
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
死人として生きることが最良の判断につながる。自身が死人であるから、何が起きてもなんの動揺もなく、自身をも客観的に外から見ていられる。杢之助のように、肝の据わったブレない生きざまにはとても及ばないが、自分自身に何か一つでも信念を貫いてきたものがあっただろうかと自問してしまう。葉隠れ武士道の精神をを題材にしつつここまでエンタメにする著者がすごい。下巻がたのしみ。
1投稿日: 2025.09.29
powered by ブクログ図書館にて借りる、第293弾。 (神戸市図書館にて借りる、第102弾。) the pillowsギタリスト、真鍋さんが雑誌で何度も読んでいると書いてあり、これは読まねばと思い図書館にて借りる。 面白い。 死を前提に生きる主人公の立ち振る舞いが、格好良い。 下巻にも期待。
0投稿日: 2025.04.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
時代小説は人の名前が難しい… 言葉も難しい。 ただ、面白い。 死人。毎朝死ぬ。 その為、後悔などしない生き方。 自分に強い生き方を学びたい。 p127.ことの大小を問わず、理由の正逆を問わず、一瞬に己れのすべてを賭けて悔いることがない。 p130.今日只今に己れの全存在を賭けて決して悔いることのない男である。 p197.人間のすることに理屈はどうにでもつく。だがすべて嘘である。何を考えるかではなく、何をするか或いはしないかで男の評価はきまる。
0投稿日: 2024.01.29
powered by ブクログ最後まで終わっていない事だけが悔しい。 しかし構想だけ見ればある程度は想像出来ると共に、他作品を見ると容易に想像出来る。 バイブルと言える作品が見つかった。
0投稿日: 2023.03.31
powered by ブクログ死を畏れぬ心の鍛錬とは、人を一体どこに辿り着かせるのか。葉隠が教える生き様。死が恐ろしくないならば、人は自暴自棄に生きてしまわないものか。そこに眠る信念を歴史小説が解き明かす。清々しく気持ちの良い、痛快な物語だ。それでいて葉隠の真髄が随所に散りばめられる傑作。今まで読んだ事が無かった事、本作を手に取った邂逅を嬉しく思う。 何より、作者の原体験。死は必定。戦時中の回想から始まるのである。徴兵検査を受けさせられ、兵役を課せられることになった作者は、その当時アルチュール・ランボーと中原中也が愛読書だった。ランボー作『地獄の季節』をどうしても戦場に持っていきたかった。考え抜いたあげく戦場でも許される『葉隠』をくりぬいて『地獄の季節』を持っていく。活字に飢え、だから、出会った。 毎朝、自分の死を思い描いてから1日を始めるという習慣。死を畏れぬ事と自棄になる事は違う。読みながら、自らを顧みて学ぶ。
3投稿日: 2022.11.10
powered by ブクログ太平洋戦争で徴兵された若者が、ランボオの詩集を持ち込みたくて「葉隠」の中に潜ませて行く。活字に飢え、やむなく葉隠を読み出して、その魅力に引き込まれ、独自の解釈を展開していく。ここから時代は江戸初期に移る。鍋島藩(現在の佐賀)の葉隠武士3人衆が、藩のため、主君のために躍動する。その生き方は、武士の本分そのままであり、常に自分は死人(しびと)として生に執着せず、故に立場にも金にも執着しない。義や孝に反するものは許さないが、それが主君であっても、不法を諌めて切腹を賜るのが最上とするもの。なんとも爽やかで潔い生き方。家族も友人も、吉原の顔役すら、皆彼らに惹かれる。まっすぐなだけに、命懸けで付き従うものも多いが、敵も多く、常に命のやり取りをする。一見、付いていけない奇人ばかりだが、三人の中にややまともな者があって読者としても理解しやすいバランスになっている。著者の急逝により、未完となっているのが残念だが、読後感すっきり。
1投稿日: 2022.05.02
powered by ブクログ葉隠武士道を貫く杢之助らの生き方が粋で清々しい気持ちになる。 随所にマネジメントの至言も散りばめられ、思わず唸る...。10数年前に読んだ時には気づけなかったことが多々あり、読み返す価値を改めて実感。 さあ下巻に参ろう。
11投稿日: 2021.05.07
powered by ブクログhttp://denki.txt-nifty.com/mitamond/2008/01/post_a988.html
0投稿日: 2020.06.13
powered by ブクログ既に死人が故にできること、無駄に生にこだわるからできないこと。 杢之助の現代にも通じる生き様に感服。
1投稿日: 2019.11.10痛快!
