
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
良かった。ほぼ政治劇でしたね とりあえずスカッシュやりてえわ 「華竜の宮」は映像で見たいですねえ 宇宙も怖いけど地球もふつうにこえーわ。なんで過ごせてるんだ俺たち
0投稿日: 2024.11.18
powered by ブクログ後半にかけて読むのが止まらない。世界観が好みなのもあってか本当に面白かった。ドキドキしながら読み進めた。読後感がとても良い。また日を置いて最初からじっくり読み直したい。
0投稿日: 2024.11.13
powered by ブクログ下巻は一気に読んだ。面白くなると、読むスピードがどうしても速くなってしまう。だから文庫版を選択して電車で読む作戦にしたのだが、目的の駅を何度通り過ぎたか。 今年(2024年)に入って直ぐに北陸で大地震が起きた。しかし復興支援は不十分。オリンピック誘致で国の金を湯水のように使ってIOCに賄賂を渡し続けた奴が知事をしているのだから、進むものも進まない。国もただ金を出すだけで、どの様に有効に使うべきかが判らないため非効率的な支援しかできない。とどのつまりが、GO TO トラベルまがいの旅行支援をまたも行おうとしている。これじゃあ、復興なんて夢のまた夢。そのくせ、バラマキキシダこと増税メガネはウクライナにまた兆レベルのお金をバラ撒こうとしている。こいつは日本国を潰す気か?早く総選挙をやってくれ!海外でも、ロシア・イスラエルの侵略は止まらず、紅海では海賊が勢いを増し、アメリカでの「もしトラ」で世界的に恐怖が高まっている。そうそう、志賀原発が無事でよかった、珠洲市に原発を建設しなくて本当に良かった。 こんな世界の悪政が世界の人々を恐怖に陥れている状況はデフォルトと思わなければならない。人間は悪政の中で生き抜いていく運命にある。平和な社会なんてありえない、なぜなら人間から私利私欲を取り除くことは殆ど無理だから。本作品の主人公の様なタイプの人間はほんの少し存在しているから現実味を帯びている。人間から私利私欲がなくなったら、精神的エントロピーは増大し続け、人間社会は滅亡するだろう。 エピローグでは予想通りの結末となったが、避難民全員を救出することなんて無理、これまで唯一上手くいったのは小松左京の日本沈没の日本人難民くらいだろう。いくら万全の準備をしたとしても、ある程度の犠牲はしょうがない。だが、生き残った人には未来に向けて頑張って欲しい。人間であるがゆえに間違いを繰り返すだろう。地球上で生きていかなければならないので大小の紛争は避けられないかもしれない。でも、人間には知恵がある。知恵だけが人間を救う。人間が人間であることを捨てても生きたい。全ては生きるために何をするか?に尽きる。この様な観点で人生を見直すと新しい発見が突如出現するかもしれない。しないかもしれない。さあ、どっちだ? 上田早夕里さん、純文学方面に向かっていますね。それが彼女の現在の選択。いつか、オーシャンクロニクルの世界に再び戻ってきて欲しい。
10投稿日: 2024.02.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
感想 人間が作り出した装置に苦しみ、それと戦い、殺し合いながら、しかし何とか生きていく。 最後の一文、彼らは全力で生きた。それで十分じゃないか。これにこの本の全てが入っているように思えた。 あらすじ 青澄はツキソメを調べていくうちに、獣舟が人間の形に変異していることを知る。日本の上位組織のプロテウスは青澄に世界滅亡の情報を知らせ、ツキソメこそが人類の生き残りに必要な情報を持っている可能性があるという。 プロテウスと青澄どちらが早くツキソメにアクセスし、データを確保出来るのか? 結果的に終末世界が訪れ、ツキソメのデータが役立ったかどうかは不明。
6投稿日: 2024.02.04
powered by ブクログこれは、おもしろかった。 ラストシーンがいいですね。壮大で我々人間って本当にちっちゃな存在だな。と痛感します。 読み終わってみると「地球」という惑星の物語だったのか。人間がどう生き残り、どうすればいいのかなんてエゴは地球には関係ない。 ただ、生き物は生きるために動き、喰らう。 なんか清々しい気持ちになった物語でした。
0投稿日: 2023.12.26
powered by ブクログ黙示録的な展開であるにも関わらず、鬱展開にならないのは青澄を始めとする最善を尽くそうとする人々の奮闘と希望に満ちているからだろう。 原作版「ナウシカ」のようなニヒリズムが無いところも読後感が良い理由なのかも知れない。
