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若きウェルテルの悩み
若きウェルテルの悩み
ゲーテ、高橋義孝/新潮社
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総合評価

269件)
3.8
63
79
69
16
2
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人を「好き」であることと、その思いが実らなくて「悲しい」ということを、様々な言葉を駆使してこんなにもたくさん言い換えて表現できるんだなぁということと、その表現の濃さに打ちのめされる。 「ウェルテルは自殺を考えているのでは…?」と内心で思っているロッテの手からわざわざウェルテルの従者に銃を渡させるシーンは、鳥肌が立った。 遺されたロッテのやりきれなさを思うと苦しい。

    1
    投稿日: 2018.11.03
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    おもしろい…思わず「変態…!」とツッコミを入れたくなるような、迷妄的崇拝的な恋愛の話は結構な好み。(気持ちはわからないしお近づきにはなりたくないが笑) 手紙や日記形式というのも主観的な心理描写が美しくて好き。その感受性の豊かさに心を打たれる。芸術家だなぁと感じる。 ありのままを受け取るウィルヘルムはかなり懐が広かろうと思わずにいられなかった。 しかし、それだけで終わらないのが流石ゲーテ…自殺、心の自由そういうものに対してしっかりと言ってくれる。 自殺擁護と捉えられても仕方はないとは思うけど、擁護というならば「自殺」に対してではなく、「心の繊細な、感受性の豊かな人」に対してではないだろうか。 先に法医学の本を読み、「医療関係の人間は生かすために働いている」「死を選ぶのはやめてほしい」という旨の文を目にした。 しかし私は「自殺はよくない」とバッサリ言い切ることにはモヤモヤが残り…なんだかその答えの一つとして提示してもらえた気がする。 いろんなタイプがいて、いろんな考え方がある。どれがいいかなんて結局は個人が決めること。改めて思った。

    1
    投稿日: 2018.09.25
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    また長男(21)から借りて読んだ。昔、断片的に読んだかもしれない。書簡体の文章が美しく、何度も読み返した箇所があった。 「ぼくは実にいろいろなものを持っている。しかし彼女を慕う心がいっさいをのみこんでしまう。ぼくは実にいろいろのものを持っている。しかし彼女なくてはいっさい無となる(p145)」など。 内容はちょっと重苦しくも感じたが、それは青春から遠ざかったせいかな(現在49歳)。

    0
    投稿日: 2018.07.21
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    なんとなくで読み始めて、書きぶりの教養臭さにちょっと辟易して、やや流し読み程度に読み進めていって、話の結末が裏表紙の紹介文でばらされているのをみつけてげんなりしながら、読了。 そんな読み方をしたら、普通、読み終えたという事実だけ作って、読後感は何も残らないことが多いんですが、この本に限って言うと、なにかずしっと重いものが心に残りました。流し読みでも読んでよかったと思いました。「これが文学の力かあ」と、なにをいっているのかわからないことをしたり顔で言ってみました。(2015年8月22日読了)

    1
    投稿日: 2018.04.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私はこの本を楽しむには少々年を取り過ぎてしまった。思春期化せいぜいハタチくらいまでだったら違う感想を持ったのかもしれないけれど・・・。 自分だけがこの上なく不幸だと思い、相手の事情や気持ちを顧みず、ただ自分の希望ばかり優先する。そのくせ自分の愛はこの上なく崇高なものだとか思ってみたり、貧しい人たちに施しを与えたり、蔑視されるべきものを蔑視せず優越感に満ちた理解を示すことで自分は凡人とは違うとかいう気分に浸ってみたりする。恵まれた仕事に就いたのに上司と合わないと簡単にやめてしまい、ウィルヘルムをはじめまわりの人が自分にこんなことを勧めたせいでつまらないことになった、とか言う。で、親の金で贅沢に暮らしている。 そしてなんだか勝手に決着をつけてしまう。 とにかく痛々しいウェルテルにずっと鳥肌が立ちっぱなしだった。

    0
    投稿日: 2018.03.18
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    ゲーテの才能、詩人らしさがあふれる文章が朗々とつづられ、現代の私はちょっと飽きを感じます。しかし自然の、森や夕陽の描写が美しくそれを感じている青年のみずみずしさを感じ、さらに読み進めるうちに、ウェルテルの、若さ独特の感受性が、痛いほどちチリチリと胸を刺します。初めから明らかな結末ながら、彼の狂おしいほどの思いにどんどん緊張し、結末を知りながらつい彼は死ぬしかなかったのかなどど考えてしまう、普遍の名作でした

    0
    投稿日: 2018.01.25
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    有名な作品。読んでみると確かにすごい作品だった。前の話だけど、人の弱さ、繊細さがよく描けていると思う。色んな意味でとてもズシンと響くものがある作品だった。角川をベースに岩波と読み比べをしながら読んだ。全体的には角川のほうが読みやすいけど統一した雰囲気は岩波のほうがある。特に最後の詩の部分は岩波のほうが読みやすい。

    0
    投稿日: 2017.12.18
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    読んでいて、銀杏BOYZを思い出した。若者ゆえの、狂気的な愛が描かれた不朽の名作の名にふさわしい作品。

    0
    投稿日: 2017.06.30
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    若さ。同族に対するこの気持ちはなんだろう。好き、でない、けれど理解するよりももっと自分に近いという感覚。 私にとっては恋愛小説ではない。“若さ”の中を生き延びること。いつの時代も変わらないと思う。 実際に友人からの手紙のよう。バランスを崩せば落ちてしまう、いつも私たちのそばを流れる川。若さという銃の引き金。自己を持て余し、世界を持て余す。 やはり時代背景というのは大きい。がんじがらめな頭でっかちは、宗教という眼鏡を外せないせいではないかと思ってしまう。若い人は、人間の社会の外側に目を向ければいいよ。世界は広いよ、とウェルテルに言いたい。

    0
    投稿日: 2017.04.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

     ウェルテル悩んでるな〜。ウェルテル若いな〜。まんまタイトルの通りの感想が口をつく。もうこうゆうのに感動できるみずみずしい心は失われてしまってるんだなあ。もっと早く読めばよかった。  許嫁者のいる美しいロッテに恋をし、遂げられぬ恋だと知って苦悩し続けるウェルテル。その思い詰め方は尋常ではなく、最終的には自害という道しか見いだせなかった。  しかしウィルヘルムくんに労いの言葉をかけたくなる。鬱々としたその内容も内容やし、頻度えぐい。

    0
    投稿日: 2017.03.13
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    実際に禁断の恋に落ちてしまった人間が読んだら、あまりにもウェルテルの苦しみがわかり過ぎて、ゲーテの描写にあまりにも心揺さぶられる。

    0
    投稿日: 2017.01.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ウェルテルは子供たちに人気のあるひと。だが、ロッテと知り合い、恋心を抱くようになった。フィアンセがいることから、かなぬ恋のために悩むようになった。苦悩した末に自殺してしまうが順愛する心は美しいと思う。

    0
    投稿日: 2016.10.10
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    ウェルテルにとって、ロッテという女性は己を生き辛い世の中(作中の言葉を借りるなら”籠の中”)から解き放ってくれる唯一無二の存在であった。 ウェルテルを死に至らしめたのは必ずしもロッテへの思慕の感情だけでは無い。

    0
    投稿日: 2016.09.06
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    つい最近 ルソーの自然主義を読んだからか、自然の中に 自分を入れようとするシーンが多いように感じた。幸福と不幸の 振り幅の大きさが、読者の目を 離さない作りになっている

