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八日目の蝉
八日目の蝉
角田光代/中央公論新社
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総合評価

1712件)
3.9
446
681
366
57
18
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    NHKのドラマや、今ロードショー公開されている映画もあるので有名な小説だね。 女性作家の小説は、私はあまり好みではないが(山崎豊子は別格)、この本は楽しめた。 母の日を直前に、お母さんをテーマにしたこれはお勧めです。 本はなかなか読めないけど…という方には映画やドラマをご覧になったら如何でしょう。 母の日だから。

    2
    投稿日: 2023.05.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    逃げ切ってくれ〜とめっちゃ希和子を応援してしまう 特に島で希和子と薫が幸せにしてるから捕まるのつらい 誘拐は許されないけど希和子が薫をめっちゃ大事してて肩入れせざるを得ない お話としてアウトだけど和解して仲良く暮らしてほしかったよ〜

    1
    投稿日: 2023.04.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    誰が1番悪いのか。 不倫、嫌がらせ、誘拐、マスコミ。 描き出せばどう考えても誘拐が1番悪いはずなのに 読者は愛を持って育てている事を知ってしまっているので なにが罪なのか分からなくなった。 読んでで凄く不安定になったけど小豆島の描写がとても綺麗で ものすごく行きたくなりました。

    4
    投稿日: 2023.04.13
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    不倫相手の子供を誘拐して、逃亡しながらも育てていくストーリーから始まる。 誘拐は罪だが、責任取らない不倫相手も罵詈雑言浴びせるその嫁も親としての役目を果たしておらず同様に罪深いと感じた。 そして希和子さんを道中助けてくれる方々はみんな女性で、思惑があるにせよ本当に優しく逞しいなと。 第二章で恵理子(薫)さん主体のストーリーとなり切ない気持ちになったが最後で救われた気持ちになった。 男は本当に情けない。

    1
    投稿日: 2023.03.19
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    すごく面白い小説であったが、読み手の状況によって受け取り方が変わる気もした。 私は小さな子供がいるシングルマザー。主人公と同じ状況にはなったことは無いが、主人公の気持ちを察するに、不倫相手との間に出来てしまった、生まれることが出来なかった子供への罪悪感と共に、赤ちゃんを自らの腕に抱いたときに抱く母性本能から薫を誘拐してしまったのだろう。とて、薫の母親の立場からしたら、いくら母親として妻として難ありに見える女性であっても、居ても立っても居られない3年間であっただろう。 薫と親子として過ごした3年間のストーリーは、ハラハラするいつも追い立てられているような焦燥感を感じながらも田舎の暖かくゆっくり進む時間を感じられて自然豊かな背景まで想像できた。あの田舎での生活がそのまま続いていたら、二人は幸せだったんだろうか。 主人公が逮捕されて、薫の生活は一変してしまい、自分のアイデンティティや絶対的な愛情を感じられない生活であったのではないかと想像する。最終的に二人がかつて共に過ごしていた場所で、気付かずに交わったとき、最終的にはみんな幸せになれたのかなと思わずにはいられなかった。

    5
    投稿日: 2023.03.16
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    何回読んでも、何回読んでも、読み終わってもこれ以上の作品に出会えるのか不安になる程ステキな作品 最後はみんなが幸せになったと信じたい

    3
    投稿日: 2023.03.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    母とは。娘とは。親とは、母性とは、愛とは。そうした問いを女性の目線から丁寧に描いた作品。 終盤、身籠った恵理子が語る、 "おじいちゃんの先生がね、子どもが生まれるときは緑がさぞやきれいだろうって言ったの。" "海と、空と、雲と、光と、木と、花と、きれいなものぜんぶ入った、広くて大きい景色が見えた。今まで見たこともないような景色。それでね、私、思ったんだよ。私にはこれをおなかにいるだれかに見せる義務があるって。" の台詞にこの作品の問いの答えすべてが集約されているように感ぜられた。

    3
    投稿日: 2023.02.26
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    いやぁ… えぐられた。人間の心の底のほうにある醜悪なところをまざまざと見せつけられ、それでもそれが人間であり、誰もが生きる八日目の蝉であると希望を見出せることに感服させられた。 いやぁ…すごい。

    0
    投稿日: 2023.02.24
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    母になる前と後では感情の揺さぶられ方が全く違った。 逮捕されるときに『この子はまだ朝ごはんを食べていません。よろしくお願いします。』ということばが出たシーン。子供を愛する母親以外の何者でもなかった。母親でいさせてあげたかった。

    3
    投稿日: 2023.02.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    複雑な母娘愛がメインのテーマ。 ただそれだけではなく深層的な部分がかなり深いので加害者が被害者に、逆転して被害者が加害者になったりして見える。 罪と欲(愛)の合間でおきるからこそ辛い。 常に罪を罪と捉えながら、それでも天秤に欲(愛)の方をを少しだけ重くおく。 1日1日を「今日の幸せ」として大事に大事に。 角度の見方、捉え方で幸も不幸もあるようで無く、無いようであるのか? 罪に対しても何故か幸か不幸か分からなく見えた。 どこからが過去なのか? 始まりはどこからか? 誰の何からか? 過ちを覆い隠す言い訳、過去を振り返るよりも明日を迎えることで紛らして誤魔化し、それを信じる。 希和子の娘を思う気持ち、罪よりも自分、自分よりも娘、娘よりも自分と娘の生活。そこが素直で素敵で、しかし境遇が辛い。 2章で恵理菜が主体のストーリーに展開。 様々な境遇で「自分の意志と意思」が芽生える前に「運命」を形作られてしまい、やはり過去に引っぱられる。当然そうであろう。 全てはその境遇において自分の意思と意志とは関係ない人々の中で起きたもので、選択肢すらない運命だったのだから。 少し他人事みたいに振る舞っているが、それはそうしないと思考がクリアにがならない自分の過去から続く現在だからか? 他の人とは特殊に異なった人生を上手く納得できず、上手く理解できず、そうして上手く生きられないからなのか? 過去(根本)を恨むのは当然で、そこがなければ違った人生があったのだから。 しかし読後、この人生を歩んだからこそ「愛」の深みや広さをより理解でき、より強い人生を選択できる気がする。 境遇をマイナスと捉えてしまう、それはそうかもしれない。 ただプラスに捉えられた時に生まれるであろう形は、並の人間の物より大きく深く広いはずだ。 生まれてくるであろう子供との家庭は、母娘深く広い「愛」で築いていってほしいと願う。 タイトルどおり「八日目の蟬」。 八日目以降の登場人物達の次の一日、これからの人生がいいものになるようにと思った。

    26
    投稿日: 2023.02.15
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    産まれたての赤ちゃんをさらい4年足らず育て暮らした偽物の母親。一方、手元に帰ってきても我が子を責め続ける本物の母親。許されない卑劣な犯人の方が母親らしくないかという着想。色々エピソードがあって考えてしまう。 ドラマも映画も何回見ても泣かされる。 気になるのは「エンジェルホーム」。そこへ行くには稼働中日本最古の生駒ケーブルに乗って終着駅まで。タクシーに乗り換え生駒山中のどこかにあるという設定。生駒山は古代より現在も信仰の不思議。 終着駅は山上遊園地ではないか。エンジェルホームはテーマパークのアトラクションのひとつなのかも知れない… #八日目の蝉 #角田光代 #中公文庫 #赤ちゃん誘拐 #生駒ケーブル #鳥居前駅

    0
    投稿日: 2023.02.14
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    名作。自分の子供が小さいからこそ余計に想像が膨らみ刺さる。あとがきに納得。だから安心して読めたのか。

    2
    投稿日: 2023.02.10
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    誘拐は紛れもなく犯罪なんだけど、希和子目線の薫ちゃんの成長に泣きそうになった... 最後再会出来なかったの辛いな

    0
    投稿日: 2023.02.04
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    奥の深い作品。生みの親より育ての親、もう少しほんわかとした物語りに出来なかったかしら?犯罪とは言え恵理奈は母親の愛情をたっぷり感じられ、少なくとも本当の母親より愛されて育ったはず。大人になり全てを理解すると何故憎しみ?を感じるのだろうか?

