
総合評価
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powered by ブクログ引用。 26 「恋人に貢いだとお考えになってるんでしょう。それが預金使いこみ女子銀行員のこれまでのパターンですからね。」 40 「愉しかった、愉しかった。旅先ではイタリアの女性と恋愛したりしてね」 49 その着物だが「燭台」にいるときはいつも小紋だったのに、いまは淡い黄色の地に草花を散らしたつけさげ、これを錆朱の蝶模様が入った黒の帯で引き締め、その帯の隙から帯揚げの若竹色を利かせている。 59 同僚らが結婚で次々と辞めてゆくのを傍観しているうちに、元子は女子行員の最古参者となった。仕事にうちこんだのも男の行員らに「売れ残り」と見られていることへの意地からであった。彼らの白い眼にむかって、だれが辞めてやるものかと対抗した。結婚した同僚が離婚したり、家庭がうまくいかないなどの噂を聞くと胸の中が明るくなった。 67 「あの中では波子という女の子がいちばんいいわ。顔もわりときれいだし、はなやかな感じだわ。いくら整った器量でも、寂しい顔の子はダメなんです。」 84 午前二時の街は車が少なく、途中の信号待ちが無意味なくらいで、市ヶ谷まで二十分とかからなかった。お濠端の反対側に折れて急な坂を上った。大きな印刷工場があって、そこだけは眩しいくらい灯がついていたが、べつな坂道へ向うと、寝静まった、暗い、路地のような横丁だった。 92 約束どおり翌日の午後五時、元子は手土産をもって赤坂の六階建マンションに波子を訪ねて行った。そこは高台で、マンションも半年前に建ったばかりという新しさ、チョコレート色の化粧煉瓦は、話に聞くロンドンかアムステルダムの高級住宅のようであった。 一階には貸店舗のレストラン、喫茶店、花屋などが派手にならんでいた。エレベーターで五階に上り、緑色の絨毯を踏んで廊下を左に歩いたが、それが一流ホテルのようで気圧された。もうあたりはスチームの暖気に包まれていた。 93 部屋を案内してくれたが、ゆったりとした四つのルームが連続していた。一つは洋風応接間、一つはキチンと食堂、一つは八畳の和風客間、最後は寝室だがこれは見せてもらいなかった。美しいタイルの浴室もトイレも余裕たっぷりだった。 104 アパートの窓の半分上を、青磁のように冷たく澄んだ空が占めている。下に灰色のこみいった低い屋根の群れと、多少の木立。この高台の下が谷で、その向うに東大教養学部の森があって、梢の群れが煙のようにぼかされている。 142 優生保護法第一章第一条には「この法律は、優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命健康を保護することを目的とする」と書かれてある。 147 四時五十分に元子は銀座のS堂に行った。二階の喫茶部は広くて、化粧品のように瀟洒ていて、舶来品のように高尚な雰囲気だった。 160 「そうね。わたしたちは愉しいことをしに行くんですからね。」 195 外神田の寂しいビルの灯が流れている。前を走る車が多く、その赤い尾灯(テイル)の列が、たったいまの成功を祝ってくれる提灯行列のように見えた。 197 「おう。ママ、どこで浮気していた?」 「浮気なんかしませんよ。だれも相手にしてくれませんもの」 270 「研究」となれば、古週刊誌くらいでは間に合わなかった。元子は、近くの区立図書館に行き、新聞の綴じ込みを繰って必要なところをコピーしてもらった。 276 元子は、地下鉄の赤坂見附で降りてコンクリートの階段を上った。午後四時半だった。 路上に出た正面に十五階のYホテルがある。一、二階がテナントの商店街で、そのならんだ陳列窓の賑やかさが、車の混雑する大道路を隔てたこちらからもよく見えた。一階のホテル入口はせまく、突き出た飾り日覆い(テント)の下に赤い服のドアマンが立っていた。
0投稿日: 2025.05.06
powered by ブクログ何年かぶりに2回目として読みましたが、結末を知っていて読むと、また気付かされることが多いです。下のクライマックスに向けて楽しみです。
0投稿日: 2025.05.01
powered by ブクログドラマ版「黒革の手帳」で、米倉涼子がベッドの上にビールをこぼしてシーツを乱し、「これで今夜、何もなかったとは誰も信じませんよね?」という趣旨のことを言っていたシーンを子供の頃に見たのをうっすら覚えている。そのシーンが出てきて少し感動した。親がドラマ版「黒革の手帳」が好きだったので毎週なんとなくテレビで流れていたが、子供だったので私は特に見ていなかったのでオチは知らない。後編が楽しみ。
0投稿日: 2025.04.12
powered by ブクログまだ誰も死んでないぞ。 サスペンスというより、昭和の女の事件簿、的な展開です。 バーではなくバアという表記が時代を感じさせます。 黒革の手帖がまた活躍しちゃうのかしら。下巻の盛り上がりを期待します。
34投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログベテラン女子行員・原口元子が勤めていた銀行から7500万円を横領した。それを元手に銀座のバアのママとなる。そのバアの常連客であった医者から5000万円を巻き上げる。元子の欲望はまだまだこれから。前編終了。
34投稿日: 2025.03.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイムリーな内容だった。横領が秘密裡に処理されることあるんだ。元子はたくさん恨みを買ったからこの後どうなるのか気になる。
0投稿日: 2025.01.25
powered by ブクログ2024年12月25日読了。銀行の弱みを突き7500万円を横領した元子は銀座で開いたバア「カルネ」を経営し、上客・ホステスを巻き込む計略を立てるが…。数多く映像化されている作品だが未見、予備知識なしで読んでみたが面白い…!銀座の夜の世界ってこんな感じなのかね…?出てくる人間が欲望にまみれた下衆ばかりですごい、そんな社会で成り上がろうとする元子ママも立派な悪人であるところがすごい。お金をいっぱい持っているとロクなことを考えない、ということか…地道に働くことが一番よ。
0投稿日: 2024.12.25
powered by ブクログ★評価は再読後に。 目下騒ぎの事件みたい、という話を聞いて改めて手に取る。まったく内容覚えていない。。。 いつものことだからさておき、すらすらと読める。 そして驚愕するのはおそらく本質的に今の事件は昔とまったく変わらない事態だということ。そこに目を付けた作家、恐るべしではありますが、現実も恐るべし。 まぁカネ絡みの欲望は古今東西、何ら変わることがないという単純明快なことと言えばそれまでですが。
0投稿日: 2024.12.24
powered by ブクログ有名な作品なのに未読だったので読んでみた。 どうやら最初は銀行員だった女性が巧みな横領や恐喝によって銀座でのし上がる物語のようです。 昭和の中後期の話だけあって法律も常識も街の様子も全てが今とはかなり違いますが、自分が小学生だった頃の作品なので何となく懐かしい匂いがします。 大御所の有名な作品だけあって内容はかなり濃いものなので、下巻も楽しみです。
0投稿日: 2024.11.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
賢いカッコ良い女性。駆け引き上手。男の弱みを握ってそれと引き換えにお金をいただく。 と思いきや、最後は嵌められてたのか。 手帳に何が書かれてるのかな?って思いながら読み始め、架空名義の口座か、なるほど。と思った。 出産前最後の一冊となり、思い出の作品となりました。
0投稿日: 2023.11.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白い。久々に一気読み。 クライム小説の一種だろうが、元子の野望がどんどん膨らんで、次々に機会がやってくる。都合が良すぎるきらいはあるが、元子の手段を択ばぬやり方が、心地よくなってくる。 何度も映像作品になっているのも納得。
0投稿日: 2023.10.10
powered by ブクログドラマを先に見ているのですんなりと頭に入ってきました。 ドラマとは時代設定が違うから細かい部分は違うけれど。 女の強さ、したたかさ、怖さがしっとりと書かれた作品。 屈辱や孤独を味わった女性がいかに強いかということをしみじみと感じます。 主人公・元子が“女”という性を使わずにのし上がっていくのは同じ女性としてかっこいいとさえ感じます。 上巻では、上昇気流に乗っている元子。 下巻でどう転落していくのかどう機転を利かせるのか、楽しみです。
2投稿日: 2022.11.06
powered by ブクログ武井咲主演のドラマが良すぎて。でも、令和に合うようにされてたから、原作はどうなのかなと思って読み始めた。元子は悪女って言われるけど、周りのオッサンも似たり寄ったりでしかも気持ち悪いので、個人的には元子を応援してしまいたくなる…笑。ていうか架空預金ってそんな作れるもんなんだ?
