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総合評価

260件)
4.1
80
106
52
7
0
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    米澤穂信さんの語彙力や表現力に驚いた。頭にスーッと情景が浮かんで来て、本当に読むのが楽しい。読むのは2回目だが、1回目より内容や伏線に集中しながら読み進められた。

    2
    投稿日: 2023.02.12
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    前作では傍観者としてクールに見えるけど内に熱いものを秘めた女性として描かれた大刀洗が、メインの物語。ネパールで実際に起きた王族惨殺事件と絡めつつ、取材で会った軍人が亡くなった謎解きミステリ。紀行文としても、現地の空気感が感じられるし、トラベルミステリとしても息を呑む展開で、断然面白い。大刀洗のジャーナリズム論がここで構築された、スタートでもある。

    1
    投稿日: 2023.01.08
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    持てる者のエゴを突きつけられる。(2022年12月31日) 旅中に読んだ本、という環境もあって、ここ最近で一番考えさせられた本。「書く」こと「伝える」ことに意味はあるのか?それは傲慢ではないのか?悲劇を娯楽として消費しているのではないか? 日々起こる事件だけではなく、普段無意識に自分がとっている行動にも、そういった態度が含まれているのではないかと気付かされた。(2015年12月2日)

    0
    投稿日: 2023.01.01
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    ネパールっていう馴染みのない国が舞台のミステリーってだけでワクワクする。 しかも珍しい舞台の話というだけで終わらず、実際に起きた歴史的事件を絡めて「ジャーナリズムとは何か」を問いかけるメッセージ性の強いミステリーなのも良かった。 米澤作品で1番好きかも。

    0
    投稿日: 2022.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    記者が、ネパール?かどっかの国に行って、国王が殺されてもうて、その話を聞こうと王宮にいる人に取材したら、次の日その人が、インフォーマーって書かれた死体になって発見されたっていう話。 殺したのは、一緒に住んでたお坊さんで、銃を渡したのは一緒の部屋にいたなんちゃらって人。でもインフォーマーって書いたのは、サガルっていう現地人。さがるのお兄ちゃんがメディアによって仕事無くして殺されたようなもんやから、ずっと万智を恨んでたって感じの話やった。米澤穂信の話は、最後にひっくり返りすぎて、あんまり感情移入できひんww 宮田からのおすすめやったけど、まぁまぁやったかなぁ。

    0
    投稿日: 2022.12.19
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    謎を解決することによるカタルシスにも、謎の解決により明らかになる登場人物たちの心理レイヤーにも打ちのめされました。 これはイケるキノコでした。

    0
    投稿日: 2022.12.14
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    カトマンズに滞在中、政変が起こり大刀洗万智が雑誌記者としてストーリーをまとめる話だが、登場人物が一筋縄ではいかぬ人ばかりで、誰を信頼すべきなのかを逡巡する中で、彼女なりの方程式を見出したようだ.投宿したトーキョーロッジには、破戒僧の八津田、アメリカ人のロブ、インドから来たシュクマルがいて、それぞれ胡散臭い.周囲をうろつくサガルも要注意だ.国王らが射殺され混乱する中で、記事にすべき情報を集める万智だが、ロッジの女主人チャメリからある軍人を紹介され密かに合う.次の日に発見されたその軍人の射殺死体には傷がありINFORMORと刻まれていた.警察からも犯人候補として疑われる万智だが、地道な活動で犯人を特定する.万智の行動が的確で、納得しながらストーリーを追えたのが良かった.

    0
    投稿日: 2022.12.04
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    面白かった。 ネパールの町の情景が上手く、イメージ出来ました。 短期間の出来事でしたが読みごたえのあるページ数。 なかなか心に訴えるラストでした。

    0
    投稿日: 2022.12.03
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    途中のやりとりで "[..] それぞれの生きた世に合うよう、全身全霊を掛けてさらなる工夫を加えていった" のくだりは、太刀洗だけでなく、私の仕事にも通じるものがあると思い、すこし励まされる感じもしたのですが、最後にそうなるか、というか、多面性があるというか、ビターだな、と。

    0
    投稿日: 2022.11.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2001年ネパールで実際に起きた国王らの射殺事件を物語りの背景にしてフリーのジャーナリスト太刀洗が取材の過程の中で王宮を警護していた軍人の殺人事件に遭遇。太刀洗の街のガイドを買って出たサガルが実は「ジャーナリズムは、ネパールの有り様をサーカスの様に観客に見せる」と不信感を持っていて、射殺事件を取材する太刀洗を貶めようと企む筋書きだが、サガルがそこまでジャーナリズムを敵視するに至る事情が腑に落ちず、また、死体を太刀洗に目撃させ、王宮の射殺事件に結び付けさせる細工をそこまでするのかと違和感を感じてしまう。 受け手の好奇心を満足させようと動き勝ちなジャーナリズム、一方で情報を取材し、世界を明らかにすることの真摯な使命感もジャーナリストは抱えていることに考えさせられた。 ネパールの混乱、貧困、作中人物の色々な善悪のある全ての営みもヒマラヤの峰峰の偉大さと同じく偉大さが宿っていると結んでいる。

    0
    投稿日: 2022.11.18
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    太刀洗万智シリーズ二作目。誰も裁かれぬまま、絶妙に後味の悪い感じが良い。表題もオチを知れば、よく出来ていると感じる。

    0
    投稿日: 2022.10.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    国王殺害事件が発生し、その話が進んでいくと思いきや、物語の中盤から違った方向に進んでいった。最初から伏線が張られており、最後には悪意が露わになるのはイヤミス的要素もある。ラジェスワルの言うように、自分に直接害の及ばないニュースは見せ物、サーカスというのは確かにその通りだと思う。

    3
    投稿日: 2022.08.29
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    うーん、イマイチ話にのめり込めませんでした。 主人公の太刀洗まちさんに感情移入できなかったのか。 ネパールの王殺害事件と軍人の殺害事件 2つが交錯しつつ何を主眼においていいのか、読んでいてピンとこなかったのかも..... はじめての米澤穂信さんだったので、今後どうしようかな

    0
    投稿日: 2022.08.26
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    これは読むべき本だと感じた。実際に2001年に起きたネパール王族殺害事件(ナラヤンヒティ王宮事件)を元に書かれており、当時の状況やカトマンズの情景が手に取るように分かるだけでなく、記者の役割について考えさせられた。記者によって人々は哀しみを消費し、哀しみをサーカスのように娯楽として捉えているのではないかというラジュスワルの指摘は非常に印象に残った。複数の視点で世界を書き伝えることで、自分はどういう世界で生きているのかが分かることに記者としての使命があると思った。

    1
    投稿日: 2022.08.22
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    太刀洗さんシリーズ、しっかり読んだのは今回が初めて。 話の展開はゆっくりめだから途中でやや飽きてしまったが、異国の景色が見えるような、私も現地に行ったかのように砂埃を感じることができた。 犯人はなんとなく想像がついたけど、謎解きっていうよりも、太刀洗さんの気持ちの変化や覚悟の決め方が読んでて気持ちよかった。

    0
    投稿日: 2022.07.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ジャーナリストに読んで欲しい一冊。 取材に行くのにデジカメのカードの予備がないのは装甲薄すぎでは!?とか思ったり(笑。 ククリは伏線ではなかったのか…。

    0
    投稿日: 2022.06.21
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    太刀洗さんの迷い、疑念といった心情が素直に描かれて いて、好感を持って読むことができました。 記者であることの意義というか、なぜ書くのかといった 問答にも触れ、考えさせてもくれました。 また、この本では、カトマンズの街並みの描写に想像力 がかきたてられました。 読み終えて調べてみると、街自体が世界遺産に登録され ていて、いたるところに寺院があり、煉瓦作りを中心と した街並みに一歩踏み入れると数百年昔にタイムスリッ プした気分を味わえるそうです。