    3
    投稿日: 2023.02.03
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    既婚男性と交際していた希和子が、その男性の娘赤ちゃんを連れ去ってしまい逃亡生活を送る様子と、連れ去られた赤ちゃん恵理菜のその後の人生が描かれた物語。 交際相手の赤ちゃんを連れ去るという立派な犯罪を犯すところから始まる物語ですが、希和子の赤ちゃんをかわいがる様子を見ていると、不思議と逃亡生活を応援してしまいました。自分の子のように赤ちゃんを面倒みてしまう母性にはなんともやるせない思いがしました。誘拐犯ながらも赤ちゃんをお世話する様子、成長した子に優しく声をかける様子は実の母のように愛情を注いでおり、母親としては見習うべき姿ですらありました。 そして本当の家族の下に戻された恵里菜のその後。もはやあのまま誘拐犯希和子と過ごす方が幸せだったのではないかと思えました。 しかし恵里菜が「もし誘拐されていなかったら」と考えている内容を見ると、彼女の人生は希和子のせいでめちゃめちゃになっており、やはり誘拐の罪の重さを感じます。

    1
    投稿日: 2023.02.02
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    角田光代さんの本は初読み! おもしろくてすらすら読めました(^_^) 誘拐のお話なのになんだか切ないなぁ〜。途中希和子と薫が入った宗教団内エンジェルホールのシーンは怖かった。 他の蝉には見られなかったものをみられるのが「八日目の蝉」

    12
    投稿日: 2023.01.27
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    無償の愛とは。 血の繋がりがあるから親子だとか家族だとか関係のない事に思える。 決して犯してはいけない事をしたけど子どもを思う気持ちだけは誰にも負けなかったのだろう。 希和子も薫も幸せになれ。

    2
    投稿日: 2023.01.27
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    1章読んでいる時は、この話どう締めくくるのだろうと思いながら読んだ 2章に入って少し納得感があった 最後に会わないのかと思った

    0
    投稿日: 2023.01.13
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    読んでいる間中、自分も一緒に逃げている気分になってしまってとても辛かった。傍観者でいられなくて、逃げて逃げて、どこまでもどこまでも。 読み終わった後に自分の感情を表す言葉が見つからなくて、暫く引きずってしまっていた。言葉にできたら、楽になれたわけではないけれども。 愛情も、罪も深すぎて。

    6
    投稿日: 2023.01.12
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    スリリングな展開の中で母と子の心温まる日々があり、その後に隔絶があり、最後に美しい自然に引き寄せられた邂逅があって、深い余韻が残る本でした。 男性である自分としては池澤さんの解説もよかったです。

    0
    投稿日: 2023.01.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    欲しいのは未来。薫と過ごせる未来。 2人はどうなってしまうのか。話に惹きこまれた。 希和子の薫に対する愛情が尊く、泣けた。こんなに人に愛してもらえたらどんなに幸せだろう。 壊れてしまうとわかっていても、いつまでも希和子との生活が続いて欲しいと願っていた。 登場人物も非常に魅力的で、様々な事情を抱えた人たちが希和子や恵里菜の周りに棲みつく。 恵里菜が希和子を許せる日がきますように。いつか、自分はこんなに愛されているのだと知って欲しい。 映画も見てみようと思う。

    1
    投稿日: 2022.12.23
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    映画が大好きなので原作も読みたくて。 展開はもちろん分かっているけど引き込まれて一気に読んだ。 映画の中の印象的な台詞は原作のものがそのまま使われていたんですね。 普通とは違う体験をしたせいで、どうやっても普通に生きられず苦しむ恵里菜、希和子、千草、そして秋山家の家族たち。 人と違うことは、苦しいことも多いけど、それでも苦しいことばかりじゃない。八日生きた蝉だからこそ見られる景色もある。 タイトルはそういう意味だったんだと腑に落ちました。 ラスト、希和子と恵里菜がフェリー乗り場ですれ違うシーンが良かった。 会ってはいけないのだろうけど、2人の人生がもう一度交わる瞬間があってほしいと切に願う。 母親になったこともあって、私は希和子にとても感情移入してしまいます。 狂おしいほど綺麗で切ない小説。 涙が自然と溢れる。

    3
    投稿日: 2022.12.22
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    悲しいなあ。 最後は2人が会えることを願ってしまっている。 会ってはダメなのに。 誰が悪いとか法律的にとか、そんなことではなく、自分の幸せよりも子供の幸せを願うことは輝かしいことである。 映画やドラマは見たことないけど近いうちに絶対に見る!

    3
    投稿日: 2022.12.16
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    色々と考えながら読んでしまった。いわゆる「普通」の生活をしてきたことに感謝を覚えながら、映画を観るように読み進めることができる作品でした。

    6
    投稿日: 2022.12.09
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    フェミニズムとまでは言えない、碌でなしの男と地に足をつけて生きる女の対局がよかった。 あなたは男か、女かの宗教的かと思われる問いも、のちのち物語がたどる結末まで一貫して意味を持つ問いなのだと思う。 誘拐された子供が自分が生きた境遇を辿りながらも、自分だけは芯を持って何とか生きていこうという強かな野望は、小説とはいえ自分の頭でイメージできるものでした。

    0
    投稿日: 2022.12.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【2022年83冊目】 誘拐、逃亡、そして日常であるべきだった生活に戻り、それでも思う「なぜ私だったのか」 この物語がどこに帰着するのか全く予想がつかず、読了した感想としては「これが最良の行き着く先だったのだろうな」ということです。 いつか二人が再会することはあるのか、それとも一生会わずに済んだほうが良いのか、二人にしかわからない思いがあります。小説なのでもちろんフィクションなのですが、主人公二人の思いに常に共感させられる、ルポのような書きぶりに脱帽でした。

    1
    投稿日: 2022.11.28
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    全体的にとても美しくて読みやすい文章でした。 赤ちゃんの描写が読んでいてとても可愛らしくて、自分の子どもが小さかった頃のことを思い出しながら読みました。 前半の逃亡劇にはハラハラさせられっぱなしで、気づいたらページをめくる手が止まりませんでした。逃亡中に関わる個性あふれる人々も魅力いっぱいでした。千草の存在もあたたかかったです。 希和子が捕まるシーンでの一言には号泣でした。 小説を読んで泣いたのは久しぶりでした。

    35
    投稿日: 2022.11.25
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    「なんとなく暗い話」という印象であった八日目の蝉。 ある意味暗い話ではあったものの、その中に人の強さや相手を慈しむ心を感じる物語だった。 多様ではあるが、皆愛情や安らげる場所を探し求めていたのかもしれない。 生きるための生々しさがそこにはあり、決して綺麗だけの話ではないけど、読了後は心が穏やかになるような、そんな一冊だった。

    2
    投稿日: 2022.11.14
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    不倫、産みの親と育ての親、カルト宗教、色々な興味深いテーマが盛り込まれている話。 そして逃亡先で手を差し伸べ助けるのは全てが女性、、。 又、行ってみたかった小豆島の風景が目に浮かび更に行きたくなった 心に沁みる読み終わってからも暫く心に余韻が残る作品だった