0投稿日: 2022.10.11
powered by ブクログ女子行員が横領した金で銀座の高級クラブを経営、更なる金を引き出す為権謀を巡らすサスペンス。 タイトルの手帖に恐喝のネタが載っている訳だが、恐喝にならぬ様な情報収集、証人の確保、場面設定などは犯罪者でなくとも勉強になる事がある。
3投稿日: 2022.03.22
powered by ブクログ1人の銀行員が危険な賭けの末華やかな銀座の夜に打って出る。そこから物語が始まる。表の華やかさ、裏の魑魅魍魎、因果応報、社会の闇。上下巻で見事に表されている。
0投稿日: 2022.02.16
powered by ブクログ黒革の手帖(新潮文庫) 著作者:松本清張 発行者:新潮社 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 夜の街をのし上がる悪女を描く迫力ある小説。
3投稿日: 2021.11.13
powered by ブクログ昭和の銀座、銀行員のさえない女子が、横領をネタにゆすり、のし上がっていく前編だが、魅力がない。 だから後編は読む気が起こらない。
0投稿日: 2021.06.06
powered by ブクログとても良かった。 元子の堂々たる姿勢や優美な振る舞いは真似したいと思える様子。 それにしても元子は稀代の悪女と言われるほど悪い女なのだろうか。脅迫のネタにされるような悪いことしてる方が悪いのではないか、と思わずにはいられない。 社会派と謳われる作者だけあって、書かれた当時の煌びやかでバブリー?アナログで昭和?な世界観と現在とのジェネレーションギャップを感じずにはいられない。その点も楽しめて良いかなと。
0投稿日: 2021.02.24
powered by ブクログやはり昭和と令和の今で時代が少し違っていて初めは読みづらかったけれど、だんだん慣れてきて面白くなってきた。下巻が楽しみだ。
0投稿日: 2021.01.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久しぶりの松本清張。私の中で文筆格式が高いので、最大限の緊張感を持ちながら読む。今回は元子の凄まじいしたたかさに「この人は凄い人だ」に尽きる。凄いというのは、男を金とみる、怖い、強い、ぶっ飛んでいる、孤独すぎ、頭良すぎ、などなど、形容する言葉が色々出てくる。銀行での恐喝、病院での恐喝。今後の元子の着地点が全く読めない状況。現在、少しだけ下巻に入っていますが、まだまだ分かりません。最後、どうなってしまうのか、仮説①やっぱり逮捕される?②天罰が下る?③元子の一人勝ち?はないよね。仮説検証結果は下巻で!
5投稿日: 2020.08.12
powered by ブクログ欲がうずまく夜の世界。 ストーリーのはじまりから恐喝というスピード感ある展開で一気読みしてしまった。
0投稿日: 2020.05.31
powered by ブクログ上下巻 完読 さすがです! 行員として職務にまっとうする日々の中で 仕事ができても会社に長年尽くしても 決して女子行員は高みを望めない 真面目に働いてきたのにもはやお局として煙たがられる存在 元子はうんざりしていた 絶望していた 経験と信頼を「黒革の手帖」に書き留め 銀行から〝ちょうだい〟した7000万円で銀座にクラブをオープンする 愛も情も知らず大人になってしまった元子 欲だけが彼女の活力となり這い上がろうと お金に人生を捧げる姿は何故か哀しい お勉強になります 人が思う人としての幸せは人それぞれ だとしても幸せになれない人はどこまでいっても結局は幸せにはなれない なぜなら幸せはお金や地位や人から与えられるものでなく、ただ単純に自分で感じるものだから 人の恨みを積み重ねたきた結末がちゃんと辻褄の合ったミステリーでやっぱ最高。 2019.9.5 今年の15冊目
5投稿日: 2019.09.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1.気になっていた松本清張シリーズ、今度は銀座の女の野望を描くストーリーということで、まったく開拓していない分野だったので購入しました。 2.銀行員として働くことに退屈さを感じていた原口元子は、バァとして働くことを決意し、銀座で働き始めた。そして、数ヶ月経ったのち退職をして、自分の店を持つことを決意した。元子は自分の店を持つために、会社の金を横領することにし、見事に会社の金を奪った。これの裏には、支店長と次長のある弱みに付け込んだことがきっかけだった。これを機に、退屈さを感じていた元子の人生は、一気に様変わりし、銀座のママに君臨するために、あらゆる男の弱みに付け込んだ。果てなき野望を掲げた女のサスペンスストーリーが今始まる。 3.話の前半から引き込まれてしまいました。最初の、銀行員が不祥事という言葉に特に弱いというところにリアル感がありました。また、元子が女1人であらゆる男の弱みに付け込んで世間を渡り歩いていく姿は意固地に見えました。男女平等の社会が浸透し始めた現代では、女性にとってどのように思っているのかは、常々考えています。銀座のような場所であれば、元子のような女性が特に多いと思うのですが、指名されることが命の彼女達は生き残りをかけて闘っています。私はこのような女性には縁がないので、普段と違う女性について知ることができたので、面白かったです。
1投稿日: 2019.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
松本清張てこんなに面白いのか(゚д゚)!と覚醒させられた。 悪女元子がしたたかに金銭を奪う犯罪を達成し、その過程で多くの人の恨みを買い、最後には欲と怨念におぼれて大逆襲を喰らってしまう。銀座を舞台にしてるところも、中洲に出入りするオトナになって読むと少しはピンとくる。取材や描写が実に丁寧で、展開も息つかせぬスリリング。 架空名義預金・医学部への裏口入学・隠蔽第1の銀行だったり、個人情報管理がずさんだったりそもそも携帯電話が全く登場しなかったり、古い時代に書かれてはいるものの、何度も時代背景を修正してドラマ化されるのは、悪女の行動が言葉は悪いがまことに魅力的に描かれた傑作だからにほかならない。
0投稿日: 2019.01.19
powered by ブクログ【文庫上・下巻の感想】 夜の銀座を舞台に政財界から裏社会にまで至る強欲な人間像が精緻に描かれている。 銀座の高級クラブ(作中ではバァと表記)の開店資金やランニングコストなどの費用考証やママとしての従業員への人心掌握術など、いわゆる夜の世界の関係者への取材が入念に行われたと思われ、それがこの作品にリアリティを与えている。
