
総合評価
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powered by ブクログ一気に読んでしまった。選手の名前は覚えられないが、話が戻ってきたところで、説明してくれるので思い出せる。親切設計の筆致である。
1投稿日: 2026.10.03
powered by ブクログ●2026年8月24日、Yahooフリマでクーポン使って買う本がなかなか見つからず。ジェミニに泣きついておすすめされた本。 ジェミニ: 「1. 『マネーボール』 /マイケル・ルイス 検索キーワード:マネーボール 文庫 なぜいいか:統計データを使い、球界の古い常識(伝統的なスカウトの観察)を完全に破壊して安上がりな勝利を独占した実話。 「誰も価値を認めていないデータ(隠された真実)」を見つけて市場の歪みを突く姿勢は、ティールの独占思考そのもの。物語(ノンフィクション)だから難解なロジックなしでスラスラ読める。」 →これが文庫かつ、いちばん出版が新しい。
0投稿日: 2026.08.24
powered by ブクログ野球選手のエッセイが面白かったので、野球系の本を読みたくて手に取る。 映画は視聴済み。 セイバーメトリクスを取り入れたオークランドアスレチックスの物語。 旧泰然とした世界では評価されなかった選手たちにスポットライトを当てて、勝利していく。 野球の新たな発見について書かれた本でありつつ、革新的な取り組みを行うとどのようなハレーションが起きるのかについて描写された作品。 ノンフィクションとして面白くありつつ、ビジネス書としても読めると思う。 また、昨今の野球界は完全にデータ重視、フロント主導になり、若手は攻撃力よりも守備力を重視されるようになった。 アスレチックスは本拠地を離れ、新天地に移る。 プロスポーツにとって成功とは何か?考えさせられた。
8投稿日: 2026.06.28
powered by ブクログ読書好きの友人に貸してもらった本。 2000年代、アスレチックスが20勝した時の話は胸がワクワク。そのためにアスレチックスは何をしたのか?!というお話ですな。 今ではもう一般的なのか?統計学による選手の切り売り。出塁率がとても大切らしい。大好きな阪神のバッターは2025年7月19日現在、セリーグ出塁率の10位以内に5人が入ってます。強いもんねー! ミーハーファンとしては、新たな野球の一面を知れた気持ち!おもしろかった!
11投稿日: 2025.07.19
powered by ブクログ資金力の乏しいメジャーリーグ球団であるアスレチックスのチーム作りを扱ったノンフィクション。 結局はアービトラージを狙う手法なので、ここに書かれてしまうとその効力はなくなってしまうだろうが、それまでの伝統的な手法、誰もが当たり前と疑わない勘と経験の世界に新しい科学的な方法を持ち込むことで成功を得ることができるというのは示唆に富む話だった。 そういう話も面白かったが、データ自体に意味があるものかどうかという視点は目から鱗だった。中でも、守備のデータは信頼性がない、つまり、エラーという人の判断が入るデータは、最初から諦めてしまえばエラーにならずヒットとなるし、役に立たないという話はなるほど、と唸らされた。 野球好きだけでなく、データ分析に興味がある人は読むべき。
0投稿日: 2025.04.08
powered by ブクログ積読本は、ある日唐突に読むタイミングが訪れるのかもしれません。今回の積読本消化着手のきっかけは、9/27の報道【MLBア・リーグ西地区のアスレチックスが、本拠地オークランド・コロシアムでのラストゲームに勝利し有終の美(ラスベガスへの本拠地移転が決定済み)】でした。 そうです。本書は、アスレチックスの復活物語だけでなく、メジャーリーグの常識を覆した真実の物語です。 選手からフロントに転身、アスレチックスのGMとなったビリー・ビーン。彼はデータ重視の運営論に、貧乏球団が勝つための突破口を見出し、熱い信念と挑戦する勇気が奇跡を起こします。 アスレチックスは、かつて9度の世界一に輝きながらも、浮き沈みを繰り返し、90年代以降に成績がまた低迷します。90年代末から2000年代前半、また復活を遂げる中身が、ズバリ本書の内容です。 メジャーリーグの歴史と進化の変遷も詳細に綴られながら、攻撃力の目安となる様々な指標づくり、予算、経営など、題材は野球なのですが、内容は緻密なビジネス書の観もある印象です。 人が観ていない部分に着目し深掘り・評価するという視点は、集団の先頭に立って経営する、人材育成する上で欠かせない条件になる気がします。 チームづくりに統計学を用いる視点は、当時としては革新的なアプローチだったんでしょうね。何よりも、資金が潤沢なチームが勝つとは限らないことを証明してくれています。 原作読んでも映画を観ない派を公言してますが、ブラッド・ピット主演の映画(2011年公開)を、ネット配信で観てしまいました。やはり原作ほどの深みはないものの、これはこれで楽しめました。
67投稿日: 2024.10.02
powered by ブクログ夢中になって数日で読み終えてしまった。 同作品を以前映画で観たことがあり、映画ではビリー・ビーンの活躍がフィーチャーされている印象があったが、本書ではビーンの話は代表的な話だが全体から見れば一部、という印象を受けた。 ビリー・ビーンの考え方の大半は、今となっては常識的なものだが、当時それを実践するのかがいかに困難だったかが本作品によってよくわかる。 色々な読み方があると思うが、世の中で当たり前だと思われていることについて、それがいかに当たり前でないかに気づくことができる一冊だと思う。
1投稿日: 2024.04.14
powered by ブクログ翻訳のせいなのか、読みにくい面白くない。 淡々と事実を書き綴っているが、そもそも有名であろう 登場人物に馴染みがないし、だから何なんだよっとなってしまい 全然楽しめなかった。 映画はそこそこ面白かった気がするのだが...。
0投稿日: 2023.11.16
powered by ブクログおなじみブラッド・ピット主演映画の原作となったノンフィクション。しかし実際のビリー・ビーンは193cmの巨漢で、手当たり次第に物に当たり散らす性格で、ぜんぜんブラピとは似ても似つかない。それでも原作を読んでから、映画をもう一度見たいと思えた。 映画は徹頭徹尾、ビリー・ビーンの物語だったが、こちらの原作ではセイバーメトリクス(野球においてデータを統計で客観的に分析し、選手の評価や戦略を考える手法)の歴史などにも焦点が当てられており、その祖が最初に出した本は自費出版で200部ほどしか売れなかったといった秘話もおもしろい。 著者はビリー・ビーンのやり方を認めようとせずこきおろす球界の「社交クラブ」の面々を憎々しげに描写している。それでも日本人としては異端のセイバーメトリクスが草の根で少しずつ勢力を増し、ひとりのGMが採用して球界に旋風を巻き起こし、それが本や映画になって広まっていくアメリカの底力を感じずにはいられない。
1投稿日: 2023.11.01
powered by ブクログ野球に統計や経営の概念を取り入れることの優位性。 既成概念に囚われないアプローチ。 新しいことに対するアレルギー反応に臆することなく、信念を持って取り組み、それに結果も伴っているわけで、今ではOPSという概念は日本での浸透度は高い。 今年は阪神の岡田監督が四球の査定を上げたことで、優勝するまでチームが変わったことは有名である。 勝つために足りていないと思うことをインセンティブで補ったわけであるが、我々一般企業ではどう考えれば良いのだろう。 個人商店ではないので、インセンティブとは? インセンティブでのやる気は長続きするだろうか? モチベーションとの相関性は? 色々と考えさせてくれた。良書である。
5投稿日: 2023.10.09
powered by ブクログ統計での分析野球。 旧体制の反発から実現に至るまでの大変さ、野球以外でも経営の勉強になると思った。 ただ、野球をそんなに詳しくないのと何度同じ名前を見ても覚えられないから、きっと損してるんだろうな。。 264冊目読了。
4投稿日: 2023.10.08
powered by ブクログ面白かった データに着目し、安い契約金で、資本力のあるチームに勝っていく そんなゼネラルマネージャーに見出され 人生が変わる選手たちの物語も面白い 何よりそんなビリー・ビーンも それが独創ではないというのが示唆的だ 痛快だし、読む人によって何らかのメッセージを受け取る本だと思う
1投稿日: 2023.08.22
powered by ブクログ世界的に有名なノンフィクション・ノベル。 米メジャーリーグを舞台に、アスレチックスのGMであるビーンは野球の世界に「数字」を持ち込むことで躍動を巻き起こしていく。そんなビーンとアスレチックスの奮闘と改革を描いた小説である。 感想として、率直に面白いとは思えなかった。 題材は興味深いし、評価が高い小説だったので読んでみたが、期待外れだったと言わざるを得ない。 前半はまだ良かったが、後半になると読むのが苦痛なぐらいだった。描写がひとりの選手に絞った話が続くが、それがどの選手にフォーカスしても似たような内容で、故に冗長さと退屈を感じてしまう。 ただ、自らもかつては将来を渇望されたメジャーリーガーだったビリーが敢えて理性的・客観的なアプローチでチームに改革をもたらし、色々な葛藤がありながらもそれを貫く姿勢に学ぶものは多い。 自分の中に蓄積された価値観をアップデートすることは非常に困難なことだからだ。 また作中に、「華々しくて注目を集めるメジャーリーグでさえ選手が正当に評価されていないというなら、他の業界はどうなっているんだ」という旨の話があったが、これが示唆深い。つまり、他の目立たない業界(一般の民間企業や公務員など)でまともに従業員を評価できているのか?という指摘だ。 これに対する答えは間違いなく「NO」だと思う。一般的な日本の大企業は自社の社員をまともに評価できていないし、それを諦めている節すらある。 このことが日本企業における無能社員の放置と有能社員の流出を招いており、ひいてはこれが日本全体の国力低下を招いていると個人的に考える。内部人材を客観的に評価し、まともな待遇を決めることができるようになること。これが日本全体の国力回復のひとつの鍵を握っている。 そのために日本企業も、ビリーが行なったように旧来の伝統や保守・コンサバ勢力の価値観に縛られず客観的な指標を導入することが必要である。社員のパフォーマンスをいくつかのKPIで表すことは非常に難しいが、それでも改革が必要なのだ。
1投稿日: 2023.02.16
powered by ブクログこの本は数字がいっぱいでてくるのに、縦書きの漢数字だから、パッと頭に入ってこなくて読むのに苦労した。 数字が多いの本は、横書きでアラビア数字にしてくれたらもっと読みやすいのに…と思った。 日本の野球界は、外部があまり入っていないイメージだし、メジャーより元野球選手の山勘と財力で回ってるいる世界なんじゃないかと思った。
1投稿日: 2023.02.10
powered by ブクログ野球にはあまり興味ないけど、非論理的な既成概念を科学的に壊そうとするっていう話は面白い。 古い考えの他のチームの野球関係者はビリー達の理論を認めないが、彼らが認めないおかげでアスレチックスは勝ち続ける事が出来るってのが皮肉が効いてて良かった。 ただ逆に言えば理論が正しいことが認められてしまうと、結局金がある方が勝つことになってしまうという悲しさも。
1投稿日: 2022.12.28
