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聖書を語る
聖書を語る
佐藤優、中村うさぎ/文藝春秋
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総合評価

24件)
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    佐藤優の一連の自叙伝のファンだが、この本もおもしろかった。中村うさぎ、名前だけは知っていたが、教養の高い人なんだなあ。あの知の巨人、佐藤優と対等に対談しているのだから。対談の時期から、東日本大震災についての考えを語っているし、見方は参考になる。しかし、何よりおもしろかったのは、村上春樹とサリンジャーについての考え方。深く洞察するとそうなるのか、と改めて興味を持った。1Q84は読んでないのでぜひ読んでみようと思った。フラニーとズーイは、10年ほど前に途中まで読んだが完読できなかったんだよな。再読しよう。

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    投稿日: 2021.08.29
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    「聖書を語る」読んでる。今エヴァと村上春樹のトコ。もしやして一番面白い部分じゃなかろうか。中村うさぎ、言っちゃれ言っちゃれ。ニヒニヒしながらチューハイを友に読む。 キリスト教に入りたい気はするんですよ。救われたいとかでなく考え方嫌いじゃない。葬式が仏式より簡単だというのも利点。でも「頬を殴られたら反対の頬を」は賛同できない。私は殴り返すか、それをしないまでも睨み付けると思う。宗教はむつかしいです。 ”宗教とは全体主義である。”それに不満はないが、全体の中身を探ればやはり個である、などとも思う。個別でなれ合う。それでいいじゃん。ねぇ。 聖書を語る」読了。中盤までは面白かったが、後半震災の話になるのでイマイチ。対談集なのでするすると読める。

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    投稿日: 2020.06.08
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    もうすごくすごく面白かった。 中村うさぎってとても頭の切れる人だって初めて知った。 フラニーとゾーイーやエヴァンゲリオンの考察、うんうんと頷きたくなる! 佐藤氏は中村うさぎの言う通り、乾いていて本当に客観的な物事の見方をすると思うんだけど、そんな人がカルヴァン派の予定説を心底信じているってのは、なんというかちぐはぐな不思議な印象を受けた。

    0
    投稿日: 2018.06.21
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    佐藤優と中村うさぎの対談集。キリスト教のプロテスタントであるが、カルヴァン派とバプテスト派であり、互いの考え方の違いを分析した上で、聖書について、エヴァンゲリオンについて、村上春樹について、震災について話し合う。うさぎさんが終末遅延問題を「出るはずのものが出ない、便秘」例えるのが笑えて、とても分かりやすかった。あとアダムとイブが食べた「智恵の実」は自己と他者の存在の認識なのではとか興味深い。後書きのうさぎさんのブログの引用文で泣けた^^; 続編もあるそうなので、読みたいな。

    0
    投稿日: 2017.03.20
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    [図書館] 読了:2017/2/12 どちらも頭の回転の早い人だから読んでて小気味良い。 村上春樹の小説は「こんな女いねーよ」の8文字で終わると思ってるので中村うさぎの批判には同感。佐藤さんはポルノとしての消費、ディテールが評価されてる点、プロットを作ってないだろうという点に触れている。こちらも納得。 p. 51 中村 つじつまが合わなくなると知らんぷり、か。 佐藤 都合が悪いことについては黙る、というのが優れた神学者に求められる資質です。 中村 政治家みたいだね。 処女マリアは誤訳、問題について。ヘブライ語では単に「年頃の女」だったのに、ギリシア語では「処女」に訳してしまった。

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    投稿日: 2017.02.12
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    佐藤優と中村うさぎの対談集。 聖書そのものを語っているのは最初だけで、宗教や哲学を中心に話はあちこちに展開する。村上春樹をけなし、エヴァンゲリオンを考察する。最後は3.11の震災の問題から、人はどうつながるか、と展開。 中村うさぎという人は初めて知ったが、両者とも知識量とその言語化能力がすごい。 以下は読書メモ: プロテスタント カルヴァン派 自分は神に選ばれている バプテスト派 人間は努力すれば報われる(清教徒) 終末遅延問題 すでに2000年遅れている。 クロノス 座標軸を流れる時間 カイロス 点 事件史 終末はカイロスの感覚では歴史、決まっている未来、だから終末は来ないのではなく遅れていると考える。 震災の既視感、エヴンゲリオンでの原体験 全体主義と揺り戻し ライプニッツの単子論で言うモナドでつながる 全体主義はオーケストラ、各パートは自由 宗教=洗脳という刷り込み 最大の洗脳は貨幣 全体主義に対立する概念は普遍主義。ナチスは普遍主義。全体主義は多元的。 メメントモリ 死を想え。