    1
    投稿日: 2016.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「ウェルテル効果」のことを考えているうちに、元ネタを読まなければと思って読んでみた。 この本について友人が「ずっとウェルテルが悩んでてウザかった」と身も蓋もない感想を言っていた時には笑ったものだが、確かに、タイトルに偽りなし。ウェルテルは最初から最後まで悩んでいる。ロッテと出会う前から悩んでいる風だから救いようがない。 でも私はウザさよりも共感を感じた。というか、ああこんな人いるよね、みたいな。ウェルテルみたいにやたらと詩的表現をつかったり自然や子どもや純朴の人たちに感動はしないかもしれないけれど、今でもこんな感じの苦悩する青年はたくさんいる。帯の「刊行後200年以上世界の若者を魅了し続けた永遠の青春小説」というアオリはわかる気がする。 というか、これってドイツ版「こころ」では……。いや、「こころ」が和製「若きウェルテルの悩み」だと言った方がいいか。K視点のこころ。なかなか読むのにつらいものがある。 ロッテもお嬢さんも、無邪気でいい娘なんだけど、一人の男を恋慕によって破滅させるから悪女に見えてしまう。いや、お嬢さんはともかくロッテは本当に悪女なのかも。絶対ウェルテルの一人相撲でストーカー気質怖いと思いっていたのに、まさかロッテも彼に魅かれていたなんて。そりゃ、ウェルテルもそれを敏感に感じ取ってずるずる思いを引きずってしまうだろう。 でも、この話で一番割を食ってるのはウィルヘルム君だと思う。三、四日おきに鬱々とした長文の手紙を送りつけられ、自殺宣言をされて、本当に死なれてしまうのだから。それなのにどうやら邪険に扱わず、誠実に返事をしているっぽいし、滅多にないくらいのいい人だと思う。 お疲れ様、ウィルヘルム君。

    0
    投稿日: 2016.06.06
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    もう少し若いときであれば、私もウェルテルのように苦しい恋をしたこともあったかもしれない。当時は私のまわりの友人にも恋に悩むひとたちも多くいたような気もする。しかし、ウェルテルの最期はあまりにも不幸だ。ロッテがいい人なのがせめてもの救いだ。若さからくる激しい熱情は時に身を破滅させるのか。

    0
    投稿日: 2016.05.08
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    ウェルテルに共感できる部分もあるけれど、あまりにも純粋な彼が痛々しくて切ない。それにしても本当に美しい、胸を突くようなタイトル。

    0
    投稿日: 2016.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    20年近く前、まだ幼かった頃の自分には、どうしてもウェルテルの気持ちに共鳴できなかった。しかし、今改めてその赤裸々な告白に触れてみると、不思議と彼の心が手に取るように理解できる、そして涙がでてくる。自分の命を投げ打ってもいい、彼女がいない人生にもはや意味を見出せない、そんな必死で絶望的な恋愛をした経験のある人間にしかわからない世界なのだろうと思う。 一度足らず何度でもロッテをあきらめようと決心してみても、やはりウェルテルには彼女しかいない。そして、そんな彼の気持ちを誰も理解しないことに怒りや焦燥感が徐々に現れてくるあたりが、読んでいる方も彼と同じように辛くなってくる。 そして、クライマックスが近づくにつれ、もともと自殺について肯定的な考えを持っていたウェルテルは、もはやそれをさらに超えて美しいものにすら見えている。 「墓に近寄って僕は心が冴えてきた。死ぬんじゃない、また会えるんです。」 結ばれないことに絶望して死を選ぶ、という単純な展開にとどまらず、死を持って愛する人と結びつこうとする宗教的、一種狂信的な愛。18世紀後半において、この小説によって自殺者が急増したという事実は、人間は歴史的にも愛という一種の生き物にずっと苦しめられてきた(そして現在でもそうだ)ということを如実に示している。 そして、今だからこそ、ゲーテが読者に対して、愛の素晴らしさと危険性に鑑みて、冒頭で読者に投げかけた優しいメッセージが心に響く。 「ちょうどウェルテルと同じように胸に悶えを持つ優しい心の人がおられるならば、ウェルテルの悩みを顧みて自らを慰め、そうしてこの小さな書物を心の友とされるがよい」

    0
    投稿日: 2016.03.01
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    病んだ。少し違う道を歩んでいたら私はウェルテルだったかもしれない。 「だからぼくは自殺する人を卑怯だというのは、悪性の熱病で死ぬ人を卑怯だというのと同じように少々おかしかろうっていうんだ」 「ぼくは実にいろいろのものを持っている。しかし彼女なくしてはいっさい無となる。」

    0
    投稿日: 2016.02.10
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    ウェルテルの独白で共感する部分もある。 大切な人が自分を愛してくれていると知った時、どれだけ自分を尊い者に思えたことか。。 ただ、ウェルテルは思い込みが激しすぎて。。。わかるけれど、一歩間違えるとストーカーしかねないな。 恋で悲しい思いや辛い思いは誰しも経験すると思うけれど、それを受け止めて、乗り越えてほしかったなぁ。

    0
    投稿日: 2015.09.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    こんなことを言うと、君はきっと反対してこういうだろう。子供たちみたいに毎日毎日を他愛なく暮らし過ごして、人形を引きずりまわり、服を着せたり脱がしたり、ママがお菓子をしまっておいた引き出しのあるあたりをひどく神妙にうろうろして、さてやっとかねて望みの物を手に入れたとなると口いっぱいにほおばって食べてしまい、「もっとおくれ」とせがむ。そういう人間が詰まり一番幸福なのだと言うだろう。そうかもしれないね。-幸福な手合いさ。それからまた、自分たちのつまらぬ仕事だとか、自分たちの気まぐれにさえも仰山な名前を付けて、っさあこれこそ世のため人のための大事業だと触れまわる人たちだってやはりそうだ。ーそれで済んでいく連中はそれでいいのさ。ところが世上万端の行きつく先を謙虚に悟り知って、仕合せに暮らしている市民の誰彼がちっぽけな自分の庭を飾り立てて天井の欄円のようにしたりまた不幸な人間が重荷を背負ってあえぎあえぎ世間をわてって行き、まず例外なく世の中の誰もがこの世の太陽の光を一分でも長く見ていたいと願っているということを見てとる人間は、そういう人間こそは口数を利かずに、自分自身の中から自分の世界を作り上げもするし、また、自分が一人の人間なのだから幸福でもあるわけだ。その上、そういう人間はどんなに浮世の束縛を受けていたって、いつも胸の中には甘美な自由感情を持ち続けているんだ。自分の好むときに、現世という牢獄を去る事ができるという自由感さ。 ロッテはこういうんだ。「以前は小説が本当に好きでございましてね、日曜日何かに部屋の隅っこに座りましてミス・イェンニーみたいな人の幸不幸にただもうわくわくしておりました。それがまたとっても楽しくって、それは今でも全然つまらないというのじゃございません。何分にもご本を読むなんて暇がそう滅多にございませんから、どうせ読むのなら私の趣味に合いましたものでありませんと。私の世界と同じような世界を描いて、私みたいな身の上の人が出てきて、私自身の家の中の生活のように興味がもてて親しめるような、そんなお話を書く作家が一番好きでございますわ。むろん私どもの生活は天国ではございませんけれど、まあまあ言ってみますれば本当に楽しさの泉みたいなものなのですから」僕はこれを聞いて感動を隠すのに苦心した。

    0
    投稿日: 2015.09.03
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    「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」私はそれほど共感できなかった。それが心残りではある。ただ、ウェルテルの精神が危うくなってきたあたりの描写は見事だと思うし、その壮絶さは伝わってきた。また所々に語られるウェルテル、もしくはゲーテの人生観は考えさせられるものも多く、彼の他の作品も読んでみたいと思わせられた。

    0
    投稿日: 2015.07.11
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    許嫁がいるとわかってもロッテを愛さずにはいられなかったウェルテル。ロッテと出会った時の天にも上るような喜びや、決して自分のものにはならないという苦悩が、書簡の形式で綴られている。

    0
    投稿日: 2015.06.26
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    激しい愛の成り果て…ウェルテルちょっと思い込み激しいなって感じた…。一度考えたら猪突猛進して止められないみたいな感がある。恋愛以外に打ち込めることがなかったことがウェルテルの悲劇の要因かな…ロッテも思わせぶりみたいなことしてあげなければよかったのに。