powered by ブクログ※私が読んだのはランダムハウス講談社から出版されたものです。 野球好きの上司から、マネジメント的な要素もあるよ、とお借りした一冊。 映画を見たかったのに見逃しており、興味があったので読んでみました。 野球が好きなら、試合のシーンは情景が目に浮かぶのでそれだけでも楽しめると思います。 また、メジャーリーグのトレードを目の前で覗き見してるかのような、スピード間のある描写も楽しめました。 個人的にカタカナの名前を覚えるのが苦手で読み終えるまでに時間が必要でしたが読んで満足の一冊。映画も是非見てみたいです。 終盤にあった 「どの数字を金庫の中にしまい、どの数字をクズカゴに捨てるか。大切なのは数字を万物の神として奉ることではなく、数字に意味を持たせることだ。理論武装することだ。数字の奥にひそむ真実を読み解き、時には行間にまで思索のメスを入れる。それが賢者の振る舞いだ。」 のくだりは、野球チームのマネジメントだけでなく 普通のビジネスにも通ずるものがあると思い、勉強になりました。 野球界を描いたエンターテイメント作品と ビジネス書としての要素を兼ね備えた一冊です。
3投稿日: 2022.10.14
powered by ブクログ効率を重視すべきなのかどうかは世の中そうとも言い切れないと思うが、既存の常識を疑うこととかその疑いを実行に繋げる力が成功を呼び寄せるというのはそうだと思う。
0投稿日: 2022.04.10
powered by ブクログ野球に興味がない私でも、心から楽しめました。 というのも、題材は野球ですがビジネスのほぼ全てに通ずる経営の話だからです。 老害や、作中で『社交クラブ』と表現している存在には、私も日頃から本当にうんざりしているのです。 どんな世界のどんな国にもクソな輩が居て、そいつらを良しとしない著者の思いに、私も貢献したい。
1投稿日: 2022.03.15
powered by ブクログ【感想】 野球は実際の試合を観戦せずとも楽しむことができる。各選手を表す指標が一つ一つ細かく決められているため、その数字を検索するだけで満足してしまうほどだ。OPS、IsoD、IsoP、K/BB、WHIPなど、何が何を表しているのか見当もつかない略語が続々とならび、選手をさまざまな角度からデータ分析する。 こうした指標、つまりセイバーメトリクスを選手獲得の基礎情報として導入し、球団の運営方針を「データ主義」に転換した初の球団が、ビリー・ビーン率いるオークランド・アスレチックスであった。 もともと、球団はスカウトやGM、監督の直感によって運営されていた。 しかしながら、野球ほどデータを取れるスポーツは他にない。野球はプレーが断続的であるため、投手がどの球種をどのコースに投げ、打者がどう打ち、どこにボールが落ちたのかを事細かに記録できる。打率、長打率、出塁率、コンタクト率といった各種データを引っ張ってくることで、2人の選手を詳細に比較することもできる。しかも「プレーを見る必要もなく」客観的に測定できてしまうのだ。 ということは、この指標を上手く使えば、「どの行動が勝ちにつながるか」「どんな特徴を持った選手を集めれば勝てるチームを作れるか」をあぶり出すことができる。何故球団関係者は今までの古臭い評価方法を捨て去り、宝の山を活用しないのか、と思うかもしれない。(実際ビリーはそう思っていた)しかし、野球と野球人はそう簡単にはなびかない。このスポーツには「運」がついて回るからだ。 野球はデータのスポーツだが、それと同時に、とてつもなく運が絡むスポーツだ。守備位置からして、会心の当たりが野手の真正面に飛ぶように設計されている。芯を捕らえたライナーがアウトになることもあれば、タイミングを外されたボテボテの当たりが内野安打になることもしょっちゅうだ。本書ではホームラン以外のフェア打球がヒットになるかどうかは、投手の責任ではなく運だと論じているが、まさにその通りであり、その運の良さを表す指標は「BABIP」として数値化されている。(初めてこの指標を知った時は、「運なんて測定できるのかよ!」と度肝を抜かれた) 本書でも語られるとおり、打撃指標として重視されるのは出塁率と長打率であるが、これはフォアボールとホームランが野球で数少ない「運」を排除した進塁だからだ。運が密接に絡むスポーツにおいて、運の要素をできるだけ少なくし、確率の高い行動を積み上げることで勝ちを狙っていく。これがセイバー野球の戦い方である。 セイバーという新しい概念を取り入れたビリー・ビーンに対し、古参の野球人は多くの批判を寄せた。四球を選ぶよりも安打を打つ方が偉い、盗塁や送りバントによって積極的に選手をスコアリングポジションに進めるべきだ、打球を待つのではなく初球から積極的に振っていくべきだ、などなど、いきなり現れたよそ者に「お前に野球の何が分かる」と罵声を浴びせていく。そのたびビリーはデータという動かぬ証拠のもと、試合結果という形で反論していく。 ただ、悲しいことに、こうした批判をする人たちの気持ちも何となく分からないではない。 彼らは従来の野球の正しさを信じているのと同時に、「野球の美しさ」を守ろうとしている。熱いエネルギーと気迫に満ちたプレーこそが野球の神髄なのであり、統計学のように選手を確率の道具だと見なしていては、奥に潜む神聖な何かを見失ってしまうのではないか。野球をスポーツだけではなくエンターテイメントとして運営してきた人々は心からそう思っているわけだが、ビリーはそれについては「何言ってやがる、面白い野球とは勝つ野球なんだ、勝てない球団にファンなんてつくわけがねえ」と一蹴し、とにかく安く勝てる野球を追求していく。 そのため球団に貢献してきた優秀かつ高年俸な選手を積極的に売りに出し、安い外様をチームの中心に据えるのだが、もちろん、ファンからしてみれば納得はいかないだろう。ファンと球団は一種の家族関係で成り立っている。そうした無常なトレードをひっきりなしに行っていては、勝てる勝てないにかかわらず「面白くない」という心理がつきまとうのも、当然の結果なのではないだろうか。 本書はデータ野球を一から作り上げたビリーのお話であるとともに、従来の「野球論」と「新野球論」が攻防を繰り広げるお話でもある。もちろん、どちらを味わっても面白い。野球に詳しくない人も、「野球ってこんなに数字まみれのスポーツなのか」と見識を改めることができる良い本だと思う。是非手に取って、データ野球の面白さを味わってみてほしい。 ――――――――――――――――――――――――――――― 【まとめ】 1 選手をめぐるルール メジャーリーグでは、ドラフト指名で獲得した新人選手を、その球団がマイナーで7年間、メジャーで6年間確保し続けることができる。しかもメジャーに入って最初の3年間は賃金調停ができないため、活躍した選手であろうとも相当安い値段で契約ができる。 また、FAにより主力選手を失ったチームには、ドラフト会議で優遇措置が取られ、FA移籍先のチームの1位指名権を奪い取ることができる。この結果、2002年のアスレチックスには7人を一位指名できる権利があった。 2 いい選手とは? アスレチックスのゼネラルマネージャーであるビリー・ビーンが重視するのは出塁率だ。一方で、パワーがあるけど当たらない、今は芽が出ていないが改造すればいい選手になる、といった要素は嫌う。高校生よりも大学生(即戦力)を好むのもビリーの特徴だ。 足の速さ、守備のうまさ、身体能力の高さは、とかく過大評価されがちだ。しかし、野球選手としてだいじな要素のなかには、非常に注目すべきものとそうでないものがある。ストライクゾーンをコントロールできる能力こそが、じつは、将来成功する可能性と最もつながりが深い。そして、ストライクゾーンをあやつる術を身につけているかどうかの指標が四球の数なのだ。大学時代に選球眼がいい選手は、たいていプロに入っても選球眼がいい。また、打撃能力を評価する際は、打率よりも出塁率や1打席あたりの投球数が重要になってくる。 伝統を守りたがるスカウトたちは、ビリーやポールの流儀を実績重視型、と呼ぶ。スカウトの仲間内では軽蔑的なニュアンスの言葉だ。新人選手はあくまで心の眼で見て評価すべき、というのが旧来の野球人の常識だ。なのにビリーらは、野球選手のだいじな部分はほぼすべて、場合によっては性格までも、データのなかに見いだせると断言する。 アルダーソンがアスレチックスに浸透させた打撃の鉄則は次の3つだ。 ①打者は全て、一番バッターの気構えで打席に入り、出塁を最大の目標とせよ。 ②打者はすべて、ホームランを放つパワーを養え。本塁打の可能性が高ければ、相手ピッチャーが慎重になるので、四球が増え、出塁率が上がる。 ③プロ野球選手になれるだけの天賦の才がある以上、打撃は肉体面より精神面に深くかかっていると心得よ。 ビリーは勝率と関係が深いデータとして、出塁率と長打率を取り上げていた。むしろ、重要なデータはこの2つしかないと断言している。この2つを足した数字は「OPS」と呼ばれる。 また、出塁率と長打率を比べたとき、「出塁率の方が長打率より3倍重要だ」と考えている。出塁率とはすなわち「アウトにならない確率」「スリーアウトにより攻撃が中断されない確率」にほかならず、以後、アスレチックのフロントは、出塁率に異常なほどこだわるようになった。 3 セイバーメトリクスの誕生 ビル・ジェイムズは野球をデータによって分析しようと試み、これを「セイバーメトリクス」と命名した。 当時、メジャーリーグの公式データは貧弱であり、野球のインプレーデータは球界の関連企業に独占されていた。ジェイムズは、内部関係者に頼らずにメジャーリーグを分析しようという計画をプロジェクト・スコアシートと名づけ、着手する。ほどなく、STATS社がこのプロジェクトに同調した。STATS社もかなりよく似た目標を持っていて、クレイマーいわく「野球の試合中に起こるおもな出米事をできるかぎり完壁に記録する」ことをめざしていた。 しかし、報酬をもらってプロチームの監督をやっている人間が、こういったデータの重要性を認識していなかった。科学的に分析するための情報を集めようとさえしない。STATS社がせっかくの情報を見せても、試しに無料で提供しても、ほとんど関心を示さなかった。 立ちはだかっていたのは、社会的、政治的な壁だった。いくら弱小球団とはいえ、プロ野球経験のないものが、監督やスカウトや選手をさしおいて、まったく新しい野球術を押しつけるわけにはいかない。 旧態依然とした野球チームの態度に見切りをつけたかのように、ジェイムズは自作のデータ集である『野球抄』の発行を辞めてしまう。それにようやく目をつけたのは、10年後、アスレチックスのゼネラルマネージャーに就任したビリー・ビーンであったのだ。 4 常識外れのドラフト戦略 2002年のドラフトで、他球団と全く違う基準で選手を測ったアスレチックスは、20人の指名候補選手のうち13人を獲得することに成功する。 アスレチックスの資金は4000万ドルだが、ヤンキースはその3倍の資金がある。元手がないからには、お買い得の選手、例えば無名の若い選手か、過小評価されているベテラン選手を狙わなければならない。この独自のドラフト戦略により、他球団と総年俸が大きく差がついている状態にも関わらず、2001年に102勝しプレーオフに進出している。 5 グラウンド全てをデータ化する AVMシステムズ社――アスレチックスが選手評価のアルゴリズムを作る際に真似をした会社――は、球場におけるすべての出来事を数値化する企業だった。打点やセーブといった、状況に付随するデータを無視したのはもちろんのこと、従来方式の記録はいっさい使わなかった。AVMのコンピューター内部には、ひとつの試合が膨大な派生状況の集合体というかたちで登録され、現実世界とはくらべものにならないほど的確な、別次元の選手評価が可能になった。 仮に、軌道Xで速力Yのライナーが地点九六八に落下したとしよう。過去10年のデータと照合すると、ほぼ同じ打球が8,642例ある。うち92パーセントが二塁打、4パーセントが単打、4パーセントが捕球されてアウトだった。打つ前は得点期待値が0.50の場面だったと仮定する。実際にはまだ何も起きていないうちから、打者には得点の可能性が0.50、投手には失点の可能性が0.50あったわけだ。ここで先ほどの打球が飛んで、ジョニー・デイモンがお得意のジャンピングキャッチでみごとに捕球したとする。