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時の娘
時の娘
ジョセフィン・テイ、小泉喜美子/早川書房
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総合評価

116件)
3.9
24
47
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6
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    肖像画から始まり歴史の定説に挑む面白さに溢れている 客観的には悲運の名君が冷酷非道な簒奪者とされてしまう情報操作の恐ろしさを感じる 陰謀論と情報操作に揺れる現代社会に生きる身としては考えること大 ジェームスやらエリザベスが繰返し現れるので家系図読んでも混乱する 『ロスト・キング 500年越しの運命』2022でも簒奪者リチャード3世定説との戦いが描かれるが、シェークスピアの偉大さが敵なのか 日本人は大河ドラマの視点がコロコロ変わる事に慣れているのに 遺体の発見で流れは変わったのか

    0
    投稿日: 2025.11.02
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    映画ロストキングを観た流れでこの本を手にしました。シェイクスピアのリチャード3世も併読。 ストーリーとしては大きな盛り上がりはないが歴史好きには魅力あるお話です。日本でいうなら明智光秀や吉良上野介の汚名挽回的な感じ? 日本の皇室もそうですがイギリスの王家も昔は権力闘争に明け暮れ身内同士の殺し合いなど日常茶飯事だったのでしょう。薔薇戦争や100年戦争など、イギリスやフランスの歴史をもっと勉強したくなりました。

    0
    投稿日: 2025.10.15
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    同じ名前の登場人物が多すぎてなかなか読み進められなかったけれど、「むくむく仔羊ちゃん」が登場してくれて助かった。 刑事さんが刑事目線で歴史の事件を読み解く。という点が面白かった。

    0
    投稿日: 2025.10.14
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    入院中のグラント警部は退屈しきっていた。女友達(恋人?)舞台女優のマータは「主人公になった歴史人物の肖像画」を持ってくる。グラントは人間の顔に興味を持っている。顔を見れば、被告側か、裁判官側か、判断が付く。それはもともとの観察眼に、自分なりの研究を行って培ったものだ。 写真に目を通すグラント。  これがルクレチア・ボルジアか。こっちはエリザベス女王の恋人か。これは誰だ? グラントが目に留めた肖像画は、見事な装飾品を付けた35.6歳の男。ほっそりとして髭はない。目は遠くを見て、大きい顎。けれども口元は生気がないなあ。きっと責任のある立場にいた男だ。良心的で悩める人物。完全主義者で病気を持っていたな。職業は裁判官か、軍人か、王子かもしれない。 グラントは写真の裏の名前を確かめた。  「リチャード三世」 え?これが?醜いせむし男。王位につくために幼い二人の甥を殺した悪逆の王位簒奪者。 グラントは人々に写真を見せて感想を聞いた。博物館職員は「聖者」、医師は「身体障害者」、刑事は「容疑者ではなく判事側の人間」。それがリチャード三世と知った上では、伝わるとおりに「典型的な化け物顔」という看護師、「絶望的に不幸な顔。苦しんだ人」と評する婦長。 グラントは、果たしてリチャード三世は本当に歴史に刻まれているような卑劣で悪辣な人物なのか、自分が感じたような人物なのかを調べてみることにした。 グラントは入院しているので考えることしかできない。彼が考えて、資料を恋人や友人に持ってきてもらう。途中ではアメリカ人歴史研究者のキャラダインが協力者となり、二人でノリノリで調査を進める。 (シェイクスピアの「リチャード三世」はこちら https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/410202011X) グラントの調査方法は、警部であり、自己流だけど顔面判断の研究もしているだけあって論理的。でも入院中の退屈しのぎなのであんまり堅苦しくならないのが小説として読みやすいです。 グラントは「そもそも薔薇戦争ってどんな位置づけ?」ってことから初めます。まだまだ緑の平地だったイギリスで、30年に渡り繰り広げられた薔薇戦争。でもそれは「戦争」ではなくて内輪揉めのようなものではないか。別にイギリス中「ヨークか!?ランカスターか!?」で大戦争をしていたわけではない。 グラントの調査方法の根本は「伝聞ではなく、直接知っている人間の証言。当時の証言」です。 たとえば、「今日に伝わるリチャード三世の悪行の「史実」は、偉大なるトマス・モアによって書かれたもの。しかしグラントはトマス・モアの記録を読んでなんとも不快感を覚える。どこか歪められていると感じたのだ。そこで確認したら、トマス・モアが活動したのはその後のヘンリー七世、ヘンリー八世の時代。さらにリチャード三世のことを彼に教えたのはヘンリー七世側の人物でした。」ってことが明らかになるとグラントは警部らしく「そんなもん裁判に証拠として出せるかーー!却下!ヽ(`Д´)ノ」となる。 リチャード三世最大の悪行は「二人の幼い甥を殺した」なので(しかしこう言っては何ですが、権力争いで幼い親戚を殺した歴史上の人物はいくらでもいるよね…)、グラントの思考もここが中心になります。 そして、伝わっている証言した人間の立場(ヘンリー七世側ならでっち上げの可能性高い)、当時の証言はどうなっているか、を調べていき、彼としての結論に達します。 ここに辿り着くまでも警部らしく「法廷で証拠として認められるか?」「この人物は信用できるか?」を考えます。 そしてグラントとしては、事実を捻じ曲げたとしてトマス・モアとヘンリー七世に対してかなりの嫌悪感を持って悪口三昧です・笑 アメリカ人キャラダインは「この説を発表します!」と大張り切り。 しかしこのような説は、ずっと前から歴史愛好家や、歴史研究家、政治家たち(貴族政治家で作家のホレス・ウォルポールの名前も出てきた)によって提唱されていたのだ。 まあそうだよね、ド素人のアメリカ人と入院中の警部が専門家より優れた大発見なんてできるわけないよね。 しかし!大事なのは、当たり前の史実として伝えられていることが、実は全く違ったことだった、ということ。そしてそれがどのようにでっち上げられるかを知ったこと。キャラダインはそれに対しての研究をできるんじゃないか? グラントやキャラダインが調べるまでもなく、歴史上の研究でリチャード三世の悪行は否定され、彼を倒して王位についたヘンリー七世の残虐さも証明されている。 しかし相変わらず関わらず教科書では「リチャード三世は卑劣、ヘンリー七世は治世の人」(ヘンリー七世の血筋が現代イギリス王室の元です)と書かれる。 当時の人たちだってリチャード三世を出した良い法令を歓び、リチャード三世は庶民人気もあった。しかしヘンリー七世の時代にリチャード三世の悪行が言いふらされると、当時はリチャードのみかただった人たちもみんなで口をつぐんだりその悪口に乗っかったりした。 グラントの結論は「歴史って手に負えないよなあ。┐(´д`)┌」でしたとさ。 歴史検証としても面白かったのですが、やっぱり捜査対象がリチャード三世なので、「入院中の退屈しのぎ」として気軽に読めるといのがあります。 個人的に難しかったのが題名の「時の娘」。「真実は、今日は隠されているかもしれないが、時間の経過によって明らかになる」という言い回しなんだそうです。その意味ではこの小説に合っているし、リチャード三世の名誉回復を願う意味でもいいんだけどさ、やっぱりこの題名では内容がピンとこない。 そして作者は本気でリチャード三世の名誉回復ではなくて、「歴史の書き換え」「思い込み」について書きたかったんでしょう、するとここで検証されたことも歴史論文ではなくて「退屈しのぎの頭の体操」として軽く読めば良いのかな。 そもそもグラントの捜査の初歩が「自分は顔相診断には自信がある!!」ですからね。あくまでも個人のおもいこみなわけで。 歴史的小ネタ。 ●後のエドワード四世と、弟の後のリチャード三世は、イギリスからブリュージュに落ち延びて板敷きがある。このとき経済支援したイギリス出身の商人カクストンは、エドワードが王位に付いたときにイギリスに戻った。そしてイギリスで最初に印刷された本を出版することになる。それはエリザベス王妃の兄が書いた(本当に本人が書いたのかは読み取れなかったが)エドワード四世に捧げる書物だったのだ! ●戯曲「リチャード三世」でリチャードと敵対して生き残った人たち(前王妃エリザベス、その娘エリザベス、クラレンス公ジョージの子供たち、戯曲に出てこないけどリチャード三世の庶子)のその後。 ⇒ヘンリー七世の時代に監禁されたり処刑されたりしていた(-_-;)。 シェイクスピアが戯曲でリチャード三世を悪として華々しく書き、それを生き残った人たちが、現実のヘンリー七世にみんな排除されただなんて。ああ、現実って情緒がないなあ(´•ω•`) 以下、シェイクスピア戯曲で疑問だったけれど、この本で納得したこと。 ●リチャード三世は、エドワード四世の二人の王子は殺したのに、クラレンス公ジョージの息子のエドワードのことは「あいつはアホだから心配ない」って抜かりありすぎじゃないか? ⇒実際にはリチャード三世は自分の後継者にこの甥のエドワードを指定していたんだそうです。 ●戯曲のリチャード三世と、母親ヨーク公夫人の関係が悪すぎ。母が極端なくらいにリチャードだけを嫌い呪っているので「母からこんな扱いされたら性格歪むよ」と思った反面、リチャードだって自分の王位継承正統性主張のため「兄のエドワードとジョージは、母が不倫して生まれた私生児」とか公表する。こりゃーどっちもどっちだ。(=ω=) ⇒二人はそこまで嫌い合っていた根拠がないし、母のスキャンダルなんて公表するはずがないから、でっちあげだろう。

    29
    投稿日: 2025.08.31
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    史実の裏には隠された真実があるのではないか?というフックから始まる歴史ミステリーで、これまで読んできた推理小説とは一風変わっており愉しい。冒頭で軽く薔薇戦争のことを説明し、事件を追う過程でより丁寧に歴史検証を重ねていくため、リチャード3世のことをよく知らずとも、興味が持続するよう出来ているのも巧い。歴史とは何か。歴史はどのように作られていくのか。そうした視点は、どんな時代であろうとも忘れてはならず、先入観を疑い、知的好奇心を刺激してくれる物語だった。この本もまた、私にとってミステリーの概念を少し変えてくれた本であり、そのことが嬉しい。