    0
    投稿日: 2015.06.07
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    思う所があり、本書を手にしました。 内容ですが理解に苦しむ方がいるのは分かります。 私も以前はそうでした。 (ウェルテルの行動を現代の我々がそのまま受け止めるのは無理があるでしょう) 私の場合、共感というより自分と同じく悩み苦しんでいる人間がいる、 そしてはるか昔から人間の本質が変わらないことに癒されました。 「苦しいの自分だけじゃないんだな」 普段なら敬遠する古典をそんな気持ちで 身近に感じられたことは貴重な体験でした。 人は人と関わりを持ったとき、ごく稀に自身の想像をはるかに超える感情 を抱き戸惑うことがあります。 それは、愛しさだけでなく、怒り、後悔、憧れなど様々です。 しかし、現実に出口を見つけられないとき それをどのように消化するかで人は悩みます。 この悩み、苦しむ行為がこの小説の本質だと感じました。 残酷なのは、このような悩みが第三者にとっては瑣末な取るに足らない どころか迷惑な場合もある事です。 自殺も他人への迷惑も駄目ですが 時には何かに激しく感情が揺さぶられ 涙するそんな人生のほうが私は豊かだと思います。

    1
    投稿日: 2015.05.15
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    手紙という形で自分の恋心を語っていくので、読みやすかったし、ウェルテルを身近に感じることができた。若いから陥りがちな恋の盲目さが上手く盛り込められている。それは純愛なんだろうけど、大人から見たらどうなんだろう…。でもそこまで好きな人ができたウェルテルを羨ましくも思うし、それは幸せなことなんだろうと思う。理想と現実に挟まれた恋する青年の選んだ道は、正しいとは断言できないけど、ゲーテが当時の社会に与えた影響を考えると、同じように苦しんでいた人がいたことを実感させられる。

    0
    投稿日: 2015.04.21
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    言葉が難しくてうまく世界に入り込めませんでしたが、恋する気持ちの苦しみは伝わってきました。自分がちょうど今まさに三角関係に巻き込まれていたこともあり、行き場のない想いに悩む様子には共感できるところがありました。そしてこの本を読み終えるのとほぼ同時に私の恋も結末を迎え、なんというタイミングの良さかと自分でも驚いています。ロッテと自分を重ねたり、ウェルテルの気持ちと自分が重なったり、読書体験と実生活がここまでリンクしたのは初めてで、とても思い入れのある一冊になりました。

    0
    投稿日: 2015.04.12
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    2015/4/5読了。 『ファウスト』を読んだことでゲーテに興味を持ち手に取った。 「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら,その人は不幸だ」とゲーテは言っている。 一応恋愛を今までしてきた身として考えてみると… こんな時期無ぇよ(´Д` )

    0
    投稿日: 2015.04.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『ファウスト』を新潮社の古い世界文学全集で読んだのでそのついでにこっちも。40年ぶりか? ファウストにはその前半部に、服毒自殺を試みようとして思いとどまる場面があるが、こちらは正真正銘の自殺文学である。 禁断の恋に破れて、というのは確かにいかにもな主題だし、死を賭して、つまり自殺肯定的な浪漫派的熱情に浸るのもいいが、すこしクールに主人公の心理がどんどん抑うつ感にさいなまれて死の選択をするプロセスを観察してみるとまた面白い。 そこには一度ついた仕事の失敗という事情も含まれており、なんだか現代の若いサラリーマン風の不平不満が語られたりもしているのである。これが機能していたらラカンの云うサントームになっていたがもしれない、などと想ったりする。 心配なのはヒロインの行く末である。

    0
    投稿日: 2015.03.27
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    書き留めておきたい表現をする作家は、僕の中では今のところゲーテ以上の作家は出てきていない。彼の言葉は紙に書いて部屋の壁に貼っておきたいが、いちいち張っていると壁がゲーテの格言だらけになり、怪しい宗教にはまっていると疑われそうなので、やめておくが、まあそうしたいぐらい読者を唸らせ、酔わせ、感激に至らしめる言葉を彼は操るのだ。 この作品はいいなづけがいる女性に恋をするが、その恋が成就することはないと知り、最後は自殺してしまうという話である。ああ、なんと切ない話!人妻に恋する青年がこんなに愛おしいとは! 特によい雰囲気だなあ、生き生きしているなあと思われる箇所は舞踏会でロッテと踊る場面である。このシーンを序盤に書いているから、最後の結末に、まあそこに至るまでの過程もそうだが、胸を抉られる。 好きな人がいるのに、でもあなたが好きという、なんだか少女マンガみたいだが、ただそういう純粋な気持ちって素敵だなと思った。でも切ない。

    0
    投稿日: 2015.03.22
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    ゲーテ「若きウェルテルの悩み」新潮文庫 説明の必要もないですね。 夫のいる女性に惚れてしまった青年の重篤な恋煩いを書簡体で綴った小説 青年ウェルテルの行為は純真さから来ている体だということは百も承知だが、率直に言うとキモい。 とくに誕生日プレゼントの下りはドン引き… こんなもん手紙にしたためた秘密も秘密、特定秘密に該当するくらいのトップシークレットなのに小説にされた日には…笑 ただ、人妻ロッテへの想いは置いといて、ウェルテルの「不機嫌」と「自殺」に対する持論は凄く興味深かった。どちらも「病」に例えていて、多少の無理はあるがそういう捉え方も一理あるかなと。 読み終えて思ったのは、タイトルの「悩み」ってどうなの? ウェルテルのそれは「悩み」というよりも最早「苦しみ」では…? そしてロッテはおそらくウェルテルほど苦しんではいないので、「悩み」…その前に「贅沢な」と付けたいくらいだけど。 最後にロッテの旦那アルベルトは「苛立ち」とかかなー。 なにより、この作品に中高生で出会っていなくて良かった…半分冗談半分本気でウェルテルと同じ道を辿りかねなかった気がするので笑

    0
    投稿日: 2015.03.15
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    青年「ウェルテル」が記した書簡と日記といくつかの手記を、「編者」を名乗る人物が編纂して書物にしたという体裁。 まず何より、このスタイルがすごい効果的だと思う。 私たちはまさにウェルテルを「わが友」のように感じることができ、彼の声を追っていくことで、彼がいかに追い込まれていったかを追体験することになる。 そして幾つもの証言や述懐を集めていくことで、まるで「誰が彼を殺したのか?」という事件の本質に迫っていくような感覚さえある。 『編者から読者へ』の章なんて、まるで謎を解く探偵もののようにスリリングでさえあるじゃないか。 「解説」にもあるように、当時これがいかに型破りで革命的であったろうかと想像されるのである。 言いたいことはいろいろあるぞ。 結局お前のやったことは、自分勝手な復讐でしかなかったんじゃないのかとか。 貴女のどっちつかずな態度がいけなかったんだとか。貴女にはどれくらいの覚悟があったのかとか。 貴方は翻弄された被害者のように見えるけれど、はたして本当にそれだけなのかとか。 ぜひロッテ側からの記録も見たい。 そうでなければ、この事件を公平に裁くことはできないでしょう。

    0
    投稿日: 2015.03.11
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    名作って言われてるのは分かるんだけど、こう…いちいち言葉のチョイスが気持ち悪くて… そっちに目がいって内容が全然入ってこなかったので、今度またリベンジしようと思います

    0
    投稿日: 2015.01.15
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    主人公のウェルテルがロッテに一目惚れし、愛しすぎて破滅していく物語。ここまで人を愛することができるウェルテルはスゴい。自分には無理だ・・・。

