【感想】アインシュタインの旅行日記:日本・パレスチナ・スペイン

アルバート・アインシュタイン, ゼエブ・ローゼンクランツ, 畔上司 / 草思社
(7件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
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  • 日本の印象だけでも読む価値があった。

    杖の師匠に紹介されて読んだ一冊。
    物理学者のアインシュタインが、日本を旅行したときの日記が収録されている。パレスチナや香港なども収録されているが、日本について全体的に好ましいイメージを持っていたことが読んでいてわかり、嬉しく感じた。
    この当時、ヨーロッパから見たら、日本は極東の小さな島で、よくわからないこともあり、神秘的な印象を持つ人は多かった様だ。アインシュタイン博士も例外でなく、東洋の小さな島国にもかなり関心があった様である。やはり日本人といえばその自然と礼儀正しいことが好ましい例として取り上げられるが、本書でも
    「自然と人間が、ここ以外のどこにもないほど一体化しているように思えるのです。この国から生まれるものはすべて愛くるしくて陽気で、決して抽象的・形而上学的ではなく、常に自然を通じて生まれてくる現実と結びついています。」
    「日本人のことをお父さんは、今まで知り合ったどの民族よりも気に入っています。物静かで、謙虚で、知的で芸術的センスがあって、思いやりがあって、外見にとらわれず、責任感があるのです。」
    と述べている。
    アインシュタイン博士が日本を訪れたのは大正時代だが、戦前の日本人のような、欧米人から見て素晴らしいと感じるような民族性が現代日本人にもあるのだろうか。戦後の日本の発展は目を見張るものがあるが、この日記に書かれているようなもので、失われてしまった伝統的良さも案外多いのではないだろうかとも感じた。
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    投稿日:2020.05.03

ブクログレビュー

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  • kei1122

    kei1122

    アインシュタインが日本、パレスチナ、スペイン、
    (途中上海などにも立ち寄る)を旅行したときに
    書かれた日記をまとめたもの。

    約1/3がアインシュタインの各国に対する印象
    約1/3が日記、30ページほどが補遺(手紙や
    スピーチ)、最後1/3が参考文献など。

    正直、日記は体言止めばかりで読みづらく
    途中から流し読み。補遺の「日本の印象に
    ついてのおしゃべり」はこの短い滞在で
    日本をとても掘り下げたもので興味深かった。

    …もっと日記が多いのかと思っていたので
    少し期待外れ。
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    投稿日:2020.12.26

  • Norio Sasada

    Norio Sasada

     1922年~1923年、アインシュタインが日本・パレスチナ・スペインを訪れているのですが、その期間に記した日記や書簡等を再録したものです。
     一次情報に近いものなので、一貫したメッセージやストーリーがあるわけではありませんが、その分、アインシュタインのストレートな感想や思想を垣間見ることができます。続きを読む

    投稿日:2020.09.04

  • もの知らず

    もの知らず

     斜め読みした。天才として知られるアインシュタインという人の人間臭さ(というと偉そうかもしれないが……)が見えて面白かった。人種に分けて特徴をとらえたり、文化の水準を推しはかる考え方、ともすれば人種主義やヨーロッパ中心主義的な価値観として見る人もいるかもしれない。そんななかで、辺境も辺境であったはずの日本に関心を寄せ、日本や日本人を礼賛しているというのが面白い。

     他方で、アインシュタインが褒めたたえた日本人が持つ美しい心というものを、当時とはまったく違う時代に生きている現代の日本人がどれだけ持っているのか、と思って、読んでいて悲しい気持ちになったのは、私が老化して厭世的になっているからなのかもしれない、と思った。また読みたい。
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    投稿日:2019.12.09

  • bachbygg

    bachbygg

    アインシュタインが日本の改造社からの招待に応じて、日本へ行った時の日記。日記というよりもメモという感じのものだが、道中の様々な出来事にコメントを付けていて、なかなか面白かった。アインシュタインと言えば、高貴な精神の持ち主のようなイメージがあったが、この日記を読むと普通の人達と変わらない印象だった。とは言え、時代が進んだ現代の視点から見ているのでそう感じるのであって、当時は違っていたのかも。
    行く時はネガティブだった日本の印象も、帰りはかなりポジティブな印象に変わったようで、日本の事を大絶賛している。何より謙虚で物静かな印象、知的な雰囲気など、彼が会った日本人達の印象が、そのまま日本の印象になっていたようだ。外国人にとって居心地が良いのは、昔も今も変わらないようだ。
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    投稿日:2019.12.03

  • kasaharapapa

    kasaharapapa

    このレビューはネタバレを含みます

    この日記はアインシュタインが書いた六冊の日記のうちの1冊である。アインシュタインは1921年に初の海外旅行としてアメリカに行ったが、その時の力は存在していない
    アインシュタインの中国人観が矛盾に満ちている事は明白だ。中国人の窮状に共感を感じてはいるが、他方、中国人の人間性を疑っている事は一連の気がかりな言葉に明瞭だ
    訪日前のアインシュタインは、日本のことをおとぎ話のような小さな家と小人たちの国だと思っていたと語っている
    その後、日本と日本人に対して純粋な心は、他のどこの人々にも見られない。みんながこの国を愛して尊敬すべきだと書くまでになる
    我国の人間と比べると、日本人は人付き合いが陽気で気楽です。日本人は将来に生きるのではなく、今を生きているのです

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    投稿日:2019.11.11

  • 羊さん

    羊さん

    1922年アインシュタインは船で日本へ向かいます。インド、シンガポール、香港、上海を経て神戸に入港します。それから1ヶ月半、日本各地で講演をし、その後エルサレム、スペインを経て半年かけてドイツへ帰国しました。その時のアインシュタインの旅行日記。
    大きく3つに分けられ、最初は編者ローゼンクランツの解説。アインシュタインの日記。そして膨大な注記。
    写真も多く、充実の一冊といえるが、注記の種類と量が多くて、自分が知りたい注記を探すのが大変だった。
    初めての日本訪問は、とても興味深く好意に満ちたものだったようだ。
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    投稿日:2019.07.23

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