
総合評価
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powered by ブクログ戦時下、母親に預けられた双子の少年が祖母の家で暮らしながら、生き延びるために自分たちを鍛えていく物語。 とにかく冷たい、短い、説明しない。感情語がほぼ出てこず、何が起きたか、何をしたかが簡潔・無感情な文章で記述される。 子どもが語ってるはずなのに、冷静すぎる語り口が妙にしんどい。正直、優しくないし救いもほとんどなくて、読後もちっとも軽くない。 でも、戦争文学としても人間の物語としても、強烈に残る話だった。 今作は三部作のうちの一作、先を急ぎます。
12投稿日: 2026.01.10
powered by ブクログ感情が一切排除されたテキストは、生きるために感情を麻痺させるしかなかった双子の姿そのもののよう。暗澹な世界の描写の連続に、これ以上読みたくないと思いながらもページをめくる手が止まらなかった。 母親からの愛情に満ちた言葉を忘れるため、そして罵詈雑言に慣れるために、互いに罵り合う練習をする。「いく度も繰り返されて、言葉は少しずつ意味を失い、言葉のもたらす痛みも和らぐ」 それはなんて悲しいことだろう。 感情を描写することが必ずしも感情を伝える訳ではないということを私に教えてくれた偉大な1冊です。そして終わり方が圧巻。
0投稿日: 2026.01.09
powered by ブクログ本書に登場する双子はもともと異常なところがあって、おばあちゃんのもとに預けられることでそれが加速したという印象を受けた。特にその異常性を感じるのは、生物を殺すことへの抵抗のなさ、無駄な感情を無くし、目的達成のために非道徳的な手段を厭わないという点である。 最初はおばあちゃん < 母親というふうに思われたが、最後には母親父親どちらにも執着しない様子が描かれて、見てはいけないものを見ているような感覚になった。大変面白い。
0投稿日: 2025.12.28
powered by ブクログあっという間に読んでしまった。 第2次世界大戦中のハンガリーで生きている双子の男の子の日記が描かれている。 細かい描写まで書かれていて戦時中の環境や過酷さを知るとこができた。 登場人物一人一人の個性もしっかり書かれていてとても読みやすかった。
0投稿日: 2025.12.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画視聴後に続きが気になり読み始めました。 細かい話ごとに分かれてあるので読みやすく、さくさくと読めます。 映画のラスト同じですが内容はやはり小説の方が濃いです。 映画も中々だと思いましたが、小説はそれを上回るえぐみがあります。 また二人の表現力が高く、「頭蓋に受けた愛撫は捨てられない」みたいな表現がとても切なくて好きです
0投稿日: 2025.12.14
powered by ブクログ高校時代の友人に勧められた本。 普通ならこうするとか、こうであるべきみたいな常識が、本当に自他にとって利なのか、あるべき姿なのか、考えさせられるお話。 特に、戦争で普通はやってはいけない究極のこと=殺人を大人が行っているなか、周りにあふれているなかで、普通はこうであるべきみたいな上っ面なことは説得力を失う。常識に縛られていないまっさらな子供がそういう状況で、冷静に物事を考えた時の正義や対応はそうなるんだなというのがすっと納得できた。特に手榴弾のお話では、非常識に思える行動も、二人の人間性への真摯な愛や情熱が感じられると思った。 常識やマナー、道徳を何でもかんでも守れば良い、守れないのは悪というような考えは馬鹿げているなと感じた。。 私は家でも学校でも比較的「良い子」で育ってきた。その自分に感じるのは、他人の尺度を自分のものとすることにあまりにも慣れすぎて、自分で考えない精神的な未熟さ。他人の尺度で行動するので周りには良い子として見られるけど、信念はなかったと思う。 2人は誰の考えも借りず、徹頭徹尾自分たちで考え、自分たちの責任で行動する。中学生ぐらいの自分に出会わせてあげたかったように思う。
10投稿日: 2025.12.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
双子の「ぼくら」が互いを鍛え合い、異常なほど賢く強くなっていく。 人間味が失われているように思うが、生きるためにはそうならざるを得なかったのだろう。祖母と双子の関係が、最初に祖母の元へ連れられた頃からラストの祖母が亡くなる前でかなり変化していたのが印象的。 自分の財産を双子に与えたり、母に付いて行かず祖母の元へ残ったり祖母が望むのであれば楽に殺そうというような、残酷な世界の中でも少しの愛情を感じた。 「ぼくら」で語られ、双子であることが最大の強さだと感じていたが、ラストで片方は国境を越え、もう片方は祖母の家へ戻るというのが衝撃。 続きが気になる。
0投稿日: 2025.12.09
powered by ブクログ凄いものを読んだ。文句のつけようがない大傑作である。これは本当に面白い! 戦時下に祖母のいる小さな町へ疎開した双子の「ぼくら」の物語で、舞台は第二次大戦中のハンガリーが念頭に置かれているようだが、具体的な場所は言及されていないので架空の国という読み方もできる。 本作の体裁としては双子が秘密のノートに書き綴った、1章あたり3~5ページほどの日記を読者が読んでいくという形。恐らく二人それぞれが書いている体なので、章によって微妙にトーンが異なるのだが、それが一筋縄ではいかない兄弟の造詣に深みを与えている。 疎開先で次々と起こる倫理もへったくれも無い酷い出来事が、純粋な子ども視点で言葉に一切の装飾が無く淡々と描かれているのが印象的で、その生々しさがリアリティを伴って重層的に読者の胸に響いてくる。 祖父を毒殺したとも噂されている非道な祖母からの嫌がらせに耐え、独学で読み書きを覚え、精神的肉体的鍛錬を重ねていき、やがて盗みなどの悪事にも手を染め、ついには殺人まで犯してしまう。双子が過酷な状況を生き抜くために「悪童」へと変貌していくさまは非常にスリリングで読みごたえがあった。この作品で描かれているのは人間の持つ醜さと純粋さであり、そのコントラストはある種の美しさを纏っているようにも思う。 最終章で亡命の手助けを求める父親に対して双子がとった行動には驚いた。詳細は伏せるが、果たして二人の行く末はどうなるのか。これは続編も読まねばなるまい。
0投稿日: 2025.12.07
powered by ブクログ第二次大戦下のハンガリーを舞台に、疎開して生きる双子の少年の力強い物語。短くも濃厚な数々の章に区切られて読みやすい。少年達の意思や判断が凄すぎる印象だが、戦争の一つの記録小説として読むと面白い。
14投稿日: 2025.12.06
powered by ブクログ第二次大戦末期のハンガリーと思われる街を舞台に、おばあちゃんの家に疎開させられた双子の男の子が、残酷な世界を持ち前の才能を持ってサバイブする。目を向け難い戦争の現実が背景にあるが、その中に生活する人々の人間らしさをダイナミックに描いた傑作。
4投稿日: 2025.11.24
powered by ブクログ著者が女性というのに気が付きませんでした。 30年前に書かれた文章ですが、これが60年前だったら もっとすごいなと、感じながら読みました。
1投稿日: 2025.11.19
powered by ブクログ読書で感情が揺さぶられた時の、「すごい本を読んだ」ではなく、「すごい本を読んでしまった…」という感覚がとても好きです。 これまで「好みと合わなそう」と避けてたのですが、「すごい本を読んでしまった…」以上の感想が出てこなかったです。 とにかくストイックな双子たちの言動と、戦時下にして占領下という特殊すぎる環境、綺麗事が通用しない時代の中で、彼らは本当に「悪童」なのだろうか…??と、読んでいて混乱してしまいました。 自分達の感情はもちろん、双子の固有名詞すら登場しない文体だから、読者からするととんでもないエピソードや事件が、全く特筆すべき出来事でないかのように投下されていくスピード感が癖になります。 終盤にかけては、ほぼ全章で「鎧の巨人と超大型巨人の正体」が明かされたシーンのような不意打ちを味わいました。 1冊の物語として完成されているので、続編を読むことでこの余韻がぶち壊されてしまうのではないかと不安です。 この後の2冊を読んだ方々のご意見を伺いたいです…。
1投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログ主人公は名前も年齢も不明な双子 日常や倫理が崩壊した環境下における防衛反応なのか、個人の資質の問題なのか判然としないが、感情が極端に削ぎ落とされた主人公の語りは児童のものとしては異様に平板 読者の没入を拒むようでいて奇妙な磁力を放っている作品
0投稿日: 2025.11.06
powered by ブクログなんかすごかったなと思った。 まずこの小説は事実のみ語られるので、なぜそのような行為をしたのかこちら側が考える必要があり、それが普通の小説とは違うなと感じ面白さを感じた。 また戦時中のことを描かれているということもあり、たとえフィクションではあるが、今の時代とかけ離れており、本当にそういったことがあったんだと思わせる描写も少なくなかったと感じる。 ぜひ第二章も読みたいと思わせる本でした。
0投稿日: 2025.10.13
powered by ブクログタイトルどおり悪童日記です。 第二次大戦中の欧州のとある国の出来事を、ある双子の子どもの視点で語っています。 彼等は生きるために知恵を駆使して狡猾に振る舞います。