    1
    投稿日: 2022.05.13
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    ★悲劇は楽しまれる(p.200) 【感想】そこそこ厚い本やけどほぼ一気読みでした。達者やなあ。 【内容】二十八歳の太刀洗万智はフリーの記者になっており日本人で興味を抱いている人がわりと多そうなカトマンズの地にきた矢先「ナラヤンヒティ王宮事件」などと呼ばれることになる事件が発生するが取材を拒否した軍人が殺され奇妙なかたちで告発がなされていた。 ▼簡単なメモ 【一行目】誰かの祈りで目が覚める。 【占い】サガルいわく《当たり前だろ。占いは王さまこそ信じるに決まっている。》p.134 【噂】サガルいわく《でもタチアライ、この街は噂でできてるんだぜ。みんな噂話が大好きなんだ。》p.133 【完成】八津田いわく《先ほど、我々は完成を求めていると言いました。ですが、時代の変化や技術の進歩に応じて不断にアレンジが加えられ続けることこそが、既にして完成なのだと言えはしないでしょうか》p.239 【カンティ通り】おしゃれなビルが建ち並ぶ現代風の街並み。 【記事を書く】《記事を書くには三つのステップがある。取材し、設計し、書く。取材する時は、いずれそれを記事に書くのだということは意識しない。それを意識すれば、想定した結論に合う事実だけを取材していくことになりかねない。》《指揮者レナード・バーンスタイン曰く、偉大なことを成すには二つの要素が必要だという。一つは計画。もう一つは時間、ただし不足気味の。》p.391。。《何を書くか決めることは、何を書かないのかを決めることでもある。》《記者は中立であれと言われる。しかしそれは不可能だ。自分は中立だと主張する時、記者は罠に落ちる。》p.392。《記事は派手にしようと思うところから腐っていくもんだ。》p.432 【ククリ】サガルがマチにおすすめとして持ってきたナイフ。反りがあってサーベルのような感じだが刃渡りは十二、三センチなのでまあ小型のナイフと言える。 【月刊深層】マチが仕事を請け負っている月刊誌。 【ゴビン】サガルの仲間。トーキョーロッジで働いているようだ。 【暦】ネパールの暦はビクラム暦。行事等はそれにしたがって行われる。 【サガル】マチにアンモナイトを売りつけようとした少年。親しくなってガイドも引き受けてくれた。たくましくふてぶてしく目端が利くが少年らしい少年でもある。母は大きなホテルで働いている。父はインドに出稼ぎにいって音沙汰なし。妹たちを食わせていくために働いている。とのこと。 【シュクマル】同じ宿の客。インドから来て、食器を売り、絨毯を買っていく。いつも電話をかけてるか通信している。 【取材】《わたしが、知りたいからだ》p.223。ラジェスワルに聞かれたときなぜそう答えなかったのか不思議やなあと思った。しょせんはエゴなんやろうから開き直ってもいいんではと。《なぜ書くのか、答えられません》p.233 【真実】ラジェスワルいわく《真実ほど容易くねじ曲げられるものはない。あるいは、多面的なものはない。》p.194。ラジェスワルさんって最初の印象よりずいぶんちゃんとした人や。 【信念】ラジェスワルいわく《確かに信念を持つ者は美しい。信じた道に殉ずる者の生き方は凄みを帯びる。だが泥棒には泥棒の信念が、詐欺師には詐欺師の信念がある。信念を持つこととそれが正しいことの間には関係がない》p.196 【セルロティ】ドーナツに似ているが輪としてしっかり繋がってはいない。シナモン風味。 【太刀洗万智/たちあらい・まち】→マチ 【タメル地区】旅人が集まる繁華街。 【探偵】ビュトールの『時間割』だったか、ミステリのラストは探偵による犯人の殺害という最後の事件で終わると書かれていたと記憶しているけどジャーナリスト=探偵ならばジャーナリストもどこかで殺害を犯しているのかもしれない。マチの悩みはその辺だろうけど探偵の記録を読者もまた楽しみ殺害に加担することになる。 【チャメリ】トーキョーロッジの女主人。肌の色が白い。 【チャンドラ】刑事。バランとともにマチのボディガードにつく。 【ディペンドラ】王子。王宮での殺人事件の犯人とされるが解せないところが多い。恋人のデブヤニ・ラナとの結婚を王や王妃から反対されていた。 【時】二〇〇一年。『さよなら妖精』から十年後。太刀洗万智二十八歳。 【ナラヤンヒティ王宮事件】現実に発生した事件。この物語の背景。犯人とされるディペンドラは自殺にしては不自然だし弟王子のギャネンドラは他の場所にたまたまいっていたしその息子のパラスはじめギャネンドラ一家は誰も死ななかったらしいしいろいろ謎は多いが謎のまま結局ネパール王制は終焉を迎えることになったようだ。ロブいわく《ちくしょう。こいつは家のソファでみていたかったな。面白くなってきたのに……近すぎる!》p.150 【パシュパティナート寺院】ネパール最大のヒンドゥー教寺院。誰もが人生の最期にやって来る。 【場所】カトマンズ。ネパールの首都。ヒマラヤ登山の入り口として有名。元は湖の底だったが水不足に苦しんでいる。英語が通じる。ネパールでは食事は朝の十時頃と夜の七時頃の二回なのだとか。 【バラン】刑事。チャンドラとともにマチのボディガードにつく。人に命令することに慣れている感じ。 【悲劇】ラジェスワルいわく《お前の心づもりの問題ではない。悲劇は楽しまれるという宿命について話しているのだ。》p.200 【ビレンドラ】国王。ディペンドラ王子に殺された(とされている)。民主化を進め国民からは好感を持たれていたようだ。 【マーヤ】『さよなら妖精』のヒロイン。この話でも名前は出てこないが記述はある。 【牧野】「月刊深層」の編集長。 【マチ】太刀洗万智。主人公の「私」。『さよなら妖精』ではわかってしまうタイプだと思われた。 【街】サガルいわく《子供と歩けば子供の街、坊主と歩けば坊主の街さ。どこでもそうじゃないのか。》p.79 【守屋路行/もりや・みちゆき】『さよなら妖精』の主人公。この話では名前も記述も出てこないがいつかマチと対峙することがあるのだろうか? 【八津田源信/やつだ・げんしん】同じ宿の客。僧侶の姿。最初は日本人とは思っていなかった。すでに長い間カトマンズにいるらしい。五十九歳。 【宿】トーキョーロッジ二百二号室。四階建ての古い安宿だがそれなりに清潔できっちり管理されている。 【吉田】天ぷら屋を営んでいる。八津田は常連。 【ラジェスワル】准尉。サガルによるとチャメリを口説いているとかインドのスパイなんだとか。 【ロバート・フォックスウェル】同じ宿の客。通称ロブ。アメリカ人。二十歳。ある時点から部屋に引きこもっている。

    0
    投稿日: 2022.05.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    メディアの役割とは何なのだろうか。 「情報を伝える」・「真実を暴く」など多くの側面があるけれど、その裏に潜む恐ろしい面を感じた一冊だった。 この話の肝は、国の内乱に巻き込まれても真実を暴く人々と「報道」の名を借りた「娯楽」に振り回されていく人々との価値観の違いがこれでもかと描写されていてとても面白かった。報道への姿勢やその向こうに見えるもの、そして報道を嫌うラジェスワルの言葉や自問自答を繰り返しによって得た答えはそれで終わるものではなくこれからもアップデートされていくものだと思う。 そして、途中まで純粋だったと思っていたサガル君がまさか死体損壊をいとわないほどにまでやばい人だとは思わなかった。彼が太刀洗に叫んだ言葉はとても苦しいものであり、この言葉はいろんな人の心に残れば良いなぁと思いました。 個々に出てきた登場人物達がその後どのような人生を送っているのかが分からないのがその後の物語を想像させて、彼らのサイドストーリーも読みたいと思いました。 この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。 太刀洗万智:茅野愛衣 サガル:高山みなみ 八津田源信:大塚明夫 ロブ・フォックスウェル:下野紘 シュクマル:石川界人 チャメリ:湯屋敦子 牧野太一:平田広明 チーフ:津田健次郎 バラン:諏訪部順一 チャンドラ:古川慎 ゴビン:田村睦心 ラジェスワル:杉田智和

    31
    投稿日: 2022.05.04
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    ネパール王族殺人事件を題材にしたミステリーは米澤穂信の代表作。実際の事件があったカトマンズにいた主人公の緊張感、使命感、周りの人たちとのせめぎ合いだったり探り合いからドラマチックなストーリーに引き込まれた。

    4
    投稿日: 2022.04.24
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    ネパールを舞台に実際に起こった王族殺害事件を題材としてとった話。 主人公は、雑誌記者であり、旅行記事の取材中に王族殺害事件が発生。取材対象をそちらに変え、厳戒態勢下で取材を進めるが、そこに軍人の他殺体が発見される。 物語の主線は、この軍人の死体が王族殺害事件と関連するのか、であり、また、誰が犯行に及んだのか、でもあるが、真相解明後もミステリーとしての完成度は高いが、派手さは無い。 ただ、なぜ事件が起こったのか、の動機の部分には非常に考えさせられるものがあり、この本の評価の高さは、ここの部分にあると感じる。 正義を拠り所にした行為は、時に悪よりも多くの犠牲を払うことがある、という示唆が含まれているように感じた。本書では、ジャーナリズムを通して、正義のあるべき姿が問われるが、この世のあらゆる正義的な行為は同様の面を持つように思われる。