    1
    投稿日: 2022.11.12
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    映画は何度も観たことあるけど、原作ははじめて読みました。 なんだか胸が痛かった。希和子は最後まで母親でいたのだと。希和子は間違っていることをしているのに、心の奥どこかで応援しながら読み進めている自分もいて複雑でした。やり方は間違っていても、手段は違っても、こんな風に愛情を子供に注げる人でありたいと思う。

    2
    投稿日: 2022.11.09
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    角田光代さんの言わずと知れた代表作で、受賞したり映画化するのも納得のインパクトの強さがありました。 1章の主人公である希和子と薫の日々は先が見えない暗いもののはずなのに愛で溢れて輝いたように見えました。 2章でも内容はこの上なくヘビーですが、その中にもただただ悲観するだけではない女性たちの強さを随所から感じ取ることができると思います。 母になった経験のある方でしたら本当に感情移入ができるのかもしれません。いつか私も母になったらまた読み返したら違った感想を抱くのかもしれません。 同氏の作品は他に『くまちゃん』を読みました。 どちらの作品も主人公たちの心理描写がとても上手くて、引き込まれるような文体が持ち味だと思っています。 しかし、今作に限っては少し私との相性が良くなかったのか、あまり登場人物たちのことが好きになれませんでした。行動が結構突飛なのでそこについていけなかったのかもしれません。 とても有名で面白い作品です、と自信を持って言えます。ただ私自身の感想としてはもっと好みの作品は別にあるのかな、という感じでした。 少なくとも私のような、単純で正しい恋愛が当たり前だと感じて、不倫などに嫌悪する価値観をもつ人にはあまり勧められないです。途中からどんどん嫌になっちゃうんじゃないかなと思ってしまいます。

    1
    投稿日: 2022.11.07
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    地上の蝉は一週間の命… はかないけど、もし八日目の命を与えられたら、果たしてそれは幸せなのか? 「八日目の命」が何をさしているのか? 終盤にその意味が解き明かされていく。 「母性」がテーマだという。 不倫相手の娘を誘拐した女の逃亡生活(一章)と、逮捕された後(二章)を描く。 一章は、僕が男だからなのだろうか、誘拐犯に感情移入できなくて、気持ちの持って行き場のない展開で、読み進めるのがとてもきつかった。 誘拐された娘の視点で書かれた二章になってから、ぐいぐい引き込まれた。 最終的には、母(育ての?)と娘のストーリーに収斂していく。 ほかの蝉が見ることができなかったものを見られる八日目の蝉。救いはあった、と考えるべきなのか…

    57
    投稿日: 2022.11.06
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    1章では不倫相手の子を誘拐しての逃亡劇。もちろん捕まります。ご安心ください。 2章ではその子が大学生になってからの物語で、その子も不倫して妊娠してのパッピーエンド劇()。登場人物が全員クズ。お疲れ様でした。感情移入ゼロ。 これ映画化されているんですよね?つまり映像化される程の評価があったからですよね? だがちょっと待ってほしい。ツッコミどころが多過ぎてお前ら一体何を評価したのですか?教えて下さい。え、私がクズ?はいはいワロスワロス。 おい誘拐犯。精神的に病んで不倫相手の子を誘拐。まあ、あるあるか(ない その子が愛おしくてたまらず、全財産投げうってでもその子と暮らしたいんだそうです。1章では愛が満ち溢れたストーリーが続きますよー。 だが、ちょっと待ってほしい。赤ちゃんですよ。。。。赤ちゃんは身体が弱いんですよ、保険証も無しで病院っているうちにいつかバレるでしょ?バレますよね?聞いてますか?お母さん。戸籍取れないので学校も行けないんですよ?どうするつもりでした?聞いてます?お母さん。 なのに3年か4年間だっけ、なぜか捕まらずに2人の愛の有る生活ができたようです。 話に無理がありますよー。どんだけ無敵な子やねんと。あ、誘拐お母さんも身体つえー! 性的な、悪意のある監禁じゃないんですよー、その子を幸せにしたい?なら誘拐するなってw聞いてますかー?お母さん。早く本当の母親に返してあげてねーって、まあ、この母親もクズなんですけどね。 1章読んでいる最中の私には常に『早よ捕まれや』コールが鳴り止まず。もしかしたらこれ、誘拐犯の事情を知って応援しながら読んでいる糞読者がいたの?っと人間不信に陥りそうになる始末。 久しぶりに糞小説を読みました。 これ見て泣きましたという読者の方が一定数いらっしゃるようでございますが、そんな奴とは友達にはなれませんし、多分相手が私の事を糞やと思っているんでしょうね。 もうどうにでもなーれ。

    0
    投稿日: 2022.10.27
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    角田さんの作品をはじめて読んだが、 とても切ない?という表記が正しいかは分からないが 終わり方だった。 ハッピーエンド?ではないと思うが。。 ただ、二人が最後に別々の道を歩き出すところと、最後の海の描写は大変美しかった。

    1
    投稿日: 2022.10.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    時間と目線を変えて、前半と後半とでまとめた書き方が良かった。最後の数ページが良かった。再会するシーン見たいなと思いながら読み進めてたけど、ああいう形で、それもそれで美しかった。

    1
    投稿日: 2022.10.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    端的に言ってしまえば、赤ん坊を誘拐する話なんだけど、 これはまぁ登場人物全員が悪いっちゃあ悪いんだよなぁ。 どんな動機があっても人のものを盗んだら泥棒だし、それが愛する子供であり、命あるものだったんだから最低だと思う。でも、不倫されたり、罵られたり、そういう異常な精神状態に追い詰められた中で何かに縋りたくなったのはちょっと分からなくもないような気がするな。 彼女が人の子供を誘拐して逃亡した4年間と、た子供のその後。「なんで私だったの?」という答えのない問いかけは、人生を終えても分からないと思う。でも、その誘拐されていた子供と誘拐した者がすれ違っていく最後の場面は、知らない感情の濁流に襲われたみたいだったな。八日目の蝉の意味を未だに考える。

    1
    投稿日: 2022.10.11
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    不倫相手の子供を誘拐し、3年半の逃亡生活を続けた事件、第1章は女性誘拐犯、希和子の視点から描かれ、第2章は誘拐事件後の被害者恵里菜の成長が描かれる。そして彼女の自己回復の物語だ。それにしても切ない小説だ。赤ん坊を攫い、我が子として育てた犯人は、不倫の果の犯行であるし、誘拐された子も逃亡劇終焉の後、長じて不倫の子を持つ。女のサガと悲しさ、男の悪さが言い得ぬストーリーを形づくっている。

    1
    投稿日: 2022.10.10
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    いやいやいやいや。 絶対やっちゃいけんことやってる。 ダメ、ゼッタイ。 というツッコミが最初から最後まで頭を駆け巡る。 でも、おもしろいよ。何故か応援したくなっちゃって読み手が情緒不安定になる話。

    1
    投稿日: 2022.09.30
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    「群れをはぐれて」 薫が赤ちゃんの頃は、何だかよくわからなかったのですが、やがて歩いたり喋れるようになると、子育ての楽しさのようなものを感じました。 八日目の蝉とは、社会からはみ出した人間の事だと考えています。皆と一緒になれなかった、はぐれた者の哀愁。 女性向けの物語かもしれません。

    2
    投稿日: 2022.09.27
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    辛くて切ないのに、それを認めたくないという複雑な読後でした。だって、いけないことをしているのだから、だから肩入れしてはいけないという本能と、どこかで希和子の気持ちをわかってやりたいような気持ちになりました。なによりも、不倫を続ける男たち。苛々するほどリアルな文章でした。映画より、遥かに良かったです。

    5
    投稿日: 2022.09.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    オーディブルで耳読了 映画などでも話題になっていた作品で知っていたが、初めてオーディブルで聴きました。 内容は、終始重くて暗い話しではあるが、「母性の尊さ」を知ることが出来る作品だと思った。 最後は、少し気持ちが救われる形で締めくくるので読了後の気分は割と晴れやかになる。 大塚寧々さんと、蓮佛美沙子の朗読もとても良かったです。 映画も見たいと思います!

