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廃墟に乞う
廃墟に乞う
佐々木譲/文藝春秋
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総合評価

150件)
3.2
9
36
71
19
4
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025/6/13 なんかやらかしてメンタルやられて休職中の刑事が主人公。 てっきり2作目から読んでしもたと思った。 この本で語られてちゃんと解決しますので安心して読もう。 全体的に落ち着いててガッツリ入り込むとかないけど、やはり手ぇ抜いた自覚あるミスはずっしり来るよね。わかる。 真面目にコツコツやろう。

    0
    投稿日: 2025.06.23
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    3.7/5.0 ある事件で心に傷を負った刑事が休職中に、様々な依頼を受けて捜査に協力するという設定が面白い。 ただ、ミステリに疎い自分がこんなことを言うのも恐縮だが、どの短編ももう一捻りあるといいな、と感じた。

    0
    投稿日: 2025.06.18
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    第142回直木賞受賞作品 仙道孝司は北海道警・捜査一課の敏腕刑事だったが、任務がもとで罹ったPTSDのため、休職を命じられている。ようやく回復してきた頃、かつて札幌で起きた殺人事件と同じ手口で、千葉でデリヘル嬢が殺された。これは13年前のあいつの犯行か? その矢先に犯人から接触された仙道は、旧炭鉱町へ向かう(表題作)。リゾート村、札幌の倉庫、競走馬生産牧場…を舞台に、警察手帳も銃も持たない休職刑事が事件に新たな光と闇を見出す、連作警察小説。直木賞受賞作。

    5
    投稿日: 2025.02.01
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    舞台は北海道。とある事件によってメンタルを病んでしまい休職中の刑事、仙道が主人公。療養中で暇を持て余している彼のもとへ、過去の事件で関わりのあった人々から依頼が舞い込む。休職中で警察権限を使えない仙道だが、警察関係の人脈と地道な調査によって事件を解決に導く…というパターンの連作短編集。 名前は知ってたけど初めて読む作家さん(多分) 最初、シリーズものの1冊かなと思ったけど違ったようだ。 表題作の「廃墟に乞う」は第142回直木賞受賞作。さびれた北海道の町の情景が哀愁を誘う。が、正直なんでこれが直木賞に選ばれたんだろう?と思った。 仙道は優しい人物なんだろうけど、なんだか人物像がぼんやりしていて掴みどころがなく、一本調子で淡々と物語が進むのでなかなかページをめくる手が進まず、私には少し退屈に感じられた。

    6
    投稿日: 2024.06.10
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    任務がもとで心身を耗弱し休職中の刑事仙道のもとにかつての知り合いから連絡が入る。 殺人事件の容疑をかけられている男性を助けて欲しい。 北海道を舞台に繰り広げられる6つの連作集。 休職中の刑事だけに事件に踏み込んでいく訳にもいかないが道警の刑事とのやりとりの中で事件を解決に導いていく。 連作最後にはその後刑事として復職するであろう仙道の姿が予測できる描写があった。 彼がここに至るまでの壮絶な体験をした事件の詳細を別な一冊として読みたいと思った。

    22
    投稿日: 2024.05.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直木賞受賞作。 短編6編ですが、全て続きです。 ・オージー好みの村 ・廃墟に乞う ・兄の想い ・消えた娘 ・博労沢の殺人 ・復帰する朝 精神的疾患を患い、休職中の刑事が、友人・知人に請われて、北海道各地の事件を解決する手伝いをしていく物語。 ミステリーです。 殺人事件が発生するので、ミステリーは苦手ですが、なんでしょうこの物語は、人の切なさや哀愁みたいなものを感じて、好感を持ちました。 小説読了200冊。ブクログ内で。

    1
    投稿日: 2023.08.29
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    第百四十二回直木賞受賞作品。とある事件をきっかけに療養の身分となった北海道県警の仙道孝司氏が携わる6つの事件簿。字面だけみるとワクワクする設定なのだが物語に深みや重厚感はない。いずれの物語でも展開は予想を超えないものだし事件背景の考察もそこそこに終焉となる。また、休職中の刑事が身分を明かしたり隠したりしながら捜査まがいの越権行為が許容されるのか非常に疑問。警察関係者はもとより関係者の一般人もすんなり状況を受け入れる設定にいささか無理を感じる。新幹線ホームで購入して移動中の読書には適しているが、直木賞と言われるとやや疑問が残る作品であった。

    1
    投稿日: 2023.03.12
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    主人公は、過去の事件によるPTSDで休職中の刑事。心療内科を受診しながら、いささか暇を持て余している。そんな彼の元へ、過去何かしらの事件で関わりをあった人達から、相談の形式で事件解決の依頼が入る。それぞれの事件を扱った、6編の連作短編。 休職中という立場から事件に関わるので、捜査の主体とはならず、依頼者の話から事件周囲の人間関係、その背景を探りながら、真相に近づく。 推理する構成にもなっているけど、一緒に流れを読みましょうという感じ。緊迫感ばかりの刑事物よりも、好きかもしれない。 「廃墟に乞う」は、犯人の男の少年時代の家庭背景と過去と現在の事件が悲しい結末となった。

    52
    投稿日: 2023.02.20
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    心の回復のため休職中の刑事、仙道 事件に関わるたび復帰に向かっているのを感じられた 北海道各地、地元の警察にいい顔はされないも、真相に近づく助言をしたりと優秀さがわかる はっきりとは書かれないものの恋心があるのかなという相手に助けを求められ足を運び、苦しい結末になるのが…何とも悲しい

    0
    投稿日: 2023.01.22
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    悪くはないのですが、短編集だからでしょうか、印象の薄い作品だったと思います。 主人公が病気療養のために休職中の刑事だからか、事件の犯人に対して踏み込むこともなく、終始静かな、静かな対応… これが物足りなかったのかもしれません。 ただ、何だか北海道の描写はオシャレに描かれてますね。

    0
    投稿日: 2022.06.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    休職中の刑事で権限も無く実際どこまで出来るだろう?と思うけれど、そこはこれまでの人脈を駆使して情報を得て、事件の真相を嗅ぎ当てる。 『兄の想い』が特に面白かった。心にずっしりくる話だったし、決して自分の手柄にせず上手く正しい方向に導くところが良かった。こういうスマートなやり方に憧れる。人を相手にしているから、真面目一辺倒では上手くいかないこともありそうだと思った。 この前後の作品があったら読みたいと思わせるような魅力が主人公にあった。

    0
    投稿日: 2022.06.21
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    星⭐️⭐️⭐️⭐️4にはチョット足りないかな〜 RPGでボスに通じる隠し扉を見つけて中に入った! ここでお終い だって後は倒すだけだから って感じだな  描き過ぎのお話よりは好き

    0
    投稿日: 2022.01.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私の好きではない短編集と知らずにbookoffで購入。 正直、ぼちぼちでした。 そもそも、短編集が好きではない理由は内容が浅いから。 起承転結で言えば、それが1サイクルで終わるものが多いし、 承から転の間が短いので浅く感じてしまいます。 この方の長編は何冊も読んでいて、重たい空気で起承転承転承転と 繰り返しながら、捜査が進んでいくのですが、 やはり短編なので起承転結の1サイクルで事件解決している。 それを除けば、面白かったとは言えると思います。 備忘録として内容を少し書いておくと、 メンタルを患ってしまった刑事仙道の休職中の話。 休職中という曖昧な立場なので、各方面から相談がきて、 それを刑事の真似事のように捜査し、刑事たちに事件を解決させていく話。