2投稿日: 2023.07.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「何としても生き延びねば」からのタイフォン爆死が1番衝撃でした。結構好きなキャラだったのに。。 続編がある事を知らなかったのでこれは読まねばと思いましたが、どう考えても滅亡に向かう世界の話なんて暗重いに決まってるw 宇宙に飛び出したAIたちのその後も知りたいけど出てくるかな。 魚舟、獣舟、獣舟変異体、人間など世界観と設定がすごく面白い。前半が設定・世界観を緻密に描いていたので後半が結構かけ足だったかなーと思うけど、面白い作品でした。
0投稿日: 2023.03.07
powered by ブクログ「オーシャンクロニクル」シリーズ、初の長編! 華流の宮です。上下巻まとめてのレビュー。 前にも書きましたが、舞台は25世紀の地球。 未来少年コナンみたいな、ウォーターワールドみたいな感じです。 が、読んでみると、これはプロットがガッチリ出来てる。 良くある「温暖化の影響により極地の氷が溶けて」なんてヌルいものじゃありません。 地殻変動により海溝が隆起。海面が260mも上昇した後の世界から物語スタートです!(リ・クリスティシャス) そして50年後、地球深部からのアレで「プルームの冬」が訪れる。 これに人類はどう準備、対応するのか?って話です。 物語は、青澄の人工知性体「マキ」による”三人称”で語られていきます。人工知性体なので当然、意識も感情も共有されているので、違和感が全く無い。 これは上手いと思います。 もちろんSFで、ファンタジー的な要素が多いんですが、少し”池井戸潤”の要素が入ってる。権力争い、共闘、裏切り、利益を貪りあうせめぎ合い。 「獣たちの海」と「魚舟・獣船」を読んでココにたどり着いたんですが、読み応えありますが、この手の物語は先が知りたくて先に先に。いつもより早いペースで読み終わりました。 私的には、ツキソメ、ジェイドのタイフォン、月牙(ユェアー)に会って見たいです。 ちょっと期間を置き、反芻してから続編に挑みます。
3投稿日: 2023.02.25
powered by ブクログ人間と人間じゃないものの境界線とは何か ここは、圧倒的な世界が広がる、地球と人類の未来。 それは、いまあるものがない世界。 でも、確かに現在の環境破壊からシミュレーションした未来の地球の姿……。 遺伝子操作による生物科学的人類の変容 人工知能補助による機械工学的人類の変容 そんな世界を舞台に、ひとりの辺境の外交官が、陸上民と海上民の対立、不思議な海上民の“オサ”をめぐる各国の思惑の狭間で、自己の意思を貫こうとする。 ちょっとした地球の動きであっという間に死滅していく生き物のはかなさ。 他の生物が環境変化に対して自然に淘汰や変化していく中、人間だけが自らの力でもがき足掻く……。 そこが功罪合わせて「人間らしさ」なのかも。 お話は、「お仕事小説」箇所の下りや突然のアクションシーンなど、SFであることを忘れそうになる。 また、たくさんの登場人物のなかには、もう少し掘り下げてほしかったようなキャラクターもあったりして、読後も少し心残りがある。 関連する物語が他にも出版されているよう、ちょっとそそられる。
1投稿日: 2022.10.12
powered by ブクログSF的な世界観の記述もそうですがそこに暮らす人々の描写と、政治的な様相も非常に丁寧で世界に入りやすい。個人用には、終盤急ぎ過ぎてる感じがしましたが、それは周辺作品で補完されるんですかね。
0投稿日: 2022.06.26
powered by ブクログ人類を含む全ての生物が絶滅する程の危機を前に、人類は何ができるのか。 それでも、自分たちが生き残る為に他は犠牲にするという政治闘争や連合間権力闘争に明け暮れる政府に対して、青澄やツェン・タイフォン上尉の姿勢が心に残りました。上尉と月牙の最期悲しかった。 避けられない絶滅に、人間であることを捨ててルーシィとなって魚のようになる人もいる。それでも生き延びられないかもしれない。 マキのコピーを含む人工知性体は宇宙へ。彼らは地球で生物が生き延びたかを知ることはないだろうけど、「彼らは全力出生きた。それで充分じゃないか。」という言葉はこの物語の締めくくりに相応しい救いでした。 プルームテクトニクス理論、検索してみたけどよく理解できなかったので、わたしのプルームテクトニクスは「華竜の宮」の描写でインプットされています。 海上民と陸上民や、政治的な駆け引きの人間ドラマと、どこまでも広がる海と唄う魚舟、何もかもを貪る獣舟が迫ってきて、再読でも圧倒される世界でした。 「深紅の碑文」も読みます。
3投稿日: 2021.06.29
