
総合評価
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老いて痛々しいまでに衰えてしまったポアロ、妻を亡くし娘を理解しきれないヘースティングスの様子が悲しい。ポアロが最後に追う謎の犯人「X」。ポアロ最初の事件の現場であるスタイルズ荘が最後の事件の現場になるのがまた悲しさを・・・。今までののポアロ・シリーズとは違いすぎる雰囲気で読み終わった後ちょっと立ち直るのに時間がかかる。
0投稿日: 2025.09.20
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この話は個人的にアガサの そして誰もいなくなったを彷彿させるものがあった 殺人犯を立証できない犯人はわかっているが それを立証できない事件というのは推理小説では必ず取り上げられる話だと思う 今回は最初と同じ舞台スタイルズ荘で事件が起こるというストーリーになっている さすがクリスティー最初と最期の舞台を同じ場所にするというのがさすがのセンスだと感じる ただ最初の時と違って随分とキャラクターも様変わりしていた ヘスティングスはすでに妻を亡くしていて子供たちも自立している ただ1人の娘であるジュディスを除いて ポアロに関しては死期がもうそこまで迫っている状態でありベットで寝たきりの状態 それでも彼の灰色の脳細胞だけは昔と変わらないと彼自身自負していた 今回のストーリーは答えをいってしまうと 殺人者はエルキュールポアロだ。彼が自ら殺人を犯してしまう これだけでも興味が湧いてくる人と絶対に読みたくない人と別れるだろうけれど 一つ言えるのはポアロが殺した相手こそどうにもできない犯罪者だったということ 犯罪そのものを自分から誘発はするが手はくださない だから絶対に逮捕されない そしてヘスティングスは相変わらずのポンコツぶりだけれどそれに拍車がかかっていた ポアロは誰が殺人者かヒントを与えていたのに そこに気が付かなかった それがかれの美徳なところだとポアロもほめてはいたけれど 最期のポアロに手記は泣ける 最期の最後までかれは友人を思って逝った きっと若い時に一緒に過ごした時間が本当に彼にとって幸せだったのだろうと思えた それは小説というよりドラマでデビットスーシェさんが長年演じたポアロから私が感じたことだ 小説もいいけれどぜひドラマも見て欲しい そうすることでよりこのカーテンという作品に思いを寄せることができると思う
0投稿日: 2025.03.16
powered by ブクログクリスティーの有名な作品は、そこそこ読んだつもりなのだが「料理からたどるアカザ・クリスティー」を読んで、「カーテン」は読んでいなかったなぁと思い図書館で借りてみた。 作品として、ちょっと予感はあったけれど、この結末はツライ。クリスティーらしい幕引きかもしれない。
5投稿日: 2025.02.26
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うおおおおおおおーー!!めっちゃ面白い!! アガサクリスティに感謝が湧く。 それでもポアロが大好き。
2投稿日: 2025.02.16
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[図書館] 読了:2025/1/28 「名画に見る「悪」の系譜」の“殺人教唆”で紹介されていたので読んだ。 「教唆」の仕方についてはもっと巧みに隠されたやり方なのかな〜、なんて思っていたので、あれっ、そんなストレートなんだ、という感じ。 登場人物の心理(特に犯人にポアロが対抗した手段とそれに対するポアロの自身への処断)、老いて死にゆくポアロと妻を亡くしたヘイスティングズの寂寥感がすごく印象深かった。
0投稿日: 2025.01.28