デイモンは0.50を0に抑え込んで、チームに貢献したことになる。このように、打撃や捕球がどんな意義を持つかは、場面に応じて客観的に決まる。過去10年の平均と比較してどのぐらい良かったか悪かったかで、各プレーの価値を判定できるというわけだ。 6 トレード戦線 資金の乏しいアスレチックスがなぜこんなに勝ち続けるのか、その理由の一端は、シーズン途中の巧みな戦力補強にある。成績不振の球団が望みを捨て、コストを削減したくなり、選手を売りに出す。供給がだぶつき、値段が下がり、いい選手がお買い得になる。そのときアスレチックスはじたばたと電話をかけまくり、ありとあらゆる提案をして、トレードを実現させようとする。“流し釣り作戦、とビリーは呼んでいるが、つまりほかのゼネラルマネージャーと何げないおしゃべりを楽しんでいるようでいて、内心、相手のふとした言葉の奥にある大きな情報をつかもうとするのだ。それぞれのゼネラルマネージャーは各選手をどう評価しているのかが、トレードの成功に役立つ。駆け引きの構図としては株式売買と大差ない。よりよい情報を持っている者が優位に立てる。 7 DIPSと「運」 投手の成績データは、毎年安定しているものもある。与四球、被本塁打、奪三振あたりは、増減の波が小さいだろう。だが、被安打率はどうも変化が激しい。 ここから大胆な仮説が導かれる。 ①ホームラン以外のフェア打球は、ヒットになろうとなるまいと、投手には無関係なのではないか? ②いままで投手の責任とみられていた部分が、じつはただの運なのではないか? 150年のあいだ、グラウンド内のフェアゾーンへ飛んだ打球(つまり、ファウルとホームラン以外の打球)が安打にならないようにするのは投手の能力だと評価されてきた。だが、ホームラン以外のフェアボールは、ヒットになろうとなるまいと、投手の責任ではない。これが「DIPS(守備的要因を除く投手力数値)」の誕生のきっかけだった。 8 データ野球の果てに 毎年、ビリー・ビーンひきいるアスレチックスがプレーオフ進出を決めると、ふたつの事態が進行し始める。第一に、ごく一部のスタッフが新聞の力を利用して、待遇の改善をそれとなく求める。もう一つ、プレーオフ進出決定後にいつも始まるのが、コーチ、選手、報道陣がいっせいに、バントも盗塁もしないという基本方針について不満の声を挙げることだ。足が遅い遷手までが、ポストシーズンでは「積極的に仕掛けていくべきだ」「流れを自分たちで作っていく必要がある」と言い始める。盗塁必要論の再燃、とビリーは呼ぶ。 アスレチックスがポストシーズンで負けると、誰も彼も盗塁のせいにし、「得点を作り出そうとしない」と批判の声を上げる。しかし、実際はレギュラーシーズン中の平均得点4.9点よりも、プレーオフ5試合の平均得点5.5点のほうが高い。真の敗因はその逆で、シーズン中の失点が一試合平均4.0だったのに対し、プレーオフでは5.4点取られたことにある。 5試合しかしないプレーオフはシーズンよりも格段に運の要素が強いため、最後の最後でツキがないと、「科学頼みの野球なんてやっぱり無意味」と批判されてしまうのだ。 ビリーの心にはひとつの不安があった。いつの日か、ポールとふたりでさらに効果的な方法を見つけて少ない資金で輝かしい球団を生み出すかもしれない。が、ワールドシリーズの優勝記念指輪をひとつかふたつ持ち帰らないかぎり、誰も気にかけてくれないだろう。そしてもし優勝できたとしても、たった一時もてはやされ、やがて忘れられる。たとえほんの一瞬でも、自分が正しくて世界が間違っていたのだということは、誰にも理解してもらえない……。 しかし、一見奇妙なかたちをしたアイデアの数々は、アスレチックスの選手を着実に成長させているのだ。
26投稿日: 2022.02.03
powered by ブクログ面白い。野球を従来ない方法で分解しそのデータを活用しやすい選手でカネをかけずに勝っていく。 カネがなくても知恵とアイデアで勝つことができることを知らしめてくれて、弱者の戦い方、カネのない者の戦い方として、この考え方は野球やスポーツだけでなくマーケティングなどビジネスでも大いに活用できる。
1投稿日: 2022.01.08
powered by ブクログ野球と統計と経営のどれか一つでも興味があれば、楽しく読める。三つともならば、ハマること間違いなし。いやあ、いい本を読めたなあ。 この本を褒める文章はいろんなところで目にしていたので、いつかは読まないとと思っていた。発行からはだいぶ遅れたけど、今でも十分新しい気がする。(野球におけるデータ重視の度合いは、この本のおかげもあってか、相当進歩してると思う。)
5投稿日: 2021.11.21
powered by ブクログ選手として成功しなくてもGMとしてはまた別ということ。人はどういう才能があるかわからない。客観的な立場から俯瞰し、コントロールできるかということ。指導者としてはシビアな評価はしていかないといけない。 小説としてではなく、マーケティングや経済学の視点からも楽しめた。既存の野球観を覆し、新たな視点を取り込んだのは面白かった。野球においていかにアウトにならないか、出塁率を重視し、犠打は無駄だという発想などがあった。運に左右される要素もあるが、勝つ確率は高められる。非合理的なものであっても科学が入り込む余地があるのではないかと感じた。
1投稿日: 2021.10.17
powered by ブクログメジャーリーグにそれほど興味は無かったが楽しく読めた。 資金力が乏しいオークランド・アスレチックスが、少ない予算にもかかわらずなぜ年俸の高いチームと互角に渡りあうことができているのかに迫った野球ノンフィクション。 凝り固まった考えに支配されているメジャーリーグにおける選手を評価する基準や、定石と思われていた戦略、固定観念などとは正反対の戦略で、資金力の差を覆し勝利を重ねていくストーリーはとても読み応えがあった。 しかし球団運営の側から選手のトレードを見た時に、選手が商品のように売り買いされていく様子は残酷にも感じた。
2投稿日: 2021.08.05
powered by ブクログ2021/03/24 購入 2021/04/27 読了 ★★★★ 2024/11/03 読了 ★★★★
0投稿日: 2021.03.24
powered by ブクログ野球がテーマだが、スポーツではなく数学者の本。 万年弱小チームをデータドリブンで改革し、全米制覇まで上り詰めた実話が基になっていて面白い。今の時代も同じで、既存領域×任意の科学技術で相性が良く、参入されてない領域に踏み込むことが今後のビジネスの鍵になりそう。 映画の方が早く観れるのでオススメ。
1投稿日: 2020.10.23
powered by ブクログ野球の見方だけでなく、慣習やしきたり、固定観念に対する意識が変わる一冊でした。 主人公のビリーは、それまでの野球界の常識とは異なる客観的な数字による尺度を用いて選手を評価し、乏しい資金の中で常勝チームを作り上げます。 球界だけではありません。 我々の身の回りにも慣習や、「伝統」という名の固定観念が溢れています。 最適解を求めようとしているのに、その判断基準はとても曖昧で、「慣習」からはみ出さないことを大切にして、いつの間にか最適から大きく外れたところに着地している。 慣習や伝統を見つめ直し、新たな常識を受け入れるのはとても難しいことです。 でも、変化の激しい昨今、その勇気が必要なのだとはたと気付かされました。 この本は、野球の本ではなく、ビジネス書として捉えても有益な一冊ではないかと思います。
1投稿日: 2020.08.23
powered by ブクログ金にものをいわせて有望と思われる選手を獲得する球団に対し、選手を科学的に分析して長所を探り出し適材適所に使用するアスレチックスに焦点を合わせた内容。 独自の視点(目的)を持って分析する重要性を理解できた。
0投稿日: 2020.03.15
powered by ブクログ科学的考え方で球団運営を行い、弱小チームを強化した GM の話。 あと、大リーグ界隈の統計データを理解せず、事実を事実としてとらえられない人達の愚かさもよくわかります。 (特に出版後日談に出てくる人物たちの愚かしいことよ。) 日本の球団なんかも、ちゃんとこの本を読んで参考にすべきだと思いますね。できれば、高校野球の指導者あたりにも読ませたい感じ。 それはそれとして、選手のエピソード 2 つがとても良かったですね。 フィールド・オブ・ドリームスとか、川原の野球ものでみることのできるような幸福感が最高。(^^
0投稿日: 2020.02.23
powered by ブクログ・不遇な選手を偏見から解き放って、真の実力を示す機会を与えた ・人間社会における理性の可能性-と限界-を如実に表す縮図 ・神々は、破滅させたい人間をまず「前途有望」と名づける。 ・力まかせの剛速球ではなく、打者をあざむくテクニックにある。 ・スカウトはつい、必要以上に自己経験と照らし合わせて考えようとする。 ・自分の体験こそ典型的な体験だと思いがちだが、実際はそうでもない。 ・心の奥深くにあるカジノで、賭け金を減らし始めた。 ・いままで起こっていないことは、今後も起こらない。うまく対応できなかった事柄があるなら、そもそも対応能力がなかったのだ ・結果につながらない才能なんて、才能とは呼べない。 ・うやむやになっている問題点に光を当てて、新しい明かりをともす。 ・主役は解釈なのだ。地球上の出来事をほんの少しでも把握可能にするような解釈。 ・従来の固定観念を打ち壊せば、いままでよりはるかに効率よく物事を進められる、と。 ・異端とはチャンスを意味する。 ・結果じゃなくて、過程を見ているんです ・世間では、過程より結果によって判断を下す人が多いみたいですけどね ・そういう意味じゃありません。うちの選手がどう対処しようとしているかを見ているわけです。 ・教え込むことも可能だが、おしめをはかせてやらないといけない 変わる勇気がなければ状況は改善しない、ビリービーンの考え方は、大いに参考になることが多かった。私にとって珠玉の言葉がたくさんありました。映画、見たくなる一冊でした。面白かったです。
1投稿日: 2019.08.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
プロとしての野球。勝つために何が必要か。 既成概念と異なるアプローチ方法で球団を運営する物語。 重点目標が「勝つため」である。 プロ野球である以上、「勝つ」以上に大切なものが あるようにも思えるが、本書はとにかく「勝つ」ためである。 洋書とは思えないくらい翻訳が素晴らしく読みやすい。 セイバーメトリクスの考案者は ホームセンターの警備員だったことが最大の驚き!
1投稿日: 2019.06.30
powered by ブクログセイバーメトリクスの古典としてリスペクトされる本書ですが、「マネー・ボール」なのであって「データ・ボール」ではありません。債券トレーダー出身のマイケル・ルイスはおそらく、割高な選手を売却して割安な選手を購入し、最安値のポートフォリオで最高の成果を出そうとするビリー・ビーンの姿にこそ興味を持ったのではないか、と思われます。 その割高・割安を弾き出す手段がデータ分析。債券の世界には価格を理論的に算出するモデルがあるが野球人には勘と目利きしかない。そこでビリー・ビーンのアスレチックスはオタク通信に過ぎなかったビル・ジェイムスの知見を掘り起こし、大卒アナリストに託した。そこからセイバーメトリクスというビジネスが立ち上がり、現在に繋がっていく。 今や、出塁率は打率より得点との相関が高いとか、単純なインサイトだけで勝つことはできない。
1投稿日: 2019.06.23
powered by ブクログこの本を機にセイバーメトリクスについて興味が湧きました。映画ではアスレチックスの劇的な優勝に目が行きがちでしたが、本ではその真髄となる理論が詳しく書かれています。野球人は本の方がおススメです!
