
総合評価
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powered by ブクログそんな展開になるとは…想像をはるかに超えてきた。恐怖すら感じた。下巻は特にどうなるのかハラハラして一気に読んでしまった。面白すぎる。
0投稿日: 2025.08.25
powered by ブクログ2025.08.19 さまざまな伏線が最後に回収されていく様は素晴らしい。ストーリーも楽しい。 しかし、女性の内面というのはこういうものなのだろうかという疑念は拭えない。同じ題材で同じストーリーで登場する人物の内面を近年の女性作家に描き直してもらうとどういう読後感になるのかを夢想した。
5投稿日: 2025.08.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ドラマが好きだったので小説も読んでみました。 ラストに向かうにつれ元子の女性味が描かれていき、人の恨みというものの恐ろしさを感じました。
0投稿日: 2025.07.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とても面白かった 読んで行くうちに何故か元子に頑張って欲しいという気持ちになってしまい、最後は元子が可哀想に思えてしまった
0投稿日: 2025.06.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上巻の元子は応援したくなり、やるねえ〜と思いながら読んだ。頭の切れる人はかっこいい。構成が良いのでサクサク読んだ。 だが、下巻の元子はどうにも好きになれなかった。安島のくだりでは、今まで数字を見つめてきた人間が、そんな急に熱心になるものか?と思い、「敏腕であっても所詮は女だ」とでも言わんばかりの描き様に、興ざめした。女性の描き方が時代ならではで、今の感覚で読むものではないということだろう。 最後のどんでん返しでは元子は裏切りに裏切られ、寒気がした。そんな、ここまでしなくても、いいじゃないですか?妊娠・流産に関しては、「成り上がった女の転落」を描きたいばかりのように思ってしまった。後味があまりにも悪く、人間不信になりそうだ。
0投稿日: 2025.05.28
powered by ブクログ『紙の月』に続いて女性行員横領もの。超有名な作品ですが、ちゃんと読むのは初めて。 1980年の作品で、土地転がし、脱税、不正入学など、バブル前の欲望渦巻く雰囲気がよく出ています。何度もドラマ化されていて、その度に現代風にアレンジされているのだと思いますが、基本的にはこの時代背景があってこそ成り立つ物語だなと思います。 銀行から横領した金で銀座のママに転身したところから物語が始まるので、残念ながら思っていたほど横領の話は出てこなかった。この頃は架空口座や無記名口座が法律で禁止されてなかったことにまず驚きます。 「優生保護法」とかもさらっとでてくるんですが、これが1996年まで存在していたことも今考えると怖い。 バア「カルネ」がある銀座よりも、赤坂のホテルや原宿のビル、医科進学ゼミナール、法務局港出張所などの描写が細かく、そのまま聖地巡礼できそうですが、おそらく現存しない建物が多そうで、今はなき時代の風景が感じられます。 赤坂見附のYホテルのモデルは立地と描写からすると、赤坂エクセルホテル東急(東急赤坂ビル)。2023年に閉館しています。 (上巻276) 元子は、地下鉄の赤坂見附で降りてコンクリートの階段を上った。午後四時半だった。 路上に出た正面に十五階のYホテルがある。一、二階がテナントの商店街で、そのならんだ陳列窓の賑やかさが、車の混雑する大道路を隔てたこちらからもよく見えた。一階のホテル入口はせまく、突き出た飾り日覆い(テント)の下に赤い服のドアマンが立っていた。 主人公の元子は美人というわけではなく、頭がいいというよりは銀行員時代に培った地道な調査と金勘定、度胸の良さで男たちから金を巻き上げていきます。 悪女ではあるけれど、悪どいことをして稼いだ金を奪って何が悪いと、男たちにひとりで立ち向かっていこうとする姿には惚れ惚れするところもあり、彼女が追い詰められて行く後半は読んでいて辛かったです。 せっかく横領した金で小さなバアのママになったんだから、まずはその店を繁盛させてからもっと大きな店をめざせよとは思いますが、お金を稼ぐことより奪いとることに夢中になってしまう感じが哀れです。 色気で男を籠絡し、金を出して保護してもらう波子とは手段が対局ではありますが、結局のところ、元子も波子も男たちのホモソーシャルに踊らされた感があり、嫌な読後感が残りました。 昭和の男性作家による小説ですから、これも時代を反映しているわけですが。 (下巻296) 赤坂から青山通りへ出て、表参道へ折れる。これも赤い尾灯の流れの中だ。対向車の眩しい光の殺到。両側の照明の輝き。銀杏並木が影絵で浮き出ている。その下で人々のそぞろ歩き。女たちの上半身はほとんどが半裸体だった。感覚の馴れた日常的な風景も、こんな気持ちのときには妙に遠く、新しく映る。 以下、引用。 72 あくる日の午後、元子は東麻布二丁目の法務局港出張所に行った。 タクシーで行ったが、場所がちょっと分りにくかった。狸穴のソ連大使館の裏側で、坂道を下って右や左に曲る。運転手も道順を人に訊かねばならなかった。 法務局港出張所は、レストランにしてもいいくらい、ちょっとしゃれた白亜の二層建築だった。事務所は二階にあり、道路面から斜めについた石段を上った。 73 石段を降りて行くと、近所には司法書士の看板を出した間口のせまい家がならんでいる。 103 灯が入ると活気を帯びる原宿の「ファッションの街」も、昼間はふつうの通りとそれほど変りなく、両側の新緑の銀杏並木と商店の列の間を、若い男女が通行人の間にちらちらしているだけだった。ただ、銀杏並木の下に駐めてある車はスポーツ・カーやしゃれた外車などが目立つ。 原宿の様相は急激に変貌しつつある。新しい建物が次々とふえ、一年くらい見ないで行くと、まるでよその土地を訪れたようである。 明治通りの表参道入口から原宿駅のほうへ向うゆるやかな上り勾配の途中、左側にもビルの新築・改築がつづいているが、その一つにチョコレート色の化粧煉瓦で装った六階建があり、正面には「信栄ビル」の金属文字がならんでいた。 130 新宿区喜久井町四一六番地。 「大久保から飯田橋へ向う道の途中に、若松町というバス停がある。それを北へ坂道を下りて行く。下りた突き当たりが喜久井町だ。ちょうど早稲田通りの南側になる。そのへんで本校の名を聞いてもらえばすぐに知れる」 131 若松町のバス停から北へいったん下った道は、その谷から隆起した喜久井町の高台へと上っている。「医科進学ゼミナール」はその高台の斜面にある白い学校ふうな建物で、外観は小さいながら大学の校舎かと思われるくらいだった。 159 こうした事態に進展しかねないのを恐れたからこそ、東林銀行千葉支店の藤岡市支店長、村井次長らは、七千五百六十八万円の行金横領を黙認したのだ、と元子はいまさらのように思い出す。その想い出は、この初夏の微風のように爽快なものだった。 162 元子は、村井次長が云ったように「ずぶとい女」とも、また楢林院長が云ったように「したたかな女」とも、自分では思っていない。