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さっさと不況を終わらせろ
さっさと不況を終わらせろ
ポール・クルーグマン、山形浩生/早川書房
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総合評価

52件)
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    「さっさと不況を終わらせろ」 https://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51799377.html

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    投稿日: 2025.07.12
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    2008年のリーマンショックによる大不況が時代背景となっている本で、 積極的な財政・金融政策による不況の解決を主張している

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    投稿日: 2020.07.12
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    先に読んだ「財政破綻は回避できるか」とはまるで真逆のことを主張している。 あとがきに主張がまとめてある。 「いま(2012年)はまだ、リーマンショック以後の不景気が続いていてまともに回復していない。そして失業者の技能や労働市場での価値の低下から、その害が一時的なものではなく、長期的な被害になりつつある。だから景気回復策をきちんとやろうということだ。  そして、その手法も明快。昔ながらのケインズ的な財政出動をやろう。赤字国債を出して、大量の公共事業をやろう。いままで行われている景気刺激策は小さすぎる。これまでの規模の数倍をどーんとやるべきだ。…そして中央銀行はそれを金融緩和で徹底的に支援すべきだ。それに伴う財政破綻だの金利上昇だのは、悪しき固定為替制度の下にある、ユーロ圏のスペインやイタリアのようなかわいそうな国以外は、全く心配する必要はない。」 財政破たんについて、考え方のどこが異なっているか。それは、つまるところ、クルーグマンはインフレで借金は返済可能だと考えているのに対し、深尾氏は財政健全化を急がずに、国の信用力が落ちれば、資金調達のコストがさらに増し、将来もっと厳しい不況と増税に襲われるという危惧をいただいているということだろうか。そういう意味でアベノミクスは、どちらが正しかったのを証明することになるのだろうか。

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    投稿日: 2018.10.08
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    タイトルの割には面白くなかったです。 冗長すぎます。 ただし、訳者解説は秀逸。 ここだけ読めば十分です。 さすが山形浩生。

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    投稿日: 2017.05.17
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    今さらだけど読んでみた。 不況の時に財政再建のためといって財政出動しないのは雇用をさらに減らす。 金融緩和も思い切った程度でやらないと効果ない。 そもそも不況のときに財政赤字気にしてバラマキやらなくたって不況が続いて失業が増えるなら損失は減らない。 といったことの理解になった。 (Kindle版)

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    投稿日: 2016.01.02
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    もしこういう本が分かり易いって言うのなら、そういう人もあってもちろん構わないけれど、それって単純に言って数字が出てこない事、或いは長い説明をダラダラと読んで全ページ読めたことと同じなら、逆に分かりにくいって思う人もいるのではないかと思う。そういうところがまさに欧米人専門家の書いた一般書という印象。

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    投稿日: 2015.02.17
  • すべての経済学の本が、これくらい平易であればいいのに

    この本をかんたんにまとめると、 不況の時には ・政府支出を増やして、お金を循環させましょう ・民間の負担になること(増税、利上げetc)はやめましょう ということになる。 もちろん言いっぱなしではなくて、様々な理論的な根拠があることも示している。 この本のいいところは、平易な文章で書かれているおかげで、普段経済政策のことにまったく興味がない層にも経済学の論理を伝えることができるという点である。 例をあげてみる。 日本の新聞や情報番組を見ると、『赤字国債の大量発行で日本経済は崩壊する』『だからこそ事業仕分けが必要だ』といった報道がされることが多い。大半の人がこの話を知っていて、日本の将来に悲観している。 しかし、クルーグマンの意見はまったく反対だ。 彼によると、不況の時にはどんどん国債を発行して経済を循環させることが必要であるという。 また。赤字国債の返済は支出カットによる国家予算の黒字化ではなく、インフレによって国債の額が目減りしたときに返せばよいと述べている。 既存の報道ではなかなか教えてくれないこのような考え方、理論を知ることで、必要以上に将来に不安を感じることがなくなるだろう。 正しい知識を身につけて、自分で判断することがこれからの時代は求められる。 それを可能にするのは平易な文章でわかりやすく書かれている本であり、本書はその条件を満たしている。 リーマンショック後の経済のことについて書かれた本ではあるが、アベノミクスの意味を知る上で理解を深めてくれる本だと思う。

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    投稿日: 2014.10.06
  • 経済停滞と「子守り協同組合」

    クルーグマンは、2008年金融危機を端緒としたアメリカの長期経済停滞をいかに脱してあるべき経済成長へと回復させるべきかを説いています。 経済停滞は様々な苦痛をもたらしますが、もっとも深刻なものが失業問題です。職が無い人は、所得が無いだけでなく、職業に就けないことで自分の価値の低下を感じることから、非常な苦しみを強いられるのです。人は職業を通じて、自らの社会における存在価値を確認して生きています。だからこそ、大量の失業は、大きな悲劇なのです。 本人の問題でなく経済停滞が原因であったとしても、長期の失業は、職業的なスキルを低下させ、また長期に職に就いていないという理由から雇うに不適当な者と見做されてしまうこともあります。特に若者の失業は深刻です。長期経済停滞で、一度も職に就けないまま、スキルを身につけることもできず、雇うに不適当な存在と見做され、これが一生続くのです。好況と不況の時期に社会に出た若者の人生を調査すると、好況の時期に社会に出たものの方が出世し経済的にも裕福な生活を送っているのです。 では、長期経済停滞の理由は何かというと、それは消費者、事業者、政府が十分なお金を使っていないことからきているのだそうです。対策はというと、需要を十分に大きい規模に増やせば、社会全体は技術も生産能力も有しているので自然に回り始めるという主張です。需要を増やすのは政府の役目なのです。これは、ケインズが20世紀初頭に説いた話と同じだそうです。 この意見に対する態度は様々で、当たり前すぎて不況への解答になっていないとか、不十分な需要で世界全体が苦しむのはありえないと否定するのが多いそうです。そもそも人々は自らの所得を何かに使わざるを得ないのであるから、需要不足が起きる筈が無いというのです。 この意見に対して、クルーグマンの出した「子守り協同組合」のアナロジーは、社会経済構造の要点を的確に説明しており面白いです。社会全体の心理が悪化すると需要が不足する仕組みを説明しています。: 若い議会職員(約150組)が、ベビーシッター代を節約するために、交代でお互いの子供の面倒を見る仕組みを作りました。互いが公平に子守を受け持つように、クーポン制にしてありました。子守をしてもらうときにクーポンを相手に渡し、自分が子守をするとクーポンを受け取る、そして、初めに受け取るクーポン数を脱退するときに返すのです。ところが、クーポン制にしたせいで、手持ちのクーポン数を気にするようになりました。いざという用事にクーポンを取っておきたいために、それまでであれば頼んでいた子守の依頼を控えるようになったのです。皆が子守の依頼を控えることで、クーポンが回転しなくなり、手持ちのクーポン数が少ない者は一層子守の依頼を控えるようになります。こうして、子守協同組合が機能しなくなったのです。この子守協同組合は、クーポンを増刷して増やすことで、参加者の心理を変化させ需要が出るようにしたところ見事に改善したそうです。 この実例は、以下のわかりやすい主張を説明しています。 「あなたの支出はぼくの収入であり、ぼくの支出はあなたの収入になる」 単純明快なことですが、現実の社会経済で世界規模にやるとなると難しいと思います。現実には、事業者も消費者も不景気な状況でお金を使いたがらないので、需要を回復するには政府が大きな支出をするしかなくなります。政府は普通政策金利(公定歩合)を下げることでお金の流通量を増やしますが、政策金利が0%に近いと、0%を切って金利を下げることができなくなります。ですから、もっと広範囲に金融緩和を行い、政府支出を増やすべきだというのです。非常にわかりやすい説明で、かえって本当にこれだけでいいのだろうかと迷ってしまうところに問題の本質があるのかもしれません。

