
総合評価
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powered by ブクログどれもこれも面白い短編集。 SFとは人間や世界を大きなホラ話で囲んでしまい、その外側から観察するような面白さがある。だから人間や世界の本質を描くことができるのだろう。 そんなSFの面白さを多方向からグイグイと示してくれるような一冊。
0投稿日: 2024.05.03
powered by ブクログ正直自分はSFというジャンルに詳しくないが、そんな自分をして本作はSF小説の入門としてちょうどいいのではないかと思った。まず短編集だから読みやすいうえに、世界崩壊やアンドロイド、宇宙人、タイムリープなど、各話とも違った方向性からSFを表現していて面白い。短編集は、短編の当たり外れがあるので良いイメージがなかったが、本作のように全部違って全部面白いと思ったのは初めてかもしれない。その中でも『七パーセントのテンムー』が一番好きだ。派手さはないが、日常の中の非日常のようでいて、哲学的なテーマも含まれているところが自分好みだ。 著者があとがきで書いてある通り、筋の通った荒唐無稽な物語というところがSFの魅力だと改めて思わされた。どんでん返しものの作品で騙されることに喜びを覚えるのと同じように、SF作品ではこんなことも現実にありえるかもしれないと考えさせられることに快感を得ている。
0投稿日: 2020.11.21
powered by ブクログシュレディンガーのチョコパフェ 亜夢界 思い通りになる? 奥歯のスイッチを入れろ ニューロドロイド 400倍の加速。思考も動作も ーーヒュン バイオシップ・ハンター 生体宇宙船 鯨に飲まれたピノキオ? 私が好きな異星人は、イ・ムロッフ メデューサの呪文 呪いの言葉 気付かないうちに触れている? まだ見ぬ冬の悲しみも パラレルワールド、拡散と収束、時の流れ、 過去へも拡散? 七パーセントのテンムー 脳のどこが好きを決めるのか、意思は?心は? 闇からの衝動 闇に在るものを呼び出してしまったら…… ハッピーエンドに近いものにも、よくわからないまま怖さが残る。 でも読むのを止められない
0投稿日: 2020.04.08
powered by ブクログ短編7本を収録しています。 第1話「シュレディンガーのチョコパフェ」は、孤独な友人が開発した夢時空を生み出す装置によって崩壊していく世界で、アキバ系カップルの男女がたいせつなものをたしかめる話。第2話「奥歯のスイッチを入れろ」は、高速運動ができるニューロドロイドへと人体改造した男が、敵国のニューロドロイドから愛する女性を守る話。第3話「バイオシップ・ハンター」は、異星人イ・ムロッフがあやつる宇宙船「バイオシップ」に乗り込んだ人間が、普遍的な基準のない宇宙時代の善と悪の問題を突きつけられる話。第4話「メドゥーサの呪文」は、高次の言語文化を持つ異星人インチワームのもとを訪れた詩人の話。第5話「まだ見ぬ冬の悲しみも」は、世界初のタイム・トラベルをおこなうことになった主人公の話。第6話「七パーセントのテンムー」は、意識を司る脳の機能をもたない「天然無脳」(テンムー)の恋人を持つ女性作家が、愛について思い悩む話。第7話「闇からの衝動」は、家の地下室にひそんでいた異次元の触手生物に捕らわれた女性と、彼女の意識を引き継いだ触手生物の話。 個人的には「メドゥーサの呪文」と「七パーセントのテンムー」がおもしろく読めました。「闇からの衝動」は、もはやSFというよりB級ホラー小説といった雰囲気で、著者はこういう小説も書くのかと驚かされました。
0投稿日: 2019.10.15