0投稿日: 2018.12.27
powered by ブクログ原口元子、34歳。恋人もおらず、友人もおらず、さして美人でもない。ひたすら銀行で働き、気が付けば女子行員最年長。今後の人生、どうしようか.....という思惑の結果が7568万円もの横領!!その金を元手に、バーの経営。更に行き詰れば恐喝!まごうことなき悪女で犯罪者。けれどもこの男性優位な時代の中、後ろ盾もなく、元子にあるのは知恵と度胸。次から次へと野望を抱く姿は正直カッコいい。1ミクロンの罪悪感もなく、清々しいくらいだ。今のところ上手くいきすぎているけれど、どうなるの??下巻へ~
0投稿日: 2018.12.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
凄くいい! 著者は、数字に強いのが窺えます。 どうしようもなく救い難い男共を翻弄し、更なる高みへ目指す悪い女、元子。 なんだかスカッとします。 同時に女性は読んだほうが得な内容になっています。 しなやかさ、駆け引きの巧みさ、美しい日本語…お手本になると思います。 裏切らない内容。 面白く下巻を読みます。
1投稿日: 2018.12.16
powered by ブクログ初・松本清張でした。思ったより読みやすくて面白い。 銀行員だった元子が男たちから金を巻き上げ銀座のバーのママとしてのし上がっていくストーリー。元子はしたたかで賢い女だけど、危ない橋を渡りすぎていつ足元をすくわれるのかとひやひやしながら読了。下巻に続く。
0投稿日: 2018.12.01
powered by ブクログ借りて読んだ。タイトルはテレビドラマで昔から知ってたけど、粗筋さえも知らなかった。 なるほど、黒革の手帳とはこんな話だったのか・・・おもしろいけど、こんなに持て囃されるほどの名作なの? 主人公が目指していたのはなんだったんだろう? 現代でウケている半沢直樹みたいに最後にもう一度、逆転してもよかったのでは?と思うが、この時代の人たちは素直じゃないからね。
0投稿日: 2018.11.11
powered by ブクログ面白かったです。表現や内容はちょっと古めかしいところもあるのですが、とても読みやすくてのめり込みました。 ドラマは武井咲さんの方だけ観ましたが、ドラマとは違って、元子さんが若くも美しくもありませんでした。 銀行員がバァのママになって、男からお金を巻き上げてのしあがっていく。元子さんの強かさがすごいです。 楢林は破滅したけど、橋田はこれからなのかな。安島もなんだかドラマと違うので、続きが楽しみです。 すみ江の言い淀んだことがかなり気になるのですが、下巻で描かれるのかなぁ。
0投稿日: 2018.10.14
powered by ブクログ見映えの悪いお局銀行員が横領したお金で銀座のママになる。その転身だけでも面白い。しかし元子はそれだけに留まらず、昔掴んだネタでゆすってライバルを蹴落としたり、次なる策を労したりと抜け目なく意欲的に動いていく。 だが、いい事はそうそう続かない。下巻でどうなるのか楽しみだ。
0投稿日: 2018.10.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
◆夜の世界でのし上がるために必要なのは金、金、金。そんな狭い世界を、女独り泳がんと悪辣さを発揮する、昭和ピカレスクロマン小説の怪作◆ 漫画「女帝」の如く、「バア」のママが、男の秘密・弱みを利用し、その世界でのし上っていくピカレスク・ロマン小説。 背景には、例えば、今は昔となってしまったと言えそうな、借名口座を利用した所得隠し・脱税。 産科医師による人工中絶に保険適用がなく、つまり自由診療で、多額の現金授受がなされていたという実情が踏まえられている、 あるいは、勤めの看護婦が医師の二号である点など、社会事象が美味い胡椒のように味付けられ、満足満足である。 もとより、小説としては、出来過ぎの部分が多いが(最たるものが、割烹「梅村」の女中島崎すみ江がホステス面接に来る件)、それを無視すればなかなか楽しい。著者が主人公を通して語る、社会に対する斜に構えた態度、捻た視座が、面白さの要因だろう。 ところで、初出年は1980年だが、借名口座が厳禁されるようになったのは、現代の税逃れの手法が借名口座を利用したものではなくなったから、というのは穿ち過ぎか。
0投稿日: 2018.05.05
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古い本、しかも松本清張なので、読みづらいかと心配したが、そんなことはなくむしろ読みやすかった。 上巻では、元子の思惑通りに事が運びうまくいっているように見えるが、所詮素人の策略なので粗だらけで、ハラハラする。 下巻で反撃にあうのか?! 楽しみだ。
0投稿日: 2018.04.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
戯画的、残酷なラストにぼうぜん。清張、文字通り芯をえぐってくるなあ!女は内性器でほろぶ、と呪いを突き付けてきた。汚い言葉だがちくしょうめっていいたくなった。米倉涼子ドラマ版はどうだったんだろう...売れた小説をTV化するとき、優しくないラスト(大衆の嗜虐趣味を充分満たしたゆえの支持の源泉)に改変で手心を加えられることは多いものだが。例は「不機嫌な果実」。小説を読む層とTVドラマを見る層で重ならない部分があらわになるところだ。 小説ではだれもヒロインを愛さず、またヒロインからも愛することはなくひたすら利害関係で軽蔑しあいだったが、TVではそんなに米倉をハードにこてんぱんにやれない気も。あっちょうど今2017年版始まったのかー。 米倉対釈という絵面に興味あるのでDVD借りてこよかな。 (20170724)
1投稿日: 2017.11.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
テレビで断片的に見て少し興味を持ったので図書館で借りてみた。 上巻では、テレビと違って、主人公の目的がただの金儲けであるかのように書かれている。銀行員で我慢したこれまでの地味な生活とは正反対の世界で生きてみたい、それだけ。 そのような主人公には感情移入ができないが、ママという立場を利用して社会的な地位の高い男達の不正を探り、逆手にとってお金をむしり取るというところが少しだけ痛快。実際の描写はかなりどろどろしていて、あまり気持ちのいいものではないがこの後どうなるか気になるので、下巻も読んでみる。
