
総合評価
(27件)| 6 | ||
| 11 | ||
| 5 | ||
| 1 | ||
| 0 |
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・あらすじ スウェーデン エーランド島が舞台 約20年前の少年失踪事件を解決しようとする母親と祖父 事件を調査する内に30年程前に死んだ男が実は生きていた…? 調査パートと死んだ男の過去パートが交互に書かれ真相が判明するタイプのミステリー。 ・感想 息子が行方不明になってから立ち直れないままのユリアと、老人ホームに入り手足も満足に動かせないイェルロフが探偵役。 舞台となる場所(霧深い閑村)や季節(秋冬)、登場人物も老人ばかりなので展開も遅め。 終始物静かで寒々しい印象があるけどエピローグでは事件解決とともに囚われていた彼らの苦しみが昇華されて、それが季節が春になり霧が晴れる事で描写されていい読後感だった。 ハッピーエンドではなくニルスがクソ野郎であることには変わり無いけど…。 娘と父親、息子と母親で対比され母親(故郷)の元へ帰りたかったニルスと事件後目を背けていた故郷、父親との確執を解消するユリアとの対比も良かった。 犯人はそうかも…?いややっぱり違うかなーそうであってほしくないなって人がそうでちょっと悲しかった
0投稿日: 2024.03.02
powered by ブクログスウェーデンの作家「ヨハン・テオリン」の長篇ミステリ作品『黄昏に眠る秋(原題:Skumtimmen、英題:Echoes from the Dead (The Oland Quartet))』を読みました。 「ヨナス・ヨナソン」、「ミカエル・ヨート」と「ハンス・ローセンフェルト」の共著に続き、スウェーデン作家の作品です… 北欧ミステリが続いています。 -----story------------- 行方不明の少年を探す母がたどりついた真相とは。 北欧の新鋭による傑作感動ミステリ! 霧深いスウェーデンのエーランド島で、幼い少年が消えた。 母「ユリア」をはじめ、残された家族は自分を責めながら生きてきたが、二十数年後の秋、すべてが一変する。 少年が事件当時に履いていたはずのサンダルが、祖父の元船長「イェルロフ」のもとに突然送られてきたのだ。 病魔に苦しみながらも、明晰な頭脳を持つ「イェルロフ」は、この手がかりをもとに推理を進める。 一方、急遽帰郷した「ユリア」は、疎遠だった「イェルロフ」とぶつかりながらも、愛しい子の行方をともに追う。 長年の悲しみに正面から向き合おうと決めた父娘を待つ真実とは? スウェーデン推理作家アカデミー賞最優秀新人賞、英国推理作家協会(CWA)賞最優秀新人賞受賞作。 スウェーデンの民話や幽霊譚をもりこんだ、北欧の新鋭にして実力派による傑作ミステリ。 ----------------------- 2007年(平成19年)に発表された《エーランド島シリーズ》の第1作… 探偵役の「イェルロフ・ダーヴィッドソン」が外出もままならない老人というこもあり、謎が解けるスピードは遅々としていますが、関係者を訪ね歩き、幾度かの危機をくぐり抜けて、20数年前の衝撃的な真相が明らかになる展開が愉しめる佳作でしたね、、、 「イェルロフ」と「ユリア」を中心に真相を探る現在の物語と、「ニルス・カント」の人生を辿る1936年(昭和11年)~1972年(昭和47年)の物語がパラレルに進行して、終盤、ひとつの接点に向かう描き方も良かったですね… むっちゃ好みの作品でした。 1972年(昭和47年)9月、エーランド島北部のステンヴィーク村で、「イェンス・ダーヴィッドソン」という5歳の少年が忽然と姿を消した… この島では珍しい濃霧の中での出来事だった、、、 それ以降、「イェンス」の母「ユリア」は傷心から立ち直れぬまま島をあとにして苦悩に満ちた日々を送るようになった… 「イェンス」の父とは別れ、姉「レナ」の夫婦や島に残った父「イェルロフ」ともしっくりしない関係になっていた、、、 事件から20数年後、高齢者ホームで暮らす「イェルロフ」のもとに、「イェンス」が行方不明になった時に履いていたサンダルを何者かが送ってきた… 「イェルロフ」からその報せを受けた「ユリア」は久しぶりに帰郷する。 