    2
    投稿日: 2022.09.17
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    面白かった。数年前(学生の頃?)に途中まで読んだが、登場人物の名前がコロコロ変わり、誰が誰なのかわからなくなってやめたのだ。でも今読んだら面白かった。 他人の赤ん坊を誘拐して逃げる。いつ捕まってしまうのかという緊張感があり、同時に赤ん坊の育っていく様子が可愛くて、物語に没頭できた。 最後の船の待合所で、希和子と薫がすれ違う場面は切なかったな。薫は今後、思い出のある小豆島で暮らしていくのだろうか。

    1
    投稿日: 2022.09.14
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    なんでかな、以前読んで映画も観たけど再読。孫もできて『親子』をちょっと考えてみたかったからやろか。それと最近宗教絡みの話題が多いから? 結論は、以前の記憶があまりにも無くなってて、あぁ、本って読む時のタイミングでこんなに心に届いたり全く残らなかったりするんやなぁ、って事。 暗い悲しい物語ですが読後は気持ちよかった!

    0
    投稿日: 2022.09.06
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    幸せとは何だろうか、と考えさせられる作品。 サスペンスのようなドキドキ感もありながら、繊細で美しい風景描写に心を打たれた。

    1
    投稿日: 2022.09.05
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    幸せってやつは気まぐれで、誰かの幸せは、他の誰かの不幸だったり。人と人の間に住み着く魔物のようなものだったりするんだろうな、とか考えてしまう。 読んでる途中にうるうるしてしまい、ふぅーっと深呼吸することが何度かあった。 揺れ動く気持ちを、なんとも形容できないまま読了。 歯がゆさ、珍しいものを見たさ、嫌悪感、ハッピーエンドへの期待。 ごちゃまぜだから、読了後、下手な正義感では語れない小説となった。 良い読書だった。読了。

    24
    投稿日: 2022.09.05
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    すごく面白かった。。。そしてドラマチックで目まぐるしく場面が変わりつつ、緊迫感がドンドン増すのが凄かった。。。映画化したの納得。。。 不倫相手の子供を誘拐したのでその単語だけ見ると何一つ擁護できないし、読むの嫌だなー、同情心沸きたくないわ!最低!!!と思ったのだが、あまりの面白さに後半まで読むとうーーーん。。。うーーーんん。。と正しさだけで世界はできてないもんなぁと…。ただし、ここに出てくる男は総じてクソ。絶対許さない。

    5
    投稿日: 2022.08.30
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    女性向けでしょうね 女児誘拐犯罪と誘拐された子供の物語という事で、楽しみにして読んだものの あまりに残念 男の描写になってきたらリアリティがなくてどうでもよくなってしまった 過激なフェミニズム小説などと解説する男もいたが、男だから納得感は得られなかったという事なのだろう うすっぺらな作り物の犯罪物語 でも女性が読むには何も不自然さも感じないのだろうから、女性にはお勧めですね 男を描くとなると、まるでデジタルイラストで でも描いたか、粘土でこさえたか、それともブロックで作ったかと思うほどの男が相手として出てきて、そんな男を相手に、女が一所懸命に右往左往してる話の展開に呆れてしまった まだ、誘拐してから逮捕されるまでの四年ほどの生活を描いた前半は女ばかりだったから ましだったけど、後半の誘拐されていた女の子が大学生になってからのストーリーで、この誘拐事件をトレースする そこには男も出てくる 結局、女の根っこにある悪魔の本性を描くのに集中してたんろうだなぁと感じた 性悪説というのが良いのか 自分で悪事を働きたいがために、周りの作り物のような男に悪を投影してみたり それを生い立ちや過去のせいにしたり言い訳にしたり根拠にして、女の中にある本来の悪魔の部分に蓋をして見ないようにしているんだなと読み取れる 女についてはリアリティを追求しているんだろうとは思う 女達が身を寄せるカルト集団もそうだ こうやって女は洗脳したり責任転嫁とか自己正当化するんだなぁって でもそんなのを読みたかったわけじゃない 誘拐犯罪を含め、多くの犯罪には子供が関与しているのに、報道や裁判では公開される情報はほとんど無い それでも子供は成長し、社会人になってゆくのだ 成長した子供は決して忘れてはいないということなども重要なテーマだったのだと思う それにしてもリアリティのない文章が次々と重なるので、迫力がない 誘拐犯の公判の描写もそうだ 迫真性が大事な場面なのになぁと思いながら、ありそうもない公判での記述にも残念な思いが募った ストーリーでは誰もが予想されたように、誘拐された女児も大きくなれば不倫相手の子供を身籠もり、すでに服役を終えた誘拐犯を探す旅に出る 八日目の蝉は、他の蝉が見ることができなかったものを見ることができるんだって 誘拐犯といっても四年間は母親だったんだから死ぬまで母親ですよ 妊婦になった娘が目の前にいて、もしかしたらと年頃の女は皆 自分の娘に見えてしまうから声をかけることもない お互いに気づかないまま船に乗る娘を見ることができた誘拐犯の女が、八日目の蝉ということだろうか 海が美しいという描写で終わる

    0
    投稿日: 2022.08.15
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    映画の再放送を見たあと再び読みたいと思って読み始めました。自分は子供達に大好きだよという事がわかってもらえる子育てだったのかと反省しました。希和子の行った事は良くない事だけど、愛情たっぷりに育てた事は見習いたい事だと思った。子供にしてしまった申し訳ない事を謝りたい、そして大好きだよと伝えたくなる作品でした。

    2
    投稿日: 2022.08.14
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    幼女誘拐を、した方とされた方、それぞれの目線から描いた本作。いつも誰かに追われるという意識を持ちながら、辿り着いた瀬戸内の島。そこでの光景は、両者の根っこに強く残っていく。その後、事件が終焉を迎えてからは決して幸福と言える人生を歩いてこれなかった恵里菜。自分の本当の居場所を求めて辿り着いたのは、あの瀬戸内の島だった。そしてそこでの、希和子との邂逅(お互い認識はしていないが)。八日目の蝉が見る景色は、瀬戸内の海のように、きらきらときらめくものであってほしい。

    0
    投稿日: 2022.08.14
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    なんだか、読んでる間ずっと泣いてた気がする。 一歳になる、小さな娘とだぶったからかな。小学生以来の角田光代、とっても読みやすく引き込まれました^^

    2
    投稿日: 2022.07.16
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    なぜ、誘拐したの? なぜ、私だったの? 永作博美さんを美しいと思い、追っかけをした頃にちょうど映画化されたものの原作。気になりつつも、結局いまだに映画は見ていないのですが(苦笑) 公判や逮捕描写が少ないのに、そのときの人間模様がわかる作品。予想していた展開とは異なりましたが、読んでよかったなぁ、と思います。さらっと読めたので星3です。

    0
    投稿日: 2022.07.10
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    ん~思ってたのと違ったかなぁ…と思いました 最初の1~2ページ目で違和感を感じてしまって 女の子を誘拐する、犯罪を犯す前に シチュエーションが 【実の親が毎朝八時十分から二十分ほど留守にする】 【旦那を最寄りの駅まで奥さんが毎朝送る…赤ん坊を1人にして…】 【その最寄りの駅まで送迎の間、鍵はしめないで開きっぱなし…】 【なんならカーボン系のストーブつけっぱなし…】 んんん…無理あるなぁ… 誘拐の前に実の親が【たいした人達ではない、訳あり確定】 最後に親がどんな人達かも出て来るが… んんん…1ページ目から【出オチ】って感じで 内容は内容で重いので… 何か 勿体ない…と思いました