11投稿日: 2025.10.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった。 2人の少年の感情が書かれていないから、我々はこの2人の少年のことを知っているようで知らないということが起きて面白い。 森の中で遺体を見つけたらしいと分かるあたりで、この話は全てを書いているわけじゃないんだと分かり(遅かったかも)、最後の最後にあれなのも納得だし手法が凄いと思った。
1投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログ教育は矯正。感情を抑えた表現が、無垢が内包する狂気をより際立たせている ワクワク7 展開8 読後8 再読7 構成9 学び6 文表現9 人物8 深み7 余韻8 合計:77/100
0投稿日: 2025.10.08
powered by ブクログ「牝犬の子め!おまえたち、わしに同情したって言いたいのかい?」 「違うよ、おばあちゃん。ぼくらはただ、ぼくら自身のことを恥ずかしいと思ったんだ」 という割と始めの文章を読んでこの小説絶対面白いなと思った。そして、あっという間に読み終えた。主人公の双子の子は自分達の考えや価値観があって周りの人に左右されない。自分達で考えて行動する。生々しい出来事も淡々とした文章でサラッと読めた。2部、3部も読みたいと思い購入した。
8投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログ『悪童日記』は、不条理文学と呼ぶにふさわしい作品だと思います。決して心が明るくなる物語ではありませんが、感情を排した無機質な文体が、かえって戦争の悲惨さや人間の虚無を鋭く突きつけてきます。 戦争下で「強くならなければならない」「非情でなければならない」という状況は、人生の儚さや生きることの無意味さを一層際立たせます。読み終えた後には重苦しく、後味の悪さが残ります。 それでも、この奥行きのある文章は、戦争の現実や人間の生き方について深く考えさせてくれました。
2投稿日: 2025.10.03
powered by ブクログ戦時中の小さな町。主人公の双子は、疎開したその町で、自分たちなりの正義を貫いて生き抜いていく。清冽で苛烈な子どもたち。まだ乳歯が生えている年齢なのに。 双子の周囲には、野卑で冷たい祖母や将校、貧しく孤独な隣人の女の子などさまざまな人々がいる。読み進むうちに善と悪、聖と俗が入り混じり混沌として、登場人物たちの印象がぐらぐら動いて変わっていった。主人公の正義すらも、正しいのかよくわからなくなった。そして人間はたしかにそういうグラデーションに満ちた存在なのだろう、と思った。 戦時中の生活や雰囲気の描写は、少し前なら現実感なく古くさいと思っただろう。今は身近な感じがして想像しやすくなっていることが、恐ろしかった。 淡々とした文章なのに、語られる内容は衝撃的で落差がすごい。 でも、解説で続編があると知り、それが一番の衝撃だったかもしれない。
3投稿日: 2025.10.02
powered by ブクログ戦時中から戦後にかけてのナチスドイツとソ連の狭間であるハンガリー国境付近の祖母のもとに疎開した双子の男の子の日記形式で進む話。 固有名詞が出てこなくて、双子も個性はなく「ぼくら」としか書かれていません。お互い会話もしません。 過酷な戦時を生き延びるために二人は痛みに耐える練習、断食の練習などをして日々過ごします。生き延びるためにいろんな悪事もします。 周りに流されることのない二人だけの判断基準。感情を抑えた客観的事実だけを連ねる日記。徹底した無感情な日記が不気味でもあり、逆にその裏の感情を想像してしまう。心まで武装してるの?と思ってしまう。 最終ページが衝撃的だと聞いてはいたのですが、いや、なるほどね! エグいシーンが多いので、笑顔で人に勧められる小説ではありませんが、これは傑作というのが分かります。読後も引きずるタイプのやつ。マジですごい。
14投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログこれは、思ったよりも衝撃的な作品だった。 戦時下で、親元を離れ、魔女と呼ばれるおばあちゃんの家で暮らすことになった双子の男の子。 その子たちの暮らしが日記に書かれた形になっているが、内容が…結構ショッキングだ。 子どもたちは、非常な世の中を生き延びるために、さまざまな「練習」を行う。 殴られて痛みを感じないように、痛みに慣れる練習。お腹がすいても耐えられるように絶食の日をつくる…。 これだけならまだしも、「絶対に必要なこと」なら社会の常識、倫理を打ち破ることも厭わない。 万引きも平気でするし、司祭を恐喝するし、望まれれば毒殺だってする。 彼らは感情を持たない、無敵な子どものようにも見えるが、時おり垣間見える子どもらしさ、優しさにほっとする。 ただ、最後、父親を利用したのには驚いた。そして、まさかの離れ離れ・・・? この子たちの続きが気になる、と思ったら三部作となっているようだ。 なんだか、まだ消化しきれない作品だ。三部作を最後まで読んでみないと腑に落ちないかも。
3投稿日: 2025.09.13
powered by ブクログ第二次世界大戦末期から戦後にかけてのハンガリー情勢、ドイツ軍もソ連軍も見てきた双子の少年 シリアスな内容ながら、悲壮感漂う作品ではないのは、感傷的、主観的にならない文体(少年が書く日記のルールでもある)だから 寸劇のような短い章の連続、思いもよらない最後のシーン、最初から最後まで現実を直視する2人の生き延び方だ
0投稿日: 2025.09.09
powered by ブクログ双子の男の子たちが書いた日記という体の小説。 とてもわかりやすく淡々とした文体で、エピソードごとに分かれているため読み進めやすい。その反面、戦争・貧困・差別等様々な要素が絡まりあい、ストーリーはとても重く暗いものになっている主人公の双子も自由にやりたい放題やり気味な感じがしたが、周りの大人も同じくらいの好き勝手に自己中心的な行動をしている印象を受けた。 何が良いことで何が悪いことなのかを考えさせられる物語だった。
3投稿日: 2025.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
両親の庇護のもと、幸せに暮らしていたはずの賢い双子の男の子。 戦争の苦しみ悲惨さから自分たちを守るため、自ら労働し、勉強し、外国語を習得し、死に対して慣れたり、泥棒したり、傷つけられたりする訓練をする。 私はどうしても、母親としての視点で彼らをみてしまう。 心に残る場面が多くあった。 母親が双子を心配して迎えに来たのに、祖母の元を離れず目の前で亡くなっても動揺せず埋めてしまう2人。 自分のことでいっぱいいっぱいな父親を、利用する2人。 人の死にたいという要望を、抵抗なく叶えてしまう2人。 人の死が当たり前の世界に住んでいて、いちいち傷ついていたら生きていけないのだと思う。 大人たちが始めた戦争に巻き込まれていくしかない子どもたちが、こんなにも残酷にならざるを得ない世界の悲惨さがなんとも言えず悲しい。
2投稿日: 2025.07.30
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第二次世界大戦が激化していく中、疎遠だった祖母の元へ疎開していく双子の日々の出来事を記した作文あるいは日記の体裁の物語。叙情的な表現を排し、即物的な文章で書かれており、戦争の厳しさすらやや寓意的に思える印象を与える文章だった。 昔使っていた単語帳に、”cruel” の項目があった。その単語帳は意味と共に例文が載っている形式で、その時の例文は ”The children are cruel.” だった。この小説を読んでいて、なぜだかこの例文を思い出した。 まだ社会的な価値観が形成されていない双子が、自分たちの目で見た戦時中の景色を自分たちの考えで判断し、世界を発見していく過程が記されており、二人のしたたかさに舌を巻く場面が多かった。どうしてもハンガリーという、第二次世界大戦を通しドイツのナチズムの支配からソ連の支配に移っていく苛烈な舞台で、こんな時代を生き残るための双子なりの術が目につきやすい。けれども、双子はただ周りに反発するだけでなく、双子なりの愛や見方で世界を理解しようとしていたと気付くと、物語により深みが産まれていった。 個人的には、よく引用されやすい章ではあるが、乞食のマネをする章が一番好きだった。隣に住む「兎っ子」のマネをし、乞食として1日物乞いをする。お金や食べ物をくれたり、仕事をくれようとする人、何もないからと撫でていく人もいる。最後にはもらったものを全て捨てていくが、その時の「帰路、ぼくらは道端に生い茂る草むらの中に、林檎とビスケットとチョコレートと硬貨を投げ捨てる。 髪に受けた愛撫だけは、捨てることができない。」という文章はハードボイルドさに溢れていて好きだった。 実は三部作の一作目なのに驚いた。
11投稿日: 2025.07.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この物語の主人公たち(ぼくら)はとても異質な双子、自分たちが生き残るために必要であると感じたことは善悪という感性はなく、ただ必要であるからという理由で淡々とこなす。しかし意外と人情深いところもあったり(おそらくこの少年たちにとって有益、若しくは恩義を感じた人に対して。例えば将校、おばあちゃん、神父などがそれに該当すると考える。)、逆に自分たちにとって取るに足るものではないと判断した人に対しては容赦なく切り捨てていく。 彼らに感情が無かった訳じゃない。ただそこでの生活は感情を殺して生きることがベターだったから。だから機械のフリをした人間と感じた。とにかく本人たちの価値観と信念が明確で、そこから外れた物や人はあらゆる手段を用いて排除、もしくは自分たちのための糧として活用する、冷酷な一面もある。 ここで注目すべきは悪童日記の題名である。日記形式で話が区切られ、転々と場面が変わる展開、また著者はそこに一切の感情を明確に描写はしない。これがかなりシリアスな展開を含んでいても淡々と物事は進んでいくので、読んでいてもそこまで重い気持ちにはならず、またサクサクと読めてしまう不思議な感覚があった。 非常に面白かった。
