【感想】国家と教養(新潮新書)

藤原正彦 / 新潮新書
(47件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
14
14
10
3
1
  • 読書は国家存亡にも影響するってことです

    超ざっくり言うと、民主主義国家を維持するには国民一人一人が高い教養を身につけなければならず、そのためにはいっぱい本を読めと。グローバリゼーションとか言って欧米文化ばかりを追っかけるな。日本の方が断然凄いんだぞと。とまあ、いつもの藤原節が炸裂。チャーチルを無能な政治家と言い切るあたりも気持ちいい。国家の繁栄や衰退と学問や教養との相関関係を世界史の流れを通して説明してくれるので大変勉強になった。「1日に1頁も本を読まない人間はケダモノと同じだ」という藤原先生の祖父様の言葉は強烈だけど頷ける。続きを読む

    投稿日:2019.11.15

ブクログレビュー

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  • はや屋

    はや屋

    このレビューはネタバレを含みます

    私は大分の唐揚げが大好きだ。
    でも、それを食べなくても幸せに生きれる。
    そして、大分の唐揚げを食べずに人生を終える人を
    心底気の毒だと思う。

    誰かにとっての唐揚げは、なくてもいいもの。
    誰かにとっての唐揚げは、人生を最高においしくする。

    教養のとらえ方は、こういうことなんだと思う。

    そして教養は、そんなことあるのか、というモノの見え方を広げて、考える人を作ってくれる。
    その教養は体験でも読書でも深まる。
    ただ、読書をさけては深められないんだということを著書の中で明快に示してくれてます。

    そして縁遠い国家という言葉。
    そこで国家を、大分の唐揚げ、と強引に言い換えてみた。
    グッと近づいた。

    「大分の唐揚げを後世に残したい。」

    なんだか可愛くもあり、かっこよくもあり、
    私の言いたいことに他ならないです。
    きっと、ここに行きつけたのは読書した成果だと思う。

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    投稿日:2023.12.09

  • 1784933番目の読書家

    1784933番目の読書家

    教養は本質を見出し価値基準を構築するためのものである。昨今、日本国を含む各国は、利益追従型の経済を求め、教養が失われた。国家としての体が損なわれている。今こそ、人文、社会、科学、大衆文化的教養を改めて、読書を通じて取得していくべき。
    ※教養と国ごとの関連性の歴史は理解はするものの、大筋の流れの中で、歴史を語った流れの結びつけが少々理解が難しいように感じられた。
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    投稿日:2022.09.25

  • たけ坊

    たけ坊

    ところどころに出てくる老害のような自己顕示が生理的に嫌だったが、教養とそれが歴史に与えた影響に関する考察は納得がいく。
    教養の価値が失われている現代という捉え方には反対。そもそもこの本が教養ブームに乗っているように見えるのだが。
    アレクサンドリアに世界最大の図書館が作られたが、5世紀には内戦や失火等で跡形もなくなった。学者や書籍はコンスタンティノープルに逃れ、その後アッバース朝の都となったバグダッドでも学術が栄えた。イタリアの都市国家が栄え、交易が盛んになるにつれてアラビア語に訳された古代ギリシャの知的遺産がヨーロッパにもたらされた。そしてビザンチン帝国の衰退とともにコンスタンティノープルからイタリアに逃れた学者たちがルネサンスをもたらした。しかし、2つの世界大戦を止めることができなかった教養はその魅力を失ってしまった。日本では明治維新後に西洋の文物を押しいただいて受け入れたが、結局日本古来の形や情緒のない頭でっかちで、第二次世界大戦へ突き進んだり、バブル後に何も考えずに規制緩和を唱和するようになってしまった。最後に教養の磨き方1つとして、大衆文化教養を奨めている。
    続きを読む

    投稿日:2022.04.14

  • Ronnio

    Ronnio

    非常に刺激的だった。
    ・教養の変遷という視点からではあるが、人類史における大きな流れや転換期をストーリーとして理解しやすくなる。歴史の一テキストといっても良いかもしれない。

    ・各イデオロギーにはそれぞれのデメリットがあるが、教養がその打開策になりうるというのは個人的に大きな発見だった。

    ・これまで民主主義は最善と考えていただけに、批判的思考がまだまだ足りていないと自覚されられた。

    ・本書の構成や解説は論理的でとても読みやすくありつつ、主観をしっかりと盛り込み、個人的な感情を明確に出している。このことこそが、教養ある人が持ちうる、いわるゆ「論理一辺倒ではなく情緒や形を基盤とした思考」である証左といえよう。
    主張の内容を文体で体現しているこのスタイルは、他に頭に浮かんだものとしては(例として不適切かもしれないけれど)例えば漫画のバクマンなどにも共通している。
    各所に英国仕込みと思われるユーモアも忘れない。

    主観をはっきり打ち出すと、今日では「それはあなたの感想ですよね?」とでも揶揄されそうではあるけれど、教養や、ある程度のリテラシーがあればそれもまた一意見として受け止められるだろう。
    著者の域に立ち、それを超えられるまで、更に精進していきたい。
    続きを読む

    投稿日:2021.11.21

  • 7*7

    7*7

    2021.10.2

    正しさを測るための価値観、それを身につけるためには教養が必要。教養はさまざまな体験から得られるけれども実体験には限度がある、故に読書は必須。

    投稿日:2021.10.03

  • ちいちゆ

    ちいちゆ

    民主主義は一人一人がしっかりしないといけないからたくさん教養を身につけたい。
    1ページでも多く本を読みたい。

    投稿日:2021.09.13

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