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    投稿日: 2014.08.23
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    ★2014年2月19日読了『さっさと不況を終わらせろ』ポール・クルーグマン著 評価B 2012年上期の著作なので、まだアベノミクスは世に登場していない。しかし、ノーベル経済学賞受賞のクルーグマン教授は、財政出動、金融政策など現在の政府が取りうる景気刺激策を取るべしと主張。まさにアベノミクスそのものの主張。 財政赤字削減を優先すべしという世の主流経済学者の主張は、世界を不況の海に沈め続けるだけだと過去の事例をもって検証していく。 現在のクルーグマン教授のアベノミクスに対する評価を読んでみたい気がする。

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    投稿日: 2014.02.19
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    2012年7月20日初版 ケインズ「緊縮をすべきなのは好況時であって不況時ではない」 働きたいのに職がない→自分の価値が低下したような気分→尊厳や自尊心に対する打撃 →この苦しみを終わらせるための知識も手段も持っている。 マグネトーの不具合→つまらない故障のせい 子守り共同組合→あなたの支出=ぼくの収入 FRB 2008年以降マネタリーベースを3倍→流動性の罠(ゼロ金利でも高い) 金融政策では人々を訓練できない→×失業者=建設業のイメージ ハイマン・ミンスキー「金融不安定性仮説」→安定期=レバレッジ→リスクに不注意→経済不安定 金融イノベーション→金融システムを崩壊寸前まで追い込んだ。 銀行=金細工工業の副業→金庫の利用のため→引換証=通貨の一種 1933年グラス・スティーガル法→銀行が手を出せるリスクの量を制限→融資○投機× クリントン大統領→廃止 アメリカ議会が低所得世帯の持ち家を増やしたがったのが融資増大の元凶→×他の市場でも起こった。「サブプライムローンは政府のせい」→保守派(小さな政府主義)の思わく。 なぜ1%,0.1%の富裕層が,他のみんなより収入が増えたのだろうか?→怒りの制約が緩和された。ゴシップであったものが研究対象。 マクロ経済学 1940年代 大恐慌への知的な対応の一部,惨劇の再演を防ぐ。 1936年 ケインズ「雇用,利子,お金の一般理論」 1948年 ポール・サミュエルソン「経済学」 オバマ大統領→「大胆ですばやい行動」→不十分 ミンスキーの瞬間は,実は瞬間ではなかった。→ブッシュ時代 住宅バブル→シャドーバンキングの取り付け騒ぎ→2008年9月15日リーマンブラザーズ破たん オバマ アメリカ回復再投資法(ARRP)7870億ドル→建設は小さい部分。大部分は失業手当 雇用から財政赤字に注目を移す根拠はない。債務危機→根拠なし。 日本国債の金利上昇に賭けた投資家→大損 日本=自国通貨で借りている。 他国通貨(外貨建て)→パニック攻撃に弱い。 支出削減→長期的な財政状況改善×→失業,経済の停滞→コストが高くなる。 インフレ急上昇は,経済が停滞している限り起こらない。 ヨーロッパのエリート→単一通貨からの利益を宣伝,欠点に対する警告を黙殺=労働移住性の低さ ミルトン・フリードマン「変動為替相場擁護論」 変動為替=サマータイム→たった一つの価格の変動→簡単 ヨーロッパの大妄想 スペイン→費用の引き下げ→デフレしかない。→高失業率が続く。 国債の買い替え→自国通貨を持っていれば,中央銀行が政府債を買う→デフォルトは起こらない。 緊縮論者→インフレの恐怖。→安心感を求めているだけ。→経済が強くなるまで発効するべきではない。 S&Pの格付け「市場の宣告が下った」→市場の実際の反応はなし。→アメリカの借入費用はかえって下がった。 2010年選挙 イギリス・キャメロン首相→緊縮,安心感についての懸念が根拠。→不景気 雇用創出より財政赤字削減=緊縮論者→貸し手に有利→苦しみを永続させることにこだわる。 2000年バーナンキ教授→日銀批判「自縄自縛の麻痺状態」→自分がFRBでは同じ。 ポール・クルーグマンと不況の経済学 1970年代「収穫逓増下の貿易理論」→何かの偶然で秋葉原=電気屋→客を集める→電気屋の集積→電気街へ 流動性の罠→一時的な金融緩和は効かない→インフレターゲット論 ×財政出動は将来に禍根を残す→財政出動しなければ,将来へのツケを残す。

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    投稿日: 2013.12.03
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    久しぶりに読んだ経済書。平易にくだけた形の文章も多く、読みやすい一冊だった。マクロ経済学の面白さを感じることができた。 アメリカの経済政策が論点の中心であったが、ヨーロッパの不況のメカニズムに関する解説が分かりやすく印象に残った。 次は、財政規律を厳格とせねばならないという立場の人の本も読んで、比較をしてみたいと思う。

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    投稿日: 2013.10.14
  • アベノミクス理解への一助に

    平易な文章というか極めて口語的な文により、素人でもデフレ下における量的金融緩和がなぜ経済対策に有効なのかが理解できます。また、無節操な規制緩和も規律の乱れを引き起こしてしまうことが理解できました(リーマンショックの要因のひとつ)。安倍内閣の経済政策を判断するために参考にしてはどうでしょうか。

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    投稿日: 2013.10.01
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    もっと早くアベノクスのような政策を実施していればと思う。今、財政再建の為の消費税増税がほぼ確定しているが、もっと早くやれる事を、十分量、十分な期間実施するとしていれば、財政問題にしばらく目をつむってクルーグマンの言う正に「さっさと不況を終わらせる」事ができていたと思う。

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    投稿日: 2013.09.01
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    ノーベル経済学賞受賞のホールクルーグマンが説く不況脱出の処方箋。財政政策、金融政策の重要性をわかりやすく解説。

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    投稿日: 2013.06.30
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    不況は決してどうしようもないものでなく、人の力によって十分に対処できるって本。 なんか日本のマスコミが嫌いそうな政策を提言しているのだけど、その説得力はかなりあるように僕は感じたな。 そして、今話題(?)のアベノミクスは、だいたい著者の主張をなぞるような政策のように僕には見える。 はたしてこの壮大な社会実験は成功するのか。 成功しなかったとき、著者はどのような言辞を弄するのか。そんなことを考えました。 個人的には、著者の提唱する方策、そして現実のアベノミクスは、ぜひとも成功してほしい。 経済成長ってバブルの成金の嫌な姿が思い出されがちだけど、底辺の人もそれなりにうるおって、自殺者とかの問題も結構軽減するからね。 そんな感じで、少しでも「まし」な世界になりますように。

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    投稿日: 2013.06.10
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    緊縮財政・財政再建は今じゃないでしょうということ。ケインズ、ポストケインズのほうが個人の好みから言ってもしっくりくるって感じ。

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    投稿日: 2013.05.21
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     クルーグマンで山形訳となれば、おもしろさはテッパン。リーマンショック以来の世界の不景気は、終わらせることができる、そのための知識・武器もある、というのが筆者の主張。ケインズ以来の財政出動と金融緩和をちゃんとやれば大丈夫だと。  じゃあ、なぜ不況は終わらないのか。規模が小さすぎる、小出しにしすぎる、果ては財政破綻を心配するあまり引き締めに走るようなまるきり逆の政策まで。ここらへんへの反論が読みどころ。  まさに日本がアベノミックスというか黒田バズーカをきっかけとして経済的に浮上しつつあるいまが読みどきかも。クルーグマンの、日本の経済政策に対する評価も聞いてみたいところだ。

