
総合評価
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powered by ブクログ悲しい あとがきまで全部読んだ ストーカーの基準は難しいし、あったことはないけれど、よく聞くのが事件にならないと警察が動いてくれないっていう話なんだけど でもそれでも相談には乗ってくれるはずだし、子供たちは大人に相談して欲しいと思った 何か自分が責められるんじゃないかって思って相談しないのか、本当にそれは残念なこと
13投稿日: 2025.09.11
powered by ブクログ「彼女はただ訴えたのだ。警察に。助けてくれと。」 ストーカー規制法が制定されるきっかけとなった、桶川ストーカー殺人事件。名前だけは聞いたことがあったけど、こんな凄絶な事件内容だったことは知らなかった。チンピラがチームになってたった一人の女子大生を寄って集って脅し、追い詰め、しまいに殺した。警察の捜査は遅れに遅れ、結果的に主犯は自殺。頭から尻まで胸糞悪い事件。 清水潔さんの捜査が本当にかっこいい。一般市民を相手にした犯罪は絶対に許さないという執念。ジャーナリズムのお手本。
0投稿日: 2025.08.26
powered by ブクログ1999年、埼玉で起きた殺人事件を週刊雑誌記者(著者)が追ったノンフィクション。 当時、自身は10代だったので内容がよくわかっていなかったが、今回読んでみて事件概要がよくわかった。 ・単なる個人のストーカーではなく、金銭やり取りのあるストーカーグループだったこと。 ・実行犯が元恋人ではなく、雇われの人間 ・警察署にストーカー相談に行っても対応が悪く、初期解決に至らなかったこと ・名誉毀損で告訴まで手続きしたが、その後警察の怠慢を誤魔化すために書類が改竄されたこと ・改竄事実と被害者が残した遺言の相違を隠すために真犯人(元恋人)を捜査から除外していたこと 被害者は、ストーカーグループと警察に殺された。どちらも事実とは思えないほど酷かった。 自分が被害者にならないために学んだ教訓は、 ・変な人間に興味を持たれそうな所へ出歩かない ・困ったら警察が何とかしてくれると思わない ・金で釣られるような知人、友人を持たない ・他人を簡単に信用しない
15投稿日: 2025.07.07
powered by ブクログ事件記者による、犯罪捜査を扱ったノンフィクションである。 吐き気を催すような、集団による卑劣な犯罪行為と、それ以上に当時の警察の対応に驚愕する。 一方で、事件記者の情熱やプライドには感心させられたと共に、人として本当に大切なもの、守らなければいけないものとは何か、深く考えさせられる作品であった。
0投稿日: 2025.06.26
powered by ブクログストーカー事件の元祖としてとても有名ではあるが、その実態はあまり知られていないように思われる。現代でも重要なテーマであり、その歴史的始原を確認することに意味がないとは思わない。 とはいえ、研究もだいぶ進んでいるので、ストーカーの実態を把握したいのであれば、一事件のドキュメンタリーよりも、ストーカー関連の研究書籍を読む方が有意義であると思われる。
0投稿日: 2025.06.14
powered by ブクログストーカー規制法のきっかけとなった桶川ストーカー殺人事件の真実を暴いた、1人の週刊誌記者のノンフィクション作品。 真実を暴いてくれてありがとう…と身内でもないのに感謝と敬意しかない。 そして真犯人の死で終えたのは上尾署の大大大失態でしかない。 事件自体は知ってたけど詳細を読んで改めて警察のずさんな対応に腹が立つ。市民を守るはずの警察と、真犯人に彼女は殺された その後の民事裁判も腸が煮えくりかえる。判事もまとめてクソだった。 例の埼玉県警の映像も見たことあるけど終始ヘラヘラした会見で被害者と国民をバカにしてるとしか思えなかった。 わたしは20年以ほど前、自分が一人暮らしを始めたばかりの頃 部屋に誰かがいると勘違いして警察を呼んでしまったことがある その時の警察官は「何かあってからじゃ遅いんだから気にせずどんどん頼っていいから」と言ってくれたし わたしの帰宅時間にはしばらくパトロールすると約束してくれて1年間くらい本当にその時間にパトロールしてくれた。 いい警察官もいるのに一部のクズ人間のせいで警察全体が悪く思われそうなのも大迷惑でしかなかっただろう。
6投稿日: 2025.04.26
powered by ブクログすごい、しかない もうほんとに 清水さんかっこよすぎる 〝報道とは〟〝ジャーナリズムとは〟の極み ストーカー行為規制法が成立したのが詩織さんの誕生日ってgoosebumps あずさちゃん…つらすぎる
0投稿日: 2025.04.08
powered by ブクログ20年以上前に起きた事件ではあるが、決して忘れられてはならない悲惨な出来事だと思う。 犯人が、何故そこまで執拗に詩織さんにまとわりつきストーカー行為や嫌がらせ行為に走ったのだろうと思った。 本書でも触れているように、犯人は精神的に異常な部分があったようだ。そして、最後には犯人は自殺してしまった。何らかの周囲のサポート、精神的なケアがあったらこのような凄惨な事件は起こらなかったのだろうかと考えてしまった。 しかしながら、犯人は相手が嫌がることはしてはいけなかったしあまりにも自分勝手で相手を想いやることができていないことに激しい憤りを覚えた。 著者の清水氏は、自分の足で地道に取材されており、本書を通して取材の裏側を知ることができた。報道やパパラッチに対してあまり良いイメージを抱いていなかったが、清水氏のように、被害者や遺族の気持ちに寄り添った取材をされている方がいることを知って報道に対するイメージが少し変わった。テレビ等の報道番組をまた違った角度から見られそうだと感じた。 警察の闇も深いことが分かり、これは残念な真実であると思う。あれから数十年が経過して多少は警察も変わったのだろうか? 一部の警察や報道は、未だに被害者や困っている人に寄り添った報道や取材が残念ながらできていない部分があるのかもしれない。 多くの人に本書を手に取ってもらって、真の報道、捜査のあり方を知ってもらうことは意味があることではないかと思った。 警察に頼ったにも関わらず、真摯に対応してくれなかった被害者や遺族は無念であったと思う。警察がしっかり捜査、対応していたら、このような凄惨な事件は起こらなかったと思う。警察はしっかり反省して、市民に寄り添った業務を全うして欲しいと思った。 最後に、被害に遭われた狩野詩織さんのご冥福を心よりお祈りします。
0投稿日: 2025.03.15
powered by ブクログとんでもないストーカーについての話かと思ったが、それ以上に警察の対応がとんでもない内容でした。 ただし、少なくとも自分が出会った警察官は優しく丁寧な対応をしてくださる方ばかりでしたので、旧世代かつ一部の雑な警察署のせいで、全体が悪い印象を持たれてしまうのもなんだか不憫に感じます。
0投稿日: 2025.03.01
powered by ブクログ以前この著者の「殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―」を読んでから、凄まじい取材への熱量と執念を持った記者がいる!と度肝を抜かれた。桶川ストーカー殺人事件は当時ニュースで幾度となくTVで報道されていたし、この事件によりストーカー法が成立したことも知っていた。 元週刊誌記者の著者が真相を究明し週刊誌で報じなければ、実行犯やそのグループにまでたどり着けず真相は闇に葬られる可能性もあったのではないか。 過去の事件が風化されることなく、当時事件を知らない生まれていなかった人達にも読んで欲しいと思う。
8投稿日: 2024.10.27
powered by ブクログ第7回ビブリオバトル全国大会inいこま予選会1-オンライン-で紹介された本です。 https://www.youtube.com/watch?v=6K8iFZB3ArU 2022.2.11
0投稿日: 2024.09.17
powered by ブクログ報道陣にはあまり良い印象を持っていませんが、この人の情熱は凄いなと思いました。犯人家族から怒鳴られて言い返す場面の言葉遣いなどはやっぱり報道陣だなと思いましたが、それ以外はいい人そうな感じです。それにしても警察のお役所仕事的な、事なかれ主義的な、所詮は他人事という姿勢には呆れますね。そのくせプライドばかり高いという。
0投稿日: 2024.06.30
powered by ブクログ昔からのこの事件を知ってはいたが、それ以上の情報が沢山あり、終始驚かされる。 警察のずさんな、いやそんな可愛い言い方で終わるようなものではない、犯罪級の行動によって詩織さんが亡くなったと思うと、本当に悲しい事件だと思う。日本の法改正までを起こしたこの事件の真相を知って欲しい。どうか手に取って読んで頂きたいです。
1投稿日: 2024.05.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ひどい。本当に。最後の砦と思ってる警察がそんな対応。何を信じればいい??誰に頼ればいい?ストーカーの規制がないから何も出来ないじゃ済まされない。いきどおりを感じる。