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実は私、アガサ・クリスティの作品の中ではミス・マープルの大ファンなので、ポアロものは数冊しか読んでない(あ、でも「スタイルズ荘の怪事件」は読んでます)くせに、この本、ポアロの最後の事件を手にしてしまったのです。重かった…。 さて、月日が流れ、妻に先立たれ子どもは成人しているヘイスティングズは、懐かしいエルキュール・ポアロからあのスタイルズ荘へ招待されます。当時そこで起こった殺人事件のネタはバラされていませんが、思い出して感慨に耽る間もなく、過去に起こった5件の殺人事件の裏真犯人と言うべき人物がいると聞かされて驚愕し、はっきりした説明や自分の見通しを言おうとしないポアロに苛立ちます。そして事件は本当に起こり、あろうことか、ヘイスティングズがつい親心の闇に惑い…。この段階で誰が犯人だか私には分からなかったけれど、分からないからこそ余計に背筋が寒くなりましたね。 最後の事件の仕事を終えて、ポアロはこの世界から去ります。切なくなります。ヘイスティングズの悲しみは言うまでもありませんが、一抹の慰めが残されてはいるので、少しホッとします。 未読のポアロシリーズをこれから読んでいこうと思います。
12投稿日: 2024.12.07
powered by ブクログやっとここまで来たか…という感慨に浸りながら読んだポアロシリーズ最終作。 数年かけて読み続けていたので、思い入れもひとしお。 年月と共に名探偵も老いて弱っていくけれど、その分作品の深みが増しているように思える。 事件の全容についてはある程度予想できた。 では、この最後の事件を彼はどう締め括るのか。 スタイルズ荘に始まり、スタイルズ荘に終わる。 良い幕引きではないでしょうか。
2投稿日: 2024.06.23
powered by ブクログ【ポアロ】 ポアロ最終話。もうすごかった…。 こんなに予想を超えてくるとは…。 言葉にならない。 この本を読み終わって完全にアガサ・クリスティにはまってしまった。 もう本当に読んで良かった! これから読む人にもぜひ情報ゼロで読んで欲しい。だから何を書いてもネタバレになりそうで怖い。 読み始めから最終話の雰囲気が漂っていて、今までと全然違う。どうして小説なのにこんな不穏な雰囲気が出せるのか。Audibleのナーレターさんも良かった。 100年もの年月を超えて国も違うのに、こんな気持ちにさせてくれるなんて、やっぱりさすが世界のミステリー女王だ。 アガサ・クリスティのことをもっと知りたくなった。一体どんな人なのか、アガサ関連の本も読みたい。 まだまだ未読のポアロシリーズがたくさんあるので嬉しい。はまってしまったのでAudibleのライブラリーが全部ポアロになってしまった(^^) 次は『五匹の子豚』を読もう。楽しみ。 Audibleにて。 ★10
87投稿日: 2024.06.20
powered by ブクログ読もう読もうと思っていて、ようやく読めた、ポアロ最後を飾る納得の一冊‼️クリスティにはいつも驚かされるが(私の中では、「アクロイド殺し」等)、こちらも驚きを隠せない展開。この時代に読んでも、全く色褪せない傑作。
3投稿日: 2024.06.03
powered by ブクログ「犯人」だけ覚えていたので 他の部分は新鮮に感じながらの再読。 年を取ったポアロが療養しているのは ゲストハウスとなったスタイルズ荘。 呼び出されてやってきたヘイスティングズは ここに殺人を教唆する稀代の悪人Xがいて 新たな事件が起きる可能性を知らされる。 車椅子になって身動きの取れないポアロのため 住人や近隣の関係者に話を聞こうとするが その中には彼の最愛の末娘も含まれていた…。 人の善いヘイスティングズさえ 自分の愛する人間が絡むと 一線を越えそうになってしまう。 人間の弱い部分を操る今回の犯人は 平然と近くに暮らしていそうで怖い。 そう考えると『スタイルズ荘』の ある意味わかりやすい犯人像の対極だね。 最後の最後にヘイスティングズと 一緒に捜査をする話が読めて良かった。 文句を言いあったり ちょっとイライラしあったりしつつも ポアロさんが一番信頼しているのは ヘイスティングズだから。 そばにいてくれて良かった。
5投稿日: 2024.05.07
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ポワロシリーズの最終作。最終作だからこその結末ですが… うーん、悲しいですね。 事件が起こるまでが長く、ずーっと不穏な空気が漂ってるのと、ポワロが年老いてるので少し読み進めるのが辛かったです。
1投稿日: 2024.01.21
