
総合評価
(714件)| 169 | ||
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powered by ブクログ<ネタバレ注意> 大人の童話、とでもいうのか……静かで幻想的なSM。こういうの、大好き。勤め先の清涼飲料水工場で、機械に指を挟まれてしまう。サイダーを桃色に染めていく自分の薬指の先っぽ。「わたしの残像の中でその肉片は、桜貝に似た形をしていて、よく熟した果肉のようにやわらかい。そして冷たいサイダーの中をスローモーションで落ちてゆき、泡と一緒にいつまでもそこで揺らめいている」と表現するあたり、本当に「小川洋子の世界」だ。痛みを感じさせず、すべてがぼんやりとしていて残酷で美しい。そして主人公は新しい勤め先に不思議な標本室を選ぶ。標本技術士の弟子丸氏に惹かれ、プレゼントされた靴を履いているうちに主人公の足は靴に侵食されていく。「体のパーツ」に焦点を絞った不思議な物語。そして隠されたキーワードはやはりこの作品でも「数字」だと思う。標本のラベル、元アパートだった建物の部屋の号数、そして標本技術士「弟子丸」氏(小数、の意味)。同書掲載の「六角形の小部屋」の「語り小部屋」も非常に魅力的だった。(2007.08)
0投稿日: 2007.08.13
powered by ブクログ「博士の愛した数式」の小川洋子の短編集。 「博士の〜」はところどころにちょっとした「毒」を潜ませつつも、全体的にはほんわかとした感じの作品だったけど、この表題作はその「毒」が前面に出てる作品でした。 この作品の持つ独特の空気をどう表現すればいいのだろう? でも、きっとこの静謐で暗い耽美さは女性にしか理解できるまい。
0投稿日: 2007.07.30
powered by ブクログこの人の書くお話はなんだかいつも薄暗くてつめたい手触り。 非現実的なのにとても鮮やかに情景を描き出してくれる文章。 それが文章力というものなのでしょう。 これもとても美しい小説です。
0投稿日: 2007.07.06
powered by ブクログレビューはブログにて。 http://tempo.seesaa.net/article/45978345.html
0投稿日: 2007.06.26
powered by ブクログ意味深のタイトルで、不思議な読後感の残るストーリーです。普通の恋愛小説では飽き足らない、少々マニアックな人にお勧め! サイダー工場で働いていた「わたし」が事故で薬指の先を切り落としてしまい、それで工場を辞めて、たまたま通りがかった標本室に勤めるようになる。その標本室で、経営者でもあり標本技術者でもある弟子丸(デシマル)氏の事務的雑用をすることになる。そして・・・ 文章は淡々としていて、とりたてて恐いわけではないのですが、想像力を働かせると結構恐いのです。でも、その甘美な恐さが良いのです。
0投稿日: 2007.05.29
powered by ブクログ作品のモチーフや登場人物の発する言葉が村上春樹の作品を思い出させる。しかし決定的に異なるのは、文章から染み出る美しさ。残酷で儚い物語なのに強く惹き付けられる。
0投稿日: 2007.05.29
powered by ブクログ「薬指の標本」「六角形の小部屋」の二本 本の世界観はすごく好きなんだけど、いまいち乗り切れない何かが…。 ちょっと寂しいのかな? 愛情の対象への執着を主人公ももてあましながら、最終的に取った行動によってひとつの出口を見つけた。 それからどうしたのさ〜と突っ込みをいれたくなったよ。
0投稿日: 2007.05.22
powered by ブクログサイダーの泡の中に揺らめく、薬指の欠片。静寂に満たされた標本室。ひんやりとした浴室。小川洋子独特の静けさに、からだごとすっぽりと沈んでしまいそうな物語。
0投稿日: 2007.05.21
powered by ブクログ舞台は、依頼された物を何でも標本にする標本室。色々な想いを標本の中に閉じ込めていく人たち。謎めいた標本技師、標本室で働く主人公。薬指の先がソーダ水の中に落ちて溶けていくイメージが美しい。主人公は自分が指を失うときも、恋も嫉妬も、他人事のように淡々と捉えていて、それが作品の浮世離れした雰囲気造りに一役買っているのかもしれません。個人的にはフランス映画化??何だかなぁという気分。文章ならではの無機質な感覚を映像にどう反映するのか、楽しみではあるけれど
0投稿日: 2007.05.13
powered by ブクログ話の内容がどうとかより、雰囲気で読む作品だと思った。2編入っているんだけど、表題作の「薬指の標本」のほうはかなり好みだったんだけど、「六角形の小部屋」のほうはそうでもないかな。
0投稿日: 2007.05.12
powered by ブクログ「彼」は動から静への通り道の番人、いわばケルベロス的な立場だったのかな、と思いました。靴の暗喩が気になります。
0投稿日: 2007.05.01
powered by ブクログ全体を覆う生ぬるい雰囲気。まるで体温と同じ水温のお風呂にずっと浸かってるみたいな感じ。小川さんってこんな話も書くのね、と博士の愛した数式のイメージとは全然違う衝撃を受けました。フランス映画として実写化もされたようで、今度観てみたい。
0投稿日: 2007.04.28
powered by ブクログ大切な大切な本。 誰にも内緒にしておきたくなるような雰囲気が漂う。 小川さんのお話の中には静寂が流れる。 フランスで映画化された。
0投稿日: 2007.04.23
powered by ブクログ小川さん第2冊目(うちがね)!!毒あったわー!!←え ちょっと物足りない??