powered by ブクログ詩人をよこせというのだ。 詩人にだったら重大な秘密を打ち明けてもいいと言ってきた。 しかもそれは、星間文明滅亡の原因に深く関わるものであるらしい。 という、山本弘の短編集。 先進波発生装置で世界の消滅をたくらむマッドサイエンティストの表題作「シュレディンガーのチョコパフェ」 時間圧縮装置を付けられたサイボーグの話「奥歯のスイッチを入れろ」 異星人とともに、謎の海賊船を追っていく話「バイオシップハンター」 文明消失の謎を解くため、超文明の末裔に出てこないかと話を聞きに行ったら詩人にしか話さないぞと言われた話「メデューサの呪文」 情報だけやりとりしてエントロピーが変わらないからタイムトラベル出来るよ、という「まだ見ぬ冬の悲しみも」 人類の7パーセントは哲学的ゾンビだった話「七パーセントのテンムー」 実在の人物をなぜかクトゥルフ的ホラー話の主人公にしてしまった「闇からの衝動」 以上7編。 好きなのは「メデューサの呪文」かな。 物質文明を捨てた種族というはなしは良くあるけど、その先が言語文明というのはなかなか面白い。 言語兵器というガジェットもいくらでも広げられそうで楽しい。 「呪法宇宙 カルシバの煉獄」というSFで、「感染」した敵の使う「呪文」を聞くとその人間も感染してしまう話がありました。 宇宙中に広がってしまうかも知れない、という怖さがよく似てます。 「象られた力」も通じるところがありますね。 あと「食前絶後」の言葉とか。 説教くさい、と解説でも言われているのはいつも通り。 説教というよりは愚痴っぽい。 このへんはやっぱりちょっと好きになれない山本弘っぽさです。 主人公たちのおっさんくさい性格も今ひとつ好きになれないし、 「天然無能」がスラング化して「テンムー」になるセンスも合わない感じ。 でもそれでも読んでしまうSFとしての面白さがあるんです…。 アンビバレンス。
0投稿日: 2019.08.28
powered by ブクログ文庫化に際し『シュレンディンガーのチョコパフェ』と改題したことで『まだ見ぬ冬の悲しみも』より10倍は売れることだろう。手をのばしたくなるタイトル。
0投稿日: 2019.02.16
powered by ブクログ「人としてどうかと思うがネタとして最高だ」的確だ 基調が同じだけにアイデアを楽しめる短編のほうが面白かった
0投稿日: 2019.01.12
powered by ブクログ17:山本さんのSFは見かけを裏切る(というと失礼ですが)ハードさと、そのハードさを感じさせない滑らかな地の文が大好きなのですが、物理がわからないためにSF的面白さをほどほどにしか味わえないのが残念。「ウィンクラーの夢事象理論」は知らなくても、読み進めるうちに概要がつかめてくる、そんな親切設計なのですが、やはり非SF者さんには勧めづらいかも。加速世界での死闘を描く「奥歯のスイッチを入れろ」や地球人とは価値観も概念も異なる異星人の生態系と交流(?)を描く「バイオシップ・ハンター」「メデューサの呪文」など、相互理解や時空を超えた不変のもの、揺るぎない感情についての短編集。タイムスリップあり、宇宙船ありとガジェット類も魅力的で、登場する異星人がどこか怪獣ぽいのも山本作品ならではかな、と思います。
0投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログSF作品、7編収録『メデューサの呪文』では物質文明が進化すると、その先には言語文明なるものが出現していた。言語文明の住人と詩人が面会をする。そこで彼が聞いた、世界を破壊する言葉とは・・・予定調和の小説ばかり読んでいる人に、おすすめのSF小説。
0投稿日: 2017.11.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「シュレディンガーのチョコパフェ」 「奥歯のスイッチを入れろ」 「バイオシップ・ハンター」 「メデューサの呪文」 「まだ見ぬ冬の悲しみも」 「七パーセントのテンムー」 「闇からの衝動」
0投稿日: 2017.06.05
powered by ブクログこの作家の作品を続けて読んでいる。これはSF短編集で、個人的には「メデューサの呪文」が特に面白かった。題材的には伊藤計劃の「虐殺器官」を彷彿させられた。他の短編も面白いが多少自分の評価としては当たりはずれが混ざっているかな。でも、もうちょっとこの作家の作品読み続けてみます。
0投稿日: 2015.07.24
powered by ブクログ短篇集で「バイオシップ・ハンター」と「メデューサの呪文」が面白かったけど、 SF小説は読むのに時間が掛かるしニガテだと再認識した・・・。
0投稿日: 2014.10.08文句無く、面白い!