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    投稿日: 2013.05.19
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    ノーベル経済学賞受賞の著者による不況に対する提言、というのは生ぬるく、かなり強烈な論調で現在の経済施策に対する批判とこれからどうすべきかを記している一冊。 ターゲットはアメリカとヨーロッパ。日本はちょっとしか触れられていない。だが、置かれている状況はほとんど同じだと思っていい。 著者の理論は説得力があるのだが、著者による反語調の記述が、著者の主張を非常にわかりにくいものにしている。訳者解説でなんとなく分かった感じ。自分の知識不足も大きいんだろうな。 そのため、評価は星3つ。

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    投稿日: 2013.04.28
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    今話題のアベノミクスの掲げる三本柱はクルーグマン氏の主張と重なる部分が多いですね。そういった意味では、日本は実践でこれを証明しようとしていることになるのかもしれません。

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    投稿日: 2013.04.09
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    ポール・クルーグマンが、なぜ金融緩和によるインフレが不況時に有効なのかを分かりやすく解説。 デフレでは→個人の消費の減少→企業の収入の減少→設備投資ができなくなる→給料少なくなる→個人の消費の減少・・・ という悪循環が生まれ、ここで誰かが資金を注入しなければいけません。 簡単に言うと、これができるのは政府だけであって、政府が金融緩和政策を行うべきだと解いている。 さらに、金融緩和政策によってデフレが解決しないのは、量や時間が足りなかったせいで、金融緩和そのものが無効なわけでもないと論じている。 とにかく、この経済学の分かりにくい現象をわかりやすく平坦な言葉で、例を使って解説してくれるのでマクロ経済の勉強になります。

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    投稿日: 2013.04.07
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    著者はクルーグマン。 「道草」で翻訳されているコラムと内容がかぶるものが多く目新しさはない。 彼の主張は、「不況に陥ったら緊縮財政するな。政府は財政赤字を気にせずに拡張的な雇用創出政策をやれ。中央銀行はその支援をしろ。」 需要不足にある状態では、中央政府が大規模な財政出動を行って、需要不足を埋めろってのは納得。批判の一つに出口戦略があるのだけど、結局不況を脱してから話すことだろって気がします。 彼の主張の要は財政出動であるわけで、昨今の日銀金融緩和とは違います。

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    投稿日: 2013.04.06
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    どちらか択一ではないが、「社会は分配であり、政治は平等を実現する」と思った事と、データをただしくみながら何かをかえる勇気をもつならば、ケインズ派の政策を考えた方がいいのは確かだと思ったー。

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    投稿日: 2013.03.27
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    米国の住宅バブルの崩壊(リーマンショック)以降ゼロ金利に達したのも関わらず、失業率が高いまま景気は低迷していた。これが流動性の罠だとして、ゼロ金利でもまだ高すぎると説き、金融緩和、インフレターゲテング、財政出動などを組み合わせた政策が必須と小さな経済圏の例や歴史などを背景として強く主張する。 住宅バブル引き起こした金融業界に怒りの鉄槌を振り下ろし、失業を本人の問題ではなく政策の問題ととして捉えるところなど米国共和党と真逆の考え方であることも良く分かる。 背景となる主張はとても共鳴するのだが、冗長かつエキセントリックな表現が多く主旨が分かり難いのが難点、その辺りは訳者解説がとても分かりやすく纏められているのでとても理解の助けになった。グルーグマンの主張を手っ取り早く理解したいなら訳者解説だけ読むのも良いかも知れない。 本書を手本としたのがアベノミックスと言われていますが、グルーグマンの主張するようにさっさと不況を終わらせて欲しいですね。

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    投稿日: 2013.03.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    著者のポール・クルーグマン氏は2008年ノーベル経済学賞を受賞した経済学者であり、世界銀行やEC委員会の経済コンサルタントとして活躍されています。 世界的に停滞が継続していることについて著者は、経済学者ケインズの言葉をかりてこう語っています。 「回復も見せないが、完全な崩壊に明らかに向かうこともなく、通常以下の活動状態で慢性的に、ずいぶん長い期間とどまり続ける」 この現状を打破するために、どうすればいいのかの答えを本書は明確に表しています。 それは大きな財政出動と大胆な緩和的な金融政策を実施するということです。つまり、昔ながらのケインズ的な政策を行うということが本書の主張となっているようです。 本書には、日本についての記述は登場しませんが、長期デフレ基調での不景気、ゼロ金利近い流動性の罠など多くの部分が日本の現状に当てはまります。 著者の考えによると、日本も一過性でない思い切った財政出動と大規模な金融緩和によってこの状況を脱出できる、ということなのでしょうが、今の日本の現状をみると著者の主張とは反対の方向へ進んでいるような気がします。 公共工事の減少、財政支出を減らす、消費税増税などがそうです。その流れを変えるのは容易なことではありませんが、本書を読んで一人でも多くの人が現状の各種政策の愚かさに気付いてくれればと語っています。

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    投稿日: 2013.02.23
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    まさに、今の不況を説明するものなので、読むのが遅れると賞味期限が切れそう。 98年の、it's baaaaack!!からあんまり主張がぶれてないんだよなぁ。公共事業に対するものを除いて。 日本の不況はなかなか時代を先取りしてたんだね。。