powered by ブクログ主人公の青澄さんの熱い志に心動かされる作品です。こんな外交官がいたらいいのになと思います。 また、とても印象に残っているのは、国家間を跨いだ組織であるNODEが、あらゆる国家に政治的に深く干渉し、支配していると言っても過言ではないような行動をしていたこと。この組織は、世界中のエリートが結集して成立したものということでしたが、実社会でも、GAFAが将来的にこうならないとも限らず、読んでいてなんだか薄ら寒い感じがしました。 発表された当時は震災のことを配慮し、刊行にあたって注意されていたこともあったそうですが、今はこの作品のワクチンのことがより注目されそうです。少し前の作品ですが、次にどうなるのかというドキドキ感と、社会問題に対する様々な示唆を得られる作品でした。
0投稿日: 2021.01.15
powered by ブクログ日本沈没のようになかなか世界規模のすごい話になってきた。そういう時の人類の選択は。 話が壮大でAIや海の人と地の人や魚船やワクチンなどよく作り込まれているのに、SFというよりはファンタジーな感じ。もっと社会の仕組みとか概念の説明とかギッシリしたものが欲しかった。 情報を集めて光る小石を追いかけるところの話は抽象的で良かった。
0投稿日: 2020.05.25
powered by ブクログ何百メートルという海面上昇が起こった地球が舞台の、壮大なSF。SFといえば宇宙のイメージも強いが、これは地球にしがみつくことを選ぶしかなかった物語。大異変が起ころうが人間はやっぱり内輪の権力争いに明け暮れており、そのことに組織の内部から抵抗しようとする外交官の奮闘ぶりが描かれている。体を改造した「海上民」や進化したテクノロジーなど色んな要素があり、引っ張られるように読めた。ラストで人工知性体がこう呟く、「彼らは全力で生きた。それで充分じゃないか」。結果に関わらず納得できるまで行動することが大事だ、と読み替えると「生きること」に限らないもっと身近な行動規範としてのメッセージだと読める。
2投稿日: 2020.04.24
powered by ブクログこれぞSFという壮大な世界観を堪能できる 特に魚舟と獣船とかは、安直な合理的すぎるモデルではなくよく考えられたなんとなくありそうな生き物と感じられ魅力的だった また、マキという人口知性を語りにすることで青澄の内面がより際立って臨場感があったと思う あえてちょっと残念なのとこをあげれば、物語として視点がぶれることと、もっと壮大な光景を見られたんじゃないかという期待がちょっと肩透かしになっていたこと 視点が急に切り替わるけど、主人公以外の登場人物はちょっと印象が薄くて、マキに統一したらラストはもっと印象深くなったんじゃないかなと思う いずれにせよ今までにない読書体験ができた
0投稿日: 2019.10.22
powered by ブクログSFならではの話の壮大さに、肚の座った登場人物の仕事への意気込みを感じる掛け合い、多くのプレイヤーを動かしながら全体の調和を取る構成力、全てのレベルが高いと感じた1冊です。 ただでさえヤバくなってる地球が更にヤバくなる!(語彙力ゼロ)という状況となった下巻における序盤のハイライトは、理不尽だったり絶体絶命だったり、とにかく酷い状況に立ち向かおうとする人の気高さだったと思います。 登場する3者がそれぞれ3様の行動を取るものの、その行動はどこまでも自分のためではなく、所属するグループであったり、それ以上に人類全体であったりを想うがための行動。 限界の状況における職業倫理、あくまで誇り高くあろうとする意思。相手を思いやろうとする心。熱くて泣ける良い展開でした。 (ただ、「厳しめ」のストーリー展開は、あぁラノベじゃなくてSFだったなぁと痛感しました。どこまでもロマンチックではあるのですが) SFであるからこそできる思考実験だなぁと感じたのは、「人間に似た何か(遺伝子操作の果て)」と「異形の人間(知性ある生命体)」、どう区別をつけてどう順位をつける?ということ。 AIがより洗練を極めつつある社会において、実際の課題になることもあるんじゃないか。個人的にはSFは尖った未来予測だと思っているので、良い課題提起を貰ったなぁという印象です。 しかし、自分が海上民をデザインするんだったら、ネットワーク通信機能は絶対につけるなぁ。
4投稿日: 2019.09.26
powered by ブクログ読み始めたら終わりまでやめどきが見つけられない それくらい続きが気になるストーリーでした 海洋生活のリアリティが溢れています アニメでガルガンティアみたいのがありましたが、あれが好きだった人は絶対に気にいると思います
0投稿日: 2019.08.18
powered by ブクログものすごく壮大な物語だった。壮大すぎて、読むのに2週間もかかってしまった! そして、まさかの二段組み!