0投稿日: 2017.10.08
powered by ブクログドラマで武井咲が演じたのを見て、原作に興味を持って読み始めた。 時代も昭和50年代だし、主演の元子は銀行員でも、派遣ではなかった。 しかも、美人でもなかった。 それでも、ドラマとはまったく違ったストーリー展開がすごく引き込まれるものがあり、これが松本清張なのか!と、実は初めて松本清張も読んだのだ。 固いイメージがあったけれど、とても読みやすい文章。手に取るように思い浮かんでくる情景。 顔と違って、優しい文面。 色んな意味で驚いた。 何度もドラマ化されている理由も分かる気がする。 すぐ下巻読みます。
2投稿日: 2017.10.01
powered by ブクログ米倉涼子さんのドラマを見ていて、気になったので読みました。 ドラマとは多少違うところもありますが、登場人物がみんな悪いのがなんとも面白かった。
0投稿日: 2017.09.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
テレビ放映されたドラマが面白かったので、原作を読んでみた次第。やはり原作とドラマは違う、当たり前。どちらもその良いところ、楽しめるところを享受すれば、より一層この心理サスペンスを理解できるだろう。 原作の執筆された80年初頭と今現在では時代背景がかなり異なるので、ドラマはドラマ、原作は原作として全く別物としてどちらも楽しめた。といっても、まだ上巻しか読んでいないわけだが。 やはりドラマのほうがよりドラマチックにビジュアルに作られており、キャラクターも相当濃く煮詰められている。原作のほうではみな淡々としたものだ。そのせいか、だれもかれもそれほど悪いことをしている感がない。主人公元子すら、それほど銀座に執着しているようにも見えない。ドラマのように銀座一の店を買い取るといったような野望は上巻ではまだ沸き起こっていない。そもそもテレビドラマだけの筋立てなのだろうかな。そこは下巻のお楽しみといったところ。 また、時代背景といえば執筆当時の女性の働き方の描写も興味深い。女は結婚するまでちょっと働いて、寿退社が目標。結婚しそこなって職場に長く居座ると、男性からも女性からもうざがられるといったような記述がある。まさしく主人公の元子がこれだったわけだ。元子が横領したお金で銀座でバアを開業するのは、この単調な生活から抜け出し、また見返してやりたいといったような動機もあったようだ。しかし、なんか私には元子がそこまでして銀座に店を持ちたいという欲望原作からはそれほど感じなかった。動機付けとしてはなんか弱い気がする。 そもそも、ああいう人間相手の商売は人間が好きでなければやっていけないはず。男相手の商売は男好きでなければやっていけないはず。小説の元子はむしろ男嫌いで性交渉にもそれほど喜びを感じていなかったようす。こういう心理が分かるのも活字ならではである。上巻の最後のほうでは、そんな男嫌い元子もなにやら悩ましげな感覚にとらわれ初めているけれども… また小説でもドラマでもなにやら重大な役柄であった看護婦の中岡市子。この人は多分、女としては元子よりはるかに幸せだろう。そう思ったのも、小説を読んだからである。ドラマのほうではあまり気づかなかった。女優さんの熱演は大変よかったけれども。 というわけで下巻が楽しみです。
0投稿日: 2017.09.18
powered by ブクログ上下巻の長編作品ですが、すらすらと読むことができました。古い作品なので現代とは異なる部分も多いですが、どんでん返しありのサスペンスとしても、社会風刺作品としても優れた作品であり、何度もドラマ化されるだけの普遍性を感じることができました。
0投稿日: 2017.09.04
powered by ブクログ最近は土日にやりたいことが沢山あるので、連続テレビドラマを見ることが少なくなってきていますが、通勤での乗換駅(渋谷)で、このドラマが始まるのを知りました。 私の世代にとって、この本の原作者である「松本清張」は、忘れなれない人であり、お亡くなりなってから長年の月日が経ちますが、彼の小説でテレビドラマや映画化されたものが多いようですね。 10日間、遡れる機能がついたビデオレコーダーのお陰で、第一話と第二話を連続で見ました。主演の「武井咲」の演技は良いですね、特に、彼女の「声」が素晴らしいです。聞いていると、イイ気分になります。それと共演者である「真矢ミキ」さんの声も素晴らしい。 それを見ていると無性に原作が読みたくなり、アマゾン中古で購入しました。今のテレビドラマも面白いけれど、原作も素晴らしいです、これが昭和52年頃に書かれたのですね。それをもとに、現代に合わせて上手にアレンジされていると思いました。 2017年8月27日作成
0投稿日: 2017.08.27
powered by ブクログ武井咲さん主演ドラマの原作です。この小説はかなり前の時代に書かれたものですから、もちろんいま放映中のドラマとは違いますが、本は本として楽しめます。 ストーリー本編のなかに、その時代の社会的な問題や事件なども織り混ぜられており、社会派ミステリーの要素たっぷりです。 登場人物の名前は、殆どがテレビドラマと一緒なので、小説の人物名とテレビの俳優(女優)さんの顔を想像しながら読むのもいいかも。
0投稿日: 2017.08.09
powered by ブクログ何回も映画化やTVドラマ化されてきたので、ずっと読みたいと思っていたのだが、今回は武井咲が主役ということで興味を持って見だすと同時に原作を読み始めた。時代も大分違うし、元子の設定も美人でないので、地味な物語として始まったが、徐々に計算高い女としての本性が出てきた、下巻でどこまで悪女になってくれるか楽しみだ。
0投稿日: 2017.07.29
powered by ブクログ銀行に勤める主人公OL元子が、銀行としても表沙汰にできないお金を横領。そのお金を元手に、銀座でバアを開店経営し始める。銀座でお店を開き、経営していくためにかかる経費。それをどのように切り盛りし、しのいでいくのか……。
0投稿日: 2017.07.16
powered by ブクログ久しぶりに松本清張読んだけど、やっぱり面白いなぁー。 お金にたかる人間たちに、さらにたかって行く元子の頭の良さがスゴい! 悪いことをしてるのに、次はどうやってお金を毟り取るのか楽しみで、一気に読める。 下巻がどういう展開になるのか、すっごく楽しみだ。
0投稿日: 2017.04.03
powered by ブクログ初松本清張です。 古い作品なので心配していましたが、すぐに心配は吹っ飛びました。 ストーリーの展開が早くて、内容も新鮮で面白い。 早く下巻が読みたい。