二度目である。葉隠れ武士の生きざまにあきれ、憧れる。恐れても仕方のない死というものに、ここまであっけらかんと向き合うことが出来たら、何よりも強い。面白いし、救われる。一度読んでいるのに下巻が楽しみだ。
0投稿日: 2017.08.21
powered by ブクログ作者が葉隠をいかにし、戦争中に読みだしたかという紹介から始まる。 どうして、なかなか、面白かった。 短いエピソード集なんだけど、毎回が思い切りよく生き抜くことを信条に生き抜く侍であるため、波乱万丈が烈しいのなんの。作者が言うとおり、葉隠は元々読んでみたい本の一冊であったけれど、葉隠は面白いものなのではないかと思ってきた。 引用した言葉は不満。 私は、自分が痛い目に合わないためだけに、嘘をつくひどい人間を見たことがある。そいつは、自分が傷つけた人のことなどあっという間に忘れていく。こんなひどい人間は幸せになってはいけないとまで感じた人間だ。 残念ながら、18話で完結の予定だったらしいが、作者が急逝のために、15話が最後。16話を17話については草稿が残っており、あらすじを記載してくれている。勝茂がなくなり、杢之介が殉死、求馬が殉死とますます読み応えのある内容なだけにとても残念。 そして、18話については、あらすじもなく、作者が編集者に話した内容を記載するとなっていた。こういうのを見ると、編集者というのはいい存在だなぁと思ったりする。頑張れ、のりすけさん(笑) 最後まで、触れられないのが、萬衛門の死。 私は彼は死ななかったんじゃないかと思った。杢之介と証言の約束をしていたから。誰にも迷惑を掛けないように、独りで去っていくのが杢之介。やるべきことを果たしてから20年後に切腹するのが求馬、生き残るのが萬衛門。それぞれの信条に応じた殉死だと思う。 毎日が刺激に溢れ、羨ましい気がするけれど、それは何かあったらすぐ命を引き換えにする覚悟をもって生きているからこそ初めて得られる報酬。 私たちが何もリスクにかけることなく、我が儘に生きるのとは違う。
1投稿日: 2016.03.31
powered by ブクログ『葉隠』に表れる、武士の「死の覚悟」を、鍋島家中を舞台に伝奇的な痛快ストーリーで描いた作品。 荒唐無稽で痛快なのは、隆のいつもの伝。冒頭の、隆の述懐「ランボーの『地獄の季節』を『葉隠』に仕込んで入営」という話が、本編にも増して印象に残る。
0投稿日: 2014.11.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初めてのちゃんとした?歴史小説でした。歴史小説ってちょっとズルいかもしれないな。題材が面白すぎますよね。そもそも佐賀県って私の中では全く印象になかったので、新しい知識も得られて二重に楽しかったです。 徳川家光〜家綱くらいの時代の鍋島藩を舞台に、葉隠武士と呼ばれる戦士の中の戦士達を描いています。この小説は未完のまま作者がなくなってしまって、結末がどうなるのかわかりません。それが本当に残念です。 歴史小説がめっちゃ面白いらしいことがわかったので、読み終わってすぐに吉川英治の「三国志」読み始めました。
1投稿日: 2014.10.01
powered by ブクログ葉隠に書かれている佐賀藩士の心得をベースとした時代活劇小説。隆さんの他の小説(網野学説が下地)と異なって、藩主に背きつつも藩主に戻っていくような相反する行動を通して生き様を描いている。
1投稿日: 2014.09.03タイトルそのままの内容
作者が戦地へ赴く際、持って行きたい本を隠すために使ったのが、この作品の底辺となる『葉隠』であるというエピソード付きの作品。 鍋島武士の底力と誇り、得物がなくなったら自身を得物にして戦う決して無駄死にはしない覚悟。 「死」という人が避けては通れないテーマだからこそ、共感できずともどこか惹かれるものがあるかもしれません。 いつか機会があったら頑張って『葉隠』も読んでみたいです。 ヘタレ故に、毎朝死んでから起きるという覚悟までは出来そうにありませんが…^^;
1投稿日: 2014.06.01カッコイイ!