    0
    投稿日: 2014.12.22
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    ゲーテの代表作。発表当時はこれに影響されて後追い自殺をした若者が多かったという。 自然がただある一方で、規律はそれを分断し囲いを付ける。無邪気で好きと言えるのも子どもまで。規律はふたりの間に横たわる愛から目を背けさせる。だが、愛そのものがなくなるわけではない。目を背けても規律があろうと、求めるのはそこに生きるひとの自由だから。 社会が与える役割への疑問、子どもから大人への変化、自由と束縛の対立、ウェルテルが悩んだことは、300年経った今でもあまり変わっていない。ゲーテもまた同じように悩んだのだろうか。 だが、ウェルテルはある間違いを犯している。それは、何かのため、誰かのために死ねるのか、ということだ。作中でも自殺についてやり取りが交わされている。どんな理由をつけようと、大義名分を掲げようと、それが死につながる理由とはなりえない。それは生死がただの観念にすぎないからだ。死ねばすべて清算できると考えるが、それは生きる者の考えであって死にゆく当の本人には何にもかかわりがないはずだ。理性的な人物は自殺をいないのではなく、自殺を選ぶ必然性がないからしないのだ。善く生きることができないとき、自らの手で始末をつけるひとつのやり方が自殺なのだ。 とはいうものの、ウェルテルが果たして死ぬことについてどこまで考えていたのか測りかねる。この作品が彼の書簡を示す形で書かれているからだ。書簡を取り上げる編者の視点が、もういない彼の存在を描き出しているため、実際にこの物語で浮かび上がっているのはウェルテル本人であって、ウェルテル本人ではないのだ。 ゲーテの詩もそうだが、彼にはランボーからあふれるような勢いはないが、静かに見つめるまなざしがある。

    0
    投稿日: 2014.12.20
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    連鎖して自殺してしまうという、“ウェルテル効果”。 この小説の主人公ウェルテルが、覚悟して自決した方法や、その時の服装をも真似した人が居たようだが、理解できない。 人は、死と隣り合わせで、今いる環境から逃れたい願望があり、衝動的にそうさせてしまうのか。 一目惚れしたロッテには、婚約者アルベルトがいる。 そのアルベルトは申し分のない男。 彼らとお近づきになり友達になるが、ロッテへの想いは募るばかり。 ひたすらな愛を貫くには、居なくなったほうがいいとの選択をしてしまうウェルテル。 『あなたのために死ぬという幸福にあずかりえたならば。ロッテ、あなたのためにこの身をささげるという幸福に。』 ウェルテルは自分に酔っている。 遺された二人は遣りきれない。

    5
    投稿日: 2014.12.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    たまには海外名作を。と積読の中からこれをチョイス。 うーーーん。 いまいち、こういうのは理解に苦しむ。 何でこう考えるのか。。。 それに、ウェルテルってちょっと怖い奴じゃないか? なんていうか、感情の起伏が激しくて思いつめたら止まらない。ちょっと危ないよね。 私だったらこういう人は好きになれないけど。。。 ロッテだって、ウェルテルが彼女を愛してるくらい彼のことを愛してたわけじゃないと思うんだけど。。。 実る愛ではないから、ロッテに断られたからって自殺するってのはどうよ~~。 どうも、こういう事は理解に苦しむな~。

    1
    投稿日: 2014.10.27
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    今度ドイツに行く、という事でゲーテの作品を読んでみた。大まかなあらすじは、ウェルテルという青年がロッテという女性に恋をする。しかしロッテには婚約者がいた・・・という話だ。 ウェルテルが手紙や手記で、日々の出来事や恋愛、悩みを綴るという形式の小説。当時としては斬新な手法だったろう、と思う。10代の少年・少女が読めば、ウェルテルの一途さ、純粋さに共感できる部分があるかもしれない。ウェルテルに対し「そんな恋愛はやめときな。諦めな」と言うのは、利口ぶった大人なのだろう。頭では分かっていても、どうにもならない問題というのはあるのだ。

    0
    投稿日: 2014.10.13
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    あらすじを知りたければググればよろしい。 ウェルテルの心の深淵に触れたい人のみ読むべき。 自然や感情の表現が外国的で迂遠で奥ゆかしい。 死ぬほど人を愛するってこう言うことか。

    0
    投稿日: 2014.09.28
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    よく書いたなと。ただでさえ重い片思いは表現しづらいと思いますが、それを越えて、書いてあることが凄い。ウェルテルのセリフも、ロッテのセリフも。 しかも、巻末の解説にあるとおり、18世紀の小説は娯楽や教訓を目的とするもので、人生そのものを問うたという意味で常識破りだったことを思えば、本当に凄いなと。 ただ、クライマックスの詩の朗読部分、これはドイツの神話か物語かと思いますが、日本人じゃさっぱり分からないですよね。それが残念。

    0
    投稿日: 2014.08.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    18世紀にこれ程心理描写に富んだ作品は無かったということが、この作品の傑作たる所以である。 ストーリー自体は現代小説と比べて目を見張るようなものではない。 多様な心理描写を、シンプルながら奥行きのある文章構成で、 短い作品中にまとめあげたことが評価される。 主人公ウェルテルの深い悩みを理解したい!という方以外にはお勧めしません。

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    投稿日: 2014.08.25
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    本書の中で最も印象に残ったのが、ウェルテルが"不機嫌"について熱弁するシーン。不機嫌によって人の楽しい時間を奪わぬよう、気を付けなければいけない。 全体の感想として、ロッテとの関係に苦悩するウェルテルには共感できる部分が多かったが、最終的に自殺という選択をしたことに関して、ウェルテルの心中はあまり理解できていないと思う。自殺によって現世を去ることでしか、ロッテと結ばれない辛い現状を終わらせることができなかったというのか。私はどちらかというと、アルベルトの考え方に近いと思う。自殺によって解放されるのではなく、辛い時間を耐え、傷が癒えるのを待てば良いだけの話だ。しかしウェルテルの例えでいうと、自殺するなということは、病気の患者に「病気で死ぬな」ということと同じだという。ウェルテルにとって、思い人と結ばれぬことは死を意味するということか。それほどまでに赤の他人を愛することができるのは、幸せなことかもしれない。

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    投稿日: 2014.08.13
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    恋に悩む若き男性をの想いも周りの自然などに比喩し表現した作品。 はじめは独特なスタイルに戸惑いましたが、読んでいくうちに慣れます。この男性に共感するかはまちまちだと思います。

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    投稿日: 2014.08.08
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    私は自殺と言うものは、苦しみのない状態でしか成立しないと思っている。単なるセンチメンタルで激しい片思いの話のようだった。

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    投稿日: 2014.08.06
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    【内容】 情熱的で世間離れした芸術家肌の男が恋をする。 しかし相手の善良な女には、社会的側面に不足なしの婚約者が。 自己陶酔、社会と私情、異常な精神状態、喪失と補填、除かれるべきもの。 【類別】 小説。 恋愛、悲劇。 【表現】 平易です。 やや昔の翻訳なので一部に古風な語句が見られます。 少し冗長。書簡体。 【備考】 このレビューは第99刷を鑑賞して書かれました。 一箇所に誤植のようなものを見受けました。

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    投稿日: 2014.06.12
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    ゲーテが1774年に刊行した書簡体小説。人妻であるロッテを愛してしまったばかりに茨の道を突き進むことになる主人公のウェルテルが友人ヴィルヘルムに宛てた手紙をまとめたものという体裁をとっています。ドキュメンタリー風というのでしょうか、読んでいると実際に手紙を受け取っているような気もしていきます。2部構成で、前半は幸福な期間が描かれていますが、後半の次第に狂っていくウェルテルの姿が壮絶でした。また、ウェルテルがワールハイムで出会った様々な人々の転機も所々に挟まれており、より物語に奥行きを持たせています。

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    投稿日: 2014.06.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

