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総合評価

39件)
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    学生の布美子と助教授の片瀬、妻の雛子の話。ドラマ見て深入りしたくて原作読み出したんやけど、え、めちゃくちゃ良かった。圧倒的な恋。この底なし沼かのようなドロドロ感と眩しい煌めきと疾走感に翻弄される。何やろこの共感とか反感とかじゃなくてずっと後に残る感じ。良かった。

    1
    投稿日: 2025.04.20
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    明けましておめでとう御座います。 昨年から読み進めてはいたのだが、読了には至らず、年が明けてしまった。まだあと三冊途中のものがあるよ… 小池真理子はどちらだろう…そんな事を考えながら読む。 エッセイは20年前からよく読んでいたので(おばさんだもの)小池さんの過ごしてきた青春時代が背景にあるのがよく分かる。安保闘争や浅間山荘事件を肌で感じながら描いた生々しい記録と恋の記憶。 恋も十人十色。今の時代にはない『恋』がここにはある。軽井沢で過ごした夢のような日々。でも布美子の『こうでなければならない』に巻き込まれた人々の人生は、自分の思い通りにはならなかった。 リアルであってリアルではない。 自分が脇役という名の主役。でいたかった人の末路。 長かったが退屈する事なく、よく描けていて面白かった。 本年も宜しくお願いします。

    30
    投稿日: 2025.01.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全体的に色っぽくて背徳的だけどいかがわしい感じはしないという不思議な小説でした。 主人公がただ肉欲に溺れるわけではなく、片瀬夫妻を神聖視しているのではと思えるほど深く愛してしまったが故に起きた悲劇といった感じです。 どう考えてもピュアな恋愛とは程遠いはずなのですが、下手な恋愛小説よりよほど真剣さというか、鬼気迫るほどの純粋さを感じました。 雛子が大久保に恋をした時に、布美子が肉体ではなく精神での繋がりを求めるなんて汚いといった表現をしたのが印象的でした。 布美子に感情移入しすぎて大久保を撃ち殺すシーンで自分までスッキリしてしまいました(^_^;)

    3
    投稿日: 2023.01.26
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    大久保勝也 どんな男 ベンさんと重なる そんな誠実な男ではなさそうだ これは恋なのか 恋とは別次元の、別世界の、 話。

    0
    投稿日: 2022.05.24
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    再読です。 著者が配偶者を亡くし、それを綴ったエッセイが話題になっていたころから著者のことがなんとなく心配で、でも、そんな辛いエッセイを読む気にはなれず、本棚に合った直木賞作品を再読することで折り合いをつけました。意味ないけどね。 著者のことを初めて知ったのはまさにこの小説で、当時はかなりインパクトがありました。 その後も著者の本は何冊か読みましたが、本書を超えるものはありません。 再読でも、軽井沢の風景描写が美しければ美しいほど不穏な気持ちに拍車がかかってゆくという読者の誘導は絶妙だと感じたし、70年代の学生闘争の象徴である浅間山荘事件の終結が奇しくも主人公の官能的な世界の終焉と同時にやってくるというウマさにも唸りました。 そしてなにより、思春期の少女のような主人公の無垢な心が、退廃的な夫婦に惹かれ囚われていく様は圧巻です。 だからこそこの崩壊の結末も哀しくはあるけれど納得感もありました。 そんな中、マルメロの樹が最後に残してくれたメッセージには胸が熱くなりました。 余韻が残る作品。 藤田宜永さん、ご冥福をお祈りいたします。

    0
    投稿日: 2022.01.27
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    一言で言うならは、すさまじい本です。 これほど力のある作品と出会えることは、一生のうちにそうたくさんはないだろうと思うほどです。 作品に描かれることになるテーマもさることながら、最初から最後まで、ことごとく予想を裏切る展開が続き、特に後半は息をするのを忘れそうになります。 情景・心理描写の生々しさも、自分がその世界に飲み込まれたような感覚になります。 最初にどんな事件であったか、表面的な事実は語られている、いわゆる「サスペンス」でありながら、これほど最後の最後まで真相が分からず先へ進まずにいられない作品には出会ったことがありません。 直木賞受賞という事実が霞んで見えるほどのとてつもない傑作です。