1投稿日: 2019.03.09
powered by ブクログマネーボールという映画になった本のことは、 何年も前から知っていました。 改めて、LearnBetterを読んでいて興味を惹かれて読んでみました。 この本は、ブラッドピッドが映画にしたことからも多くの方がご存知の通り、 メジャーリーグ球団をテーマにした 球団経営を巡るテーマが主眼です。 けれども、巻末の解説にあるとおり、 もっと大きなテーマとして、 既存の考え方に捉われるな! という大きな問題提起をしていることから 米日英など世界各国で読まれた作品になりました。 経済でも、社会でも、既存のやり方を変えられずに、 停滞が続く世界が多数存在しますが、 それを打破するために必要なやり方は、 それを変えるための仮説を持って、それを実証し、 さらに世の中にあったやり方に繰り返し変えていくこと。 他人の力に頼らず、自らの手によって。 このことをこのノンフィクションは教えてくれました。 ビジョナリーカンパニーや、 イノベーションのジレンマなど、 優れたビジネス書は多くありますが、 人間の心理面にまで深く根ざした組織論を展開する 本は決して多くないと思います。 そういう意味で、日の当たらなかったプロ野球選手に スポットを当てつつ、貧乏球団の快進撃を記した この著書は一読に値するビジネス書なのではないでしょうか。 子どもの教育について考えるにも、 決して悪くない客観的視点を学べる一冊だと思います。
1投稿日: 2019.02.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
慣習や直感の世界にデータで勝負を挑む野球チームの話. 資金繰りに苦労するあるプロ野球チームが思い込みではなく現実(それを示すデータ)に目を向け,仮説検証をすることでチームの勝利に本当に必要な選手や作戦を独自に見出し,実際に実践することでその強さを示していく話. 主観ではなく客観である分野に挑む姿勢は当然野球以外でも見習える. 物語としての面白さもあるが,要旨だけを掴もうと思ったら少し冗長かも.
0投稿日: 2019.01.17
powered by ブクログ★ビリー・ビーンは才能に恵まれていたが、性格が災いしメジャーリーガーとしては成功できなかった。しかしその後ゼネラルマネージャーとして大成功している。身体能力だけではダメで考え方が重要ということ、適性が大事ということがわかった。 ★世間の常識を疑うこと。 ★トレードのところ、そんなに赤裸々に書いて大丈夫かと心配になる。
2投稿日: 2018.12.14
powered by ブクログ予算がなく高給プレイヤーを獲得できないチームのGMとなったビリー・ビーンは業界の常識に従わず、統計的な手法で野球に勝つ方法論に従い独自の球団運営をし、強豪チームと肩を並べるチームへと仕立て上げる。映画化もされたこのストーリー、ビリビリ脳に響きます。
0投稿日: 2018.10.09
powered by ブクログあらすじとしては、1990年代、メジャーリーグの選手の年俸は軒並み上がってきていたが、主人公ビリービーンがGMに就任したオークランドアスレチックスは所謂貧乏球団で、所属する地区でも最下位争いをするほどだった。しかし彼は今まで他の人達が見向きもしなかった色々な指標から選手を評価し、安く契約すると言った革新的な方法でチームを常勝球団へと導いて行く話だ。 この本を読んで、今までの常識にとらわれない柔軟な思考が新しい時代には必要であり、自分も固定観念に縛られずにこれからを生きていこうと思うようになった。 マイケルルイス著 講談社 本館3階東閲覧室(人文系)所蔵 請求記号783.7 Le マッケン
1投稿日: 2018.06.26
powered by ブクログ将来有望だった選手が選手として挫折し、今度はゼネラルマネージャーとしてデータを駆使してチームを強豪に導くノンフィクション。ただデータを駆使するのがすごいのではなく、それまでデータ化してこなかった部分まで徹底的に客観的評価を試みる挑戦心に凄味を感じる。
0投稿日: 2017.12.16
powered by ブクログ独自の統計データに着目し、低予算でオークランド・アスレチックスを常勝集団へと変えたゼネラルマネジャー、ビリー・ビーンが主人公。ビリーの球団運営方針の原点は、ビル・ジェイムズが70年代から80年代にかけて自主出版した書籍「野球抄」に遡る。ジェイムズは野球のデータ研究を、SABR「アメリカ野球研究協会の略称」からセイバーメトリックスと命名した。 セイバーメトリックスの専門家ピート・バーマーの計算では、選手の技能の違いによって生じる得点差よりも、運の違いによって生じる得点差は4倍。短期決戦だと、つきの要素のほうが大きい。ポストシーズンを勝ち抜くことがいかに大変なのかを示唆しており、今年のCSの結果で落ち込んでいたが多少溜飲が下がった。
0投稿日: 2017.10.28
powered by ブクログもともとランダムハウスから出ていたものですが、 自分は馴染みのあるハヤカワで読みました。 少ない予算で勝てるチームをつくるにはどういった選手を集めればよいのか? という問いに対して、 ファーボールでの出塁率などあまり見かけない数字を重視して、 勝てるチームをつくったノンフィクション。 打点や盗塁を否定し、身体能力も度外視して選手を集め、 それでもプレーオフに出場するチームを作れるとはおどろきでした。 最近は野球ぜんぜん観ることがなくなりましたが、 こういった視点で観るのならたまにはいいかな。
1投稿日: 2017.05.27
powered by ブクログなぜ今更?という感じもありますが、HRアナリティクス系の文献を読むと高確率で引用されているので気になって読んでみました。 結論から言うと…野球のルールを知らない人(私)にはなかなか読み応えのある内容でした。。 興味ある人はブラピ主演の映画から入ることをお勧めします。。 野球に興味ないけど人事的観点でエッセンスだけ知りたい人はこちらをどうぞ。(w) http://jp.techcrunch.com/2015/09/02/data-driven-recruiting/
0投稿日: 2017.03.29
powered by ブクログ野球について、私は小学生の休み時間の手打ち野球くらいしか記憶にない程度なのでビジネス書として読了。さすがは映画化もされたベストセラー、今更かもだけど、読んで良かったと思いました。 マイケル・ルイスは「フラッシュ・ボーイズ」を読んで以来でしたが、飽きさせない構成と専門的な情報をキャッチーに伝える力、軽妙な文章はやっぱり凄い。 本の内容としては、アメリカの大リーグでの「お金をかければ良い選手が取れて勝てます」的な風潮の中、お金の無い球団が統計データを使って本当に勝つために必要な選手を導き出して勝っていく。それをストーリー仕立てで面白く(ここが非凡なところ!)纏めたのがこの本。溢れる知識を高所から説くような本じゃありません。 野球の本なのですが、結局は「固定観念に囚われてるだけじゃ勝てないよ」という普遍的なコトを言ってるように感じました。ゆくゆくはデータを使う手法が広まって当たり前のものになり、そうなるとそれが固定観念化していって、でもまたそれを打破する人が現れて…となっていくのでしょう。 IT技術で、人ができることはどんどん広がっている。ただ、まず最初に気付いたり、疑問を持ったりしないと何も始まりようがない。 目標を設定して、それに対してひたむきに、粘り強く取り組むことの大事さをあらためて認識した次第です。 なお、本書の内容とは直接関係ありませんが、出版後日談の後半、トロント・ブルージェイズの人種構成のくだりを読んで、「これからの『正義』の話をしよう」で読んだアメリカの大学のアファーマティブ・アクション(人種的マイノリティの志願者を優遇して、成績が多少悪くても入学させる措置)を思い起こしました。スポーツの世界も、何かあったりして。
5投稿日: 2017.03.09
powered by ブクログ勘と経験と度胸で運営されているものに対して、全く別の視点を持って対峙する者の苦悩と喜びが表現されている。 見えないものを見えるかする点でも参考になる。
1投稿日: 2017.03.02
powered by ブクログ本書は2002年の取材に基いているのだが、現在はもっと野球の数値分析が進んでいるのだろう。しかし相変わらず、我々は思い込みに満ちた、旧態依然とした恣意的野球解説しか聞くことができない。情緒的な主観とデータに裏付けられた客観、両方の要素を兼ね備えた野球解説を聞きたくなる。この本も人間ドラマと客観的データが絡み合って、非常に面白く読めた。 このようなビッグデータによる数値分析は今後、どのようなカテゴリーでも進んでいくだろう。本書によると、打者の分析例として「普通なら、左中間のライナー性の二塁打、と呼ばれる打球を、AVMは、これこれの速力と軌道を伴って地点六四三に落下した打球、というふうに記録した」…という。遠くない将来、普通の会社員も費用対効果の指標を使ったメトリクスで測定されることになる。そのような社会で生きることが、幸福に繋がるかどうかは別としてだが。「定刻1分前に会社に着き、朝会後に27分間ネットを眺め、喫煙室に8分こもった後に、スピード0.4で文書入力を開始した」…ライフログが今後様々な指標と化していくことは間違いない。
1投稿日: 2017.01.14
powered by ブクログモーニングサテライトの「リーダーの栞」でベンツ・上野社長が紹介してたのが読んだきっかけ 業界に根付いた印象論ではなく統計に基づいた科学的な視点で選手を採用し、パフォーマンスや資本効率を高める手法はどのビジネスにも通じると感じた 他球団やメディアが新しい手法に批判的な程、ギャップから得られるリターンも大きい 当たり前の慣行に疑問を持ち、検証し、変化を恐れず改善することが大事だと学んだ
0投稿日: 2017.01.01
powered by ブクログ【客観】 ノンフィクションです。 人は印象に残るもの=多数発生していると錯覚してしまいます。 印象に残らないものが多数発生していても、印象に残らないのでカウントされません。 データが豊富にある場合は、客観的にデータを分析することは需要です。 おもしろい結果が出てきますよ。
1投稿日: 2016.11.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ずっと読みたいと思っていた本。 今回ようやく読めた。 期待していた通り素晴らしい本だった。 題材は野球なので一般人には参考にならないと思われがちだが、統計を重視した客観的な選手獲得方法や旧来のやり方に捉われ新しい方法を取り入れることを嫌う自らの思考を改めるきっかけになる意味でも本書は重要である。
1投稿日: 2016.03.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
それまでの慣習を打破することはどんな業界でも困難なことだ。メジャーリーグという特別な世界ではなおのこと、既得権益を守ろうとする層からの反発が激しい。 ビリー・ビーンがGMを務めるオークランド・アスレチックスは少ない予算で毎年ポストシーズンに進出するという快挙を成し遂げた。それは魔法のように思えるが(球界関係者に言わせれば運がいいだけ)、ビリーにとっては予想道理の結果だった。 勝利を目指すのはどのチームも同じだ。問題はどういうアプローチかだ。打率や防御率など従来の基準で評価されている選手は年棒が高すぎてアスレチックスは雇うことができない。そこでビリーは勝利に繋がる独自のデータを採用し、その基準で選手を獲得、トレードした。当然戦術も従来と異なり、盗塁をしない、四球を評価するなど奇妙に映る。球界が反発したのはもちろん、チーム内部でもビリーの考え方に異を唱えるものは常にいたようだ。しかし、ビリーは一切妥協せず自らの戦略を貫いた。定石通りにやっていれば、成功しづらいが、批判も起こりにくい。ビリーはあえて茨に道を選択し、メジャーリーグに衝撃を与えた。 これは野球だけでなくあらゆる分野で参考にできるエピソードだろう。失敗を覚悟の上で挑戦する者だけが新境地を切り開くことができる。
1投稿日: 2016.03.09