    0
    投稿日: 2021.10.26
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    佐々木さんの北海道警の作品です。主人公の仙道刑事は休職中ですがプライベートで事件にかかわっていく作品です。この本は短編のため、非常に読みやすく感じました。 休職中の刑事が事件に迫っていくので、ちょっと内容も期待してしまいますが、事件の内容よりも、事件の真相というか、裏側の人間関係、人間の心の奥底の感情という、ドロドロとしたくらい感じのものを主人公の刑事を通して表現しているように感じました。

    2
    投稿日: 2021.09.20
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    十三年前に札幌で起きた殺人事件と、同じ手口で風俗嬢が殺害された。道警の敏腕刑事だった仙道が、犯人から連絡を受けて、故郷である旧炭鉱町へ向かう表題作をはじめ北海道の各地を舞台に、任務がもとで心身を耗弱し休職した刑事が、事件に新たな光と闇を見出す連作短編警察小説。第百四十二回直木賞受賞作。ーーー 執筆活動30年越えの遅すぎる直木賞受賞作品ですが、彼にはもっといい作品が他にも一杯あったのになぜこれが、という疑問は残ります。「永年勤続表彰の意味合いもあるのでは」という作家の受賞コメントが真相に近いと思われますが、こうした傾向は最近でも強く、結局は直木賞、芥川賞ともに権威失墜につながります。

    1
    投稿日: 2021.08.18
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    佐々木譲さんの警察もの。安定感のある筆致とストーリー展開はホントに期待を裏切らない。舞台が道内の各所なのも色んな空気感を感じられて楽しい。

    1
    投稿日: 2021.08.01
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    1 本書は佐々木讓氏の作品です。佐々木氏は、北海道シリーズや「警察の血」等の警察小説を得意にする作家です。本書は、主人公の仙道刑事が活躍します。6編からなる短編連作の警察小説で、直木賞を受賞してます。 2 この「廃墟に乞う」の犯人である古川は、極貧の中で育ちました。母親は、体を売って金を稼ぎ、2人の子供を育てるという生活でした。そうした中で、主人公は、“母親が食うに困って、幼い妹をダムに投げ込んで殺そうとする異常な光景”を目撃する。さらには、子供を残したまま、失踪した母親を許せず、同じように体を売って生活している、風俗嬢を殺してしまう。最後は、犯人がダムに投身自殺して、物語は終わります。 3 心に留まった書中の記述について、私見を加えて書きます。 ・「衰退した旧炭鉱町で、極貧の生活を送っていた」「家には、洗濯機はなく、古川は汚れ放題の服を着せられ、小学校に通った」「父親のいない、母親にも捨てられた子供」 ◾️私見⇒ このような環境で育った人にかける言葉が見つかりません。誰もが口にするのは、福祉の充実でしょう。残念ながら、私には他の術が分かりません。しかし、貧しさを理由に犯罪を犯すことは許されません。 雑談です。私の知人で、母子家庭で育ち、奨学金とアルバイトで、大学を卒業し、弁護士として、弱者を支援している人がいます。環境克服は困難ですが、前向きに生きる事です。人間は弱いので、良いアドバイザーに出会うと良いですね。 4 まとめ: 本書は、警察小説と言いながら、社会問題にも言及しています。警察小説としては、犯人特定が単純で、ハラハラ感がありません。そして、犯行動機は、極貧生活としています。ストーリー展開の複雑さが欠如し、人間の心の深読み不足も否めません。佐々木さんの小説は他も読んでいます。それらと比べても、突っ込みが足りないと思います。興味が湧きませんでした。文庫本40頁強の分量なので、限界があったかもしれません。しかし、私の好きな、清水さんの短編集は読みごたえがあります。直木賞の選考基準に疑問ありです。

    33
    投稿日: 2021.06.30
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    第142回直木賞受賞作品 でも、ちょっと物足りない 短編連作の警察小説です ストーリとしては、PTSDとなった刑事の仙道が休職中にプライベートとして携わる6件の事件の物語 ドンパチはありませんが、一つ一つの事件の裏側にある人間臭さ、どろっとしたところ、ほわほわした仙道が明らかにしていきます。 ■オージー好みの村 ニセコで起きた殺人事件。その容疑者としてあるオーストラリア人があげられます。その容疑者の容疑を晴らしてほしいという女性の願い。 殺人事件の真相と、このオーストラリア人が守ろうとしていたものとは? そして依頼人の想いとは? ■廃墟に乞う 13年前の事件と同様の手口でデリヘル嬢が殺害。 容疑者は13年前の犯人。 その容疑者の過去、住んでいた町を訪ねる仙道 そして、今回の事件の結末は? このストーリはあまり好みではありません ■兄の想い 漁港で起きた殺人事件。 容疑者の兄が事件の真相解明を依頼 容疑者は手は早いが、凶器で殺害するような人物ではない。 その場でいったい何があったのか? これは哀しい物語ですが、好きな部類の物語 ■消えた娘 失踪した娘を探してほしいという依頼 娘の遺留品は死んだ婦女暴行犯の部屋で発見されます。 娘はどこにいるのか?すでに殺されているのか? このストーリはちょっといまいち ■博労沢の殺人 牧場のオーナーの遺体が自宅寝室で発見 様々な人から恨まれていた被害者 犯人は身内か?外部か? その真相は?といった展開です。 これ、ちょっと動機が読み取れなかった。 ■復帰する朝 仙道がPTSDとなってしまった事件が明らかに 一方で、妹が参考人として召集されている事件で妹を守ってほしいという依頼 妹を調べるうちに明らかになる真実 そして、姉の依頼の真の意味 この物語が一番好きです。 それぞれの事件の背後にある人間関係と闇 ハッピーエンドとなる物語はありませんので、読み進めるとちょっと気分が暗くなる(笑)

    11
    投稿日: 2021.05.29
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    佐々木譲がこの作品で直木賞を受賞したとき正直今さら感があった。本人も永年勤続表彰の意味もあったのではないかと言ったそうだ。そう、だからこの作品を代表作と勘違いしてはいけない。期待し過ぎてはいけない。心身衰弱で休職中の敏腕刑事仙道が完全プライベートで捜査する、あるいは相談に乗って事件を解決に導く短編集。トリックとか意外な犯人といった話ではない。人生の光と影とか生き様、そしてどこかセンチメンタルな、そんな昭和な短編集である