    1
    投稿日: 2022.01.27
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    設定が古めなので想像しにくいのが難点。 憧れの夫婦に自分も関わりを持っていたい、そう思うこともありそう。だが、関わりの程度というものがあるんじゃないか。他人との距離のとりかたは難しいやね。

    1
    投稿日: 2020.09.30
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    直木賞受賞作。 連合赤軍が浅間山荘事件を起こした1972年、大学生の布美子は、助教授の信太郎と妻の雛子との優雅で奔放な魅力に心を奪われていた。 軽井沢を舞台に繰り広げられる愛憎劇。 なるほど、これが「恋」であり、タイトルの表すものなのかと、唸らされた。

    0
    投稿日: 2019.11.16
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    直木賞だけあって文章力はあってそれなりに面白い。けど、どうしても退廃的な世界観、とってつけたようなノンフィクション作家への告白とラストの片瀬夫妻のシーンは共感できなかった。

    1
    投稿日: 2019.10.02
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    私はもう片瀬夫妻に憧れたりはしないけど、ふうちゃんが夫妻を自己同一化してしまう気持ちはわかるなあ‥。 それが破滅を迎えるとしたら、やはり誰かを殺さなくてはならず、殺すとしたら大久保なのだろう。 最後の「支えてくれた」「思い出を山のようにくれた」(だっけ?)という一文に、うるっとくる。 山田詠美が大久保を「いい!」と言ってたけど、私は無理だなあ‥。 とまれ、京極夏彦の言う母系集団であれば、異母きょうだいはきょうだいには非ず、さればこんな悲劇は起こらなかったのであーる。

    0
    投稿日: 2019.10.01
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    内容 連合赤軍が浅間山荘事件を起こし、日本国中を震撼させた1972年冬。当時学生だった矢野布美子は、大学助教授の片瀬信太郎と妻の雛子の優雅で奔放な魅力に心奪われ、彼ら二人との倒錯した恋にのめりこんでいた。だが幸福な三角関係も崩壊する時が訪れ、嫉妬と激情の果てに恐るべき事件が!?香りたつ官能、美しき異端、乾いた虚無感。比類なき美と官能に彩られた小池文学の最高峰!ジャンルを越えて絶賛された直木賞受賞作。

    0
    投稿日: 2019.07.09
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    『恋」というタイトル。 奔放な雛子と 先生の翻訳を手伝うふうこ。 ある日三人の前に現れる 大久保。 「虚無」というフレーズが所々で使われる ふうちゃんは 3人でいるという関係に気持ちが満たされていたのに それが崩されてしまう 先生も それまでの雛子のボーイフレンドとの逢瀬を認めていたのだが、大久保の出現の時は 違った。 体の関係だけより罪が重いと… 雛子はどうやって立ち直れたのかな 『冬場の伽藍」も軽井沢が舞台。

    0
    投稿日: 2017.07.05
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    久しぶりの再読。 とても好きな本で、何度も読んでいます。 まるで、軽井沢にいるかのように感じられる。 ふうちゃんにも、ひなこにも 会ったことがあるような気がする。 読み終わると、随分年をとった気がする。 不思議な本だ・・・。

    0
    投稿日: 2017.02.07
  • わかる!主人公の気持ち

    小池真理子氏の小説は2冊目。最初はミステリー。さてこの本は? おもしろい! 気持ちがわかる!こういうことってなさそうだけど、あるかもしれないって感じます。 ネタバレになるから、あまり詳しく書けませんが。 途中から謎の中身が見え始めて、ああやっぱり・・・と同感しました。布美子の死の間際に語られる秘密。ピュアな性格ゆえ恋してしまう。それは報われることのない恋、やがて悲劇が。そして切なく哀しい最期。小説最後のほうはもう涙・・・。 ここのところのチョイスは「アタリ」小説ばかりで、なんだかとても幸せな気分です!