    0
    投稿日: 2016.10.21
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    こういうのが読みたかった!!中村うさぎさんの言葉が秀逸!ウ○コの例えに1Q84のブチ切れ、ウケすぎ。人間の非合理性、皮膚感覚、神はズレ、、テーゼがこのお二方だからこそで、難しいなりに納得できた。哲学と宗教か。。。知っておくと今後生きるのにラクかもたしかに。

    0
    投稿日: 2015.12.12
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    ―――――――――――――――――――――――――――――― 救世主の降誕という人知を超える出来事が起きたことだけを確認すればよくて、誤訳問題には踏み込まない。(佐藤) つじつまが合わなくなると知らんぷりか、か。(中村) 都合が悪いことについては黙る、というのが優れた神学者に求められる資質です。(佐藤) 政治家みたいだね。(中村)51 ―――――――――――――――――――――――――――――― 彼がこう言ったんです。ソ連崩壊はいつ始まったか、それはチェルノブイリ原発事故からである。 原発のような巨大システムが事故を起こすときは、必ず国家や社会の機構の不具合もパラレルに起こっているのだ、と。(佐藤)126 ―――――――――――――――――――――――――――――― それでいくとナチスは普遍主義。すべてをドイツ人によって席巻しようとするものである、というわけですね。(佐藤) 全体主義と聞けばすぐナチスのことを思い浮かべるんだけどな、私なんかは。(中村) 戦後の言葉遣いが変わったんですね。戦争中までは、多元主義が実は全体主義だったの。(佐藤)193 ――――――――――――――――――――――――――――――

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    投稿日: 2015.02.18
  • 侃々諤々のキリスト教概論

    中村うさぎと佐藤優が、聖書について語り明かすという異色の対談集。 共にキリスト教を学び、同志社大学出身という共通項があるものの、ふたりはお互いの意見、思想をぶつけあっていきます。 例えば、カルヴァン派に所属する佐藤は、バプテスト派の先例を受けた中村うさぎの「人間は努力をすれば報われる」という考えに賛同しません。救われる人間というのはすでに決まっており、人間の行動によって成功するか否かは決まっている。むしろ、努力するのは当たり前のこと、というのが彼らの主張なのです。 とはいえ、常にバチバチとした意見の応酬をするわけではありません。 キリスト教の持つ矛盾点を面白おかしく語り合ったり、『エヴァンゲリオン』と聖書の関係など、幅広く聖書を読み倒していくふたり。彼らの手にかかれば、聖書も立派なエンターテイメント読み物へと早変わり。

    7
    投稿日: 2015.01.15
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    宗教の力は何かといえばシンボル操作。無関係なものを関係づけることによって、それを教えるパワーにする。 村上はたぶん、人生の分節から世の中誓って見えてくるんだ、そこに一人ひとりお物語があるんだよ、というメッセージを送っている。 時間の文節を創り、質的に異なる時間に転化して再後世する。こういう小説の作り方を見ていると小説というのは近代的な現象だと思う。点と点をつなげて物語をつくるというサガ用は作者が神になって行う仕事だともいえるから。

    0
    投稿日: 2014.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    東日本大震災直後に行われた、佐藤優氏と中村うさぎの聖書に関する対談。 佐藤優氏は同志社大学神学部卒で、キリスト教に関する造詣は深いのはわかるとして、なぜ中村うさぎ?。私の中ではブランド漁りやホストクラブ通いを売りにする、いけ好かない作家という存在でしかないのですが…。話は聖書からエヴァンゲリオンや村上春樹、チェルノブイリ、国家総動員法…といろいろ話は飛びますが、意外と中村うさぎが鋭い発言をしていて驚き。

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    投稿日: 2014.09.28
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    【伝統宗教は日本を救えるのか!?】共に同志社大学出身、キリスト教徒の二人が「聖書」をベースに宗教・哲学・社会問題を縦横無尽に語りつくす異色の対談集。

    0
    投稿日: 2014.09.09
  • キリスト教の多様性を垣間見せてくれる対談

    本書はキリスト教の概説書ではないし、二人の聖書観は独特である。 標準的なキリスト教徒はこんなものだ、と思わない方が良いが(笑)、 「キリスト教」に対して堅苦しいイメージや狂信的なイメージを持っている人には、そのイメージを払拭し、 その多様性と可能性を見せてくれる良書。 本書では様々なサブカルチャーをはじめとする作品が紹介されているので、そういったものに興味がある人にも面白いと思う。 個人的には中村さんの語る「エヴァンゲリオン」、佐藤さんの語る村上春樹が面白かった。