powered by ブクログ後半に進むにつれていささか内容が冗長的で読み進めるのが少し辛かった。 但し、冒頭の問題設定が極めてシンプルな分好奇心を大いに駆り立てる素晴らしいものだったと思う。 「メジャー球団のなかでもきわめて資金力の乏しいオークランド・アスレチックスが、なぜこんなに強いのか?(pp.5)」 後から振り返れば何ともありふれて素朴な着想だが、日常でどれだけ僕はこうした素朴な疑問をきちんとアイディアとして文字として掬い上げられているだろうか。 多分殆どできていない。だからこそこういうシンプルな着想から出発するロジカルな論理は読んでいて非常に痛快だった。 ――――――pp.32 「父子は戦い、ビリーが勝った。すると、父親が言った。「腕相撲で父親を負かすほどになったんだから、もうおまえは人生の決断を自分で下せるな」
0投稿日: 2015.11.29
powered by ブクログ科学的に信頼できる指標を作り出してそれに従うという意味ではビジネスにも役立つ。 それ以上に単純に貧乏球団の快進撃が面白い。
0投稿日: 2015.11.26
powered by ブクログ「常識を覆す」と一口に言ってもそのレベル感は対象領域によって様々である。その業界の慣習がどれほど根深いものなのか、そして当業者の既得権の捉え方がどれほどクローズドなのか、などによって大きく異なる。野球界というのは、まさに体育界の代名詞のような場所であり、subjectiveな一方通行の束であるところ、ビリーを形容する言葉が”奇跡”となることも頷ける。舞台は90年代末からであるが、現代においても、解説者のコメントや某野球ゲームにおける成績評価基準に鑑みるに、数歩先を行っている感が否めない。あくまでも野球はエンターテイメントであり、試合で勝つことだけがすべてではないという見方をするのであれば話は変わるのかもしれないが。とにかく、野球ファンはもちろん、野球の「や」の字も知らない人にとっても示唆に富むであろう良書。
0投稿日: 2015.11.14
powered by ブクログブラッド・ピット主演で映画化されたノンフィクション。なかなか読みごたえがあって面白かった。打撃や守備を数値化する指標になるほどと感心させられる。一見、数値化できそうにもない事象も見方を変えることで数値化でき、明確な判断基準を設ける考え方は様々なところで使えそう。
0投稿日: 2015.11.09
powered by ブクログ【Summary】 球団の資金はないのに、クライマックスシリーズ常連となったアスレチックスとそのGMのビリー・ビーンの話。 データを正しく理解し、それによって球団としての行動を変えることで今まで埋もれていた選手を発掘できるという良い事例。要所要所でビリー・ビーンの過去の悔やまれる話が挿入されている点が個人的にはストーリーに引き込まれた。 【自分用メモ】 ■出塁率がゲームを左右する 野球のゲームの構造上、攻撃時にアウトにならなければ永久に点が入る。よって四球含めた出塁率の高さが、チームの勝率に最も影響を及ぼす。 ■誤った指標の解釈をしない 例えばエラーという指標は守備が頑張った末に取れなかったのか、注意不足で取れなかったかが把握できないため、この指標で守備力を測るのは間違った結果を導き出してしまう。常識とされる数値を鵜呑みにしないことがデータ分析には求められる。 ■新しい手法が認められるまでの難しさ 野球のデータ分析は以前から行われていたが、それが受け入れられるまで相当な時間がかかったこと、そして本書が発売されてからも内容の詳細も把握しないまま、反射的に否定する意見があること等、古い体質の組織でいかに今までの慣例が無駄に尊重されるかがわかる。 ■肉体の良いからといって大成するわけではない ビリー・ビーンが若い頃はスターが約束されるだろう資質に恵まれている(ように見えた)が、周りの期待通りに大成しなかったことが要所要所で書かれている。 そして選球眼だけが良いといわれていて、体格的には微妙な選手がアスレチックスに入り、成績を残すという対比構造が印象的。 本テーマとは関係ないが、野球以外でも人の評価というのがかなり難しいものがあるんじゃないかなとか、じゃあ自分の今の評価って実際以上に高い/低いんじゃないかとか、どこでどうすれば自分は活躍できるんだろうとか、そんなことを考えたくなった。
0投稿日: 2015.10.05
powered by ブクログ野球に興味がある人であれば読んで損はないです。それどころか、ぐいぐい引き込まれる本です。 セイバーメトリクスを先駆けて導入した球団であるオークランド・アスレチックスのGMとその周囲の人々、首脳陣や選手を中心に描かれています。 旧態依然?とした体制を打破するために球団が用いた統計学的手法ですが、この本の魅力はそこだけにとどまらない人間模様が描かれていること。 GMをはじめ、いい意味で人間くさいところがとても楽しく読めます。そしてアスレチックス強いね。。 セイバーメトリクスの本だからこそ、それ一辺倒にならないようなのがきっと見せ所なのだと思います。著者の取材力と文章力が素晴らしいからなんでしょうね(もちろん翻訳の方も)。野球以外にも知見が深いんだろうなと思う文章も埋め込まれてます。 自分はいつもやってる野球でもっと出塁率をあげないと。。反省しきりです。 ちなみにあとがきを見て、尾ひれがついた噂を信じていわれもない中傷騒ぎが起こるとか、お互いの意見に耳を傾けなくて議論が深まらないというのは、どこの世界でも起こるものなのだなと思いました(この本に対する反響)。
0投稿日: 2015.09.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
スコアブックに埋め込まれた数々の小さな不公平や誤解が、効率の悪い戦術や、誤った選手評価につながった ジェイムスたちが作った新しい評価基準、OPS(出塁率プラス長打率)がとりわけ脚光を浴びた すぐれた投手とはアウトを取る投手をさし、どうやってアウトを取るかは問題ではない
0投稿日: 2015.06.07
powered by ブクログ野球好きも、そうでない人も、とても楽しめる本。業界の常識が常に正しいとは限らず、そのことに気づき本気で実践するものが勝利を得られるというのは、起業の世界でも通じるものだと思う。
0投稿日: 2015.04.14
powered by ブクログメジャーリーグではセイバーメトリクス理論はコモディティ化し、その先いかに他チームと差別化を図れるかが課題になっている。 対して日本の野球は相変わらずの勘と経験頼り。どこか1チームでも実践してほしいよ。
0投稿日: 2015.03.24
powered by ブクログ日本とロシアが戦争をしたときに、日本海軍の秋山真之さんという人が。 「お金が無いから、戦艦の差は埋められない。ならば、どうやったらチームとしての戦術理解、スピードがあげられるか。あと、どうやったら砲弾の命中率を上げられるか」ということを考えて、実践しました。 そのときに、いちばん参考にしたのが、当時最強と言われたイギリス海軍の方式ではなかった。 その頃には新興勢力でしかなかった、アメリカの海軍の方式を一部導入した。 戦術勉強をするのに、書物や講義ではなく、ジオラマみたいな巨大地図と、玩具の戦艦を使って、見えるように演習していく。 「いちばん明快で判りやすかったから」。 そして、砲弾については、ひたすらそれだけを訓練すると同時に、「破壊度」を捨てて「燃え広がる力」だけに特化した砲弾を使用した。 「沈まなくても戦闘能力を奪えば良いから」。 …というお話が、半ば講談的に「坂の上の雲」などに書かれています。 「ある目的に向けて合理的な強度をひたすら高める。そして強者に打ち勝つ」 という、恐らくは 「乗り物操作的な触覚的な支配感と、ストレス発散的快感」 で言うと、男子的な相当に人気の高い方向のオハナシな訳です。 この「マネー・ボール」もその系譜ですね。 実に少年的にわくわくしつつ、大人な納得感を得られる本でした。 中学生から、高校生くらいまでは、プロ野球をテレビやラジオで観戦するのが、大好きで。 1986年~1990年くらいのことで、当時ドラゴンズに在籍した落合博満選手が好きでした。 実を言うとそれ以降はあまり野球に情熱をもったことがないんです。 はしかみたいなものだったのかも知れません。 この本を読んだのも、野球への情熱でもなければ、マイケル・ルイスさんへの関心でもまったくなくって。 親しい友人が「大変にこの本が面白かった」と言ったからなんですね。 もうちょっと補足すると、その友人は、野球好きなタイプではまったくなくて、また、マイケル・ルイスさんの他の本のジャンルである、金融に関心がある訳でもないんです。 更に言うと、ブラッド・ピッド主演の映画を観たから、という訳でもなく。 それなのに、この本が大変に面白かったという。 へえ、ちょっと読んでみようか、と。 アメリカの、プロ野球のお話なんです。 「予算の無い弱小球団が、金持ち球団と互角以上に戦っている。それはなぜか?」 という話なんです。 そしてこの本は、ノンフィクションなんですね。小説ではないんです。 (細かいところとか気分的なところはともかく、大まかな事実で言うと)実際に起こったことなんですね。 時代は2000年前後です。(本が出たのが2003年のようですね) アメリカのプロ野球の仕組みは、僕は良く判っていませんが、まあつまり 「4チームだか6チームだかで、1つのリーグ」。 その中で、一年かけて順位を競うようですね。 そして、そういう 「4チームだか6チームだかで、1つのリーグ」 が、いっぱいあるみたいですね。 そして、それぞれのリーグの1位(なのか、1位と2位なのか、判りませんが)が、決勝戦みたいに、また戦いあう。これがプレーオフというようですね。 最後に勝ったのが全米チャンピオンになる、ということですね。どうやら。 (アメリカの持ってる文化特色の一つは、「おらが国が最高に決まってるぜ根拠ないけど」的な、笑っちゃうくらい華麗な田舎者主義なので、この全米ナンバーワンを決める戦いのことを「ワールド・シリーズ」と呼称しているようです)。 で、その中でオークランド・アスレチックスという貧乏球団が、何年も、好成績を残しているんですね(2000年前後のお話です)。 通常シーズンを勝ち抜いて、何度もプレーオフに出る。 これはけっこう凄いことなんです。 例えて言えば、2013-14シーズンのスペインのサッカー1部リーグで、レアル・マドリーとバルセロナを交わしてアトレチコ・マドリーが年間優勝を果たした、というくらい凄いことなんです。 全く例えとして判りやすいものではないかもしれませんが。 もうちょっとジャンルをずらして例えると…。 ●通常の競争受験でしか生徒を入れない高校の野球部が、4年くらい連続で甲子園でベスト4入りをする、みたいな。 (それがレアなことである時点で、もはやアマチュアスポーツではない無いんだけどな、と。 野球好きな人が高校野球を楽しむのは当たり前なんだけど、そこに無垢な汗と純情と言った、アマチュア的美学の調味料をかけて報道するのは、いい加減にやめないと恥ずかしいよなあ…。 この情報化時代に、誰もそんなこと信じていないんだから) ●資本の全くない企業が、知恵と工夫だけで新商品と新販売方式で売り上げと利益を出す。 それを毎年、大手にパクられる。真似られる。トップ・プレイヤーを引き抜きされる。毎年毎年。それでも、毎年、売り上げと利益で大手と互角以上の結果を出す。 ●「ウチの生徒の親はみんな年収500万円以下」「ウチの生徒の親はみんな高卒です」という公立高校が、東大京大の合格者ベスト10に毎年入る。 (これがいちばん夢物語かも知れませんね。今、ほぼ完全にこの国は固定身分制度ですからね。) まあ、とにかくすごいことなんです。で、ちょっと夢があることなんですね。 蓄積された資本のある人が、挑戦をして苦難を乗り越えて何か成し遂げる、みたいなことは、掃いて捨てるほどのストーリーがありますけれど。 「資本主義の原理に反している」 というのが夢があるんですよね。 資本主義である以上、資本が大事なんです。 実は、資本主義の中の勝ち組になると、別段「競争主義」や「実力主義」は望んでいないんですね。 