長年疎遠になっていたせいで、「イェルロフ」と「ユリア」の会話はぎこちないものに… しかも、かつて船長だった「イェルロフ」は持病のせいで今や思うように動けない身体となっていた、、、 だが彼らはサンダルの件を契機にわだかまりを乗り越え、過去と再び向かい合うことを決意し、「イェンス」の身に何が起こったかを追求しようとする。 このメイン・ストーリーに、時々、挟み込まれるカタチで描かれるのが、島北部の広大な土地を所有する資産家の息子として生まれた「ニルス・カント」の人生… 彼は10歳にして海で溺れた弟を見殺しにし、成長とともに数々の悪事を重ねてきたため、村ではあらゆる犯罪や事故が彼のせいということになっている、、、 既にいないはずの彼の姿が、事件の影から浮かび上がってくるのは何故なのか… 「ニルス」の数奇な運命と「イェンス」との接点は!? 自己中心的で浅はかな性格、そして若い頃の悪行の数々… 「ニルス」は同情の余地のない人物なのですが、ある人物に利用され、「イェンス」の失踪事件に巻き込まれてしまう終盤の展開には一抹の憐れみを感じましたね、、、 もっと悪い奴がいたんですからねぇ… それにしても、真相は衝撃的で、深い余韻のある結末でしたね。 《エーランド島シリーズ》の残り3作品も読んでみたいな。 以下、主な登場人物です。 「ユリア・ダーヴィッドソン」 看護師 「イェンス」 ユリアの息子 「イェルロフ」 元船長。ユリアの父 「レナ」 ユリアの姉 「リカルド」 レナの夫 「エルンスト・アドルフソン」 彫刻師、元石工 「ヨン・ハーグマン」 元船長 「アンデシュ」 ヨンの息子 「ベングト・ニーベリ」 《エーランド・ポステン》記者 「レナルト・ヘンリクソン」 警察官 「アストリッド・リンデル」 元医師 「グンナル・ユンイェル」 ホテル・オーナー 「マルティン・マルム」 マルム貨物の創業者 「エースタ・エングストレム」 元船長 「マルギット」 エースタの妻 「ロベルト・ブロムベリ」 車修理工場のオーナー 「ヴェラ・カント」 ステンヴィークの資産家 「ニルス・カント」 ヴェラの息子 「フリティオフ・アンデション」 ヴェラの使い
0投稿日: 2023.04.07
powered by ブクログスウェーデン、エーランド島で霧の深いある日、少年が行方不明となる。祖父である元船長のイェルロフが事件の謎を解く。高齢の祖父のゆったりとした時間の流れとエーランド島の自然がマッチし、物語が丁寧に進められて行く。終盤は悲しい結末へと向かうが、イェルロフの覚悟と落ち着きと共に、静かに受容できる境地となる。
0投稿日: 2022.03.08秋のように肌寒く色見が深い
一人の子どもの失踪事件をめぐり、物語は淡々と進む。 読み飽きたり疲れたりするところもあるけれど、最後まで読んで良かった。 根っからの根性悪はいない。ただ様々な不幸が折り重なっただけ。 私たちが1面しか見ていない世の中のあらゆる事件もこういった不幸の悲しすぎる連鎖なのかもしれないと思うと同時に、物事だけでなく、人もまた先入観にとらわれず多角的な視点での観察と判断が必要なのだと気づかされた。
0投稿日: 2019.09.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み終わるまで凄く時間がかかりました。'45の殺人事件、'70年代 の幼児失踪、を'90年代に解決するという、3つの場面が交錯するので、なかなか集中できませんでした。 '45に殺人事件を起こした男の望郷の念がまず理解できない。なぜそんなに故郷に固執するのか。凶暴で行き当たりばったりの行動する力があるのに、その割には自分で帰郷しようとしない。 それと気になったのは解決に向かう場面で携帯電話がでてくるところです。'90年代前半は日本ではまだまだ携帯電話よりポケベル主流だったと思いますが北欧はすでに携帯電話が行き渡っていたのでしょうか?
