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二つの祖国(一)
二つの祖国(一)
山崎豊子/新潮社
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総合評価

51件)
4.4
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22
4
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    主人公達の立場よ過酷さ、話のスケールの大きさに夢中で読み進めている。そして主人公がカッコ良すぎる。 こういう小説は令和の今にはなかなか生まれないし、こんな漢気のある主人公もお見かけしない。 (百田尚樹さんの小説くらいだろうか) まだ一巻しか読んでいないが、読み継がれていってほしい本だと思う。

    0
    投稿日: 2025.07.06
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    山崎豊子、戦争3部作の1作目。 確かにアメリカで生活していた日本人も多くいたが、そこにスポットは当たってなかったので、ある意味新鮮に感じた。 主人公とライバルの構図は他の作品と似通ってるかな。

    9
    投稿日: 2025.05.03
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    山崎豊子シリーズも、後もう少し 大物はこれで最後 やっと終わりが見えてきた 山崎豊子ドキュメンタリーものは 個人的に面白い読み物とは思えない ドキュメンタリーを描きたいがために 物語を付け足したようにさえ思える 東京裁判の章は途中から全ての文字を読むのが億劫になり、物語に関わらない箇所は、読み飛ばす羽目になってしまったし 歴史の勉強にはよいかもしれんが 東京裁判もジャップも原爆も 読んでいて気持ちのいい物ではなく むしろ気分が悪くなるばかり。 その上、絶望的に話が暗い。

    0
    投稿日: 2025.04.22
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    戦争さえ終わればなくなるわけでもない人種差別が苦しみの根幹にあるのが今の自分と地続きにある話に思えて、こんな苦しい本があと3巻も続きあるのか……と思うと憂鬱

    0
    投稿日: 2025.03.30
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    第二次対戦下での日系二世に対する隔離政策、日本の降伏の動きを知りながら原爆投下したアメリカ、広島に医療団を送り込みながらも人体に対する原爆の影響を調査するのみで医療行為を一切しなかったアメリカ、戦争犯罪を裁く国際法理論が無いにも拘わらず日本の戦争責任者を厳しく断罪したアメリカ。 大東亜共栄圏という身勝手な国策を掲げ、東南アジアの民族に数々の残虐な行為をした日本、特攻隊や生きて虜囚の辱しめを受けずと人命を蔑ろにした日本その日本に民主主義を持ち込み、その後の日本の発展を導いた平等と自由の国アメリカに対する日本人が長年持ち続けていた憧れの感情が如何に滑稽なことであると今更ながらに感じました。 戦時中の日本の体制や思想には嫌悪感を強く感じますが、アメリカの罪も沢山あることを再認識しました。 作家山崎豊子さんが膨大な資料に当たり、二つの祖国を持つ日系二世の葛藤、苦しみを描いた筆力に感嘆しながら、改めて勝者敗者を問わない戦争の罪深さを強く感じました。

    0
    投稿日: 2025.01.13
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    第二次世界大戦下のアメリカで日系2世達は育った環境によって考え方は様々。日本からもアメリカからも認められない憤り、苦悩が山崎豊子の筆力があたかもみてきたかのようにありありと表現され引き込まれていった。続きを読むのが楽しみ

    0
    投稿日: 2024.06.28
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    日系二世として、日本人アメリカ人どちらからも阻害され、苦しみながら生き抜く賢治とその一家周りの人たちの第二次世界大戦中の物語。4部作。 他の作品に比べ、主人公の印象がいまいち薄かった。2巻に期待。

    1
    投稿日: 2024.03.18
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    日米開戦後、本編の主人公の邦字新聞の記者である天羽賢治はFBIに連行され、スパイ容疑で留置所へ入れられる。 そして、アリゾナ砂漠の収容所へ送られる。 砂漠の収容所から釈放され、ロスアンゼルスの家に帰ると家族は強制退去されていた。 家財道具一切を二束三文で売り、一人2つまでのスーツケースの所持を許可されて、家族が移動させられたのは、競馬場の馬小屋だった。 床にタールを撒いた、馬糞の付いた臭くて不潔な馬小屋に何千人もの日系人が、押し込められた。 一週間に1回のみ、馬小屋の馬を洗うシャワーを使用することを許された。不潔な場所で、日系人達は、家畜の牛馬の扱いだった。 しばらくして、千五百名の日系人はマンザナールの砂漠の中に建設されたバラックのマンザナー強制収容所へ入れられた。 ※以下、ウイキペディアより。 1942年2月19日にフランクリン・ルーズベルト大統領が発した大統領令9066号によって翌3月に開設された。マンザナー収容所は最大時には10,046名を収容し、収容された総数は合計で11,070名となった。 アンケートや天皇の写真を踏み絵にしたり、日系人は各個人の米国への忠誠心を試される。親兄弟妻子間で意見が別れ、家族の絆の崩壊を招いた。 同じ二世の賢治の弟の忠は、人種差別の米国に嫌気がさして、戦争前に日本へ帰属した。 かつて、日本に留学していた賢治は、祖国日本と米国人としての自分との葛藤に悩む。 戦前・戦時中と、相当な迫害を受けて来た日系人の心の有り様が、本作を読んで初めて分かった。 日系人は人種差別を受けながら、そうではない白人もいるというエピソードが救いだった。 物語は、更に続く日系人の苦難の道へ。 二巻へ、つづく。