    4
    投稿日: 2025.08.05
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    ジョセフィン・テイ 1896~1952。本名エリザベス・マッキントッシュ。スコットランド、インヴァネス生まれ。芸術家を志しロイヤルアカデミーで学ぶもバーミンガムの体育大学に進み、体育教師を経たのち、詩作、短編などの創作をはじめる。メシュエン社主催の長編ミステリ小説コンテストにゴードン・ダヴィオット名義で応募した『列のなかの男』(1929)でデビュー、アラン・グラント警部シリーズが誕生した。寡作ながら、作品それぞれのク... 『列のなかの男 グラント警部最初の事件 論創海外ミステリ』より 「「アラス織のうしろから出てきたさびた剣でね。きみがキップリングを知ってるとは、女にしてはめずらしいね」「アラ、あたしはいろんな点でとても変わってる女よ。では、リチャードの性格については、この前よりちっとも発見が進んでないのね」」 —『時の娘』ジョセフィン・テイ著 時の娘(J.テイ/小泉喜美子/ハヤカワ文庫) 45年間のお付き合い。2度の挫折、1度のやっとこ読破を経て再読。今回は映画「ロスト・キング」とシェイクスピアの戯曲を経て、リチャード3世との距離を縮めての読了。面白かったー。英国推理作家協会選出の堂々第1位の良さがやっとわかった #2310読了 『時の娘』ジョセフィン・テイ リチャード三世は本当に甥2人を殺害したのか?歴史ミステリー、安楽椅子(寝台)探偵モノの傑作。 イギリス史は頭から抜け去っていたため、世界史の本を片手に読む。ミステリとして十分楽しめたが、もう少し人物イメージを固めて再読したい。#読了 「米国の探偵小説評論家アントニー・バウチャーは「ニューヨーク・タイムズ」書評誌の昨一九五二年六月三日号で、過去一年余りの間に発表された英米の探偵小説の傑作十五六篇を挙げて短評したが、その中にこの「時の娘」も入っていて、年間第一位の傑作と称揚した。さらに、同誌同年十二月七日号には、五二年度の佳作十五篇を挙げ、それにも「時の娘」を加え、今度は一層評価を高くして、「どんなに褒めても褒めすぎではない。一言にして云えば、世界ベストの一つ………。年間のベストではなく全探偵小説史のベストの一つである」と激賞したのである。」 —『時の娘』ジョセフィン・テイ著

    0
    投稿日: 2025.07.29
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    2018にも読んだが、映画ロスト・キングを見たので、またリチャード三世の話を読みたくなり再読した2025.5。 リチャード三世の遺骨発見は本当にすごいニュースだよね〜。 改めて、時の娘。面白い。 そして、こういう物語(安楽椅子探偵の歴史ミステリ)が、高い評価を受けていることが嬉しいです。 顔。このリチャードの顔から始まる。 そう、たしかにインパクトがあるよね。 悲しそう。でも貴族らしい誇りも見られる。 ここに惹かれる、というか、忘れられない顔だよね。 歴史にはこういう歪められた人物がたくさん居るんだろうなと思わされた。 ヘンリー7世は出どころの怪しい海千山千の人らしいし。 それにしてもさ〜、王室関係みんな名前被りが多すぎて泣きそう。 男子はヘンリーかエドワードかリチャードかジョンだし、子女はエリザベスかアンかメアリーかマーガレットだよね。 うん、やめて?

    7
    投稿日: 2025.05.21
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    2025年3月30日、グラビティで私の本に関する投稿にいいねしてくれたグラ友「生タマゴ」さんが話題にしてた。 「今日、何を読んでますかって?ジョセフィンテイさんかな。時の娘!!!なんかこれも、オールタイムベストに選ばれているんだよね。海外部門で。歴史背景がまた複雑で。薔薇戦争なんて、受験以来、聞いたことないワード。発想というか、かなりイケてます〇」「真理は、時の娘!!むかしの諺より〇」

    0
    投稿日: 2025.03.30
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    北村薫さんの短編集「中野のお父さんは謎を解くか」の一編に本作が触れられていたので、気になって読んでみました。 安楽椅子探偵ならぬ寝台探偵の主人公。療養中の刑事が、偶然一枚の肖像画を見たことによって、歴史の評価を一変させるような推理を繰り広げる。 粗筋としてのストーリーは面白そうで、実際面白い要素はあるんですが、とにかく名前が入って来ない…。似たような名前が大勢出てくるので、読み進めるのがなかなかキビしかったです。 歴史の背景を勉強して、登場人物の関係性を理解して、シェークスピアの芝居もちゃんと見た上で再読すれば、面白さが全然変わってくるのかな、とは思います。

    0
    投稿日: 2024.07.14
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    ミーハーなためニュースを観て再読。『薔薇王の葬列』をかじったため、昔より「うっすら分かる」状態になっていて、やっぱ絵と物語で覚えるのは強いなと思いはしたものの、知識に対して非ネイティブであるためのピンと来なさはまだかなりありました。シェイクスピアを学ぶ気運が来たろうか。

    0
    投稿日: 2024.06.24
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    歴史ミステリーの傑作とのことで手に取りました。 感想としては大満足の一言です。 ただ本書を存分に楽しむためには、事前知識がそれなりに必要であり、自分も百年戦争から薔薇戦争、ヘンリー八世在位頃までの知識を復習し、かつシェイクスピアの『リチャード三世』を読了した後に読み始めています。 また自分は歴史が好きなので特に苦労しませんでしたが、登場人物の名前が被りがちな点も、読み進めるハードルが上がってしまう要因かと思います。ランカスター家とヨーク家の家系図はある程度頭に入れておいた方が良いかなと。 加えてやや古い訳のためか、「テューダー」が「チュードル」に「ボーフォート」が「ボーフォール」になっている等、近年の教科書とは表記が異なっている点にも注意ですね。

    0
    投稿日: 2024.06.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ネットで見かけて。 リチャード三世の謎を解くミステリーとあった。 リチャード三世については、 行方不明だった遺体が最近駐車場で見つかったということは知っていた。 そのニュースで悪名高い王様だった、と報じられたいたような…。 兄の遺児を殺害し王位を簒奪した、ということらしい。 マンホールに落ち(骨折か?)入院しているグラント警部が、 リチャード三世の肖像画を見て、被告人ではなく裁判官の顔だと思ったことから、 暇に飽かせて謎を解いていくと言うお話。 トーマス・モアの書いたリチャード三世は伝聞で根拠がないとか、 殺されたはずの王子たち以外にも邪魔な王位継承者は他にもいたのにとか、 リチャード三世の悪行をあげつらった時に甥殺しが入っていなかったのはなぜかとか、 興味深い指摘が続く。 とはいえ、薔薇戦争当時のイギリスは、 ヘンリーとかリチャードとかエリザベスとか、親子や親せきで同じ名前が多すぎる。 全然わからない。 みな同じ藤原なのでわかりにくいと文句を言っていた平安時代どころの騒ぎではない。 しかも、 ベッドの上での謎解きとして書かれているのが、 余計にわかりにくく、面白みもなかった気がする。 グラント警部と彼の助手を務めたアメリカ人、キャラダインが何度も口にしていた「Tonypandy」が面白かった。 ウェールズ南部で起こった暴動のことだが、 世間で広く知られている歴史的事件が実際には全く異なっている例えに使われていた。 キャラダインにとっての「Tonypandy」は「ボストン大虐殺 Boston Massacre」だと語っていた。 その通り。 植民地時代のボストンで市民の投石にイギリス軍が発砲し「虐殺」された事件。 後の独立戦争の一端となったということだったが、 死亡したのが5人だったと知った時には、自分も驚いた。 それと、タイトルの「時の娘」がなんのことかわからなかったが、 「真理は時の娘」というイギリスの古い諺からきているらしい。

    0
    投稿日: 2024.06.04
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    斬新!安楽椅子探偵がまさか時代を遡って推理をするなんて。そして、回想や再現VTRではなくあくまで思考を書き連ねてるのに飽きさせない。正直歴史の知識不足も多々あるので、混乱することもあったけど、楽しめました

    4
    投稿日: 2024.04.14
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    さすがに歴史ミステリの名作といわれるだけあって、面白かった! ただ歴史ものなので、多少の前知識がないと分かりにくそうだった。予習としてシェイクスピアの「リチャード三世」を読んでいて良かった。 調べたところ、タイトルの「時の娘」はフランシス・ベーコンの言葉「真理は時の娘であり、権威の娘ではない」に由来するようだ。真実は隠されていても時の経過によって明らかになり、権威によって明かされるものではない、という意味らしい。まさにぴったりのタイトル!

    3
    投稿日: 2024.03.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アームチェアディテクティブならぬベッドディテクティブ。 警官の(推理作家の)視点で歴史ミステリを解明していくお話の古典とも言える作品。 これから読むとリチャード三世推しになり、シェイクスピアから入ると真逆になるという。 映画『ロスト・キング 500年越しの運命』も見てみたいなぁ。 映画のノベライズはなかったけど、『王家の遺伝子 DNAが解き明かした世界史の謎 (ブルーバックス) 』も関連としてメモ。 時の娘の作中作の『レイビィの薔薇』は架空の作品で残念。そうか、架空か…。

    1
    投稿日: 2024.01.18
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    ロンドン塔の王子たちを殺害したのは本当にリチャード三世なのか?ベッド探偵が真実に迫る歴史ミステリの傑作。 シェイクスピアの戯曲では清々しいまでの極悪非道の人物として描かれていたリチャード三世。そのイメージが広く流布したまま時は流れ、本書が発表された20世紀半ばに至っても彼の悪名は依然として世間に轟いていた。退屈な入院生活中にふとその肖像画を目にすることになったグラント警部は、人間の顔分析についての職業上の経験と独自の見解から、「この人物は本当に悪人だったのか?」と疑問を抱く。退院までベッドで暇を持て余す警部は、歴史的人物の真相に迫るべく文献の調査と推理に乗り出していくのだった。 英国の歴史とか、薔薇戦争とかおぼろげな知識すらないレベルだったけれど、直前にシェイクスピアの『リチャード三世』を読んでいたおかげですんなり入り込めた。あの悪王のイメージと、表紙にある神経質そうな彼の肖像画とは、確かにイメージが合わない。加えてグラント警部の鋭すぎる「人間の顔」分析が面白く、警部がこの肖像画とその人物伝とのギャップに抱く疑問に読者としても俄然興味がわき、冒頭から引き込まれた。 焦点となるのはリチャード三世が殺害したとされるロンドン塔の二人の甥についての真相。文献と友人たちの調査から推理を重ね、次第に見えてくる、「歴史」とはまったく異なるリチャード三世の人物像に驚愕する。なぜ真実はゆがめられたのか?グラント警部は、とある人物の思惑につきあたる……。 もし、リチャード三世がボズワースの戦いに勝利していれば、歴史と彼の評価はまったく異なるものになっていただろうという「歴史のIF」について分析するところも面白い。本作の中で一つの結論にたどり着くが、この点について調べると、リチャード三世を擁護する説そのものは古くからあり、現在でも評価は分かれるようだ。ただ本書の面白さは知的好奇心を刺激する歴史の謎を題材としながらも、推理を重ねる「ミステリー」の部分が主体であり、どちらの説を取るかということよりも、その過程にこそ魅力があるのだと思う。最初から最後まで興味が尽きない、引力のある傑作だった。