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    投稿日: 2013.02.22
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    End This Depression Now ! by Paul Krugman を読む: 本稿の目的は、「さっさと、不況を終わらせろ!」(山形浩生訳:早川書房)なる著作の内容を追いながら、その論点を整理するモノではなくて、(読んで貰えれば、それ程、長くないので、わかりやすい)、飽くまでも、私が、読後、色々と抱いた感慨を述べる極めて私的な内容でしかありません。従い、ことの成否を確認なされたい方は、まずは、本を読まれることをお勧め致します。 著名な経済学者は、どちらかと言えば、経済理論のみならず、ある種わかりにくさの中に、哲学的思考というか、倫理学的な観点からも、卓越した何かを内面に有しているように思えてならない。それは、アダム・スミスやマルクスやエンゲルスも、ケインズですらも、そのような系譜が感じられるのは何故なのであろうか?クルーグマンは、それに比べると、単純明快、バッタ、バッタと、論敵を快刀乱麻の如くに、なで切りにして、その意味では、ある種の明快さの裏に潜む誤解されるという「負の要素」も無きにしも非ずであることは、否めないであろう。それにも関わらず、アメリカの共和党・民主党、双方に対しても、歯に衣着せぬ物言いを展開するのは、実に小気味よいではないか。何か、モノに憑かれたような「闘う宣教師」のような形相すら文脈や行間には、感じられる。もっとも、写真で見る限り、その面構えも、タフな容貌ではないと、誰が言えようか?アメリカの学者であるから、むろん、アメリカの経済分析を主体に論じられているにも関わらず、その日本経済に対する関心度・洞察度、とりわけ、失われた20年にも及ぶデフレ、超低金利、株安、為替・超円高との闘い、決められない政治に起因する金融・財政政策のガダルカナル式出し惜しみ、漸次的対応の試行錯誤、等、自らの議論を展開する上からも、魁としての日本の課題を、十分、反面教師的に研究考察しつつ、その打開策を、端的に分かりやすく、問題点とともに説いている。その意味では、日本の経済学者、或いは、エコノミスト称する輩とは異なり、まずもって、タフなアメリカ社会の中で、それなりの地歩を築いてきただけのことはあって、その筋金は、柔そうではない。 人間は、「茹で蛙」の譬えの如く、確かに、長い間、徐々に熱くなるお湯の中にいると、その熱さが分からなくなり、終いには、熱せられて、茹でられてしまうことになる。同様に、マイナス成長、超低金利、株安、超円高、デフレ、賃下げ、空洞化の中で、長い間いると、それが、あたかも、ひどく、複合的な魑魅魍魎の成せる技のような錯覚に陥ってしまいがちである。しかし、そうではないと、はっきり、バッサリ、クルーグマンは、車の「マグネトーの不具合」を引用して、切り捨ててしまう。そして、更に、具体的な方策も、明示する。政府による公共投資への拡大策、大規模な新しい財政刺激策、経済活性化の為の政府支出プログラム、インフレ・ターゲットの設定、需要の創出、成長戦略など、(流石に、地元、毛利の3本の矢の譬えは、出てこないが、、、、)何処かで、最近聞いたことのある政策が、紙面には踊る。何よりも、「知的な明晰さ」と「政治的な意思の欠如」が、必要と、彼が、アメリカよりも、自分の経済理論を、直ちに、実行に移して貰いたいのは、本当は、オババによる米国ではなくて、実は、日本にこそ、期待するところ大なのではないかとも思われるほどである。読みようによっては、そんな気がしてならない。もっとも、それは、私が、日本人の観点から、読んでいるせいなのであろうが、、、、、、、。その意味では、この著作は、今日の日本中、否、世界中に蔓延している心理的な焦燥感と絶望感、或いは、拡張的緊縮政策やセンセーショナルに語られるところの終末論的破局説への対極的な政策提言である。天安門事件の時に、あたかも、人民解放軍が、二局分裂化して、内戦に突入するかの如き分析を行った軍事評論家と称する者や、さっぱり、具体性に乏しい現状分析だけで、解決策を提示出来ないでいるTV経済評論家に較べると、(較べる事自体が、恐れ多いのも事実であるが、、、)流石に、ノーベル経済学賞受賞の学者は違うのだろうか。自分の理論に、責任を持っていそうである。もっとも、著作の端々には、その期待する所の政策の実行者に対して、「優柔不断」や「断固たる決意の欠如」を、嘆いている節が、結構、見られなくもない。 今から、思えば、「金融ビッグバン」なるものは、一体、何だったのであろうかと、考えさせられる。決して、私達は、日経やその他の経済誌が、未来は、太陽系のビッグバンによる誕生に喩えて、素晴らしいバラ色であるかのような幻想を抱かせたことを、、、、忘れてはならない。預金銀行・証券会社・信託銀行・投資銀行の垣根という障害は、「誰」の為の「障害」だったのであろうか?結果としてのシャドー・バンキング・システムの肥大化に伴う「モラル・ハザード」を惹起させてしまったのは、金融の規制緩和が、元凶だったのであろうか?むしろ、規制の「緩和」よりも、規制の「更新」の方にこそ、本来、適宜、必要だったのではないかと、政策の失敗だったのであれば、それは、又、ある種、「人災によるもの」であろうが、、、、、。「今にして思えば」と言う言葉は、何とも、可笑しなものであるが、実際、度重なる法案の提出や規制緩和の施策が、今にして思えば、「とんでもない結果」をもたらそうとは、その時、どれ程の人間が、思い描いていたであろうか?「バーナンキFRB議長は、自らが大学教授であったこともあるかつてのバーナンキ教授の助言に、自ら、従うことが出来なかった」、という言葉は、実に、当を得て、しかも、妙である。何とも、学者の時と政策当事者になると、立場が多いに異なり、自説を実行できなくなるのであろう?人間とは、所詮、立場が、変われば、そんなものなのかも知れない。 この本の中には、当然、上杉鷹山や、清貧の思想という記述は勿論ない。ただ、私が、面白いと思ったのは、「負債というものの考え方」についてであり、又、緊縮策と心理的な道徳概念・美徳の概念や倹約の奨励などに対する合理的な考え方である。とかく、日本では、時流に媚びへつらうのか、どうか分からぬが、倹約というと徳川幕府の三大改革が、いつも、教科書通りの鑑として、もてはやされて、果ては、「上杉鷹山」や「清貧の思想」なる何とも精神主義的な形而上学的な心構えを説いたり、倫理的・道徳の範疇の延長戦上での「精神論」へと、進みがちである。(上杉鷹山自身は、そうではないと思われるが、)経済的苦境=倹約・節約・貯蓄=出を制して、入を図る=道徳的倫理的精神論へと、完結して行く。その観点から見る限り、財政赤字削減と緊縮論者への痛烈な言葉は、「負債というものの考え方」に端的に、表されていよう。即ち、曰く、「負債というのは、自分たちが自分たちから借りているお金で、、、、、(略)、、、、、世界全体でみると、全体としての負債水準は総純資産価値には、全く影響しないことがわかる、誰かの負債は誰かの資産だからだ。」と、観点を変えれば、目からまさに、鱗である。純資産価値の水準が問題になるのは、純価値の配分が問題になるときだけであると、そう考えると、貧困と格差、賃金・失業、セイフティー・ネット、等の問題点も、景気循環や経済成長・停滞ともおおいに、関連づけられて議論されても良さそうであるが、もう少々、この辺の課題については、別の著作ででも、論じてもらいたいものである。やや消化不良である。 EUの危機とは構造的に異なり、米国では、資産担保証券(ABS) 債務担保証券(CDO) クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)等の或いは、デリバティブ・通貨スワップとか、「金融工学」と称する合法的なイカサマ賭博のような手法が、住宅ローンや、各種金融取引に、リスクが分散、ちりばめられ見えにくくする形で、取り入れられ、更に、S&P等の格付け会社による意図的な信用ランクの優良高位付けとも相俟って、より厳しい規制・監視ではなく、逆に、より無制限な緩和へと、人為的、政策的にも、大失敗をもたらしてしまったのは、周知の事実である。もっとも、それらは、政治的な圧力にもよるところが、大である以上、反ウォール街デモ参加者の気持ちが分からないでもない。しかし、一方で、米国住宅ローンの不良債権化の問題に対して、「大規模な借り換えプログラム」の実施を強く要求するも、政治的な立場から、債権者最優先の道徳的な考え方、即ち、債務者(債権者・金持ちからすれば泥棒になる者)への追加的な優遇策=借り換えプログラムの実施は、まさに、泥棒に追銭という理屈から、政府は、倫理的な政治的圧力に屈してしまったと、逆に、もっと、大胆に、個人債務者を救済し、このプログラムを大胆に実施すべきであったと。 「負債圧縮・倹約のパラドックス」と言う言葉は、なかなか、心理的に、面白い言葉である。心理的と云えば、「恐怖心と安心感」、「安心感の妖精信仰」、という言葉も、心理的な要因を考える上で、興味深いものである。確かに、センセーショナルに、デフォルト、デフォルト、とばかりに、喧伝し、金融システムの崩壊、信用緊縮、銀行の取り付け騒ぎ、国の崩壊と、まるで、ワイマール共和国末期のナチスが、台頭してきた時期を連想させるような議論は、一寸、一歩、立ち止まって、冷静に、考える必要があるかも知れない。インフレも、我々が、体験してきたのは、せいぜい、特殊な戦後の一時的なハイパ-・インフレや、成長期でのインフレ、或いは、経済不況下でのスタッグ・フレーションで、そうした心理的な「インフレへの恐怖」の概念や、やがて来るかも知れない漠然とした「経済的破局・恐慌への恐怖」というものが、心の片隅にあることも否定しきれないのも事実ではあるが、、、。エネルギー・コストや食品の数値を取り除いた所謂、「コア・インフレ指数」というのも、消費者物価指数・卸売物価指数・鉱工業生産指数等の統計数値の中で、正確に、再考されなければ、今日の統計数値というマジックに、又しても、何処かで、騙されてしまいそうである。 ヨーロッパに、目を転じると、所謂ユーロ危機は、そもそも、通貨体制をしっかりと、構築することもなくて、只単に、政治的な大欧州という政治統合の幻想が、先走る結果となり、単一独自通貨を有さない国々と共通通貨€ユーロとの齟齬と矛盾とが、主たる原因で、これに加えて、「労働委移住性」が、異なる言語や多様な文化によって、阻まれることにより、低下し、偏ってしまったことも、確かに、一因であろう。その意味では、この著作の中では、詳しくは、触れられていないが、TPP交渉や多国間貿易ルール・通貨制度・移民政策等は、別の機会に、是非、論じて貰いたい課題である。 最後に、日本人読者の観点からは、まさに、今、20年にも及ぶ失われた時間を、取り戻さなければならない時であり、しかも、世界で、初めて、超低金利、超円高レート、株安、デフレの負のスパイラルの中から、抜け出すモデルを構築できる最後のチャンスであろうし、震災復興も、橋やトンネルや高速道路のインフラの整備・修理・保全などは、まさに、千載一遇の公共投資のチャンスであり、過去の土建屋や既存既得権益団体へのばらまきとは、もはや、今日では、異なる状況である以上、どうやったら、官民挙げて、雇用と需要の創出を図ってゆけるのか、或いは、環境規制、例えば、自然再生可能エネルギー、温暖化対策、排気ガスの総量・特定物質規制など、様々な実験が、おおいに、試みられるチャンスである。更には、通貨制度、少なくとも、リーマン・ショック以前の1ドル=100円程度迄への回復とか、株価の回復や賃金・セイフティー・ネットの再回復も含めて、批判はどうであれ、与野党共に、足の引っ張り合いをすることなく、一日も早く、この長引く不況を脱しなければならないであろう。「陽は又、昇る」日が、近いことを祈りつつ、、、、、。「ミンスキーの瞬間」、「流動性の罠」、「拡張的緊縮論」、、、、、等、他にも、興味深いキーワードがあるので、読まれてみては、如何でしょうか?