0投稿日: 2019.05.07
powered by ブクログホントに面白いSF小説だった。これほど重厚で考えさせられるSFエンターテイメント大作を読ませてもらったのは久しぶり。 人類があと数十年で滅亡するかもしれないという状況で人々はどうやって生きるのか? そんな究極の状態でも各国陣営は自分たちの利益をいかに守るか、そして自分たちがいかに生き延びるかということに汲々とする。 このお互いの腹の探り合いや政治的駆け引きの描写は行き詰まるものがある。 本書では日本はアメリカを中心とした国家連合ネジェスの中に含まれているが、いざという時にネジェスが本当に日本を救ってくれるかは分からないという状況。これは現在の日本の状況を皮肉的に描いているのだろう。 主人公である日本の青澄外交官のひたすら普通に人々を救うのだという生き方は共感できるし、他の官僚の「もう自分は十分に生きたから何もしないで死を迎える。その方が楽だ」という考え方もやむを得ないだろう。 ただ、青澄外交官に家族がいた場合はどうだろうか、ここまで自分を捨てて人に尽くすことができるだろうか。子供や孫に普通の生活をさせたい・・・普通の生活がダメなら、せめて生きながらえさせてやりたいと思うのが人間だろう。 ただ、それが人間の外観を失ってまでそうしたいかって考えると、う~ん、難しい。 地球環境が激変し、全人類が滅びた場合に備え、人間の元となる生物的な種を深海に仕込んでおいて、将来、地球環境が好転し、何百年後、何千年後、何万年後かに、その生物が進化していき、もう一度人間になるのを期待するとか・・・もう、壮大過ぎて・・・うっとりとしてしまう(笑)。 本書では地球環境激変開始までの40年くらいが端折ってあるが、そこは続編『深紅の碑文』『リリエンタールの末裔』で楽しもう。 それにしても「L計画」って凄まじい。人間をそんな風にしてしまうなんてね。 続編では青澄外交官やツキソメは出てくるのかな。人工知性体のマキのその後も気になる。オーシャンクロニクル・シリーズ、さらに楽しませてもらおう。
2投稿日: 2019.04.26
powered by ブクログ再読。 つらい記述が多くて、もう少しこう、とか思うけれども、、 一生懸命生きたい思いを、揺り起こす力を感じるなあ。
0投稿日: 2018.12.15
powered by ブクログ数世紀後の未来,海面の上昇によって平野部の大半が水没した世界.水上都市の官吏,主人公青澄が担当した事件は,水没世界を分割支配する各勢力の思惑をよそにやがて人類の運命を左右する大変動へとつながっていく.危機を目の前にして「外交力」により運命を切り開こうとする主人公.遺伝子工学,情報工学の発展によるSF要素がちゃんとSFっぽく説明されている.ドゥーガル・ディクソンの著書「マン・アフター・マン」や,眉村卓氏の「司政官」シリーズも再読したくなります.
0投稿日: 2018.04.07
powered by ブクログ本書で登場する「魚舟」なるものをどこかで読んだ記憶がある。あとがきにて、井上雅彦監修 『異形コレクション・進化論』に『魚舟・獣舟』なる短編を発表し、これが本編へとつながっていると著者がコメントしている。なるほど、謎が解けました笑 読後の感想:主役の官僚とその上司、統治機構との間のやりとりが無駄にながいと感じた。
0投稿日: 2018.03.18
powered by ブクログヒーローではなく、一人間としてのお話なんだというのは上巻で分かっていたことではあるんだけど、事件が大きすぎるからか、ヒーロー的活躍をどうしても期待してしまいました。 意味深な登場人物たちも、それほど活躍の場はなく、その辺が少し不完全燃焼のような…。 それでも久しぶりにゆっくりと世界観に浸れる作品でした。 世界観を同じくしたシリーズがまだあるそうなので、そちらもチェックしたいところです。
0投稿日: 2017.12.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
スミマセンm(_ _)m なんか時間つぶし的な気持ちで読み始めましたが、なめてました。心から謝りたいです。素晴らしかったです。出逢いに感謝したいです。科学的な部分で理解が充分でなかったところも多々ありますが、人類の存亡をかけてのあらゆる駆け引きというか水面下での駆け引き。面白かった。私には無理だけど。最後の終わり方も良かったですし。「深紅の碑文」も読みます!
0投稿日: 2017.06.26
powered by ブクログ『交渉というのは価値観の異なる他者との対話だ。だから、ときにはまったく解決がつかない場合もある。どこまでいっても平行線にしか見えないことも……。 けれども、それに対して知恵を絞り、言葉を絞り、体力を絞って、両者が進むべき道を模索しなさい。その行為は、人間が最も知的である瞬間なんだよ。 たとえその場で、どれほど乱暴な、どれほど感情的な言葉が飛び交ったとしても、最後まで決してあきらめるな。間接的な効かせ方とはいえ、言葉は暴力を止められることもある。それを忘れてはいけない。』 人類滅亡が迫る中、言葉の力だけで平等で人々が安心できる社会を築こうとする青澄の行動原理に共感はできないけれども、共感できないからこそ物語が面白くなっているのですごく良かった。 人間の複雑な感情が織りなす物語をAIの視点で描いているところが秀逸。そのAIにこそ感情移入してしまう不思議な作品。 人類滅亡が始まるまでの40年間を描いた続編も読みたい! 久しぶりのSFだったけど、素敵な作品だったなぁ。
0投稿日: 2017.03.29第3章は これより地球の長い長い浪漫の始まり、これもまた想像したら壮大な物語りに!
