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沈まぬ太陽(四) -会長室篇・上-
沈まぬ太陽(四) -会長室篇・上-
山崎豊子/新潮社
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総合評価

135件)
4.1
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    御巣鷹山事故の後の国民航空再建のために、指名された国見会長が人格者すぎて痺れます。 この物語は善人と悪人の描き方がハッキリしているけど、悪人側のクズっぷりが凄まじくて。。 己の利権にのみ固執し、裏金・賄賂なんでもアリ。 どの程度事実に基づいたストーリーなのか不明だけど、かつての日本航空がこんなんだったとしたら、本当に衝撃。 組合同士の対立もひどくて、ひとつの会社でこんなになってしまうのか?!と。 とにかく最終巻でスッキリできる終わり方になることを望むのみです。

    1
    投稿日: 2025.10.21
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    ジャンボ機墜落事故の後、国民航空再建のため、国見会長が就任。恩地は会長の依頼を受け、部長として会長室で働くことに。その一方で私服を肥やす魑魅魍魎たち。まだ悪役が悪事のしたい放題。次回、最終巻でスッキリ解決を期待。

    31
    投稿日: 2025.08.21
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    前作の事故から会社の在り方から建て直すために、恩地をはじめ、総理から指名され、戦時中の仲間を守れなかった思いがあり、第二の出兵として引き受ける国見 もう無理なのではないかと思うくらいに、どす黒く淀んだ社内の組織に辛くなります。 次の最終巻のクライマックスに向けての前段という感じで、面白いというよりは、そこにいる恩地、会長、恩地のかつての友である行天が置かれている状況に、どこの立場であっても大変なことに変わりないと思ってしまいました。 犠牲者の遺族や、組合など寄り添うことの難しさにフィクションには出せない底のない沼を感じる一作です。 10年間海外でたらい回しにされ、組合長を経験している恩地でなければ、こなせないであろう役職を全うして欲しいと願うばかりです。

    8
    投稿日: 2025.08.19
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    国見正之会長がカッコ良すぎる。こういう上司の下で働きたい。 三顧の礼と云われ、国見は応えようがなかった。あくまで就任に反対した、上杉社長の顔が思い浮かび、なお躊躇った。だが、同期の中で、戦場へ出ず、生き残った者としての負い目がある。もはや、辞退は許されない。 「二度目の召集を受けたと考え、お引き受け致します」 国見は、万感の思いに押されるように、決意した。(p50) 国見は、内閣総理大臣の利根川総理からの要請として、その陰の参謀である龍崎一清から、未曾有の大事故を引き起こした国民航空会長になるよう懇請される。元々、国見が会長を務めていた関西紡績は、「国家社会への奉仕」を社是にしており、彼自身「労使運命共同体論」を説いて、関西紡績の労使関係を改善した実績があった。そんな国見を、「使命感を持ってい」て、「経営再建に実績があり、特に労務に明るい」人材で、「六十五歳以下で、実際に自分で仕事が出来る人物」と見て、龍崎は、国民航空再建のトップとして選んだ。 はじめは固辞した国見だったが、それを引き受ける決意をした理由は、「お国のためにという一言に背けず(p51)」だった。 「お国のため」、「国家社会への奉仕」といった言葉は、令和に生きる日本の人々にどう響くだろうか。おそらく、かつて大本営参謀として戦争に加わり、戦後十一年間のシベリア抑留を受けた龍崎や、学徒出陣で召集されたものの、教官要員として国内に残されたために、戦地で散った同期の中で生き残った国見たちへの響き方は、今の自分たちには、想像し難いものがあるように思う。国見の姿を見ていると、「お国のために」という志が、単なるナショナリズムや右翼のようなものではないことがよくわかる。 おそらく、国見のような人間は、これからの時代に二度と現れないであろう管理職のあり方だと思う。こうしたトップのあり様は、ある意味、昭和の時代から受け継ぐべきものだったんじゃないかとすら思わせる、物語の説得力を感じる。 小説のラストは、御巣鷹山事故から一周忌を迎えたところで終わる。しかし、なおも日本航空の組織体質が変わる兆しはまだ見えない。 読めば読むほどに、この時代の会社に勤めたいとは思わないが、現代人が何かを学ぶべき昭和の遺産に溢れた物語だと思う。何よりも、読めば読むほどに、御巣鷹山の事故が、すでに過去の出来事になりつつあることを、ものすごく感じる。ここに描かれているほどの解像度ですら、この事故のことを、現代のほとんどの人は知らないように思う。 何というか、小説だから書けることの一つの答えを、ものすごく突きつけられる小説のような気がする。

    1
    投稿日: 2025.06.10
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    日本に帰ってきて良かったと思ったのに御巣鷹山の事故。御巣鷹山の事故は何度かテレビで見ていたけど私が生まれる前のことで、こんな事態になっていたのかと詳しく知り、また事故があってものうのうと暮らす上層部の人たちに嫌気が差した。

    0
    投稿日: 2025.02.10
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    2001年(発出1999年) 512ページ 読んでいて本当に胸糞悪くなるような人物が次々と登場する第4巻です。性根の腐った人間がこれでもかというくらい出てきます。バブル時代の象徴のように、巨額な金が右から左へと動きます。もちろん、小説としての脚色もあるとは思いますが、金の亡者ばかりで反吐が出そうになる。不正ばかりのそのやり方は、腐敗という言葉がまさにピッタリ当てはまります。とにかく読んでいてムカムカします。今の政治家もまったく同じです。国民航空は、上層部が私腹を肥やし、末端の社員は蔑ろ。政治家や官公庁役人は、自分たちが甘い汁を吸うためには、国民の生活をまったく顧みない。 そんな中で新たに国民航空会長に就任した国見正之と会長室部長に抜擢された恩地元が、この腐敗した体制にどれだけ切り込んでいけるのか? 後半の5巻に期待です。

    26
    投稿日: 2025.01.30
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    御巣鷹山事故のその後の経過記述の中にも、新会長以前の腐敗した経営体制とその御用組合の真っ黒な人間関係の緻密な描写に気分が悪くなるほど。 不毛地帯を読んでいるときにも感じたが、どうか結末に救いがありますようにと願わざるを得ない。

    0
    投稿日: 2024.10.24
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    本作、『沈まぬ太陽』全5巻は、2019年11月に第3巻を読んでいましたが、ジャンボ機墜落事故の凄惨さ、内容の重さに、娯楽としての読書にはならず、読むのを中断していました。 その頃から、4年5カ月が経ち、ようやく第4巻を手にとりました。 著者の作品、ブクログ登録は17冊目。 あらためて、著者、山崎豊子さんを、ウィキペディアで見てみます。 ---引用開始 山崎 豊子(やまさき とよこ、1924年(大正13年)1月2日 - 2013年(平成25年)9月29日)は、日本の小説家。本名︰杉本 豊子(すぎもと とよこ)。 ---引用終了 で、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は、起こるべくして起きた事故だった。政府は組織の建て直しを図るべく、新会長に国見正之の就任を要請。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。「きみの力を借りたい」。国見の真摯な説得が恩地を動かした。次第に白日の下にさらされる腐敗の構造。しかし、それは終わりなき暗闘の始まりでしかなかった…。 ---引用終了 本作のp508に、『昇魂之碑』について書かれています。 引用してみます。 ---引用開始  順次、十一基の墓標に、供え物をして、冥福を祈ると、恩地は事故機が激突した地点に建つ『昇魂之碑』の前にたった。  高さ二メートルほどの御影石に、上野村の黒澤村長が揮毫した文字が刻まれている。多くの生命が絶たれたこの地点を空の安全を誓う場にという願いを籠めて、村長と藤岡市の石材組合が寄付をして建立されたものであった。 ---引用終了