    6
    投稿日: 2023.10.14
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    二つの祖国(一)〜(四) 山崎豊子を読んで  著書は、日米開戦から戦後にわたるアメリカ在住日系人の物語である。戦中、強制収容所での生活が人々を苦しめ、様々な悲劇が生まれた。  開戦前、主人公の天羽賢治は、日本人向けに発行している邦字紙「加州新報」の記者として働いていた。父の乙七は、クリーニング店の店主。母のテルは、父の仕事を手伝っていた。両親共に働き詰めの日々。「子供達に祖国日本の教育を受けさせたい」という思いからであった。兄弟は、日本の大学生である弟の忠。ハイスクール三年生の弟、勇。ハイスクール一年生の妹、春子。妻は、価値観の相違がある妊娠中の恵美子。  アメリカ合衆国の忠誠心テストは、家族の絆を引き裂く残酷なものであった。 下記二つの質問が最も人々を悩ませた。 No.27:あなたは命令されれば、どこであっても、米陸軍兵士として戦闘任務につくか、 No.28:あなたは合衆国に無条件の忠誠を誓い、日本の天皇、その他外国政府、組織に対する忠誠と服従を拒否するか、  弟(勇)は誰よりも素早くYes、Yesと決断し、米陸軍に志願した。賢治はYes、Noと回答するも、その実力を評価され、米軍日本語学校の教官として働く決心をする。No、Noと回答した両親は、息子達から裏切られた気持ちで一杯であった。家族はバラバラとなった。  本書で一番心を痛めたことは、決断することに伴う犠牲であった。日系人達は二つの祖国に対して、それぞれの価値観をもっていた。  賢治は、米陸軍所属の日本語学校教官の道へ進む時、両親の気持ちを深く傷つけた。語学兵になり戦線へ出る決意をした時、妻を先の見えない不安な気持ちにさせた。両親と妹を悲しませた。死と向き合う環境で、命の保証はないからだ。  終戦後、賢治は東京裁判のモニター(通訳の訂正)の任務を引き受けた。アメリカ側を援護する役割であった。米軍の一員として、忠誠心を失わず懸命に働いた。一方で日本と日本人への愛情は決して忘れなかった。しかし、結果として日本人達へ沢山の傷を負わせてしまうことになった。  人の気持ちに寄り添うことができる優しい賢治は、自分の決断により、周りの人達がどれだけ深い傷を負うことになるか、痛いほど理解していたであろう。だから、自分自身もその傷を背負いながら生きていた。その苦しさは、計り知れないものであったに違いない。 アメリカで生きていく為には、自分の信念よりアメリカに全ての忠誠心を捧げたほうが楽であろう。しかし、ほとんどの人は自分の感情を殺し、簡単に割り切ることができないと思う。賢治のように。  アメリカ在住日系人達は、戦前・戦中・戦後、残酷な差別を受け続けてきた。「戦争は差別を決定的にする最も恐ろしい凶器」であると思う。死者、負傷者だけでなく、家族や大切な人との絆が崩壊する。そういった心の傷を抱えた人々が地球上に多数いるだろう。  東京裁判の記述から、戦争の裏事情を学ぶことができた。理不尽極まりない裁判であり、強い憤りを感じた。特に下記二つの事実は許しがたいと思った。  まずは十一ヵ国の判事の判決について。7名の判事と4名の判事の間には、意見の相違があった。しかし、徹底的な議論をすることはなく、判決となった経緯。  そして原爆投下問題。日本は原爆投下の二ケ月前からソ連を通じて降伏の準備をすすめていた。それを承知で原爆を投下したこと。さらに、法廷記録から原爆投下に関する記述は全て削除されたこと。  山崎豊子の作品に向き合う情熱は、尊敬の念しかない。社会問題を徹底的に取材し、真実を迷いなくぶつけてくる。そういう作家は数少ない。「読者のバトンを繋げて行きたい」という思いから感想を書いた。 令和5年7月5日

    8
    投稿日: 2023.07.05
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    山崎豊子作品の戦争シリーズ第二弾。 太平洋戦争におけるアメリカ在住の日系二世が主人公。 1巻では、真珠湾攻撃から始まった戦争において、アメリカ在住の全ての日本人が収容所に入れられるところから始まる。 ハワイでは日系人は少数派ではなかったため、それほど冷遇されなかったらしいが、本土では酷い扱いを受けたのは歴史的事実らしい。 そして、日系人の中でも、アメリカのために忠誠を尽くそうとする者と、あくまでも日本民族としての誇りを捨てずに生きていこうとする者(アメリカ政府と対立して兵役にもつかない)とが対立する。 主人公は、どちらにも属せず、あくまで日本人として誇りを捨てずに生きることがアメリカのためにもなるという信念のもとに行動する。 そんな行動は、両派から理解されずに時には両派から疎まれることもある。 そして、この戦争を早く終わらせることが両国の国益になると考え、日本の暗号解読を担う軍人になる。