     初めて読んだのは16年くらい前。2,3年前に再読したのだが、まったく感動しなかった。それほどぼくの心が汚れてしまったのだろう。(ぼくはいい意味で捉えているが)この本の魅力は、潔癖なまでの純粋性とナイーブさ。ナイーブであるがゆえに、主人公のウェルテルは自殺してしまうのだが、思いやりにあふれ、涙なしでは語りきれなかった。主人公は、フレれた女性をあきらめ、ほかの恋に移ろうと考えたが、感情が許さなかった。絶望に苛まれ、自殺を選ぶしか選択肢がなかった。その女性への恋の想いや、相手を思いやる気持ち、欠点(相手は子持ち)、劣等感(相手の男性は身分が上)を受け入れ、結婚したかったのだが、それは叶わなかった。究極の恋や穢れ一つないピュアなものは、この本にすべて凝縮されている。この本を読んだと読んでいないでは、その後の人生観はまったく違ったものになる。それほど影響力が強い作品だ。

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    投稿日: 2014.04.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「ウェルテル効果」の語があるように、とかく自殺の表面的な内容だけが語られやすい本書。しかし、じっさいに読んでみると、そこに至るまでにはさまざまなプロセスが描かれており、ウェルテルはたんなる個人的な恋慕、あるいは思い悩みから死んだのではないと認識することがまず重要である。もちろん、アルベルトと自殺にかんして激論を交わす場面など、自殺そのものに対する言及も重要な役割を担っていることはいうまでもないが、それ以上に宮廷での仕事や、作男による殺人などが彼を自殺に至らしめるためにどのような影響を及ぼしたのか、よくよく考える必要がある。ウェルテルの思想には、たしかに納得できない部分も多いけれども、こういった周囲の環境とあわせて考えれば、ロッテへの恋慕一辺倒の作品ではないと断言できるし、個人的にも、もちろん自殺を正当化するようなつもりは毛頭ないが、それでも不遇な身の上を案じるような気持にもさせられる。ウェルテルが「なぜ自殺しなければならなかったか」ということは非常に重要であり、手紙の内容や、ロッテに対する感情ばかりを意識していると見落としてしまうであろう。もっと広く社会的な腐敗とか、人間関係の複雑性とか、そういった文脈で読まれるべきだ。

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    投稿日: 2014.02.09
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    久しぶりに読んでみました。名作なんですけど、正直なところ今回は今一つ、グッとくるものがありませんでした。心理描写や社会批評の部分も、なんだか読みにくさを感じてしまい、小説の読解力の低下と、日ごろの安易な読書を反省するという思わぬ結果に。。 若いころ、初めて読んだときはもっとストーリーが刺激的に感じられました。今回はストーリーを知っているからというのも、今一つだった原因かもしれません。

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    投稿日: 2013.12.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【前編2 堕落論】  堕落論にまつわる一連の小説郡の一つ。文豪ゲーテの出世作。出版当時も欧州各国に広まり、翻訳され社会現象を起こしたほど。主人公のウェルテルに共感する青年が、作中の主人公と同様にピストル自殺をするほどに影響力を持ちました。今でも著名人がなくなると、その熱烈なファンが後追い自殺をする現象が見られますが、それをこの作品からとってウェルテル現象というらしいです。  主人公はウェルテルという青年。あるときシャルロッテという女性に一目惚れをする。シャルロッテにアプローチを欠けるウェルテルに、彼女もそれなりの好意を見せてくれているように思ったウェルテルは猛烈にアタックする。しかし実は彼女には婚約者がいるということが発覚。そしてその婚約者がシャルロッテの近くに戻ってくると、ウェルテルは傷心のままにそこを離れ故郷に戻ってしまう。  そしてそのうちにシャルロッテは婚約者と結婚。故郷に戻ったウェルテルは官職について一生懸命働くが、仕事上のゴタゴタで苦しくなり、そこも飛び出してしまう。そして数ヶ月各地を点々とさまよった結果、結局シャルロッテと出会った土地に戻ってきてしまう。しかしそんなウェルテルにシャルロッテとその旦那様は結構冷たくあしらう。苦しくてモヤモヤしている時に、知り合いの男が愛憎のもつれから殺人を犯したことを知る。そして世間の評判とは別にその男に強い同情心を持つようになった。その後いろいろとある中で、結局その殺人に衝動を受けるように、自身の殺人、要するに自殺を思い立つようになる。そう思ってしまうと、もう、自殺をする以外には救われることはないような境地に自分を追い込んでしまい、最終的には思い人のシャルロッテの旦那から猟銃を借りると、シャルロッテがその中に触れたことを喜び、引き金を引く。自殺を遂げたのだった。  文体はウェルテルの友人に宛てた手紙の形式をとっている。時々シャルロッテ宛のものも含まれる。ウェルテルの内面をえぐり出すような描写が生生しい。  個人的にはこの一作をもって、堕落性が、罪がとのたまうのは表面的だと思います。ただこういう愛のもつれから始まる人間の心の躁鬱は、我々の幼い経験にも積もるように共感を与えます。堕落論にまつわる一連の作品群、と言いましたが、いくつか重ねて読んでみると、立体的に見えてくると思います。 <堕落論にまつわる小説> トルストイ 『クロイツェル・ソナタ』 モーリヤック 『テレーズ・デスケルゥ』 ゲーテ 『若きウェルテルの悩み』 夏目漱石 『こころ』 ジッド 『狭き門』

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    投稿日: 2013.12.21
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     発表された当時ヨーロッパでは自殺が流行したというから社会に与えた影響は大きかったのだろう。  この物語を初めて知ったのは全く純真無垢な中学生の頃だ。武者小路実篤の「友情」も下地にはこの物語があるのかもしれない。しかし現代の感覚からいえばこのストーリーの展開は全く受け入れることができない。ウェルテルの自己陶酔に過ぎず自殺は本当に無意味だ。しかも落ち度のないロッテとアルベルトにとってははなはだ迷惑が話である。やはりまともに受け入れられるとしたら中高生ぐらいの純情な間だろう。  ここまで自己中心だとドストエフスキーの「罪と罰」に登場するラスコーリニコフの犯罪を正当化する論理に似ているように思える。  情報手段が発達していなかった時代であったため他の情報が少なかったのできっと爆発的に売れたのだろう。しかし現代の私たちからみれば受け入れがたいのは確かである。

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    投稿日: 2013.12.17
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    大学の講義の課題図書だったので読みました。 ゲーテの本自体はじめてよみました。 ウェルテル…悩んでますね。。。 こんなに感情的な男性って、日本にはあまりいないですよね? 実際どうなのだろうか。。。 ロッテとの恋で、もうこれでもかって程舞い上がってる ウェルテルの姿を見てるとなんだか こちらが恥ずかしくなってきます。 反面、こんなに舞い上がれるなんでうらやましいなって思ったりも。

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    投稿日: 2013.11.01
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    精神のインフルエンザ病原体…(°_°) 帰ってきました、お父さん。 仰せのとおり、この旅路をもっとながく辛抱しなければいけなかったのですが、それを中途でやめて戻ってきてしまいましたが、どうかおおこりにならないでください。世の中はどこも同じです。辛苦と労働があってはじめて報酬とよろこびがあります。けれどぼくにはそういうものがどうでもよくなったのです。ぼくが仕合わせにしていられる場所はただあなたがいらっしゃるところだけです。そうしてあなたが見ていらっしゃる前でぼくは苦しみもし楽しみもしたいのです 神様へのスタンス。 ここが一番ぐっときた。 変かな。変だろうな。 でもたったひとりの神様を信じるって きっとこういう気持ちなんだろうって 八百万の神さまのもとで生まれて育って たくさんの神様やご先祖様に守られて生きているあたしには はっと目が覚める思いでした。

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    投稿日: 2013.10.28
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    短い本だが、恋愛が力強く描かれており、とても濃厚に感じられた。 恋の残酷さをここまで繊細かつ激しく描いた作品は、他にあるのだろうか。 ちなみに、言わずと知れたストーリーであっても、本の裏面に結末を思い切り書いて欲しくはなかった。 自分はネタバレしてしまったので、結末を知らない方は読まないようお気をつけください。