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    投稿日: 2013.02.20
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    リーマンショック以降の不況の原因と、その対策を追う。 タイムリーにも白川総裁の交代劇があった日銀ですが、1990年以降の日本の長期低迷をモデルにあげ、緊縮財政こそが悪要因となっている点を指摘したのは、他ならぬ現FRB議長のバーナンキ氏であり、そのFRBをして、いま米国が臨む不況において緊縮にハマってどうするんじゃい、と。 今こそケインズの唱えた雇用創出を一つひとつ実現することこそ、健全な不況からの脱出と言えるのに、何がそれをしつこく阻害しつづけるのか。それは極一部の既得利権保持者がリスクを摂らないこと起因してると鮮やかに暴いて見せてくれます。 そんなのつまんないじゃんねぇ、と読んだみんなを巻き込もうとする面白さが感じられる一冊でした。

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    投稿日: 2013.02.12
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    クルーグマンの主張は「経済危機は財政出動で解決できる」というのもの。もともと自分には納得できない考え方だったので、批判的に、でももしかしたら逆に説得してもらえるかも、という気持ちで読んでみた。結果は、残念ながらやはり説得はしてもらえなかった。 そんな中でもなるほどと思わされたのが、「緊縮財政派は、怠惰に対しては罰が与えられるべき、という考えが根底にある」というもの。たしかに普段自分がニュースや新聞を見ていても、そういう考え方をしているところはあるかもしれない。あとは、「流動性の罠の下にあっては、クラウディングアウト(公共投資の増加は民間投資の現象に相殺される)は発生しない」「そもそも総消費がの不足分を公共投資でおぎなっているのであり、公共投資が民間消費を現象させるということはない」ということ。それは確かにそうかもしれない。 ただし、自分的に最も大きな疑問だった「財政赤字は?」については、「財政赤字なんてたいした問題じゃない、実際財政赤字が現実の問題になってることなんて無い」「インフレになればより問題は小さくなるし」ということ以上の答えは無かった。これらについて明確な反論は無いけど、自分たちの現在のために将来に何かしらの負担を負わせる根拠としては、あまりにいい加減すぎる主張に感じてしまうな。また、「失業が増え生産者のスキルが毀損し続けるとしたら、それこそ将来への負担でなくて何なのか」という話もあったけど、そもそも将来に負担を残さなければ成り立たない今の経済が間違っているんじゃないか、とも思う。

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    投稿日: 2013.02.02
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    本書の中心的な主張は、流動性の罠に陥った経済の下では、財政政策と金融政策(一時的でない継続的な金融緩和)の両方が必要だということである。これは、マクロ経済学の初歩中の初歩であるISーLMモデルの意味するところと基本的に一緒であり、特に目新しさはない。 ただ、「実際」の経済ではIS曲線やLM曲線がどのような形(傾き)で、外生変数の変化に対して、どれ位の幅でシフトするのか(シフトしないのか)が分からないのが厄介な所である。 結局、不況に対する万能薬はないので、(1)効果があると考えられる政策は全てやる、(2)効果が出るまでやり続ける、(3)政府が景気回復に対して強いコミットメントを持つ、という至極もっともな結論が示される。 本書の内容に対する反論余地はあまりないのだが、(1)〜(3)を行うことは簡単なようで難しい。

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    投稿日: 2013.01.20
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    クルーグマン教授の著書も読むのは久し振り。勿論、安倍総裁の返り咲きが読書のきっかけ。 本書の主旨は、このとんでもない不況にはケインズに立ち返り、財政出動を拡大し、金融政策を根気よく続けよということ。 金融工学やレバレッジと格付け会社に飾り立てられ、細かく刻んで世界にばらまかれた爆弾が破裂し、世界中の同時不況。何故かケインズなんて今更とか、財政の健全化が安心を生み、好況を齎すというヘンな論調が強いのだそうである。教授はOECDは緊縮信者だと批判するが本当?。 建設国債とか赤字国債という言葉に僕個人でも拒否反応があるが、国債なんて返済の必要は無く、せいぜい金利分を払って償還時期が来たら借換えれば良いのだそうである。つまり、経済の拡大と財政規模の伸長でいつの間にか相対的に小さなモノになってしまうという。実際、アメリカの国債は償還されていないのだそうだ。日本でもそうかな。ならば、東北の復興とインフラの補修はやらなければならない事に、しっかりカネを使うべきだよね。 アベノミックスという呼称にはレーガノミックスのように大失敗で終るという危惧が隠れていると思う。首相の経済ブレーンにも国債発行しても心配いらないよ、と情報発信して欲しいものだ。安心だって多少の経済効果があるかも知れないし。

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    投稿日: 2013.01.17
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    現在は政府支出を増やすべきであり、減らすべきではない。民間セクターが経済を担って前進できるまで続けるべきだ。―現代のケインズともいうべき著書の主張は生き生きとし、その舌鋒は冴え渡る。今年の必読書であることは疑いない。(島中雄二・三菱UFJモルガンスタンレー証券参与・景気循環研究所長)

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    投稿日: 2012.12.30
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    ノーベル経済学者のクルーグマン教授いわく、デフレを脱却して景気回復するには、ケインズ的な財政出動で赤字国債を大量発行し、公共投資を行うしかない! 過去20年にわたってデフレの不景気が続き、ゼロ金利で金利操作もできない流動性の罠そのものにはまっている日本で、公共投資を減らして、事業仕分けで節約して、縮こまっていてどうする!  巨額の財政赤字が将来のツケになるかって?? 戦後アメリカが負った1250億ドルの債務は、当時のGDPの120%に達していたが、今では1250億ドルなどGDPの1%にすぎない。つまり、アメリカは赤字国債の借金を全く返さずに、15兆ドルの経済規模に成長した。要は、経済成長とインフレで、国の借金はチャラになったわけである。 日本だって、明治維新のときの赤字国債依存は80%もあったし、戦時中もGDP比200%近い債務を負っていた。国はその借金を返したことはないのである。 インフレになったら購買力は下がるけど、デフレで額面の賃金カットをされるより、よほどマシだ。毎年下がる給料で280円の牛丼食べるより、毎年少しづつでも昇給して、400円の牛丼食べたほうが、労働者にとっては幸せだろう。計算するとバカかもしれないが、お金の購買力がインフレで下がっても、会社や上司に文句を言う労働者はいない。  ギリシャやスペイン、イタリアは自国通貨を放棄してしまったため、通貨を切り下げることができないから、労働者の賃金カットでしか競争力を回復できない。ギリシャやスペインは自国の中央銀行を持たないから、デフォルトの恐れがあって、投資家がパニックになる。 日本は自国通貨であることが決定的に違う。アメリカではFRB、や日本では日銀(中央銀行)が赤字国債を買い続ければ、国家のデフォルトなど起こらない。 日本の国債は、国の債務がGDP比200%に達していても、10年もの国債の金利が1%にすぎないのは、デフォルトのリスクがないからだ。 日本がジンバブエみたいなハイパーインフレになるかって??? 