大事なのは、資本が多い方が勝つ、という仕組みを維持することなんです。 この場合の「資本」はもちろんお金だけではなくて。「人脈」「情報」「血縁」なども含まれますね。 トランプゲームの「大富豪・大貧民」で言うと、大富豪が大貧民からカードを奪って始まりますよね?アレです。 アレを維持して、できればその強制交換枚数を増やしたいんです。 もちろん、表向きは「実力主義」「競争主義」と言います。 そりゃそういわないと恰好悪いですから。 でも、本音はそうじゃありません。 その証拠に、政治も財界も、2世3世花盛りですから。議論するまでもなく、それを観れば分かることです。 この資本主義の原理が、圧倒的に支配しています。 何しろ、世界のヤクザの最大の親分、資本主義の守り神であるアメリカの、退役した軍人さんが、 「自分は現役時代、振り返れば、アメリカの大資本企業がぼろ儲けを続けられるように、世界中の反対勢力をひたすら暴力で脅し続けたようなものだ」 と言っているくらいですから(笑) こういう、「弱肉強食の原理」には、歴史を通して多くの人がストレスを抱えながら暮らしています。 だから、それに逆らう者は、ヒーローになることが多いですね。 スティーブ・ジョブスさんだってそうだし、大まか言えば真田幸村だってそうです。 「プロジェクトX」という番組は、改めて平成の時代に、昭和の高度成長という時期を「世界的な強者の論理に抵抗した日本人」という視点で再編集したヒーロー物語だった訳です。 (どの例えも、「本当に彼らはヒーローだったのか?」という検証はまた別の問題ですが。そういう商品として大多数の人々に「買われた」、ということですね。) 閑話休題… で、マイケル・ルイスさんという物書きさんが、オークランド・アスレチックスに密着取材?する訳です。 するとそこには、選手と監督の上に「ゼネラル・マネージャー」として、ビリー・ビーンという元選手が君臨していたわけです。 そして、ビリー・ビーンとその仲間たちは、数十年前から細々と提唱されていた、「分析・確率を素にして選手を評価・獲得する」という手法を取っていたんですね。 これはケッコウ、凄いことなわけです。 どうして凄いことなのか?というと。 アメリカでは野球という娯楽産業は、随分老舗でかつ人気産業です。 であるからには、当然そこの利権をめぐってもう、既得権益者サロンというものが出来ている訳です。 (これはまあ、認めるか認めざるかはともかく、どんな産業でもありますね。ただ、どこまでそのサロンが硬直化しているか、という度合いはありますけど) 野球の既得権益者サロンと言うのは、 ●名選手たち、元名選手たち ●野球ビジネスを運営する実権を握る者たち ●大手資本を持つ、老舗の報道機関 ●その流れを汲んだ各球団の経営者、指導者、スカウトたち というコトな訳です。 そこでは、「野球を運営する」という利権に、他者を参入させないために、 「野球は奥深い。経験者にしか分からない。経験者が経験と勘と洞察の末に見極めて勝利を掴む。反論する奴らは皆、検証する必要もなく間違っている」 と、いうような、神秘主義や精神主義が横行している訳です。 もっというと、これは「負ける軍隊」と同じ構造なんですが、「他者を参入させない言い訳」である、ということにもう盲目になっている。 宗教と同じですね。「日本軍は負けない」というヤツです。 「オレたち経験者にしか分からない。オレたち経験者が経験と勘と洞察の末に見極めて勝利を掴む。反論するシロウトたちは皆、検証する必要もなく間違っている」 「経験者」というところを「白人」とか「高学歴者」とか「ゲルマン民族」とか「正社員」とか「男」とか「日本人」に入れ替えると怖いですね。 で、この「宗教」に基づいて野球で飯を食っている人たちにとって、ビリー・ビーンとその仲間たちは、とても腹立たしい訳です。 自分たちの主張と全く逆のやり方で、結果を出してしまう。 (このビリー・ビーンさんたちの「確率論的に野球を分析する方法」のことを「セイバーマトリクス」と呼ぶそうです。でも別にこの本の中で「セイバーマトリクス」と言う言葉は出てこなかったと思います) つまり、この本は。ビリー・ビーンとその仲間たちが、 「オレたち経験者にしか分からない。オレたち経験者が経験と勘と洞察の末に見極めて勝利を掴む。反論するシロウトたちは皆、検証する必要もなく間違っている」 というマッチョな既得権益者たちと、知恵と勇気だけを資本に、正々堂々の全面戦争を挑む、という戦いの記録な訳です。 (ベースボール、というゲームの場で、ですが)。 それはホントに、 「地平線まで埋め尽くす十万を超す徳川軍の中に、たった数百の手勢で錐を揉むように突撃し、蹴散らし、家康の首まで迫っていく真田幸村」 という娯楽的快感なんですね。 「誰もが、もう無理だ、とあきらめた。だがたった独り、〇〇だけはあきらめなかった」 という、田口トモロウさんナレーション的な、「プロジェクトX」快感曲線な訳ですね そしてそれが、実に疑問なく痛快なのは、どこにも「神秘主義」「ご都合主義」が無いことですね(少なくともこの本を読む上では)。 前記の真田幸村の例や、プロジェクトXの例は、講談的な、敗北の美学的な、あるいはご先祖崇拝的なご都合要素が入っていることは先刻承知なんですけど。 何しろ、ベースボールですから。 勝った負けたが大公開でさらされるわけですよ。 そこで「だって、勝ったんだもん」というこの痛快さ。 しかも一発勝負ではなくて、通年の実力を試されるリーグ戦で。 そして、その手法が「人徳」とか「勇気」とか「日本兵は世界一」みたいなワケの判らん理由ではなくて。どこまで行っても「合理主義」。 この痛快さですね。 これが、歴史的に言っても「良きアメリカ的明朗さ」だと思います。 ヨーロッパと比較して、圧倒的に既得権と伝統と格式が無かったからこそ、神秘主義や権威主義から自由な立場で思考できた。 それこそが、アメリカの素敵な部分だと思います。 そして、本としての「マネー・ボール」の面白さも、単純明快痛快さ、と合理主義ですね。 マイケル・ルイスさんの書き方はとてもうまくて、これだったら何のジャンルの本を書いても面白いだろうな、と思います。 具体的に言うと。 ●業界的な薀蓄を匂わせつつも、溺れない。 ●同時に、いちばん単純明快な、神話的な、娯楽的な物語の背骨を見失わない。 ●その娯楽度合いを、ノンフィクションのモラルのギリギリまで(あるいはギリギリを超えて)大げさに描く。 というコトだと思いました。 結局はノンフィクションですから、「例えばこういう例があって」という細部が全てです。 この本の場合は、「こんな誰も見向きもしなかった三流プレイヤーが、ビリー・ビーンの目に止まって一流になった」みたいな物語ですね。 その例が、列伝人間ドラマとして充実しています。 でも、野球オタクのための本じゃない。むしろ、野球オタクに野球シロウトが打ち勝つ話なんですね。 そして、どれだけ細部が賑やかでも、本線を忘れない。 本線は「傲慢な既得権益者に、一度は落伍者に落ちた弱者が敢然と戦う物語である」ということです。 本書の中であるとおり、「ダビデとゴリアテ」の物語なんです。 そして、その本戦を太く強く面白くするために、物語としては 「ビリー・ビーンという孤高の騎士、球界のルーク・スカイウォーカーが、ハン・ソロやチューバッカとともに、取り巻く銀河帝国の既得権益者たちに、ご意見無用の殴り込みをかけていくぜ」 という英雄物語的ニュアンスに、できるだけ娯楽的に書いていくんですね。 (無論、実際にはビリー・ビーンの思考的先駆者、ヨーダにあたる人物とか、色んな人がいます。そういう要素も、触れていますけど)。 この手腕は、なかなか凄いなあ、と思いました。 ※この特色については、池井戸潤さんの小説に似ているんです。 どれだけ経済問題を扱っても、半沢シリーズなんて基本は水戸黄門だったりしますから。だから素敵なんです。 恐らくは版元も早川書房さんですから、そういう娯楽要素をなるたけ削がない翻訳をしているのだと思います。 この感じで、マーケットなどについての本を読めるのなら、それはそれで読書の快楽。 友人のお蔭で良い作家を知ることができました。愉しみ愉しみ。
2投稿日: 2015.03.15
powered by ブクログはーりんさんから頂いた本 明治大学文学部の斉藤孝教授もオススメしていた データをどう取り、どう生かすか。 データだけあってもダメ。適切な物の見方で的確に活用することで、初めてデータが活きてくる。 周りと違う基準を持っていれば、少ないコストで欲しい商品(選手)が手に入る アスレチックスが成功していても、 周りの人間がなかなか評価しないので読んでいてとてももどかしかった。 打者において最も必要なのは打率ではなくて出塁率 OPS(出塁率+長打率)という打者を評価する指標がある 確かに打点はランナーがいて、という打者以外の得点に関係する要因が入っている。 前々から、阪神タイガースの鳥谷敬選手は「四球が多いな~」と思っていたが、2014年度では出塁率はリーグ3位、OPSはリーグ11位だった(本塁打が9なので仕方ないか...) パリーグでは中村剛也のOPSが.963でトップ 気になったのは打率が.257に対して出塁率が.384ということ。それだけ多くの四球を選んでいた。 四球で気になったには楽天のアンドリュー・ジョーンズ 打率が.221ととても低いが四球が112個とリーグ1位で出塁率がリーグ3位だった。 なぜ解雇されたのだろうか、高齢で高年俸、主軸なのに打率が低くて、チャンスでも打てないからだろうか。出塁率が高くても足が遅いからだろうか。 こういう風に好きな野球を今までと違って視点で見たり、考えたりすることができて嬉しい。 「ホームラン以外のフェアボールを安打にしない能力は、どのメジャーリーグ投手も大差ない」という考え方は斬新だった。 選手のことを「身長が低い」「太っている」「内反足」「奇妙な投げ方だ」などの見た目で判断せずにしっかりと成績から選んでいた。 投手の能力は「奪三振・四球」で判断すると書いてあったが、今の時代の「打たせて取るピッチング」をする投手は評価されにくいのではないか、と思った。
0投稿日: 2015.03.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ブラッド・ピット主演の映画にもなった、メジャーリーグのオークランド・アスレチックスGMのビリー・ビーンを取り上げたノンフィクション。それまで注目されていなかった出塁率・長打率を徹底的に重視するセイバーメトリックスを駆使して、10年間に5回チームをプレーオフに導いた。 そこらへんのビジネス書よりも断然おもしろいし役に立つ。常識と思われているものと実際が違っている場合、そこに勝つチャンスがある。野球を素材にして頭の使い方・ものの考え方を教えてくれる。
0投稿日: 2014.11.03
powered by ブクログ新しい評価を取り入れたことは画期的だと思うが、あまりにも選手を商品として扱うことに疑問を感じる。ガラクタの選手を・・・という表現にはゲンナリした。
0投稿日: 2014.10.18
powered by ブクログ一回切りの勝負じゃないのなら、結果より過程が重要。 全体最適と部分最適。 ①優れたチームパフォーマンスを実現するには、優れたローカルパフォーマンスを図るしかない ②ローカルパフォーマンスが優れていても、優れたスループットは実現できない どちらの仮定が間違っているのか? ②の仮定が間違っている。ということを示した本。 これはサプライチェーンマネジメントの本ともいえる。
2投稿日: 2014.09.15
powered by ブクログ映画でも話題になっていたのでいつか読みたいと思っていた。資金力がないうえ、スカウトや他球団が見向きもしなかった選手たちをとり、見事なプレーヤーとして育て素晴らしい野球チームとなった過程にひきこまれる
0投稿日: 2014.08.31
powered by ブクログ【読書その235】映画は見たことがあるが小説では初めて。これも以前読んだ斉藤孝氏の「大人のための読書の全技術」で紹介されていたので 読んでみる。
0投稿日: 2014.08.13