0投稿日: 2017.01.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
冴えない銀行員だったが、架空口座の存在を知り、その内容を自ら記した黒革の手帖を武器に、大金を横領し、銀座にクラブを開店する。銀座でのしあがるべく策略をめぐらす。 単調の内容で、わくわくもしなかった。また、説明がくどい感じがする。難しい内容すぎて理解できないところもあった。知識人には面白いのかもしれない。
0投稿日: 2016.09.19
powered by ブクログこの作品は、確か著者が70歳の頃に書かれたものだと記憶する。 社会派ミステリー作家の旺盛な創作欲を感じる作品である。 下巻が楽しみである。
3投稿日: 2016.09.10
powered by ブクログ悪びれもなく堂々としている元子の姿が少しカッコ良く見えてしまうのは何故だろう。ドロドロとした闇の世界で生きていくひとりの女。いつか破滅するよ、と思いながらワクワクしながら読んだ。下巻も楽しみ。
0投稿日: 2016.05.30まだ半分しか読んでませんが面白いです。
黒革の手帖ってドラマで何度もやってるから見たことがあるでしょうけど、私は一度も観たことがなくて どうせ黒革の手帖に金銭の汚職リストでも書いてある。汚い汚職小説なんだと思って今まで読んだことが ありませんでしたが、今回は電子書籍を購入したので、読んでみようかと思って、おそるおそる読み始めたら どんどん引き込まれるように物語の世界に没頭できるので、さすがは松本清張さんだなぁと思って読んでます。 テレビドラマでは放映できないような内容の部分が色々あって読み応えありますよ。^^
0投稿日: 2015.03.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ドラマ再放送で読みたくなって再読。 夜の世界の話。女の戦いって感じ。でもそのお金の出所は。。。こんなに上手くいくのかなあとも思いつつ、面白く読める。下巻へ―。
0投稿日: 2015.01.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
松本清張は昔から好きな作家で、ミステリーの王道だと思っています。この作品はそうでもないですが、意外な真犯人が最後に出てきたりする、いわゆる大どんでん返しが得意の作家さんです。 驚くほど強かな女性が主人公です。時代は昭和50年代初頭なのに、今読んでも全く古臭くないんです。主人公は元銀行員で、巨額の横領をして、バーのママになり、その金持ち客を相手に次々と金を巻き上げる方策を考え、実行するのですが・・・。 まず、バーのママの話し方というのが、上品でとても参考になりました。でも、銀行員をやっていたような人が、接客業なんて次の日からできるのかしら?とは思いましたが。巨額横領事件の手口は、90年代の大和銀行ニューヨーク支店の話を思い出しました。チェック体制の甘さが抜け道になっているんですね。 この作者の人物描写はとても面白いです。若い作家にありがちな、美しい人というのがほとんど出てこず、皆どこかしら影があり、不気味なんです。強欲な油ぎったオヤジも、「ぬらぬらとしたなめくぢのような」といかにも気持ち悪そうな表現です。 それにしても、この本を読むと、いったい誰が悪者なんだろう?と最後に思いました。個人的には、女一人で頑張っている主人公にエールを送りたい気持ちでした。
1投稿日: 2014.09.17
powered by ブクログ黒革の手帳 / 松本清張 / 20090503 (5/9) この本のきっかけ:新潮文庫100選より。GW伊豆高原行くに際して、エンターテイメント性の高い読み物を探していた。 主人公元子のしたたかさ、交渉の仕方は見本となるような箇所はあるが、結局強欲に目がくらみ、だまされたということすら分からずに罠にはまっていくのが悲しい。人間やはり謙虚でいなければならない。 Big winは難しい。Small winを重ねていけさえすればそれでいい。 お金に対する考え方を学んだ:(文中より)失ってみてはじめてその大金の価値がわかってくる。金銭は持っている間はそれほど多いとも思わぬものだ。もっとふやしたいと考えるため、いつまでたっても財産が少ないように見える。金を失ったとき、その慢性意識をはじめて思い知らされる。
0投稿日: 2014.03.19
powered by ブクログベテラン女子行員の元子が銀行から横領した資金を元手に銀座にバーを開店、来客を次々に標的に虚々実々のやり取りを繰り広げ、のし上がって行く。単に銀座が舞台の「ママの争い」ではなく、出世欲、愛と隷従、脱税、裏口入学、政治、暴力、反社との駆け引きなどが複雑に絡んだストーリーになっており、銀座の夜の世界をまるでその場で見ていたかのようにリアルに描かれている。昭和58年発刊の小説で当時の時代背景を色濃く反映させているのもとても魅かれる。僕が銀行に就職したのは平成に入ってからであるが、小説で描かれている80年代前半と、バブルの余韻が残る90年代前半で、多少似ている気がする。松本清張の小説は初めて読んだのだが、たまにはこういう小説も良いかも。山崎豊子もひさしく読んでないし、社会派小説買ってみようかな。
1投稿日: 2014.03.11
powered by ブクログ銀行の預金係りの女が、 架空名義口座から着服、、横領。。脅迫紛いの念書を取り、 黒革の手帖からカルネと言う名のクラブを銀座に構え、 話は大きく深く発展して行く。。
3投稿日: 2013.12.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
図書館にて借りました。 松本清張作品の中で一番好きです。 面白かった!読み終わった後の「ふぁ~;」と云うスッキリ感が堪りません!!! 漫画で云うと「女帝」でもそこはひと味違う。 脅迫、横領、裏切りなんてのは普通に出てきます。 もちろん主人公・元子も使う。 「女帝」が表ならこちらは裏。 元銀行員ならではの視点も経理をやってる私には新鮮でした。 確かに経営者ならP/L,B/Sが解ってたら便利だし、解らないとね~。 でも、やっぱり裏は裏。 因果応報と云う言葉がここまで似合うなんて。 しかし全員が全員、同じ穴の狢(むじな)なんだろうけど・・・。 そこが「運」と「巡り合わせ」なんだと思う。 しかし同性ですが、女の恨みって怖い・・・。
0投稿日: 2013.12.01悪女が悪人達を騙す!ゆする! ……そして。