1投稿日: 2025.07.12
powered by ブクログ●2025年7月7日、グラビティの読書の星で紹介してる男性がいた。 《質問:生涯この本だけは読んでおいたほうが良いと思う、とっておきの、小説を教えて下さい!》に対する回答 「国語入試問題必勝法/清水義範↓ ガダラの豚/中島らも↓ 果てしなき流れの果てに/小松左京↓ アルジャーノンに花束を/ダニエル・キィス↓ ホテル・ニューハンプシャー/ジョン・アーヴィング 悪童日記/アゴタ・クリストフ↓ 消去/トーマス・ベルンハルト」
0投稿日: 2025.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ドライな文章で、客観的に見たら悲惨な兄弟の人生を描く。 怖くて悲惨なんだけど、かわいそうと思うのは許されないような生き方。 でもふたりはちゃんと家族愛を知っている。 それが一般的なものからかけ離れていたとしても。 こういう価値観もある、そうしないと生きていけなかった。 …と衝撃を受ける作品。
1投稿日: 2025.06.22
powered by ブクログこれはいい。 曖昧さを排除し、真実しか綴らない日記というだけあって淡々とした展開だけど、 これが非感傷 無感情 効率中の双子の性質を引き立てている 戦時中の混沌とした世界に適応して、誰も信用せず二人だけの世界で生きていく決意たるや アニメ「ミギとダリ」がイメージに重なった
1投稿日: 2025.06.11
powered by ブクログ淡々とした客観的描写から、人々を翻弄する戦争の過酷さ、双子の倫理観、彼らの変化や成長、おばあちゃんとの関係の深まりなどが伝わってくる。 目的のためには手段を選ばず、冷酷に、感情を捨てて行動する双子。どうやってピンチを切り抜けるかとハラハラする場面もある。最後も意外な展開だった。 他の人も書いているが、漫画の『ミギとダリ』を思い出すのは、双子だからというだけでなく、作者のユーモアに通底するところがあるからかも。 続編も読みたい。
3投稿日: 2025.05.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
第二次世界大戦期のヨーロッパの地獄を、少年たちの目線から描く傑作。少年たちの日記がそのまま作品になっており、とても読みやすい。 少年たちの成長物語のような娯楽性を兼ね備えつつも、当時の価値観や世俗を批判的に描いている。 母親が目の前で死んだり、祖母を自らの手で殺したりと、地獄の経験を乗り越えてひたむきに生きる姿に胸を打たれる。実の父親の死を利用し、ひとりが他国に逃げるラストの余韻がとんでもない。
0投稿日: 2025.05.25
powered by ブクログ双子の男の子の話なので、アニメ「ミギとダリ」を思い出しながら読んだ。淡々と書かれているが、内容は結構ハード。え〜っていう展開が続く。最後も意外だった。「戦争がどんなものか、女はまるっきりしっちゃいねえんだ」に対する女の言葉が秀逸
1投稿日: 2025.05.04
powered by ブクログ文体がどこまでもシンプルなので非常に読みやすかったが、シンプルすぎる故に言いようのない不気味さも感じられた。あまり他にないタイプの作品だったので新鮮で面白かったし、考察したい要素も散らばっているので再読したい。
0投稿日: 2025.04.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「いたずらっ子の双子の話」とだけ前情報を仕入れて読み始めた。 戦争の影響で、都会から田舎の祖母のもとに預けられた双子が書いた日記という体の小説。 双子は日記を記すにあたってルールを決めている。 客観的な事実のみを記入し、感情などという曖昧なものは排除する。 「母親が大好き」はどれくらい好きなのかわからないから不可。 「夜、母親を思い出す」は事実であれば可能、といった感じ。 したがって、双子の日記には母親がどれだけ恋しいかという表現は全く無い。 しかし、「日記には書かれない」だけで、双子は恋しいと思っていたのかもしれない。本当の所は誰にもわからないが、母親に対して何も思っていないわけではない、という表現は随所に存在する。 しかし、感情はノートには書かれない。 悪童日記三部作は一貫して、「ノートに書かれたことと、書かれないことの違い」「何かを書くと、書いたことのみが事実とされ、(事実であっても)書かれないことは読者にとっては事実にならず、消えていく」という、表現物と事実の齟齬のようなものがテーマになっている気がする。 例えば、どんなに忠実な日記を書こうと思っても、文字数や表現の関係で書かないことは絶対に出てくると思う。 朝ご飯はパンにした。 朝ご飯はパンかご飯か考えたけどパンにした。 朝ご飯はパンかご飯か食べないか考えたけどお腹が空いたし、ご飯は冷凍があると思ったけどなかったのでパンにした…。 食事の選択にしろ、人は色んなことを考えたうえで生きている。全部の思考を書くのは困難なので、「朝ご飯はパンにした」だけを記入すると、日記の中では、「ご飯にしようか迷った自分」「冷凍のご飯があると勘違いしていた自分」は、日記の中にはいなくなる。読んだ人には伝わらない。 この、「記述された事実」と、「消えた事実」を、事実しか記入されない日記を読んでいると意識してしまう。 前述のルールのため、記述は非常に淡々としている。 語り口は淡々としているのに、戦時下の状況はめまぐるしく移り変わっていき、文章量はそこまで多くないのに読み終えた後の満足感は驚くほど高い。 最後の一文を読んだ後、しばらく余韻に浸ってしまった。 双子は決してお互いを区別することなく、一貫して「僕ら」と記述され、二人で一つとなり強かに生き抜いていく。 双子は時には悪事も行うが、私利私欲のために生きているというよりは、双子なりの倫理観は持っていて、双子の倫理観と世間の倫理観が異なる場合には双子の倫理観を優先して双子なりの罰を与える、という印象。
2投稿日: 2025.04.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
独特の文体と設定が面白く、一気に読んでしまった。 強くなるためにお互いに罵り合い、傷つけ合う双子。 ラスト一行は驚き。三作品の中でもこれが一番。
0投稿日: 2025.03.16
powered by ブクログだいぶ昔に読み、面白かったのだが消化不良であった本書を再読。果たして物語において双子は本当に「悪童」だったのか。 双子や母親、祖母との関係性を先の大戦における国家同士のアナロジーとして読んでみたいとも思った。双子の国とは。そこには確かに寓話性がありそうだが、本書だけでは読みきれぬ、しかし確かに何かを示唆する異物感が残る。その正体が何かを知りたく、検索すると『悪童日記』は三部作の一冊であった。そんなことも、今更知ることになる。 日記なのか。兎っこは何を意味するのか。双子は周到に自分たちを鍛え上げていく。物事を為すにも完璧に作戦を練り上げる。そんな双子が証拠となるような日記を残すという矛盾。異物感の一つはそれだが、続編で解き明かされていくのだろうか。また、家族の関係性も、行動の動機もよく分からない。 初めて読んだ時とは全く異なる読後感。三部作全て読んでみようと思う。
83投稿日: 2025.03.01
powered by ブクログ久々にここまで刺さる小説を読んだ。 海外作家の文章だけれど癖がなく、するする読めてしまうが、「え?えええ?ちょっと待て」みたいな場面や描写が何度も出てくる。 完全なる善人などいなくて、人間はどこまでいっても人間、愚かだと感じる。登場人物みながある面では優しく、ある面では残酷であることがそれを物語っている。
3投稿日: 2025.01.24
powered by ブクログあまりにもおもしろくてほとんど一気読みした。 「衝撃のラスト」という言葉は多用されるが、最後の一文で自分の呼吸が止まった。 まさに傑作。
1投稿日: 2025.01.15
powered by ブクログ大好きな小説の1つ。 独特な文体で、淡々とログの様に情景が描写されるその手法がなんとも言えずハマった。 淡々とつづられる文章とは裏腹に、そんな事が起こってしまうのかというショッキングな出来事もよく起こる。 気がつけば文章から目が離せず、釘付けになりながら読み進めてしまった小説。 「双子」のお話だが、その内容は書かれた「日記」という事なので、こういった表現になっているんだろうか。
2投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログここ数年積読だった本。 Xによると10年前に私は映画を見たらしいけど、記憶がない。 名前すら出ないおそらく顔と頭がいい乳歯レベルの双子男子がサイコパスな日常を歩んでいる日記。 双子、どちらが書いているとか名前とかないし常に一緒なのでさっぱり区別がつかない。 お母さん恋しいのかと思いきやあっさりだし、ラスト急展開だしなんか見落としたのかと思った。 おばあちゃん、すごい嫌なやつなのにこの双子はなぜ殺さなかったのか? なぜ倒れてから甲斐甲斐しく世話をしたのか? 続編を読まずにはいられないのでネットで買う。
0投稿日: 2025.01.09
powered by ブクログ「悪童日記」三部作の一作目 戦時下にて自らの矛盾、不条理をさらけ出す大人たち。一方「ぼくら」は独自のルールで強かに生き抜いていく ラスト1ページの衝撃たるや!