    0
    投稿日: 2021.05.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    廃墟に乞う 佐々木譲 2012年1月 文春文庫 デビュー作以来、40年ぶりに佐々木譲「笑う警官」を読んだけど、一緒に借りた彼の直木賞作品。短編6編が収められていて、2編目に表題作。 どの作品も、北海道警本部に所属するも、3年前の殺人&自殺事件でPTSDとなり、その影響で酒場で暴れて以来、休職している仙道という刑事が主人公のシリーズもの。休職中、知人や同僚に個人的にSOSを出されて、プライベートで、私立探偵のようにして事件に向かっていく。短編なので、真犯人を突き止めて捕まえるというものはなく、無実の被疑者から捜査の目を逸らさせるように説得したり、真犯人を嗅ぎつけて警察に知らせて捜査させるという程度のお話。 2編目、直木賞受賞作はなかなかじんとくるものがある。最初から疑われている男が真犯人なのだが、その生い立ちや、以前の事件の担当だった仙道と犯人との微妙な信頼関係と、裏切りを疑われた状況など、犯人と刑事との切ないやりとりがあったりする。 佐々木譲のデビュー作「鉄騎兵、跳んだ」は、モトクロスのレースの話だった。彼はミステリーに変身したの?と思ったが、どうやら手がける分野は広いらしい。 北海道出身、立正大学中退後、大阪など各地で働き、広告代理店、本田技研で働き、小説家に。 ◆◆◆以下、本人メモ用です、ネタ割れ注意◆◆◆ 1.オージー好みの村 外国人だらけになったニセコ。中でもほとんどがオーストラリア人で、オージービレッジともリトルシドニーとも呼ばれる地区があり、そこの貸別荘で女性の遺体が見つかった。貸別荘をオーナーから借り、それを宿泊場的に貸しているオージーがいるが、管理者でもあり第一発見者でもある彼が、女性を殺したと疑われて連日、朝から晩まで取り調べ。 オージーたちは地元にとっては金づるではあるが、ごみ出しなどのルールを守らないやっかいもの、嫌われ者にもなりつつある。 頼まれてその地に乗り込んだ仙道は、疑われているオージーが、安い家賃で貸別荘の長期賃貸契約を結んでいるため、そこを処分して香港勢と組んで一帯を開発しようともくろむ不動産会社を疑う。つまり、借りてのオージーを殺人犯に仕立て上げて権利関係をクリアしようと目論んでいると見抜く。 最初からオージーだと決めつけている地元警察を説得して、他に目を向けさせる仙道。 2.廃墟に乞う 千葉・船橋のラブホテルでデリヘル嬢が殺された。13年前に仙道が担当した札幌娼婦殺害事件と手口が似ている。犯人の古川は殺人で起訴されたが傷害致死となり、刑期を終えていることが分かる。 13年前、取り調べで古川の出身地の地名を言われても仙道は知らなかった。古川にそれを軽蔑され、結局、担当から外れることになった。裁判では、通常することがない傍聴を一度だけした。幼い頃に極貧、母親に捨てられて養護施設育ちであることを知る。母親は失踪、妹は2年後に病死。幼い頃、母親が妹をダムから落とそうとして古川が体当たりをして止めたことがあった。しかし、実際は止めたのではなく一度落ちた妹が消防団に救われたのが真実だった。古川は自分が止めたと思い込んでいた。 今回の事件で、なんとその古川から電話があった。会いたいという。古川はすでに指名手配されている。今回、仙道は古川の故郷を訪ねていた。 古川はある火力発電所あとに仙道を呼び出す。必ず一人で来てくれと言って。仙道は一人で行った。古川は仙道に対し、取り調べで自分の故郷のことを知らないから軽蔑したことを申し訳なく思っていた。そして、本当は13年前に死刑になりたかったことも告白。あんなに恥ずかしい過去をさらけ出してまで生きていたくなかったのだ。 そこで、警察が彼を逮捕に来る。古川は仙道に裏切られたと思って逃げ出し、発電所跡を出てダムへと向かう。そして、ダムから飛び降りてしまう。 3.兄の想い ある漁港、町一番の有力漁師が、町一番に人望がある若い衆に刺し殺された。多くの目撃者の前での出来事だった。しかし、容疑者は刺したことは認めたが刃物は自分のものでないし、どうして刃物がそこにあったのか分からないとも供述している。 容疑者は、被害者の船で働いていたが、辞めて別の船に移籍していた。その時、彼を慕う他の若い漁師も少しついていった。被害者となった有力漁師は怒り、ありとあらゆる手段で邪魔をした。地元の暴力団をも動員して。しかし、結局、新しい船の漁師が話をつけて丸く収まっていた。はずだった。それなのになんで彼は元雇い主にけんかを売り、殺してしまったのか。 仙道が探るうち、彼の妹が一連の嫌がらせ行為の中でレイプされていたことを突き止める。それを知った兄が元雇い主に再びけんかを売ったのだ。しかし、彼は殺すつもりなどなく、刃物も持参していなかった。真相は、その場にいた連中の一人が刃物で襲いかかり、それを取り上げて、元雇い主を刺してしまったということだった。 4.消えた娘 家を出て行った(離婚している父親の元から出て行った)娘が、ずっと行方不明。しかし、最近、ある男の部屋からハンドバッグが発見された。娘は体を売っていたらしい。そして、男は過去にも罪を犯した連続婦女暴行犯だった。男は、拉致未遂事件を起こし、その容疑で警察から逮捕される寸前だったが、逃げ出したところを大型トラックにはねられて死亡。彼は、2000年代初頭から半ばあたりに北海道と東京で連続して監禁事件を起こした「監禁王子事件」の模倣犯だったという想定。 問題は娘の行方だった。そんな男の部屋からハンドバッグが出てきたから、殺されたことは極めて濃厚、しかし、親からするとせめて死体だけでも見つけて供養してやりたいと、仙道を頼ってきた。 仙道は、ミュージシャンを目指していた時にしたっていたプロデューサーの森の中にあるスタジオに目をつける。きっと、その近くに捨てたに違いない、と。 5.博労沢の殺人 大畠という競走馬(軽種場)牧場のオーナー(61)が殺された。名門牧場だが彼自身は古参ではなく、わずかな借金のかたに差し押さえて「騙し取った」と陰口を叩かれるような人物だった。 17年前、バブル景気が終わった1992年、彼は殺人事件の容疑をかけられていた。彼の牧場の増築を請け負った長沼建設社長が殺された。支払いの件でもめていた。しかし、代金の一部を払うと約束して400万円を用意して待っていた日に長沼は殺された。結局、事件は迷宮入りした。 大畠には彼によく似た性格の長男と、音楽の道に進みたかったが父親に反対されて東京の大学を出た次男、そしてすでに嫁入りした娘がいた。長男、次男と、父親は仲が悪かったので、そのどちらかが犯人であることも疑われて捜査が続いている。 仙道は、次男が、17年前に長沼を殺したのは父親だと疑っていることを知る。調べると、大畠牧場で働く原田という青年が長沼と関係があることをつきとめる(どんな関係かは明かされない)。彼(原田)の生い立ちに関わることで、彼自身もしらなかったことを、次男が知っていて彼に話したことを告白させる。すなわち、次男が教唆して、原田に自分の父親を殺させたのであった。原田は18才、事件は17年前。原田は父親がおらず祖父母に育てられたという。読者想像ということになるが、原田は長沼の実子である可能性が高いと判断できる。 6.復帰する朝 仙道の復帰が間近になった頃、帯広のある女性から協力依頼。3年前の事件で世話になったホテルの従業員だった。彼女の妹が、ある殺人事件で疑いをかけられ、連日マンションにマスコミが張り付いている。繊細な子なのであれではもたない、なんとかしてくれとのこと。 殺されたのは30才の美人。菓子メーカーの娘でレストランオーナーでもある資産家。一方、疑われている妹も、親が資産家で自分でエステを経営している。姉は単なるホテルの従業員ではなく、将来のための研修として働いていることが分かった。 殺された30才美人と疑われている妹はよく知った仲で、レストランのオーナーと客の関係でもあった。それなのになぜ殺しが疑われるのか。 仙道が彼女のマンションに行くと、マスコミは1社も見当たらなかった。2日前からいなくなったとのこと。姉が仙道にSOS連絡してきた時には、すでに困った状況ではなかった。不可思議である。帯広時代の同僚に聞くと、別の容疑者が浮かび上がっているという。誰かがマスコミにそれを漏らしたため、矛先がそっちに向いたのだろうとのこと。 仙道は姉に言われるままにある女性と会う。すると意外なことを耳に。妹は以前、その女性が男を取ったとして、彼女の飼っていた猫を焼き殺す事件を起こしていた。恐ろしかったので被害届けはださなかった。彼女は、レストランオーナーの女性とも男にまつわるトラブルがあり、殺したのではないかとの見解だった。 実は、姉はそれを見抜いていた。それを知らせるため、手のこんだ仕掛けで仙道にそのことを悟らせたのだった。 この話では、3年前、仙道がPTSDになった事件のことが書かれている。ある女性が行方不明になり、仙道と今は帯広にいる刑事が2人で聞き込みをしたとき、ある若い男のマンションを訪ねる。仙道はなにも感じなかったが、もう一人は怪しいと睨んだ。警察犬を連れて男のマンションに戻ると、激しく吠える。しかし、男は出てこない。窓から逃げ出した。マンションの中では首を切られた女性。切られたばかりだった。そして、男は逃げたあげくに飛び降り自殺。 さっきまで、男も女も生きていたのに自分の眼力のなさのために一度に2人の命が消えた。そのシーンがフラッシュバックしてくる。