黒革の手帳は、何度もドラマ化されており、内容をご存知の方も多いかもしれません。 しかし、仮にドラマを見て内容を知っていても、松本清張先生の筆致の鋭さ、畳み掛けるような展開に、夢中になることは確実です。特に、最後の怒濤のような落下感・ページをめくるのが怖い絶望感は小説ならではのものです。 勿論、ドラマを見てないのであれば、尚のこと熱中できるはず。悪が悪を懲らしめ、悪が悪に叛逆する地獄絵図、是非御楽しみください。
2投稿日: 2013.10.17因果応報。人の恨みは恐ろしい……
黒革の手帳は、米倉涼子主演でテレビ化されていますので、ストーリーをご存知の方も多いかもしれませんね。 私は、小説を読んで、テレビの方は観ていません。 舞台は銀座のクラブですので、切った張ったの世界のようです。 欲望が渦巻く世界の中で、女性のドロドロとした感情を見せつけられた気がしました。 決して、踏み入れることはない世界だと思いますが、こういう世界にいる中で、 人の恨みを買うようなことをすると、取り返しがつかないほどのしっぺ返しがくるんだなーと、実感。 夜の銀座を生き抜くには、鋭い洞察力が必要なんですね。
2投稿日: 2013.10.15
powered by ブクログ松本清張作品でも特にお気に入りの一作。女の欲や愛、嫉妬を男性作家が綴れるところに驚いた。何度も映像化されているけど、山本陽子と萬田久子の取っ組み合いが好きだったなあ。
0投稿日: 2013.05.18
powered by ブクログぐだぐたと言われる前半。 でも、架空口座だの、産婦人科の儲け方だの、医学部の裏口入学など現代にもつながる社会事象を捉えて進む物語は読んでいるだけで勉強になり面白い。
0投稿日: 2013.03.27
powered by ブクログ平凡な銀行で働く女性が、不正をしてお金を手にする。 その後は銀座のバーのママとしての人生を歩み始める。 なんとなくですが、銀座のママを中心とした ドロドロの人間模様を想像していましたが 昼ドラのようなドロドロではなく 「黒革の手帖」を中心に回る 女好きの男と銀座のママとの間の お金の駆け引きのドロドロ。 このドロドロ感がたまらなく面白い。 今も昔もお金をきっかけに生まれる人間関係。 それが、自分にとって全くわからない 銀座の世界で繰り広げられている。 銀座の話の進行は 少々上手く出来すぎている進行のようにも感じるが ママとお客の男たちの生々しさを感じる 松本清張の文章が 読む者を引きつけていると思います。 下巻でのママの今後の動きが楽しみです。
1投稿日: 2013.03.01
powered by ブクログ目立たなく便利屋として使われてきたベテラン女子行員から、夜の蝶として成り上がりを目指すママに転身。 ストーリーは面白いけど、いつもよりテンポよく読めなかったのは、この転身に至った心理というか理由付けが、あまり感じられなかったからかもしれません。 主人公の元子は、下巻でどうなるのか。 行動の割に悪として描かれていないので応援したいし、出来れば足を洗って幸せになって欲しいけど・・・。 下巻に期待です。
1投稿日: 2013.02.24
powered by ブクログ初清張です。TVドラマを見ていないので、どのような展開になるのかしりませんが、連ドラに十分なる内容。「バア」という表現が昭和を感じさせます。「下」巻が楽しみです。
0投稿日: 2012.12.25
powered by ブクログ脱税目的の架空口座から7500万円を横領し、銀行事務員から銀座のバアのママに転身した主人公、原口元子。 カルネの上客となった産婦人科医の楢橋の脱税をネタに5000万円も手に入れる。が、楢橋をパトロンにバアを開こうとしていた波子の怨みを買う。 さらに医大専門予備校のオーナー、橋田の裏口入学をネタに赤坂の土地を得る画策をする。
0投稿日: 2012.07.25
powered by ブクログけものみちと似たような作品でした。 最後のオチも安っぽくて、楽しめませんでした。 やはり松本清張はサスペンスのほうが面白いと思います。 なぜここまで差があるのか不思議です。
0投稿日: 2012.07.03
powered by ブクログhttp://www.geocities.jp/jupimartmk/S_G/book/kurokawa.htm
0投稿日: 2012.05.17
powered by ブクログ昔も今も女はこれぐらい強かじゃないと這い上がっていけないんだな、と思った。下巻で元子がどういう結末を迎えるのか楽しみ。
0投稿日: 2012.05.02
powered by ブクログ松本清張作品はこれまで読んだことが無く、今年こそ読んでみようと手に取った作品。 著作はハードボイルドな社会派という印象が強く、まずはドラマ化され、女性が主人公のものならとっつきやすいかと思いましたが、予想以上のノワールな設定と展開にびっくり。 文章に甘さや隙が無く、常に張りつめているため、読む側も緊張し続けながら話を追っていく形になります。 清張ものはみんなこうなのでしょうか。息苦しく、圧倒されます。 はじめはバーの客の視点から始まりますが、いつしか主人公元子の視点に映って物語は進みます。 このヒロイン像には驚きました。 人を脅してゆすって巻きあげた横領金で銀座に君臨し、更なる機会を常に狙っています。 自分の悪事に全く反省をしないしたたかな彼女。なぜそれほどはったりが張れるのか。 強い女すぎて、まったく感情移入できません。 彼女がターゲットにする男性たちも、利用する女性たちも、それぞれに自分の欲望を最優先しているような人たちばかり。 腹黒い悪人ばかりの物語です。 誰もが冷徹に計算をし、損得勘定で動いている様を読み続けていると、気が抜けずにぐったりしてきます。 そもそも、元子が横領という犯罪に手を染めてまで夜の世界に飛び込んだ動機が薄くて伝わってきません。 銀行員からバーのママへの転身したのはなぜか? 堅実な職から華やかな水商売へ。資本金があるのなら、もっと手堅い商売がいくらでもあったと思いますが。 執筆当時は、銀座のバーのママの地位はすさまじく高いものだったのでしょうか。 逆にそれなら、下積みがほとんどないぼっと出の彼女がやっていける世界ではないように感じます。 コケティッシュでないため、女性としての魅力を感じない彼女。 基本、人間が好きな人でないと、相手に興味と好意が伝わらず、接客商売は務まらないと思います。 男性が好きではない彼女はママには不向き。どうにもクールで冷酷すぎるのです。 この類の話は、女性が手掛けた方がずっとリアルなものとなりそう。 その分、ドロドロも倍増しそうですが。 悪人の誰もが告発・検挙ギリギリの薄氷の上を歩いているようで、ひやひやしながら読んでいます。