表題だけを見ると「ラノベ」的な気配も漂う感がありましたが、中身はバリバリの「SF」小説でした。短編集でしたが、どの短編も面白く、作者らしい「オタク」ネタや、擬似科学批判ネタも混じえながらの「ハードSF系」に振った作品の数々に触れ、改めてこういう「SF」が好きな自分も再確認したような気がします。やっぱり「SF」小説は面白い!
2投稿日: 2014.07.20SF好きにはオススメの山本弘の短編集
どちらかというともっと明るい作風の小説だと勝手に思っていたのですが、結構暗い話が多かった。特に「まだ見ぬ冬の悲しみも」は感動作かと思って読んでいたので・・・題名に騙された。 私的には以下の3作が良かったです。「奥歯のスイッチを入れろ」は、SFファン、特に石ノ森ファンにはかなりニヤリとする設定で加速された世界が、リアルに描かれており素直に楽しめた。「メデューサの呪文」は、言語兵器(神林長平ではよくある考えですが)、「シュレディンガーのチョコパフェ」は、亜夢界という考えが結構気に入りました。 だたどの作品もSFマニアには楽しめるアイデアが詰まっているのでマニアの方はどうぞ。
3投稿日: 2014.03.28続きが読みたくなる一冊
よく言えば引き込まれる。悪く・・・言わなくてもいいんだけど、言うなら物足りない。 短編集なので、そういう部分が少なからずあるのはしょうがないと思うけども、SFとして成立できているだけに世界観をもっと読みたい話が多い。 特に「奥歯のスイッチを入れろ」や「メデューサの呪文」はこの続きを読みたくなる作品。 表題作の「シュレディンガーのチョコパフェ」は、とてもSFらしい作品。SFを構成するためには新しいギミック(仕掛け)を考えるという基本に則った、読んでいて頭が混乱してくる(褒め言葉)話。登場人物のセリフや名前に注意して3回読むことをお勧めします。 あと、ところどころに作者の不満が隠れた悪口で書かれているので、それを見つけてニヤリとできるかどうかがSFファンの境界かなぁとも思う。
1投稿日: 2014.03.17
powered by ブクログ数年前『神は沈黙せず』をタイトル買いしたのが著者との出会いだった。『MM9』『地球移動作戦』も読んだ。プレ・オタク世代の私には腰の引ける人物設定もあるが好きな作家の一人である。(作者紹介見たら年上でした!)全7編中『サイボーグ009』『エイトマン』へのオマージュとも言える「奥歯のスイッチを入れろ」がなかなか面白かった。30秒限定だが音速で動ける者同士が戦ったらどうなるかを克明に描いている。主旨は違うが、死が一瞬でないことを残酷なまでに描いたアンブローズ・ビアスの『アウル・クリーク橋の一事件』を思い出した。
1投稿日: 2013.10.23
powered by ブクログ粒揃いの短編集、どれも面白かった! 忘れた頃にもう一度読みたいかも。 著者曰く「筋の通った馬鹿話=SF」という鉄則をきちんと踏んで、 どれもきちんと腑に落ちる終わり方は安定していて綺麗でした。 他のものも読んでみたいと思いました。
0投稿日: 2013.06.01
powered by ブクログ著者いわくSFとは「筋のとおったバカ話」だそうで、確かに著者は物語で起きるSF的な事象を「●●論」や「●●説」によって解説するというところにもっとも筆を割いているという印象だ。ちょっとイグノーベル賞的なセンスに近いっていうか。ただ自分にはその論や説の科学的な説明が半分もわからず、したがってどこからどこまでが本気で冗談だかいまいちわからなく、著者が楽しんでいるほどには楽しめなかったのは事実。
0投稿日: 2013.01.29