自分の心の自然な進歩だと考えている。顔も肉体も変らないように、そしてそれが年を重ねてゆくように、自然の経過だと思っている。心の土台は違わない。気持ちも二十一、ニのころと変らないのである。 166 豊川稲荷は、青山通りが赤坂見附の坂にかかるところにある。その高みの石垣は車の奔流する川の岸辺といった感じだった。豊川稲荷と墨で書いた真赤な提灯が本堂の軒先にずらりとならび、境内の茶店にも同じ赤提灯が張りめぐらされてあるので、まるで歌舞伎の舞台を見るような華やかさだった。 正面は破風造りの本堂である。赤い鳥居は寺のわきにある玉垣の中だった。火焔宝珠の付いた幟が無数に立つ石だたみの狭い参道がある。正面には祠があった。 276 四千万円を得るには、今後どれだけかかるかわからない。失ってみてはじめてその大金の価値がわかってくる。金銭は持っている間はそれほど多いとも思わ布ものだ。もっとふやしたいと考えるため、いつまで経っても財産が少ないように見える。金を失ったとき、その慢性意識をはじめて思い知らされる。 296 赤坂から青山通りへ出て、表参道へ折れる。これも赤い尾灯の流れの中だ。対向車の眩しい光の殺到。両側の照明の輝き。銀杏並木が影絵で浮き出ている。その下で人々のそぞろ歩き。女たちの上半身はほとんどが半裸体だった。感覚の馴れた日常的な風景も、こんな気持ちのときには妙に遠く、新しく映る。
0投稿日: 2025.05.06
powered by ブクログ2回目でしたが、面白く一気読みしました。 女性心理描写が多い作品ですが、女性の観点からはどのように映るのか、女性読者からご意見をお聞きしたい作品です。
0投稿日: 2025.05.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
弱みに付け込んで多くの人たちから金を巻き上げ、順風満帆に元子は銀座でのし上がるが、やはり恨みを買い過ぎた。最後は怒涛のしっぺ返しを喰らってしまう。人間模様も面白いが、銀座のクラブの仕組みや医師の脱税、医学部受験予備校の闇などの当時の社会の様子も読んでいて面白かった。インターネットなど無い時代に、松本清張はどのように調査や取材をしたのだろう。
0投稿日: 2025.04.27
powered by ブクログさすがでした。 女の事件簿が、ちゃんとサスペンスになりました。 あざやかな伏線回収でスッキリというより、ちょっと寒気がしたら止まらなくなっちゃったという感じでした。 今も夜の銀座はこんななんだろうか? 松本清張先生は銀座に足を運んでいたのだろうか。 「錯誤による抹消」 土地取引においてこんなことがまかりとおるなんて。法を犯すことなく。いわゆる法の抜け道なんですかね。 振り返ると、登場人物全員悪い奴ばかり。
32投稿日: 2025.04.12
powered by ブクログ最初は、そんな上手い事行くわけ無いやんって思ってたけど、最後の怒涛の伏線回収っていうかまとめというか、うーん、とりあえず最高!
0投稿日: 2025.03.31
powered by ブクログ順調に欲望をかなえていく元子。予備校の理事長を騙し、一流クラブを手に入れようとする。破滅に向かって行くのが予想され、ドキドキする展開。元子の妊娠に何か意味があるのかと思っていたが、ラストでそうきましたか。伏線は回収されました。
30投稿日: 2025.03.16
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めちゃくちゃ面白かった。 上巻から緻密に練り上げられていた構成が素晴らしすぎて、後半あまりの怒涛の展開に目が離せなかった。最後の最後まで本当に面白い。 古い作品だけれど旧仮名遣いなどは影響のない範囲で編集されているので読み易い。電話等の細かい所を除けば、最近の作品だと言われても違和感ないくらいだった。 主人公は勿論、それ以外の人物像も主人公の目線を通して恐ろしいほど生々しく描いていて、しかしそれがミスリードに繋がる作り込みが素晴らしすぎて鳥肌がたった。
1投稿日: 2025.02.17
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ラスト怖い! カルネの利益がそんなにないのに新店舗買おうとするのが意味不明だ。 元子はそもそも犯罪をしている。波子はわざわざカルネの上に自分の店出そうと喧嘩売ったのが悪い。元子はひとりで波子には協力者がたくさんいていいな。
0投稿日: 2025.01.29
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昨年から読んでいたこちらが、今年の一冊目になった。 実家(北陸)の暗い冬にピッタリすぎる、ゼロの焦点と、この黒革の手帖で年末年始を挟んで、なかなかの濃いお正月となった。 上巻は、原口元子がこわーい、と思いながら読んだ。 昨年末によくみかけた銀行の貸金庫丸パクリ事件は、この本の冒頭の顛末さながらである。 ブイブイ言わせる元子は、さらに上へ上へと挑戦していくのが上巻。 ところが下巻に入ってから、急に世界はガラリと足元から崩れていく。 そのおおもとは、上巻の元子の行動に恨みを持つ女たち。 ひどいしっぺ返しを受け、そのまま終わる…。 マジか、どこかでさらにやり返せるかと思ってたので、終わりまで見て頭が真っ白になった。 たしかに元子は酷い仕打ちをしてきたが、銀行時代の男性行員に対する苦しさや、悪い銭を貯めてきた小悪たちにムチを振るってきただけなのに、と思ってしまった。 安島との一夜の描き方はちょっと微妙。 こんな悪女もまた女だったのだ…!体の悦びに打ち震えていたのだった!とか言いたげな、清張氏の筆はなんだか古臭くておっさんの描く女像だな、ととたんに白けてしまった。 今までの元子がいなくなったようで詰まらない。 最後まで読んで、銀座の夜を舞台に、男や女のアツい戦いに燃えたのは事実だけど、このおわり方にはヒューと背筋が寒くなった。 みうらじゅんの言う、松本清張の後ろメタファーがよくわかった気がします…。
2投稿日: 2025.01.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
銀行のお金を横領し銀座のママとして成り上がっていくことを策略する元子と周りの人々のお話し。 前編はトントン拍子に進むものの後編の途中ぐらいから雲行きが怪しくなり… なぜこんなに酷いことをするのか、と元子自身も考えるが、結局は人の怨みの深さや断ち切れない愛情が根本にあった。それが金と性の欲望渦巻く銀座を舞台に、抉り出すように描かれていた。 ラストは実質的に元子の"敗北"で終わってしまうのだが、もう一つどんでん返しが欲しかった…が、白い壁に囲まれた15年間を脱して夢を見れただけでよかったのかしら…。 ちなみにこの小説は1980年に出版されたということで、言葉遣い(バーではなくバアと記載されている等)や、どこでもタバコを吸うこと、女性や同性愛者の描写の仕方など、随所で昭和だなあと感じる。それはそれで非常に興味深かった。 -- ★時間とお金のムダ ★★普通〜微妙 ★★★よかった ★★★★心が動いた(感動した、意表をつかれた、ショックだった) ★★★★★人生の本棚に入れたい