0投稿日: 2012.02.15
powered by ブクログ男女の欲望が、 ネットリといやらしく絡みつく様が面白い。 しかしながら、 元子には、あまりソソられない。 あれ? 黒い腹の底が、 丸見えだと、 興醒めするのか? オンナは怖い。
0投稿日: 2012.02.05
powered by ブクログ勤め先の銀行から横領した大金を資本に、銀座のままに転身した主人公。 銀座を舞台に夜の紳士たちを獲物に女性の欲望が渦巻く物語。 米倉涼子のドラマのイメージで読んでしまいました(^^; でも内容は必死に自分の欲望を叶えようと奮闘する物語でした。 紳士を食い物にする夜の街と、その紳士に食われている一般市民。 なんか社会がいやんになる気持ちでした。 その中でそいつらを叩きのめそうとする主人公をついつい応援しちゃいます。 女の欲望の奥深さを知りたい方にオススメの作品です。
0投稿日: 2012.01.09
powered by ブクログドロドロとした内容。 でも主人公である銀座のバーのママが男から金を巻き上げのし上がって行く姿には、してやったりと感情移入してしまう
0投稿日: 2011.08.11
powered by ブクログ前にドラマ化されたけど、そのときは興味なかった。 架空名義口座や、医学部の裏金入学とか、当時(?)問題になっていた社会問題が触れられている。 そして、それを逆手にとって自分の欲望を満たしていく主人公。 下巻はどうなるのやら楽しみ。
0投稿日: 2011.07.02
powered by ブクログベテラン女子銀行員が銀座のバーのママに転身、その繁栄と没落を描いた作品。 銀行の架空預金口座、医師の脱税、裏口入学をめぐる予備校と政治家の関係といった不正を切り口に物語は展開する。 なんとも皮肉な結末を迎えるこの話は、ある意味、独身女性への教訓めいたものではないだろうか。
0投稿日: 2011.07.01
powered by ブクログ引き込まれた。だいぶ前に読んだのに今でも深夜早朝のゴミ収集車にはいかがわしいゴミではと何故か胸騒ぎがする。
0投稿日: 2011.05.08
powered by ブクログ横領で得た金を元手に銀座にクラブを開店する元銀行員の女。ドラマを見ていないが、本を読んだ限りでは米倉涼子のイメージではない。どちらかと言うと、やり手で駆引きのうまそうな現行政刷新担当大臣がはまり役な気がする。
0投稿日: 2011.03.02
powered by ブクログのっけから、銀座で見かけた不美人のホステスを、後日、千葉の銀行で偶然見つける、という相変わらずのご都合主義。 突然、ホステスとして雇ってくれとやってきた女が、これから恐喝しようとしている男が買い取ろうとしている料亭の中居であるという偶然も。 ユーモア小説か、と大笑いした。
0投稿日: 2010.11.09
powered by ブクログハラハラして面白かったです。 松本清張は昔から好きな作家で、ミステリーの王道だと思っています。この作品はそうでもないですが、意外な真犯人が最後に出てきたりする、いわゆる大どんでん返しが得意の作家さんです。 驚くほど強かな女性が主人公です。時代は昭和50年代初頭なのに、今読んでも全く古臭くないんです。主人公は元銀行員で、巨額の横領をして、バーのママになり、その金持ち客を相手に次々と金を巻き上げる方策を考え、実行するのですが・・・。 まず、バーのママの話し方というのが、上品でとても参考になりました。でも、銀行員をやっていたような人が、接客業なんて次の日からできるのかしら?とは思いましたが。巨額横領事件の手口は、90年代の大和銀行ニューヨーク支店の話を思い出しました。チェック体制の甘さが抜け道になっているんですね。 この作者の人物描写はとても面白いです。若い作家にありがちな、美しい人というのがほとんど出てこず、皆どこかしら影があり、不気味なんです。強欲な油ぎったオヤジも、「ぬらぬらとしたなめくぢのような」といかにも気持ち悪そうな表現です。 それにしても、この本を読むと、いったい誰が悪者なんだろう?と最後に思いました。個人的には、女一人で頑張っている主人公にエールを送りたい気持ちでした。
0投稿日: 2010.09.05
powered by ブクログ377P 初刷:昭和58年1月25日発行 (以下平成20年12月改版の情報) 印刷:錦明印刷(株) 製本:錦明印刷(株) カバー装画:西口司郎 カバー装幀:多田和博 最初の一文:「『クラブ・燭台』は銀座の並木通りを土橋近くへ歩く横丁で、このへんに多いバア・ビルの一つにあった。」
0投稿日: 2010.08.02
powered by ブクログドラマを見てから、原作が気になり読んだ作品。 ドラマでも原作でも、元子の転身ぶりがかっこよくて惚れ惚れしてしまう。 そうやって元子に肩入れして読み進めて行くと、元子は大成功するものと信じてしまい、ラストはショック。 でも、そういうとこが松本清張の作品のパターンのような気がする。
0投稿日: 2010.05.28
powered by ブクログ元銀行員の女が預金を横領し、その金でクラブを開く。 クラブを開いた後も夜の世界で知った情報を元に強請りを 企て順調に行くかに思えたが、最後にどんでん返しがある。 上下巻であるが、なかなか面白か
0投稿日: 2010.04.26
powered by ブクログ地味な銀行員の会社や社会への復讐劇。 銀行のお金を着服し、そのお金を元手に銀座の一等地のバーのオーナになった元子だったが・・・
0投稿日: 2010.04.24
powered by ブクログ中学生の頃初めて読んだ時はちんぷんかんぷんで(当たり前か) 怖い話だ...くらいにしか思わなかったけど、 今自分が主人公の元子と同じくらいの年齢になり これを読むと、人間の強欲さと女の情念となども分かって ある意味で本当の怖さを感じました。 さすが、松本清張!! 手元に置いときたい1冊です。
0投稿日: 2010.02.08
powered by ブクログ銀行に長く勤めていた元子の華麗なる転身。策略と駆け引きで夜の街に羽ばたいていく彼女の人生。今読んでも色褪せることの無いストーリーで、ぐいぐいと引き込まれていきます。松本清張の定番だと思いますが、なぜか購入しつつも読んでいなかった作品。手に取ってみると、長く読まれているのが頷ける面白さです。
0投稿日: 2010.02.07
powered by ブクログ松本清張モノで唯一読んでいなかった本作。 今更だけど、読んでみるとやはり松本清張。 いろいろな情景が眼に浮かんでくる様はさすが。 やっぱり自分のサスペンス好きの原点は この人なんだなぁと再実感。