1投稿日: 2024.04.26
powered by ブクログ桶川の21歳の女子大生が殺された。彼女は埼玉県警上尾署にストーカー被害を訴えていたのにも関わらず、警察は対応しなかった。さらに警察の無能ぶり、非道ぶりが明らかにされる。久々に心底腹が立った。そして、文庫本あとがきで筆者の不幸を知らされ、絶句。
30投稿日: 2024.04.22
powered by ブクログ読み応えバツグン。 登場人物が思ったより多く、後々色々な事実が判明する複雑な事件であるものの、とても分かりやすく書かれていてどんどん読み進めてしまう。 後半につれて判明する警察がらみの事実、これ他人事ちゃうぞと怖くなる。日本の事なかれ主義の悪い面が最悪の形で出た事件。
1投稿日: 2024.02.17
powered by ブクログ桶川ストーカー殺人事件はテレビや雑誌等でもよく目にしていたこともあって、事件のことも知った気になっていました。 でもこの作品を読んで、無知であることに恐怖すら覚えました。 警察や大手マスコミってこんな事するの? 是非真実を知ってもらうためにも、一人でも多くの人に読んで欲しい作品です。
2投稿日: 2024.02.13
powered by ブクログ実話というだけあってリアリティが凄い。 こんな人間が世の中にいるなんて。最後のあとがきのコメントには涙腺やられました。
1投稿日: 2024.01.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
桶川ストーカー殺人事件-遺言 清水潔 ∞----------------------∞ ストーカーや殺人ももちろん酷いけど、警察が比じゃないくらい酷い。 詩織さんの名誉は警察によって更に傷つけられ、著者の言うように、ストーカーグループと県警の違いがわからない。 フィクションであって欲しいと願わずにはいられなかった。 2023/10/25 読了
1投稿日: 2023.10.25
powered by ブクログ亡くなった被害者とその遺族の無念といったらない。 ストーカー集団はもちろん、助けられた命を見殺しにした警察も十分罪に問われるべきだけど、司法もまともに機能していないし、自分が犯罪に巻き込まれた時に、誰を頼るべきなのかすら不安になる。 上尾署が、日本の警察が少しでもマシになってくれていれば良いが、今なお断罪されて然るべきと思ってしまうぐらい怒りの感情が芽生えた。
0投稿日: 2023.07.19
powered by ブクログ本書の書評の多くが警察の怠慢を憤っているが、怠慢という言葉では済まされないほどの怒りが読了後も沸々と収まらない。まさに被害者は警察により2度殺されたといっても過言ではない。こんな警察が我々の税金で賄われていると言われると、税金すら払いたくなくなるのである。ただ、多くの警察官はそうではないと思う、思いたいが、こんな話を聞くと、疑ってしまう。そうじゃない警察官の方には申し訳ないことに。それらも含め、上尾署には猛烈に反省して欲しいし、変わってほしい。2度とこんなことが繰り返されないように
0投稿日: 2023.06.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
こんな酷いことがあったのかと読むのが嫌になるくらい胸が痛くなった。今後同じことが起こらないようにストーカー規制法ができてよかったとも思うけど、被害者が声に出して助けを求めていたからどうにかできたんじゃないかという思いとあって、複雑な気持ちになったし、犯人と警察がどうしようもなくて、怒りが込み上げた。私は報道をする側でも事件の解決に尽力する側でもないから、当時生きていたとしても、事件の本質はわからずメディアの好き勝手な情報を信じてしまったかもしれない、この本を読んで目の前の情報の捉え方を気をつけようと思った。
0投稿日: 2023.06.08
powered by ブクログ桶川ストーカー殺人事件は、1999年10月26日に、埼玉県のJR桶川駅前で白昼に21歳の女子大学生が刺殺された事件である。被害者の猪野詩織さんは、刺殺される前からストーカー被害を受け、ご両親と一緒に上尾警察署に出向き助けを求めていたにも関わらず、警察は何もしなかったばかりか、詩織さんからの告訴状を改竄し、告訴がなかったことにしてしまう。更に、事件後の上尾署の捜査は、やる気を疑うほど進捗しなかった。 筆者の清水潔氏は、写真週刊誌FOCUSの記者であったが、いくつかの偶然にもより、犯人の居場所を特定し写真に撮ることに成功する。これがきっかけともなり、ようやく、犯人は逮捕されることとなった。 犯人逮捕後、埼玉県警と上尾署は、詩織さんからの助けを求める声をきちんと聴いていれば、事件を防げたはずであるという批判にさらされることになる。また、警察は事件捜査中に、詩織さんについてプラダやグッチを愛用するブランド好きの女子大生であり、風俗店で働いていた的なニセのイメージをマスコミに流し(警察への批判をかわすためであろうが)、大手のマスコミも、事実を確かめようとせずに、そのままの形で報道し、詩織さんの悪いイメージをつくってしまう。 こういったことを受けて、被害者のご家族は、「娘は犯人と警察とマスコミに3回殺された」と怒りの発言を行った。 読後感は皆同じではないか。 被害者の詩織さんご自身とその関係者、特に、ご両親が感じられた無念さ・怒り。埼玉県警と上尾署の無能さと責任感の無さ。そして、筆者の本事件に対しての執念。その執念は、犯人に対して、警察に対して、そして大手のマスコミに対しての怒りから来ているものだ。 そういったものが、迫力を持って描かれている傑作ノンフィクションだと思う。
8投稿日: 2023.05.31
powered by ブクログわたしはこれを読んで警察批判したいとも、マスコミや報道の在り方についての考察をしたいとも、そんな大それたことは思わなかった。ただ自分の目に飛び込んでくる情報の見直しをしないといけないかもしれない。 そして自分の明日のことを考えた。わたしは普通の人間だから、愛する人と普通に生きていきたいと改めて思った。 本書を多くの人に読んでもらいたい。そんで読んだ人に問うてみたい。「何を思いましたか、何を考えましたか」って。
0投稿日: 2023.05.02
powered by ブクログこうやって、単なる捜査ミスとも違う理由で冤罪にされた人は本件だけにあらず、多々存在するのだと思うと警察とは何なのだろう?報道とは何なのだろう?何を信じたらいいのだろう?と色々考えさせられた。
0投稿日: 2023.04.06
powered by ブクログ「殺人犯はそこにいる」を先に読んだので、本事件についても概要は理解していた。 しかし、内容を読んで公務員としての警察の対応と犯人を野放しにしてしまう保身などなど憤りが大きかった。文章も最後まで飽きることなく読めて良書。 文庫改訂版の追記にも色々な意味で感情を動かされた。
1投稿日: 2023.02.24
powered by ブクログイメージが決して良くない週刊誌の記者、1人の決意次第で、真実が明かされ、警察や法までも変えてしまえるのだな、と。もちろん周りの協力もあってこそではあるが、ペンは剣よりも強し、であり、記者とは、仕事とは、人の生き方とは、と子どもに読ませたい本でもある。 個人的に驚愕したのは、ストーカーになる人間は共通点あるんだな、と。近しい友人のストーカー被害話を聞いたことがあるが、全く一緒。 見初めた相手に対するオーバーリアクション(よく観察して気遣いがありすぎる)、運命などロマンチスト的な語り、最初のプレゼントやお金をかけてくる極端なアプローチの仕方、断ると逆上する、など。p.66-67 清水潔氏、協力者の勇気に感謝。あとがきで涙が出ました。
1投稿日: 2023.02.20
powered by ブクログノンフィクションで有ることに驚き、犯人たちと警察に殺されたといわれる深刻な実態に衝撃、怒り。取材過程の克明な記述で明らかになる深刻な埼玉県警の実態、保身、組織犯罪ともいえる隠蔽体質、誰のための組織なのか? 半グレ的なストーカーの酷さこれも現代的問題、あとがきでの娘さんをなくされたエピソードにも涙しました。
1投稿日: 2023.02.02
powered by ブクログ実際に警察は働いていない。それは刑事だけでなく、白バイだって、交通警官だって同じ。 でも、ここに描かれている上尾警察は酷い。こんなもんだろうなと思う
4投稿日: 2023.01.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
古い本だが桶川事件そのものの異常性が詳細に拾われている。一方で被害者にはこれといった落ち度もなく、だれもがストーキング被害に合う可能性があることを知らしめた事件だった。それだけでも重いテーマであるがさらにそれに警察の怠慢捜査というおまけがつく。 著者記者クラブに入っていないFOCUS誌の記者というハンディキャップのある立場をはねのけ、地道な取材の積み重ねにより、警察より早く犯人にたどりついた。 事実は小説より…というが… この本を読んだあと、おさらいでウィキペディアを読むと事件の本質がよく理解できる。