0投稿日: 2017.09.08
powered by ブクログ物語がなかなか進まずイライラしたけど、「むかしは、みんな、いつも時間をかけて物語を紡いだが、いまではなにもかもが、さっさと済ませねばならなくなって」って言葉が出てきて、はっとした。
0投稿日: 2017.04.11読み応えある北欧ミステリの傑作。
少年の失踪から物語は始まる。 少年の母と祖父の悲しみとやるせなさが漂いますが、 感傷的どころか、冷静な筆致はその陰影を増幅させる。 さすが北欧ミステリ……、そんな印象すら与えます。 終盤の一行で、涙をこらえることができませんでした。 ずっしりと読み応えある北欧ミステリーの傑作です。
4投稿日: 2017.02.25
powered by ブクログスウェーデンのミステリー。先にこのシリーズの最終巻を読み、ずっしりとした手応えが気に入って、初巻を手に取った。 目の前で見ているかのような心理描写や 土地の風景に、再び引き込まれた。事件に派手さはないが、最後まで縺れた糸が続くので、退屈しない。 主題は子を亡くした母。殺人者を含め、筆者の人間を見る温かい眼差しによって、暗い話だが重くなっていない。
0投稿日: 2016.06.11
powered by ブクログミステリというより、その島での生活というか歴史というか、登場人物たちが生きて死ぬ軌跡をみたような物語。シリーズ化されていると聞いたけど、どんなふうに続くんだろうか。気になる。
0投稿日: 2016.05.05
powered by ブクログ黄昏、秋……新年早々自分はなんちうタイトルの本を読んだのであろうか。 しかも内容は「老人素人探偵の小活躍の巻」である。よくできてはいるものの、いかにもご都合主義でしかも長い。ところどころ飛ばして読んでちょうどよい感じ。記憶力も体力も怪しい老人が謎を追う、っていう目新しさはよし。
0投稿日: 2016.01.07
powered by ブクログ「冬の灯台が語るとき」が面白かったので読んでみたのですがこちらがデビュー作なんですね。この作品もエーランド島が舞台。 昔、行方不明になった子供の祖父の元に子供のサンダルが突然届いて、というお話。 島に関わる昔話と、子供の母親と祖父による真相究明が交互に語られていく形。 北欧のミステリは最近すごく元気ですがどれもクオリティが高い。オススメですね。
0投稿日: 2015.09.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
★4,5というところ。とても長いので、途中、ちょっとだけ飛ばし気味に読んでしまいました。それでも、充分に落ち着いたミステリーとして味わい深く、読み終わったあと、事件が解決してほっとしている自分がいました。シリーズ第1作のようなので、その他のものも読んでみようと思います。
0投稿日: 2015.07.21
powered by ブクログスウェーデンのエーランド島を舞台としたミステリーであり、二転三転する結論である。日本人にとっては土地勘があるのはイエテボリだけである。
0投稿日: 2015.03.17孫を失った老人の、決死の推理が光る!
深い霧に包まれたある日、幼い少年が失踪しました。それから数十年後、少年の靴と思われる品が届けらます。少年は、送り主の手によって殺されたのだ――! そう確信したイェルロフ爺が、娘を呼び寄せて事件の究明に乗り出します。 物語は、少年が最後に会ったと思われる人物、ニルス・カントの半生と、彼の周辺を探るイェルロフ爺の足取りを交互に行き来しながら真相に近づいていきます。 ミステリの常として、容疑者のほかに真犯人がいるに違いないと睨むのですが、それは誰か? 何故少年は殺されたのか?という謎が最後までつきまとい、驚愕の事実まで実に読み応えのある一冊でした。
15投稿日: 2015.02.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
落ち着いた筆致で淡々と描かれる、幼い息子・イェンスの失踪の真実を探る母・ユリアと、その父イェルロフの物語。そして、既に死亡したとされるも、彼らが真相に辿り着く過程で常にその存在が亡霊のように付きまとう男・ニルスの物語。 閑散とした秋のエーランド島の、静謐でどことなく寂しい雰囲気が人物の心情を表現するように淡々と綴られる。しかしながら600ページ近い長編であり、主人公の一人が体の不自由な老人であることもあって少しずつでしか物語が進まないため、中盤まで退屈に感じられた。 それでも、少しずつ、確実に謎が解き明かされ、イェンスの失踪の真相は衝撃的なものだった。振り返れば、霧深い石灰岩平原でのイェンスとニルスの邂逅が冒頭に置かれていることも、ニルスの謎めいたイメージを植え付ける上で効果的に働いているように思う。
0投稿日: 2014.10.05いつか夢で見たような風景
スウェーデンのエーランド島という、今まで見聞した事もないこの物語の舞台の風景が、読んでいるうちに自然と心に浮かんで来ます。それは、最初の「霧」の印象からか、幻想的であり、避暑客がいなくなった季節外れの時期である為に、茫漠としています。絶え間なく打ち寄せる波音が、悲しみを運んでくるように、主人公は、常に、悲嘆にくれ、二十年以上も前に、いなくなった息子の姿を追い求めています。理性では「死」を覚悟していても、感情では万が一の可能性を捨て切れずにいるのでしょう。打ち捨てられた家の幽霊の話も出て来るのですが、肉体が朽ちた後に残る魂の存在が、出来事に深く繋留し、この物語に厚みを齎しているように思いました。 一読の価値あります。
5投稿日: 2014.07.01「悲しみ」が胸を打つ傑作
冒頭から結末まで物語の流れはゆったりとしていますが、全体が「悲しみ」に包まれているような作品で、善悪が単純には割り切れない世界の中で、もがきながら生き続ける登場人物達の織りなす人生の陰影描写の深さが強い余韻を残す、素晴らしい作品だと思います。
2投稿日: 2014.05.06
powered by ブクログエーランド島四部作の第一作目にあたるらしい。舞台はスウェーデンのバルト海に浮かぶエーランド島で、時代は1990年代。1972年におこった5歳の少年失踪事件から話は始まる。その母親と祖父が20数年後に事件の真相を追う話。島の不審人物である男の生い立ちと事件にかかわるまでの様子が、本筋と交互に語られる形で謎が明かされていく。内容は長くてなかなか進まないが、徐々に解明されていきながら、親子の関係がほぐれていき、母親の立ち直っていく様子がよかった。
0投稿日: 2014.05.0520年以上の闇を解く鍵は、地位、金、それとも復讐?