powered by ブクログ山本 弘 『シュレディンガーのチョコパフェ』 (2008年1月・ハヤカワ文庫) キャラグッズの買い物につきあってくれる裕美子は、俺にとって最高の彼女。 でも、今日のデートはどうにも気分が乗らない。 久々に再会した旧友の科学者、溝呂木がこの世界の破壊を企んでいるらしいのだ──アキバ系恋愛に危機が迫る表題作、SFマガジン読者賞受賞の言語SF「メデューサの呪文」、孤独なサイボーグの見えざる激闘を描く「奥歯のスイッチを入れろ」ほか7篇を収録。 『まだ見ぬ冬の悲しみも』改題文庫化。(早川書房HPより) 2006年1月出版の『まだ見ぬ冬の悲しみも』に短編「七パーセントのテンムー」を加えて改題、文庫化。 「シュレティンガーのチョコパフェ」 原型は20年以上前に発表されたものらしいが、『MM9』でも物語の核となっていた「人間原理」を主題に、マッドサイエンティストのちょっとした発明で崩壊していく世界を描いた一篇。 論理的には無茶だが、この人が書くと納得せざるをえない。 量子の世界における不確定性原理を現実世界に当てはめることで、世界の存在そのものが揺らぎ始める。 各個のアイデンティティを保つのに必要なのは自我ではなく他者への愛だとする理論に万歳三唱。 しかしこの作品の理屈だと、やはり世界の中心には自分がいる、ってことなのか??? 「奥歯のスイッチを入れろ」 いわゆる加速装置をハードSFの世界で描いた作品。 不慮の事故によりアンドロイドとして生まれ変わった主人公が、ヒロインを守るために敵のSSS(ソニック・スピード・ソルジャー)と戦う。 超音速で戦うと言っても、脳の処理速度も400倍なので、いろいろと不都合が多いらしい。 重力、慣性、物質強度の影響を深く考察してあるのが興味深かった。 若い頃に読んだ『ゾウの時間ネズミの時間』(本川達雄・中公新書)を思い出した。 石ノ森章太郎先生が存命ならば感想を聞いてみたかった。 「バイオシップ・ハンター」 トカゲ型異性人イ・ムロッフ族のみが操縦できる生きた宇宙船「バイオシップ」。 ある宙域で地球の船が正体不明のバイオシップ集団に襲撃される事件が頻発していた。 イ・ムロッフ族の濡れ衣を晴らすために主人公は彼らの船に同乗してその謎を追う、という話。 バイオシップの出自が解明されるくだりも白眉だが、異性人の目に映る地球人という種族という視点が非常に面白い。そこに示されるテーマは限りなく重い。 「メデューサの呪文」 たった8行の詩が地球人類を滅亡の危機に追い込む、というスゴイ話。 惑星アルハムデュラーで地球の戦艦2隻が衝突大破し、一人を除いて乗員全員死亡する事故が起きる。 その生き残った地球人の独白という形で、事故の真相とさらなる脅威が語られていく。 アルハムデュラーに住むインチワームが作り上げた「言語文明」の設定が素晴らしい。 彼らが紡ぎ出す言葉によって喚起されるイメージの渦の壮大な描写はさすが、である。 「まだ見ぬ冬の悲しみを」 CHLIDEX(クライデクス)という理論により始まった過去へのタイムトラベル。 有人CHLIDEX実験の人類初の被験者を主人公にしてうまくまとめた一篇。 未来へのバタフライ効果や並行世界の分岐は多く書かれているが、この考え方は初めて。 時間遡行が孕む危険性が無限に拡大するのと裏腹に、物語は物悲しい結末へと収束していく。 「七パーセントのテンムー」 自我と形成する核と考えられている「意識」を、どうやら人類の7%は持っていないらしい。 そんなトンデモ理論を軸に描かれるこれまたちょっぴり切なくなる一篇。 意識が行動や情動を決定するのではなく、それ以外の脳機能が起こしたそれを追いかける形で認識しているにすぎない、とする理論はとても怖い。 リチャード・ドーキンスとはまた違うのだろうが、生かされている、という恐怖は同質のように感じた。 「闇からの衝動」 実在のSF作家C・L・ムーアを主人公に、その時代の作品群に対するオマージュの形で描かれた作品。 このタイプの話は洋の東西を問わず、また歴史だろうがSFだろうが無関係に好みである。 出てくる作家たちと一人も知らないのでもうひとつ刺激が足りなかったのだが、ファンには堪らない一篇であったろう。 文庫版の解説でも言及されているが、山本弘という作家はその作品世界において自らのアイディアを様々な形で作品世界に投影しているようだ。 だからこそひとつの理論が少しずつ形を変えて何度もでてきているらしい。 そうとなれば他の作品も読まねばなるまいて。 またこの人の作品はその奇抜な設定もさることながら、そこに人が描かれているのが素晴らしい。 個人の愛であったり、地球人類に対する愛であったりするが、本質は変わらないように思う。 このあたりが山本弘という作家に魅かれる一因なのであろう。 85点(100点満点)。