    2
    投稿日: 2016.02.16
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    この本を開いて読み出したら、世界観にのめり込みすぎて、手を止めてもなかなか現実世界に戻ってくることが出来なかった。 設定、ストーリーの細部、登場人物のひとりひとりまで愛しく感じられ、私自身この作品に『恋』をしたと言って良いくらい気に入ってしまった。 このタイトル以上に相応しいタイトルは無い作品でしょう。 今年読んだ100冊以上の本のベスト5には間違いなく入る、私のお気に入り作品となりました。 好みは別れるでしょうが、一個人としては素晴らしいの一言に尽きるかと思います。

    1
    投稿日: 2016.01.10
  • ぐいぐいと・・・・・

    だんだんと狂気にとりつかれていく主人公が切なくて怖いです。これしか道はなかったのか・・・・・・。

    0
    投稿日: 2015.04.01
  • 物悲しさと深い感動

    殺人を犯し、まだ若くして死の淵に立った主人公が語る、一生に一度の恋の物語。屈折しているようでピュアすぎたからこそ、異形な恋に悩み、惹かれたんだと思います。 犯罪後、主人公が抱え続けた絶望的な孤独を理解する程、ラストの真実に感動すると共に、深い悲しさを感じる作品です。

    2
    投稿日: 2015.02.05
  • ふと思い出すと、何度でも読み返したくなります。そして、読むと必ず「軽井沢」に行きたくなります。ラストも、美しく、物悲しく、果実の様な甘い匂いを感じます。いつまでも忘れられず、心に深く残る作品だと思います。

    0
    投稿日: 2014.03.21
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    なんとも言えないどろどろした世界。 いろんな夫婦の形、そしていろんな恋の形があるものだと思いました。 現実、自分には決して起きないけれど、小説としては引き込まれて一気に読み上げました。

    0
    投稿日: 2014.01.01
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    何でこの本を読み始めたんだっけ?ときっかけをずっと忘れていたが、今度ドラマをやるからだった。 到底理解できない話。だけどドラマ化したものは見てみたい。 雛子のイメージは完全に真木よう子だった。 彼らの気持ちを知らないまま亡くなってしまったのは、ちょっと悲しかったかな。

    0
    投稿日: 2013.11.25
  • 小池真理子さんだったら、まずこの本から

    今まで2度ほど読んでいました。今秋ドラマ化するということで、また読みたくなり検索したところ、電子化されていて即購入。3度目ですが一気に読んでしまいました。小池真理子さんを読むのならまずこの本からお勧めです。

    1
    投稿日: 2013.09.27
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    恋に恋する女か。 片瀬夫妻に理想を追い求めるが為に起こした殺人か? 自分が思い描い理想の愛に囲まれた至福から一気に奈落にくの底へ落とされたが故の犯行であったはずではあったが…。 彼女自身は本当はかやの外だったのかもしれない。 理想だからこそ相手の一挙手一投足を逃すことなく見続けていた女性の物語なのだろうな。

    0
    投稿日: 2013.08.28
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    世の中が浅間山荘事件一色の時代で、異端な恋をした4人の話 異常なほど仲が良い夫婦だが、互いに夫婦以外の相手と性的な関係を許している。広い世の中探せば、こんな夫婦結構意外といるかもしれないと思いつつ、実は兄妹でしたなんてパターンは異端すぎてないでしょうと思う。そんな二人に巻き込まれた女子大学生が最終的に夫婦の妻が本当に恋した男を射殺してしまうのだが・・・。異端な恋を神聖視までしてしまった女子大生。自分が彼女の立場だったら、果たしてどうしたか。女子大生の孤独感・虚無感が良く伝わってきた。 人を殺すのに理由は要らないという。そこに銃があったから引き金を引いた。その結果、人が死んだ。ただそれだけだという。人を殺す瞬間が本当にそんなに淡白なものなのだろうか。よく分かりません。

