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鼠 鈴木商店焼打ち事件
鼠 鈴木商店焼打ち事件
城山三郎/文藝春秋
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総合評価

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    このレビューはネタバレを含みます。

    H28.1.24-H28.3.18 (あらすじ) 大正七年、一介の商店から三井・三菱と並ぶ大商社に成長した鈴木商店は、米の買い占めを噂され折から起こった米騒動の群衆の焼打ちにあった。第一次大戦による好況から戦後の不況へ、そして昭和初頭の恐慌に至る激動の時代に諸悪の根源と指弾された同店の盛衰とその大番頭・金子直吉の劇的な生涯を描く異色作。 (感想) 大正時代に三井・三菱にならぶ大商社が存在し、そして破綻した?全く知らなかった歴史だけに期待して読みましたが、これまで読んだ城山三郎さんの中で最もとっつきにくく、苦戦しました。 鈴木商店はメディアや政治に殺されたことを、検証していく内容です。知らなかった知識を得ることは楽しかったが一次資料や事実を元に情報を開示していく手法が濃く物語としての構成が薄く、正直余り面白く読むことはできなかった・・・。もっと頭が良ければと思うことしきり。

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    投稿日: 2016.05.22
  • 業を営む者の鑑

    今日、YAHOOニュースに鈴木商会を偲ぶ会合が催されたとあった。 若い人は「お家さん」で鈴木商会を知った人も多いだろう。 本作は鈴木商会の大番頭、金子直吉に焦点を当てた名作です。特に若手の男性ビジネスマンに勧めたい。 実業家、企業家、起業家、経営者・・・どう称しても良いが、人を雇用し事業を営む者の、ある種の 理想像を私は金子直吉、鼠に見出す。「働きたい者に仕事を与えるそれが企業家の責務である」、この 言葉を口にした人物を、私は寡聞にして他に2人しか知らない。湯婆婆(鈴木敏夫)と池田勇人である。 アメリカ流の経営学に疎いが、わが国における企業の存在意義はこれが第一であろうと愚考する。 それと、ビジネスとはやはり個人のセンスだと思う。ビックデータやら、戦略分析フレームワークやら 結構だが、そこからは「BUY ANY STEEL,ANY QUANTITY,AT ANY PRICE.」は出てくるのだろうか? 男子たるもの生涯に一度は、このような業務指示を出す、または受けたいものだ・・・と思う人も多いの ではないだろうか?そういう意味で若手の男性ビジネスマンに勧めたい。 城山三郎、吉村昭、新田次郎の3氏には原則、レビューを書くのは畏れ多く憚られるが、つい拙を枉げてしまった。城山三郎で言えば、本作を気に入った人は、石田禮助の「粗にして野だが卑ではない」もお勧めです。

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    投稿日: 2015.05.27
  • 鈴木商店の焼き討ちは新聞が煽ったものだったのか

    神戸製鋼、日本製粉、帝人、ダイセル、Jーオイルミルズ、双日、IHI、昭和セル石油、日油等 鈴木商店記念館の協力企業は28流れを組む会社はさらに多い。最近まで知らなかったが自分の今いる会社も母体は東京毛織と言う鈴木商店系列の紡績会社で、昭和2年に鈴木商店が倒れた時に整理委員を務めた賀集益蔵が設立時に常務、財閥解体後に分割された際に社長になっている。賀集が本書に出てくるのは焼き討ち後に駅に金子を出迎える一瞬だけだったが鈴木商店倒産後スフの製造が上手くできない新光人絹に帝人から技師が貸し出された記述がある。 鈴木商店の事実上の経営者でいけいけ拡大主義者の金子直吉、娘婿で近代経営を目指す日商の創始者高畑誠一、金子を信奉する土佐派と高畑を代表とする高商派の中を取り持つ支配人の西川文蔵の3人を中心に鈴木商店の拡大と没落を描いている。初版は1966年なのでもう50年も前だし、有名な米騒動の焼き討ちはさらに50年近く前の出来事なのだが城山三郎が存命中の人物にインタビューし鈴木商店が米の買い占めをしてたかを調べていくと、どうもはっきりしない。 1950年代の決定版と言える「米騒動の研究」の証言者を追うと新聞に書いてあった、噂が流れてたというばかりだ。「あくどいことをするやつはやっつけろと、いうことになったんじゃな」「そういう噂だったな。・・・いや、噂じゃない、実際やっとった。」「やっとるから、噂に流れてくるんや。」今なら風評被害と言うところだが煽ったのは寺内政権と後藤新平に近い鈴木商店を攻撃する大阪朝日新聞。捏造記事を掲載し記事を訂正しながらも自分のことは棚に上げそれも疑われる鈴木商店にも非があるとかく辺り昔からマキャベリズム的な体質は変わらないのかと思わせる。当時の新聞が公平とは言えないが朝日は同時期に日比谷焼き討ち事件の原因となる記事も書きポーツマス条約の講和に反対し結果としては日露戦争継続を煽っている。庶民の味方というポジションが欲しいだけなのか。 金子直吉自身には所有欲は無く、ただ国のためには鈴木商店が大きくなり産業を興し、従業員を雇うとまあ今なら割と当たり前の経営方針ながらいつかはわかると敵視されることに無頓着だった。それでも焼き討ち自体が没落の原因だったわけではなく拡大策のあまり資金繰りを借り入れに頼っており、第一次大戦で業績が急拡大したのに対し、不況と関東大震災が重なって資金繰りが行き詰まったのが直接の原因だ。それでも教科書のイメージのようなただの成り上がりではなく、鈴木商店そのものは破綻したが多くの企業が底から生まれている。 帝人元社長の大屋晋三などは入社すぐに樟脳と薄荷で1日百万円(1960年代換算で数億円)の取引を任されたとありかなり自由な会社だった。一方で事業の切り離しにしても、世間の目に対して廉価米への協力金の拠出にしても金子が一切受けつけなかった。破綻時に支配下、関係会社の総数は49社、総投資額は約10億に上り日銀券発行高に匹敵する額だった。