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    投稿日: 2013.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    さらっと読めます。 …嘘。さらっとなんて読んでない。 読まなきゃならなかったから、死ぬ気で徹夜で読んだ。 …死んだわね。多分もう少し時間かけて読んでたら、「死んだ」以上の感想を持てた気がするわ。それが残念。こういうの、義務で読むなんてありえないわね。

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    投稿日: 2013.10.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ウェルテルが恋に身を滅ぼす様があまりに情熱的で純粋で、可愛そうでした。。 ロッテの小悪魔感がすごくて、こういうの良くないなーと思いました! ロッテもいい人だから余計ウェルテルが振り回されちゃうかんじ。 最後こうなっちゃうとは。。。。 自殺者を生んだゲーテのベストセラードイツ文学とのこと。 大学の時にしっかり読んでなくて、やっとよめました。

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    投稿日: 2013.10.14
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    意外に読みやすかった。 実話かと思うほど、、勘違いしていました、、。自殺したわりに83才?あれ、おかしいな、て、、。かなりの勘違い、!! 先に映画見ちゃったからかも、、。 表現も物凄く綺麗。。

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    投稿日: 2013.10.11
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    今の時代から見れば、ひとつの恋にそこまで苦悩することはないだろうと、そう思います。けれど、それだけ必死だったのだとすれば。ロッテとの恋が、彼のすべてだったとしたのなら。そう考えると、ウェルテルの行動は行き過ぎたものではないように感じられました。彼の行動や考え方は、興味深いと思います。 作者の経歴や、作品が作られた経緯などを参照しながら読んでみると、また違ったものが見えるような気がしました。 時間があればもう一度読み直してみたいです。

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    投稿日: 2013.10.10
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    不機嫌・他人との比較・自殺などについて深い言葉がたくさんあった。胸が痛くなったがまたいつか読みたくなる時がくると思う。

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    投稿日: 2013.08.17
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     ひと言でいえば「痛々しい青年の話」だと思う。婚約者のいる女性を好きなって、その女性のところに通い詰めるけど、もちろん想いは実らない。周囲の人間ともうまくいかなくて、のけ者扱いされてしまう。そして最後には自ら命を絶ってしまう。  本当にイタい話なんだけど、こういうイタさを馬鹿にすることができるのかと思ってしまう。イタさは純粋さのあらわれであり、それを馬鹿にするのは、自らが純粋さを忘れてしまった人間だと宣言することではないんだろうか。

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    投稿日: 2013.08.12
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    青年期特有の恋心の心理描写が綿密に描かれている作品です。誰でもああいった気持ちを体験したことがある筈。 これを読んで、陶酔自殺をする人がいる程なので、かなり重く共感できます。文章は読みにくいですが、是非読み切ってみるべきだと思います。

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    投稿日: 2013.07.03
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    世界中で読まれている恋愛小説(といっていいのか、わかりませんが。)です。この題名は有名すぎるくらい有名。短いし、本屋にいったときになんとなく買って読んでみました。 話は、婚約者のいる女性に恋愛感情を強くいだいた青年の話。記述形式は、親友への手紙。人を好きになることは素晴らしいことだと思うけど、この小説の「ウェルテル」は少し屈折しているように感じるのは、自分だけだろうか。それとも200年前という時代の差がそれを感じさせるのか。なんとなく、感情移入できず淡々と読んでしまいました。 それでも、彼女に対する感情を手紙に書いた文章は、同調できる部分が少なからずありました。純粋に人を好きになった時を思い出させてくれるような。そして、その情愛の激しさゆえに、行きついてしまった結論。それを時間の流れと、感情の流れを深く描いたところはすごいと思います。

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    投稿日: 2013.06.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    非常に面白かったが、暗くて自殺の描写もリアルで非常に辛かった。 思想や感情と情景が溶け合い、巧みに表現されてるのが本当に凄くて引き込まれたし、ウェルテルの思想というものがかなり深くて色々と考えさせられた。優秀な人間であるウェルテルが、一つことに囚われて次第に狂気に飲まれていく様と、アルベルトの徹底した対比がかなりやるせない気持ちにさせた。読了直後は二度と読みたくないと感じる作品だったが、そう言うものほどやっぱり読み返したくなると思う。

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    投稿日: 2013.06.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ウェルテルの気持ちは、若いうちに誰もが経験あるのではないでょうか。 好きになってはいけないと知りつつも、恋人のいる人を恋しく思ってしまう…。 恋のために死ぬのは単にバカらしいと思いますか? ウェルテルは純粋でした、それだけに傷付きやすいのだとおもいます。 自殺を禁じる教えを知りながら、自ら命を絶つというのは大変勇気がいることです、それでもウェルテルは父なる神を信じていたのです。 ウェルテルのその純粋な思いはゲーテの思いでもあると思います。 信徒はそんなウェルテルを許してあげられないのです。 ウェルテルのような透明な心は俗世では余りに辛い場所なのだと思います。 だからこそウェルテルは死を選ぶことで救いを求めたのではないでしょうか。

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    投稿日: 2013.06.11
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    若きウェルテルの悩み 読み終わりました 評判通りの内容ですね。ウェルテルの気持ちに共感・感銘を受ける気持ちもわかります。 いつの時代も恋愛に苦悩する人の辛さは同じなのでしょう。 日記体のせいか、心情の変化もわかりやすく、翻訳ものにしては読みやすかった印象(以前に読んだ本が読みにくかっただけで、翻訳ものじたいがそういうわけではないと思うのですが) スラスラとは読めませんでしたが、中盤から終盤にかけては、引き込まれてしまい勢い良く読んでしまいました。 彼の気持ちもわかるけれど……死にたくはないなぁ

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    投稿日: 2013.05.30
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    視点がアルベルト側だったらまた違って面白いかもな。 憂鬱になってしまいました。ロッテも一緒に逝けばよかったのに‥

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    投稿日: 2013.04.15
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    訳の古臭さがまた好き。 この女々しいウェルテルの、感受性の豊かさ、悪くないんだけどなぁ。 この本を称して精神的インフルエンザの病原体、とはよくいったものだけれど、私は誘われない(笑) ゲーテは25歳でこの本を書いたのだね。

    0
    投稿日: 2013.04.06
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    ロッテに叶わぬ恋するウェルテルは、最後に自殺しちゃう訳なんだけど… 恋をして悩んでる様子とかは気持ち分かるし、さすが文豪ゲーテだと思う。 だけど、恋が冷めるまで待てなかったのかな、とか、ロッテに夢中になりすぎてて今の時代だと美談というよりはちょっといきすぎって捉えちゃうかも。 でも、書簡形式でウェルテルの心の中を細やかに描いてて好感が持てる。

    0
    投稿日: 2013.03.25
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    やっぱり、読み継がれているだけのことはある。 不機嫌について、自殺について、諸々、ウェルテルの語ることには真実味みたいなものがある。けれど人間は、そういうことを理解していてもなかなか実行できる生き物じゃない。だめだと分かっていても不機嫌が顔や態度に出てしまう。それでもふとした時にウェルテルの語った言葉に触れると、ああそうか、と考えさせられる。そんな時がある。そしてそういう時が、いろんな人にあったのだろう。 自殺に関してはウェルテルの意見に反対する気はないけれど、どうか彼が死ななければいいと思った。だけどあそこから彼を引っ張り上げるのは、どうにも無理そうだ。恋の泥沼に独りで嵌って、彼は抜け出せない。最期が孤独でないのが救いだった。

    0
    投稿日: 2013.03.05
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    恋は死に至る病。これはたぶん、比喩ではない。 ウェルテル君の純情は私の心にも深く突き刺さりました。気をつけるベキかもしれませんが、それは共感と呼べるものかもしれません。