    1
    投稿日: 2022.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    澤穂信さんの作品は「満願」に続き、2作目。もともとあまりミステリーを好まないので、自分から買ったり借りたりはしないのだけれど、今回も夫が買ってきたので。 「満願」の時に抱いた感想と変わらず、米澤さんの文章は本当に端整というか、スキがないというか。一文一文から、作者の思惑、登場人物の伝えたいことが存分に伝わってくる。どうしたらこうも無駄なく、言いたいことをきちんときれいな文章で伝えることができるのか。こんなふうに文章が書けたら、と思わざるを得ない。 で、肝心の内容・・・(ネタバレになります)。 2001年6月にネパールはカトマンズで実際に起こった国王殺害事件を主軸に、ジャーナリストはどうあるべきか、報道とは、といった作者の「知ること」への小さなひっかかりを、主人公を通して問題提起し、内省、そして主人公なりの答えを見出す物語。と、こんなに簡単にまとめていい作品ではないのだけれど。 王宮での事件の取材を依頼した軍人の言葉は、報道者側だけでなく、それを受け取る側にとってもハッとさせられるものだと思う。ネパールの王宮の事件を、日本人ライターの主人公・太刀洗が日本語で書いて、日本に向けて報じたところで何になるんだ、と。この事件がサーカスの見世物のようになるだけではないか、と。そしてその事件を報じようとする太刀洗をサーカスの団長と非難する軍人。 日々世界中から集まる悲劇の報道は、確かにそういった側面もある、いや、むしろほとんどが一時的に娯楽のように扱われ、すぐに次の悲劇へと人々の関心は移っていくのではないか。太刀洗はこの軍人の指摘に答えられなかった。その後、軍人の他殺体が発見され、ここから物語が大きく動き出す。 事件の真相に迫っていきながらも、常に太刀洗の頭にあるのは、あの軍人から突き付けられた言葉への自分なりの答えを探すこと。なんとか報道の意義、自分が書き、伝えることの意味にたどり着くのだけれど、終盤、サガルが太刀洗に突き付けた言葉は私にとってはとても衝撃的だった。 サガルの主張は、このようなもの。外国人記者の報道によって、ネパールの子供が働く劣悪な環境の工場が閉鎖された。するとその工場で働いていたサガルの兄は稼ぐ術を失い、がれき拾いのようなことをするしかなく、そのことで傷を負い、亡くなったと。それでサガルは記者やカメラマンを憎むようになり、太刀洗を貶めるつもりだったと。 サガルの考えは子供っぽく短絡的過ぎる、と切り捨てることは絶対にできないと思う。遠いところから来た者が正義のつもりで行ったことが、現地の人々にとって必ずしも良かったとはならないことは長い歴史の中で多々起きている。それでも、真実を書き、伝えていくことを決意する太刀洗・・・。 報道の在り方について改めて考えるきっかけとなると同時に、物事も人も多面的だと痛感した。誇り高き軍人が密売に手を出すこともあるし、穏やかに説教をする僧が人を殺めることもある。太刀洗が八津田に「冷たいものを抱えている」と言われた時には、うーんと唸ってしまった。 相変わらず、レビューとしてはまとまっていないけれど、特に中盤からは先が気になる読書となった。

    7
    投稿日: 2022.04.21
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    評判通りの傑作です。 何度か読む後に、味が出てくる前作とは異なり初読からガツンときました。海外が舞台なのにかなりリアリティのある描写で、作者のこの作品にかける思いの強さを感じた。 小さな伏線も回収されて綺麗に纏まって読後も達成感がありました。 一方で話は重く、ミステリ側面以外の部分でさまざまな問題提起をしている作品。

    1
    投稿日: 2022.04.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私が生きている世界を明らかにしたい、という太刀洗の意志を心に焼き付けたくて、何度でも読んで何度でもまた傷つくと思う、でもすごく大切な一冊になった。読んで良かった。

    1
    投稿日: 2022.04.10
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    ミステリーとしては特別に面白い謎、興味深い謎だとは思わなかったが、主人公に投げかけられた問いにまつわるストーリーと謎の解明とが綺麗に絡み合っていて、読後感が気持ち良い。

    0
    投稿日: 2022.03.13
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    記者が登場人物として出てくる(大抵は疎ましい存在)小説はよくありますが、主人公なのは初めて読んだかもしれません。 少なくとも、ここまで報道者の思想、倫理みたいなものに触れたのは初めてです。 確かに、新聞やテレビのニュースなども含め、報道された内容から自分で色々考えてる気になってますが、そもそも報道される内容自体が取捨選択されて記者の意向が反映されてるわけで、ある意味操られてると言っても過言ではない。(政治家の失言報道なんかが典型か) かつメディアの力は絶大であり、実際にネパールの子供の死亡率や労働環境を、「当人たちの意思を問わず」変えてしまう力を持っている。 まさにウクライナ侵攻で国際報道を目にする機会が増えてる今、そういう視点でも観てみよう。 ところで物語は結構思ってたのと違う方向に行き着きますが、そんなことより記者の倫理みたいなのがメインになってる気がするのでそんなに気にはならないかな。 ネパールはもちろん行ったことないですが、砂っぽい街の情景が浮かんできます。

    4
    投稿日: 2022.03.08
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    実際に起こったネパールの王宮での殺人事件を材料にして、小説は始まる。新聞記者をやめて、観光案内の記事を書くつもりであった太刀洗万智は、目的外の取材をすることになるのだが、都合の良い仕掛けをばらまくのではなく、徹頭徹尾、取材をする万智の動きから逸れることなく、事件の謎が解き明かされていく。当たり前のようなことが、推理小説ではなかなか徹底されることがないのだが、この作品では見事に万智の記者の目で貫かれていて、心地よい読み心地であった。

    1
    投稿日: 2022.02.25
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    米澤穂信さん4冊目(黒牢城→満願→追想五断章)でした。 4冊の中で、読後感がいちばんよろしくありませんでした。サガルの動機、太刀洗万智の行動原理などなど、共感できませんでした...

    1
    投稿日: 2022.02.17
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    登場人物の入り組んだ思惑が、終盤に一気に紐解かれていくさまが最高でした。 ただ犯人は途中で分かってしまう気がします。

    0
    投稿日: 2022.02.11
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    読むと、ネパールの街なかを主人公と一緒にさまよった気分になる。(頭の中では「異邦人」がリフレイン。。) ちょっと色々都合良すぎ? とは思ったが。

    1
    投稿日: 2022.02.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自身の仕事をする意味について大変考えさせられた。ラジェスワルが主人公である真智にした指摘が特に印象深い。彼の指摘はあくまでマスメディアのエゴに対してのものであったが、本書を読み進めている最中、仕事に対しての情熱を失っていた自分には深く刺さるものだった。自身がこなす仕事の先に何があるのか、真智のように自分も深く考える必要がありそうだ。 タイトルである「王とサーカス」の意味もここで明らかになる。マスメディアのエゴや矛盾を短い比喩で表したのは見事としか言いようがない。 読後感は良いものではなかった。真智に対して心から好意的に接してくれた人は何人いたのだろうか。 ラストではマスメディアの独善的な面も語られており、振り返ってみると物語を通してマスメディアの意味について考えさせられていた。 物語の舞台であるネパールの文化についても大変勉強になった。ネパールは小学校時代に担任の先生からホームステイの体験談を聞いていたため、なんとなくの知識はあるつもりだったが、割と最近まで王政だった事実は恥ずかしながら本書で知った。 ネパールの独特な文化、ミステリー、マスメディアの意味、自身の仕事の意味等、情報量が多く、考えごたえのある本であった。

    0
    投稿日: 2022.01.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    王族の惨殺と同時に起こった殺人事件。当然、王族と関係あるのかと思って読んでいくけど何ら関係のない普通の殺人事件。謎解きに工夫もなく人物描写も今ひとつで物語に入り込めず。

    0
    投稿日: 2022.01.03
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    女性ジャ-ナリスト・太刀洗万智(タチアライ マチ)が、雑誌社の海外旅行特集取材のためネパ-ルの首都カトマンズに滞在中、国王、王妃ら王族8人が殺害される大事件に遭遇する。千載一遇のチャンスと、早速取材に奔走する彼女の前に立ち塞がったのは、戒厳令下のネパ-ル警察の監視であった。王宮警備の軍人(ラジェスワル准尉)は事件報道を「自分に降りかかることのない惨劇は、この上もなく刺激的な娯楽だ」と言及し、ジャ-ナリストの書くものなど「サーカスの演し物」に過ぎないと批判する。 報道の真の姿勢を問う、骨太の長編小説です。