0投稿日: 2025.01.01
powered by ブクログほー、こういうリベンジで進んでいきますか。エンターテイメントの読み物として面白いと思う。 古いとかいう評価もちらっと聞いておりましたが、むしろ現在性が際立っている気がする。目下の事件がそれを体現してます、要するにカネにまつわる蠢きは何ら変わることはないという。
0投稿日: 2024.12.29
powered by ブクログ2024年12月28日読了。高級料亭・クラブの獲得に向けバアの上客・橋田の脅迫を試みる元子だったが…。恐喝ってクセになるものなのかね、地道に商売をしていけばよかったものを…と思ってしまうが、そもそも男性に潔癖な人がバアのママをやっちゃいかんのだろうな。橋田らが仕掛ける罠は随分大掛かりで、準備も大変だし元子が彼らの思惑通り動くかどうか随分危ない橋を渡っているような気もするが…終盤の展開は読んでいて胃と下腹部が痛くなった、池井戸潤だったらここから大逆転するところだが現実世界はそんなに甘くない。経営には金融と法律の知識と、書類をよく吟味して理解する能力が必要だなあ。
4投稿日: 2024.12.28
powered by ブクログ元子のような生き方が最後まで上手くいくはずがないので後半の展開、特に首謀者はなぜ気がつかないのか不思議なくらい予想通りでした。 ただ、最後の最後でもう一発ちょっとしたどんでん返しがあるだろうと期待していたのですが、別の意味でのサプライズできれいに幕を閉じました。 ともあれ、昭和の空気をたっぷり感じることができて良かったです。
0投稿日: 2024.11.23
powered by ブクログ読み終えて上手い話で人を安易に信じてはいけないと思ったけど、これは騙されるよな。 ただ話の辻褄が綺麗なくらい合っていくので、途中からもしやこれはどんでん返しの復讐劇が始まるんだろうなとも思っていた。 作者も間違いなく銀座でタバコの煙を燻らせながらバアでお酒をセンセーって言われながら飲んでいた筈だ。 実在のホステスにほのかな恋をし、結局実らなかったものだから恨み節で、実際では何も出来ないので、小説の中でどん底に落ちる恐怖を与えてやろうっていう復讐劇だったのかもしれない。 もしくはホステスから様々な悪い事例を聞いていて、それらをヒントにして書いたのかな。 怖かったけど面白かった。
0投稿日: 2024.09.06
powered by ブクログ読み終わって「はぁー」と声が出た “わるいやつら”同様に、序盤は主人公の傍若無人ぶりに苛立ちを感じながら、後半は没入して主人公の焦りや恐怖が自分ごとのように感じられて読み進めたくなくなる(けど気になるから読む)
0投稿日: 2024.07.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
因果応報でした、こんなに綺麗に回収されていくとは 元子視点で読んでいたため途中からは読み進めるのが怖かったです
0投稿日: 2024.05.12
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自分が臆病だから、そんなことしたら人の恨みかっちゃうよ、と思いながらハラハラした。 でも、非日常な世界で上を目指してる元子を応援してる自分もいた。 途中から波子に嵌められてたことに気づき始めてからは嫌な汗かきながらもページをどんどんめくってしまうスピード感! 結局自分でコツコツと努力して手に入れたものしか信頼してはいけなかった(婦長からもらった情報も全てではなかった)ということですかね。
0投稿日: 2024.03.21
powered by ブクログ松本清張のサスペンス長編。米倉涼子や武井咲主演のドラマを見た事があったが、ようやく読了。先日亡くなった山本陽子も元子役を演じていたらしい。 銀行の女子行員が会社のお金を横領、架空名義預金リストを持って銀行を脅す黒革の手帖を作るところから始まる。カルネ・フランス語で手帖のママになり、産婦人科医の裏金を知って脅して第二の手帖、医科ゼミナールの理事の医学部裏口入学を知って第三の手帖を作る。 料亭梅村を手に入れグラブ・ルダンまで狙うが、実は騙されていたのは元子だったとの展開が面白い。崖を落ちる速さと表現が素晴らしい。大好きだ。
0投稿日: 2024.03.11
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話が好みじゃ無さすぎて読むのにかなり時間がかかった。元子は悪どい割に詰めが甘すぎるのでキッチリ応報を喰らってしまったが、この分だと波子もそのうち引導渡されそうだ。総会屋とか今もいるんだろうか?
0投稿日: 2024.02.03
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少し前に読んだ松本清張のサスペンスよりもドロドロしていてダイナミックな展開に富み、どんどん読み進められた。権力者を騙して財を築き、銀座の街で戦おうとして復讐に合う女性の物語。少しせつなくおどろおどろしい。
0投稿日: 2023.10.16
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前半に続き、後半もほぼ一気に読んでしまった。不正な手段で金を得て順調にのし上がってきた元子が、逆に騙されていく後半。 波子の恨みからとはいえ、何人もの無関係な人間が元子を騙すことに加担するものだろうか。悪行の末とはいえ、あまりに救いのない結末で、読後感はよくない。
0投稿日: 2023.10.15
powered by ブクログ結末に向かって吸い込まれるように読んでしまいました。 ドラマより断然面白かったです。 女が1人で悪事に手を染め、生き抜いていくことは 今も昔も非常に難しいことですね。 最後の最後、元子があそこに行くことになるのも偶然?誰かの指図? いずれにしても、どこも混んでいる中あそこが空いているのは、元子のせいってことかな。
3投稿日: 2022.11.06
powered by ブクログどいつもこいつも似たり寄ったりの悪党がお互いを騙し騙されグルグル廻ってくの面白すぎ。文句つけようない転落っぷり。元子を欺いた側の誰かも、いつか同じように破滅させられるんだろうなって思った。初めて読んだ松本清張、大満足でした✌️
0投稿日: 2022.10.15
powered by ブクログ恐喝で大金をせしめ更なるランクアップを図るべく暗躍する女の末路を描いたサスペンス。 怒涛ともいうべき後半が恐ろしい。自業自得とはいえ容赦が全く無い作風というかリアリズムに震えてしまう。特に最後のページはゾッとさせられた。人によって受け取り方は違うだろうけど自分的にはホラーとして逸品。
1投稿日: 2022.03.27
powered by ブクログ1人の銀行員が危険な賭けの末華やかな銀座の夜に打って出る。そこから物語が始まる。表の華やかさ、裏の魑魅魍魎、因果応報、社会の闇。上下巻で見事に表されている。
0投稿日: 2022.02.16