    1
    投稿日: 2021.03.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    事件に意外性も無いし、オチが雑過ぎて自分には合わなかった本。 特に「博労沢の殺人」、「廃墟に乞う」の話の最後、 「え、これで話終わり? 雑すぎない?」とつい口にしてしまった。 ここ数年で1番2番を争う酷さだった。 ※あくまでも個人的な意見です。

    2
    投稿日: 2021.02.26
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    休職中の刑事が事件解決。…そんなのアリ? とはいえ面白かった。 事件の捜査員の捜査はもちろん、彼らのプライドを傷つけることなく事件解決。本当に仙道孝司は出来た人間だ。 それぞれの事件も背景に良くも悪くも人間らしいものがあり、事件解決もホワッとした何か考えさせるような締めくくりで、そこが仙道とリンクしてるようでよかった。

    10
    投稿日: 2020.12.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    佐々木譲さん、直木賞受賞作品。「過去の清算」をテーマに扱う。短編小説で物足りない。その理由は、読み応えがありすぎるので、もう少し掘り下げて欲しかった!という裏返し。主人公は北海道警察の刑事 仙道は過去の無残な死体発見した。しかし、犯人を取り逃がした原因が自分にあったと指摘され、PTSDとうつ病を発症する。しかし仙道のパーソナリティは賢く、一本筋が通る、療養中の身で誰にでも優しくなれている。捜査の自由が利くので事件を紐解いていく新しい展開。独自捜査に限られるものの、仙道は過去を清算し職場復帰する。

    4
    投稿日: 2020.08.11
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    休職中の刑事、仙道に所に個人的に舞い込む謎解きの依頼を追う短編集。ここのところ、なぜか取る本取る本短編集なので、他の短編集と平行に読んでみた。 オーストラリア人が集まるようになったニセコで、オーストラリア人が経営していたコテージで女性が殺された。当然持ち主が疑われるが、友人たちはそれはないと信じている。真犯人は誰か。 一応それぞれの作品が謎解きであり、犯人は誰かを考えさせられるのだが、それぞれ突然終結する。ミステリでは有るのだが、純文学的な手触りの作品群である。というのも、オチの部分は叙情的でありぼんやりと終わらせている作品が複数有る。 全体にかなり強めの動機が用意されているため、オチの部分はぼんやりとしていても、普通の読解力があれば、誰がどう関わったのかというのはわかるはずだ。 ただ全体に、わかるけど弱い作品となってしまっているのも、強い動機に依存しすぎているところが有るのではないか。 直木賞をとったらしい作品で、わかりやすさと読了感はよかったものの、6本もいらないから2本くらいの中編にしてほしかったと思う。仙道のところを頼りに来る一般人が多すぎるのも鼻についた。

    1
    投稿日: 2019.08.15
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    佐々木譲の刑事物短編集。 あれほどワクワクさせてくれた大戦3部作の勢いは影をひそめ、静の刑事物だった。 刑事物のミステリーは読者が多く売れるとは思うが、また大戦物、スパイ物を書いて欲しい。

    3
    投稿日: 2018.11.14
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    休職中の警官が個人的な依頼で殺人事件を警察とは別角度で調査する探偵物。短編ということでスッキリとしたストーリー。綺麗に纏まってるけど、淡々とし過ぎて少し物足りない。

    1
    投稿日: 2018.10.16
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    お酒を飲みつつ読みはじめたら、この1冊を読む間に何度も寝そうになり、頭をシャンとさせてから翌日読み直す✖️3回ぐらいで、思いのほか読了までに日数を要しました。だからって、直木賞受賞作ですもの、面白くないということではありません。 休職中の刑事が、知人や元同僚からなんだかんだで助言や協力を求められて捜査に関わるはめに陥り、いくつかの事件を解決へと導きます。公務ではないと称しつつ休職中も仕事しているようなものだから、頭も心も休んじゃいないのですが、関わることがリハビリになっているわけで。 面白いのに何度も寝そうになってしまったのは、淡々としていて、地味すぎるから。泣かせにかかるようなあざといシーンも無駄もなし。だから余計に心にぽっかり穴が空く。

    2
    投稿日: 2018.08.05
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    私にとってはカウントダウンに続く2作品目となる佐々木譲先生の作品 カウントダウンは友人からいただいた本だが、、、こちらも同じ友人からいただいた カウントダウン同様に北海道を舞台にした作品 主人公は休職中の刑事という変わった設定の小説 しかしなるほど 刑事でありながら休職中という事になると自由度が増すというのか それでありながら刑事の洞察力もあり面白い展開ができるものだなと どうして休職中になっているかは最後に明らかになる 本作は短編集となっており、多くが知り合い等から「休職中ならちょっと聞いてくれないかな」というような感じで相談を受けて始まる 北海道の地理にはそれほど詳しくないですが、主人公は結構色々なところからお声がかかりつつ、それらエリアの所轄警察署に知り合いがいる 警察官も色々なところで勤務を行うものなのだなぁと あとがきに書いてありましたが、佐々木先生は北海道の色々なところを描きたかったとの事ですね それに都合が良いのではないかと考えたのが「休職中の警官」という設定との事でした 描きたい話がありきの設定だったのですね 毎回、まずは現場を確認したり、聞き込みまではいかないながらも近辺の人に話を聞いて と進んでいくのだが、休職中であるがゆえの不自由さもある 現場担当でも無いのになんでこんなところに来ているのか、なんで聞き込みみたいな事をしているのかという感じで同じ警官側から煙たがられたり 逆に遺体が見つかっていない(ので事件化できていない)が殺人と思われるような事案にも首を突っ込めるという自由もある このキャラクター設定は秀逸 小説として聞いた事がなく目新しく感じただけかも知れませんが面白いと感じました 友人からもらった佐々木先生の作品はカウントダウンと本作の2作品だけですが、、、別の作品も読んでみたいですね

    2
    投稿日: 2018.07.03
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    直木賞受賞作品というのは知らなかった。 電車の中での暇つぶしに。(失礼) 刑事物?にしてはどの話も読みやすかった。 ただ、1つ読み終え、次に進む時になんとなく気が重くなるというか…どっこいしょ(笑)という感じで。 どの話も明るい話ではないからか。 読み終えるたびにパワーが吸い取られる感じ、と言ったら大げさかもしれないけど。 ということで、2話くらい残して(図書館に)返却してしまった。(内容がどうの、というわけではないことにする。) だから、仙道さんが休職の理由がわからないまま。 今度また借りようかな。