    33
    投稿日: 2024.04.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本の背帯の文言 もう一度闘う決意をした恩地。企業を蝕む「闇の構図」を暴くことはできるのか  利根川総理のたっての願いで、新会長に関西紡績の国見正之会長が国民航空の会長を兼務することになった。 恩地は国見会長に説得され、会長室の部長に抜擢される。  新生国民航空の会長である国見が以下の新役人事を発表した。  社長に、前の運輸事務次官で顧問の海野昇、副社長に、もと常務の三成道夫を指名した。  はじめは国見の意見に同調していた社長、副社長も、やがて、厳格な国見から離れていく。  今回も読んでいて非常に、むかむか来た。  国民航空の関連会社である国航開発のワンマン社長の岩合宗助は、ゴルフ、夜のクラブ遊びに飽き、クルーザーを購入し、会社の接待や自分に必要な「客」だけを乗せ、オーナー気分を楽しんでいた。  国民航空本社の秋月専務、甘粕秘書部長、新生労組が出資している旅行会社の専務の轟などをクルーザーに載せ、そこで密談をしていた。  新生労組の幹部は、組合員が毎月払う会費(一ヶ月五千円、年間七億二千万)を使い、高級ホテルのスイートルームで酒を飲みながら定例会を行う。  甘粕は国民航空の優待券・割引券を轟に横流しする。  轟は裏地にドラゴンの地紋が入った派手なスーツを着、ブランド靴を履いている。新生労働組合の副委員長だった轟は、組合員時代に潤沢な組合費を使い高級レストランやバーで飲み食いし、女遊びをした。  国民航空から吸った甘い汁で永田町の政治家に献金する、これら悪徳幹部達。  魑魅魍魎が跋扈する国民航空の描写を読んでいると、こんな嘘のような事実が、現実にあったのだろうと思うと、むかむか来た。  最後は御巣鷹山事故の一周忌の描写で終わるが、一周忌に参加した遺族の慟哭の様子を読んでいて涙が出るおもいだ。 以下、恩地の決意で終わる。 「今なお、航空会社の使命を忘れ、贖罪の意識の欠片もない社内の魑魅魍魎の輩を、はびこらせてはならない。 会長室に対する反駁は、さらに強まるだろうが、屈してはならないと、恩地は心に誓った」  次巻「会長室篇・下」も楽しみだ。

    6
    投稿日: 2024.03.30
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    事故後1年も経ってないのに、賄賂やキックバックで私腹を肥やすことしか考えない上層部面々。こんな会社ほんとにあるんだなー

    2
    投稿日: 2023.11.23
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    腐り切った会社が520人もの命を奪う事故を起こし、その再建のために全く異業種から送り込まれた国見会長と恩地元の立ち回りが興味を引く。ここまで腐った組織ではトップをしがらみのない外部の人間とすげ替えなくては無理なのであろう。それでもトップとはいえ1人の人間だけで再建するのは不可能であり恩地をはじめとする会長室が一丸となり膿を出し切るの最終巻のメインストーリーであろうが、敵の多い恩地の活躍に期待したいところだが、正義と矜持を真正面からぶつけてきた彼がどう振る舞うかに注目しながら最終巻を楽しみたい。

    0
    投稿日: 2023.10.15
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    国見会長という素晴らしいリーダーがいてくれて、ホッとしました。ようやく恩地さんが認められて、力を発揮できる時がやってきました。ここまで読んできて、リアルな世界の出来事のように感じ、思わず人に話してしまいそうです。どこまでも腐り切っている上層部をどのように切り崩して行くのか、切り崩せるのか、最後まで気が抜けない、改めて後世に残すべき大作です!

    1
    投稿日: 2023.09.30
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    会社再建のため、総理の後押しを受けて会長就任した国見、 現場を大事とする、その人格と経営力は社員を変えていこうとするが、、 待つのは想像以上に腐敗した会社の蛆共だった。 520人の尊い命を奪った責任など露とも思わず、尚も利権を貪り食う魑魅魍魎 そして初めて会社からの不当な扱いから解放され、会長室の一員となった恩地元 前巻で事故の悲惨さ、遺族の悲しみと怒りをまざまざと見せつけられたが、今回は余りに腐敗した一部社員に違う意味で顔を歪ませられた。 果たして組合統合は成るのかーーー 続きが気になる!!!

    0
    投稿日: 2023.05.20
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    後藤田は『運命の人』と同じだが、瀬島は『不毛地帯』の主人公だった為か、別名で登場。こちらの方が名実共に近い気がする

    0
    投稿日: 2023.05.01
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    読みきれず… 御巣鷹山編までの圧倒的な胸打つものがとたんになくなった。どろどろした社内政治に主人公が不在の登場人物渋滞。

    0
    投稿日: 2023.04.08
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    華やかにみえる航空会社でも、機長は髪が1週間で白くなることがあったりと、どの仕事にも想像を絶する大変なことがあるのだと感じた。正論だけを言ってもまかり通らないこともあるのかもしれないが、自分の信念をもって自信と責任を持って発言・行動できるようになりたいと思った。今の社会にもこのように頑張ってくれている人がいるのだと思うと自分がぬくぬくしすぎだと思わさせられる。

    0
    投稿日: 2023.02.21
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    登場人物が増えて誰の目線で描かれてるか少し理解に苦しんだ。 会社のトップが私利私欲に走るのが信じられなかったけど、これが事実に基づくフィクションだと思うと 会社の腐った感がすごい。 今の時代もあんな考えの人がいるのかな。 御巣鷹の事故を考えると涙がら出るし、 乗客の恐怖や、ご家族の無念さや深い深い悲しみを考えると辛いものがある。

    0
    投稿日: 2023.02.18
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    JALが嫌いになるような作品。 いい意味でも悪い意味でも昭和ってやりたい放題の時代だったんだなとは思う。 もちろんフィクションも混ざっているのはわかるが、ある程度事実に基づいているであろう山崎さんの作品であるがゆえにショックも大きいように思う。

    2
    投稿日: 2022.02.14
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    この物語の中で最も面白いと思うのがこの「会長室編」。表と裏のせめぎ合いが凄まじい。一見“表”に見えても、実は“裏”だったりする。 もっとも、話の通りであれば(過分にフィクションは入っているであろうが)、モデルとなった会社は相当腐敗しているだろうが(その後の顛末を見るとやはりそうだったのかもしれない)。