カッコイイ! 理想とする男性像のひとつ。毎日、“死んでいる“男の生きざまを通じて、生きるとはどういうことか、考えさせられます。 <杢之助は明日のない今日を生きる男である。たとえそれが愚劣な喧嘩にすぎなかろうと、今日只今に己れの全存在を賭けて決して悔いることのない男である。だからこそ生にも死にも恬然としていられるのではないか。> う~ん、憧れる。 <人間のすることに理屈はどうにでもつく。だがすべて嘘である。何を考えるかではなく、何をするか或いはしないかで男の価値はきまる。杢之助はそう云っているのだ。> くーっ、シビレル。肝に銘じます。 以前、どこかで、毎朝、「今日死ぬとしたら、何をしたいか考える」ということが、人生を良く生きるための心構え、みたいなことを読んだような気がするけど、それって「葉隠」武士のことですな。 毎日“死ぬ”というのは、極めて精神的な生き方で、それ故、最高に人間的な生き方なんだという気がしました。
2投稿日: 2013.12.29隆さん哲学の結晶のような・・・。
私にとっての隆慶一郎は、週刊少年ジャンプで好きだった『花の慶次』の原作として『一夢庵風流記』を読んだところから始まりました。たぶん隆慶一郎の入り口としては、『一夢庵風流記』がおすすめです。面白いし、お話がでっかいし。 ただNo.1はコレだと思うんです。隆慶一郎が描き出す、ただひたすらに格好良い男が。隆さんが消化した『葉隠』哲学の結晶として。 ニートですけどね。 なんせ、毎朝死んでるから、仕事なんてできないんです。爆笑しながら読みました。でも恰好良い。こうありたい。良いなあ、隆慶一郎。
1投稿日: 2013.10.03
powered by ブクログエンターテイナー版葉隠。戦国の世も終わった江戸時代、主持ちのいくさ人たちの活躍。天草四郎の乱に始まるが1話毎に歯切れよく完結するので実に読みやすい。
1投稿日: 2013.06.22
powered by ブクログ抜群に面白い。 戦場では一瞬の躊躇が生死を分かつ。したがって逆説的だがその躊躇を無くす為、常日頃から死んでおく必要がある。 これを具現化したのが本書の主人公、斉藤杢ノ助。文字通りいつでも躊躇なく死を差し出す。 たとえ家老、藩主、老中であろうと、杢ノ助を相手に回すと一瞬にして命のやりとり、男と男の勝負に持ち込まれる。 そして相手はその杢ノ助の本気を悟ったとき、己の中の甘さに愕然とし負けを認める事になる。 この杢ノ助の本気度やそのスピード感たるや。かっこいい!痛快!恐るべし! 常に頭の中で参照している一冊です。
1投稿日: 2013.03.26
powered by ブクログ働く オトコに、グッとくる。 人生やってりゃ かみしめる。 読書好きなら 100% ハマる!! 名作です!! きまぐれ図書館のレビューはコチラ http://ameblo.jp/kimagure-library/entry-11441649448.html
0投稿日: 2013.03.23
powered by ブクログ名声を求めず、出世を求めず、浪人としての生き方。でも力はあり藩主も一目置く存在。何のために生きているのか。 どういう状況でも自分の信念に従って、死ぬまで生き抜くのはすごいが、孤独。
0投稿日: 2013.01.04
powered by ブクログ帯文(裏表紙):"常住坐臥、死と隣合せに生きる芳賀倉武士たち。" 目次:第1話、第2話、第3話、第4話、第5話、第6話、第7話
0投稿日: 2012.12.10