スウェーデンの島を舞台に重厚なストーリーが展開されます。20年以上の歳月を経て風化しつつある事件に、年老いた父親と子を亡くし自分を見失いつつある娘が、再び事件に向かい合う。地道な調査が導く真犯人はこの人物だったとは!登場人物の心理描写も見事です。 スウェーデン推理作家アカデミー賞最優秀新人賞、英国推理作家協会賞最優秀新人賞、評価に偽りなしです。読み応え十分!
4投稿日: 2014.04.13
powered by ブクログ霧に包まれたエーランド島で、幼い少年が行方不明になった。それから二十数年後の秋、少年が事件当時に履いていた靴が、祖父の元船長イェルロフのもとに突然送られてくる。イェルロフは、自責の念を抱いて生きてきた次女で少年の母のユリアとともに、ふたたび孫を探しはじめる。長年の悲しみに正面から向き合おうと決めた二人を待つ真実とは? 全体的に長い。後半から物語が動き始めて続きが気になるな~と思えましたが、中盤まであまりに長い上に展開も薄々想像できて何度か挫折しそうでした。結末は意外だったけどハッピーのようなアンハッピーのような・・・著者的には前者なのかなと思ったけど、私は微妙な後味だなぁと思ってしまった。全体を通してちょっと暗いんだよなー、スウェーデンの作品に多い気がするけど国民性?ユリアの悲しみは分かるし少しずつ立ち直っていく彼女には素直に感動したので、レナルトには少しがっかり。バレなければこのままいくつもりだったの?(´・_・`)
0投稿日: 2014.03.22
powered by ブクログ北欧圏発、上質ミステリ小説。 「ミレニアム」とか北欧圏の作品に注目集まるようになったようですが、 本書はわりとまっとうなミステリ小説です。 でも、なんですかね~。 日本の北国出身者としては、過疎地で暮らす日常の風景や 人のリズムとかが本当によく描かれていて、 イギリスやアメリカの作品よりもずっとしっくり読み込めました。 人物や風景の描写力は半端なくありますし、書き方にも品があります。 結構な量のページ数ですが、一旦読むとじっくりと時間が かかってもいいな、とゆっくり読める、行間リズムに取り込まれます。 なので、ハイスピード展開などお好みの読者には、 この作品の持つゆったり感がもったり感として嫌悪されるかもしれません。 なにせ、青年期の登場人物がぐいぐい物語をひっぱっていく…という 作品ではなく、人生の冬に差し掛かったおじいちゃんが 謎解きの中心人物であるので、致し方ない作品効用です。 それでも、読み終えると、さすが英国推理作家協会賞受賞作だと感じます。 人に対する通り一遍ではない設定で、犯罪への嫌悪はありながら、 どこか人に対する諦めに似た受容の精神を読み取れます。 悪いやつは心底悪いままなのか? 善い人間はそう見えるだけじゃないのか? どっちにも振れる人間性をあたたかくみつめている。 スウェーデン・エーランド島四部作の第一作目。 ミステリ作品好きは読んでも損なし。
0投稿日: 2013.11.17
powered by ブクログスウェーデンの新鋭のデビュー作。 哀切という言葉が似合う傑作です。 20数年前、霧深いエーランド島の平原で、イェンスという5歳の男の子が行方不明になった。 母のユリアは立ち直れないまま。 少年の祖父イェルロフは元船長だが80歳を過ぎ、老人ホームに入っている。 その父からユリアに電話があり、イェンスが当時履いていたらしいサンダルが送りつけられてきたという。 今頃、誰が何のために‥? あれ以来、ユリアは父と疎遠になり、父さんと呼ぶこともなくなっていた。 だが父が気になっている手がかりを追って、二人は島で聞き込みを始める。 疑いをかけられた一人のニルス・カントは、事件当時既に死んでいるはずだった‥!? エーランド島はスウェーデン南東のバルト海に浮かぶ島で、夏はリゾート地だが、通年暮らしている村人は少ない。 その地で、資産家のカント家の息子ニルスは甘やかされ、時折深刻な事件を起こしていた。 