下巻は、なぜかせきたてられる様に読み切りました。 その時の感想は、『あれっ?今までのは何だったの?この穏やかさは!』 生き残るために凄まじいエネルギーを使って、あらゆることに散々あがいてきたのに、 全人類の思いが全部ふっと消えてしまいました。 何の確証もないまま、宇宙をさ迷い続ける知性体と、澱んだ暗い深海に漂うルーシイたちのみ。 そこに人類という生命体の存在はなく、でもそこには『生きていた』という長い長い人類の浪漫が詰まっていたのです。
7投稿日: 2016.07.20
powered by ブクログ極限の状況下において、何をなそうとしたか、生き様ともいえるもの貴さが描かれた作品。物語中で何かが解決したわけでもなく、結末も決してハッピーエンドではないが、清々しい読後感にひたれた。
0投稿日: 2016.05.07
powered by ブクログアシスタントの扱いがいまいち。主人公に介入するタイミングが都合良すぎてな。どうせなら「出来ると思ったんで放っておきました(にっこり」ぐらい皮肉を言い合える関係で描いて欲しかった。 あとツキソメと青澄の関係がちょっと淡白すぎる。 お互いの過去や、勢力関係を描くのに手一杯で、今現在動いている人間同士のやり取りが少ないなあと感じた。 淡々と感じるのは青澄さんが冷静沈着なせいかな?綺麗な子だから口説いてしまえ!ぐらいのお茶目さがあれば華があったんだが。 こういう危機的状況が起こり、それに応じてどのようになるか、という仮説を見る視点ではおもしろい話だったかも。
0投稿日: 2016.03.20
powered by ブクログ壮大な設定の中で、個人的な視点から書かれている。それでいて、やはり世界の広さを感じさせる。読み終えるのに随分時間を掛けてしまったが、最後まで読みたい、という気持ちは無くならなかった。幕切れも、すべてを語り尽くさず、良い意味で読者が想いを馳せる余地を残している。面白かった。
0投稿日: 2016.02.06
powered by ブクログアシスタントの扱いがいまいち。主人公に介入するタイミングが都合良すぎてな。どうせなら「出来ると思ったんで放っておきました(にっこり」ぐらい皮肉を言い合える関係で描いて欲しかった。 あとツキソメと青澄の関係がちょっと淡白すぎる。 お互いの過去や、勢力関係を描くのに手一杯で、今現在動いている人間同士のやり取りが少ないなあと感じた。 淡々と感じるのは青澄さんが冷静沈着なせいかな?綺麗な子だから口説いてしまえ!ぐらいのお茶目さがあれば華があったんだが。 こういう危機的状況が起こり、それに応じてどのようになるか、という仮説を見る視点ではおもしろい話だったかも。
0投稿日: 2016.01.05
powered by ブクログヒトの遺伝子情報がどれだけの割合で残っていたらヒトと言えるのだろうか。見た目がまるで違ったら、それはもう別種の生物としか言えない気がする。この地球が再び息を吹き返した時、そこに住まうものは全く新しい生物だろう。
0投稿日: 2015.08.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
頭脳への介入とか サポートする知性体とか 進化(?)する生命とか 未来がこんなんだったら いやだなぁ… 海中生物になる人類はやりすぎ… こわい
0投稿日: 2015.05.05
powered by ブクログそうきたか、さすがSF!とわくわくした。 普段の日常生活で思い通りにならないことが多いせいか、ファンタジーやらSFやらで「スペシャルスキル(魔法とかSF的アイテム)」で問題 を解決することにあこがれを抱きがちだけれど、この話で書かれているのは、ほんとに地味な交渉ごと。けれども、大きな力での解決を「暴力」と し、粘り強く交渉を行う姿は尊い。うわーってなる。 アシスタント知性体ちょう萌える。 アンドロイド萌えの人におすすめする。
0投稿日: 2014.11.29
powered by ブクログ今回も腹の探り合い・ドロドロした自分たちだけ精神とかの駆け引きにへとへと。 よく分からない読後・・・。 何とか読み終わってよかった・・・。
0投稿日: 2014.09.10
powered by ブクログテンポよく、最後まで面白く読めた。 ラストの台詞はあとがきによると物議をかもしたように見受けられるが、それができる精一杯なのだと私は腑に落ちた。 ツキソメやタイフォンといった魅力的な人物をはじめ、設定も豊富に盛り込まれておりこれで何冊も書けるんじゃないか、というところを惜しみなく詰め込んでいて、でも個人の人生すべてには言及しないために、主役が全体(群像劇ということではない)であることが見えやすくなっているのかもしれない。ミドルネームもほとんど説明がないので、唐突に話題に出てくる感じがするが、あまり触れないのは他者との関係構築の形を限定しないためなのだろうか。 何にせよ久しぶりに面白い本を読んだ!関連作品もぜひ読みたい。