powered by ブクログ架空口座など当時の時代感を知れるのは面白かった。 米倉涼子版の黒革の手帖と中盤以降展開が異なっていて新鮮さがあった。 元子は自分のことを商才があると思っていそうだが、カルネの経営もいまいちだったあたり全く向いてなかったのかなと思いました。
0投稿日: 2021.09.05
powered by ブクログ松本清張さん 「点と線」に続けて読んでみました! 女の欲、復讐とドロドロさを感じさせる。女の世界の代表例を書いている。 こんなに美味しい話や協力してくれる親切な人はいないと読んでいて思ったが、自分が流れに乗っていると気づかない気もする。挑戦し続けることは大事であるが、時には俯瞰して物事を見ることが必要であると感じた。 最後はテンポ良く伏線を回収していた。 続きがとても気になる、ドラマでも見たいと思うような作品です。
0投稿日: 2021.09.01
powered by ブクログ最近はなかなか聞かないような、悪女ものとでも言おうか。こんなふうに、アホやなぁ、この女、みたいな展開では出版できないのか、そもそも作家の思想が変わったのか。 それはともかく、この主人公の酷さというか、何も考えてないだろ感がすごくて、読んでて痛々しい。いやーん、もう読んでられん、ってなって。銀行で何学んだんだよ。いや、その反動なのか。 最終的にはさるかに合戦的な、悪いことしたらとっちめられました、なんだけど。どっちも悪い奴らなのに!これは政治的に正しくない!みたいな感じも湧き上がって、いやもうたまらんばい。
0投稿日: 2021.07.12
powered by ブクログ元銀行員の原口元子の物語。 怒涛のクライマックスたるや。前半はのらりくらりと横領恐喝、こんなにうまくいくのかなぁと思っていたら… ラストは残忍ながらも納得、という感じでした。 誰の入れ知恵も後ろ盾もなく一人でやってく元子はあっぱれでしたがやってることは悪そのもの… そりゃ恨みも買いまくるよなあ。
0投稿日: 2021.04.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
裏表紙のあらすじで半分以上内容が分かってしまったのが残念だった。 元子が堕ちていく様子。上巻のような痛快さはなかった。序盤の、女としての部分につけ込まれていく描写などはいかにも生々しく、かつ型にはめられている感じがして不快だった。 因果応報と言えばそれまでだけど、うーん。個人的にはバッドエンドであるように感じた。 松本清張の他の多くの作品にも言えることだが、この結末から何か教訓を得たり、また特段メッセージを発信していたり、というものではない。
0投稿日: 2021.02.24
powered by ブクログ欲。 やっぱりバーとかクラブとか、楽しみ方がわからないわ。 金があると楽しいのだろうか。 縁の無い世界だ。
0投稿日: 2021.02.12
powered by ブクログ欲深い女性の手段を選ばず成り上がっていくところや裏切られて落ちぶれるさま、そして再び成り上がったかと思いきや…と、ドキドキハラハラされっぱなしでとっても面白かった!人間の欲望などがものの見事に描かれているところなどもよかった!
1投稿日: 2021.01.24
powered by ブクログ清張76歳、1976(昭和51)年に刊行された作品で、後期のものである。 読んでみると、50歳前後に書かれた短編小説の濃密な文学的表現は、ここではやや抑制されており、文体はよりシンプルである。 銀行員から銀行の金を横領して転身、銀座にバー(キャバクラのような感じか)を開き、さらに経済的勢力を拡充するべく、病院や大学の不正を見つけて恐喝し、莫大な金を得ようとする。 この欲望の疾駆はむしろ透明である。清張は主人公の金への欲望を心理描写で緻密に描くようなことはせず、やはりいつものように最小限の(しかし的確で文学的な)心理描写しかしないが、次々と繰り出す主人公の行動が、プロットをぐんぐん進めてゆく。本格推理小説に属する『ゼロの焦点』のように、ここでもやはり、視点となっている主人公の心理はむしろ透明なのだ。そのため読んでいて、プロットは面白いけれども、なんとなく物足りないような気がした。 見方を変えるなら、細かな心理の動きをあまり追わずに行動だけが確かに展開されてゆくこの物語ストリームは、寝ている時に見る「夢」にどこか似ていて、取り返しの付かないような行動を繰り返す自分をぼんやりと眺めているもう一人の自分がいるかのような、そんな隔絶が、このディスクールに構造化されている。 だから、この物語は、銀行員として出世も何も見込めず周囲の同僚から好かれることもなく黙々と仕事に打ち込む女性が、「もし金を得て銀座に飲み屋を開いたら・・・」とあらぬ妄想に浸っているような、その「夢」の物語なのである。 今年やたらに「夜の街」と呼称されるようになったこの世界では、やはり金銭欲と愛欲の絡み合いが描かれているが、主人公は決して誰か男性を愛することはなく、彼女は容貌があまり優れないという設定だから、裕福な男性客に拾われて経済的成功を勝ち取るという一般的な「夜の女」の成功パターンは望めないので、金銭的成功を求めるためには恐喝という手段に走る他ない。 ただし一度だけ、男性客と寝る場面があって、「性に不慣れな女」である彼女は男のことを全く好きではないが、また抱かれたいという身体的とも言える欲求が理知とは裏腹に湧いてくる。その微妙な心理が描かれているところは印象的だった。 横領と恐喝という犯罪的行為でのし上がろうとした女は、やはり最後は罰せられなければならないというのか、途中から物語は「急降下」に向かい、騙されさげすまれて、破滅へと突き進む。この最後の部分は読んでいて身が引き裂かれるような苦痛が湧き起こり、凄まじい地獄めいた悪夢のクライマックスに心奪われる。主人公の主体があまりに透明であるためにどこか物足りないような気がして読んでいたが、最後の方は苦痛に痺れながら一気に読み通した。この最後の部分の凄まじさゆえに、この作品の評価を一段高くした。 後味の非常に良くない、さすが「イヤな感じ大王」松本清張の作品である。 もっとも、主体の透明さの持続が、長い小説ではやや薄味で心許ないようにも思われるので、この作家の最良のものは、やはり短編小説なのではないかと思う。
1投稿日: 2020.12.08
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流石の松本清張、代表作。上巻を読んだ感想が元子は凄い人(=怖い、強い、ずる賢い)で、インパクトがあり、一気に下巻を読み終えた。私は、仮説①元子は逮捕される、仮説②元子に天罰が下る、仮説③元子が独り勝ちするの3つを立てたが、仮説②が正しかった。医大予備校経営者の橋田、梅村の女中すみ江、元国会議員秘書の安田、バアのママの波子等が元子を「騙し」て、元子を破滅に至らしめる。おまけに流産後に救急車が行き着いた先は楢林産婦人科。これで元子は終了。数十年前に書かれた本ですが、全く色褪せてない。最後はホラーでした。
6投稿日: 2020.08.12
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悪人しか出てこないブラックな小説。 主人公の恐喝に驚く ↓ 悪人をぶちのめす主人公を応援したくなる ↓ 主人公、絶好調! ↓ 主人公、焦りすぎでは? ↓ 主人公に友達いないのが理解できる ↓ だから言わんこっちゃない ↓ やっぱりねと思いつつも、うわぁ、えぇぇ! のラストは秀逸! 悪いことしたら、ブーメランのように返ってくるで。