0投稿日: 2025.01.03
powered by ブクログ戦時下の残忍さや、人の醜い部分と温かい部分が感じられる。最後の終わり方に理解が追いつかなかったので、みんなの感想を見たい。
0投稿日: 2025.01.01
powered by ブクログ2024ラストにベスト小説来た。歴史的でありながら、子どもの視点からの真空地帯的な残酷な美しさもあり、文体も硬質で美しい。言うことなし。
0投稿日: 2024.12.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
すごい話を読んだなと思う。最後まで一切話の展開が読めず、どこに着地するのか分からないまま夢中で読み終えた。 一気に読めたのは、タイトルのとおり、双子が経験した出来事が日記のように淡々と記されていてたので、非常に読みやすかったこともある。 あまり感情は描写されず、出来事のみが書かれているので、行動から双子の心境を考察するしかなかった。さらに、双子が主役なのに各自の名前が一切出て来ないので、読者は個人を識別できない。これにより、一層双子は一心同体なのだと思わされる。 悪童日記というタイトルなので、純粋な双子がどんな悪童に成長するかと思っていたけど、私には最後まで悪童と呼べるほど悪い子には見えなかった。 殺しにも理由があって、倫理観が外れているとは思えなかった。可愛がってくれた女中を殺そうとしたことも理解出来なくはない。 ケチなおばあちゃんがユダヤ人に向かってリンゴを転がしたように、彼らなりの悪への戦いだったと思う。 最初は変わり者で意地悪なおばあちゃんと暮らすことになって双子が可哀想と思ったけど、双方にきちんと絆が生まれていて良かった。リンゴの1件などでもおばあちゃんも完全な悪人ではないと感じた。 全て読み終わり感想を調べるうちに全3作のシリーズ物と気が付いた。続きが気になるので、続編もぜひ読みたい。
1投稿日: 2024.12.06
powered by ブクログあぁ……余韻がすごいかも。 全部で六十二からなる章での構成。 その文体は、 双子ちゃんの作文のような… 日記のような… 各章のタイトルがなかなか秀逸で… 長くても2〜3頁だからすぐに読めちゃう。 そのひとつひとつが『悪童日記』 淡々と書いてあるの。 良いことも悪いことも。 好きも嫌いも。 あっ…でも決して嘘はついてなくって… だからかなぁ なんか怖いの。 ぼくらは「大きな町」からやって来た。 って、子供らしさ満々でしょ。 なんか読むの楽しみ♪ だったんだけど… えっ?の連続。 ズル賢いのレベルじゃなくって… でもね、優しいところもあるの。 頭が良くって…大人をも論破しちゃうみたいな。 はぁ…うまく伝えれない 「きちんと伝えてください。 あなたの説明じゃわかりません。」 って言われそう…。 へへ とにかく…とても深いお話でした♪
30投稿日: 2024.11.29
powered by ブクログ読み始めたら止まらなくてすごい早さで読み終わってしまった 2人から見た『事実』だけが淡々と語られている こんなに続きが気になる終わりだと思わなかった〜
0投稿日: 2024.11.15脳味噌の詰まった心臓
数十年ぶりの再読で筋はとうに忘れてしまっている。 だが次の行で一気にこの不思議な世界観を思い出した。 「ぼくらはおばあちゃんを、おばあちゃんと呼ぶ。 人びとはおばあちゃんを、〈魔女〉と呼ぶ。 おばあちゃんはぼくらを、『牝犬の子』と呼ぶ」 本書は原題の「大きなノート」に綴られる双子たちの作文が元になっている。 その作文には彼ら独自の決まり事があって、主観的で曖昧な描写や、感情を想起させる言葉の使用を極力排し、起こった事実をありのまま客観的に記される。 奇妙なことに名前も一切排除されるため、地名はもとより、女中は女中と、将校・従卒も将校・従卒と属性だけで表記される。 肝心の双子の区別もまるでなく、「ぼくらのうちの一人」としか書かれない。 それにしてもこんなにエログロ満載だったかとあらためて驚く。 子供の視点とはいえ、小児性愛、マゾヒスト的な性的倒錯、おまけに獣姦まで、剥き出しのままたんたんと描写される。 最初は"どこが悪童だよ、いい子ちゃんじゃないか"と高をくくっているが、次第に様相が一変していき、最後には確かに悪童と呼ばわっても仕方がないかと思えてくる。 それにしてもやっぱりラストは衝撃的だ。 最後の一節がとにかく素晴らしい。 タイトルの「別離」が二重の意味でかかっていて、これ読んじゃうと誰かに薦めたくなるのもわかるなぁ。 フランスでも日本でも口コミでヒットした所以もここにある。 キャラクターの要素も大きい。 何かというと「悪魔」だの「牝犬の子」だのとわめき散らすおばあさんも、よくある吝嗇なイヤミばばあなのだが、双子が最後まで慕うほどの度量の深さを併せ持つ。 この双子らの設定がとにかく奇妙で、精神と肉体の鍛錬を怠らないストイックぶり。 "乞食の練習だ、盲と聾の練習だ、断食です、今は不動の時間です"と、やってることは忍者修行と変わらない。 訳者あとがきで堀茂樹氏が指摘している「ぼくら」の魅力を以下のように評している。 「非道な現実に衝撃を受けながらも『お祈り』を拒否し、涙を堪えて『ぼくたちは理解したいんです』と言い切るところに、この『個』の主体的な姿勢、すなわち外界に対して開かれていると同時にあくまで自律的でもある姿勢が如実に表れている。この両面性に注意を払っておきたい。なるほどこの『個』は、いわば心臓まで武装している。生き抜くために必要な残酷さとしたたかさを身につけている」 「心臓まで武装している」という表現にグッと来る。 と同時に思い出しのたが、デュ・デファン夫人が百科全書派を集めたサロンで、フォントゥネルの心臓の上に指を置いて語った「ここにも脳味噌がつまっている」という言葉。 そうそう、この子たちの心臓にも脳味噌がつまっている。 ひたすら合理的で、どこまでも冷静。 計算高いが決して私利私欲のためではない。 盗み見や万引きに人殺しと非道でありながら、彼らの行動基準にはどこか高潔なまでの高い倫理性を合わせ持っている。 司祭館の女中に対しては、おやつを食べさせてもらったり、風呂に入れてもらいつつ汚れた衣類の洗濯まで定期的にしてもらうという恩義を受けていた。 それにもかかわらず、連行されるユダヤ人に意地悪をしたという一点でもって爆殺を計る(死んではいないが顔に大けが)。 この双子の行動原理は容易に理解し難いものがある。 そこにはキリスト教的な博愛主義の倫理観からでは決してない、彼らなりの動機がある。 著者は「おばあちゃんの林檎」で女中とは正反対の行動(連行されるユダヤ人の行列にわざと林檎をばら撒く)を物語ることで、明確な対比の中から彼らの心模様を浮かび上がらせようとしている。 とにかくこの双子が自らの意志で人に危害を加えようとしたのは、この女中に対してだけだったような気がする。 その他は依頼殺人というか、頼まれてやったという形が多い。 この子らの中で他者との契約というか、"約束は絶対だ"という固い信念のようなものがあって、そこには恩義や情などといったウェットなものは一切見られない。 ただ、脳味噌の詰まった心臓があるだけだ。 牧師の双子に対する態度の変化も最初、奇妙に感じられた。 兎っ子家族への施しを目的として脅しとられていた金はいつかからか、この双子への援助基金に切り替わっていく。 聖書を諳んじられるほど教養高いのに、信仰心はまったく双子に対して不憫だと思ったのか、隠された疾しい性的な目的のためなのか。 実際はそのどちらでもなく、彼ら双子に神聖なものを感じたからかもしれない。 不条理で非情な世界に神に遣わされたかのような、どこにも染まらない岐立した何かを見出したのかもしれない。