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    投稿日: 2013.02.10
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    若者の悩みは時代を超えて共通であるのだと思った。 書簡体であるため、ウェルテルの感情や感性がダイレクトに伝わり、とても面白かった。

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    投稿日: 2013.02.02
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    死の原因は愛ではなく狂気。そうなる前に、死ぬことが愛する人を何よりも不幸にすることだと知ってほしいと思います。

    1
    投稿日: 2013.01.15
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    この時代の本にしては読みやすい感じをうけたが、やはり一気に読まないと辛かった。 最後の自殺することはあまりに有名で、それを分かったうえで読んだのでウェルテルの死に向かう心の動きを考えることができ、読みごたえがあった。

    0
    投稿日: 2013.01.03
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    そうはなって欲しくないけれどもそうなってしまうのだろうし、そうしてしまうんだろうと思いつつ別の道があることを望みながら読んだ。 でもウェルテルの世界がロッテであるかぎり結末は同じなのかもしれない。

    2
    投稿日: 2012.12.14
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    面白かったです。 大仰な表現は結構苦手だけど、恋に焦がれる人間の心理、行動をうまく描いててうまいな~と思った。ゲーテ本人の体験を参照にしてるんだろうなと思ったらやっぱりそうだった。 “正直な話、僕はよく日雇い労働者になりたいと思う。そうすればせめて朝眼をさませばその日一日を過す目当てがあり、一つの欲求、一つの希望が持てるからね。” 恋い焦がれる相手と離れてる時の文章だけどこの気持ちはよくわかる。 強い恋をする、したことのある青年ならば誰しも共感を覚えるような文章がたくさんあって、人は昔から変わらないんだな~という気にさせられる。 メンヘラ小説

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    投稿日: 2012.11.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ストーリーとしてはそこまで目新しいわけではないが、大なり小なり若者が抱くであろう悩みを生き生きと描いている。大詩人だけあって表現も光るものがある。 そして私が読んでる途中気になっていたのが、ゲーテはどういう思いをウェルテルに持っていたのだろうという疑問だ。ウェルテルはゲーテの分身でありながら自殺をし、ゲーテは自殺しなかった。なぜゲーテはウェルテルを自殺させたか。自殺した方が物語になるという事もあるが私はやはり、それが彼の「過去からの決別」方法だったのだと思う。

    0
    投稿日: 2012.11.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    作品成立の背景1772~ 若きゲーテのウ゛ィッツラーでのシャルロッテ・ブフと彼女の婚約者ケストナーも交えた三角関係。 知人イェルザレムの自殺 感想 「ロッテのポルトレエは三度ばかり始めて見たが、三度ともやりそこなった。ついこの間はなかななかうまくいったんだから、いっそ腹が立ってくる。そこで今度はシルエットを作ってみた・・・」 この文は第一部、七月二十四日のウェルテルの文章である。 ポルトレエとは肖像画、具体的には影絵のようなものでこの表現は作中の重要な一部分だ。 ポルトレエを作るための条件として 1、モデルは固定していなければいけない 2、モデルと書き手は目を合わせてはいけない この2つがある。つまり、ロッテはウェルテルの感情に目を向けていない、または恋愛感情が無いことの隠喩になっているともとらえることも出来る。 また、ポルトレエを作るためにはモデルと書き手の間に紙(のようなもの)を挟まなければならない。 それはウェルテルがロッテの影しか見ていない、彼女の本質を見ているのかが明確ではないことを表現しているのだろうか。 物語はウェルテルが友人にあてた手紙を読者が見ているという設定で進行していく。 主人公ウェルテルは情熱的で繊細だ。私は彼がとても人間臭い人物だなと思った。 その性格のせいで最後は自害してしまうが、個人的には好きな終わり方だ。 私自身の反省点・・・最後のロッテが彼に読ませたオシアンの歌がサッパリわからなかったこと。

    0
    投稿日: 2012.09.29
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    人を好きになりその思いの強さから身動きできなくなってしまうことは心の弱さなのだろうか。アルベルトとのやり取りは印象的だった。もし、仮にその原因が弱き心にあるとしたら人を好きになるということ自体を否定してしまうことになるんじゃないだろうか。

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    投稿日: 2012.09.27
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    超有名な小説。ゲーテの著書。主人公の青年ウェルテルが、他人の婚約者である女性ロッテに燃えるような恋をし、苦しみの果てに自殺するまでの始終を描いた物語。ゲーテ自身の体験に基づくものらしい。 ほとんどの内容が、ウェルテルが友人ウィルヘルムに対して送った手紙で書かれている為、普通の小説に比べて読み辛い。最初の3分の1くらいはかなりの辛さで投げ出そうと思いましたが、中盤以降次第に世界に入り込めるようになりました。内容は、暗い感情明るい感情全てに悲壮感が漂っていますが、素晴らしい文句などが多々あり、色々と心に残ります。内容が薄いところは斜め読みも有りかと。きっともっと若いときに読むべき本だったと思いますが、自分にとっては現在くらいが適当であった様にも思えます。ロッテの気持ちが結構分かる気がする。 「そうだ、ぼくは放浪者にすぎぬ。この世の巡礼者だ。しかし君たちもそれ以上のものなのだろうか。」

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    投稿日: 2012.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    20年近く前に読んだきりだったのを再読。 ほとんど覚えておらず初めて読むような感覚。 人間の感情は、昔から変わっていないものだと納得。 主人公目線では「かなわぬ恋に最後は自殺する純粋な愛の物語」 しかし、相手の女性目線では、勝手に好きになったあげく自殺されて迷惑とも言えるのでは。

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    投稿日: 2012.07.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初のページからネタバレしていると思います。本作で描かれるのは叶わない恋です。出てくる人が皆いい人なだけに救われません。編者から読者への項目を含むなど、悲劇的な結末を予感させる構成も読みどころの一つでしょう。 詳しくは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120611/1339406808

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    投稿日: 2012.06.11
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    ゲーテ自身の恋愛体験を作品化した書簡体小説。人妻のロッテに恋をしたウェルテルは、霊肉分離の愛に満足を覚えることができず、厭世という病的状態も相まって、「愛を永遠化する」ために自らの自由意思によって命を絶つ。18世紀は芸術や文学の本質的機能を「人を愉しませることと有益であること」に見ていたのに対して、本作品は「人間の生き方そのものを問題にした」という点で従来の小説の常識を打ち破る作品となった。

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    投稿日: 2012.06.05
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    つらい実体験をショウカ(消化/昇華)して、文学史に残る瑞々しい作品を書いてしまうゲーテという人に作家魂を感じずにはいられない。だから「ウェルテル効果」なんてものは本末転倒。美しく繊細に、されど強かに。もしこれから物語に同調する体験が自分にあったとしても、主人公ではなく、この作家の選択を推していたい。

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    投稿日: 2012.05.29
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    ゲーテ自身の絶望的な恋の体験を作品化した書簡体小説で、ウェルテルの名が、恋する純粋多感な青年の代名詞となっている古典的名作である。いいなずけのいる美貌の女性ロッテを恋したウェルテルは、遂げられぬ恋であることを知って苦悩の果てに自殺する。多くの人々が通過する青春の危機を心理的に深く追求し、人間の生き方そのものを描いた点で時代の制約を超える普遍性を持つ。

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    投稿日: 2012.05.27
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    非常に深い。一度は読む価値はあるかもしれません。これを刊行したのが今の自分と同じゲーテ25歳のときだったとは。 甘えが関係を損なうのか、依存が絆を深めるのかについては常に細心の注意が必要なのだろう。本人の意図に拘らず、結果、態度や言葉が軽率と捉えられてしまうかどうかは本当に紙一重なのだと思う。だからその意識を常に持ち続けることが相手を理解し寛容でいるために大切なのだ、とふと思った次第。