powered by ブクログ隆慶一郎の『死ぬことと見つけたり』(新潮文庫 上下)を 読み終えました。 このタイトルからもお察しの通り、 あの『葉隠』を下敷きにした痛快時代活劇です。 たとえ両腕を切り落とされようとも、 相手に体当りし首筋の血管を噛み切ろうとする。 彼等は既に「死人」同様であるから、 死ぬことに対して何のためらいもない。 従って、敵の動きが冷静に見て取れる。 こんな侍たちの物語です。 尚、主人公の3人の武士は架空に人物で、 長年読み続けた『葉隠』から その人物像を作り上げたようです。 同じ作家の『影武者徳川家康』よりははるかに面白い。 隆慶一郎氏が最後の力を振り絞って書き続けたそうですが、 残念ながら未完に終わっています。 今、何かスカッとした小説はないかと お悩みの諸兄、おすすめです。
0投稿日: 2012.11.16
powered by ブクログ日本の時代小説だってのにのっけからランボオ「地獄の季節」の引用をしちゃうロックな隆慶一郎先生。当然内容もロックです。 サムライなのに(だから?)メインウェポンが鉄砲の主人公、しかもサムライなのにお殿様が間違った指令をだそうものなら切腹したあと切り殺すぐらいの思想。そんな男が主人公でつまらなくなるはずがありません。 実は未完の作品でもあり下巻には結末までのプロットも解説されているのですが、この男ならどんなストーリー展開になっても気持ちの良い終わりになるだろうと思えます。
0投稿日: 2012.11.14
powered by ブクログ葉隠が小説になって、しかも隆慶一郎という。 しかし、主人公の杢之助がスーパーマン過ぎて、魅力にかけるとは思う。 上巻の最後の第七話の、鍋島正茂の話は良かった。
0投稿日: 2012.11.11
powered by ブクログ佐賀鍋島藩。 縁もなく、この本を読むまで、あまり多くのことを知りませんでした。 良くも悪くも、いろんな事情を抱えた鍋島藩が存続し続けられたのは、 藩主の力量もさることながら、やはり、それを支える鍋島侍たちによる ところが大きかったんだなと感じさせる作品。 清廉で潔く、痛快で心地よい鍋島武士たちをご堪能あれ。
0投稿日: 2012.11.05
powered by ブクログとあるレビューに共感して読んだが、想像をはるかに超える衝撃的時代小説だった。 人物はみな個性的で、特に主役の三人がいい。陰湿なのに、笑ってしまうほど爽快で豪快な話の数々。こんな堂々とした主人公、今まで見たことがない。 『葉隠』は書かれた当初あまり流行らなかったらしいから、実際鍋島藩士がこうだったのか謎な上、個人的に史実重視の小説が好みというのに、これはエンターテイメントとしてとっても面白く楽しく読めた。 未完なのが非常に悔やまれる。最後まで読みたかったなー。
3投稿日: 2012.01.23
powered by ブクログまったくもって面白い。 死ぬ覚悟をもって生きる鍋島武士の潔さは、現代を生きる私達にとっても腹の底に留めて置きたい価値観かもしれない。
0投稿日: 2012.01.14
powered by ブクログ武士道の解釈は人それぞれあると思うんだけど、この人の解釈は覚悟とか死とかそういう悲壮感漂うものとは結構かけ離れた部分にあって、読んでいて痛快だった。 斎藤杢之助以外のキャラクターもまた魅力的。 個人的には中野求馬が好き。
0投稿日: 2011.12.30
powered by ブクログ全2巻。 絶筆。 ぎゃー。 日本が誇るベストセラー、 武士道の代名詞「葉隠れ」を生んだ、 佐賀鍋島藩の武士達の話。 あいかわらずキャラが良い。 ニヤニヤが止まらない。 猿とか熊狩りとかのエピソードが好き。 文中で主人公達が泣きそうになると 自分も泣きそうになる。 上巻は文句無し。 下巻で若干1話完結の伝奇っぽい展開になってくけど、 なんやかんやで持ち直してる感じ。 が。 絶筆。 ぎゃー。 本当、つくづく思うけど、 せめてあと10年生きてほしかった。
0投稿日: 2011.05.31