0投稿日: 2014.07.26
powered by ブクログいまを生きる世界から少しあと、もしくはかなりあとに起こりうるかもしれないテンペスト。異形の者たちが生き生きと(殺伐と)暮らす世界で、それでも外交官や海の生き物など現実世界の香りが残っているのがとてもいい。 練りこまれた物語に引き摺り込まれたらあっというまでした。
0投稿日: 2014.06.03
powered by ブクログこりゃすごい。びっくりです。SFをあんまり読まないのでよくわからないんですが、こんな本格的なSFを書ける女性作家って、いま他にいるんだろうか。 ショコラティエの話を書いてる人っていうイメージでした。 もう気を抜いたら置いて行かれそうなくらい、読むのにも集中力がいる。全部読むのにかなり時間がかかってしまった。 でも、ページを開けば一瞬で別世界に連れて行ってくれる牽引力はハンパないです。 専門的な科学的知識(たぶん)に基づいて描かれた近未来は、ぜんぜん見たことのない独特の世界。 「魚舟」とか「袋人」とか、よくこんなおかしなものを思いつくなあ、っていうのがまずひとつ。イマジネーションの力ってすごい、と純粋に感動しつつ作者の作り出す世界に浸れます。 環境が変わった自然界に生まれた奇妙な生命体たちが描かれるいっぽうで、それとは真逆の、人間の技術で生み出したコンピューターたちの世界も描かれます。 人間のサポートをするアシスタント知性体っていうのが登場するんですが、これがちょっとスタンドっぽい、ポケモンっぽい。かっこいい。ほしい。 でもって、全体としてはスケールの大きな地球規模の異変を描いてるのに、官僚同士の権力争いとか、理解のない上司の下で身動きとれないとか、些末で人間的な小競り合いの描き方もあるあるすぎて絶妙。 過去のトラウマを抱えつつ理想のために死にもの狂いで動く外交官の主人公・青澄や、海で生きる伝説の女性・ツキソメなどのキャラクターたちもそれぞれの立場でしっかり信念を持っていて魅力的です。 要するにどの角度から読んでも面白い、死角がない、すんごくよくできた物語なんです。 壮大な地球の物語、最後に残されたのはほんの小さな希望。 生き物はどんな形であれ、生まれたからには生き抜こうとする権利がある。 行きつくそのテーマに大きく頷いて、読了。
0投稿日: 2014.05.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
同じく、次作の深紅の碑文を読んで、文庫本かで再読。碑文の時にも思ったが、本作では碑文で詳しく語られる人類の主としての記録を伝えるべき建造された宇宙船や、ホットプルームに至るまでの人類の葛藤等はあっさりと語られるにすぎなかったことを再認識。ただし、碑文を読んでいるときには忘れてしまっていたことを思い出すことができ、両作品ともに続けて読めば更に、この世界観に浸ることができるだろう。碑文の際にも記載したが、ぜひ、同じ世界観で取りこぼしてるエピソードを含め、次回作を上梓願いたい。
0投稿日: 2014.05.05
powered by ブクログ新たな地球規模の危機。 皆、それぞれのいる場所で出来る役割を果たして行く。 外交官の青澄をメインに話は進むが、私が心惹かれたのはツェン・タイフォン。 体制の中にいて、高官である兄、海上民や部下を守り、海に生きる。 相棒であった人口知能のマキが、遠く離れた場所から言う最後の言葉が、すべてだと思う。 「彼らは全力で生きた。それで充分じゃないか」
0投稿日: 2014.05.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久々の読書で、すごい大作に出会ってしまった。 圧倒的に壮大な世界観。実現しない世界を、読者の頭の中に、こんなにも鮮やかに再現させられるなんて。想像力が掻立てられる文章につられて、どんどんページを捲ってしまう。 この世界を取り巻く環境やシステムが大きく変わっても、変わらない人間達、政治。 自分の信念を信じて、より良い世界の実現のために、時にぼろぼろになりながら、真摯に闘う主人公の生き方に胸が熱くなった。 「彼らは全力で生きた。それで充分じゃないか。」
0投稿日: 2014.02.23下巻、一気読み
上巻を読んだ限りでは、ラストはどうなるのだろうと思ったけれど、まさか、彼がそのように選ばれるとは!! 納得のラストでした。 下巻は展開が一気に加速。 読みごたえがある作品でした。
3投稿日: 2013.12.15