    2
    投稿日: 2018.05.21
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    仙道さんはいったい何があって休職に追い込まれてしまったのか気になりながら読み進めた。最後でそれがわかって『やっぱりな』という感じで腑に落ちた。ちょっと今までにない警察小説でした。

    2
    投稿日: 2017.12.24
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     登場する北海道の町々の姿が,その独特の空気感をも感じさせてくれる。地元を舞台にした小説のありがたさ。今現在、その描写は、古くなっていない。

    3
    投稿日: 2017.06.21
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    ミステリーの短編というと中途半端な謎解き物を想像し、ほとんど期待しないで読んだのですが、これはそういった類の物語ではなく、いい意味で期待を裏切られました。 北海道各地の疲弊の色を帯びた都市を舞台に、そこで起こる其々の事件の背景で繰り広げられる人間模様を、トラウマを抱える求職中の刑事の目を通して描いたヒューマンドラマです。 1話1話がくどくどとした説明過多ではなく、絶妙の長さと締めくくり方に非常に好感が持てます。 内容的には弘兼憲史のコミック「人間交差点(ヒューマンスクランブル)」を彷彿させます。というか、そのまま人間交差点の原作にしてしまっても違和感ないくらい作品コンセプトが近いと感じました。

    2
    投稿日: 2017.05.03
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    短編集。 ある事件によって休職を余儀なくされた仙道。 心療内科の医師が、勤務復帰OKの診断を下さない限り、本来の勤務に復帰できない刑事・仙道。 療養生活に入ってから11ヶ月が経ち、症状も改善した。 それでも人事課は復帰を認めない。 時間だけはたっぷりとある療養生活を送りながら、仙道は知り合いに依頼されたりたまたま遭遇した事件と関わっていく。 当然事件は管轄の刑事が仕切っており、仙道は目立たぬように事件の筋を追っていく。 警察手帳を持たない警察官には、多くの制約が課せられる。 もちろん逮捕権はない。 物語は仙道に復帰のきざしが見えたところで終わっている。 彼には乗り越えなければならない記憶があり、助言者として動いていく経験の中で徐々に「記憶に乾き」を与えていったのだ。 封印するでもなく引きずるのでもない。 「乾き」という表現がしっくりとくる、そんな仙道の言葉だった。 堂場さんが描く刑事像はどこか暗い。 けれど、その暗さもキャラクターの魅力となって溶け合っている。 無駄な説明文ではなく状況や心情が伝わってくるのもいい。 明日が見えるような希望を見せての終わり方もよかった。

    2
    投稿日: 2017.03.01
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    直木賞受賞作品…。佐々木譲さんなら、この作品よりもっと受賞にふさわしい作品が沢山あるのに、と思いながら読了。 短編集なのでさらっと読めるのと、事件にあまり深入りせずヒントだけを残して立ち去るスタイル。 休職中の仙道がなかなか優秀で、トラウマになった事件での失態と繋がらないのだけど、そこも3年という時間の経過によるものかな、と無理矢理納得。まあ面白かった。

    2
    投稿日: 2017.01.02
  • 楽しめる短編でした

    休職中の刑事なので 実際に捜査に携わるわけではなく 外周を丁寧に調査している内に 事件が見えてくるという感じの短編。 関係者との会話も 捜査官としてではなく 一個人としてなので柔らかくそれでいて裏もあり面白く読めました。 この方の作品は 初めて読みましたが もうひとつ読もうという気になりました。

    2
    投稿日: 2016.12.30
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    直木賞受賞作って感じはしない。休職中の警官が、立ち寄った町の事件を解決していく短編集です。好みで言えば、制服捜査がいい。

    1
    投稿日: 2016.10.18
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    北海道を感じながら読み進めると、いつの間にか読了。 特に手の込んだプロットではないので、するりと読めるのがよかった。

    2
    投稿日: 2016.09.22
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    佐々木譲さん、久しぶり。そういえば笑う警官しか読んでないかも。 先が気になって一気に読んでしまう。面白かったです。ただ短編集だったので読みやすい反面、少し物足りなさも…。 違う作品も読んでみようっと。

    1
    投稿日: 2016.02.17
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    とある事件で休職中の刑事が、知り合いに頼まれたりして結局いろんな事件を解決する手助けをする話。 短編連絡で読みやすいし、まあまあ面白かった。

    1
    投稿日: 2016.02.13
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    直木賞受賞作。警察小説ではあるが、主人公は警官を休職中の身。事件捜査に直接関わることのできないハンデの中で、話をどう展開させていくのか非常に気になった。 そんなハンデを背負いながらも、一粒の光を見つけ出し、そこから穴をこじ開けていく展開力と創造力は流石でした。

    1
    投稿日: 2016.01.18
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    ★2.5。 随分とあっさりした感じの連作集、直木賞受賞作と言われても正直ピンと来ない感じ。 心身に異常を来たした警官のリハビリ的・探偵的行動というのが多少目新しい設定ですが、それだけ?という感じで拍子抜けしました。

    0
    投稿日: 2016.01.04
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    休職中の刑事にプライベートを通じて捜査依頼が来るというのはなかなか考えにくいのですが、日本では不倫調査ぐらいしかしない私立探偵の代わりにと考えれば若干リアリティーは有ったりします。 或る事件に関わってPTSDになってしまい、それを癒すための休職なのですが結構逆効果になりそうな内容も有ったりで、大丈夫か?仙道?と心配になる事もちらほら。 表題作がとにかく面白いのでお勧めではあるのですが、一番PTSDに悪いのではないかと思うような話でもありました。 表題作の題名は本の題名でもあるのである意味リーダートラックなのでさすがの出来で、廃墟と貧困と殺人が絡み合ってやるせない気持ちになりました。 僕にとっては「警官の血」で受賞出来なかった時点で直木賞に不信感が有ったりしたのですが、佐々木譲さんが受賞したのは単純にうれしかったです。でも、なんでこれやねんと読みもしないでぶーたれていたのは内緒です。 読んでみたらば十分に面白かったので特に異論も無いのですが、やはり受賞作を中心に読んでいく人達にはこの作品よりも「警官の血」から入って佐々木譲の豊饒な魅力にはまって欲しかった。これ読んで分かった気になって欲しくないというのが偽らざる正直な気持ちでした。

    3
    投稿日: 2015.09.21
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    北海道を舞台にした、警察モノの短篇集。主人公は過去の事件のトラウマに悩みつつ、職務とは離れて、私立探偵のようなことをしていく。 日本の探偵物の、「警察との関係が非現実」というところを上手くフォローしている。 とてもおもしろい一冊。

    1
    投稿日: 2015.08.23
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    2010年4月 第142回直木賞受賞作ということで読んで見る。 【内容】 北海道を舞台とした刑事物の短編集。 過去に起きた事件が原因で休職中の刑事が、過去に携わった人々から相談を受け、事件を解決している形。 【感想】 文章力は非常に高く力があることが伝わってくる。短編でありとても読みやすい。 北海道独特の空気を纏いながら、関係者との対話と推理だけで事件を整理している姿は若干新鮮である。 ただし、主人公の仙道警部の内面を深堀りするわけでもなく、一貫したテーマがあるわけでもなく。 読み終えた感想は達成感もなく極めてドライであり、作者の主張があるわけでもなさそうで・・「ふ~ん。」といった感じ。