    1
    投稿日: 2022.02.13
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    1.著者;山崎豊子さんは、小説家。大阪の老舗昆布店に生まれ、毎日新聞に勤務後、小説を書き始めました。上司は作家の井上靖氏で、薫陶を受けています。19歳の時、学徒動員で友人らの死に直面。「個人を押しつぶす巨大な権力や不条理は許せない」と言っています。社会派小説の巨匠と言われ、権力や組織の裏側に迫るテーマに加え、人間ドラマを織り交ぜた小説は、今でも幅広い世代から支持されています。綿密な取材と膨大な資料に基づく執筆姿勢は有名です。 2.本書;国民航空の新会長として関西紡績・国見会長が就任。国見は、恩地(主人公)を会長室部長に抜擢。次々と白日の下にさらされる不正・乱脈・腐敗の構造。「今なお航空会社の使命を忘れ、贖罪の意識の欠片もない社内の魑魅魍魎の輩を、このままはびこらせてはならない。会長室への反発は、さらに強まるだろうが屈してはならないと、恩地は心に誓った」と物語は、“会長室篇・下”に続きます。 3.私の個別感想(心に残った記述を3点に絞り込み、感想と共に記述); (1)『第1章 新生』より、「関西紡績では、大卒の新入社員は必ず、地方工場の舎監になり、女子従業員の指導に当たる事になっていた。国見が、富山工場の舎監に赴任して、眼にしたものは、ごうごうと音をたてる紡織機を前に、千五百名もの女子従業員が糸切れを紡ぐために、綿ぼこりにまみれながら、こまねずみのように動き回っている姿であった。一日八時間乃至十時間働き、夕食を済ませてから、女学校並みの学力をつけるために、補習教育を受ける。・・・昼間の疲れで、つい睡魔に襲われる十代の少女たちに、いかに興味を持たせて学ばせるか、苦心したことが、懐かしく思い出された」 ●感想⇒寮生活をしながら、仕事と学業を両立させてきた人達には頭が下がるばかりです。今でも同じような環境で頑張っている人がいると思います。しかし、大抵の人は親の庇護のもとで、学校生活を送っているでしょう。親への感謝の心を忘れてはなりません。私事です。異動で、調達部に変わった時の事です。調達(購買)の仕事には、経理知識が必要にも拘らず、若い人は知識不足かつ学ぶ場がありませんでした。そこで、私が講師になり、自主勉強会を企画し、在籍期間3年までの人を対象に希望者を募りました。かなりの人数が集まりました。その時に、女性中堅社員が「私も参加させてほしい」と直願してきたのです。理由を聞くと、「夫が零細企業を経営。経理の人を雇う程の余裕がないので、私が勉強したい」との事でした。給与も出ない自主勉強会でしたが、参加を了承しました。共働きだけでも大変なのに、その意欲に感銘しました。自前のテキストで、1年間ほど研修しました。終了した時に聴講者から数々のお礼の言葉を貰いました。今でも私の大切な宝物です。 (2)『第2章 朝雲』より、「国民航空が今日のような姿になったのには、・・・その根源は「人事」にあると考えます。不正人事が、全ての部門に影響を与え、会社全体を活力のない、しらけた状態にしてしまったのです。これは歴代の社長はじめ、役員が、自分の子弟や親族を縁故入社させ、これにより役員が、私的に人事を左右する環境が社内に生まれました。そして、自分を中心とした閥を作ることに専念し、その派閥に属した特別なグループの社員のみが昇進昇格出来るようにしています」 ●感想⇒縁故採用はどこの会社でもあります。縁故は最大限に活用すべきだと推奨している先生もいると言います。しかし、縁故採用は就職希望者の門戸を狭くするので、機会均等の点で好ましくありません。一歩譲ったとして、問題なのは、実力がない縁故者を採用するという事です。ある会社では、縁故者を優先的に受験させていますが、企業向きでない人はブランド大学でも不合格にしているそうです。それはそれとして、縁故のない人は不利な条件の中でも、勝ち抜ける力を養いたいものです。会社側も真に実力あるものを採用する事が企業の将来に資すると考えてほしいと思います。それは企業の社会的責任の一端です。 (3)『第6章 狼煙』より、「恩地君(主人公)は常に弱い者の立場に立って考え、行動する、言うならば人道主義者です。・・・彼のように組織の中で、悲惨な立場に置かれ続けてきた人間を用いることで、差別されてきた者に希望を持たせ、・・・陽の当たる職場で働く姿が、組合員の差別撤廃の旗印になると信じている」 ●感想⇒主人公・恩地のような人に出会った事がありません。物語のように、差別されてきた人に活躍する場を提供する人がいれば拍手喝采です。私事です。私は幼少の頃に、人道(主義)について、祖母から色々と言われました。「他人からの恩を忘れたら犬畜生と同じだ。他人が困っていたら助けてあげなさい。お百姓さんが大事に育てたお米に感謝し、米粒一粒残してはいけない。食べ物で美味しいと思うのは誰もが同じ、先に人にあげて自分は後にしなさい、・・等」と教えられました。振返ると他人からそのような事を言われた事がありません。至極当然な言葉ばかりかも知れませんが、私には言霊です。 4.まとめ;国民航空の腐敗構造に言葉がありません。例えば、①派閥を作るための手段を選ばぬ人事考課の仕方、遊び人・政治家の子弟ばかりが昇進していく実態 ②労働組合の副委員長は、一日たりとも出社せずして、査定は最高の評価をずっと受け続けている ③生協理事は納入業者に商品の伴わない架空領収書を書かせる・・・等、枚挙に遑がありません。国民航空には、真面目に正直に真摯に働いている人が大勢いると思います。フィクションとは言え、憤慨遣る方無い思いに駆られます。この会長室篇は下に続きますので、そこで再度“会長篇”をまとめます。(以上)

    50
    投稿日: 2022.01.30
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    重い・・・本当に重い。これ、あと一冊で終わるんか・・・?でも、とりあえず御巣鷹山の山場は越えて前に進んでるから読めるわ・・・・

    1
    投稿日: 2022.01.12
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    御巣鷹山航空機事故を受けて、後任人事として全く業種の異なる会社に会長職を要請した。世間の風当たりが強い会社の会長職に就くというのは、爆弾飛び交う戦場に突如派遣されるようなもので、受けた人間の覚悟も相当なものに感じる。抜本的な社内改革のために政府主導で依頼されたものではあるが、当然旧体制化で甘い汁を吸ってきた輩からはきつい反発があり、事故から1年経っても改革は進まない。  自分の身を案じること(地位など)に一番の人間、そのためには他者のことなどお構いなしという風潮は今の世の中でも変わることなく、特に組織の中でいい地位にいる人たちに多く存在し続けているように思う。それを変えようとすると異端とも捉えられかねない。会社再建の道のりは果てしなく遠い。

    5
    投稿日: 2020.05.30
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    長編は苦手なのですが、ノンフィクションに近い内容で読み応え凄く、あっという間に読破してしまいました。

    2
    投稿日: 2019.11.25
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    内容紹介 恩地元。この男の生き方があなたの魂を震わせる― 国民的感動を呼んだ大ベストセラー。 広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。 人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命――。 人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける!

    2
    投稿日: 2019.10.29
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    上下巻600ページの小説でしたが、読了。 主人公の歯がゆさが常に感じられる作品。 生きることの難しさを感じながら読みました。 最後もまた、予想外のことが起こり、 前を向いて生きること大切さ、しみじみ感じます。

    0
    投稿日: 2019.02.11
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    2018/11/6-11/18 この話って本当にあったの?!って読みながら何回も思う。早くJALについて詳しく調べたい衝動に駆られているが、全て読んでからにしようかと。 今のようにコンプライアンスもなければ、アナログでの処理が当たり前の世界では抜け道だらけだったんだろうなと思う。関係会社にもいるけど、上の人しか見ない体質、気持ちが悪い。彼らの仕事に対する意欲などは本当にあるのかと聞いてみたくなる。単なる自己満足、ステータスが上がればいいのかなぁ?? 訳の分からないスジだったり、交友関係など、本当に邪魔なだけ。今思えば、今の働き方ってだいぶ良くなったってことなんだよね。今も意味分からないことは多いけど、この時代に比べればマシ。

    0
    投稿日: 2018.11.18
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    "正義感だけでは、世を正すことがとてつもなく困難な様が描かれている。不条理がまかり通る世界で過ごさざるを得ない状態に身を置くことを考えてみた。賢い人は、その組織を去るのだろう。残るにしても気持ちを曲げてまで組織に残らざるを得ない人は病んでいくほかない。清く動けばつぶされる。 今2012年にこの小説を読みながら、過去にありえたことなのか疑いたくなるほどの世界がここにある。"

    0
    投稿日: 2018.10.28
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     御巣鷹山事故後、利根川総理(中曽根)は国民航空(JAL)の立て直しを図るために新会長を国見に依頼する。会長就任から時を経て国見と、利根川総理、影の参謀といわれている龍崎との新橋料亭での会話(P396~)この龍崎とは、山崎豊子の小説『不毛地帯』に壱岐正としても登場する人物である。  後もう一つ、賄賂で腐敗しきった会社の上層部に億の金を用意する格安旅行代理店の風雲児フランクこと永井藤夫ってHISの創立者、澤田秀雄のことか・・・ネットで調べてみるがヒットでず。なにやらきな臭いにおいが(あくまで小説のはなし)

    0
    投稿日: 2016.10.09
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    なかなか陰鬱とした気分になる内容。 いかにもこいつら悪いことしてます!って内容が満載だけど、実際JALってどうだったんだろう ?