    5
    投稿日: 2023.09.11
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    あちこちで不朽の名作的な紹介を見かけたので読んでみた。面白い……とは思う。が、気軽にさらっと読むというわけにはいかなくて、読了には時間がかかった。理由ははっきりしている。 まず、基本は歴史ミステリなので、その時代背景の基礎知識がないと話に入り込みにくい。イギリスの薔薇戦争の頃というのは人間関係が複雑でただでさえ系図が分かりにくいのに、リチャードとヘンリーとエドワードとエリザベスとマーガレットそれぞれがあちこちに出てきて絶望的である。最初に載っている系図もないよりはマシだがそれでも分かりにくい。まあ同時代の日本の室町時代についてもそんなに知識はないのであるが、こんなに同じ名前の人ばかりは出てこないし地理がわかっているのでマシである。 そして、この歴史上のミステリを検証する人々が暮らすのは発表された1950年代に設定されているのだが、これがまた訳が時代がかっているせいなのかどうか馴染みにくい。今回読んだ文庫版の出版は1977年なのだが、53年の訳を底本としているということで、古めかしい言い回しを残して50年代を演出しているのかもしれない。が、私にとっては登場人物に親近感を抱きにくく、物語に入り込むのがさらに難しくなってしまった。 ということで、歴史ミステリのお手本として勉強するつもりで読むか、薔薇戦争大好物で人物関係図ソラで書けますという方は楽しめると思う。

    1
    投稿日: 2023.03.06
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    江戸川乱歩絶賛の歴史ミステリー なんだけど、どうも乗り切れないまま終わってしまった。ラストはなかなかに現実味があるユーモアあふれるもの、つまり大発見ではないってことだったんだけど、そのに味がある以外はあまりおもしろいとは思わなかったかな。

    0
    投稿日: 2023.03.02
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    書物や文献を紐解き、歴史上の人物・リチャード三世の素顔を暴くミステリー。 “回想の殺人”みたいなものと思っていたけれど、また違った良さがあった。 彼の意外な一面や故意に捏造された箇所など、学校では教えてもらえなかった新事実が発覚する。 これまで悪名高いといわれていた人物の印象が、この一冊でガラリと変わってしまうのが面白い。

    1
    投稿日: 2023.02.19
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    ミステリーの古典的な作品。負傷療養中のヤードの敏腕警部がベッド上で、リチャード3世の悪行と言われた数々を覆して行く、と言うもの。看護師や彼に代わり調べ事を請け負う青年など、リアル登場人物との会話も生き生きしていて、歴史上のモノ言わぬ人との対比も良かった。ロンドン塔で謀殺されたとされる金髪の美形の兄弟の話が有名なのでホッとした。肖像画見ながら読むのも楽しかった。

    2
    投稿日: 2022.11.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「薔薇王の葬列」を読んでいたら、無性に読みたくなって。十数年前に読んで手放した本でしたが、メルカリで再度購入。いや、堪能いたしました。フレーズもいっぱい登録しちゃいました。

    0
    投稿日: 2022.07.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    グラント刑事が入院中のベッドの中で悪名高いリチャード三世の素顔を歴史文献から推理していくベッド探偵小説。イギリス史を知らないので家系図とにらめっこしながらも面白いのだから、現地の人が読んだら本当に面白い小説なんだと思った。警察官の洞察力と事実に基づく考察やキャラダインの若くて勢いのあるところが心地よい作品で読んで良かった!

    0
    投稿日: 2022.05.05
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    史実は歴史書と違う場合がある 史実を如何に読み解くか。歴史は勝者の物と言われるくらい勝者の史実として作っていることだ。イギリスの王位継承権での争いも「裏切り・利権・名誉」等において、次期王が前王に全ての悪名を被せ裏工作を淡々と成し遂げた「汚い」歴史だ。だが、この小説では史実を掘り下げだけではなく時代に登場する人物に「得する人間vs損する人間」を警察官の様に検視する目を持つ事だと感じた。

    4
    投稿日: 2022.04.17
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    悪名高いリチャード三世にまつわる謎を現代の警部が推理する歴史ミステリー 現代の、といっても1951年発表なので日本語訳もやや古めかしくてそれもまた趣深い 日本で言えば新説・蘇我入鹿みたいな感じかなぁ マンガ「天智と天武」でもあってたね それでも「怖い絵」でお馴染み中野京子先生によれば「やはりリチャードが第一容疑者」とのことだけど

    0
    投稿日: 2021.07.31
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    薔薇戦争の頃のイギリス王室についてほとんど知らなかったため、勉強になった。リチャード3世は数々の物語の題材になる有名人なんだね。 当時の人たちの認識と全然違う歴史書が捏造されて、真実として扱われる「トニイパンティ」。 刑事の直感から始まり、だんだんリチャード3世の人柄を理解していくあたりは楽しめた。 でもタイトルの「時の娘」は一体誰のことだったのか?読み終わった今もよくわからない。

    2
    投稿日: 2021.05.24
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    薔薇戦争、ヘンリー6世、リチャード3世辺りを把握しているとイメージがひっくり返って面白い。(そこらへんの前提が無いと誰が誰だかわからなくて苦労する) 歴史は客観的に物事を見ることができる、という台詞は、対象となる歴史自体がここまで歪んでいるとするなら、とても皮肉。まぁ、本書出版から時が経っているし、教科書に書かれる内容も今では状況が違うのかもしれないけれど。 歴史は勝者によって作られるし、シェイクスピアは舞台だし、司馬遼太郎の小説が史実でもない。 シェイクスピアの表裏激しいリチャード3世は突き抜けてて単純に面白いと思うし、本書の家族愛に溢れた、甘い部分はあるものの誠実なリチャード3世も好きなので、それぞれ分けて楽しめばいい。 歴史はそういう物語性が好きだ。

    0
    投稿日: 2021.05.05
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    リチャード3世の汚名を晴らす歴史ミステリの名作。入院中のグラント警部は歴史書を読み漁り文献のみからリチャード3世の素顔を推理していく。安楽椅子探偵ものとしても有名だが英国史の本として面白い。歴史の常識を覆す面白さだ。もちろん文献から推理するのだから事実とは限らない。推測の上に推測を重ねている。その意味でお遊びだ。つまりパズルとしての面白さである。

    0
    投稿日: 2021.04.26
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    ミステリの名作だと思うが読了するのに苦労した。 そもそもイギリスの歴史を知らなくて、名前が全然頭に入ってこない。複雑な王室の系図を結局最後までしっかりと理解できないまま読み終わった。本作を楽しむには、最低限のイギリスのこの時代の知識が必要かも知れない。 歴史上の事実として認められているものを覆すエンタメは、それなりに数もあると思うが、学会において、その本を契機に定説が変わったことってあるのかな。

    3
    投稿日: 2021.04.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    古典ミステリを読もう企画 安楽椅子探偵が紐解く歴史ミステリ。 歴史ミステリを全く読んだことなかったが、こういうのなの?!こんな書き方のジャンルがあるとは。 史実を再考察して、謎を解いていく。 イギリス史がよく分からず、名前も似すぎてて、誰が誰だかよくわからなくなる…が、それでもなんか面白いとページが進んだ。 キャラクターが良いのかも。 一方の説だけ考えるのは正しくないとは思うが、この小説を読むと歴史書より信憑性あるように感じちゃうよね〜 主人公が入院してる理由がマンホールに落ちた、は出オチ感あった。

    0
    投稿日: 2021.03.05
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    この表紙は、かの悪名高リチャード三世の肖像画だとか。大分印象が異なるな、というのが正直なところ。歴史上の評価が時間を経て変化するのはよくあること。これもまたそのひとつかも。

    0
    投稿日: 2020.12.19
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    イギリスでは世紀の大悪人のように語られるリチャード三世。自身の玉座のために、幼い甥たちを殺害したとされる。彼は本当に悪人だったのか?本当に幼い王子たちを無惨に殺したのか?怪我で暇を持て余した刑事は、暇潰しがてら始めた歴史の考証にどんどん夢中になり…という内容。 日本でいえば、長らく低い評価をされてきた明智光秀の復権話に近いでしょうか?? 読み終わった感想としては、とにかく薔薇戦争、リチャード三世の周辺についてある程度興味も知識もあるなら、そこそこ面白い。無ければチンプンカンプンって感じです。イギリス王室って同じ名前の人がとてもたくさんいて、親子だったり、親戚だったり、対立したり、協力したりととてもややこしい。例えば『かのエリザベスが〜』とかの記述で、どのエリザベスになるのか、ある程度ヨーク家の家系図が入ってないとほんと分かんなくなります。 私はそもそも呼んだきっかけが漫画の「薔薇王の葬列」関連の話を読みたいという気持ちでした。漫画のおかげで、エドワード、ジョージ、リチャード、エリザベス等々ちゃんと顔が浮かんでくるのでとても区別しやすかったです。 漫画は架空の物語にせよ、モデルになったリチャード三世に少なからず好感を抱いてたので、個人的には満足するお話でした。 ただ、サラッと読みすぎたのか、読み終わった今でもタイトルの時の娘が何を指しているのかいまいち分からなかったです。

    1
    投稿日: 2020.12.09
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    骨折で入院した刑事グラントは、友人の女優マータが暇つぶしにとお見舞いに持ってきてくれた〈ミステリーを隠した肖像画〉カードのなかに、一際印象深い一人の男の顔を見つける。それは幼い甥たちを殺した残虐な王として知られるリチャード三世だった。肖像画がどうしても人殺しに見えないという刑事の勘から、ベッドの上で歴史の独自調査をはじめたグラント。やがてマータの紹介で知り合った大英博物館に入り浸りの青年キャラダインも加わり、歴史の裏に隠されたミステリーにのめり込んでいく。 リチャード三世の悪逆非道なイメージは、トマス・モアとそれを鵜呑みにしたシェイクスピアが作り上げた!とする歴史ミステリー。今ではわりとよく見る感じだが、一九五一年当時はこれが嚆矢だったのかな。訳者あとがきを読んで納得したのは、「歴史ミステリの生命は、“歴史をみつめる学者の眼をもってしてではなく、あくまで推理作家の眼をもって眺める”ところにあります」という点。たしかに推理小説の方法論が歴史学の方法と対比させることでくっきりとわかりやすくなっている。これはロンドン塔の二皇子殺害事件をホワイダニットで問い詰めていくと、リチャードではない真犯人が浮かび上がるはず、という小説なのだ。 前半はグラントの人となりが気に食わなくて(笑)入り込むのに時間がかかったけど、内気なアメリカ青年キャラダインが調査員として加わってから、グラントの印象もよくなった。二人が「トニイパンディ」という符号を共有し、バディとしての関係を深めていくあたりの会話は微笑ましい。 最終的に薔薇戦争の要点が掴めたのでありがたい。終盤にグラントが書くリチャード三世とヘンリー七世の比較メモすごいタメになる(笑)。これでわかった気になるのもトニイパンディだろうけど。歴史は勝者が語るものなんだなぁ。

