではない短編集だったことが、救いだった気がする。 一話一話がすごく重かった。 「死」を真ん中において、生きた人間がそこに踏み込んだりそこから逃れようともがいたりする様が、あまりにも本音で、まともに突きつけられると苦しくなった。
0投稿日: 2014.07.20
powered by ブクログ心中をテーマに据える7つの短編。 「心中」っていうのは誰かと共に死ぬことのはずだけど、この作品集ではかなり広くこの言葉を捉えてるのがすごいとこ。「初盆の客」「星くずドライブ」なんかはなるほどなぁと。 全体的に語り手がみんな身勝手なことも印象に残ったなぁ。みーんな勝手なこと思ってる癖にそれを言わなかったり決めてかかったり諦めてたり。特に後半四つ。僕はそういう小説好きでない。対話し続ければ心中など起こりえないことの逆説的な主張なのかしら。 その中で異彩を放つのが「遺言」という作品。確かに勝手なんだけど押しつけがましくないし、最後の1ページは震えるほど美しい。三浦しをんの真骨頂。この短編だけで読んで良かったと思える。
0投稿日: 2014.07.13
powered by ブクログ死(心中)を扱った小説だったが重たさはなくさらりと読める。 「森の奥」と「初盆の客」「星くずドライブ」が個人的には好み。
0投稿日: 2014.05.17
powered by ブクログ自殺・心中の死を軸に、重さだけで終らせない変調に富んだ短編集。壮絶さを鮮烈に焼き付けられ、どう受け入れ、どう昇華するのか?…それぞれ完結のない文末は、キャスト毎の行方を考え寄り添わせる。"天国旅行"、、軽めの書題のトーンの中には妖艶さも混ざりこむ様だ。
0投稿日: 2014.05.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「心中」「自殺」をテーマとした死と向き合う人たちの話が7作収められています。 妻へのあてつけに自殺しようとしたり、一緒に死ぬことが愛の証と信じたり、一家心中の生き残りの者が過去の記憶と向き合いながら苦しんだりする。 個人的には「星くずドライブ」と「君は夜」が印象的。 死を決意しながらも、やっぱり生きていることのほうがが希望である、と思わせる作品が多い。 短編集なので移動中に飽きずに読めました。
0投稿日: 2014.05.06
powered by ブクログ初めて『天国旅行』に出会ったのは一年生の春。訪れた池袋のジュンク堂で、単行本の表紙を見て是非読んでみたいと思っていた。やっと手に入れて、読了。 いまをときめく三浦しをんさんの短編集。タイトル通り、心中や死をテーマとした作品の集まりだった。『森の奥』では自殺を決意して樹海に迷い込む男、『遺言』では再三死を決意するほど実のこがれる恋にやつした男の独白。他七篇が収録されている。 印象に残ったのは『君は夜』と『炎』『SINK』だった。 『君は夜』では夜な夜な夢の中で江戸時代の人間として生活する理沙。夢の第二の人生に囚われながら、鏡映しのように根岸との関係にのめり込んでいく。 『炎』は毎日バスで通学していた私は、立木先輩に密かに想いを寄せていたが、ある日先輩は突然焼身自殺をしてしまう。先輩との恋人である初音と共に真相を究明するために奔走する。 『SINK』は一家心中の生き残りだった悦也と、彼の仕事仲間であり腐れ縁の友人である悠介との友情とは言い切れぬ関係。 どれも誰かの死、あるいは自分の死において人生が揺らいだ人々の物語だ。物語の上で死を描くのは容易い。そういった事実を述べてしまえばいいだけだ。だがそれは現実と同じように、物語の中でも多大な影響を及ぼすものであるはずだ。『君は夜』のようにあるひとりの女性を初めから終わりまで支配することもあるだろうし、『炎』や『SINK』のようにそれぞれを引きつける繋がりとなることもあるだろう。 巻末の解説では角田光代さんが「「泣ける」という言葉が、感動と混同されるようになって、そうした安易な死が増えているように私は勝手に思っている」と言っていた。 それを読んだとき、本編とは直接関わりのない一文ではあるが、「それだ」と確信を得た気持ちになった。 これら七篇の物語のように、死というものは人に絶大な奔流をもたらす壮絶なものであるはずだ。その時一点においてはひっそりと、あるいは静かに、密かに終えてしまうこともあるだろう。だがその失うという事実が、失ってしまったという認識が、周囲の人間をときには繋ぎとめ、縛りつけ、引きつけたりと多様に作用するそのエネルギーとも言うべきベクトルを生じさせる。死そのものにそれがあるのではなく、その事実から水面に落とした石のように波紋が大きく広がって行くのであって、言ってしまえば死そのものには揺らぎを起こすきっかけでしかない。それがあるから安易に「感動」と結び付けることに違和感があった。 この短編集はまさにそれを描いてくれていると思う。どれも感動とは言い切れない内容や結末だが、存在する「死」というものにそれぞれが惑い引き寄せられ混乱しながらも消化しようと喘いでいる。真に迫った語りかけでありながら、読みにくさを与えないのは三浦さんの淡々としながらさっぱりとした文章のおかげだろうか。 どれも幸せとは言い切れない結末が多い。それでもどうか、汚れた心とこの世にさよならをしないで、と語りかけているようでもあった。