0投稿日: 2024.11.14
powered by ブクログなんというかこう生々しい?汚い?エログロであまり合わなかった。でも醜い少女の最後は救いがあって良かった。
0投稿日: 2024.11.11
powered by ブクログ文章は幼いのにやってることはえげつない。人に優しくもしてるのでこの双子の善悪の基準が最後まで分からなかった。
0投稿日: 2024.11.07
powered by ブクログ衝撃! この本の構成はなんだ!? 初めての感覚。 まさに人の日記を覗き見している感覚で読んでいる楽しさ。 ストーリーも独特で素晴らしすぎた。
5投稿日: 2024.10.20
powered by ブクログ感想で言いたい事全て解説で言及されていて何を言っても引用になってしまうのですが、まず凄く好みの文体でした。淡白な文だなと思いながら読んでいたら、これは双子の作文だと解説にあって、偶にしか無い心情描写や重い題材の割に爽やかに映るのは双子が見た事実のみ読んでいるからか〜!と理解した途端遠かった双子が急に近くに感じるという面白い体験をした。 心情描写が少ない分双子の残虐性、合理性が目立つけれど決して無情な人間という訳ではなく、喜怒哀楽を感じる普通の人間が戦争が日常に溶け込んだ環境で生き残るべくそれらを克服する過程において形成されていったものと思うと虚しくて、そして文章の淡白さが益々虚しさに拍車をかけるというか……。元々双子にはそういう才能があり、人間として欠落した部分があったように思うのですが、それでも双子が自分達の信条にのみ従いどんな手段も厭わない生き方を確立させた背景には戦争があり、潜在的素質があった為になるべくしてなったとかでは無く責任の所在は戦争にある事が作中一貫して書いてあったように感じ、作者の戦争に対する思いと直接繋がれる好きなポイントでした。 難しくないのですらすら読めるけれど、読後は考え込んでしまうし、共感できる人物が皆無でも物語って楽しめるんだと思った作品でした。
0投稿日: 2024.10.06
powered by ブクログ淡々と進む日記の面白さ ぼくら(双子)は7歳にして疎開先で非情な目にあい、感情を無くし痛みを忘れ生きていく それはサイコパスのごとく 物語には一切固有名詞が出てこないのに状況が鮮やかに浮かぶ しかも起こる出来事はショッキングなことばかりで読む手が止まらない 戦争がいかに恐ろしく愚かなことかと改めて思う エンディング...続編を読まねば 二人の悪童が恐ろしい
4投稿日: 2024.09.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昔、大学生だった子からオススメされた本。 やっと読めた。 双子の逞しさ、精神力の強さを感じる。 戦争がなければどんな子に育ったんだろうか。 なんだかんだおばあちゃんと一緒にいるのがよかった。 これからは一人で行動することにした二人。 逞しく人生を切り開いていくんだろう。
1投稿日: 2024.08.21
powered by ブクログ30年ぶりに再読。 まったく古くないことに驚いた。 戦争や紛争がある現在に通じるものがあるような気がして一傍観者の目線で読んだ。 戦争は物も寛容さも何もかも奪い去るもの。 目の前に突きつけられた思い。
1投稿日: 2024.08.14
powered by ブクログ兎っ子がなんとなく共感できて辛い。きっといい子なんだろうな。愛されて育っていたらふつうの女の子になれたと思う。
0投稿日: 2024.07.26
powered by ブクログ何者にも支配を受けないとは、こうも幾度も自身で選択し、道を切り拓かなくてはいけないものかと。 あらゆる価値観が戦争で壊された後、残された自分と半身を磨き上げていくしかない。磨き上げ方だって自分で決める。 2人でひとつ、完璧だった彼らがああいう選択を選んだのはより世界を広げるためか?
1投稿日: 2024.07.23
powered by ブクログ読むのに覚悟がいります。 かなりヤバい描写もでてくるので、気を付けてください。 最後の結末はビックりしました。
1投稿日: 2024.07.15
powered by ブクログ感想が書きにくい本でした。 でも。 戦争って人間の卑しい部分があらわになるんだなと思った。 それでも生きて生きて生き抜くしかない。 卑しい生き物であることを受け入れながら。 その先に何があるんだろう。 ラスト、なぜ、違う道を進んだのか。 気になる。私だけ? 人に勧めるには相手を選ぶ本、かな〜
0投稿日: 2024.07.13
powered by ブクログ人に勧められて読んでみた。読んだことのない文体、文章で終始圧倒されつつ、続きが気になってどんどん読めた。
0投稿日: 2024.06.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
うおお、怖い。歪んだ世界で同じように歪みながら生き抜く双子。救いもない、懺悔もない、最後は◯◯で終わる。日記×寸劇とあとがきに書かれていたけど、構成がとても巧い。
1投稿日: 2024.06.16
powered by ブクログ海外文学はあまり読まないのだが、お勧めされたので読んだ。まず第一に読みやすい。理由は主人公の双子による口語体で また、少年の日記をそのまま読んでいるような、素直な文章だった。ただ一つ言えることは主人公の双子達に全く共感できないが突き放してみると非常に痛快な感覚を覚える。戦争、差別、貧困、暴力、死、これでもか、これでもかとヘイトの嵐。ただ現実をモチーフにされているのは明らかで過酷な日々に没入してしまう。黒手塚と言われる手塚治虫の闇の深い作品で免疫はある方だが、それでもエグい。言いようもない気持ち悪さと不気味さがそこにある。
16投稿日: 2024.04.29
powered by ブクログ二人の少年の日記を覗き見しているような感覚で読むことができた。 戦争の恐ろしさ、生きていくために考えて行動していく二人。 どんな状況であっても、自分にできることを考えて生きることって素晴らしいと思った
3投稿日: 2024.04.23
powered by ブクログ第二次世界大戦中「大きな町」から「小さな町」のおばあちゃんの家へ疎開してきた恐ろしく頭の切れる美しい双子の男の子。戦時下の厳しい環境を生き抜く様が、2人の書く日記という体でつづられている。 笑いながら蟻を踏みつぶすような子供の残虐性…と言ってしまっていいものか…また彼ら子供が大人に性的に搾取されていることもおぞましくて、それが感情のない客観的な言葉でつづられているのがより一層不気味さを掻き立てる。ラストの展開は衝撃的だった。戦争が彼らをそうさせたのか、元々そういう気質があったのか…。挿絵を付けるならエドワードゴーリーだなと思った。 続編があるようなので読んでみようと思う。
2投稿日: 2024.04.07
powered by ブクログ戦時下の飢え、ホロコースト、見捨てられる障害者などの弱者たち、性的搾取…起こっている出来事は惨い以外の言葉がないが、双子はただあるがまま受容する。かといって黙って耐えるというわけでももなく、ホームアローンのように、知恵を駆使し、時には肉身すらも踏み台にして、生き抜いていく。感情を排しているが、淡々さとも異なる、実感がある文体で、率直に浮き彫りにされる様々な人間性。「衝撃的」などの踊り文句がつけらがちであることにも納得、一気に読んでしまった。