    0
    投稿日: 2020.05.02
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    ひょんなきっかけで、ウェールズに関する本を読み漁っていた時に出会った本です。 シェイクスピアなどの古典で、名前は聞いたことあるし、ひどいことした人なんだなぁ、というくらいのイメージしかありませんでしたが。。 昔々の話ですし、この本に書いてあることが真実とも限りませんが、目から鱗のお話でした。 歴史書ではなく小説なので、主人公が徐々に徐々に、真相(歴史上ほんとうにそうだったかは定かでないし、今となっては知るすべもないものの)に近づいていくという構成が、読者を飽きさせず、さらっと読めてしまう本です! この話が本当だったとしたならば、亡くなった後にまで丸裸にされて人目に晒されるなんて、なんて惨いんだと思うと同時に、日本の戦国時代しかり、平和な時代に生まれてよかったと考えさせられます。

    0
    投稿日: 2020.04.02
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    犯罪が絡むわけでもなく、日常の中に不可思議なことが起こったわけでもない。それでも時に人は無や常識から疑問を見いだし、謎を設定し、そして真実を見つけようとする。研究なんかもそうですが、こうやって謎や疑問を自ら定め、そして自分の興味を第一の理由にそれに挑むのが、ある意味最も純粋な謎解きではないか、と思います。 そんな謎解きに挑むのが、足を骨折し病院で暇を持て余すグラント警部。警部はふとしたきっかけから、歴史上では悪人と名高いリチャード三世に対し疑問を抱き、様々な文献をあたり、彼が本当に大悪人だったのか推理を始めます。 推理の過程が非常に面白い! 史実に対し頼りになるのは、文献や当時の記録のみなのですが、グラント警部はその文献の記録の妥当性や公正性すらも考慮に入れます。例えば、その文献の著者は、当時の関係者なのかだとか、立場であるとか、伝聞のみで文章を書いたのではないか、だとか。 こうやって考えてみると、グラント警部は探偵としても優秀なんですが、情報リテラシーの鏡でもあるよなあ。ネットはもちろん、マスコミや新聞だって100パーセント中立はあり得ないわけで、必ず編集する側の意思は入ります。それも考慮して、日々の情報を読み解くことが大事なのですが、グラント警部はぜひニュースの解説員にもなってほしい(笑) 当時の歴史上の人物の行動と、その行動を取った意味と妥当性、そして利益。グラント警部はイメージに彩られた歴史の通説を排し、純粋にそうした観点のみで、歴史に思いを馳せ推理、考察していきます。この観点は非情に単純なのに、それだけで歴史の意味が変わってくるのは面白い! そして、この本で何より楽しいのは、グラント警部と、話の途中から警部に協力する研究生のブレントが新たな発見や、推理を純粋に楽しみ興奮しているのが、伝わってくることでもあります。 上記したように、巻き込まれた・持ち込まれた謎ではなく、自ら謎を設定し、具体的な被害も無く、興味だけで推理を進めていく物語だから、より純粋に”謎”それ自体を楽しんでいる感覚が、伝わってくるような気がします。なのでリチャード三世もイギリス史も全く詳しくない自分も、彼らと同じように純粋な謎解きを楽しめたのだと思います。 小説の中で様々な文献の名前が出てくるのだけど、これもそれぞれ面白そうで、これが架空の作品なのか、実際の作品なのかも気になるなあ。そして、そうした文献に対するグラント警部の辛辣な評価(レビュー)も、なかなか面白い。 ニュースの解説員はさっき書いたけど、書評家にもなってほしい。でも流行小説に対する評価は手厳しいので、出版社からは煙たがられるかも(笑) 本編とは関係ないのですが、ブレントを”むくむく仔羊ちゃん”とたとえてるのも印象的。どんな見た目だったんだろう。

    7
    投稿日: 2019.12.07
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     グラント警部は犯人を追跡中に足を骨折して入院することとなったが、ベッドから動けずに退屈を持て余していた。友人である女優のハラードは、歴史上のミステリーを探究すれば退屈がまぎれるのではないかと提案し、何枚もの歴史上の人物の肖像画を持参する。グラントは、その中の1枚に関心を持つ。グラントは人間の顔に現れる人物の性格を見抜く特技を持っていた。彼の眼には良心的で責任感のある人物として映ったその肖像画の主は、リチャード3世であった。  この小説は、「歴史がいかにして作られるのか」を探究し、確かな証拠がないにもかかわらず今や定説となってしまった歴史が、恰も真実のように語り継がれていることに疑問がある。グラントは、チューダー朝によって記された虚構が「歴史」として現在も流布しているのだという答えを導き出す。 著者テイは本書出版後間もなく没しており、本作が作者存命中に出版された遺作となった。  この作品が出版された際に、アントニー・バウチャー(推理小説の批評家)はこの作品を「推理小説分野において、永く古典とされる作品で(not only one of the most important mysteries of the year, but of all years of mystery)」と評しています。  お気づきかと思いますが、日本では〈安楽椅子探偵〉・江戸川乱歩先生が高く評価し、〈寝台探偵〉とも呼んでいます。探偵は一歩も動かない。登場するデータはすべて史実という制約が課せられている難しさはあります。  この作品が上梓され評判になり、高く評価しご自身の作品にも取り入れたのは、高木彬光の『成吉思汗の秘密』(1958年)等の神津恭介シリーズです。  「訳者あとがき」までお読みください。味わい深い作品だと思う。

    0
    投稿日: 2019.09.18
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     歴史ミステリーは、読んだ覚えがない。安部公房の『榎本武揚』は、世に知られた榎本を裏切者として見たものだったから、あれは歴史ミステリーなのかもしれない。でも他には覚えがない。ぼくには。  戦後の出版。生まれる前の本。ハヤカワ文庫の初版が出たのが、42年前か。ぼくはその頃はドストエフスキーか山岳書ばかり読んでいた頃。ミステリには何の関心も持っていなかった。ハードボイルドにも。冒険小説にも。  本書は、犯人追跡中にマンホールに落ちて怪我をした警部が、入院中の退屈さを凌ぐために歴史資料をひっくり返して、子供二人を殺させた悪人として知られるリチャード三世の素顔を探る。肖像画を見ているとどうも殺人者という風に見えない。真犯人は別にいるのではないか? そんな直観が、彼を思わぬ歴史解釈へと引っ張り出す。警察捜査の手法で暴き出す歴史の真実、というところに本書の面白みがある。何せ30冊も増版を繰り返し、今なお、ミステリの傑作として名を遺しているのがこの作品なのだから。  さて入院と言えば、ぼくも今年の一月と二月に二度、半月ずつの入院を経験した。その時には、ミステリ小説を一日か二日で一冊ずつというペースで読み、退屈と闘わずに済ませていた。それぞれの本の中の事件が一晩か二晩で解決する。そのスピードで次から次へとミステリを読み漁っていた。  本書のグラント刑事は、何日も何日も同じリチャード三世の事件に関わり、一つの事件に対し何冊もの資料や歴史本を読み漁る。手伝いのアメリカ人学生や親しい舞台女優にも外部での調べ物を手伝ってもらいつつ事件を探る。歴史を探る。  ミステリ読者は次から次へと新たな事件を求めるのに、捜査を職業とするグラント警部は一つの歴史的逸話の向こうの真実を暴き出そうと執念を燃やす。まずこの違いが、本作なのであると思う。執念と的確な捜査力や推理力。何を見るべきか、誰を探すべきかを知っている捜査畑の眼で見た歴史的真実。そこが本書の魅力、と言っていいだろう。ぼくのようなただのミステリ好きではこの物語の主人公は務まらないのだ。  何よりも一般に知られている歴史的資料は胡散臭いものばかりで、不自然で理屈に合わないものばかり。再調査・再推理の妥当性を嗅ぎ取ったグラントと助手訳のキャラダイン青年の知的好奇心の行方にぼくらはおつきあいすることになる。勝者に綴られた歴史は真実を隠蔽する。本書冒頭にある「真実は時の娘」と言う言葉と本書のタイトルを結び付け、良質の歴史ミステリがかくして出来上がる。  本日、本業を終えたその足で駆けつけた札幌翻訳ミステリー読書会の課題書が、実は本作である。このような機会がなければ英国史に暗いぼくが本書と出会うことはなかったであろう。主催者の方々の、価値ある名作を掘削してくる選定眼には、ただただ敬服と感謝を表したい。懇親会の食事と呑み物と、そこで交わされた貴重な話題やご意見にも深い尊敬と感謝の気持ちを!

    0
    投稿日: 2019.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    イギリス人ならもっとずっと理解できて楽しめるんだろうなぁ。 薔薇戦争とかリチャード3世とかヨーク家とかランカスター家とか、誰がイギリス系統で誰がフランス系統でとか、そういう歴史がわかってないから、おそらく半分も理解できなかった。 それでもそこそこおもしろく読めたので、歴史がわかってたらもっともっと楽しめたのにと思う。

    0
    投稿日: 2019.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    悪名高いリチャード3世が甥の兄弟を殺したのか?歴史ミステリーの名作。 登場する歴史上の人物が多くて、しかも同じ名前もあって、何度系図のページを開いたことか。読みづらいところもあるが、イギリスの歴史ミステリーを読むのは初めてで、新鮮な面白さがあった。

    0
    投稿日: 2019.04.16
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    イギリスの歴史の勉強が不足していることを痛感しながら読んでます。ヘンリーやリチャードが何人も出てくるような気がしてしかたがない。巻頭の家系図を何度も眺めるのですが・・・半分くらいまで読み進めたけれどもいつ力尽きてしまうか、自分でも心配。(2019.3.24) 図書館の貸し出し期限目いっぱい使っても読み進められず久しぶりの挫折本。。。イギリスの歴史にもう少し免疫つけてから再挑戦したい(2019.4.7)

    0
    投稿日: 2019.03.24
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    誰が「時の娘」だったの?!と思って調べてみたら、ラテン語のフレーズの一部で、要するに「時の娘」とは「真実」を意味するみたい。この邦題、不親切では。 物語は、家系図を見つつ苦労したけど面白かったです。こんな例、トリニパンディだっけ?星の数ほどあって、これからも生まれ続けていくんだろうなあ。

    1
    投稿日: 2019.01.29
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    歴史上の謎とされている事柄をミステリの体裁で取り上げる形式の古典 1951年の作品であることと 当時イギリス文化においてリチャード三世がどういう扱いをされていたかわからないので 題材や登場人物の動きについてはなんともいえないが ミステリとして古典たりうるそつない話の運びはさすが

    0
    投稿日: 2018.11.12
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    ◆◆ ベッドでミステリー ◆◆ 第三十六回 ・・・ 第三十六回 「時の娘」 ・・・ ジョセフィン・テイの名作 「時の娘」は、安楽椅子探偵を代表する長編ミステリーです。 なにせ探偵役の刑事は犯人を追っかけている最中に骨を折り、病院のベッドの上……。 そうして親友の女優が退屈しのぎに、ともっていったたくさんの肖像画のなかから、これは苦悩している善人だ、誰だろう、とひっくり返してみたら、なんとリチャード三世だった!!! なぜかというと、リチャード三世は甥殺しでイギリス史に名をとどろかせている、悪い人、といえばリチャード三世でしょう、というくらいの、悪役代表だったからです。 なにせ教科書に載っているので、それを知らない英国民はまずいない……。 おかしい……俺の眼が鈍ったのか?! と歴史書を取り寄せ、ひもといていくうちに、彼は歴代の歴史学者が誰も思いつかなかった、リチャード三世悲劇の名王説、にたどり着くのです。 確かにミステリーは謎解きの小説で、研究というのは謎解きそのものです。 が、こういってはなんですが、並みいる歴史学者を差し置いて、ただのミステリー作家が、イギリスの教科書をひっくり返した一冊なのです。 適度にロマンチックで、必要な事象の解説の折り込みかたがうまいので、イギリス史を知らなくてもすいすい読めます。 ミステリー100選、みたいなものには必ず入ってくる名作で、読み終わるとバラ戦争がよくわかるようになる、というおまけつき。 なので、司書には読んでおいてほしい一冊です。 2018年10月23日