1投稿日: 2023.01.14
powered by ブクログこれで失敗すればもう次の方法などないことはよく分かっていた。だが、こういった状況の突破方法を私は一つしか知らない。ジタバタすることだ。
0投稿日: 2023.01.13
powered by ブクログ職場のおじいちゃんにおすすめされて貸してもらった。読み出すと止まらなくてほぼ1日で読んだ。 桶川ストーカー殺人事件。名前だけは聞いたことがあるような、それくらいの認識だった。ストーカー規制法が施行されるきっかけとなった事件。 桶川ストーカー殺人事件を追い、警察のずさんさを暴いた「フォーカス」記者、清水潔。これはドキュメンタリー小説の形で事件のいきさつや被害者遺族の無念や警察の対応を丁寧に記している。 これが事件ノンフィクション…。本当に現実なのか、これが。作り話じゃないということがつらい。犯人グループも上尾署の対応も信じられない。マスコミの報道も、事実と違う情報が世間に広まっていく様子も、詩織さんが最後に殺されてしまった事実も許せない。詩織さんの無念を考えると、読みながら涙が止まらなかった。本当に許せない。 そして清水さんの怒りが文章から伝わってくる。苦しすぎる。人が死ななきゃ変わらない。詩織さんは何のために殺されたのか。ストーカー規制法のために殺されたのか。警察のずさんな管理を世に晒すために死んだのか。そんなわけない。そんなののために死ぬなんてない。 こういう現実があることを知れた。フィクションじゃないノンフィクション。メディアや警察や法律がどうあるべきか。正しい報道とは、情報とは。
1投稿日: 2022.10.15
powered by ブクログ読んでいてこれほど怒りを覚えた本は今までになかった。上尾警察署の怠慢は彼らが追っているはずの使命からすれば犯罪なのではないかと思われるほどに酷いものだ。私たちはこの怠慢と本事件の被害者そしてその家族の無念を決して忘れてはいけない。 本作は時々の状況の描写がとても克明でわかりやすく、余分な誇張もないため読みやすい。また筆者の、常に自らを影に隠したがっているというか、自分を主役としないというような記者らしい姿勢も感じた。 筆者の熱心な取材とそれがつくり出した結果は日本の法律すら変えた。だから、筆者とこの本に対して星5をつける気持ちは当然あったのだが、この事件の不快さ、加害者らと警察の怠慢に対する怒りの表明として最低評価の星1をつけたい。
1投稿日: 2022.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
事件名は知っていたけど詳細は知らなかった事件 読んでてものすごく歯がゆくなる 警察の責任逃れが酷すぎて胸糞悪い 実行犯をつき止め警察の不祥事を暴いた清水潔氏には感服する
1投稿日: 2022.06.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読んでみてやるせなかった。心が痛かった。結局残ったのは「法律が一つできた」だけで、未だに反抗の計画を企てたのは「ストーカーの兄」ということになってるよね?(Wikipediaでしか見てないけど。)そのまま捜査が終了してしまったのだろうか。 告訴調査を改竄した人や、告訴を取り下げて欲しいと被害者に尋ねた人、この不祥事を隠蔽しようとしていた人たちは今何を考えているんだろう。真摯に向き合っていれば、ちゃんと捜査をしていれば、被害者はもちろんのこと、小松も死ななかったかもしれないのに。生きて、名誉毀損の罪を償ったかもしれないのに。 「詩織は小松と警察に殺された」という言葉が残ってる。 この世界は、信頼により成り立ってると感じた。警察は守ってくれるだろう。警察が嘘なんてつくわけがないだろう。そんな信頼は一瞬で崩れてしまうんだな。 本としてはとても読みやすい文章で、一気に読んでしまった。事実だけではなく著者の感情や一般の人の手紙なども書いており、私も同じように事件や犯人はもちろんのこと、ずさんな捜査や隠蔽を行った警察などに怒りが沸いた。マスコミというのは事件をそのまま伝えるだけではダメで、事件に興味を持ってもらったり感情を抱いてもらう事が目的であると思う。本書はとてもその役割を果たしていると感じた。
0投稿日: 2022.02.23
powered by ブクログ「記者の教科書」と絶賛された本。桶川事件はストーカー規制法の成立の契機となった事件としても、警察の腐敗した体質が散見される事件としても有名な事件である。 著者の地道に取材を行う姿に感銘を受けた。特にこの事件の場合、首謀者の存在から関係者も口を開きがたい。懸命に足を運び、関係者に取材をする根を這うような仕事振りは、記者以外の仕事をする立場からしても尊敬に値する。法律が正義、法律に従って動く警察が正義ではない。何が正義が考え、闇を振り払おうとする姿勢が素晴らしいと思った。 それと同時に、世間の流れを作ることも大切だと感じた。いくら自分が事実を認識していたとしても、皆の目に触れ共感を得て初めて問題提起となる。そうした点についても考えられていて、興味深かった。 警察サイドも、虐待やDV、ストーカーなどプライベート性の高いが事件に発展しかねない事象について、難しいけれども向き合う姿勢は取ってもらいたい。この様な悲しい事件が起こらないこと、警察の罪の隠蔽が発生しないことを願うばかりである。
1投稿日: 2022.02.02
powered by ブクログ一気読み。 ページをめくる手が止まらず、黙々と読んでしまった。実際に起こった事件だったという事もあり、警察への怒りと、無念の気持ちでいっぱいになる。 警察の会見でヘラヘラ笑っていた画像も確認したが、こいつら本当に警察の前に人間か?と、疑いたくなるほどだった。ストーカー被害をこれほどに軽率に扱う国は日本だけではないのか?と、思ってしまうほど。全ての警察がこうとは思わないが、犯人はもちろんのことこれほどに警察に怒りを覚えた事件は初めてかもしれない。この本を読み終えたら是非警察の会見画像を見てもらいたい。
2投稿日: 2021.12.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
(2021/12/15 4h) 大学図書館のシラバス展示を見て借りてきた。 ストーカー規制法制定の背景にあった事件として有名で、大まかな概要については知っていた。 「記者の教科書」として、ジャーナリストの賞を取っているという本書は、専門知識のない一般のひとも非常に読みやすい構成となっている。物書きを仕事としている方なだけに、読者にむけた文章をつくるのが巧い。 読む前は、事実報告をするだけの淡々とした内容を想像していたが、意外にも著者の主観的な見方も多く取り入れられて小説的な書き方、あたたかな人柄が伺い知れる語り口も良かった。 警察のしたことは最悪。しかし個人レベルの矮小さに貶めないよう、匿名性に配慮したということで、事件に関与した刑事らはイニシャル表記になっている(今となってはYou Tube等々で調べたら出てくる)。 読みながら、ドラマや小説などの創作物のようだと思った。そのくらい劇的な内容で、衝撃を受ける。創作であってほしいとすら思うが、これが現実。 文庫化に宛てた、著者・清水潔さんと被害者遺族・猪さんのあとがきには涙が出ました。
2投稿日: 2021.12.15
powered by ブクログ北関東の本を読んだ際にこの本を知り即購入。 こんなに短くまとめてあるけど、どれだけの苦労があったのか。 詩織さんが普通の女の子だったからこそ、きっとどうしようもなく辛かっただろうと思う。 風俗とか水商売とかしてれば小松みたいな変な人に少しは免疫があっただろうし。 日本の警察は他の国と比べるととても信頼できると思うけど、こういう人達もいるのかと思うと悲しい。
0投稿日: 2021.12.13
powered by ブクログ序盤の”記者の日常”的な所や同じことを繰り返し言うところは気になりつつ、圧倒的な取材力とリアルとで一気読みです。 面白いといっていいのかわからないけど、ジャーナリストってすごいな、と思います。
0投稿日: 2021.11.25
powered by ブクログ事件現場は行ったことがあった場所だったし、被害者 詩織さんとは年も近かったので、当時、感じた衝撃は覚えている。その後、警察のずさんな対応などが報じられたのも覚えていたが、ここまでだったとは、この本を読んで初めて知った。 事件当時は詩織さんの年齢に近かったわけだが、20年以上がたち、今の私の年齢は当時の詩織さんのご両親に近くなっている。自分も子どもを持つようになり、ご両親のお気持ちを考えると本当に無念だったと思う。
2投稿日: 2021.09.15