5投稿日: 2024.03.30
powered by ブクログ2人の少年による作文の形式をとった日記です。 本文中にも書かれている通り、徹底して客観的な視点、事実が羅列されています。だからこそ感じる無機質感の中に、強制されない感情を抱かせてくれます。 ただただ戦争を代表とした外的要因に振り回されるだけと思いきや、その中で強く健気に生き延びる「ぼくら」の姿。甘えがちな自分の心に強く刺さるものがありました。
0投稿日: 2024.03.13
powered by ブクログ「主観を一切まじえずに書かれた本がある」と勧めてもらったのがこの本だ。 僕らは悲しい気持ちになった。とは言わず 僕らは涙を流した。と客観的事実のみで構成される。 不思議な本だった。 双子の主観から捉えた世界なのに、主観的な表現がひとつもない。 双子の目に映る世界の追体験ができるが、感情は全て委ねられる。 漠然と、何か他のものにも応用が効くんじゃないかと感じた。 日本語版タイトルは『悪童日記』だが、原書は『大きなノートブック』とでもいうのが近いらしい。 日本語版のタイトルの掴みは素晴らしいものであるが、読み終わると原書タイトルが、当然ではあるのだが、最も本書を言い表していると感じられる。
0投稿日: 2024.03.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・あらすじ 戦時下のある国、厳しい環境下で生き残る双子の少年。 彼らの作文形式で綴られる物語。 ・感想 日記調だけど書いてるのが普通じゃない倫理観の持ち主で、出てくる大人達もやばい奴しかいないから大体ヒキながら読んでた。 でもなんだかすごくクセになる文章と作風で面白かった、 あの子達は生来そういう気質なのか時代のせいなのか分からんけどすごく逞しい。 悪どくずる賢く生き抜く彼らはすごく魅力的だった。 3部作らしいから次も読みたい。 あの不思議な魅力のあるふたごたちが最後ああなってしまって、その先どうなるのかすごく気になる。
0投稿日: 2024.03.03
powered by ブクログちょっと不潔でちょっとエロい大人の絵本。 ヨーロッパの作家の作品って、作品自体の出来や内容の崇高さに関わらず「不潔でエロい」と感じることが多いのですが、それが狙いなのか私が神経質すぎるのか?? 内容は重いが児童書のような文体と形式でとても読みやすく、話自体も面白いので一気に読んでしまいました。三部作ということで、まだあと二作あるので続きが楽しみです。
1投稿日: 2024.02.20
powered by ブクログ終わりかたのせいで余韻がすごいのですが、3部作なんですね。だとしてもすごい終わり方。いきなり緞帳がドオンッと落ちたようです。 戦争が激化して、大きな街から小さな街の祖母の家に疎開した双子の男の子たち。そんな彼らを取り巻く暴力、貧富、欺瞞、奔放な性行為、差別などの酷い環境。双子たちは生きていくために、労働や「学習」やあるいは盗みや殺しをしていきます。この話はそんな彼らの日記のていで進みます。 彼らの日記は感情を挟まず、事実を書くというルールがあるのですが、それが独特の陰影を生んでいるように感じました。無機質に描写されたせいで、より酷さが克明に思われるというか。白黒写真を見て不意に、見慣れている物がまとっている陰影に違和感を感じるのに似ているのかも。 双子は自分たちで何が本当に必要なことであるかを選んで生き抜いていくのですが、日記には感情が一切伺えず、サイコパス的にも見えます。徹底的に感情を排した日記は、「正義感」「敵と味方に分類する」「憎悪」など、そもそも感情や感覚が戦争などの悲惨さの一因という意味なのかな。
7投稿日: 2024.02.06
powered by ブクログ読み終わった時え??って言っちゃった 国語の授業でありそう。本気で寒気がするシーンが多くて文章なのにすごいな〜ってなった
0投稿日: 2024.01.24
powered by ブクログ双子の不条理な現実の受け止め方が興味深かった。一つ一つ徹底的に練習して自分のものにしていく彼らには悲壮感がない。過酷な生活に押し潰されることなく、冷静に、時に冷酷に生きていく。 双子の『紙と鉛筆とノートを買う』の交渉、『恐喝』のゆすりは秀逸だった。 最後は、え?という驚愕とその余韻の中で、続きの2作もぜひ読みたいと思った。
10投稿日: 2023.12.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
⚫︎受け取ったメッセージ 狂気。毒。 過酷な戦中、終戦時 早熟で双子が感情抜きで 事実のみを語る形をとった サバイバル日記 ⚫︎あらすじ(本概要より転載) ハンガリー生まれのアゴタ・クリストフは幼少期を第二次大戦の戦禍の中で過ごし、1956年には社会主義国家となった母国を捨てて西側に亡命している。生い立ちがヨーロッパ現代史そのものを体現している女性である。彼女の処女小説である本作品も、ひとまずは東欧の現代史に照らして読めるが、全体のテイストは歴史小説というよりはむしろエンターテインメント性の強い「寓話」に近い。 そもそもこの小説には人名や地名はおろか、固有名詞はいっさい登場しない。語り手は双子の兄弟「ぼくら」である。戦禍を逃れ、祖母に預けられた「ぼくら」は、孤立無援の状況の中で、生き抜くための術を一から習得し、独学で教育を身につけ、そして目に映った事実のみを「日記」に記していく。彼等の壮絶なサバイバル日記がこの小説なのである。肉親の死に直面しても動じることなく、時には殺人をも犯すこの兄弟はまさに怪物であるが、少年から「少年らしさ」の一切を削ぎ落とすことで、作者は極めて純度の高い人間性のエッセンスを抽出することに成功している。彼らの目を通して、余計な情報を極力排し、朴訥(ぼくとつ)な言葉で書かれた描写は、戦争のもたらす狂気の本質を強く露呈する。 凝りに凝ったスタイル、それでいて読みやすく、先の見えない展開、さらに奥底にはヨーロッパの歴史の重みをうかがわせる、と実に多彩な悦びを与えてくれる作品である。続編の『証拠』『第三の嘘』も本作に劣らない傑作である。(三木秀則) ⚫︎感想 非人道的な戦争、常に冷徹な双子の行動、主観を排除し、事実をあるがまま書くという体裁で書かれた二人の9歳から15歳までの間の日記。二人の完全なサイコパスぶりと、気持ちの揺れは全くかかれないせいで、感情のない人間二人が浮き彫りになり、余計に気味が悪い。 日記小説はたくさん書かれてきたであろうが、「悪童日記」は黒い光を放つ、唯一無二の小説であると思う。 最初に衝撃を受けるのは、母方の祖母の横暴、不潔、奸悪。だが、それを淡々と受け流し、必要なことを考え、間違いなく遂行する9歳の双子も怖い。そして、出てくる大人の性的搾取と簡潔な描写。圧倒される。 母と義妹の死を目前にしても淡々とし、父に至っては彼の命と引き換えに双子の片方は父を踏みつけた上、越境する。 読後、毒を喰らって心臓を掴まれた気持ちになるが、真唯一無二の存在感と小説内で語られる「主観抜きで書く日記」の設定の見事さに★5
15投稿日: 2023.11.28
powered by ブクログ貧しい中でたくましく暮らす双子。東ヨーロッパ特有?の殺伐とした雰囲気。 最後がまたすごいエピソード。あの後どうなったんだろう?