    1
    投稿日: 2023.06.21
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    アメリカで生まれ、アメリカ人として育てられた日系二世。 日本による真珠湾攻撃により、太平洋戦争が勃発。 アメリカに残る日本人、日系人には過酷な試練が待っていた。 日系二世たちはアメリカ人として生きるか? 日本人として生きるか?問われる… 天羽賢治も日系二世として、厳しい選択に迫られる… どちらを選ぶべきなのか… 父・乙七は日本人としての、薩摩の郷士としての誇りを。 弟・勇は、アメリカで生まれ、育ち、日本に対する想いや天皇陛下に対する想いもなく、アメリカ人として生きることを。 賢治は… 難しい選択。 日系二世だとしたら、どう生きるだろうか… チャーリーのような生き方はできないだろうが。 戦争が賢治の家族を切り裂いていく… 元の家族に戻れる日が来るのだろうか…

    4
    投稿日: 2023.05.04
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    やっぱり戦争のテーマは考えるところが多い。父 乙七と意見の違う賢治。賢治はなぜ、日本語教官になる選択肢しかなかったのに、自分の意志で米軍に協力すると父に伝えたのか。自分が置かれた立場への決意であろうが、父は受け入れ難い。本当のことを話しても決して分かり合えないと知っていたからかもしれない。この後、この父と子は分かり合う未来があるのだろうか。

    0
    投稿日: 2022.08.12
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    サンタアニタ競馬場として知っていたが、まさかそんな過去があったとは。 主人公の二重国籍ゆえの苦難、米国人か大和魂か。 戦争の悲しみは戦場だけに収まらない、様々な所に陰を落とす。それを教えてくれる意義ある作品だと一巻目でも感じ取れます。

    3
    投稿日: 2022.05.07
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    以前TVドラマで見て一度は原作を読みたいと思い、読んだらとても引き込まれました。 日系人の苦悩がとても鮮明に描き込まれて いて、戦争の新たな悲劇の一面を垣間見て 胸が痛くなった。 同じ日本人なのに、祖国の日本育ての親アメリカ かの板挟みになり日系二世の方々がこんなに 複雑な心情で生きていたと思うと心が本当に痛む。

    1
    投稿日: 2022.04.03
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    山崎豊子ワールドはやっぱり面白いなあ。ドラマを見たことあるけど、ドラマではとても描ききれない濃厚さがある。まだ三冊もこの世界に浸れるかと思うと嬉しさしかない。

    0
    投稿日: 2022.01.06
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    どの選択肢も正しくもあり、正しくなくもある。そんな時の意思決定は、自分自身が一番何を大切にしているかに尽きるのだろう。

    0
    投稿日: 2021.10.30
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    お友達にお借りした本。 壬生義士伝良かったー!と言っていたらこの本を。 自分がひとときの平和ボケな時代に産まれたんだなとしみじみ。 二世に産まれても、まだイエスノウでノウと答えるのに驚いてしまったり。

    0
    投稿日: 2021.04.30
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     明治時代たくさんの日本人が国外へ渡ったことは知っていた。もちろん、第二次世界大戦が起こったことも知っている。でも、戦争の中で移民たちがどのような扱いを受けたのかなんて想像したこともなかった。山崎豊子先生は、いつだって私の浅はかさを突きつけてくる。  日系二世は正真正銘アメリカ国民なのに、戦時中は捕虜として収容所に入れられたらしい(ちなみに同じ同盟下にあったドイツ・イタリア人はこのような扱いは受けなかった)。その収容所の様子は、想像するだに不快感がこみ上げる。さらには日系二世に残酷な問いが投げかけられる。 ー命令されれば米陸軍兵士として戦闘任務につくか ー日本の天皇に対する忠誠や服従を拒否するか  日本で教育を受けた日系一世とアメリカで教育を受けた日系二世からなる家族がバラバラになることは、当然の成り行きである。天羽家の一人一人が下した決断の先に一体どのような運命が待っているのか。

    0
    投稿日: 2021.03.27
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    山崎豊子の人間に対する深い洞察や徹底した取材には、彼女の作品を読むたびに、驚嘆の念を新たにせずには 入られない。 当時の日系人の皆さんが苦難を忍ばれ、我慢を重ねて来られたことに思いをはせた。 偶然だが本書読中にドラマが放映され視聴したこともあって、深く印象に残る一冊になった。

    5
    投稿日: 2020.09.24
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    一個のりっぱな市民としての義務を果すことは即ち、良き日本人であり、それはまた良きアメリカ市民であることと矛盾しない。良き日本人たろうと努力することが、りっぱなアメリカ市民たり得るのだ、(135ページ)

    0
    投稿日: 2020.05.05
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    日米開戦を境に、アメリカに移住した日系人たちは保護という名のもとに劣悪な環境の強制収容所に収容される。 故郷日本に対する思慕を胸に秘めながらも自らの手で異国の地に生きる環境を切り拓いていった移民一世、アメリカ国籍を持ちアメリカに忠誠を誓う二世。 戦争が長引くにつれて彼らの立場は難しくなっていく。 同じ二世でも、また同じ兄弟でも日本とアメリカに対する思いはそれぞれに異なる。 二つの国の血を引くものとしてどう生きるべきか。 あるものは確固とした答えを持ち、あるものは迷いながらも自分の生きる道を見つけていた。 しかし、敗戦と勝戦を目の当たりにし、二つの祖国に対して誠実であろうとする主人公賢治は、次第に精神の均衡を失っていく。 先の大戦を日系人という視点から捉えた本書を読み、初めて知ることばかりだった。 戦争が引き起こす悲劇の大きさを改めて実感する。