0投稿日: 2007.03.28
powered by ブクログ小川洋子の小説で一番好き。淡々としているようでいて、湿度があって色っぽい。そしてどこかひんやりと怖い。映画化したものも、静謐な空気感がそのままでとてもよかった。 表題の薬指の標本だけでなく、六角形の小部屋も秀逸。
0投稿日: 2007.03.27
powered by ブクログ静かで少しミステリアスな感じのある表題作もまあ面白かったが、どちらかといえば同時収録の「六角形の小部屋」の方が好き。それにしても私の読書傾向から鑑みると何故買ったのかは謎。
0投稿日: 2007.03.23
powered by ブクログ『薬指の標本』は、恋愛の残酷と甘美が一度に絡みついてくるよう。標本技師に贈られた靴のエピソードもエロティック。ゆらゆらと漂うような独特の雰囲気に惹き込まれます。『六角形の小部屋』も、本当にありそうだけれどちょっと奇妙な空間が描かれていて秀逸。(詳しい感想は→http://blog.livedoor.jp/chako67k/archives/50908450.html)
0投稿日: 2007.03.23
powered by ブクログ2つのお話が入っている。 1つ目は「薬指の標本」。 標本をたくさん持っている話。 2つ目は「六角形の小部屋」。 「カタリコベヤ」の話。 いずれも、とっても美しい話がゆらゆらゆらゆら続いていて心地がよいのだが、肝心なところが難しくて私にはよく理解できなかった。 けれど、いずれも読み終えた後、なぜか感動した。
0投稿日: 2007.03.18
powered by ブクログとてもとても、静謐。 つみたい感じが心地いい小川洋子ワールド。零度以上零度未満。。。 凍てつく手前の心地よさ そんな感じ。秀逸な本です。 「向こう側は深い静けさの森だった。すべてのものがしんと息をひそめ、ただ静けさだけがゆっくりと渦を巻いていた。わたしは長い時間、そのうねりだけを聞いていた。しかしいつまで待っても、何も起こらなかった。」
0投稿日: 2007.03.12
powered by ブクログこの世界観はサガンに通ずる独特の深みのある感触だと個人的に思います。 フランス映画(納得)での映画化ということで それまでに再読!! 小川作品に出会ったのがこの本でした。
0投稿日: 2007.03.05
powered by ブクログ2007.02.01 薬指の破片がおっこちたぴんく色に染まったソーダー だったり 浴室から除く夕焼け とっても情景がきれいに描かれてる作品☆ 楽譜だったりきのこだったり 標本にしていくものもユニークだし!!! 映画化されたみたいでとっても見てみたいなぁ〜と思える一品(●´ω`●)
0投稿日: 2007.03.02
powered by ブクログ底冷えするような怖さ、でも止められない。染み込むように侵食していく愛と狂気。怖いような、羨ましいような。
0投稿日: 2007.02.24
powered by ブクログ初めて手に取った小川洋子の本。文章のリズムと、低い温度で進む流れが意外と気に入りました。映画も観て見たい!