    2
    投稿日: 2013.04.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    連合赤軍が世を震撼させていた同じ時期、大学生の布美子は大学教授片瀬信太郎の翻訳の仕事を手伝うことになり定期的に彼の自宅に通ううちに片瀬夫妻を深く知ることになる。 彼の妻雛子は他の男と浮気(これは便宜的表現。)をしており、それを信太郎は咎めていなかった。 雛子も信太郎の浮気(同様)を咎め立てもしない。それで2人の関係はうまくいっていた。 布美子は片瀬夫婦に徐々に惹かれて行き、やがて信太郎とも雛子とも肉体の関係に至るが、この奇妙な男女の三角関係がもたらす至福の時はずっと長く続くかと思われた。 1972年、折しもあさま山荘落城の日、軽井沢の片瀬の別荘で、布美子は猟銃で若い青年を撃ち殺し、居合わせたもう一人に重症を負わせる。 彼女は14年の刑期を模範囚として10年で終え、社会の片隅で目立たぬよう暮らしながら95年、ガンのために45歳で早逝した。 この事件に関心を持ったノンフィクション作家鳥飼は、真相をまとめて上梓すべく、ようやく所在を突き止めた布美子に話を聞きたいと持ちかけるものの閉ざされた心を開くのは容易ではなかったが、不治の病を得て死を前にした心境の変化から、彼女は事件の真相を鳥飼に伝えた。 しかし長く匿されていた真相の重大さにおののいた鳥飼は、布美子に、その秘密は決して誰にも漏らさず、本にもせず、自分が背負ってゆくと答えた。 以上がこの物語の短い序章のあらすじだ。 このあと長大な本章が続き、短い後日譚である終章に挟まれている。 長大な本章は、死の床で布美子が鳥飼に語った内容である。 件(くだん)の「秘密」が物語を牽引するのではない。というより、たいていの読者はたぶんその「秘密」を誤解するのだろう。僕もそうだったが、これは作家による意図的なミスリードだと思う。奇妙な男女の三角関係そのものが十分に秘匿されなければならない。だからだ、少しずつ小出しにされる、猟銃発砲という劇的クライマックスがいつどういう経緯で展開されるのか、というミステリーの方に焦らされながら惹きつけられるのではないか。 そして、そこに至る事情として、妖しげな男女の愛憎劇は時に官能的な筆致も含んで展開される。 そのような仕掛けに満ちた物語であるので、読書の手が止まるということがなく、2晩で読み終えた。 文章が平易で明解で、ことさらに飾り立てたり奇を衒ったりすることころがなく、むしろ通俗的で既視感もところどころに感ずるくらいだから読みやすいということもその理由だ。 (僕はこの作家の本を読んだのは初めてだったが、人間的にも真摯で誠実な人ではないか、などと思いながら好感をもって読み進んだ。) 最後まで読み終えて思うに、なかなか良くできている。 これだけ長い(文庫約450p)と、どこかつじつまの合わない部分や不自然なご都合主義が顔をのぞかせてもおかしくないが、およそ感ずることはなかった(後述する一点を除いて)。 むしろ、すべての前振りや伏線、配置した小道具は、最後にキレイに整理・回収されるのだ。 中盤に登場する何気ないマルメロの木のエピソードなど、読み手の方ではすっかり忘れているのに、きちんと始末がついて、しかも少し感動的でさえあるのだから見事だ。 ただ、問題はある。 重箱の隅までもほじくってクリアにしてしまう、あまりに見事な整合性と説明ぶりに、読後に浸る余韻がないのだ。本を閉じてしまった時点でこの本から広がっていた世界も閉じてしまうのが残念だ。 タイトルは陳腐な「恋」であるが、確かにここではエキセントリックであるがゆえに純度の高い「恋」が描かれている。読者がしばし反芻しながらこの「恋」に思いを巡らす余韻が欲しいのだが、あれこれ全部説明されてしまってはもう本を措くしかないではないか。 この点については、文庫本解説の阿刀田高も同じようなことを指摘している。我が意を得たりだ。 もう一点、阿刀田は指摘をしている。 決して明かさないと約束した秘密の物語を、結局、この本という形で明かしているのがおかしいから、文庫化に当っては辻褄が合うように布美子の言葉を書き足して欲しい、と書いている。 しかし、作者はそうはしなかった。その理由を作者は「文庫版あとがきに代えて」で書いているが、まあ、そんなところで良いのではないかと思う。 そこを問題とするなら、そもそも、この緻密に設計された小説の唯一かつ致命的な欠点は、「秘密」が布美子の口から「語られてしまった」というところにあるのであって、あとはどう繕おうとも本質的な解決にはならないのだ。 冥途まで抱えてゆくべき「秘密」を彼女をして語らせたという構成にいわば躓きがある。 彼女の死後、鳥飼が取材と推理で構成する物語にすればそこもきれいにクリアできたろう。 しかし、もしそのように書いたとしたら、本作のような身悶えする官能の悦楽も責め苦や葛藤も味気ないものになっていたと思えるのが悩ましいところだ。 ----------1995年第114回直木賞受賞作