powered by ブクログクリスティーのガイド本で興味を持って読んでみました! 確かに、ポアロ・シリーズでも最上位の極上のミステリー、でしょう。 ポアロ最後の事件は穏やかですが独特な緊張感を維持しつつ進んでいきます。あの人がXか、いやコイツも怪しい…。 衝撃的なラストまで、一気に読みたい気持ちを抑えつつ、ワクワクしながら毎日少しずつ読み進めて。 残念ながら最後の事件は終了してしまいましたが、まだまだ元気なポアロが登場する読んでいない作品が残っていますので、どれから読もうか楽しみです。
25投稿日: 2023.11.22
powered by ブクログエルキュール・ポアロ最後の事件。舞台はポアロ初登場となったスタイルズ荘。ここから伝説が始まり、そして終わる。衝撃的な結末で幕を閉じる。アガサ・クリスティが創造した名探偵ポアロは今までもそしてこれからも人々の記憶に刻み込まれるだろう。
1投稿日: 2023.10.06
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34か月間でポアロシリーズ読破!ヘイスティングスがポアロに呼ばれ一路スタイルズ荘へ。衰弱したポアロとの対面、いきなり「ここで大変な事件が起きるかもしれない」とポアロ。しかも犯人の目途は立っている。が、ヘイスティングスに真相は告げず。ヘイスティングスに犯人捜しを頼む。納得いかないが彼なりに慎重に住人と会話する。そこで医師の妻が自殺、別夫婦の妻への誤射、ヘイスティングスの殺人未遂、愛鳥家が拳銃自殺、ついにポアロが病死。複雑な真相はポアロの手記で明かされる。ポアロの幕引きは切なくも格好良かった。そうきたか~⑤
40投稿日: 2023.09.16
powered by ブクログポアロ最後の作品と言う事でなかなか手が出せなかった。でもクリスティには裏切られた事はない。今作も読み入ってしまった。人の心理や憎悪を巧みに煽った犯罪。ミステリーの標準がクリスティって分かる気がする。
6投稿日: 2023.08.14
powered by ブクログポアロの最終作にして最高の作品だと思う。 ポアロの推理の仕方とまさにマッチした犯人のやり方で、アガサならではのミステリーにどっぷりと浸れる作品だった。
2投稿日: 2023.05.05
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「これが私の最後の事件となるでしょう。そして、これまでで最も興味深い事件となるでしょう。なにしろこれまでで最も興味深い人物が犯人なのですから」 ポアロシリーズ最終話にしてアガサ・クリスティーの遺作。 あのポアロも老齢と病によりすっかり痩せこけて車椅子生活に。 けれど事件の真犯人に立ち向かう情熱が消えることはない。長年の友・ヘイスティングズと共に次々にに起こる難事件の謎を解き明かす。 これまでのシリーズと違い、全体的に物哀しさが漂う。いつもとは違うポアロの様子に終始ざわざわさせられた。 仲間であるはずのヘイスティングズを翻弄したりたきつけたり、と手の内をなかなか明かさないポアロの言動により、ますます物語全体が不穏な空気に包まれていく。 そしてこのラスト。ポアロの人生最後の事件は淋しい余韻がずっと残るものだった。もっと別の方法はなかったのだろうか、とポアロの最後の決断には悔やんでも悔やみきれない。 「殺人者になる素質は誰にでもある」 ポアロの遺言のようなこの言葉を胸に刻む。 山田正紀さんの解説にもグッときた。
36投稿日: 2022.11.14
powered by ブクログポアロ最後の事件であるせいか、他の話とは雰囲気が違うという印象を感じた。そもそも作中で起きていることもなんだかややこしく、実は裏でこういうことがあったのだ、と真実を語られても、すっきりした気分にはなれなかった。個人的には名探偵と犯人の在り方に色々と思うところがあるので、この解決方法は賛否両論あるのではないかと思っている。ただ、ポアロはヘイスティングズのために動いた一面もあると考えると、一概に悪いとは言えない気持ちにもなる。
3投稿日: 2022.10.28
powered by ブクログ解説に、「長らく封印されていた衝撃の問題作」とあったので気になって手に取った作品でした。 確かに他のポアロシリーズとは一線を画した作品で、衝撃的でした!! 賛否は色々ありそうですが、それも含めて楽しめる作品です!!