0投稿日: 2014.04.24
powered by ブクログ心中をテーマにした短篇集。けっこう衝撃的な話とか、ひどい話もあるけど、あったかくじんわりくる話もある。 「遺言」がすばらしかったです。なんともいえず。 あと、「星くずドライブ」の、少女漫画みたいな設定と展開に、ずっとどうにもしがたい絶望感が漂ってる、不安感みたいなのもすばらしい。 かなりおもしろかったです。
0投稿日: 2014.04.22
powered by ブクログせまいベッドの列車で天国旅行に行くんだよ。 汚れた心とこの世にさよなら。 自分の不幸は自分のものだ。 他人にわかってもらうものじゃない。
0投稿日: 2014.04.22
powered by ブクログ心中や自死などの自ら選んだ死をテーマにした短編集。天国旅行というタイトルと表紙絵の雰囲気から想像していた内容とはかけ離れて非常に重たい内容。それにしても、読み終えた今、この本を読むのに最適な精神状態と環境とはいったいどのような状況なのだろうか?落ち込んだ時?前向きになりたい時?と考えてみるがなかなか答えが見つからない。裏表紙にある「すべての心に希望が灯る」の文句ほど全体を通して救いに満ちていたとはいえないが、それでも、いずれの短編も生きていくことと死ぬことの壮絶さを深く考えさせられる。
0投稿日: 2014.04.13
powered by ブクログ印象的な短編集でした。 個人的に、 ・星くずドライブ ・SINK の2つが好きです。 どちらとも死にふれるお話でしたが、両方とも心に残ります(。-∀-。) 特にSINKは大好きです。 一家心中で生き残った男性が主人公です。 どうか最後、1ページの内容が真実でありますように…。
0投稿日: 2014.04.12
powered by ブクログ死にまつわる短編小説。 三浦さんの作品は何冊か読みましたが、その中ではダークな感じだなぁと思いました。扱うテーマが死なのでそうならざる得ない感もありますが、 文庫の表紙がとても可愛い感じだったので裏切られました。 いつも共感できる心理描写が今回は少なかったなぁと感じます。 でもさすが、一度読み始めたら止まらなくなる文章はさすがだなぁと思いました。 2014.4.4
0投稿日: 2014.04.05
powered by ブクログ「死」をテーマにした短編集だから『天国旅行』なのか、と思いながら読んでましたが、巻末の作者のコメントを見て初めて「心中」がテーマだったことに気づきました。 ホンワカしたタイトルとは裏腹に、様々な形で死ぬことについて提示してくるので、読みながら少し緊張してしまう。 でも、死ぬことについて書くことで生きることについて書いているわけで、そこがこの小説の魅力になっています。 説教臭くなく、現実離れせず、人間に対する愛があり、お話としてちゃんと面白い、というあたり、この作家の、信頼がおけるところです。 ほろりと来た「遺言」と、サスペンスタッチの青春「炎」、がよかったかな。
0投稿日: 2014.03.31
powered by ブクログ死、それも心中や自殺をテーマにした短編集。 人が死を選ぶ時、また残された人たちの思い。そこには愛や憎しみがある。 不思議で悲しくて、そして愛しくも感じ、でも切ない、それぞれの物語。 2014.3.1
0投稿日: 2014.03.01
powered by ブクログう~んちょっと辛かった… 数か月前に読み始めて、あまりの苦しさに読み進められず、一時放って置いて、再開したのですが… 自分の負の感情と同化して、どこまでも落ち込んでいきそうなのだ。
0投稿日: 2014.02.09
powered by ブクログ三浦しをんの天国旅行を読みました。 「死」をテーマにして書かれた短編集でした。 死を覚悟したとき、誰かの死に立ち会ってしまったとき、人は何を考えるのか。 物語として気に入ったのは「初盆の客」でした。 ウメおばあさんの初盆に焼香に訪れた客は、おばあさんの孫娘とウメおばあさんに関する昔の話を懐かしそうに話します。 ところが、その客は忽然と消えてしまいます。 不思議に思った孫娘は逆にその客の家を訪れるのですが、その客はずいぶん昔に亡くなった人だったのでした。 昔のエピソードを聞いていくうちにウメおばあさんの若い頃の姿が明らかになってきます。 この本に収録されている物語は暗い物語が多いのですが、これはちょっと気持ちが温かくなる物語でした。