powered by ブクログ高校生の頃に初めて隆慶一郎に出会い何作目かで呼んだ記憶がある。確か大学時代だったろうか。そしてこの本が自分のオールタイムベストになった。 正直なところ未完だったので最後の方で読んだのだろうと思う。10代、20代、30代と読でいるがその時の状況によって味わいが変わっている。5回以上は読んでいる。 10代・・・主人公に圧倒されその世界に魅了された。 20代・・・社会人になり組織で働くことを知り駆け引きや人間性に感じ入った。 30代・・・勤めて10年近くになり物語の背景や作者の人間性から小説から何かを得よう(具体的には元気)と考えた。 今回は30代なわけだが気分転換と自分らしさを取り戻すためにこの本を選んだ。
0投稿日: 2011.04.15
powered by ブクログ「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」 江戸時代初期、佐賀は鍋島武士の価値観・生き様を描いた時代小説。 共感できるかはともかく、色んな価値観があるということを理解しておくことは人の行動を理解する上で大切である。 戦国大名の戦略とか人間関係ってけっこう現代にも通ずるものがあり、示唆に富んでいる。
0投稿日: 2011.03.25
powered by ブクログ鍋島家に仕えた葉隠れ武士の話。途中で物語が終わるものの、隆慶一郎作品で一番面白い。主人公斉藤杢之助のさわやかさ、かっこよさはもちろん、周りのキャラクターも最高である。 常に死ぬことを覚悟し、毎日を生きることで、自分の信念を貫く姿は、何度読んでも面白い。 同著者は、”一夢庵風流記”が原作である”花の慶次”で有名であるが、原作も面白いが、この死ぬこととみつけたりの方が私はすきである。 歴史好き、またヒーローもの好きには読んでほしい一冊である。
0投稿日: 2011.03.13
powered by ブクログ好きなバンドの人の愛読書だったので何となく読んでみたが想像以上によかった。死人になる、死を意識して生きることは常人には不可能な事だけれど、生死とか関係なく自分に出来る限りの最善を尽くす心がけは忘れないようにしようと思った。
0投稿日: 2011.01.15
powered by ブクログどのような卑怯をも決して許さぬ社会、武士が武士たり得た社会、命など己が名誉に比ぶれば何の価値も持たなかった社会がかつてあった。江戸時代、佐賀鍋島藩である。佐賀鍋島藩の浪人、斎藤杢之助がこの物語の主人公である。 葉隠において「常住死身」(じょうじゅう・しにみ)という言葉は重要な概念である。いつでも死んでみせるという覚悟、それはたとえその死が犬死であっても構わないということともとれる。しかし、考えてみると犬死という言葉には価値観が含まれている。無駄な死、死に損という損得勘定、謂わば計算がそこにはある。しかし、葉隠のいう「常住死身」とはいざというときに死んでみせるという覚悟ではなくて、いつだって死んでいるという覚悟をさしている。すでに死人(しびと)であるのだから、その死に意味など必要ないのである。犬死にであろうが、甲斐ある死であろうが、その時がくれば死ぬのである。であるから、死ぬかも知れない状況であっても行動をためらわない。つまり、どう行動すべきかを選択する要素は、生死に非ず、損得に非ず、そうすることが正しいかどうかなのだ。「常に己の生死にかかわらず正しい決断をせよ」、これがこの物語の主人公・斎藤杢之助の行動原理である。この純粋な基本概念が杢之助の原点であり到達点でもある。 葉隠にはもうひとつ「忍恋」という概念がある。簡単にいってしまえば永遠の片思いである。相手にこちらの恋心を悟らせず、相手に恋心の負担を感じさせないという恋こそが究極だというのである。主人公・杢之助は「常住死身」であることを会得した「死人」であるから、一切の事象に動ずることは無いが、そんな杢之助が唯一動じたのが想いを寄せる愛殿が家に来たときだけというのが何とも良い。