    10
    投稿日: 2021.12.23
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    999冊目! 同僚の自殺のショックから立ち直るため、ネパールはカトマンズに向かった雑誌記者の大刀洗万智。目的もなく来たはずのカトマンズで、王族が皇太子に銃撃されるという事件が起こり、ネパールは厳戒態勢となる。万智はその銃撃事件の真相を記者として調べるため、軍人とコンタクトをとるのだが…。 まあまあのボリュームであり、全体にぼんやりよんでもだいじょうぶな冗長具合なので、細切れや何かと平行に読んでも大丈夫なタイプのミステリである。 万智(マチ)とサガルという英語が堪能な少年、アメリカ人の若者ロブ、八津田という60絡みの元日本人僧侶など、序盤は目的もなく様々なキャラクターが出現してやや面食らうところもあるが、王族銃撃事件以降はむしろ話が一本化されるため非常にわかりやすい話となる。 そのなかで、米澤穂信らしいと言いますか、悪いところといいますか、タイトルの『王とサーカス』を説明しようとし始め、その後にマスコミとは何か、全体のプロットをラジェスワルに語らせるなど、ミステリとしてはギリギリアウトな部分が目にも鼻にもつくので、そのへんで一気に減点してしまう。 この作家のもう一つの癖として、人と人とのつながりが、ビジネスライク、利害関係のみで作られているというところがある。本作でも同様で、万智へ恋愛感情を持って寄ってくるものや、別の下心があるものが見られない。それは単純で読みやすい、理解しやすい部分はあるものの、読み終わってからの感想があっさりしすぎてしまうのは致し方ないのではないか。 変にもじったタイトル、さっぱりし過ぎるほどさっぱりした人間関係で、おそらく1年後には読んだことすら忘れてしまいそうな作品である。

    1
    投稿日: 2021.12.14
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    [動機]本屋で平積みを手に取った。受賞した時期?分厚さから買ってからしばらく敬遠してたけど、時間できたから読み始め、引き込まれて一気読み。 米澤穂信という名前も何も知らないまま読む。 圧倒的に面白かった。ミステリーとしてしか読んでなかったけど、同時に『報道とは』というしっかりとしたまた別のテーマが描かれていて、構成力が圧巻でした。もちろんミステリーとしても面白かった。伏線が複線すぎて種明かしで、おーっ!ってなった後にもう一波乱ってのが複数回ありました。 自分は、作家がなぜそのタイトルにしたのか割と気にしながら読むタイプなので、折り返しにもいかないところで王とサーカスの話が出てくるのは正直意外でした。しかしそこからが物語の始まりで、そこまではどこか旅行記気分で読んでいた感じ。状況描写が丁寧な作家さんだな、と感じました。実際行ったつもりにとまでは言いませんが、コロナ禍で旅行できない身としては十分トリップ感強かったです。 主人公の職業は記者で、自分とは関係ありませんが、自分の職業ではどうなのか、考えるきっかけになりました。 何を書いて、何を書かないか。何をやって、何をやらないか。 最後は綺麗な描写で締められていて、本の世界から気持ちよく現実に帰ってこれたので、重たいテーマでずっしりと書いた割に、読後感は爽やかというのが著者の力量なのでしょう。あっぱれ。 他のも読んでみようかな。

    0
    投稿日: 2021.12.13
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    面白い、文句なく★5 女性フリーライターがネパールでの現地調査の最中に、国王の殺害事件が発生。デモ現場やインタビューなど、ルポ取材に奔走する主人公の目の前に、突如死体が現れる。その死体はインタビューした男だった。 事件発生は中盤にも関わらず、序盤から引き込む引き込む。ぐいぐい読んでしまいます。ネパールの情景や混とんとした街並みが目に浮かびます。 米澤穂信の文章はいつも美しく、読んでいて日本人に生まれてよかったなぁと思わされます。本当にキレイ。 主人公のライターとしての葛藤や生き様が荒々しくも繊細に描写され、その他の登場人物も全員が生き生きとしています。 テーマとなっているジャーナリズムも、飽食な情報社会を皮肉っています。単なる見世物として扱ってしまい、自身が熟慮して行動ができているかを考えさせられました。 ミステリー要素も論理的で納得性が高く、犯人や真相の意外性も一級品。ホントにほめる要素しかない。 トリック一発、叙述トリックをひねくり回すのではなく、ミステリーの総合力がスゴイ。万人におすすめしたい作品でした。

    20
    投稿日: 2021.12.01
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    メッセージ性の強い作品。ミステリの方も非常に完成度が高く、読み応えのある物語になっている。 「ジャーナリズムとは」 語り手である大刀洗を通して、読み手である我々もきっとこのテーマを考えしまうはず。

    4
    投稿日: 2021.10.29
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    ネパールに訪れた日本人のフリーライターによる、王族殺害事件と軍人の殺害事件の取材のお話 「ジャーナリズムとは?」を問う社会派ミステリ 「さよなら妖精」の太刀洗万智さんが主人公 新聞社を5年で辞めてフリーランスになって初の仕事 そしてマーヤとの出会いから10年 旅行記事の取材のためにネパールの首都カトマンズを訪れたところ 皇太子の銃乱射による王族の殺害事件が発生し、その取材の途中で殺人事件の遺体に出くわす 殺人事件と王族の事件の関係は?自分に接触したが故なのか?ジャーナリストとして報道すべき事とは何なのか?を考えさせられる万智さんの行動とは 王族の殺害事件とその後の王位継承のあれこれは実際の事件のようだ そしてその真相は未だに不明と 現実の事件を元にしているのはさよなら妖精と同じですか…… 殺人事件の真相に関しては二重三重の真相があって、終盤の怒涛の展開に驚かされっぱなし しかしまぁ、登場人物がそんなに多くないので、ある程度の予想はつくけど、そこに至る理由や真相を語る会話の鋭さがすごい そしてジャーナリズムとは何なのかという命題 「知る権利」や「知られるメリット」はあるかもしれないけど 結局は、自分の身に降りかからない刺激的な悲劇という娯楽を提供しているだけなのでは?という指摘 もし、自分が戦禍にまみれたとして、諸外国に情報が伝わり好転するというのであれば報道の意義はあるだろうけど 全ての報道がそんな目的のために行われているわけではない 「お前の信念の中身はなんだ。お前が真実を伝える者だというのなら、なんのために伝えようとしているのか教えてくれ」 「悲劇は楽しまれるという宿命」にあり、「自分の身に降りかかることのない惨劇は、この上もなく刺激的な娯楽だ」 という主張にちゃんと答えられるジャーナリストっているのだろうか? 作中でも、報道写真家ケビン・カーターの「ハゲワシと少女」の件が挙がっているように ジャーナリズムの前に、は当事者としてできることはあったのではないかという疑問 「この国をサーカス(見世物)にするつもりはないのだ。もう二度と」 と当事者に言われて、それを説得できる人がいるとは思えないな 解説でも書かれてあるけど、素人の探偵が何の権限も持たずに訳知り顔で勝手に捜査して無責任に犯人を推理する行為 ミステリではそのへんをわきまえている探偵役もいると言えばいる なので、自分もリスクを背負った探偵役の物語は好感が持てる 「彼は誇り高い男でした」と評さえるような そして、大人な自分を叱ってくれる存在はすごいと思うけれども だからといってその人物が清廉潔白とは限らない 誇り高い言葉を口にしながら、手はいくらでも裏切れるし 手を汚してきた男が、譲れない一点では驚くほど清廉になる というのは鬼平犯科帳で言われている事にもつながるなぁ 一番ドキッとしたのは、八津田からの「お前が言うか案件」 さよなら妖精でもそうだけど、この物語でも万智さんのスタンスと言うか、何を重視するかという冷酷さと、現実的にできることの冷静な判断がよく現れていると思う だからこそ、ジャーナリストという立場になったんだろうか?