ニルスの人生が所々にはさまれ、鮮烈な印象です。荘重な悲劇を読むよう。 短絡的で凶暴ともいえる逃亡者なのに、母とは思いあうのも切ない。 老いた父イェルロフが不自由な身体で事態に立ち向かうのも読み応えがあり、ユリアの再生と父娘の心の通い合いに胸打たれます。 予想外の結末で、感心しました。 題材からベリンダ・バウアーの「ブラックランズ」や、アイスランドの作家アーナルデュル・インドリダソンの「湿地」を連想させる雰囲気ですが、この作品が一番いいんじゃないかなあ。 作者は1963年生まれのジャーナリスト。 この作品からスタートした四部作は幼い頃から毎夏すごしていたエーランド島が舞台。 2007年、この作品でデビュー。 スウェーデン推理作家アカデミーの最優秀新人賞を受賞しただけでなく、イギリスのCWA賞の最優秀新人賞も外国作家で初の受賞。 次の作品では北欧四5ヵ国が対象の「ガラスの鍵賞」も受賞、CWAのインターナショナルダガー賞も受賞しています。
5投稿日: 2013.09.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
長かった!しかし歯を食いしばって読み進めると、どんでん返しがあるよ。80歳のご老人が活躍するミステリ小説でした。 警官のレナルトが、途中から脳内でドラマ「キリング2」のストランゲになってしまって、いや、まさか、、と思って読み進めたら、"ストランゲ”だったという、勝手にセルフ・ネタバレでした。 翻訳者は三角和代氏。
0投稿日: 2013.07.23
powered by ブクログ北欧ミステリの、これは傑作と呼んでいいのではなかろうか。派手なアクションもないし、大いなる陰謀もなく、かっこいい刑事も美人助手も出て来ない。事件にかかわった人びとの人生を丁寧に、哀切に描いて行く。ミステリのくくりで終わってしまうのはちょっと勿体ないくらい。おじいちゃんのイェロフがかっこよすぎです。
2投稿日: 2013.07.21
powered by ブクログ書店で見かけて手に取る。スウェーデンの作品といえば、『ミレニアム』以来。 あちらは過激な事件だったが、これは一貫して静かなトーンで進んでいく。舞台は季節はずれのひなびた観光地、日照時間の少ないお国柄と相まって、独特の雰囲気を作り出している。 ラストの真相は、そこまで予測していなかったが、納得。 4部作のうちの第1巻ということで、続巻も読んでみたい。
1投稿日: 2013.07.16
powered by ブクログ探偵役が老人ということもあり、ストーリーの進行は緩やかで、訳文も落ち着いた印象だった。 ミステリ的には解りやすい方かな。
0投稿日: 2013.03.22
powered by ブクログ二十数年前に起こった少年の失踪事件。少年の祖父のもとに少年が当日に履いていた靴が送られてきて、祖父は少年の母とともに事件の真相を探り始める。 話のテンポはとてもスローで落ち着いた印象です。スウェーデンの霧の深いエーランド島という場所が舞台となるのですが、自然や気候の描写が巧みで行ったことのない地域ながらもその舞台が非常に想像しやすかったです。 ギクシャクした祖父と娘の絆の再生の物語としても、悲しみを乗り越える人々を描いた物語としても秀作だなあ、と感じました。テンポの遅さが悲しみをゆっくりと乗り越えていく人々と絶妙にマッチしているからか、非常に心に染み入ってきます。 祖父と母の事件の真相を負う様子と並行して断片的に挿入されるのが、地元の嫌われ者である青年の話。初めはただ単にこの並行した二つの話が最後にどのようにつながるのか、楽しみに読んでいっていたのですが、徐々に彼の過酷な人生にも思いを馳せるようになってしまいました。 トリックや展開はある意味わかりやすいのですが、文章・訳、ともにとてもうまくて小説の世界にどっぷりとひたることができました。 英国推理作家協会賞最優秀新人賞 スウェーデン推理作家アカデミー賞最優秀新人賞
1投稿日: 2013.03.13