0投稿日: 2014.01.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
心中をテーマにした短編集。 死にたいと思う事がある。 生きてても何もいい事ない。 でも生きてみなきゃわからないので とりあえず生きてみようかな。 ってなる。
0投稿日: 2014.01.26
powered by ブクログ短編「遺言」の最後のくだりが好き。きれい(*^^*) 解説を読んで、なるほどと思った部分。 「泣ける」という言葉が「感動」と混同されるようになったことで、登場人物の安易な死が増えている中、この小説は、死をどう描くかと向き合っている。
0投稿日: 2014.01.23
powered by ブクログあまりに切ない。★5個にしたかったけど、悲しいので4つ。 でも全部現実にあるような気がする。 私はやっぱり三浦しをんさんの文章が好きです。 引き寄せられずにはいられない。 あとがきで角田光代さんも書いているが、各作品での人間関係が多様だ。 前にもあったような設定とか雰囲気とかがあまりない。 いつも新しい世界に入ることが出来る。
0投稿日: 2014.01.13
powered by ブクログ「死」をテーマにした短編集 「君はポラリス」や「船を編む」の作家さんだったのですね (どちらも読んでないけど) 自死だったり心中だったり・・・様々な死を中心に天国旅行 死者と生者の境目ってどこにあるんだろう?? 自分も時々「あの時死んだのは本当は自分の方だったりして」 なんて不思議な気持ちになるので 天国旅行ってそんな死者と生者の交流だったりもするのかな 一つ一つが短いお話なので移動の最中読むのに丁度良かった 2014年の年頭の一冊が「死」から始まるって・・・(´・_・`) とも思ったけど(笑)
0投稿日: 2014.01.12
powered by ブクログ面白さとしては★4だけど、ちょっと辛くなっちゃうくらいの話もあるからマイナス★ひとつ。 「遺言」には純粋にホロリ。解説にあった視点で読み直すと、また新たな物語が見えてきて面白い。
0投稿日: 2014.01.06
powered by ブクログ心中、自死をテーマにした短編集。 それぞれの生の終わり方を書くことで、作者は何を書きたかったんだろうか。主人公とその傍らにいる人との関係、存在、対話が印象的で、死を通して、その周りにいる人を書きたかったのかな・・と思った。 死の世界に行く者は、生の世界にいるものに、生きていることの尊さとか、素晴らしさを、伝える、生きている人は受け取る・・・と、よく言うけれど、そんな単純なことではないのではないかと思った。 苦しさから助けられることを求めて、死を選ぶ。 間違っているか、正しいか、他人にはなんとも言えないのだと思った。 彼女が亡くなり、その霊と一緒に住み続ける人のお話の中で、 生者と死者の違いはなんだろうか?と、自問自答していて、 とても印象的だった。 主人公は、恋人が亡くなり、霊になった彼女と、暮らしている。 死んでいるのに、生きているような錯覚に陥る。 生者とのあいだには何かが生まれるが、死者とのあいだには何も生まれない。人が死の世界に行き、姿がなくなって、人は次の段階へと行けるんだなと思った。 それぞれの切実さの中で終わっていく生。 心に深くのこる物語でした。 三浦しをんはこんな本も書けるのかー。
0投稿日: 2014.01.04
powered by ブクログ読んでいる最中は夢中になって先へ先へと手が進んだ。 本を置いて他ごとをしているとき、作品の持つ雰囲気から抜け出せず、なんだか心に重みが残るようだった。ただ重みと言っても暗くなるわけではないのが不思議。 2013/12/19
0投稿日: 2013.12.20
powered by ブクログ心中をテーマにした短編集 人が最期を考えるとき 自らの手で命を絶とうと、それも誰かと共にするときに 強い意志と、揺らぐ心と 一体と、裏切りの可能性を その一時に、張り巡らす それぞれのストーリーが 不安定さを持っていて なにか他人事とも捉え難かった
0投稿日: 2013.12.19
powered by ブクログなんとなく、死がテーマになってる短編集。これを読んで思ったのは、あっしをんってこんなかんじだったっけ、っていう。船を編むとか風が強く吹いているとか色々流行って、流行作家みたいになってるけど、なぜ流行ったかというとやはり分かりやすいからかな、と。本当に分かりやすい。解釈の余地なんて微塵もない、エンターテイメント性の高いものだな、と感じる。内容自体はしっとりとしているけど。分かりやすさってすごい。けど、分かりやすいものってどうなのかな、と疑問を持ったりもする。