powered by ブクログこの世界観は初めて。ハリウッド映画か、スピルバーグか…本を読んでこんなに見たこともない映像が自分の頭の中に広がったこと、なかったかも。新しい読書体験でした。とんでも映像の中に、青澄やツキソメをはじめとする登場人物やアシスタント知性体が、しっかりと生々しく生きているのがいいなぁ。終盤、ユズリハの中で繰り広げられたアクションなんか、もう手に汗握って読んでました。マキ好きだ。夢をつなぐあの終わり方、好きだ。
5投稿日: 2013.09.03
powered by ブクログ地球の環境変化を前に、青澄はどのような決断をするのか。 身体を環境に変化させる、というのは、イカになった某マツモト氏を思い出させたのだけれども、人類はそうした選択をするのだろうか。 世界観もしっかりしているし、文章も読みやすいのだけれども、青澄が読者に対しても一線引いているようで、どうにも入り込めなかった。
0投稿日: 2013.08.18
powered by ブクログ上田早夕里「華竜の宮」読了。ツキソメのデータの件も含めて、物語全体がすべて計算され尽くされたうえで出来上がった作品ではないだろうと思う。まったく個人的な趣味としては、解説にもあるように魚舟と獣舟という設定が納得できず、ファンタジー的な雰囲気が少し得意ではなかった。 しかし、厳しい未来という世界観の中で、外交官を主人公にした「交渉による」悪あがきの姿に心を打たれた。特に、キーパーソンの皆が凄まじく真面目でありながら、利害も考え方も違うという状況で交わされる会話の一つ一つの説得力。 エンターテイメントとしては、ツェン・タイフォンの男気溢れる生き方に涙した。一方で影の薄い兄のリーについても、非常であり、熱血漢の弟とは手段は違えど、目的を共有している姿に納得した。また、青澄の上司である冷血な桝岡と外務大臣との交渉のシーンの迫力は、意外性を含めて興奮した! 主語を主人公の青澄ではなく、アシスタント知性体にしていたのも、エピローグにまできてひどく効いてくる。コピー可能で死をも恐れない存在であるソフトウェアを語り部にすることで、人間の営みが客観的に見える。し、ラストの青澄とのちょっとした再開シーンだけで、なんか満足してしまいました。 SF的な設定でありながらも、その本質は人類をかけた人々による「外交」のお話であるという本書。ここまで本気で言葉のやりとりを扱った小説は「ジェネラル・ルージュ凱旋」くらいしか読んだことがない。そして、規模感がSF的に大きいので、フィクションとしてはより面白い。文句なしに、傑作です。
0投稿日: 2013.04.03
powered by ブクログアメリカや中国のこと悪く書きすぎで、日本のこと良く書きすぎという気がしないでもなかったですが、著者の人類に対する愛情と信頼を感じられる作品でした。人類が滅亡に瀕したとき、本当に全世界が協力して危機に立ち向かうことができるのか、少々疑問な気もしますが、そうであって欲しいなと思いました。 ラストにアシスタント知性体のマキが言った一言にグッときました。 何も成果を出せなくても全力で生きること、それだけで充分じゃないか。そうそう仰る通り。
0投稿日: 2013.02.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
解説では日本沈没に触れていて、確かに、日本沈没における「日本人」というものを「人類」に置き換えたようなドラマが大きな物語として根底にあるストーリーではある。ただ、それは舞台装置であって、同じ舞台をもとに、時間軸上も含めて様々なポイントにフォーカスして、これからも作品が作られるっぽいので期待して待ちましょう。 その舞台装置側に関係するような伏線なのかな?と思わせる事柄が散見されますが、つまり、この話の中ではちゃんと回収し終わらないということなので、ああ、こんなこと書いたらネタバレですかね。一方、どうも主人公の内面を直接一人称で語らせることへの躊躇いか照れか判らないけれど、その「アシスタント」の一人称語りというのは、面白いし、今はまだSFでしかできない物語の書き方だと思うのですが、そういうことになるという経緯をすっ飛ばしているので御都合主義ではないかとの疑念を祓うには至らないという感じ。もっと前の時代を舞台に、本作ではさらっとすっ飛ばしたところの、環境激変に対して人類がどういう対抗措置をとってきたのかについて詳述する話も書いてくれたら嬉しいなぁ、というところですね。 きっと、ワクワクすると思います。
0投稿日: 2013.01.28