0投稿日: 2020.05.31
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米倉版のドラマから興味を持って、読了。 ドラマとは異なり、主人公元子が銀座で登り詰めることに執着した背景として、女手一つで社会的な力を持てない当時の時代背景が描かれており、元子が力におぼれて、転落、救われないラストへとつながるのと合わせてやりきれない気持ちに。
1投稿日: 2019.10.31
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1.気になっていた松本清張シリーズ、今度は銀座の女の野望を描くストーリーということで、まったく開拓していない分野だったので購入しました。 2.銀行員を退職し、銀座のママとして転職を果たした原口元子は、銀行の横領だけでなく、獣医である樽林の脱税にも目をつけ、自分の店をさらに大きくすることを夢見ていた。しかし、元子にやられた人たちからの復讐劇に追われることになってしまう。彼らの手から逃れることができるのかどうか、衝撃の結末が待ってる。 3.元子は、最後はやっぱり地獄に落ちる気分というのは予想通りでした。女同士のもつれだけではなく、男が絡んだ弱みの握り合いがリアル感があって面白かったです。現実でもこのようなことが起きてると勝手に想像していますが、あながち間違いでもなさそうな気がします。 今回の作品で特に印象的なのは、元子が社会の強者の弱みに付け込む姿です。このようなことは日常茶飯事で、常にニュースにも取り上げられています。地位が高くなるにつれて隠し事が多くなったり、欲望が止まることを知らなくなったりします。これが今の世界であり、人間が住んでいる社会なのだと改めて悲しさを痛感した一冊でした。
1投稿日: 2019.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
怒涛のクライマックスでした。 松本清張の作品は、久しぶりに読みましたが読ませますね。 目が離せなくて、次の展開が気になる描写は相変わらずに素晴らしい。 バアの経営者、通称ママはあまり信用しないほうが良いようなイメージが個人的には付いてしまいました。 パトロンか横領…そうしないと、確かに豪奢なバアは開店できないとも思えます。 美しく煌びやかな裏は、闇のカネで出来上がっているのかもしれません。 結構ハラハラしました。 面白かったです。
0投稿日: 2018.12.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【ネタバレあり】 下巻。上巻ではすべてが順風満帆に進んでいた元子でしたが、終盤からの落下速度は圧巻でした。まさに坂を転がるように奈落の底まで落ちて行った。元子に人生を踏みにじられた人たちが全員共謀していたという恐ろしいラストに鳥肌が立ちました。結局は網の中で踊らされていただけの元子…哀れ。因果応報というやつですが、悲しい女だなと思った。 松本清張、面白かった。他の作品も読んでみよう。
0投稿日: 2018.12.06
powered by ブクログ借りて読んだ。タイトルはテレビドラマで昔から知ってたけど、粗筋さえも知らなかった。 なるほど、黒革の手帳とはこんな話だったのか・・・おもしろいけど、こんなに持て囃されるほどの名作なの? 主人公が目指していたのはなんだったんだろう? 現代でウケている半沢直樹みたいに最後にもう一度、逆転してもよかったのでは?と思うが、この時代の人たちは素直じゃないからね。
0投稿日: 2018.11.11
powered by ブクログ下巻も面白かったです。読み終わって、すごい……としばし放心しました。 元子さんの転落していく様に、因果応報と言えど、「えっ、どこから?黒幕は!?」とハラハラしました。 ドラマとは違って、安島も向こう側か、と思いました。元子さんの味方がいない。まぁそれも因果応報と言われればそれまでですが。 結局、元子さんを陥れようと思ったのは、波子か村井かわからなかったですが、彼らのほうが強かだったということかなぁ。 こわい。。欲をかきすぎるといけないですね。
0投稿日: 2018.10.20
powered by ブクログこれまでがトントン拍子に上手くいっていた元子、でも人生そうそう都合良くはいかない。下巻は自分のかつてのツケが回り、なし崩しになる様がハラハラさせられる。
0投稿日: 2018.10.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
銀行のお金を横領して、銀座のバーのママになった元子。 はじめのうちはとんとん拍子だったけれど、まさかこんな結末になるとは!
0投稿日: 2018.05.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
◆金だけで、荒ぶる世間を渡っていこうとした女の結末は…。古典的「黒い女帝」伝説は、女の業を抉り出しつつ終幕へと◆ 痛快さを増すためのオールスター勢ぞろいの中で喰らう肘鉄とは、因果応報の薫り。それは金に翻弄された女の執着に対する結末としては、間違いなく痛快である。そして堕ちて堕ちて堕ちていく先には、幼い命すら…。 まぁ、善人が誰もいなかったのであるから、主人公だけが地獄の門を開けんとする結末はやや偏頗な印象は否定できないところだ。 裏口入学、地上げ、男の側が仕掛ける美人局等々、著者らしい世相切りはバッチリで、携帯電話のない時代の連絡の行き届かなさも、らしいところ。 ただし、痛快さを増すためにリアリティを犠牲にしたことは、例えば、波子が総会屋高橋の情婦となったことの不自然さに露わになっているとは想う。ここは痛し痒しといったところだろうか…。
0投稿日: 2018.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
すごく後味が悪い… 途中までは面白かったんだけどな。 最後の結末がダメだ。私が女だからか、受け入れられない。 元子は、横領から始まって、調子に乗って悪いことばかりして、恨みを買いまくったから、幸せになれるはずはない。 自殺でも波子に殺されるでも仕方ないけど、流産の手術をあの二人にされるなんて、こんな結末はダメだ。
0投稿日: 2018.04.14
powered by ブクログドラマと比べて、あまりにアッサリしていたので 読んだことを忘れてレビューも書いてなかったーー; この原作に出てくる元子は、とっても可哀想すぎる。 誰からも愛されてないし、慕われてない。 自分で選んだ孤独なのだろうけど。 安島との出会いは、武井咲主演のドラマでは、 年の差超えての深い愛情みたいなものが、にじみ出てたけど。 原作では、酷い言葉を浴びせられて、たった一度だけだ。 誰からも助けを得ることなく、悪意のカネで作り上げたものは、バチが当たるということなのか。 やっぱり、美人じゃなかったということに尽きるのか?