    0
    投稿日: 2015.08.09
  • 直木賞受賞作

    直木賞受賞前に読んで、面白いとおもった作品の受賞が決まってうれしかった。 休暇中の刑事がその経験と感を働かせて事件を解決していく連作短編モノ。 素直に面白くて、サスペンスドラマを見てるように読める。

    3
    投稿日: 2014.11.20
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    ベテランらしく、そつが無い短編集。しかしイマイチ魅力に欠けます。でも直木賞受賞作品。エッ!佐々木譲ってこれまで直木賞を獲ってなかったの。『警官の血』や『エトロフ発緊急電』の方が直木賞に相応しいと思うのですが…。そう言えば北村薫も漸く『鷺と雪』で直木賞受賞。直木賞といえども所詮、出版社の販売促進の一環。少し悲しくなりました。

    3
    投稿日: 2014.11.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    特に感想がない。鬱になって休職中の刑事が、周囲の人が持ち込んでくる事件を片手間に解決していくんだけど、その事件がどれも大きな謎があるわけでもなく、きちんと聞き込みすればわかっちゃう系のものばかりなので、地味。

    0
    投稿日: 2014.10.01
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    佐々木譲は好きな作家であり、直木賞受賞作品ということで期待して読んだが、物足りなかった。 PTSDの療養のため休職中の警官が主人公の短編集。休職中の人に個人的に捜査の依頼をする人がそんなにいるんだろうかという、基本のところが引っかかってのめりこめなかった 。事件はどれも興味深かったが結末がややあっけない感じ。

    1
    投稿日: 2014.08.25
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    PTSDで休職中の刑事・仙道が主人公の短編集。 休職中の彼にいろいろな相談が持ちかけられる。公務ではなく、でも完全に一般人ではない彼が、事件を警察とは違う視点から見つめ、事件の本当の姿を見つけていく。 彼が犯人を捕まえるわけでも、トリックを暴くわけでもなく、派手な展開は無いのだけれど、淡々と被害者や被疑者の生い立ちや心のうちを見つけていく描き方が良かった。 派手な警察小説を求めている方には物足りないかも。

    1
    投稿日: 2014.06.21
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    第142回直木賞受賞作。心に疲れを抱えた休職中の刑事が、北海道の各地で起こった事件に関わる連作短編警察小説。 主人公の仙道の刑事としては優しすぎる性格の描写が秀逸である。直木賞受賞のポイントもこの部分ではないだろうか。職業としての刑事、人間としての男、その狭間で苦しむというのは、働く者全てに共通する。

    1
    投稿日: 2014.05.04
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    ある事件がきっかけで精神を病み休職中の道警察官仙道。その推理能力ゆえか休職中でも様々な知り合いから調査を依頼される。それも全て捜査中の事件ばかり。本作は6編から成り、2編目がタイトルにもなっている「廃墟に乞う」。謎解きは極めて正攻法で一つ一つの手がかりを積み上げ犯人を追い詰める。最後の「復帰する朝」には休職のきっかけとなった事件の概要が説明されている。

    1
    投稿日: 2014.04.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2014.1.26~30 読了 相変わらずリアルっぽい警察小説。休職警官を主人公にすることで管轄外捜査を矛盾なく可能にしている所がアイディアもの。

    1
    投稿日: 2014.02.19
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    2010年直木賞受賞。連作短編集。 読み終わり、勝手な想像で一人の刑事の後ろ姿が目に浮かびます。 長身でスラッとして長めのコートを着て、佇んでいる。 細面で繊細な表情を思わせる。 捜査時の後遺症で神経を患い休職中である仙道刑事が主人公。 今は療養中のため捜査権を持たない彼が、伝手を頼って身内や知り合いをどうか助けてほしいと依頼されるところから始まる。 ドンパチない、ハラハラない、解決も、その後もなく、派手な場面は一つもない。 冬の雪深い北海道を舞台に、ただ考えをめぐらし、人と会い、場所を訪ね行き、その中で真実に近づくための一片を見つけていく。 どの章も、終わりの数行が秀逸。 やさしさもあれば哀しさもある。 幾度か読み返し、余韻を味わった。

    1
    投稿日: 2014.01.28
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     淡々と・・・あくまでも淡々と進んでいくようで私的には馴染めない感が否めませんでした。決してそれが悪評というものではないのですが・・・  最後まで違和感のある刑事ものというところしょうか?

    1
    投稿日: 2013.12.10
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     第142回直木賞受賞。短編6作品全編、休職中の刑事が私的に依頼を受け、事件解決に貢献する。どのお話にも落ちが用意されていて、渋くまとまっている。

    1
    投稿日: 2013.11.07
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    北海道が舞台というと、最近読んだ「探偵はバーにいる」を思い出すが、この短編集も、北海道の土地土地の良さや、つらさが如実に現れていて面白く読めました。

    1
    投稿日: 2013.10.31
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    申し訳ないけれど、本当に直木賞受賞作??と思う。 ストーリーが斬新という訳でもなく、推理と言える程のものも無く、 傷をえぐると言える程の心理描写も無く・・・ 私は相棒の観すぎなのかな?

    0
    投稿日: 2013.10.08
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    休職中の刑事を主人公としたことによって、これまでの警察小説にはない新しい警察小説が生み出された。すなわち、主人公の仙道はあくまでも休職中であるがゆえに警察手帳が使えない。しかも、自分の所轄ではないところでの事件に、いわば部外者として首を突っ込むのである。つまり傍観者として事件に関わっていくのだ。本書は、推理の妙をではなく、ニセコをはじめとした北海道の風土の中に展開する事件と、それにまつわる人間の心の動きを、読者もまた一種の傍観者として眺めていく、そのような小説である。

    1
    投稿日: 2013.09.23
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    直木賞作品を初めて読破しました。なんだろ、PTSDの治療の中、様々な依頼を受けて真相を突き止めていく刑事の姿に感動を覚えました。

    2
    投稿日: 2013.08.31
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    直木賞の前後に銀座『パリの朝市』で著者と遭遇したことがある。編集者がノート片手に雑談もメモをとっていて『直木賞って凄いんだなぁ』と感心した次第。でも確かに話している内容は思慮深く知性を感じるもので、食事中ずっと聞き入ってしまいましたね。

    1
    投稿日: 2013.07.19
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    犯人がどういう境遇で生きてきたのか。 なぜその境地に至ったのか。 廃墟に「乞う」 =教えてもらう、という意味なのですね。 実際の目で見た主人公もしかりだけれど 私たち読者も、廃墟というキーワードから 精気を亡くした街とそこに住む人々の苦しみが想像できる。 短編の警官ものだったが、 確かにこの表題の物語が一番印象深かった。 2009年直木賞受賞作品。

    1
    投稿日: 2013.03.30
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    少しひねりが入った短編が6つ.どれも面白いが、「オージー好みの村」の聡美の秘めた恋が最後に反面するところが良い.最後の「復帰する朝」の中村由美子の立場もよく考えた構成だ.