    0
    投稿日: 2019.08.12
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    移民の立場からみた戦争の物語。 星5つにしてもよいのですが、やはり「沈まぬ太陽」が一番なので星4つ。 山崎さんの小説は深いですね。

    3
    投稿日: 2019.04.17
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    日本の真珠湾攻撃から太平洋戦争が始まり、アメリカに住む日系二世天羽賢治らの周囲に大きな波が起こり始めた。 ドラマを見て、さらに深く知りたくなり、原作を手に取りました。 ドラマは原作にかなり忠実でした。 日系人にとって、父祖の国と今住む国との戦いという悲劇がどんな不幸なことなのか、恥ずかしながら数年前まで知らずにいました。ナチスのユダヤ人迫害にも次ぐような事実に驚かされます。 「父祖の国日本に殉じるような生き方をするもの アメリカ人として生きようとするもの 絶えず日系二世としてのアイデンティティを模索し苦悩しながら生きるもの」 一世と違い日系二世だからこその苦悩。 一巻は賢治がマンザナール収容所を出るところで終わりです。 続けて二巻を読みます。

    3
    投稿日: 2019.04.09
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    日本人夫婦の間でアメリカで生まれたアメリカ国籍を持つ二世が主役である。1巻は太平洋戦争の開始による、馬小屋同然のマンザナール収容所での家族全員の強制収容生活を中心に描かれている

    0
    投稿日: 2019.03.01
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    アメリカ合衆国の市民権を持つ、日系二世でも、ジャップはジャップなのか── 第二次世界大戦中、日本軍の真珠湾攻撃により、アメリカにいる約11万人の日系人が強制収容所送りとなった。 国籍は、アメリカでも、見た目は日本人の日系二世の天羽賢治。 日本人としての誇りを胸に抱くか、巨大なアメリカという国家に屈するか。 常に二者択一を迫られる。 苦悩や葛藤を抱え、天羽賢治の目に映るアメリカとは……

    0
    投稿日: 2019.02.19
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    1980年~ 山崎豊子 相変わらず山崎豊子の小説は長い、重い。 日系二世の苦悩を描いています。第二次世界大戦勃発後、収容所に入れられ、アメリカ人として戦争に行き、たまたま日本に帰ってた弟は日本軍として参加し。 終戦後の東京裁判までアメリカ人なのか日本人なのか苦悩、どちらからも差別され、苦しめられ。 想像を絶する苦労をしたことでしょう。 主人公の天羽賢治、忠の兄弟は実在の兄弟がモデルになっているようです。

    1
    投稿日: 2019.01.25
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    山崎豊子『二つの祖国』新潮文庫 読了。太平洋戦争に翻弄される日系アメリカ人、二世たちの物語。主人公は両国を祖国とするアイデンティティを模索し、苦悩と葛藤を抱えながらも善く生きようとするが、その信念と良心ゆえか虚しい結末を迎える。克明に刻まれる東京裁判は本作の真髄のひとつだと思う。 2017/10/18

    0
    投稿日: 2018.11.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

     太平洋戦争中の日系米国人の来し方を描く歴史小説である。  どうしても松本幸四郎(当時は市川染五郎か?)主演のドラマと比べてしまう。  本作が原作でありながらも、ドラマの脚本が市川森一他で、著者の脚本家の作風とは余り合わないような気も……。一方、チャーリー田宮に沢田研二をキャスティングしたところがなかなかだ。  ところで、何故アメリカ人である天羽賢治が、日本贔屓なのか。日本で成長したとの事実のみが語られるだけで、彼の経験が描かれず、やや説得力を欠く感あり。  開戦による日系隔離政策開始から賢治の米軍兵士への日本語教師就任まで。

    0
    投稿日: 2017.02.05
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    太平洋戦争に巻き込まれていく在米日系アメリカ人の話。 日本側の太平洋戦争での悪行だとか、アメリカ人捕虜の扱いだとかはいつも大々的に話題になるけど、そういえば戦争中の在米日系人、日本人については全然知らなかったなと気付いた。 恥ずかしながら、大統領令での強制収容が行われたことすらこの本を読むまで知らなかった。 もう少しアメリカ側から見た太平洋戦争についても勉強しよう。

    0
    投稿日: 2017.02.04
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    なぜか、アメリカが、第二次世界大戦中に日本人に対して行った差別について取り上げることは少ないのだが、日本人だけ差別をされて強制収容所に入れられて、白人ではないということの扱いを受けた。この事実をしっかりととらえて、行くことは大切だと思う。アメリカに生まれて育った人の考え方、日本との距離、どうして遠い国に渡ったのか、明治の時代の移民政策、もっと日本の歴史でも取り上げてもらいたいと思う。 話の展開としては、おもしろい。

    0
    投稿日: 2016.07.10
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    主人公の日系2世が太平洋戦争でアメリカ軍の軍人として従軍し、東京裁判では通訳として日本人を影から支えた。 戦争では、弟は日本人として従軍し、その弟と戦場でまみえ、誤って足を撃ってしまう。 戦争は、ただ、軍人だけが傷つくのではなく、色々な立場の人間が傷つく。二度とその道に進んではならない。