    0
    投稿日: 2016.10.03
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    国見会長と恩地の会社の立て直しは前途多難。あれだけの悲劇を起こしながら、想像を絶するほどの私服を肥やす魑魅魍魎たち。どう対抗していくのか。

    0
    投稿日: 2016.09.25
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    「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は、起こるべくして起きた事故だった。政府は組織の建て直しを図るべく、新会長に国見正之の就任を要請。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。「きみの力を借りたい」。国見の真摯な説得が恩地を動かした。次第に白日の下にさらされる腐敗の構造。しかし、それは終わりなき暗闘の始まりでしかなかった……。

    0
    投稿日: 2016.07.17
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    ますますイラつく4作目。ほんとうに酷い会社・・・ 最後ももやもやが残るんだろうなあ、実際のあの会社の話だし。ああ、やだやだ。

    0
    投稿日: 2016.04.17
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    これが本当に実話なのだろうか、国民航空の悪役達の悪辣ぶりが生々しい。業務上横領をはじめ、愛人との営みの描写など、遺族が読んだらいたたまれないだろう。 会社を食い物にする人物たちのヒドい行いがこれでもかと言うほど描かれており、最終巻で回収できるのかが不安になるほど。 終盤の遺族たちの切なる叫びが胸を打ちます。

    0
    投稿日: 2015.10.21
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    総理直々のお願いで国民航空のトップに立った国見会長の国民航空の立て直しのストーリー。この人すごいできる人間で理想主義者なのに、どれだけくだらない人間が国民航空に多くて足を引っ張りまくることか。マジ腹立つ。既得権益への固執、馴れ合い、ごますりとか本当にだっせーとか思うけど、そういう人間って多いよね実際。正直そんなことしても成り立っちゃうくらいこの頃って経済成長もしてるし、企業に余裕があるんだろうね。みんな頭よくて能力あるのに視野が外に向けられてなくて、内向きだから、どうでもいいことばかりに頭使ってて本当にあほくさい。あと時代が時代だからしょうがないけど、共産党嫌われ過ぎ(笑) もう本当にムカつきながら読んでるわ~。 次ラストだけど、あと一巻で国民航空が立て直せるとは思えないな(笑)どんなラストになることやら。。。

    0
    投稿日: 2015.06.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    御巣鷹山の墜落事故を機に、国民航空を立て直すべく財界から手腕を買われた国見が総理を後ろ盾にして会長に就任する。恩地も会長室部長として重責を担うが、旧態依然とした会社を食い物にしていた勢力の執拗な妨害工作が繰り広げられる。しかも総理やその対抗勢力も国民航空から利権を我が物にしようと国見を送り込んだのだった。良識派の監査役による長期の為替予約(その巨額の為替差損は副総理の蓄財に利用された)や子会社の不正が次々と明らかになるも、それは政府首脳の望んだことではなかった。そして遂には国見は会長を辞任、恩地はナイロビへ左遷される。しかし結局東京地検特捜部が出てきて幕引きとなるのだが、この終わり方は無いでしょう。まぁ当時は良かったのだろうけど…

    0
    投稿日: 2015.03.05
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    前巻で史上最悪な飛行機事故を起こしてしまった、国民空港。 特殊法人な故に、総理大臣ご指名の別会社の会長が、 国民空港の会長に就任し、腐りきった社内改革のために奮闘する話。 4巻では、会社の役員やグループ会社の役員の 利権に溺れている様や、癒着の様子、金策の様子など 事故を起こした会社とは思えぬ腐敗っぷりをたっぷり披露する1冊となっています。 会長室に呼ばれ、組合統合に奮闘する恩地さん、 海外から戻ってきても、色々苦労続きの話が続きます。 4巻は5巻に向けた前ふりの一冊であったかもしれません。 正直何も進展しないのが本作です。 でもそのため最終巻がどう終わるのかが非常に気になります。

    0
    投稿日: 2015.02.03
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    一転して、国民航空内の暗闘が描かれる。これまでの派手さはないが、取材に関してや、その後のクレームのことなど、もっとも困難が伴う巻なんじゃないだろうか。こういうことも含めて書ききってしまう山崎豊子さんの執念に脱帽。

    0
    投稿日: 2014.12.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    3巻位からぐいぐい引き込まれ、4巻も私にしては早めに読破。 大会社及び政治家の世界って本当に黒い。 魑魅魍魎。 今も変わらずなんだろうな~。と 政治資金不正の話がTVで花盛りなだけに、思ってしまう。 今、本当にクリーンな政治家なんて1人でもいるのだろうか??

    0
    投稿日: 2014.11.04
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    あの事故の後なお、自分自身の保身しか考えない人があまりに多いのになんか疲れちゃうよね。 なんなのこの人たち、もっと前向きにやろうよ、って。でも、ずーっとそれが当たり前できている人たちなのよね。可哀想。 さ、次巻で最後。なんか救われないことばかりで、だいぶと萎えるけど、見届けます。

    0
    投稿日: 2014.08.26
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    沈まぬ太陽5巻のうち、腐敗しきったシロアリ会社役員に関する巻。日本の大企業やサラリーマンなんて、東電の腐敗が明るみに出る何十年も前からこんな体質だったのだと実感。バレずにもらえるものはもらう(着服する)。社員の給料から少額ずつちょろまかした金で高いもの飲み食いして豪華客船に乗ってハッピー。正しいことを考えて実際に実行する人なんておそらく半数以下だろう。会社員だけじゃなくて高級官僚もこの調子なのだから、かつても、今も、日本は「美しい国」などでは全くないと思う。基本的に正直、でもテレビ見すぎ・大手新聞社信じすぎの平民はもう何十年も騙されてきたのだ。なにしろ、この巻にありありと描かれているように、ニュースは会社役員が新聞社を高額接待して「作られる」んだから。 細かな調査に基づいて書かれているものの小説中の「利根川総理」の日航123便事件に対するスタンスと現実のそれにはかなりの乖離がある気がする。ひょっとしたら山崎さんはちゃんと知りつつも、意図的にそういう設定にしたのかもしれない。気になる方は中曽根元総理にまつわる疑惑について調べてみるとよいと思う。 企業による接待でズブズブの大手新聞社と対照的に、真実を書こうとする姿勢を見せる「中央新聞社」は今日では「東京新聞」に近い気がする。

    0
    投稿日: 2014.07.20
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    社内・政界のひどい腐敗ぶりに驚く。魑魅魍魎の巣食う魔宮か。読んでいるうちに勧善懲悪を期待してしまうが、世の中、白か黒どちらか一色になることはありえないのだろう。人間の悲しい性なのか…。

    0
    投稿日: 2014.05.28
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    御巣鷹山事故後の再建に踏み出した日本航空。 そこで設けられた会長室で国見会長に召集され、腐敗し切った組織に挑む恩地さん。 一筋縄ではいかない、底知れぬ闇のような人間の私腹、保身、偽善、不条理。 読んでいて体力を奪われるほどのリアリティで切り出す山崎豊子さんはすごいです。 だからこそ、恩地さんや国見会長の正義に純粋に感動します。 現実は、理想論や観念論では動かない。 きれいごととして書かれてはいないのです。 これぞ、ヒューマニズムではないでしょうか。 会長室篇•下巻が沈まぬ太陽シリーズ最終巻となります。 日本航空、そして恩地さんがどこに辿りつくのか、早く読み届けたく思います。

    0
    投稿日: 2014.04.25
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    国民航空を立て直す為、外部から関西紡績の国見正之が会長に就任した。魑魅魍魎が蔓延る国民航空において、絶対安全を目指す。 国民航空役員、政治家、官僚、マスコミの癒着の様相が激しい。これでは安全な空の旅は無理だよ。 シドニー~香港の飛行機内で読破

    0
    投稿日: 2014.02.08
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    国民航空内外の魑魅魍魎が大活躍で読み進めるのにウンザリするほど。 利権とはこういうものかとよく理解出来た。 益田利一とは何というネーミングでしょうか。 ここまで書いたら山崎豊子はJALには乗れなかったんじゃないかと思ってしまった。 キックバックってどこの業界でもやってるのかな。 完全な民間企業なら法的に問題は無いんだよね? 担当者が懐に入れたらダメなんかな? 私の知ってる業界は懐に入れてるけど…小説みたいな目玉の飛び出る金額ではないけど… (私はもらわないし渡してないですよ~) 新聞記者の話はほとんど実話なんだろうな~凄いなー。 事故機の機長は前巻では散々無能パイロット扱いされていたけれど、本巻では彼に落度は無かったという立場からの描写がされていた。 小説掲載中に激しい反論にあって、「その通りだった。あれは間違いだった」と作者が認めて予定には無かったものを書き加えたのか? 元々こうするつもりだったのか? 確かに操縦不可能になればパイロットにはどうしようもない。 この会社の労使関係の拗れようは余りにも酷い。 どこが一番正しいのか私には全然分からない。 でもアコちゃんの意見には共感できたなぁ