powered by ブクログ・とても興味深い話で、どんどん読み進める事が出来ました。恥ずかしながら、この事件の頃は遊んでばかりで(スキューバのライセンスを取ったので沖縄によく行ってました。犯人が居たのかと思うとゾッとしました)、この本を見付けたお陰で知る事が出来ました。 ・この本を手に取ったきっかけは、今年2021年、大阪天満のカラオケパブで起こった殺人事件でした。 ・警察って、いつも誰か死んでから動き出すのは何故なんでしょう?相談する場所が違うのなら、しっかりそれを伝えて、相談する場所を教えるまでが仕事なのでは?「それは私達の業務じゃない」って言うだけの人が多い気がします。 ・天満の事件も、今回起こった小田急線の事件も、犯人が見付かったってだけで『警察よくやった!』って思います。その後の犯人の言い訳とか、過去どういう人だったかとかは興味無いですけど、しっかり罪を償って欲しいですね。罪を償う前に自害(他殺?)する時間を与えるとか、ありえない。 ・仕事をせずに、給料だけはしっかり貰ってるってだけでも腹立たしいのに、「助けて」と訴えながら自身でちゃんと証拠等を揃えている女の子への態度が横柄過ぎて、ゴミ以下の警察達。 ・とても簡単な痴漢の被害に遭った時でさえ、警察なんて頼りになりません。「どんな感じでやられたの?」と言う警察に、友達に痴漢役をしてもらって説明すると、ニヤニヤ笑いながら「なるほどね〜、そんな感じか〜」と言うだけ。精子をかけられたスカートを持って行っても、「たくさんの人から精子提供してもらうのは大変」と言われる。これが1999年頃なので、この時期の警察は最低レベルだったのでしょうか。
0投稿日: 2021.08.09
powered by ブクログ深夜2時頃、この本を読みながら泣いてしまった。 家族と同居しているため、自室で声を押し殺し泣いた。 そばにあるティッシュで目元を強引に拭うと、付けていたコンタクトがズレて視界がぼやけた。 深夜2時45分、読了。 私は、私の今の自身の感情を表す言葉を知らない。 言葉にしようとすると、あまりにも簡単でありきたりな言葉が浮かぶだけで、そんな感想文なんて書きたくなくない。 ただ一つ言える事、そのバトンは今私に渡された。
0投稿日: 2021.08.06
powered by ブクログ事件当時、ワイドショーを賑わせていたのは覚えてる。マスコミにより作り上げられた被害者の 人物像。多分私自身も洗脳されていた気がする。 実際にはそうでなかったんだ…。 こんな遅くに知ることになって申し訳ない。 被害者のご冥福をお祈りいたします。
0投稿日: 2021.08.05
powered by ブクログ気になってたけれど、自身もストーカーにあった体験があったので、詳しく知ることを避けていた事件、その理不尽さと残忍さ…。 でも、遅ればせながら、読んでみた。 そして、この清水潔という記者に驚いた。 執念、というと、、なりふり構わずな執着を連想させるけれど、この記者には心がある。被害者に何があったのか、、誰がその時どんな気持ちだったのか、どこまでも寄り添い続けて真実にたどり着く姿に、表紙のカバーにあった「記者の教科書」という言葉がとてもピッタリだと思った。「報道」は、国民を揺さぶる力がある。 だからこそ、、真実を伝えて欲しい。切にそう思う。 逆流のような警察の無能さや真実への道の撹乱の中、ようも真実にたどり着き、遺族に寄り添ってくれた、と思う。久しぶりに揺さぶられた実録ものだった。 著者の他の作品も読んでみようと思う。
1投稿日: 2021.08.03
powered by ブクログ「新聞記者」の著者である望月衣塑子さんが、その著書の中で尊敬する同業者として名前を挙げておられました。私ははじめに「殺人犯はそこにいる」を読みましたが、犯人を野放しにはしないという信念に基づいて執念の取材をしていて、彼の人間性があふれ出ているノンフィクションにすごく感動しました。 それで他のも読んでみたいと思いこの本も手に取った次第です。 桶川ストーカー殺人事件については、正直、事件そのものの印象はそこまで強くないのですが、警察の不祥事が暴かれたということと、この事件がきっかけでストーカー規制法という法律が整備されたことは記憶に残っています。記憶に残る世の中の変化の背景に、こういう情熱あふれる記者の存在があるんだなーと、認識しました。
0投稿日: 2021.07.06
powered by ブクログまるで小説のような話。 筆者のジャーナリストとしての情熱、葛藤、苦労が熱い!! 彼のようなジャーナリストが増えればいいのに。
0投稿日: 2021.06.25
powered by ブクログ【社会の中で(?)が生まれたときに読んで欲しい一冊】 当時の警察の会見をネット動画で見ることができるが、、、これに嫌気が差す人でいた。こんな吐き気がする会見を許せるわけがないし、おかしいと思える社会をつくっていかなければならないと強く感じる。つくるのは自分たち・・・
0投稿日: 2021.04.17
powered by ブクログこんなドラマみたいな経緯でこの事件が報じられていたとは知らなかった。 事件報道に興味がない私がヘッドラインだけを見てイメージしていたものと全然違っていた。 特に、埼玉県警が、事件捜査のために押収した被害者の遺品を、遺族からの国家賠償請求訴訟の反論材料にしたというのにはビックリした。いまの行政法の教科書はこの案件をどう説明しているのだろう?
0投稿日: 2021.03.05
powered by ブクログ女子大生で、ミニスカートで、ブランド物を持っていて、水商売の気配があるから殺害されちゃうような子なんでしょう?とミスリードを誘ってくる警察に驚き。まさかの結論ありきの捜査をされるなんて思いもしませんでした。
2投稿日: 2021.02.27
powered by ブクログこの事件を忘れてはならない。 当時、週刊誌やテレビなどで大々的に報道されていた記憶が一気に甦ってきた。 事件がきっかけで色んな法律が作られてきた。その裏で悲しい事件が起きてしまう。それを忘れてはならない。 清水さんの執念がひしひしと伝わってきた一冊だった。
1投稿日: 2021.02.14
powered by ブクログ当時、この事件は住んでいた場所と近く、そして被害者の方とも歳が変わらず、共通の知人がいたことから、リアルすぎて避けて来ましたが、20年以上たった今読んでみて、とても衝撃を受け、真実が詳細に書かれている貴重な本でした。 実際にジャーナリストさんが事件を追っていく様が、とてもリアルでページをめくる手が止まらなかった。 そして、悔しく、憤り、不信感、同じ年代の女の子がこんな目にあったなんて。 それはあなたの娘かもしれないという描写に、それは私だったかもしれないし、友達だったかもしれない。 この本は多くの人に読んでもらいたいと思いました。
0投稿日: 2021.02.06
powered by ブクログこんな事があっていいのだろうか。 善良な一市民がこんな惨い事件の被害者になるなんて。 詩織さんは2度殺された。 1度目はイカレタ男達によって。 2度目は正義の象徴である警察によって。 そんな事があっていいのだろうか。 本当にやるせない。 救えたかもしれない命。 警察官には菓子折を持って行かない。 そう心に誓った。
1投稿日: 2021.01.24
powered by ブクログ緊迫の文章。 「事件解決」と「スクープ」の狭間で揺れる報道者としてのあまりにリアルな葛藤に息を呑む。 犯人達の到底理解し難い行動も吐き気を催すが、警察の不始末と改竄・隠蔽工作、杜撰な捜査にも目を疑いたくなる。 そして第八章、事件は急転する。 非常に悪い後味。 メディア・マスコミ報道の在り方も見逃せない。「興味をそそれればそれでいい」(p411)という姿勢は確かに問題だが、この辺はSNS隆盛のいま、簡単に撮影・公開が容易になったことでその辺の素人のリテラシーにも通じる事では。 色々と考えさせられる一冊。 20刷 2021.1.19
1投稿日: 2021.01.19
powered by ブクログこの事件を機にストーカー行為規制法が成立したのは知っていたのですが、こんなにも胸糞で複雑だったとは……。実際に清水さんらが撮影した写真が載っているのには痺れました。多くの方に知ってもらいたいです。
0投稿日: 2021.01.13
powered by ブクログ写真週刊誌「FOCUS」の記者である作者によって、この事件は解決された。 警察は度重なるストーカー被害の訴えに対応していなかった事をごまかすために、「被害者は風俗店で働いていた派手な女で、ヤクザの店長に殺された」との誇張された情報をマスコミに流していた。 警察って保身のためならなんでもやる組織なんだな、とあきれた。あまり頭から信用しないようがよさそうだ。 犯人側の事があまり書かれていなかったので、そこはもっと知りたかった。どんな家庭環境で育った兄弟があんな事件を起こすのか。被害者への異常な執着や、弟のために殺人を指示する兄など、不可解な部分が多い。 とにかく面白い本で、多くの教訓を得られる素晴らしい本だと思います。
0投稿日: 2020.12.27