1投稿日: 2012.09.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『アイの物語』を読んで、もっと山本弘の作品を読んでみたいと思って購入。 短編で7つの物語。どれもおもしろかった。 一番、印象に残ったのは『メデューサの呪文』かな。 一度聴いたら死に至ってしまう言葉。 発想がとてもユニークでおもしろい。 言葉は詩になっていて、比喩などを返し、その詩の本質を読み取るとそのすごさに発狂してしまう。 逆に、そういった考える力が無い人、ただ聞き流すだけだと致命的にはならないのでは? などと思いながら読んでいた。 高校時代にこういった山本弘の短編を妖魔夜行で多く読んでいたら、読みなれてるのかもねぇ。
0投稿日: 2012.05.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集ですが、まずは表題作について。 「亜夢界」っていう不確定性の雲に包まれた何ともあやふやな世界を、少しの「創作」から順々に科学的に説明づけてしまうあたりが非常に面白いところです。それになんか、そっちの方がいい世界っぽいし。 あとは「メデューサの呪文」が面白かったですね。かの有名な「殺人ジョーク」をもう少し真面目に理論的にやろうとするとこうなる、みたいな感じでw
0投稿日: 2012.04.14
powered by ブクログ短篇集。「メデューサの呪文」「七パーセントのテンムー」が特に面白かった。 前者は言語による表象・認識がキーとなっていて、後者は脳科学的な観点から意識が問題となっている。 これらの短編は現代の言語哲学や科学哲学とも密接に関わっている。SFは自然科学をネタにするものだと思われがちだが、その自然科学にしても現代物理学などは一週回って哲学的な問題になっており、もはや「SFは哲学である」と言ってもあながち間違ってはいないのではないか、という暴言をはいておく
0投稿日: 2012.01.02
powered by ブクログハード&ポップな表題作、アクションシーンが秀逸な「奥歯のスイッチを入れろ」異星人ものSF「バイオシップ・ハンター」短編として一番良くまとまっている「メデューサの呪文」トンデモハードSF「まだ見ぬ冬の悲しみも」アイデンティティを実際の研究も交えて問う「七パーセントのテンムー」古典SFのオマージュだがそれだけじゃない「闇からの衝動」。全体的に短編ならではのアイデア勝負感と投げっぱなし感はあるが、どの話もそれぞれの魅力を持った名短編集。さすが「メデューサ」は短編としてのおもしろさがぎゅっと詰まった佳作だったな。
0投稿日: 2011.12.08
powered by ブクログ久しぶりにSFを読んだ。物理が嫌いな人には絶対入ってこれないゾーンな気がするけど、面白かった。ここまでのアイディアが出るのはスゴイ!
0投稿日: 2011.11.20
powered by ブクログアキバ系のヲタクガジェットを動員したSF。なんとも珍妙だが、SFとしては非常に明快で、実にバラエティに富んでいる。言語SFの「メデューサの呪文」時間SF「まだ見ぬ冬の悲しみも」がよかった。
0投稿日: 2011.09.21
powered by ブクログ表題作を含む7つのSF短編。山本弘が好きだってのもありますが、ワリとタイトル買いでもあります。好きなんですよ、「シュレディンガー」って響き」。 さて、現役SF作家では随一の面白さじゃないかな、と読んでる点数も少ないくせに勝手に思いを寄せている著者ですが、今作はちょっと分かりにくいものが多かった気がしました。設定が結構マニアックで、それに比例してか説明が回りくどいので、いつもの著作の分かりやすさが薄れ、現代の延長線上にあり得そうなホラ話、というには想像が難しいものが多かったです。 あるいは、読者たるワシの知識不足のせいかもしれませんが。 なんだろ、各作品の設定の面白さは感じるんだけど、それをきちんと理解できていないもどかしさが作品の面白さを半減させている気がします。普段の著作が理解しやすいだけに、それが際だってしまったのかも知れません。 短編のワリに、設定そのものは凝ってますので、それこそハードSFが好きならきっちり楽しめるのではないかと推察します。でも、著者の入門書としては相応しくない、かな。その意味で、表紙に騙されてはいけません。笑。 (2008年読了)