    0
    投稿日: 2018.10.17
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    リチャード三世について、またイギリス王位継承制度について知っていたらもっと楽しめたかな。 ドラマの「99.9%」で、真実はいくつもあるが事実は1つだけというようなセリフがありましたがそれを思い出しました。 本作は歴史ミステリであり、安楽椅子探偵物であり、さらに法廷ミステリ的なアプローチもあるかなと思います。

    0
    投稿日: 2018.10.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    櫻井孝宏さんの帯に惹かれて購入。 面白かったし勉強にはなったが、まあそれだけかな…。 文体の古さもあるだろうし、前提知識を要するというのもあると思うが、なんでそこからそう推測できるの?というのがわからなくてつまづくことが多かった。ウィキペディアで関連ページを一通り勉強してから読んだので、基本的な人間関係とか歴史の流れはわかっていたはずなのだが、細かい話になると急にわからなくなって…。 リチャードが二人の王子の死に関する噂に反論した記録がない&二人の他にも王位継承者がいるので、二人を殺しても意味がない、というのはまあ十分な根拠になっているとは思う。でもそれ以外のエリノア・バトラーの話とかあんまり意味あった?リチャードが良い奴だったということを言いたいだけだったのかな。 あと人名が…わかりにくかった…これはまあ作者のせいではないが、イギリス人なら常識かもしれんが、訳者がもうちょっとわかりやすく補足してくれてもよかったのでは…。同じ名前の奴がいっぱい出てくるし、冒頭の家系図も中途半端で全員出てくる訳じゃないし、わかりにくいよ! 今までの常識をひっくり返す新説!と思いきや既に出ている話だった、というオチはなかなかおもしろい。じゃあ今までの話に何の意味があったんだ、というと、プロの歴史学者ではなく警察官が犯罪捜査のアプローチで発見しましたよ、というところが面白さな訳だな。

    0
    投稿日: 2018.06.16
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    肖像画から興味を持った私には、薔薇戦争もよく分からず、誰が誰だか分からなくなってしまう難しい読み物だったのですが、大きな流れは分かりました。歴史書に書いてあることが全て正しいわけではありません。「せめて『時の娘』って誰だ!?」って最後まで読みましたが、分かりませんでした。諺のようなものだったのですね。「時が経てば、真実は明らかになる」というような。ヘンリー8世とは、あの暴君ヘンリー8世だったのだということも後から解り、納得した次第です。

    0
    投稿日: 2017.04.22
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    薔薇戦争にかかわる歴史ミステリーという着眼点はいいと思うし、安楽椅子探偵(ベッド探偵?)というのも面白いと思うのだが、翻訳のためなのか、あるいは説明がほとんどセリフ形式でだらだらしているからなのかあまり楽しめなかった。 アンケートによっては、推理小説歴代一位に選ばれることもあるので、もったいなとも思う。

    0
    投稿日: 2017.02.16
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    解説で学術論文のようなミステリーとあったけど、まさにそう。こういうタイプのミステリーを読むのは初めてで、正直読み進めていくと、当初の物語タイプの歴史ミステリーの予想をいい意味で裏切られた。ミステリならこういうふうに考えを発展させるのよ、っていう思考回路を表した小説というユニークさ。 にしても、エドワードとか、リチャードとかヘンリーとか、同じ名前を持つ人がたくさん出てくるので、いかんせんイギリス史は混乱させられる。学生時代、バラ戦争の経緯がさっぱりわからなかったのは、何人ものエドワードなりジョンなりがいたからなのだなぁと思った。

    0
    投稿日: 2017.02.07
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    世界史にさほど興味がなかったので、身を入れて読めなかった。途中で誰が誰やらわからなくなった。登場人物が鮮やかに描かれているのはよかった。

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    投稿日: 2016.04.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    スコットランドヤードの警部が怪我で入院。ベッドの上からしばらく動けない身となり暇を慰めるために友人が持ってきた数々の肖像画を眺めているとその中の1枚に気を引かれる。裏を見るとリチャード三世とある。これがあの極悪非道の甥殺しの王位簒奪者?そうは思えない。自分は職業柄人を見る目はあるのだが…。そこで警部は文献(一番最初は看護師の学校の教科書というのが良い)をあたって実際リチャード三世はシェイクスピアが描いたような悪人だったのか?甥を殺したのは本当にリチャードだったのか?等々その人物像を追っていく。 取り立てて情緒に訴えるような書き方がしてあるわけでもなく、歴史上の事件を文献を引きつつ比較的淡々と警部と一緒に追っているつもりだったのに、いつの間にかリチャード三世贔屓になっていたらしく、終盤のとある一文を読んだときにはうるっときてしまった。 まさか歴史ミステリーを読んで、500年も前の異国の王様の運命に涙するとは思わなかった。この辺がこの作品が名作と言われる所以なのかもしれない。 王族に同じ名前の人がたくさん出てくるので、薔薇戦争について多少知識を入れてからの方がすんなり読めそう。

    1
    投稿日: 2015.07.14
  • 彼は本当に悪人だったのか?

    最近、リチャード3世が主人公の某少女漫画に出会い、彼について久しぶりに調べていたところ、この作品にヒット。 実はリチャード3世が主人公の漫画は数十年前に発表された某作家さんの中編があり、それが本当に素晴らしい作品で、私のマイベストに入るぐらいの傑作なのです。そのせいか私はもともとリチャード3世が『悪人』というイメージはないので(シェイクスピアも未読)、すんなり入っていけました。 主人公グラント警部は、長年犯罪者と接してきた経験から、リチャード3世悪人説に疑問を持つ。つまり肖像画からみるリチャードは決して犯罪者の顔ではないと睨むのだ。歴史上の人物を論じるのではなく、グラント警部の思考は現代の犯罪捜査という点が本書の面白いところ。調書?を読み解き、グラント警部の出した結論は?リチャード3世は果たして、シロかクロか? ミステリーとしての本書ですが、やはり歴史的背景を知っていた方が読みやすいとは思います。

    4
    投稿日: 2015.04.06
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    おもしろくなかった。 ってかよくわからんかった。 なんや都合のいい史実が続々と出てきよるな、って感じ。

    0
    投稿日: 2015.03.20
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    ジョン・エヴァレット・ミレー描く『塔の中の王子たち』の美しい姿から、漱石の『倫敦塔』、シェイクスピアの『リチャード3世』を読んだのは遥か昔。 極悪非道のイメージが定着していたリチャード3世についての歴史ミステリー。英国の歴史の知識が無くても家系図や年表を見ながら一気に読んでしまえるおもしろさ。推理小説好きだけど実は殺人シーンや血が苦手なので安楽椅子モノは大好き。そういえば今年、リチャード3世らしき骨が発見されたというニュースがあったなー(12年当時)

    0
    投稿日: 2015.01.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    題名の「時の娘」とは、「真実は時の娘」という諺から。 スコットランドヤードのベテラン刑事アラン・グラントは捜査中にマンホールに落ちて足を怪我して入院していた。 暇つぶしに持ち込まれたものの中から、グラントはある肖像画に興味が引かれる。バラ戦争でヨーク家最後のイングランド王となったリチャード三世のものだ。リチャード三世は、兄のエドワード四世が死去した後、兄の息子二人を暗殺して自ら王位に就いたと伝えられていたが、グラントにはその顔が残虐な犯罪に手を染める男のようには思えなかったのだ。 グラントは見舞いにくる客たちの協力を得ながら、リチャード三世の真実を探る。ベッドディテクティブの古典的名作。

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    投稿日: 2014.11.09
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    歴史ミステリーっていうのでしょうか。その時代の事、無知だったのですが、高校時代とかにこの本に巡り合ってたら歴史の勉強も興味持ってできたかなあ。 舞台は病院のみなのにそんなこと関係なく面白く読みました。さすが、永く読まれている傑作だなあと!

    0
    投稿日: 2014.07.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

     時の娘とは「真実は時の娘」というフレーズの一部であり、その意味は、真実は今日は隠されているかもしれないが、時間の経過によって明らかにされるとのことである。  内容は歴史ミステリであり、現在の認識では暴君だとされるリチャード三世は実際にはどうだったのかを探る話である。  歴史の伝聞を排し、事実を積み重ね、そこから真実を解明する過程が緻密で、論理的だった。新たな事実が出てくるたびにグラントとブレントとともに真実に近づいていく過程が面白かった。

    0
    投稿日: 2014.06.20
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     英国史上最も有名な「悪役」の一人リチャード三世は、本当に悪辣な人物だったのだろうか? というところに疑問を持った主人公が安楽椅子探偵となってその素顔を調べてゆくミステリです。歴史ロマンあふれる傑作で、比較的短いので読みやすい点もおすすめ。

    1
    投稿日: 2014.04.27
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    初めて電子書籍で読破。 この小説自体は、中野京子氏のブログか何かで見かけたのがきっかけ。 英国では悪名高いリチャード3世、本当はどんな人物か?入院中で退屈な警部が安楽椅子探偵となり、歴史の真実を掘り起こす、というミステリー。 リチャード3世がどんな人物か、そもそも一般的な日本人にはピンとこないので、どうしても登場人物との間に温度差を感じてしまうが、英国ではこんな風、ということは伝わった。

    0
    投稿日: 2014.03.09
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    リチャード三世は通説通り、2人の甥を殺した残虐な悪人なのか、それとも歴史の捏造なのか。入院中で暇をもてあましていた刑事が偶然リチャード三世の肖像画を見たところからはじまる歴史ミステリー。このジャンルのいわゆる本元といえる古典である。小気味良く謎を解き明かしていく展開に途中から眼が離せなくなる。

    0
    投稿日: 2014.01.13
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    中野京子が著書の中で紹介していたので読んでみた。 怪我をして入院中の警部が、歴史書を読み解きリチャード3世は、本当は甥っ子を殺していなかったという結論に辿り着く話。中世ヨーロッパらしく血縁関係がごちゃごちゃしている上に同じ名前が色々あって、途中から訳が分からなくなってしまった。 「むくむく仔羊ちゃん」という形容もピンとこないのは自分の想像力の欠如かな。

    0
    投稿日: 2014.01.12
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    歴史ミステリー小説はあまり読まないけど、これはなかなか面白かった。 全く事実ではない事柄が、時の施政者や歴史家によって都合か良いように、さもあったかのように伝えられるというのは、さもありなんという感じ。 久々に中世イギリス史を思い出せたのも良かった。

    0
    投稿日: 2013.12.30
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    まず私が手に取るタイプではないこの本をなぜ読もうと思ったのか、今となっては全く覚えていないが、読んでよかった。 映画『アル・パチーノのリチャードを探して』でしか知らなかったリチャード三世とは、いったいどんな生涯を送った人物なのか。西洋の歴史なんて全然勉強したことないけど、興味がわいてきた。

    0
    投稿日: 2013.12.01
  • ダヴィンチ・コードの走り?