0投稿日: 2023.11.26
powered by ブクログ翻訳なので、難しいと思っていたが、 章が細かく分かれており、非常に読みやすい。 ぼくらが感情なく淡々と物事を進めていく。 ハンガリーの戦時中の話。 特に盛り上がる所もないように思うが、続きが気になり読み進めてしまう。婆さんと関係が築けていくのが なんだかほっこり。 ぼくらの今後が気になるため、二部作目も読んでみます。
1投稿日: 2023.11.05
powered by ブクログ重いテーマを扱った内容なのに、なぜか心に食い込んでくる面白さ。シリアスさとユーモラスが混ざり合った不思議な感動がある。 続編もすぐに読みたくなってしまう。
1投稿日: 2023.10.17
powered by ブクログ戦争の激化で疎開した双子の少年が、独特の生きる術によって生きぬいていく。感情が一切描かれず他者からの過酷な仕打ちも、気遣いも淡々と処理されていく。双子が不気味で、読んでいて楽しくないのに引き込まれてしまう。
20投稿日: 2023.10.15
powered by ブクログ抑揚のない簡素で淡々とした著述がより現実的な凄味を感じさせる。 様々な立場の人々が、戦争中の市井でそれぞれ辛酸を舐めるエピソードに満ちている。二人の少年による、諦観にも似た冷徹で感情を押し殺したような視点が恐ろしくもある。楽しい瞬間は皆無で、読む程にシビアに心が削られていく感覚。 しかし、傑作と言っても差し支えない作品だと思う。
2投稿日: 2023.09.23
powered by ブクログ訳者の素晴らしい訳ですごく読みやすい。巻末の訳者による解説もわかりやすい。 1日5ページ程の少年の日記という体裁をとっている。文体は優しいが、内容は苛酷で様々な事柄が淡々と書かれている。 特徴的なのは、名前及び地名が一度も書かれてない。主人公達の心理描写も一切無く、事実のみ(小説中の虚構であるが)を描いている点である。 主人公達が何を考えているかは、言動から推測するしかないが、そこに作者の描写力が見られるのだろう。
4投稿日: 2023.09.20
powered by ブクログおもしろい、とは言えないのだが、興味深い作品であることは間違いない。 ファクトで固められた語り。故の生々しい描写。 日記、ということで一つ一つのエピソードは短いものの、印象的なやり取りが多いこと。 双子が結構サイコパスチックなところ。 中盤までは結構読むのしんどかったが、後半は結構加速。彼らが女中にしたことがいちばんの驚きだ。したこと、が驚きなのではなくその行動を取るまでに至った心の動きが驚きだ。 2023.8.23 135
8投稿日: 2023.08.23
powered by ブクログ激しい戦争のため、小さな町のおばあちゃんの元へ預けられることとなった双子の話。 淡々と綴られる短い文がなによりも印象的。それなのに、物語はとても色鮮やかに感じられた。戦時下という時代背景が「ぼくら」に様々な感情を与えていく。周りからは忌み嫌われる主人公たちだが、真っ直ぐな生き様が、読んでいて眩しい。「ぼくら」のもう一人は、常に自分であるかのような気持ちになる。一話一話が短編であることもあって、とても読みやすい。ページをめくる手が止まらなくなる、久しぶりに一気読みした作品。
5投稿日: 2023.08.06
powered by ブクログ二次大戦から終戦にかけてのハンガリーを舞台にしている。作中にはっきりそうと書かれる部分は一度もないが、歴史を踏まえて読むとまた面白い。二次対戦中の人々の悲惨な様子が淡々と描かれている。
2投稿日: 2023.08.03
powered by ブクログ双子の男の子が、戦争中の国で逞しく生きていくお話。他人からの悪口に傷つかないよう、お互いに罵詈雑言を浴びせあったり、目が見えない、耳が聞こえないふりをしたり…。2人のトレーニング風景にくすっとしつつ、戦時下の不穏な空気が漂って不気味だった。 三部作らしいので続きがどうなるか楽しみ。
3投稿日: 2023.07.19
powered by ブクログ過激な描写は多いが、心理描写が無く起こった事実だけを記しているので読んでいて不快感が無い。 双子が生き抜くための過酷なトレーニングを淡々とこなしていく姿には爽快感すら感じる。 結末も予想外でとても面白い作品でした。
0投稿日: 2023.07.15
powered by ブクログ初めは戦時中の双子の少年の生き方を描いた作品なのかな?と思いましたがそんな悠長なものではなく、生と死の狭間で強くそして残酷に自分たちの思考を貫き生き抜くいていく双子のお話でした。想像を覆された作品でした。固有名詞もなく、淡白な感情として淡々と描かれる双子の気持ちや描写などに恐怖を覚えました。今風に言えばサイコパスみたいな感じです。戦争という背景もあり、その真っ暗な日々の中で他人に対する慈悲や慈愛なども薄れてしまっていくんだろうなと思いました。ラストもとても衝撃的で納得できない描写が多々あるので自己流の思想や解説など紐解いて行けるのは面白いと感じました。1度読み出すと止まらないほど夢中になれる作品でした。この作品に続く「ふたりの証拠」、「第三の嘘」も順に読み進めていこうと思います。
0投稿日: 2023.06.11
powered by ブクログ【感想】 “絶対にそうする必要がある”という倫理に貫かれた双子のハードボイルドな暮らしが、戦争とそれがもたらす暴力によって研磨されていく。戦時下で、道徳や親切心が無用の長物になってしまったなかで、生き抜くために育まれていく倫理を目の当たりにした。 都会から疎開してきて、意地悪な親類の下で暮らすこども達に「火垂るの墓」を思い出しながら読んだ。恵まれた家庭で暮らしてきた清太と節子は、所得も低く労働に明け暮れ、食べるもののままならない叔母の家での生活に戸惑う。叔母さんが、洗い物をしながら、鍋のそこにこべりついた食べかすを口に運んでいたシーンが印象に残っている。 小さな頃、憎んだ「火垂るの墓」の叔母さんに意地悪としか思えなかったのが、振り返ってみれば、全く違った見方をしていることに気づく。そこ、で生きてくための手段としての在り方だった。 「ぼくら」が叔母さんの家で重ねる経験に通ずる。自分たちの所持品は勝手に売られてしまい、働かなければ食べられない。清太たちは家出と、盗みをして自活を始めたが、「ぼくら」は順応を始める。ここでの現実に慣れ、自衛手段を身に着けていく。 「ぼくら」の書くものは真実のみ。これこそ本書の最大の魅力だと思う。彼らは注意深く、真実とそうでないものを選り分ける。真実を突き詰めていけば自ずと必要に行き当たる。動物を殺す、向かってくるものを倒す、ゆすりや恐喝をかける、金を得る、労働する、人を殺す、報復する。彼らが生きる目的のためにした練習全てが彼らの必要なときに必要な行為をためらわずに起こせるように訓練していった。 考えさせられるのは行為に善悪などないことだ。おばあちゃんを殺すとき、それは彼女の願いで彼女との約束だった。女中を手にかけたのは報復だった。父を殺したのは生存のためだった。兎っ子の母親を殺したのも彼女の願いだったからだ。 おばあちゃんは同じように、もう動くことのできなくなったおじいちゃんを殺したんじゃないだろうか? とまあ真実のみを語ってはいても、語られていない真実もある。真実しか語られないということは、語られていないことのなかには真実とそうでないものが入り乱れていることにもなる。“銃声と強姦される女たちの悲鳴”のなか、強奪と暴力のなか、彼らの足跡は次第に深く地面に刻み込まれていく。 再読再考のため手元に残していく一冊。
4投稿日: 2023.04.05
powered by ブクログサイコパスって感じの本、ぶっ壊れてる。 面白くてすぐ読み終わった。 不思議な感じ、一回読んでみてもいいと思う。 過激な描写もあるし、怖いところも多い。ラストは、え!!って感じ。
4投稿日: 2023.03.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
幼い双子兄弟から見た戦時下の生活。あまりにも劣悪な環境に吐き気を催しそうだった。しかし、これが戦争の実態なのだろう。人が獣以下になる、身の毛がよだつ地獄そのものだ。 兄弟は生きるために自分達を鬼のように鍛える。彼等にとって感情は意味がなく事実あるのみ。鉄のような精神でしたたかに生きる。彼らは果たして非道なのか。私にはそうとは思えない。続きが気になる。
4投稿日: 2023.03.13
powered by ブクログ傑作で有名なのに、よく知らずに読み始めた インパクトがある作品 衝撃のラストシーン、疑問を残したまま終わる ちょっと鳥肌もの。。。(;ω;) 連続もののTVがいいところで終わり、「続きは来週ー、また観てねーっ」って言われているのと同じ感覚(昭和か?笑) この作品は三部作の第一弾で、話は第二弾『ふたりの証拠』に続くらしい 第二次世界大戦中に、ハンガリーの田舎町のおばあちゃんの家に疎開して来た双子の兄弟の話 生き抜く為に双子は毎日色々な『練習』をする 来る日も来る日も遊ばない、働く、『練習』をする 双子が客観的事実だけを日記に淡々と書いているのがこの『悪童日記』 戦争中の話だから、とても暗いし残酷 でもその日記が読みやすくて、感情や情景がしっかりと伝わってくる 面白いことにこの作品は誰の名前も出てこない 双子は『ぼくら』、おばあちゃんは『おばあちゃん』、従姉妹は『従姉妹』という様に名前が出てこなかった だから名前を覚えなくてよかった さあ、第二弾の『ふたりの証拠』も読まないと! 続きがどうしても気になる、そんな作品
33投稿日: 2023.03.01