    0
    投稿日: 2014.02.07
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    ようやく目の黒い経営者が現れ、いよいよこの腐り切った組織の構造改革に乗り出す。 なんとかしてこの腐敗を断絶してくれと祈りながら最終巻へ思いを託す。 恩地がんばれ

    0
    投稿日: 2014.01.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    御巣鷹山の事故をきっかけとした航空会社の呆れるほど悪質な人間模様が描かれており、作者の取材力に圧倒させられた。どこまでが実話かは解らないにしても、ここまで徹底的に描かれているからには、実際にはもっとひどかったとも考えられる。会社の存在意義、会社員としての自分の生き方を改めて考えさせられる作品。

    0
    投稿日: 2014.01.05
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     一気読みでした。  たいして何もしていない人間が、汚いお金を手に入れてそれを使うことになんか腹ただしく思いながらも読みました。  それが上に行けば行くほどそう言う人間が増えているから余計に腹が立つ。

    0
    投稿日: 2013.12.30
  • 読み応え抜群!

    2006/03/21記録。 昨晩5巻まで読破しました。 最初の1巻目はゆっくりと暇なときを 見つけて読み進めていましたが、 3巻目ぐらいから怒涛の勢いで読み進めて 完読に至りました。 オスタカ山篇での強烈な事故描写を読んでいる うちに、平気でJALのマイレージを集めている 自分が不思議に思えてきました。 当時は小学校4年生ぐらいだったと思いますが、 親から見せてもらったFridayのスクープ 写真がまるで戦争跡のような状態だったのが、 しっかりと脳裏に焼きついています。 会長室篇は、やっと日の目を浴びた恩地の 大活躍かと思っていましたが、決して そんなこと単純な展開はなく、ひとつの企業体の 腐りきった状態にいらだちながらも 単純な勧善懲悪とはならないところに 人間という動物の根の深さを感じた 作品でした。読み応え抜群!

    1
    投稿日: 2013.12.26
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    4 山崎の作品は、嫉妬がテーマになることが多い。たしかに現実の社会では、そんな問題もある。が、スポットをあてすぎると読んでいていやになる。さわやかさがないからだ。 九州大学:Φ

    0
    投稿日: 2013.11.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    再読。 労働組合なんて本当に古い考え方。くだらない。人事体制が整っていないのも悪いが、加入する組合により派閥が起こって待遇に差が出るなんて言語道断。その前に御巣鷹山事故をもっと真摯に受け止められないのか。会社が腐ってる。それが故に起こした事故なのでは。 国見会長に光を見た。恩地さんを救えるのはこの人しかいない。 次はついに最終巻。ここまで遺族の想いに泣き、会社の体制に憤りを感じることのできる小説はなかなかないのでは。やはり偉大な人でした、豊子先生。

    3
    投稿日: 2013.10.23
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    いやぁ面白い。前巻の御巣鷹山編があまりにも印象的だったので、惰性でいかなければ良いなぁと危惧していた思いを見事に裏切ってくれました。腐りきった大組織を再建へ導く過程の話。少し違うけど、いま流行りの半沢直樹に似た部分を感じてしまう。いつの時代も組織を私物化し、利権を貪る輩が存在していることの証であろうか。最後に正義が勝つことを期待したいが、そのモデルなっている某企業はつい最近、会社再建を余儀なくされ、やはり現代のカリスマ経営者を外部から招聘し会長にすえ、体質改善をはかり業績回復をした姿をみると、時代は繰り返されたということか…。

    0
    投稿日: 2013.10.19
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    国見会長体制が発足し期待感を抱かせるも、国民航空内はドロドロに腐敗しきっている。 御巣鷹山墜落事件を経てもな改善されない体質に失望するとともに陰鬱としてくる。国見や恩地の心情と疲労を察して余りある。 小説としては星五つだが、国民航空の腐った体質へのフラストレーションから星三っつ。

    0
    投稿日: 2013.10.11
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    ◆あらすじ(裏表紙より) 「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は起こるべくして起きた事故だった。政府は組織の立て直しを図るべく、新会長に国見正之の就任を要請。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。「きみの力を借りたい」。国見の真摯な説得が恩地を動かした。次第に白日の下にさらされる腐敗の構造。しかし、それは終わりなき暗闘の始まりでしかなかった……。 ◆感想 いよいよ恩地が国見という大きな庇護を得て、会社の腐敗体質に切り込むのか!と、通常の物語なら思うところ。しかし、これは事実を元に再構築した小説だけに、リアルです。そう簡単にはいきませんね。

    0
    投稿日: 2013.09.30
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    本篇は、日本航空の鐘紡の伊藤氏が経営再建にあたった史実がベースとなって書かれている。御巣鷹山篇で読者とのノンフィクション性が確立してしまっている本篇は、フィクションと史実が曖昧になると微妙である。本編を読んで日本航空等の関係者などの受ける印象はどうだろうか。公平性はあるだろうか。週刊新潮での連載だったので、かなり、ルポ的要素が求められたのだろうが、ここまで踏み込んで書くには小説といえども・・・の領域はあるように思います。ちなみの反対の立場はhttp://www.rondan.co.jp/html/ara/yowa3/に記載があります。

    0
    投稿日: 2013.05.03
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    経営のためには安全が疎かになっていいのか、そんな思いを持ち続けて読んだ。 会社の中に、そんな思いを持ちながら闘い続ける人がいるという事に、まだ安堵は出来る。 しかし大きな組織に呑み込まれていく様が、悔しくもあり悲しい。

    2
    投稿日: 2013.02.09
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    この一連の作品群については、読み応えがあったかどうかというより、「読んでてウンザリしないかどうか」で☆をつけてます。 第3巻の御巣鷹山編は、良くも悪くもクライマックスだったので☆5としましたが、この巻はフィクション、ノンフィクションを含めた国民航空の薄汚さ、背後で暗躍する人々の業の深さに嫌気が差してきたので、☆を4としました。 事実関係をもとに再構築した「小説」ではあるものの、人間ここまで自己の保身と欲の追求のためだけに汚く黒くなれるのか、と思うと、人って怖いなぁと思います。 これが最後の第5巻でどのような結末を迎えるのか、あるいは何も変わらずにJALが辿ったように崩壊へと突き進んでいくのか、心して最終巻を手に取りたいと思います。そのための「助走期間」としては、この巻の位置づけは大事なんだと思います。

    0
    投稿日: 2013.01.15
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    国民航空再建のため、総理の要請を受けて関西紡績の国見正之が新会長に就任した。 空の安全を確立するため、4つに分裂した組合の統合が何よりの急務であると熱く語る国見の姿には、恩地と同じく僕も胸を打たれた。 これまで労使双方のことを本当にちゃんと考えてくれる経営者がこの会社にはいなかったから。 国見さんがあと1年早く国民航空に来てくれていたら、あの事故は起こらなかったのではないかと思う。 飛行機に乗る側にとれば(2回しか乗ったことないけど)離着陸が成功するなんて当たり前のことだけど、機長、副操縦士、航空機関士をはじめ、それに携わる人たちは極度の緊張状態の中で仕事をしているのだということを知った。 パイロットの仕事のきつさを知るためコックピットに搭乗した国見会長は本当に立派な人だと思う反面、扉1枚開ければ出来ることをしてこなかった今までの役員は一体何なんやろうと思った。 山崎豊子さん、本当にコックピットの中に入って取材をしたのかな? 大きな目的を達成するために新たに会長室を設立した国見さんは、そこの部長に恩地を招いた。 10年間海外の僻地を盥回しにされてきた恩地がようやく日の目を見ることができ、国民航空も良い方向へ動いて行きそうだなと思ったら、どうやら一筋縄では行かなさそうだ。 政治家、官僚、会社の重役がみな私腹を肥やすことに専心し、国見さんの邪魔をしようとしている。 次から次に不正が暴かれ、人間の汚い部分を散々見せつけられて、ウンザリしたし怒りが込み上げてきた。 この会社は腐っている(フィクションであると信じたい)。 こんな大人には絶対になりたくない。 国見さんも恩地さんも、自分のことしか考えていない愚かな連中に負けず王道を進んでほしい。 □□□□ レビュー400件到達! やったね☆ 500件、1,000件を目指して、これからも続けていきたい。