0投稿日: 2007.02.24
powered by ブクログ凄く小川さんらしい文章の透明感、静けさが際立っている作品。とにかく綺麗で、ひんやりとした冷たさが残る。
0投稿日: 2007.02.23
powered by ブクログ先に彼女の対談を読んでいて、作品は初めてだったので、すごくびっくりした。語り口は宮部みゆきみたいだけど、絵画の中の物語、藤田嗣治の乳白色の世界をのぞいているよう。ニ作品とも必要な人だけたどり着ける必要な場所、だけど、深入りしてはいけない世界の話。靴に侵食される、なんて表現、なんと絵画的で恐ろしいことか。
0投稿日: 2007.02.20
powered by ブクログ『標本』が出来た後にある一つの疑問が浮かび、やがて恐ろしい予感に気付かされる。テーマとしては『密やかな結晶』にも似ているような気がした。
0投稿日: 2007.02.18
powered by ブクログなんとも不気味でささやかな愛です。あのあとどうなってしまうんだろうと続きが気になります。わたしには難しかったかなあ(脳味噌ちっさいので)
0投稿日: 2007.02.10
powered by ブクログとても清潔な世界で淡々と物語は続く感じ。 官能的な部分があったのもあり あまり好みじゃない本だった。
0投稿日: 2007.02.02
powered by ブクログ小川さんの本は、「博士の愛した数式」しか読んだことがなく、噂で「博士以外の本は結構独特」と聞いていたのですが、納得。 独特の世界です。すごく不思議な世界。 でも、その不思議な世界を、柔らかな表現で書いているので、全くもって心地がよかったです。 お客様の望むものを標本にしてくれる「標本室」。そこで標本を製作する弟子丸氏とどんどん標本と弟子丸氏に魅かれていく標本室の受付を始めた「私」の話。 標本に魅かれていく「私」の姿が、怖いくらい美しく書かれています。
0投稿日: 2007.01.29
powered by ブクログ静かな文章なのだけど、もうどうしようもない激しい感情が秘められている物語。ドラキュラ…?二篇目『六角形の小部屋』も不思議かつ少しほっこりな物語だった。これは少し小川洋子っぽくなくて意外。小川洋子の作品て、ストーリーどうこうっていう以前に文章そのものが美しい。ずっと深いところにある、人の持つどうしようもない感情を静謐に表現しているところが、やはり小川洋子。思わず一文一文反芻しながら読んでしまった。
0投稿日: 2007.01.26
powered by ブクログ独特の文章表現。 ひらがなが好きな人ですね。 ぶつり ぶつり と 音の途切れるレコードのような そんな作品だった。 妙に連続性が感じられない。 作品の中に時間がないのかな。
0投稿日: 2007.01.24
powered by ブクログ博士の愛した数式を読む前に手に取った小川洋子さんの本。 博士の愛した数式は良かった。 けれど世界観的に私はこっちが実は好き。 フランスで映画化なさってる作品。 淫靡な世界ですよね?ちょっと。 綺麗に表現されていながら読んだ後に残る本です。
0投稿日: 2007.01.15
powered by ブクログ本屋を後にする時、ふと目にとまり、戻って買った一冊。どこかかけたモノ達が集まる場所は不思議と心地よい空間で、そう感じたときからもう、わたしも標本の一部になってしまったようだ。
0投稿日: 2007.01.12
powered by ブクログ友達に勧められた本。 読む前はこんなにいいと思っていませんでした。 靴=足を標本にするのではなく、あくまで薬指なのがいい。 「六角形の部屋」も好き。
0投稿日: 2007.01.03
powered by ブクログ自分の薬指に欠陥のある主人公と、主人公が働くことになった「標本室」における不思議な空間が展開される。 主人公が自分の欠けた小指を通して自分の恋愛に溺れていくような様が面白い。
0投稿日: 2006.12.31
powered by ブクログこの本棚を作るにあたり、はじめに置きたかった本。 日常の世界から隔離された標本室に勤め始めた私が次第に彼に中で標本にされていくような危うい話。 ひとつひとつの言葉が洗練されていて、一語一句を舌の上で転がして味わいたいような気持ちになります。 「まるで彼の靴にくちづけしているかのようだった。」 が印象的でした。
0投稿日: 2006.12.16
powered by ブクログ小川さんの文章は、淡々と文章が進んでいくのですが、どこか粘着質なものがあって、とても怖いです。密やかなんだけど、ものすごいエロティシズム、フェティシズムを感じる事もあるし…。何となく、ものすごい冷静な人に淡々と縛られていく感覚がある。ミステリアスで、不思議な作品です。でも、その怖さがやめられない…。 『薬指の標本』はそんな本でした。
0投稿日: 2006.11.30
powered by ブクログ「薬箱の標本」「六角形の小部屋」どっちも好きだー。丁寧に、リアルに紡ぎだされる言葉たち。読んでいると映像が浮かび、ここではないどこかにトリップしてしまう。読み終えて、現実に戻るまでにしばし時間がかかる。 確かなものなんて何もないってことを知ってる人だからこそ生み出せる物語。だからこそ大事にしなきゃならないものがあるんだと思う。身体もそうだし、言葉もそう。 「薬箱の標本」はフランスで映画化されてるんだよね。観てみよう。「六角形の小部屋」は「イワンのばか」を連想してしまった。この異空間に入ってみたい。ちょっと怖いけど。
0投稿日: 2006.11.27
powered by ブクログ標本室。サイダー。欠けた薬指。そして浴槽。どれもあいまいで、幻想的。そしてこの小説の空間だけ時間が止まっている感じ。 そしてなんだかものすごく官能的。 「彼のくれた靴をはいて彼のなかに閉じ込められていたい。」 堕ちていく愛の狂気。この世界感好きかも。
0投稿日: 2006.11.27
powered by ブクログ読んだ後、魂が抜けました。指の一部を失っていたりと、そこだけを抜き出すと痛々しい話に思えるかもしれませんが、そんなものを越えていっそきれいでこわい話でした。
0投稿日: 2006.11.26
powered by ブクログ本当に面白かった。私が見る夢の世界のような、不思議な感じと不思議なにおいがした。 標本技工士さんに恋をしそうになった。すごく好き、不思議な所が静かな所が冷たい所が縛る所が、愛し方が。それで、話全体がすごく綺麗というか美しかった。本当に美しすぎて、(具体的に何が美しいのかはわからないけれど)苦しくなった。こんなふうに美しくなりたいと思った。 もう1度読み返したい本です。
0投稿日: 2006.11.26
powered by ブクログとんでもない話をさらっと書ききってる面白さ。僕がぼくである目印になる肉体の一部はどこになるのだろう。人よりかなり大きな足の親指?