    4
    投稿日: 2021.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ケビンカーターの「ハゲワシと少女」自体は知っていましたが、その先に起こった悲劇は知りませんでした。 先進国?と呼ばれる国から見た発展途上国における驚愕の事件、民族間の大量虐殺など、地理的に遠い場所に関するニュースを、私は図らずともエンタメとして消費してしまっていたと気付かされました。 ことわざで「言わぬが仏」というものがありますが、発信してしまうことの影響と、それが自己満足に帰結しないかどうか、再考する必要性を感じさせられました。

    0
    投稿日: 2021.10.18
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    これは、よかった! メッセージ性が強い作品。 ジャーナリズムとは? 新興国支援とは? こういったメッセージ性をもったミステリーは好きです。 ただ、残念だったのは、主人公の太刀洗万智は「真実の10メートル手前」という作品で描かれているとのこと。そっちを先に読めばよかった。 ストーリとしては、 海外旅行特集の事前取材のため、フリージャーナリストの万智はネパールのカトマンズのトーキョーロッジへ。 そこで知り合ったのが、日本人僧侶の八津田、アメリカ人大学生のロブ、インド人商人のシュクマル、女主人のチャメリ。そして、土産物売りの少年サガル。 サガルをガイドにカトマンズを取材しようとしていたとき、王宮にて、国王殺害事件が発生。 日本と連絡をとり、急遽、この事件の取材を開始。 そして、チャメリの紹介で、事件当夜、王宮にいたと思われるラジュスワル准尉と面会が叶います。 ラジュスワル准尉から事件の真相を取材しようとしますが、ラジュスワル准尉は取材を拒否。そして、彼の発する言葉がジャーナリズムの神髄を震わせます。 伝えるということ? 真のジャーナリズムとは? さらに、その面会の後、ラジュスワル准尉は何者かによって殺害。 誰がラジュスワル准尉を殺したのか? そして、明らかになる真相 ジャーナリストとしての矜持 さらにその事件の奥底にあった真実、想い、悪意... それがとても重い... ラジュスワルが発したメッセージ スワルの発したメッセージ が刺さります。 これは、お勧め!

    18
    投稿日: 2021.09.26
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    ジャーナリズムとはなんぞというテーマはわかるんやけど、そこにもひとつ興味が持てず。 殺人事件の結末には納得。重いものが残る。

    0
    投稿日: 2021.09.13
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    「さよなら妖精」で出てきた太刀洗万智は大学を卒業し新聞社に勤めたがそこもやめ今はフリーの雑誌記者。旅行特集の事前取材にネパールを訪れるが、そこでネパール王族殺害事件に遭遇する。実際に2001年に起きたその事件を軸に、その取材記を軸に描く。太刀洗にとって記事を書くことはなにか、を自分に突き付けることになった。 山ののどかな高校生だった万智が28才。活躍を見守る。 2015発表 2015.7.31初版 2015.8.7再版 図書館

    2
    投稿日: 2021.09.06
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    ミステリーにカテゴライズされている本書だが、紀行文としても十分楽しい。 そしてジャーナリズムとは?という重い問いかけも含まれていて考えさせられる。 手に取った時の印象とはまるで違った。でも、良い裏切り。

    0
    投稿日: 2021.08.24
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    『王とサーカス』 米澤穂信 2001年ネパール、カトマンズ。 王宮で皇太子が国王をはじめとする王族を銃殺する事件が勃発する。 偶然、ネパールの取材に来ていたフリーの記者、太刀洗万智がその衝撃的な事件を取材するうちに、彼女と関わった軍人のラジェスワル准尉が無残な死体となって発見される。 彼の背中にはある文字が刻まれていた。 「INFORMER(密告者)」  (感想) ネパールで実際に起こった王族殺人事件を題材にしていることにまず驚きました。 まるで、著者が実際にその場で取材をして書いたかのような臨場感があり、また、色んな謎が散りばめられていて、最後までスリルを味わいながら読み切りました。 亡くなる前のラジェスワル准尉に太刀洗万智は王族殺害事件について取材を試みるも、無下に断られる。 王の死はお喋りの話題でも、いい加減に面白く脚色されていいことでもないと。 自分に降りかかることのない惨劇は、この上なく刺激的な娯楽だ。もう二度と「王の死」というメインイベントで、この国をサーカスするつもりはないのだと。 なんとか取材を受けてくれるよう説得する太刀洗万智に放ったラジェスワル准尉の言葉が心に残りました。 「確かに信念を持つ者は美しい。信じた道に殉ずる者の生き方は凄みを帯びる。だが、泥棒には泥棒の信念が、詐欺師には詐欺師の信念がある。信念を持つこととそれが正しいことの間には関係がない。」 #ブクログ

    1
    投稿日: 2021.08.15
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    ネパールという国の溢れる情緒に触れる 巻き起こる国家規模での一大事件 そして現れる死体 序盤の時点で散りばめられていた小さな伏線 次々見えて来る人々の背景 問われるジャーナリズム どんな大義名分振りかざそうと結局 私がそうしたいから  知る事 知らせる事 それによって”知られた人々”がどうなっていくのか、想像力が試される 報道されたニュースを人々が娯楽と感じそれがサーカスのようだと彼は言ったけど 王とは読者の事で、この物語自体をサーカスだとするならこれまた皮肉な、捻くれた一冊

    0
    投稿日: 2021.08.15
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    フリージャーナリストの太刀洗万智は観光取材でネパールを訪れていたが、その最中、ネパール王族殺害事件が起こる。 彼女はその事件に照準を切り替えて取材を進めていくが、その中で、人々のエンターテインメントのように捉えられがちな他人の不幸をなぜわざわざ伝える必要があるのかというジャーナリズムの根底を問われることになる。 本作は『さよなら妖精』に続くシリーズとなっている。 ストーリーが続いているわけではないが、本作主人公の大刀洗万智は『さよなら妖精』でも主要登場人物であった。 彼女のジャーナリズムや物事の考え方には『さよなら妖精』で経験した事件の影響もあり、併せて読むと楽しめる。 ネパール王族殺害事件は実際に起こった出来事で、過去作でもこの現実とフィクションを融合させたスタイルは見せていたが、本作でもその手腕が発揮されている。 また、著者の作品には人間の悪意を描いた作品が多いが、それは本作でも同様だ。 善人にも暗い一面があり、誰もが悪意を抱えている。 私がこれまでに読んだ著者の作品の中には短編が多く、なかなか人物の内面を掘り下げることができず、「気分の悪い話だな」という感想で終わってしまうことが多かったが、本作は長編で人物背景がよく描かれているので人々の悪意にも納得できることが多かった。 単純に見える一つの事件には複数人の悪意が複雑に絡まっていて、そのリアルさとそれを紐解いていくの時の気持ちよさがよかった。

    5
    投稿日: 2021.08.03
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    「さよなら妖精」から、10年後フリージャーナリストになった太刀洗がネパールで起きる国王殺害事件をきっかけに始まるミステリー。異国で起こった謎に真実を探す太刀洗の強さと弱さを垣間見れた。ミステリー部分は、申し分ない面白さだった。関係無いけど、センドーの方が呼びやすいよな。笑

    1
    投稿日: 2021.08.01
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    太刀洗万智が突き進むのと同じように突き進んで読んで、休む暇無く読了。緊張感があるシーンもあり、結末は予想しつつ確信は得られずで、読み進めながら本当に面白かった。 太刀洗万智シリーズまた出て欲しいなー

    6
    投稿日: 2021.07.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ミステリーとしてはもちろん、ジャーナリストとは…ジャーナリズムとは…というジャーナリズム論、そして、カトマンズの匂いを感じられる風土、生活の色、生きる術…幾重にも重なる多面的な話には、ただ伏線を回収しているのではなく、知的好奇心もくすぐられ、本の厚さ以上の重厚感を感じられた。 本好きな人に薦めたい一冊。

    1
    投稿日: 2021.05.04
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    間違いなく良作の部類 米澤節が光るミステリ要素は安定感があり、今回は更に万智が直面するジャーナリズムの功罪について私の心にも一石投じられたようであった。 文章は読みやすく没入度も高かったように思う。 また、太刀洗万智がジャーナリストを志すきっかけとなった「さよなら妖精」を読了後であれば中盤ぐっとくるシーンがあるためおすすめ。 読後には米澤先生特有?のざらついた感覚が残るがそれが少し癖になってきた。 このベルーフシリーズ自体現在は本作とその後を描く「真実の10メートル手前」しか発表されていないものの、今後も忘れたころに続編が出てくれればなと期待する。 その分古典部シリーズの続編が遠のくと思えば複雑な感情も抱くが。。。

    5
    投稿日: 2021.05.01
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    太刀洗さんについては「さよなら妖精」で見せた「当事者でも無いのに深入りすることへの姿勢」が頭にあり、あの子しか出てこないけど「深入り」するのか?しかも記者だし…と、どうなるのか、彼女に何があっても記者の道を進んでいるのか気になる。 王族が殺される事件が発生する。 読み進めると、それとはまた別に起きた殺人事件を追うことになる。 なんだか思っていたのと違うかも… と不安になりながらも異国の描写に飽きずスラスラ進む。 そして記者として、取材される側にとっては不祥事、恥であるニュースを自国に伝えることの意味について事件の関係者問われることになる太刀洗さん。 ここら辺の葛藤は読んでて唸る。 日々起こる悲劇のニュースを受け取る、聞き流して生活する自分、見えている部分は取捨選択された後の状態であり裏側にはまた別の真実があるかもしれない。人間もまた同じ。 でも(サーカスで次に何が起こるのかを楽しみに待つように)悲劇を消費している。 だんだん思っていたのと違う方に進むなと思ってしまっていた心 あらすじにはちゃんと書いてあるのに 「王族の死を探偵が解決!」みたいなエンタメを期待する心こそ 「サーカスを待つ人」そのもの… こういう違和感も気付いてるはずなのにどこかに流してしまっている。 三崎亜記さんの「となり町戦争」にも通ずる。 記事を執筆することに向き合う(そして推理する)場面は、少しだけ前作の主人公と重なって、大人になった姿に切なさを感じつつ太刀洗さんのプロ意識に敬服… 毎度のことだけど、米澤穂信さん 真相が切ない、哀しいの多いですね。 メモ:「先人や競合がいる中で自分がなぜそれをするのか」については重要なひとつの解釈を頂いた。