    37
    投稿日: 2022.06.26
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    大好きな作品。何度でも読みたい。角田さんが描く人間模様の虜になる作品。取り上げてるテーマも賛否両論ありそうで、色んな人と意見交換したくなる。

    2
    投稿日: 2022.06.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    このままかりそめの幸せがずっと続けばいいと思う気持ちを持ちながらページをめくる手が止まらずドキドキしながら読み進めた。 犯罪から始まったけど、希和子の薫を思う気持ちは本物だった。

    2
    投稿日: 2022.06.21
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    子どもの行動一つ一つが可愛くてほっとりした シンディローパ 子育ての大変さが伝わった。 エンジョルホームでは救われたいがために全てを捨てることが人が救われる為の方法だと知った。けど宗教には入らない。 八月日の蝉は他の蝉が死ぬのを見送ることが多く悲しい。でもそれだけじゃなくて7月日の蝉が見られなかった。綺麗なものを見られるかもしれない。 女性目線な小説。 薫。待って薫。その後2人で話していたらと思ってしまった。

    0
    投稿日: 2022.06.13
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    物語が進むに連れて、希和子と薫の視点が頻繁に切り替わるようになって、それぞれの心理が重なり合う部分とすれ違う部分は、読者としても心が動かされました。 それぞれの母と子としての物語、女であることも考えさせられる作品でした。 個人的なエピソードなのですが、この作品を母に勧められて読んだので、その辺も少し感慨深いなぁなんて思ってます。

    6
    投稿日: 2022.06.06
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    序盤の希和子目線で描かれた、薫を連れ逃げ場などどこにもなく、ただその場を生きるという情景ががあまり現実味がなくて想像しにくかったが、薫を大切に思う気持ちはどんな感情よりも優しくて、成長を見守るたびにやるせない気持ちになった希和子を想像すると虚脱感で溢れた。 物語が希和子目線で描かれているため、やはり同情してしまう。 ただこの子と一緒に居たいという感情がどうして罪になってしまうのか。それが罪に問われる事だとしても希和子が薫に沢山の愛情を注いだのには変わりない。迫る追手からどうか逃げ延びて、幸せ生きて欲しいと切願せずにはいられなかった。 希和子は自分が捕まるという時まで、朝ごはんを食べていない薫の心配をした。 母親なんて、その感情さえあれば良かったのではないか。食べ盛りの娘たちに朝ごはんを作らなかった恵津子よりも立派な母親だったのではないか。と思い、胸が締め付けられた。 やりきれない思いが残るけれど、希和子は薫の幸せを願い、その薫は今輝く未来に踏み出そうとしている。結末はそれが1番だと思いました。

    2
    投稿日: 2022.06.02
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    不倫相手の子供を誘拐した女性と、誘拐された女の子の逃避行が物語の本筋。角田光代さんのあまりにも卓越した描写と、人間観察の鋭さにただただ脱帽する。 悪いことをしている、誘拐された家族の気持ちを考えたらたまったもんじゃない。しかし、小説では迫る追手からどうにか逃げてほしいと胸を痛めながら読む。 ネタバレでもないけど構成は二つあって、個人的には二つに分かれていて良かったなと思えた。真に迫る逃避行の辿り着く先、そして見てきた景色に想いを馳せると泣ける。 角田光代作品の中でも代表作となる一冊だった。

    1
    投稿日: 2022.05.27
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    過去に辛いことがあっても、景色はまだ美しいせラーメンはまだ美味しいし、強く前向きに生きて行こうということが本作品は伝いたかったのかなって思う。でももし自分が葵だったとしたら多分希和子も両親も許すことはできなかったと思うけどね

    0
    投稿日: 2022.05.24
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    赤ちゃんを誘拐した女性と誘拐された女の子の話。 罪の暗闇の中にも幸せがあったり、 その日暮らしの失意の中にも笑いがあったり、 憎しみと共感をいっぺんに抱えたり、 息苦しいくらい生々しい話だったと思う。 希和子も恵里菜もどうしようもない。 基本的に優しくないし、いいやつじゃない。 世の中を疎んじてて、利己的で、 被害者意識が強い。 でも嫌いには決してなれない。 たったひとつだけ、我が子だけ、 どうしても欲しくて、 自分自身の百倍大事で、何に変えても守りたい。 幸せになって欲しい。 そう思う愛は本物だ。 暗くてやばいやつらの話だなって、 悲観的がすぎるんじゃないかいって思ってたけど、 薫が連れていかれる時に希和子が叫んだ あの一言だけで、彼女を許せる気がした。 一辺倒に幸せってことはないだろう。 どっちかっていうと、 彼女らの人生は暗く険しいだろう。 でも、一辺倒に不幸せってこともないはずだ。 不器用で強引な彼女らのことを 捨て置けない人たちもいるようだし。 平穏無事に生きていたら 味わわなくてもいい苦しみも 引き受けなくちゃいけないだろうけど、 きっと笑顔もあるはず。 そうであってくれよと思う。 そんなふうに思える、 ほのかな救いのあるラストが、とてもよかった。

    4
    投稿日: 2022.05.23
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    感情移入しすぎて、途中しんどくなって休憩挟んだし泣いた! 景色の描写がめちゃくちゃ丁寧なのにしつこくなくてすごく想像しやすかったし、テンポが良すぎてピャッと読んでしまったけど、読み終わってズルズル頭の隅で考えるくらいには揺さぶられた(;_;)

    1
    投稿日: 2022.05.19
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    ずっと土の中に居たのに7日間で死んでしまう蝉と8日目を生きてしまった蝉、どちらが息をしやすいのか考えさせられた。

    0
    投稿日: 2022.05.13
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    この本も、「自分を縛り付けるものからの解放」の話かもしれないけど、背負うものが大きすぎて、解放されるまでの道程が遠すぎる…。 それにしても良い作家さんに出会えた。 今まで読んで来なかった角田光代さんの本、これから時間をかけて味わっていこう。

    9
    投稿日: 2022.04.17
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    不倫相手の子どもを誘拐した女の人の話 友達の書評を読んで気になって読んでみた 読了後、結局何が言いたいんだ?となってしまったけど、巻末インタビューより「逃げる」をテーマにすると決めていたとのことで納得 匿ってくれた人はこの後どう関わってくるんだ?とかこのシーンにはどんな意味が?とか考えながら読んでいたけど伏線でもなんでもなく、ただ主人公ができるだけ長く逃げ延びるためのものでしかなかったようだ 終始主人公にも全く共感できず、どうなるんだ…?という気持ちが宙ぶらりんなまま終わってしまった 母性の本質を描こうとしているのであれば物足りなく感じてしまう 子どもとの愛着を大切にすることももちろん大切だけれど、それ以前にすべきことをおざなりにしてるのにどうしても違和感が…まあ言うは易しという 家族のかたちについて考えさせられるという点で『流浪の月』と似たものを感じる 個人的には『流浪の月』の方が圧倒的に好みなんだけど、人によって違うのかな〜(それはそうか) 小豆島の描写はすごく好きだった! 田舎の悪い部分に目を瞑ってたのもあるとは思うけど、こんな子ども時代もいいなあ 色々思うことはあったもののこの作家さんの本はまだこれしか読んだことがないので他の本にも挑戦してみよう

    4
    投稿日: 2022.04.01
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    過去に読んだことはあるけど、新鮮な気持ちで再読。内容をほとんど覚えていない自分にびっくり。 ドキドキする展開で、あっという間に読了。映画も見てみたい。