    2
    投稿日: 2013.01.04
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    御巣鷹山の墜落事故を起こし、窮地に立たされた国民航空。時の利根川首相とその参謀龍崎は、関西紡績の国見を国民航空の会長に引っ張り出す。しかし国見の目指す真摯な経営方針は、国民航空を食い物にしている政界人や不正を働いて私腹を肥やす社内の人間らの反発を招くようになる。国見の設置した会長室に登用された恩地も再び“アカ”との謗りを浴びることに。 国見の登場で腐敗が正されるかと思いきや、(一)~(三)でも明かされなかった様々な不正がボロボロと出てきて、これが大企業の現実かと目を疑うばかりだ。政界も大企業も汚い金にまみれている、これは国民航空に限ったことではないだろうと思わせる、恐ろしい警鐘的作品だ。

    0
    投稿日: 2012.09.24
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    実話に基づいた作品。全5巻に及ぶ大作。読破できるか、読み続けられるか、途中で読むのを断念しないか・・・と心配し、まずは1巻だけを購入した。しかし、そんな心配は全くの杞憂。すぐに、2巻・3巻、そして4巻・5巻と書店に買いに走り、一気に読み上げた。 企業組織の恐ろしさと権限乱用の実態、御用組合の状態などが描かれており、今に至るJALの経営体質が、なるべくしてなった当然の帰結だと納得できる。出版・発行に至るまでには、JALからは勿論、政府筋から相当の圧力もかかったと想像に難くないが、それでも出版に踏み切った作者:山崎豊子氏、出版社の英断に敬意を表したい。

    0
    投稿日: 2012.06.06
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    山崎豊子の著作はホント読むのに体力がいる。 第3巻の御巣鷹山編が強烈に疲れて、一度読むのを中断。 やっと再開したが、やはり4巻も疲れた…。 疲れる理由は人物描写が極端なところか?すごく良い人間とすごく悪い人間しか出てこない。特に良い人間のあまりにも純粋に正義を振り翳す姿が非常に鼻につく。 どんな人間も清濁併せ持っていると思うのだが…。

    0
    投稿日: 2012.03.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    組織の中では、権力欲に振り回される人、下積みから抜け出すことができない人、天下りで君臨する人、ほんの些細な違いから人生の苦楽を分けてしまう理不尽さを描いている 

    0
    投稿日: 2012.02.14
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    会社員生活も長かったし1年だけだが組合活動も経験したが、この本に出てくる国民航空の政治家絡みのすさまじい腐敗ぶりはちょっと信じがたい。半官半民の大企業に蠢く登場人物がいきなり増えて話が少しわかりにくくなる。さあラスト1巻!

    0
    投稿日: 2012.02.06
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    うーん、すごいんだけど、何かちょっと・・・という部分も。 迫力はあるし、正義とは何か、安全とは何か。 それは非常によく伝わってくるのですが。。。 賄賂体質な会社の様子をこれでもか、と描き続ける4巻だったので、ちょっと消化不良ですね。

    0
    投稿日: 2012.01.02
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    この四巻は、いよいよ具体的に国民航空の改革に取り組む主人公の活躍が描かれる・・・と言いたい所だが、そう一筋縄にはいかないので、読む側もやきもきすることになる。 トップ人事の刷新にまつわる政治かけひき、新会長の誠実な人柄と苦悩、主人公の奮闘ぶり。相変わらずぐいぐいと引き込む山崎氏の筆致に身をまかせつつ、この小説が「事実を取材した上で再構成した新しいタイプの小説」であることにゾッとするのだ。 政治家、官僚、国民航空関連会社の上層部よ・・・悪すぎるだろう。金に汚すぎるだろう・・・ともうドン引きである。登場する当時の「首相」は、私も子供の頃によく見覚えのあるN氏だし、生々しい事このうえない。 その上、私がこの作品を読み出した頃はとうにモデルである日航が凋落し、再生への道を歩みだしている頃。読み進みながら、心の中で「うわあ・・・」「え・・・」「なんでよ」と何度も絶句した。 ため息が出るほどの凄まじい腐敗。 一巻では、主人公の偏屈とも言える「会社に居続ける事へのこだわり・熱血ぶり」にイライラした私だが、四巻五巻ではあまりの国民航空や政治家の腐敗ぶりに気を取られてしまい、もう主人公の熱血ぶりが霞んで見えた。 いやー、どこまで腐っていくんだろうか、奴らの悪事は露見するのか、どうなるんだ!?と、いよいよ最終巻「(五)会長室篇・下」へ進むのでした。

    0
    投稿日: 2011.12.26
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    JAL関係者からは批判を浴びたようですが、やはり山崎豊子が正しかった。そう感じる今日この頃。 涙なくしては読みつくせません!

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    投稿日: 2011.12.16
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    ジャンボ墜落のあと、航空会社の再建のため総理の意向のもと関西財界から真面目に信念を持った男が会長として就任。主人公はその会長室の部長となり、会社の改革を進めていく。 しかし、会社内の不正や政界との癒着、複数の労使間のいがみあいなど、改革は思うようにすすまない。 主人公の努力がようやく報われてきたのを嬉しく思うのと同時に、大企業内部の膿のひどさに嫌悪を感じる。 オリンパスの粉飾決算事件や大王製紙前会長のカジノ使い込みなど、大企業の不祥事問題ニュースを最近よく耳にする。会社が大きくなりすぎるとそういった闇の部分がどうしてもできてしまうのかな。

    0
    投稿日: 2011.11.27
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    巨大航空企業の不条理さに闘いを挑んだ男のドラマ4冊目。 史上最大の墜落事故を経験した大企業の腐敗した姿が明らかになる。 そんな中、新会長より組織建て直しの為に会長室部長に抜擢される。 しかしそれはあまりにも巨大な暗闇への1歩であった。 国と企業との癒着振りがこれでもかと出てきます。 主人公はそんな暗闇の中、いわゆる懐中電灯もなしに歩いていきます。 あまりにも巨大な組織相手についつい興奮してしまいます。 政府と準国営企業の腐敗振りに興味がある人にお勧めの作品です。 当時の郵政や日航と絡めると面白いと思います。

    0
    投稿日: 2011.11.20
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    山崎豊子先生の言葉遣いがとてもわかりやすく、読みやすい。知らない言葉が出て来たとき、辞書を引かなくても文脈で意味が分かる。まるで音程をまったく外さない歌手みたい。 それと、私は、国見会長がとってもいいと思いました。恩地さんはちょっと意固地すぎやしないかな。

    0
    投稿日: 2011.11.01
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    く、黒い、黒すぎる。国航幹部や新労組員の金銭欲や、墜落事故の影響を 感じさせない既存利権への執着心がさまざまなエピソードの中で描かれ、 国民航空の堕落ぶりがさらに明らかになる。特殊法人というぬるい環境が その土壌を作り、バブル期の浮ついた経済状況がそれに拍車をかけている。 恩地さんの魑魅魍魎という言葉がしっくりくる。フィクションだと信じたいけど、 程度は違えど似たようなことは本当にあったんだろうな。最終巻の次巻で どういう風に決着がつくのか、楽しみ。

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    投稿日: 2011.10.25
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    国見会長の実直さを見習いたい(見習えないが)。取り立てられた恩地に、どこかほっとできる感覚を与えてくれる(今まで不遇だったので)