    アクションシーンのないダヴィンチ・コードのような感じで、甥殺し(と言われている)リチャード3世の謎に迫っていきます。 人物関係や事件の流れがわかりにくかったりするので、wikipediaなんかを参照しながら読みました。

    0
    投稿日: 2013.11.09
  • 『時の娘』談義

    「まず、表紙の絵をよく見てほしいんだ」 「肖像画…ですよね。昔の貴族かなにか?」 「うん。…どんな人だと思う?」 「えー、どうだろう…。ちょっと神経質だけど、芯は強そう。頭はいいんじゃないかな。繊細で感受性は強いが、あまり友達はいないと見た」 「…ビミョーな評価だな。この人、リチャード三世といって、昔のイングランドの王様なんだ。…と言っても、すんなり王様になったわけじゃない。この人のお兄さんが前の王様だったんだけどね、亡くなったとき王位継承権はその幼い息子…つまりリチャードの甥にあった」 「ふむふむ」 「ところがリチャードは、難癖を付けて幼い甥っ子から王位を奪い、あげくにその甥っ子と弟の二人をロンドン塔ってところに閉じ込めて、殺した…と言われてるんだ。それだけじゃなくって、ほかにも政敵を数多く粛正した…と言われてる」 「極悪人じゃないですか」 「…と言われてるね。シェイクスピアも『リチャード三世』というそのまんまのタイトルで、極悪非道、残忍狡猾な男に描いている。ほかにもトマス・モア…というのは当時一番の知識人で『ユートピア』という本を書いたりした人なんだけど、この人もリチャード三世が幼い甥っ子二人を殺したいきさつを詳細に書き残している」 「うーん、わかんないもんだなあ。…でもまあ、最近の事件でも『あんなことする人には見えなかった』っての多いし」 「…やっぱり、そう思う?」 「やっぱりって?」 「『あんなことする人には見えない』…つまり肖像画を見ても、そんな残虐なことをする人には思えなかった」 「…まあ、そうですね」 「この『時の娘』の主人公、グラント警部もそう感じたんだ。大けがをして入院生活を送っているんだが、暇で暇でしょうがない。ところが、この肖像画がふと目にとまると、刑事の勘というやつだね、『この男は犯罪者の顔ではない』と」 「ピンときちゃった」 「…きちゃったんだね。さて、そう思って改めて調べてみると、どうも色々とおかしい」 「と言うと?」 「たとえばさっきのトマス・モア。リチャード三世に関する記録としては最も古い部類だし、知識人としての絶大な権威もあって、広く信頼されている。シェイクスピアなんかもこの記録を元にしてるくらいなんだけど…」 「…だけど?」 「これって、モアが人づてに聞いた話でね。聞いた相手というのが、どうやらリチャード三世の仇敵にあたる人」 「一番、参考にしちゃいけない話だ、それ…」 「とまあ、こんな風に病院のベッドの上でさまざまな資料を読み込み、リチャード三世は本当に極悪人だったのか解き明かしていく…という趣向のミステリなんだ」 「なるほど…。ていうか、ミステリだったんですか、この本」 「言ってみれば冤罪事件だからね。…でもたしかに、作者が本当に訴えたいのは歴史の…何というか面妖な部分なのかもしれないな。作中、トニイパンディという言葉が出てくるんだが」 「…何か響きは陽気ですけど。トニイパンディ!」 「…いや、南ウェールズの地名なんだがね。20世紀初め頃にイギリス政府が軍を派遣して、ストライキ中の市民に発砲した…と言われてるところ」 「言われてる…」 「そう。実際は、非武装の警察が対応にあたり、軍は後ろに控えていただけ。銃なんか撃ってない。でも当時、軍が発砲したという話がイギリス中に広まって、南ウェールズじゃ延々と『トニイパンディを忘れるな』と語り継がれたそうな」 「…んー」 「嘘っぱちなのに、黙って見ている間に伝説にふくれあがってしまう。そんな『トニイパンディ』方式で、リチャード三世も悪者に仕立てられたのではないか…」 「…ひどい話だけど、でもそういうことってよくあったんでしょうね」 「歴史ってのは往々にして、声が大きいものや立場が強いものに都合よく作られちゃうからね。鵜呑みにせず、できるだけ客観的な資料を使って検証し直すのは大事だよ」 「それをやろうとしてるのが、この『時の娘』であると」 「まあ、そうだね。ただ、研究書じゃないから、そこは多少割り引いといてほしいな。作中、色々と文献を引いているが、リチャードを善人にしようと我田引水になってるフシがないでもない」 「はあ」 「でも、そういうのはあくまで枝葉。謎に迫るアプローチや人物造形などなど、しっかり楽しめる作品だよ。ただ、作品とは別に、ひとつ大きな問題があってね…」 「問題?」 「…エドワードやらリチャードやら、この手の名前がやたら出てきて、頭が混乱するのよ。人物相関図を逐次メモしながら読むのがオススメ。巻頭に系図はあるけど、ちょっと参照しにくいからね」 「…いますよね。外国の小説は名前が覚えられないから苦手っていう人」 「いや、ホントなめてかからない方がいい。もうリチャードまみれ、エドワードまみれになるから」 「リチャードまみれって(笑)」

    3
    投稿日: 2013.10.29
  • こんな入院生活ならしてみたい

    骨折で入院生活を余儀なくされたグラント警部が、見舞いにもらった数枚の肖像画から歴史の謎に挑むミステリー。 警部自身がそれほど歴史に詳しい人物ではなく、周囲の人に話を聞いたり、看護婦から歴史の教科書を取り寄せたりして、少しずつ謎を解き明かしてくれるので、歴史が苦手な私でも楽しむことができた。 周りの登場人物も魅力的で、いろいろと助言をしたり、資料集めや推理を手伝ってくれる。 こんなに楽しい入院生活を送れた警部が、ちょっと羨ましくなった。

    1
    投稿日: 2013.09.25
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    最初はさくさく読めたんだけど、中盤になってリチャード三世への評価が高すぎるのがちょっと鼻につくようになって、読みづらくなってしまった。皆親戚で名前も一緒なので誰が誰だかという感じだったけど、無視して惰性で読んだ。

    0
    投稿日: 2013.09.24
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    スコットランドヤードの刑事が足を怪我して入院中。貰った本はどれもあんまり面白くないし、あまりに退屈で不機嫌な彼が勧められて始めたのが歴史的事件の推理。リチャード三世による甥っ子殺人事件の真相は如何に...手に汗も握らないし、主人公に生命の危険も訪れないけれど、面白い!!歴史好きかつミステリ好きなので、満足しました。知られている歴史は必ずしも真実ではない。時代の権力者により、後世への伝えられ方は変わってくる。そして人は信じていたものが裏切られることを好まない。いろいろ考えさせられます。なお、古い版で読んだので、時々言葉が古くてわからなかったのですが、これもある意味新鮮でした。

    0
    投稿日: 2013.09.13
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    リチャード三世の遺骨が発見されたと聞いて購入したものを、積ん読の山の中から発掘。 スコットランドヤードの警部が入院中に、甥殺しで悪名高いリチャード三世は本当に非道な王だったのか、を検証する話。 歴史物は好きですが、イギリス史は学生の頃の世界史の授業で軽く習ったくらいの知識しかなく、冒頭の薔薇戦争の説明で挫折しそうになりました・・・。ヨーク家とランカスター家も、元を正せば親戚同士なんですねぇ。家系図もあるけど、いまひとつわかりにくい。もうちょっと親切な家系図をつけてくれればいいのになぁ。 が、本文はスイスイいけます。歴史の検証というよりも、主人公が警察なので、犯罪捜査のように論理的に進みます。警部とワトソン役の青年との会話で成り立っているのもわかりやすい。それでも、当時の関係者にはエドワードもリチャードもエリザベスも何人もいて、どのエドワードだよ!と混乱することも。おまけに、同一人物が身分(ヨーク公とか)で書かれたり名前で書かれたり。人物を確認するため、行きつ戻りつ。 おかげで、すっかりイギリス史に興味が湧いてしまいました。 リチャード三世を再評価する動きは、この本以前からちゃんとあることが、本文中できちんと触れられているのも、フェアな姿勢で好感が持てます。登場人物のがっかり感がちょっと微笑ましく思えます。 しかし、どこまでが史実でどこからがフィクションなのかわかりません。二人が見つけたものがすべて史実だとしたら、リチャード三世、これっぽっちも非道な人ではありません。気づく人がもっといてもおかしくない。 ただ、歴史は勝者によって作られる。決して、すべてが「真実」というわけではない。だけど、それでも遠い過去の話、現代でどれだけ史料を掘り起こしても、決して「本当のこと」を知ることはできないし、同時に「その時」を生きている人は、後世にどんな影響を及ぼし、どんな評価をされるかは知りえない。時の流れ、というものについて、しみじみと感じさせられる一冊。 間違いなく、名作です!