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    投稿日: 2015.04.13
  • 情報に翻弄される人々

    今の世ならノンフィクションと売り出すかもしれないが 丹念に取材した事実を基にした小説である。 戦前の大商社の番頭を中心にした 情報を利用し、また翻弄される人々を描いた佳作である。 今も昔もマスコミの煽り性は変わらないようだ。

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    投稿日: 2014.12.19
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     昨今の原発報道を聞いていて、ふと本書のことを思い出し、約20年振りに再読した。  いまから95年前、高騰する米価について、大阪朝日新聞は、三井、三菱を凌ぐ新興の鈴木商店に関するねつ造記事を流布し、庶民を扇動した挙句、結果、鈴木商店は焼き討ちにあってしまう。  国益のためとまっすぐに進む大番頭 金子直吉は、何ら防戦することなく、足元をすくわれてしまう。  ここまでは、まさに前述のとおり。弱者の見方かのような仮面を被り、国益を無視した報道を続け、人気を取り、存在感を示したい大手マスコミの姿は全く変わっていない。  しかし、今回、気になったのは、丁稚あがりの社員たちと高商卒のエリート社員たちとの確執の間に立つ支配人 西川文蔵の存在。彼の早逝が、鈴木商店の崩壊の始まりといってもよい。  対立の間にたち、会社をまとめようとするリーダーの葛藤。今も昔も変わらないリーダーの厳しさを感じられた気がした。そうしたとき、マスコミの体たらく報道には与せず、自らの意見をしっかりと持つべきだと改めて思った。

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    投稿日: 2013.10.29
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    鈴木商店は、戦前に、神戸に存在した日本の財閥で、仕事でたまたま調べる必要があって、この本を読んだら面白かったので、選びました。

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    投稿日: 2013.03.25
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    玉岡かおる著の「お家さん」で興味を持った鈴木商店。 私が住んでいる街とも縁が深い話なので期待大!で読んでみました。 城山三郎って作家はすごいですね。緻密な調査とそれを構成していく綿密さ・・多くのことを知らされ、考えさせられました。 「お家さん」とは違った観点で鈴木商店を描いています。特に大番頭金子直吉については、最終的に鈴木を倒産に追い込んだというネガティブな捉え方もしています。また、大阪朝日新聞を代表にマスコミと鈴木商店との確執や政府の政策など・・・当時の時代背景も読んでてとても興味が持てました。

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    投稿日: 2012.02.09
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    双日の源流であり、米騒動の時に米を買い占めた悪徳商社という汚名を着せられた「鈴木商店」のはなし。著者の城山三郎さんが精力的な取材で明らかになった部分と、それでもわからない部分。 これ自体30年以上前の本だけど、未だに双日の人はこの本をバイブルにしている(人もいる?)という話を聞いて読み始めましたが、たしかにいい会社だったんだろうなという感じは伝わってきます。実体がどうだったかということよりも、何世代か前の先輩にまで想いを馳せられる会社というのもいいもんだなと思いました。 大正時代の新聞記事の引用がやたら多くて読みにくいけど、新聞記事をすっ飛ばしても、城山さんのまとめがあるので筋はわかります。

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    投稿日: 2011.12.20
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    金解禁や米騒動で有名な金子商店に 関する興味深い本。 今の日商岩井(もうないけど)や 帝人や神戸製鋼などなどの始まりと なった三井・三菱とならぶ財閥会社なのですが 昔から台湾銀行の不良債権話に関連 した話しかでてこないし一方通行の 情報しかないのでイー本見つけた感じ。 元、新聞記者の城山さんらしい取材本ですね。 大東亜戦争前の日本史に興味がある人には ご一読を。

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    投稿日: 2011.08.26
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    金融マンであれば読んでおくべき本。 決して簡単な内容ではないし,歴史背景が古いので若い人には少し掴むのには時間がかるかもしれない。 城山作品の最高傑作だと思う。

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    投稿日: 2011.03.26
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    ケタ外れの日本人、歴史から突き付けられた挑戦状 http://silentsheep.net/book/nezumi-suzuki-1.html

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    投稿日: 2010.06.12
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    Kodama's review 『鈴木商店焼き討ち事件』そのような歴史があったことは知っていましたが、内容は詳しく知らなかったので、初めて事件の真相を知り得た気がします。同時に、『経営とは?』と様々なことを考えさせられる1冊でもありました。 (08.11.16) お勧め度 ★★★★☆

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    投稿日: 2009.11.20
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    なんだか悪者かつ脇役にされがちな「鈴木商店」を真面目にストーリー化した本。もっと評価した方がいいと思うよ?

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    投稿日: 2008.05.13