    3
    投稿日: 2022.03.23
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    家族とは、母親とは何なのかを考えさせられる小説だった。 野々宮希和子は誘拐犯だったけど、出産した母親よりも母親らしい(子供のことを大切に扱って育てている)ので、やったことは悪いことかもしれないけど、子供にとっては捕まらず、何も知らないまま育った方が幸せだったかもしれない。 生物学的な母親が、子供の成長にとって適切な母親であるかは別かと思った。 1番悪いのは浮気をした父親なのに、しらばっくれていることにむかついた。女性側から別れようといっていて妻と別れるつもりもないくせに浮気相手に執着する理由がわからない。 浮気する人はみんなこれを読んで、人の恨みつらみは怖いということを思い知って欲しい。

    1
    投稿日: 2022.03.21
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    不倫相手の子を誘拐し、さも実子を育てているかのような錯覚をしていた希和子には気味悪さがどうしても消えなかった。でも希和子は母をしていた。捕まった時、自分のことより恵理菜がご飯を食べていないことを気にしていた。なんなら実母の恵津子より母をしていた。それがより一層狂気じみて見えたし、恵理菜を八日目の蝉(普通ではないモノ)にした気がする。 かと言って八日目の蝉が残酷なものしかない訳でもないのが救いだった。千草が言ったように八日目の蝉になってもきっと目を閉じたくなるようなことばかりでない、というかそう願いたい。八日目の蝉に幸あれ。グッドラック八日目の蝉。

    2
    投稿日: 2022.03.10
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    希和子は不倫相手の赤ん坊を誘拐し、自分の娘と偽り逃亡生活を送る。 誘拐は犯罪。 だけど丁寧な心理描写で希和子に感情移入してしまう。 偽りの母娘の幸せを願ってしまう。 しかし偽りは続かない。 それぞれの歩む先が、日射しを受けた瀬戸内の海のように穏やかで光あればいいな。

    1
    投稿日: 2022.03.07
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    最後 希和子に大人になった薫を合わせてあげたかった。幸せだけど辛い逃亡生活に共鳴されるような感覚を覚え、祈るように読み進んめていた。

    5
    投稿日: 2022.03.03
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    感情移入がしにくい。 どうしても奪われた方の身になって考えてしまう。 何とも言えないモヤッとした切ない気持ちが残ったままとなる。 子供を持つ親としては様々な視点から子供のことを考えさせられた。 子供に会いに帰って、思いっきり抱きしめたい。

    0
    投稿日: 2022.03.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    実習先の図書室で読破。 小説としての出来は良いのだろうし、表現も申し分ない。なので評価は高めにしておこうと思う。 それはそうと、内容には死ぬほどイライラした。出てくる男性の登場人物はなんなんですか?彼らの愚行を許す女たちの頭の弱さにも腹が立つ。望まぬ妊娠をしたものの、父親は雲隠れするので仕方なく女性同士で身を寄せ合って生き延びる話というあらすじだけでも現実と同じくらいどうしようもないのに、挙句解説でも男性作家が「究極のフェミニズム小説」とか言って持ち上げてて、そりゃ、あなたからしたらノーリスクノーコストで快楽も子孫も手に入る社会は大歓迎でしょうねと思った。そもそも解説の冒頭でも「育児とは快楽であることを確認しよう」とか言ってて、そうやって女性の母性に過剰期待したから今の少子化があるんじゃないですか?と思った。 学生というまだ社会的に弱い立場でありながら「若い女の肉体」というとてつもなく価値の高いものを持っている立場のグロテスクさを直視できなかった。妊娠してからも懸命に生きていこうとする様子を美談とするのは社会問題を肯定するようで、さすがに問題があると思う。学生でも未婚でも母は強し!みたいな感想を抱いてる人には一度産婦人科を1ヶ月見学してみてほしい。母性の一言で片付けてはいけない諸問題を目にすると思う。 文中の言い回しや情景、心理描写は映画のようで申し分なかった。ただただプロットがさまざまな怒りを彷彿させるものだったので複雑な気分だが、それも筆者の表現力ゆえなのだと思う。 追記 ここで言うのも妙だけど妊娠中の飲酒は絶対にやめるべきだと思う。描写として出すなとまでは言わないけど注釈はつけないといけない。 追記2 ブクログにみなさんの感想を読んで落ち込んできた。これに感動できないわたしのほうがむしろ母性が足りないのだろうか?

    4
    投稿日: 2022.02.22
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    誘拐はもちろん犯罪だけど、その犯人の希和子を必ずしも糾弾したくなくなるような、そんな不思議な物語。 一番可哀想なのは恵理菜。自分に一度でも愛情を注いでくれた人を恨みたくなんて無かったよね… 小豆島の綺麗な海・空・木々が浮かぶような描写も素敵。

    15
    投稿日: 2022.02.21
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    特に全半は読んでて辛くなった。自分の子どもで想像してしまったからだろうか…後半の展開で少し救われたような気分になった。映画も見てみたい。

    1
    投稿日: 2022.02.20
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    一度読み始めたら、最後まで読まずにはいられなかった…。八日目の蝉、というタイトルが良いよね。希和子も薫も、互いを愛しく思いながらどこかで幸せに暮らしていますように。映画も観たいな〜

    3
    投稿日: 2022.02.13
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    悲しくもどんどんと読み進めてしまう。 ハラハラドキドキ。最後が悲しく、とても引き込まれるけれど、その行動に理解はできない不思議なお話。

    1
    投稿日: 2022.02.13
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    切ないけど、希望が見えるラストシーン。 希和子と薫はいつかフェリー乗り場で逢えるかもしれない。 母性とは…。 いい本に出逢えたと思う。

    2
    投稿日: 2022.02.06
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    『8日目の蝉、涙堪えるの大変だった。』 『聖地巡礼したもん!』 そんな風に会社の先輩におすすめされ 手に取った『八日目の蝉』。 全2章からなり 1章では、不倫相手の奥さんが産んだ娘を誘拐し、 薫と名付け、逃亡しながら自分の娘として深い愛情を注ぎ続ける4年間。希和子の目線で話が進んでいく。 2章では、実の家族の元に戻った娘、薫目線で 話が進む。 実の両親と自分を誘拐した母親たちについて。 1章では語られなかった事実やそれぞれの関係性、 家族と暮らす薫の葛藤が書かれる。 実の家族からの愛情を感じられない事を 全て希和子のせいだと恨みながら生きていく薫。 そんな薫自身も不倫相手の子供を妊娠してしまう。 薫の人生が切なくて、このお話のゴールはどこに向かって行くのかなと心配しながら読み進めていたが、 最後、薫がお腹の子供を産もうと決意した時に、抱えていた不安や恐怖が消え、不倫相手や自分を誘拐した母への憎悪から解放される場面で、やっとホットできた。 全てを受け入れて前進しようとする薫のたくましさに頑張ったね!と声をかけてあげたくなるような気持ちでいっぱいに…安堵と感動の不思議な読書体験でした(^^)

    33
    投稿日: 2022.02.05
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    希和子の目線と薫の目線の2部構成なのが読みやすく、すらすら読めた! 話としては面白く読めましたが、じゃあ希和子の行動に同情出来るかと聞かれたら全くできません。 大人の都合で、普通の人生を歩めなかった薫と千草にはこれからの人生幸せに暮らしてほしいです。 最後の解説で、「過激なフェミニズムな小説」や「生理の犯罪」って表現があったのが残念。ちょっとこの考えには納得できなかった。