1投稿日: 2017.11.01
powered by ブクログドラマが最後まで見られなかったから、原作を読んでみた。 原作の方が怖い。いい人が1人も出て来ないから元子ママがどんどん窮地に追い込まれていくのが怖い。誰か1人でも信頼出来る人がいたらよかったのに。
0投稿日: 2017.10.15
powered by ブクログテレビドラマを見て面白かったものだから原作を読んだ。すると、どうしてもドラマと比べがちになってしまう。まぁその違いを楽しみという読み方があるのも事実。 小説のほうはドラマほど舞台が変わらない。登場人物の心理描写が細かいので物語の中では場所の移動も少なければ時間の経過もさほどないと思われる。その分分かりやすさもある。 後半はみんなしてよってたかって元子をいじめているかのよう。といっても、確実にみなが結託しているという記述はない。元子の妄想化かもしれない。それでもいじめられて苛め抜かれてかわいそうで仕方ない。 いよいよのクライマックス。いや、医者が患者に私情を交えちゃだめでしょう。ちゃんと適切な治療を施したと思いたい。
0投稿日: 2017.10.11
powered by ブクログ元銀行員の女性が黒革の手帖を使って手に入れた金を元に銀座のホステスになるという物語。悪知恵が働く頭の回転の早さ、誰に対しても怖気づかない度胸の良さがあるからこそ権力者とも対等に対峙できるんだと思った。後半のどんでん返しと結末は恐ろしい。
1投稿日: 2017.10.10
powered by ブクログテレビドラマで興味を持ったので、読んでみました。 錯誤による登記の抹消や夜の世界の描写等、さすが松本清張のミステリーですね。 結末はゾクッとしました。身から出た錆びと言えばそれまでだが、背伸びして見果てぬ夢を追いかけた元子に切なさも感じた。
0投稿日: 2017.10.04
powered by ブクログ大きくドラマと違う部分があり、面白かったです。ラストも全然違って驚きました。やはり原作の方が元子的。
0投稿日: 2017.09.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分のしたことが最後に自分に返ってくる。 最後のシーンは印象的。 できれば、負けない展開を期待していたが。。。
0投稿日: 2017.09.09
powered by ブクログ現在(2017.8)、テレビドラマで「黒革の手帖」が放送されていますが、あまりにもの面白さに、原作も読んでみようと思って買ってみたら、ドラマ以上に面白く、文庫本の下巻も購入しました。 先週金曜日(8/18)から次女と一緒に、最初で最後かもしれない海外旅行に出かけましたが、その前日に送付されてきて嬉しかったです。今回は、行きの便が、到着地(天津)での大雨のために乗換地(上海)で、6時間待たされました。その時、この本があったおかげで、面白い映画を1本見た気分になりました。 10年以上前に、ビジネスに関する法律に興味がわいて少し勉強した記憶がありますが、その時に覚えた言葉が、この小説の中で上手に使われていて、「なるほど、このように使うのか」ということが分かり、良い思いをしました。 テレビドラマのほうは、先日第六話が終わり、いよいよ最終回を残すばかり、楽しみですね。 2017年8月27日作成
0投稿日: 2017.08.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人を脅すなんてことはやっぱり良くないことですね。恨みも買うし。途中まではうまくやってきたけど、最後は波子の仕返しにあって店も手放すことになってしまいました。それにしても最後の産婦人科のシーンは怖い。
0投稿日: 2017.08.13
powered by ブクログ何度も映像化されていることから、この物語は女性のピカレスクロマンものとばかり思っていた、しかしこの物語の一番の犠牲者は主人公である元子ではないか。確かに元子は犯罪を犯してきたが、その周りの男たちの方が余程巨悪である、主人公を成功させなかったのは美人じゃないという点だろうか。数々の女優がこの役を演じてきたのだろうが、その多くが美人女優だと思うが、今回のドラマの武井咲までこんなひどい目にあうとしたら目を背けてしまいそうだ、現代風に脚色されるのだろうがどういう決着を付けるのかも注目だ。
0投稿日: 2017.08.02
powered by ブクログ永年務めている女子銀行員が、脱税している口座を横領し、銀座のホステスを立ちあげ、夜の世界に染まっていく女性の物語。冗長に感じる箇所もあるかもしれないが、そこには作者が仕込んだ糸がある。何本もぶら下げられている糸は、最終的には主人公である女性を縛りあげて、哀れな末路を迎える。何人もの男を手玉に取って、大金をせしめるが、何れ茨の道で手に入れた物。いつかは自分に竹箆返しが来ることを暗示していると感じる。
0投稿日: 2017.07.03
powered by ブクログ元子がこう落ちぶれていくのを、容易く想像出来る話の展開ではあるけど、最後の最後になんかホラーっぽく終わって怖かった。
0投稿日: 2017.04.05
powered by ブクログ銀行の女子行員だった原口元子が、脱税目的の無記名預金7500万円を横領し、それを元手に銀座でバァを開く。しかし店が思ったほど儲からず、隠し金を持っている客から5000万円を脅し取る。さらに店を大きくしようと野望を持った先に待っていたのは、想像を超える出来事の数々だった…。店のママとトップホステス波子との女の意地をかけた闘いにとどまらず、銀座のバァの経営の内幕まで詳細に描かれているのがリアリティを増している。読み進めているうちについつい主人公の元子に同情的になってしまうが、よく考えれば元子は悪人。同情は禁物だ。経営を学んだ同級生のママから「あの子には気をつけた方がいいわよ」との助言を受けられなかったのが元子の人生を象徴している。
0投稿日: 2017.02.21
powered by ブクログラストがどうなるかと思っていたけど、そーくるかって感じでとても楽しめました!! 他の作品も読んでみたいと思いました。
0投稿日: 2017.02.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【最後は喪黒福造が出てきそう!】 初めは元子の横領に腹が立ったが、話しが長いから次第に元子に感情移入しちゃうので、つらいラスト。 ただ、波子の仕業だと読めてしまうので、後半ちょっとつまらない。
1投稿日: 2017.01.14
powered by ブクログ2016.12.27 読了 最後が怖すぎた。 どうなったのだろう…。 自分が女だからか、元子さんは人殺しはしていないし、汚い手を使ってものし上がってほしかったのだけど、そうはうまくいかぬよう。
0投稿日: 2017.01.04
powered by ブクログ最近、松本清張の作品を良く読む。 本当は、もっと若い時分に読んでおけば良かったとも思うが、そうそう暇があったわけでもないので、まあ仕方がないかなと思う。 作品を読むうちに、女一人でのし上がっていこうとする主人公を応援していたりするが、世の中、そうそう甘くはないようです。
3投稿日: 2016.09.10
powered by ブクログこわ。こわ。 すごい終わり方。 因果応報、地獄に落ちるとはまさにこのことか。 だんだん元子さんに感情移入してしまって、どんでん返しないのかな?ここまでされなくても…と思ってしまったが、そもそもにして横領が良くないもんね。 野望を持ってしまったのが転落の始まりとは、なんとも恐ろしい。
1投稿日: 2016.07.30
powered by ブクログ久々に、うわぁ~!と鳥肌がたつ結末だった。悪い事して手に入れたお金、やっぱりそういう運命にあるんだよなぁ…。なんとなく、元子には最後笑って欲しかったんだけど(悪の勝ち)。
0投稿日: 2016.05.30
powered by ブクログ波子の壮大な復讐劇だった。 最期の手前でオチに気づく、最期はホラー。 元子と波子のどっちに感情移入して読むかで感想は変わるかな。 波子目線で読んだらスッキリ爽快な話だと思う。
0投稿日: 2016.01.10
powered by ブクログ何回もドラマ化された松本清張の作品。 どうしても、主役の元子が米倉涼子と重なってしまう。 あまり元子には感情移入は出来なかった。
0投稿日: 2015.10.15
powered by ブクログ木曜ドラマでよくあるドロドロなかんじ。 結局、波子さんの一人勝ちってことなのかしら~ 元子さんがコテンパンにやられすぎて、ちょっと残念… でも悪い事したから仕方ないってことか 有名な松本清張、初完読。読みやすいですね 砂の器もよんでみよーっと
0投稿日: 2015.05.08前半は物語の背景にすぎなかった。これからが本番かな?