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    投稿日: 2011.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    次から次へと出てくる会社としての不正と政界との癒着 利根川 → 中曽根 竹丸 → 金丸信 十時 → 後藤田正晴 道塚 → 三塚博 永田 → 福田赳夫 名前は知っている政治家の人たちがずらり・・・ 主人公の恩地も実在の人物がモデルで かなりの実在のモデルがいる小説って 連載当時から色々な反響などがあっただろうなぁと想像できる 山崎さん自身もあとがきで、たくさんの方々にインタビューをして 資料を調べて書き上げた小説と書いています ただ、面白いとかとは書く事は出来ない 社会のこと、家族のこと、自分の心の中のこと たくさんのことを読みながら考えてしまいました

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    投稿日: 2011.09.07
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    今のJALも同じなのだろうか。全く違う産業界から会長になった孤軍奮闘ぶりは今のJALの再建体制にどううつっているのだろう。更に今のJALのことが気になる。裏金でいい暮らしをしている生活ぶりが何とも空虚に感じ何ともいえない。

    0
    投稿日: 2011.09.04
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    ちょっと読み疲れてきた。。 全3巻か4巻にできた気がする。 結局、社会的良心とは何かとか 会社が公器としてなんであるかを問いたいの だと思うので、少し取材内容を書きすぎなきがする。 高度成長期のバスや不動産と同じく飛行機も 利権が絡んでいたのを生々しく実感するのに やくだつけど。 (登場人物や会社名を全部、実物に転換して読むと)

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    投稿日: 2011.08.26
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    感慨を覚えながら読み進めている本書も、いよいよ終盤にさしかかってきた。遺族係だった恩地元は、内閣総理大臣から三顧の礼をもって実業界から迎えられた国見会長の抜擢により会長室の部長に転任する。本巻においては恩地の活躍よりも、公明正大な国見会長の人柄、魑魅魍魎とした国民航空のブラック社員・役員が様々に描かれていた。墜落事故を詳細に描いた前巻の御巣鷹山篇はいささか技術的な内容だったが、文系の私にとってはやっぱり人間をしっかりと描いた内容の方が愉しんで読める。 本巻において私がもっとも興味を持った人物は轟鉄也。本作品におけるヒールの一人ではあるが、私にとってはこの人物について興味津々であった。もちろん、道義的には非難されるべきキャラクターの代表格なのであるが、頭の回転の速さ及び押しの強さはビジネスマンとしては見習うべきものがあると思うのだ。国民航空に籍を置きながらトップを説得し、資金を集め、旅行引き受け会社「ジャパン・エア・ツーリスト」を設立するという手法は、現代で言うところの企業内ベンチャーに相当する。企業を飛び出して丸裸一貫で起業するのではなく、企業内で企画を出してバックアップ資金を取り付けて業を起こすという企業ベンチャーは元気の良い企業でみられる現象である。商社や広告代理店などの社風が自由な企業ならまだしも、ナショナル・フラッグ・キャリアたる特殊法人においてよくぞそんな偉業が成し遂げられたものだ。 最終巻たる次巻において、轟の末路や如何に…。 また、企業において人事が非常に重要なファクターであることが改めて実感できた。国見会長は墜落事故の原因を不正人事と一刀両断し、まずは組合統合へと全力を注ぐ。縁故入社、派閥人事、組合差別などの不正人事はあらゆる部門に影響を与え、会社全体を活力の無いしらけた状態にしてしまうのだ。確かに、本巻を読んでも無茶苦茶な人事が読み取れ、いくら有名企業とはいえこんな組織では働きたいと思えない。実は私、大学4年の就職活動時、某航空会社の会社説明会及び面接に赴いたが、社員、特に若手社員の雰囲気が良くなかったことを覚えている。とても自社に誇りを持って仕事をしているようには思えなかったのだ。これも人事の歪みと無関係ではあるまい。 先行して映画版を観てしまったのだが、原作品においては結末はどうなるのだろうか。楽しみである。

    0
    投稿日: 2011.08.10
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    恩地属するクリーン会長チームvs甘い蜜をしゃぶり続けたいダーティーチーム。 恩地さんをたらいまわしにし続けたダーティーチームの内部がようやく見えてきます。 別に恩地さんに同情するわけじゃないけど、あれだけ私利私欲にまみれた上位層を見せ付けられるとさすがに会長がんばれっ!!ってなる。 そして知恵と金と手回しの悪さにイライラする。 やっぱり悪が成敗されるのはフィクションの中だけかぁ・・・残念。

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    投稿日: 2011.05.18
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    国営企業の立場をいいことにやりたい放題な人たちがわんさか…。こんな人たちの企業に命を預けるのはこわいわ。でもそんな人ばかりではないんだけど、そういうまっとうな人は差別人事にあったり、ほんとにやるせない。国見会長がどこまで頑張れるか、一度腐敗した組織をたてなおすのは並大抵ではできないだろうなと思った。

    0
    投稿日: 2011.03.24
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    国民航空ジャンボ機墜落事故を受け、堂本社長が辞任。 会社の非常事態を乗り切るべく、関西紡績の会長・国見正之のもとに、国民航空の会長職を要請。 当初は固辞していた国見だが、龍崎の一言に胸を打たれ、会長職に就く。海野社長、三成副社長と三人で、国民航空の立て直しに取り組む。 しかし、理想主義かつ人道主義の国見の思惑とは裏腹に、国民航空の長年の政界との癒着体質や既得権を手放したくない一部の人間たちの策略により、国見主導の改革は、思うようには捗らない。 国見の推薦により会長室部長に任命された恩地は、自分の過去の経歴が国見の改革の障壁となると不安を抱くも、国見の経営者としての魅力に心を打たれ、国見のために働くことを誓う。 これを読んで、大人って怖いなーって思ったのが、正直な感想。 既得権を守るのに必死で、自分以外の人間なんか関係ない。 正直言って、絶対こんな大人になりたくない、って思った。特に、轟と石合。 ただ、これを読んですぐに「国見会長すげー!」って思うのは、オレは間違いやと思う。 彼にも、バランス感覚が欠如してると思わされる部分はあるし、彼も昔の恩地同様、自分の主張を決して曲げない、意固地な部分がある。 どっかで、壁にぶつかる気がする。 まあ、国見の場合は「空の安全確保」って目的を果たすためやと思うと、意固地にならなあかん部分もあるんやろけどね。 それに、確かに国見はかっこいいw彼の言葉に惹かれる人たちの気持ちは、すごいわかるww 不正を働く者が処罰され、組合の統合がうまくいくことを願うばかりです。 でも、この調子やと、多分何も変わらないまま、物語は終わるんやろなー・・・・

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    投稿日: 2011.02.17
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    御巣鷹山の事故から再建を目指していくが・・・色んな癒着があってドロドロ。少し難しい話も入ってきたが、先が気になる。

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    投稿日: 2011.01.29
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    これはもしかすると日本の縮図なのかもしれません。この巨大企業を動かす経営陣の中で、単純に「飛行機を動かす」ことだけを考えている人が一体幾人いたことか。あれだけの大事故でさえ変わり得なかった企業。政・財・官が癒着し、一部のマスコミを味方につけて事故を知る国民の目をそらしながら企業として偽りの再生を図る構図はなんと醜いものでしょう。

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    投稿日: 2011.01.19
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    山崎豊子著。1999年。御巣鷹山の事故を起こした会社は、経営改革を余儀なくされ、政府や会社再建のために繊維会社を経営する国見をトップに据える。そして、新たに会長室を設け、恩地はそこに配属されることとなる。 国がバックについているという甘えから、経営体質が緩み、さまざまなところにゆがみが生じていた。事故が起きたのは人的要因よりも企業体質に問題があったといえる。

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    投稿日: 2010.12.31
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    「会社」のひどさに呆れます。 実際にこんなことが起こっているとしたら コワい。JAL!! 山崎豊子さんの取材力は、半端じゃないです。

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    投稿日: 2010.12.10
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    沈まぬ太陽4 最終章の会長室編。 本巻の主人公は、どちらかと言うと国見会長でしょうか。 3巻を読み終えた時点では、何となく御巣鷹山篇に違和感(国民航空では無く、遺族にスポットを当てていた為)を感じていましたが、本巻を読んで納得。 遺族の悲惨さと対比されて、国民航空の腐敗ぶりが良く表現されていると思います。 が、しかし。 「取材しても分からないであろう描写」が増えてる気がします。結構フィクションの部分が多くなっているのでしょうか?