    0
    投稿日: 2015.10.07
  • 二つの祖国

    「大地の子」をNHKで見て原作を読み、中国残留孤児という第二次世界大戦の犠牲者の存在を知った。 またそのあまりにも苛酷な人生について涙せずにはいられない。 同様に戦時中のアメリカでの日系二世の物語。戦争という異常事態に翻弄される人生に心が痛くなる。

    0
    投稿日: 2014.11.20
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    2つの祖国の狭間で戦争に巻き込まれていった人もいたんだなぁ、と勉強になった。 天羽より、我が道を行くチャーリーが魅力的だった。

    0
    投稿日: 2014.07.12
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    アメリカと日本、二つの祖国を持つ日系二世が主人公の物語。 大平洋戦時下、アメリカに暮らす日系人は皆、日系人であるというだけで、自由を奪われ、非人道的な耐え難い苦難にさらされていたという事実をどれだけの人が知っているのだろうか。 少なくとも、恥ずかしながら、私自身は、小中学校の歴史の授業でそのことは学んでこなかった。 この物語では、日系二世である主人公をはじめ、その家族、周りの人々皆がそれぞれ、この困難の中、苦渋に満ちた決断をし、必死で生きていく姿が描かれている。まだその物語は始まったばかり… 昨年末観にいった映画"永遠のゼロ"、つい先日読了したばかりの"小さいおうち"、そして、毎朝楽しみにしている朝ドラ"ごちそうさん"そのどれも、時代背景は、同じ大平洋戦時下。 うまく言えないのだけれど、国と国が争い、勝った負けたの事実はあれど、現代に生きる私たちはそのことばかりクローズアップしてはいけないと思うし、買った国負けた国、そのどちらが正しくどちらが間違っているなどと決して白黒つけてはいけないのではないかと思う。 第一巻でとても心に残ったオーソン相川の言葉。 「…この私だって、人は二世のトップというが、心の中は理不尽な差別と偏見でずたずたに傷ついている、…われわれ二世は、苦悩する世代なのだ、だからといって、役に立つことが出来る者が、収容所の中でただ漫然と過ごしていていいものだろうか…」 そして、主人公天羽賢治が、アメリカの陸軍情報部の日本語学校の教官になることを、親子の縁を切ってまで、苦渋の上決断した心の内。 「…日米戦争という歴史の歯車の中で、帰米二世として果たすべき何かを自ら模索していたからだ…」 大平洋戦争という時代を生き抜いた、多くの人々の生き様を、私はまだまだ知りたいと思う。

    2
    投稿日: 2014.01.29
  • 第一巻~日系アメリカ人強制収容所

    2011/10/25読了。 今年度に入ってすぐに手に取った記憶があり、 ずいぶんと時間がかかってしまったように思う。 新装文庫版により全4巻。 トヨコさんの作品は、いつものごとく第一巻を読み終わるのに 時間がかかってしまう。 本作品においては、ざっくりと下記のように分かれるかと。   第一巻~日系アメリカ人強制収容所   第二巻~戦場における日系二世   第三巻~東京裁判 前   第四巻~東京裁判 後 第一巻では、戦争時下の日系人家族がどのような 処遇を受けたかを通して、小説構成上の舞台設定、 登場人物の心理スケッチを読みながら 彼らの人となりを理解する工程を踏むのだが その作業に時間を費やされてしまう。 第二巻以降は、戦場ないし裁判という局面において、 本作品のテーマでもある二つのアイデンティティの端境の中で 自分の果たすべき役割を見出しながらもそれに伴う苦悩に 悶える主人公にぐっと感情移入することができ、 夢中になって読み進めることができた。 また、第三巻以降では、東京裁判というあまり馴染みのない 話題に触れ、戦争指導者たちの証言から 全く知らなかった事実や、意外な思想・信条に 触れることができる。 個人的な一番の関心事は、天皇についての扱いについて。 法的理屈とは無関係に、日米ともに現実に即した 暗黙知の中でことが進んでいったのだと実感。 この点は日本人にとって絶対に譲れない聖域であり、 そこを侵さなかったGHQは懸命だと再確認。 この作品を読了できたので、最新の「運命の人」及び、 「ぼんち」「華麗なる一族」以外の 代表的な作品はほぼ網羅できたかな? 戦争三部作を完読して思うのは氏の描く女性像って なしてここまで男目線の理想像が描けるのかしらと 毎度のごとく感心してしまう。ナギコーーー。 Wikiで本作のモデルは誰だろうと調べると 思わぬネタバレに合ってしまったのが悔やまれるところ。 余談だが、「不毛地帯」の壹岐正のモデルである瀬島龍三が 後の作品の「沈まぬ太陽」だけでなく、本作にもちらっと登場。 まあ、東京裁判を扱えば必然ではあるけれど。 広田弘毅については、悲しいかな予備知識が足りず。 東条英機は割合良く描かれているが、さもありなんかなと。

    2
    投稿日: 2013.12.26
  • 題名のとおり、彼らに祖国が二つあったならよかったのに。

    戦時中の日系二世とその家族の物語、著者の戦争三部作と言われるうちの、2作目。三部作のなかで一番好きな作品です。 日本に生まれてそこで暮らしていると、「自分は日本人だ」ということをことさら思う機会は少ないことと思います。作中の日系二世が第二次大戦に巻き込まれ、自分の祖国は一体どこなのかと問う姿が、本当に悲しいです。題名は「二つの祖国」ですが、どちらも本当の祖国とは思えなかったのでは・・・。