お金の力で女を抱こうと考える男達と体を提供して、まとまったお金を手に入れようとする女達の 下心が見えてくる展開になります。元子は架空名義の預金者達の弱みにつけこみ銀座で 生きて行こうとしますが、悪巧みに関しては巧妙で一癖二癖もある男達を相手に果たして どんな戦いを挑み、どんな結末になるのかとても気になりますね。
2投稿日: 2015.04.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
再読。あれ、ドラマとラストが違うかな? 怖い。。欲が膨れるがトントン拍子に上手くいっていた元子の人生が一転。すべては巧みに計画された罠だったのか。やっぱり悪いことはできないね。
0投稿日: 2015.01.13
powered by ブクログ2014.12.24 人間の欲望を正面から捉えた小説。 医者の脱税や医科予備校と政治家の癒着など、社会問題も浮き彫りにされている。 一気に読んだ。
0投稿日: 2014.12.24
powered by ブクログ横領、恐喝、、黒革の手帖が1つ2つと、、 3つ目の黒革の手帖へと。。 やり手の医学予備校の理事、亡くなった議員の跡目を探る秘書、 嵌められた者、裏切られた者たちが。。あらゆる欲にまみれていく。 結末に向かう仕掛けが目まぐるしく、そして引き込まれる。 悪いことはなかなか上手くいかない。その道のプロにならなければ。。
4投稿日: 2013.12.14
powered by ブクログ順調に進んでいくかと思いきや… ラストが怖すぎる! 今の時代みたいに、男女平等!みたいなのもいいけど、これくらいの時代の、女は女! みたいな、女を全面に生きていく主人公(しかし身体は使わない)が、ずるくて賢くて、怖かったです。 しかしラストが怖すぎる! どーなったのー!!!
0投稿日: 2013.07.23
powered by ブクログ元子がどんどん銀座でのし上がっていく様子は 自分も素子と同様に上へ上へと行っているような気持ちなるが ほんのちょっとよそ見をした瞬間 どぉ~んという音と共に奈落の底へ落ちていくことになる。 この展開は非常に面白い。 少々最後の締め方があっけない感じもしたが 人生のそこに到達するときはあっけない感じなのかとも感じた。 「金」と「人脈」を巡り 様々な関係から、人はカメレオンと化していく。 怖くもあり、悲しくもある人間模様を見ました。
0投稿日: 2013.05.03
powered by ブクログ後半の勢い。 清張さんの文体は匂いを感じさせるから好い。特に元子のような、野心あふれる度胸ある女性。破産し、全てが策略だと気付き、各地を執念のみで歩き回る場面など息づかいまで聞こえるよう。
0投稿日: 2013.03.27
powered by ブクログ下巻も淡々と進み、正直なところ「有名な割には・・・」と感じました。 しかし、終盤のラスト100ページは圧巻です。 上巻からここまでの流れが全てが布石の様です。 特に「引導」の言葉が入ったセリフ回しと、エンディングの情景は、まるで映画。 今回も「松本清張に外れ無し」の神話は続きました。
0投稿日: 2013.03.06
powered by ブクログ途中で展開が読めてくるのは、しょうがないとして、最後のオチがうまい。 そういう終わり方くるとは思わなかった。
0投稿日: 2012.12.27
powered by ブクログ非常に完成度の高い社会派推理小説であると思う。登場人物の造形がややステロタイプなのを除けば、プロットは面白く、たくさんの要素が盛り込まれて読み応えがある。また、推理のための多くの伏線が張られており、推理小説としても面白いと思う。時代を超えて読まれる傑作の一つではないかと思う。
0投稿日: 2012.11.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
思ったよりもお金の話でした。 結構性悪の人が多いので、感情移入がしにくかったのですが、非常にまとまっていて、すっきりする話でした。 世の中ままならないなぁ。
0投稿日: 2012.08.22
powered by ブクログ議員秘書の安島から入手した裏口入学リストを元に、橋田をゆすり、赤坂の土地を譲渡する念書を得る。その土地転売代で銀座一等地のバア、ルダン購入の契約をした元子。だがそれは安島、橋口、波子とそのパトロンである総会屋高橋、そして元子が銀行員だったときの上司村井らが仕組んだ罠だった。 安島との一夜で妊娠した元子は、波子らと乱闘のさなか、倒れ流産する。運ばれた病院は、皮肉にも楢橋産婦人科だった…!