0投稿日: 2010.12.18
powered by ブクログ二度目である。葉隠れ武士の生きざまにあきれ、憧れる。恐れても仕方のない死というものに、ここまであっけらかんと向き合うことが出来たら、何よりも強い。面白いし、救われる。一度読んでいるのに下巻が楽しみだ。
0投稿日: 2010.10.29
powered by ブクログ佐賀鍋島の侍には3種類ある。 1、切腹して果てることを前提に行動する奴。 2、それに一生ついて行く奴。 3、主君に箴言を言って切腹するために出世する奴。 どのみち死狂いであった。 三河武士と双璧をなすめんどくさい侍たちの活躍を見ていると、本当の忠とは命を投げ出すものなのだと思わされる。熱い、ひたすらに熱い。 主君にずけずけと物を言う家風も、幕府が鍋島藩を潰そうとするなら江戸に火を放った上で一戦交えると豪語するいくさ人っぷりも大好きだが、一番好きなのは主人公の鍋島武士達が「何に」仕えているのか、という点。 誰のための、何のための「忠」。自分でも主君でも、藩でもない、彼らが仕えているのはもっと根本的で失われやすい物なのだ。
0投稿日: 2010.07.05
powered by ブクログ武士道とは死ぬ事を見つけたり、という最も極端、且つ有名とも言えるフレーズを体現している鍋島武士のモノガタリ。死にたがる?というわけでもないが、死に対して無頓着な連中が繰り広げる時代劇。エンターテインメントとして面白い。下巻の最後まで読めないのが残念。
0投稿日: 2010.06.09
powered by ブクログ読みごたえあったぁ~ まだ上巻なので下巻が楽しみです。 もくのすけ と かんえもんの「死人の気持ち」なんて到底わからないけど、ところどころコミカルだったり恋愛だったり挟まれてて飽きません。
0投稿日: 2009.12.10
powered by ブクログ読書が趣味です、というと「誰が好きなの?」と尋ねられることが多く、著者を 答えると「どの本が好きなの?」とついでに聴かれることがあります。 わたしはある時期から「一番すきなのは隆 慶一郎で、彼の作品で一番すき なのは死ぬことと見つけたり」と答えるようにしております。 単純に面白い! カッコいい! 胸がスカッとする! で選ぶとコレですよ。 未完であるのが泣くほど惜しまれます。 どうして好きなのかという自己分析は下巻にて。
0投稿日: 2009.11.04
powered by ブクログ常住坐臥、死と隣合せに生きる葉隠武士たち。佐賀鍋島藩の斎藤杢之助は、「死人」として生きる典型的な「葉隠」武士である。「死人」ゆえに奔放苛烈な「いくさ人」であり、島原の乱では、莫逆の友、中野求波と敵陣一番乗りを果たす。だが、鍋島藩を天領としたい老中松平信綱は、彼らの武功を抜駆けとみなし、鍋島藩弾圧を策す。杢之助ら葉隠武士三人衆の己の威信を賭けた闘いが始まった。
0投稿日: 2009.11.02
powered by ブクログ作者の隆慶一郎さんは本当に大好きな作家さんの一人でした。私の住む地方新聞の夕刊に掲載されていた「影武者徳川家康」を読んだ時からの大ファンです。「武士道とは死ぬことと見つけたり」という言葉は死を肯定しているかのように聞こえるかもしれませんが、私は「武士道」とは「生き方」なのではないかと考えます。 前の職場の先輩にある時から人生を後ろから考えるようになると言った方がいました。「後ろから」というのは、「死」から遡って、ということでしょう。 「死」から逆算して人生を考え、人生の中で何か大切で、何が必要なことなのか、そうした一つ一つを考え、選択しながら生きていく。 