0投稿日: 2013.12.16
powered by ブクログ心中がテーマの短編集、とのこと。 死が人と人を別つということはもちろん悲しいのだけど、死によって人と人を永遠に結びつけることも、とても悲しいなぁと思いました。 三浦しをんさんの描く「死」は、すとんと自分の中におさまりました。重すぎず軽すぎずお涙頂戴でもなくて、そこがとても良かったです。
0投稿日: 2013.12.15
powered by ブクログ同作者の「風が強く吹いている」と比べると、面白さに欠けるものがありました。 本の帯に「人生が愛おしくなる7つの物語」と書いてありましたが、個人的に、人生が愛おしくなるという表現が合う小説ではなかった気がします。 物語としては、飽きずに読めたので、つまらないということではありませんでした。
0投稿日: 2013.12.07
powered by ブクログ心中をテーマにした短編集でしたが、イマイチしっくりこなかった。 最初と最後にBLの香りを漂わせるなど三浦氏らしい片鱗が見えるものの、独特の目線が発揮されていないような気がする。
0投稿日: 2013.11.26
powered by ブクログ『死』をテーマにした短編集。 良いなぁと思うものもあれば、あんまり・・・と思うものもあり。 この本に限ったことではないけど、短編集ではやっぱり物足りなさが残るなー。
0投稿日: 2013.11.22
powered by ブクログ幽霊の話泣いた。 人の弱いところまで見てこそ本当に好きになれるって素敵。 昨日のEテレでも見たけど、弱さを恨むんじゃなくて、それでも前向きに生きるところに人の美しさが生まれると強く思うよ。
0投稿日: 2013.11.20
powered by ブクログ表題作が非常に苦手な感じだった。同じ毛色なら断然「君はポラリス」派。奥さんへの恋文のはよかったな。生き死にを正面から扱うというのはむつかしいね。
0投稿日: 2013.11.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
装丁が綺麗で手に取りました。 帯タイトルは 「愛の果ての、 救いを求めて。」 死をテーマにした短篇集。 富士の樹海に自殺しに向かった男の「森の奥」 駆け落ち同然で結婚した夫婦の老後「遺言」 ちいさな村で起こった不思議な出来事「初盆の客」 寝ているときの自分が侵食してくる「君は夜」 大好きな先輩が校庭で燃えた「炎」 死んだ彼女と「星くずドライブ」 一家心中でひとり生き残った「SINK」 前回読んだ絲山さんの「ニート」と言い、 なんだかこーゆーのを引き寄せてる気がする。苦笑 もしくは自分で無意識に選んでるのかなあ。 村上春樹かなんかで 生と死は対極にあるわけではなく いつも生と死は共にある、みたいなのを読んだのを思い出しました。 「森の奥」は好きだなあと思ったけど、 本多孝好の「MISSING」の短編に似たようなのが あった気がしました。だから好きなのかと。 文章が頭の中で映像になって それを鮮明に覚えているのが「炎」 きっと登場人物の心の中に焦げ付いて残る出来事であろうに それは一瞬で、恐ろしくもあり鮮やかでもあって。 あとは「SINK」 一家心中の生き残りの主人公の話。 彼の頭の中には仄暗い海底と 何故という気持ちが常に付きまといます。 他者の好奇の目や、同情心、すべてがうっとおしく感じ 拒絶をしますが でも・・・もしかしたら・・・とおぼろげな記憶を辿ります。 悲しいけど母親に包まれていると信じたい一編でした。
0投稿日: 2013.11.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
死に関連した短篇集。 同じ作者か?と思うほど印象の異なる短篇集なんで作者の力量に感服する。 個人的には「遺言」がユーモアもあり好き。 ★は3.5くらいかな?という気もするけどちょいとおまけの4つで
0投稿日: 2013.10.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
君はポラリスが結構はまったので今回も読んだが、全体的なテーマが死かな?と思うのに三つ目の話を読むまで確信できなかった。あとがきに全体的なテーマとして心中があると書いてあって納得。 やはり死というテーマ故暗い話やミステリアスな話が多かったが割と楽しめたと思う。 スッキリする話は少なかったが"初盆の客"はオチも決まっててよかった。 お気に入りは初盆の客。
0投稿日: 2013.10.30