    35
    投稿日: 2021.03.03
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    正しい情報を伝える難しさと 誤報の裏に隠された悲しみ。 悲観的であればあるほど人は興味を持ち、 それはひと時の娯楽に過ぎない。 なるほど、と思える作品だった。

    3
    投稿日: 2021.02.24
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    万智がカトマンズのトーキョーロッジで目覚める冒頭のシーンに怪しさを覚える。国王殺害事件が起こりラジュスワル准尉殺人事件の関係性を想像しながら読んでいきました。ロッジの近所に棲むサガル少年と万智の交流が最後の方で重要になってきます。異邦人の感覚で見るネパールの情景が伝わる。

    11
    投稿日: 2021.02.06
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    ネパール、カトマンズの街並み描写がすごく丁寧で、空気感が伝わってくる。行ってみたくなる。ちょっとくどく感じて読み飛ばした部分があったので、時間を置いて読み直したい。 王とサーカス、タイトル自体が問題提起そのもの。ミステリーなんだけど、ジャーナリズムのあり方について思索する部分が多く、ミステリーだけに没頭できない感じがあった。 メディアの役割とか立ち位置って、まさにメディアに携わる者が常に自ら問い続けていかないといけないもの。だからこそ、多様になっていくし、創造的にもなっていく。そこが魅力であり、魔力でもある。戦場ジャーナリストと言われる人はその魔力にはまっていくのかもしれない。 一方、情報を受けとる側は、単なる一過性のものではなく、重層的なものとして捉えていきたい。まさにサーカスのように、その一瞬だけを楽しむものとして扱うのではなく。さらに、そのメディアを消耗品とするか否か、その価値は自分で見極めたい。

    0
    投稿日: 2021.01.18
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    視野を狭めて注視することで、 売れるおもしろい記事が書けます。 (以下抜粋) ○俺は何度も言ったぞ。あんたのようなよそ者が訳知り顔で俺たちは悲惨だと書いたから、俺たちはこの街で這いずりまわっている、と。上を向いて王さまの話ばかり聞いていたせいで気づかなかったのかよ!(P.401)

    1
    投稿日: 2020.12.27
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    サーカスすなわち見世物。 センセーショナルな話題は聴衆を惹き付ける。 そんな誘惑とどう折り合いをつけるか悩みつつ不審死の謎を解き明かす。

    0
    投稿日: 2020.12.22
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    サーカスがあってはじめて場所を認識することもあるし、あらゆる結果が常に想定できるものでもない。と遠くの安全地帯でつぶやく私には、全体的に厳しい話だった。 太刀洗さんの真摯さは読者にとって常に救いであり、また、太刀洗さんを刻む刃でもある。 一方で清廉な人がほかで何をしてるかわからないなんて、当たり前のこと、という、まあ、当たり前の台詞が胸をつく。 そうね、訃報で物を売るのも訃報記事も図書館の訃報展示もとても嫌だなあ、といつも思う。そこに金銭の授受がなくても。

    0
    投稿日: 2020.12.14
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    悲劇と娯楽、ジャーナリズムなど普段深く考えないことについて考えることができた。伝えることへの正義を記者の方はいつも考えていると思うと、深い仕事だと思った。終盤のヤツダの一言が、ぐさりと自分に言われているようで考えさせられた。

    1
    投稿日: 2020.11.23
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    ’16年版「このミス」1位作品。 面白かったー! 導入。馴染みのないネパールという国の日常の風景がふわっと広がっていく。自分もそこにいる既視感を味わえる。このままネパールガイドブックでもいいなと思いつつ、でもこれはミステリー、美しいであろう景色とどことなく不穏な空気漂う日常の進む先に期待は膨らむ。 そして当然、事件は起きる。 主人公が女性。舞台は外国。ってだけでハラハラドキドキ感が2倍増しな気が。あまりの臨場感に“日本でこうしてミステリー小説を読んでるだけがいい”と心底思ってしまった(笑 サガルのことはきっと忘れたくても忘れられない気がした。

    0
    投稿日: 2020.10.13
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    読む前の想像とは全く違うシリアスな内容であった 奇想天外な物語をイメージしていた まあ面白かったが、なんとなく米澤穂信風ではない

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    投稿日: 2020.08.18
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    フリーの女性記者、太刀洗は、知人の雑誌編集者から海外旅行特集の仕事を受け、事前取材のためネパールに向かった。到着早々、王宮で国王をはじめとする王族殺害事件が勃発する。太刀洗はジャーナリストとして早速取材を開始したが、取材をしていた人物が遺体で発見される。王族殺害事件とその人物の死につながりがあるのか?太刀洗が辿り着いた痛切な真実とは。という物語。ネパールの国際事情を知らないということもありイマイチ話が頭に入ってきませんでした。犯人も途中で検討が付きましたしこれといって驚く展開もなかったです。

    0
    投稿日: 2020.07.26
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    満願がとっても良かったので続けて読んでみたけど、どうしても日本人が海外を舞台にした物は苦手。その土地を熟成している人が書いたものとそうでないものの違いが どうしても無理。全く持って私の偏見かもしれないけど。

    0
    投稿日: 2020.07.06
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    太刀洗万智シリーズ2作目。 ネパールの首都カトマンズで実際に起こった王族殺人事件を背景に、もう1つの殺人事件を描いたミステリー作品。 事件の真相に迫るまでの伏線回収がとても素晴らしかった。 また、ジャーナリズムの役割とは何か考えあぐねる主人公の姿が描かれており、わたしの身の回りに溢れた情報の見方が少しだけ変わった気がした。

    0
    投稿日: 2020.06.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とても面白かったです。 事件の謎解きというよりかは、登場人物の謎めいた人間性を解き明かしていくのがメインだった気がします。 サガルとの最後の場面はなんとも言えない気持ちになりました…。

    0
    投稿日: 2020.05.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    舞台は2001年のネパール。 記者の太刀洗万智は、そこでネパール国王一家殺害事件に遭遇する。 その事件を追ううちに、事件現場の王宮にいたというラジェスワル准尉に取材をすることになる。 結局聞きたいことは何も聞けなかったが、そこで准尉に何故事件のことを知りたいのか、何故伝えたいのかと問われる。 明確な答えを持ち合わせていなかった主人公。 この一連のやり取りがとても印象的だった。 「真実ほど容易くねじ曲げられるものはない」(p172)という准尉。その主張は最もである。 真実を伝える側は、慎重になる責任がある。 逡巡の末、主人公が至った結論は、様々な媒体による報道がより真実に近づくということだった。彼女には伝える意義がある。 そして、そのラジェスワルが遺体で見つかる。 何故彼は死んだのか。 後半は、その真相が展開されていく。 エンターテイメントとしても十分面白いが、 ピュリッツァー賞を得た「ハゲワシと少女」の話が出てきたり、報道とは何かという深いテーマが本書をより一層読む意義のあるものにしている。 ネパールの風景を少し感じることが出来て、ネパールに行ってみたいなとも思った。 そしてとても面白かった。 ※単行本ではなくハードカバーを読んだ