0投稿日: 2011.08.27
powered by ブクログ表紙とタイトルを見ると、コミカルなSF風味のライトノベル と思われますが、実はキッチリカッチリしたお話になっています 7つのお話の短編集ですが、どれも物語の完成度が高く 素晴らしい作品になっています 個人的にはタイムマシンを扱ったお話が好きでした 私の中にあったタイムマシンの常識を破壊された感じです SFが好きな方はもちろん、あまり得意でない人も 楽しめる間口の広い作品ですね
0投稿日: 2011.06.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大昔(小学生?中学生?)、SWや妖魔夜行やラノベを読んでました。山本弘さん。SFも同じノリでとても懐かしくなりました。やっぱり好きだなあ。
0投稿日: 2011.06.17
powered by ブクログ一見不思議な設定も、作者がしっかり書いてるおかげで入り込みやすかった。もっと読みたいなって思う。SFはあまり読まないジャンルだけど、読んで良かった小説。そしてイ・ムロッフ素敵すぎるw
0投稿日: 2011.06.08
powered by ブクログSF短編集。ラノベっぽい表紙に騙されちゃいけない。 全ての物語が良質で、お勧めできる本だと思う。 シュレディンガーのチョコパフェ/奥歯のスイッチを入れろ/バイオシップ・ハンター/メデューサの呪文/まだ見ぬ冬の悲しみも/七パーセントのテンムー/闇からの衝動 AIや未知の生物がメインの話より、現代の科学をこねくり回したような作品が好きなので、シュレ~、奥歯~がお勧め。 メデューサ~も良い。
1投稿日: 2011.05.13
powered by ブクログSFだからなのかなぁ?理論解説が多すぎて、話になかなか気持ちが入っていけませんでした。 発想は突飛でかつ理論が難しい、割にスラスラ読めてしまったので、そういう意味では話上手だったのかな? メデューサの呪文が一番好き。
0投稿日: 2011.02.12
powered by ブクログ「シュレディンガーのチョコパフェ」3 著者 山本弘 出版 早川書房 p423より引用 “人間は少しずつだけど賢くなっている。” SF作家でと学会会長である著者による、 SF短編集。 2006年同社から刊行された単行本に、 短編一本を加えた文庫版。 理路整然としていながら、 そんな馬鹿なと思うような話が7話掲載されています。 上記の引用は、 解説の中の著者の他作品からの一文。 ここ最近の出来事を見ていると、 本当にこの分の通りになっているのかどうか、 疑問に思ってしまいます。 けれど、 この様なことが続いたとしても諦めずに、 より良くなろうとしなければならないのだろうと思います。 短篇なので少しずつ読みたい方でもあんしんです。 ーーーーー
0投稿日: 2010.12.13
powered by ブクログSFマニアとかオタク向けのSF短編集。 タイトルにも現れている通り、SF的な理論の部分が他の有名なものからの転用なので、おれはこれを知っている。とか思いながら読めば満足できるんじゃないかと。 普通に楽しみたい人にとっては、SF理論ばっかりで面白いとは感じられないかもしれないですね。タイトルにつられて買ってみたのですが、まぁ、それなりでした。 唯一、7%のテンムーのアイディアは好きだった。落ちが、結局愛よね。って安直さにはがっかりしましたけど。
0投稿日: 2010.10.14
powered by ブクログフィギュアオタクの俺は高校時代の同級生溝呂木が先進波を放ち 現実と夢の境界のない世界を創り出すのを止められなかった。 世界は目を離した隙に目まぐるしく変化していく。 アイデンティティがないと自分がなくなってしまう。 人形オタクの彼女・裕美を必死に思い出しながら 自分を、そして相手を保とうとするが…表題作他7編。 「メデューサの呪文」がすごい! 高度に発達した言語文明は言語を通じて海を見、旅をし、 そして言語で相手を発狂させることが出来る。 実際に言語ってどこまでのことが可能なんだろう。 経験してないことでも想像力によってイメージすることはできる。 それが精神構造にまで強い衝動を起こせるのか否か。 「闇からの衝動」は恩田陸っぽいゴシック感がある。 「バイオシップ・ハンター」はスターウォーズみたいな感じかな。