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    投稿日: 2010.11.21
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    主人公にやっと味方となる上司ができた。新しく会社にやってきた会長だった。やっと仕事らしい職務につき、周りとのやりとりに苦戦しながらも会長を信じて、立ち向かっていく。

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    投稿日: 2010.11.19
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    事件を受けて新経営陣での再建がスタート。 そこに主人公も抜擢される。 そこから始まる、既得権との戦い。 怖い、恐いぞJAL。

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    投稿日: 2010.11.16
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    安全を蔑ろにし、利潤追求に走った経営が、御巣鷹山の悲劇を生んだ。組織の立て直しを図るべく、政府は外部から会長職を招聘。新会長の下で組織の腐敗と戦うことになった主人公。だがそこに待っていたのは予想以上に深い闇であった...。腐敗しきった組織の反撃が始まる。人間はどこまで強欲に、残酷になれるのか。恐ろしく思う。こんな会社の飛行機に今まで乗っていたかと思うと暗鬱な気持ちになる。ただただ、恐ろしい。

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    投稿日: 2010.10.11
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    4巻は、怒涛のように話が進みだす。 事故の後に世の中はどう動き、航空会社はどう動いたのか。 そこに政治が絡み、あらぬ方向に進んでいく。 主人公に見えかけていた光明が、なんとなく翳り始める。 ここまで読んできて今更だが、この話は本当にこんなに長い意味があるんだろうか? なんだか、無駄に引き伸ばしているような感じがしてならない。 それが作風?

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    投稿日: 2010.10.09
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    国見会長の掲げる「絶対安全」の旗印の下、その実現に純粋な気持ちでまい進する人々と、 私利私欲にまみれ、御巣鷹山の事故が起こった後でも自身の保身のみを考える人たちが交互に描かれる。 国見会長がかっこよすぎる。 自分の責任外のことについても、自分の責任として対応する。 俺には出来ないことだなあ。なぜそこまで出来るのだろう。 国のために身を犠牲にすることが出来るその精神とはどのようなものなのだろうか。 はっ、だから国見(身)なのか? まさかね…(笑 ここもあわせてよみたい。 http://www.rondan.co.jp/html/ara/yowa3/index.html

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    投稿日: 2010.08.15
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    でも山崎豊子さんの取材力ってすごい。 別に航空会社に勤めてたわけでも、政治家だったわけでもないのにね。 こんなにリアルに描写できるのが。

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    投稿日: 2010.07.10
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    御巣鷹山事件の後、国民航空再建のため、とある人物が任命される・・・4巻ともなると飽きもあるのか、読むのに時間がかかってしまった。

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    投稿日: 2010.06.08
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    お金と権力好きな人でドロドロ。 ドラマにしたらわかりやすいかも。 昼の1時半ぐらいから毎日やってる真珠夫人の枠で。

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    投稿日: 2010.06.08
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    汚職だらけで、くさりきった管理職と回りの登場人物がさらに増え、ついていくのが大変。。 一方で国見会長みたいな人こそ真のリーダーなんだと感じた。きっと郵政公社とかの内実もこんなんだろーなと思った。人間って不思議。

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    投稿日: 2010.06.07
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    金の亡者がうじゃうじゃしてます 正直今、日本を動かしている人たちとその下の天下り法人にいる人たちもそう変わらないんじゃないの!?と 気分が悪い ちょっと気になる記事を読んで色々考えた 名前は違うけどこのお話は日航機墜落の事をまんま書いていて でも小説だから脚色もあったりで この本を読んで傷つく人がいること この小説はお話だけど、破綻してしまった日航が現在あるという事はどういうことだろう 経営をちゃんと考えていたのか フィクションとはいえ沈まぬ太陽の映画を社員に向かって批判したTOPの人がいたり 落ちた事実 亡くなった方がいる事実 その辺りはどうなのだろう

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    投稿日: 2010.05.20
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    遺族会から一転、新会長が設立した会長室付き部長に抜擢される。 会長特命のもと、グループ会社や社内の問題の解決に取り組む。 しかし、恩地の抜擢をよく思わない社内勢力や、既得権を守ろうとする勢力の抵抗にあり、改革は思うように進まない。

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    投稿日: 2010.05.03
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    愚弟の本 内容(「BOOK」データベースより) 「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は、起こるべくして起きた事故だった。政府は組織の建て直しを図るべく、新会長に国見正之の就任を要請。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。「きみの力を借りたい」。国見の真摯な説得が恩地を動かした。次第に白日の下にさらされる腐敗の構造。しかし、それは終わりなき暗闘の始まりでしかなかった…。

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    投稿日: 2010.04.22
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    ~内容(「BOOK」データベースより)~ 「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は、起こるべくして起きた事故だった。政府は組織の建て直しを図るべく、新会長に国見正之の就任を要請。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。「きみの力を借りたい」。国見の真摯な説得が恩地を動かした。次第に白日の下にさらされる腐敗の構造。しかし、それは終わりなき暗闘の始まりでしかなかった…。 ~~~~~~~~~~~~~~~~

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    投稿日: 2010.04.02
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    ちょっと昔の勧善懲悪の世界だ。 英雄と悪者が決まっていて、分かりやすい。 国見会長は、宋江で、恩田は、林冲か。 水滸伝の世界だ。

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    投稿日: 2010.03.20
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    (「BOOK」データベースより) 「空の安全」をないがしろにし、利潤追求を第一とした経営。御巣鷹山の墜落は、起こるべくして起きた事故だった。政府は組織の建て直しを図るべく、新会長に国見正之の就任を要請。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。「きみの力を借りたい」。国見の真摯な説得が恩地を動かした。次第に白日の下にさらされる腐敗の構造。しかし、それは終わりなき暗闘の始まりでしかなかった…。

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    投稿日: 2010.03.18
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    この本に限った話じゃないんですが、山崎豊子さんの本ってとてもいい娯楽。何より素晴らしいのがすぐには完結しないので、次に何を読むか悩まなくていいトコロ。こちらも美味しくいただきました。4巻。

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    投稿日: 2010.03.02
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    いよいよクライマックス。 外部から会長を迎えて首相命令の元、国民航空再建へ取り組むが汚職の闇は果てしなく深かった。 会長直結部隊、会長室部長となった主人公にも容赦なく及ぶ卑劣な手。 小説としての結末は敢えて濁してあっても、現実はそこそこまともな方向へ向かっているのだと信じたいです。 本作は映画化も決定され、再注目されているようですが、肝心のその航空会社の現状を探ってみたい気もします。 機内食の改善など些細なところの変更があるという事は、大きなところも改善されているという事なのでしょうかね。 5巻にも及ぶ大作ドラマは小説いうよりもドキュメンタリーに限りなく近い。 5年もの歳月をかけた取材から生まれたこの物語が企業で悩み、奮闘する人々に与える力は大きいのではないかと思います。 読後、唯一心残りに感じたのは、行天が恩地を裏切りものと判断し、道を別にしたシーン。こんなにも切れ者の行天が何の証拠もない堂本の言葉を信じてしまった事。長い物語の原点にもなるシーンのため、もう少し納得できるような理由がほしかったところです。

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    投稿日: 2010.02.11
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    史上最悪の航空機事故を起こした国民航空は、空の安全をないがしろにし、利潤の追求に突っ走った経営体質が問題視される。政府は国民航空を抜本的に立て直すべく、現経営陣を退陣させ、産業界から新会長を招聘。主人公はその新会長が新設した会長室のスタッフに就任する。今までの社内の腐った体質を一層しようとすべく奔走する主人公は、想像だにしなかった会社の暗部を垣間見ることになる。そしてそれは終わりなき見えない敵との戦いの始まりだった。

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    投稿日: 2010.01.17