powered by ブクログものすごくおもしろい。 特に補章「遺品」こそ本編だと思った。 けど、読み物として、こっちが知らない情報がたまに出てきて困る。 「小松の顔は写真で見たことがあった」え?いつ? 「ストーカー行為に一層の拍車がかかるように手引きしていた女友達」は?そんな話初耳だけど?? 実録モノなのでフェイクを入れなきゃならないのはわかるが、ちょっとストレス。
0投稿日: 2020.12.23
powered by ブクログ2020/12/05 読了時間 5時間半 桶川駅前で起こった殺人事件担当することとなった週刊誌記者。取材の中からあらわとなる事件の真相と警察の闇を暴いたノンフィクション。 読む手が止まらず、一気に読み切ってしまった。 この話が事実として、存在していたことにおぞましくなった。警察とは市民を守り安全を保証する存在では無いのか。 “ここはダメだ。「人間」がいないのだ。詩織さんはふたつの不幸に遭遇した。一つは小松に出会ったこともう一つは上尾署の管内に住んだことだ” P201より こう思わせてしまう警察とは何なのか。怒りとやるせなさで胸が苦しくなった。 この事件を風化させてはいけない。伝えなければならない。そう思いました。
5投稿日: 2020.12.05
powered by ブクログこの事件はとても印象に残っている。警察が助けを求めている人の力に、全くなってくれないという事実に怒りを感じる。この当時は警察よりもマスコミの方が力になり助けてくれる、という印象だった。被害者が救われなかった理由の一つとして、「上尾警察の管轄内に住んでいた」というのが悲し過ぎる。
0投稿日: 2020.11.21
powered by ブクログすごい。ナマの声を聞いて、追ってくうちにたどり着いた真実。 ホント。こんなことってあるんだ。きっといくつものこんな事件が、今のいままで闇に眠ってきるんじゃないか、、、と、思わされるような内容の数々でした。 偽造の免許やパスポートが20万程度で作れるっていう話とか。 思った以上にびっくり!!そんなに安いの!?もう身分証として信頼されてるこの証書がそんな格安なら、何されてももうビックリしないよね。、ホント。 警察の対応にも、、、、驚くばかり。 全て真実。全てがこの著者が見聞きしたもの。と思うと、、、自分の娘や、友人がこんな目に遭ったら一体どうしたらその地獄から抜け出せるのか、殺されるまで何もできないのか、、、と。考えさせられます。
0投稿日: 2020.11.01
powered by ブクログ読み進めていけばいくほど、文章にはまり込むと同時に、怒りと憤りの感情が抑えきれなくなりました。あてにならない警察の対応に、苛立ちと不安を持った中での生活は、苦痛の日々であったことでしょう。現場近くで実況中継をしてた男性アナウンサーの事を今でもはっきりと憶えています。風化させてはいけない事件だと改めて思い知らされました。
0投稿日: 2020.10.24
powered by ブクログこれほどまで怒りに耐えながら本を読んだのは初めです。 警察のやる気の無さ、態度の悪さ、正直呆れました。警察がこんな態度であれば、警察でいる意味がないです。
1投稿日: 2020.09.09
powered by ブクログ大学のゼミ活動の参考文献としてたまたま読んだ本でしたが、想像以上に遥かに良かった。ストーカー規制法のきっかけや、清水潔さんの存在を知ることができた。解決後の事件を追ったドキュメンタリーかと思ったら、実際にリアルタイムで事件に密着したうえに事件解決のきっかけにまでなっていたのだからとても驚いた。
0投稿日: 2020.08.11
powered by ブクログこの事件を通して、当時、写真週刊誌FOCUSの記者であった著者が追ったものは、ストーカー殺人の犯人そのものと、被害者の求めに応じず、事件後も適切な対応を行わなかった警察組織の暗部、このふたつです。 ストーカー事件における主犯者の異常性と卑劣さ、そしてもう一方では著者によって「人間がいない」表される、とある警察組織の事なかれ主義や出世主義による改ざん、隠蔽、無神経さ。二つの問題それぞれを通して、本書には見るべきところが多々あります。また被害者の遺族に対しては不謹慎にあたるかもしれませんが、ミステリー要素も含む読み物としても非常によくできいます。
4投稿日: 2020.07.27
powered by ブクログいろいろな意味で衝撃の一冊だった。元写真雑誌記者、清水潔氏のノンフィクションを読むのは、「殺人犯はそこにいる」に次いで2冊目。最初から有無を言わさず引き込まれる。著者の文章、構成はものすごい。 1999年に桶川駅前で女子大生が刺殺された。彼女はストーカー被害にあっており、警察に何度も相談していたが相手にされず、無念にも殺されてしまった。事件記者の著者は並々ならぬ正義感で独自に調査を行い、週刊誌に発表し、犯人逮捕につなげる。一方、被害者を無視しつづけた上尾署および埼玉県警を追及していく。この事件がのちにストーカー防止法の成立のきっかけになったとされる。 ごく普通の女子大生で被害者の詩織さんは犯人からの度重なる嫌がらせにゆくゆくは殺されることを予感して、家族や友人あてに遺言を書いていた。警察に見放された彼女の恐怖や絶望感はどれほどのものか。事件に至る経緯を読むだけで、胸がえぐられる。また、警察が取材を許すマスコミはどうしても警察寄りの報道になってしまう。埼玉県警は、詩織さんと両親が告訴をしたときになんと取り下げるよう説得した。理由は、調査するのが面倒くさいから。それを放置して事件が起こってしまうのだが、それからも捜査をしている気配はない。証拠を都合のいいところだけ使用して被害者に非があったかのように報道させ、調書を改ざんし、読んでいて腹が立って仕方がなかった。週刊誌が休刊になってしまった著者はテレビ局に転職する。そこでいよいよ埼玉県警の不祥事を放送し、糾弾していく。書類を改ざんした刑事たちは懲戒免職となったが、これで事件は終わりなのか。 あとがきまで読むと、著者の身に起こった悲劇にまたも胸を刺される痛みに襲われる。彼の仕事が被害者への何よりの弔いであろう。ご冥福を祈りたい。
0投稿日: 2020.06.24
powered by ブクログストーカー規制法のきっかけになった事件。ニュースで報道された程度の情報しか知らなかったが、警察の怠慢も浮き彫りになり取り巻く犯人達の卑劣な思考と行動に背筋が寒くなった。真犯人の結末はフィクションか?と錯覚する感覚を覚えた。
2投稿日: 2020.05.16
powered by ブクログ【新潮文庫2014夏の100冊8/100】丁寧で読みやすい文だから、すらすら読めたらあっという間に読みきれるはずだか、無理。心が痛くなり、途中で本を閉じてしまう。感想だってこんな量で収めるのは無理。詩織さんの無念や犯人の悪意については語り尽くせない。桶川や上尾近辺は私がずっと住んでいた場所。現場も歩いてる。そんな私も見知らぬ車に何度か引きずりこまれそうになったことがある場所でもある。だから、もし自分の身に降りかかったらと考えるとゾッとした。警察に頼っても無駄。ホントに信じれる友は何人だ?考えると怖くなる。
0投稿日: 2020.05.05
powered by ブクログまえがき 第1部 首都圏連続不審死事件 木嶋佳苗の「実像」を追って 第2部 100日裁判証言録 木嶋佳苗被告・法廷証言録① 婚活詐欺の被害者5人の法廷証言 木嶋佳苗被告・法廷証言録② 木嶋佳苗被告・法廷証言録③ さいたま地裁一審判決の要旨
0投稿日: 2020.04.15
powered by ブクログ一度まともなノンフィクションを読んでみたいと思い、年末年始図書として真っ先に本書を購入。 正直、事件発生当初は「気の毒な事件だな」くらいにしか思っていなかったが、娘を授かった今となって改めて事件の真相を知りたくなったという理由もある。 この事件から15年以上も経ったのかと、時の早さを思い知らされる年越しとなった。 本書が世に出てから、記者クラブにも属することができない(著者本人曰く)三流週刊誌の記者である筆者が実行犯を特定し、同時に警察の不祥事とも言える極めて杜撰な捜査と、その後の自己保身の極みとも言える腐敗した組織像を暴いたことが広く知られることとなった。 被害者の猪野詩織さんのストーカーであった本事件の真犯人は北海道の屈斜路湖で自殺してしまい、結果的には真相は闇の中となってしまったが、事件そのものや事件関係者に対する警察やマスコミの浅薄な関わり方が、筆者の訴えかける悲痛な想いや憤慨と共に胸に刻み込まれてくる。 特に、事件後に遺族が起こした国家賠償請求訴訟に対する警察の掌を返すような対応は単なる保身以外の何物でもなく、これが市民を守るための組織が行うことかと、改めて驚嘆せざるを得なかった。 ここまで著者である清水氏を突き動かしたものは何だったのだろうか。 単なる仕事とは思えないほどの取材への熱の入れようと、遺族や被害者関係者への感情移入とも言える思い入れ。 著者本人も本書の中で、自分は一記者というより、事件の当事者のようであったと述べている。 あくまで想像の域を出ないが、これは筆者にも娘がいたからだったのではあるまいか。 自分にも娘がいるため、我が子が同じ目に遭ったらということを考えると、仕事を超越した使命感のようなものが著者を突き動かしたのではないかと思えてならない。 そして何よりもいたたまれないのが、事件後に著者の娘も突然の事故により亡くなっているということだ。 これは文庫版あとがきに書かれていたのだが、さすがに言葉が出ない。 桶川ストーカー事件をきっかけに、マスコミも手伝って世論を動かしたことで俗に言う「ストーカー規制法」が事件後約1年でスピード施行した。 しかしながら、21世紀になった今日でもこの手の凶悪なストーカー事件は後を絶たない。 法や国・自治体・警察だけに頼るのではなく、このような事件は誰にでも起こり得ることだと認識しつつ、自衛の精神も培っていかなければならないと、改めて強く認識した次第である。 全ての人にとは言わないが、少なくとも娘を持つ親には是非読んで欲しい一冊である。