0投稿日: 2010.09.20
powered by ブクログSF者としてはまだまだ未熟で、オタクにはなりきれない、そんな中途半端な私に、両方の美味しいとこを見事に提示してくれた短編集。思わずニヤニヤしてしまうな。 ちなみに、私はシリアルは牛乳でベショベショになる前の、パリパリした食感が好きな人です。むしろそのままバリバリいけます。
0投稿日: 2010.09.19
powered by ブクログ調べてみてオタクの業界ではかなり活躍している人なんだなと知りました。 表題作は、オタカップルのダラダラ日常会話に、主人公の旧友の陰謀がジワジワ侵食してきてラストこうなるか!と色々驚かされた。幸せの形は人それぞれ。自分としては解説の人とおおむね感想は一緒だけど。 2作目は音速で動ける身体を手に入れた男の愛の物語。音速の描写がネチっこくてよし。仮面ライダー555のアクセルフォームっぽいイメージ。 3作目は生きた宇宙船と地球人と爬虫類っぽい異星人のお話。スターウォーズなイメージ。哲学。 4作目は自分以外の486人の乗組員の死亡事故についての男の衝撃の独白。ただし嘘が一つ独白中に含まれる。これがこの本の中で一番好きな仕掛けがしてあった。 5作目はタイムトラベル?の話。衝撃の冒頭から始まり、主人公の記憶を追って行き、意外な真相に辿り着かせられた。こういう考え方もあるなぁ。あとがきにあるように感情移入しにくいキャラばかり登場。 6作目は脳科学の発達により見つかった新たな因子についてのお話。ユーザーイリュージョンはバキのなんかで見たなぁ。 7作目は触手。 ネタが分からないと楽しめない部分もたまーにあった。(1、7作目) 作品のテーマはそれぞれだろうけれど色んな意味での「愛」とやらが共通するテーマに思えた。 トンデモをリアルに描き切ったSF本です。
0投稿日: 2010.06.26
powered by ブクログSF短編集「アイの物語」が大傑作だっただけに、 同作者の他作品も読みたくなった。がしかし…。 読者賞をとったという「メデューサの呪文」のみ傑作。 文字では書き表せないもの映像では描くことができないものを、 なんとか書こうとする。その試みこそがSFそのもの。 高度な文明は物質社会から言語社会へと移行した というその過程を読ませてもらうところが面白い。 モノに興味がなくなった自分向き。
0投稿日: 2010.06.06
powered by ブクログ短編。どれもよくできている。荒唐無稽な状況になんだかんだ屁理屈つけてそれっぽく読ませるのはピカイチだな。もちろんストーリー展開もしっかりしていると思う。中では特に、「七パーセントのテンムー」、「メデューサの呪文」がよかった。あとがき「大バカな話を真剣に描ききってやる」。うんうん、書けてますよ。
0投稿日: 2010.05.06
powered by ブクログオタクのオタクによるオタクのためのSF短編集。 量子物理学とか力学とかそういう小難しい理系の理論をごちゃ混ぜに煮詰めて、ありえない出来事のつじつまを何とか帳尻合わせをして物語風味に仕上げましたって感じ。 このジャンルにしては文体も読みやすくてとっつき易いとは思うけど、「シュレディんがーのチョコパフェ」は新旧の特撮やアニメの知識がある程度ないと何を言ってるか分からない部分が多々あるので注意(ウルトラQとかカレイドスターとか) こういうの馬鹿馬鹿しくも難しくて頭が痛くなり、笑えたり混乱したりするものが、SFのあるべき姿なのかもしれない。 個人的には「メデューサの呪文」がお勧め。
0投稿日: 2009.12.18