    0
    投稿日: 2020.05.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    母より。 ネパールの首都カトマンズを舞台に、歴史上の事件に題材をとったミステリ。 という説明もいらないほど有名な小説であろう。 文章に関しても、筋書きに関しても、全く申し分なし。 面白いのは、1つ前に読んだ「紅蓮館の殺人」では、「名探偵」は複数登場したし、「(名)探偵たるべきか」「(名)探偵とはいかなるものか」についての議論も交わされていた。一方で、本書では、解説に曰く、そもそも素人探偵が事件を解決するという前提への長年の疑念に対応して、新たな探偵のあり方を問うている、という。確かに著者の作品は、探偵であることを自ら否定しつつも、それでも謎を解いてしまうといったような「探偵」が多い印象もある。 確かに、本書ではフリーのジャーナリストとして一歩を踏み出そうとしている主人公が、自らを問い直し、また結末部分に顕著なように、周囲からも相当の圧を受ける。このままジャーナリストとして、お茶の間を満足させるためにしかならないかもしれない真実を暴いていくのには、どんな意味があるのか、と。それはまさに解説で言うように、探偵が自ら探偵としての振る舞いをして良いのか、という姿勢にも通じるように思う。面白い観点であると感じた。著者の小説における「探偵」がなべて同様のスタンスで真相究明を行うのは、何か理由があるのだろうか。 と、ここまで書いたが、はっきり言って私にはどちらでも良い。私が好きなのは、いわゆる古典的な本格ミステリなのだと思う。探偵は迷わないでほしい。気弱であってもいいかもしれないけど、探偵は必ず謎を解く。推理小説でそこにつまづくくらいなら、読まなければ良いと思う。昔そういう、なぜミステリなんてものがあるのかわからないという人はいた。いたけど、なら読まなければいい話である。 私は、ご都合主義的なところ、お約束なところがあっても、それを踏まえている推理小説の方が好きである。確かに最近はいろんな探偵像があるように思うし、もちろん人の好みはそれぞれだが、ある型があって、それに作者も読者も共犯のようになって、様式美的に楽しむから推理小説は面白いと、私は思っている。

    0
    投稿日: 2020.05.02
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    米澤作品の中でも一味違う感じがした。ミステリ事態はそれほど複雑ではないが、ネパールで実際にあった事件と不安定な情勢、人の悪意、ジャーナリズムとは何かを描いている。テーマは重いが、考えさせられる、唯一無二の面白さ。

    0
    投稿日: 2020.04.18
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    真実だと? なぜ伝える。 それがどうしてお前なのか。 詰め寄るように重ねられる問い。ことごとく否定される万智の声。 片や王宮という一見おとぎ話のような世界で起きた事件。 片や実際に目の前に現れた、一人の遺体。 彼女にとっては一つの節となる、いい旅になったと思う。今後の成長が楽しみ。 異郷の、わずかに浮遊したような空気に包まれての読書だった。

    0
    投稿日: 2020.04.14
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    久々の米澤さんですが、期待を裏切らない面白さ、堪能させていただきました。この分野、いわゆる「探偵小説・推理小説」から社会派や純文学、SF、クライム小説、ノアール、様々なジャンルとの融合から随分重層的になったことはとても読者としては有難い。本作も色々と筆者の伝えたいテーマが伝わって来る佳作。

    2
    投稿日: 2020.03.13
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    ☆5寄りの☆4 タイトルが秀逸で、読み進めていくうちに、おそらく筆者がずっと書きたかったテーマであっただろうことが不思議と伝わってくる。 ただ、王族の話がメインテーマで無いならば、もう少しジャーナリズムを掘り下げることにページを使って欲しかった気持ちが残る。

    0
    投稿日: 2020.03.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    米澤穂信さんの小説には 息をもつかせぬ…というより 目が離せなくなるような緊迫感がある。 謎を紐解くには一文字も見落としてはならないのだ。 今作も一気に。 読んでいる間ずっと 息を止めていたのではないかと思うほどに  読み終えて ほぅっと大きく息を吐いた。 異国で人と関わるということは それだけで 謎が生まれるものなのかもしれない。

    0
    投稿日: 2020.03.07
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    2002? 初読 さよなら妖精の太刀洗さんが出るのと、評価高かったため読んでみた 米澤穂信、バッドエンドというより切ない感じのが多いけど、これもそんな感じ サガル好きだったけど、人の気持ちは難しい ジャーナリズム関連の本なぜか最近読むこと多い気がする?ハゲワシと少女とか

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    投稿日: 2020.02.22
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    大人も子供も人間は自己中心的。 その思いを下敷きにした行動はこわい。 それぞれの登場人物が人間味ある描かれ方で面白かった。 ストーリーの展開も、どうなるんだろ?と先が気になって一気に読んでしまった。

    0
    投稿日: 2020.02.22
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    見える問題には表面的なものも多くて、本質を解決することは本当に難しいことなんやなあと感じさせられた。こういうことを1から考え出すと何もできなくなるから、いつも考えることは余裕のない僕には出来ないけど、でもたまには思い返さないとあかんのやろなと思った。利口な太刀洗。

    0
    投稿日: 2020.02.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでいてまるで自分がネパールに行ったような錯覚を覚えた。主人公・大刀洗万智を通して、スパイスの香り、甘いチヤ、砂の舞う埃っぽい空気を体感させてくれる。国王殺害事件から取材を開始してからは、更に死体を発見し、警察に連行されたりと、次々と巻き込まれていく。その展開にどんどん惹き込まれた。 万智は取材したラジェスワル准尉のジャーナリストは読者に飽きられる前に次の悲劇を供給しているだけだと言われ、記事を書くことへの意義を悩む。 ジャーナリストは傍観者ではない。影響力を持ち、それによって真実も形を変える。 SNSが身近な存在になり情報が絶え間なく最新され、誰もが自ら発信していくことも増えたいま、悲劇を消費していくだけではいけないと考えさせられる。

    0
    投稿日: 2020.01.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    事件が起こるまでが長いがカトマンズの景色を楽しめるのでページを繰る速度には影響しなかった。 そして事件が起きるや否や上がる速度に削られる睡眠時間。 楽しい読書でした。 今作はいつもの苦味はやや薄め。 なんとなくではあるが、あるキャラクターがキーなんだろうなと思いつつ読んでいたので衝撃が和らいだのがもったいなかった。 うがった読み方はするもんじゃないな。 とはいえ、満足のいく読書でした。

    1
    投稿日: 2020.01.26
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    2020/01/22読了 #このミス作品3冊目 ミステリーエンタメというよりは メッセージ性の強い作品でした。 少し重めですが考えさせられます。

    10
    投稿日: 2020.01.22
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    安定の米澤穂信。面白かった。文体と自分との相性の良さもあると思うけれど、小さな謎にまで伏線や解決が存在してすっきりする。 途中、主人公の傲慢さというのか、姿勢に対して嫌な感じを覚えるところも、この中で批判が行われ、自問する描写が良かった。 200105

    0
    投稿日: 2020.01.06
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    本が面白くないわけでなく、読み進めるのに時間がかかってしまった。 最後にスピードがついてくるが、後味も悪い。 書きたいことだけを書くのか。 ありのままを書き、読み手にその後は任せるのか。

    0
    投稿日: 2019.12.27
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    2019/11/24読了。 「このミステリーがすごい!2016年版」 〈週刊文春〉2015年ミステリーベスト10 「ミステリーが読みたい!2016年版」で3冠を達成した、と帯にあったので、かなり期待して読み始めたが… なかなか進まない。 伝わってくるのは、道に迷って「自分探し」をしているの?と、私には思える、主人公の目を通して描かれるカトマンズの埃っぽく混沌とした雰囲気だけ。 なかなか事件も起こらない。 本当に面白いの?これ?と心配に。 読むスピードがグンとアップしたのは、ちょうど本の中間あたりから。 事態が急に動いて、「ミステリー」らしくなってくる。 それからは一気読み。 パーっと靄が晴れて視界が開けた感じがした。 それで、あ、やっぱり面白いな、と。 読み終わってみれば、前半の数々の会話や、何気ない描写がうまく「事件」にリンクしていたと分かるのだけれど、 中盤に差し掛かるまでが、私にはあまりにも冗長な印象。 もっとアップテンポで、初めからドキドキさせる要素があれば良かったのに、と思う。 その点だけが少し残念。

    4
    投稿日: 2019.11.24
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    安易に二転三転させるのではなく、自然に真相を掘り下げ、伏線を回収していく手際が見事。史実を並行して絡めながら事件とも関与させるなど、実は相当入り組んだことをしてるのに読み辛さを感じさせない。旅行記としても興味深く、まさに重層的な面白さを持つ作品。

    5
    投稿日: 2019.10.27
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    短編集「真実の10メートル手前」がよかったので、こちらも購入。 実際におきた事件を背景にしたサスペンスで、とても面白かったです。海外を舞台にしているので、苦手なカタカナの人達がいっぱい出るかなと躊躇していましたが、特に気にならずにスッと物語の世界に入り込めました。 主人公のキャラクターも際立っていて、困難に立ち向かいながらも逃げずに奔走していく姿が良かったです。 後味はスッキリ終わるというわけではありませんが、色んな意味で考えさせられたなという印象でした。 映像化するなら、主人公は菜々緒さんかなと個人的に思いました。