0投稿日: 2006.11.21
powered by ブクログ『薬指の標本』と『六角形の小部屋』の2篇。 どちらも共通して、不思議さ、奇妙さのあるお話ですが、なんだかこの2つは対照的であるように感じました。 個人的に好きなのは『六角形の小部屋』です。 六角柱に扉があり、扉には真鍮のノブが付いている。 その扉の中は、人一人分のスペースがある「カタリコベヤ」。 「カタリコベヤ」は天井からランプが吊り下げられ、 正面の壁にはベンチとなる横板がはめられているだけ。 そこで、人は語る。 好きなこと、嫌いなこと、心の奥に隠したもの隠し切れないもの、迷っていること嬉しい事、昔の話先の話、真実出鱈目…とにかく何でも構わない。 その時自分が望むことを語る部屋。 詳細と感想は書きませんが、心地よい物語でした。
0投稿日: 2006.11.18
powered by ブクログ小川洋子さんて、本来、こういうちょっと気持ち悪い、不気味な雰囲気のするものを書く人なのかなぁって思った。ドキドキして、でもすごく綺麗で面白かった。
0投稿日: 2006.11.15
powered by ブクログ後半に入っている『六角形の部屋』は、小川洋子の作品の中でもベストスリーに入ると個人的に思っている。人間の持つ、説明のつかない心の闇の部分を、とても深く掘り下げている作品。かといって、重くない。さらり、と読めてしまう、文章力&ストーリーの展開の巧妙さには脱帽!
0投稿日: 2006.11.13
powered by ブクログ博士の愛した数式より俺はこっちのほうが好きです。 このシュールな世界が凄く好きで、凄く素敵な本。 フランスで映画化されましたが是非見たい一品!
0投稿日: 2006.11.12
powered by ブクログ『薬指の標本』という魅惑的な題名や、物語の設定に惹かれたが、それら“雰囲気”のみの作品で、核心を何ら描いていない、と僕は思う。過去の事件を臭わせ、標本という格好の題材を用意し、靴のエピソードなど伏線も振りまき、それらによって主人公の内面を掘り下げられるのに、それをやらなかった。汚い部分を避けて綺麗にまとめるオシャレ小説ですか…。併録『六角形の小部屋』も似た作品だが、まだ人間を描いている。
0投稿日: 2006.11.08
powered by ブクログ小川洋子さんの小説を読み始めると 大げさな表現ではなく時間の流れ方が変わる。 本を読んでいる自分の中の世界では とてもゆったりと時間が過ぎているのに 外の世界はいつもと変わらないから気がつくと すごく時間がたってしまっているのだ。 薬指の標本はとくにそんな気がする。 とてもモダンで でも飾り立てることなく 静かに優しい痛みを与えてくれる。 こういう現実とは違う 別世界に連れていってくれるような作家は とても貴重で 僕にとってはとても大事な存在だ。
0投稿日: 2006.11.05
powered by ブクログいつも少しだけ非日常をほしがっている。サイダーのように甘いのだけれど、刺激的な何かを標本にして眺めて暮らすような非日常
0投稿日: 2006.11.02
powered by ブクログ「博士の愛した数式」とは少し違う。静かなくせに狂気をはらんだ愛の形だと思う、色っぽい描写は少ない筈なんだけど艶やか。映画化も納得、確かにフランスの香りがする。
0投稿日: 2006.10.27
powered by ブクログソーダ工場で働いていた「わたし」は機械に薬指を挟み、その先っぽを失ってしまう。その事件後、工場を辞めた「わたし」は、古ぼけたアパートと、そこに貼られている事務員募集のポスターを見つける。そこが標本室だったのだ。標本技術師の弟子丸氏が営む標本室を、「わたし」は事務員として手伝うことになる。弟子丸氏は楽譜に秘められた「音」も、文鳥の骨も、火傷の傷跡さえも、何だって標本にすることが出来た。ある日、「わたし」は弟子丸氏に素敵な黒い皮靴をプレゼントされた。靴はあまりにも、「わたし」にぴったりだった。 ミロのヴィーナスは両腕を欠いている。しかし、腕の不在性がヴィーナスの美を完全なものにしているのだという。人々の想像力が、完全な美を作り上げるのだ。 「薬指の標本」には、そんなミロのヴィーナスの美と通ずるものを感じた。これは匂わせる小説だと思う。直接的に描かれているわけではなくとも、物語に漂う雰囲気に、想像力を掻き立てられた。 妖しげで、危険な香りのする「わたし」と弟子丸氏との恋愛。日に日に「わたし」の足に侵食していくような靴。サイダーを桃色に染めながら、ゆらゆら浮かぶ薬指の肉片。 ミステリアスで美しい世界観。『博士の愛した数式』とはまた違った小川洋子さんの魅力を垣間見ることができました。
0投稿日: 2006.10.25
powered by ブクログビレバンで、カバーがかわいかったから買ってみた。どんどん引き込まれて、すぐに読み終えてしまう。雰囲気が好き。