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    投稿日: 2012.12.15
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    (2012/11/28読了)経済停滞を脱するには、もっとでっかく大胆に国債を発行して政府が経済を活性化しろという論。アメリカはともかく、日本はこれ以上国の借金増やしてる場合じゃないと思うけどな~(^^;

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    投稿日: 2012.11.30
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    この本を読んで大規模な財政出動と大胆な金融緩和の重要性が理解できた。 日本の政治家、官僚、日銀、そして国民。 力を合わせて、さっさと不況を終わらせよう!

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    投稿日: 2012.11.22
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    現在の不況は景気回復策を取れば打開できる、具体的には大規模や財政出動をやればよいというのが本書の一貫した主張。 その主張を裏付けるための理論も明晰であり、記述も読みやすい。ただ、訳文の口調が気に入らない。まぁこれは好みの問題だけど。 個人的に気に入ったことは、第一に最近の学説を本文に盛り込んでいること。これにより、さらに知りたい部分についてはそれをもとに調べることが出来る。第二にはユーロの問題の記述が含まれていること。これについては個人的に興味がある問題なので、解説があって助かった。

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    投稿日: 2012.11.11
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    現在の不況の原因は需要の不足であり、対策は財政赤字の解消ではなく需要の創出であることは明らかだ。しかし、財政赤字対策のために支出の削減や消費増税が先行し、公共投資という声がどの政治家からもあがらない。 本書の主張は直情的であり明確だ。かなり辛口で面白い。米国の経済政策について書かれたものだが、日本こそ参考にして欲しい。最近の日銀の余りにもリスクを恐る対応を見ていると、永遠にデフレスパイラルから抜け出せない気がしてくる。

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    投稿日: 2012.11.04
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    要するに、公共支出の大胆かつ継続的な執行による雇用の拡大と有効需要の創出が不況脱出の妙手であるというケインズ理論の導入こそ、今、必要とされている政策であり、デフレ下での増税はもってのほか、ということは理解できた。しかし、日本語はなかなか難解である。

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    投稿日: 2012.10.23
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    「今苦しんでいるのは、ソフトウェアのクラッシュなのだ、ということになるだろうか。いずれにしても要点は、不具合は経済のエンジンにあるのではないということだ。エンジンは前と同じく強力だ。」  小泉純一郎が国債発行を30兆円以下に抑えると公約したとき、 「おぉ!」 と思いました。 それは、その公約が、「身の丈にあった金遣いをします」という堅実な発言に聞こえたからで、借金に頼らない政治の始まりだと心沸いたからでした。  本書を読むと、道徳とか社会通念とかいった人間的な価値基準を使って経済について考えてはいけないという事がよくわかります。それはニュートン力学と量子力学の齟齬であり、また合成の誤謬と言われているものと近いのかもしれません。  個人のミクロな視点で考えると、借金に頼らないで自分の収入に見合った支出に抑えるというのはとても「まともな」姿勢なのですが、これが国家となるとちょっと違うようです。  例えば、今10年もの国債の発行を10兆円分削減すれば、確かに10年後に生きる人の借金を減らす事にはなります。ですが、そのまま不景気を放っておく事で失われるGDPが20兆円ならば、緊縮財政は果たして賢い選択だったと言えるのでしょうか。  本書はアメリカ経済について書かれているので、高い失業率にスポットが当てられていますが、日本も流動性の罠にはまっているらしいです。本書を読めば、人間臭い精神論なんかに惑わされずにマクロ経済を知ることができます。  昨今、経済成長は不要的なことを聞きますが、生物が進化することと同じくらい経済が成長する事は当たり前のことなのです。  

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    投稿日: 2012.10.13
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    さすが当代きっての経済学者!今の経済の置かれている状況について、明確に書かれています。このシナリオが良いか悪いかは、別として本当に読みやすい経済書であるのは間違い無いですね。なぜ日本の経済学者はこういった本が書けないのでしょうか。大学生が勉学のため本を読まないのもここに原因があるのかも?

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    投稿日: 2012.10.05
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    ノーベル経済学賞も受賞したクルーグマンの最新著書。リーマンショック以来の経済の低迷に対する処方箋を平易な文章で訴えるもの。主張は単純明快で、政府はより積極的な財政出動を行うべきであり、中央銀行は更なる金融緩和を行おうというもの。議論の中心はあくまで米国経済であるが、ギリシアなど南欧諸国の債務危機に陥った欧州と失われた10年(20年?)に苦しむ日本といった先進諸国全てに当てはまるものとして議論を展開している。著者の現状認識は米国においては、オバマ政権成立後のリーマンショックに対する財政出動があまりに小さかったこと、バーナンキ率いるFRBの実施した量的緩和が中途半端であるとしている。バーナンキに対しては日銀の金融緩和が不十分だと学者時代に主張していたのに、FRB議長になった当の本人が学者時代の主張を実行できていないと痛烈に批判されている。一方で、これを逆手に緊縮財政と金利上昇を目論む人々(ようは米国内の共和党支持者)を彼らの理論が如何に間違っているかを彼らの主な主張を取り上げ論破を試みている。 読み物としては基本的な経済の理論(高校の政治経済で習う程度の知識)を持ち合わせれば容易に理解できる内容であり多くの人に勧めることのできる一冊である。

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    投稿日: 2012.09.26
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    一言で言えば、痛快である。 米国をネタにしているが、米国に追随している日本にも当てはまること多し。 やるべきことは、わかってるんだから、 四の五の言わずにやれや~!的な内容です。 妨害してるのは、政治だと、 上位1%が差し向けているロビー活動に丸め込まれてる! 日本でいうならば、 経団連の言うがままじゃないか!ということか。 情熱に任せて書いているらしく、 訳もかなりブロークンで、ホントに溜飲が下がる批判です。 山形浩生さんの訳は素晴らしいね。 訳者あとがきも面白いです。

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    投稿日: 2012.09.26
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    不況で借金まみれの国。そこで緊縮財政に走る国々。マネタリズムに洗脳された今の為政者のブレーンども。ますます、不況に輪をかける。マネタリズムのゾンビが跋扈する現代。ケインジアンが世界を救うのだ。借金が国内だけで収まってる日本こそ、その先導に立って、世界を救えよ。