    5
    投稿日: 2014.07.16
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    佐藤 優、なんでも知ってるなぁというのは、西原 理恵子との本でも感じていたのですが、それ以上に読んでいた思ったのは、中村 うさぎって、メチャクチャ賢いですねぇ。 この人の本は、今までよんだことがなかったのですが、これだけいろいろなことを考えている人の本ならば、楽しいかもしれません。 しかし、これだけ考えて、しかも、なんでも自分で体当たりで体験しなりつきつめないといけない人生というのは、メチャクチャしんどいのではないかとも思ったりします。 これだけ賢い人同士(しかね融通が全然きいてなさそうな人同士)の話は、そりゃ、面白いわ。 「エヴァ」の話が出たら、次の対談までにちゃんと見ている佐藤 優も、偉い。 中村 うさぎ、今は、なんか体を悪くされているようで心配です。

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    投稿日: 2014.06.23
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    以前、佐藤優さんが講演で、「人権の反対は神権」とおっしゃった言葉が頭に残ってます。友人のオススメもあり、佐藤さんの宗教観に興味を持ち、本書を読みました。聖書や春樹などを読み、それをもとに宗教について、中村うさぎさんと、とても濃い対談が繰り広げられています。知の巨人と言われる佐藤さんと丁々発止のやりとりを行ううさぎさんも、これまた知識と感性の宝庫。すごい人だと感心しながら、読み進めました。読み終わって印象に残ったのは、聖書でも春樹でもなく、うさぎさん絶賛の劇場版エヴァンゲリオン。ゴールデンウィークに、DVD借りて観たいと思います(≧∇≦)

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    投稿日: 2014.04.21
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    聖書こんどちゃんと読もうかな。 と、思うくらい面白かった。うさぎさんはやはり教養のある魅力的な人だ。 ヨハネの福音書、興味がある。 「初めに言があった。~」はかっこいい、痺れる。 ユダに関しては、太宰の駆け込み訴えを読んで同じような印象を受けていたので、とても共感した。

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    投稿日: 2014.02.26
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    中村うさぎに良いイメージが無かったが、本を開いてみて圧巻。佐藤優の計り知れぬ知識、ただ、読者を置き去りにする超論理的な展開を、見事中村うさぎが一般人的視点で捕らえ、会話が進む。面白い。ただ、もっと聖書を掘り下げて欲しかった。編集の問題だろうが、中盤はこじ付け。

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    投稿日: 2014.02.07
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    佐藤優×中村うさぎという私からしたら意外すぎる組み合わせに目をひかれ、ここ5年ほどキリスト教に興味津々なんで購入。佐藤さんは神学と読書の人というイメージがあり、中村さんは高校生だった頃の自分がそのまま大人にスライドしたような人というイメージだったんで同族として避けていた。 この対談を読んで中村さんに俄然興味がわいてきた。 村上春樹の読み方(批判)すごい。まさに、私が感じていた胡散臭さを言葉にしてくれていた。まぁそれでも時折読むんですけど(義務感)。 あと今更だけど新劇場版エヴァのQって謎の福音書Qだったのか、と気づく。

    2
    投稿日: 2014.02.03
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    同志社大学出身の二人の対談集。議論の内容は新鮮で、大変刺激された。佐藤優はその博識振りが窺える。二人とも全く著書を読んでいなかっただけに、興味深く読んだ。

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    投稿日: 2014.02.02
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    佐藤優「先生」の整理された広大な知識を、異色の作家、中村うさぎが引きだしていくという体裁は、よくある対談集だが、対象読者層の知的レベルを、あまり見ないレベルに設定しているのが特色か。専門家でもない、B級でもない。 まあ佐藤の本でも、一連のハウツー物でない、こういった社会的なものを読んで面白いと思うのは、官僚ならばともかくサラリーマンではごく一部だろう。佐藤の役回りはプラグマティックな現代社会思想家というところだ。 そういうのを好む読者は、ふだん中村うさぎを読むことは絶対に無いので、この組合せには妙味がある。同志社+キリスト教つながりということだが、文春はうまいことを考えるものだ。