    2
    投稿日: 2013.11.24
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    やはり、山崎豊子作品に外れはない。 日系移民の二世が日本とアメリカの狭間で苦しむ物語。 それにしても、主人公のルーツが鹿児島とは・・・

    0
    投稿日: 2013.03.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この本も「不毛地帯」同様に約20年余りの年月を経ての再読本です。  初読当時の KiKi は英国文化に憧れ、必死になって英語を学び、その延長線上で米国にも興味を持ち始めていた時期で、どちらかというと「羨望のまなざし」をもって米国を眺め、手前勝手に美化したイメージに憧れていた時代でした。  当時の KiKi にとって英国と米国は同じ英語(実際にはちょっと違うけれど)を話す国というだけではなく、この両国は歴史の中で世界をリードした国という共通点もあり、それだけでも「目指すべき1つの(2つの?)指標となるべき国」というようなイメージを持っていました。 もちろん知識として第二次大戦における我が国の敵対国であったことも、その戦争のさなかに日系人の迫害の歴史があったことも、聞きかじってはいたけれど、それは身に沁みるような感慨を持つ出来事ではなく、言ってみれば歴史の教科書に書かれている活字以上の意味は持たない史実に過ぎなくて、そこで生きた人々の「想い」にまで想像力が及ばない出来事でした。 そこに「ガツン」と鉄槌を振るったのがこの物語だったことだけはよ~く覚えています。  この物語を読んだとき初めて KiKi はそこに生きた人間の抱えていた苦悩を知ったような気分になったものでした。  そして、自分が歴史に学んでいない人間である証左は、この「その時代に生きた人々の想いに無関心であること」に顕著に表れていると反省したものでした。 あれから20年余りの月日が流れ、KiKi 自身、英国にも米国にもそこそこの期間滞在するという経験を経、英国人・米国人ともそこそこの交流(ビジネス上も、プライベートでも)を果たした今、「この物語を読んで何を感じ取るか?」に半端ではない興味を抱き、すでに処分してしまった文庫本の代わりにこの電子書籍を購入しました。 その第1巻。  まだまだ物語は序の口です。  序の口と言いつつも、ここで既に大戦当時(しかもパールハーバー後)の日系人が歩まざるを得なかった非業の歴史が物語られます。  貧しかった日本では糊口をしのぐことができず、決死の思いで米国に第二の人生を求め、移住後も苦労の連続だった日系1世の、そして父母の祖国という以上には日本との関係性が薄いアメリカ生まれ、アメリカ育ちの日系2世が、「日系」という出自だけの理由で収容所に収監されたその日々が描かれています。 日本で生まれ、日本で育ち、日本で教育を受け、自分が日本人であることに疑問も抱かない代わりに、そこに「誇り」というほどの気概も持たないまま大人になった KiKi にとってはまったく無縁だった「アイデンティティの模索」に否応なく向き合わされた人々の迷い・苦悩が痛々しい限りです。 物語の登場人物の1人、梛子という女性の語る言葉に、そんなことを考えずに生きることができている今の自分が幸せなような、逆に寄る辺ない不安定さを持っているような複雑な気分になりました。  曰く 同じ二世でも色々な生き方がある。  父祖の国日本に殉じるような生き方、アメリカ人として生きようとする人、絶えず日系二世としてのアイデンティティを模索し、苦悩しながら生きる人 もちろんこんなことは戦時中というある意味特殊な環境下だからこそ生じてくる思想だとは思うんだけど、そして KiKi のように若かりし頃に自分が生まれ育った村・町を捨て(というほどの意識は持ち合わせていなかったけれど ^^;)首都東京に移り住みそこで生計をたてた20年余りという年月を経た人間にとってはますます縁遠い感覚です。   そもそも「国に殉じる」な~んていう考え方は、特に戦後教育ではある意味で抹殺されてきた思想でもあるわけで、あたかもそれが「偏狭なナショナリズム」の一形態とさえ見做されかねない考え方のように感じたりもするわけだけど、ここで描かれている人々の想いは「偏狭なナショナリズム」と呼ぶようなモノとは一線を画した感覚であるように感じられました。 KiKi は初めて海外に出た時、そして他国でそれこそ世界中から集まってきた多国籍の人たちと接点を持った時、自分が日本人であることを卑下することこそなかったけれど、どちらかというと「たまたま日本に生まれたというだけの人間」という意識が強くて、そのことに疑問さえ持っていませんでした。  でも、他国で他民族の人たちと触れ合う際、自分の中に「愛国心」と呼べるものが極めて希薄であることに気が付かされ、若干の違和感・・・というか引け目みたいなものを覚えました。 自国で生まれ自国から一歩も外に出ない生き方をしている人は「自国を意識しない生き方」をしていてもいいのかもしれないけれど、他国と関わる場合には好き・嫌いに関わらず「自国を意識せずにはいられない」ことに直面します。  そこに他国、他民族に対する「優越感」やら「劣等感」という付属物までぶらさげるのはいかがなものか?ではあるにしろ、やっぱり自分が帰属する国・民族をまったく意識しない・・・・・というのは、フェアなようでいて実は単にそういうことから逃げているのに過ぎないのではないか??  少なくともそこに「誇れる部分」と「恥部」をちゃんと意識したうえで、他民族と対峙する必要性はあるのではないか??  そんなことを感じさせられたのです。 KiKi が若かりし頃、「新人類」という言葉が流行りました。  一般的にはこの言葉は「1961年生まれから1970年生まれまで」と定義され、その特質は「成熟した成人として、社会を構成する一員の自覚と責任を引き受けることを拒否し、社会そのものが一つのフィクション(物語)であるという立場をとる世代」とされました。 (出典:Wikipedia)  この言葉の前半部分、「社会」を「国」と言い換えた場合、まさに KiKi 自身はそこに反論の余地がなく、少なくとも30代後半を迎えるまでは「母国」を意識したことはほとんどありませんでした。   KiKi の目はひたすら外を向き、「グローバルな人材たれ」を合言葉(?)に生きていた・・・・・そんな気さえするのです。  でも少なくともこの物語を読んだときには「自分の出自が日本人である」ことを意識したし、外人集団の輪の中にいるときは、その輪の中のたった1人の日本人という意識も否応なく持たされて、「自国の誇るべきもの」を10分以上語ることができない自分に恥ずかしさを感じたものでした。  そしてその時鮮烈に脳裏をよぎったのは、KiKi の親や祖父母の世代が新人類たる自分に説教していた時の言葉 1人で大人になったような顔をするな! でした。  それを言われていたまさにその時には単なる口五月蝿い説教とばかりに右から左に聞き流していた言葉が、30代後半からは身に沁みるようになり、遅ればせながら・・・・ではあるものの、「日本という国」「日本人という出自」を意識し始めるようになりました。   この物語でも日系1世は「日本」にある種のスペシャルな想いを抱き続けているけれど、日系二世ともなると、 僕の祖国はアメリカ。  僕にとって偉いのは日本のエンペラーより、ルーズベルト大統領。 と公言して憚りません。  これこそが「1人で大人になったわけではない」証左なんだと感じます。  と、同時に「絶えず日系二世としてのアイデンティティを模索し、苦悩しながら生きる人」が「アメリカ市民としての義務を果たせるか?」に思い悩むのも又然り・・・・・。  個人と国家というのはかくも絶ち難い関係性をもつものである・・・・ということを改めて感じました。 (全文はブログにて)