powered by ブクログ4年前のW杯前に中田と本田が対談しているTV番組を見ました。そこで中田が語っていたことで印象深かったのが、セリエAに移籍した時に自分に課していたのが、受けたパスの何%がゴールを向いて受けれたものか?ということだけ気にしよう!という話でした。(正確には忘れちゃったけど…)パスの成功率よりも前を向いて受けたパスの本数がゴールに関係する、という実感を毎試合のパフォーマンスの指標にしていたという話を聞いて中田って、すごくクリエイティブだな、と感じました。その頃からみんな口にし始めたKPIを高い次元で自分のものにしている!ビリー・ビーンの戦いを読んで、KPIのクリエイティビティをまたまた感じてしまいました。本書がビジネス本っぽく拡がるのは、古い因習や暗黙のルールに対してことさらにそれを打ち破っていくカタルシスにあると思います。しかし、痛快なのに悲痛な印象を受けるのはそのエネルギーが自分がプレイヤーとして大成出来なかった悔恨を土台にしているからか?そのビリーイズムが愛されるべき野球人、松井をスペックに切り刻んでトレードで獲得するという本書以降の物語にも繋がっていきます。失敗も含めてグイグイ前に進む主人公に聞きたいのはプレイングとマネージメントの境目。試合になると球場を離れ得点経過に一喜一憂して感情を爆発させる姿に、監督やればいいのに…って言いたくなります。たぶん何か一線ひいているんだよね、きっと。
0投稿日: 2014.08.11
powered by ブクログブラビ主演の映画が面白かったので、原作を読んでみた。 原作のほうがもっと面白かった。 資金力で強豪を買いあさるヤンキースなどと違いアスレチックスは貧乏球団なので、スター選手を獲得することはできない。 どうしたら強くなれるのか。普通ならスターになる前の原石を他球団より早く発掘する。と考えそうだが、そんなことどこの球団もやっているから、抜きんでることはできない。 さあ、どうする? スカウトが更に頑張る、選手がもっと頑張る、経営努力をする、などなどの精神論を一切排し、ゼネラルマネージャーのビリーが採った策は統計学のデータを活用すること。 打者は出塁率をなにより重視する。ヒットだろうが四球だろうが、塁に出ればいいわけで、2割5分の打者でも、3割の打者より出塁率が高ければ評価される。打点や得点圏打率などはあまり評価の対象にならない。それは打者の前にたまたまランナーがいたことにより加えられる要素が大きいから。 投手は打者の逆で、四球を与えないことと、奪三振数が重要視される(相手チームの出塁率を下げる)。最高球速とか防御率とかはあまり考慮されない。 ビリーがスカウトを信用しないのは、彼らが自らの野球経験から選手を見てしまうから。 体格がいい、肩が強い、球が速い、足が速い、などなど。将来の見込みがある、という目で推薦してくる。 しかし球団が必要なのは将来性ではなく、即戦力だ。スター性でもない。 その他、球団でスター性を開花させたスター選手1人をトレードに出し、大金を手に入れたら、それに代わる地味でもデータ上勝利に貢献できる要素を持った選手を3人獲得するなどの策も採っている。貧乏球団が金持ち球団と対抗するにはどうすべきか参考になる。 高校野球のようなトーナメント戦では採用できないところもあるが、リーグ戦でいかに勝ち星を稼ぐかという点では、とても理にかなった戦術。まさに目から鱗。 日本野球界でも採用して欲しい。とくにベイスターズ。 (以下、苦言) 万年最下位争いをしているベイスターズは、いつになったら中畑監督ではダメなことに気づくのだろうか。自分はベイスターズファンではないけど、地元の球団が弱いのは気分が良くない。親会社のDeNAは中畑監督だと客が呼べると思っているからまた性質が悪い。監督更迭論が一向に出ない横浜ファンの悠長さも問題だ。 経営陣も首脳陣もファンも、早いとここの本を読んだほうがいい。 もし、これでベイスターズがクライマックスシリーズ進出したり、勝ち抜いて日本シリーズにでも出た日には、ドキュメンタリー映画にしてもいいと思う。
0投稿日: 2014.08.09
powered by ブクログ大リーグにある既存の考えや常識を覆す物語。野球オンチの僕が読んでも面白く読めたので、野球好きの人ならもっと楽しめると思う。
0投稿日: 2014.06.28
powered by ブクログ映画鑑賞済み。野球に興味のない人は映画のほうがとっつきやすい(私のこと)。かといって書籍が面白くないわけではなく、野球好きにとっては書籍に軍配があがるだろう。 ビリー・ビーン自身、球界を占める「熟練の勘」に翻弄された経歴を持つからこそ、データ野球に只ならぬ思いがあったのかもしれない。素人の私にとっても「出塁率」を重視する方針は理解しやすい。 もちろんスポーツはエンターテイメントであるから才能のスターの存在があってこそ観客を楽しませることができる。他方、資金の乏しいチームでも戦略によっては十分なチャンスがあるという事実はとても興味深い。
0投稿日: 2014.06.10
powered by ブクログノンフィクション。 テーマは面白かった。ビッグデータマーケティングの先駆け的な取り組み。 長年、野球のスカウトマンは経験値に基づいた評価をしていたが、それは統計に基づいたデータ(事実)とは異なる。 データを信じることで、他球団より安く勝てる。
0投稿日: 2014.06.08
powered by ブクログアメリカの野球界というと、かなり先進的な感じがしていたのですが、正反対で、友好クラブなのだというのが痛快でした。そう考えると会社だっておんなじようなもので、昔から信じられていたやり方や人が中心で、実際に意味のある施策をしようとするものは圧倒的な反対をうける、というしくみがよくわかってとても面白かったです。後日談のところが特にそんな風ですね。
0投稿日: 2014.05.15
powered by ブクログ野球が好きであること、映画化されたことということで手に取りました。 メジャーリーグにおける実話に基づいた小説ですが、ビジネス書のつもりで読めます。今、日本球界で活躍する広島のバリントンも話の中で出てきますので、カープファンには堪らないんじゃないでしょうか(笑) 数字も視点を変えれば意味も変わってくるという点で野球をさらに面白いものにしてくれます。(話は2000年代前半のものなので、現在の野球では当たり前となっているものなのでしょうか…)
0投稿日: 2014.04.28
powered by ブクログ実話を元にしたメジャーリーグの話。 映画化され、ブラピが主演を務めたことでこ存じの方も多いと思いますが。 この本は、想像していたよりずっとおもしろかった。 ストーリーもさることながら、野球についての考え方まで、とても興味深かった。 メジャーリーグの古き悪しき文化は、日本の大企業の悪しき文化にとても似てると思った。 外からの意見を寄せ付けず、自己の経験や業界の風習を優先させるところとかは特に。 意外とアメリカ、しかもメジャーリーグでもそういう一面があるんだと感覚は新しかった。 さらに、この話は日本の多くの野球ファンにも衝撃を与えたのではないだろうか。 今まで野球といえば、打者は打率や本塁打数、投手は防御率や勝利数などが 数字として評価をされてきた。 そういった数字には実際にホームラン王のようにタイトルが付いている。 しかし、それらを指標として選手を見ることは大きく間違っており、 打者は出塁率と長打率を特に重視してみるべきだと結論があった。 (投手も同じように上記を加味した数で評価しなければならない) この理論はこの本によると20年以上前から、発信している人がいたようだが、 おそらく日本では今でもこの理論について理解してる人は少ないのではなかろうか。 悔しいことに僕もここについては理解が至っていなかった。 しかしこの本を読んで、この理論には大きく共感をした! そしてこの本の主人公「ビリー・ビーン」についてもっと知りたいと思った。 野球好きの人にこの本は必読書となると思う。 そんな素敵な本でした。
0投稿日: 2014.03.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「マネー・ボール」,映画は観たことない&野球はほとんど観ないですが,興味深く読めました. データ分析を駆使してなるべく少ない資金でチームの勝利数を最大化する,という課題に取り組む人達の物語でした. 驚いたのは,野球(他のスポーツでもそうなのかもしれませんが)では,個々の選手の成績についてのデータが細かく記録されていることでした.さらに,どんなデータを取るかについても,どんなデータを取ることが個々の選手の評価(ひいてはチームの勝利)に重要かという思想が絡んでくることが面白かったです. 自分の身近なことでも,何を最大化するかを定義し,そのためにどんなデータを測定すればよいか,と考えることは楽しそうだと思いました.
0投稿日: 2014.02.08野球はドラマ?orゲーム?
ズバリ!「野球愛に満ちたような本/ドラマのような感動野球」ではないので、そのような期待をしている方はお勧めできません。 野球をゲーム(TVゲームなど)と同じ感覚で接している方は「なるほど!」という事が多いのでは。 ビジネス/経営書として読むのがよいです。 私の”写真”がマスコットを勤めるとあるチーム?もこれぐらいやるときっと強くなるだろうと思うけど・・・・。チームに愛情が芽生えるかはまた別の話ですね。 経営バランスってムズカシイTT
1投稿日: 2014.01.29目から鱗の新ベースボール
名著ライアーズ・ポーカーの著者と言うことだけで購入してみたけど、直ぐ引き込まれた。文句なく面白い。
0投稿日: 2014.01.01チームで勝つとはどういうことかを教えてくれます。
ブラッド・ピット主演で映画にもなった原作です。資金力に乏しいメジャー球団がどうやって常勝チームに変貌したのか、その驚くべき手法を著した実話です。 本書はひとりの男の伝記ではなく、ひとつの考え方の伝記といった方がよいでしょう。目標達成に必要なスキル、役割と評価軸を明確にすれば卓越した個人技がなくても勝負に勝てることを証明しています。 ホームランバッターや奪三振王ばかりを評価しても、チームが勝たなければ意味がないことを経営層は再考すべきでしょう。
0投稿日: 2013.12.28資金力がない球団がある球団に如何にして勝ったのかという単純な本ではない
映画にもあったように埋もれた選手を取って有名選手に育てその彼らをトレードに出してその資金でまた埋もれた選手を取るという正のスパイラルを作り出している秘密が球界もしくは他球団が重要視しない指標をもとに情緒的(スカウト)ではなく客観的な数字で発掘するというのが本書の面白さである。ただこの指標や理論は別にGMであるビーンが考えた出したわけではなく在野のアマチュア研究家や民間企業が自分たちがその数字もしくは理論が正しいという信念のもと集めていたデータがもとになっている。そして数字や理論を信用しない野球界と正しいから認めろという野球オタクとの戦いという歴史がありその歴史を経て完成したのが「セイバーメトリクス」理論。 他球団が見捨てた選手がアスレチックスで活躍する話やメジャーのトレードの厳しさなど印象深いシーンは沢山あるのだが、私はこの理論が日の目を見るまでの話が好きでまるで中世の天文学の科学史(教会と科学者)を見ているようで面白しろかった。本書は、メジャーの内幕を綴ったノンフェクションとしても読めるし、少ない資金でいかに良い経営を行うかを考えるビジネス書としても読める、いろんな読み方が出来る良書である。
3投稿日: 2013.11.25
powered by ブクログ[11.14読了]久々の再読。自分にとっては映画も野球映画の中では屈指の出来だと思っているけど、原作は更に輪をかけて面白い。残念ながら昨今では、アスレチックスのやり方を多くの球団が模倣し始めたため、以前ほどの勢いはない。それでも、「野球妙」のビル・ジェームズや、ビリー・ビーンらアスレチックスの面々が果たした役割は大きい。この本でセイバーメトリクスが世に知れなかったら、夜のスポーツニュースで指標が出ることも大分少なかった気がする。上原が胴上げ投手になったニュースで、WHIPやK/BBが普通にニュースの中で使われるのを見るにつけ、「マネー・ボール」の影響の大きさを実感する。
0投稿日: 2013.11.16限りある資金を有効に!