    1
    投稿日: 2013.03.23
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    佐々木氏の北海道警ものにしては珍しく、組織的な腐敗に関する批判的内容がない素直な作品でした。 過去の捜査ミスの影響による精神的外傷のために休職中の刑事が、身内が刑事事件に巻き込まれた知人から頼まれて非公式に捜査をサポートする内容の短編集。 ニュートラルな視点で事件を検証する主人公の繊細な心情が上手く書かれているものの、直木賞受賞という事前の期待感からすれば少し物足りなかったかも。

    1
    投稿日: 2013.03.03
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    ある事件でのことがきっかけで、休職中となっている刑事の連作短編小説。 休職中にも関わらず、いろんな知り合いが事件の相談を持ちかけてくる。 直木賞受賞作ということで期待したが、私的にはいまいちだったかな… 2013.2.27

    1
    投稿日: 2013.02.27
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    全体にモノトーンな感じで地味なのですが なぜか好き。 特別「面白い!」という感じではないのですが、 味わい深かったです。

    1
    投稿日: 2013.02.23
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    直木賞受賞作ということで、期待して読んだ。短編ということでやはり物足りない気がした。また、どの話も悪くはないのだがこれで終わり?的な感じが否めない気がした。休職中の刑事が活躍するというのもちょっとイメージがつかみにくい。制服捜査のほうが面白かったと思う。

    1
    投稿日: 2013.02.21
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    わりとおじさん後半のイメージで読み進めたので、思ってたより若い設定だと気づいてうろたえた。かなり渋好みだと思います。派手なシーン皆無だし。 刑事ではあるけれど捜査権のないなかで、地味に聞き込みを続ける姿が、刑事の矜持を持ち続けたいと願う真摯さを読者に見せるのです。

    1
    投稿日: 2013.02.08
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    第142回直木賞受賞作。 帯に感激、感動の連作小説集ってあるけどさすがにそれはないだろと。 いやま佐々木譲だけあってきっちり読ませはするんだけど連作といっても特にカタルシスがあるオチがあるわけでもないあたりやっぱインパクトには欠けるわけで。

    1
    投稿日: 2013.02.04
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    そんなにぐいぐい読ませるわけではなく、ちょっと長ったらしい感じもあるんだけど、短編なのであまり気にせず読めました。 まぁー面白いっちゃ面白いけど、あまり盛り上がる感じでもなく。 淡々と進む感じ(それがPTSDと診断され復帰に向けてのリハビリをしているような主人公らしいと言えばそうだが)が強かった。 笑う警官などの道警シリーズの方が好き。 制服捜査に近い、北海道の田舎の閉鎖的な感じが強い小説でした。確かそっちの感想でもそんなことを書いた気がする。

    1
    投稿日: 2013.01.09
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    読了後、読み返したくなるかというと意外とそうでも無いのだが、 しかしきちんと最後まで読み通したくなる。 短編ならではの登場人物たちの場への出入りが面白い。 北海道という場所を書きたかったのだろうか…と思いながら読み進めた。 (巻末の解説によるとやはりそうらしい。)

    1
    投稿日: 2012.12.29
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    十三年前に札幌で起きた殺人事件と、同じ手口で風俗嬢が殺害された。道警の敏腕刑事だった仙道が、犯人から連絡を受けて、故郷である旧炭鉱町へ向かう表題作をはじめ北海道を舞台に、任務がもとで心身を耗弱し休職した刑事が、事件に新たな光と闇を見出す連作短編警察小説。第百四十二回直木賞受賞作。

    0
    投稿日: 2012.12.26
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    主人公は同じだが、それぞれの事件に関連はない短篇集。主人公はすごく洞察力のある優秀な刑事として描かれているが、数年前はそうでもなく失敗をしている。 休職中に成長した? まあ、描写といい構成といい、好きな作家なので好感が持てた。

    1
    投稿日: 2012.12.23
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    11月の15冊目。今年の201冊目。 直木賞受賞作。仙道という刑事が休職中に出会った事件の短編集。佐々木譲さんが書いたものは初めて読みました。新宿鮫に続いて警察小説をまた読みました。事件はすべて、大体犯人はこいつだろう的な展開で終わっていて、最後まで語られていません。その余韻がまたいいなーという感じがします。あと仙道の淡い恋心みたいな感じもいいね。

    1
    投稿日: 2012.11.28
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    第142回直木賞の短編集。 印象としては小さい話が多い。 ちょっとした事件が起こって、意外とは言えない展開があってシメ。 警察小説っていう分野はほとんど読んだことが無いけれど、こういう淡々としたものなのかな。 最後の二編は割りと入り込めた。

    1
    投稿日: 2012.11.19
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    近年の記憶に残る犯罪ニュースやその背景を彷彿させる事件も描かれている。 職務上の後遺症で休職中の警部が事件の捜査をする、という設定。探偵物風警察物。 主人公にそれなりに魅力があるし、事件に絡む人物像もしっかりしているので、一つ一つ読み応えがあった。

    1
    投稿日: 2012.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直木賞作品、事件と格闘する警察小説だと思い込んでいたので最初は肩透かしをくらった感覚だったがそうゆう小説ではないことに気付き読み進めるうちに引き込まれた。事件の全貌を完全に描いていない理由が知りたい。

    1
    投稿日: 2012.11.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初からあまりのれなかった。場所が北海道となじみがないからかもしれないが、刑事物なら犯人を追いつめる緊張感等が欲しい、そういうものの全くない刑事物。直木賞という帯につられて読んでみたが予想外。

    0
    投稿日: 2012.10.30
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    イマイチな評価のレビューもあるけど、私は意外とこの作品を気に入ったかも。 解決したのかしないのか、はっきりしない終わらせ方も、味わいあって良い気がする。

    1
    投稿日: 2012.10.21
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    短編で淡々とストーリーが進んでいくので非常に読みやすかった。よくある短編同士が繋がっていることもないので変に気を使いながら読む必要もなく個人的には◎。佐々木譲ならではの警察の内部事情の描写もわかりやすく楽しめた。 かなり早い段階で落ちがわかるので推理小説的な読み方をするよりも人間模様の描写に注目するとより楽しめるかもしれない。

    1
    投稿日: 2012.10.12
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    なんとなく文章が読みにくい気がした。推理小説と思って読むと結末があっけなかったり、人間味を出したいなら、もっとひねってみてもよかった様に思う。

    0
    投稿日: 2012.10.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    警察小説でも、休職中刑事のはなし。いくつかの話に分かれ、復職を目指す話。淡々と進むなかにも描写には重さがある。やっぱり派手じゃないけど確実に心にはいりこんでくるなぁ。

    1
    投稿日: 2012.10.02
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    直木賞受賞作。警官を描いては抜群の作を成す作家ですが、短編では才を発揮できないのかも。むしろエトロフとか北帰行等の冒険小説が面白い。

    1
    投稿日: 2012.09.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

     同一の刑事が主人公の短編集。私にとっては初の佐々木作品(たぶん)。直木賞受賞とのことですが、正直、それほど入り込めなかった。短編ということもあるのかもしないけど、話が薄っぺらいような印象。主人公が心神喪失(だっけ?)になった理由も、最終話になってちょっと唐突な感じで出てくる。なぜ心神喪失という設定が必要だったかがわからず。軽い読み物としてはこんなもので十分なのかもしれないけど。

    1
    投稿日: 2012.09.25
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    直木賞受賞作品。 著者の十八番である北海道を舞台にした6話から成る連作短編小説。 但し、主人公が同じなだけで物語は繋がっていない。 とある事件によるPTSDによって休職中の刑事仙道。 仙道の元に過去の事件関係者や、昔の仲間から依頼が舞い込む。 刑事としてより探偵として各事件解決に当たるが・・・ 親子や兄弟の絆について考えさせられる作品であるが、 残念ながらあまり印象に残らない作品だった。

    1
    投稿日: 2012.08.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1時間もあれば読み終わり、出張などのお供にぴったり。警察小説でも推理ものでも、刑事は昼夜なく24時間営業で駆け回っているように書かれているが、1年半も病気療養として休職扱いしてくれるなんてさすが公務員(笑。

    0
    投稿日: 2012.08.22
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    道警シリーズのスピンオフとでもいう感じか、短篇集で読みやすいのだけど、どうしてこれが直木賞なのか?というのは他の方も書いているのと同じ所感。この人の本だったらもっと面白いのがほかにいっぱいあるのに…短編だとどうしても伏線のはり方とかに限界があるので犯人や真相もすぐにわかってしまうしねぇ。でもまだまだ続けられる余地があるつくりにしているのは流石ですね。

    1
    投稿日: 2012.08.21
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    直木賞受賞作。 うつで休職中の刑事が、事件を陰で解決してゆく。 うつになった原因が、最終章まで語られないので、 なんで、休職中なのに、事件に首をつっこんでいくのか、 ??な感じだった。 そして、最後まで読んだ今も、なんだか??