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    投稿日: 2012.06.13
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    山崎豊子さんの本はどれもよく調査したうえでの小説なので感心します。知り合いに年配の日系アメリカ人が何名かいますが、どうして今の姿があるのか少しわかった気がします。 主人公には共感できなかったのですが、日系アメリカ人の歴史を知る上で必要な一冊だと思います。

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    投稿日: 2012.04.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    真保裕一著「栄光なき凱旋」を読み、太平洋戦争前後の在アメリカ日系人の複雑な状況に興味を持ち読んでみた。 前半は主に太平洋戦争直前の普通の生活、開戦から終戦までのアメリカ人か日本人か解らなくなるような特別な生活。 後半は主人公の生活は微妙に絡んでくるが、それより東京裁判の成行きが主で、裁かれる人数と裁く人数とも多いので本人の後書きには「小説らしく解りやすく書いた」としているが、結構ややこしく退屈した。 解説にはこの主人公はモデルとなる人物が実在し、同じ結末を迎えたそうだ。 あと、アメリカに妻子が有りながら、日本出張中に愛人ができ、離婚してその愛人と結婚の約束をするのが正しいように書かれているのは、出版当時の時代背景なのかなあと思った。 それと、読めはするのだが、今ではあまり使わないだろうなという漢字が、かなり出てくる。これも時代の違いかな?

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    投稿日: 2012.03.29
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    今、この時代を生きてる私だから、賢治の気持ちを理解出来る(と思う)だけで、当時を生きていたら、きっと賢治を苦しめる立場に立ってしまったんやろうなぁ。 この本を読んで、日系人に興味を持った。第二次世界大戦に対しても違う見方をもった。 山崎豊子の本はいつも知らない世界を教えてくれる、社会を考えさせてくれる。

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    投稿日: 2012.03.12
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    20111026読了。 アメリカに生まれアメリカ人として育った日系二世たちが巻き込まれる第二次大戦の物語、の初編。第二巻の展開が気になる。。。 一夜にして母国から敵性外国人のレッテルを貼られ、強制収容所に入れられる、父祖の国への愛情とアメリカ市民としての義務の狭間に悩み自分のアイデンティティで苦悶する、というのはなんと哀しい現実だろう。作中のアメリカがそうであったように、当時のドイツイタリアや日本にも、侵略されたアジア諸国にもそれぞれの苦悩があったと思うとやるせない。 被害者であり加害者であることの表裏一体、同じ人間同士が差別と迫害をし合う愚かさ、ネトウヨが蔓延する現在の日本の風潮や、単一眼的な思考やアジテーションの恐怖。などなどニンゲンの嫌な面をたっぷり見せられ、いろんなことを考えさせられた。 改めて小説というのは、人生を何通りにも膨らませる。他人の人生の追体験体験だと思う。彼らの濃密な人生と平和で安穏たる自分の半生は比べものにならないが、せめて胸に刻んで忘れずに生きていきたいと願う。