0投稿日: 2020.01.29
powered by ブクログ2020年1月22日読了。 ●とにかく発生ものの取材は早いもの勝ちだ。 手順を間違えると致命傷になる。 取材先は他社に荒らされ、被取材者は日を追うごとに 口が重くなり、居留守を使ったり姿をくらましたり するようになる。 あげく貴重な資料は他社に奪われ、関係者の口裏合わせ が行われ、場合によってはアリバイまでが捏造されてい く…想像したくもないが、それが現実だ。 ●警察に限らず、日本の官庁にはどこにでも「記者クラ ブ」というものが存在している。新聞やテレビなどの報 道機関が集まって作るこの任意団体は、本来クラブ員た ちが取材を円滑に行うために置かれている組織なのだ が、現実には各官庁が加盟者と非加盟社でメディアを選 別し、情報コントロールを行いやすくするために機能し ている。私にはそうとしか思えない。 ●司法権を発動し、逮捕状を請求し、一人の人間の身柄を 逮捕拘束しても公表はしないということが警察にはでき る。ひと一人隠す事なんか警察には簡単なのだ、と思わ される一方で、クラブ制度は警察が何も言ってくれなけ ればまるで機能しない、ということを痛感させられた。 ●大メディアの流れは急変した。被害者側の訴えなど、 知っていてもほとんど記事にしなかった大手マスコミ が、狂喜したように県警叩きに躍起になっていた。 「桶川事件」がいきなり一面トップであった。しかもそ の証拠たるやさんざん嘘をついてきた県警が「これが事 実です」と発表したことなのだから、ブラックジョーク としか思えなかった。警察の発表だと、どうしてこんな に簡単に信用するのだろうか。それまで県警は嘘を並べ 続けてきたのに、それでも県警の発表の方が被害者の父 親の会見より真実味があるというのか。詩織さんの「遺 言」は記事に出来なくても、警察から文書が配布された 瞬間に警察官の行為は犯罪として報じられ、突然事実と なるのか…。あまりの変貌ぶりに、私は驚くしかなかっ た。 ●事件がどんなものかではなく、警察が何を発表するかが 大事だというクラブと、「犯人」さえ逮捕すればいいと いう警察に何の違いがあるのか。 ●辞去…別れのあいさつをして立ち去ること。
0投稿日: 2020.01.22
powered by ブクログ「桶川ストーカー殺人~遺言~」清水潔。初出は2000年のようです。新潮文庫。 # 2019年3月に、「殺人犯はそこにいる」を読んで、あまりに面白くて確かそのまますぐに「桶川ストーカー殺人」を買って、読み始めて、怒濤に読み終えちゃったはずです。 # 1999年に、埼玉県の桶川で若い女性が殺害されたんですが、これが実はストーカーと化していた交際相手の男性の指示によるものだった。 この事件の真相を、警察より先に暴いてしまったのが、当時写真週刊誌のジャーナリストだった清水潔さん。埼玉県警が、「自分たちの初動のミスをもみ消すように動いていた」ということもセットで暴かれて、大騒ぎになりました。と、いう実際の事件の渦中にいた清水さんによる、ノンフィクション本です。 # 僕もある時点までそうでしたが、詳しく知らない人からすれば、「どうして写真週刊誌の人がそんなことできるの?ウソでしょ?」という話なんですが、これがどうやらホントなんです。この本にせよ、「真犯人はそこにいる」にせよ、ほんとにぞっとするくらい警察不信に陥る名作です。まあ、全否定全不信しても仕方ないのですが、ともあれこれは、実話。実話の強さですね。 そして、「殺人犯はそこにいる」と同じく、とにかく本としてオモシロイ。 本として見つめると、「殺人犯」「南京大虐殺」に比べると、やはり文章や語り口は「若い」という気はしますが、それも含めて、とにかくナマナマしくて、スピード感たっぷり。このテンポの良さは、清水さんなのか編集者なのか分かりませんが、脱帽です。
0投稿日: 2019.12.31
powered by ブクログこれ、随分前に一度読んだものなんだけど、昨日、ふと思い立って読み返し、一気に読みきりました。自分自身、当時のことを覚えているし、そこから始まった警察への(正当な)批判もとても印象深かったので、改めて一気読みしてしまいました。 自分の精神的なバランスが傾いていることを自覚しているときに、精神安定剤として読書をすることが多いのだけど、このドキュメンタリーを読んでいたら、自分の精神の傾き具合を忘れさせられます。誰もが同じ気持ちになるかはわからないけれど、僕としては、ほんの少しだけどいい方向に作用したかな。 …しっかり生きなきゃね、生きているんだから。
1投稿日: 2019.11.04
powered by ブクログストーカー規制法が成立するきっかけになった「桶川ストーカー殺人事件」。異常なまでに執着され、嫌がらせ行為は日に日にエスカレートしていく中、ついに被害者・猪野詩織さんは刺殺されてしまう。「詩織は小松と警察に殺されたんです」。著者がこの事件を追うにつれて、見えてくる事件の真相とは…。 本書を読み終わった後の素直な感想としてまず浮かぶのは、被害者に対する悲しみと、加害者に対する憤りはもちろんのこと、何よりも警察という国家権力に対する憤懣と不信。著者の命をかけた執念の取材がなければ、この事件は日の目をみることもなかっただろうし、マスコミの情報操作とも捉えられかねない“被害者の女子大生にも落ち度があった”ような偏った一辺倒の報道で終わっていたかもしれない。著者の執念と努力の結果として、通常の殺人事件では考えられない“警察官の免職および実刑判決”までも発生する事態となった「桶川ストーカー殺人事件」、これは死ぬまでに一度は絶対読むべき一冊でした。
0投稿日: 2019.09.06
powered by ブクログ警察が保身に走るとここまで事実が歪んでしまうということに驚いた。告訴を改ざんして被害届にするなんて信じられない。ストーカーや性犯罪に関して世の中は寛容なんじゃないかと思うときがある。女性からしたら自分より強い力をもつ男性は恐怖の対象ということをもっとわかってほしい。もちろん男性全員がそういう人ではないということはわかっているけれど。
0投稿日: 2019.08.18
powered by ブクログただただ読んでおいて良かったと思える本。 ジャーナリズムとはこういうことだと純粋に思えた。 多くの方に読んでもらいたい本です。 猪野詩織さんのご冥福をお祈りいたします。
1投稿日: 2019.05.11
powered by ブクログこの人の本は北関東連続女児殺人事件の次の二冊目。 文庫版を読んでよかった。詩織さんのお父さんが本に寄せた文章、著者の清水潔のあとがきが載っています。 猪野詩織さんと清水あずささんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
1投稿日: 2019.03.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
桶川駅、上尾署…、私にはいくらか土地勘がある。埼玉県の書店で「間もなく絶版。埼玉県民必読」というのを見かけて購入した。あまりに理不尽な事件と警察署の対応として実に悪名高い事件だ。にもかかわらず、私の身近な埼玉県民に次のようなことを言う者がいた。「殺されたのはかわいそうだけど被害者にも落ち度があったんだろ」未だにだ。しかも彼だけではない。この間違った情報が一部定着した責任は「一流」マスコミと埼玉県警にある。 ご自身でも述べておられるが事件ノンフィクションなのに「私」という一人称を使用されているのが特徴的だった。想いが前面に出ているからそれに乗ってすいすいと読んでいける。「なぜ」というやり切れなさや怒りが乗り移るようだった。島田さん、陽子さんから受け取ったバトン(「想い」)を原動力に取材されているから、一人称がぴったりだった。それでいてきっとこの人の書いていることは信用できるという説得力がある。これを読んだ後に、誰も上尾署の肩は持たないだろう。 衝撃的だった部分の引用を三つ。 『「詩織は小松と警察に殺されたんです」』(何度も登場。まえがきを除くと最初に出てくるのはP53) 『あの日、詩織さん達がここに相談に来て、絶望したのがよく理解できた。ここはまったくダメだ。「人間」がいないのだ。詩織さんは二つの不幸に遭遇した。一つは小松に出会ったこと。もう一つは上尾署の管内に住んだことだ。』(P201) 『県警はどうしても小松和人を逮捕したくなかった。 捜査本部は、ろくに捜査もせずに事件発生から二ヵ月を消費した。その間、たかが三人から成るチームが、多くの人の助けと、これまた多くの幸運に支えられたとはいえ実行犯を割り出し、撮影に成功しているというのに。我々はどこで捜査員に出会ったろう。 その頃彼らは本来の像とは違う詩織さんのイメージ形成に躍起になっていた。仕事がしたくないからという到底信じがたい理由で改竄された告訴調書も徹底的に隠蔽した。』(P343) 最後に読みから外れた感想をまとめる。上梓後に清水氏のお嬢さんが亡くなっていたなんて絶句した。ショックだった。それにしても度し難い埼玉県警だが、こういう保守的な一面、日本で人が集まれば、いろいろな組織にこびりついているのかもしれない。直接、間接を問わず加害者にも被害者にもならぬよう緊張感を持って生きていきたい。