3投稿日: 2022.05.07
powered by ブクログ子ども時代から20代にかけてさんざんクリスティーを読んだものだがこうして久々に再読してみると改めてクオリティの高さに感服した。また読み返してみようかな…
3投稿日: 2022.01.31
powered by ブクログポアロ とうとうポアロ最後の事件。久しぶりにヘイスティングズに会えたのは嬉しいけどやっぱり寂しい。私はヘイスティングスと同じでポアロに呆れられるほど今回も分からなかった。生き残ったみなさんに幸あれ。 とにかくラストはびっくりするとともに寂しい気持ちでいっぱいになったけれど、私にはまだ読みかけの「ヘラクレスの冒険」がある!
2投稿日: 2022.01.05
powered by ブクログ読んで欲しい。できればポアロシリーズを数冊読んでから。 【読みやすさ】10 【衝撃】7 【推し度】100 【引き込まれ度】100 【ポアロ大好き感】10000
3投稿日: 2021.08.17
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エルキュールポアロ最後の事件に相応しい内容だった。 これを読んでしまったらポアロとお別れするようで、中々読まずにいたが、大変面白かった。 最後のポアロの決断には賛否両論あるかと思うが、彼の悪を許さない強い気持ちと、これから犠牲者を出さないために、禁断の手を用いたその覚悟に、私は拍手を送りたい。
2投稿日: 2021.06.20
powered by ブクログクリスティのカーテン、再読。 高校生のころに読んだはずだけど、あのこと以外は全部忘れていたので新鮮に読めた。 けっこう暗い雰囲気。 懐かしのスタイルズ荘が舞台だけど、お金がない夫妻によって改装されて安っぽいホテルになっている事実も胸にくる。 ポアロの弱り方もまた辛い。 と思いきやいろいろあって、ノートンが殺されて、えー?? そして最後の手紙を見て、えー???!!! いいの!!??こんなことして??!! そこまでのことなの?!?! と頭が宇宙猫になって読了。 こんな事態に立ち合ったヘイスティングス、ショックで鬱になりそうよ。 ジュディスとフランクリンの関係がいいなーと思った。 死んだヘイスティングスの奥さんって、シンデレラという名前だったのか、この名が出るたびなんだか笑ってしまう、すみません。 犯人xの関わり方がクリスティっぽい。 示唆するだけで大きなことを起こす、ひとの心理って怖いものだね。 それにしても1975年当時、リアルタイムでずっと金庫入りしていたこの作品を読んだ読者はどんな気分だったんだろう。
3投稿日: 2021.06.15
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あのポアロが犯罪に手を染めるの、寂しい感じ。でもテーマとしては面白かったな。どれだけ計算してても、他人の心を操るのがこんなにうまくいくものかと思ったけど、法に触れずに他人を引きずり込む悪の存在をありありと感じた。多くの人は他人の発言に少なからず影響を受けるし、相手が善良そうに見えればなおさらだと思う。特に、何か運命的なものを感じたら直感ですぐに行動するタイプだと、仕組まれた悪意に気付かずに罪を犯してしまいそう。 ポアロとXの戦いはどっちが勝ったと言えるのだろう?結果的に先にXが死んだから、一見ポアロが勝ったように見える。だが、人の心理を操って犯罪へ導き、人の生死を左右するのがXの目的なら、ポアロが殺人をするということはXの思うツボではないか。ヘイスティングスが唆されたことをポアロは指摘していたが、ポアロも唆されたことになるのではないか。 ちょっと疑念は残るけど、筋書きの意外性とか、人物描写の面白さはやはりあって、楽しく読めた。結構好きな方の作品。 「どこまでも暗い日も明日になれば過去のこと」っていう言葉は私も好き。