0投稿日: 2006.10.21
powered by ブクログ読んだ後、本を閉じても、この話の中から抜け出せない、とゆーか、いつまでも余韻を残してくれる感じがしました。 『浸ってる』感じです。 あまりにも非現実的な話だからかもしれませんが。 あたしが思っている『愛』、(多分みなさんが思っている『愛』ともね)とは全然正反対の奇妙な『愛』が描かれています。 主人公には共感できません!!(キッパリ) ちょっと怖いなあ、と思ってしまったくらい。 主人公と標本技工士(デシマル氏)が男女の仲になっていくのですが、その表現がまた微妙で、『とうとうわたしは、裸にされた。たった一つ、黒い革靴だけ残して。』っておーーーーい!!!!(笑) でも、 非現実的な展開が淡々と進んでいくのでどんどん引き込まれてしまいました。 「そんなことあるかー!!!!」とか 「うそやーんーー!!!」と突っ込みたくなるような展開がいっぱいあります。 でも、あまりに自然に書かれているので、読んでる間は違和感ないんです。 これが小川ワールド!! でも、『博士の愛した数式』とはまた違う感じがしました。 あたしは『博士』の方が好きかなあ・・・。 でもドップリ、小川ワールドに浸ってます。 『薬指の標本』と『六角形の小部屋』2編が収められてます。 話は違いますが、どちらもなんだかミステリアスで後味切な〜い気持ちになりました。
0投稿日: 2006.10.17
powered by ブクログ標本室なんて聞くと無音でひんやりした空気が思い浮かぶけれど、そこにあるのはひそやかな恋。こんな恋もあるんだなあ。
0投稿日: 2006.10.16
powered by ブクログゾクゾクした。静かにながれる時間と情景、表現がとても綺麗。一気にのめりこんで読んだ。読んだあとに切なくなって、泣きたくなった。
0投稿日: 2006.10.07
powered by ブクログ小川洋子らしい小説です。 読んでから知ったが、映画もちょうど公開中のようです。フランス映画みたいだけど、予告ムービーみたらちょっと印象が違っていました。映画は重い雰囲気漂っていましたが、それだと小川洋子作品じゃなくなっちゃうの。 あくまで透明で、涼しく爽やかな狂気!!こうじゃなくっちゃね。
0投稿日: 2006.09.24
powered by ブクログ今のところ 小川洋子作品では一番好き。 小川洋子ワールドだなぁと しみじみする作品。 私は何を標本してもらおうかな と思ったり。 あの靴を履きたい気もする。
0投稿日: 2006.09.20
powered by ブクログどこまでも美しい文章で綴られる、淡々としていながらもヒヤリと怖い愛の物語です。 ここまで好きになれる短編には、今後も出会えそうにありません。
0投稿日: 2006.09.18
powered by ブクログ「標本」と聞くと理科室や実験室に並ぶホルマリン漬けを思い出しますが、この話は標本技師と主人公のすこし切ない恋の物語です。一緒に収録されている「六角形の小部屋」も個人的に好きな物語で独特の世界観などは実際に読んだ人ではないと語れません
0投稿日: 2006.09.12
powered by ブクログ切なくて密やかな恋。彼の為に消えるのなら、それが良い。そんな心境になれるのって幸せなんだと思う。あなたの傍に薬指を。生々しい気持ち悪さよりも、どこか純粋さが際立つお話。
0投稿日: 2006.09.07
powered by ブクログ短いお話だし、あやふやにエンディングがやってくるから期待し過ぎた感は否めなかったけど、黒い歪みの中から鈍く光る美が漂ってくる。こういう話なんだ、って思って読めば、スタイリッシュ。
0投稿日: 2006.09.04
powered by ブクログ少女が次第に現実世界から遠のいて行き、盲目になっていく様が悲しくもあり、なぜか共感してしまう、不思議なお話しです。 文章からは、どんよりとした曇り空と、それでいてあまりにも透き通った冷たい風が吹く、幻想的な風景を、思い起こしました。 「この靴をはいたまま、彼に封じ込められていたいんです。」 そんな主人公の情熱的な愛でさえ、小川 洋子さんの透明感あふれる文章のなかでは、あまりにも密やかで、神秘的なもののように思えてきます。 サイダー工場での出来事を含めた、本文一つ一つの表現は、残酷でありながら甘い香りを残す、彼女独特の表現の真骨頂だと思います。
0投稿日: 2006.08.28
powered by ブクログ不思議な世界観にどっぷりと浸りながら、一気に読めました。 こんな愛の形もありかな?と思ってしまうストーリー。最後もとても好きです。
0投稿日: 2006.08.14
