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乙川優三郎 / 文春e-book (16件のレビュー)
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総合評価:
ABAKAHEMP
酒を飲み、本を読むことこそ人生の嗜み
苦い過去を抱え、長くはない未来を前にして、ままならいない現状にある男女が下す決断や人生のケジメ、あるいは突然と去来する気づきを描く9編のショートショート。 通りの向こうで一変した彼女に無言のエールを…送るシーンや、娘のシャワーの音を聞きながら追想に耽る母親の姿など、物語はどれも余韻に富んでいる。 さすがに9編もあると、持てる引き出しはすべて開き、お馴染みの設定、知的で本と酒を愛す高等遊民ぽい、房総半島ラブな男女がやっぱり出てくる。 雑誌掲載の初出年月から見て、現下のコロナ禍に直面する様々な男女の話を読みたかった。続きを読む
投稿日:2021.08.09
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hito-koto
このレビューはネタバレを含みます
外国での仕事・暮らしが絡んだ中年男女の恋愛、離婚、再婚など、9話が収録。著者、乙川優三郎さんは房総が一番のようですがw。「ナインストーリーズ」、2021.6発行。第2話「1/10ほどの真実」、第3話「闘いは始まっている」、第8話「あなたの香りのするわたし」がお気に入りです。
投稿日:2023.12.14
えき
ホテルの上階は音も絶えて、そろそろ若い人たちが睦み合う時間であったが、亜希子はもう来ることのない海を眺めるために部屋の明かりを消してみた。曇天なのか月も星もなく、海原は暗く澱んでいたが、薄明かりの眼下に白い波が寄せているのが見える。すぐ近くで同じ海を見ている男を感じながら、彼女は終わったことにいくらかの寒さを覚え始めた。このあてどない地点に立つまでの長い長い軌道の虚しさを、それぞれの窓から見つめることに意味があるとしたら、そうして始まるらしい二つの自我の蘇生だろうと思った。そのことに男もなにがしかの意味を見出してほしい、と願わずにいられなかった。
投稿日:2023.02.23
勇気の花
また、読み終わりたくない時間があっという間に過ぎてしまう。なんでなのかな。話自体は九篇あるうち、もの珍しいのはそれほど多くないのだけれど。しかも、それぞれの登場人物から見れば悪いばかりではない終わり方…なんだろうけど、話としてのハッピーエンドではない話も多いしな。でも逆に、これからのことを考える話ばかりだから、それぞれの読後感は悪くなくて、眠いはずの帰路の電車の40分余り、全く寝なかった。続きを読む
投稿日:2022.08.24
akitukiyuka
図書館で借りた本。 乙川さんは、ずっと名前だけは知ってたけど読んだことがなかった作家さんです。 子どもたちが二人とも自転車に乗れるようになったので、図書館によくでかけるようになってます。 その時にふと…目についたものを借りるようにしているのですが、今回はこちらでした。 赤い表紙に、ナインストーリーズというタイトルだけ見て借りました。 とっても端正な文章で、岐路に立った男女の物語を色少なく、陰影深く描いた作品集でした。 読んでいるとお酒を飲んでいるような、ゆったりと揺られているような心地になって本当に気持ちよかったです。 夫が膝の皿の靭帯を切ってしまい、その病院で読んでいたのですが、時間を忘れて読んでいました。続きを読む
投稿日:2022.08.22
youkeypp
語り口の巧みさは、この人の現代小説の持ち味。 ほろ苦さ。その味付けから外れない。 そこは魅力ではあるが、無い物ねだりしたいところでもある。
投稿日:2022.04.18
naaco
「毎日顔を合わせている夫婦が私より幸せとは限らないわ、お互いの欠点に触れて憎み合ったり、夫婦をつづけるために大事なものを犠牲にしたり、そんな十年ならひとりでいる方がましでしょう」p26
投稿日:2022.01.10
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