大リーグのお荷物球団であるアスレチックスを優勝できるチームにたたき上げたジェネラル・マネージャ(GM)の話。このGMも選手としてドラフト上位に指名された経歴を持つものの、期待に反して活躍できなかった。自分の体験をもとに、選手の素質(ゲームで活躍できるかどうか)を見極めるポイントは過去の実績だけに頼ってはいけない。球団で必要とする選手を獲得するには、様々なデータからそれを見極める必要がある。優秀な選手を獲得できるのは豊富な資金力のある球団のみ。貧乏球団は視点を変えて、安くて確実に活躍できる選手をスカウトするという方針で臨む。その結果、金持ち球団と片を並べるほどの実績を上げ、ついにはワールド・シリーズを制覇するまでになる。資金がなくても埋もれた選手を発掘して、勝てるチームに仕上げ、なおかつ、球団に資金が潤うようにもっていくカラクリが手に取るようにわかる。大リーグの裏の世界も垣間見れて、別のおもしろさも提供してくれる。
3投稿日: 2013.11.10
powered by ブクログ以前にも読んだが完全版で再登場ということで再読。またまた面白く読めた。実在の球団の話であり、スタット、選手名などもつい調べつつ読む。よって非常に時間がかかったが、久しぶりに凝った読み方ができる本に出あった気分。 ビジネス書としても読めるとあるが、それは若干疑問(無論色んな示唆を得られるが)。単純なエンターテイメント物として読む方が良いと思う。
0投稿日: 2013.10.21
powered by ブクログおもしろい!野球小説は数多くあるけどプレイヤーではなくフロントが主人公なのは記憶に無い。チーム作りに統計データを使うのは当然だが、その分析視点がユニークで面白い。特に守備率の無意味さは目から鱗でした。
0投稿日: 2013.09.28マイケル・ルイスの魅力
マイケル・ルイスはシニカルな筆致が特徴ですけれど、その裏側に取材対象への優しさとかあたたかい眼差しがほのかに感じられるのが好きですね。 この本について言えば題材の面白さもバッチリだと思います(セイバーメトリクスもよく知られるようになったので以前ほどの新鮮味はないかもしれませんが)。野球か統計かのどちらかが好きならば楽しめるでしょう。
2投稿日: 2013.09.28
powered by ブクログものの見方を改めてくれる良書であった。形骸的ともいえる「ビッグデータ」という言葉を野球という現実のフィールドでの活用の仕方をみせてくれた。 隠された意味合いは行間に潜んではいないが、この本をテキストとして読みあい、討議することができればよりよい実りになると感じた。ぜひ、一読をお勧めする。
0投稿日: 2013.09.24
powered by ブクログオークランド・アスレチックスのGM、ビリー・ビーンが既存の野球理論を否定して、セイバーメトリクス理論で強いチームを作っていく実話。 どんな業界でも当てはまることだが、常識にとらわれると新しいことは生まれないと思った。 野球ではお金をかければ強いチームが出来ると考えがちだが、ビリーはそれを否定した。 常識にとらわれず、疑問を持ち、とことん考えることの大切さを感じた。
0投稿日: 2013.09.22
powered by ブクログメジャーリーグ。 日本でもダルビッシュ選手の派手なデビューが話題になったこのメジャーリーグでは、 大金で一流選手が獲得でき、強いチームが作られる。 との考えのもと、巨大資本が動いています。。 しかし、このメジャーリーグにおいて並み居る金満球団と肩を並べる成績を出している貧乏球団が存在しています。 その球団の名はオークランド・アスレチックス。 本書はこのアスレチックスに焦点を当てたノンフィクションです。 著者のルイス氏はウォール街の内幕を暴露した名著「ライアーズ・ポーカー」でデビューしたアメリカを代表する作家の一人で、 本書でもその切れの良い作風は健在。 読者を一気に本の中に引き込む力を持つ一冊となっています。 そしてその力ゆえ、俳優ブラッド・ピットを虜にし、主演映画「マネーボール」の制作公開、その後のアカデミー賞6部門ノミネート 等、出版界にとどまらない大きな影響力を発揮しました。 尚、題名についている【完全版】ですが、本書は完全版で無い方の「マネーボール」(と言う表現も変ですが・・・)出版後に起きたメジャーリーグ界からの激しい反発の様子を巻末に追加した内容となっており、それ故の完全版と言う事みたいです。 #追加された出版後日談はベースボール宗教戦争と題されており、これも中々読み応えのある内容となっています。 では前置きが長くなりましたが、以下で簡単に内容をご紹介。 メジャーリーグの片隅である集団の歴史と一人の男の人生が交差した結果、ある"化学反応"が起きた。 集団とはベースボールを愛する余り、選手の力を定量的に測定しようと試行錯誤するベースボール愛好家たち。 一人の男とはスカウトの直観によりメジャーリーガーとしての将来を見込まれこの世界に引きずり込まれるも、 不遇のメジャーリーガー人生を送った人間、"化学反応"の舞台となったアスレチックスのジェネラルマネージャー、ビリー・ビーン。 片方は変化とよそ者を嫌うメジャーリーグに拒まれ続け、 そしてもう片方はそのメジャーリーグに愛された結果、人生を踏み外し・・・ 共にメジャーリーグに対して否定的な思いを抱いた者たちが結びついた結果生まれたものは、旧来の価値観では革命的とも言える統計的選手能力測定法、セイバーメトリクスの実現化。 セイバーメトリクスにより快進撃を続けるアスレチックス。 結果を突き付けられてもこれを否定せんとするメジャーリーグ界、ベースボールジャーナリスト、そしてファンたち。 しかし、その裏で文化と言う名の偏見で未来を閉ざされた来た者たちにチャンスが与えられていく。 新旧がその立場を入れ替える時、何が起きたか。 本書はこれをはっきりと記しており、変化を起こすには「正しさ」やそれの証明だけでは不十分と言う教訓を読者に与えています。 では変化を起こすにはどうすればいいのか、 あるいは変化を拒む人間にならない為にはどうすればいいのか。 本書をこれらを考える切っ掛けとしてみては如何でしょうか。 充実の読書体験を与えてくれた一冊です。
0投稿日: 2013.07.05
powered by ブクログメジャーリーグのスーパースターになれるだけの素質を備えたビリーは、しかし選手として成功することなく、ユニフォームを脱いだ。 しかし、彼はアスレチックスのGMとして、その類稀な素質を開花させ、データを重視、お金をかけずに勝ち上がるスタイルを作りあげる。 野球界に絞りこまれているけれど、れっきとしたビジネス書だと思います。データを読み取り、分析し、誰も注目していない選手の能力を見抜き、活躍の場を与え、勝ち星を稼ぎ、高い選手を売り払ってまた安くて優秀な選手を揃えて試合に臨む。 あたりまえといえばあたりまえ。ただ、他のチームのフロント達がこのやり方を嫌うのもわかるなあ、とも思います。 商品であるならば、よいものを安く仕入れて高く売るのは当然のこと。 でも、本来、野球チームの補強(トレードもドラフトも)というのは、自軍の戦力を揃えて勝つためのものであって、安い選手を高く売り払うためのものじゃないと思うんだ・・・。まさに、ビリーにとって、選手は商品であり、駒である。ほんと、ゲームのような扱いようです。 生え抜き重視の日本の野球界とは大違いですね。 野球というのは感心するほどシステマチックにできているスポーツでありながら、評価というのは本当に難しい。野球データオタクみたいな人がたくさんいるのもわかるような気がするなぁ。確かに、ワンヒットで一塁ランナーが二塁どまりか三塁までいけるのかは大違いだけど、そのランナーを評価する(数字にする)方法はないんだよねぇ・・・。 ビリー・ビーンの評価法によれば、阪神の鳥谷選手はすばらしい選手ってことになりますね(打てなくても四球を選べる)。ただし、ビリーは盗塁嫌いですから、WBCでのあれは嫌うかもしれない(笑)。 それでも、ビリーは「自分のやり方はシーズンを勝つ方法であり、短期決戦には向かない」と自身で述べているように、自分のこともとても客観的に把握している人のように思います。だから、鳥谷の盗塁も、「おおっ?!」と笑いまじりで見てくれるのかもしれない。人間、できることとできないことを見極めるのは、とても難しい。特に自分のことであれば。 ビジネス書と書きましたが、冒頭の、メジャー入団前のビリーの描写はとても映像的。実際に映画ではどんな映像が撮られているのか、今更ながら見てみたいなと思います。
0投稿日: 2013.06.29
powered by ブクログ日本プロ野球で、このスタイルのスカウティングをしているのは、日本ハムかなあ…と感じました。 巨人も導入して欲しいけど、無理でしょうね…
0投稿日: 2013.06.29
powered by ブクログ野球を題材にしているが、得られるものは汎用的。 長いスパンで考えること。 何が正しいのかを自分で考えること。 仮説を立てて検証すること。 素直であること。 ハッテバーグ。保守一筋で一塁手になった。テニスコートで妻と練習。 憧れの選手と話すために一塁で止まるエピソード。毎打席の内容を丁寧に記録。自分に何ができるかだけでなく、何ができないのかを頭に入れた。性格とプレーが一体化。しかし、スタイルがチームと合わず冷遇。アスレチックスで始めて認められる。そこで一言、楽しいと。
0投稿日: 2013.06.02
powered by ブクログ貧乏球団、オークランド・アスレチックスは、いかにして、金持ち球団と戦い得たか。 単純に考えると、強い球団を作るためには、良い選手を集めなければならない。そして、良い選手は年棒が高い。よって、資金力のある球団が強く、資金力のない球団は弱い。 ここで問題となるのは、良い選手とはなんだろうか、ということ。そして、選手の良さは年棒に比例するのか、ということだ。 強い球団は、多くの勝利を収める球団である、と言えそうだ。とすると、良い選手は、勝利という球団の目的に対して、勝利を収めるための重要な要素に対して、貢献度が高い選手、というように考えられる。 では、球団が勝利を収めるために重要な要素とはなんなのだろうか。アスレチックスの経営陣は、その答えを統計データの中に見出した。そして、それを実現するために最も効率のいい“投資”という視点から、選手を集めた。その答えは、いささか球界の常識からは外れるものであったが、アスレチックスは、「異質な例外」と言われる成功を収める。 アスレチックスの持ち込んだ新しい考え方とはどういうものだったのか、それが球界への挑戦の物語のように描かれる。一つのサクセスストーリーとしても面白い。 普段自分が常識と考えているものにも、もしかしたら根拠のないものがあるのかもしれない。様々な統計的データの活用がいろいろと検討されている昨今、自分の仕事場にも古い常識ではなく、新しい理論を取り入れる余地があるのかもしれない、そういう想像力を持ってみるのも良いのではないだろうか。
0投稿日: 2013.06.01
powered by ブクログ非常に興味深い内容だった。野球で勝つにあたって、それぞれのポジションで有効なポイントが何かを明確にする。あくまでもその数値に基づいて必要な選手を集める。それが勝ちに結びつく。この手法を何かで実践してみたい。
0投稿日: 2013.05.13
powered by ブクログ日本版が出た2004年に確かに読んだ。 でもエピソードとして覚えていたのは、やっぱりビリー・ビーンが、アスレチックスに止まったというエピソードだけ。 もちろん内容は覚えていたけども。出塁率や四球、盗塁。トレード。 思い込みから自由になり、本当に有効な手立てを見付けることの大切さと難しさ。
0投稿日: 2013.05.01
powered by ブクログ映画になった有名な話だが、ある意味旧態依然を続けていた大リーグの世界にデータによる戦略を持ち込んだことがこれほど効果的だったのに驚かされる。 と、いいながら試合を見ては激高する姿は人間的で面白い。 アメフトについて同じような分析がないのかどうか知りたい。
0投稿日: 2013.04.28