私は「武士道」とはそういう考え方ではないかと考えます。常に死を見つめ、死を覚悟して生きるとは、生を見つめ、自分の生をどう生きるかという覚悟と同じだと思います。「いかに死ぬか」とは、「いかに生きるか」。 とはいえ、この作品の優れたところは、そのエンターテイメントとしての完成度の高さではないでしょうか。常に「死」から「生」をみつめる「死人」たちの生き方は、自然、苛烈なものにならざるを得ない。冒頭の虎の爪に引き裂き殺される「死の稽古」の場面から始まり(そういえば、『ラストサムライ』も虎と闘う場面から始まっている。偶然であろうが…)、筆者得意の「死人」「いくさ人」たちの活躍に物語世界にぐいぐいとひきこまれていきます。 個人的には牛島萬右衛門と大猿の話や一人静の話、杢之助の初恋と静の蝶の話が好きです。
0投稿日: 2009.10.25
powered by ブクログ元佐賀県民としてとても胸が熱くなる話だった。ゆるい現在に生きる私は鍋島藩士の壮絶な生き様に感嘆し、共感し、憧れる。 常に死んでいる男、杢之助。かっこいいぞ。 同じ作者なので花の慶次にも通じるね。
0投稿日: 2009.04.15
powered by ブクログ<野本尚裕選手オススメ!> 朝、目が覚めたら自分がいろいろな死に方をするところを想像する。そうすると、何事も恐れなくなる。そんな記述がありました。自分もそれを実践したことがありました。試合における覚悟を持つ上で、すごく響いた1冊です。
0投稿日: 2008.04.22
powered by ブクログ何度読んでも面白い、 映画かドラマにしたら 作り方によってはいいと思いますが、さて配役はなんて考えます。
0投稿日: 2007.09.17
powered by ブクログ父親が持ってたので読んだらハマリました!! こういう生き方をしてみたいと思います。カルチャーショックを受けました。 未完のまま終わったのが良かったのか悪かったのか…。
0投稿日: 2007.05.14
powered by ブクログ戦国気風色濃い江戸初期の佐賀鍋島藩のお話。 人の命が軽かった時代の侍の生き様。 いつでも心置きなく死ねるため・・・
0投稿日: 2006.08.08
powered by ブクログ隆先生の未完の大作。生きながらの死人・杢之助と杢之助にほれ込んだ浪人・萬右衛門。主君に換言し死を賜ることが武士の本分と信じる求馬。この三人が繰り広げる江戸初期の鍋島藩での騒動などを描いた作品。「葉隠」を楽しむというテーマが粋です。
0投稿日: 2006.04.07
powered by ブクログ常住坐臥、死と共に生きている葉隠武士。 時は江戸、鍋島藩に幕府の黒い陰謀が降り掛かる。 そんな中、戦国の世をいくさ人として過ごし、太平の世になってもその生き方を変えずにいる主人公。 その主人公が己の威信を守るために莫逆の友達と幕府老中との激闘を繰り広げます。 ただ現世利益を追い求め死ぬ間際になって自分の名前を後世に残すために名誉に走る醜い老人達が散見される今の時代。 そんな世の中を生きる私たちに、全てにおいて判断基準を己に求め、他人の評価や自分の栄達を顧みることなく、本当の意味で己の名を惜しみ、日々を死人として過ごしている主人公達はまさに清冽な風を送ってきます。 ただ、惜しむらくはこの小説は著者の死去により未完で終わっています。 しかし未完とはいえ読む価値は十分にある本なので是非読んでほしいですね。 私の中では「一夢庵風流記」や「影武者徳川家康〈上〉」より面白いと思う一冊です。 こんな生き方に憧れても、本当にこんな風に生きていきるかはともかく、是非若い時に読んでほしいですね。 映画「ラスト サムライ 」で注目を集めた葉隠れの精神に生きた武士達の物語です。
0投稿日: 2005.10.27