8投稿日: 2020.11.10
powered by ブクログポアロ最後の事件である。書名が謎ときには有効ではない不思議。病気のために体の自由を失ったポアロ。友人・ヘイスティングズをスタイルズ荘へ呼び寄せ、凶悪な殺人鬼を追い詰め、捕まえようとするが、安楽椅子探偵とは少し趣向が違う面白さがある。ポアロの死後、ヘイスティングズに残した手記が、なんと生き生き(?)していたことか。……しかし、なぜ友人は名探偵ポアロシリーズのなかで『ナイルに死す』と本書を貸してくれたのか? それが最大の謎だ(笑)
2投稿日: 2020.11.04
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読み終わった後の何とも言えなさ 切ないというか悲しいというか胸にぽっかり穴があいたような喪失感がしばらく続いた 気軽には読み返せない、ポアロに一言声をかけたくなるような作品 これを読んだ後には他のポアロシリーズを読んで心を満たしたくなる しかしそれでもポアロが好きだなぁと感じた作品
4投稿日: 2020.09.14
powered by ブクログ再読。 というか、もう5回目くらい。 好きな本は 何度でも 読み返します。 ミステリ好きになったきっかけは 小学5年生の頃 学校の図書室で たまたま手に取った クリスティの『ABC殺人事件』 だったのですが 都合のいいことに クリスティの作品に関しては 定期的に 犯人を忘れてしまうので もう 何十回も 全作品を 読み直しています。 "ポアロ最後の事件"と 銘打たれた この『カーテン』。 まず タイトルが秀逸。 読み終えた後に ずっしりと 胸に迫ります。 相棒である 人の良いヘイスティングズ大尉と ポアロの最初の出会いが 『スタイルズ荘の怪事件』。 そのスタイルズ荘に 年老いて病を抱えたポアロが 戻ってきました。 いったい 何のために? まだ起きていない 殺人事件のために。 罪を犯す者の『人間性』を 常に見つめ続けてきた ポアロが 最後に対峙する"悪"。 まだ 発生していない 殺人事件の犯人を どのように 裁くのかー。 どんな事件でも コミカルな持ち味を忘れなかった ポアロが この作品では かなり ハードボイルドです。 そして 人生の晩秋を迎えた ポアロとヘイスティングズ大尉の ほろ苦い心象風景も この年齢になったからでしょうかー 染みます。 出来れば ポアロとヘイスティングズの作品を いくつか読んだ後の方が より一層 その関係性を 楽しめると思います。
7投稿日: 2020.08.13
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再読。いくつかポアロ物を読んでから読まないと、ちょっと良さがわかりづらいんじゃないかと思う。シニカルな部分もあるし、ジュディスの安楽死容認発言も気になる。老いや伴侶を失う寂寥、夫婦関係への洞察など、ここまで年月が経たないとここまで書けないだろうなというところに、筆者と登場人物の経年と円熟を感じる。そして遠回しな反戦も読み取れるように思う。 苦い。そう、ジンセイって多かれ少なかれこんなふうに苦いものだよね。苦いものを抱えて生きていくものだよね。
3投稿日: 2020.01.27
powered by ブクログポアロとヘイスティングの出会ったスタイルズ荘が再び舞台となり、今度はポアロの招待でヘイスティングがやってくる。執筆は1943年なので舞台はその頃だ。ヘイスティングの妻は亡くなっており子供4人は独立して1人暮らしになっている。 過去に起きた5件の殺人事件は犯人が確定されていたが実は本当の犯人は別にいて、今このスタイルズ荘で第6の殺人が起きようとしていて、本当の犯人はまたもや別人を犯人に仕立て上げようとしているというのだ。 奇抜なストーリー、しかしポワロ最後の事件として書かれているだけあって重い解決がなされる。 1975発表(執筆は1943年) 2011.10.15発行