    6
    投稿日: 2022.02.05
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    ここに出てくる女性達のなんと肝の座ったことか。 男達の存在感の希薄さが、母という存在の無条件の強さ、愛を感じた。

    3
    投稿日: 2022.02.03
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    希和子がやったことは狂っているけど、狂おしいほど愛していたというか、正直、人の子供をそこまで愛せるかと思った。 でもその愛は本当の様だったし、絶対にやってはいけないことだけど同情のようなものを感じた。 この小説で希和子を助けるのは全部女性で、男は頼りなくて、クソ野郎として描かれていた。 最後のシーンは希和子と薫がお互いに気付いてほしい〜と思ったけど気付かずに終わったのもまた良かった。気付いてたらどうなってたのかと気になった。

    3
    投稿日: 2022.02.03
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    小説は初めてだが実写化をしてた記憶があるので何となくあらすじは頭に残っていた。 内容はさておき、希和子目線から恵理菜(薫)目線への切り替え方はとても鮮やか。 前半の希和子視点では激動に心が躍る一方で思わず覚えておきたくなるようなフレーズが特になかったのが残念。 恵里菜目線は逆に場面の切り替えはさほどないが、葛藤の表現がいろんな言葉でされていて印象的だった。 八日目の蝉というタイトルが「生き延びてしまったもの」と「抜け殻」でダブルミーニングであることに気付かされる瞬間がこの作品のピーク。

    4
    投稿日: 2022.01.26
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    なぜ私なのかは、裏を返せば大人の勝手な都合に翻弄されるということで、その大人もまた、人間関係に傷つく。それでも、海や木や光や、きれいなものをたくさん子供に見せる義務があると、野々宮希和子も、恵理菜も、同じことを考えるのは、どんな母親も考えることだろう。いつか希和子と恵理菜が出会い話すときが来るのだろうか。

    6
    投稿日: 2022.01.23
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    おそらく忘れられない一冊。前半はちょっとした弾みから犯罪を犯してしまう女性の物語。ハラハラする展開。後半は一転して犯罪に巻き込まれた女性の物語。作者の体験じゃないかと思うくらいの迫力とリアリティ。それぞれの痛いくらい心情が刺さる。とても素晴らしい本であることは間違いない。大好き度❤️❤️❤️❤️❤️ だけど読み返すことはないと思うくらい力がいる。

    4
    投稿日: 2022.01.19
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    今、読み終わりましたーー 第一章の逃避行は凄いの一言、逃げに逃げた末に辿り着く小豆島…そこからも更に逃避行が続くかと思いきや、第一章が終わる。 コレは映画が見たくなりましたーー アタシなりにラストを予想しながら読んでましたが違う終わり方で、少し残念でした。 アタシの想定したラストは希和子も薫も小豆島で再会する…でした。 再会シーンは島内の写真館で撮った受け取る事が叶わなかった写真の前で…再会、その時何を話す訳ではない二人というシーンが読みながら勝手に想像してましたが、まさか会わず終いで終わるとは… いやはや、物語りは面白いですね、色々考えさせてくれる

    9
    投稿日: 2022.01.15
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    八日目を生きる蝉であるということは、孤独で寂しくて悲しくて苦しいことばかりなのかもしれない。だけどきっとそれだけじゃない。七日で死んでいった蝉たちには決して見ることのできなかった美しさが、きっとそこにあるから。

    2
    投稿日: 2022.01.11
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    これは映像で観たいなと思う。どんどん読み進めてしまう。最後は胸がギュッとなる。母親ではないけれども母親になれた人と、母親なのに母親になれなかった2人の母親に、その娘。幸せになってほしい。

    17
    投稿日: 2022.01.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ☆感想☆ 誘拐は犯罪、絶対に許されない。 それはよくわかっているけれど… 解説で池澤さんも書いているように、 これは営利目的ではなくて、 母性に促された生理の誘拐。 希和子が薫に注ぐ愛情は確かに母親のそれであって、 希和子が薫をどんなに愛おしく想っているかが感じ取れる。 だからこそ、ダメなこと、絶対に明るい未来はないとわかっていつつも希和子の感情に寄り添い、この親子が幸せであることを願ってしまう。。 ふたりが引き離される1章のラストは読んでいて苦しくなりました。 2章で娘が語り手となり、その人生や感情を知って、 「そうだ、希和子のしたことは犯罪であり家族を壊し、皆の人生を変えてしまったことなんだ」と改めて認識するけれど、心苦しさは消えず…。 エンディングのフェリー乗り場で描かれるように、 きっとふたりの人生が交わることは2度とないけれど、ふたりの間にあった出来事、それぞれの愛情を抱えたまま、この先幸せな日々が送れますようにと思いながら本を閉じました。 私も母親だからかな……ちょっと希和子と薫に感情移入しすぎたかも。。 そんな風にさせる角田さんの登場人物の感情や情景の描き方、すごいです!笑 ☆あらすじ☆ 逃げて、逃げて、逃げのびてら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。 (文庫裏面より)

    2
    投稿日: 2021.12.27
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    映画化でだいたいのストーリーわかってたから暗そうだし重そうだし、となかなか進まない気分にもなったけど勢いで読み切り。 性とか母性とか家族とか(異性からの)愛とかのお話だったなぁ所詮人間は欲なんだよなぁ

    2
    投稿日: 2021.12.18
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    ドラマも映画も観てからの原作…もう一気読みでした。 凄く良かった。角田さんの作品は本当に心情が丁寧に描かれているからすぐに入り込めるし感情移入しながら作品に没頭できる。

    2
    投稿日: 2021.12.14
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    映画を観た気になっていましたが、まったく観ていなかったです。笑 今まで読んだ角田さんの作品の中で一番すきですね。 子供がいないわたしでも愛おしくなる登場人物ばかりでした。

    21
    投稿日: 2021.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    希和子のしたことは到底許されることでは無いけれど、いつの間にか2人の平穏な暮らしを願ってしまっていた。 希和子の話と恵理奈の話の切り替わり方が秀逸。いつかこの暮らしが終わると思っていたけど、終わりのきっかけが2人が写真コンテストの作品になることだとは。そして、ラストのフェリー乗り場の場面でたった一文、フェリーに乗らないおばさんをさりげなく記述しているだけなのに、希和子なのでは?と思わせるところ。随所で引き込ませられた。角田光代さんの作品、もっと読んでみたい。

    2
    投稿日: 2021.11.09
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    角田光代さんの作品、ブクログ登録は2冊目になります。 著者、角田光代さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 角田 光代(かくた みつよ、1967年3月8日 - )は、日本の小説家、児童文学作家、翻訳家。 で、今回手にした、『八日目の蟬』。 その内容は、次のとおり。(コピペです) 逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回中央公論文芸賞受賞作。 この作品、ある女が、誘拐した赤ちゃんを連れて逃亡を続けるという、妙な入り方になっています。 が、オーム真理教事件を参考にした箇所も見られ、中々の出来映えです。

    21
    投稿日: 2021.11.08
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    小豆島の風景描写と登場人物の心の動きが見事にマッチして、じっくり味わいながら読めた。映画化されているとのことなので、この点がどんなふうに映像化されているのか是非見てみたい。

    0
    投稿日: 2021.11.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    希和子と薫が引き離される瞬間に向かってじりじり盛り上がっていく第一章 いつか必ず終わると分かっているからこそ、小豆島での暮らしは光に満ちていてまぶしい そして不倫が不毛だとしても、そんなことは関係なく授かった子どもは尊い

    2
    投稿日: 2021.11.06
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    きっと長い間一緒にいたら別れるなんて出来ないですよね。こどもって無条件で何よりも愛おしいですから。とにかく泣ける。