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    投稿日: 2014.02.01
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    神様のノートみたいなものが天国にはあって、そこに書かれていれはなにしていても天国にいける。誰にも確認できないけども、自分は書かれていると信じ、逆に、「この世で(書かれていないのに)力を握っている悪魔の手先どもにどう対抗するか」と考えるカルヴァン派の佐藤優と、あくまで努力によって人は救われると考えるバプテスト派の中村うさぎ。 性格も物言いも生き方もなにもかもが違う2人。佐藤が解く(説く)キリスト教の思想を、卑近なコトバでばきばきなぎ倒すのがとにかくそうかい。 でてくる表現も、キリストを「元本保証型」とか、肩が触れただけで「死ね」といって相手を殺す悪ガキとか、おもしろぶっとびすぎ。うさぎさん、やおい的観点から聖書の登場人物ならヨハネ!とかいっちゃってます。 入りやすいが抜けやすい点でヤクザの結社原理はキリスト教と似てるとか。 全てのページを引用したい、なんて罰当たりな欲望まで掻き立てられて、この文庫本、すごい。 と、第一章の「聖書を語る」がおわり、次の章はなんと、サリンジャーと村上春樹を読んでます、おふたり。あれ聖書は? もちろんキリスト教的な読み解きは佐藤さんにはありますが、うさぎさんの1Q84への怒りがとにかくおかしい笑 エヴァのエンディングはいい、三歩さがってスリラーもあり、でもこれは許せない!っていうのがもう、共感しまくりました。 しかも次の3章では震災をテーマにしながら日本人としてのありかたや神学とはに進むのですが、またここでもうさぎ節と、それをくーるにいなす佐藤節のゼツミョーな調べに大興奮!!! 行動経済学は底が浅い、否定神学、ずれてずれてそれにおかしいと思うことから近代文学は発達している、ドストエフスキーは永遠に納得できないから書き続ける・・ この本すごい。薄いのに濃密、えらぶってないのに森羅万象がつまってる。今年一番のすご本、ここにあり。です。

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    投稿日: 2014.01.21
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    「聖書を語る」というタイトルに留まらず、文学や政治や歴史まで、軽い口調の中村うさぎと、硬い口調の佐藤優が縦横無尽に語っていて、薄い本だけど奥はとても深い。人間とは何か、生きるとは何か根源的な問いに溢れた対談。エヴァンゲリオンが通低音として響いているのもまた良し。

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    投稿日: 2014.01.17
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    久しぶりの佐藤本。 中村うさぎさんとの掛け合いは面白い。所々に冴えたフレーズはあった。 博覧強記の佐藤さん。相変わらず舌を巻く博識。

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    投稿日: 2014.01.13
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    佐藤優と中村うさぎ。共にキリスト教徒の二人が火花を散らす異色対談です。クロノスとカイロス、「新世紀エヴァンゲリオン」の最終結論、宗教に何が出来るのか…。などのテーマを縦横無尽に語りつくします。 中村うさぎさんと佐藤優さんは文学部と神学部で学部こそ違えど同じ同志社大学の先輩後輩の仲だということは知っていました。しかし、中村うさぎさんのほうが先輩で、佐藤優さんのほうが後輩だということを僕はこの本を読むまで知りませんでした。この本は宗派こそ違えど、同じキリスト教を信じる二人が、時間の概念であるクロノスとカイロスにはじまって、キリスト教は元本保証型ファンドであるとか、「新世紀エヴァンゲリオン」の最終結論について。『1Q84』は男のハーレクイン、日本は近代以前かポスト近代か、そして、宗教に何が出来るのか…。というさまざまなテーマに基づいて、縦横無尽に語りつくす対談本です。 佐藤優さんの古今東西の知識を駆使した語り口と、中村うさぎさんの体を張って獲得した「知恵」があいまって、ものすごく刺激に満ちた物となっております。面白いなと思ったのが「旧世紀版」の「新世紀エヴァンゲリオン」のラストの解釈。佐藤優さんは「モナド」という言葉を使って説明されていましたが、それがすごく印象に残っています。 次に、中村うさぎさんが村上春樹の名作「1Q84」について、ヒロインである青豆の行動が終始一貫していない、ということを語り倒す場面があって、僕が今まで考えたことのない読み方で、彼女ならではの読みの鋭さに舌を巻いてしまったことを思い出します。 そして、最後のほうに『「地震と原発」を読む。―日本人を繋ぐものは?』という箇所で出てくる「ニガヨモギ」と「メメント・モリ」という箇所で 「お笑い番組がはやるのは、実は死を忘れようとしていることの現われだということですね」 という佐藤優さんに、 「(中略)目の前にドーンと真っ黒い「死」が立ち塞がったのよ。それでも目をそむけて続けている人はいるけどね」 と重ねていたことが強くこころに残っています。すごく異色といえば異色の対談本なんですけれど、読んでいてすごく面白かったです。

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    投稿日: 2014.01.11