powered by ブクログ短編SFが7篇収録されています。 7篇のうち5篇が大雑把に分けると「時間に干渉」「宇宙」のどちらかを背景にしている作品です。後の2篇は「脳」と「怪物」です。 面白くはありましたが私には合わなかったです。 物理学など理解する気力をなくして何年になると思っているんですか(笑)タイムマシンの原理の説明をしているところなどがあるんですが意味が全くわからなかったです。そのせいで読む気をなくしてしまいました。 正直短編ではなく長編にするべきだったのではないかと思います。それぞれ伏線回収はきちんとしているし、まとまってはいたのですが、前に書いたように機械の構造とかそういうものを説明するならば短編では足りません。長編にしてゆっくり丁寧に説明するべきだったと思います。 もしかしたら作者さんは機械の構造についてなどは理解してもらわなくても良いと考えているのかもしれませんが、それならばもう少し簡単にもしくは簡潔にするべきだった気がしてなりません。
0投稿日: 2009.12.16
powered by ブクログ立ち寄った本屋に(ry この人の本読むの、もしかして初めて? ざっと見た感じだと、ユルいのからハードなのまでありそうです。楽しみ。 感想は読後に。 さて、どれから先に読もうか。 …読後… 面白かったー!!この本を読んでたら、集中し過ぎて一駅乗り過ごして遅刻しそうになりました。 どれも考えさせられる結末でした…ハッピーでもバッドでもない感じ。ニヤリとさせられたりもやもやしたり。 お勧めは『メデューサの呪文』と『奥歯のスイッチを押せ』。 短編のなかに良くあれだけの世界観とストーリーを詰められるなぁ…
0投稿日: 2009.06.06
powered by ブクログ編のSF短編を収録。 思いがけず、本格的なSFでした。 表題作「シュレディンガーのチョコパフェ」はオタクネタ満載ですが、すごいちゃんとした(?)SFっぽいです。 元は1985年に同人誌に発表された話だそうですが、20年振りに書き直すにあたって新しいネタに差し替えたそうです。 …個人的には85年時のネタの方がわかるものが多かったんじゃないかな〜。なんて(←一番気合い入れて(?)オタクだった頃) あ、私もチョコパフェにコーンフレークを入れるのには反対派です。 他の話も、外国の古典的重厚巻があるSF作品で、読み応えがあります。
0投稿日: 2009.05.07
powered by ブクログ題名に惹かれて去年買いました。 中身は表題作中心に、 SFの短編がいくつか入っております。 表題作、状況設定は面白いけど、 オチがそれでいいのか!?というかんじでした。 最後に雪が舞ってる景色がでてくる話は わりとよかった気がする。 にしても、(たぶん2次元好みの)男の人の 恋愛感って、こういうものなんですかねぇ。
0投稿日: 2009.04.29
powered by ブクログそれぞれ違うテーマの短編集。 オマージュでない作品の方が正直面白い。 ライトノベル作家として知っていたが、変わらないリアルな筆致がよい。
0投稿日: 2008.11.20
powered by ブクログああうん!楽しかった。かなりちゃんとしたSF短篇だった。表題作と『メデューサの呪文』が好き。パフェのコーンフレークってほんと多いとへこむよねー。
0投稿日: 2008.07.13
powered by ブクログ表紙が表紙だったもので、もっと軽いものかと思っていたらさにあらず。いかにもSFっぽい素材がいっぱいでてきて、「やばい、よくわかんね」とか思いながらも、まあ楽しく読んだ。『メデューサの呪文』がナンバーワン。
0投稿日: 2008.06.08
powered by ブクログきっちり科学アイディアを踏まえたSF短編集。シチュエーションやキャラで無く、センス・オブ・ワンダーのアイディアを描く、まっとうなSFばかり。全体を醸すゆとりやぬるさに、初期SFとは違う最近のムードを改めて感じた。長編で読みたいアイディアも。根本で人間を突き放しつつ、知性と理性を信じる共通性を感じた。自分には理性がある。だから、相手もあるよね、と問いかけるような感じ。
0投稿日: 2008.03.28
powered by ブクログかなり読みやすいSF短編小説。ライトノベルっぽいところはあるけど、それで敬遠するのは勿体ないと思う。 どれもこれも実際にありそうだと思わせる作者の力量は凄い!! 私的には表題作の"シュレディンガーのチョコパフェ"と"奥歯のスイッチを入れろ"がお気に入り。どの作品も面白かった!!文庫にしてはちょっと高いけど、買ってもあまり損した気分にならないと思う。
0投稿日: 2008.02.04