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    投稿日: 2012.05.01
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    『こんなに苦しいのなら悲しいのなら 愛などいry!』全然シチュエーションが違うんだけど、なぜかこの台詞を思い出してしまう。かのナポレオンも熟読したというこの本、正直序盤は読みにくい文章でページが進まなかった。純情過ぎるウェルテルはロッテとの叶わぬ恋に身を抑えることができず滅ぼしてしまう。狂気じみた恋なのだが一度はこういう恋に落ちるのもいいのではないかと思う。映画も楽しみです。

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    投稿日: 2012.04.22
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    ★5は著書の中身ではなく、言葉のチョイスへの値といっても過言ではないくらい、 こんなにも1センテンスが重く、なおかつ洗礼された言葉を使う人がいるんだと感じた。 この本を読んで以降、読みたい本の傾向が変わってきた気がする。

    2
    投稿日: 2012.04.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    確か中学生くらいの頃読んで、そのときは特に何の感想も持たなかったような気がする作品。ただ、それでも、ウェルテルが激しい恋をしたイメージはずっとついていたから、そういう意味では印象の強い作品ではあったんだと思うけれど。 もう話もあまり覚えていなかったので、読み直してみました。 この本が、難しいものには感じられず、もちろん、自殺したいとは思わないけれど、でも内容を普通に理解できるようになったのは、やはり、いろんな経験・感情があって、人生を多少生きてきたから、ということなんだろうなぁと思う。中学生の頃より、主人公の心情を、ありのまま、理解できたんじゃないかと思う。 恋愛の部分だけでなく、「人間」に対する考え方とか、もちろんすべてではないにしても、理解できる部分、同調できる部分はあったな、と思います。 読みやすい本だったなぁ。

    0
    投稿日: 2012.04.07
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    フツーに読んだら馬鹿々しくて読めないぜ!(一気読みしたけど) って思ってしまうのは、彼のような思い人がいないから??? ウェルテルはリビドーのポジションを最初から最後まで ほとんど変えなかったのはスゴイな。病的なまでに誠実だよ。 「不幸な男よ、お前はばかではないのか。 「われとわが身を欺いているのではないか。 「人間誰でも希望を欺かれ、期待を裏切られる。 「まあ、いいさ、これもぼくの運命の一つだろう。 そう言ってたのに自殺の道を選択しちゃったウェルテル、 お前は馬鹿だよー。悲しくなっちゃったよー。 愛って何だろ???ちくしょー。 …もう一回読みなおそ。

    0
    投稿日: 2012.04.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ウェルテル、ウェルテル。 ああ、どうして、ウェルテル。 息が詰まって読めなくなるから、珍しく一冊に3日も4日もかかった本。 女性の場合はどうなのでしょう、皆ロッテに感情移入するのでしょうか。 でも私にはロッテが分からない。 何故貴女はもっと踏み出さなかった。 聡明な貴女なら、方法はあったはずでしょう? 最初こそ。ウェルテル同様、私もロッテに恋をした。 でも中盤以降、そうもいかなくなって。だって彼女には分かっていたはずです。 他の誰の言葉が届かなくても、自分の声は届くと知っていたはずです。 その声すら届かなくなる前に、狂わせてしまう前に、 彼女が、何かしなくてはいけなかったのに。 彼女だけが、何か出来たのに。 …と、どうしても。 考えてみれば。200年以上も前に書かれた物語が、 いくつもの外国語に訳され、読み継がれ、愛されるというのは。 ねえ、ウェルテル。確かに人間はここに在る、と言えませんか? 私が、在ると言いましょう。 儚く一瞬に散り、瞬く間に忘れ去られる人間の生が、存在が、確かに此処に在ると。

    0
    投稿日: 2012.03.19
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    3月5冊目。今年26冊目。悩める青年(といっても年齢が出てこないので何とも言えないが)のお話。18世紀の最高峰の文学と銘打っていますがね…。正直22世紀に生きている我々が読んでも、よくわからないところはよくわかりませんね。そもそも恋愛の価値観も違うだろうし。そして恋愛の仕方も違う。もうちょっとコンパクトにまとめられたんじゃないかなーと個人的には思った。第1部でもはや死にフラグはたってるんだけど、なかなか死なないのにびっくり。まぁ近代古典の名作、特にヨーロッパだと価値観の違いが顕著に出るのかな?と思いました。

    0
    投稿日: 2012.03.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    内向的という表現が適切か分からないが、 知人にあてた手紙なので、相手があっての話である。 精神世界に生きていくことのむつかしさを感じました。 あきらめることの意味と、物理的な、身体的な制限を認識することの必要性を考えました。

    0
    投稿日: 2012.02.26
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    狂おしいほどの恋の病で自殺する青年(ヤンデレ)の話 恋が実らなかったり振られたりして死にたいと思ったら読むと良い、 この主人公ほどその人のことを好きだったか考えるために。 多かれ少なかれ盲目になっている自分に気づく。 と同時に見える世界が変わるほどの一途な恋もしてみたいと思う。

    0
    投稿日: 2012.02.25
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    今まで読んできた小説の中で 一番衝撃を受けた本。 はじめはある小説の中で紹介されていて 興味を持ち、読み始めました 「精神的インフルエンザの病原体」 といわれるのも納得。

    0
    投稿日: 2012.02.11
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    こんな形の文学があるのかと。。。 あくまでゲーテ自身は自殺していないということが重要なのかな。 激しく燃える恋など経験したことのない自分にはわかるようでわからない感じ。

    0
    投稿日: 2012.02.04
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    僕はそこまで誰かに恋い焦がれた事がないから 強くウェルテルに共感はできなかった でも報われない恋はいつの時代でも人を破滅に追いやる 自他の境界を保つことって難しいのかな 2009/02/14

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    投稿日: 2012.01.29
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    名作なんだろうけど、文章が非常に読み難い。 読了に時間かかった。 訳が問題だと思う。 読む前に映画で予習済で、内容をわかってたから良かったものの。この小説から入ったら間違いなく、頭痛くなってたな・・・。 てか、挫折したな・・・。 叶わぬ恋=自殺はどうかと思うな~ '12.01.21読書完了

    1
    投稿日: 2012.01.22
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    今の時代の目線のまま読むと、突っ込みどころが満載で面白い。「自殺以外にも選択肢あったんじゃないの?」とか「ロッテも自分が好きと思い込むとかうぬぼれ屋?」とか「くるなって言われてるのに彼女の家行っちゃうとかストーカー?」とか。ところでロッテは今風に言えば小悪魔? でも叶わぬ恋愛にもがき苦しむ描写は、現代小説のそれと大差はなく、数百年前の小説とは思えなかった。芸術において恋愛って永遠のテーマだけど、中心にある感情は「私はあなたが欲しい」、ただそれだけで、あとはそれをどう言葉で装飾していくか、なんだろうなあ。 書簡体というのも面白い。

    0
    投稿日: 2012.01.19
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    ウェルテルはなぜ自殺しなければならなかったのか。美貌の人妻ロッテへの叶わぬ思いは明らかだが、身分制度(作品は18世紀に成立)をはじめとする社会の束縛が自由を希求する純情多感な青年を追い詰めていく。だれもが通過する青春の危機を描く古典的名作。

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    投稿日: 2012.01.17
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    すごく好きな文章がいくつかある。ウェルテルの思いに自分を重ねて見ることができる。自分を重ねるのは、解釈が一側面に偏ってしまうのではないかという不安もあるのだけど、一方でその箇所は確実に深く掘り下げられる。そしてその箇所が水の中に沈む重しのような役割となって、他の箇所も普通に読む以上に深められるのではないか、とも思う。だとしたら結果的によかったのだろうな。 自分の中の自分では表現できないモヤモヤした重たいわだかまりを、あるいは恋愛を、最上の、崇高な形で代弁してくれた気もする。死ぬほどではないにしても。 これは、タイミングを選ぶかもしれないが、何回も読みたくなるな。もう一回読もう。

    0
    投稿日: 2012.01.05