0投稿日: 2010.01.13
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 7500万円の横領金を資本に、銀座のママに転身したベテラン女子行員、原口元子。店のホステス波子のパトロンである産婦人科病院長楢林に目をつけた元子は、元愛人の婦長を抱きこんで隠し預金を調べあげ、5000万円を出させるのに成功する。次に彼女は、医大専門予備校の理事長橋田を利用するため、その誘いに応じるが…。夜の紳士たちを獲物に、彼女の欲望はさらにひろがってゆく。
0投稿日: 2010.01.09
powered by ブクログ砂の器と同じくドラマを少しだけ見たことがあったので結末が気になり、購入。 最初から引き込まれ、最後(下巻の後半)は目が離せなくなった。 銀行の経理でお局になってしまった元子は自分の人生を悲観し、再起を試みる。自分の権限を利用し、銀行から7千万横領する。しばらくはばれなかったが自分からその罪を内部に告白することにより発覚。横領した金というのも高額所得者の脱税に使われている口座からだったので銀行内部も公にできなかった。それを元子は逆手にとり、支店長らに7千万を永久に返却しない旨の念書をかかせ、銀行を退社する。 退社後、その資金を元手に銀座に「カルネ」というバー(今でいうキャバクラ?)を開く。そのカルネを舞台に物語は進行していくが、まず火種は自分のところで雇っている「波子」にあった。 いろんなところに布石が打たれており、それが最後の最後でつながっていく。井坂幸太郎や東野圭吾もそうだけど物語に無駄がないのでずっと楽しんでいられる。傑作。
0投稿日: 2010.01.07
powered by ブクログ主人公に肩入れしすぎて、終盤が居たたまれなかった。特に安島は・・・。会話の敬語がきれいで、こういう話し方をしたい気分。他の作品も次々読みたい。
0投稿日: 2009.12.09
powered by ブクログみんなが紹介する本と 僕が紹介する本の年代にギャップを感じます(笑) 僕はこの3~4年前から小説に嵌ってるので 過去の秀作にであうと 「なんで もっと前から小説読まなかったんだろう…」 と後悔しちゃいます… こちらは 米倉涼子 主演で ドラマ化されてましたね~ いままで読んだ小説の中で3本の指に入るくらい ラストが衝撃です 「ギャー」と叫んじゃいます(笑)
0投稿日: 2009.10.26
powered by ブクログ何か一気に読みたい気分のときにお勧めの作品です。ドラマとは全く違う展開でドラマ見てしまった方にもお勧めです。女って怖い・・・
0投稿日: 2009.07.08
powered by ブクログドラマにも舞台にもなったので 読んでみようかと。 …これがなかなかおもしろい! ところが下巻が読めず。うう(涙)
0投稿日: 2009.06.21
powered by ブクログ地味・平凡で、好意や注目とは無縁の生活を送る器量も良くない女が、 派手な世界(銀座の水商売の世界)でのし上がり、他人を見返したいとする。 それは「平凡な一生」を忌み「華やかな生活」を自己実現や成功と捉える近年ありがちな風潮が、そのまま当てはまるように思うし、実際共感もする。 オトコに敵対することで、その立場を得ようとする元子。 対して、オトコになびいてその立場を得ようとする波子。 恨みを買いながらのし上がるなどということは、命を縮めて身を滅ぼす以外の結末は、ないでしょう。 しかし、考えてみるとすべてのはじまりが「器量がよくない」というところにあるのが、悲しい。 けっきょく最後は、きれいな女のほうが、多くのオトコを動かし勝利を得てしまう。 実際、そうなんだからしょうがない。
0投稿日: 2009.05.06
powered by ブクログ女の野望がすさまじい 女が寄ってくるためには、 女にとって価値のある男になればよい。 ルックス、お金、肩書き、権力・・・ 相手が必要とするモノをもってさえいれば、 女は自然と近づいてくる。自分のために、男を利用する目的で。
0投稿日: 2009.02.01
powered by ブクログ主人公の元子が、ゲームであるかのように、または事務的な仕事をしているかのように次々とターゲットを定めてお金を巻き上げていくさまは痛快でもあり、はらはらとしたりもします。
0投稿日: 2008.12.21
powered by ブクログ意外と初松本清張かも。 有名すぎる作品だと思いますが。 オンナの世界って、オンナって怖いね。すごいね。 バアとか、自分はたぶんこれから入ることがないであろう世界を 覗くのは楽しいです。うん。 (08/06/28)
0投稿日: 2008.06.29
powered by ブクログ横領金を資本に銀座のママに転身したベテラン女子行員。夜の紳士を相手に、次の獲物をねらう彼女の前にたちふさがるものは―。
0投稿日: 2008.02.20
powered by ブクログ▼爆裂面白い。松本清張は、オヤジ刑事と化粧濃い三十路ばっかりでてくるドラマの影響が強く、あまり期待せずに読んだんだけどこれはビックリ! うわあ、脅迫するお姉さんが黒格好いい! こわやこわや、強欲ママさんだこと!(08/1/17読了)
0投稿日: 2008.01.29
powered by ブクログスピード感がスゴイ!上巻でジェットコースターの上の部分まで行って、下巻で落とされる感覚。文章に引き込む能力もすごいです。寝る間を惜しんで読んでしまったじゃないか。
0投稿日: 2007.05.17
powered by ブクログ結末がいまひとつな感じを受けました。主人公がもっと謀略の限りを尽くしていくような結末のほうが好みですね。結末の伏線が至る所に張ってあります。これを予定調和と見るか、さすがと見るかは分かれるところだと思いますが。。。
0投稿日: 2007.03.05
powered by ブクログ止まらない。 でも、人間描写が甘い気がした。ただ勝利を味わいたいためだけに、元子はここまでの行動に出るのか。分からない。
0投稿日: 2007.02.02
powered by ブクログドラマを見た後に読んだため、どうも米倉が思い描かれてしまった。ドラマよりはもうちょっと現実的にかかれてるかな
0投稿日: 2006.11.03
powered by ブクログ初めての松本精張作品。元子のお金に対するガッツも凄いけれど、それに対するつけも怖いですね。悪いことはするもんじゃないです。正当な手段でお金は稼ぎましょう。
0投稿日: 2006.05.04