    1
    投稿日: 2021.10.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    過去に数回映画は観ていた。 とても感動してボロ泣きしたのだが 小説は更に上回る。 薫への愛情描写が痛いほど伝わり 子供の居ない私は、何度かとても辛くなった。 この愛しさをしらないまま死んでいくのかという辛さかな。 個人的には産みの両親も最低。 事件が起きなくても、やはり母親は朝は起きないだろうしご飯もまともに作らなず、夜遊びしながら浮気をしたと思う。 父親はもう、見捨てたくなるほどダメ夫ダメ父。 そう思わせる象徴的なシーンはやはり 生まれて間もない赤ちゃんを置いて、ストーブつけっぱ、鍵は開けっ放で夫婦で平気で外出している所。 希和子来なかったら死んでたかもじゃん。 火事の危険性は希和子の過失限らずあったわけでしょうから。 だからと言って誘拐はそりゃいけないことなんだけどね。 けど…この両親なら… 私が薫なら…やはり、希和子と居たいやw

    6
    投稿日: 2021.10.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    p157「これから私があなたに全部あげる。今まで奪ってきたものを全部返してあげる。海も山も、春の花も冬の雪も。びっくりするほど大きい像も飼い主をずっと待つ犬も。かなしい結末の童話もため息のでるような美しい音楽も。」

    0
    投稿日: 2021.09.25
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    1.著者;角田さんは、大学在学中にジュニア小説でデビュー。「お子様ランチ・ソース」で集英社のコバルト・ノベル大賞を受賞しました。その後、「対岸の彼女」で直木賞、「ロック母」で川端康成賞など、数々の文学賞を受賞。文学以外には、学生時代からボクシングを始め、音楽はサザンオールスターズのファンだそうです。 2.本書;(1)第1章は、主人公(希和子)が不倫(秋山)の子を懐妊。しかし、説得され、堕胎する。所が、相手の妻には子供ができ、希和子がその子を誘拐し、逃亡を続ける話。 (2)第2章は、誘拐した子(薫)も、不倫(岸田)の子を妊娠。自分で育てる決意をするという話。◆ちなみに、本書は「中央公論文芸賞」受賞作品です。 3.個別感想(気に留めた記述を3点に絞り込み、私の感想と共に記述); (1)第1章より、「薫に何を与えてやることが出来るのか。私には何をしてやることも出来ない。私と一緒にいる限り、この子には父親も親類もいない」「戸籍も住民票もないあの子を、どうやって学校に入れてやるのか」 ●感想⇒この誘拐は営利目的ではありません。だが、これは犯罪であり、許されざる行為です。所で、不倫相手の赤子を誘拐した理由は書かれていません。読者の受止めは、読者の生まれ育った環境や思い・拘り等により、様々でしょう。不倫相手への報復とか、馬鹿な女だと詰る人もいるかもしれません。 私は、希和子が堕胎した子の幻影を見て、償いの気持ちと同時に母性本能が芽生えたと思いたい。本書の所々にある母娘の交流を読むと、主人公が実娘と思えるほどの愛情を注ぐ場面に出くわし、不憫で切ない気持ちになります。 (2)第2章より、「子供ができたかも(薫)」「路地に立っていた暗そうな人、今付き合っている人、奥さんと子供がいるんだよ。・・・面倒な事からは逃げる人だから(岸田)」 ●感想⇒薫は、岸田に子を身籠ったことを言わず、自分で生んで育てる決意をします。小説とはいえ、批判がよいのか、同情がよいのか、悩ましい問題です。究極的には、当事者同士の問題なのでしょう。 老婆心ながら、愛情だけで子育て出来ません。シングルマザーの子育ての厳しさは想像以上です。子供ができたら、どうすべきかを二人で十分に話合い、解決策を見出すのが、人間としての最低限の責務です。道徳心の無い似非愛で、周囲に不幸な人を決して作ってはいけないのです。 (3)第2章より、「なぜこんなに嘘ばかりつく男(秋山)を好きでいたんだろう。・・・取り合うような魅力のある人には思えないし、思いやりがあるようには思えない」 ●感想⇒不倫は、人の道を外した罪深い行為です。男女双方に責任はあります。だが、子供ができて、女性に丸投げする男は最低です。世間では、だらしのない男に惚れた女性も悪いと言うかもしれません。 当事者と傍目の違いがあるかもしれませんが、私は男が見て見ぬ振りをして、逃出す態度を許せません。仮に相思相愛としても、女性を一時の欲望で食い物にする卑劣かつ卑怯な男に嫌悪感を感じます。そういう人間は、いずれ相応の報いを受けるでしょう。 4.まとめ;本書を読んで、考えさせられたのは、家族とは何かという事です。家族は、血のつながりが基本です。主人公が赤子を誘拐して育てたのは、自分に辛い過去(堕胎と子が産めない体)があるからだと思います。親子関係は、血のつながりだけでなく、日常生活の中での愛情の注ぎ方次第と思います。「生みの親より育ての親」は至言です。わが子への暴力や子育て放棄の新聞記事を目にする度に辟易します。 さて、本書のラストシーンである、フェリー乗り場での希和子と薫のすれ違いについて、著者は読者に何を語りたかったのか、その後の二人は幸せだったのか。私はハッピーライフを期待してやみません。 本書は、結末を知りたくて、先へ先へと読みたくなる小説です。角田さんの読者を感情移入させる力量に脱帽です。ただ、薫が希和子と類似した不倫と懐妊する設定はフィクションとは言え、やや違和感があります。不遇な子供ほど、人一倍に努力している現実を間々知っているからです。創作活動だからと割切れば、これも“是なり”という事なのでしょう。  ( 以 上 )

    195
    投稿日: 2021.09.21
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    妻のいる男に恋してた希和子 何度も何度も離れようとしたが、男の方がそうさせてくれない。やがて希和子はその男の子どもを授かるが、今はその時じゃない、待ってくれと言われ堕胎する。 そしてその後その男と妻の間に子どもが産まれる。一度見るだけでいいと、家に忍び込みあまりのかわいさにそのまま連れて帰り薫と名付け育て始める。 全てを捨ててでも薫と生きていくことを願った希和子。土地を変え、名前を変え、その土地その土地の人達に支えられて3年半の時を過ごすが、遂に逮捕されてしまう。 薫と名付けられた子は実の両親のところに無事に帰される。どうしていいかわからない両親と、急に現れた姉と呼ばれる存在を妬む妹。嫌われないよう過ごし自分の力で高校卒業後は家を出て一人暮らしを始める。そこで出会った年上の妻子持ちの岸本に恋をして、子どもができる。あの女と同じだと笑いながら。 エンジェルホームで知り合いだった千草からある日声をかけられ自分の過去と少しずつ向き合う。なぜ自分が、なぜあの女が、なぜ両親が いろんな思いが交錯しながら、やがてみんな親だったんだと気付かされる。世界で1番悪いと思い込んでた私を誘拐した女も、私をどう扱って良いかわからなくてそのたびに泣き喚いていた母もちゃんと親だったp.2021/02/16 22:20

    2
    投稿日: 2021.09.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    愛する人とその妻との子供を誘拐し、追っ手から逃げながらその子を育てる希和子の話。それと、誘拐事件から年月が経ち、成長した誘拐事件の子供、恵理菜の話。 誘拐は犯罪で悪い事だとわかっていましたが、希和子が犯罪に至るまでの過程を知り彼女の心情などを考えると彼女を悪く思うことができなくなりました。またそれは真理菜の両親も同じで、彼らの抱えていた悩みや事情を知ると憎めなくなってしまいます。 この本では登場人物の多くに感情移入をして読んでいたので、なかなか疲れましたが、読んでよかったです。

    2
    投稿日: 2021.09.16