powered by ブクログ主人公が外交官で『交渉』している場面がほとんど。まっすぐな主人公には好感が持てたけど、魚舟・獣舟とかアシスタント知性体とかの設定が中途半端というか嘘っぽくて、真面目な内容に合っていない感じがした。話が綺麗過ぎて…うまくいきすぎじゃないかな、、もっと登場人物の汚い部分も見たかった 。
0投稿日: 2013.01.10
powered by ブクログイマイチ入り込めず、少し批判的な目線で見てた。プルームテクトニクス部分は面白いけど、遺伝子工学で改良された海上民っていうのが、今ひとつ掴みきれず。その辺は短編なのかな?ツェン兄弟も特に弟の扱いとかもっとなんかあっても良かったんじゃなかろうか。リリエンタールの末裔と、次作も読んではみようかと思う。
0投稿日: 2012.12.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2012 12/11読了。有隣堂で購入。 地表の大半が海に没した未来で、人口知性のアシストを受けたりしつつもわずかな陸地で人の形を保って暮らす陸上民と、遺伝子操作によって従来と異なる特性を身につけ海で暮らす海上民。 その間で起こるトラブルと、その解決に奔走する外交官や、海上民のオサ、海上民ながら陸上民の下で働きつつ、海のために奔走する警備隊長たちの姿を描く、SF小説。 上巻末で明らかになった大異変に絡んでいよいよ主人公たちが奔走し、最後にはついに「プルームの冬」がはじまるところまでを描く。 SF小説でもありつつ、交渉小説というか、いかに無理難題の中でお互いの妥協点を見つけるか、というようなやりとりが多くてそっちも面白かった。 あと、主人公の1人・・・視点人物の一人だったタイフォン(警備隊長)が、多くのものを失いながらも俺は生きるぞ・・・的な展開になった、直後に魚雷で爆散していて「うぇっ?!」と意表をつかれたのが一番の印象。 甘くないなこの世界、っていう。 にしては青澄とツキソメは比較的ノーダメージで生き残ってたけど・・・。 この世界観で、本件後から「プルームの冬」到来までの期間を描く話を現在著者は執筆中・・・と解説に記述あり。 そっちは文庫落ちを待たずして買ってみてもよいかも?
0投稿日: 2012.12.11
powered by ブクログ滅びゆく世界で人はどのように生きるべきか、というところから想うと、『渚にて』を読んだ時の感覚を少し思い出したりした。あれよりはもう少し、救いがあるような希望が持てるような感じだけれど。 青澄もツキソメもタイフォンも、己の信念を持っていて、より良く・人間らしい誇りを失わずに生きようとしているところが良かった。 どんな環境に置かれても、残りわずかの時間しか残されていなくても、結局今と変わらない愚かさを持ち合わせている人間は、だからこそ愛おしい存在でもあるのだろう。作者が人間へ抱くそんな気持ちが感じられた気がした。
0投稿日: 2012.12.05
powered by ブクログ海を舞台にしての、情報戦。 「華竜の宮」ってタイトル、同じ世界観の「魚舟・獣舟」をよんで想像していた印象とはイメージが違ったけど。 でもすごく好きな世界観だった。 その時代に合わせて身体までもを変えて生きている強さもかっこいい。 少し先の、絶望的な大災害にたいして大人たちがいろんなあがき方をするのもいい。 そして自分の中の正義をまっとうする、青澄の生き方が好きだ。 あとアシスタント知性体、私もほしい。
0投稿日: 2012.12.03
powered by ブクログ小松左京の「日本沈没」の最新化し、地球全体に話を広げたようなSF小説 小松左京の「日本沈没」はそのとき最新の地球科学理論のプレートテクトニクスをベースにしていたが、「華竜の宮」のは、1990年代の観測技術の進化に伴い登場した新しいプルームテクトニクスという理論をベースにしている。 運命を受け入れながら、最善の道を探し、熱く行動する主人公 人類の善意を信じる作者の思いが伝わってくる。
0投稿日: 2012.12.02
powered by ブクログ上巻終盤から世界に迫る新たな危機が明らかになり、物語が新たな展開を見せる下巻。 愚直なまでに自分の立場を抱え込み苦悩する登場人物たちの様子は読んでいてとても切ないです。 スケールの大きさはやはり格別! 全地球を巻き込む危機に、各国の巨大組織がどのように動くのか、その動きに対し青澄はどのように動くのかという政治的な駆け引きも読みどころです。 最後は少しトーンダウンしたかな、という印象もありますがそんな中である意味印象的だったのがエピローグ。未来へ希望は残されたのかその後の地球はどうなったのか、いろいろと想像させられました。 すでにこの世界観の話の姉妹編の作品も刊行予定だそうです。そちらも気になるなあ。 第32回日本SF大賞
2投稿日: 2012.11.27