    3
    投稿日: 2013.08.18
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    たぶんすごくおもしろい。文章とか書きっぷりとかはとても好きで、だから最後まで読みきれたんだけど、歴史部分で完全に迷子に(T_T) ざんねんすぎる、わたしの英国史知識でした。

    1
    投稿日: 2013.08.16
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    【読了レビュー】薔薇戦争の頃、リチャード三世についての歴史を、入院中の警部と若き青年が検証し、紐解いていく。 そなあたりの歴史に興味のある人にとっては、ユーモアたっぷりのこの上ない歴史ミステリーだと感じた。

    0
    投稿日: 2013.06.16
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    Kindleセールで安かったから買ったんだけど、お値段以上に面白かったな。 怪我で動けない警部が安楽椅子探偵的に、リチャード3世って本当に極悪人だったの?の謎に挑むって内容。 新訳だから全然古さ感じなかったけど、1950年頃の作品なんだねぇ 探偵的手法で歴史の謎に挑むってのは本邦でも作品いろいろあるけど、そのルーツに近いのかしらんねぇ。 面白かったけど、イギリス史もうちょい知ってればもっと楽しめたかな。 おすすめ。

    0
    投稿日: 2013.06.07
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    4  “雀”と“トニイパンディ”と“むくむく仔羊ちゃん”。 冒頭の薔薇戦争の概要と同名だらけの系図を見て、こりゃ門外漢な自分には無理だな、と半ば諦め気味に読み始めたが、全くの杞憂だった。率直に言って、手掛かりを得て徐々に変わっていく主人公の思考が面白かったし、病室で繰り広げられるユーモラスなやり取りも楽しい。 作中にも登場しないし、本当に全く持ってどうでもいいことなのだが、系図を見て気になって調べたら“オーエンテューダー”が人名だったことにちょっぴり驚いた2013年初夏、ほーんの少し英国史に興味が湧いた。

    0
    投稿日: 2013.05.29
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    ロジカルに組み立てられていく過程は面白いんだけど、いかんせん日本人の僕にはほど遠い主題なもんで、いまいちのめりこめなかった。

    0
    投稿日: 2013.04.07
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    リチャード三世の遺骨がイギリスで発見されたと聞いて、一番に思い浮かんだ作品でした。 良質な歴史ミステリであり、良質なアームチェアディテクティブミステリでもあります。 シェイクスピア劇では極悪非道な悪人と謗られたリチャード三世の真実はいかなるものか。「真理は時の娘であり、権威の娘ではない」という言葉が身に沁みる物語です。

    0
    投稿日: 2013.02.08
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    二人の甥を殺害した悪逆非道の王と言われるリチャード3世の真実の姿は?グラント警部は入院先のベッドで肖像画を眺めながら検証をはじめる。 イギリス史に詳しい人でないと、ややこしくて(同名の人も多くて)ちょっと混乱するかもしれない。でも、歴史の中でいかに真実が隠され、あるいは大げさに、捻じ曲げられて伝えられていることが多いかはよく分かる。敗れて死んでしまった者は、勝者によって汚名を被せられ、そのまま後世に悪名を残す。しかしていねいに当時の記録を調べていくと、同時代の人々には愛されていた善良な人物だったことが分かる。リチャード3世以外にもそういう人物は多いに違いない。 歴史ミステリというのもなかなかおもしろいジャンルだな、と思わせてくれた作品。

    0
    投稿日: 2013.01.12
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    ロンドン市警の腕利き刑事が、その巧みな推理力によって犯人と目された《男》の疑惑を晴らし、真犯人を追い詰めてゆく……。というと、ごくありきたりな推理小説に思われるが、その疑惑の人物というのがイングランド王《リチャード3世》という歴史上の人物、しかも刑事は不慮の事故により現在入院中、ベッドに寝たきりの身というところが、なんといってもこの小説の設定のユニークなところ。 まず、「捜査の基本」に立ち返って歴史的なエピソードから不確かな伝聞を剥ぎ取ることで、登場人物たちを「ひとりの人間の姿」に戻してゆく手際が鮮やか。助手役をつとめるアメリカ人青年とのやりとりにもユーモアが感じられる。途中、英国史に無知ゆえとっつきにくい箇所も多々あったが、それでも一気にラストまで読んでしまった。さすが、ミステリ通のあいだで「名作」と呼ばれる一冊だけのことはある。

    0
    投稿日: 2013.01.08
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    最近読んだ中ではトップクラスの安楽椅子探偵もの。解決する事件が数百年前の有名事件というのがよい。事実とフィクションの境目がわからないのもまた良い。

    0
    投稿日: 2012.12.20
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    教養がなくて、リチャード3世って誰?どんな人?という知識がないため、楽しさ半減。 ヨーロッパ圏のバックグラウンドを持つ読者ならものすごくスリリングだろうけど、どうしても温度差を感じてしまう。 日本で言うと、織田信長が実はいい人だったみたいな話なのかな。と想像しながら読む。 最初から終盤まで、割と歴史書の引用が多数。そのため、ストーリーの流れとしては悪い。とくに最初は面食らう。 刑事、看護師、女優、羊の出てくる現代パートは会話中心で大変読みやすい。 いまどきの小説にある、読者を置いてけぼりにしないために時々挿入されるいままでのまとめといったものが最後までなく(最後にはある)、ついていくのがしばしば難しい。 あとがきにあるように、この本の目的は、歴史家はこう進めるかもしれないが、ミステリ作家はこういう進め方をするということを示す点にある。 1951年の本なので、ミステリとしては素朴だが、考え方としたいことは十分伝わってくる良書。 けど、やっぱり楽しくはないなぁ。

    0
    投稿日: 2012.11.25
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    怪我で療養中の敏腕警部が英国史上の謎に挑む安楽椅子(?)探偵物。 英国史上まれに見る悪人とされるリチャード三世。 彼は本当に先王の遺児を殺し王位を簒奪したのか? ふと見た肖像画の印象と犯罪者を追い続けた自身の感覚を信じ、 「知らぬ者はいない」とされる歴史上の事実を否定するために 資料を集め検討する警部の推理の進め方に感嘆。 結末もなかなか楽しめるお薦めの一冊。

    0
    投稿日: 2012.08.28
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    『何の罪もない幼い王子二人を殺した極悪人』なニュアンスで伝わっているリチャード3世、しかしそれは真実か?  事故で病院のベットに釘付けなグラント警部、差し入れの本にももううんざりしていたら暇つぶしのネタがありました。それは歴史上の謎。知り合いをこきつかって(喜んで使われてますが)状況証拠を警察官なりの推理で暴いていきます。はてさて『真理』はいずこ…?! 高校のとき社会の選択で日本史だったので世界史なんてさ~っぱりな人でも何とか…、何とかいけると思う。 ある歴史家の文章から始まって、その「さ~っぱりな人」代表の私は 「まてまて、どのヘンリーさんのこと言ってるんかい!(リチャード,エドワードウォーリック等以下同文)」…と格闘。それでも大丈夫。警部が一から調べていってくれるから一緒に頭の中で整理していけば何とか。王制のこととか細かいところは軽くスルー。そこは別に調べたらさらに理解が深まって面白いかもしれません。 歴史上の人物の名前に慣れるまで家系図のページを見返すのが面倒だったので、本とは別にくわしいものを自分で作ろうと調べてみるととても複雑で一枚には到底まとまりませんでした。全部網羅しようとするにはその挑戦は無謀なことに気付きました。それでも興味が湧いたので数枚にわたって簡略版を作りました(ただ印刷しただけ)が、普通に読む分には載っている系図だけで十分です。 『真理は時の娘』。 いつの世も「権威の娘」になってしまいがち。時の権力者がこれが正しいと言えば正しいものになってしまう。真実はいくらでも捻じ曲がってしまう。歴史は歴史家によって作られてしまうもの? 私たちが一般常識のように知っている日本の過去の歴史だって全てが真実なのかどうか、信じ込まされているだけなのかも。 グラント警部が導き出した答えもこれまた一つの推論にすぎないんだよな。

    0
    投稿日: 2012.02.28
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    リチャード三世の濡れ衣を晴らす歴史ミステリにして安楽椅子探偵物。古典的大傑作である。何度も読み返したけど、何度読んでも面白い。 歴史上の謎を解明するミステリはひとつのジャンルだけど、本当におもしろいものは実は少ないのではないかと思う。日本には、義経や邪馬台国を扱った有名な作品があるけど、理屈っぽいわりに結論もぴんとくるものでなく期待はずれだった。現代の事件と絡めて歴史的なことがらについてうんちくを語るというパターンもあるが、これは歴史ミステリとは言い難い。個人的には、本当に楽しめたのは鯨氏の初期の短編と、この作品くらいのように思う。 僕は演劇が好きでシェイクスピアのファンだから、リチャード三世はなじみだけど、そういう日本人はあまり多くないに違いない。イギリス人にとっては、日本人にとっての坂本龍馬とか水戸光圀とか織田信長なんかと同じように知名度の高い歴史上の人物で、ただしこの場合の知名度は悪名の高さである。日本史で悪名高くてみんなによく知られているって誰だろう。吉良上野介くらいしか思い浮かばないけど、あれとはスケールがちがう。いたいけな子どもを虐殺して国を盗んだ男である。 まったく正反対のたとえだけど、坂本龍馬が実は幕府と手を結んで薩摩と長州を操り大もうけをしていた大悪党だった、なんて話を、純粋に現存する資料だけを手がかりにして立証するって感じだと思う。ただし、「純粋に現存する資料だけを手がかりに」ってところがミソで、勝手にドラマをつくっちゃダメ。ちゃんと事実に基づいて、意外な事実を探り当てるのである。まさに探偵として。 なかなかの離れ業だってことがわかると思う。書き方をちょっと変えれば、ミステリじゃなくて立派な歴史論文になるのが本物である。しかも論文でなくてミステリだから、小説としておもしろくないといけないし、論の進め方だって「犯罪捜査」って形になる。 この小説の場合には、けがでしばらくの間ベットに寝たきりになってしまった警部が、退屈紛れに歴事情の人物の肖像画を眺めるところから始まる。警察官としてのカン(こいつは悪人じゃないな)と歴史的事実(といわれているもの)が食い違った時、彼は自らのカンを信じて捜査を開始するのである。自分では一歩も歩けない、ベッドの中の探偵として。 ただし、この小説の本当にいいところは、そういう一歩間違えればガチガチの歴史論文になってしまいそうな話を(歴史論文が全部ガチガチのつまらないもの、といいたい訳じゃないけど)、人間味あふれる登場人物によるユーモアに包んでいるところではないかと思う。特に、ワトソン役を務める若者が秀逸である。彼のおかげで、歴史的な新説を立てるというよりも、濡れ衣を着せられた孤独な男を、一生懸命応援しているような気持ちになってくるのである。このあたりが、小説たるゆえんであり、歴史ミステリととして、いや「歴史」をとった「ミステリ」として古典的傑作であるゆえんだと思う。 わかりにくくはあるけど、それでも読み続けられて欲しい本である。

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    投稿日: 2012.02.15
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    最後まで読んで表紙の肖像画をしみじみと見返す話。 シェークスピアの「リチャード三世」では大悪人として描かれている人の別の姿。私が彼の話を最初に読んだのは森川久美の「天の戴冠」だったのでギャップは少ない方だったと思う。

    0
    投稿日: 2012.02.12
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    [関連リンク] これは戦だ。知的生活のための時間・場所・金銭的自由を確保する | Lifehacking.jp: http://lifehacking.jp/2011/12/room-of-your-own/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+Lifehackingjp+%28Lifehacking.jp%29&utm_content=Google+Reader

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    投稿日: 2011.12.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とある本屋でやたらと絶賛されていたので買ってみました。 とりあえず中身はミステリってことになるのかな? でも歴史だけど…。 歴史好きの人には結構おもしろいかも。 推理って言うより歴史を辿って行くお話だから…。 こんなミステリもあるんだなぁって思いました。