    2
    投稿日: 2013.03.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    女子大生とある夫婦との3人の関係を描いた物語。活動家の男子学生と付き合っていた中で出会った、不思議な夫婦。とても仲はよいけれど、お互いにお付き合いをする彼女や彼氏がいるという夫婦。 よく言う三角関係とは異なり、三人で過ごす時を重ねる中で、三人がひとつとなり、結びつきが布美子の心を揺さぶり、悲劇へとつながっていく。 最後の最後に、夫婦の現在の姿が描かれていることで、今もまだ布美子の思いは息づいているんだと分かり、胸がいっぱいになった。読んで決して汚らわしい感じやいやらしい感じが一切そぎ落とされて、美しい「恋」の姿を見た気がした。

    1
    投稿日: 2013.02.25
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    学生闘争に邁進する活動家との不毛な関係に疲れた布美子の前に現れた美しいカップル、信太郎と雛子。彼らを神のように崇める布美子の愛によって、2人はより完璧に近づくように見えた。ある男が現れて3人の関係を破壊するまでは・・・。あさま山荘事件の裏側で、ひとつの時代の終焉を示すように、殺人で終わったある個人的な物語。 作家がこの物語をなみなみならぬ思い入れをもって書いたことはよくわかる。だが、このカップルの異常な完璧さを形成していた核心の「秘密」には、ほんとうにこれだけの重さが与えられるべきだったのだろうか?それこそ、この禁忌を過度に神聖化することになりはしないか。また、殺人にいたる布美子の心理は実に説得的に描かれているとはいえ、人ひとりを死に至らしめた当時の未熟な他者依存を自己批判的にみつめなおす言葉が、晩年の布美子の口からついに語られることがないのも、私には気になった。ライターである語り手をおきながら、「あの時代」とともに生きるのをやめてしまった主人公を外側から見る視点がないのは、やはりこの作品の大きな欠点であるように思える。

    1
    投稿日: 2013.01.04
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    頭の中で映像が飛び切り美しく描けた本。普通の三角関係を想像して読むと大きく裏切られる。最後まで一気に読まされ、直後に幸せだった時の三人の姿を思い出させられ、涙。余韻が凄い。

    0
    投稿日: 2011.03.31
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    小池さんの文章には、なんともいえない官能性があると思う。 体温が上がるような、胸が苦しくなるような感じ。 また読み返したくなる常習性というか、麻薬性。 それを官能性というのかもしれません。 この本を読んで、大好きな作家さんになりました。

    0
    投稿日: 2011.03.22
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    大学教授とその妻、そして彼のもとでアルバイトする女生徒の不思議な三角関係。それが崩れそうになった時、教授夫婦の軽井沢の別荘で彼女は猟銃で撃ってしまった。 (再読) 良かった。なかなか良かった。最後の手紙を読むと泣けてしまった。ミステリーだけど恋愛小説とも言っていいかも。

    0
    投稿日: 2010.08.15
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    一気読み。 一つの事件を起こすべく みんなが動いていったようで 運命ってこういうものなのかなと 思った。