0投稿日: 2019.02.13
powered by ブクログ月並みではあるが、このノンフィクションはスゴい。この事件に関する警察の腐敗が、このまま蓋をされてしまうことに、怒りと恐怖を感じる。事件の首謀者が自殺したことで、本当の事件の構造を暴くことは、難しくなってしまった。これを、単なる自殺、殺人の罪に問われることもなく、幕が引かれるとは、何事か。警察機構に対して、失望だけてなく、恐ろしさを感じる。 1999年に埼玉県で起きた事件に関するノンフィクション。当時FOCUSの記者だった著者が、地道、誠実、丁寧な取材と調査で、警察に先んじて犯人を特定した。そこで見えてきたのは、警察の失態と、それを隠蔽してしまおうとする動き。驚いたのは、事件の首謀者を、警察が本気で捕らえようとしていたか疑問が多いこと、そして国家賠償請求でも、警察の意図の通り、最高裁でも警察の責任が問われなかったこと。結局、被害者への謝罪の意識は皆無、それよりも組織を守ること。組織で本当に何が行われたか、このまま闇の中なのか。
0投稿日: 2018.12.09
powered by ブクログ嗚咽の波が何度も来て、鼻水で鼻が詰まり、泣きすぎて目が腫れ、大変なことになりました。同県で同時代を生きていた身として、言葉にならない思いが溢れて、人体の反応としてそうなりました。
0投稿日: 2018.12.06
powered by ブクログ大手マ新聞社やTV局だけで組織され、警察当局にも出入りを許されている記者クラブ加盟のマスコミ各社、そして取材も受けてもらえず記者会見場にも立ち入れない非クラブ加盟のマスコミ各社、その扱いは雲泥の差。クラブ加盟記者は、よって警察記者ゆえに警察当局の権力乱用や不正を問い詰めることもできない。なぜならクラブ加盟から除外されるからである。 こうした歪んだ報道体制、それ以前に警察当局の隠蔽姿勢、組織防衛の不正行為も暴かれている。警察はもとより大手マスコミの権力が、そこここに描かれているノンフィクション。桶川ストーカー事件は、そうしたことも含めて、陰湿な事件であることが、当事件を追った週刊誌記者によって綴られている。
0投稿日: 2018.12.01
powered by ブクログ99年に起きた事件に関する渾身のルポ。 先が気になり、一気の読んでしまった。 事件自体は、痛ましい事件で、腹立たしいことこの上ない。 その後、上尾警察の記者会見の映像をネット上で見た。 へらへら笑いながら会見しているのを聞いて、「この人は頭がおかしいのか?」と真剣に思った。(105) [more] (目次) 第1章 発生 第2章 遺言 第3章 特定 第4章 捜索 第5章 逮捕 第6章 成果 第7章 摩擦 第8章 終着 第9章 波紋 補章 遺品
0投稿日: 2018.10.12
powered by ブクログいわゆるストーカー規制法が作られるきっかけになった有名な事件。当時FOCUS記者だった著者が警察の不作為を暴き真犯人を突き止めた、その裏側を詳細に伝える凄まじいまでのノンフィクション。警察小説は市民の願望なんだな、とこの事件は思い起こさせる。
0投稿日: 2018.10.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
週刊誌って、嘘ばっかりでしょ・・・という固定概念が見事に瓦解されました。 清水さんには、本当にお疲れ様でした、と言いたくなります。 そして、警察って市民を助けてくれるんでしょ・・・という固定概念も崩れさりました。 もし警察と関わることがこの先あるならば、注意しなければなりません。信じてまかせっきりしたら大変なめに遭う。 とにかく、固定観念がひっくりがえった衝撃的な内容でした。恐るべし。。
0投稿日: 2018.10.02
powered by ブクログ残念なことに ここに糾弾された実情は 今でもあるような気がする いや 間違いなく 今でもある 我々が 今、できることは ほら、こんなことがありますよ と次の人に 本書を 手渡していくことなのでしょう
0投稿日: 2018.09.25
powered by ブクログボスのお薦めにて読了。 とっつきずらいタイトルなので、お薦めがなければ一生読まなかったかもしれません。感謝。 桶川ストーカー殺人事件のことはニュースでうっすら知っていた程度。当事者意識も何もなかったのですが、本著は凄い。思わず後ろを振り返ってしまうような緊迫感。ルポルタージュなのに、まるでドラマなのかという展開。ページをめくる手が止まらずすぐに読み終わってしまいました。 でも、フィクションだったらどんなに良かったことか。現実は起きてしまったことだし、日本の社会も今あるとおりです。 読了して思ったことは、日本という国において、集団組織がマトモに機能するためにはどうする必要があるんだろう、ということ。100名体制?で捜査をしていた上尾署では絵に描いたような怠慢と隠蔽。ひるがえってわずか数名の取材チームが犯人を探し出す。 …日本人って集団力が強いんじゃなかったっけ。マトモなリーダーがいないと機能せず、自浄能力は働かないってコトですかね。 本著を読んでいると義憤だけが湧いてくるのですが、現実の日々の暮らしにおいて自分は正しい道を選べているのか。振り返させられます。どうにも楽な方に流れがちな自分に自省を込めて、せめて本著を読んだプラスの影響として、マトモな人間でありたいものです。
1投稿日: 2018.08.21
powered by ブクログ遺言 「詩織さんは、小松と警察に殺された...」 徐々にその意味が分かるにつれて、恐ろしさに胸が震えた。 清水氏の作品を読むのは、3冊目だが、本作もノンフィクションだけが持つ「真実の力強さ」に圧倒された。 過度な表現ではなく、まさしく読む手が止まらず、一気に最後まで読まされた。 様々なストーカー被害に遭いながら、警察に訴えてもその対応は進まず、そして、貴重な命を奪われてしまった詩織さん。 清水氏の取材にかける執念とは、そして、被害者の無念、清水氏が受けたバトンとは、、、 また、私事とはありますが、あとがきにある清水氏の娘さんの訃報に、涙がこぼれました。 最後に、被害者の父である憲一氏の言葉が心に残ります。 「この事件の真実を求める多くの人たちに、この事件がどのようなものだったのか、また、報道を志す人々に、報道する人間が真に持つべき姿勢とはどのようなものか、この本を手にする事で分かって頂けると信じ、心から願っている。(平成16年1月)
4投稿日: 2018.06.21
powered by ブクログテレビで何度か映像化しているのを見ていたので、作品自体に新鮮な驚きはないが、桶川ストーカー殺人事件は、当時FOCUSの記者であった作者がいなかったら、全然別の結果を招いたかもしれないと思うと、ゾッとする。 そもそも、この事件には2つの要素がある。 猪野詩織さんが殺害されたストーカー殺人と、上尾署の隠蔽。 今作では、悩みながらも、諦めずに取材を続けた作者の執念にただただ脱帽… 来年で事件から20年。 その間にストーカー規制法が施行された。 今、殺害された時と同じ年齢の女子大生は、この事件を知らないかもしれない。 1人の女子大生の死が世の中を大きく変えたことを、リアルタイムで報道を見ていた私達は風化させない義務があることを忘れないでいたい。
5投稿日: 2018.06.20
powered by ブクログ「殺人犯そこにいる」に続いて読んでみたけれど、これまたひどい。巨大権力による隠蔽、改ざん、印象操作。2000年からなんにも変わってないんだなぁ。警察もひどいけど、記者クラブって何やってんだ。今の時代、こんな姿勢でつくられたTVと新聞だけで情報収集することの危険性を改めて感じた。何度も出できた週刊誌の校了日の記事差替シーンに胃が痛くなった。
0投稿日: 2018.03.19
