【感想】蟻の菜園 ‐アントガーデン‐

柚月裕子 / 角川文庫
(113件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
26
45
31
3
0
  • 真相に迫る過程の緻密さは作者の真骨頂

    不幸な境遇の中で歯を食いしばって生きる姉妹と、それを取り巻く善良な人達の触れ合いが時間を行き来しながら明らかになる。
    事件が解明される過程で、幾つかのサプライズが有り、翻弄されながらも納得の終結へと誘われる。真相に迫る過程の緻密さは作者の真骨頂。
    続きを読む

    投稿日:2019.07.19

  • 流石、柚木作品

    柚月作品は、ストーリー展開もさることながら、その文章の読み安さに毎回感度させられています。
    本作品も期待通りの素晴らしい作品と思います。益々柚月ファンになってしまいました。

    投稿日:2020.02.11

ブクログレビュー

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  • 1792968番目の読書家

    1792968番目の読書家

    一気に読み切ってしまった。
    すごくやるせない気持ちになった…。
    虐待がこの世から無くなればいいのに。何があっても弱者を虐げていい理由にはならない。みんなが幸せになる方法はなかったのかな…。

    投稿日:2024.03.29

  • ハル

    ハル

    暗く悲しい話だった。人はなぜ犯罪を犯してしまうのか。幼少期の虐待が姉妹の人生を狂わせた。果たして親と言うだけで家に戻して良いものだろうかと言う作者の問いかけがあると思う。また、虐待が幼少期にあったとしても、困難を抱えながらも一生懸命に生きている人もいることを考えれば、ステレオタイプに読んではいけない小説だと思う。続きを読む

    投稿日:2024.01.31

  • シマウマシマシマ

    シマウマシマシマ

    結末が気になってどんどん読めた。おもしろかった。
    けど読後の真新しさは特になくて、どこかで読んだことあるようなつらい話だったかな。

    展開も早くてほぼ1日で読了。2時間ドラマになりそうです。
    結婚詐欺というワードに惹かれて手に取ったけど、そこは物語の核ではなかった。たまたまターゲット探しに使ったのが結婚詐欺だっただけ。続きを読む

    投稿日:2023.11.28

  • osono

    osono

    結婚詐欺や美人というワードから女か色恋に纏わる話かと思って読み始めたらとんでもない間違いだった。姉妹の生い立ち、暗く救いようのない事件の結末が明かされるまでの畳み掛ける展開に数時間で読了。流石柚月作品。いつも彼女の扱うテーマは現実的で夢物語ではないが、一方で日常的な場面や人とのやりとりがさりげなく魅力的に描かれているので後味が思いのほか良い。福井へ取材にいく描写などライターという生活にも焦点が当てられているので、仕事物としても面白かった。続きを読む

    投稿日:2023.11.12

  • today-piglet

    today-piglet

    結婚詐欺容疑で介護士の冬香が逮捕された。
    婚活サイトで知り合った複数の男性が亡くなっていたのだ。
    美貌の冬香に関心を抱いたライターの由美が事件を追うと、冬香の意外な過去と素顔が明らかになり……。

    んでると辛い場面が出てきて、心がえぐられる。
    環境が異なるだけでこんなにも人生が変わってくるのか…と感じた作品だった。
    本の世界だけど、自分はまだ恵まれているとも思うし、生き方を考えさせられる話だった。
    続きを読む

    投稿日:2023.10.17

  • highriver

    highriver

    読後は決して爽やかではない。しかしイヤミスではない。読むだけで胸が苦しくなるような悲劇の実態を描いた作品だ。

    タイトルになっている「蟻の菜園」は共依存を表現したものだが、この作品の悲劇の根幹はそれではなく、胸糞が悪くなるような児童虐待だ。最近、巷間を賑わせているJ事務所の問題も児童虐待だが、この手の話は被害者が名乗り出ないと表沙汰にならないにも関わらず、被害者からの告発がないケースが多いようだ(J事務所の件はずっと以前から声をあげた人々がいたがマスコミが無視をしたという最悪のケースだが)。被害者が名乗り出ずに忍耐を続けているが故に虐待がエスカレートしていく。事案は違えど共通の構図だ。

    世の中から少しでも児童虐待を減らすために私たちが出来ることは何だろうか。
    多分そんな大袈裟なことではなく、知人や隣人にもう少しだけ関心を持つ。それが第一歩のように思う。
    柚月裕子は昭和の雰囲気を持つキャラクターを描くのが上手いが、古き良き昭和のような周囲とのコミュニケーションこそが、悲劇を減らす切っ掛けだと作者は感じているのかもしれない。
    続きを読む

    投稿日:2023.10.16

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