    1
    投稿日: 2012.08.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    他の作者の警察小説に比べて、 登場人物が身近に感じられる。 ただ、 結末が誘導されているだけで、明文化されていないところが どうも受け入れられない。

    1
    投稿日: 2012.08.05
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    直木賞の文字につられて買ってみたけども、なんか期待外れだった。 ミステリーというよりは、ヒューマンドラマ。個人的には、しばし休養を余儀なくされるほどトラウマティックな事件を起こしてしまった主人公の刑事と、休養中に色々な事件を解決していく人が、同じその人という設定がすんなり自分の中に入ってこない…なんか描写というか設定に無理がらあるような気がした。こんな感じの人があんなミスを起こすのかね?というすっきりしない感。他の人はどう思ったのらでしょ。今度、人のレビューをのぞこう。

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    投稿日: 2012.07.25
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    直木賞受賞作、著者の作品特に第二次大戦三部作に比べると小さくまとまりすぎか、北海道の地方色の描写が主題か。

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    投稿日: 2012.07.19
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    142回直木賞。北海道が舞台。北海道が舞台の警察系ものは、探偵は吹雪の・・でも、何かモノさみしい雰囲気。内容的には普通の警察小説かな。ちょっと直木賞という看板が悲しい感じです。

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    投稿日: 2012.07.01
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    H24.6.24 全般には好みではなかった。北海道という土地柄にも馴染みがないし、暗い感じがずっとあった。病んでいる休職中の刑事だからかな。よみ進めるとごく普通の感覚の刑事と言う気はしてきた。俳優の内野聖陽を想像して読んでいた。ドラマになればそれなりにおもしろそう。

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    投稿日: 2012.06.24
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    【仙道:道警の敏腕刑事(休職中)】 過去の任務で痛烈な衝撃を受けた仙道は心身ともに耗弱し休職を余儀なくされていた 休職中にもかかわず、仙道はいくつもの事件に関与し 事件に新たな光と闇を見出していく 過去の事件を克服できるかも仙道にとっては大きな問題である。 〈連作短編集〉

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    投稿日: 2012.06.14
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    好きな小説家の一人である佐々木譲の直木賞受賞作品。 刑事もの短編集だけど主人公の刑事は休職中。過去のある事件によってPTSDを患いその治療のため長期休職しているという設定。つまり、普通の刑事としての活躍ができない状態ながら事件に関わり解決の糸口を見出していく。様々な評価を受けている小説だが僕は高く評価したい。娯楽小説とは一線を画する本格的警察小説だと思う。何よりこの作家の筆力がにじみ出ている作品だと思うのだが。

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    投稿日: 2012.06.10
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    2/3読み終わったところでやめちゃった・・・。 直木賞ということで一般的に評価は高いのだろうけれど、 私好みではなかった。 すごいヒマな昼下がりに観る、再放送のサスペンスドラマみたいな感じ。 うん。2時間ドラマだったら、最後まで観るかも。

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    投稿日: 2012.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    過去の事件でPTSDになった刑事が復帰するまでの話。直木賞受賞作・・・ってこんなものか。結構地味な感じの内容。話に重みはあったが、煮え切らない終わりのものもあったし、いまいち。でも、描写は素晴らしい。

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    投稿日: 2012.05.26
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    2009年下期の直木賞受賞作。作家デビュー30周年目にして悲願の受賞である。ところで、佐々木譲は1988年、2007年にもそれぞれ「ベルリン飛行指令」「警官の血」で直木賞にノミネートされ、惜しくも受賞を逃している。私の見るところ「警官の血」は彼の最高傑作であり、これを超える警官小説は本人にもなかなか書けないと思う。「ベルリン飛行指令」とそれに続く「エトロフ発緊急電」「ストックホルムの密使」三部作も素晴らしい。で、何が言いたいかっつうと、直木賞はとっくの昔に新人賞としての性格を失なっているので、作家デビュー30周年目の受賞に違和感はないのだが、どうして「廃墟に乞う」だったのか?。作品としては、言っちゃあなんだが本書は「ベルリン飛行指令」「警官の血」よりも数段劣る。「ベルリン飛行指令」で受賞させるか、「廃墟に乞う」で受賞させないか。どっちでもいいけれど、どっちかにしないと直木賞の権威が低下するんじゃないの?。と、どうでもいいことをふと思う。何度も直木賞候補になりながら落選し、「ゴールデンスランバー」でようやく受賞確実となったときにノミネートを辞退した伊坂幸太郎もおそらく同じようなことを考えたんだろうなあ。

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    投稿日: 2012.05.20
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     人が何か物語を読んで心を動かされたとき、その根底には何があるのか。それが人情というものだと過程すると、その「人情」とは一体何なのか。  ずいぶん前、友人と酒を飲みながら色んなことを語り合っていたとき、どうしても言いたいことをうまく伝えられなくて自分に辟易してしまうことが多かった。最近そういうことが少なくなってきているのは、自分のいいたいことをうまく伝えられるようになったわけではなくて、自分の伝えたいことが曖昧で、明確な言葉にならないということを自覚したんだからだと思う。  でも、よくよく考えると、自分の伝えたいことっていうのはその場その場の状況や、語りかける相手によって大きく変化してしまう。だからそもそも、明確に形にすることなんて無理なのかもしれない。  小説は嘘で固められていて、その嘘を破綻のないように組み立てなきゃいけないわけだけれど、伝えたいことを抽象化して、その抽象化された嘘を具体的な物語の中に組み込んでいくことで、伝えたい曖昧なものが、ぼやけるべきところはぼやけて、はっきりさせるべきところははっきりした形になって読む人間の頭の中に入り込んでくる。    嘘の中で描かれる「人情」は、酒を飲みながら目の前の友人にだけこっそり届けるようなわかりづらいものではなくて、それを目にした誰でも(ひとりでも多くの人間が)わかりうるものでなくてはならない。  作中の主人公の仙道には、とても温かいものを感じた。それはきっと、色んな人が共通して感じることができる「人情」なんだろうと思う。

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    投稿日: 2012.05.10
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    『これが直木賞??』って意見もあるようじゃが、ワタシは好きだな! 廃墟に乞う…という題にピッタリの作品。 切なさが良いんやよ!!

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    投稿日: 2012.04.23
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    直木賞受賞作品だけに、完全にブランド買い(笑) 著者は皆勤賞だから直木賞受賞したと謙虚にコメントしているが、実力は本物。 連続性のある短編集だが、あえてメンタル休暇中の刑事が、直感を活かして現役刑事を出し抜き解決するストーリー。 初めてこの作家を読む人にはイイかも知れないが、この作家は、やはり長編作がイイ。

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    投稿日: 2012.04.22