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    投稿日: 2011.10.27
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    日本人・日系人たちが差別され迫害を受けた事実を知る一冊。 太平洋戦争を日系人の目線で描いた大作。 TBSドラマ「99年の愛」も合わせて見るといいかも。 http://www.tbs.co.jp/japanese-americans/

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    投稿日: 2011.06.22
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    山崎作品の中で一番好き。素晴らしい骨太歴史ドラマ。在米日系人の話、むしろ太平洋戦争事体、とても大切なことなのに学校では詳しく習わないので、誰もが学生時代にぜひ一読するべきと思う。それにしても賢治さんは優秀すぎる。

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    投稿日: 2011.06.18
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    戦争に巻き込まれる日系二世の事実を題材にした小説。 こういう事実があったことを、私たちは知っておくべきだと思いました。

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    投稿日: 2011.04.10
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    テレビの「99年の愛」の話をしながら、母が勧めてくれた本です いつの世も カタチは違えど 戦争だ...と思いました 二者択一は難しいし... 私的には 生みの親vs育ての親...みたいな... またいつか読んでも、きっと 新しい何かを感じられそうです あのコカ・コーラ 私にも飲めるだろぅか... ファイト‼

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    投稿日: 2010.11.09
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    「大地の子」をNHKで見て原作を読み、中国残留孤児という第二次世界大戦の犠牲者の存在を知った。またそのあまりにも苛酷な人生について涙せずにはいられない。同様に戦時中のアメリカでの日系二世の物語。戦争という異常事態に翻弄される人生に心が痛くなる。

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    投稿日: 2010.10.05
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    第2次世界大戦における、日系2世のお話。 そういった時代背景に興味のないかたには かなり読み進めるのがキツいと思われマスが 興味のあるかたには読み応え充分、デス。 両者ともにそれが顕著だろうと推測されるのが「東京裁判」の部分デス。 かなり長く、詳しく書かれてまシタ。 ワタクシ的にはラストが重すぎて読後が辛かったデス(泣。 私自身が原爆被爆2世なもんで、 その本当の怖さを知っていただくためにも ヒロイン・梛子さんに是非ご注目いただきたいデス。

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    投稿日: 2010.06.09
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    何度も読み返す本。山崎豊子作品の中でマイベスト。 ケーーーーーン!! 映画化したらケインコスギにケーンをやってほしい。 perfect!

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    投稿日: 2010.04.21
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    新版になったので、こちらも登録。今度は4分冊です。 ロサンゼルスの邦字新聞『加州新報』の記者天羽賢治、ケーン。 彼とその家族の運命を通し、真珠湾攻撃、ヒロシマ、東京裁判と 太平洋戦争の荒波の中で身も心も切り裂かれながらも、 愛と祖国を求め続けた日系人の悲劇を描いた感動巨編。 山崎豊子を読むのは沈まぬ太陽以来2作目。 例によって、本屋で平積みになっていたので、 何気なく買っただけでしたが、またしても 山崎豊子の世界に引き込まれました。 父祖の国日本に対する誇り、そしてアメリカで生まれた ものとして、自由の国アメリカに対する誇り。 二つの祖国に対する誇りの中で葛藤していく賢治。 そして、正義を貫けば貫くほど回りには理解されない このジレンマ。 先の戦争の中で、多くの人々が苦しみを味わいましたが、 彼らほど数奇な運命をたどった人もいないでしょう。 今まであまり詳しく知ることのなかった、フィリピンでの 激戦の様子や東京裁判のことについても、彼女ならではの 記述で詳細に知ることが出来ました。 日経新聞で東京裁判の検証が特集記事になっていましたが、 こっちのほうがその裏の人々の心情まで描かれていて、 その場の雰囲気を感じることが出来ます。 ちょうどこの本を読み終えたとき、靖国神社の すぐ近くで結婚式でした。翌日、なぜだか靖国参拝 したいという気持ちになりました。 それは二つの祖国の間に挟まれながらその人生を 送った賢治の忠魂の気持ちなのか、激戦の中で 日本の勝利のために命を捧げて逝った日本兵のことを 思ってなのか、はたまた、勝者の裁きによって、 死刑となったA級戦犯のことを思ってなのかは 自分でもよく分かっていません。 ただ一つ確かなのは、人々をこうやって引き裂いてしまった 戦争を繰り返してはいけないんだというその祈りを 捧げたい。そんな気持ちが芽生えたということだと思います。 今また戦争歴史観が話題となっていますが、 結果的には、アジア諸国に対して日本が侵略行為と 取られる行為を行ったというのは覆しようのない事実です。 しかしながら、その時々を生きた人たちにとって、 自分の立場でそれぞれが正義だと信じる路を歩んだんだと 思っています。 国家のレベルと個人のレベルでは分けて論じるべきかと。 http://teddy.blog.so-net.ne.jp/2008-11-02

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    投稿日: 2010.01.17
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    またまた山崎豊子。 すきやわ~。 二つの祖国は、太平洋戦争時代のアメリカでの日系2世のお話し。 敵国アメリカでの日本人の扱い・・・。 戦地でなくとも、戦争の非人道的な側面が浮き彫りになっています。

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    投稿日: 2009.12.21