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    投稿日: 2012.09.25
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    ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン氏によって書かれた本で、現在(2012)も不況が続いているアメリカを救うための処方箋を解説した書です。解答にいたるまで現状分析等も詳細にされていますが、結論としては、私がよく読む三橋氏が強調しているように、政府支出を多くすることがポイントのようです。 過去一番アメリカで成功した例としては、真珠湾攻撃を受けて、全国民が一致して戦争の準備をした時期があるようです。オバマ大統領が戦争と縁を切ることができなかったのは、この辺にも理由があるのかもしれません。 日本についてはあまり触れられていませんが、印象に残った点は、日本の国債発行が多く財政赤字が大きいが、欧州(英国やユーロを使用していない国は除く)と異なって、自国通貨で自国民相手に発行しているので問題ない、という点も三橋氏と同じ結論だということでした。 以下は気になったポイントです。 ・アメリカではリーマン危機(2009)以降、状況が完全に変わり、いまでは職一つに対して応募者は四人いる、つまり1回失業すると次の職がみつからない、6か月以上職探しをしている人が600万人いある、これは2007年の5倍、1年以上探している人は400万人(p23) ・失業は、しばしば健康保険を失う、アメリカは他のどんな先進諸国よりも社会的セーフティネットが弱い(p23) ・世界経済で何がおかしくなったかを理解するための決定的な特徴とは、「あなたの支出はぼくの収入であり、ぼくの支出はあなたの収入」となるという事実(p47) ・住宅バブル破裂後の1年ほどは、アメリカ経済は輸出を増やすことでなんとかやりくりしていた、でも2007年末に下降に向かい、いまだに回復していない(p52、151) ・現在の不況を脱出するために必要なのは、もう一段政府支出をドンと行うこと、エイリアンが攻めてきたというデマがあれば好都合かも(p60) ・アメリカの対外資産と対外債務との差の赤字は「たった」2.5兆ドル、毎年15兆ドルのGDPを生産する経済としては大した額でない(p67) ・借り手が支払えば支払うほど、借金は増える、大恐慌の背後にあるのはこれであると、フィッシャー氏はコメントしている、1929-33年のアメリカが体験した(p69、74) ・19世紀の銀行は自己資本率が20-25%もあったので、預金の価値は総資産価値の75-80%程度、つまり融資額の20-25%失っても払い戻しできた、ところが2008年は数%であったので、ちょっとした損失でも破綻しかねなかった(p86) ・1999年に預金銀行と投資銀行との区分は廃止され、グラス=スティーガル法はなくなり、規制を受けない金融システムができあがった(p91) ・アメリカ人の所得(メジアン)は1995年以降あまり増えていないが、上位1%の所得は爆発的に増えた、トップ0.1%や0.01%はさらに上回る(p105) ・トップ0.1%の所得のうち、半分近くは非金融企業の経営・重役陣、2割は金融業、そして弁護士を加えると全体の75%(p110) ・リーマンの破綻が多くの被害をもたらしたのは、それによりシャドーバンキング(特に短期負債)の取り付け騒ぎが起きたから(p153) ・第二次世界大戦末にアメリカ政府が負っていた2410億ドルの負債(GDPの120%)は、返済されていないのが回答(p186) ・支出を1000億ドル減らしても将来の負債は1000億ドル減らない、支援プログラム支出が増えるし経済が弱くなって税収が減るので(p189) ・戦後にアメリカが不況に戻らなかったのは、戦争直後のかなり高めのインフレにより家計の債務負担が減少、戦争中に高めの賃金を稼いだ労働者たちは、それ以上の借入ができなかった(p194) ・FRBがおカネを刷る(=資産を買う=商業銀行が所有する財務省証券の所有権を移転)のがインフレにつながるのは、この金融緩和が、高い支出と高い需要につながる場合である、2008年以降はその資金を準備金講座に寝かしたままとなっている(p203,205) ・スペインが独自通貨を持っていれば、賃金をそのままにしたまま通貨切り下げを行えば、賃金を引き下げること(ドイツ賃金に対して)ができる(p222) ・ユーロ到来により、各国のリスクに見合ったプレミアムが激減した、つまりギリシア負債がドイツ負債と殆ど同じくらい安全なものとして扱われた(p227) ・ドイツの経常収支と、ギリシア・アイルランド・ポルトガル・スペイン・イタリア(GIPSI)の経常収支は合計すればほぼゼロ(p229) ・GIPSIの負債/GDP比率は2007年までは順調に下がっていった、負債が急増したのは危機がやってきたから(p232) 2012年9月23日作成

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    投稿日: 2012.09.23
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    ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン氏は、世界中に蔓延する不況の原因は民間セクターの過剰債務による需要不足であり、解決策は政府による積極的な財政政策であると主張している。国債の格付け引き下げやヨーロッパ危機により、財政均衡主義、緊縮財政主義が蔓延っているが、アメリカ、イギリス、日本とヨーロッパとの本質的な違いを明らかにした上で、流動性の罠に陥っている現状では、財政赤字拡大による債券市場への悪影響よりも、失業問題の弊害の方がより大きいと主張している。これらの指摘は、日本にも当てはまる。ロストジェネレーションと言われるように、長引く不況の中で、多くの若者が就職できず、あるいは非正規雇用として不安定な身分で低スキルな職にしか就けない。少子高齢化で日本の動労人口が長期的には減少していく中で、こうした状況は社会的に大きな損失であると言える。財政赤字削減の前に、思い切った財政支出による景気刺激策が望まれる。

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    投稿日: 2012.09.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    著者のポール・クルーグマンを知ったのは以前NHKで放送されていた番組でした。 失われた20年といわれる不況を脱しきれない日本に対しての分析と対処法を分かりやすく語っていました。 なかでも印象的だったのは 「私は天皇陛下に謝らなければならない。」 という言葉です。 90年代の日本はバブルが崩壊して不況のまっただ中にいました。 当時プリンストン大学の教授で現FRB議長であるベン・バーナンキは日銀が採るべき具体的な行動を主張したのです。 同じようにクルーグマン教授も日銀の行動を批判していたわけですが、実際にバーナンキが日銀と同じ立場(FRB議長)に立ってみると当時の日本と同じようなことしかできていない。 だから日本謝れというのです。 第三者の立場から物をいうのと実際に当事者になって行動するのとでは まったく違うということです。 ただ、だからといって当時の日銀が正しかったというわけではありません。 気持ちは理解できるようになったと言っているのです。 また厳密にいえば、謝るのは天皇陛下ではなく日銀総裁に対してなのですが、 そこは彼なりのユーモアなのでしょう。 文体も経済書独特の専門用語も極力使わず、口語体で書かれているので経済の知識がなくても十分に読んでいけるおもしろい作品になっています。 世界的な不況の原因は? 不況を脱するための方法は? など今起こっている経済状況に少しでも疑問がある人はぜひおすすめの一冊です。

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    投稿日: 2012.09.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ノーベル経済学賞を受賞しているアメリカの経済学者ポール・クルーグマン氏の一冊 現在の経済状況とこれからの経済がどう進むべきかを理解できる。 その中でも強く関心を引いた内容は、、、 全ては需要が問題 人々は所得を何かに使わざるを得ない 誰かの収入は、誰かの支出なのだ 不景気を終わらせるのは中央銀行によるマネタリーベースのコントロール(増加)⇒しかし日本ではマネタリーベースを増やしても経済回復しなかった=流動性の罠にはまった。 マネタリーベースを増やす(中央銀行が銀行にお金を貸す)⇒銀行の貸出金利が下がる⇒企業資金の流動性が上がる(現金を手配しやすくなる)⇒設備投資等により生産力が増加し売上が増える⇒経済が活発化する。 しかし、不景気により売上が下がり続けると、金利が下がり続けゼロに近くなる。金利が下がらないと企業はお金を借りられなくなり(ゼロ金利でも高くて借りられない)、経済が停滞する=流動性の罠にはまる。 流動性の罠が発動する条件は、ゼロ金利でも、人々が買いたがらない(貯蓄したがってる)とき 一国の首相として最高の選択は、再選に繋がることをすること。しかしグローバル化時代の小国の指導者は自国民に嫌われようとも、国際コミュニティー(欧州委員会やIMF)に気に入られることをやる。 日本の負債は90年代から増え続け、すぐにでも債務危機になり国債金利が上昇するはずだとかけた投資家たちは大損して、日本国債を空売りするのは「死の取引」と言われるようになった。 超債務国の日本は平気なのに、それ以下の債務国であるイタリア、スペイン、ギリシャ、アイルランドはなぜ国債が暴落したか?理由は国債が自国通過建てか否か。