powered by ブクログ読後感は、やわらかく曖昧で、甘い毒の中に沈んでいくような感覚です。今やトリコ。この話の続き、たまにぼんやり考えてしまいます。どうなったんだろう・・・どうしたんだろう。怖くない悪夢みたい。
0投稿日: 2006.08.09
powered by ブクログさらさらとながれゆく綺麗な時間を書くのが得意な作家さんだと思う。書かれている文章は小さなテレビが映す映像となって見える。でも、触れられない。それが面白いかどうかは兎も角、綺麗ということに重点を置く。
0投稿日: 2006.07.30
powered by ブクログ「ただ彼とは、どうしても離れられない、そういう気持と情況だけが確かにあるんです。そばにいたいなんてなまやさしいことじゃなく、もっと根本的で、徹底的な意味において、彼に絡みとられているんです。」
0投稿日: 2006.07.24
powered by ブクログやわらかな、日曜日の夕方のような印象。フランス映画みたいだと感じてたら、本当にフランスで映画化してた。
0投稿日: 2006.07.18
powered by ブクログシトシトと雨が降る梅雨の時期に小川洋子さんの文章はぴったりだ。人を愛する事の先にある事、、それは常にハッピーな結果になんかにたどり着くわけなくて、時には痛かったり、切なかったりするものである。 その中にいることは僕の幸せでもある。彼女の小説の中にいる時、僕はそれと全く同じ気持ちでいられる。この小説は、その雨の景色によく似た世界に入り込める僕にとって大事な小説のひとつだ。
0投稿日: 2006.06.20
powered by ブクログ内容はかなりホラーのはずなのに、静かで美しい文章。映画化されるということですが、この空気感を如何に表現するのかな。
0投稿日: 2006.06.18
powered by ブクログたぶん意図的に、よく分からないままにしているところが多くて、 そこがこわかったです。 でも面白かった。フェチの話だと思う。
0投稿日: 2006.06.16
powered by ブクログ奇妙だけど紛れもなく恋愛。からみつく、まとわりつく、絶対に離れられない何かにしがみつくお話。割と好き。
0投稿日: 2006.05.30
powered by ブクログロンドンで友達に借りた本。ちょっと新しい感じの文章だと思った。靴がどこかにつながっていて束縛される気持ち。
0投稿日: 2006.05.30
powered by ブクログ元は妹の本。読んだ後、後味が悪いと言っていたけど、私は思わなかったです。 綺麗な話ですよね。でも、知らぬ間に、自分のどこかを氷の刃ですっぱり切られている感じ。 そこが後味悪く感じるのかも。
0投稿日: 2006.05.26
powered by ブクログ目には見えない不思議な力で、人が導かれる場所やモノは、必ずあると思う。 そしてこの本の主人公たちは、非日常的とも思える彼らの生活のなかで、私たちと同じような体験をする。 いや、非日常的とも思える彼らの体験が、実は私たちの身近な体験と、何ら変わりないことを物語る。
0投稿日: 2006.05.26
powered by ブクログ最近は先に評判や粗筋を聞いてから本を手にとることが多い。時間がなくなったのでなるべくはずれを引きたくないからではあるが、保守的になったものだ。 そんな中、新書店で久々に何の前情報もなしに買った本がこの「薬指の標本」だった。まず題名に惹かれ、それからカバー裏に記載されている粗筋に惹かれて購入した。 表題作は静けさに包まれた透明で危険な恋の物語だ。読んでいる間何度も無色透明なサイダーの甘い香りと、勢いよく弾ける泡が脳裡に浮かんで仕方なかった。浴場で靴を履かせるシーンは非常に美しく、艶かしい。 読み終わってから、著者の小川洋子が本屋大賞の「博士の愛した数式」を書いた人なんだと気づいた。 前情報なしに購入するとこういうことがあるから面白い。
0投稿日: 2006.05.25
powered by ブクログ−この靴をはいたまま、彼に封じ込められていたいんです。(本文より)−このコピーとカバーにやられて買ってしまった一作。私は「博士の愛した数式」の方を先に読んでいたので、テイストの違いにちょっとびっくりしました。 女の人の「靴」ってどこか官能的で淫靡じゃありませんか? フランス映画みたいな映画だと思って読んでいたらフランスで映画化されるんですね。納得。
0投稿日: 2006.05.20
powered by ブクログ初めて手に取った小川洋子。博士の愛した数式の人だったのかぁと未読の状態ながら思ったのですが、世界観にどっぷりはまってしまいました。繊細でリアルで静かで優しいようなそんな感じ。終わり方は少し怖いけど、愛がある感じもする。私こういう系の純愛は大好きなんです。
0投稿日: 2006.05.10