    5
    投稿日: 2019.10.07
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    たまたま王室の殺人事件で揺れるネパールに滞在していたフリーライター太刀洗万智。 フリーライター初仕事としてこの事件のルポを書くことに… てっきりこの王室事件の謎を解くとかスケールの大きい内容だと思っていたので、そうではないということで若干戸惑いはあった。 しかし、ジャーナリズムとは?を問いかけてくる骨太なストーリーで読みごたえもあって満足。 たしかに、関係ないどこかの悲劇は最高の娯楽。それを提供する報道ってなんなのと。これは実際なんとなくそう思っていた節がある。他人の不幸で飯を食う、なんだこの仕事は?これは誰かのためになっているのかと。 しかし旅行記ではなく、異国を舞台にした物語ってなんかいいよね。

    4
    投稿日: 2019.10.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ネパール、異国での殺人事件に巻き込まれたという設定は面白いのだけど、 いまいちぴんとこず。 タイトルにもあるとおり王族の話をもっと深掘りしてほしかったな。 推理小説のなかでのジャンルとしては違うけど、女王の百年密室のような、壮大な暗い話を期待してしまった。。 推理にも、飛躍というか 若干無理があるような、、

    0
    投稿日: 2019.08.23
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    新聞記者をやめフリーライターになった太刀洗万智は、事前取材のためにネパールのカトマンズにやって来る。トーキョーロッジ(この名前は後で意味を持ってくる)という宿で、アメリカ人のローバート・フォックスウェル、インド人のシュクマル、僧侶姿の日本人の八津田、宿の女主人のチャメリ、観光客相手の物売りの少年サガルと交流をしていくのだが、この辺りの描写がごく自然な感じでとても上手い。このまま事件が起こらなくて旅行記となってしまっても、充分面白いのではないかと思わせる。読む楽しみが堪能できるのだ。 しかし、王族一家殺害事件が起こり、大刀洗は取材をすることになって、大きく物語は動き始める。そして、情報を得ようと紹介された軍人のラジェスワルが殺され、大刀洗に嫌疑がかかる。これらの事件の中で、大刀洗はジャーナリズムの意義への疑問を突き付けられ、自らの生き方を問われることになる。大刀洗は、ラジェスワルの事件の謎を自ら解決することによって、最終的には自分なりの生き方の回答を見出すことができたのだ。 最後のどんでん返しは、あっと驚くほどではないが、上手く主人公のジャーナリストとしての生き方と関わってくる。ミステリーという形が、いい具合に生かされている。この作者は上手い!

    15
    投稿日: 2019.08.19
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    良かった。米澤さんのゆるふわ系ではない社会派ミステリ。さよなら妖精とは、万智ちゃんが登場するだけで、何も関連はなかった。 薄靄にかかったネパール。真実は何なのか、何が起きているのか、悪意を持っているのは誰なのか。私はなぜ、書くのか。きちんと向き合っている感じが、最後にスッキリした。

    0
    投稿日: 2019.07.20
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    積ん読になってたのをようやく読了。 「王とサーカス」というタイトルの意味するところを自分なりに理解した時ら目の前に提示されているものの重さに怯みそうになった。 自分の言動について理由や根拠を問われた時、自分の言葉で語れるか。 苦しみながらも逃げずに問いに向き合い続けた主人公にリスペクト。

    1
    投稿日: 2019.07.06
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    informerについて考えさせられる。スリリングな展開とともに、伝える者としての自省が重要なテーマのように見える。ただ、ここまで分厚い本にしなくても。

    0
    投稿日: 2019.07.05
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    こんなに心が震えた小説を読んだのは久しぶりだ。 物事は多面的である。そのことを改めて肝に銘じなければならない。

    0
    投稿日: 2019.06.13
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    報道は読者が求めるニュースを届け、読者はより面白いと感じるニュースを読む。 その結果で生み出される惨劇は報道記者や読者の預かり知らない所で生まれる。 報道とは、真実とは何かを読者に訴えかける 報道のあり方について実際の事件を題材に描かれる。 ちりばめられた言葉に何が正しく何が真実なのか?を考えさせられる本作 いまいちすっきりしないビターな後味が米澤穂信らしい

    0
    投稿日: 2019.06.11
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    最初はなかなか情報の羅列と前作を読んでいる人に主に楽しめる太刀洗さんの紹介で読み進めるのが困難でしたが徐々に面白くなってきた印象でした。 ただ、主人公がどんな時でも表情に出ない28歳の女性という感情移入のしづらさだったことと、思いのほかオチが弱かったことでこの点数です。 これらの王族殺人事件やハゲワシと少女なとは史実のようなのでそれらが小説で深く勉強できたことは逆に嬉しい誤算でした。

    0
    投稿日: 2019.06.10
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    20180602 読み終わるのに随分時間がかかった。内容の整理が追いつかずどんな話なのか中盤までわからなかった。終わってみればミステリーそのもの。しっかりした構成で揺るぎない内容だった。

    0
    投稿日: 2019.06.02
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    ずっと気になってた本作。歴史ミステリなのかと思いきや、ジャーナリズムに焦点を当てている。サーカスの座長ね。そこはかなりギクッとした。私自身がサーカス大好きな常連に思えたから。話のオチは途中で気付いたけど、それよりも米澤穂信さんの考え方やキャラの作り方が好きで。ほんと読ませるなぁと思った。

    1
    投稿日: 2019.05.21
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    ネパール旅行に向けて、おすすめされてたので読んでみた。 たしかに、旅行前に知識をいれるのにちょうどいい風景描写、風習描写。 ストーリーとしては、ミステリ半分、ジャーナリズム半分かな。歴史ミステリってかんじではない。 この王宮事件、ネパール内でも色々な説が言われてるみたいでガイドの話を聞くのもおもしろかった (本の感想とはずれるけど。) 亡き王ビレンドラの弟ギャネンドラは、策略のために幼少の頃一度王になっていたんだって。その策略は終わって、無事しかるべき年長者が王になったんだけど、一度王座についてしまったから2度目はない。でもなりたがっていた。 地元の星占いでは、ギャネンドラは2度王になるって数奇な運命が出てたらしくて、そんなばかなと思われてたけど、ほんとになっちゃったらしい。 読後感は、「氷果」と似てる。 突き刺さる謎解きと、それでも前向きな後味。

    1
    投稿日: 2019.05.17
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    米沢穂信さんの本はあちこちで評価が高くて 一度読んで見たいと思っていたので、ようやく読めた、と言う感じだが、 初めて読んだと言う気がしない懐かしい感じの文体だな、 と言うのが個人的第一印象。 とても読みやすく、面白かった。 お話の舞台がネパールと言うのも入り込みやすく、 あっという間に私自身がネパールに居るかのような感覚に陥り 本の世界に没頭していった。 太刀洗万智が主役のシリーズが他にもあると知って続けて読みたいと思った。

    0
    投稿日: 2019.05.03
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    ネパールが舞台というのもいい。 実際にあった王宮内殺人事件とリンクさせながら話は進んでいく。 取材、報道の在り方、真実とは何か、またそれを伝えることはその国の人にとってもいいことなのか。。。 ただのミステリー小説ではなく、深く考えさせられる小説である。

    0
    投稿日: 2019.04.27
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    太刀洗万智シリーズ。ネパールの観光記を書くために、トーキョー・ロッジに滞在してた記者タチアライは、国家の変事に遭遇する事になり、急遽ルポライターをかって出るが

    0
    投稿日: 2019.04.12
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    初めて読む作家さん。 面白かった! たまたまTwitterで誰かがお勧めしていたのがリツイされていて読んでみようと思ったこともあり、世の中にはまだまだ自分の知らない、面白いものを書く人がいるものだ、と改めて実感した作品。 新聞社を辞め、フリーのジャーナリストとして生きていくことを決意した主人公が、「ジャーナリズムとは何か」「ジャーナリズムはなぜ必要か」という根源的な問いを突き付けられながら、自分の道を見つけていく過程と、ミステリーとしての謎解きがリンクしている描写が秀逸。 中盤に差し掛かるまで特にこれといった事件が起こらず、紀行物として読ませつつ、しっかり伏線を張っている構成も素晴らしい。 実際の事件を描いていることで、臨場感もあって続きが気になりどんどん読み進めてしまった。 シリーズの他作品も読んでみようと思う。

    0
    投稿日: 2019.04.10
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    2019/4/4 読了 主人公が特に素晴らしい能力を持つ訳ではなく、自らを叱咤し、人の言葉を受け悩みながらも前に前にすすむのが良かった。 社会のためといいながら、究極は自らのためにしかならないというジレンマ?みたいな悩みに八田が完成を求めてあがいてるんだ的な回答も良かった。

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    投稿日: 2019.04.04
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    自分もサーカスに興じる一人になっているなと思った。悲惨な現状も普遍化すればサーカスにはならず、記事が面白くなければ興味もひけない。メディアの力の怖さを感じる。

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    投稿日: 2019.03.30