0投稿日: 2012.07.25
powered by ブクログ松本清張の絶妙な風景・心理描写が好きなのですが、この作品では余り見られなかったように感じました。 また、展開が単純で先が見えてしまって、そこも残念でした。
0投稿日: 2012.06.18
powered by ブクログhttp://www.geocities.jp/jupimartmk/S_G/book/kurokawa.htm
0投稿日: 2012.05.17
powered by ブクログ上下とも読了。改版じゃないけど。 なるなる。原作はこうなっていたのね。米倉リョウコがやったドラマの印象が凄く強かったので、元子は完全に米倉リョウコだった。 うちはドラマの方が好きだな。悪女だけどとことん上まで登りつめるのは見ていて心地良かったし。原作だと、そこで終わってしまうのか?と待ったをかけたくなってしまったし。纏まりとしてはその方が良いんだろうけど。
0投稿日: 2012.04.28
powered by ブクログ面白い。 何が面白いかって? 主人公がハッピーエンドで終わらないとこ。悪の塊なので、当たり前っちゃ、当たり前かもだけど、あまり見ない小説の終わり方だけに、GOODでした。 医学部予備校、ブラックだ〜
0投稿日: 2012.03.25
powered by ブクログ元子はどこまで黒い世を渡っていくのだろう。 血も涙もなく、計算高い人間ならば、裏の手を使って人を脅してでも成功をつかめるものなのだろうか。 現状に決して満足をしない彼女は、次々に利用する標的を探していきます。 なにかもう取り付かれたよう。 家族を持たず、守るべきものは一切無い彼女をそこまで動かすものは何なのか。 この作品では、そういったセンチメンタルな情緒は皆無であるため、彼女の本当の思惑についてはわかりません。 おそらく著者は、ヒロインの動機付けには興味が無く、とにかく計算づくでダークな世間を動かそうとする、欲深い一人の女性を描きたかったのでしょう。 それでもやはり、彼女の暗躍に限界はありました。 好意を抱いた男性の登場で、ようやく彼女の人間らしく、女らしい側面が引きだされるかと思いましたが、愛らしさや幸せではなく嫉妬や焦りといった負の感情が書き込まれています。 とことん、作品に明るさや安定を入れないことにしているようです。 結局その男にも裏切られ、脅すつもりの男に脅され、八方塞となった彼女。 女同士の罵り合いのひどさには目を覆いたくなりました。 「パン助」なんて侮蔑語に、時代を感じます。 一番ぞ~っとしたシーンで、突然のように物語は終了。 これで終わり?と、納得できずに、巻末の新刊宣伝ページまでくくって確認しました。 なんて恐ろしいエンディングでしょう。血の気が引きます。 それでも、最後まで共感できなかったヒロインには、因果応報や自業自得という言葉しか浮かびません。 人を陥れて自分がのし上がろうとする人は、手痛い報復を受けるという命題が、ラストシーンで浮かび上がりました。 強欲まみれの人々の織りなすどろどろの闇の世界。 救いがありません。 自分に見合った人生を、殺意や恨みをかうことなく送るのが、人にとって一番幸せなことでしょう。 元子にしてやられ、制裁しようとする男たちも、明日は彼女と同じ立場になるかもしれないのです。 彼女のように欲深く、きらびやかな世界の裏で騙し騙されながら生きている人は、実際にいるのだろうと思えるほどの、迫力に満ちた物語でした。
2投稿日: 2012.02.15
powered by ブクログ勤め先の銀行から横領した大金を資本に、銀座のままに転身した主人公。 銀座を舞台に夜の紳士たちを獲物に女性の欲望が渦巻く物語。 ん~、地味な銀行員だった主人公が銀座のママとなって奮闘してます。 本当に奮闘しています。 思わず応援してしまいます。 でも、でも分相応以上の欲望は持っちゃいけないなと恐ろしさを感じます。 主人公に恨みがあった銀座の紳士たちが反撃に出ます。 応援したいところだけど、ん~世の中怖いね~と。 世の中の怖さを知りたい方にオススメの作品です。
0投稿日: 2012.01.09
powered by ブクログ初めて松本清張の作品を読んだが、評判通り面白い。巨匠と呼ばれる人には、呼ばれるなりの理由があるんだなと思う。
0投稿日: 2012.01.07
powered by ブクログ上下巻を読みました。推理小説ではないのですが、サスペンス性は充分あります。以前に確か米倉涼子主演でテレビドラマにもなっていましたね。 ベテラン銀行員だった原口元子は預金係という立場を利用して、7500万円を横領したのですが、脱税を目的に無記名や仮名で預金している顧客をかかえていた銀行側の内部事情を利用して元子はそのお金を返さずに隠密にもらったのでした。 そこには、彼女がこっそり詳細に顧客リストを記録していた黒革の手帳が存在したからでした。 変化のない女子行員だった元子が横領したお金を元手に転身を図ったのは、銀座のクラブ経営、いわゆる夜の蝶、バーのママになった元子はパトロンをもたない不安もある中、次の標的をみつけようと欲望を膨らませ策略を廻らすのでした。 この本の初版が昭和58年になっているので、およそ30年前の時代背景ですから銀行預金者の無記名や仮名での脱税の手口、またこの後に登場する医学部の裏口入学にからんだ話などは、ちょっとひと昔前の話といった部分もあるにはあるのですが、このヒロインの執念には凄みを感じました。女性ながらここまで事業欲があるのなら、もっと正当な手段で実現できなかったものかと思うのですが、この時代女性はなかなかまともに事業を興すのは難しかったのだろうと考えると哀しくもなりました。 上昇し続けていた元子が転落していく様はあっという間で、最後の場面は 寒気を覚えました。
0投稿日: 2011.08.27
powered by ブクログどす黒い・・・。 読み終わってまずそう思った。 壮絶な復讐。 金に溺れるといいことないね。
0投稿日: 2011.07.07
powered by ブクログ初の松本清張作品。 さすが、没後も人気の作家なのが理解できた。 使われている単語や言い回しがとても好きだ。時々難しいが。 内容は、、、まだ数日は後を引くであろう、恐怖が残った。
0投稿日: 2011.06.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夜の街のギラギラした感じと、そこへ飛び込み、“黒革の手帖”によってのし上がり、また転げ落ちていく元子のアップダウンの激しさが、印象に残った。人の恨みは理不尽で怖いものだと思った。また、見栄を張ると碌なことにならないと思った。
0投稿日: 2011.04.17
powered by ブクログ業が深すぎて、何とも言いようがない。人間関係と最初に登場した画家の使い方をもう少しひねればなお良かったと思う。元次長の村井を絡めるのは偶然すぎる気がする。
0投稿日: 2011.03.03
powered by ブクログ怖い!!!!! ドラマから入ったクチです。米倉涼子の元子のイメージが強かったので、あんまり美人じゃないところとか、女性としてバカにされるところとか、ちょっと切なかった! 最後もなんだか救いがないし。ま、因果応報ということを言いたいんだろうけど、寄ってたかって実際にうらみのないはずの人が主人公を陥れるところとか、なんか、じゃあコイツらはどうなのよ!みたいな気にもなりました。 「わるいやつら」とかにも共通するけど、人をだましたりする人には心底冷たい感じがします。恨みってこわい。 でもあの集団にギャフンと言わせてやりたかったわー
0投稿日: 2010.11.20
powered by ブクログ上巻の「偶然による展開」に大笑いしていたが、下巻はこの偶然が一箇所にまとまっていき、感動した。 結末はホラーである。 あまりに救いがなさすぎる。
0投稿日: 2010.11.09
powered by ブクログ銀行の架空口座から7500万を横領した元子は それを元手に銀座でバアを開くことにした。 しかし思ったほど売り上げは伸びず 今度は産婦人科の楢崎の隠し預金を調べ上げて恐喝。 彼をパトロンにしていたホステスの波子は激怒し、 元子を銀座にいられなくしてやると宣言して去った。 さらなる店舗の拡張を図る元子が次に目をつけたのは 医大専門予備校の理事をする橋田の裏金だった。 彼に出させた金で銀座の一流クラブを居抜くのだ。 カバー装丁:三尾公三 絶対どこかに落とし穴があると思いながらどんどん読める。 特に下巻の元子は危なっかしくて見てられない。 銀座のきらびやかさよりは裏の話ばかりで 現実的な反面もっと対比できる豪華なシーンがあってもよさそう。 こういう登場人物全員悪者っていう話は落としどころが難しいですよね。 誰かがいい思いをして終わるのはちょっと… この作品は元子が可哀相かな、とも思いつつまぁしょうがない結末です。
0投稿日: 2010.10.11
powered by ブクログ386P 初刷:昭和58年1月25日発行 (以下平成20年12月改版の情報) 印刷:錦明印刷(株) 製本:錦明印刷(株) カバー装画:西口司郎 カバー装幀:多田和博 最後の一文:「悲鳴が密室の手術室いっぱいに響いた。」
0投稿日: 2010.08.02