powered by ブクログフランスで映画化された「薬指の標本」と「六角形の小部屋」の二篇が収録。380円という、ドンキもびっくりの低価格。改めて言わせてもらうが、新潮社は90年代に文庫安くしすぎ。だから皆本買わなくなっちゃったんだよもう。さて、これを読んで分かったのは、小川洋子はこれしかできないんだってことだな。面白いし巧いんだが、正直非リアリズムぶりに飽きてきた。薬指はモチーフが沈黙博物館とかぶる。そして、ラストはラストでそうしたいのはよく分かるんだけど、村上春樹的生殺しはもうやめてくれ。ほんの少しリアリズムに寄って、若者ウケする固有名詞を増やして長編書いたら、絶対に村上春樹ぐらいになれると思うんだけど、たぶん一生ならないんだろうということが分かった。
0投稿日: 2006.04.16
powered by ブクログ喪失、という一般的には哀しい現象に対面しているはずなのに、全く違う、恍惚とした抗いがたい誘惑、または昏いけれど不思議といとおしい魅力を感じる。
0投稿日: 2006.04.12
powered by ブクログ小さな小さな指の先、それは私の一部でした。切り離されてしまったら、切り離してしまったら、もう一部ではなくなるのでしょうか。桜貝のような欠片はサイダーの海へと沈んで行きました。 羊水の中で眠るように溶液の中を揺蕩う標本達。 大切なものは封じ込めてもらいました。コルクの栓とともに。元には戻らないのだから。 コツ、コツと靴音を響かせ地下へと向かいます。ゆだねられるために。
0投稿日: 2006.03.25
powered by ブクログ小川洋子の中では一番これがすき。小川洋子らしい感じだし、ここに出てくる赤い靴が、とってもかわいいんだろうと思うから。
0投稿日: 2006.03.21
powered by ブクログうーん…。確かに、おもしろい。私の好きそうな話し。 でも、なんだろう…今ひとつ何かが足りないんだよね…私の中では。
0投稿日: 2006.03.18
powered by ブクログなにを標本しましょうか。なんでも標本できますよ。キノコでも、音でも、死骸でも、傷跡でも、薬指でもね。
0投稿日: 2006.03.18
powered by ブクログ博士の愛した数式、とはひと味違う。全然、違う人が書いたんじゃなかろーかと思った。ボクはこっちのが好き。 恋愛小説。一見どこにでもいそうなクールな主役の二人なんですけど、よく考えたら絶対おかしいと思う?勘違いしてる可能性が高いんですが、ボクに言わせればこいつらは相当のSMカップルです。決して、露骨な性的描写がある訳じゃないけど、明らかに男はドSだし、女はドMというかそれに目覚めていく。 いや、どーなんだろ。この男やっぱ良く分かんない。ただ単に実は束縛欲の強い男なのか、はたまた、人とは全然違う価値観とカリスマ性をあわせ持っているのか。でも、そのどちらにしても「わたし」に関してはMなんじゃないだろうかと思った。 感想がこっちの方向に向かってしまったことが悲しい。同意してくれるいとがいることを期待します。そうじゃないとボクは完全に頭おかしい人だと思われる。普通は切ないとか静かな話とかが真っ先に思うんだろうな。
0投稿日: 2006.03.09
powered by ブクログ表紙に惹かれて購入。 表現がとても綺麗。 わたしも標本室で働きたい! 人の過去を引き出しに閉じ込め 永遠にするという行為の慎ましさ・・・。けれど、時々ぞっとするものもあるだろう。人が閉じ込めたい過去は、時には残酷で、無残だから。
0投稿日: 2006.03.08
powered by ブクログ駄目だとわかりつつも逃げられない。逃げない。このままでいい。このままがいい。 そういう愛の形。 描写がすごく美しいです。 薬指の欠片がサイダーの中に溶けていくところとか。
0投稿日: 2006.03.07
powered by ブクログあなたの薬指・・・ 靴をはいたまま、はだかで浴槽の底で抱き合うところが印象的。吸い付くような靴と薬指・・・他の話もどこか不思議で淫靡な感じがするような
0投稿日: 2006.03.06
powered by ブクログ薬指の標本と六角形の小部屋の2編が入っています。 とくに薬指の標本がよかったデス。あの何とも言えない危い雰囲気を醸し出す標本室に一度行ってみたいなぁと思った。あと、六角形の小部屋みたいなのが実際にあったら私は一人で延々と文句言ってんだろうなぁとも思った(笑
0投稿日: 2006.02.22
powered by ブクログ静かな、静かな物語。読み進めていくうちに、主人公の女の子のもろさとか危うさが見えてきて、ちょっと怖かったわ;;;やっぱり小川洋子さんの、細かな描写が大好きで、醸し出す静かな雰囲気が心地良くて癒される。でもね・・・この「癒す」って言葉、実はすごく危険をはらんだ言葉なんだって、この物語を読んで気づかされたの!!