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    投稿日: 2012.09.03
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    この本はアメリカなど多くの国が不景気に陥った現在「これからどうする?」と問いかけるもの クルーグマンの主張は一貫して政府が借金して継続的に財政出動すること もちろんオバマ政権でも金融緩和策などは何度かあった でもクルーグマンによれば規模が小さすぎて効果は一時的に過ぎなかった そして大規模な公共事業 政府がしばらく借金して鉄道トンネルなどの整備をしたりする こうすれば雇用が生まれ失業からくる民間債務から公的債務に置き換わる 全体では負債の水準が同じでも雇用など経済問題は減るってこと そして完全雇用が実現するまで政府支出は継続する 経済が停滞したデフレの中で政府がするべきは負債で負債を治す 深刻な不景気にある経済で金融当局が左右できる金利がゼロ近くであっても政府支出は減らすのではなく増やすべきなのだ 残念ながら日本はすべて逆の道を進んでいる ・公共事業を減らす ・無駄をなくす ・財政支出をなくす ・増税 こんな議論が花ざかりでクルーグマンから見たら異様に思えるかもしれない バブル崩壊後の日本が経済学の標本となったように これからの日本の進む道も経済学の標本となりそうだ

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    投稿日: 2012.08.31
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     本書はノーベル経済学賞をも受賞している著名なアメリカの経済学者のものであるが、歯切れの良いわかりやすい経済書として、さすが一流は違うと思った。  著者は、いわゆる「リフレ派」といわれる論客なのだろうが、「流動性の罠」などの概念もわかりやすいし、「すべては需要が問題」「もっと高いインフレを」との主張も説得力がある。  著者は、ドンと思い切った支出で需要を喚起すれば、「おそらくは二年以下で完全雇用に戻れる」と不況に陥ったアメリカ経済への処方箋を書いているが、どうなのだろうか。  本書で著者は、日本には言及していないが、本書の主張は日本にも全て当てはまる。日本も本書の主張の通りに、「思い切った財政出動と大規模な金融緩和」を行えば、立ち直ることができるのだろうか。  日本の不景気・デフレも、もう20年以上も続いていることを思うと、誰もが国政を担当する情けない政治家たちに、本書のテーマのように「さっさと不況を終わらせろ」と怒鳴りたい気分であると思う。  本書はアメリカ経済を扱ってはいるが、デフレ基調の経済状態と高失業率は日本も同様である。アメリカで有効な経済政策はおそらく日本でも有効だろう。  本書は、現在の不況下において、我々がどうすればよいのかを考えさせてくれる良書であると思う。  しかし、日本においては著者のような有名かつ有能、しかも著作は読みやすくわかりやすい、そのような経済学者がはたしているのだろうか。ぜひ、出てきて欲しいものだと思った。

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    投稿日: 2012.08.26
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    クルーグマンは好きだし、山形浩生はもっと好きなので、この本を読まない理由は自分の中にはなかったなと。で、読んでみてやっぱり面白かった。 一応、経済学部を末席ながら卒業した身としては、このデフレ不況下で消費税増税が得策でないことはなんとなくわかっていたけど、本書でその理屈をかなり補完できたのが良かったかな。素人考えだって、好景気になれば税収は増えるんだから、先にやるのは景気対策じゃないの?ってなるはずなのに。 クルーグマンはノーベル経済学賞受賞前から、インフレターゲット論者だったけど、執拗な反対にあってこれを実行した政府は、僕の知る限りいまだない。(それっぽい誘導をした中央銀行はあると思うけど)そういう意味で、彼の意見は未だ正しいかどうかわからない。だからこそ、今一番傾聴すべき経済学者なんじゃないかとも思う。 まぁ、本人も書いているように、正しいかどうか以前に、これを実行できる政治家がいないっていう現実があるんだけどね~。

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    投稿日: 2012.08.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    失業率を下げるためには財政出動が必要。流動性の罠状態においてはハイパーインフレは起こらない。シンプルにはそれだけ。でも世の中こちら側の立場を取る人が少なすぎるのは確か。しかも、ニューディール政策とかって、学校で習ったのにね。巻末の山形浩生の解説に愛があってよい。お金は、国が刷っているもので、フィクションに過ぎない。そこでの些細な(まあ些細じゃあないけど)収支にこだわってどうする?働きたいのに働けない人がいるっておかしくないか?生産性の議論はあるけど、生産の議論がないのはおかしくない?役に立ちたいと思う人がいたらその人にあった役割を割り振れるってのは、社会として重要。あと、ユーロとか馬鹿じゃねえの。ってくらいか。

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    投稿日: 2012.07.30
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    「クルーグマン教授の<ニッポン>経済入門」が金融政策を全面に出した著作だとしたら、本書は財政政策を全面に出している。一応金融政策についても書かれている。 タイトルや内容から現状の緊縮に走る世界各国の政府、それを賛美する経済学者、評論家、金融関係者に対するクルーグマンの怒りを感じる。 日本の政治家や経済学者に愚か者がいるように、どうやらアメリカ、EUにもとんでもない政治家や経済学者はいるようだ。 クルーグマン自身の変化も見れて、結構面白い。 日本、アメリカ、イギリスなどの自国通貨・自国通貨建て国債を発行している国は金融緩和と財政出動をフル活用することによって現在の不況を解決できる。 あまり、専門用語、複雑なモデルを利用せず、経済学を知らない人でも本書を読めば不況下での緊縮財政が経済に悪影響をもたらすことを理解できるだろう。個人的に一人でも多くに人に本書を読んでもらい、それが政治家を動かすことを願う。

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    投稿日: 2012.07.28
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    ここの所、続けざまに経済関係の書が出版されており目に付くままに買っているが最初に読み終わったのが Paul Krugmanによる本書。 ノーベル経済学賞受賞者にして最近はNew York Timesでも毎週経済政策に関する皮肉の効いたコラムを執筆している著者の最新作。そのコラムもまあちょっとばかり皮肉が効きすぎる内容(例えば共和党に対してとか)を連発するので最近はちょっとばかり「色物」扱いされることも多々あるのだがそれはご愛嬌。 で、本書はリーマンショックに端を発する不況の原因分析・犯人探しをするよりも不況を早く終わらせる処方箋に焦点を当てるべし、という至極真っ当なもの。端的に言えば米国の不況脱出には政府による大規模かつ継続的な財政出動とFRBによる更なる金融拡大の両輪が必要であるというNew York Timesコラムでもお馴染みの論だ。 しかもお約束の皮肉やユーモアも満載でサービス満点と言える。主義主張が相対する経済学派を淡水派と塩水派(つまり内陸のシカゴ学派(=極端な自由主義派)と東部海岸を中心とするケインズ学派のことだが)とする比喩には思わずニンマリさせられてしまう。 そしてその文体は訳者・山形浩生がいみじくも後書きで述べるように「クルーグマンはいまだに冗談まみれの(そして直情的な私情まみれの)文を書く。特に最近ではリベラル派として、不景気に苦しむ一般のアメリカ国民に対する同情と、その事態改善を阻む一部の富裕層に対する怒りを込めた文章を書く。それを反映した原著の、重厚な学者文とはほど遠いユーモアと怒りの共存した文を、この役所が再現できていることを祈りたい」という狙い通りに、非常に読みやすく仕上がっている。 実はクルーグマンのNYC Timesコラムなどは時どきは原文で読んでいるのだが、口語体かつスラングが多いのでかなり読み難く、多くはブログ「道草」(http://econdays.net/)を読んでいる。このブログは多数のボランティアがクルーグマンの新聞コラムや投稿そして彼自身のブログから記事を訳しているのだが、その訳語口調はまさに本書のものでありその一致加減には多少の驚きを覚えるし、何となくこの共通する訳文こそがクルーグマンの語調だと納得させられる。

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    投稿日: 2012.07.24