    0
    投稿日: 2009.12.17
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    文章が好き。構成もすばらしかった。でも自分には理解できない男女の関係がミステリーのこたえであったことが残念。導入部からのひきこみはすばらしく、没頭できる一冊。最後ちょっと語りすぎた感がありました。もっと謎のままでもすてきな本だったと思う。

    0
    投稿日: 2009.07.05
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    相応しくないが、旅先のバリ島のホテルのプールサイドで貪るように読んだ。 時折、かかった水しぶきにより本そのものがくたびれ、 より色褪せたものになった。 過剰なまでの執着と崇拝により、殺めてしまった主人公。 その一途さに涙が止まらなかった。

    0
    投稿日: 2009.03.28
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    初めて終わらないでと念じながら読んでいた本。 懐かしい。数年ぶりに読むとあのときの興奮は 色褪せてしまったが、今でも好きな作品だった。

    0
    投稿日: 2008.12.26
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    浅間山荘事件が起こったその時、もう一つ事件があった。 そんな時代故に事件がおこったのか、 それとも嫉妬という感情をもつヒト故にその事件が起こったのか。 まだまだ暑さ厳しい9月、汗をかきながら 汗臭さを消臭してくれるようなこちら……

    0
    投稿日: 2008.09.06
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    多読してないのですが、小池真理子ぽいな〜と。 この人の巧さはごく個人的な、他人には理解されづらい感情を 淡々と描いていくところ。 布美子・片瀬・雛子。 この3人だけで構成された濃密な人間関係。 読まされた、というカンジ。 浅間山荘事件と絡めてあるのだけど、世間を揺るがした大事件の陰に ひっそりとある、当事者だけの大事件、ってとこがよかった。

    0
    投稿日: 2008.04.12
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    ☆4.5くらい。 最近恋愛の相手に独占欲をあまり感じてないから、前半の夫妻のような奔放な関係はちょっとうらやましく、こうありたいとも思った(ちょっとやりすぎな面はあるけど・・・) でも後半の夫人が恋愛をしてるとこを見ると、本気の恋をしたらその人のことしか考えられなくなっちゃうんだろうな・・・とも思った。私は最近彼氏より仕事とか研究とか友達とかを大事にしたいし、別に相手のこと独占したくないと思ってるけど、それは本気の恋じゃないからかなあ。高校のときは確かに相手のことばかり考えてた気もするし。 ただ最後の秘密はちょっと・・・・ありきたりすぎる気がした。 2006.4.11

    0
    投稿日: 2006.05.16
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    浅間山荘事件を背景にした話。長編だけど、一気に読んでしまった。ミステリーや心理サスペンスといったら著者のものがおすすめ。

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    投稿日: 2005.11.10
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    大学の助教授と若くかわいらしい妻、そして女子大生の、幸せに満ちた三角関係。しかしそんな蜜月も、一人の男の登場で、悲劇的に破滅してゆく。

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    投稿日: 2005.10.31
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    小池真理子さんの「恋」です。 大好きな本の一つです。 まずは表紙が好き。(ハードカバーです><) 次に幻想的な内容が好き。 私も多分、「恋」の主人公(というべきなんだろうか・・) と同じように、あの世界にどっぷりはまってしまったのかも・・。 まずはノンフィクション作家が浅間山荘事件について 調べることから始めます。 その浅間山荘事件の見出しが大きな中でこっそりと書かれていた 事件・・。 彼はその事件について追いたくなり、調べようとして、事件の犯人 のところに話を聞きに頼みに行きます。 事件は「一人の女性がある夫婦の前で一人の男性を殺した」 ところから始まります。 どうしてこのような事件を思いつくんだろう・・?っと思いました。 ・・・・でも、もしかしたら小説の世界では当たり前にある話なの かも・・・っと最近では少し思い出しています。 でも、当時は本当に「ええ!?」っと思ってしまったのです。 (だって20歳だったのだもの〜〜><) 今、文庫本でも出ています^^ よかったらお買いになって読んでみませんか?

    0
    投稿日: 2005.10.19