2投稿日: 2019.09.18
powered by ブクログ原書名:CURTAIN POIROT'S LAST CASE(Christie,Agatha) 著者:アガサ・クリスティ、1890イギリス・デヴォンシャー州-1976イギリス・オックスフォードシャー州、小説家 訳者:田口俊樹、1950奈良県出身、翻訳家、早稲田大学第一文学部卒 解説:山田正紀、1950名古屋市出身、小説家、明治大学政治経済学部卒
0投稿日: 2018.10.13
powered by ブクログ日本帰国中にBS放送で見て読みたいと思った作品。ポアロ最後の事件と、クリスティーが自ら幕引きをしました。この作品が執筆されたのが1940年代で発表は1975年。事件は、犯人Xが直接手を下すわけではないので、不確定の要素が加わればどうなったか?と思いますが、そこは非常に頭の良いXの緻密な計算の上で行われたということで、スルー。全編にポアロとヘイスティングの信頼と愛情に満ちた関係があふれています。
3投稿日: 2017.09.03
powered by ブクログあー…ポワロ…となります。 シリーズ最終作と言われており、終わるなら読みたくない!と買った後もしばらく寝かせていた(じゃあなぜ買った)のですが、意を決して読みました。 細かく見たら、「こじつけでは?」「つじつま合わない」という部分があるかもしれません。しかし、それを上回る驚きがあったからいいのです。毎回毎回すごいなあと思わされます。 特に今回は、驚きすぎてある一文を何回も読み返しました。 一通りシリーズを読んだ後に読みましょう。
2投稿日: 2017.08.03
powered by ブクログポアロの最期と聞いて、読んでみました。 犯人X、なるほど、なかなか尻尾を掴ませない「悪党」ですね。彼の罪は殺人教唆、殺人幇助になるのでしょうか。直接手を下さない犯人って、ある意味怖い存在ではあります。ただ、捕まえることができないからといって、あんなやり方で解決するのはいただけないなぁ。なんだか、腑に落ちない。心にもやっとしたものが残りました。
2投稿日: 2017.01.05ポワロ最後の作品
ポワロとヘイスティングズが二人で初めて事件を解き明かした場所、スタイルズ荘。そこにポワロが少なくとも5つの殺人に絡んでいると目する人物Xがおり、二人は再びその場所で事件に挑む。 出版順としても作品内の時系列としてもポワロ最後の作品(書かれたのは1940年頃とされ、クリスティーが「そして誰もいなくなった」などを書いている最も脂がのったころの作品)。 まずこの作品を読む前に一つ言いたいのはこの作品を読む前にポワロの作品をとにかく色々と読んでいて欲しいということ。この作品を絶対に最初には読まず、その前にポワロの作品をいくつか読み、ポワロ最後の事件の重みを少しでも味わって欲しいと思う。 肝心の内容は傑作としか言えない。ほかの有名な作品に対し、知名度では劣るものの事件の全てを明かされた時の驚きはどのクリスティー作品にも劣らない素晴らしいものだったと思う。 また、この作品の特徴の一つに長年出てきた登場人物の個性を最大限、事件に活かした作品であるということがあげられると思う。ポワロ以外にもヘイスティングズやジョージの性格などを読者にある印象を与えたりするのに利用する素晴らしい作品だと思う。 それらを最大に味わうためにも他のポワロの作品を読んでから読んで欲しい。そして、絶対に読んで欲しい一冊だと思う。
2投稿日: 2016.12.27