powered by ブクログFOCUS の記者だった著者がこの事件の真相に辿り着く地道な努力に、頭が下がる。 対して、杜撰で無責任、違法行為を繰り返しそれを糊塗し、被害者に対して害しか及ぼさない埼玉県警に対しては、憤ることすら労力の無駄としか思えない。 他の警察も同じだという証明はないけれど、大同小異に違いないと思わせられる。警察沙汰になったら、被害者には希望はない。
0投稿日: 2018.03.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
事実は小説よりなんとやら……とはよく言ったもので、下手な事件ものミステリよりも謎だらけの状況からスタートした捜査(取材)の展開と、一昔前の警察小説よりも深い警察の闇。 その闇の深さが身に染みる…。 真犯人の所在を突き止めるまでの流れは、まさしくミステリ小説か映画かドラマかを見ているかのようだった。 後半、上尾署追及のくだりでは、本気で憤りを感じた。 特に終盤、国家賠償請求を巡るあれこれを読むにつれ、小松和人は自殺ではなく消されたのでは?とさえも思えてしまう程に。。。 ※もちろん本気でそこまで思ったわけではないけれど、少なくともフィクションなら「アリ」の展開かと。 ※ただし、本当に自殺だったとしても、あれだけのことをやらかした人間が、自ら死を選んで幕を引くというのは、やはりアンフェアだよね。 卑怯だよね。 死ぬまで人間のクズだったということだよね。 佳織(仮名)さんの証言の通りに、自分の行為を悔い始めていたのならなおさら、やっぱり逮捕されるべき! 死に「逃げる」のではなく出頭してほしかった。 命を絶たれた上に心無い組織と報道とに尊厳を傷つけられた被害者には、それ以上の逃げ場は無いのだから。 最愛の娘を奪われた遺族にも、その悲しみと憤りから逃げる術はもはや一生無いのだから。 ※小松和人には、「罪を償ってほしい」ではなく、、、 死に逃げ込まずに出頭するか逮捕されるかして、 刑罰と世間からの非難・断罪によって「罪の報いを受けて」ほしかった。 桶川ストーカー事件。 当時の報道をそんなにしっかり見てはいなかったものの、確かに… ⚫被害者の生活の派手さ加減がよく報じられていた印象は残っている ⚫実行犯が逮捕され、真犯人(?)は被害者のストーカー男の兄だという記事も目にした記憶も(おぼろげながら)ある。 ……その際、「兄が弟に変わって殺人の指示???まさかぁ?」という違和感が沸いた記憶も甦ってはきた。(本書を読むまで忘れてたけど) ・・・とすると自分も、筆者の言うように埼玉県警の思惑にまんまと乗せられてしまったうちの一人なのかも・・・。 ※「ぼくは事件記者ではなく警察記者だから」 の一言が、(良くない意味で)心に強く残った。 ★5つ、10ポイント。 2018.02.18新。 「事件の存在を(おぼろげながらにでも)覚えている人」には、是非とも読んでほしい1冊。 被害者とその遺族の名誉と尊厳のためにも。 ※警察官には(いい意味で)お世話になったこともある。 正義を信じ職務に全力を注いでいる警察官も、もちろん星の数ほどいるに違いない。 会社役員の不祥事、教員、公務員の不祥事、芸能人の不祥事等々もそうだが、一部の心無い輩のせいで組織(職種)全体のイメージが貶められてしまうことが、哀しい。 事件報道では、そういう点にももう少し配慮されてもよいのでは、とも思った。
3投稿日: 2018.02.19
powered by ブクログ現実にこういうことがあるのか?信じられない。新聞や雑誌、テレビなどの情報はもはや、信じることができない。国家でさえ人をこういう風に殺せるのだと…とても考えさせられる一冊。ノンフィクションなんだよなぁこれって… 著者、清水潔さんの取材、現場力これこそ、ジャーナリストだよ。一気読みできる名著です。お疲れ様でした。
0投稿日: 2018.02.18
powered by ブクログ2018.01.08読了 「犯人はそこにいる」を先に読んでしまった。 こちらを先に読むべきでした。 著者の取材力や真摯な姿勢は二作品とも変わらず。 やはり犯人に辿り着いていますね。 上尾署という組織の杜撰さや被害者への対応に一市民としてやはり不安を抱かざるを得ません。 日本の警察ほんとうに大丈夫なんでしょうか? 一つ疑問が残ってます 詩織さんを追い詰めたストーカーの小松和人。兄の武史が無期懲役となっていましたが、この兄弟の関係性が今ひとつ不明確なままでした。 兄が弟のために殺人依頼までするでしょうか? したのであれば、どうしてそこまで?という疑問が最後まで解消されずにのこったままです。
0投稿日: 2018.01.08
powered by ブクログこれは酷い。もう無茶苦茶な話。一部と思いたいが体質としてあるのかもしれない警察の怠慢。忙しいのかもしれないがであるならそれを訴えて増員するべきだしその中で予算を検討され減らすべき予算は減らす。しかし、これは予算の問題というよりも人の、心の問題だと感じた。心、公義、正義、そういう部分の欠如。県警の記者会見の様子がネット上にあったが殺人事件の様子をあんなへらへらと話す上司の下に義などあるはずもなくそういうのに強い憤りを覚えさせる。公共の精神。自分さえ良ければいいという今の風潮に染まった人間では対処できない。そういう大事なことがスコーンと欠けた風潮を凝縮させたような事件という印象を持った。
0投稿日: 2017.12.18
powered by ブクログリアルタイムでは知らなくても概要は知っていた、これがきっかけで規制法ができたことも知っていた、再現ドラマも見ました。 ですがここまでのことだったとは。 ご遺族の苦労も、清水さんの苦労も想像できないものです。報道の一つの側面しか知らなければそれがすべてになってしまう、恐ろしいと思いました。 きっと定期的に特集される事件だとは思いますが、私は忘れないと思います。
1投稿日: 2017.12.11
powered by ブクログ1番の頼りどころである警察がこんなんじゃあなぁ。。 この地域に住む方々が不憫でならない(´ω`) この方の他の本も読んだけど、記者としてだけじゃなく本当に人間的にも素晴らしい方なんだろうなぁと思う。 ハムスターへの想いからも伝わる。 被害者の方は本当に怖かっただろう。こんなことになってしまったときのための警察なのに。この男に出会ったことやこの地域に住んだことが本当にかわいそう。 あと簡単な言い方かもしれないけど、清水さんの本は本当に読みやすい。 難しい言葉や漢字を使ってなくて(´ω`)
3投稿日: 2017.12.04
powered by ブクログノンフィクションは基本読まないんだけど、 これは面白かった。 面白かったという表現があまり適切ではないと思うが、 一気読み。
0投稿日: 2017.12.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2017/11/23 アシーネダイエー甲南店にて購入。 2019/2/1〜2/8 読後感がこれほど胸糞悪い本も珍しい。全ての元凶である小松和人に対しては言うまでもないが、上尾署の対応たるや言葉も出ない。権力を持つ側が暴走すると誰にも止められない。謙虚であって欲しい。 詩織さんのご冥福を祈るばかりである。
0投稿日: 2017.11.23
powered by ブクログ週刊誌的な本かと思ったら、人権や人の思いやり、職務への姿勢など、極めて真面目に問題提起されていて、考えさせられた。恐ろしい敵に立ち向かった記者に最大の敬意を表します。
0投稿日: 2017.09.14
powered by ブクログ20年近く前に起きた事件だけど、読んでいてそんな感じはしなかった。20年前から世の中が進歩していないのだと思う。日本って、本当はこんななんですということを、他国の人にも知ってもらいたい。映画化できたらいいと思う。
2投稿日: 2017.08.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
桶川であったストーカー事件に対する、上尾警察署のありえない対応について続けられた取材が1冊の本になったもの。(1)前半は被害者がいかにストーカー被害を恐れていて、上尾警察署に殺されるかもしれないと告訴までしたにも拘わらず、上尾警察署が取り合わなかったこと。(2)中盤はFOCUSの記者が、警察でさえつかんでいない情報を元に独自の取材をすすめ、ストーカー集団の所在を明らかにしたこと。(3)そして終盤は、これらストーカー事件について被害者から告訴を受けていたにも関わらず、何の対応もせず、告訴を取り下げるようにアドバイスし、結局被害者が殺害されてしまったこと。そしてその落ち度が上尾警察署になかったことになるように隠蔽に走っていること。 おおよそこの(1)~(3)に分けてまとめられている。 明らかになっているのは被害者、被害者家族がいかに恐怖におびえ暮らしていたかということで、ストーカー組織の実態、集団の人間関係、そして上尾警察署の隠蔽体質であったり、告訴を取り下げさせようとした力学がどう働いたのかは実は明らかになっていない部分が多い。単に仕事が増えて面倒だからこのような対応をとったのかなど、不明な点が多い。もしそうだとしたら信じられない。
0投稿日: 2017.08.12