    0
    投稿日: 2011.11.16
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    入院中の刑事グラントは、ふとしたことから一幅の肖像画を目にする。思慮深そうなその人物はしかし、悪名高きリチャード3世その人であった。 な、なんだこれは・・・! 私の好みにどストライクの本ではないか・・・!! 本編の1ページ目から心臓を鷲づかみにされてしまった。理知的で抑揚の効いた文章。それでいてウィットに富んだ、軽妙な語り口。主人公の警部が入院中とあって、舞台は病室から一歩も外に出ないのに、全く窮屈さを感じさせない展開。 話の発端も素敵だ。肖像画だけを見て、これはいったいどういう人間だろうと想像する。主人公のグラント警部による、人間の顔談議も非常に説得力があって、人間の顔に対する興味をかき立てられ、面白い。 そして、文献からの理論的かつ客観性に優れた推理。常識として世間に知れ渡ったことを、病室のベットの上で覆してしまうというワクワク感。 何もかもが、私の好みにドンピシャである。こんなミステリーを待っていた! というわけで、非常に楽しませてもらった本であった。今年最後の締めくくりに、この本が読めて幸せ! ・・・しかし、題材が英国王室の歴史というだけあって、とにかく歴史上の人名が覚えられず、それには泣きそうであった。巻頭のほうに家系図は掲載させているものの、この家系図には載っていない人物も大勢出てきて、そのたびに「この人は誰だったっけ?」と前のページを捲る羽目になった。 また、私はリチャード3世についても全く予備知識がなく、お芝居にも疎遠なため、自分の知識が覆される快感を十二分に味わうことができなかったであろうことが、少々もったいない気がした。 でも! それでもこの本が持つ魅力は、十二分に伝わってきたと思う! 知的好奇心を満たす読み物として、ミステリーに私が求めるものが、理想的な形で体現したのがこの本だったのだ。 一度読めばおしまい、なアトラクションのようなエンターテイメントではなく、何度でも繰り返し読みたい素敵なミステリーであった。 とはいえ、次に読むときは、もっと英国王室の歴史について勉強しておいたほうがいいかもしれない(^^;)。

    6
    投稿日: 2011.08.18
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    再読。骨折による入院生活を送るグラント警部は退屈しのぎに悪名高きリチャード三世の素顔を探り始める……。 安楽椅子探偵ならぬベッド探偵が活躍する歴史推理の傑作。文献を漁り、推理を重ねることで通説が覆り、徐々に歴史の"真実"が明らかになる過程が圧巻。小泉喜美子の訳文も素晴らしい。

    0
    投稿日: 2011.06.11
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    安楽椅子探偵ならぬベッド探偵。歴史+ミステリの傑作と言われているのは納得。 高木彬光のアレとか、この作品の影響を受けたのがなるほどと頷ける。 イギリスの歴史に疎かったので、ネットで検索して予備知識をある程度仕入れてから読まないと、同じ名前の人がたくさん出てくるので、そこを理解するのが出だしは大変でしたw ちょっとまじめに薔薇戦争の辺りを勉強した後、この本を再読するとまた評価が上がりそうな予感。

    0
    投稿日: 2011.04.26
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    高校生のとき、自分で家系図を書きながら読んだ本。 懐かしくて、再読したら、今回はわりとサクサク読めました。 シェイクスピアも書いた、希代の悪王、リチャード3世は 言い伝えられているような、鬼のような王さまだったのか・・・。 怪我で入院中の警部さんが、自分で本を読み、 歴史好きのアメリカ人の力も借りつつ、調査するという もう、本当にイギリスらしいミステリーの結晶のようでした。 掛け軸に描かれているような歴史上の人物が、 だんだん生身の人間としての血色を帯びて 動き出していく様子が、すごく面白い。 「歴史」「王室」「ロッキングチェア系推理」というキーワードに 食指が動いてしまう人にはおすすめ。

    0
    投稿日: 2011.04.09
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    所謂アームチェア・ディテクティブ物の傑作。 歴史好きが読んでも面白いし、ミステリーとしても素晴らしい。 両方好きな私の評価は当然☆5です。

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    投稿日: 2011.03.22
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    プランタジネット朝最後の王にして「悪名高き」リチャード三世。彼は本当にその通りの人物だったのか?ということを推理してゆく話。 私が読んだものは、表紙がリチャード三世の肖像画のものですが、本文でこの肖像画について触れられるたびになんとなく表紙を見返してしまいました。 歴史はやはり人が作ったものだなぁ、と実感。 この本で行われているのは、史料をもとに事実を推理していくことですが、この史料の吟味というのは難しいことですね。その史料、またその一部分が信用に足るものかどうかを判断するには様々な要素を鑑みなければなりませんから。とりあえず、この本において扱われる部分のトマス・モアについてはヘロドトスを連想せずにはいられません。 だんだんと事実が推理されてゆくのはとても面白かったです。正史は勝者がつくるものだった時代は長かったですが、そうなると歴史のなかはミステリーだらけですね。 ただ、薔薇戦争については基礎知識しかないうえに、似たような名前が多くて最初は何度も確認しながら読み進めるのはなかなか大変でした。 シェイクスピアの『リチャード三世』は未読ですが、先に読んでいたらよかったなぁ。

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    投稿日: 2011.02.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    http://booklog.jp/q/693 のやり取りをみて興味を持って購入。タワーブリッジでリチャード三世のお話は聞いた記憶があります。

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    投稿日: 2011.02.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ベッドの中で読みたくなる小説。 骨折で臥せっている警部が暇すぎて イギリス史の殺人者リチャード三世の甥二人殺しの 真犯人を探る。 むくむく羊ちゃんが素敵。

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    投稿日: 2011.02.06
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    2010年12月26日読了。 これははまった! 歴史ミステリーです。 シェイクスピアやトマス・モアに極悪人として烙印を押されたリチャード3世は本当に悪人なのか?という問題を解き明かしていく物語ですが、本当に面白い! 勝者によって捻じ曲げられた歴史の怖さ… 名作です。

    1
    投稿日: 2010.12.27
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    私がこれを読んだのは随分昔で、文庫の表紙は物語の発端となる「リチャード三世」の悲しそうな肖像画だった。何度も表紙を見ながら読んだのを覚えている。現在の本の中にその絵が載せてあるのかどうか、分からないが、私が本を手に取った理由は、その肖像画と題名のミスマッチに目を引かれたからなので、現在の表紙は残念。(※その後表紙は元に戻りました) これは悪名高いリチャード三世の肖像画を見た主人公の怪我をして動けないグラント警部が、その表情から人物像に疑問を持ち、色んな歴史的資料をかき集めてもらって、ベッドの上でその謎を解明していくというストーリーです。小説の形をとっていますが、その謎は実在の歴史の解明という新しいジャンルを確立した本なのです。 この本を読むとどのように資料を集め、どのように歴史的資料の取捨選択をすればいいかわかるようになります。 そして一番重要なことは、実際の歴史がいかに歪められているか、歪められていくかがわかる本で、これを読んで歴史の見方が随分変わりました。 これは英語圏でも衝撃的だったようで、ずっと悪人扱いだったリチャード三世のイメージがこの本で随分変わったといいます。 私はこの本を読んでからは、肖像画が前より面白く感じられるようになったきっかけともなりました。それまでは、絵が気持ち悪いとか(笑)昔の絵は変とか、見当違いのただ見る派だったのですが。 考え方を変える本、あるいは気付きをもたらしてくれる本らしく、この本に影響された人は世界中にいるようで、同じようなモチーフの小説は多いし、これをそのまま題材にしたファン(?)小説みたいのが数年前日本で翻訳されたことがあります。日本ではそうでもありませんが、相当人気のある本のようです。 この本がきっかけで、ジョセフィン・テイの本は日本で出版されているのを探しまくりましたが、まだ見つからない本が未だに一冊あります。しかしなんといっても、これが一番です。だれかのレビューにありましたが伝えていきたい偉大な作家、そして本です。

    0
    投稿日: 2010.09.19
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    読解力がないのだろうか訳がまずいのだろうか、登場人物の名前がかぶりまくっていたり、本名と通名(?)見たいなものがあり、誰が誰なのかがさっぱりわからない。 バラ戦争なんて歴史でその名称くらいしか知らないわぁ。その辺の歴史に詳しければ、かなり面白い小説になっていたのだろうか? 何とか読み終えましたが、ツライ・・・

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    投稿日: 2010.09.14
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    悪名高きリチャード三世は、本当に悪王だったのか?という歴史上の謎を、入院中の警部が推理する。現実では人死にも出ないし、事件も何も起こらない。ただひたすらに「何でリチャード三世のイメージが作られたんだ?」と追っていくだけ。でもとてつもなく面白い。 訳文が古いのに古臭くなく素晴らしい。ばら戦争時の人間関係がわからないと???の連続かもしれないけど、さすが安楽椅子探偵の傑作!いや、ベッド探偵かな。とにかく歴史好きならオススメ。

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    投稿日: 2010.08.20
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    薔薇戦争の部分でまず戸惑った。イギリス人にはお馴染みなのかもしれないが、日本人が理解するのは骨が折れる。同名の王子が登場するたび冒頭の家系図へと戻る作業はかなりのストレスだが、推理の方向性が固まった時点で別の見方が出来ることに気付く。歴史の謎を紐解くということは、これすなわち本格ミステリの推理のプロセスそのものではないか、と。 薔薇戦争云々で見失った場合は、本格ミステリの王道とも言える発想、展開、帰結のプロセスに注目してみよう。むしろそっちに視点を置いて読むのが正解かもしれないなと感じてみたり。歴史そのものが時の権力者の多数決によって作られた狂言ならば、まさにそこはミステリの宝庫。歴史+ミステリ──切っても切れない表裏一体の構図がそこに垣間見える。 オールタイム・ベスト級の傑作とは思えないが、コロンブスの卵的着眼が高く評価されてるのかな。“真実は物語にはなく、会計簿にあり”とは言い得て妙なり。

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    投稿日: 2010.07.27
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    事実、とか、真実、とか。 似てるけど違う。 人って自分がほしい事実を選んで、自分の真実にしちゃうのかな、とか。

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    投稿日: 2010.07.13
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    真実がどうだったかなんて誰にもわからない。 だけど、歴史上の人物はその後の後付けで評価が二転三転されるのだけはわかる。 確かに彼の肖像画は、「非道なことしたくないけど、状況に押されて仕方なく…」感が出てるんだよなあ。 そういう人をあたたかく見直す視線があってなんか読後感がいい。 病室に縛り付けられた鬼刑事さんがんばれ!

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    投稿日: 2010.07.12
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    薄荷的歴史ミステリの最高傑作。 英国史上、最も有名なミステリ。ロンドン塔の二人の王子。彼らを消したのは、一体誰なのか? 先ずは、シェークスピアの『リチャード三世』を読んでから、この『時の娘』の順番で読むことをお勧めします。 因みに、私が持っているのは、リチャード三世の肖像画が表紙です。

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    投稿日: 2010.05.26
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    歴史に名高い悪者リチャード3世は、ほんとうに悪者だったのか? 歴史の本の矛盾が次々出てきて、 わくわくしながらページをめくりました。 シェイクスピアの「リチャード3世」を読んでおいてよかった。 グラント警部のシリーズは他にも出ているらしい。 読んでみよう。 (10.05.08) 図書館。 励まし合って読書会、4月の課題本。 (10.04.28)

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    投稿日: 2010.04.28