powered by ブクログヘイスティングズは親友ポアロの招待で懐かしきスタイルズ荘を訪れた。老いて病床にある名探偵は、過去に起きた何のつながりもなさそうな五件の殺人事件を示す。 その陰に真犯人Xが存在する。しかもそのXはここ、スタイルズ荘にいるというのだ・・・。 (当書裏表紙あらすじより) ポアロ最後の事件の話です。 本作とミス・マープルの最後の事件「スリーピング・マーダー」の2作品は、晩年に発表されてはいるものの、執筆は全盛期に行なわれていた、といいます。 その辺りの詳しい話は巻末の解説にあります。 ポアロ最後の事件なのでポアロ・シリーズの最後に読もう、と思ってずっと手を出さずにいたんですが、何時になるか判らないと思い、2月頃にブックオフで購入していました。 ただ事件の真相については、テレビか何かで知ってしまっていたので、「まさか?!」という思いを確かめるために読みました。 偶然知ってしまった真相。間違いなかったですね。 ミステリーにはよくあるタイプの話でしたが、それをポアロに演じさせた、というのがアガサ・クリスティーの凄いところなんだろうな、と感じました。
2投稿日: 2016.06.15
powered by ブクログポアロ最期の事件。 錯綜する人間関係。 そして例のごとく誰もが怪しくて最後まで犯人が分からない。 そんな簡単にそんなことにみんななるのかしら(ネタバレのため書けない!)とも思うけど…全否定は出来ないような…そうでもないような…。 そこまでにならなくても似たようなことなら十分に起こり得ると思えてしまうのが怖い。 しかしまさか最後のその犯人がそうだとはなぁ。。 うーん。 (やっぱりネタバレのため書けない!) 出版されたのはクリスティ最晩年。 書かれたのは彼女の全盛期らしい。 これを書いた後に何作かポアロを書いていたわけで…それを思うと何だかすごい。
2投稿日: 2014.06.25
powered by ブクログポアロ最後の事件。年老いたポアロは懐かしいスタイル荘に泊まっていて、ヘイスティングズ大尉を招く。そこでポアロから、宿泊者である殺人者Xの事を聞くが、それが誰であるかを明かしてくれない。物語はアガサのいつものように、魅力的な登場人物と明瞭な展開で進む。しかし年老いたポアロには力も若さも無く、灰色の頭脳だけが頼り。人生の寂寥感と空しく重苦しい雰囲気を感じた。
2投稿日: 2014.03.16スタイルズ荘で始まり、スタイルズ荘で幕が閉じる
ポアロが初めて登場するスタイルズ荘。そしてなんと、今回の舞台もスタイルズ荘ですが、今作がポアロのラストの作品となります。灰色の脳細胞を使い難事件を解決した彼は、今や老い、病床にある状態です。そんな時、ヘイスティングズ(本作の書き手)に5件の事件を提示するポアロ。この5件には、真犯人がいるのだというが・・・ 完全犯罪を扱っていますが、この完全犯罪を崩そうとしていきます。完全犯罪の全容が分かった後には、ラストとして、おどろきの結末が展開されます。ポアロのファンで未読の方には、是非読んでいただきたいです。初めての方でも十分読むことが出来ますが、出来ればポアロの代表作をいくつか読んでから読んでいただきたいと思います。読んで損しないミステリーです。
4投稿日: 2013.11.17名探偵ポアロ最後の事件
死後出版で今までにない展開で衝撃のラストを飾った問題作。
1投稿日: 2013.09.24
powered by ブクログこの本を読んだ後にくる何とも言えない感情。15年前に読み、その時も同じような脱力感があった事を記憶している。多分また何年か後に読んで同じような感情を持つのだろう。
1投稿日: 2013.03.10
powered by ブクログこの訳者の翻訳に違和感を感じたため、本来なら星3つくらいの評価ですが、偉大なるエルキュール・ポワロの幕引きに敬意を込めて星5つです。
2投稿日: 2012.10.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
スタイルズ荘を読んでちょっとしか経ってないのに終わってしまった。 もっとじっくりポアロとお付き合いしてから読むべきでした。 内容は・・・ 相変わらず驚かされます。
2投稿日: 2012.03.11