powered by ブクログ古本屋でたまたま見つけた本ですが、衝撃的な内容で一気に読んでしまいました。 舞台は第二次世界大戦中のハンガリー。戦争が激しさを増し、「おかあさん」は双子の「ぼくら」を小さな町に住む「おばあちゃん」のもとへ疎開させます。おばあちゃんは文盲、不潔、粗野、そして恐ろしい吝嗇家。しかも夫を毒殺したという噂もあり、「魔女」と呼ばれています。「ぼくら」がおばあちゃんに強いられる生活は過酷。戦争という異常な状況下、人間の醜さや悲しさ、偽善、世間の不条理、非情な現実を「ぼくら」は体験します。本書は「ぼくら」の日記という形式で衝撃的な物語を綴っていきます。 本書の読みどころは、想像を絶する物語展開はもちろんのこと、「ぼくら」という人物の魅力にもあります。過酷な現実の中で、「ぼくら」はストイックに、冷静に、残酷に、ときには不思議な情やユーモアを持って行動します。彼らの行動は、物語の最後まで爽快に映りました。 著者のアゴタ・クリストフは1935年ハンガリー生まれ。1956年のハンガリー動乱のときに西側に亡命。本書はフランス語で書かれていて原題は”Le grand cabier “。直訳すると「大きなノートブック」という意味ですが、「悪童日記」という邦題はしっくりくるように思います。 本書が日本で出版されたのは1991年。文学界に衝撃と感動の渦が巻き起こり、絶賛の声が寄せられたそうです。本書を読めば、それが過大広告でないことがわかります。お勧めの1冊です。
4投稿日: 2023.01.02
powered by ブクログ戦争系とは知らずに読み始めたが、あっという間に読み勧めてしまった。 差別や性的描写、戦争下ならではの拷問めいた取り調べ等過酷な状況に置かれている中、二人の卓越した観察力や子供離れした立ち居振舞いで乗り越えていくのが面白い。 あまり国内では知られていないが(私は全然知らなかった)、個人的にはロード・オブ・ザ・リングやハリポタ位有名でもいい気がした。
1投稿日: 2022.12.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ハンガリー出身の作者というのを最後まで知らずに読んでいたので、戦時下の描写が双子目線で観られた所が良かった。 不穏さや人情もあり、性描写に関してもクスッとくる(SMみたいな物など)所もあって、一概にこの本のジャンルはこれ!と言えない面白さがあった。 終わり方もなかなか好きだった。
0投稿日: 2022.12.16
powered by ブクログ戦争の残酷さの描かれた作品に 面白い という感想は適当ではないかもしれない。しかし不思議と作品に魅入られてしまう。悪童たるぼくらの目を通した世界は 悲惨である筈だが、淡々と書かれているからなのか 感情が揺さぶられるというよりも見たそのままが 自分の目にも映るようだ。
1投稿日: 2022.12.15
powered by ブクログ観た舞台の原作。 観た時から重いと思ったが、原作の方も中々。 でも嫌いじゃない。 子供なりに頑張って適応して気に入られて盗んで傷つけられてとこうなってしまったのは全て戦争のせいだと思う。 普段法律や世間体に守られている私達がそれが戦争とかでめちゃくちゃになったらこうなってしまうのか、と思うと悲しい。 でも動じない自分もいてちょっと怖い。
0投稿日: 2022.11.25
powered by ブクログまず邦題が完璧。 いかなる国にも、文化にも、因習にも決して迎合しない彼らだけの揺るぎない倫理‥‥。自分の哲学観を見直すきっかけになった1冊。
14投稿日: 2022.11.04
powered by ブクログ壊れてるけど美しいみたいな表現あるけどまさしくこの本の世界観なのよ、てかこの双子アルティメット現実主義者でめっちゃ好き、てか普通に頭おかしくて好き 終わり方も文句なしです!
2投稿日: 2022.10.24
powered by ブクログ現代の感覚では考えられない·しようとも思わないような出来事が多々ある。戦時中だから人はこんなにも残酷でいられるのか、それとも元々そういう生き物なのか"人間性"がよく分からなくなってくる。双子とその他の人達、どちらがより歪なのか。ラストの(誰とは言わないが)再会ですらハッピーで終わらず衝撃を受けた。
0投稿日: 2022.10.11
powered by ブクログ戦時の重い話だが、淡々と書かれているので悲壮感が漂っていない。 双子のぼくたちに圧倒的魅力を感じるのは、生命力に満ちているからか。題に、悪童とあるが悪童とは思わなかった。人のせいに、周りのせいにしない、恐れず、賢く、逞しい。とにかく双子がかっこよく憧れた。 最後の双子の選択にはどんな想いがあるのか知りたい。三部作とのこと。続きを読もう。
25投稿日: 2022.09.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
サイコー 名作小説を片端から読む試み、内容は知らず1ヶ月積んでたけど読み始めたら引き込まれてすぐ読んでしまった(読みやすい)。 購入本、文庫 戦時中らしき或る国の或る町の名前のない双子から見た世界の描写。 双子の態度(=作者の態度)が非常に真剣で誠実でグッとくるものがある。生まれながらに周囲の人間に頼って混じらずにはいられなくなってしまった所帯じみた大人が、媚びない無垢な子供や完結した世界を持つ二人組に憧れるこの感じかなり普遍的だった。これは"好き"="こうありたい姿"の好きだ…。誰にも分かられない聖域として1人で本読む自分を愛したいと感じる気持ちに近い、最近他人と話す機会が増えて"つまんねー自分”しか伝わらずマジョリティ的なやりとりに足を突っ込んでしまうことに辟易するが、伝わらなくてもある と 伝わらないとイミない を両方持とう、好きな他人に影響されて自分に肩書きをつけて遠くへ行こうという気持ちも出てきたあたりがもう双子ではいられない哀しみであって、双子が存在できる物語世界痺れるなあ〜〜〜!と思う。キャラクターとして受け入れられている双子のミステリアスなイメージ(shining, 匂宮, 葵, スノホワ)が集約された原典だった。 文章というメディアと物語が非常によくマッチしていると感じる。略奪、倒錯などあらゆる非人間的な要素が描かれているが、読者との一対一で伝えてくれるからきちんと受け取れる。テレビだと要素それだけで判断されちゃうのかなーとかふと過ぎって、テレビは一対一に向かないのか?教訓的でなく、露悪的でなく、苦しさを訴えて同情を誘うんでなく、痛快に善を主張するんでなくただ淡々と惨状と生き死にを描く。トラウマはケアしてニコニコさせる一辺倒は逆向きの暴力。だって生きてるだけでこんなに傷つけあってるんだから。うーん、双子の"天才"(痛くない苦しくない悩まないぼくらのすべきことは決まっている)に読者が頼ったエンタメとも言えるのかこれ……。匂いも痛みも見てるだけの奴(読者)には言葉を尽くしても伝わらない なら事実を読みなさい? 訳者解説の「非常に深刻な問題を、センチメンタリズムともニヒリズムともいっさい妥協をせずに扱っている。しかも、そのテクストの行間に堪えた涙のように激しい人間的共感力がみなぎっていることは…」の表現納得できる。 文章の色も良かったな〜〜!表紙の暗い緑がずっと浮かんでいた。「女中と従卒」章のさくらんぼとか墨色の中に薄紅の丸が現れたような感じがして嬉しかった() 時間が流れているから双子は双子のままではいられず、ラストシーンがあるのだろうな、ここは先週読んだTSUGUMIに通ずる。天使のように現実離れした天才的子供が不連続な苦しい変化(舞台"太陽")を受け入れてその後も生きていく、または天使のまま死ぬ。 解説によるとクリストフが出版社に送りつけた無名処女作を無修正で出版したものと書いてあって驚き。
1投稿日: 2022.09.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とても面白かった。 物語は、戦時中、爆撃の激しくなった「大きな町」から、おかあさんに連れられて、「小さな町」のおばあちゃんの家へと疎開してきた双子の兄弟「ぼくら」の日記である。 疎開以前、疎開先にも辞書を持たせるほど学のある親のもと、清潔な生活を送っていたぼくらは、風呂場も水道も、石鹸も洗剤もないおばあちゃんの家で生活するうちに、汚れていく。ぼくらは、生活のため、通常の道徳観では、非行とされることを、何の葛藤もなく行い、それを日記に書き留める。彼らは、自分たちの書く文章について「作文の内容は真実でなければならない、というルール」を定めて、文字を独学する。その文体は、窃盗や恐喝、安楽死の幇助、自分たちを強くするための様々な練習など、やっていることの凄烈さに対して、淡々としていて、戦争という時代の中で生きている子どもの強い主体性を感じさせる。 行動の非道徳さに比して、女中や隣人の兎っ子などに対する行動には、彼らの中で守るべきとされる道徳観がある。「精神を鍛える」「残酷なことの練習」など、彼らの強かさは、訓練によって身につけたものだった。「髪に受けた愛撫だけは、捨てることができない」という言葉などは、そうした一面のような気もする。 続編があるようなのだが、そのことを踏まえても、物語のラスト、実の父親を犠牲に使い、2人が国境のこちら側とあちら側に別れるという結末を、どう解釈したらよいか、読みきれなかった。2人は、文字通り一心同体で、学校でも、同じクラスになるようになった。孤独になることが、彼らにとってどういう意味があり、どのように克服されていくのか。
0投稿日: 2022.09.03