0投稿日: 2006.02.22
powered by ブクログひんやりしてるのに冷たくない雰囲気、ため息が出るような描写、ストーリー、どれをとっても素敵です。これで完全に小川洋子ワールドの虜になりました。文章を撫で回したいくらい大好き。
0投稿日: 2006.02.17
powered by ブクログシンプルな表現なのにとても豊かな映像を想像させてくれる本でした。暗く静かな、でも湿度は感じない。映画もきっと美しいものなのだろうと感じる。2006/1
0投稿日: 2006.02.04
powered by ブクログ思い出の品々を何でも標本していくという設定に惹かれました。恍惚とした恋愛感情に、不思議とシンクロするようでした。すべての短編通して静謐な空気を感じます。
0投稿日: 2006.02.02
powered by ブクログ薬指の標本・・・全体的に、足り無すぎる。と思った。この淡々とした感じがおそらく彼女の持ち味なのでしょうが、私は実際に読んで、伝わってくるものが何も無かった。博士〜で感動したところだったから、ちょっとがっかり。 六角形の小部屋・・・これは表題作よりも気に入った。誰にも聞かれず、誰にも邪魔されず、自分の言いたいことだけを勝手に語れる場所って、今は少ないですよね。家族、友達、近所、いろんなところを気にしなきゃいけない。blogやミクシーが流行ってるのは、きっとそういう事も要因になってるんじゃないかな。そういう場所が欲しい、という現代人の心理を的確に表しているな、と思った。話自体は本当にパンチが無いけれど、ネタ的に好き。
0投稿日: 2006.02.01
powered by ブクログ不可思議な設定を描いているにも関わらず、 いとも自然に小川ワールドへ引き込まれました。 まもなく映画化されるそうで、とても楽しみです。
0投稿日: 2006.01.31
powered by ブクログこれって、ファンタジーホラーですかねぇ? 「博士の愛した数式」がいい!と友達と話していたら、コレと「まぶた」をくれました。 短編2作が収録されてます。 「薬指の標本」は、何でも標本にしてくれる技術者とその事務員の話。 何でも標本にしてくれるというビジネスが本当にあったら素敵だなーと思ったけど。でも、最後怖かったです。 もう1作、「六角形の小部屋」。こっちは怖くて、なんとなくあったかい話。打ち明け部屋みたいな、六角形の小さな部屋に集う人と、その部屋を管理している人の話。私も、こんな部屋があったら、べらべらと人に話したことない色んなことが話せそうな気がする…ちょっと欲しいかも。
0投稿日: 2006.01.18
powered by ブクログ題名は本を読めばなぜこの題名なのか理解できると思います。想像したら少し気味の悪いお話のような気がします。
0投稿日: 2006.01.11
powered by ブクログ小川洋子は読むとぐぁーっとなる。良くも悪くもそうなる。それは怒りに近いけど、何故だかどんどん読んでしまう。悔しいけれど面白い。
0投稿日: 2005.12.03
powered by ブクログタイトル買い、装丁買いをした一冊です。身体を内側からそろりと撫で上げられるような恍惚感を呼び起こされます。
0投稿日: 2005.11.30
powered by ブクログ映画化が決定しました。フランス、と聞いて納得。だって、フランス映画とぴったりだから。公開が楽しみです。
0投稿日: 2005.11.27
powered by ブクログ他人から見たらわけ分かんなくて、ちっぽけで取るに足らないものを、自分だけの価値観でもってゆっくり、丁寧に蒸留させたらこんなんできましたー! っていう。 もの静かで、清潔で、必要な部分以外の描写は極端に省いてあって。 2作入ってるけどダントツはじめのが好き。
0投稿日: 2005.11.23
